JP2007060721A - 撮像装置、撮像方法、及びコントロールユニット - Google Patents

撮像装置、撮像方法、及びコントロールユニット Download PDF

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Abstract

【課題】 使用者が意識することなく、場合に応じて必要な方向の光景が高品位撮像できるようにする。
【解決手段】携帯しながらの撮像が可能な撮像装置であって、撮像映像信号を得る撮像手段と、コントローラ、モニタ部、操作部、ストレージ部、サーバを備えた通信先へ、撮像手段で撮像した映像データを送信し、通信先からデータを受信する送受信通信手段と、通信先から受信したデータを表示する表示手段を有するコントロールユニットとを備える。
【選択図】 図10

Description

本発明は、撮像装置、撮像方法、及びコントロールユニットに関するものである。
例えば携帯用ビデオカメラなどとして撮像装置が普及しており、業務用や一般家庭用途などに用いられている。
ところで従来のビデオカメラでは、使用者は撮像を行う際には、被写体、ビデオカメラの各種操作、バッテリー容量、記録媒体の記録可能容量(記録可能残時間)など、非常に多様のことを意識していなければならない。
これは、使用者が撮像作業に集中しなければならないことを意味し、例えば他のことを行いながら、撮像作業に集中することなく撮像できるというものではない。
ビデオカメラの用途は多岐にわたり、例えば一般家庭では運動会その他のイベント撮影や子供の成長記録などに利用されているが、実際には使用者が或る作業を行いながら、その過程を撮像しておきたい場合など、撮像に集中できない状況は多い。
また、ビデオカメラは監視/警備用の用途としても有効であるが、通常は特定の位置に固定された監視用カメラが利用される。また携帯型のビデオカメラであれば、警備員や警察官などが携帯することも可能であるが、使用しやすいものではない。即ち警備員や警察官などは、本来監視・警備のために周囲に注意を払っていなければならず、ビデオカメラに集中して撮像操作を行うことはできない。このため警備員や警察官が常にビデオカメラを携帯してパトロールを行うことは通常行われない。
しかしながら、パトロール中に同時にビデオ撮像を行うことは警備上有効であると考えられる。
これらのことから、特に操作に集中しなくても撮像可能な撮像装置が要望される。
また、ビデオカメラで撮像したい光景や、映像データとして残しておくことに価値のある光景は、撮像者に対してどちらの方向であるかは不定である。特にパトロール中や他の作業を行いながらの撮像など、使用者があまり意識しないで撮像するような用途を考えると、ビデオカメラによって好適な撮像はなされにくい。
そこで、使用者が撮像操作に集中しないまま、適切な方向の光景を、適切な品質の映像として撮像できるようにすることも求められている。
そこで本発明は、使用者が操作に集中しなくても、必要時において適切な方向の光景について高品質な映像が撮像できるようにすることを目的とする。
そのために撮像装置は、携帯しながらの撮像が可能な撮像装置であって、撮像映像信号を得る撮像手段と、コントローラ、モニタ部、操作部、ストレージ部、サーバを備えた通信先へ、上記撮像手段で撮像した映像データを送信し、上記通信先からデータを受信する送受信通信手段と、上記通信先から受信した上記データを表示する表示手段を有するコントロールユニットとを備える。
さらに、撮像映像信号を得る撮像手段を備えた携帯しながらの撮像が可能な撮像装置のコントロールユニットであって、上記コントロールユニットは、コントローラ、モニタ部、操作部、ストレージ部、サーバを備えた通信先へ上記撮像手段で撮像した映像データを送信し、上記通信先からデータを受信する送受信通信手段と、上記通信先から受信した上記データを表示する表示手段とを有する。
以上の説明から理解されるように本発明によれば、レート変更条件の検出に応じて第1の方向の撮像映像信号と、第2の方向の撮像映像信号とで、圧縮処理の圧縮レート、フレーム処理のフレームレートの両方又は一方を異なるものとする。つまり、第1の方向と第2の方向とで撮像する映像データの品質を変化させることができる。
従って、どの方向の光景について高品質の映像データを求めるかという状況に応じて、適切な映像データの記録/送信が実現できるという効果がある。
特にレート変更条件は、使用者によるレート変更操作、レート変更指示の信号の受信、一方の方向からの所定値以上の音量状態、一方の方向からの特定のターゲット音声、一方の方向での画像の所定の動き状態、一方の方向での特定のターゲット画像、所定区域内(及び方位)の全部又は一部とすることで、場合に応じて適切な方向の光景について、高品質な映像の撮像が可能となる。
またこれによって使用者が操作することが困難な状況であっても対応できる。
換言すれば、使用者に撮像操作負担をかけること無く、時と場合に応じた適切な方向の映像を高品質で得ることができるようになり、他の作業をしながらの撮像や、例えば警察官や警備員のパトロール中の携帯撮像用途などに非常に好適である。
さらに、前方と後方など広く周囲を撮像し、かつ重要な光景の方向が高画質撮像されることは、警備上、又は警備員自身の安全上などにおいても好適となる。
また撮像装置に対して撮像管理装置(管理局)からレート変更指示を行えることで、警備上の指揮や状況把握、緊急事態への対応などにも好適である。
またターゲット画像、ターゲット音声などのレート変更条件を撮像管理装置側から撮像装置に設定させることができるようにすることで、警備や捜査の目的に合わせた撮像に好適である。
圧縮処理及び/又はフレーム処理を行った第1の方向及び第2の方向の撮像映像信号を記録媒体に記録するようにすれば、例えばパトロール中の映像などであって、特に、重要な光景となった方向の映像を高画質で保存でき、その後の捜査資料、証拠映像などとして利用できるものとなる。
また圧縮処理及び/又はフレーム処理を行った第1の方向及び第2の方向の撮像映像信号を送信出力することで、撮像管理装置(管理局)などにおいて例えばパトロール映像をモニタしたり、記録媒体に保存でき、特に、重要な光景となった方向の映像を高画質でモニタしたり保存できる。これは警備状況、治安状態、事件現場などを把握しての指揮を管理局から可能としたり、或いは警備員自身の安全性を向上させる。
圧縮処理及び/又はフレーム処理のレート変更は、使用者の操作により可能とすることで、使用者の都合に合わせた方向について、高品質撮像ができる。
また、通信手段によって受信されたレート変更指示の信号により、レート変更されることで、撮像管理装置(管理局)、或いは他の使用者(他の警備員等)側の都合に応じて、望ましい方向についての高品質撮像ができる。
特に事件発生時などにおいて、撮像管理装置が現場周辺の各警備員、警察官などが使用している撮像装置に指示を出し、必要な方向についての映像に対する圧縮レートを下げ、及び/又はフレーム処理のフレームレートを上げさせることで高品質撮像を行わせることが可能となるため、状況確認や事件解決のために非常に有効である。
また一方の方向からの所定値以上の音量状態、一方の方向からの特定のターゲット音声、一方の方向での画像の所定の動き状態、一方の方向での特定のターゲット画像の検出によってレート変更を行い、必要な方向について高品質撮像を実行する。これも、通常とは異なる何らかの事態が発生した場合であるため、緊急時の処理として適切なものとなる。
さらに、現在位置が所定区域内となった場合に、所定の方位となっている方向について高品質撮像を実行させることで、特に危険地区、重点警戒地区など特定の場所を重点的に高品質撮像したいような用途に好適である。
また、警備・警察での使用による効果を述べたが、一方の方向からの所定値以上の音量状態、一方の方向からの特定のターゲット音声、一方の方向での画像の所定の動き状態、一方の方向での特定のターゲット画像の検出、指定区域(及び方位)によってレート変更を行い、必要な方向について高品質撮像を実行することは、一般の用途でも適切となる。例えばイベントなどで歓声が大きくなったときに、その歓声の上がった方向について高品質撮像を行うことで、重要な場面を高品質で撮像できるものとなったり、指定区域及び方位による場合は、例えばハイキング中などに特定の区域の風景を高品質撮像できるなど、本発明の効果を有効に利用できる機会は多い。
以下、本発明の撮像装置、撮像方法の実施の形態となるビデオカメラについて次の順序で説明していく。
1.ビデオカメラの態様及びシステム構成
2.ビデオカメラの構成
3.撮像動作モード
4.操作又は指示によるレート切換
5.音声検査によるレート切換
6.画像解析によるレート切換
7.位置検出によるレート切換
8.変形例
1.ビデオカメラの態様及びシステム構成
図1に本実施の形態のビデオカメラの外観例を示す。
このビデオカメラは、カメラユニット1とコントロールユニット10から構成される。カメラユニット1とコントロールユニット10はケーブル31により信号伝送可能に接続される。
カメラユニット1は、例えば図2に示すように使用者の肩に装着される。一方、コントロールユニット10は使用者の腰、或いは衣服のポケット等に装着又は保持される形態とし、即ち使用者が手を使用せずに、携帯しながらの撮像が可能な状態とされる。
カメラユニット1を肩に装着する手法は多様に考えられ、ここでは詳述しないが、使用者の衣服(警備用のジャケット等)に、カメラユニット1の台座部6を保持する機構が形成されたり、或いは装着用ベルトなどによって肩部分に装着されるようにすればよい。
なお、カメラユニット1が例えば使用者がかぶるヘルメットの上部や側面に固定されたり、或いは胸部、腕部に装着されるなども考えられるが、肩部分は、使用者が歩行している場合でも最も揺れが少ない部分であり、従って撮像を行うカメラユニット1を装着する部位としては最適である。
図1に示すように、カメラユニット1には、前方カメラ部2aと後方カメラ部2bの2つのカメラ部が設けられる。また前後カメラ部2a,2bに対応して前方マイクロフォン3a、後方マイクロフォン3bも設けられる。
前方カメラ部2aは、図2の装着状態において使用者の前方の光景を撮像するものとされ、後方カメラ部2bは使用者の後方の光景を撮像するものとされる。
前方カメラ部2aと後方カメラ部2bは、それぞれ広角レンズを搭載しており、その撮像視野角は図3に示すように比較的広角とされ、前方カメラ部2aと後方カメラ部2bを合わせることで、使用者の周囲をほぼ全周にわたって撮像できるようにしている。
前方マイクロフォン3aは、図2の状態で使用者の前方方向に高い指向性を有するマイクロフォンとされ、前方カメラ部2aで撮像する光景に対応する音声を集音する。
後方マイクロフォン3bは、図2の状態で使用者の後方に高い指向性を有するマイクロフォンとされ、後方カメラ部2bで撮像する光景に対応する音声を集音する。
なお、前方カメラ部2aと後方カメラ部2bの各撮像範囲としての前方視野角及び後方視野角をどの程度とするかは、採用するレンズ系の設計などにより各種設定できることは言うまでもない。当該ビデオカメラの使用が想定される状況に応じて視野角が設定されればよい。もちろん、前方視野角と後方視野角を同角度とする必要もなく、また機種によっては、視野角をあえて狭く設計することも考えられる。
前方マイクロフォン3a、後方マイクロフォン3bの指向性についても同様であり、用途に応じて各種の設計が考えられる。例えば無指向性のマイクロフォンを1つ配置するような構成も考えられる。
カメラユニット1の上部には発光部4が形成される。例えばLED素子などにより発光を行う。この発光部4は、前後カメラ部2a、2bにより撮像が行われている際に発光を行う。発光態様は連続的な発光でも点滅動作でも良い。
発光部4が発光することにより、周囲の人に、当該ビデオカメラが撮像動作を行っていることを明示する。これは、当該ビデオカメラが盗撮目的で使用されているものではないことを周囲に知らしめるものとなる。また、例えば警備員や警察官が使用している際においては、発光部4により撮像実行中であることが提示されることで、防犯効果を高めるものともなる。
コントロールユニット10は、カメラユニット1で撮像された映像信号(及び音声信号)をメモリカード30に記録する記録機能や、アンテナ12から後述する管理局に送信出力する機能、さらに表示・操作などのユーザーインターフェース機能等を備える。
例えばコントロールユニット10の前面には、液晶パネル等による表示部11が設けられる。
また所要位置に通信用のアンテナ12が形成される。
またメモリカード30を装着するカードスロット13が形成される。
さらにスピーカ部14やヘッドホン端子19として電子音や音声を出力する部位が形成される。
また例えばUSB、IEEE1394など、所定の伝送規格により情報機器との間でデータ伝送を行うためのケーブル接続端子15が設けられる。
使用者が操作を行うための操作子としては、電源スイッチ16,各種操作キー18,エマージェンシースイッチ17などが形成される。
操作キー18は、例えばカーソルキー、エンターキー、キャンセルキーなどとして、表示部11での表示上でカーソル操作を行って操作入力を行うものとして、多様な操作入力が可能なものとしてもよいし、撮像開始、停止、モード設定その他の基本操作のための専用キーが設けられても良い。
また電源スイッチ16や操作キー18については、図示するようにスライドスイッチ形態や押圧スイッチとする以外に(或いはこれらと併用して)、例えばジョグダイヤル、トラックボールなどの操作子を採用しても良い。
エマージェンシースイッチ17は、特に緊急時に使用者が操作することを想定したもので、操作余裕のない状態などにおいて視認しなくても確実に操作できるように大型の操作ボタンを採用することが好適である。
また、平常時に誤って操作することがないように、或る程度の押圧力を必要とするようにしたり、図示するようにボタン表面をコントロールユニット10の表面より一段低く設定するなどの工夫がされると良い。
もちろん押圧ボタン形態でなく、使用者がコントロールユニット10を叩くことを検出するようにしたり、使用者の声を認識してエマージェンシー操作と認識するなど、多様な形態が考えられる。
本例のビデオカメラの構成については、後に図5で述べるが、例えばこのようにカメラユニット1とコントロールユニット10によって形成される本例のビデオカメラを図2のように使用者が装着することで、ハンズフリーかつほぼ無意識での撮像が可能となる。従って、何らかの作業をしながらその作業光景を撮像したり、イベント等を楽しみながら撮像したり、警備員や警察官のパトロール中に撮像を行うことに好適となる。
本例のビデオカメラは、撮像した映像データをメモリカード30に記録する機能と、送信出力する機能を有するが、これらの機能を例えば警備・警察用途を想定した場合により有効化するシステム例を図4に示す。
ビデオカメラのコントロールユニット10は、例えば公衆回線32を介して管理局40とデータ通信が可能とされる。このために例えばコントロールユニット10には携帯電話或いはPHS等の通信機能が備えられる。なお、公衆回線32ではなく、専用回線によって通信可能とされても良い。
管理局40は、例えば本例のビデオカメラを装着してパトロールを行う一人又は複数人の警察官・警備員を指揮・管理する組織等とする。
管理局には、コントローラ41,モニタ部42,操作部43,ストレージ部44、リモートアクセスサーバ45,メモリカードスロット46等が備えられる。
コントローラ41は管理局40内のシステムを制御する。
モニタ部42は、例えばディスプレイやスピーカ等で構成され、オペレータに映像や音声を出力する。
操作部43はキーボード等の操作、マイクロホン、カメラ等を備え、オペレータが各種操作入力や情報入力を行うことができるようにされている。
ストレージ部44はHDD(ハードディスクドライブ)や光ディスクドライブ、磁気テープドライブなどとされ、記録媒体に対して情報の記録再生を行う。
リモートアクセスサーバ45は、公衆回線32を介した管理局40とビデオカメラのコントロールユニット10との間の通信動作を行う。
メモリカードスロット46は、ビデオカメラのコントロールユニット10において記録媒体とされているメモリカード30に対するスロットであり、コントローラ41によってメモリカード30にアクセス可能とされる。
警備員等が所持するコントロールユニット10には、カメラユニット1で撮像した映像データ(及び音声データ)を送信する機能が備えられるが、その映像データは公衆回線32を介して管理局40に送信される。
管理局40では、コントローラ41の制御に基づいて、当該送信されてきた映像データをストレージ部44に蓄積させたり、モニタ部42に映像・音声として出力させることができる。
即ち管理局40においては、警備員等がビデオカメラを所持してパトロールを行うことで、管理局側のオペレータも警備員等がパトロールしている場所の映像や音声を確認でき、また、パトロール中の映像・音声をデータとして蓄積することで、後の捜査、分析、証拠資料などとして利用することができる。
さらに警備員等が使用しているビデオカメラにより撮像されている映像(及び音声)が、このように管理局40によってもモニタリングされていることが一般に周知されるようにすれば、犯罪抑制効果や警備員等の安全性向上効果も、より増大する。
警備員等がビデオカメラで撮像した映像(及び音声)は、コントロールユニット10に装填されているメモリカード30に記録することもできるが、警備員等はパトロール後においてメモリカード30を管理局40に受け渡すことで、パトロール報告資料ともなる。管理局40では、警備員等から受け渡されたメモリカード30をメモリカードスロット46に装填し、コントローラ41の制御によって、メモリカード30に記録された映像や音声を読み出すことで、当該映像・音声をモニタ部42に出力させたり、ストレージ部44に蓄積することができる。
管理局40からビデオカメラ(コントロールユニット10)に対しては各種指示情報やデータを送信することができる。
後述するが、操作部43によるオペレータの操作や、コントローラ41の動作プログラム等に基づいて、撮像動作のレート切換を指示する指示情報をコントロールユニット10に対して送信できる。
また、警備上の指示を音声データ、画像データ、テキストデータとして送信したり、地図、犯人の写真やモンタージュなどとしての画像や音声をパトロール用の資料として送信できる。
さらに後述するが、ターゲット音声、ターゲット画像などとしてのレート変更条件のデータをビデオカメラのコントロールユニット10に送信し、セットさせることもできる。
ビデオカメラのコントロールユニット10では、オペレータの指示や資料としての音声をスピーカ14やヘッドホン端子19から出力して使用者に出力する。
また指示や資料として送信されてきた画像データやテキストデータを表示部11に表示させて使用者に提示する。
なお、ここではビデオカメラと管理局40の間の通信を述べたが、例えば複数の警備員等が直接的にデータ通信を行うようにしても良い。
例えばコントロールユニット10が備える通信機能を携帯電話やPHSの通信機能とすることで、一般公衆回線を介して通信が可能となる。またその際に、管理局40が、いわゆる中継局として機能しても良い。
また、図4のシステムを警備・警察用途として述べたが、一般ユーザーの利用するシステムとしても適用できる。
例えば管理局40に相当する機能をユーザーの自宅のパーソナルコンピュータが備えるようにし、ビデオカメラで撮像した映像・音声を伝送できるようにする。すると、ユーザーが撮像している映像データは自宅のパーソナルコンピュータにおけるHDD等に保存できることになる。
このようにすれば、例えばユーザーが撮像時にメモリカード30を持っていなかった場合や、メモリカード容量の余裕のないときなどでも、それを気にしないで撮像できることとなる。
2.ビデオカメラの構成
図5にビデオカメラの構成例を示す。
上述したようにカメラユニット1には前方カメラ部2a、後方カメラ部2bが設けられる。
前方カメラ部2aによる撮像光はCCD部5aによって撮像映像信号とされる。そしてゲイン調整などの所定の信号処理が行われ、ケーブル31によりコントロールユニット10に供給される。
同様に後方カメラ部2bによる撮像光はCCD部5bによって撮像映像信号とされる。そしてゲイン調整などの所定の信号処理が行われ、ケーブル31によりコントロールユニット10に供給される。
また前方マイクロフォン3a、後方マイクロフォン3bによって得られた音声信号もケーブル31によりコントロールユニット10に供給される。
またカメラユニット1内には方位センサ7が設けられる。方位センサ7はカメラユニット1の方位を検出する。例えばカメラユニット1が向いている方向(前方カメラ部2aの撮像方向)が東西南北のいずれの方向かを検出し、その方位検出信号をコントロールユニット10に供給する。
コントロールユニット10において、コントローラ51は全体の動作制御を行う。コントローラ51はCPU、RAM、ROM、フラッシュROM等を備えたマイクロコンピュータにより形成される。
ケーブル31によりカメラユニット1から伝送されてきた前方カメラ部2aによる撮像映像信号、及び前方マイクロフォン3aによる音声信号は、ストレージエンコード部53a及び通信エンコード部54aに入力される。
また後方カメラ部2bによる撮像映像信号、及び後方マイクロフォン3bによる音声信号は、ストレージエンコード部53b及び通信エンコード部54bに入力される。
ストレージエンコード部53a、53bは、入力された撮像映像信号(及び音声信号)に対して所定の圧縮方式によるデータ圧縮処理、フレーム抽出処理、及びメモリカード30に対して記録する際の記録フォーマットへのエンコード処理を行う。
データ圧縮処理の際の圧縮レート、及びフレーム抽出処理の際のフレームレートはコントローラ51からのレート制御信号CRにより制御される。
ストレージエンコード部53a、53bの出力はマルチプレクサ55によって選択され、記録部57に供給される。マルチプレクサ55の動作はコントローラ51からの選択制御信号CXによって制御される。
記録部57は、図1に示したメモリカードスロット13に装填されているメモリカード30に対して記録及び再生を行う。そのアクセス動作はコントローラ51からのリード/ライト制御信号により制御される。
記録部57はコントローラ51の制御に基づいて、マルチプレクサ55を介して供給されたデータをメモリカード30に記録する。
従ってメモリカード30には、コントローラ51によって制御される、ストレージエンコード部53a、53bでの圧縮レート、フレームレートによる品質レベルの映像データが記録されるものとなる。
また記録部57は、コントローラ51の制御に基づいて、メモリカード30に記録されている映像データ(及び音声データ)を読み出す動作を行う。
メモリカード30から読み出された映像データ及び音声データは、コントローラ51に供給され、コントローラ51はこれを表示部11に供給して表示出力させたり、スピーカ14(ヘッドホン端子19)に供給して音声出力させることができる。
さらに記録部57によりメモリカード30から読み出された映像データ及び音声データについては、デコーダ58でデコード処理した後、エンコーダ59で通信用のエンコード処理を施して送信信号処理部60に供給することもできる。
通信エンコード部54a、54bは、入力された撮像映像信号(及び音声信号)に対して所定の圧縮方式によるデータ圧縮処理、フレーム抽出処理、及び送信出力する際の通信フォーマットへのエンコード処理を行う。
データ圧縮処理の際の圧縮レート、及びフレーム抽出処理の際のフレームレートはコントローラ51からのレート制御信号CRにより制御される。
通信エンコード部54a、54bの出力はマルチプレクサ56によって選択され、送信信号処理部60に供給される。マルチプレクサ56の動作はコントローラ51からの選択制御信号CXによって制御される。
送信信号処理部60は、マルチプレクサ56を介して供給された映像データ(及び音声データ)が供給されると、そのデータに対して送信用の変調処理を施し、通信部62に供給する。通信部62は高周波変調・増幅などの処理を行って、アンテナ12からデータ送信を行う。この送信データは管理局40によって受信される。
従って管理局40には、コントローラ51によって制御される、通信エンコード部54a、54bでの圧縮レート、フレームレートによる品質レベルの映像データが伝送されるものとなる。そして管理局40では警備員等の周囲の光景や音声、或いは警備員自身の声等をモニタリングできる。
また、上述のように記録部57によってメモリカード30から再生された映像データ(及び音声データ)が送信信号処理部60に供給される場合も、送信信号処理部60は、その映像データ(及び音声データ)に対して送信用の変調処理を施し、通信部62で高周波変調・増幅などの処理が行われて、アンテナ12から管理局40にデータ送信が行われる。
従って管理局40では、メモリカード30に記録されている圧縮レート、フレームレートによる品質レベルの映像データが伝送される。
また、コントローラ51は、撮像又は再生した映像・音声データ以外に、管理局40に対する通知情報を送信できる。例えばエマージェンシースイッチ17が操作された際には、緊急発生通知、現在位置情報、ID等の通知情報をエンコーダ59に供給する。すると、エンコーダ59,送信信号処理部60,通信部62の処理により、これらの通知情報が管理局40に送信される。
なお、現在位置情報とは、GPSデコーダ65によって得られる位置情報である。またIDとは、当該ビデオカメラに固有に付与されたIDであり、コントローラ51が内部のフラッシュROM等に記憶している情報である。
管理局40から送信されてくる指示情報や各種データは、アンテナ12によって受信され通信部62で高周波復調、増幅等が行われた後、受信信号処理部61でデコードされる。そしてコントローラ51又は記録部57に供給される。
コントローラ51は、管理局40からの指示情報が受信されることに応じて、その指示情報に応じた制御を行う。
また、管理局40から画像データ、音声データ、テキストデータ等が送信されてきた場合は、受信されたそれらの情報を、表示部11やスピーカ14等により使用者に対して出力したり、記録部57においてメモリカード30に記録させることができる。
これらの送信信号処理部60,受信信号処理部61,通信部62の動作はコントローラ51からの通信制御信号CTにより制御される。
コントローラ51は、呼及び回線接続処理、データ送信/受信処理などを制御して通信を実行させる。
そして送信信号処理部60,受信信号処理部61,通信部62については、携帯電話或いはPHSで用いられている処理方式を採用することで、現在一般に普及している公衆回線網を利用した通信が可能となる。
なお、この通信機能によるデータ送信先、データ受信元は管理局40ではない場合も考えられる。例えば他の警備員等が所持する本例のビデオカメラのコントロールユニット10との間で通信を行うようにすることも当然可能である。
操作キー18は、図1で説明したようにコントロールユニット10の筐体上に設けられる操作子である。例えばコントローラ51は表示部11に各種操作メニューを表示させ、使用者は操作キー18によるカーソル操作やエンター操作により、メニュー上で操作入力を行う。コントローラ51は操作キー18を用いた使用者の操作に応じて所定の制御を行う。例えば撮像動作の開始/停止、動作モード、記録・再生、通信、レート制御などのための各種制御を使用者の操作に応じて実行する。
もちろん操作キー18は表示部11での操作メニューに対応する操作子でなくてもよく、例えば撮像開始キー、停止キー、モードキーなどとして用意されてもい。
コントロールユニット10にはGPSアンテナ66及びGPSデコーダ65が搭載される。GPSアンテナ66は、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信し、GPSデコーダは当該受信信号をデコードして、現在位置情報としての緯度、経度を出力する。
コントローラ51はGPSデコーダからの緯度、経度のデータにより現在位置を把握でき、現在位置が所定の地区内であるか否かの判断を行ったり、現在位置情報を送信出力することができる。
さらに上述したようにカメラユニット1内には方位センサ7が設けられており、コントローラ51は方位情報が入力される。
これによってコントローラ51は、現在の前方カメラ部2aの撮像方向、後方カメラ部2bの撮像方向の方角を検出することができる。
エマージェンシースイッチ17が操作された場合は、コントローラ51は緊急処理を行う。例えば管理局40等に対して緊急通知、ID通知、GPSデコーダ65から得られた現在位置情報の通知のための送信制御を行う。
コントロールユニット10には衝撃センサ67が搭載される。衝撃センサ67は使用者又はコントロールユニット10自体に外部から加えられた衝撃が所定以上であった場合にコントローラ51に検出信号を出力する。
衝撃検出時も、緊急事態として、コントローラ51は例えば管理局40等に対して緊急通知、ID通知、GPSデコーダ65から得られた現在位置情報の通知のための送信制御を行うようにしてもよい。
表示部11は、コントローラ51の制御により各種表示動作を行う。即ち操作メニュー表示や、動作状態の表示、管理局40等から受信された画像、テキスト等の表示、記録部57においてメモリカード30から再生された映像の表示などが行われる。また図5では信号経路の図示を省略したが、前方カメラ部2a、後方カメラ部2bで撮像された撮像映像信号が供給されて表示されることで、撮像状態のモニタ表示も可能である。
スピーカ部14(及びヘッドホン端子19)からは、コントローラ51の制御によって各種音声が出力される。
例えば管理局40等から受信された音声データに基づく音声出力、アラーム音の出力、データ受信を使用者に伝える着信音出力などが行われる。また図5では信号経路の図示を省略したが、前方マイクロフォン3a、後方マイクロフォン3bで集音された音声信号が供給されて出力されることで、撮像時の音声モニタ出力も可能である。
ケーブル接続端子15においては、外部情報機器との間でのケーブル接続により、所定のインターフェース規格によるデータ伝送が可能とされる。例えばコントローラ51の動作プログラムのバージョンアップのためのアップロードや、メモリカード30から再生されるデータの外部機器への伝送、さらには後述するターゲット音声やターゲット画像としてのデータのデータロードなども可能である。
コントロールユニット10には画像解析部63が設けられる。
画像解析部63には、前方カメラ部2a、後方カメラ部2bで撮像された撮像映像信号が供給され、供給された各撮像映像信号に対して各種の解析処理を行う。例えば撮像映像信号としての各フレームの比較処理から被写体の動きを検出したり、特定の画像、例えば特定の色、建物、光景、人物がターゲット画像としてコントローラ51によりセットされることで、そのターゲット画像に一致又は類似する画像が撮像されたか否かを検出するなどの処理を行う。
画像解析部63の検出情報はコントローラ51に出力され、コントローラ51は検出情報に応じてレート制御などの所定の制御を行う。
またコントロールユニット10には音声検査部64が設けられる。
音声検査部64には、前方マイクロフォン3a、後方マイクロフォン3bで集音された音声信号が供給される。そして供給された音声信号に対して検査処理を行う。
例えば前方マイクロフォン3a、後方マイクロフォン3bからのそれぞれの音声信号について、音量レベルが所定値以上であるか否かの検査処理を行う。この場合、前方/後方の音量差や遅延状態などから、前方、後方のどちらで大音量が発生したかの検出も行う。
また特定の音声、例えば非常ベル等の警報音、爆発音、事故発生音、車両音、特定の人物の声紋などがターゲット音声としてコントローラ51によりセットされることで、そのターゲット音声に一致又は類似する音声が入力されたか否かを検出するような処理が行われる。特にこの場合も、前方マイクロフォン3a、後方マイクロフォン3bからのそれぞれの音声信号について検出されるターゲット音声についての音量差や遅延状態などから、前方、後方のどちらでターゲット音声が発生したかの検出も行う。
これらの検査処理による検出情報はコントローラ51に供給され、コントローラ51は検出情報に応じてレート制御などの所定の制御を行う。
電源スイッチ16がオン操作された場合、電源部52が動作電源電圧VDDを各部に供給する動作を開始し、当該ビデオカメラを電源オン状態とする。電源部52は、乾電池、充電池等のバッテリーを内蔵し、バッテリーを電源として各部に電源供給を行う。
カメラユニット1における発光部4は、例えば電源オン状態となって電源電圧VDDが供給されることによって発光動作を開始する。
なお、カメラユニット1側では、電源オン状態となって電源電圧VDDが供給されることにより撮像及び集音動作を行うようにすればよい。即ち撮像映像信号及び音声信号をコントロールユニット10側に出力する状態とする。
この場合に、メモリカード30への記録や送信出力については行わずに、単に表示部11に撮像モニタ映像が出力されるようにすればよい。実際に記録や送信を行うのは、使用者が操作キー18により撮像開始操作を行ってからとすればよい。
ただし、電源オンとともに撮像映像信号、音声信号の記録や送信が実行されるようにしても良い。即ち使用者が電源スイッチ16で電源オンとすることで記録及び送信を含めた撮像動作が開始されるようにすることで、操作を著しく簡略化できる。
なお、発光部4の発光は、電源オン状態で更に記録又は送信が実行されている期間に行われるように、コントローラ51が制御するようにしても良い。
また電源スイッチ16の操作はコントローラ51が検出し、それに応じて電源部52が電源供給を開始するように制御してもよい。
本例のビデオカメラは例えば以上のように構成されるが、ビデオカメラ構成上の変形例は、以下のように多様に考えられる。
まず、図1に示したようなカメラユニット1、コントロールユニット10の外観は一例であることはもちろんであり、実際のユーザインターフェースのための操作子や表示のための配置、筐体形状などは限定されない。もちろん構成の差異によっても多様な形状が想定される。
カメラユニット1とコントロールユニット10はケーブル31で接続されるものとしたが、電波或いは赤外線などを利用したトランスミッタにより撮像映像信号や音声信号が無線伝送されるようにしてもよい。
或いは、カメラユニット1とコントロールユニット10が図1のように別体ではなく、一体的に形成されてもよい。
本例では前方カメラ部2aと後方カメラ部2bを有するものとしたが、3つ以上のカメラ部が設けられ、それぞれが異なる方向の撮像を行うようにしてもよい。
マイクロフォンについては、2又は3以上の複数個設けられる各カメラ部に対応して、それぞれ設ける他、全部又は一部の各カメラ部に対して共通のマイクロフォンが設けられてもよ。もちろん最低限1つのマイクロフォンが設けられればよい。
また、複数個設けられるカメラ部の全部又は一部に対しては、パン・チルト機構を形成し、撮像方向を上下左右に変更できるようにしてもよい。
さらに、本例では複数の方向を撮像するものであり、実施の形態の説明では前方と後方として説明していくが、前方、後方、左方向、右方向、上方、下方、など、様々な方向として、複数の方向が撮像されるものであればよい。例えば、2つのカメラ部がパン・チルト可能として、使用者がそれぞれのカメラ部の撮像方向を撮像目的に合わせて任意に設定できるようにしてもよい。
さらに、1つのカメラ部によって、撮像方向を高速に切り換えるような機構を備えることで、ほぼ同時的に、複数の方向を撮像できるようにすることも考えられる。
また、カメラユニット1における発光部4は複数個設けてもよい。
本例では記録媒体はメモリカード30としたが、コントロールユニット10に例えば光ディスク、光磁気ディスクに対応するディスクドライブ装置を設け、ディスク記録媒体に撮像映像を記録するようにしてもよい。もちろん記録媒体として磁気テープメディアを用いるようにしても良い。
図5に示した構成要素としての各ブロックは、全てが必須のものではなく、またこれ以外に構成要素が追加されても良い。
ストレージエンコード部と通信エンコード部は1つの回路部として共用できる場合もある。
また、記録機能を設けず、撮像された映像データは送信出力されるのみとしてもよいし、或いは逆に通信機能を設けず、撮像された映像データは記録処理されるのみとしてもよい。
画像解析部63、音声検査部64、エマージェンシースイッチ17、GPSアンテナ66及びGPSデコーダ65、衝撃センサは、それぞれ後述するレート制御のトリガとなるレート変更条件を検出する機能を有するが、これらの全部が設けられる必要はない。
また、温度センサ、加速度センサなどを設けてレート変更条件を検出することも考えられる。
また、警備・警察用途ではなく、一般用途を目的とする場合は、エマージェンシースイッチ17を不要とすることが考えられる。
さらに、図示していない構成要素として、例えばブルートゥースなど近距離無線通信機能や、他の機器インターフェース機能、ユーザーインターフェース機能などを備えるようにしてもよい。
3.撮像動作モード
本例のビデオカメラでは撮像時の動作モードとして、図6に示すストレージモード、伝送モード、マルチモードの3つのモード動作が可能とされる。
ストレージモードは、撮像データのメモリカード30への記録のみを行い、管理局40への送信は実行しないモードである。
伝送モードは撮像データの管理局40への送信出力のみを行い、メモリカード30への記録を実行しないモードである。
マルチモードは、撮像データのメモリカード30への記録と、管理局40への送信の両方を実行するモードである。
本例では、基本的にはマルチモードで動作を行い、状況に応じてストレージモードや伝送モードに切り換えることができるものとする。
モードの切換は、使用者が操作キー18を操作して行うことの他、例えば管理局40がモード制御の指示情報を送信することでコントローラ51にモード切換を実行させるようにしてもよい。
なおもちろん、マルチモードのみ、ストレージモードのみ、或いは伝送モードのみが実行可能な機器として本例のビデオカメラを構成することもできる。
或いはマルチモードと伝送モード、マルチモードとストレージモード、ストレージモードと伝送モードという2つのモードの動作が可能な機器としてもよい。
何れのモードの場合でも、本例ではコントローラ51によってストレージエンコード部53a、53b又は通信エンコード部54a、54bに対するレート制御が行われる。
レート制御とは、各エンコード部53a、53b、54a、54bにおけるフレームレートのレート切換と圧縮レートのレート切換の制御のことである。
ここでは説明上、レート切換として、ノーマルレート、前方優先レート、後方優先レートの3つのレート切換が行われるものとする。
ノーマルレートとは、前方カメラ部2aで撮像される映像データと、後方カメラ部2bで撮像される映像データとを、同品質のデータとするレート状態である。
即ちノーマルレートとは、ストレージエンコード部53a、通信エンコード部54aによる、前方カメラ部2aからの撮像映像信号に対するフレーム抽出処理のフレームレートを、ストレージエンコード部53b、通信エンコード部54bによる、後方カメラ部2bからの撮像映像信号に対するフレーム抽出処理のフレームレートと同レートに制御している状態である。
またノーマルレートとは、ストレージエンコード部53a、通信エンコード部54aによる、前方カメラ部2aからの撮像映像信号に対するデータ圧縮処理の圧縮レートを、ストレージエンコード部53b、通信エンコード部54bによる、後方カメラ部2bからの撮像映像信号に対するデータ圧縮処理の圧縮レートと同レートに制御している状態である。
従って、マルチモード及びストレージモードの際において、ノーマルレートの状態とされているときは、前方カメラ部2aで撮像される映像データと、後方カメラ部2bで撮像される映像データとが、同品質のデータとしてメモリカード30に記録されるものとなる。
またマルチモード及び伝送モードの際において、ノーマルレートの状態とされているときは、前方カメラ部2aで撮像される映像データと、後方カメラ部2bで撮像される映像データとが、同品質のデータとして管理局40等に送信出力されるものとなる。
前方優先レートとは、前方カメラ部2aで撮像される映像データを、後方カメラ部2bで撮像される映像データよりも、高品質のデータとするレート状態である。
即ち前方優先レートとは、ストレージエンコード部53a、通信エンコード部54aによる、前方カメラ部2aからの撮像映像信号に対するフレーム抽出処理のフレームレートを、ストレージエンコード部53b、通信エンコード部54bによる、後方カメラ部2bからの撮像映像信号に対するフレーム抽出処理のフレームレートよりも高いレートに制御し、及び/又は、ストレージエンコード部53a、通信エンコード部54aによる、前方カメラ部2aからの撮像映像信号に対するデータ圧縮処理の圧縮レートを、ストレージエンコード部53b、通信エンコード部54bによる、後方カメラ部2bからの撮像映像信号に対するデータ圧縮処理の圧縮レートより低いレートに制御している状態である。
従って、マルチモード及びストレージモードの際において、前方優先レートの状態とされているときは、前方カメラ部2aで撮像される映像データの方が、後方カメラ部2bで撮像される映像データよりも高品質のデータとしてメモリカード30に記録される。
またマルチモード及び伝送モードの際において、前方優先レートの状態とされているときは、前方カメラ部2aで撮像される映像データの方が、後方カメラ部2bで撮像される映像データよりも高品質のデータとして管理局40等に送信出力される。
後方優先レートとは、後方カメラ部2bで撮像される映像データを、前方カメラ部2aで撮像される映像データよりも、高品質のデータとするレート状態である。
即ち後方優先レートとは、ストレージエンコード部53b、通信エンコード部54bによる、後方カメラ部2bからの撮像映像信号に対するフレーム抽出処理のフレームレートを、ストレージエンコード部53a、通信エンコード部54aによる、前方カメラ部2aからの撮像映像信号に対するフレーム抽出処理のフレームレートよりも高いレートに制御し、及び/又は、ストレージエンコード部53b、通信エンコード部54bによる、後方カメラ部2bからの撮像映像信号に対するデータ圧縮処理の圧縮レートを、ストレージエンコード部53a、通信エンコード部54aによる、前方カメラ部2aからの撮像映像信号に対するデータ圧縮処理の圧縮レートより低いレートに制御している状態である。
従って、マルチモード及びストレージモードの際において、後方優先レートの状態とされているときは、後方カメラ部2bで撮像される映像データの方が、前方カメラ部2aで撮像される映像データよりも高品質のデータとしてメモリカード30に記録される。
またマルチモード及び伝送モードの際において、後方優先レートの状態とされているときは、後方カメラ部2bで撮像される映像データの方が、前方カメラ部2aで撮像される映像データよりも高品質のデータとして管理局40等に送信出力される。
図7にフレームレートの変更の様子を模式的に示す。
例えば図7(a)は、ノーマルレートの状態において、前方カメラ部2aによる撮像映像信号に対するフレーム抽出タイミングと、後方カメラ部2bによる撮像映像信号に対するフレーム抽出タイミングを示しているとする。
この場合、前方映像、後方映像ともに、例えば1秒間などの単位時間内にxフレームとして、同等のフレームレートでの映像データが得られる。
一方、図7(b)は前方優先レートの場合であり、1秒間などの単位時間内で前方カメラ部2aによる撮像映像信号の方が、後方カメラ部2bによる撮像映像信号より多数のフレームが抽出されるものとなる。つまり前方の映像について動画映像として時系列方向の解像度を高くし、映像データの高品位化が図られる。
また、図7(c)は後方優先レートの場合であり、1秒間などの単位時間内で後方カメラ部2bによる撮像映像信号の方が、前方カメラ部2aによる撮像映像信号より多数のフレームが抽出されるものとなる。つまり後方の映像について動画映像として時系列方向の解像度を高くし、映像データの高品位化が図られる。
なお、ノーマルレート、前方優先レート、後方優先レートのそれぞれでの単位時間内で抽出される実際のフレーム数は設計事項として各種設定できる。もちろんCCD部5a、5bでの転送クロック周波数や、求める画像品質などに応じて設計されればよい。
ここではフレームレートについて述べたが、圧縮レートについては、当然ながら圧縮率の低い映像データの方が映像品質の高いものとなる。
ところで、図7の例は、ノーマルレート、前方優先レート、後方優先レートのいずれであっても、全体としてみた場合は同一のレート、即ち単位時間内に抽出されるフレームの全体数は同一としている例である。
例えば図7(a)で、前後映像がそれぞれ単位時間内にxフレームとし、両方あわせたフレーム数を2xとした場合、図7(b)(c)も、両方あわせたフレーム数が2xとなっている。
これに対して図8に示すように、前方優先レート、後方優先レートの場合は、全体のフレームレートについてもノーマルレート時より高くすることも考えられる。
図8(a)をノーマルレートの際の前後の映像のフレーム抽出タイミングとし、例えば前後映像がそれぞれ単位時間内にyフレームとし、両方あわせたフレーム数を2yとした場合、図8(b)の前方優先レートの場合、及び図8(c)の後方優先レートの場合には、前後両方あわせたフレーム数が2yよりも多いフレーム数となっている。
さらにこの場合、例えば図8(a)(b)を比較してわかるように、前方優先レートの場合であっても、後方カメラ部2bについてのフレームレートはノーマルレートよりも高くなり、また図8(a)(c)を比較してわかるように、後方優先レートの場合であっても、前方カメラ部2aについてのフレームレートはノーマルレートよりも高くなっている。
即ち、この例は、前方優先レート、後方優先レートの場合は、前後映像共にノーマルレート時よりも高画質化を行い、その上で、前方映像と後方映像の一方を他方より高画質化するものである。
また、図9の例も、前方優先レート、後方優先レートの場合は、全体のフレームレートについてもノーマルレート時より高くしたものである。
図9(a)をノーマルレートの際の前後の映像のフレーム抽出タイミングとし、例えば前後映像がそれぞれ単位時間内にyフレームとし、両方あわせたフレーム数を2yとした場合、図9(b)の前方優先レートの場合、及び図9(c)の後方優先レートの場合には、前後両方あわせたフレーム数が2yよりも多いフレーム数となっている。
ところがこの場合は、図9(a)(b)を比較してわかるように、前方優先レートの場合には、後方カメラ部2bについてのフレームレートはノーマルレートよりも低くなり、また図9(a)(c)を比較してわかるように、後方優先レートの場合には、前方カメラ部2aについてのフレームレートはノーマルレートよりも低くなっている。
即ち、この例は、前方優先レート、後方優先レートの場合は、優先させる方の映像について著しい高画質化を図るものと言える。
なお、図7或いは図9のような例の場合、前方優先レートでは、後方映像に対する通信エンコード部54b、ストレージエンコード部53bでの単位時間内のフレーム数を0とし、逆に後方優先レートでは、前方映像に対する通信エンコード部54a、ストレージエンコード部53aでの単位時間内のフレーム数を0とすることも考えられる。
例えばこのように、ノーマルレート、前方優先レート、後方優先レートでのフレームレートの制御方式は多様に考えられ、また圧縮レートの切換についても多様に考えられる。このため図10にレート制御方式の各種態様を示した。
図10の「f1」〜「f7」は前方優先レートと後方優先レートにおけるフレームレートについての制御態様例を示す。
また図10の「m1」〜「m5」は前方優先レートと後方優先レートにおける圧縮レートについての制御態様例を示す。
なお、図示する各態様における「アップ」「ダウン」「変更せず」とは、ノーマルレートでのレートを基準として、「レートを上げる」「レートを下げる」「レートを変更しない」ことを意味している。
また「前方のフレームレート」「前方の圧縮レート」とはストレージエンコード部53a及び通信エンコード部54aに対するレート制御を意味し、「後方のフレームレート」「後方の圧縮レート」とはストレージエンコード部53b及び通信エンコード部54bに対するレート制御を意味する。
まず、フレームレートの制御態様例は以下のようになる。
フレームレートの場合、大きく分けて、前方優先レート、後方優先レートの場合に、上記図7で示したように前後合わせた総合のレートはノーマルレート時と同じとする例が考えられる。これが「f1」の例である。
また、前方優先レート、後方優先レートの場合には、上記図8、図9で示したように前後合わせた総合のレートはノーマルレート時より高くする例が考えられる。これは「f2」「f3」「f4」の例である。
さらには、前方優先レート、後方優先レートの場合には、前後合わせた総合のレートをノーマルレート時より低くする例も考えられる。これは「f5」「f6」「f7」の例である。
「f1」〜「f7」の各例は次のような内容である。
<f1>
ノーマルレート、前方優先レート、後方優先レートで総合のレートは一定である。
前方優先レート時は、前方のフレームレートをアップさせ、後方のフレームレートをダウンさせる。
後方優先レート時は、前方のフレームレートをダウンさせ、後方のフレームレートをアップさせる。
つまり図7で示したような例である。
<f2>
前方優先レート、後方優先レートで総合のレートは、ノーマルレート時より高くする。
前方優先レート時は、前方のフレームレートをアップさせ、後方のフレームレートは変更しない。
後方優先レート時は、前方のフレームレートは変更せず、後方のフレームレートをアップさせる。
つまり高品質化させたい方のレートアップのみを制御する例である。
<f3>
前方優先レート、後方優先レートで総合のレートは、ノーマルレート時より高くする。
前方優先レート時は、前方のフレームレートと、後方のフレームレートは共にアップさせるが、前方のフレームレートの方が高くなるようにする。
後方優先レート時は、前方のフレームレートと、後方のフレームレートは共にアップさせるが、後方のフレームレートの方が高くなるようにする。
つまり高品質化させたい方についてレートのアップ率を高くするように制御する例であり、図8に示したような例である。
<f4>
前方優先レート、後方優先レートで総合のレートは、ノーマルレート時より高くする。
前方優先レート時は、前方のフレームレートを大幅アップさせ、後方のフレームレートはダウンさせる。
後方優先レート時は、前方のフレームレートをダウンさせ、後方のフレームレートを大幅アップさせる。
つまり優先させる方を著しく高品質化する図9に示したような例である。
<f5>
前方優先レート、後方優先レートで総合のレートは、ノーマルレート時より低くする。
前方優先レート時は、前方のフレームレートを変更せず、後方のフレームレートはダウンさせる。
後方優先レート時は、前方のフレームレートはダウンさせ、後方のフレームレートは変更しない。
つまり優先させない方を低品質化させることで、相対的に優先させる方を高品質化させる例である。
<f6>
前方優先レート、後方優先レートで総合のレートは、ノーマルレート時より低くする。
前方優先レート時は、前方のフレームレートと、後方のフレームレートは共にダウンさせるが、前方のフレームレートの方が高くなるようにする。
後方優先レート時は、前方のフレームレートと、後方のフレームレートは共にダウンさせるが、後方のフレームレートの方が高くなるようにする。
つまり高品質化させたい方についてレートのダウン率を低くするように制御する例である。
<f7>
前方優先レート、後方優先レートで総合のレートは、ノーマルレート時より低くする。
前方優先レート時は、前方のフレームレートをダウンさせ、後方のフレームレートは大幅ダウンさせる。
後方優先レート時は、前方のフレームレートを大幅ダウンさせ、後方のフレームレートをダウンさせる。
つまり優先させない方を大きくレートダウンして低品質化させることで、相対的に優先させる方を高品質化させる例である。
圧縮レートの制御態様例は以下のようになる。
<m1>
前方優先レート時は、前方の圧縮レートをダウンさせ、後方の圧縮レートをアップさせる。
後方優先レート時は、前方の圧縮レートをアップさせ、後方の圧縮レートをダウンさせる。
つまり高品質化させたい方のレートダウン(圧縮率低下による高品質化)を行い、他方をレートアップ制御する例である。
<m2>
前方優先レート時は、前方の圧縮レートをダウンさせ、後方の圧縮レートは変更しない。
後方優先レート時は、前方の圧縮レートは変更せず、後方の圧縮レートをダウンさせる。
つまり高品質化させたい方のレートダウンのみを制御する例である。
<m3>
前方優先レート時は、前方の圧縮レートを変更せず、後方の圧縮レートはアップさせる。
後方優先レート時は、前方の圧縮レートはアップさせ、後方の圧縮レートは変更しない。
つまり他方を低品質化させることで、相対的に一方を高品質化させるようにする例である。
<m4>
前方優先レート時は、前方の圧縮レートと、後方の圧縮レートは共にダウンさせるが、前方の圧縮レートの方が低くなるようにする。
後方優先レート時は、前方の圧縮レートと、後方の圧縮レートは共にダウンさせるが、後方の圧縮レートの方が低くなるようにする。
つまり高品質化させたい方についてレートのダウン率を低く(大幅ダウン)するように制御する例である。
<m5>
前方優先レート時は、前方の圧縮レートと、後方の圧縮レートは共にアップさせるが、前方の圧縮レートの方が低くなるようにする。
後方優先レート時は、前方の圧縮レートと、後方の圧縮レートは共にアップさせるが、後方の圧縮レートの方が低くなるようにする。
つまり高品質化させたい方についてレートのアップ率を低く(他方を大幅アップ)するように制御する例である。
このようにフレームレートについてはf1〜f7の制御態様があり、圧縮レートについてはm1〜m5の制御態様が考えられるが、前方優先レート、後方優先レートへの切換の際のレート制御方式としてどのような制御を行うかはf1〜f7、m1〜m5のいづれかとして考えられる。
例えばフレームレート切換のみを行う(圧縮レートは固定とする)場合は、f1〜f7のいずれかのレート制御方式が採用されればよい。
また圧縮レート切換のみを行う(フレームレートは固定とする)場合は、m1〜m5のいずれかのレート制御方式が採用されればよい。
さらにフレームレートと圧縮レートの両方を切り換えるものとする場合は、f1〜f7のいずれか1つと、m1〜m5のいずれか1つが組み合わされたレート制御方式が採用されればよい。
以上の、どのレート制御方式にしても、前方と後方のうちで、優先される方の圧縮レートが他方の圧縮レートより低くなるように制御されるか、或いは優先される方のフレーム抽出処理のフレームレートが他方のフレーム抽出処理のフレームレートより高くなるように制御されるか、更にこれらの両方の制御が行われるものとなる。
4.操作又は指示によるレート切換

上記のようにコントローラ51は、ストレージエンコード部53a、53b、通信エンコード部54a、54bに対して、フレームレート及び/又は圧縮レートを切り換えるレート制御を行なう。
このため、コントローラ51は、各種のレート変更条件を判別し、そのレート変更条件の検出に応じてレート変更制御を行うものとなる。
以下では、コントローラ51によるレート変更制御に関する処理としての各例を述べていく。
まず図11により、コントローラ51が使用者の操作、又は管理局40からの指示によりレート変更制御を行う処理を説明する。
なお、図11及び後述する図12,図13,図14の処理は、撮像実行時、つまり撮像データがメモリカード30に記録され、及び/又は、撮像データが送信出力されている動作状態におけるコントローラ51のレート変更制御に関する処理である。
図11において、撮像(記録/送信)が開始される時点では、コントローラ51はステップF101として各エンコード部53a、53b、54a、54bに対してノーマルレートを指示している状態となる。つまりストレージエンコード部53a及び通信エンコード部54aに対するフレームレート、圧縮レートと、ストレージエンコード部53b及び通信エンコード部54bに対するフレームレート、圧縮レートとを、同等のレートに制御している状態である。
この場合コントローラ51は、レート変更条件としてステップF102〜F105の監視処理を行う。
ステップF102では、使用者が前方優先レートへの切換操作を行ったか否かを監視し、またステップF103では管理局40から前方優先レートへ切り換える旨のレート切換指示が受信されたか否かを監視している。
またステップF104では、使用者が後方優先レートへの切換操作を行ったか否か監視し、またステップF105では管理局40から後方優先レートへ切り換える旨のレート切換指示が受信されたか否かを監視している。
これらのレート変更条件が検出されない期間は1として示すようにステップF101に戻り、ノーマルレートでの撮像動作を継続する。
ステップF102又はF103で、使用者の切換操作、或いは管理局40からのレート切換指示として前方優先レートへの移行の操作又は指示を検出すると、コントローラ51はステップF106に進み、前方優先レートで撮像(記録/送信)が行われるようにする。即ち、ストレージエンコード部53a及び通信エンコード部54aに対するフレームレート及び/又は圧縮レートが、ストレージエンコード部53b及び通信エンコード部54bに対するフレームレート及び/又は圧縮レートより高くなるように制御する。
これによって前方カメラ部2aで撮像される映像データが、後方カメラ部2bで撮像される映像データよりも高品位な映像データとされて、メモリカード30への記録、又は管理局40への送信出力が行われる状態となる。
前方優先レートで撮像が行われている期間は、コントローラ51はステップF107〜F110の監視処理を行う。
ステップF107では、使用者がノーマルレートへの切換操作を行ったか否かを監視し、またステップF108では管理局40からノーマルレートへ切り換える旨のレート切換指示が受信されたか否かを監視している。
またステップF109では、使用者が後方優先レートへの切換操作を行ったか否か監視し、またステップF110では管理局40から後方優先レートへ切り換える旨のレート切換指示が受信されたか否かを監視している。
これらのレート変更条件が検出されない期間は2として示すようにステップF106に戻り、前方優先レートでの撮像動作を継続する。
ノーマルレート状態において、上記ステップF104又はF105で、使用者の切換操作、或いは管理局40からのレート切換指示として後方優先レートへの移行の操作又は指示を検出すると、コントローラ51はステップF111に進み、後方優先レートで撮像(記録/送信)が行われるようにする。即ち、ストレージエンコード部53b及び通信エンコード部54bに対するフレームレート及び/又は圧縮レートが、ストレージエンコード部53a及び通信エンコード部54aに対するフレームレート及び/又は圧縮レートより高くなるように制御する。
これによって後方カメラ部2bで撮像される映像データが、前方カメラ部2aで撮像される映像データよりも高品位な映像データとされて、メモリカード30への記録、又は管理局40への送信出力が行われる状態となる。
後方優先レートで撮像が行われている期間は、コントローラ51はステップF112〜F115の監視処理を行う。
ステップF112では、使用者がノーマルレートへの切換操作を行ったか否かを監視し、またステップF113では管理局40からノーマルレートへ切り換える旨のレート切換指示が受信されたか否かを監視している。
またステップF114では、使用者が前方優先レートへの切換操作を行ったか否か監視し、またステップF115では管理局40から前方優先レートへ切り換える旨のレート切換指示が受信されたか否かを監視している。
これらのレート変更条件が検出されない期間は3として示すようにステップF111に戻り、後方優先レートでの撮像動作を継続する。
ステップF107,F108,F112,F113のいずれかでノーマルレートへの切換操作又は管理局40からの切換指示が検出された場合は、1として示すようにステップF101に進み、コントローラ51はノーマルレートに切り換える制御を行う。つまりストレージエンコード部53a及び通信エンコード部54aに対するフレームレート、圧縮レートと、ストレージエンコード部53b及び通信エンコード部54bに対するフレームレート、圧縮レートとを、同等のレートに制御する。
ステップF109又はF110で、後方優先レートへの切換操作又は管理局40からの切換指示が検出された場合は、3として示すようにステップF111に進み、コントローラ51は後方優先レートに切り換える制御を行う。
ステップF114又はF115で、前方優先レートへの切換操作又は管理局40からの切換指示が検出された場合は、2として示すようにステップF106に進み、コントローラ51は前方優先レートに切り換える制御を行う。
以上のように基本的にユーザーの操作や管理局40からのレート切換指示に応じて、コントローラ51は、ノーマルレート、後方優先レート、前方優先レートを切り換えるように、各エンコード部53a、53b、54a、54bのデータ圧縮処理の圧縮レート、フレーム抽出処理のフレームレートを制御する。
従って、使用者は、前方の光景について高品位な映像データを記録/送信したいと思った場合は、操作キー18により前方優先レートへの切換操作を行えばよいし、後方の光景について高品位な映像データを記録/送信したいと思った場合は、操作キー18により後方優先レートへの切換操作を行えばよい。
例えば使用者が操作を行う余裕がある場合は、このように任意にモード切換を行って望んだ撮像動作を行うことができる。
また例えば当該ビデオカメラから送信されてくる映像データをモニタリングしている管理局40のオペレータも、所望の時点で前方優先レート又は後方優先レートに切換えさせて、前方又は後方について、より高品位な映像をモニタリングできるようにすることができる。
例えば警備員等の前方を重点的に確認したい場合や、警備員が気がついていないがオペレータの注意をひいた映像が後方映像としてモニタリングされたときに、管理局40のオペレータが、前方優先レートや後方優先レートを指示できるようにすることで、管理局40でより詳細な映像情報を得ることができ、警備効果を大きく向上できる。
また、本例のビデオカメラには、上述したようにエマージェンシースイッチ17が設けられている。そして例えば警備員・警察官等は、事件・事故・犯人追跡などの事態が発生した際には、エマージェンシースイッチ17を押すようにしている。上述したようにエマージェンシースイッチ17は大型のスイッチとされ、使用者が殆どコントロールユニット10に注意を払うことなく操作ができるようなスイッチとされている。
そしてコントローラ51は、エマージェンシースイッチ17が操作された場合には、緊急発生通知データ、当該ビデオカメラのID、及びGPSデコーダ65で検出されている現在位置情報のそれぞれを送信データとしてエンコーダ59に供給し、送信信号処理部60及び通信部62の処理により管理局40に送信させる。
このエマージェンシー状態の通知データの送信により、管理局40では警備員等の緊急状態を知ることができ、オペレータはそのエマージェンシー状態となった警備員等のビデオカメラから送信されてくる映像に注意を払うことになる。
そしてこのような場合、警備員等がビデオカメラの撮像方向を気にかけることは殆ど不可能であるが、管理局40のオペレータは、前方/後方のどちらの映像をしっかり確認したいかに応じて、ビデオカメラに指示を出して前方優先レート、後方優先レートを切り換えさせることができるため、オペレータにとって重要と判断された方向の映像が高画質でモニタリングできることになる。
従って管理局40での事態の把握や対応指揮に好適となる。
さらに、複数の警備員・警察官でパトロールを行っている場合に、一人がエマージェンシースイッチ17を操作し、緊急通知が送信されてくることに応じて、管理局40は他の各人のビデオカメラに緊急発生を通知することも可能である。
特に管理局40では、緊急事態の発生、緊急事態に遭遇した警備員等(ビデオカメラID)、及び発生場所を特定できる。これに応じて、管理局40は、その緊急事態発生場所近辺の警備員等或いは共同で警備に当たる全員のビデオカメラに対して、緊急指示を送信する。これによって各人が事態に対応できると共に、各人のビデオカメラに対して、緊急状態となった警備員等からの映像を送信することで、より正確な情報を伝えることができる。
また、管理局40では、全てのビデオカメラに対してレート切換指示が可能であるため、周辺各区域で所望の方向の映像を高品質でモニタリングできる。
ところで、ビデオカメラのコントローラ51は、他の警備員等或いは管理局40からの緊急指示があった場合は、スピーカ部14から緊急着信音を出力させたり、管理局40からの音声による指示を出力させることが好適である。
さらに管理局40等から発生現場をGPS現在位置情報として送信するようにし、各警備員等が事件等の発生現場を正確に把握できるように、表示部11に地図表示などを行うようにしてもよい。
また、使用者がエマージェンシースイッチ17が操作した時点において、ビデオカメラがストレージモードで動作しており、撮像した映像データを管理局40に送信していない場合もあり得る。その場合、緊急発生通知だけでは管理局40(或いは他の警備員)が現場の状況を正確に把握できないことがあるため、コントローラ51は自動的に伝送モード或いはマルチモードに切り換えるようにし、映像データを管理局40に送信するようにするとよい。
また、本例のビデオカメラは、衝撃センサ67を備えており、例えば使用者が暴漢に襲われたり、或いは使用者自身が事故に遭遇するなどして、ビデオカメラに外部より衝撃が加わった際に、衝撃を検出する。
そして、これは使用者がエマージェンシースイッチ17を押せない状態にあることも考えられる。従って、コントローラ51は衝撃検出時も、上記エマージェンシースイッチ17が操作された際と同様に、緊急発生通知の送信を行うようにするとよい。
5.音声検査によるレート切換
次に、コントローラ51が音声検査部64の処理からレート変更条件を判別し、レート状態を切り換えるレート制御を図12で説明する。
この場合、音声検査部61は、前方マイクロフォン3a及び後方マイクロフォン3bから供給される音声信号を、予め設定された所定の音量レベルとしてのしきい値と比較し、マイクロフォン3a、3bから入力された音声信号の音量がしきい値を越えた場合(大音量検出時)に、その検出信号をコントローラ51に出力するものとしている。またそのときに、マイクロフォン3a、3bから入力された各音声信号の音量差や遅延状態などから、大音量が前方/後方のどちらで発生したかも判別し、その情報をコントローラ51に出力する。
図12において、撮像(記録/送信)が開始される時点では、コントローラ51はステップF201として各エンコード部53a、53b、54a、54bに対してノーマルレートを指示している状態となる。
つまりストレージエンコード部53a及び通信エンコード部54aに対するフレームレート、圧縮レートと、ストレージエンコード部53b及び通信エンコード部54bに対するフレームレート、圧縮レートとを、同等のレートに制御している。
またコントローラ51は、音声検査部64からの検出信号を監視している。
この場合コントローラ51は、レート変更条件としてステップF202、F203、F204、F206の監視処理を行う。
ステップF202では、使用者が前方優先レートへの切換操作を行ったか否か、或いは、管理局40から前方優先レートへ切り換える旨のレート切換指示が受信されたか否かを監視している。
ステップF203では、使用者が後方優先レートへの切換操作を行ったか否か、或いは管理局40から後方優先レートへ切り換える旨のレート切換指示が受信されたか否かを監視している。
ステップF204では、レート変更条件として音声検査部64から前方での大音量の検出信号があったか否か判別する。
ステップF206では、レート変更条件として音声検査部64から後方での大音量の検出信号があったか否か判別する。
これらのレート変更条件が検出されない期間は1として示すようにステップF201に戻り、ノーマルレートでの撮像動作を継続する。
ステップF202で使用者の切換操作、或いは管理局40からのレート切換指示として前方優先レートへの移行の操作又は指示を検出すると、コントローラ51はステップF208に進み、前方優先レートで撮像(記録/送信)が行われるようにする。
即ち、ストレージエンコード部53a及び通信エンコード部54aに対するフレームレート及び/又は圧縮レートが、ストレージエンコード部53b及び通信エンコード部54bに対するフレームレート及び/又は圧縮レートより高くなるように制御する。
これによって前方カメラ部2aで撮像される映像データが、後方カメラ部2bで撮像される映像データよりも高品位な映像データとされて、メモリカード30への記録、又は管理局40への送信出力が行われる状態となる。
またコントローラ51は、音声検査部64からの検出信号の監視を継続する。
前方優先レートで撮像が行われている期間は、コントローラ51はステップF209、F210,F211,F213,F215の監視処理を行う。
ステップF209では、使用者がノーマルレートへの切換操作を行ったか否か、又は管理局40からノーマルレートへ切り換える旨のレート切換指示が受信されたか否かを監視している。
ステップF210では、使用者が後方優先レートへの切換操作を行ったか否か、又は管理局40から後方優先レートへ切り換える旨のレート切換指示が受信されたか否かを監視している。
ステップF211では音声検査部64から後方での大音量の検出信号があったか否か判別する。
ステップF213では音声検査部64から前方での大音量の検出信号があったか否か判別する。この検出があった場合はステップF214に進み、コントローラ51における内部タイマとして、前方での大音量が検出されない時間としての継続時間をカウントする前方音量タイマをリセットし、再スタートさせる処理を行う。
ステップF215では、前方での大音量が検出されない継続時間が所定時間に達した、つまり前方音量タイマがタイムオーバとなったか否かを判別する。
これらの検出がなされない期間は2として示すようにステップF208に戻り、前方優先レートでの撮像動作を継続する。
ノーマルレート状態において上記ステップF203で、或いは前方優先レートにおいて上記ステップF210で、使用者の切換操作、或いは管理局40からのレート切換指示として後方優先レートへの移行の操作又は指示を検出した場合、コントローラ51はステップF217に進み、後方優先レートで撮像(記録/送信)が行われるようにする。
即ち、ストレージエンコード部53b及び通信エンコード部54bに対するフレームレート及び/又は圧縮レートが、ストレージエンコード部53a及び通信エンコード部54aに対するフレームレート及び/又は圧縮レートより高くなるように制御する。
これによって後方カメラ部2bで撮像される映像データが、前方カメラ部2aで撮像される映像データよりも高品位な映像データとされて、メモリカード30への記録、又は管理局40への送信出力が行われる状態となる。
またコントローラ51は、音声検査部64からの検出信号の監視を継続する。
後方優先レートで撮像が行われている期間は、コントローラ51はステップF218、F219,F220,F222,F224の監視処理を行う。
ステップF218では、使用者がノーマルレートへの切換操作を行ったか否か、又は管理局40からノーマルレートへ切り換える旨のレート切換指示が受信されたか否かを監視している。
ステップF219では、使用者が前方優先レートへの切換操作を行ったか否か、又は管理局40から前方優先レートへ切り換える旨のレート切換指示が受信されたか否かを監視している。
ステップF220では音声検査部64から前方での大音量の検出信号があったか否か判別する。
ステップF222では音声検査部64から後方での大音量の検出信号があったか否か判別する。この検出があった場合はステップF223に進み、コントローラ51における内部タイマとして、後方での大音量が検出されない時間としての継続時間をカウントする後方音量タイマをリセットし、再スタートさせる処理を行う。
ステップF224では、後方での大音量が検出されない継続時間が所定時間に達した、つまり前方音量タイマがタイムオーバとなったか否かを判別する。
これらの検出がなされない期間は3として示すようにステップF217に戻り、後方優先レートでの撮像動作を継続する。
ステップF209,F218のいずれかでノーマルレートへの切換操作又は管理局40からの切換指示が検出された場合は、1として示すようにステップF201に進み、コントローラ51はノーマルレートに切り換える制御を行う。
つまりストレージエンコード部53a及び通信エンコード部54aに対するフレームレート、圧縮レートと、ストレージエンコード部53b及び通信エンコード部54bに対するフレームレート、圧縮レートとを、同等のレートに制御する。
ステップF219で、前方優先レートへの切換操作又は管理局40からの切換指示が検出された場合は、2として示すようにステップF208に進み、コントローラ51は前方優先レートに切り換える制御を行う。
ノーマルレート時にステップF204で前方での大音量が検出された場合は、コントローラ51はステップF205で前方音量タイマをリセット/スタートさせた上で、2として示すようにステップF208に進み、前方優先レートに切り換える制御を行う。
また後方優先レート時にステップF220で前方での大音量が検出された場合は、コントローラ51はステップF221で前方音量タイマをリセット/スタートさせた上で、2として示すようにステップF208に進み、前方優先レートに切り換える制御を行う。
このようにして前方大音量検出によって前方優先レートに移行した場合は、ステップF215で前方音量タイマのタイムオーバーが検出されることがある。
前方音量タイマは、前方優先レート中に前方での大音量検出があればステップF213,F214によりリセット/スタートされるため、前方音量タイマのタイムオーバとは、前方で大音量が発生しない状態がタイムオーバとして設定されている所定時間以上継続した場合である。
前方音量タイマがタイムオーバーとなった場合は、ステップF216に進み、前方優先レートへの移行時の条件に応じてレート切換を行い、又は前方優先レートを維持する。
例えばステップF204での前方大音量検出で前方優先レートに移行した後、ステップF215でタイムオーバーが検出された場合は、1としてステップF201に戻り、ノーマルレートに移行する。
またステップF220での前方大音量検出で前方優先レートに移行した後、ステップF215でタイムオーバーが検出された場合は、3としてステップF217に戻り、後方優先レートに移行する。
また、ステップF202,F219での操作又は指示の検出によって前方優先レートした後、ステップF213の前方大音量検出によってステップF214で前方音量タイマがスタートされ、その後ステップF215でタイムオーバーが検出された場合は、2としてステップF208に戻る。つまり前方優先レートを継続する。
ノーマルレート時にステップF206で前方での大音量が検出された場合は、コントローラ51はステップF207で後方音量タイマをリセット/スタートさせた上で、3として示すようにステップF217に進み、後方優先レートに切り換える制御を行う。
また前方優先レート時にステップF211で後方での大音量が検出された場合は、コントローラ51はステップF212で後方音量タイマをリセット/スタートさせた上で、3として示すようにステップF217に進み、後方優先レートに切り換える制御を行う。
このようにして後方大音量検出によって後方優先レートに移行した場合は、ステップF224で後方音量タイマのタイムオーバーが検出されることがある。
後方音量タイマは、後方優先レート中に後方での大音量検出があればステップF222,F223によりリセット/スタートされるため、後方音量タイマのタイムオーバとは、後方で大音量が発生しない状態がタイムオーバとして設定されている所定時間以上継続した場合である。
後方音量タイマがタイムオーバーとなった場合は、ステップF225に進み、後方優先レートへの移行時の条件に応じてレート切換を行い、又は後方優先レートを維持する。
例えばステップF206での後方大音量検出で後方優先レートに移行した後、ステップF224でタイムオーバーが検出された場合は、1としてステップF201に戻り、ノーマルレートに移行する。
またステップF211での後方大音量検出で後方優先レートに移行した後、ステップF224でタイムオーバーが検出された場合は、2としてステップF208に戻り、前方優先レートに移行する。
また、ステップF203,F210での操作又は指示の検出によって後方優先レートした後、ステップF222の後方大音量検出によってステップF223で後方音量タイマがスタートされ、その後ステップF224でタイムオーバーが検出された場合は、3としてステップF217に戻る。つまり後方優先レートを継続する。
以上のようにコントローラ51は、ユーザーの操作や管理局40からのレート切換指示をレート変更条件としてモード変更制御を行うことに加えて、前方での大音量検出を前方優先レートへのレート変更条件とし、動作モードがノーマルレート或いは後方優先レートの場合であったら前方優先レートに切り換えるようにしている。また、後方での大音量検出を後方優先レートへのレート変更条件とし、動作モードがノーマルレート或いは前方優先レートの場合であったら後方優先レートに切り換えるようにしている。
このような図12の処理によれば、例えばパトロール中などに、警報音、爆発音、事故音、怒声、その他の異常事態を予想させる大音量の音声があった場合に、自動的にその大音量の発生した方向について高品位の映像データが撮像され、メモリカード30に記録されたり管理局40に送信されるようになる。特に異常事態が発生した時点であったとすると、警備員等はビデオカメラを操作する余裕はないが、このように音量検出によって大音量発生方向の映像データのレートが自動的に切り換えられることで、緊急時に対応した高画質映像の記録/送信が可能となる。従って記録データとして重要な映像の保存や、管理局40による状況把握、指揮等に好適である。
また、一般用途においても、例えばイベントなどで大歓声が沸いたときに、その方向の映像として高画質の映像撮像を行えることなどの点で有用である。
また前方優先レート、或いは後方優先レートでの撮像中は、使用者の操作、管理局40からのレート切換指示に応じて、ノーマルレートに戻されるようにすることで、使用者や管理局40のオペレータが、前方又は後方の高画質映像の記録/送信を要しないと判断した場合に対応できる。
特に大音量発生は必ずしも異常事態発生とは限らないため、使用者或いは管理局40のオペレータが異常事態ではないと判断した場合に、使用者の操作や管理局40からの指示によってノーマルレートに復帰できるようにすることは好適である
さらに前方優先レートでの撮像中は、前方で大音量が発生しない状態が所定時間を越えた場合は、元々異常事態ではなかったか、或いは異常事態が収束したとして元のレート状態に戻るようにしているため、使用者は大音量検出によって自動的に切り換えられたモード状態を意識する必要はない。
同様に、後方優先レートでの撮像中は、後方で大音量が発生しない状態が所定時間を越えた場合も、元のレート状態に戻るようにしているため、使用者は大音量検出によって自動的に切り換えられたモード状態を意識する必要はない。
タイムオーバとなる所定時間については固定値でもよいし、使用者が任意に設定・選択できるようにしてもよい。
なお、このように大音量検出によって前方優先レート又は後方優先レートに移行した後に、大音量無しの継続時間に応じて元のレート状態に戻す処理は行われないようにしてもよいし、使用者が選択的に実行を設定できる処理としてもよい。
ところで、使用環境によっては異常事態でない大音量検出が頻発する場合もある。そこで、音声検査部64では例えば周波数成分、周波数毎のレベル特性、減衰パターンなどで音声信号を分析し、特定の音声であると判別した場合には、大音量であったとしても検出信号を発生させない、つまり前方優先レート又は後方優先レートに切り換えないようにしてもい。
例えば空港警備を想定すると、航空機の発着音が大音量として検出されてしまうが、予め発着音の周波数特性等をセットしておき、入力された音声が、信号分析により発着音と同一又は類似していると判別される場合は、異常事態としての大音量ではないとして前方優先レート又は後方優先レートに切り換えないようにすることが考えられる。
また、大音量検出のしきい値は、予め設定された固定値でもよいが、使用者が任意にしきい値レベルを設定できるようにしてもよい。例えば騒音の多い場所の警備などに用いる場合では、しきい値を高くしておくことで、異常事態としての大音量をより的確に判別できるものとなる。
図12の処理では、前方又は後方での音量レベルを検出して前方優先レート又は後方優先レートに移行するものとしたが、音量ではなく、所定のターゲット音声を検出した場合に、前方優先レート又は後方優先レートに移行するようにすることもできる。
即ち音声検査部64はターゲット音声としての音声の周波数成分、周波数特性、減衰パターンなどをセットしておく。そしてマイクロフォン3a、3bからの入力音声について周波数成分、周波数特性、減衰パターンなどを分析するようにし、ターゲット音声と一致又は類似しているか否かを判別するようにする。また、その際にマイクロフォン3a、3bからの各入力音声の音量レベルや時間遅延などから、ターゲット音声が前方、後方のどちらで発生したかを判別するようにする。
そして前方からのターゲット音声の入力があったと判別された際に、音声検査部64はその検出信号をコントローラ51に供給するようにし、コントローラ51は図12のステップF204(又はF220)・・・→F208の処理として、前方優先レートに切り換える。
また後方からのターゲット音声の入力があったと判別された際に、音声検査部64はその検出信号をコントローラ51に供給するようにし、コントローラ51は図12のステップF206(又はF211)・・・→F217の処理として、後方優先レートに切り換える。
例えば、警備する地区や建物の警報音、車両等の衝突音、爆発音などをターゲット音声としてセットしておけば、それらの音が発生した場合に、発生方向に応じて前方優先レート又は後方優先レートにより、必要な方向の映像について高品位な映像データの記録/送信が実行されるものとなる。
また、音声検査部64に声紋分析の機能を備えるようにし、特定の人物の声紋をセットしておくことで、警察官の職務質問などの際に、特定の人物であった場合に前方優先レート又は後方優先レートで、その人物の写っている方向について高品位な映像を記録/送信するといったことも可能となる。
ターゲット音声のセットとしては、例えば使用者がビデオカメラをターゲット音声設定モードとして、ターゲット音声を発生させて、マイクロフォン3a、3bから入力させ、音声検査部64がこれを分析した結果を記憶するようにすればよい。或いは、警報音、衝突音等のパターンがプリセットされ、使用者がどれをターゲット音声として用いるかを選択できるようにしてもよい。
また管理局40が、ターゲット音声としてのデータ、即ち特定の警報音や指名手配犯人の声紋等のデータをビデオカメラに送信し、コントローラ51がそれを受信して音声検査部64にセットするようにしてもよい。
6.画像解析によるレート切換
次に、コントローラ51が画像解析部63の処理からレート変更条件を判別し、そのレート変更条件の検出に応じてストレージエンコード部53a、53b、通信エンコード部54a、54bに対して、フレームレート及び圧縮レートを切り換えるレート制御を図13で説明する。
ここでは、画像解析部63は、前方カメラ部2a及び後方カメラ部2bから供給される撮像映像信号について、画像解析を行い、動き検出、或いはターゲット画像の入力があったか否かチェックする。
動き検出については、例えば順次入力される撮像映像信号のフレームを時系列方向に比較処理を行うことで、異常事態等と考えられる動きがあったか否かを検出できる。
ターゲット画像については、画像解析部63はターゲット画像としてのデータを予めセットしておく。例えば特定の建物、人物、車両等の画像、特定の色などとしてのターゲット画像をセットする。そして画像解析処理により、入力された撮像映像信号として、これらのターゲット画像が含まれているか否かを判別する処理を行う。
画像解析部63は、所定の動き状態、或いはターゲット画像が検出されることに応じて、その検出信号をコントローラ51に供給するようにしている。
またこのとき、所定の動き状態、或いはターゲット画像が、前方カメラ部2a、後方カメラ部2bのどちらでとらえられたものであるかの情報もコントローラ51に供給する。
ターゲット画像のセットとしては、例えば使用者が予め、ビデオカメラをターゲット画像設定モードとして、特定の写真や、実際にその場所での撮像を行い、画像解析部63がその撮像した画像を記憶するようにすればよい。或いは、ターゲット画像としての色や明るさ、車種、建物等のデータがプリセットされ、使用者がどれをターゲット画像として用いるかを選択できるようにしてもよい。
また管理局40が、ターゲット画像としてのデータ、即ち犯人や建物、車種等の画像や、特定の色等のデータをビデオカメラに送信し、コントローラ51がそれを受信して画像解析部63にセットするようにしてもよい。
図13において、撮像(記録/送信)が開始される時点では、コントローラ51はステップF301として各エンコード部53a、53b、54a、54bに対してノーマルレートを指示している状態となる。
つまりストレージエンコード部53a及び通信エンコード部54aに対するフレームレート、圧縮レートと、ストレージエンコード部53b及び通信エンコード部54bに対するフレームレート、圧縮レートとを、同等のレートに制御している。
またコントローラ51は、画像解析部63からの検出信号を監視している。
この場合コントローラ51は、レート変更条件としてステップF302、F303、F304、F305の監視処理を行う。
ステップF302では、使用者が前方優先レートへの切換操作を行ったか否か、或いは、管理局40から前方優先レートへ切り換える旨のレート切換指示が受信されたか否かを監視している。
ステップF303では、使用者が後方優先レートへの切換操作を行ったか否か、或いは管理局40から後方優先レートへ切り換える旨のレート切換指示が受信されたか否かを監視している。
ステップF304では、レート変更条件として画像解析部63から前方での画像条件、即ち前方カメラ部2aからの撮像映像信号において動き検出やターゲット画像の検出がなされたか否か判別する。
ステップF305では、レート変更条件として画像解析部63から後方での画像条件、即ち後方カメラ部2bからの撮像映像信号において動き検出やターゲット画像の検出がなされたか否か判別する。
これらのレート変更条件が検出されない期間は1として示すようにステップF301に戻り、ノーマルレートでの撮像動作を継続する。
ステップF302で使用者の切換操作、或いは管理局40からのレート切換指示として前方優先レートへの移行の操作又は指示を検出すると、コントローラ51はステップF306に進み、前方優先レートで撮像(記録/送信)が行われるようにする。
即ち、ストレージエンコード部53a及び通信エンコード部54aに対するフレームレート及び/又は圧縮レートが、ストレージエンコード部53b及び通信エンコード部54bに対するフレームレート及び/又は圧縮レートより高くなるように制御する。
これによって前方カメラ部2aで撮像される映像データが、後方カメラ部2bで撮像される映像データよりも高品位な映像データとされて、メモリカード30への記録、又は管理局40への送信出力が行われる状態となる。
またコントローラ51は、画像解析部63からの検出信号の監視を継続する。
前方優先レートで撮像が行われている期間は、コントローラ51はステップF307、F308,F309,F310の監視処理を行う。
ステップF307では、使用者がノーマルレートへの切換操作を行ったか否か、又は管理局40からノーマルレートへ切り換える旨のレート切換指示が受信されたか否かを監視している。
ステップF308では、使用者が後方優先レートへの切換操作を行ったか否か、又は管理局40から後方優先レートへ切り換える旨のレート切換指示が受信されたか否かを監視している。
ステップF309では画像解析部63から後方での画像条件、即ち後方カメラ部2bからの撮像映像信号において動き検出やターゲット画像の検出がなされたか否か判別する。
ステップF310では前方について優先させる画像条件が解消されたか否かを判別する。画像条件の解消判断については後述する。
これらの検出がなされない期間は2として示すようにステップF306に戻り、前方優先レートでの撮像動作を継続する。
ノーマルレート状態において上記ステップF303で、或いは前方優先レートにおいて上記ステップF308で、使用者の切換操作、或いは管理局40からのレート切換指示として後方優先レートへの移行の操作又は指示を検出した場合、コントローラ51はステップF311に進み、後方優先レートで撮像(記録/送信)が行われるようにする。
即ち、ストレージエンコード部53b及び通信エンコード部54bに対するフレームレート及び/又は圧縮レートが、ストレージエンコード部53a及び通信エンコード部54aに対するフレームレート及び/又は圧縮レートより高くなるように制御する。
これによって後方カメラ部2bで撮像される映像データが、前方カメラ部2aで撮像される映像データよりも高品位な映像データとされて、メモリカード30への記録、又は管理局40への送信出力が行われる状態となる。
またコントローラ51は、画像解析部63からの検出信号の監視を継続する。
後方優先レートで撮像が行われている期間は、コントローラ51はステップF312、F313,F314,F315の監視処理を行う。
ステップF312では、使用者がノーマルレートへの切換操作を行ったか否か、又は管理局40からノーマルレートへ切り換える旨のレート切換指示が受信されたか否かを監視している。
ステップF313では、使用者が前方優先レートへの切換操作を行ったか否か、又は管理局40から前方優先レートへ切り換える旨のレート切換指示が受信されたか否かを監視している。
ステップF314では画像解析部63から前方での画像条件、即ち前方カメラ部2aからの撮像映像信号において動き検出やターゲット画像の検出がなされたか否か判別する。
ステップF315では後方について優先させる画像条件が解消されたか否かを判別する。
これらの検出がなされない期間は3として示すようにステップF311に戻り、後方優先レートでの撮像動作を継続する。
ステップF307,F312のいずれかでノーマルレートへの切換操作又は管理局40からの切換指示が検出された場合は、1として示すようにステップF301に進み、コントローラ51はノーマルレートに切り換える制御を行う。
つまりストレージエンコード部53a及び通信エンコード部54aに対するフレームレート、圧縮レートと、ストレージエンコード部53b及び通信エンコード部54bに対するフレームレート、圧縮レートとを、同等のレートに制御する。
ステップF313で、前方優先レートへの切換操作又は管理局40からの切換指示が検出された場合は、2として示すようにステップF306に進み、コントローラ51は前方優先レートに切り換える制御を行う。
ノーマルレート時にステップF304で、又は後方優先レート時にステップF314で、前方での画像条件が検出された場合は、コントローラ51はステップF306に進み、前方優先レートに切り換える制御を行う。
ノーマルレート時にステップF305で、又は前方優先レート時にステップF309で、後方での画像条件が検出された場合は、コントローラ51はステップF311に進み、後方優先レートに切り換える制御を行う。
前方優先レート時にステップF310で前方優先の画像条件の解消が検出された場合、或いは後方優先レート時にステップF315で後方優先の画像条件の解消が検出された場合は、ステップF301に戻ってノーマルレートに切り換える制御を行う。
このような図13の処理によれば、高品質の映像を取得したい光景が撮像範囲(前方又は後方)に入った場合に、その光景を撮像している方向の映像が高画質化されるようにレートが自動的に切り換えられて、映像データの記録・送信が行われる。
例えばパトロール中などに、暴漢に襲われるなどで激しい動きが検出された場合に、暴漢等が撮像されている方向の様子を高画質で記録・送信できる。もちろんこの場合、使用者は操作の余裕はないため、自動的に前後でのレート切換が行われることが非常に好適である。
また、重点的に警備を行いたい建物の近辺や、指名手配犯人に似た人物、その他、逃走犯人が着ていた衣服の色、などに反応して、それらが撮像されている方向の映像データが高画質で取得できることになるため、警備や捜査に有用である。
また、一般用途においても、例えば散策やハイキングにおいて、特定の地区などで高画質撮像を行いたい場合などに、その場所(建物)などの写真等をターゲット画像としてセットしておくことで、ユーザーが操作を意識することなく所望の撮像が可能となる。
また前方優先レート又は後方優先レートでの撮像中は、使用者の操作、管理局40からのレート切換指示に応じて、ノーマルレートに戻されるようにすることで、使用者や管理局40のオペレータが前方又は後方で高画質撮像を要しないと判断した場合に対応できる。
また、前方優先レート時に前方優先の画像条件が解消されたと判断された場合や、後方優先レート時に後方優先の画像条件が解消されたと判断された場合に、自動的にノーマルレートに戻ることで、ユーザーはレート状態・切換操作を意識しなくてもよいものとなる。
画像条件の解消は、例えばタイムカウントで判断することができる。
例えば前方での画像条件検出によって前方優先レートに移行した場合に、前方での動きやターゲット画像の検出がない状態が所定時間継続した場合に画像条件の解消と判別することができる。なお、この場合、単にノーマルレートに戻るのではなく、画像条件検出によってレート切換が行われた直前のレート状態に戻すようにしても良い。
後方優先の画像条件の解消も同様に判断できる。
或いは、前方と後方で同時に動きやターゲット画像が検出された場合に、画像条件の解消とすることもできる。即ち、前後で同等の品質で撮像した方がよい状況が発生した場合などである。
7.位置検出によるレート切換
次に、コントローラ51がGPSデコーダ65からの現在位置情報に基づいてレート変更条件を判断し、レート切換を行う例を図14で説明する。なお、図14では使用者の操作又は管理局40の指示によってレート切換を行う処理は省略している。
図14において、撮像(記録/送信)が開始される時点では、コントローラ51はステップF401として各エンコード部53a、53b、54a、54bに対してノーマルモードを指示している状態となる。
つまりストレージエンコード部53a及び通信エンコード部54aに対するフレームレート、圧縮レートと、ストレージエンコード部53b及び通信エンコード部54bに対するフレームレート、圧縮レートとを、同等のレートに制御している。
この場合コントローラ51には、予め地区を指定する情報、例えば緯度範囲及び経度範囲としての情報が判断基準としてセットされている。
そしてコントローラ51は常時GPSデコーダ65からの現在位置情報としての緯度・経度と、上記指定地区の情報を比較し、ステップF402で現在位置が指定された区域内であるか否かを判断している。
指定区域内でない期間は、ノーマルレートでの撮像制御を継続する。
指定区域の情報については、例えば使用者が予め、ビデオカメラを操作して指定地区を入力する。入力形態については多様に考えられるが、例えば表示部11に地図表示を行ってユーザーがその地図内で範囲指定したり、或いは使用者が地名等を入力又は選択することで、その地名に相当する緯度経度範囲が指定地区の情報としてセットされるようにすればよい。
また管理局40が、指定地区としての緯度経度範囲のデータをビデオカメラに送信し、コントローラ51がそれを受信して指定地区の情報とするようにしてもよい。
さらにコントローラ51では、指定地区内において、特定の場所、建物等が重点的に撮像すべき対象としてセットされる。例えばユーザー或いは管理局40によって、地域名として指定区域が指定され、さらにその指定区域内の特定のポイント(建物や場所)が重点撮像対象としてセットされればよい。
或いは、特定の建物の名称や番地などを入力することで、それが重点撮像対象とされ、その周辺区域が指定区域として自動的にセットされるようにしてもよい。
ステップF402において、現在位置が指定区域内であることが判別されたら、コントローラ51の処理はステップF402からF403に進み、カメラユニット1における方位検出部7からの方位情報を確認する。
そしてステップF404として、現在の撮像の方向状態において、前方と後方のどちらが重点的に撮像すべき方向かを判断する。つまり重点撮像対象の方向を向いているカメラ部が前方カメラ部2aであるのか後方カメラ部2bであるのかを判断する。
そして重点撮像対象の方向を向いているカメラ部が前方カメラ部2aであった場合は、ステップF405に進み、前方優先レートで撮像(記録/送信)が行われるように制御する。
即ち、ストレージエンコード部53a及び通信エンコード部54aに対するフレームレート及び/又は圧縮レートが、ストレージエンコード部53b及び通信エンコード部54bに対するフレームレート及び/又は圧縮レートより高くなるように制御する。
これによって前方カメラ部2aで撮像される映像データ、即ち重点撮像対象の方向を撮像している映像データが、後方カメラ部2bで撮像される映像データよりも高品位な映像データとされて、メモリカード30への記録、又は管理局40への送信出力が行われる状態となる。
前方優先レートで撮像が行われている期間も、コントローラ51は現在位置情報と指定区域の情報を比較しており、ステップF406では、現在位置が指定区域外となったか否かを判別している。
ステップF406で指定区域外となったことが判別された場合には、ステップF401に進み、各エンコード部53a、53b、54a、54bがノーマルレートでの処理を行うように制御する。
またステップF406で指定区域外となっていないと判断された場合は、ステップF407で、方位検出部7からの方位情報を確認する。そしてステップF408で、重点撮像対象の方向を向いているカメラ部が依然として前方カメラ部2aであるのか否かを判断する。
重点撮像対象の方向を向いているカメラ部が依然として前方カメラ部2aであればステップF405に戻り、前方優先レートの状態を継続する。
上記のように指定区域に入った時点でステップF404において、重点撮像対象の方向を向いているカメラ部が後方カメラ部2bであると判断された場合は、ステップF409に進み、後方優先レートで撮像(記録/送信)が行われるように制御する。
即ち、ストレージエンコード部53b及び通信エンコード部54bに対するフレームレート及び/又は圧縮レートが、ストレージエンコード部53a及び通信エンコード部54aに対するフレームレート及び/又は圧縮レートより高くなるように制御する。
これによって後方カメラ部2bで撮像される映像データ、即ち重点撮像対象の方向を撮像している映像データが、前方カメラ部2aで撮像される映像データよりも高品位な映像データとされて、メモリカード30への記録、又は管理局40への送信出力が行われる状態となる。
後方優先レートで撮像が行われている期間も、コントローラ51は現在位置情報と指定区域の情報を比較しており、ステップF410では、現在位置が指定区域外となったか否かを判別している。
ステップF410で指定区域外となったことが判別された場合には、ステップF401に進み、各エンコード部53a、53b、54a、54bがノーマルレートでの処理を行うように制御する。
またステップF410で指定区域外となっていないと判断された場合は、ステップF411で、方位検出部7からの方位情報を確認する。そしてステップF412で、重点撮像対象の方向を向いているカメラ部が依然として後方カメラ部2bであるのか否かを判断する。
重点撮像対象の方向を向いているカメラ部が依然として後方カメラ部2bであればステップF409に戻り、後方優先レートの状態を継続する。
前方優先レートにおいてステップF408で、重点撮像対象の方向を向いているカメラ部が後方カメラ部2bになったと判断された場合は、ステップF409に進み、後方優先レートに切り換える処理を行う。
また後方優先レートにおいてステップF412で、重点撮像対象の方向を向いているカメラ部が前方カメラ部2aになったと判断された場合は、ステップF405に進み、前方優先レートに切り換える処理を行う。
このような図14の処理によれば、指定区域内で、自動的に重点撮像対象の方向を向いている映像について高品質の映像データの記録/送信出力が行われる。
従って、例えばパトロール中に警備重点地や危険地域などが含まれる場合であって、その区域、さらには区域内の特定の場所を監視していたい場合や様子を記録しておきたい場合などに好適である。
もちろん、指定区域内において、方位判別に応じて前方優先レートと後方優先レートが切り換えられることで、常に重点撮像対象について高品質な撮像が可能となる。
また、一般用途においても、例えば散策やハイキングにおいて、特定の場所について高画質撮像を行いたい場合などに、その場所を重点撮像対象としてセットしておくことで、ユーザーが操作を意識することなく所望の撮像が可能となる。
また指定地区において前方優先レート又は後方優先レートに移行した後、指定区域外となることに応じて自動的にノーマルレートに戻ることで、使用者がレート操作の意識を持つことは不要であるため、操作に気を使わなくてもよく、警備中などにおいて好適である。
8.変形例
以上、フレームレート及び/又は圧縮レートの切換制御処理として各例を説明したが、ビデオカメラの処理としては更に多様な例が考えられる。
上記各フローチャートの処理は、最初にノーマルレートで開始されるようにしたが、最初に前方優先レート又は後方優先レートにより撮像が行われるようにし、所定のレート変更条件によってレート切換が行われるようにしてもよい。
またレート制御によって、ノーマルレート、前方優先レート、後方優先レートの3つの状態が切り換えられるとしたが、ノーマルレートを無くし、前方優先レートと後方優先レートの間で切り換えられるようにしてもよい。その場合、最初に前方優先レートとされて撮像動作が開始され、所定のレート変更条件に応じて後方優先レートに切り換えられるようにしたり、或いは逆に、最初に後方優先レートとされて撮像動作が開始され、所定のレート変更条件に応じて前方優先レートに切り換えられるようにする。
また、例えば前方優先レートにおいて、さらに段階的にフレームレート又は圧縮レートが切り換えられることで、段階的に前方の映像データの品質を向上させることもできる。即ち前方優先レートの状態において複数段階にレート切換を行うものである。
この場合、複数のレート変更条件の検出状態や検出数によって制御するレートを決定したり、どのレート変更条件が検出されたかによってレートを決定することなどが考えられる。いま、前方優先レート内での前方映像に対するレートとして第1レート、第2レートが切り換えられ、かつ第2レートは第1レートより高画質となるレートであるとして、レート切換の例を挙げる。
・ノーマルレート又は後方優先レートにおいて、前方優先のレート変更条件の1つが検出された場合に前方優先レートの第1レートに移行し、さらに第1レート中に前方優先のレート変更条件の1つが検出された場合に第2レートに移行する。
・ノーマルレート又は後方優先レートにおいて、前方優先の1つのレート変更条件が検出された場合に前方優先レート第1レートに移行し、またノーマルレート又は後方優先レート中に前方優先の複数のレート変更条件が検出された場合に前方優先レート第2レートに移行する。
・前方優先のレート変更条件として、例えば使用者の操作や指定区域内の重点撮像対象方向による場合などは前方優先レート第1レートに移行し、大音量検出、音声ターゲット検出、画像動き検出、画像ターゲット検出などの場合は前方優先レート第2レートに移行するなど、検出されたレート変更条件の種別に応じてレートを決定する。
もちろんこれ以外にも各種の処理例は考えられる。
また、後方優先レートの場合においても、同様に上記第1レート、第2レートのように複数段階のレート切換を行うことも考えられる。
また、レート切換を実行するためレート変更条件は、上記各例として示したレート変更条件を複合的に用いることは当然に想定される。
例えばレート変更条件として、使用者操作、管理局40からの指示、大音量検出、音声ターゲット検出、画像動き検出、画像ターゲット検出、指定区域内での重点撮像対象方向について述べたが、これらの全部又は一部を常にチェックしていてもよい。
さらに前後の温度センサや、加速度センサなどを設けて温度状況や加速度状況などを前方優先レート又は後方優先レートへのレート変更条件として検出することも考えられる。
また衝撃センサ67によって衝撃が検出された際に、その衝撃が加えられた方向を判別して、前方優先レート又は後方優先レートに切り換えることも考えられる。
また、レート変更条件のそれぞれについて、重み付けを行っておき、後方優先の条件と前方優先の条件が重複して検出された場合に、どちらが重要なレート変更条件かによって前方優先レート・後方優先レートを選択するようにしてもよい。
また、前方と後方の2つの方向について撮像を行う例を述べたが、3方向、4方向など、より多数の方向を撮像することも考えられる。その場合も同様に、各方向の撮像映像信号について、それぞれ対応するエンコード部での圧縮レート、フレームレートが、レート切換条件に応じて切り換えられるようにする。即ち、重要とされる光景が撮像されている方向について、高画質の映像データが得られるようにすればよい。
また上記例では、動作モードとしてストレージモード、伝送モード、マルチモードが行われるとしたが、レート変更条件或いは他の条件の検出に応じて動作モードの変更も自動的に行われるようにしてもよい。
例えば指定地区内では自動的にマルチモード又は伝送モードとされて、必ず映像データが管理局40に送信されるようにしたり、或いはメモリ容量が残り少なくなることで、ストレージモード又はマルチモードから伝送モードに切り換えられたり、或いはマルチモード時にバッテリー容量が所定以下となったら伝送モード又はストレージモードとするなどの処理である。
ところで、実施の形態では、フレームレートを変更するフレーム処理の例をフレーム抽出処理として述べた。
つまりCCD部5a、5bのそれぞれで得られた撮像映像信号のフレーム列から、何フレームを抽出するかにより、前方と後方の映像品質を異なるものとする例である。
ところがCCD部5a、5b自体を、互いに異なるフレームレートとなるように動作を切り換えることも考えられる。
例えばCCD部5aに与えるCCD転送クロックとCCD部5Bに与えるCCD転送クロックとを異なる周波数に可変制御できるようにする。このようなフレーム処理でも、前方映像データと後方映像データとのフレームレートは可変されるものとなり、つまり本発明としての動作は実現できるものである。
また、記録用のエンコード或いは通信用のエンコードの後段の処理として、フレーム間引/フレーム補間を行ってフレームレートを設定したり、或いは画素間引き/画素補間を行って圧縮レートを設定することもできる。従って、フレーム処理や圧縮処理が、ストレージエンコード部53a、53b、通信エンコード部54a、54bで行われなければならないものではない。従って、装置構成は多様に考えられる。
さらに、例えばフレーム処理、圧縮処理をそれぞれ複数段階行われるようにすることも考えられる。
例えば圧縮処理として2段階の処理を実行できる回路系を構成すれば、1段階の圧縮のみを行う場合と、1段階目の圧縮と2段階の圧縮の両方を行う場合で、圧縮レートを異なるものとすることができる。
例えば前方優先レートでは前方カメラ部2aからの撮像映像信号について1段階目のみの圧縮処理を行ない、後方カメラ部2bからの撮像映像信号については1段階目と2段階目の圧縮処理を行なうようにする例である。このようにしても前方映像データと後方映像データとでレート(つまり映像品質)を異なるものとすることができる。もちろん3段階以上の圧縮処理が行われるようにしてもよい。各段階の圧縮処理は同一の圧縮方式でも異なる圧縮方式でもよい。
フレームレートについても同様に考えられる。
本発明の実施の形態のビデオカメラの外観の説明図である。 実施の形態のビデオカメラの使用態様の説明図である。 実施の形態のビデオカメラの撮像視野角の説明図である。 実施の形態のビデオカメラを用いたシステム構成の説明図である。 実施の形態のビデオカメラの構成のブロック図である。 実施の形態のビデオカメラの動作モード及びレート切換の説明図である。 実施の形態のビデオカメラのフレームレート切換の説明図である。 実施の形態のビデオカメラのフレームレート切換の説明図である。 実施の形態のビデオカメラのフレームレート切換の説明図である。 実施の形態のレート切換方式の各種例の説明図である。 実施の形態の操作又は指示によるレート切換処理のフローチャートである。 実施の形態の音声検査に基づくレート切換処理のフローチャートである。 実施の形態の画像解析に基づくレート切換処理のフローチャートである。 実施の形態の現在位置検出及び方位検出に基づくレート切換処理のフローチャートである。
符号の説明
1 カメラユニット、2a 前方カメラ部、2b 後方カメラ部、3a 前方マイクロフォン、3b 後方マイクロフォン、4 発光部、5a,5b CCD部、7 方位センサ、10 コントロールユニット、11 表示部、12 アンテナ、13 メモリカードスロット、14 スピーカ、16 電源スイッチ、17 エマージェンシースイッチ、18 操作キー、30 メモリカード、31 ケーブル、32 公衆回線、40 管理局、41 コントローラ、42 モニタ部、43 操作部、44 ストレージ部、45 リモートアクセスサーバ、46 メモリカードスロット、51 コントローラ、52 電源部、53a,53b ストレージエンコード部、54a,54b 通信エンコード部、55,56 マルチプレクサ、57 記録部、60 送信信号処理部、61 受信信号処理部、62 通信部、63 画像解析部、64 音声検査部、65 GPSデコーダ、66 GPSアンテナ、67 衝撃センサ

Claims (20)

  1. 携帯しながらの撮像が可能な撮像装置であって、
    撮像映像信号を得る撮像手段と、
    コントローラ、モニタ部、操作部、ストレージ部、サーバを備えた通信先へ、上記撮像手段で撮像した映像データを送信し、上記通信先からデータを受信する送受信通信手段と、 上記通信先から受信した上記データを表示する表示手段を有するコントロールユニットと、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 上記コントロールユニットは、上記送信先から送信される指示情報やデータを上記送受信手段により受信することができるとともに、該指示情報に基づき上記撮像手段、上記表示手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 上記コントロールユニットは、前記通信先から指示や資料として送信されてきた画像データやテキストデータのデータを上記表示部に表示するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 上記コントロールユニットの上記送受信通信手段は、その備える通信機能として携帯電話、PHS等の公衆回線の通信機能を備えていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  5. 上記コントロールユニットの上記送受信通信手段は、その備える通信機能として専用回線による通信機能を備えていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  6. 上記コントロールユニットの上記送受信通信手段の備える携帯電話、PHSの通信機能としての送受信は、上記通信先が中継局として機能するものであることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
  7. 上記コントロールユニットは、動作モード制御手段及び記憶手段を更に備え、
    上記動作モード制御手段は、上記撮像手段で撮像した映像データを上記記憶手段に記憶することのみの記録動作モードと、上記撮像手段で撮像した映像データを上記通信先への送信出力のみの伝送動作モードと、映像データを記憶手段に記録する記録動作と上記通信先への送信出力する伝送動作とを実行するマルチ動作モードとを、切り換えて制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  8. 上記コントロールユニットに備えられる記憶手段は、メモリカード、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープに対応するものであることを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  9. 上記コントロールユニットは、動作モード切換操作キーを更に備え、
    上記動作モード制御手段の上記各動作モードの切り換えは、上記動作モード切換操作キーが操作されること、及び上記送受信手段によって受信される上記通信先から送信される動作モード制御の指示情報によって行われることを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  10. 上記コントロールユニットは、更に、緊急操作キーを備え、
    上記コントロールユニットは、上記緊急操作キーが操作されると、上記動作モードが記録動作モードであっても、伝送操作モード又はマルチ動作モードに切換えて、上記撮像手段で撮像される映像データを上記通信先に送信出力するように制御することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  11. 上記緊急操作キーは、他の操作キーよりも大型である程度の押圧力を必要とするようにされていると共に、上記コントロールユニットの外表面より低くして設けられていることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
  12. 上記撮像手段は、使用者に装着され、使用者の前方の光景を撮像する前方カメラ部と、使用者の後方の光景を撮像する後方カメラ部とが設けられたカメラユニットを有し、前方の撮像映像信号及び後方の撮像映像信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  13. 上記撮像手段は、使用者の前方方向に指向性を有する前方マイクロフォンと、使用者の後方方向に指向性を有する後方マイクロフォンを備えていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  14. 上記撮像手段は、無指向性のマイクロフォンを1つ備えていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  15. 上記撮像手段は、撮像が行われている際に発光する発光部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  16. 上記コントロールユニットは、データ伝送を行うためのケーブル接続端子を備えていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  17. 上記コントロールユニットは、上記撮像手段及び上記表示手段の基本操作のためのカーソルキー、エンターキー、キャンセルキー等の操作キーが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  18. 撮像映像信号を得る撮像手段を備えた携帯しながらの撮像が可能な撮像装置のコントロールユニットであって、
    上記コントロールユニットは、
    コントローラ、モニタ部、操作部、ストレージ部、サーバを備えた通信先へ上記撮像手段で撮像した映像データを送信し、上記通信先からデータを受信する送受信通信手段と、
    上記通信先から受信した上記データを表示する表示手段と
    を有することを特徴とするコントロールユニット。
  19. 撮像映像信号を得る撮像手段と、コントローラ、モニタ部、操作部、ストレージ部、サーバを備えた通信先へ、上記撮像手段で撮像した映像データを送信し、上記通信先からデータを受信する送受信通信手段と、上記通信先から受信した上記データを表示する表示手段を有するコントロールユニットとを備えた携帯しながらの撮像が可能な撮像装置の撮像方法において、
    上記撮像手段によって撮像映像信号を得るステップと、
    上記通信先へ、上記撮像手段得られた上記撮像映像信号を映像データとして送信するステップと、
    上記通信先からデータを受信するステップと、
    上記通信先から受信した上記データを表示する表示ステップと
    からなる撮像方法。
  20. 撮像映像信号を得る撮像手段を備えた携帯しながらの撮像が可能な撮像装置のコントロールユニットにおけるコントロール方法において、
    上記撮像手段によって撮像映像信号を得るステップと、
    コントローラ、モニタ部、操作部、ストレージ部、サーバを備えた通信先へ上記撮像手段で得られた撮像映像信号を映像データとして送信するステップと、
    上記通信先からデータを受信する送受信ステップと、
    上記通信先から受信した上記データを表示する表示ステップと
    を有することを特徴とするコントロールユニットのコントロール方法。
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