JP2007060483A - 送信装置と送受信装置における歪補償装置 - Google Patents

送信装置と送受信装置における歪補償装置 Download PDF

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拓也 舩山
Yasuhide Tanaka
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Abstract

【課題】装置の小型、低消費電力化のため、送信側にプリディストーション用の復調器を不要とし、かつAM−AM歪・AM−PM歪を適応的に最適補償する。
【解決手段】ベースバンド信号4中に含まれる歪のない既知信号電力と、増幅器12の出力側からAM−AM歪検出部104により検出したAM−AM歪のある既知信号電力とを比較してAM−AM歪を算出し、算出したAM−AM歪の逆特性を求め、この逆特性によりLUT112A中のAM−AM歪補償データを更新することで、AM−AM歪の最適な歪補償を行い、かつ、AM−PM歪検出部106により検出したAM−PM歪が最小となるようにLUT112A中のAM−PM歪補償データを更新することで、AM−PM歪の最適な歪補償を行うことができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、無線通信システムの送信装置の電力増幅器(以下、増幅器という。)により、無線周波数帯の信号を増幅した際に発生する非線形歪を補償する送信装置と送受信装置における歪補償装置に関する。
無線通信システムの送信装置では、送信する信号を増幅器により増幅した後にアンテナを経由して空中へ電波を輻射する。
この種の増幅器は、省電力化を図るために消費電力の効率化が進められている一方、高効率な増幅器は、一般的には、入力電力が比較的高くなるに従いその出力(電力及び位相)に非線形成分を含む入出力特性、いわゆる非線形歪を含む特性を示す。この非線形歪の量が大きくなると無線通信の品質が劣化し、最悪の場合には、通信ができなくなる場合がある。
この明細書及び特許請求の範囲において、増幅器の入力電力に対する出力電力の歪特性をAM−AM歪特性(振幅歪特性)といい、増幅器の入力電力に対する出力位相の歪特性をAM−PM歪特性(位相歪特性)という。
ここで、図10を参照して、増幅器12の一般的なプリディストーション手法について説明する。
図10に示すように、増幅器12は、入力電力(AM)[dBm]の増加に対して、出力電力(AM)[dBm]は、入力電力が比較的に小さい領域ではほぼ線形となっているが、入力電力が比較的に大きな領域になってくると非線形になる、AM−AM歪(非線形歪)を呈する。また、増幅器12は、入力電力の増加に対して、出力位相[rad]は、入力電力が比較的に小さい領域では位相回転がない平坦(線形)となっているが、入力電力が比較的に大きな領域になってくると非線形になる、AM−PM歪(非線形歪)を呈する。
この増幅器12で発生する非線形歪の逆特性の歪である、AM−AM歪の逆特性及びAM−PM歪の逆特性を歪補償部1に設定し、系全体として歪を低減することがプリディストーション手法である。近時、歪補償部1は、デジタル回路で構成される。
図11は、このようなプリディストーション手法を採用した従来技術に係る歪補償部6を備える送信装置における歪補償装置2の構成を示している。この送信装置では、IQ信号である直交するベースバンド信号4が適応処理を行う歪補償部6に入力され、歪補償部6でAM−AM歪とAM−PM歪が歪補償されたベースバンド信号にされる。歪補償されたベースバンド信号が、変調器8、D/A変換器10、増幅器12を通じて、アンテナ14から無線電波として輻射される。
この場合、増幅器12の出力側に分配器(信号分配器)16が挿入され、この分配器16により増幅器12の出力信号(変調信号)が分配され、A/D変換器18、復調器20を通じて歪補償部6に復調されたベースバンド信号が供給される。
ここで、歪補償部6は、入力ベースバンド信号と復調ベースバンド信号とを比較し、復調ベースバンド信号の電力と位相が入力ベースバンド信号の電力と位相にそれぞれ等しくなるような適応処理を行う。
この従来技術に係る送信装置における歪補償装置2によれば、厳密な歪補償を実行することはできるが、歪補償のための専用の復調器20が必要であり、この専用の復調器20の存在により歪補償装置2、ひいては送信装置あるいは送受信装置の回路規模、消費電力が大きくなり、高コストになるという問題がある。
そこで、比較的に低コストで歪補償を行う他の従来技術が提案されている(特許文献1)。
図12に示すように、この他の従来技術に係る歪補償機能を有する送信装置における歪補償装置24では、歪補償データ部26が、複数の歪補償データで構成される歪補償データ群を記憶し、電力計算部28からのベースバンド信号4の信号電力に対応する歪補償データを歪補償部22に出力する。
歪補償データ保有部30は、特性の異なる複数の歪補償データ群D1、D2、…Dmを記憶する。
歪補償部22は、歪補償データに対応する非線形歪を付与したベースバンド信号を生成し変調器32に出力する。
増幅器12は、非線形歪の付与されたベースバンド信号を変調器32により直交変調した変調信号を増幅する。
帯域通過フィルタ(BPF)34は、分配器16により分配された変調信号から送信帯域(有効帯域)外の成分である歪成分を取り出す。
歪補償データ制御部38は、歪補償データ部26に記憶される歪補償データ群を歪補償データ保有部30から選択された歪補償データ群に一時的に順次書き換えながら、電力検出器36による歪成分の電力(帯域外輻射電力)レベルの変化を監視し、歪成分である帯域外輻射電力が最も小さくなる歪補償データ群を歪補償データ部26に記憶させる。
図12例の歪補償装置24は、図11例の歪補償装置2に比較して復調器20を使用しないことからコストは低減されるが、歪補償データ保有部30に記憶される個々の歪補償データは固定であるため、温度、動作点、増幅器のデバイス特性の個体差等の違いを全てカバーすることには限界がある。
図13は、さらに他の従来技術に係る歪補償機能を有する送信装置における歪補償装置40の構成を示している(非特許文献1)。
この歪補償装置40では、AM−AM歪補償データは、製造メーカーが明らかにしているデータにより最適AM−AM歪補償データを推定してLUT(ルックアップテーブル)42に記憶すると記載されている。
ベースバンド信号4の電力が電力計算部28で計算され、計算した電力に対応する歪補償データ(AM−AM歪補償データとAM−PM歪補償データ)がLUT42から歪補償部44に供給される。
歪補償部44は、歪補償データとベースバンド信号4とをかけ合わせる。かけ合わされたベースバンド信号が変調器46で変調され、さらに周波数変換器48にて中間周波数から無線周波数へ周波数変換される。無線周波数の変調信号は歪特性を有する増幅器12で増幅され、送信BPF50及びアンテナ14を通じて空中に輻射される。
一方、無線周波数の変調信号は、分配器16により分配され、周波数変換器52にて無線周波数から中間周波数に変換され、歪を抽出するBPF54で帯域外輻射電力のみ通過させ、電力検出器56にて帯域外輻射電力を検出する。これにより、制御部58は、送信信号中に含まれる歪を帯域外輻射電力として定量的に把握することができる。
制御部58は、この検出した帯域外輻射電力を低減させるように摂動制御を行い、AM−PM歪補償データを作成する。
具体的には、図14に示すように、AM−PM歪補償データφの初期値φ1を摂動制御により変更し、電力検出器56で検出した帯域外輻射電力Pobが初期値φ1に等しくなったときのAM−PM歪補償データφを変更値φ2とする。この場合、初期値φ1と変更値φ2の中間で帯域外輻射電力Pobが最小となるため、値{(φ1+φ2)/2}を最適な歪補償データとする。
しかしながら、この図13例の歪補償機能を有する送信装置における歪補償装置40では、歪補償データを摂動制御する際に、変更する向きによっては、さらに歪が大きくなってしまうという問題がある。また、AM−AM歪補償データは固定値のために最適な歪補償ができないという問題がある。
特開2005−72747号公報 ベースバンドプリディストーション用LUTデータの自動作成に関する一検討、中村宏之、渡邊和二、丸山貴史、中津川征士、日本電信電話株式会社、NTTアクセスサービスシステム研究所、信学技報、CS2004−207、RCS2004−314(2005−01)、社団法人 電子情報通信学会、143頁〜148頁
上述したように、図11例の従来技術に係る歪補償装置2によれば、厳密な歪補償を実行することはできるが、プリディストーション専用の復調器20が必要となり、回路規模、消費電力が大きくなり、高コストになるという問題がある。
図12例の従来技術に係る歪補償装置24によれば、図11例の歪補償装置2に比較して専用の復調器20を使用しないことからコストは低減されるが、歪補償データ保有部30に記憶される個々の歪補償データが固定であるため、温度、動作点、増幅器のデバイス特性の個体差等の違いを全てカバーするには限界がある。
図13例の従来技術に係る歪補償装置40では、歪補償データを摂動制御する際に、変更する向きによっては、さらに歪が大きくなってしまうという問題がある。また、AM−AM歪補償データは固定値のために最適な歪補償ができないという問題がある。
この発明は、上述した課題を考慮してなされたものであり、小型化、低消費電力化が可能で、かつAM−AM歪、AM−PM歪の最適な補償を可能とする送信装置と送受信装置における歪補償装置を提供することを目的とする。
(1)この発明に係る送信装置における歪補償装置は、入力されたベースバンド信号に対して、増幅器により発生する歪を歪補償部で歪補償した後、直交変調し、無線周波数の信号に周波数変換した後、前記増幅器及びアンテナを通じて外部に無線電波として輻射する送信装置における歪補償装置において、前記ベースバンド信号の電力を計算する電力計算部と、計算した前記電力に応じて、記憶しているAM−AM歪補償データとAM−PM歪補償データを出力するデータ記憶部と、前記増幅器の出力側からAM−AM歪を検出するAM−AM歪検出部と、前記増幅器の出力側から帯域外輻射電力をAM−PM歪として検出するAM−PM歪検出部と、前記ベースバンド信号中に含まれる歪のない既知信号電力と、検出した前記AM−AM歪のある既知信号電力とを比較してAM−AM歪を算出し、算出したAM−AM歪の逆特性を求め、前記データ記憶部中の前記AM−AM歪補償データを更新するとともに、検出した前記AM−PM歪が最小となるように前記データ記憶部中の前記AM−PM歪補償データを更新する制御部と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、ベースバンド信号中に含まれる歪のない既知信号電力と、増幅器の出力側からAM−AM歪検出部により検出したAM−AM歪のある既知信号電力とを比較してAM−AM歪を算出し、算出したAM−AM歪の逆特性を求め、この逆特性によりデータ記憶部中のAM−AM歪補償データを更新することで、AM−AM歪の最適な歪補償を行い、かつ、AM−PM歪検出部により検出したAM−PM歪が最小となるようにデータ記憶部中のAM−PM歪補償データを更新することで、AM−PM歪の最適な歪補償を行うことができる。
この場合、既知信号は、例えば順次送出される無線フレーム内の既知信号を利用することができ、また、歪のない既知信号電力は、例えば、64QAMで説明すれば、IQ位相図上、45゜(−135゜)及び135゜(−45゜)の線上に位置する16個のシンボル(電力は各象限で4種類)について、例えば電力が最も小さい固定の同電力の4個のシンボルを順次送出した後、次の固定の同電力の4個のシンボルを順次送出し、以下、次の固定の同電力の4個のシンボル、最も大きい固定の同電力の4個のシンボルを順次送出し、各シンボルにおいて、歪のない既知信号電力と、歪のある既知信号電力を比較し、歪のある既知信号電力の歪を打ち消すAM−AM歪補償データを求めることができる。
AM−PM歪は、帯域外輻射電力が最小となるように、データ記憶部中のAM−PM歪補償データを更新するが、その際、入力電力を変化させたときと、入力位相を変化させたときに、同時に帯域外輻射電力が最小となる入力電力及び入力位相を求めるようにして、データ記憶部中のAM−PM歪補償データの最適化を図る。
そして、この発明では、AM−AM歪補償データ及びAM−PM歪補償データを更新するのに、専用の復調器を必要としないので回路規模の小さくなり、小型化及び低消費電力化を達成できる。
(2)また、この発明に係る送信装置における歪補償装置は、入力されたベースバンド信号に対して、増幅器により発生する歪を歪補償部で歪補償した後、直交変調し、無線周波数の信号に周波数変換した後、前記増幅器及びアンテナを通じて外部に無線電波として輻射する送信装置における歪補償装置において、前記ベースバンド信号の電力を計算する電力計算部と、計算した前記電力に応じて、記憶しているAM−AM歪補償データとAM−PM歪補償データを出力するデータ記憶部と、前記増幅器の出力側から帯域外輻射電力を検出する帯域外輻射電力検出部と、検出した前記帯域外輻射電力が最小になるように、前記データ記憶部中の前記AM−AM歪補償データ及び前記AM−PM歪補償データを更新する制御部と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、帯域外輻射電力検出部により増幅器の出力側から検出した帯域外輻射電力が最小になるように、データ記憶部中のAM−AM歪補償データを更新するとともに、検出した帯域外輻射電力が最小となるようにデータ記憶部中のAM−PM歪補償データを更新するようにしているので、上記(1)の発明に比較して、既知信号を用いないので、より簡単な構成で、データ記憶部中のAM−AM歪補償データ及びAM−PM歪補償データを更新することができる。
(3)さらに、この発明に係る送信装置における歪補償装置は、入力されたベースバンド信号に対して、増幅器により発生する歪を歪補償部で歪補償した後、直交変調し、無線周波数の信号に周波数変換した後、前記増幅器及びアンテナを通じて外部に無線電波として輻射する送信装置における歪補償装置において、前記ベースバンド信号の電力を計算する電力計算部と、計算した前記電力に応じて、記憶しているAM−AM歪補償データを出力するとともに、後に設定されるAM−PM歪補償データを出力するデータ記憶部と、前記増幅器の出力側からAM−AM歪を検出するAM−AM歪検出部と、前記増幅器の出力側から帯域外輻射電力を検出する帯域外輻射電力検出部と、前記ベースバンド信号に含まれる歪のない既知信号電力と、検出した前記AM−AM歪のある既知信号電力とを比較してAM−AM歪を算出するとともに、算出した前記AM−AM歪からAM−AM歪補償値を求め、求めた前記AM−AM歪補償値に対するAM−PM歪補償データを前記増幅器の平均的な特性から算出し、前記データ記憶部の前記AM−AM歪補償データを更新するとともに、算出した前記AM−PM歪補償データを前記データ記憶部に設定した後、検出した前記帯域外輻射電力が最小になるように、前記データ記憶部中の更新された前記AM−AM歪補償データを更新するとともに、検出した前記帯域外輻射電力が最小となるように前記データ記憶部中の設定された前記AM−PM歪補償データを更新する制御部と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、ベースバンド信号中に含まれる歪のない既知信号電力と、増幅器の出力側からAM−AM歪検出部により検出したAM−AM歪のある既知信号電力とを比較してAM−AM歪を算出し、算出したAM−AM歪の逆特性を求め、この逆特性によりデータ記憶部中のAM−AM歪補償データを更新することで、AM−AM歪の最適な歪補償を行える。また、更新したAM−AM歪補償データに対するAM−PM歪補償データを前記増幅器の平均的な特性から予め算出し、算出したAM−PM歪補償値を初期値として、データ記憶部中に設定する。
その後、帯域外輻射電力検出部により増幅器の出力側から検出した帯域外輻射電力が最小になるように、データ記憶部中のAM−AM歪補償データを更新するとともに、検出した帯域外輻射電力が最小となるようにデータ記憶部中のAM−PM歪補償データを更新するようにしているので、上記(1)の発明に比較して、通常動作時には、既知信号を用いる必要がないという利点が得られる。
(4)さらにまた、この発明に係る送受信装置における歪補償装置は、入力されたベースバンド信号に対して、増幅器により発生する歪を歪補償部で歪補償した後、直交変調し、無線周波数の信号に周波数変換した後、前記増幅器及びアンテナを通じて外部に無線電波として輻射するとともに、他の電波を受信して復調する送受信装置における歪補償装置において、前記ベースバンド信号の電力を計算する電力計算部と、計算した前記電力に応じて、記憶しているAM−AM歪補償データとAM−PM歪補償データを出力するデータ記憶部と、前記増幅器の出力側から帯域外輻射電力を検出する帯域外輻射電力検出部と、通常動作時には、受信した前記他の電波を復調し、初期動作時には、前記増幅器の出力側に接続が切り替えられる復調器と、前記初期動作時に、前記復調器で得られたベースバンド信号からAM−AM歪とAM−PM歪とを検出し、各々逆特性を求めて、前記データ記憶部中の前記AM−AM歪補償データと前記AM−PM歪補償データを更新した後、前記復調器を通常動作時側に切り替え、この通常動作時には、検出した前記帯域外輻射電力が最小になるように、初期動作時に更新された前記AM−AM歪補償データを更新するとともに、検出した前記帯域外輻射電力が最小となるように、初期動作時に更新された前記データ記憶部中の前記歪補償データを更新する制御部と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、初期の補償時に復調器出力を利用して歪補償データ更新した後、通常動作時には、復調器は受信装置に使用するようにしている。そして、その通常動作時には、上記(2)と同様にAM−AM歪補償データ及びAM−PM歪補償データを更新するようにしている。この発明によっても、AM−AM歪補償データ及びAM−PM歪補償データを更新するのに、専用の復調器を必要としないので、小型化、低消費電力化ができる。また、通常動作時には、上記(2)の発明と同様に、帯域外輻射電力検出部により増幅器の出力側から検出した帯域外輻射電力が最小になるように、データ記憶部中のAM−AM歪補償データを更新するとともに、検出した帯域外輻射電力が最小となるようにデータ記憶部中のAM−PM歪補償データを更新するようにしているので、既知信号を用いることなく、より簡単な構成で、データ記憶部中のAM−AM歪補償データ及びAM−PM歪補償データを更新することができる。
(5)この発明に係る送信装置における歪補償装置は、入力されたベースバンド信号に対して、増幅器により発生する歪を歪補償部で歪補償した後、直交変調し、無線周波数の信号に周波数変換した後、前記増幅器及びアンテナを通じて外部に無線電波として輻射する送信装置における歪補償装置において、前記ベースバンド信号の電力を計算する電力計算部と、計算した前記電力に応じて、記憶しているAM−AM歪補償データとAM−PM歪補償データを出力するデータ記憶部と、前記増幅器の出力側から帯域外輻射電力を検出する帯域外輻射電力検出部と、前記増幅器の出力側に接続され前記増幅器により増幅された変調信号を直交検波する検波部と、初期動作時に、歪のない既知信号電力と、前記検波部で直交検波された既知信号電力とを比較してAM−AM歪とAM−PM歪を算出し、算出したAM−AM歪とAM−PM歪の逆特性を求め、前記データ記憶部中の前記AM−AM歪補償データを更新するとともに、検出した前記AM−PM歪が最小となるように前記AM−PM歪補償データを更新した後、通常動作時に、検出した前記帯域外輻射電力が最小になるように、前記データ記憶部中の更新された前記初期AM−AM歪補償データを更新するとともに、検出した前記帯域外輻射電力が最小となるように更新された前記データ記憶部中の前記AM−PM歪補償データを更新する制御部と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、初期動作時には、(1)の発明と同様に既知信号を用いてAM−AM歪補償データとAM−PM歪補償データを更新する。通常動作時には、(2)の発明と同様に、AM−AM歪補償とAM−PM歪補償を行うので、回路規模が小さくかつAM−AM歪、AM−PM歪を最適に補償することができる。
なお、上記した(1)〜(5)の発明に係る歪補償装置は、携帯電話等の無線通信の基地局、携帯電話、加入者系無線(FWA:Fixed Wireless Access)の基地局、あるいは無線LANの親機・子機等の送信部に適用される。
この発明によれば、歪補償専用の復調器が不要であるので、小型化、低消費電力化ができる。また、AM−AM歪、AM−PM歪を最適に補償することができる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に参照する図面において、上記図10〜図14に示したものと対応するものには同一の符号を付けてその詳細な説明は省略する。また、適宜、図10〜図14を参照して説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る送信装置における歪補償装置100Aの構成を示している。
歪補償装置100Aは、デジタルプリディストーション手法を採用した装置であり、歪補償部102Aを備えている。
歪補償装置100Aは、歪補償部102Aの他、電力計算部28、データ記憶部としてのLUT(ルックアップテーブル)112A、変調器46、周波数変換器48、増幅器(電力増幅器)12、送信BPF(帯域通過フィルタ)50、アンテナ14、分配器16、AM−AM歪検出部104、AM−PM歪検出部106及び制御部110Aを備えている。
電力計算部28は、入力されたI信号とQ信号とからなる直交ベースバンド信号4の信号電力を計算し、計算した信号電力をLUT112Aに出力する。
LUT112Aは、計算された信号電力に応じて、記憶しているAM−AM歪補償データとAM−PM歪補償データとからなる歪補償データを歪補償部102Aに出力する。
なお、LUT112Aに記憶されているAM−AM歪補償データ及びAM−PM歪補償データは、後述するように、制御部110Aにより更新される。
歪補償部102Aは、直交ベースバンド信号4とその信号電力に対応してLUT112Aから供給された歪補償データとの複素積を計算し、増幅器12で発生する非線形歪(AM−AM歪とAM−PM歪:図10参照)と逆特性の非線形歪(図10参照)を付与した直交ベースバンド信号を変調器46に出力する。
変調器46は、歪補償部102Aで歪補償の信号処理がなされた直交ベースバンド信号を直交変調し中間周波数の変調信号を出力する。
周波数変換器48は、中間周波数の変調信号を無線周波数(キャリア周波数)の変調信号に周波数変換して出力する。
増幅器12は、周波数変換器48からの変調信号を所定のレベルまで増幅する。
所定のレベルまで増幅された変調信号は、キャリア周波数の通過帯域を有する送信BPF50介し、アンテナ14を通じて外部に無線電波として輻射される。
一方、送信変調信号は、分配器16を介して、一部がAM−AM歪検出部104とAM−PM歪検出部106に出力される。
AM−AM歪検出部104は、信号電力を検出する電力検出器62と、検出した信号電力を、線形な信号電力に変換して出力する線形変換器64とから構成される。なお、線形変換器64の機能は制御部110Aに含めることができる。
AM−PM歪検出部106は、分配器16により分配された送信変調信号を所定の正規化周波数、例えば中間周波数の変調信号に周波数変換する周波数変換器52と、正規化周波数に変換された変調信号中、送信変調信号の帯域外周波数に対応する帯域を通過させて出力するBPF54と、BPF54から出力された信号の電力を検出し、この電力を変調信号中の帯域外輻射電力と等価な値として出力する電力検出器56とから構成される。
制御部110Aは、マイクロコンピュータ等により構成され、ベースバンド信号4中に含まれる歪のない既知信号電力(既知送信信号電力:予め制御部110Aのメモリに記憶されている。)と、AM−AM歪検出部104で検出された歪のある既知信号電力とを比較してAM−AM歪を算出し、算出したAM−AM歪の逆特性を求め、この逆特性にLUT112A中に記憶されているAM−AM歪補償データを更新(置換)する。
その一方、AM−PM歪検出部106で検出された帯域外輻射電力が最小となるようにLUT112A中に記憶されているAM−PM歪補償データを更新する。このようにして、LUT112Aに記憶されているAM−AM歪補償データとAM−PM補償データの最適化を図る。
基本的には、以上のように構成され、かつ動作する第1実施形態に係る歪補償装置100Aについて、次に、1−A.既知信号によるAM−AM歪補償の詳細動作及び1−B.帯域外輻射電力の検出による歪補償動作の詳細について説明する。
1−A.既知信号によるAM−AM歪補償動作
図2は、例としての64QAM変調に対応する歪のない既知信号のシンボル配置図(搬送波の位相振幅空間でのベクトル表示図、単にIQ位相図ともいう。)を示している。既知信号は、例えば順次送出される無線フレーム内の既知信号を利用することができる。この場合、既知信号電力は、ベースバンド信号4を制御部110Aにも供給することで、この制御部110Aで検出するようにすることもできる。
ここで、歪のない既知信号(電力)は、図3のIQ位相図上、45゜(−135゜)及び135゜(−45゜)の線上に位置する16個のシンボルa〜p(電力は各象限で4種類)としている。そして、例えば電力が最も小さい固定の同電力の4個のシンボルa,b,c,dを順次送出した後、次の固定の同電力の4個のシンボルe,f,g,hを順次送出し、以下次の固定の同電力の4個のシンボルi,j,k,l、最も大きい固定の同電力の4個のシンボルm,n,o,pを順次送出し、各シンボルa〜pにおいて、歪のない既知信号電力(図2の各座標位置)と、線形変換器64から出力されるAM−AM歪検出部104で検出された歪のある既知信号電力を比較し、歪のある既知信号電力の歪を打ち消すAM−AM歪補償データを求めることができる。すなわち、検出した歪のある既知信号電力のシンボルa〜pの位置が、歪のない既知信号電力のシンボルa〜pの位置と重なるようにLUT112Aに記憶されているAM−AM歪補償データを更新すればよい。
1−B.帯域外輻射電力の検出による歪補償動作
図3は、電力検出器56で検出された、AM−PM歪補償前の帯域外輻射電力Pob1とAM−PM歪補償後の帯域外輻射電力Pob2を一部に示すパワースペクトル密度図を示す。
この図3において、BPF54の通過帯域は、キャリア周波数(正規化周波数=0)に対して帯域外とされる帯域(帯域外輻射電力通過帯域)Fobであり、この帯域外輻射電力通過帯域Fob内のパワースペクトル密度、換言すれば、帯域外輻射電力Pobが最小値の帯域外輻射電力Pob2となるように制御部110Aは、LUT112Aに記憶されているAM−PM歪補償データをフィードバック制御する。なお、帯域外輻射電力Pobが最小値となるときに、増幅器12の出力側の位相歪みが入力電力に対して平坦となる(図10参照)ことが分かっている。
ここで、帯域外輻射電力Pobの最小値である帯域外輻射電力Pob2の求め方についてさらに詳しく説明する。
図4中、実線は、LUT112Aに、現在、記憶されている更新前の位相歪補償データ(逆特性:図10参照)を示している。
AM−PM歪検出部106で帯域外輻射電力Pobが検出されたとき、制御部110Aは、図5Aに示すように、電力(LUT位置:図4参照)を変化させて、帯域外輻射電力Pobが最小となる位相歪補償データを算出するとともに、図5Bに示すように、位相(LUT傾斜:図4の点線参照)を変化させて、帯域外輻射電力Pobが最小となる位相歪補償データを算出する。両方の帯域外輻射電力Pobが最小となる位相歪補償データに更新する。
以上説明したように第1実施形態に係る歪補償装置100Aによれば、ベースバンド信号4中に含まれる歪のない既知信号電力と、増幅器12の出力側からAM−AM歪検出部104により検出したAM−AM歪のある既知信号電力とを比較してAM−AM歪を算出し、算出したAM−AM歪の逆特性を求め、この逆特性によりLUT112AのAM−AM歪補償データを更新することで、AM−AM歪の最適な歪補償を行い、かつ、AM−PM歪検出部106により検出したAM−PM歪が最小となるようにLUT112A中のAM−PM歪補償データを更新することで、AM−PM歪の最適な歪補償を行うことができる。
この場合、AM−AM歪補償データ及びAM−PM歪補償データを更新するのに、従来技術のように、専用の復調器を必要としないので、小型で低消費電力化を図ることができる。
なお、AM−AM歪補償及びAM−PM歪補償の実行順番は、入力電力を変化させたときにどちらの歪が先に現れてくるかを検出(図10に点線で示す理想直線からのずれを検出)して行えばよいが、どちらの歪が先に現れてくるかは、個々の増幅器12、また温度等の環境条件により異なる。なお、以下の実施形態においても実施順番は、同様に決めることができる。
次に、第2実施形態以降を説明するが、以降に参照する図面において、それ以前に説明した図面に示したものと対応するものには同一の符号を付けてその詳細な説明は省略する。また、適宜、それ以前に説明した図面を参照して説明する。
図6は、この発明の第2実施形態に係る送信装置における歪補償装置100Bの構成を示している。
この歪補償装置100Bは、図1例の第1実施形態に係る歪補償装置100AからAM−AM歪検出部104を取り除き、図1例のAM−PM歪検出部106と同一構成のAM−AM歪・AM−PM歪検出部(帯域外輻射電力検出部)116を用いて歪補償を行う。すなわち、この歪補償装置100Bでは、AM−AM歪検出とAM−PM歪検出とを1つのAM−AM歪・AM−PM歪検出部116行う。また、AM−AM歪補償とAM−PM歪補償を上述した「1−B.帯域外輻射電力の検出による歪補償動作」と同様の方法で行う。
すなわち、制御部110Bは、AM−AM歪・AM−PM歪検出部116により増幅器12の出力側から検出した帯域外輻射電力Pobが最小になるように、LUT112B中のAM−AM歪補償データを更新するとともに、検出した帯域外輻射電力が最小となるようにLUT112B中のAM−PM歪補償データを更新する。
この第2実施形態の歪補償装置100Bでは、図1例の第1実施形態に係る歪補償装置100Aに比較して、既知信号は用いないので、より簡単な構成(小型で低消費電力で低コスト)で、LUT112B中のAM−AM歪補償データ及びAM−PM歪補償データを更新することができる。
図7は、この発明の第3実施形態に係る送信装置における歪補償装置100Cの構成を示している。
この歪補償装置100Cは、図1例の第1実施形態に係る歪補償装置100Aに比較して、AM−PM歪検出部106を図6例のAM−AM歪・AM−PM歪検出部(帯域外輻射電力検出部)116に代替した点で構成が異なる。
この図7例の歪補償装置100Cでは、図1例の第1実施形態に係る歪補償装置100Aと同様の方法でAM−AM歪補償データを求め、そのAM−AM歪補償データに対するAM−PM歪補償データを増幅器12の平均的な特性から予め算出する。この算出したAM−PM歪補償データを初期値として制御部110Cのメモリに記憶しておき、図6例の第2実施形態の歪補償装置100Bと同様の方法でAM−AM歪補償とAM−PM歪補償を行う。
すなわち、最初に、ベースバンド信号4中に含まれる歪のない既知信号電力と、増幅器12の出力側からAM−AM歪検出部104により検出したAM−AM歪のある既知信号電力とを比較してAM−AM歪を算出し、これを図2のシンボル位相図を参照して説明したように、各電力において繰り返し、各電力でのAM−AM歪を求める。
次に、求めたAM−AM歪の逆特性を求め、この逆特性をAM−AM歪補償データの更新値とするとともに、LUT112CのAM−AM歪補償データを上記更新値により更新し、かつメモリに記憶してある初期値をAM−PM歪補償データとしてLUT112Cに設定する。
その後、図6例の第2実施形態に係る歪補償装置100Bと同様に、AM−AM歪・AM−PM歪検出部(帯域外輻射電力検出部)116により増幅器12の出力側から検出した帯域外輻射電力Pobが最小になるように、LUT112C中のAM−AM歪補償データを更新するとともに、検出した帯域外輻射電力が最小となるようにLUT112C中のAM−PM歪補償データを更新する。
この図7例の第3実施形態に係る歪補償装置100Cによれば、図1例の第1実施形態に係る歪補償装置100Aに比較して、通常動作時には、既知信号を用いる必要がないという利点が得られる。
図8は、この発明の第4実施形態に係る送受信装置における歪補償装置100Dの構成を示している。
この歪補償装置100Dは、図6例の第2実施形態に係る歪補償装置100Bに比較して、アンテナ14と送信BPF50との間にDX(デュープレクサ:送受切替器)152が設けられ、DX152の受信側に受信BPF156が設けられ、さらに、送信側から分配器16及びバッファ154を通じて送信側変調信号が折り返されている。
受信BPF156からの受信変調信号とバッファ154からの送信変調信号とが高周波切替器(スイッチ)159で切り替えられて、周波数変換器158と復調器160とからなる復調部157に供給される。
復調部157は、送受信装置の受信側にもともと備わるものであり、高周波切替器159が制御部110Dによりバッファ154側に切り替えられているとき、送信側変調信号を復調したベースバンド信号が制御部110Dに供給され、高周波切替器159が受信BPF156側に切り替えられているとき、受信側変調信号を復調したベースバンド信号204が出力される。
また、バッファ154からの送信側変調信号からAM−AM歪・AM−PM歪検出部116を通じて帯域外輻射電力Pobが検出され制御部110Dに出力される。
図8例の第4実施形態に係る歪補償装置100Dは、初期のAM−AM歪補償及びAM−PM歪補償に復調器160を一時的に利用する方式である。
この歪補償装置100Dを備える送受信装置は、入力されたベースバンド信号4に対して、増幅器12により発生する歪を歪補償部102Dで歪補償した後、変調器46により直交変調し、周波数変換器48により無線周波数の信号に周波数変換した後、増幅器12、送信BPF50、分配器16、DX152及びアンテナ14を通じて外部に無線電波として輻射するとともに、他の電波をアンテナ14で受信し、DX152、受信BPF156、高周波切替器159、復調部157で復調しベースバンド信号204を得る。
この歪補償装置100Dでは、初期時、例えば電源投入時に、制御部110は、高周波切替器159をバッファ154側に切り替え、復調部157を通じて変調器46側の変調信号を折返して復調器160を通じたベースバンド信号を歪補償に用いる。
すなわち、この初期時に復調器160から供給されるベースバンド信号からAM−AM歪とAM−PM歪を検出し、それぞれ逆特性を求めてLUT112D中のAM−AM歪補償データとAM−PM歪補償データとを更新する。
次に、通常動作時には、制御部110Dにより高周波切替器159を受信BPF側に切り替える。これにより、復調部157は、受信変調信号の復調部として機能する。
一方、この通常動作時には、図6例の第2実施形態に係る歪補償装置100Bと同様に、AM−AM歪・AM−PM歪検出部(帯域外輻射電力検出部)116により増幅器12の出力側からバッファ154を通じて最終的に電力検出器56で検出した帯域外輻射電力Pobが最小になるように、LUT112D中のAM−AM歪補償データを更新するとともに、検出した帯域外輻射電力が最小となるようにLUT112C中のAM−PM歪補償データを更新する。
この第4実施形態に係る歪補償装置100Dによれば、初期の歪補償時に復調器160の出力を利用して歪補償データ更新した後、通常動作時には、復調器160は受信装置に使用するようにしている。そして、その通常動作時には、上記図6例の第2実施形態に係る歪補償装置100Bと同様にAM−AM歪補償データ及びAM−PM歪補償データを更新するようにしている。
この図8例の第4実施形態に係る歪補償装置100Dでは、AM−AM歪補償データ及びAM−PM歪補償データを更新するのに、専用の復調器ではなく受信装置の復調器160を使用しているので、その分、小型かつ低消費電力化を図ることができる。また、通常動作時には、AM−AM歪・AM−PM歪検出部(帯域外輻射電力検出部)116のみによりLUT112D中のAM−AM歪補償データとAM−PM歪補償データを更新するようにしているので、既知信号を用いることなく、より簡単な構成で、LUT112D中のAM−AM歪補償データ及びAM−PM歪補償データを更新することができる。
図9は、この発明の第5実施形態に係る送信装置における歪補償装置100Eの構成を示している。
この歪補償装置100Eは、入力されたベースバンド信号4に対して、増幅器12により発生する歪を歪補償部102Eで歪補償した後、変調器46により直交変調し、周波数変換器48により無線周波数の信号に周波数変換した後、増幅器12、分配器16A、送信BPF50及びアンテナ14を通じて外部に無線電波として輻射する。
また、分配器16を通じて増幅器12の出力側からAM−AM歪・AM−PM歪検出部(帯域外輻射電力検出部)116により帯域外輻射電力を検出する。
さらに、増幅器12の出力側に分配器16Aを通じて接続され増幅器12により増幅された変調信号を周波数変換器52Aと直交検波器162により直交検波する検波部(直交検波部)164とを備えている。
電源投入時等の初期動作時に、制御部110Eは、図1例の歪補償装置100Aで説明したように、図2に示したような既知信号を使用し、既知信号電力と、検波部164により検出した直交検波した歪のある既知信号電力と比較してAM−AM歪及びAM−PM歪を検出し、検出したAM−AM歪とAM−PM歪のそれぞれ逆特性を求めてLUT112E中のAM−AM歪補償データとAM−PM歪補償データを更新する。
次いで、通常動作時には、AM−AM歪・AM−PM歪検出部116で検出した帯域外輻射電力Pobが最小になるように、LUT112E中の更新されたAM−AM歪補償データを更新するとともに、AM−AM歪・AM−PM歪検出部116で検出した帯域外輻射電力Pobが最小となるようにLUT112E中のAM−PM歪補償データを更新する。
この図9例の第5実施形態に係る歪補償装置100Eによれば、初期動作時には、クロック再生やキャリア再生等を必要としない既知信号を用いるため、回路規模を小さくすることができる。
上述した第1〜第5実施形態の歪補償装置100A〜100Eは、携帯電話等の無線通信の基地局、携帯電話、加入者系無線の基地局、あるいは無線LANの親機・子機等の送信部に適用することができる。
なお、この発明は、上述の実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
第1実施形態の歪補償装置の構成図である。 図1例の歪補償装置における既知信号によるAM−AM歪補償動作の説明図である。 図1例の歪補償装置における帯域外輻射電力の検出による歪補償動作の説明図である。 帯域外輻射電力の最小値の求め方の説明図である。 帯域外輻射電力の最小値の求め方の説明図である。 第2実施形態の歪補償装置の構成図である。 第3実施形態の歪補償装置の構成図である。 第4実施形態の歪補償装置の構成図である。 第5実施形態の歪補償装置の構成図である。 増幅器の一般的なプリディストーション手法についての説明図である。 プリディストーション用専用の復調器を備える従来技術に係る歪補償装置の構成図である。 固定の歪補償データを用いた従来技術に係る歪補償装置の構成図である。 AM−AM歪補償データを固定した従来技術に係る歪補償装置の構成図である。 図13例の動作説明図である。
符号の説明
4…ベースバンド信号 12…増幅器
16…分配器 100A〜100E…歪補償装置
104…AM−AM歪検出部 106…AM−PM歪検出部
110A〜110E…制御部 112A〜112E…LUT
116…AM−AM歪・AM−PM歪検出部
157…復調部 159…高周波切替器

Claims (5)

  1. 入力されたベースバンド信号に対して、増幅器により発生する歪を歪補償部で歪補償した後、直交変調し、無線周波数の信号に周波数変換した後、前記増幅器及びアンテナを通じて外部に無線電波として輻射する送信装置における歪補償装置において、
    前記ベースバンド信号の電力を計算する電力計算部と、
    計算した前記電力に応じて、記憶しているAM−AM歪補償データとAM−PM歪補償データを出力するデータ記憶部と、
    前記増幅器の出力側からAM−AM歪を検出するAM−AM歪検出部と、
    前記増幅器の出力側から帯域外輻射電力をAM−PM歪として検出するAM−PM歪検出部と、
    前記ベースバンド信号中に含まれる歪のない既知信号電力と、検出した前記AM−AM歪のある既知信号電力とを比較してAM−AM歪を算出し、算出したAM−AM歪の逆特性を求め、前記データ記憶部中の前記AM−AM歪補償データを更新するとともに、検出した前記AM−PM歪が最小となるように前記データ記憶部中の前記AM−PM歪補償データを更新する制御部と、
    を備えることを特徴とする送信装置における歪補償装置。
  2. 入力されたベースバンド信号に対して、増幅器により発生する歪を歪補償部で歪補償した後、直交変調し、無線周波数の信号に周波数変換した後、前記増幅器及びアンテナを通じて外部に無線電波として輻射する送信装置における歪補償装置において、
    前記ベースバンド信号の電力を計算する電力計算部と、
    計算した前記電力に応じて、記憶しているAM−AM歪補償データとAM−PM歪補償データを出力するデータ記憶部と、
    前記増幅器の出力側から帯域外輻射電力を検出する帯域外輻射電力検出部と、
    検出した前記帯域外輻射電力が最小になるように、前記データ記憶部中の前記AM−AM歪補償データ及び前記AM−PM歪補償データを更新する制御部と、
    を備えることを特徴とする送信装置における歪補償装置。
  3. 入力されたベースバンド信号に対して、増幅器により発生する歪を歪補償部で歪補償した後、直交変調し、無線周波数の信号に周波数変換した後、前記増幅器及びアンテナを通じて外部に無線電波として輻射する送信装置における歪補償装置において、
    前記ベースバンド信号の電力を計算する電力計算部と、
    計算した前記電力に応じて、記憶しているAM−AM歪補償データを出力するとともに、後に設定されるAM−PM歪補償データを出力するデータ記憶部と、
    前記増幅器の出力側からAM−AM歪を検出するAM−AM歪検出部と、
    前記増幅器の出力側から帯域外輻射電力を検出する帯域外輻射電力検出部と、
    前記ベースバンド信号に含まれる歪のない既知信号電力と、検出した前記AM−AM歪のある既知信号電力とを比較してAM−AM歪を算出するとともに、算出した前記AM−AM歪からAM−AM歪補償値を求め、求めた前記AM−AM歪補償値に対するAM−PM歪補償データを前記増幅器の平均的な特性から算出し、前記データ記憶部の前記AM−AM歪補償データを更新するとともに、算出した前記AM−PM歪補償データを前記データ記憶部に設定した後、検出した前記帯域外輻射電力が最小になるように、前記データ記憶部中の更新された前記AM−AM歪補償データを更新するとともに、検出した前記帯域外輻射電力が最小となるように前記データ記憶部中の設定された前記AM−PM歪補償データを更新する制御部と、
    を備えることを特徴とする送信装置における歪補償装置。
  4. 入力されたベースバンド信号に対して、増幅器により発生する歪を歪補償部で歪補償した後、直交変調し、無線周波数の信号に周波数変換した後、前記増幅器及びアンテナを通じて外部に無線電波として輻射するとともに、他の電波を受信して復調する送受信装置における歪補償装置において、
    前記ベースバンド信号の電力を計算する電力計算部と、
    計算した前記電力に応じて、記憶しているAM−AM歪補償データとAM−PM歪補償データを出力するデータ記憶部と、
    前記増幅器の出力側から帯域外輻射電力を検出する帯域外輻射電力検出部と、
    通常動作時には、受信した前記他の電波を復調し、初期動作時には、前記増幅器の出力側に接続が切り替えられる復調器と、
    前記初期動作時に、前記復調器で得られたベースバンド信号からAM−AM歪とAM−PM歪とを検出し、各々逆特性を求めて、前記データ記憶部中の前記AM−AM歪補償データと前記AM−PM歪補償データを更新した後、前記復調器を通常動作時側に切り替え、この通常動作時には、検出した前記帯域外輻射電力が最小になるように、初期動作時に更新された前記AM−AM歪補償データを更新するとともに、検出した前記帯域外輻射電力が最小となるように、初期動作時に更新された前記データ記憶部中の前記歪補償データを更新する制御部と、
    を備えることを特徴とする送受信装置における歪補償装置。
  5. 入力されたベースバンド信号に対して、増幅器により発生する歪を歪補償部で歪補償した後、直交変調し、無線周波数の信号に周波数変換した後、前記増幅器及びアンテナを通じて外部に無線電波として輻射する送信装置における歪補償装置において、
    前記ベースバンド信号の電力を計算する電力計算部と、
    計算した前記電力に応じて、記憶しているAM−AM歪補償データとAM−PM歪補償データを出力するデータ記憶部と、
    前記増幅器の出力側から帯域外輻射電力を検出する帯域外輻射電力検出部と、
    前記増幅器の出力側に接続され前記増幅器により増幅された変調信号を直交検波する検波部と、
    初期動作時に、歪のない既知信号電力と、前記検波部で直交検波された既知信号電力とを比較してAM−AM歪とAM−PM歪を算出し、算出したAM−AM歪とAM−PM歪の逆特性を求め、前記データ記憶部中の前記AM−AM歪補償データを更新するとともに、検出した前記AM−PM歪が最小となるように前記AM−PM歪補償データを更新した後、通常動作時に、検出した前記帯域外輻射電力が最小になるように、前記データ記憶部中の更新された前記初期AM−AM歪補償データを更新するとともに、検出した前記帯域外輻射電力が最小となるように更新された前記データ記憶部中の前記AM−PM歪補償データを更新する制御部と、
    を備えることを特徴とする送信装置における歪補償装置。
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