JP2007059744A - 半導体ウェハの洗浄装置及び半導体ウェハの洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 洗浄動作時の半導体ウェハへのブラシの押し込み量を再現性良く設定し、半導体ウェハを安定した洗浄力で洗浄する。
【解決手段】 ブラシ120,130のウェハ保持部110に対する相対位置を変化させる駆動機構と、ブラシ120,130の半導体ウェハW側の先端位置を検出する検出部150,160と、ブラシ120,130の初期位置から押込位置までの距離を設定移動量とし設定移動量だけ相対位置が変化するよう前記駆動機構を制御する制御部170と、を備え、検出部150,160はブラシ120,130の先端位置が半導体ウェハWの表面から所定距離の検出位置まで接近したことを検出し、制御部170は検出部150,160の検出結果に基づいて設定移動量を設定する。
【選択図】 図1
【解決手段】 ブラシ120,130のウェハ保持部110に対する相対位置を変化させる駆動機構と、ブラシ120,130の半導体ウェハW側の先端位置を検出する検出部150,160と、ブラシ120,130の初期位置から押込位置までの距離を設定移動量とし設定移動量だけ相対位置が変化するよう前記駆動機構を制御する制御部170と、を備え、検出部150,160はブラシ120,130の先端位置が半導体ウェハWの表面から所定距離の検出位置まで接近したことを検出し、制御部170は検出部150,160の検出結果に基づいて設定移動量を設定する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体ウェハの表面を洗浄ブラシを用いて洗浄する洗浄装置及び洗浄方法に関する。
半導体ウェハの表面における層間絶縁膜の平坦化、金属配線の形成等には、化学的機械的研磨(以下、CMPという)が一般的に行われる。研磨後には、洗浄用のブラシによりウェハ表面の洗浄が行われる。従来の半導体ウェハの洗浄装置について図7及び図8を用いて説明する。ここで、図7は従来の半導体ウェハの洗浄装置の模式側面図を示し、図8は従来の半導体ウェハ洗浄装置における洗浄ブラシの初期位置から半導体ウェハとの接触位置までの移動距離を求める方法を示す説明図である。
図7に示すように、半導体ウェハ洗浄装置200は、半導体ウェハWを保持するウェハ保持部202と、半導体ウェハWの表面を洗浄するブラシ204と、を有する。また、半導体ウェハ洗浄装置200は、ウェハ保持部202に対してブラシ204を相対的に移動させる移動機構を有しており、ウェハの洗浄に際しては、ウェハ保持部202とブラシ204をそれぞれ回転させながら接近させて、ブラシ204を所定量だけ半導体ウェハWに対して押し込んだ状態とする。
このとき、図8に示すように、移動機構は、設定された移動距離だけ、ブラシ204をウェハ保持部202に対して相対的に移動させる。これにより、ブラシ204と半導体ウェハWが、互いに離隔した初期位置から互いが接触する洗浄位置まで移動する。この移動距離の設定に際しては、ブラシ204の半導体ウェハ側先端の全領域が半導体ウェハ表面に接触する位置を、透明塩化ビニール製の窓を通して目視にて判別する。そして、初期位置からこの位置までの距離を設定移動量として設定する。
また、他の半導体ウェハの洗浄装置として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1には、半導体ウェハを研磨した後、研磨面のスラリをブラシを用いて洗浄する方法が記載されている。ここでは、洗浄ブラシに圧力センサを組み込んでおき、洗浄中のブラシの圧力を監視して、所定の圧力となるようにブラシ駆動部を制御することが記載されている。
特開2002−313765号公報
ところで、図7及び図8に示す従来の半導体ウェハの洗浄装置では、ブラシ204の製造誤差が大きいため、ブラシ204の交換時にブラシ204の位置を再設定する必要がある。しかしながら、洗浄槽の外部より透明塩化ビニール製の窓を通してブラシ204と半導体ウェハWの接触状態を見なければならないため、作業者は、暗く見辛い中での作業を強いられる。そして、ブラシ204が半導体ウェハWに接触する位置の検出誤差は、1/10mm以下が求められるところ、目視では精度良く検出することが困難である。このように、ブラシ204の位置の制御が正確にできない為に、次のような欠点を生じていた。
ブラシ204と半導体ウェハWの接触状態のバラツキが大きくなり、調整の度に接触状態が変化することから、半導体ウェハWの洗浄時における洗浄ブラシ押し込み量の変動が大きくなる。これにより、ブラシ204を交換するごとに洗浄力が変化し、洗浄力が過度になると半導体ウェハWに傷をつけるおそれがある。また、目視による作業のため移動距離調整作業に時間がかかる。
また、特許文献1に記載の洗浄装置は、ブラシの半導体ウェハへの押圧力を最適化して洗浄するものであるが、押圧力は対象となるウェハ、ブラシの種類、ブラシの消耗度等で異なってくるため、作業ごとに最適範囲を調べておく必要がある。
また、この方法は、ブラシシャフトがウェハに接触しているときの圧力を、モニタして、一定になるよう制御しようとするものである。この方法では、設備が比較的新しいうちは問題ないが、シャフトの上下動軸摺動面の劣化などによる動作不良が生じた場合に摺動抵抗が大きくなり、実際のブラシの押し付け力が設定値より小さくなってしまう。さらに、洗浄ブラシが半導体ウェハに接触した状態で、ブラシ駆動部を制御することから、半導体ウェハ1枚の洗浄作業に時間を要する。
また、この方法は、ブラシシャフトがウェハに接触しているときの圧力を、モニタして、一定になるよう制御しようとするものである。この方法では、設備が比較的新しいうちは問題ないが、シャフトの上下動軸摺動面の劣化などによる動作不良が生じた場合に摺動抵抗が大きくなり、実際のブラシの押し付け力が設定値より小さくなってしまう。さらに、洗浄ブラシが半導体ウェハに接触した状態で、ブラシ駆動部を制御することから、半導体ウェハ1枚の洗浄作業に時間を要する。
本発明によれば、半導体ウェハを保持するウェハ保持部と、前記半導体ウェハの表面を洗浄するブラシと、前記ブラシの前記ウェハ保持部に対する相対位置を変化させる駆動機構と、前記ブラシの前記半導体ウェハ側の先端位置を検出する検出部と、前記ブラシと前記半導体ウェハが離隔した初期位置から前記ブラシが前記半導体ウェハに押し込まれる押込位置までの距離を設定移動量とし、前記設定移動量だけ前記相対位置が変化するよう前記駆動機構を制御する制御部と、を備え、前記検出部は、前記ブラシの前記先端位置が前記半導体ウェハの表面から所定距離の検出位置まで接近したことを検出し、前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づいて前記設定移動量を設定することを特徴とする半導体ウェハの洗浄装置が提供される。
この半導体ウェハの洗浄装置では、半導体ウェハの洗浄は、駆動機構によりブラシをウェハ保持部に対して近接させ、ブラシの先端全体が半導体ウェハに所定の押し込み量で接触した状態でブラシと半導体ウェハを摺動することにより行われる。このとき、駆動機構は、ブラシを、半導体ウェハから離隔した初期位置から半導体ウェハに押し込む押込位置まで移動させることとなる。
ここで、洗浄時における初期位置から押込位置までの設定移動量を予め設定する必要がある。このとき、検出部により、ブラシの先端位置と半導体ウェハ表面との距離が所定値となったことが検出されるので、初期位置におけるブラシの先端位置と半導体ウェハの表面の距離を算出して、設定移動量を適切に設定することができる。これにより、ブラシと半導体ウェハについて常に同様の押込状態を実現することができる。すなわち、人間の感覚に依存することなく、検出部による検出状態により、ブラシの先端が半導体ウェハの表面に接触する位置を設定することができる。
以上、本発明の構成について説明したが、本発明は、これに限られず様々な態様を含む。たとえば、本発明によれば、半導体ウェハを保持するウェハ保持部と、前記半導体ウェハの表面を洗浄するブラシと、を備え、前記ブラシと前記半導体ウェハが離隔した初期位置から前記ブラシが前記半導体ウェハに押し込まれる押込位置までの距離を設定移動量とし、この設定移動量だけ前記ブラシの前記半導体ウェハに対する相対位置を変化させる駆動機構を具備する洗浄装置を用いた半導体ウェハの洗浄方法であって、前記ブラシの前記先端位置が前記半導体ウェハの表面から所定距離の検出位置まで接近したことを検出する検出工程と、前記検出工程にて検出された検出結果に基づいて、前記設定移動量を設定する設定工程と、を有することを特徴とする半導体ウェハの洗浄方法が提供される。
このように、本発明によれば、洗浄動作時の半導体ウェハへのブラシの押し込み量を再現性良く設定することができ、半導体ウェハを安定した洗浄力で洗浄することができる。従って、例えばブラシを交換したり一のブラシでウェハの洗浄を繰り返すなどして、ブラシの先端位置が変化した場合にも、同様の洗浄力により半導体ウェハの表面を洗浄することができる。
また、洗浄ブラシが半導体ウェハへ接触するまでの移動量を調整する作業の効率を向上させて、調整作業の時間を短縮することができる。
また、洗浄ブラシが半導体ウェハへ接触するまでの移動量を調整する作業の効率を向上させて、調整作業の時間を短縮することができる。
図面を参照しつつ、本発明による半導体ウェハの洗浄装置の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1から図6は本発明の一実施形態を示すものであり、図1は半導体ウェハの洗浄装置の模式側面図、図2は洗浄装置の上面説明図、図3は洗浄装置の概略ブロック図、図4から図6は洗浄装置の動作を示す動作説明図である。
図1に示すように、この半導体ウェハWの洗浄装置100は、半導体ウェハWを略水平に保持するウェハ保持部110と、半導体ウェハWの上面を洗浄する上ブラシ120と、半導体ウェハWの下面を洗浄する下ブラシ130と、上ブラシ120及び下ブラシ130のウェハ保持部110に対する相対位置を変化させる駆動機構140(図3参照)と、上ブラシ120の半導体ウェハW側の先端位置を検出する上ブラシ用検出部150と、下ブラシ130の半導体ウェハW側の先端位置を検出する下ブラシ用検出部160と、を備えている。
図1に示すように、ウェハ保持部110は、半導体ウェハWを略水平に保持する。ウェハ保持部110は、半導体ウェハWの端部と当接する回転自在の複数のローラ112と、各ローラ112を下方より軸支する左右一対の箱形の支持部材114と、支持部材114に内蔵され各ローラ112の少なくとも1つに回転駆動力を付与するウェハ回転駆動部116(図3参照)と、を有している。図2に示すように、本実施形態においては、各支持部材114に3つづつローラ112が設けられ、計6箇所で半導体ウェハWが保持されるようになっている。
上ブラシ120は、半導体ウェハWと接触するブラッシング部122と、ブラッシング部122が取り付けられる略円盤状のブラシ本体124と、を有し、ブラシ本体124は上ブラシ回転軸126に接続される。上ブラシ回転軸126は、上ブラシ回転駆動部128(図3参照)に接続される。図1に示すように、ブラッシング部122は、ブラシ本体124の径方向へ延び、下側(半導体ウェハW側)へ突出形成されている。また、図2に示すように、ブラッシング部122は、周方向に略90°の間隔で並んで形成されている。
下ブラシ130も、上ブラシ120と同様に、半導体ウェハWと接触するブラッシング部132と、ブラッシング部132が取り付けられる略円盤状のブラシ本体134と、を有し、ブラシ本体134は下ブラシ回転軸136に接続されている。下ブラシ回転軸136は、下ブラシ回転駆動部138(図3参照)に接続される。本実施形態においては、下ブラシ130は上ブラシ120と同様の構成であり、上ブラシ120と上下逆さに配されている。
図3に示すように、駆動機構140は、ウェハ保持部110を上下に移動させるウェハ上下駆動部142と、下ブラシ130を下ブラシ回転軸136ごと上下に移動させる下ブラシ上下駆動部144と、を有し、ウェハ保持部110、各ブラシ120,130の相対位置を変化させる。具体的には、制御コントローラ170から指示される座標値に基づいて、ウェハ保持部110及び下ブラシ130をそれぞれ上下に移動させる。尚、本実施形態においては、上ブラシ120は上下に移動しない。
上ブラシ用検出部150は、上ブラシ120の先端位置が半導体ウェハWの表面から所定距離(図1中の距離b)の検出位置まで接近したことを検出する。具体的に、上ブラシ用検出部150は、上ブラシ120へ向けて光を照射する発光部と、発光部から照射された光を受光する受光部と、を有する。本実施形態においては、レーザセンサ本体152が発光部及び受光部をなす。図1に示すように、上ブラシ用検出部150は、レーザセンサ本体152から照射された光を反射する反射ミラー154を有する。レーザセンサ本体152及び反射ミラー154は、センサステー152a及びミラーステー154aを介し、それぞれウェハ保持部110の支持部材114に設置される。これにより、半導体ウェハWと上ブラシ120の相対距離が距離bのまま変化しないようになっている。前述のように支持部材114は左右一対であり、一方の支持部材114にレーザセンサ本体152が取り付けられ、他方の支持部材114に反射ミラー154が取り付けられる。
図4に示すように、レーザセンサ本体152は半導体ウェハWの表面と平行にレーザ光を照射し、上ブラシ120の半導体ウェハW側の先端が半導体ウェハWに対して所定値(図1中の距離b)まで接近すると、レーザセンサ本体152から照射された光が上ブラシ120の先端により遮蔽されるようになっている。すなわち、距離bは、半導体ウェハWの上面からレーザ光までの距離ということができる。本実施形態においては、レーザ光は可視光である。ここで、レーザセンサ本体152にはセンサケーブル156の一端が接続され、センサケーブル156の他端は検出状態を表示可能なセンサボックス158に接続されている。センサボックス158の役割は、レーザセンサ本体152が出力する受光量に対応した電気信号の変化から、光が遮られたことを判断して、その情報を伝達するものである。センサボックス158は、例えば、ブザーを鳴動させたり、LEDを点灯させたりして、光が遮られたことを作業者へ報知する。さらに、センサボックス158は、洗浄装置100の各所を統合制御する制御コントローラ170に接続される。
下ブラシ用検出部160も、上ブラシ用検出部150と同様に、下ブラシ130の先端位置が半導体ウェハWの表面から所定距離(図1中の距離c)の検出位置まで接近したことを検出する。下ブラシ用検出部160は、レーザセンサ本体162と、反射ミラー164と、センサケーブル166と、を有している。これらは、上ブラシ用検出部150と同様の構成である。ここで、距離cは、半導体ウェハWの下面からレーザ光までの距離ということができる。
また、図1に示すように、下ブラシ用検出部160は、センサステー152aと、ミラーステー154aと、センサボックス158を、上ブラシ用検出部150と共用としている。センサステー152aの上面には上ブラシ用検出部150のレーザセンサ本体152が固定され、下面には下ブラシ用検出部160のレーザセンサ本体162が固定される。また、ミラーステー154aの上部には上ブラシ用検出部150の反射ミラー154が固定され、下部には下ブラシ用検出部160の反射ミラー164が固定される。
図3に示すように、制御コントローラ170は、駆動機構140、上ブラシ回転駆動部128、下ブラシ回転駆動部138、ウェハ回転駆動部116等を統合制御する。制御コントローラ170は、半導体ウェハWの洗浄についての設定を受け付ける設定入力受付部172と、設定入力受付部172にて受け付けたデータ、半導体ウェハWの表面からレーザ光までの距離b,c、洗浄時におけるウェハ保持部110の設定移動量、洗浄時における下ブラシ130の設定移動量等が記憶されるデータベース部174と、データベース部174に記憶されている各種データに基づいて駆動機構140、各回転駆動部116,128,138を制御して半導体ウェハWの洗浄を行う洗浄制御部176と、を有する。設定移動量とは、各ブラシ120,130と半導体ウェハWが離隔した初期位置から各ブラシ120,130が半導体ウェハWに押し込まれる押込位置までの距離である。制御コントローラ170は、この設定移動量だけ各ブラシ120,130のウェハ保持部110に対する相対位置が変化するよう駆動機構140を制御する。さらに、制御コントローラ170は、センサボックス158からの情報を受け付ける調整入力受付部178と、この調整入力受付部178にて得られた情報からデータベース部174の各設定移動量を設定する移動量調整部180と、を有する。すなわち、制御部としての制御コントローラ170は、各検出部150,160の検出結果に基づいて設定移動量を設定する。本実施形態においては、移動量調整部180は、各ブラシ120,130の交換時と、所定枚数だけ半導体ウェハWを洗浄した時に、各設定移動量を調整する。
以上のように構成された半導体ウェハWの洗浄装置100では、半導体ウェハWの洗浄は、駆動機構140により各ブラシ120,130をウェハ保持部110に対して近接させ、各ブラシ120,130の先端全体が半導体ウェハWに所定の押し込み量で接触した状態で各ブラシ120,130と半導体ウェハWを摺動することにより行われる。このとき、駆動機構140は、各ブラシ120,130を、半導体ウェハWから離隔した初期位置から半導体ウェハWに押し込む押込位置まで相対的に移動させることとなる。
具体的には、半導体ウェハWの洗浄時、各ブラシ回転駆動部128,138に連動した各ブラシ120,130と、ウェハ回転駆動部116に連動した半導体ウェハWと、を回転させながら、駆動機構140によりウェハ保持部110及び下ブラシ130を上昇させる。そして、上ブラシ120及び下ブラシ130の一定の押し付け圧力にて半導体ウェハWを挟み込んで半導体ウェハWの洗浄を行う。各ブラシ120,130のウェハ保持部110に対する相対的な移動量は、予め設定された各設定移動量により自動で制御される。
ここで、半導体ウェハWの洗浄のためには、所定の圧力以上の押し付け圧力が必要であるが、この圧力が大きすぎると半導体ウェハWに傷をつける可能性があり、押し付け圧力の管理が必要である。そこで、ウェハ保持部110及び下ブラシ130について設定移動量を設定し、半導体ウェハW、各ブラシ120,130を所定量だけ相対移動させて、最適な押し付け圧力となるよう制御することとなる。しかし、半導体ウェハWの洗浄を繰り返すうちに、各ブラシ120,130は摩耗により先端位置が変化するため、ブラシ交換時に距離A,Bが異なる値となるという不都合がある。
この不都合を解消するには、各ブラシ120,130の先端位置が半導体ウェハWの表面から所定距離の検出位置まで接近したことを検出する検出工程と、この検出工程にて検出された検出結果に基づいて設定移動量を設定する設定工程と、を有する洗浄方法により半導体ウェハWを洗浄すればよい。ここで、まず、半導体ウェハWの洗浄装置100の制御コントローラ170により、各ブラシ120,130と半導体ウェハWの間の距離A,Bを検出する動作を説明する。
図2に示すように、レーザセンサ本体152から照射されたレーザ光は、反射ミラー154にて反射され、レーザセンサ本体152で反射光を受光する。各レーザセンサ本体152は、反射光量によりレーザ光が遮蔽されたことを検知して、センサボックス158へレーザ光の遮蔽情報を伝達する。
上ブラシ120側の距離Aを求める場合、ウェハ保持部110を上昇させて半導体ウェハWとともに上ブラシ用検出部150のレーザ光を上昇させる。そして、図4に示すように、上ブラシ120の半導体ウェハW側の先端によりレーザ光が遮光されると、センサボックス158に上ブラシ120を検出したことが表示され、上ブラシ120の先端を検出したことが報知される。
このように上ブラシ120の先端を検出したときの上ブラシ120とウェハ保持部110とが相対的に移動した距離aを、予め求められる前述の距離bに加えることにより、上ブラシ120と半導体ウェハWの間の距離A、すなわち半導体ウェハWの上面から上ブラシ120の先端までの距離が算出される(図1参照)。ここで、距離aは、移動前の初期位置における上ブラシ120の先端から、レーザ光までの距離ということができる。
また、下ブラシ130側の距離Bを求める場合、図5に示すように、上ブラシ120に半導体ウェハWの上面が接触する位置までウェハ保持部110を上昇させて、半導体ウェハWとともに下ブラシ用検出部160のレーザ光を上昇させる。この後、図6に示すように、下ブラシ130を上昇させ、下ブラシ130の半導体ウェハW側の先端によりレーザ光が遮光されると、センサボックス158に上ブラシ120を検出したことが表示され、下ブラシ130の先端を検出したことが報知される。
このように下ブラシ130の先端を検出したときの上ブラシ120とウェハ保持部110との相対的な移動距離dを、予め求められる前述の距離cに加えることにより、下ブラシ130と半導体ウェハWの間の距離B、すなわち半導体ウェハWの下面から下ブラシ130の先端までの距離が算出される(図1参照)。
すなわち、制御コントローラ170は、ブラシ120,130が初期位置から検出位置まで半導体ウェハWに対して移動した距離に基づいて、設定移動量を設定する。このとき、半導体ウェハWの表面から各レーザ光までの距離b,cは、各レーザセンサ本体152,162がウェハ保持部110に設置されているため変化しない。従って、距離b,cの値は固定値であり、前述の設定移動量の調整に際しては、毎回同じ値を使用すればよい。
本実施形態においては、上ブラシ120または下ブラシ130を交換したときに設定移動量の調整を行う。この交換時における調整手順について、具体的な座標数値をあげながら説明する。
まず、使用後の上ブラシ120及び下ブラシ130を、上ブラシ回転軸126及び下ブラシ回転軸136を取り外す。そして、未使用の上ブラシ120及び下ブラシ130を、上ブラシ回転軸126及び下ブラシ回転軸136に取り付ける。使用後の各ブラシ120,130に比べ、未使用の各ブラシ120,130は先端位置が半導体ウェハW寄りとなっている。
次いで、半導体ウェハWをウェハ保持部110に保持させ、上ブラシ120を回転させる。
続いて、半導体ウェハWの上昇指示を入力する等してウェハ保持部110を上昇させ、上ブラシ用検出部150が上ブラシ120の先端を検出する座標を調べて距離aを得る。このとき、上ブラシ120の先端から半導体ウェハWまでの距離aに相当する座標が、5500であったとする。
このようにして得られた距離aに相当する座標に、半導体ウェハWの上面から上ブラシ用検出部150のレーザ光までの距離bに相当する座標を加えて、半導体ウェハWの上面から上ブラシ120の先端までの距離Aに相当する座標を算出する。本実施形態においては、距離bに相当する座標が9500であり、距離Aに相当する座標は、
A=a+b=5500+9500=15000
の式から、15000ということになる。
A=a+b=5500+9500=15000
の式から、15000ということになる。
そして、距離Aに相当する座標位置まで半導体ウェハWを上昇させ、下ブラシ130を回転させる。
続いて、下ブラシ130の上昇指示を入力する等して下ブラシ130を上昇させ、下ブラシ用検出部160が下ブラシ130の先端を検出する座標を調べて距離cを得る。このとき、下ブラシ130の先端から半導体ウェハWまでの距離cに相当する座標が、7000であったとする。
このようにして得られた距離cに相当する座標に、半導体ウェハWの下面から下ブラシ用検出部160のレーザ光までの距離dに相当する座標を加えて、半導体ウェハWの下面から下ブラシ130の先端までの距離Bに相当する座標を算出する。本実施形態においては、距離dに相当する座標が9000であり、距離Bに相当する座標は、
B=c+d=7000+9000=16000
の式から、16000ということになる。
B=c+d=7000+9000=16000
の式から、16000ということになる。
このように、距離A及び距離Bに相当する座標を求めた後、各ブラシ120,130の押し込み量の距離に相当する座標を加えて、設定移動量に相当する位置座標とする。本実施形態においては、上ブラシ120の押し込み量に相当する座標は500であるので、距離Aに相当する座標の15000にこれを加えた15500が設定移動量に相当する位置座標である。また、下ブラシ130の押し込み量に相当する座標は1000であるので、距離Bに相当する座標の16000にこれを加えた17000が設定移動量に相当する位置座標である。そして、ウェハ保持部110の設定移動量と、下ブラシ130の設定移動量を、更新して調整作業を終了する。
以上、交換時における設定移動量の調整について説明した。尚、この調整作業は、各ブラシ120,130の交換をセンサ等により検出するか、ユーザによる所定の入力を要求するなどして、制御コントローラ170に記憶されているプログラムに基づいて自動的に行われる構成が好ましい。
また、本実施形態においては、所定枚数だけ半導体ウェハWを洗浄するたびに設定移動量が調整される。ここで、各ブラシ120,130は半導体ウェハWの洗浄により摩耗するため、洗浄時の押し込み量は時間経過と共に減少するところ、前述の手法で各ブラシ120,130の先端位置を定期的に確認して押し込み量の調整を行うことにより、各ブラシ120,130の使用期間中、安定した押し付け圧力で洗浄することができ、安定した洗浄力を得ることができる。尚、この調整作業も、制御コントローラ170にカウンタを内蔵しておき、所定枚数だけ半導体ウェハWが洗浄されると自動的に調整作業が行われる構成が好ましい。
このように、本実施形態の半導体ウェハWの洗浄装置100によれば、各検出部150,160により、各ブラシ120,130の先端位置と半導体ウェハW表面との距離が所定値となったことが検出されるので、初期位置における各ブラシ120,130の先端位置と半導体ウェハWの表面の距離を算出して、設定移動量を適切に設定することができる。これにより、各ブラシ120,130と半導体ウェハWについて常に同様の押込状態を実現することができる。すなわち、人間の感覚に依存することなく、各検出部150,160による検出状態により、各ブラシ120,130の先端が半導体ウェハWの表面に接触する位置を設定することができる。
従って、洗浄動作時の半導体ウェハWへの各ブラシ120,130の押し込み量を再現性良く設定することができ、半導体ウェハWを安定した洗浄力で洗浄することができる。これにより、各ブラシ120,130を交換したり一の各ブラシ120,130で半導体ウェハWの洗浄を繰り返すなどして、各ブラシ120,130の先端位置が変化した場合にも、同様の洗浄力により半導体ウェハWの表面を洗浄することができる。
また、各ブラシ120,130が半導体ウェハへ接触するまでの移動量を調整する作業の効率を向上させて、調整作業の時間を短縮することができる。
また、各ブラシ120,130が半導体ウェハへ接触するまでの移動量を調整する作業の効率を向上させて、調整作業の時間を短縮することができる。
尚、前記実施形態においては、各検出部150,160が光源体及び受光部を有するものを示したが、各検出部150,160の態様はこれに限定されるものではない。例えば、各検出部150,160は、半導体ウェハW、各ブラシ120,130の側方からこれらを撮影するカメラを有し、このカメラにより取得された画像から半導体ウェハWの表面と各ブラシ120,130の距離が所定値となることを検出するものであってもよい。この場合、画像における各ブラシ120,130の画素数により、距離を判別する構成とすることが好ましい。要するに、各検出部150,160により、半導体ウェハWの表面と各ブラシ120,130の距離が所定値となることを検出する構成であればよい。
また、前記実施形態においては、半導体ウェハWの上面及び下面を一対のブラシ120,130により挟み込んで洗浄するものを示したが、一のブラシにより半導体ウェハWを洗浄するものであってもよい。例えば、一のブラシにより半導体ウェハWの片面を洗浄するものや、洗浄途中で半導体ウェハWを表裏反転させて一のブラシにより両面を洗浄するものであってもよい。この場合、検出部150,160も1つとなる。
また、前記実施形態においては、所定枚数だけ半導体ウェハWを洗浄するたびに設定移動量が調整されるものを示したが、所定日数或いは所定時間が経過するたびに設定移動量を調整するようにしてもよい。
さらには、半導体ウェハの洗浄のためにウェハ保持部110及び下ブラシ130が上昇動作を行う際に、上ブラシ用検出部150及び下ブラシ用検出部160が、それぞれ各ブラシ120,130の先端を検出した位置座標を取得し、各ブラシ120,130の交換時に取得した座標と比較して、その差分を位置座標に加える。この位置座標に基づいて、前述の設定移動量を調整することによっても、常に一定の押し付け力で洗浄することができる。この構成は、センサボックス158の遮光検出信号が制御コントローラ170に入力されていることから、制御コントローラ170側のソフトの書き換えで実現される。
さらには、半導体ウェハの洗浄のためにウェハ保持部110及び下ブラシ130が上昇動作を行う際に、上ブラシ用検出部150及び下ブラシ用検出部160が、それぞれ各ブラシ120,130の先端を検出した位置座標を取得し、各ブラシ120,130の交換時に取得した座標と比較して、その差分を位置座標に加える。この位置座標に基づいて、前述の設定移動量を調整することによっても、常に一定の押し付け力で洗浄することができる。この構成は、センサボックス158の遮光検出信号が制御コントローラ170に入力されていることから、制御コントローラ170側のソフトの書き換えで実現される。
また、前記実施形態においては、レーザセンサ本体152,162から照射された光を反射させるものを示したが、反射ミラー154,164の代わりに受光部を設置するようにしてもよい。さらに、センサステー152a及びミラーステー154aが各検出部150,160で共用であるものを示したが、各検出部150,160ごとに設けてもよい。
また、前記実施形態においては、駆動機構140がウェハ上下駆動部142及び下ブラシ上下駆動部144を有するものを示したが、例えば、駆動機構140はウェハWを移動させずに上ブラシ120及び下ブラシ130を移動させるものであってもよいし、一の駆動部によりウェハW及び各ブラシ120,130の相対位置を変化させるものであってもよい。
また、前記実施形態においては、センサボックス158が制御コントローラ170に接続されたものを示したが、センサボックス158を制御コントローラ170に接続せず、センサボックス158がブラシ先端検出を報知したときの座標に基づいて、作業者が座標を制御部等に手動で入力するようにしてもよいことは勿論であるし、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
100 半導体ウェハの洗浄装置
110 ウェハ保持部
112 ローラ
114 支持部材
116 ウェハ回転駆動部
120 上ブラシ
122 ブラッシング部
124 ブラシ本体
126 上ブラシ回転軸
128 上ブラシ回転駆動部
130 下ブラシ
132 ブラッシング部
134 ブラシ本体
136 下ブラシ回転軸
138 下ブラシ回転駆動部
140 駆動機構
142 ウェハ上下駆動部
144 下ブラシ上下駆動部
150 上ブラシ用検出部
152 レーザセンサ本体
152a センサステー
154 反射ミラー
154a ミラーステー
156 センサケーブル
158 センサボックス
160 下ブラシ用検出部
162 レーザセンサ本体
164 反射ミラー
166 センサケーブル
170 制御コントローラ
172 設定入力受付部
174 データベース部
176 洗浄制御部
178 調整入力受付部
180 移動量調整部
W 半導体ウェハ
110 ウェハ保持部
112 ローラ
114 支持部材
116 ウェハ回転駆動部
120 上ブラシ
122 ブラッシング部
124 ブラシ本体
126 上ブラシ回転軸
128 上ブラシ回転駆動部
130 下ブラシ
132 ブラッシング部
134 ブラシ本体
136 下ブラシ回転軸
138 下ブラシ回転駆動部
140 駆動機構
142 ウェハ上下駆動部
144 下ブラシ上下駆動部
150 上ブラシ用検出部
152 レーザセンサ本体
152a センサステー
154 反射ミラー
154a ミラーステー
156 センサケーブル
158 センサボックス
160 下ブラシ用検出部
162 レーザセンサ本体
164 反射ミラー
166 センサケーブル
170 制御コントローラ
172 設定入力受付部
174 データベース部
176 洗浄制御部
178 調整入力受付部
180 移動量調整部
W 半導体ウェハ
Claims (7)
- 半導体ウェハを保持するウェハ保持部と、
前記半導体ウェハの表面を洗浄するブラシと、
前記ブラシの前記ウェハ保持部に対する相対位置を変化させる駆動機構と、
前記ブラシの前記半導体ウェハ側の先端位置を検出する検出部と、
前記ブラシと前記半導体ウェハが離隔した初期位置から前記ブラシが前記半導体ウェハに押し込まれる押込位置までの距離を設定移動量とし、前記設定移動量だけ前記相対位置が変化するよう前記駆動機構を制御する制御部と、を備え、
前記検出部は、前記ブラシの前記先端位置が前記半導体ウェハの表面から所定距離の検出位置まで接近したことを検出し、
前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づいて前記設定移動量を設定することを特徴とする半導体ウェハの洗浄装置。 - 前記制御部は、前記ブラシが前記初期位置から前記検出位置まで前記半導体ウェハに対して移動した距離に基づいて、前記設定移動量を設定することを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
- 前記検出部は、
前記ブラシへ向けて光を照射する発光部と、
前記発光部から照射された光を受光する受光部と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体ウェハの洗浄装置。 - 前記発光部は前記半導体ウェハの表面と平行に光を照射し、
前記ブラシの半導体ウェハ側の先端が前記半導体ウェハに対して前記所定距離の検出位値まで接近すると、前記発光部から照射された光が前記ブラシの先端により遮蔽されることを特徴とする請求項3に記載の半導体ウェハの洗浄装置。 - 前記発光部及び前記受光部を前記ウェハ保持部に設置したことを特徴とする請求項3または4に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
- 半導体ウェハを保持するウェハ保持部と、前記半導体ウェハの表面を洗浄するブラシと、を備え、前記ブラシと前記半導体ウェハが離隔した初期位置から前記ブラシが前記半導体ウェハに押し込まれる押込位置までの距離を設定移動量とし、この設定移動量だけ前記ブラシの前記半導体ウェハに対する相対位置を変化させる駆動機構を具備する洗浄装置を用いた半導体ウェハの洗浄方法であって、
前記ブラシの前記先端位置が前記半導体ウェハの表面から所定距離の検出位置まで接近したことを検出する検出工程と、
前記検出工程にて検出された検出結果に基づいて、前記設定移動量を設定する設定工程と、を有することを特徴とする半導体ウェハの洗浄方法。 - 前記設定工程にて、前記ブラシが前記初期位置から前記検出位置まで前記半導体ウェハに対して移動した距離に基づいて、前記設定移動量を設定することを特徴とする請求項6に記載の半導体ウェハの洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005245289A JP2007059744A (ja) | 2005-08-26 | 2005-08-26 | 半導体ウェハの洗浄装置及び半導体ウェハの洗浄方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005245289A JP2007059744A (ja) | 2005-08-26 | 2005-08-26 | 半導体ウェハの洗浄装置及び半導体ウェハの洗浄方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2007059744A true JP2007059744A (ja) | 2007-03-08 |
Family
ID=37922947
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005245289A Pending JP2007059744A (ja) | 2005-08-26 | 2005-08-26 | 半導体ウェハの洗浄装置及び半導体ウェハの洗浄方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2007059744A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101151652B1 (ko) | 2011-03-14 | 2012-06-08 | 지앤피테크놀로지 주식회사 | 웨이퍼 세정장치 |
CN111744836A (zh) * | 2019-03-29 | 2020-10-09 | 中芯集成电路(宁波)有限公司 | 晶圆清洗装置及控制系统 |
CN115371876A (zh) * | 2022-08-12 | 2022-11-22 | 上海芯物科技有限公司 | 晶圆清洗刷压在线检测方法、载具、存储介质 |
-
2005
- 2005-08-26 JP JP2005245289A patent/JP2007059744A/ja active Pending
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