JP2007059115A - 非常照明自動点検システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 非常灯照明器具のランプ等部品寿命を予測して効率的に交換が行える非常灯自動点検システムを提供する。
【解決手段】 ランプ11と、常用時に商用電源によりランプ11を点灯させる常用ブロック12と、非常時においてランプ13を点灯させるための非常ブロック14と、前記非常時において非常ブロック14に対して電力供給を行う2次電池15と、非常ブロック14により強制的にランプ13を点灯させて2次電池5の点検を行う点検部17とを具備した照明器具1を有する。また、複数の照明器具1に対し通信線19を介して順次あるいは任意に点検指示を行う制御手段21と、得られた各照明器具1の点検情報を記憶する記憶手段22と、を具備した上位制御装置2を有する。そして、照明器具1から得られる各部品の異常発生確率から正常な照明器具1の部品交換時期を診断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、非常灯や誘導灯のように常用の電源が停電したときに、2次電池などの非常用の電源でランプを点灯する非常ブロックを備えた非常照明自動点検システムに関するものである。
誘導灯や非常灯のように非常用の照明装置は、火災や地震等による商用電源が遮断された停電時に、2次電池などの非常用の電源でランプを点灯(非常点灯)させるものである。2次電池による非常点灯が正常に行われるか否かの点検を定期的に行うように消防庁告示及び建築基準法等で義務づけられている。
従来、非常用の電源で例えば20分または60分間点灯できるかどうかを、非常灯の点検スイッチ、例えばプルダウンスイッチにおもりをつるすことで、非常用の電池から電力供給してランプを点灯して点検していた。このような点検は、ひとつひとつの非常灯に対しておもりをつるして点検する作業が非常に手間であった。また、一般に非常灯や誘導灯は建物内の複数個所に設置されているから、それら複数の装置をひとつひとつ見て回って点検しなければならないことからも、非常に手間のかかる作業であった。
そこで、非常用照明器具の自動点検装置を行えるようにした非常灯自動点検装置は、誘導灯などの防災用のランプと、内蔵または別設の2次電池などの非常用電源とを備えている。そして、通常時は商用電源からの電力供給によってランプを点灯させ、商用電源からの電力供給が遮断された非常時や、電源切り替えスイッチ(SW)などにより商用電源から非常用電源に切り替えられた時に、非常用電源からランプを点灯させることのできる交流直流兼用の点灯装置と、人などが手動により行える点検用のスイッチ(点検SW)と、通信などの別手段により点検用のスイッチを入り切りできる点検機能を備えている。
さらに、非常灯自動点検装置は、各部検出回路などにより常時ランプまたは非常用電源の状態を監視し続ける監視機能を設けている。この監視機能による常時監視結果と所定時間以上ランプを非常用電源で点灯させる点検による点検結果とを総合的に評価する判断部を有する。判断部で常時監視結果と点検結果とを総合的に評価することでランプまたは非常用電源の状態、すなわち各点検の結果の良し悪しを判断する。さらに、この判断部に接続されて外部からの信号を受信したり、点検結果や各誘導灯自身の状態を送信したりできる通信部を有する。
このように複数の照明器具に通信部を設けて、これらの各照明器具と制御装置とを接続し、それらとの間でデータの授受や、制御したり、監視したりする非常灯自動点検システムが提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の非常灯自動点検装置では、各照明器具に対して点検命令を送信したり、その点検が終わってから、その点検結果のデータを保存する。また、保存した点検結果又は監視結果のデータの履歴に基づいて照明器具における異常の有無を判断する判断手段を具備している。
この特許文献1の発明によれば、点検者が点検時間を計測する手間及び建物内に点在する非常用の照明装置の点検スイッチを操作して回る手間を省略し、点検作業の省力化を図ることができる。また、2次電池の点検結果と常時監視している照明負荷の状態結果を総合的に判断して精度の高い検査結果を得ることができる。すなわち、単一の特性値の情報では判断が難しい電池異常判定を、ランプ異常情報やその他点検で得られる情報とを総合的に見て判断することで、極めて精度良く2次電池の寿命を判断できる。同様に、非常時にランプを点灯させる為の非常電源となる2次電池においても、ランプや照明器具の異常を検出して制御装置(親機)に履歴として記憶装置に集約・蓄積することで、作業者はある時点までに制御装置に集約・蓄積された異常情報を基に不良部品の交換を行う。例えば1つの電力系統に接続される照明器具が50台程度あったとした時に、ランプが5本程度切れたことを確認して交換する。
特開2004−119151号
上述の非常照明自動点検システムでは、作業者はある時点までに制御装置に集約・蓄積された異常情報を基に不良部品の交換を行うようにしていた。例えば1つの電力系統に接続される照明器具が50台程度あったとした場合に、ランプが5本程度切れたことを確認して交換するやり方をしていたとする。すると、これらの照明器具のランプ切れすべてを確認して一通り交換する場合、寿命時間を12000時間程度と考えると、この時間前後において交換回数として合計10回、集中的に交換業務が増えることになり、メンテナンス効率が悪くて作業者の負担は大きなものとなっていた。特に、照明器具の設置環境によっては、交換作業そのものが困難で危険を伴うような場所がある場合はなおさらであった。
そこで、ランプ寿命を予測して効率的に交換することが考えられる。ランプ寿命を判断するという発明は過去、多く出願されており、それらは回路単体の制御を用いたり、寿命そのものを通知したりという発明の出願が目立つ。またこのような自動点検システムにおいてもランプ切れを通知する発明の出願はなされているが、ランプ寿命を予測しつつ交換のタイミングを決定するという出願はこれまでなかった。
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ランプ寿命を予測して効率的に交換が行える非常灯自動点検システムを提供することである。
請求項1に係る非常灯自動点検システムは、光源となる照明負荷と、常用時に商用電源により照明負荷を点灯させる常用ブロックと、停電などにより外部から電力供給が行われない非常時において照明負荷を点灯させるための非常ブロックと、前記非常時において照明負荷を点灯させるために非常ブロックに対して電力供給を行う2次電池と、非常ブロックにより所定の点検時間以上強制的に照明負荷を点灯させて2次電池の点検を行う点検手段とを具備した照明器具と、複数の該照明器具に対し通信線を介して順次あるいは任意に点検指示を行う制御手段と、得られた各照明器具の点検情報を記憶する記憶手段と、を有する上位制御装置とから構成される非常照明自動点検システムにおいて、各照明器具から得られる各部品の異常発生確率から正常な照明器具の部品交換時期を診断することを特徴とする。
請求項2に係る非常灯自動点検システムは、請求項1記載の非常灯自動点検システムにおいて、異常信号により交換する部品は、照明負荷、2次電池、常用ブロック、非常ブロックであることを特徴とする。
本発明の請求項1の非常灯自動点検システムによれば、照明器具の補修部品の寿命を予測して効率的に交換が行えるので、メンテナンスの手間を省力化できる。
請求項2に係る非常灯自動点検システムによれば、請求項1記載の効果に加え、非常照明器具を構成するランプ、2次電池、常用ブロック、異常ブロックのメンテナンスの手間を省力化できる。
次に、本発明の最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る非常灯自動点検システムの一実施例の構成を示すブロック図、図2は蒐集したランプ寿命の頻度分布曲線である。図に示すように、非常灯自動点検システムは、照明器具1と上位制御装置2とから構成されている。
照明器具1は、このシステムの光源となる照明負荷(ランプ)11と、常用時に商用電源により照明負荷11を点灯させる常用ブロック12と、停電などにより外部から電力供給が行われない非常時において非常用の照明負荷(ランプ)13を点灯させるための非常ブロック14と、前記非常時において照明負荷13を点灯させるために非常ブロック14に対して電力供給を行う2次電池15と、点灯手段16により所定の点検時間以上強制的に照明負荷13を点灯させて2次電池15の点検を行う点検手段(点検部)17と、点検された情報を通信線19を介して上位制御装置2と通信する為の通信手段(通信部)18と、常用ブロック12のランプ異常を非常ブロック14に伝達する信号線19aとを具備している。
そして、上位制御装置2は、少なくとも1つ以上の照明器具1に対して通信線19を介して順次あるいは任意に点検指示を行う制御手段21と、得られた各照明器具1の点検情報を記憶する記憶手段22とを有している。点検手段17は非常ブロック14とI/O:10ピンで接続されており点検に関わる信号として、充電電流検出信号(I)、電池電圧検出信号(I)、ランプ状態検出信号(I)、停電検出信号(I)、点検指示信号(O)を用いている。
本発明において、点検の種類としては、1)定期点検、2)機能維持点検、3)常時監視がある。このうち本発明の非常灯自動点検システムの主な機能である1)の定期点検では、設定された点検スケジュールに従い、上位制御装置2から通信線19により照明器具1の通信手段18に点検命令が送信される。すると、通信手段18から点検手段17を介して非常ブロック14に対して、点検命令が送信される。すると、非常灯である照明器具1は、常用ブロック12を強制的に商用電源から切断し、2次電池15による電源にて非常ブロック14を動作させ点検モードへ遷移する。法定時間経過後、2次電池15の残留電圧を検出して所定値を満たすか否かでこの2次電池15の電池容量不足を判定する。
2)機能維持点検においては、短時間(30秒程度)2次電池15による非常点灯を実施し電池寿命の末期状態や非常点灯回路の異常を点検する。3)常時監視では、ランプフィラメントを介した充電電流の流れる回路ループを形成し、電流の有無をチェックすることでランプ切れやランプ外れがないかを確認する。
本発明においては、上位制御装置2に複数の照明器具1が接続されており、なおかつそれら1台1台に対して上記で記載しているような照明負荷11,13、2次電池15、常用ブロック12、非常ブロック14、点検手段17、通信手段18、スイッチ等の部品の寿命などの各点検情報を上位制御装置2が集約・蓄積する。本来、部品個々の特性劣化などを判定するテーブルや検出手段を設けるよりも現実的で比較的精度よく寿命予測データを得ることができる。
(実施例1)
照明器具のランプの寿命予測データを蒐集し、分析する手順の例について説明する。まず同一電力系統に接続される照明器具のランプが一通りランプ交換を行うまで交換(寿命)データを蓄積する(表1)。
Figure 2007059115
次いで、得られた累積点灯時間のデータより平均値x及び標準偏差σを求める。この場合には、それらのデータが正規分布に従う。そうすれば、正規分布の形は一意的に決まる。その上で全照明器具のうち、どの程度のランプ切れが確認されたときに残り全数のランプ交換を実施するのか、という水準を設定する。なお、正規分布では平均値に対し、x±σの範囲に全体のデータの約68%が入る。また、x±2σの範囲に全体の95%が入ることが分かっている(図2参照)。
さらに、得られた累積点灯時間のデータを演算して正規分布特性を演算させた上で、全体のσ〜2σの間に入る点灯時間、すなわち5%以上30%未満のランプ交換がなされる累積点灯時間を計算する。そして、5%以上30%未満のランプ交換がなされる累積点灯時間が経過した時に、同一系統に接続されるまだランプ交換を行っていない照明器具に対して、一斉に交換を行う通知を行う。なお、この範囲を選定したのは、2σを超える領域は全体のうちの5%程度であるので、ランプはまだほとんど生存していると考えられるからである。また、σよりも小さな範囲では、かなりのランプが交換の対象になるのでその中間的なところを設定し、交換時期としてランプ切れとなる照明器具が出始めるあたりの時間を通知したいと考えられるからである。
このように、過去の各点検情報を蓄積・分析していることから、現場での設置環境を反映した部品の故障頻度を統計的に扱うことで、その現場での蓄積データを統計的に演算して統計理論に従い、信頼性よくランプ寿命予測を行い交換時期を通知し、残りの正常器具をまとめて交換できる。これにより、ランプ切れが起こり始めて一通り交換交換が完了するまでにその都度交換しなくても、一度交換通知を受けて交換を行えば次のランプ寿命時間まで交換を行わなくて良いので、効率的にランプ交換を行う事ができメンテナンスにかかる手間を省略できる。
(実施例2)
この例では、非常電源である2次電池の容量不足や部品の寿命予測データを蒐集し、分析する手順の例を説明する。非常電源である2次電池の容量不足も部品の寿命も、代表として実施例1において説明したランプ切れ情報と考え方は同じである。
即ち、非常電源である2次電池の容量、部品の寿命点検系統で点検により得られた交換データから故障に至った時の時間や特性値などのデータを収集する。そのデータを平均値と標準偏差をを求め、正規分布として取り扱う。実施例1で設定したような標準偏差範囲となった場合に生存している部品に対し交換通知を行う。その現場での蓄積データを統計的に演算して統計理論に従い、信頼性よく部品寿命予測を行い交換時期を通知し、残りの正常器具をまとめて交換できる。
これにより、部品切れが起こり始めて一通り交換交換が完了するまでにその都度交換しなくても、1度交換通知を受けて交換を行えば次の部品寿命時間まで交換を行わなくて良いので効率的にランプ交換を行うことができメンテナンスにかかる手間を省略できる。
本発明に係る非常灯自動点検システムの構成を示すブロック図である。 照明器具のランプ寿命の頻度分布曲線である。
符号の説明
1 照明器具
2 上位制御装置
11 照明負荷(ランプ)
12 常用ブロック
13 非常用の照明負荷(ランプ)
14 非常ブロック
15 2次電池
16 点灯手段
17 点検手段(点検部)
18 通信手段(通信部)
19 通信線
21 制御手段
22 記憶手段

Claims (2)

  1. 光源となる照明負荷と、常用時に商用電源により照明負荷を点灯させる常用ブロックと、停電などにより外部から電力供給が行われない非常時において照明負荷を点灯させるための非常ブロックと、非常時において前記照明負荷を点灯させるために前記非常ブロックに対して電力供給を行う2次電池と、前記非常ブロックにより所定の点検時間以上強制的に照明負荷を点灯させて前記2次電池の点検を行う点検手段と、を具備した照明器具と、
    複数の該照明器具に対し通信線を介して順次あるいは任意に点検指示を行う制御手段と、得られた前記各照明器具の点検情報を記憶する記憶手段と、を有する上位制御装置とから構成される非常照明自動点検システムにおいて、
    前記各照明器具から得られる各部品の異常発生確率から正常な前記照明器具の部品交換時期を診断することを特徴とする非常照明自動点検システム
  2. 異常信号により交換する前記部品は、照明負荷、2次電池、常用ブロック、非常ブロックであることを特徴とする非常照明自動点検システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008235113A (ja) * 2007-03-22 2008-10-02 Toshiba Lighting & Technology Corp 電線接続器、照明装置
JP2010129210A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Toshiba Lighting & Technology Corp 非常用点灯装置
WO2022045422A1 (ko) * 2020-08-28 2022-03-03 주식회사 엘씨엠싸이언스 태양광 라이팅 시스템용 컨트롤러 및 태양광 라이팅 시스템의 리셋 방법

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