JP2007057133A - 耐弾防御部材および耐弾防御衣料 - Google Patents

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Abstract

【課題】
耐弾性能と衝撃緩和性能に共に優れ、かつ、構成部材の破片が身体側へ飛び出す危険性を低減した、安全な耐弾防御部材および耐弾防御衣料を提供する。
【解決手段】
主耐弾層と、トラウマプレート層と、防破片層とをこの順序で積層した耐弾防御部材とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、主として飛来する破片や弾丸、さらにはアイスピック、出刃包丁といった刃物から身体を防御するために使用する耐弾防御部材、及びそれを用いた耐弾防御衣料に関する。詳しくは、上記飛来物が着弾した際などの人体への衝撃を安全に緩和できる耐弾防御部材と、まわりの突起物にひっかかりにくく、体への追従性も良好な、作業性、活動性に優れた耐弾防御衣料に関する。
警察官、ガードマン、兵士などは、犯罪者、テロリスト、敵兵や不審者などからの銃器による攻撃、爆発物の炸裂により飛来する破片や刃物による攻撃から身の安全を守るため、必要に応じ耐弾防御部材を使用した耐弾防御衣料を着用して職務に従事する。耐弾防御部材としては、各種弾丸、破片等の飛来を止めるだけでなく、飛来物が衝突する際の人体への衝撃を緩和できる、より安全性の高い部材が求められる。
飛来物を止める性能の高い耐弾防御部材としては、従来から、高強度繊維、例えば、パラ系アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維などの織物、またこれら織物を樹脂コートあるいは樹脂含浸したもの、またこれら繊維を用いて作られたシールド材などが知られている。なお、ここでいうシールド材とは、高強度繊維を0度と90度とに直交配列させて積層し樹脂を含浸させたシートの積層物と合成樹脂フィルムとが積層成形された耐弾材料をいう。
最近では、例えば、特許文献1に、2〜10kg/mの面密度を有する、複数の布の層を含む可撓性耐弾部材が開示されている。これは、布の層のうちの少なくとも2層が粗織であり、その粗織布層は、0.3〜0.6の布タイトネスファクターで織られた布を含んでおり、かつ少なくとも200dtexの線密度、1dtexあたり少なくとも0.98Nの強力、および1dtexあたり少なくとも1.47Nの引張モジュラスを有する連続フィラメント糸を用いて作製されている。さらに、隣接する粗織布層は、粗織布層の相互の相対運動を制限するように層を固定するための手段により一体に接合されている。なお、布タイトネスファクターとは、その織り組織のとりうる最大のカバーファクターに対する実際のカバーファクターの比率をいう。また、カバーファクターとは、布の総表面積に対する糸に覆われた割合を表す。
しかしながら、この耐弾防御部材は、拳銃の弾丸などを受けた際に弾はとめられるものの着弾時の身体への衝撃を十分に緩和することができず、着弾時の衝撃により内臓がダメージを受けたり骨折したりする危険性があるものであった。
一方、着弾時の身体への衝撃を緩和するためにはトラウマプレートが用いられてきた。トラウマプレートとは、身体と耐弾防御部材との間に挿入して用いられるもので、弾丸などが着弾した際の衝撃エネルギーを分散し、身体への局所的なダメージを軽減するものである。トラウマプレートは、耐弾防御部材に対して剛性が高いものからなり、一般には、発泡樹脂シート、樹脂板、金属板からなる。とりわけ金属板の衝撃緩和性能は良好であり、同時に十分な耐刃性能を付与することも可能であるので好適に用いられている。
しかしながら、トラウマプレートを金属板や樹脂板で構成する場合には、着弾時の衝撃によりトラウマプレートが破片となり身体側へ飛び出す危険性や重量増といった問題がある。
さらに近年では、着弾時の身体への衝撃を緩和するとともに軽量化するために、耐弾材料の層とその耐弾材料の層に取り付ける半硬質のフレーム構造物とで防弾パネルや防弾チョッキを構成し、そのフレーム構造物全体にわたって開口部を設ける旨が開示されている(特許文献2)。
しかしながら、このような構成は、フレーム構造物がない場合に比べれば衝撃が緩和されるものの、材料を削っているため衝撃緩和性能が必ずしも十分とはいえず、また、従来の樹脂や金属製のトラウマプレートで得られていた耐刃性能も得られないものである。
特表2004−532380号公報 特開2004−317113号公報
本発明は、耐弾性能と衝撃緩和性能に共に優れ、かつ、構成部材の破片が身体側へ飛び出す危険性を低減した、安全な耐弾防御部材および耐弾防御衣料を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するための本発明は、次の(1)〜(6)を特徴とするものである。
(1)主耐弾層と、トラウマプレート層と、防破片層とがこの順序で積層されていることを特徴とする耐弾防御部材。
(2)防破片層のトラウマプレート層とは反対側に樹脂発泡シートが積層されていることを特徴とする、上記(1)に記載の耐弾防御部材。
(3)上記(1)または(2)に記載の耐弾防御部材を用いた耐弾防御衣料。
(4)後ろ身頃と、前身頃と、後ろ身頃から肩口を越えて前身頃と固定できるように配置された肩パット付バックルと、脇腹において前身頃と後ろ身頃とを固定する面ファスナー付ベルトとを備え、かつ、該面ファスナー付ベルトはサイズ調整機構を有し、該サイズ調整機構が布帛で覆われることを特徴とする、上記(3)に記載の耐弾防御衣料。
(5)少なくとも前身頃が上記(1)または(2)に記載の耐弾防御部材および樹脂発泡シートで構成され、該耐弾防御部材と該樹脂発泡シートとは、着用時の中央縦ライン上で互いに固定されることを特徴とする、上記(4)に記載の耐弾防御衣料。
(6)少なくとも前身頃が上記(1)または(2)に記載の耐弾防御部材および樹脂発泡シートで構成され、該耐弾防御部材と該樹脂発泡シートとは、左右両肩口および下腹部中央部において面ファスナーで固定されることを特徴とする、上記(4)または(5)に記載の耐弾防御衣料。
本発明に係る耐弾防御部材および耐弾防御衣料は、主耐弾層と、トラウマプレート層と、防破片層とがこの順序で積層されているので、着弾時の衝撃で主耐弾層やトラウマプレート層が大きく損傷し、身体側へ破片や鋭利な破断端が飛び出した場合でも、防破片層で身体への受傷を防御することができる。すなわち、耐弾性能を維持しつつも着弾時の衝撃を緩和し、さらに、構成部材による危険性を減少することができる。
また、本発明の耐弾防御衣料については、脇腹において前身頃と後ろ身頃とを固定する面ファスナー付ベルトにサイズ調整機構を設け、該サイズ調整機構を布帛で覆う場合、サイズ調整が可能でかつ、サイズ調整器が周りの突起物などと干渉しにくいものとなる。
さらに、少なくとも前身頃を上記耐弾防御部材および樹脂発泡シートで構成し、該耐弾防御部材と該樹脂発泡シートとを、着用時の中央縦ライン上で互いに固定したり、左右両肩口および下腹部中央部において面ファスナーで固定する場合は、耐弾防御部材の身体追従性が大幅に改善し、より着用性の良いものとなる。
以下、本発明を実施するための形態について具体例を挙げながら図面を参照して説明する。本発明に係る耐弾防御部材は、図1に示すように、防護面4の側から、主耐弾層1、トラウマプレート層2、防破片層3がこの順序で積層されている。なお、本発明において防護面4は弾丸が当たる側の面、裏面5は、その防護面4の裏側、すなわち着用者の身体側の面を示すものとする。
防護面4の側に配置される主耐弾層1は、主に弾丸を止める目的で配置される層であって、耐弾防御性試験NIJ Standard0101.04TypeIIIAに面積密度8kg/m以下で合格する耐弾材料ならばいずれでも適用可能である。その中でも、高強度繊維からなる織物、シールド材、樹脂含浸した高強度繊維織物、樹脂コートした高強度繊維織物などにより作製されることが好ましい。
ここでいう高強度繊維とは、一般的に引張強度が17cN/dtex以上、さらに好ましくは19〜40cN/dtexである繊維をいう。具体的には、芳香族ポリアミド(パラ系アラミド)、芳香族ポリエーテルアミド、全芳香族ポリエステル、超高分子量ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリベンズイミダゾール、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ノボロイド、ポリピリドビスイミダゾール、ポリアリレート、ポリケトン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトンなどからなる繊維が挙げられ、耐衝撃性、生産性、価格などからパラ系アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリピリドビスイミダゾールが特に好ましく使用できる。
また、高強度繊維織物に含浸あるいはコートする樹脂とは、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂及びポリイミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアセテート、ポリエーテルサルファイド、ポリフェニルサルファイド、ポリエーテルケトン、熱可塑性ポリウレタン、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、アクリルニトリルスチレンゴム、ネオプレン等の合成ゴム又はエラストマー等をいう。
主耐弾層1を構成する材料の種類や積層数は、対象とする弾丸および後述するトラウマプレート層2の設計等に応じて適宜設計すればよい。
主耐弾層1の裏面側に積層されるトラウマプレート層2は、着弾時の局所的な衝撃を分散させて、その衝撃による人体への損傷を軽減することを目的に配置されるものである。トラウマプレートとしては、一般にトラウマプレートに分類されるものであればよいが、たとえば発泡樹脂シート、樹脂板、金属板などが用いられる。とりわけ金属板の衝撃緩和性能は良好であり、耐刃性能を付与することもできるので好ましい。トラウマプレートによって衝撃緩和のみならず耐刃性能をも付与する場合、耐刃防御性試験NIJ Standard0115.00Spike&Edged Bladeクラスレベル1に面積密度7kg/m以下で合格する金属板や樹脂板が好ましく、その中でもジュラルミン板、チタン板、チタン合金板、ステンレス板、ポリカーボネート板が耐刃性能、コスト、生産性、加工性の点で特に優れている。
トラウマプレート層2の裏面側、すなわち一番身体に近い位置に配置される防破片層3は、図2に示すように着弾時の衝撃により主耐弾層1やトラウマプレート層2が大きく損傷し、身体側へ破片9や鋭利な破断端が飛び出した場合でも、身体が負傷することを防御する目的で配置されるものである。防破片層3がない場合では、図3に示すように破片などが身体側に飛び出す可能性のある非常に危険な構成となる。
防破片層3の材料には、主耐弾層1と同様に、耐弾防御性試験NIJ Standard0101.04TypeIIIAに面積密度8kg/m以下で合格する耐弾材料ならばいずれでも適用可能である。その中でも、高強度繊維からなる織物、シールド材、樹脂含浸した高強度繊維織物、樹脂コートした高強度繊維織物などにより作製されることが好ましい。また、耐弾材料の種類や積層数などは、対象とする弾丸、主耐弾層1およびトラウマプレート層2の構成に応じて適宜設計すればよい。
このように主耐弾層1、トラウマプレート層2の順に積層することで着弾時の衝撃を大きく緩和することができ、さらに防破片層3を積層することで、着弾時の衝撃で主耐弾層1やトラウマプレート層が破損し破片などが生じた場合でも安全性を保つことができる。
そして、本発明においては、耐弾防御部材の身体側、すなわち、防破片層3のトラウマプレート層2とは反対側に樹脂発泡シートを積層することで、着弾時の衝撃をさらに緩和することが可能な構成となる。また、その柔軟性から着用感も向上する。
上記の耐弾防御部材は、たとえば図4〜図7に示すような耐弾防御衣料に用いられる。図4は、本発明の耐弾防御衣料の後ろ身頃10の表面(防護面側)の構成例を示す図であり、図5は、本発明の耐弾防御衣料の前身頃50の表面(防護面側)の構成例を示す図である。図6は、本発明の耐弾防御衣料の前身頃の裏面を示す図であり、図7は、本発明の耐弾防御衣料の前身頃の展開図である。
本実施態様において、耐弾防御衣料は、後ろ身頃10と、前身頃50と、後ろ身頃10から肩口を越えて前身頃50と固定できるように配置された、肩口を防御するための肩パット付バックル29などからなる。
肩パット12に備え付ける防護プレートを適宜選択することで、耐刃性、切創性、耐衝撃性などを付与することが可能である。また、前身頃50と後ろ身頃10をバックル13で固定する構成としているため、防御衣料を脱着する際にバックル13を左右共に固定してかぶる様に脱着したり、バックル13を片方外して挟み込むように脱着したりすることが可能であり、着用者が着用しやすい方法を選べる構成となっている。また、肩パット付バックル29にサイズ調整機構11を備え付けておけば、より多くの体型の人にも適用可能な構成となる。
また、本実施形態に係る耐弾防御衣料においては、脇腹において前身頃50と後ろ身頃10とを固定する面ファスナー付ベルト14が後ろ身頃10に備え付けられており、その面ファスナー付ベルト14はサイズ調整機構16を有している。このサイズ調整機構16により、多くの体型の人に適用可能な構成となっているが、着用者が好みの位置で面ファスナーを固定することでさらにサイズ調整が可能である。また、面ファスナー付ベルト14にゴムなど伸縮性の材料を用いれば更にサイズ調整が容易な構成となる。
また、本実施形態では、サイズ調整機構16がポケット17などの布帛で覆われている。このような構成により、着用者が作業中にまわりの突起などに引っかかるということを防ぐことができる。なお、ポケット17とは、図4に示すようにサイズ調整機構16を布帛で覆い、かつ、サイズ調整ができるような開口部を設けたものを言い、開口部には適宜ファスナー18、面ファスナー、ボタン等を取り付けることで、より引っかかりにくい構成とすることができる。
このような構成の耐弾防御衣料において、上記した耐弾防御部材は少なくとも前身頃50に用いられる。このとき、図7に示すように、樹脂発泡シート(樹脂発泡シート体24)を、耐弾防御部材(耐弾防御部材体27)のさらに身体側に配置すれば、着弾時の衝撃をさらに緩和するとともに着用時の柔軟性を増すことができるので好ましい。なお、本実施形態においては、樹脂発泡シートおよび耐弾防御部材が、図6、図7に示すように、耐弾防御衣料の形状に縫製された布帛のポケットに、樹脂発泡シート挿入口25および耐弾防御部材挿入口28からそれぞれ挿入され、樹脂発泡シート体24および耐弾防御部材体27を形成している。したがって、樹脂発泡シートおよび耐弾防御部材が直接は露呈していない。
耐弾防御部材(耐弾防御部材体27)と樹脂発泡シート(樹脂発泡シート体24)とは、図7に示すように、着用時の中央縦ライン上で互いに固定されることが好ましい。耐弾防御部材(耐弾防御部材体27)と樹脂発泡シート(樹脂発泡シート体24)との固定箇所が、実質的に着用時の中央縦ライン上にある場合には、厚い耐弾防御部材を用いた場合でも着用性の良好な耐弾防御衣料となる。すなわち、耐弾防御部材と樹脂発泡シートとを前身頃の左右脇部分において自由にすることで、耐弾防御衣料の胴体周方向への追従性が良好になる。より具体的には、耐弾防御部材(耐弾防御部材体27)と樹脂発泡シート(樹脂発泡シート体24)とを、たとえば両肩口30において縫着するとともに下腹部中央部において面ファスナー26で固定することが好ましい。ここで、下腹部中央部とは、防御衣料前身頃の最下部の中点から左右に各10cm、上に15cmの範囲の領域をさす。この領域を外れると、防護衣料と樹脂発泡シートがずれやすくなり装着性の悪い構成となる。その他の部分は、樹脂発泡シート(樹脂発泡シート体24)と耐弾防御部材(耐弾防御部材体27)とが固定されず自由になっているので、ことで、身体の動きにより追従しやすく着用性の良い耐弾防御衣料となる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、耐弾防御性は、NIJ−Standard0101.04で定めるV0試験により評価した。弾丸には、44マグナム弾(15.6g、弾速436m/s、REMINGTON社製)を用い、弾丸の貫通の有無、サンプル背面の粘土の凹みの深さを確認した。試料である耐弾防御部材の裏側には、油粘土(Roma Plastilina#1)を敷いて、試料をベルトで固定した。試験室の環境は、室温25℃、湿度35%で試験を実施した。
また、耐刃防御性は、NIJ−Standard0115.00で定める耐刃試験により評価した。刃物は、Spike&EdgedBladeクラスで定義されているSpike、BladeP1、BladeS1を用い、レベル1に定義されるエネルギーレベルで試験し、試料の裏側への刃物の貫通長を測定することで評価を実施した。
<実施例1>
パラ系アラミド繊維とポリエチレンフィルムの積層体シート状物の防弾材料である市販のGold Flex(登録商標、Honeywell社製)をタテ×ヨコ=40cm×40cmに裁断し30枚積層して主耐弾層を作製した。また、市販のジュラルミンA2017(厚さ2.0mm)をタテ×ヨコ=40cm×40cmに裁断してトラウマプレート層を作製した。さらに、市販のGold Flex(登録商標、Honeywell社製)をタテ×ヨコ=40cm×40cmに裁断し3枚積層して防破片層を作製した。次に、これら部材を着弾面側から、主耐弾層、トラウマプレート層、防破片層の順に積層し、市販のナイロン織布(東レ(株)製)製の袋に挿入して、本発明の耐弾防御部材を作製した。
この耐弾防御部材に対して耐弾防御性を評価した結果、貫通は認められなかった。また、着弾後の粘土の凹み量の平均(N=3)は15mmであった。トラウマプレート層にひび割れがあったが防破片層の背面には損傷はなかった。
耐刃防御性を評価した結果、貫通は認められなかった。
<実施例2>
市販の樹脂発泡シートであるトーレペフ(登録商標、10040、東レ(株)製)をタテ×ヨコ=40cm×40cmに裁断し3枚積層したものを、防破片層のトラウマプレート層とは反対側にさらに積層した以外は実施例1と同様に耐弾防御部材を作製した。
この耐弾防御部材に対して耐弾防御性を評価した結果、貫通は認められなかった。また、着弾後の粘土の凹み量の平均(N=3)は5mmであった。トラウマプレート層にひび割れがあったが防破片層の背面には損傷はなかった。
耐刃防御性を評価した結果、貫通は認められなかった。
<実施例3>
パラ系アラミド繊維で製織された市販のKevlar(登録商標、DuPont社製)の織物(Hexcel社製)S310(繊度400D、平織り、織り密度35.5本/2.54cm)をタテ×ヨコ=40cm×40cmに裁断し57枚積層して主耐弾層を作製した。また、市販のジュラルミンA2017(厚さ2.0mm)をタテ×ヨコ=40cm×40cmに裁断してトラウマプレート層を作製した。さらに、市販のKevlar織物S310をタテ×ヨコ=40cm×40cmに裁断し5枚積層して防破片層を作製した。次に、これら部材を着弾面側から、主耐弾層、トラウマプレート層、防破片層の順に積層し、市販のナイロン織布(東レ製)製の袋に挿入して、本発明の耐弾防御部材を作製した。
この耐弾防御部材に対して耐弾防御性を評価した結果、貫通は認められなかった。また、着弾後の粘土の凹み量の平均(N=3)は18mmであった。トラウマプレート層にひび割れがあったが防破片層の背面には損傷はなかった。
耐刃防御性を評価した結果、貫通は認められなかった。
<比較例1>
市販のGold Flex(登録商標、Honeywell社製)をタテ×ヨコ=40cm×40cmに裁断し30枚積層して主耐弾層を作製した。また、市販のジュラルミンA2017(厚さ2.0mm)をタテ×ヨコ=40cm×40cmに裁断してトラウマプレート層を作製した。次に、これら部材を着弾面側から、主耐弾層、トラウマプレート層の順に積層し、市販のナイロン織布(東レ製)製の袋に挿入して、防破片層のない耐弾防御部材を作製した。
この耐弾防御部材に対して耐弾防御性を評価した結果、貫通は認められず、また、着弾後の粘土の凹み量の平均(N=3)は19mmであった。しかしながら、トラウマプレート層にひび割れが発生し、鋭利なひび割れ端部や、破片が身体側に飛び出しており、安全な耐弾防御部材ではなかった。
耐刃防御性を評価した結果、貫通は認められなかった。
<比較例2>
市販の樹脂発泡シートであるトーレペフ(登録商標、10040、東レ(株)製)をタテ×ヨコ=40cm×40cmに裁断し3枚積層したものを、トラウマプレート層の主耐弾層とは反対側にさらに積層した以外は比較例1と同様にして耐弾防御部材を作製した。
この耐弾防御部材に対して耐弾防御性を評価した結果、貫通は認められず、また、着弾後の粘土の凹み量の平均(N=3)は12mmであった。しかしながら、トラウマプレート層にひび割れが発生し、鋭利なひび割れ端部や、破片は、樹脂発泡シートを突き破り身体側に飛び出しており、安全な耐弾・耐刃防御部材ではなかった。
耐刃防御性を評価した結果、貫通は認められなかった。
本発明に係る耐弾防御部材は、上述したような警察官、ガードマン等が着用する耐弾防御衣料に限らず、車両、艦船などの装甲用途などにおいても利用できる。その場合、着弾時に装甲が変形しにくくなるため、動力機器や通信機器などを破損から守ることができる。
本発明の一実施形態を模式的に示す耐弾防御部材の断面図である。 着弾した際の変化を模式的に示す図1の耐弾防御部材の断面図である 着弾した際の変化を模式的に示す従来の耐弾防御部材の断面図である。 本発明の一実施形態に係る耐弾防御衣料の後ろ身頃の表面側構成図である。 図4に示す耐弾防御衣料の前身頃の表面側構成図である。 図4に示す耐弾防御衣料の前身頃の裏面側構成図である。 図4に示す耐弾防御衣料の前身頃の展開図である。
符号の説明
1:主耐弾層 2:トラウマプレート層
3:防破片層 4:防護面(着弾面側)
5:裏面(身体面側) 6:弾丸
7:着弾の衝撃による凹み 8:トラウマプレート層の破片
9:防破片層により補足されたトラウマプレート層の破片
10:後ろ身頃 11:肩口のサイズ調整機構
12:肩パット 13:肩口のバックル
14:面ファスナー付ベルト 15:脇ベルトの面ファスナー
16:サイズ調整機構 17:ポケット
18:ファスナー 19:無線機ホルダー
20:無線機のアンテナ留め
21:社章用面ファスナー 22:小物入れ
23:交換パット取り付け用面ファスナー
24:樹脂発泡シート体 25:樹脂発泡シート挿入口
26:面ファスナー
27:耐弾防御部材体 28:耐弾防御部材挿入口
29:肩パット付バックル
30:肩口
50:前身頃

Claims (6)

  1. 主耐弾層と、トラウマプレート層と、防破片層とがこの順序で積層されていることを特徴とする耐弾防御部材。
  2. 防破片層のトラウマプレート層とは反対側に樹脂発泡シートが積層されていることを特徴とする、請求項1に記載の耐弾防御部材。
  3. 請求項1または2に記載の耐弾防御部材を用いた耐弾防御衣料。
  4. 後ろ身頃と、前身頃と、後ろ身頃から肩口を越えて前身頃と固定できるように配置された肩パット付バックルと、脇腹において前身頃と後ろ身頃とを固定する面ファスナー付ベルトとを備え、かつ、該面ファスナー付ベルトはサイズ調整機構を有し、該サイズ調整機構が布帛で覆われることを特徴とする、請求項3に記載の耐弾防御衣料。
  5. 少なくとも前身頃が請求項1または2に記載の耐弾防御部材および樹脂発泡シートで構成され、該耐弾防御部材と該樹脂発泡シートとは、着用時の中央縦ライン上で互いに固定されることを特徴とする、請求項4に記載の耐弾防御衣料。
  6. 少なくとも前身頃が請求項1または2に記載の耐弾防御部材および樹脂発泡シートで構成され、該耐弾防御部材と該樹脂発泡シートとは、左右両肩口および下腹部中央部において面ファスナーで固定されることを特徴とする、請求項4または5に記載の耐弾防御衣料。
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