JP2007056560A - 大口径の大型ヒューム管による建物およびその建物の躯体となる大型ヒューム管の製造方法 - Google Patents

大口径の大型ヒューム管による建物およびその建物の躯体となる大型ヒューム管の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数階の建物の躯体として使用できる1個の大口径の大型ヒューム管の製造し、一般的な住宅に比べて耐久性が高く、低コストで短期間に建設でき、台風や地震等の自然災害や火災に強い建物を提供できるようにすることを課題とする。
【解決手段】内部を仕切って複数階に居住できる管内スペースを有する内径が7m〜10m、高さが8m〜11mで、所定箇所に開口部4,5を有し、各階の床部材17を支持する複数のボルト16aを、内部鉄筋カゴ9の上記各階の床部材17を支持する箇所の各同一円周上に内側に突出するように設けてなる大口径の大型ヒューム管2を形成し、各階の床部材17を大型ヒューム管内の上記各ボルト16aによって支持させて設け、かつ、大型ヒューム管2の周壁3の所望箇所に窓6や扉7を設けるとともに上部に屋根8を設け、さらに、内部に各階に上り下りできる階段42を設けた大口径の大型ヒューム管を用いた建物である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、大口径の大型ヒューム管による建物およびその建物の躯体となる大型ヒューム管の製造方法に関し、特に内部を複数階に形成することができる大口径の大型ヒューム管(大型遠心力鉄筋コンクリート管)による建物およびその建物の躯体となる大型ヒューム管の製造方法に関するものである。
一般に鉄筋コンクリートは、コストが安く、材料が豊富であることから、中・低層建物として盛んに使用されている。この鉄筋コンクリート造りの建物は、一般に振動機や手突きで締固めているために、コンクリート中の空隙が残って粗密となり、強度面、断熱面等において問題があった。また、鉄筋コンクリート造りの建物は、構造上、一般に局所的に急変する部分があるので、変形や応力がそこに集中して被害が出やすく、震災でも鉄筋コンクリート造りの建物は大きな被害を受けている。
一方、施工面では、現場打ちの鉄筋コンクリート造りの建物は工期が長くなることから、工場で規格化された部材を大量に生産し、現場で組み立てる骨組方式やパネル方式の住宅が提案されている。しかし、かかる組立住宅でも、構造上において上記の弱点を有しており、地震に弱いという問題点があった。
そこで、本発明の発明者と同一人は、先に鉄筋コンクリート造りの建物や骨組方式やパネル方式の住宅の上記した欠点から、この欠点を解決できる建物を開発するために、色々と検討の結果、ヒューム管の特性に着目して、このヒューム管を使用した建物を開発した。
しかしながら、開発した従来のヒューム管による建物では、躯体となるヒューム管が一階建ての建物を構築できる程度の大きさのものであったために、その使用用途も一部屋の作業部屋や勉強部屋等に限られていた。そのため、従来のヒューム管を使用して二階建て以上の建物を建設するには、同じヒューム管を2個、3個と重ね合わせて建設しなければならず、手間も時間もかかり、建設コストも高くなってしまうといった問題があった。
また、従来のヒューム管による建物では、躯体となるヒューム管と一体に内鍔をコンクリートで形成し、建設時に、この内鍔の上に複数本の梁を組んだ床板支持体の端部を載置して建物の床を組み立てているが、強い地震等の際には床が上下に飛び跳ねたりして位置ずれする懸念がある。そこで、床板支持体の端部を内鍔の上に載置した後に、上記の端部を上からアンカーボルト等を内鍔に打ち込んで固定する施工も考えられたが、アンカーボルトのボルト頭が床板支持体の上に突出するため、床板支持体の上にさらに床材を取り付ける場合に、上記ボルト頭が邪魔になって床材の取り付に手間がかかる。また、ヒューム管の製造時に内鍔を内面側に形成することは容易なことではなかった。
特開平10−68168号公報
本発明は、上記のような点に鑑みて開発されたものである。その目的とするところは、1個の大口径の大型ヒューム管によって、一般的な住宅に比べて耐久性が高く、低コストで短期間に建設でき、台風や地震等の自然災害や火災に強く、地震等によって床板支持体が飛び跳ねたり位置ずれしたりすることのない上記の大口径の大型ヒューム管による建物を提供することにあり、また複数階に居住できる建物をはじめとして各種の用途の建物の躯体として使用することができる大口径の大型ヒューム管の製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の本発明は、内部を仕切って複数階に居住できる管内スペースを備えた内径が7m〜10m、高さ(長さ)が8m〜11mで、周壁の複数の所定箇所に開口部を備え、各階の床部材、および天井部材を支持するための梁の端部に連結して上記梁を支持するボルトを、内部の鉄筋カゴの各同一円周上に内側に突出するように所定間隔をもって複数設けてなる大口径の大型ヒューム管(大型遠心力鉄筋コンクリート管)を躯体として、上記梁を大型ヒューム管内に突出する上記ボルトによって支持させて設け、この梁に床部材、天井部材を設け、かつ、上記開口部に窓または扉を設けるとともに上部に屋根を設け、さらに、各階に上り下りできる階段を設けた大口径の大型ヒューム管による建物である。
請求項2に記載の本発明は、内部を仕切って複数階に居住できる管内スペースを有する内径が7m〜10m、高さが8m〜11mで、周壁の複数の所定箇所に開口部を備え、各階の床部材、および天井部材を支持するための梁の端部にボルトを介して連結し上記梁を支持するためのナットを、内部の鉄筋カゴの各同一円周上に、上記ボルトを水平方向から上記ナットの雌ねじ孔にねじ付けできるように所定間隔をもって複数設けてなる大口径の大型ヒューム管(大型遠心力鉄筋コンクリート管)を躯体として、上記梁を大型ヒューム管の上記ナットに上記ボルトを介して支持させて設け、かつ、この梁に床部材、天井部材を設け、上記開口部に窓または扉を設けるとともに上部に屋根を設け、さらに、各階に上り下りできる階段を設けた大口径の大型ヒューム管による建物である。
請求項3に記載の本発明は、金属線材を縦方向と周方向に所定間隔をもって配して円筒状に接合し内径が7m〜10mで長さが8m〜11mの径の異なる高さの同一な複数の鉄筋カゴを形成するとともに、各鉄筋カゴの同一箇所に上記金属線材を切り欠いて所定の大きさの開口部を形成し、この各開口部を一致させて上記径の大なる大径鉄筋カゴ内に径の小なる小径鉄筋カゴを挿入し、間隔設定冶具によって、大径鉄筋カゴと小径鉄筋カゴとの径方向の間隔を全周に亘って一定に設定し、上記大径鉄筋カゴと小径鉄筋カゴとを締結材で締結して多重鉄筋カゴを形成し、この多重鉄筋カゴの上下方向に所定間隔を以って複数の同一円周上に、円周方向に適宜間隔を以って複数の係止部材を係止部分に生コンクリートが付着しないようにして設け、かつ、上記多重鉄筋カゴの外周部の複数個所に、開閉可能な筒状の型枠の内面と一定間隔を保持させる突出部材を設け、型枠の内周面に形成した各開口形成体に上記多重鉄筋カゴの各開口部が一致するようにして、型枠内に上記多重鉄筋カゴを収納し、この型枠を回転支持する回転装置に載せて回転させるとともに、生コンクリートを上記型枠内に供給して回転する型枠内の多重鉄筋カゴ側に遠心力によって一定厚さに付着させ、一定時間養生後に、生コンクリートを上記型枠内に供給して回転する型枠内の多重鉄筋カゴ側に遠心力によって一定厚さに付着させる、多重鉄筋カゴ側への生コンクリートの付着と上記養生とを複数回繰り返し、上記多重鉄筋カゴと生コンクリートによって所定厚さに形成された大口径の大型ヒューム管を型枠から取り出してなる建物の躯体となる大口径の大型ヒューム管の製造方法である。
請求項4に記載の本発明は、係止部材が内方に水平に突き出すように設けたボルトである請求項3記載の建物の躯体となる大口径の大型ヒューム管の製造方法である。
請求項5に記載の本発明は、係止部材が大型ヒューム管内からボルトをねじ付けできるように取り付けたナットである請求項3記載の建物の躯体となる大口径の大型ヒューム管の製造方法である。
本発明の大口径の大型ヒューム管による建物は、一個の大口径の大型ヒューム管によって複数階の建物を簡単に且つ安い建設コストで、所望の場所に短期間に建設することができ、また、一個の大口径の大型ヒューム管を地上に載置するだけで安定した複数階の建物を建設することができて耐震性よく、さらに、断熱効果も大きく、夏は涼しく、冬は暖かいので、建物内部に快適な居住空間が生まれ、省エネルギー化ができる。また、床板支持体を取り付ける場合も、ナットまたはボルトで止めるだけで簡単に床板支持体を大口径の大型ヒューム管内に固定することができ、地震等に対しても従来のように飛び跳ねたり位置ずれしたりすることがなく、安心して建物内で過ごすことができる。
また、本発明の建物の躯体となる大口径の大型ヒューム管の製造方法により、一階建ての建物は勿論のこと、2階建て以上の建物を建てる躯体として有用な大口径の大型ヒューム管を提供することができる。また、従来のようなコンクリートによってヒューム管の内側に一体に、梁の端部を載置する内鍔を形成するのに比べ、ボルトやナット等の係止部材を多重鉄筋カゴに簡単に溶接等によって取り付けでき、建物の躯体として床等の梁を取り付ける際にも簡単に各階の床や天井を形成する梁を取り付け施工することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1〜図19は本発明にかかる一例の大口径の大型遠心力鉄筋コンクリート管である大型ヒューム管(以下、大型ヒューム管という。)を用いた複数階の建物に関する図であり、図1に示す符号1は本発明にかかる1個の大型ヒューム管2を躯体とした三階建ての建物を示す。
上記の大型ヒューム管2は、内部を仕切って三階建て建物としての居住スペースを確保できる内径が7m〜10m、高さが8m〜11m、厚さが20〜25cmの大きさのものであり、周壁3の所定の複数個所には開口部4,5が形成され、これらの開口部4,5にはそれぞれ窓6や扉7が取り付けられる。また、大型ヒューム管2の上部には、別に形成した屋根8が取り付けられ、さらに大型ヒューム管2の内外には冷暖房や給排水等の各種配管(図示せず)や電気配線が取り付けられる。
この大型ヒューム管2(図2参照)は、次のようにして製造される。すなわち、大型ヒューム管2内に埋め込まれる鉄筋カゴ9(図3参照)は、鉄筋カゴ製造装置(図示せず)により、円状の周囲に一定間隔毎に配した複数の金属線材10を縦方向(垂直方向)に送り出し、この縦方向(垂直方向)の各金属線材10の周囲を回巻しながら金属線材11が上下方向に一定間隔をもって周方向に巻かれ、縦方向と周方向の金属線材10、11の交差する箇所では各金属線10、11同士が溶接機によって自動的に溶接される。このようにして内径が7m〜10mで、長さ(高さ)が8m〜11mの範囲内で径の異なる高さの同一な2つの鉄筋カゴ9(大径鉄筋カゴ9a、小径鉄筋カゴ9b)がそれぞれ別々に形成される。
また、上記のようにして形成された例えば内径が9mで長さ(高さ)が10mの大径鉄筋カゴ9aの中に、内径が8.7mで長さ(高さ)が10mの小径鉄筋カゴ9bを挿入し、このときに対峙する大径鉄筋カゴ9aと小径鉄筋カゴ9bとの複数の同一箇所に、上記した金属線材10,11の所定箇所を切り欠いて所定の大きさの開口部4a,5aを形成しておく。この開口部4a,5aは、各窓6や出入り口の扉7(図1参照)を取り付ける箇所になる。
上記のようにして形成した大径鉄筋カゴ9aの中に、小径鉄筋カゴ9bを挿入し、それぞれの上記した開口部4a,5aの位置が一致するように位置調整する。そして、図4に示すような間隔設定冶具12によって、大径鉄筋カゴ9aの周方向の金属線材11(または縦方向の金属線材10)と、小径鉄筋カゴ9bの周方向の金属線材11(または縦方向の金属線材10)とに、上記間隔設定冶具12に一定間隔をもって形成した2つの切り欠き部13をそれぞれはめ込んで、大径鉄筋カゴ9aと小径鉄筋カゴ9bとの径方向の間隔を正しく設定する。この間隔調整は大径鉄筋カゴ9aと小径鉄筋カゴ9bとの全周に亘ってチェックし、大径鉄筋カゴ9aと小径鉄筋カゴ9bとが全周に亘って一定間隔をもって配されるように調整する。
このようにして大径鉄筋カゴ9aの中に小径鉄筋カゴ9bを配した後は、図5に示すように針金等の締結材14によって大径鉄筋カゴ9aと小径鉄筋カゴ9bとを一定間隔をもって複数の箇所で締結し、多重鉄筋カゴ15を形成する。
この多重鉄筋カゴ15には、図7に示すように係止部材16である複数のボルト16aが梁38の係止箇所(雄ねじ部分に生コンクリートが付着しないようにして)に取り付けられる。
すなわち、この例の多重鉄筋カゴ15は3階建ての建物1の躯体として使用する大型ヒューム管2を形成するためのものであるので、複数のボルト16aを、各階の床17を設ける箇所と天井18を設ける上下方向の4箇所で、各円周上に一定間隔をもって内方に水平に突き出すように取り付ける。
この各ボルト16aは、図8、図9に示すように下方(または上方)を開放した横断面コ状のボルト支持部材19の側面部に大、小の穴20,21を開け、ボルト支持部材19の大穴20から小穴21にボルト16aを通してボルト頭22をボルト支持部材19の内面に溶接によって固定されている。
このボルト支持部材19は、ボルト16aが多重鉄筋カゴ15(図6参照)の内方に水平に突き出すようにして大径鉄筋カゴ9aと小径鉄筋カゴ9bとの間に設け、周方向の金属線材11、および/または縦方向の金属線材10に溶接によって固定する。この際、各ボルト16aの雄ねじ部23に生コンクリートが付着しないようにキャップ24を被せておく。
さらに、図5に示すように上記多重鉄筋カゴ15の外周部(大径鉄筋カゴ9aの外側)の全周に亘る複数の適宜個所に、多重鉄筋カゴ15を開閉可能な筒状の型枠25(図10 参照)の中に装着したときに型枠25の内周面26と一定間隔を保持させる突出部材27(図5参照)を締結材14によって周方向の金属線材11に取り付ける。突出部材27は図示の例では所定長さの金属線材をU字状に屈曲して中央部を片側に少し起こしたものである。勿論、突出部材27は、型枠の内面との間で一定間隔を保持させることができるものであるならば如何なる形状の物であってもよい。
また、上記の型枠25(図11参照)の内周面26の所定箇所には、上記多重鉄筋カゴ15の各開口部4a,5a(図3参照)内に嵌まり込む隆起した開口形成体28が形成してある。したがって、大型ヒューム管2の製造時に上記各開口部4a,5aには生コンクリートが入り込まず、所定箇所に複数の開口部4,5を備えた大型ヒューム管2が製造されることになる。
上記のように形成した多重鉄筋カゴ15は、型枠25の内周面26に形成した各開口形成体28に上記多重鉄筋カゴ15の各開口部4a,5aを一致させて型枠25内に収納し、この型枠25を回転支持する回転装置29に載せて600〜1200rpmで回転させる。
上記のように型枠25とともに回転する多重鉄筋カゴ15の中に、ホッパー30に貯留した生コンクリート(例えば所定量の、セメント、水、骨材、混和材を混練したもの)を生コンクリート自動供給装置31によって所定量を供給し、回転する型枠25の遠心力によって多重鉄筋カゴ15側に生コンクリートを一定厚さに付着させる。その後、一定時間養生後に、再び上記と同様に生コンクリートを供給して多重鉄筋カゴ側15に生コンクリートを一定厚さに付着させる。この作業を再度繰り返し、多重鉄筋カゴ15を生コンクリート内に埋設した3層のコンクリート層32(図2参照)からなる大型ヒューム管2を製造する。この場合、多重鉄筋カゴ15の内方に突出するボルト16aが生コンクリートによって埋め込まれないようにする。
このようして多重鉄筋カゴ15と生コンクリートによって所定厚さに形成された大型ヒューム管2は、クレーンで、型枠25とともに回転装置29から取り外し、型枠25を開けて取り出す。
遠心力で形成される上記の大型ヒューム管2は、遠心力によってコンクリート内部の空隙をつぶして密実な組織となり、水を絞り出して水セメント比が下がって高強度のコンクリートとなり、断熱性にも優れ、透水しないという特徴を有する。
このようにして製造される大型ヒューム管2は。大口径であり重量も重いため、躯体とした建物1を建設する現場に回転装置29や生コンクリート自動供給装置等31を設置して、その現場で製造するのが好ましい。
上記のようにして製造された大型ヒューム管2を1個使用して三階建の建物1を建設する場合は、建物1の建設予定地に予め設置された基礎台33(図1参照)の上に上記の大型ヒューム管2の下端部を載置する。そして各ボルト16a(図8、図9参照)に被せたキャップ24を取り外す。
次に図12、図13に示すように大型ヒューム管2の内周面に接するように横断面L状の金属部材を円弧状に形成し一定間隔毎に穴35を形成してなる支持部材34を、大型ヒューム管2の周壁3から内側に突出している同一円周上の各ボルト16aの箇所に配し、各ボルト16aを支持部材34の対応する穴35に挿入して、ナット36をボルト16aにねじ付けて大型ヒューム管2の周壁3に支持部材34を固定する。このようにして大型ヒューム管2の周壁3の円周上に各支持部材34を固定する。
次に床板37(図14参照)を支持する梁38(図7参照)を上記支持部材34に固定する。すなわち、床板37を支持する梁38は、図示の例では横断面コ状の金属部材であって、両端部39を平板状に形成して上記支持部材34の上面40に載置し、溶接で支持部材34に固定して取り付ける。勿論、梁38は強度の点を考慮して上記のように両端部39を平板状にすることなく、図15に示すように横断面コ状のままで支持部材34の上面に固定してもよい。また、図16に示すように梁38は横断面ロ状や横断面T状等、強度的に問題なければ如何なる部材であってもよい。また、梁38は、大型ヒューム管2の内周面に沿って円形状に設けた複数の支持部材34に対して、図17(a)に示すように一定間隔をもって平面視で並列に設けるも、あるいは図17(b)に示すように格子状に組み合わせて設けるも、或いはその他の組み合わせに形成して設けてもよい。
上記のようにして各階の床17の箇所に梁38を設けたら、各階の床17となる箇所の梁38の上に床板37を敷き詰める(図14参照)。2階、3階の床17の箇所には階段の上がり下り口となる開口41(床板を設けない箇所)を設けておく。そして各階に通じるための階段42を上記各階の上がり下り口の床17に設置する。さらに1階の出入り口の開口部5には扉7を取り付け(図1参照)、各階のその他の開口部4には窓6を取り付ける。最後に内装および外装を施し、内部の所望の階に家具や台所用品等を設置すればよい。
このようにして構成された3階建ての建物1の主要部を成す大型ヒューム管2は、重量物であって構造強度も強いため、耐震性に優れた建物を得ることができ、また、継ぎ目がないので透水もない。
また、従来のヒューム管ではその内部空間の大きさから一階建ての建物しか建設することができなかったが、本発明にかかる口径も長さ(高さ)も大きな大型ヒューム管2では、二階建て以上の建物を短期間で簡単に低コストで建設することができ、住宅や別荘、大型のバンガロー等として大いに利用することができる。
また、上記した例では係止部材16としてボルト16aを使用したが、本発明にかかる大型ヒューム管2による建物1においては、躯体として使用する大型ヒューム管2に係止部材16としてボルト16aに変えて図18および図10に示すようにナット43を使用してもよい。
上記ナット43は、横断面コ状のナット支持部材44の側面部にボルトを挿入できる穴45を開け、この穴45の箇所の外面側に溶接で固定してある。
ナット支持部材44に固定したナット43は、各階の床を設ける箇所と天井を設ける箇所で、各円周上に一定間隔をもって雌ねじ孔46を上記した例で示した多重鉄筋カゴ15の内側に露出するように向けて設ける。また、大型ヒューム管2の製造時に各ナット43の雌ねじ孔46が生コンクリートで塞がれないように着脱自在なキャップ47で覆っておく。このキャップ47は、大型ヒューム管2を製造した後に、大型ヒューム管内に作業員が入って外し、大型ヒューム管内側に上記雌ねじ孔46が露出するようにする。
このナット43を備えた大型ヒューム管2を躯体として建物1を建設する場合は、図示省略するが端部をL状に形成した梁の上記端部にボルト挿入用の穴を開け、この穴からボルトを通して上記ナット43の雌ねじ孔46にボルトをねじ付けて梁を先の例の支持部材34に固定すればよい。その他の施工は上記した例と同様であり説明を省略する。また、上記ナット43を備えた大型ヒューム管2の製造過程は、上記したボルト16を備えた大型ヒューム管2の製造過程と同様であり説明を省略する。
また、本発明にかかる大型ヒューム管は、地下一階、地上二階の建物として、或いは地下二階、地上一階の建物として、所望の場所に設置することができる。
例えば図20〜図26に示す建物は、本発明にかかる大型ヒューム管2を躯体にした地下一階、地上二階の建物1である。この建物1においては、三階建ての建物の躯体となる高さの大型ヒューム管2の1階に相当する部分を、地面を掘った穴に埋設し、二階、三階部分を地上に出して構築し、上記した例と同様に大型ヒューム管2の上端に屋根8を設け、内部に上記した例と同様の施工方法で床や天井、窓6や扉7や階段42を設けて地下一階、地上二階の建物1を建設する。大型ヒューム管2の外周面は石調吹き付けを施してある。なお、この建物1の躯体となる大型ヒューム管2は、窓や扉等の取り付け位置は異なるものの、先の説明と同様の方法によって製造されたものであり説明を省略する。
また、図27〜図33に示す建物も本発明にかかる大型ヒューム管2を躯体にした地下一階、地上二階の他の例の建物1であり、各階の間取りや窓6、出入り口の扉7の位置や、三角屋根を備えていない点などで上記した各例の建物と異なるが、建物1の躯体となる大型ヒューム管2の基本的な構成は、先の説明と同様の方法によって製造されたものであり説明を省略する。
なお。本発明にかかる大口径の大型ヒューム管2を使用した建物は、図示のような三階建てや地下一階、地上二階に限らず、二階建て或いは四階建て以上の建物であってもよい。。
本発明にかかる大口径の大型ヒューム管を用いた一例の複数階建物の斜視図である。 本発明に係る一例の大口径の大型ヒューム管の斜視図である。 一例の多重鉄筋かご15を示す斜視図である。 間隔設定冶具12の平面図である。 一例の多重鉄筋かご15の一部を示す斜視図である。 一例の係止部材16(ボルト16a)を示す説明図である。 支持部材34に梁38を固定した状態の説明図である。 係止部材16(ボルト16a)の斜視図である。 図8の断面図である。 大口径の大型ヒューム管を製造するための型枠を示す斜視図である。 回転装置等による大型ヒューム管の製造過程を示す説明図である。 円形状に配した複数の円弧状の支持部材34の斜視図である。 大口径の大型ヒューム管内に突出するボルト16aに支持部材34を取り付けた状態の説明図である。 大口径の大型ヒューム管を用いた複数階建物の内部の一部を示す説明図である。 他の例の支持部材34に梁38を固定した状態の説明図である。 また別の例の支持部材34に梁38を固定した状態の説明図である。 その他の例の支持部材34に梁38を固定した状態の説明図である。 別の例の係止部材16(ナット43)の斜視図である。 図18の断面図である。 本発明にかかる他の例の建物の東側の立面図である。 本発明にかかる他の例の建物の西側の立面図である。 本発明にかかる他の例の建物の南側の立面図である。 本発明にかかる他の例の建物の北側の立面図である。 図20〜図23に示す建物の1階の平面図である。 図20〜図23に示す建物の2階の平面図である。 図20〜図23に示す建物の地階の平面図である。 本発明にかかる別の例の建物の東側の立面図である。 本発明にかかる別の例の建物の西側の立面図である。 本発明にかかる別の例の建物の南側の立面図である。 本発明にかかる別の例の建物の北側の立面図である。 図27〜図30に示す建物の地階の平面図である。 図27〜図30に示す建物の1階の平面図である。 図27〜図30に示す建物の2階の平面図である。
符号の説明
1 建物、2 大口径の大型ヒューム管、3 周壁、4,4a 開口部、5,5a 開口部、6 窓、7 扉、8 屋根、9 鉄筋カゴ、9a 大径鉄筋カゴ、9b 小径鉄筋カゴ、10,11 金属線材、12 間隔設定冶具、14 締結材、15 多重鉄筋カゴ、16 係止部材、16a ボルト(係止部材)、18 天井(天井部材)、25 型枠、
27 突出部材、26 型枠の内周面、28 開口形成体、29 回転装置、37 床板(床部材)、38 梁、39 梁の端部、43 ナット(係止部材)、42 階段。

Claims (5)

  1. 内部を仕切って複数階に居住できる管内スペースを備えた内径が7m〜10m、高さ(長さ)が8m〜11mで、周壁の複数の所定箇所に開口部を備え、各階の床部材、および天井部材を支持するための梁の端部に連結して上記梁を支持するボルトを、内部の鉄筋カゴの各同一円周上に内側に突出するように所定間隔をもって複数設けてなる大口径の大型ヒューム管(大型遠心力鉄筋コンクリート管)を躯体として、上記梁を大型ヒューム管内に突出する上記ボルトによって支持させて設け、この梁に床部材、天井部材を設け、かつ、上記開口部に窓または扉を設けるとともに上部に屋根を設け、さらに、各階に上り下りできる階段を設けた大口径の大型ヒューム管による建物。
  2. 内部を仕切って複数階に居住できる管内スペースを有する内径が7m〜10m、高さが8m〜11mで、周壁の複数の所定箇所に開口部を備え、各階の床部材、および天井部材を支持するための梁の端部にボルトを介して連結し上記梁を支持するためのナットを、内部の鉄筋カゴの各同一円周上に、上記ボルトを水平方向から上記ナットの雌ねじ孔にねじ付けできるように所定間隔をもって複数設けてなる大口径の大型ヒューム管(大型遠心力鉄筋コンクリート管)を躯体として、上記梁を大型ヒューム管の上記ナットに上記ボルトを介して支持させて設け、かつ、この梁に床部材、天井部材を設け、上記開口部に窓または扉を設けるとともに上部に屋根を設け、さらに、各階に上り下りできる階段を設けた大口径の大型ヒューム管による建物。
  3. 金属線材を縦方向と周方向に所定間隔をもって配して円筒状に接合し内径が7m〜10mで長さが8m〜11mの径の異なる高さの同一な複数の鉄筋カゴを形成するとともに、各鉄筋カゴの同一箇所に上記金属線材を切り欠いて所定の大きさの開口部を形成し、この各開口部を一致させて上記径の大なる大径鉄筋カゴ内に径の小なる小径鉄筋カゴを挿入し、間隔設定冶具によって、大径鉄筋カゴと小径鉄筋カゴとの径方向の間隔を全周に亘って一定に設定し、上記大径鉄筋カゴと小径鉄筋カゴとを締結材で締結して多重鉄筋カゴを形成し、この多重鉄筋カゴの上下方向に所定間隔を以って複数の同一円周上に、円周方向に適宜間隔を以って複数の係止部材を係止部分に生コンクリートが付着しないようにして設け、かつ、上記多重鉄筋カゴの外周部の複数個所に、開閉可能な筒状の型枠の内面と一定間隔を保持させる突出部材を設け、型枠の内周面に形成した各開口形成体に上記多重鉄筋カゴの各開口部が一致するようにして、型枠内に上記多重鉄筋カゴを収納し、この型枠を回転支持する回転装置に載せて回転させるとともに、生コンクリートを上記型枠内に供給して回転する型枠内の多重鉄筋カゴ側に遠心力によって一定厚さに付着させ、一定時間養生後に、生コンクリートを上記型枠内に供給して回転する型枠内の多重鉄筋カゴ側に遠心力によって一定厚さに付着させる、多重鉄筋カゴ側への生コンクリートの付着と上記養生とを複数回繰り返し、上記多重鉄筋カゴと生コンクリートによって所定厚さに形成された大口径の大型ヒューム管を型枠から取り出してなる建物の躯体となる大口径の大型ヒューム管の製造方法。
  4. 係止部材が内方に水平に突き出すように設けたボルトである請求項3記載の建物の躯体となる大口径の大型ヒューム管の製造方法。
  5. 係止部材が大型ヒューム管内からボルトをねじ付けできるように取り付けたナットである請求項3記載の建物の躯体となる大口径の大型ヒューム管の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5816888B1 (ja) * 2014-12-01 2015-11-18 株式会社栄光 太陽光発電設備

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