JP2007056504A - 点検装置及び点検方法 - Google Patents

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豊亮 今井
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Abstract

【課題】 簡易な構成の点検装置により、容易かつ迅速に床下空間や小屋裏空間などの隠蔽空間の点検作業を行う。
【解決手段】 建物を建設する際に、床下空間や小屋裏空間の上方にある構造部材にレール10を取り付けて点検走行体20の走行経路を形成する。レール10の所定位置には、位置情報や撮像指令が格納されたICタグ30を設置する。点検走行体20は、レール10に吊設されレール10の下方を自動走行するための走行部20bを備え、点検時には点検口から走行経路上に設置されて自動走行する。点検走行体20は、赤外線カメラやICタグリーダを備え、走行中に通過地点に設置されたICタグ30から位置情報を読み取って外部に出力する。また、ICタグ30から撮像指令を読み取って赤外線カメラにより基礎表面を撮像する。出力された位置情報は外部の表示装置に表示され、現在位置を随時モニターできる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、建物の床下空間や小屋裏空間などの隠蔽空間内の点検を行うための点検装置及び点検方法に関する。
従来、建物の床下や小屋裏などの隠蔽空間内の点検、例えば床下空間にある基礎表面に形成されたクラックの点検や、小屋裏空間内における雨漏りの点検、床下空間におけるシロアリの被害の点検、その他小屋裏空間や床下空間に設けられている配管、配線、設備、構造躯体などの点検を行う場合には、あらかじめ設置されている床下点検口や天井点検口から床下や小屋裏に作業者自らが入り込み、目視で点検作業を行っていた。このような点検作業は、作業者が小さな点検口を通り抜けなければならず、また、暗く狭い空間内を移動して行わなければならないため、無理な姿勢や手探りで行わなければならず、作業負担が非常に大きかった。
そこで、作業者が小屋裏空間や床下空間などの点検空間に入ることなく点検が行えるようにするために、点検口から隠蔽空間の内部にカメラ等の撮像装置を挿入して内部の状態を撮影できるようにした確認点検装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。また、カメラなどの撮像装置と、地上を走行するキャタピラなどの自動走行装置を備えた自走式の確認点検装置が用いられている(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−32850号公報(第2−5頁、図1、図4) 特開2004−125773号公報(第2−5頁、図2)
特許文献1に記載の確認点検装置は、棒体の先端にカメラと照明ライトを取り付けて、これを潜望鏡のようにして小屋裏空間や床下空間へ挿入するものであった。従って、撮影範囲が棒体の先端からみた範囲に限定され、点検したい部位の近くに点検口が設けられていなければ点検できないという問題点があった。また、広い範囲を点検するためには、多くの点検口を設けなければならないという問題点があった。さらに、手探りで棒体を操作しなければならないため、点検したい部位の撮影が困難であるという問題点があった。
また、特許文献2に記載の自走式の確認点検装置は走行面上を走行するものであり、磁気テープや光を反射するマーカによって走行面に予め設けておいた軌道をトレースして走行するようになっている。しかしながら、床下空間や小屋裏空間には様々な段差や障害物が設けられており、段差や障害物を問題としないで走行させるためには、キャタピラなどの走行装置を大型化したり、走行機構を複雑化しなければならなかった。そして、装置が大型化すると、狭い場所を通過させるのが困難となり点検できない場所が発生するという問題点があった。また、自走式は高速で移動させるのが困難であり、点検に要する時間が長いという問題点があった。
さらにまた、特許文献2の確認点検装置では、カメラで撮影した画像を無線または有線で外部に送信してモニターし、このカメラ画像から走行中の確認点検装置の現在位置を判定して確認点検装置を遠隔操作するものであったが、撮影画像のみから現在位置を判定するのは困難であるため、遠隔操作が難しいという問題点があった。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、簡易な構成の点検装置により、容易かつ迅速に床下空間や小屋裏空間などの隠蔽空間の点検作業を行うことができるようにすることを目的とする。
前記課題は、本発明の点検装置によれば、建物の床下空間または小屋裏空間に設置されたレールと、該レールに沿って走行する点検走行体と、を備えた点検装置であって、前記レールに沿って設けられた複数の情報格納位置にそれぞれ設置された複数の情報格納手段を備え、前記レールは、下方に前記点検走行体が走行可能な走行空間を有する位置に設置されると共に、点検対象物から所定距離離れた撮像位置と、床下点検口または小屋裏点検口の近傍と、を通過する走行経路を形成するように設置され、前記点検走行体は、前記レールに吊設され前記レールの下方を自動走行するための走行手段と、走行中に前記情報格納手段の近傍を通過するときに前記情報格納手段から位置情報または撮像指令を読み取るための読取手段と、前記撮像指令に基づいて所定の撮像位置から点検対象物を撮像するための撮像手段と、前記読取手段により読み取られた位置情報または前記撮像手段により撮像された画像情報を外部に出力するための出力手段と、を備えたことにより解決される。
このように、本発明の点検装置は、建物の床下空間または小屋裏空間において、下方に点検走行体が走行可能な走行空間を有する位置に設置されたレールと、このレールに吊設されレールの下方を自動走行する点検走行体と、を備えている。このように、レールに吊り下げて自動走行する方式とすれば、段差や地上付近の障害物によって走行が妨げられることがないので、点検走行体を高速で移動させることができる。また、確実に軌道に沿って移動させることができる。
また、本発明では、レールに沿って情報格納手段を設置して現在位置を示す位置情報や撮像指令を格納しておくと共に、点検走行体に読取装置を設けて走行中に近傍の情報格納手段に格納された情報を自動で読み取るようにすれば、走行中に近傍の情報格納手段から現在位置を示す位置情報を随時自動で取得することができる。そして、読み取った位置情報を外部に自動出力することにより、点検走行体が現在どの位置を走行しているかを外部から随時正確にモニターすることができる。
また、本発明では、点検走行体が吊設されるレールが床下空間内や小屋裏空間内の点検対象物から所定距離離れた撮像位置を通過するように設置されているので、点検対象物の近傍において情報格納手段から撮像指令を取得して、点検対象物を自動撮影して外部に自動出力することができる。つまり、点検走行体をレールに沿って自動走行させるだけで、自動的に点検対象物の撮影画像を取得することができる。従って、床下空間や小屋裏空間を迅速に点検することができる。
また、本発明において、前記点検走行体と通信可能な表示手段を備え、前記出力手段は、前記読取手段により読み取られた位置情報または前記撮像手段により撮像された画像情報を前記表示手段に出力し、前記表示手段は、前記位置情報に基づく前記点検走行体の現在位置表示を行うと共に、前記画像情報に基づく点検結果表示を行うように構成することができる。
このように、出力された位置情報に基づいて表示手段が点検走行体の現在位置表示を行うようにすれば、点検走行体が現在どの位置を走行しているかを容易にモニターすることができる。また、出力された画像情報に基づいて表示手段が点検対象物の点検結果表示を行うようにすれば、点検結果を容易にモニターすることができる。
また、本発明において、前記複数の情報格納手段の少なくともいずれかには、建物の基礎の表面を撮像するための基礎撮像指令が格納され、該基礎撮像指令が格納された情報格納手段は、前記レールと建物の基礎の表面とが略一定の距離にある情報格納位置に設置されるように構成することができる。
このようにすれば、走行経路上において、建物の基礎の表面から略一定の距離にある地点で基礎撮像指令を読み取ることができる。従って、読み取った地点で撮像処理を行うようにすれば、基礎表面の画像は略一定の距離から撮像したものとなる。よって、基礎クラックの有無やその寸法を画像処理によって容易に判定することができる。
また、本発明において、前記撮像手段により撮像された画像情報を記憶する記憶部を備えた構成とすると好適である。このように、記憶部を備えていれば、撮像した画像情報を順次出力せずに記憶させておくことができる。そして、点検走行が終了した後に外部で一括して画像情報を出力して画像解析などの処理を行うことができる。従って、点検現場で表示手段が故障したり準備できなかったりしても、点検走行体を持ち帰って点検結果を確認することができる。よって、点検作業のやりなおしを防止することができる。
また、本発明において、前記レールは、床下点検口の近傍から走行開始して再び床下点検口の近傍に戻るまでの走行経路が一意に定まるように設置されていると好適である。このように構成されていると、走行中に走行経路をコントロールする必要がないので、点検作業が容易化される。
また、本発明において、前記撮像手段は、より具体的には、赤外線カメラからなるようにすると好適である。床下空間や小屋裏空間などの隠蔽空間は、外部から光が入ってこないため通常の可視光用のカメラで撮像しようとすると照明装置が必要となるが、赤外線カメラであれば照明なしでも点検対象物を撮像することができる。
また、本発明において、より具体的には、前記情報格納手段はICタグからなり、前記読取手段はICタグリーダからなるように構成することができる。本発明では、種々の情報格納手段と読取手段を適用することができるが、情報格納手段をICタグとすることにより、マーカや光反射板、磁気テープなどと比較してより多くの情報量の情報を格納しておくことができる。また、ICタグと読取手段とは無線で情報を送受信できるので、ICタグを読取手段の読取可能なフィールド範囲内に位置させるように設置するだけでよく、ICタグと読取手段を正対させるなどのように位置関係を考慮して設置する必要がない。よって、情報格納手段の取り付け位置の自由度や、走行手段の設計の自由度が増大する。また、ICタグは必要に応じて格納情報を書き換えたり追加することができるので、例えば点検を行った際に履歴を追加記録しておけば、その後の点検時に前回の点検履歴情報を容易に利用することができる。
また、本発明において、前記走行手段は、前記レールに案内される走行輪と、前記走行輪を回転駆動させる駆動部と、を有し、前記駆動部を制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、前記撮像指令に基づいて前記点検走行体を所定の撮像位置で停止または減速させるように前記駆動部を制御するように構成することができる。
このように、撮像指令に基づいて駆動部を制御すれば、点検走行体を自動的に撮像位置で停止させたり減速させることができ、画質の良好な画像情報を取得することができる。
また、前記課題は、本発明の点検方法によれば、建物の床下空間または小屋裏空間に設置されたレールと、該レールに沿って走行する点検走行体と、該点検走行体と通信可能な表示手段と、前記レールに沿って設けられた複数の情報格納位置にそれぞれ設置された複数の情報格納手段と、を備えた点検装置により、前記点検走行体と前記表示手段との間で通信を行い、前記点検走行体から取得した情報に基づいて前記表示手段が所定の表示を行う点検方法であって、前記点検走行体が前記レールに吊設され前記レールの下方に設けられた走行空間を自動走行する走行工程、前記点検走行体が走行中に前記情報格納手段の近傍を通過するときに前記情報格納手段から位置情報または撮像指令を読み取る読取工程、前記点検走行体が前記撮像指令に基づいて点検対象物から所定距離離れた撮像位置から点検対象物を撮像する撮像工程、前記点検走行体により読み取られた位置情報または前記点検走行体により撮像された画像情報を前記表示手段に出力する出力工程、前記表示手段が前記点検走行体から出力された位置情報に基づく前記点検走行体の現在位置表示を行う位置表示工程、前記表示手段が前記点検走行体から出力された画像情報に基づく点検結果表示を行う点検結果表示工程、を行うことにより解決される。
このように、本発明の点検方法は、走行工程において点検走行体をレールに吊り下げて自動走行させるので、段差や地上付近の障害物によって走行が妨げられることがなく、高速で移動させることができる。また、確実に軌道に沿って移動させることができる。
また、本発明では、点検走行体に読取装置を設けて走行中に近傍の情報格納手段に格納された情報を自動で読み取る読取工程を行うので、走行中に現在位置を示す位置情報を随時自動で取得することができる。そして、読み取った位置情報を外部に自動で出力する出力工程と、この位置情報に基づく前記点検走行体の現在位置を表示する位置表示工程を行うので、点検走行体が現在どの位置を走行しているかを外部から随時正確にモニターすることができる。
また、読み取った撮像指令に基づいて点検対象物を自動で撮像する撮像工程と、撮像した画像情報を外部に自動で出力する出力工程と、この画像情報に基づく点検結果を表示する点検結果表示工程を行うので、点検結果を容易にモニターすることができる。つまり、点検走行体をレールに沿って自動走行させるだけで、床下空間や小屋裏空間を迅速に点検することができる。
以上のように、本発明によれば、以下のような効果を奏する。
本発明によれば、点検走行体がレールに吊設されレールの下方を自動走行する。従って、段差によって走行が妨げられることがないので、点検走行体を高速で移動させることができる。また、確実に軌道に沿って移動させることができる。
また、レールに沿って情報格納手段を設置して現在位置を示す位置情報や撮像指令を情報格納位置に格納しておき、点検走行体に読取装置を設ける。これにより、走行中に通過位置にある情報格納手段から現在位置を示す位置情報を自動で読み取って外部に自動出力することができる。従って、点検走行体が現在どの位置を走行しているかを外部から随時正確にモニターすることができる。
また、本発明によれば、走行中に情報格納手段から撮像指令を読み取って点検対象物を自動撮影し、外部に自動出力することができる。つまり、点検走行体をレールに沿って自動走行させるだけで、自動的に点検対象物の画像を取得することができる。また、点検対象物を建物の基礎の表面とするときは、建物の基礎の表面から略一定の距離において撮像指令を読み取ることができる。従って、この撮像指令に基づいて撮像を行えば、略一定の距離から撮像された画像を取得することができる。よって、略一定の距離から撮像されたことを前提として画像解析を行うことができ、基礎クラックの有無やその寸法を容易に判定することができる。
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。また、以下に説明する配置、形状等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1〜図6は本発明の一実施形態を示す図で、図1は本実施形態に係るレールの設置により建物の床下空間に形成された走行経路を示す平面図、図2は本実施形態に係る床下点検装置が設置された床下空間の断面図、図3は本実施形態に係る点検走行体の電気的構成を示すブロック図、図4は本実施形態に係る床下点検装置の構成を示す説明図(図2のA−A断面図)、図5は本実施形態に係る床下点検装置を用いて床下点検作業を行うための構成を示す説明図、図6は床下点検作業の流れを示すフローチャートである。
(床下点検装置の構成)
本発明の一実施形態の点検装置を、建物の床下点検を行うための床下点検装置Sに適用した例について説明する。
図1に建物Hの床下空間Gの平面図を示す。この図に示すように、床下空間Gの外周は鉄筋コンクリート等からなる布基礎Fによって囲まれている。また、床下空間Gには、建物構造に応じて内部にも布基礎Fが設置されており、いくつかの小空間(ブロック)に仕切られている。
図2は床下空間Gの断面構成を示す図である。この図に示すように、床下空間Gの上方には大引きや根太などの床構造材K1が架け渡されており、その上に床K2が設けられている。また、床下空間Gの下方は地上面である。従って、床下空間Gは上下が閉鎖され外周が囲まれて閉鎖空間となっている。
布基礎Fの所定位置には床下換気口V1が設けられている。この床下換気口V1を介して外部空間と床下空間Gが連通されている。また、床下換気口V1を介して布基礎Fによって仕切られた小空間同士が連通されている。また、床K2の所定位置には屋内空間から床下空間Gへ入るための床下点検口V2(図1参照)が設けられている。
本例の床下点検装置Sは、レール10と、レール10に吊設されてレール10の下方を走行する点検走行体20と、レール10の所定位置に設置された情報格納手段としてのICタグ30と、を主要構成とする。
レール10は、図2に示すように床下空間Gの上方に設置されている。床下空間Gの内部には種々の物体が設けられている。例えば、地上面にはコンクリートが敷設され、その上に種々の配管や配線などの設備部材が設けられている。また、構造上必要な所定位置に独立基礎や束部材が立設されていたり、防湿材などが敷設されている場合もある。本例では、レール10が床下空間Gの上方に設置されているので、レール10の下方には点検走行体20が走行可能な走行空間が確保されている。従って、点検走行体20は上述のような種々の物体と接触せずに床下空間G内を走行することができる。
レール10は、布基礎Fによって区切られた小空間(ブロック)から隣接する小空間(ブロック)へ移動する箇所では、床下換気口V1を通過するように設置されている。また、レール10は床下点検口V2の下方またはその近傍を通過するように設置されている。従って、床下点検口V2から点検走行体20を床下空間G内に持ち込んでレール10に吊設することができる。
また、レール10は、図1に示すように床下点検口V2から走行開始して床下空間G内を循環し、再び床下点検口V2へ戻ってくる走行経路を形成しており、途中で交差しない循環走行経路となっている。このように、交差部のない循環走行経路となっていると、床下点検口V2から走行開始した点検走行体20が全経路を走行してもとの位置に戻ってくるルートは一意に定まる。つまり、点検走行体20は、同一方向に走行するだけで自動的に設置された全てのレール10上を通過するようになっている。
点検走行体20は、レール10によって形成された走行経路を走行する際に、走行経路中の予め定められた撮像位置Pから予め定められた撮像方向にある点検対象物を撮像することができる。本例では、点検走行体20は、撮像位置Pで一旦停止して点検対象物を静止状態で撮像する。
例えば本例では、点検対象物を布基礎Fの表面とし、撮像位置Pを布基礎Fの表面から略一定距離の位置とする。これにより、布基礎Fの表面を略一定距離から撮像した画像を取得することができる。取得した画像が建物の基礎の各部位の表面を常に一定距離から撮像したものであれば、画像の倍率が常に一定となる。従って、画像の倍率が常に一定となっていることを前提として画像解析を行うことができ、基礎クラックの発生の有無や発生したクラックの寸法の確認を容易に行うことができる。そのため、本例のレール10は、布基礎Fの表面から略一定の距離だけ離れた撮像位置Pを通過するように設置されている。
なお、基礎表面に限らず、構造躯体や配管、配線などの所望の物体を点検対象物とし、点検対象物の種類に応じて撮像位置を定めてレール10を設置してもよい。
また、本例のレール10上の予め定められた複数の位置には、情報格納手段としてのICタグ30がそれぞれ設置されている。このようにすると、点検走行体20は、走行中にICタグ30の近傍を通過するときに各々のICタグ30に格納された情報を読み取って利用することができる。
ICタグ30には、走行中に現在位置を把握するための位置情報や、撮像を行わせるためのコマンドとしての撮像指令が格納される。本例では、図1(B)に示すように、位置情報のみが格納されたICタグ30Aと、位置情報及び撮像指令が格納されたICタグ30Bとがレール10上に設置されている。このICタグ30(30A,30B)は、外部から無線信号により送信されたコマンドを受信して、そのコマンドに基づき、内部に記憶された位置情報や撮像指令を外部に送信することができる。
本例では、点検走行体20の走行経路を形成するレール10は、建物Hの建設と同時に床下に設置されている。また、ICタグ30(30A,30B)についてもレール10上に建物Hの建設と同時に設置されている。このように、点検を行う際には既にレール10やICタグ30(30A,30B)が設置済みの状態となっているので、点検作業を迅速かつ容易に行うことができる。
つまり、本例では定期点検時に現地で行う主要な作業は床下点検口V2から点検走行体20を床下空間G内に持ち込んで走行経路上に設置して走行開始させることと、走行経路を一循して最初の位置に戻ってきた点検走行体20を回収することだけでよく、これにより点検走行体20を自動走行させて所定の撮像位置Pで点検対象物を自動撮影した画像を取得することができる。従って、少ない作業負担で、迅速かつ容易に床下点検を行うことができる。
図3は本例の点検走行体20の電気的構成を示すブロック図である。また、図4は床下点検装置Sの構成を示す説明図であり、図2のA−A断面図である。
図4に示すように、レール10は、レール本体部11と、レール本体部11を床構造材K1に連結するための吊り金物12と、を備えている。レール本体部11は例えば防錆処理を施した略C字型断面の長尺の鋼材からなり、略C字型断面の開口を下方に向けて設置されている。レール本体部11の側面11bの外周面には、上述したICタグ30(30A,30B)が固定されている。
吊り金物12は下端部がレール本体部11の上側の面に固定されており、上端部がレール10の走行経路の上方に位置する床構造材K1に固定されている。これによりレール10と点検走行体20の荷重を床構造材K1によって安定的に支持することができる。
図4に示すように、点検走行体20は、本体部20aと、本体部20aの上方に設けられ本体部20aを下方に吊り下げて走行する走行部20bと、を備えている。
走行部20bは、最上端の左右両側に設けられた走行輪21A,21Bと、走行輪21A,21Bを回転駆動させるための駆動モータ22と、走行輪21A,21Bと本体部20aとを連結するための連結部23と、を有している。この走行輪21A,21Bは、レール本体部11の開口の両側に設けられたリップ部11aの上方にそれぞれ配設されている。
走行輪21A,21Bは略水平な回転軸21aの両端にそれぞれ固定されている。この走行輪21A,21Bは、回転軸21aと共に回転軸21aの軸方向周りに回転されることにより、リップ部11aの上面に沿ってレール本体部11の長さ方向に移動する。
回転軸21aの下方には駆動モータ22が設けられ、駆動モータ22の出力軸が伝達機構22aを介して回転軸21aの略中央部分に連結されている。連結部23は上端に回転軸21aの中央部が回動自在に挿通され、その内部に駆動モータ22及び伝達機構22aが収納されている。つまり、連結部23は駆動モータ22及び伝達機構22aを収納するハウジングとなるように形成されており、駆動モータ22は連結部23の内部に固定されている。そして、連結部23の下端に本体部20aが固定されている。
本例の伝達機構22aは駆動モータ22の出力軸に連結されたウォームギヤにより構成されるが、ベルト機構など公知の伝達機構を適用してもよい。
以上のような構成により、駆動モータ22の出力軸の回転に伴って走行輪21A,21Bがリップ部11aの上面をレール本体部11の長さ方向に走行する。これと共に回転軸21aが挿通された連結部23が本体部20aと共にレール本体部11の下方を移動する。つまり、点検走行体20が、リップ部11aによって走行輪21A,21Bが支持されるかたちでレール10に吊設されてレール10の下方を走行するようになっている。
本体部20aは、点検対象物を撮像するための撮像部24Aと、走行中にその進行方向を撮像するための撮像部24Bと、ICタグ30(30A,30B)に格納されたデータを読み取るための読取部25と、撮像部24A,24Bによって撮像した画像データ,読取部25によって読み取られたデータ,などの各種データを外部に出力するための出力部26と、撮像部24A、撮像部24B、読取部25、出力部26等を制御するための中央制御部27と、中央制御部27の制御信号に基づいてこれらの装置に電源を供給する電源供給部28と、を備えている。
また、本例では、走行輪21A,21Bの回転駆動が中央制御部27によって制御される。つまり、中央制御部27の制御信号に基づいて電源供給部28から駆動モータ22に給電されるように構成されている。
本例では撮像部24A、撮像部24Bとして赤外線カメラを用いており、読取部25としてICタグリーダを用いている。赤外線カメラやICタグリーダはそれぞれ内部に独立の制御部を備えており、中央制御部27からの制御信号に基づいて撮像処理や読取処理を行うことができる。なお、中央制御部27により直接赤外線カメラやICタグリーダを制御するように構成してもよい。
図4に示すように、撮像部24Aは本体部20aの点検対象物側の面に設けられた撮像レンズ24aを備えている。また、撮像部24Bは本体部20aの進行方向側の面に設けられた撮像レンズ24bを備えている。撮像部として通常の可視光を捉えて撮像するためのカメラを使用すると、床下空間のような外光が入ってこない空間で撮像した画像には、進行方向の状況や点検対象物の状況、例えば基礎クラックの有無がほとんど写らない。これに対し、本例では撮像手段として赤外線カメラを用いているので、物体からの赤外放射を捉えてその形状や表面状態を判別可能な画像を撮像することができる。
なお、撮像レンズ24a,24bは、その視線方向を調整可能としてもよい。そして、中央制御部27からの制御信号に基づいて、撮像位置Pにおいて点検対象物の方向を向くように制御してもよい。
読取部25は、ICタグ30(30A,30B)と信号を送受信するための通信部25aを備えている。通信部25aは、ICタグ30(30A,30B)との信号の送受信態様に合わせて構成されており、例えば、ICタグ30(30A,30B)との間で送受信される周波数帯域の無線電波を所定のフィールド範囲で送受信可能なアンテナを備えている。この通信部25aは、本体部20aから側面11b側に向けて設置されており、ICタグ30(30A,30B)がその送受信フィールド範囲内を通過するように設置されている。
また、ICタグ30(30A,30B)は、外部からの電磁波の照射によって電流が発生するように構成されているため、信号を送受信するための内部電源が不要とされている。
出力部26は、例えば無線電波により信号を床下空間Gから外部に出力するように構成することができる。なお、出力部26は、レール10に沿って配設された通信線に走行中も常時接触するような通信端子を点検走行体20に設けたものでもよい。このようにすれば、通信線を床下空間Gから外部に延出し、この通信線を介して信号を床下空間Gから外部に出力することができる。
電源供給部28は電池などの内部電源を備えたものとすることができる。また、レール10に沿って給電線を配設し、走行経路上の任意の位置で点検走行体20が電力供給を受けることが出来るようにしてもよい。
以上のような構成により、読取部25に以下に示す読み取り処理を行わせて、走行中に近傍を通過するICタグ30(30A,30B)から位置情報や撮像指令を取得することができる。
中央制御部27は、点検走行体20の走行中に、通信部25aから無線信号により一定時間間隔でコマンドを送信するように読取部25を制御する。これにより、点検走行体20がICタグ30Aが設置された場所の近傍、すなわち送受信フィールド範囲内に到達したときには、ICタグ30Aがコマンドを受信して位置情報を発信する。また、点検走行体20がICタグ30Bが設置された場所の近傍に到達したときには、ICタグ30Bから位置情報および撮像指令が発信される。
そして、読取部25により位置情報や撮像指令が読み取られたことに基づいて、中央制御部27は、以下に示すような各種処理を行うことができる。
例えば、読取部25が位置情報を受信したときには、その位置情報を遅滞なく出力部26を介して床下空間Gの外部に送信する。従って、床下空間Gの外部においてアンテナ等の受信手段によってその位置情報を遅滞なく受信してモニター等の表示手段にリアルタイムで表示するようにすれば、床下空間Gの内部に入って目視で確認しなくても、点検走行体20の現在位置をリアルタイムで正確に把握することができる。
また、例えば読取部25が撮像指令を読み取ったときには、その撮像指令を遅滞なく中央制御部27に出力する。中央制御部27は、この撮像指令に基づいて撮像部24Aに撮像処理を行わせるための制御信号を出力する。撮像部24Aの撮像レンズは、予め点検対象物側を向くように設置されているので、撮像部24Aは、この制御信号に基づき遅滞なく撮像処理を行うことができる。そして、撮像した画像を出力部26を介して床下空間Gの外部に送信することができる。
床下空間Gの外部では、受信手段を備えた表示装置によってこの画像を遅滞なく受信して画像処理を行い、点検対象物の状態を確認するための情報を表示する。例えば、画像処理によって基礎表面に形成されたクラックを判別し、その幅や長さなどの寸法を判定する。そして、画像内のクラックと判定された形状を強調表示するように画像を加工してモニターに表示する。また、一定以上の幅のクラックのみ強調表示したり、クラックの寸法別に発生数量をリスト表示してもよい。
撮像指令に基づいて撮像部24Aが行う撮像処理は、撮像位置Pに点検走行体20を停止させて基礎表面などの点検対象物を撮像する処理、撮像位置Pで点検走行体20の速度を低速として点検対象物を撮像する処理、撮像位置Pで走行速度を緩めずに点検対象物を撮像する処理、とすることができる。また、撮像位置Pからみた画像1点だけ撮像する処理、撮像位置Pとその通過直前位置、通過直後位置の3つの位置からみた画像3点を撮像する処理、とすることができる。また、撮像指令を撮像位置Pで読み取って即座に停止させるようにしたり、撮像位置Pに到達する少し前の位置で撮像指令を読み取って所定距離走行してから停止させるようにしてもよい。
点検走行体20を停止させたり低速で移動させながら撮像すれば、高速で移動しながら撮像するよりも画像の画質が向上する。また、複数の位置で撮像した画像があれば、基礎クラックの寸法や形状をより正確に判定することができる。
なお、撮像した画像をその撮像位置Pの位置情報と関連づけて撮像部24Aや中央制御部27内に設けられた記憶部に記憶しておき、点検走行終了後に床下点検口V2から点検走行体20を床下空間G外に取り出してから、記憶された画像データを外部に出力し、一括して画像処理を行ってもよい。
また、本例では、進行方向を向く撮像部24Bを備えているので、位置情報や撮像指令を受信したことに基づいてこの撮像部24Bによる撮像処理を行い、進行方向の画像を出力部26を介して位置情報や点検対象物を撮像した画像と共に外部に送信するようにしてもよい。このようにすると、位置情報などと共に進行方向の画像をモニター等の表示装置にリアルタイムで表示することができる。
また、撮像部24Bでは読取部25により読み取った情報とは無関係に一定時間間隔で撮像処理を行って進行方向の画像を外部に送信するようにしてもよい。さらにまた、撮像部24Bとして赤外線ビデオカメラを用いることにより、静止画像ではなく進行方向の動画を連続撮影して外部に送信し、モニター等の表示装置にリアルタイムで表示してもよい。
(床下点検方法)
次に、以上説明した床下点検装置Sを用いて床下点検を行うための構成及び床下点検作業の流れについて説明する。
本実施形態では、図5に示すように、上記各構成によるレール10,点検走行体20,ICタグ30を備えた床下点検装置Sに、点検走行体20から出力された各種情報を受信し、所定の処理を行って表示する表示手段としてのモニタリング装置40を加えた装置S1を用いて床下点検作業を行う。
モニタリング装置40は、点検走行体20の出力部26からの情報を受信することが可能な通信部41と、各種制御処理を行うためのCPUなどを備えた制御部42と、液晶パネルなどの表示部43と、各種の入力を行うためのキーボードなどを備えた操作部44と、を主要構成とする。このモニタリング装置40は、例えばノート型パソコンなどの携帯情報端末により構成されている。
通信部41は、出力部26から出力される情報の出力態様に合わせて構成される。例えば、出力部26から無線電波として出力される場合には、当該無線電波を受信可能なアンテナを備えた構成とされる。また、出力部26から通信線を介して情報が出力される場合には、その通信線に接続可能な端子を備えた構成とされる。
制御部42には、各種のデータ及びプログラムが格納されており、これらのデータやプログラムに基づく処理を行うことができる。例えば、制御部42は、通信部41で受信した位置情報に基づき、点検走行体20の現在位置を遅滞なく表示部43に表示する処理を行うことができる。また、制御部42は、通信部41で受信した点検対象物の画像データに対して所定の画像処理を行い、点検対象物の状態に関する情報を表示あるいは出力することができる。
なお、図5において、点検走行体20の構成を一部省略(中央制御部27、電源供給部28等を省略)して表示している。
次に、床下点検作業の流れについて、図6に示すフローチャートに従って説明する。
点検を開始する前に、点検作業者が床下点検口V2から点検走行体20を床下空間G内に持ち込んで、レール本体部11のリップ部11aの上に走行輪21A,21Bを載せるように点検走行体20を設置する。モニタリング装置40は、床下空間Gの外部に置かれて点検作業者がその表示内容を確認することができる。
このような状態において、例えば、点検作業者が点検走行体20に設けられた操作スイッチを操作したり外部から操作信号を無線で送信することにより、点検走行体20の中央制御部27に走行開始信号が入力される。中央制御部27は、この走行開始信号に基づいて駆動モータ22を駆動させるための制御信号を出力し、点検走行体20の走行を開始させる処理を行う(ステップS1)。
次に、中央制御部27は、一定速度で走行するように駆動モータ22を駆動させながら、通信部25aから、無線信号によりICタグ30(30A,30B)に格納された情報を読み取るための読取コマンドを一定時間間隔で発信する(ステップS2)。そして、いずれかのICタグ30(30A,30B)が通信部25aの送受信フィールド範囲内に入る位置まで点検走行体20が移動すると、通信部25aから送信されたコマンドに基づき、ICタグ30(30A,30B)から位置情報や撮像指令を含むデータが発信される。読取部25は、通信部25aを介してこのデータを受信し、受信したデータから位置情報や撮像指令を取り出す読み取り処理を行う(ステップS3)。
続いて、中央制御部27は、ICタグ30(30A,30B)から走行中に自動で読み取った位置情報を遅滞なく出力部26を介して床下空間Gの外部に送信する(ステップS4)。また、ICタグ30Bから読み取った撮像指令に基づき、撮像部24Aを制御して所定の撮像位置Pから点検対象物としての基礎表面を撮像する(ステップS5)。
このステップS5において、中央制御部27の制御信号に基づき撮像部24Aが撮像位置Pで停止するように駆動モータ22が制御される。そして、撮像位置Pにおいて停止状態となって基礎表面を撮像した後、再び点検走行体20の走行が開始されるように駆動モータ22が制御される。そして、ステップS5で撮像した画像データは、出力部26を介して床下空間Gの外部に送信される(ステップS6)。
上記ステップS4,S6によって送信された位置情報または画像データは、床下空間Gの外部にあるモニタリング装置40の通信部41によって受信される。制御部42は、受信した位置情報に基づき、点検走行体20の現在位置を遅滞なく表示部43に表示する処理を行う(ステップS7)。また、基礎表面の画像データを受信した場合には、この画像データに対して所定の画像処理を行って基礎表面に形成されたクラックの判別やクラックの寸法の判定を行う。そして、この画像処理により判定された基礎表面のクラックの発生状況、すなわち点検結果を表示部43に表示する処理を行う(ステップS8)。
点検走行体20は、レール10によって形成された走行経路に従って床下空間Gの内部を走行するが、本例では、点検走行体20が走行経路上の所定位置に設置されたICタグ30(30A,30B)の設置点を順次通過するに伴って、ステップS2〜ステップS8の処理を繰り返し行う。なお、ICタグ30Aの設置点を通過するときには位置情報のみが読み取られるので、ステップS5及びS6は省略される。
また、本例ではICタグ30Bに位置情報と撮像指令を格納していたが、撮像指令のみを格納するようにしてもよく、この場合にはステップS4及びS7が省略される。
また、読み取った位置情報と撮像指令に基づく処理はどちらを先行させてもよく、読み取ったタイミングとそれに基づく処理を実行するタイミングに所定のタイムラグを設定してもよい。
そして、点検走行体20が全経路を走行して床下点検口V2まで戻ってくると、点検作業者は、モニタリング装置40に表示された現在位置の表示内容から点検走行体20が戻ってきたことを確認し、操作スイッチを操作したり操作信号を送信することにより、点検走行体20を停止させるための走行停止信号を入力する。中央制御部27は、走行停止信号に基づいて駆動モータ22を駆動させるための制御信号を出力し、点検走行体20の走行を停止させる(ステップS9)。
なお、走行停止信号は、床下点検口V2に到達する直前の位置に設置されたICタグに格納しておくようにすれば、読取部25がこれを読み取って床下点検口V2まで戻ったところで自動停止させることができる。
以上のように、本例の装置S1によれば、点検走行体20をレール10に吊設してレール10の下方を走行させるので、地上を走行させるのに比較して高速で移動させることができる。また、地上に設置したレール上を走行させるためには障害物や段差を乗り越えられるような大型で複雑な走行機構が必要とされるが、レール10に吊設してレール10の下方を走行するロープウェイ方式であれば、簡易な構成で高速移動させることができる。
また、点検走行体20は、走行経路を自動走行する途中でICタグ30Bから撮像指令の自動読み取りを行って撮像処理を行うことができるので、点検走行体20を走行させるだけで、正確な撮像位置から撮像された画像データを自動取得することができる。このように、点検作業者が床下空間に入る必要がなく、少ない作業負担で、迅速かつ容易に床下点検を行うことができる。
また、ICタグ30A,30Bから位置情報の自動読み取りを行って遅滞なく外部に出力することができるので、外部のモニタリング装置で点検走行体20の正確な現在位置をリアルタイムで確認することができる。
(改変例1:小屋裏点検装置および小屋裏点検方法)
上記実施例の構成は床下空間の点検を行うためのものであったが、この構成を小屋裏空間の点検を行うための装置やシステムに適用することもできる。
例えば、上記実施例のレール10を、小屋裏空間の上方に露出している屋根構造部材に連結する。具体的には、吊り金物12の上端部を梁、母屋、垂木などに固定する。このようにすると、レール10と点検走行体20の荷重を屋根構造部材によって安定的に支持させることができ、小屋裏空間の上方に形成された走行経路に沿って点検走行体20を走行させることができる。
本例では、点検走行体20は、小屋裏空間の下方を閉鎖する天井面に設けられた小屋裏点検口(天井点検口)から小屋裏空間内に持ち込まれる。そこで、本例のレール10は小屋裏点検口(天井点検口)の近傍を通過するように設置されている。
小屋裏空間では、例えば、点検対象物として各種設備や構造部材のほか、雨漏りが発生しそうな部位を設定することができる。レール10は、これらの点検対象物から所定距離だけ離れた撮像位置を通過するように設置され、各撮像位置には撮像指令が格納されたICタグが設置されている。なお、このレール10は、上記実施例と同様に建物の建設時に予め設置されている。
本例では、上記実施例と同様にして点検走行体20が小屋裏空間を自動走行し、走行中にICタグ30Bから撮像指令の自動読み取りを行って撮像処理を行うことができる。従って、点検走行体20を走行させるだけで、正確な撮像位置から撮像された点検対象物の画像データを自動取得することができる。このように、点検作業者が小屋裏空間に入る必要がなく、少ない作業負担で、迅速かつ容易に小屋裏点検を行うことができる。また、上記実施例と同様に点検走行体20の正確な現在位置をリアルタイムで確認することができる。さらに、簡易な構成で点検走行体20を高速移動させることができる。
小屋裏空間は、断熱材がブローイング施工されていたりすると点検作業者が内部に入ることが困難だが、そのような場合でも、本例の構成によれば比較的容易に小屋裏点検を行うことができる。
(改変例2:情報格納手段の構成)
上記各実施例では、情報格納手段としてICタグを適用し、読取部25としてICタグリーダを適用していたが、情報格納手段として光反射板を適用し、読取部25として光反射板に照明光を当てるための照明装置及び反射する光を測定するための受光装置を適用することもできる。このような構成では、例えば光反射板の反射率と情報の内容とを対応付けることによって情報を格納することができる。また、例えば光反射板の小片を所定の間隔で複数設置し、反射光の連続受光回数やその受光時間間隔と情報の内容とを対応付けることにより、より複雑な情報の内容を識別するようにすることができる。
また、これ以外にも、情報格納手段として色マーカを適用し、読取部25として色彩計を適用するようにしてもよい。このようにすると、色マーカの色相、彩度、明度や各種色彩指標によって情報の内容を識別するようにすることができる。また、色マーカの組合わせによって、より複雑な内容の情報を格納するようにすることができる。
さらにまた、情報格納手段として磁気テープを適用し、読取部25として磁場検知装置を適用することもできる。
本実施形態に係るレールの設置により床下空間内に形成された走行経路を示す平面図である。 本実施形態に係る床下点検装置が設置された床下空間の断面図である。 本実施形態に係る点検走行体の電気的構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る床下点検装置の構成を示す説明図である。 本実施形態に係る床下点検装置を用いて床下点検作業を行うための構成を示す説明図である。 床下点検作業の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
10......レール
11......レール本体部
11a...リップ部
11b...側面
12......吊り金物
20......点検走行体
20a...本体部
20b...走行部
21A,21B...走行輪
21a...回転軸
22......駆動モータ
22a...伝達機構
23......連結部
24a,24b...撮像レンズ
24A,24B...撮像部
25......読取部
25a...通信部
26......出力部
27......中央制御部
28......電源供給部
30(30A,30B)...ICタグ
40...モニタリング装置
41...通信部
42...制御部
43...表示部
44...操作部
F......布基礎
G......床下空間
H......建物
K1...床構造材
K2...床
P......撮像位置
S......床下点検装置
S1...装置
V1...床下換気口
V2...床下点検口

Claims (9)

  1. 建物の床下空間または小屋裏空間に設置されたレールと、該レールに沿って走行する点検走行体と、を備えた点検装置であって、
    前記レールに沿って設けられた複数の情報格納位置にそれぞれ設置された複数の情報格納手段を備え、
    前記レールは、下方に前記点検走行体が走行可能な走行空間を有する位置に設置されると共に、点検対象物から所定距離離れた撮像位置と、床下点検口または小屋裏点検口の近傍と、を通過する走行経路を形成するように設置され、
    前記点検走行体は、前記レールに吊設され前記レールの下方を自動走行するための走行手段と、走行中に前記情報格納手段の近傍を通過するときに前記情報格納手段から位置情報または撮像指令を読み取るための読取手段と、前記撮像指令に基づいて所定の撮像位置から点検対象物を撮像するための撮像手段と、前記読取手段により読み取られた位置情報または前記撮像手段により撮像された画像情報を外部に出力するための出力手段と、を備えたことを特徴とする点検装置。
  2. 前記点検走行体と通信可能な表示手段を備え、
    前記出力手段は、前記読取手段により読み取られた位置情報または前記撮像手段により撮像された画像情報を前記表示手段に出力し、
    前記表示手段は、前記位置情報に基づく前記点検走行体の現在位置表示を行うと共に、前記画像情報に基づく点検結果表示を行うことを特徴とする請求項1に記載の点検装置。
  3. 前記複数の情報格納手段の少なくともいずれかには、建物の基礎の表面を撮像するための基礎撮像指令が格納され、
    該基礎撮像指令が格納された情報格納手段は、前記レールと建物の基礎の表面とが略一定の距離にある情報格納位置に設置されたことを特徴とする請求項1に記載の点検装置。
  4. 前記撮像手段により撮像された画像情報を記憶する記憶部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の点検装置。
  5. 前記レールは、前記点検走行体が前記点検口の近傍から走行開始して再び前記点検口の近傍に戻るまでの走行経路が一意に定まるように設置されることを特徴とする請求項1に記載の点検装置。
  6. 前記撮像手段は、赤外線カメラからなることを特徴とする請求項1または請求項4に記載の点検装置。
  7. 前記情報格納手段はICタグからなり、前記読取手段はICタグリーダからなることを特徴とする請求項1に記載の点検装置。
  8. 前記走行手段は、前記レールに案内される走行輪と、前記走行輪を回転駆動させる駆動部と、を有し、
    前記駆動部を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記撮像指令に基づいて前記点検走行体を所定の撮像位置で停止または減速させるように前記駆動部を制御することを特徴とする請求項1に記載の点検装置。
  9. 建物の床下空間または小屋裏空間に設置されたレールと、該レールに沿って走行する点検走行体と、該点検走行体と通信可能な表示手段と、前記レールに沿って設けられた複数の情報格納位置にそれぞれ設置された複数の情報格納手段と、を備えた点検装置により、前記点検走行体と前記表示手段との間で通信を行い、前記点検走行体から取得した情報に基づいて前記表示手段が所定の表示を行う点検方法であって、
    前記点検走行体が前記レールに吊設され前記レールの下方に設けられた走行空間を自動走行する走行工程、
    前記点検走行体が走行中に前記情報格納手段の近傍を通過するときに前記情報格納手段から位置情報または撮像指令を読み取る読取工程、
    前記点検走行体が前記撮像指令に基づいて点検対象物から所定距離離れた撮像位置から点検対象物を撮像する撮像工程、
    前記点検走行体により読み取られた位置情報または前記点検走行体により撮像された画像情報を前記表示手段に出力する出力工程、
    前記表示手段が前記点検走行体から出力された位置情報に基づく前記点検走行体の現在位置表示を行う位置表示工程、
    前記表示手段が前記点検走行体から出力された画像情報に基づく点検結果表示を行う点検結果表示工程、を行うことを特徴とする点検方法。
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