JP2007056463A - ステップボルト - Google Patents
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Abstract
【課題】 作業者の安全を確保すべく、安全帯のフックを確実に掛止させることができ、作業者がバランスを崩すことで安全帯を介して大きな荷重が作用しても折れ曲がったり破断したりすることのないステップボルトを提供する。
【解決手段】 雄ネジ部20と、該雄ネジ部20に略同心で連設された棒状のステップ部3とを備え、前記雄ネジ部20を介して架線用構造物Tに螺設されるステップボルトであって、雄ネジ部20よりもステップ部3側に形成され、雄ネジ部20を介して架線用構造物Tに螺設するに際し架線用構造物Tに当接する位置決部31と、ステップ部3の基端側に形成され、安全帯SbのフックFを掛止させるための掛止部33と、該掛止部33にステップ部3の先端側で隣接して形成され、前記掛止部33に掛止させたフックFの軸心方向の移動を規制する規制部34とを備えていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】 雄ネジ部20と、該雄ネジ部20に略同心で連設された棒状のステップ部3とを備え、前記雄ネジ部20を介して架線用構造物Tに螺設されるステップボルトであって、雄ネジ部20よりもステップ部3側に形成され、雄ネジ部20を介して架線用構造物Tに螺設するに際し架線用構造物Tに当接する位置決部31と、ステップ部3の基端側に形成され、安全帯SbのフックFを掛止させるための掛止部33と、該掛止部33にステップ部3の先端側で隣接して形成され、前記掛止部33に掛止させたフックFの軸心方向の移動を規制する規制部34とを備えていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、送電線や電話線等が架線される電柱や鉄塔等の架線用構造物に対して作業者が昇降する際に用いられるステップボルトに関する。特には、雄ネジ部と、該雄ネジ部に略同心で連設された棒状のステップ部とを備え、前記雄ネジ部を介して架線用構造物に螺設されるステップボルトに関する。
従来から、送電線や電話線等を架線するための電柱や鉄塔等の架線用構造物に対して作業者が昇降する際や、架線用構造物の高所で作業を行う際にステップボルトが用いられている。
かかるステップボルトは、図6(イ)に示す如く、雄ネジ部20と、該雄ネジ部20に連設された棒状のステップ部3とで構成されおり、該ステップ部3の先端には、該ステップ部3の軸径よりも大径に設定された頭部30が形成されている。
該ステップボルト1は、雄ネジ部20に位置決用ナットN2を螺嵌した状態で、該雄ネジ部20を架線用構造物Tに挿通し、該雄ネジ部20の先端側に締結用ナットN1を螺合することで両ナットN1,N2で架線用構造物Tを締め付けて取り付けるようになっている。
これにより、作業者は、架線用構造物Tに取り付けたステップボルト1を梯子代わりにして架線用構造物Tに対して昇降したり、ステップボルト1のステップ部3に載った状態(高所)で適宜作業を行ったりすることができる。
ところで、架線用構造物Tに対する昇降や高所での作業は、危険を伴うものであるため、作業者は安全帯Sbを着用して昇降動作や作業を行っている。この安全帯Sbの先端にはフックFが設けられており、該フックFを架線用構造物Tに設けられたレールやステップボルト1に掛止させ、墜落等の事故を未然に防止するようにしている。
即ち、ステップボルト1は、ステップ部3の先端に頭部30が形成されているので、該ステップ部3にフックFを掛止させれば、作業者が作業中や昇降動作中にバランスを崩して安全帯Sbが引っ張られても、ステップ部3に掛止したフックFが頭部30に引っかかって、フックFの脱落を防止できるようになっている。(例えば、特許文献1参照)
特開平10−243536号公報
ところで、上記構成のステップボルト1は、雄ネジ部20に螺嵌した位置決用ナットN2と締結用ナットN1とで架線用構造物Tを挟み込んで取り付けるようにしているため、位置決用ナットN2の配置によっては、架線用構造物Tに螺設した状態で雄ネジ部20の一部が位置決用ナットN2より外側(ステップ部3側)に存在する場合がある。
そのため、作業者がバランスを崩した際に、安全帯SbのフックFが頭部30側に移動すると、ステップ部3の先端側に大きな荷重が作用してステップ部3の基端側(雄ネジ部20の一部)に大きな曲げモーメントが作用することになる。
ところが、雄ネジ部20にはネジ溝(図示しない。)が形成されているため、当該部分は応力集中が発生し易い上に曲げ強度が低く、位置決用ナットN2よりも外側に位置する雄ネジ部20(ネジ部分)に大きな曲げモーメントが作用すると、図6(ロ)に示す如く、ステップ部3の基端側(雄ネジ部20の一部)で大きく折れ曲がってしまう場合がある。このようにステップボルト1が折れ曲がると、ステップ部3にフックFが掛止した状態(頭部30に係止された状態)で維持できなくなる場合があり、作業者の安全を確実に確保することができないといった問題がある。
特に、作業者がバランスを崩した際にフックFがステップ部3の頭部30側に急激に移動した場合には、フックFが頭部30に係止されるときに大きな衝撃を伴うため、図6(ニ)に示す如く、折れ曲がりで留まらずにステップ部3と雄ネジ部20との境界付近(位置決用ナットN2付近)で破断する虞があり、作業者の安全を確実に確保できないといった問題があった。
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、作業者の安全を確保すべく、安全帯のフックを確実に掛止させることができ、作業者がバランスを崩すことで安全帯を介して大きな荷重が作用しても、折れ曲がったり破断したりすることのないステップボルトを提供することを課題とする。
本発明に係るステップボルトは、雄ネジ部と、該雄ネジ部に略同心で連設された棒状のステップ部とを備え、前記雄ネジ部を介して架線用構造物に螺設されるステップボルトであって、雄ネジ部よりもステップ部側に形成され、雄ネジ部を介して架線用構造物に螺設するに際し架線用構造物に当接する位置決部と、ステップ部の基端側に形成され、安全帯のフックを掛止させるための掛止部と、該掛止部にステップ部の先端側で隣接して形成され、前記掛止部に掛止させたフックの軸心方向の移動を規制する規制部とを備えていることを特徴とする。
本発明に係るステップボルトによれば、雄ネジ部を介して架線用構造物に螺設するに際し、該架線用構造物に当接する位置決部が雄ネジ部よりもステップ部側に形成されているので、位置決部を架線用構造物に当接させた状態にすると、切欠係数の大きいネジ部分が架線用構造物から外側に露呈することがない。これにより、ステップ部の先端に荷重が作用してステップ部の基端側に曲げモーメントが作用しても十分に対抗できる強度にすることができる。
その上、ステップ部の基端側に安全帯のフックを掛止させる掛止部が形成されると共に、掛止部に掛止させたフックの軸心方向の移動を規制する規制部がステップ部の先端側で掛止部に隣接して形成されているので、作業者がバランスを崩した際に、掛止部に掛止させた安全帯のフックが規制部によって移動が規制され、前記フックをステップ部の基端側(掛止部)で維持させることができる。これにより、ステップ部の先端側に大きな荷重が作用しない(ステップ部の基端側に大きな曲げモーメントが作用しない)上に、フックの移動による大きな衝撃力が作用することがなく、ステップボルトが折れ曲がったり破断したりするのを確実に防止することができ、作業者の安全を確実に確保することができる。
本発明の一態様として、前記掛止部は、位置決部又はステップ部の何れか一方に形成され、前記規制部は、位置決部又はステップ部上に形成された凸部で構成されてもよい。このようにすれば、掛止部に掛止させたフックが軸心方向に移動しようとしても凸部(規制部)と干渉することになり、掛止部に掛止させたフックが軸心方向に移動するのを確実に規制することができる。これにより、ステップ部の先端側で荷重が作用しない上に、フックの移動に伴う衝撃も発生することがなく、該ステップボルトの破断は勿論のこと、ステップボルトの変形も防止することができる。
また、本発明の他態様として、前記ステップ部又は位置決部の少なくとも何れか一方に連結されたリング体を備え、該リング体で前記掛止部及び規制部を構成するようにしてもよい。このようにすれば、フックをリング体に掛止させると、安全帯による引っ張りによってフックが移動しようとしてもリング体に沿った移動しかしないので、当該フックは、ステップ部の先端に向けて滑ることがない。これにより、ステップ部の先端側で荷重が作用しない上に、フックの移動に伴う衝撃も発生することがなく、該ステップボルトの破断は勿論のこと、ステップボルトの変形も防止することができる。
以上のように、本発明のステップボルトによれば、作業者の安全を確保すべく、安全帯のフックを確実に掛止させることができ、作業者がバランスを崩すことで安全帯を介して大きな荷重が作用しても折れ曲がったり破断したりすることがないという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の第一実施形態に係るステップボルトについて、添付図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係るステップボルトは、送電線や電話線等を架線するための電柱や鉄塔等の架線用構造物に取り付けられ、該架線用構造物に対して作業者が昇降する際や、架線用構造物の高所で作業を行う際に用いられるものである。
本実施形態に係るステップボルトは、図1に示す如く、架線用構造物Tに挿通される棒状の挿通部2と、該挿通部2に略同心で連設された軸状のステップ部3とを基本構成としている。なお、図においては、該ステップボルト1を架線用構造物Tとしての鉄塔を構成する鋼材(鋼板)に取り付けた状態を示している。
前記挿通部2は、当該ステップボルト1を架線用構造物Tに螺設するための雄ネジ部20が先端側に形成され、前記ステップ部3側には雄ネジ部20と連続する非ネジ部21が形成されている。なお、本実施形態に係るステップボルト1は、雄ネジ部20にナットNを螺嵌することで架線用構造物Tに取り付けるタイプのもので、前記非ネジ部21は、架線用構造物Tを構成する鋼板の板厚と略同等又は板厚よりもやや短めに形成されている。
前記ステップ部3は、作業者が昇降動作や各種作業を行う際に把持したり足を載せたりする部分である。該ステップ部3の先端にはステップ部3よりも大径に設定された頭部30が形成されており、作業者がステップ部3を把持したり足を載せたりするに際し、手や足が滑ってステップ部3から抜けたり踏み外したりすることがないようになっている。
該ステップボルト1は、雄ネジ部20(挿通部2)よりもステップ部3側に、架線用構造物Tに取り付ける際に位置決めを行うための位置決部31が設けられている。具体的に説明すると、本実施形態に係る位置決部31は、前記非ネジ部21とステップ部3との境界に端面が位置するように、ステップ部3の外周に対して鍔状に形成されている。これにより、位置決部31は、前記挿通部2を架線用構造物Tに挿通した状態で、非ネジ部21とステップ部3との境界上に位置する一端面が架線用構造物T(鋼板)の表面(一方の面)に当接する位置決面32となるようになっている。
さらに、本実施形態に係るステップボルト1は、作業者が装着した安全帯SbのフックFを掛止させる掛止部33と、該掛止部33に掛止させたフックFが軸心方向(ステップ部3の頭部30(先端)側)に移動するのを規制する規制部34とを備えている。該掛止部33及び規制部34は、掛止させたフックFを介して安全帯Sbによる引っ張り力が、ステップ部3の先端側で作用しないようにステップ部3の基端側に形成されている。
具体的に説明すると、本実施形態に係る掛止部33は、軸状のステップ部3の基端部(位置決部31に対してステップ部3の先端側で隣接する領域)で構成され、規制部34は掛止部33に対してステップ部3の先端側で隣接するように、ステップ部3の外周上に形成された凸部により構成されている。
本実施形態においては、ステップボルト1の上下を考慮することなく該ステップボルト1を架線用構造物Tに取り付けることができるように、前記規制部34は、位置決部31に対して軸心方向に間隔を有してステップ部3の全周に亘って鍔状に形成され、前記掛止部33は、位置決部31と規制部34との間のステップ部3(凹部)により構成されている。これにより、掛止部33(位置決部31と規制部34との間)にフックFを掛止させると、位置決部31と規制部34とにより、フックFが軸心方向に滑って移動するのを規制できるようになっている。
本実施形態に係るステップボルト1は、以上の構成からなり、該ステップボルト1を架線用構造物Tに取り付けるには、まず、挿通部2を架線用構造物T(鋼板)に穿設された貫通孔に挿通する。この状態で、位置決面32(位置決部31)が架線用構造物Tの一方の面に当接すると共に、雄ネジ部20が架線用構造物Tの他方の面から突出した態様となる。
即ち、ステップボルト1は、位置決部31によって架線用構造物Tに対して位置決めされた状態で、雄ネジ部20が架線用構造物Tの一方の面よりも外側に位置しない状態となる。そして、架線用構造物Tの他方の面から外側に突出した雄ネジ部20にナットNを螺合させ、位置決部31とナットNとで架線用構造物Tに締め付け力を作用させることで当該ステップボルト1の取り付けが完了する。
そして、当該ステップボルト1を用いて架線用構造物Tに対して昇降したり、各種作業をしたりするに際し、掛止部33に安全帯SbのフックFを掛止させると、該フックFは規制部34によって軸心方向の移動が規制された状態で掛止部33に掛止されることになる。この際、作業者がバランスを崩して安全帯Sbが引っ張られても、フックFは規制部34で軸心方向に移動が規制されているので、掛止部33に掛止された状態で維持することになる。
そうすると、ステップ部3の基端部には、ステップ部3の先端に荷重が作用したときの曲げモーメントに比べて小さな曲げモーメントしか作用しない。その上、切欠係数の大きなネジ部分が架線用構造物Tの一方の面よりも外側に存在しないため、曲げモーメントが作用してもステップ部3の基端側の一部に応力集中が発生せず、ステップボルト1の折れ曲がりや破断が確実に防止されることになる。
なお、発明者は、雄ネジ部20の一部が架線用構造物Tの一方の面から外側(ステップ部3側)に露出することのないように位置決部31のみを設け、作業者とみなした錘(約75Kg)を接続した安全帯Sb(約2m)のフックFをステップ部3の任意に位置にフックFを掛止させ、該ステップボルト1と同じ高さから錘を落下させる実験を行った結果、フックFがステップ部3の先端側(頭部30側)に滑った後、ステップボルト1が変形又は破断するに至る場合があった。
その一方で、同条件の位置決部31を設けると共に、フックFを掛止する掛止部33及び該掛止部33に掛止させたフックFの移動を規制する規制部34をステップ部3の基端側に設け、フックFの移動を規制した状態で、錘(約75Kg)を同条件で落下させる実験を行った結果、ステップボルト1が破断することなく、また変形も一切起こらないことを確認している。即ち、発明者は、雄ネジ部20が架線用構造物Tの一方の面側に露出しないように位置決部31を設けるだけでは、安全性を確保することができない一方、前記位置決部31、掛止部33,及び規制部34の全てを備えることで、作業者の安全を確実に確保できることを確認している。
以上のように、本実施形態に係るステップボルト1によれば、ステップ部3の基端側に安全帯SbのフックFを掛止させる掛止部33とフックFの移動を規制する規制部34が形成されているので、安全帯SbのフックFを掛止部33上(定位置)で確実に掛止させることができ、ステップ部3の基端側に作用する曲げモーメントを小さくすることができる。
その上、該ステップボルト1は、雄ネジ部20よりもステップ部3側に、雄ネジ部20を介して架線用構造物Tに螺設した際に架線用構造物Tに当接する位置決部31が形成されているので、架線用構造物Tに螺設した状態で曲げ作用の生じる部分に雄ネジ部20(ネジ溝)が存在せず応力が集中的に作用することを防止することができる。
これにより、本実施形態に係るステップボルト1は、作業者がバランスを崩すことで安全帯Sbを介して大きな荷重が作用しても、変形したり(折れ曲がったり)破断したりすることがないといった優れた効果を奏し得る。
また、本実施形態に係るステップボルト1は、挿通部2を雄ネジ部20と非ネジ部21とで構成し、架線用構造物Tに挿通された部分にもネジ溝が存在しないように構成されているので、当該部分にも集中的な応力が作用せず、当該ステップボルト1の強度を確実に高めることができる。
次に、本発明の第二実施形態に係るステップボルトについて説明する。なお、本実施形態において、第一実施形態のステップボルト1の構成と同一の構成、或いはそれに相当する構成については、同一名称及び同一符号を付すこととし、同一の構成についての説明を割愛して第一実施形態と異なる構成のみについて説明することとする。
図2に示す如く、本実施形態に係るステップボルト1は、位置決部31がステップ部3の基端部の外周に鍔状に形成されている。さらに、本実施形態に係るステップボルト1は、フックFを掛止させる掛止部33、及び掛止部33に掛止させたフックFがステップ部3の軸心方向に移動するのを規制する規制部34として機能するリング体35を備えている。即ち、リング体35は、穴心がステップ部3の軸心と直交するように、位置決部31及びステップ部3の一部に溶接されることで固定されており、フックFを掛止させた状態で該フックFがステップ部3の先端側に移動することがないようなっている。
本実施形態に係るステップボルト1は、以上の構成からなり、第一実施形態と同様の方法で架線用構造物Tに取り付けられることになる。そして、掛止部33としてのリング体35に安全帯SbのフックFが掛けられ、作業者が架線用構造物Tに対して昇降動作や、各種作業を行うことになる。この際、作業者がバランスを崩して安全帯Sbが引っ張られても、フックFは、位置決部31に強固に固定されたリング体35に掛止された状態で維持することになる。
そうすると、ステップ部3の基端部には、ステップ部3の先端に荷重が作用したときの曲げモーメントに比べて小さな曲げモーメントしか作用しない。その上、切欠係数の大きなネジ部分が架線用構造物Tの一方の面よりも外側に存在しないため、曲げモーメントが作用してもステップ部3の基端側の一部に応力集中が作用せず、ステップボルト1の変形乃至破断が確実に防止されることになる。
以上のように、本実施形態に係るステップボルト1によれば、第一実施形態と同様に、ステップ部3の基端側に作用する曲げモーメントを小さくすることができる上に、該基端部の一部に応力が集中的に作用することがなく、作業者がバランスを崩すことで安全帯Sbを介して大きな荷重が作用しても変形したり破断したりすることがないといった優れた効果を奏し得る。
さらに、掛止部33及び規制部34を無端のリング体35で構成するようにすることで、フックFが抜け落ちるといった事態にはならない上に、フックFが作業者の動作に伴って自在に揺動でき、作業者の動作が安全帯Sbの着用によって制限されることもない。
次に、本発明の第三実施形態に係るステップボルトについて説明する。なお、本実施形態において、第一及び第二実施形態のステップボルト1の構成と同一の構成、或いはそれに相当する構成については、同一名称及び同一符号を付すこととし、同一の構成についての説明を割愛して第一及び第二実施形態と異なる構成のみについて説明することとする。
図3に示す如く、本実施形態に係るステップボルト1は、安全帯SbのフックFを掛止させる掛止部33及びフックFの移動を規制する規制部34が位置決部31上に形成されている。
具体的には、前記規制部34は、前記位置決部31の他端面の外周縁部に形成された凸部(本実施形態においては鍔状に形成された凸部)により構成されており、該ステップボルト1を架線用構造物Tに取り付けた際に、前記規制部34と架線用構造物Tとの間に全周に亘って形成されるの凹部(位置決部31の外周)で前記掛止部33を構成するようになっている。
本実施形態に係るステップボルト1は以上の構成からなり、第一及び第二実施形態と同様に架線用構造物Tに取り付けられる。そして、掛止部33に安全帯SbのフックFが掛けられ、作業者が架線用構造物Tに対して昇降動作や各種作業を行うことになる。この際、作業者がバランスを崩して安全帯Sbが引っ張られても、フックFは規制部34で軸心方向に移動が規制されているので、掛止部33に掛止された状態で維持することになる。
そうすると、ステップ部3の基端部には、ステップ部3の先端に荷重が作用したときの曲げモーメントに比べて小さな曲げモーメントしか作用しない。その上、切欠係数の大きなネジ部分が架線用構造物Tの一方の面よりも外側に存在しないため、曲げモーメントが作用してもステップ部3の基端側の一部に応力集中が発生せず、ステップボルト1の変形乃至破断が確実に防止されることになる。
以上のように、本実施形態に係るステップボルト1によれば、第一、及び第二実施形態と同様に、ステップ部3の基端側に作用する曲げモーメントを小さくすることができる上に、該基端部の一部に応力が集中的に作用することがなく、作業者がバランスを崩すことで安全帯Sbを介して大きな荷重が作用しても変形したり破断したりすることがないといった優れた効果を奏し得る。
次に、本発明の第四実施形態に係るステップボルトについて説明する。なお、本実施形態において、第一乃至第三実施形態のステップボルトの構成と同一の構成又はそれに相当する構成については、同一名称及び同一符号を付すこととし、同一の構成については説明を割愛して第一乃至第三実施形態と異なる構成のみについて説明することとする。
図4に示す如く、本実施形態に係るステップボルト1は、段付き棒状に形成されており、架線用構造物Tに挿通される軸状の挿通部2と、該挿通部2よりも大径に設定され、該挿通部2に略同心で連設された段付き軸状のステップ部3とを基本構成としている。
前記ステップ部3は、上述の如く、段付き軸状に形成されており、前記挿通部2に接続された一端側(一端部)に、該挿通部2よりも大径に設定された小径部3aが形成され、該小径部3aに連続して該小径部3aよりも大径に設定された大径部3bが形成されている。
該ステップボルト1は、ステップ部3の小径部3aが挿通部2よりも大径に設定されているので、前記挿通部2を架線用構造物Tに挿通した状態で、非ネジ部21とステップ部3との境界上に位置する端面(小径部3aの端面)が架線用構造物T(鋼板)の表面に当接する位置決面32となり、前記小径部3aが位置決部31として機能するようになっている。
さらに、本実施形態に係るステップボルト1は、ステップ部3が段付き棒状に形成されているので、作業者が装着した安全帯SbのフックFを掛止させる掛止部33が小径部3aで構成され、該掛止部33に掛止させたフックFが軸心方向に移動するのを規制する規制部34が小径部3aに連設された大径部3b(大径部3bの端面)により構成されている。
本実施形態に係るステップボルト1は、以上の構成からなり、第一乃至第三実施形態と同様に架線用構造物Tに取り付けられる。そして、掛止部33(ステップ部3の小径部3a)に安全帯SbのフックFが掛けられ、作業者が架線用構造物Tに対して昇降動作や、各種作業を行うことになる。この際、作業者がバランスを崩して安全帯Sbが引っ張られても、フックFは規制部34(大径部3bの端面)で軸心方向に移動が規制されているので、掛止部33に掛止された状態で維持することになる。
そうすると、ステップ部3の基端部には、ステップ部3の先端に荷重が作用したときの曲げモーメントに比べて小さな曲げモーメントしか作用しな上に、切欠係数の大きなネジ部分が架線用構造物Tの一方の面よりも外側に存在しないため、曲げモーメントが作用してもステップ部3の基端側の一部に応力集中が作用せず、ステップボルト1の変形乃至破断が確実に防止されることになる。
以上のように、本実施形態に係るステップボルト1によれば、第一乃至第三実施形態と同様に、ステップ部3の基端側に作用する曲げモーメントを小さくすることができる上に、該基端部の一部に応力が集中的に作用することがなく、作業者がバランスを崩すことで安全帯Sbを介して大きな荷重が作用しても変形したり破断したりすることがないといった優れた効果を奏し得る。
尚、本発明のステップボルトは、上記第一乃至第四実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
即ち、上記実施形態において、挿通部2を雄ネジ部20と非ネジ部21とで構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、挿通部2全体を雄ネジ部20で構成するようにしてもよい。このようにしても、位置決部31を架線用構造物Tに当接させて位置決めした状態において、大きな切欠係数のネジ溝(雄ネジ部20)が位置決部31よりもステップ部3側に位置することがなく、ステップ部3の基端部に応力が集中することがない。従って、このようにしてもステップボルト1を曲げ荷重に十分耐え得ることのできるものにすることができる。但し、安全帯SbのフックFを掛止させる掛止部33及びフックFの移動を規制する規制部34をステップ部3の基端側に設け、フックFがステップ部3の先端側に移動するのを規制して、ステップ部3の先端側に荷重が作用しないようにすることは勿論のことである。
上記実施形態において、ステップボルト1の挿通部2を架線用構造物T(鉄塔)を構成する鋼板に挿通し、突出した雄ネジ部20にナットNを螺合することでステップボルト1を取り付けるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、図5に示す如く、雌ネジ体Tnが埋設された電柱のような架線用構造物Tである場合には、挿通部2の全部又は先端部に雄ネジ部20を形成し、該雄ネジ部20を架設用構造物T内の雌ネジ体Tnに螺合させて取り付けるようにしてもよい。この場合であっても、位置決部31が架線用構造物Tに当接した状態で、雄ネジ部20の一部が架線用構造物Tの一方の面よりも外側に位置することがなく、上記実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
上記実施形態において、ステップ部3を単なる軸状に構成したが、例えば、該ステップ部3の外周に滑り止めの凹凸を複数設けるようにしてもよい。
上記第一、第三及び第四実施形態において、安全帯SbのフックFが干渉可能な領域をドーナツ状となるように規制部34をステップ部3の全周に亘って形成したが、これに限定されるものではなく、例えば、フックFの一部が干渉できるように単独の凸部で規制部34を構成するようにしてもよい。但し、この場合においては、ステップボルト1を架線用構造物Tに螺設した状態で凸部が上に向くように形成する必要があるため、ステップボルト1の取り付けを考慮すれば、規制部34はステップ部3の全周に亘って形成されることが好ましい。
上記第二実施形態において、掛止部33及び規制部34として機能するリング体35を位置決部31及びステップ部3の一部に(位置決部31及びステップ部3に跨るように)溶接するようにしたが、リング体35の固定位置はこれに限定されるものではなく、例えば、位置決部31のみに固定したり、ステップ部3のみに固定したりするようにしてもよい。即ち、掛止部33及び規制部34をリング体35で構成する場合、該リング体35は、ステップ部3の基端側に位置するように、位置決部31及びステップ部3の少なくとも何れか一方に固定すればよい。
1…ステップボルト、2…挿通部、3…ステップ部、3a…小径部、3b…大径部、20…雄ネジ部、21…非ネジ部、30…頭部、31…位置決部、32…位置決面、33…掛止部、34…規制部、35…リング体、Sb…安全帯、F…フック、N…ナット、T…架線用構造物、Tn…雌ネジ体
Claims (3)
- 雄ネジ部と、該雄ネジ部に略同心で連設された棒状のステップ部とを備え、前記雄ネジ部を介して架線用構造物に螺設されるステップボルトであって、雄ネジ部よりもステップ部側に形成され、雄ネジ部を介して架線用構造物に螺設するに際し架線用構造物に当接する位置決部と、ステップ部の基端側に形成され、安全帯のフックを掛止させるための掛止部と、該掛止部にステップ部の先端側で隣接して形成され、前記掛止部に掛止させたフックの軸心方向の移動を規制する規制部とを備えていることを特徴とするステップボルト。
- 前記掛止部は、位置決部又はステップ部の何れか一方に形成され、前記規制部は、位置決部又はステップ部上に形成された凸部で構成されている請求項1記載のステップボルト。
- 前記ステップ部又は位置決部の少なくとも何れか一方に連結されたリング体を備え、該リング体で前記掛止部及び規制部を構成するようにした請求項1記載のステップボルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005239928A JP2007056463A (ja) | 2005-08-22 | 2005-08-22 | ステップボルト |
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---|---|---|---|---|
JP2010265720A (ja) * | 2009-05-18 | 2010-11-25 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 仮設足場 |
GB2569374A (en) * | 2017-12-15 | 2019-06-19 | Rapid Rail International Ltd | Step bolt |
-
2005
- 2005-08-22 JP JP2005239928A patent/JP2007056463A/ja not_active Withdrawn
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JP2010265720A (ja) * | 2009-05-18 | 2010-11-25 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 仮設足場 |
GB2569374A (en) * | 2017-12-15 | 2019-06-19 | Rapid Rail International Ltd | Step bolt |
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