JP2007056229A - インクジェット記録用水性インクセット及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用水性インクセット及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高濃度プリント部において、レッド方向及びマゼンタ方向の色再現範囲を縮小させることなく、低濃度プリント部の粒状感を低減させ、さらにレッド方向の色再現範囲を拡大し、レッドの鮮明性を向上させ、さらに耐光性及び耐ガス性を向上することを可能とするインクジェット記録用水性インクセットを提供する。
【解決手段】 マゼンタ顔料インクとレッド染料インクとを備えたインクジェット記録用水性インクセットであって、マゼンタ顔料インクが、L***表色系による明度指数(L*)がL*≧50のライトマゼンタ顔料インクからなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、低濃度プリント部における粒状感の低減、色再現範囲の拡大、耐光性向上、耐ガス性向上に好適なインクジェット記録用水性インクセット及びこのインクジェット記録用水性インクセットを使用したインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方式でカラー画像を表現する場合、一般に、イエローインク(Y)、マゼンタインク(M)及びシアンインク(C)の3色のインクから構成されるインクセット、あるいは、さらにブラックインク(K)を加えた4色のインクから構成されるインクセットが用いられている。
また、インクジェット記録方式において、一般に、画像の階調はインクの吐出により被記録材上に形成されるドットの密度によって制御される。しかしながら、このような方法で階調を制御すると、低濃度プリント部においてはドット密度が減少するため、相対的に個々のドットが視認され易くなり、その結果として、画像が粒状感を呈するという問題が生じる。
これに対しては、シアンインクに関し、染料濃度の異なる2以上のインクを使用し、かつこれらの染料の種類を異ならせ、濃色インクには、耐光性には劣るが鮮明性に優れる染料を選択し、淡色インクには、鮮明性には劣るが耐光性に優れる染料を選択することが提案されており(特許文献1)、また、マゼンタインクについても同様の提案がなされている(特許文献2)。しかしながら、これらの方法に従うと、粒状感の改善は見られるものの、色再現範囲を拡大することができないという問題がある。さらに、染料インクを用いた場合、低濃度プリント部が先に退色し、低濃度プリント部のみが白っぽくなってしまうため、画像の色味が変わったり、画像の濃淡が極端になったりして全体的な画像バランスが崩れてしまい、プリント部の耐ガス性、特に耐オゾン性が問題となっている。
また、一般に、イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクの3色のインクから構成されるインクセット、あるいは、さらにブラックインクを加えた4色のインクから構成されるインクセットでは、レッド色は、マゼンタインクとイエローインクを用いて表現されるが、このように2種のインクを用いてレッド色を表現すると、重ね打ちの着弾誤差によってシャープな印字品質や鮮やかな発色性が得にくいという問題点がある。
特開平1−95093号公報 特開平2−127482号公報
本発明は、前述した問題点を解決するためになされたものであり、インクジェット記録方法において、
(i)高濃度プリント部におけるマゼンタ方向の色再現範囲を縮小させず、かつインクセットを構成するインク数を最小限に抑えつつ、マゼンタ方向の低濃度プリント部における粒状感を低減させること
(ii)レッド方向について色再現範囲を拡大し、鮮明性を向上させること
(iii)マゼンタ方向やレッド方向の耐光性を向上させること
(iv)マゼンタ方向やレッド方向の耐ガス性を向上させること
を目的とする。
本発明者らは、インクジェット記録用水性インクセットを構成するインクのL***表色系による明度指数(L*)、色相角(h)及び彩度(C*)が、カラー画像の低濃度プリント部における粒状感の低減と色再現範囲の拡大に密接な関係があるという仮説の下に鋭意研究を行った結果、マゼンタインクを備えたインクジェット記録用水性インクセットにおいて、マゼンタインクとして、従前のインクセットで用いられているノーマルマゼンタインクに代えて、着色剤として顔料を用い、明度指数(L*)が特定値以上のライトマゼンタ顔料インクを使用し、かつ着色剤が染料のレッドインク(即ち、レッド染料インク)を使用することにより、上述の目的(i)、(ii)、(iii)及び(iv)を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、着色剤として顔料を用いたマゼンタ顔料インク、着色剤として染料を用いたレッド染料インクを備えたインクジェット記録用水性インクセットであって、マゼンタ顔料インクが、L***表色系による明度指数(L*)がL*≧50のライトマゼンタ顔料インクであることを特徴とするインクジェット記録用水性インクセットを提供する。
また、本発明は、上述のインクジェット記録用水性インクセットを使用したインクジェット記録方法を提供する。
本発明のインクジェット記録用水性インクセットは、マゼンタインクとして着色剤濃度が低いライトマゼンタインクを備えているので、このインクセットを用いてインクジェット記録を行うことにより、マゼンタ色方向の低濃度プリント部の粒状感を低減させることができる。
また、このライトマゼンタインクの着色剤が顔料インクであるため、マゼンタ方向のプリント部の耐光性、耐ガス性が良好となり、マゼンタ色が低濃度であっても、褪色や変色を防止できる。
さらに、このライトマゼンタ顔料インクはレッドプリント部に打ち込んでも良く、それによりレッドの色相をほとんど変えずに、レッド方向の耐光性、耐ガス性を向上させることが可能となる。
また、本発明のインクセットは、ライトマゼンタ顔料インクと共にレッド染料インクを備えているので、マゼンタプリント部にレッドインクも併用することによって高濃度プリント部におけるマゼンタ方向の色再現範囲が縮小せず、レッド方向については色再現範囲が顕著に拡大し、レッド色の鮮明性が向上する。なお、レッド色の鮮明性の向上は、マゼンタインクとイエローインクの混色によらず、レッド染料インク単独でレッド色を表現できることによる。
また、レッド色を表現するインクが染料インクであるため、マゼンタからレッド領域の色をより彩度を高く再現できる。
要するに、本発明のインクセットによれば、このマゼンタ方向の低濃度プリント部の粒状感の低減、高濃度プリント部におけるマゼンタ方向の色再現範囲の縮小防止、レッド方向における色再現範囲の顕著な拡大、レッド色の鮮明性の向上、マゼンタ方向とレッド方向のプリント部の耐光性、耐ガス性向上という効果を、ライトマゼンタ顔料インクとレッド染料インクという2種のインクで達成することができる。
したがって、本発明のインクセットによれば、インクジェット記録方法で形成するカラー画像の色再現性や印字品質、耐光性及び耐ガス性を向上させることができる。
さらに、レッド色は、一般に、黒色に次いでテキスト印字に使用される色であり、本発明によれば、このレッド色のテキスト印字を2種のインクの重ね打ちによらず、単一のレッドインクで印字できるので、フェザリングを抑制したシャープな印字品質や、鮮やかな発色性を実現することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、明度指数(L*)、色相角(h)及び彩度(C*)は、1976年に国際照明委員会(CIE)で規格化されたL***表色系に基づくものである。なお、日本工業規格(JIS)ではJIS Z 8729に規定されている。
また、本発明において明度指数(L*)は、光沢紙に各インクを1200×1200dpiベタプリントしたものに対して、分光測色計等を用いて測定される値であり、色相角(h)と彩度(C*)は、同様のベタプリントに対して、まず知覚色度指数(a*、b*)を分光測色計等を用いて測定し、測定されたa*、b*を用いて次式(1)、(2)により算出される値である。
Figure 2007056229
Figure 2007056229
なお、L*、a*及びb*の測定で用いる「光沢紙」とは、ベースペーパー(原紙ペーパー)に表面平滑性が得られるコート層を設けた紙のことをいい、具体的には、画彩(登録商標)光沢仕上げ(富士写真フィルム(株)製)、インクジェットプリンタ用紙(光沢紙)(コクヨ(株)製)、厚手光沢紙(コダック(株)製)等が挙げられる。また、「解像度1200×1200dpiベタプリント」とは、解像度1200×1200dpiの領域が100%被覆されるようにプリントすることである。プリントに使用できるインクジェットプリンタとしては、ブラザー工業(株)製インクジェットプリンタ搭載デジタル複合機MFC−5200J等を挙げることができ、分光測色計としては、Gretag Macbeth社製Spectrolino等を使用することができる。測色条件は、光源:D65、視野角:2°とした。
本発明のインクジェット記録用水性インクセットは、マゼンタ顔料インク及びレッド染料インクを備え、マゼンタ顔料インクが、L*≧50のライトマゼンタ顔料インクであることを特徴としている。したがって、L*<50のノーマルマゼンタインクは、本発明のインクセットを構成しない。マゼンタインクとしてL*<50のノーマルマゼンタインクを用いると、マゼンタ方向の低濃度プリント部において、粒状感が目立つため好ましくない。
本発明のインクセットを構成するライトマゼンタ顔料インクのL*は、好ましくは50≦L*≦65である。ライトマゼンタ顔料インクのL*が65を超えると、本来のマゼンタ色を再現することが困難となるので好ましくない。
また、ライトマゼンタ顔料インクのhは、335°≦h≦360°又は0°≦h≦5°となるように調整することが好ましい。hがこの範囲内でないと、充分にマゼンタ色を表現することが困難となる。
さらに、ライトマゼンタ顔料インクのC*は、65≦C*≦90となるように調整することが好ましい。C*をこの範囲内とすることにより、鮮やかなマゼンタ色を再現することが可能となる。
一方、本発明のインクセットを構成するレッド染料インクとしては、L*≦50のものが好ましい。レッド染料インクが、L*>50であると、レッド方向の色再現範囲を充分に得ることが困難となる。レッド染料インクのL*について、より好ましい範囲は25≦L*≦50である。レッド染料インクのL*をこの範囲内とすることにより充分な濃度のレッド色とマゼンタ色を再現することができる。
レッド染料インクのhは、20°≦h≦35°となるように調整することが好ましい。hをこの範囲内に調整することにより、充分にレッド色を表現することが可能となる。
さらに、レッド染料インクのC*は、80≦C*≦90となるように調整することが好ましい。C*をこの範囲内とすることにより、鮮やかなレッド色を再現することが可能となる。
また、本発明のインクセットは、上述のライトマゼンタ顔料インク、レッド染料インクの他、任意のインクを備えることができ、例えば、イエローインク及び/又はシアンインクを備えることができる。必要に応じてブラックインクを備えてもよい。ライトマゼンタ顔料インク、レッド染料インクに加えて、イエローインク、シアンインク、さらに必要に応じてブラックインクを備えることにより、フルカラー画像を再現することができる。
本発明のインクセットにシアンインクを備える場合、シアンインクとしては、公知のインクセットに用いられているノーマルシアンインクを使用することもできるが、ノーマルシアンインクに代えて、L*≧60のライトシアンインクを使用し、さらにブルーインク及び/又はグリーンインクを使用することが好ましい。この場合、L*<60のノーマルシアンインクは不要である。シアンインクとしてL*≧60のライトシアンインクを使用することにより、シアン方向の低濃度プリント部において、粒状感を低減させることができる。ライトシアンインクの好ましいL*は60≦L*≦85である。ライトシアンインクのL*が85を超えると、本来のシアン色を再現することが困難となるので好ましくない。
また、ライトシアンインクのhは、215°≦h≦255°となるように調整することが好ましい。hがこの範囲内でないと、充分にシアン色を表現することが困難となる。
さらに、ライトシアンインクのC*は、40≦C*≦70となるように調整することが好ましい。C*をこの範囲内とすることにより、鮮やかなシアン色を再現することが可能となる。
ライトシアンインクと共に使用するブルーインクとしては、L*≦45のものが好ましい。ブルーインクが、L*>45であると、ブルー方向の色再現範囲を充分に得ることが困難となる。ブルーインクのL*について、より好ましい範囲は35≦L*≦45である。ブルーインクのL*をこの範囲内とすることにより充分な濃度のブルー色とシアン色を再現することができる。
ブルーインクのhは、270°≦h≦285°となるように調整することが好ましい。hをこの範囲内とすることにより、充分にブルー色を表現することが可能となる。
さらに、ブルーインクのC*は、70≦C*≦80となるように調整することが好ましい。C*をこの範囲内とすることにより、鮮やかなブルー色を再現することが可能となる。
ライトシアンインクと共に使用するグリーンインクとしては、L*≦60のものが好ましい。グリーンインクが、L*>60であると、グリーン方向の色再現範囲を充分に得ることが困難となる。グリーンインクのL*について、より好ましい範囲は35≦L*≦60である。グリーンインクのL*をこの範囲内とすることにより充分な濃度のグリーン色とシアン色を再現することができる。
グリーンインクのhは、175°≦h≦215°となるように調整することが好ましい。hをこの範囲内とすることにより、充分にグリーン色を表現することが可能となる。
さらに、グリーンインクのC*は、60≦C*≦80となるように調整することが好ましい。C*をこの範囲内とすることにより、鮮やかなグリーン色を再現することが可能となる。
加えて、ライトシアンインクの着色剤及びブルーインク及び/又はグリーンインクの着色剤の少なくとも一方を顔料としてもよい。
なお、本発明のインクセットにイエローインクやブラックインクを備える場合、これらのインクとしては公知のインクセットに用いられているものを使用することができる。例えば、イエローインクとしては、hが70〜140°のノーマルイエローインクを使用することができる。
本発明のインクセットを構成する個々のインクは、それぞれ上述の所定のL*、h及びC*を有するように着色剤、水及び水溶性有機溶剤を含有する。
インクに含まれる着色剤としては、水溶性染料又は顔料を挙げることができ、これらを適宜組み合わせて用いることにより所期のインク色に調整する。
即ち、水溶性染料としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料等に代表される水溶性染料が用いられる。また、水溶性染料の構造としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料等が好ましい。特に、インクジェット記録方式のインクとして好適で、鮮明性、水溶性、安定性、耐光性その他の要求される性能を満たす水溶性染料としては、C.I.ダイレクトイエロー12,24,26,27,28,33,39,58,86,98,100,132及び142、C.I.ダイレクトレッド4,17,28,37,63,75,79,80,81,83及び254、C.I.ダイレクトバイオレット47,48,51,90及び94、C.I.ダイレクトブルー1,6,8,15,22,25,71,76,80,86,87,90,106,108,123,163,165,199及び226、C.I.ダイレクトグリーン1,26,28,59,80及び85等の直接染料;C.I.アシッドイエロー3,11,17,19,23,25,29,38,42,49,59,61,71及び72、C.I.アシッドレッド1,6,8,18,32,35,37,42,52,85,88,115,133,134,154,186,249、289及び407、C.I.アシッドバイオレット10,34,49及び75、C.I.アシッドブルー9,22,29,40,59,62,93,102,104,112,113,117,120,167,175,183,229及び234、C.I.アシッドグリーン3,5,9,12,15,16,19,25,27,28,36,40,41,43,44,56,73,81,84,104,108及び109等の酸性染料;C.I.ベーシックイエロー40、C.I.ベーシックレッド9,12及び13、C.I.ベーシックバイオレット7,14及び27、C.I.ベーシックブルー1,3,5,7,9,24,25,26,28及び29、C.I.ベーシックグリーン1及び4等の塩基性染料;C.I.リアクティブイエロー2、C.I.リアクティブレッド4,23,24,31及び56、C.I.リアクティブブルー7,13及び49、C.I.リアクティブグリーン5,6,7,8,12,15,19及び21等の反応性染料が挙げられる。
また、顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,13,16,74,83,93,128,134及び144、C.I.ピグメントレッド5,7,12,23,48(Mn),57(Ca),112,122,144,170,177,221,254及び264、C.I.ピグメントバイオレット19及び48(Ca)、C.I.ピグメントブルー 1,2,3,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:5,15:6,16,17:1,22,27,28,29,36及び60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
ブラックインクの着色剤としても、水溶性染料又は顔料を挙げることができ、これらを適宜組み合わせて用いてもよい。水溶性染料としては、例えば、C.I.ダイレクトブラック17,19,32,51,71,108,146,154及び168等の直接染料;C.I.アシッドブラック2,7,24,26,31,52,63,112及び118等の酸性染料;C.I.ベーシックブラック2等の塩基性染料;C.I.フードブラック1及び2等が挙げられる。また、顔料としては、例えば、MA8、MA100(三菱化学(株)製)、カラーブラックFW200(デグサ製)等のカーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックとしては、分散剤を用いなくても水に分散可能な自己分散型のものを用いてもよい。自己分散型カーボンブラックは、その表面に、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基又はスルホン基のような少なくとも一種の親水基又はその塩を結合させる処理をすることによって得ることができる。この表面処理の具体例としては、特開平8−3498号公報及び特表2000−513396号公報に記載の方法を挙げることができる。また、自己分散黒色顔料としては、例えば、CAB−O−JET(登録商標)200及び300(キャボット製)、ボンジェット(登録商標)CW1(オリエント化学工業(株)製)等の市販品を利用することも可能である。
染料インクにおける水溶性染料の含有量は、所望のプリント濃度や色彩により異なるが、少なすぎると被記録材上での発色が不充分であり、多すぎるとインクジェットヘッドのノズルの目詰まりが起きやすくなるので、好ましくは各インク全量に対して0.1〜15重量%、より好ましくは0.3〜10重量%、特に好ましくは0.5〜5.0重量%の範囲である。
顔料インクにおける顔料の含有量は、所望のプリント濃度や色彩により異なるが、少なすぎると被記録材上での発色が不充分であり、多すぎるとインクジェットヘッドのノズルの目詰まりが起きやすくなるので、好ましくは各インクの全重量に対して0.2〜15重量%、より好ましくは0.2〜10重量%の範囲である。
一方、各インクに使用する水は、脱イオン水とすることが好ましい。水の含有量は、水溶性有機溶剤の種類、インク組成、所望のインク特性に応じて決定されるが、少なすぎるとインクの粘度が上昇するためにインクジェットヘッドのノズルからの吐出が困難となり、多すぎると水分蒸発によって着色剤の析出、凝集等が生じ、インクジェットヘッドのノズルの目詰まりが起きやすくなるので、好ましくは各インクの全重量に対して10〜95重量%、より好ましくは10〜90重量%、特に好ましくは20〜80重量%の範囲である。
各インクで使用する水溶性有機溶剤は、湿潤剤と浸透剤に大別される。
湿潤剤は、インクジェットヘッドのノズルの目詰まりを防止するためにインクに添加される。湿潤剤の具体例としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の水溶性グリコールが挙げられる。
湿潤剤としての水溶性有機溶剤の含有量としては、少なすぎるとインクジェットヘッドのノズルの目詰まりを防止するために不充分であり、多すぎるとインクの粘度が上昇し、吐出が困難となるので、好ましくは各インクの全重量に対して5〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは5〜35重量%の範囲である。
浸透剤は、プリントした際、インクを速やかに紙内部に浸透させるためにインクに添加される。浸透剤の具体例としては、エチレングリコール系及びプロピレングリコール系のアルキルエーテルに代表されるグリコールエーテル等が挙げられる。エチレングリコール系アルキルエーテルの具体例としては、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールイソブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコール−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールイソブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコール−n−プロピルエーテル、トリエチレングリコール−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールイソブチルエーテル等が挙げられ、プロピレングリコール系アルキルエーテルの具体例としては、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコール−n−エチルエーテル、トリプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル等が挙げられる。
浸透剤としての水溶性有機溶剤の含有量としては、少なすぎると浸透性が不充分であり、多すぎると過剰な浸透性によってフェザリング等のにじみを生じやすくなるので、好ましくは各インクの全重量に対して0.1〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。
本発明のインクセットを構成する各インクには、上述の湿潤剤及び浸透剤の他、インクジェットヘッドの先端部におけるインクの乾燥を防止したり、プリント濃度を高くしたり、鮮やかな発色をさせたりする水溶性有機溶剤を含むことができる。このような水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の低級アルコール;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;グリセリン;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
本発明のインクセットを構成する各インクには、さらに、従来公知の界面活性剤;ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性樹脂等の粘度調整剤;表面張力調整剤;防黴剤等を必要に応じて添加することができる。
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット記録に本発明のインクセットを使用して行うものである。インクジェット記録の方式には特に制限はなく、静電吸引方式、圧電素子を用いる方式、サーマル方式などをあげることができる。
本発明のインクジェット記録方法において、ライトマゼンタ顔料インクとレッド染料インクとを被記録材の記録部分で併用するにあたり、これらの使用割合は、ライトマゼンタ顔料インクがレッド染料インクに対して体積割合で25%以上75%以下となることが好ましい。ライトマゼンタ顔料インクの使用が25%未満であるとレッド色の耐光性の改善効果が低く、75%を超えるとレッド色の色目が明らかに変化してしまうため好ましくない。勿論、ライトマゼンタ顔料インクのみで表現できる色目の場合には、レッド染料インクとの併用を行わなくてもよい。
また、ライトマゼンタ顔料インクとレッド染料インクとを被記録材で併用するにあたり、これらの着弾順序は、再現したい色目が再現できれば特に限定はないが、レッド染料インク記録部分にライトマゼンタ顔料インクを重ねて着弾させると、顔料が印字物の表面に存在するため、下層に存在する染料分子に届く光が減少し、耐光性が向上する。また、同様の理由で、下層に存在する染料分子にアタックするオゾン等の酸化物が減少するため、耐ガス性も向上する。一方、ライトマゼンタ顔料インクが被記録材に着弾した部分にレッド染料インクを重ねて着弾させると、染料分子の光透過性により発色性が向上する。
以下に、実施例及び比較例に基いて、本発明を具体的に説明する。
実施例1〜5、比較例1〜7
(1)顔料インクの調製
ライトマゼンタ顔料インク1を次のように調製した。
まず、C.I.ピグメントレッド122:15重量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム(オキシエチレン平均重合度=12):5重量部、グリセリン:15重量部、水(イオン交換水):65重量部を混合した後、直径0.3mmのジルコニアビーズを媒体とした湿式サンドミルにて分散処理を行い、マゼンタ顔料分散体100重量部を得た。
さらに、水(イオン交換水):52.3重量部、グリセリン:23.7重量部、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル(以下、DPGPEという):2重量部を混合してインク溶媒:78重量部を作製した。その後、上述のマゼンタ顔料分散体100から22重量部を秤取り、その攪拌中に、作製したインク溶媒:78重量部を徐々に加え、更に30分間撹拌した後に、孔径1μmのメンブランフィルターにて濾過し、ライトマゼンタ顔料インク1を調製した。なお、インク全重量に対するC.I.ピグメントレッド122の配合量は、3.3重量%であった。
組成を表1に記載のように変更した以外は、ライトマゼンタ顔料インク1と同様の操作を繰り返すことにより、ライトマゼンタ顔料インク2,3及びノーマルマゼンタ顔料インクを調製した。
(2)染料インクの調製
レッド染料インク1を次のように調製した。
まず、水:68.5重量部、グリセリン:27重量部、DPGPE:2重量部を混合して、インク溶媒:97.5重量部を調製した。次いで、レッド水溶性染料(C.I.ダイレクトレッド254):2.5重量部を攪拌中のインク溶媒97.5重量部に加え、さらに30分間撹拌し、孔径1μmのメンブランフィルターにて濾過し、インクを調製した。
組成を表1に記載のように変更した以外は、レッド染料インク1と同様の操作を繰り返すことにより、レッド染料インク2、ノーマルマゼンタ染料インク、ライトマゼンタ染料インク1,2及びイエローインクを調製した。
(3)L*、a*、b*、C*、hの取得
各インクを所定のインクカートリッジに充填し、インクジェットプリンタ搭載デジタル複合機(ブラザー工業(株)製;MFC−5200J)に装着して、光沢紙(富士写真フィルム(株)製;画彩(登録商標)光沢仕上げ)に1200×1200dpiベタプリントをプリントし、そのベタプリントのL*、a*及びb*を、Gretag Macbeth社製Spectrolino(光源:D65;視野:2°)により測定した。
また、C*及びhは、得られた測定値をもとに、次式(1)及び(2)を用いて求めた。これらの結果を表1示す。
Figure 2007056229
Figure 2007056229
(4)インクセットの構成
表1に示したインクを、表2に示したように組み合わせてインクジェット記録用水性インクセットを構成した。なお、比較例5は従来のインクセットに相当する。
(5)インクセットの評価
表2に示した各インクセットについて、インクセットを構成するインクを所定のインクカートリッジに充填し、インクカートリッジをインクジェットプリンタ搭載デジタル複合機(ブラザー工業(株)製;MFC−5200J)に装着し、光沢紙(富士写真フィルム(株)製;画彩(登録商標)光沢仕上げ)に、マゼンタ色粒状感評価用、耐光性評価用及び耐ガス性評価用として、マゼンタインク(ライトマゼンタ顔料インク、ライトマゼンタ染料インク、ノーマルマゼンタ顔料インク、ノーマルマゼンタ染料インク)の各グラデーションサンプルをプリントし、レッド色及びマゼンタ色の色再現評価用としてイエローインク、マゼンタインク(ライトマゼンタ顔料インク、ライトマゼンタ染料インク、ノーマルマゼンタ顔料インク、ノーマルマゼンタ染料インク)及びレッド染料インクの混合割合を変えて、種々の色相のパッチを含むプリントパターンサンプルをプリントした。
得られた各サンプルのパッチについて、a*、b*及びL*を前述と同様に測定し、(a)マゼンタ色粒状感評価、(b)レッド色再現評価、(c)マゼンタ色再現評価、(d)マゼンタ色プリント部の耐光性評価、(e)マゼンタ色プリント部の耐ガス性評価及び(f)総合評価を次のように行った。
(a)マゼンタ色粒状感評価
上述のグラデーションサンプルにおいて、L*=90のパッチに対して、目視にてマゼンタ色の粒状感を以下の評価基準に基づき評価した。評価結果を表2に示す。
◎…粒状感が認められない
○…粒状感がほとんど目立たない
×…粒状感が目立ち、実用上問題あり
(b)レッド色再現評価
(b−1)目視評価
上述のプリントパターンサンプルより、h=33°±10°に該当するレッド色パッチを選択し、目視にて、レッド色が充分に表現されているか否かを以下の評価基準に基づき評価した。評価結果を表2に示す。
◎…高濃度レッド色が充分に表現できている
○…高濃度レッド色が表現できている
×…高濃度レッド色の表現が不足している
(b−2)彩度(C*)、明度差(ΔL*
上述のプリントパターンサンプルから、レッド色の範疇に属すると認められるhが33°±10°のパッチであって、従来のインクセットでプリントした場合のレッド色を呈する比較例5のパッチ(h=33°、ΔL*=50)と、hが最も近いパッチを選択し、各パッチについてC*を前述の式(1)により算出した。
また、各パッチと比較例5のパッチとの明度差(ΔL*)を次式(3)により求めた。ここで、明度差(ΔL*)は、その値が大きいほど高濃度のレッド色が充分に表現できていないことを示している。
Figure 2007056229
(c)マゼンタ色再現評価
(c−1)目視評価
上述のプリントパターンサンプルから、マゼンタ色に対応するh=359°±10°のパッチを選択し、目視にて、マゼンタ色が充分に表現されているか否かを以下の評価基準に基づき評価した。評価結果を表2に示す。
◎…高濃度マゼンタ色が充分に表現できている
○…高濃度マゼンタ色に近い色が表現できている
×…高濃度マゼンタ色表現が不足している
(c−2)彩度(C*)、明度差(ΔL*
上述のプリントパターンサンプルから、マゼンタ色の範疇に属すると認められるhが359°±10°のパッチであって、従来のインクセットでプリントした場合のマゼンタ色を呈する比較例5のパッチ(h=359°、L=49)と、hが最も近いパッチを選択し、各パッチについてC*を前述の式(1)により算出した。また、各パッチと比較例5のパッチとの明度差(ΔL*)を前述の式(3)により求めた。ここで、明度差(ΔL*)は、その値が大きいほど高濃度のマゼンタ色が充分に表現できていないことを示している。
(d)マゼンタ色プリント部の耐光性評価
上述のグラデーションサンプルを用いて、以下の通り耐光性試験を行った。
耐光性試験は、スガ試験機(株)製強エネルギーキセノンウェザーメーターSC750―WNを用いて、光源:キセノンランプ光、温度:25℃、湿度:50%RH、放射照度:35W/m2 (300〜400nm)、照射時間:100時間の条件下で行った。
耐光性試験前に、OD値が0.6を示したグラデーションサンプルについて、耐光性試験後におけるOD値を測定した。OD値はGretagMacbeth社製反射濃度計RD−914を用いて測定した。次式(4)により、試験前のOD値0.6のパッチに対するOD値減少率を求め、OD値減少率を以下の評価基準に基づき評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2007056229

○…OD値減少率が30%未満
×…OD値減少率が30%以上
(e)マゼンタ色プリント部の耐ガス性評価
上述のグラデーションサンプルを用いて、耐ガス性評価として、耐オゾン性試験を行った。
耐オゾン性試験は、スガ試験機(株)製オゾンウェザーメーターOMS−Hを用いて、オゾン濃度1ppm、槽内温度24℃、湿度60%RHで200時間放置して行なった。
耐オゾン性試験前に、OD値が0.6を示したグラデーションサンプルについて、耐オゾン性試験後におけるOD値を耐光性試験の場合と同様に測定し、前述の式(4)により、試験前のOD値0.6のパッチに対するOD値減少率を求め、得られたOD値減少率を以下の評価基準に基づき評価した。評価結果を表2に示す。
○…OD値減少率が30%未満
×…OD値減少率が30%以上
(f)総合評価
各インクセットにおける各評価結果から、以下の評価基準に基づき総合評価を行った。結果を表2に示す。
○…すべての評価結果が、◎又は○である
△…マゼンタ色粒状感評価、レッド色再現評価及びマゼンタ再現評価については評価結果が◎又は○である
×…マゼンタ色粒状感評価、レッド色再現評価及びマゼンタ再現評価のいずれかに×がある






























Figure 2007056229








Figure 2007056229





表2に示したように、実施例1〜5は、L*≧50のライトマゼンタインクを用いているためにマゼンタ色の低濃度プリント部(L*=90)において粒状感が認められないか又はほとんど目立たず、さらにL*≦50のレッドインクを用いているために高濃度レッド色も充分に表現できていた。また、L*≧50という明度が低いライトマゼンタインクを用いているにもかかわらず、レッドインクを用いているため、従来のインクセット(比較例5)において表現できるマゼンタ色と遜色ない程度の高濃度のマゼンタ色も表現できていた。さらに、このライトマゼンタインクの着色剤が顔料であるため、マゼンタ色プリント部の耐光性及び耐ガス性も良好であった。
また、実施例1〜5ではレッド色をレッドインク単色で表現することができるので、レッド色のテキスト印字について重ね打ちによる着弾誤差が生ずることがなく、シャープなテキスト印字が得られた。
比較例1は、L*≧50のライトマゼンタインクを用いているためにマゼンタ色の低濃度プリント部(L*=90)において粒状感がほとんど目立たず、L*≦50のレッドインクを用いているために高濃度レッド色も充分に表現できていた。また、L*≧50という明度が低いライトマゼンタインクを用いているにもかかわらず、レッドインクを用いているため、従来のインクセット(比較例5)において表現できるマゼンタ色と遜色ない程度の高濃度のマゼンタ色も表現できた。しかしながら、ライトマゼンタインクの着色剤が染料であるため、マゼンタ色プリント部の耐光性及び耐ガス性が不足していた。
比較例2は、L*<50のノーマルマゼンタインクを用いたため、従来のインクセット(比較例5)と同程度にマゼンタ色を表現することができ、この着色剤が顔料であるためマゼンタ色プリント部の耐光性及び耐ガス性も向上していた。しかしながら、マゼンタインクがL*<50のノーマルマゼンタインクであるため、マゼンタ色の低濃度プリント部の粒状感が目立った。また、レッドインクを用いていないため、本願発明のインクセット(実施例1〜5)と比較して、レッド色の再現範囲が劣った。
比較例3はL*<50のノーマルマゼンタインクを用いたため、従来のインクセット(比較例5)と同程度にマゼンタ色を表現することができ、この着色剤が顔料であるためにマゼンタ色プリント部の耐光性及び耐ガス性も向上していた。また、L*≦50のレッドインクを用いているために高濃度レッド色も充分に表現できていた。しかしながら、マゼンタインクがL*<50のノーマルマゼンタインクであるため、マゼンタ色の低濃度プリント部の粒状感が目立った。
比較例4はL*≧50のライトマゼンタインクを用いているためマゼンタ色の低濃度プリント部(L*=90)において粒状感が認められず、この着色剤が顔料であるためにマゼンタ色プリント部の耐光性及び耐ガス性も向上していた。しかしながら、レッドインクを用いていないため、明らかに高濃度レッド色の表現が不足し、また、マゼンタインクがL*≧50のライトマゼンタインクであることと相まって高濃度マゼンタ色の表現も不足しており、実用上問題があった。
比較例5は従来のインクセットであり、L*<50のノーマルマゼンタインクを用いているため、マゼンタ色の濃度プリント部の粒状感が目立ち、またこの着色剤が染料であるため、マゼンタ色プリント部の耐光性及び耐ガス性も劣っていた。さらに、レッドインクを用いていないため、本願発明のインクセット(実施例1〜5)と比較して、レッド色の再現範囲が劣っていた。
比較例6では、L*<50のノーマルマゼンタインクを用いたため、従来のインクセット(比較例5)と同程度にマゼンタ色を表現することができ、また、ノーマルマゼンタインクに加えてレッドインクを用いているため、従来のインクセット(比較例5)と比較してレッド色の再現範囲が広がっていた。しかしながら、マゼンタインクがL*<50のノーマルマゼンタインクであるため、マゼンタ色の低濃度プリント部の粒状感が目立ち、この着色剤が染料であるためにマゼンタ色プリント部の耐光性及び耐ガス性も劣っていた。
比較例7は、L*≧50のライトマゼンタインクを用いているために、マゼンタ色の低濃度プリント部(L*=90)において粒状感が認められなかった。しかしながら、この着色剤が染料であるため、マゼンタ色プリント部の耐光性及び耐ガス性が劣っていた。また、レッドインクを用いていないため、従来のインクセット(比較例5)と比較して、レッド色の再現範囲が狭く、高濃度レッド色の再現範囲が不足し、また、マゼンタインクがL*≧50のライトマゼンタインクであることと相まって高濃度マゼンタの再現が劣っていた。
以上により、マゼンタ色の色再現範囲を縮小させることなく、マゼンタ色の低濃度プリント部における粒状感を低減させること、レッド色の再現範囲を拡大すること、マゼンタ色プリント部の耐光性及び耐ガス性向上について、実施例1〜5のインクセットは、比較例1〜7のインクセットに比して優れていた。
本発明のインクジェット記録用水性インクセットは、マゼンタ方向の低濃度プリント部における粒状感の低減と、色再現範囲の拡大を実現し、さらに耐光性、耐ガス性の向上を実現するので、インクジェット記録用プリンタでカラー画像を再現する場合に有用となる。

Claims (11)

  1. 着色剤として顔料を用いたマゼンタ顔料インク、着色剤として染料を用いたレッド染料インクを備えたインクジェット記録用水性インクセットであって、
    マゼンタ顔料インクが、L***表色系による明度指数(L*)がL*≧50のライトマゼンタ顔料インクであることを特徴とするインクジェット記録用水性インクセット。
  2. マゼンタ顔料インクとして、明度指数(L*)がL*<50のノーマルマゼンタインクをもたない請求項1記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  3. ライトマゼンタ顔料インクの明度指数(L*)が、50≦L*≦65である請求項1又は2記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  4. ライトマゼンタ顔料インクのL***表色系による色相角(h)が、335°≦h≦360°又は0°≦h≦5°である請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  5. ライトマゼンタ顔料インクのL***表色系による彩度(C*)が、65≦C*≦90である請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  6. レッド染料インクの明度指数(L*)が、L*≦50である請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  7. レッド染料インクの明度指数(L*)が、25≦L*≦50である請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  8. レッド染料インクの色相角(h)が、20°≦h≦35°である請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  9. レッド染料インクのL***表色系による彩度(C*)が、80≦C*≦90である請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  10. さらに、イエローインク及び/又はシアンクインクを備えた請求項1〜9のいずれかに
    記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インクセットを使用することを特徴とするインクジェット記録方法。

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