JP2007054877A - 樹脂材料のレーザ加工装置及びレーザ加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ光による樹脂材料に穴明けや切断などの加工を施す際に発生する煙や飛散物の樹脂材料への再付着を防ぐレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】長尺形状の樹脂材料基板の穴明けや切断などの加工を施すレーザ加工装置において、レーザ光を発生するレーザ光源1と、レーザ光を樹脂材料基板8の所定の位置に集光して照射するためのレーザ照射光学系2と、樹脂製基板8の下部に位置する空気吸引口より空気を吸引して密着固定して載置するステージ6と、樹脂材料基板8を樹脂材料の長手方向に移動させる移動手段と、ステージ6に樹脂製基板8外の長手方向に沿って圧縮空気を噴出して空気の上昇気流を生成するための空気噴出口15と、レーザ加工により発生した煙及び飛散物9を吸引するための集塵装置とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】長尺形状の樹脂材料基板の穴明けや切断などの加工を施すレーザ加工装置において、レーザ光を発生するレーザ光源1と、レーザ光を樹脂材料基板8の所定の位置に集光して照射するためのレーザ照射光学系2と、樹脂製基板8の下部に位置する空気吸引口より空気を吸引して密着固定して載置するステージ6と、樹脂材料基板8を樹脂材料の長手方向に移動させる移動手段と、ステージ6に樹脂製基板8外の長手方向に沿って圧縮空気を噴出して空気の上昇気流を生成するための空気噴出口15と、レーザ加工により発生した煙及び飛散物9を吸引するための集塵装置とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明はレーザを用いて樹脂材料のレーザ加工を行うレーザ加工装置及びレーザ加工方法に関する。
レーザを用いて樹脂材料(樹脂フィルム等)に穴明けや切断などの加工をする際、加工された材料の一部が、煙や微粉となって被加工物周辺に飛散し、その一部が被加工物に再付着する。
これまでは、加工を行う際に送風を行い、飛散物を吹き飛ばすことで、加工対象物表面に付着する付着物を少なくしていた。(特許文献1及び2参照)
また、レーザ光を照射する前段階で加工対象物を帯電させる事により、レーザ光によって飛散する飛散物が加工対象物に付着する事を防ぐ方法(特許文献3参照)やレーザ光を照射し、飛散物が飛散する経路に帯電極性とは逆極性のイオンを供給する方法(特許文献4参照)が行われている。
特開2001−269793号公報
特開2002−343761号公報
特開2000−352811号公報
特開2004−122174号公報
また、レーザ光を照射する前段階で加工対象物を帯電させる事により、レーザ光によって飛散する飛散物が加工対象物に付着する事を防ぐ方法(特許文献3参照)やレーザ光を照射し、飛散物が飛散する経路に帯電極性とは逆極性のイオンを供給する方法(特許文献4参照)が行われている。
一般的にレーザ光により加工することで発生した煙や飛散物の多くは、レーザ光による熱加工により温度が高いため、上方向に向かい集塵機などにつながった吸引口に吸い込まれるが、一部は必ず加工対象物の表面近傍に舞い上がった状態で対流し、加工対象物である樹脂材料等の表面に堆積もしくは再付着することとなる。この付着物は、樹脂材料の表面に付着しており、見た目で分かるため製品や工程での歩留まりや外観を損なってしまう事となる。また、重要な機能を有するコーティング等を樹脂材料の表面に施している場合、製品の機能を損なう大きな欠陥となってしまう可能性もある。
しかしながら、これまでの方法の中で飛散物を吹き飛ばすことで、加工対象物表面に付着する付着物を少なくする方法では、対流している飛散物のうち、吹き飛ばせる飛散物もあるが、逆に多少の飛散物を樹脂材料表面に押付けるような力が働き、再付着を助長してしまう場合がある。
吸引する手段をレーザ加工面近傍に配置する手段では、煙や飛散物は効率良く吸引口により吸引されるが、レーザを照射する箇所が1箇所や加工タクトが要求されない箇所等に限られるため加工を施される箇所が極端に制限されたり、実験レベルでは有効ではあるが、レーザ照射箇所が多数必要な場合や加工エリアが広い場合、生産する上で加工タクトが要求される場合には、レーザ照射ヘッドと加工対象物との干渉や吸引する装置が加工対象物上のレーザ照射位置へのレーザ光の照射をさえぎる等の物理的要素が不十分となり、その手段が有効とはならない場合や実際の量産には向かない場合がある。
また、加工対象物を帯電させる方法では、空気中にはプラス・マイナス両者に帯電した浮遊物が存在している事は既知であり、その浮遊物が付着する可能性がある。
飛散経路にイオンを供給する方法では、発生したイオンを加工対象物上面の飛散経路にイオンを送り込まないといけないため送風機能が必要となるがその送風機能が前述の再付着を助長してしまう可能性がある。それを避けるために加工対象物上面から距離をとれば、飛散物に対して有効ではなくなる可能性がある。
本発明は前述したような点に鑑みて、樹脂材料(樹脂フィルム等)の表面にレーザ光を照射して、穴明けや切断などのレーザ加工を施す装置において、レーザ加工にて発生する煙・飛散物が加工対象物に再付着する事を防ぐ事を特徴とするレーザ加工方法および装置を提供するものである。
従来の課題を解決するために、本発明は、長尺形状の樹脂材料基板の表面にレーザ光を照射して、当該樹脂材料基板の穴明けや切断などの加工を施すレーザ加工装置において、レーザ光を発生するレーザ光源と、レーザ光を前記樹脂材料基板の所定の位置に集光して照射するためのレーザ照射光学系と、前記樹脂製基板の下部に位置する空気吸引口より空気を吸引して密着固定して載置するステージと、前記加工対象物である樹脂材料基板を樹脂材料基板の長手方向に移動させる移動手段と、前記ステージに前記樹脂製基板外の長手方向に沿って圧縮空気を噴出して空気の上昇気流を生成するための空気噴出口と、レーザ加工により発生した煙及び飛散物を吸引するための集塵装置と、前記樹脂材料基板の貫通部位部に対応して前記ステージ下部に設けられる溝部とを備えることを特徴としたものである。
また、本発明のレーザ加工方法は、長尺形状の樹脂材料基板の表面にレーザ光を照射して、当該樹脂材料基板の穴明けや切断などの加工を施すレーザ加工方法において、前記樹脂製基板をステージ上に該ステージ内の空気吸引口より空気を吸引して密着固定し、前記ステージに前記樹脂製基板外の長手方向に沿って形成される空気噴出口から圧縮空気を噴出して上昇気流を生成し、当該上昇気流に重畳される前記樹脂製基板のレーザ加工により発生した煙及び飛散物を、前記樹脂性基板の加工エリアの中心に対し点対称位置で加工エリア外周近傍に前記ステージ面と傾いて設置された吸引口より吸引することを特徴としたものである。
本発明の樹脂材料のレーザ加工方法および装置によれば、樹脂材料のレーザ加工において発生する煙・飛散物が、加工対象物である樹脂材料の帯電の有無に関係なく、加工対象物である樹脂材料に再度付着する事なく、また、空気中に飛散している浮遊物が加工対象物である樹脂材料に付着する事も防ぐ事ができる。
以下に、本発明の樹脂材料のレーザ加工方法および装置の実施の形態を図面とともに、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1における樹脂材料のレーザ加工方法及び装置の外観斜視図である。図2(a)は、図1の横側(A方向)から見た図であり、搬送系も含まれている。図2(b)は、図2(a)を上から見た図で、ステージ6に設けられた各穴および溝を説明するための図。図3、4は図1のB矢視方向の断面図である。
図5、6、7は、本発明における別体系の実施例を示したものである。
図8は、従来方法の一例を示すものであり、図9は、図8の拡大図で、レーザ加工により発生した煙・飛散物が再付着する様子を示したものである。図10はレーザ加工により発生した煙・飛散物が加工対象物である樹脂材料に再付着した様子を示した図である。
図11、12は、別の従来方法の一例を示す図である。
図13は、レーザ光4がレーザ照射光学系2によって所定の位置に照射される事を説明するための図である。
図1において、レーザ光4は、レーザ光を発生するレーザ光源1から照射され、レーザ照射光学系2を駆動することによって、レーザ光4が加工対象物である樹脂材料8の所定の位置に照射され、樹脂材料8が加工される。その際fθレンズ3を介して、加工対象物である樹脂材料8に照射される。
樹脂材料8は、長尺形状で、その大きさは、種々あるが、通常は、長さは、数m〜数十m、厚さは、0.1〜1mm程度、幅は20〜110mm程度である。
その時、レーザ光4により穴明けや切断などの加工5を施された樹脂材料8は、レーザ光4の熱加工により煙や飛散物9が生成され、加工対象物である樹脂材料8の表面上に飛散する。この飛散物9は、特に何も施さない場合、10に示すように穴明けや切断などの加工5を施された周辺に煙や飛散物9の付着物10として再付着する。
本発明では、付着物10の再付着を防ぐために加工対象物である樹脂材料8の近傍に圧縮空気等につながった空気の噴出し口7を設け、空気を上方向に噴出す事により、故意に加工対象物である樹脂材料8の表面に空気の上昇気流を発生させ、レーザ加工により発生した煙や飛散物9をその気流に乗せることで加工対象物である樹脂材料8表面から早く離れさせる事で、煙や飛散物9の付着物10の樹脂材料8への再付着を防ぐ事を特徴としたものである。
図2(a)に示すように、穴明けや切断などの加工5を施される樹脂材料8は送りローラ13等により、図に示す矢印方向に搬送される。図2(b)に示すように穴明けや切断などの加工5を施される位置の下側には、レーザ光4が貫通する事でレーザ光4がステージ6上で反射したり、レーザ光4によりステージ6表面が加工される事の無い様に穴もしくは溝16(以下、溝部16という。)を設ける。
溝部16は、例えば樹脂材料8に貫通孔を加工する場合、所定の形状を有する孔加工5よりも直径にして1mm程度以上大きい穴部を加工位置の下側のステージ6に設け、樹脂材料8を貫通するレーザ光4にステージ6が干渉しないように設けることが望ましい。
また、樹脂材料8がレーザ光4によって加工される際は、前述の溝部16に干渉しないようにレーザ光4で加工される範囲より大きく空気を吸引するための溝及び穴14を配置もしくは張りめぐらせ、その空気を吸引するための溝及び穴14より空気を吸引する事で、樹脂材料8はステージ6に密着固定される。
そのため、レーザ光4によって加工を施される際に搬送ローラ13や噴出し口7により噴出される空気などのガスによる影響を受けることなく、安定した加工を樹脂材料8に施す事ができる。密着固定されない場合、搬送ローラ13や吹き出し口7により噴出される空気などのガスにより、樹脂材料8は上下左右に動くなどの影響を受け、レーザ光4の焦点距離がずれたり、樹脂材料8の所定位置に加工することができなかったりする。樹脂材料8の表面近傍に上昇気流を起こすために空気などのガスを噴出す噴出し口7は、ステージ6内部に形成され、前述の樹脂材料8をステージ6に密着させるための空気を吸引する溝および穴14とは違う経路となっており、ステージ内部で空気などのガスと干渉する事はなく、ステージ6の横側もしくは下側より空気などのガスを挿入する事ができる様になっている。
ここでレーザ光4による加工方法を説明する。図13に示すように、レーザ光4はレーザ光源1より照射され、レーザ照射光学系2を駆動する事によって、fθレンズ3を介して、加工対象物である樹脂材料8に照射される。そして、レーザ照射光学系2が、図13中の矢印で示されるように駆動され、樹脂材料8に照射されるレーザ光4の加工位置が決まる事となる。レーザ光源1より照射されたレーザ光4は平行光もしくは広がっていく方向であるが、レーザ照射光学系2で反射され、fθレンズ3部分を介する事でレーザ光4は絞られ、該レンズ部分で所定のレーザによる加工を施す最適な距離が決まる。その距離は、レーザや光学系、レンズ部分により決まるため、全て同じではない。
樹脂材料8の長尺方向であるX方向への移動は、ローラ13にて移動し、樹脂材料8をステージ6に吸着して、樹脂材料8の所定の加工エリア例えば、110mm×110mmをレーザ照射光学系2をX方向、Y方向走査して加工する。当該加工エリアを加工後は、樹脂材料8を次の加工エリアまで、ローラ13により例えば110mm移動して加工を行う。加工エリアは、50×50mm、90×90mmなど使用するレーザ装置によってエリアが異なる。
図3及び図4は、本発明においてレーザ光4により発生した煙や飛散物9の流れを示した図であるが、まず、図3に示すように、レーザ光4により発生した煙や飛散物9は、樹脂材料8の上方向に舞い上がる。そして、噴出し口7から噴出される空気などのガスの流れにより加工対象物である樹脂材料8の表面に発生する上昇気流により、上側に引き上げられる力が働き、図4に示すように樹脂材料8の表面上に対流することなく、レーザ光4により発生した煙や飛散物9は上昇気流の流れに乗り、上昇気流に巻き込まれるように動き、集塵機などにつながった空気などのガスを吸い込む吸引口11に吸い込まれる。そのため、樹脂材料8の表面には、煙や飛散物9が対流することがなくなる。なお、吸引口11は、図示しないが、吸い込み力を有する集塵装置につながっている。
更に効果的な実施例を図5に示す。基本的な構成は、前述した図1および2、3、4と同じであるが、レーザ光4によって穴明けや切断などの加工5を施す場合、樹脂材料8をレーザ光4が貫通する事となるため、ステージ6のレーザ光4が貫通する部分は必ず穴や溝16を設けることでレーザ光4がステージ6の表面に反射したり、ステージ6がレーザ光4によって加工を施される事のないようにする。図5の実施例では、あらかじめステージ6に設けられた樹脂材料8が穴明けや切断などの加工5を施される位置の下側の穴や溝16と前述の樹脂材料8の表面近傍に上昇気流を発生させるための空気などの噴出し口7とをステージ6の内部で連結させる事により、空気などのガスの噴出し口7を樹脂材料8が穴明けや切断などの加工5を施される位置の下側の穴や溝16にも設ける事ができ、その穴や溝16から噴出した空気は、レーザ光4により加工された穴や溝5から出る事により、樹脂材料8の表面上に上昇気流を更に効率良く作り出す事ができるため、レーザ光4により発生した煙や飛散物9は樹脂材料8の表面上に対流することなく、効率良く上方向の力を受ける事ができる。
その他の実施例を図6、図7に示す。図6(a)においては、レーザ光4による加工を施される樹脂材料8とステージ6との間にヒータ8を配置し、図6(b)においては、ステージ6の材料を銅等の熱伝導率の高い材料にし、ステージ6内に内蔵されたヒータ12によって、あらかじめ樹脂材料8近傍の空気を温める機能を有したものである。ステージ6と樹脂材料8の間もしくはステージ6内に内蔵されたヒータ12は、穴明けや切断などの加工5を施される位置の下側の穴や溝16と干渉することのない位置に配置されており、レーザ光4によってヒータ12が加工されたりする事はない。
ヒータ12は、ペルチェ素子のような半導体でも薄型の抵抗が内蔵されているヒータでも問題無い。温められた空気は上昇する傾向にあるため、必然的にヒータ12によって温められたステージ6上や樹脂材料8上の空気は上昇し、樹脂材料8の近傍には上昇気流が発生する事となる。その上昇気流を利用する事でレーザ光4により発生した煙や飛散物9を効率良く樹脂材料8の表面より遠ざける事ができる。また、レーザ光4による加工は熱加工であるため、加工時間の短縮や加工を助長する効果もある。
図7の一例は、図7(a)に示すように集塵機などにつながった空気などのガスを吸い込む吸引口11をレーザ光4が照射される上面から見た場合の加工エリア17の中心に対して点対称の位置に2箇所配置し、吸引口11を図7(b)に示すようにステージ6から見て15度〜60度で傾けて吸引を行う。この場合、吸引口11が一箇所であれば、レーザ光4による加工で発生した煙や飛散物9は吸引口11に向かうような動きのみであるが、吸引口11を前述のような配置にした場合は各々の吸引口11に向かうような動きとなり、煙や飛散物9が発生する樹脂材料8上面の空気には吸引口11に向かう力の他に、各々の吸引口11との相互作用により、煙や飛散物9には回転運動が発生し、遠心力がはたらく事となる。その空気にはたらく遠心力と上昇力とのベクトル作用により、樹脂材料8の表面上の空気には螺旋状の空気の流れが発生し、上昇気流となる。吸引口11がステージ6に対して傾いて設置されるため、煙や飛散物9を効率良く吸引することができる。
吸引口11のステージ6の水平面に対する傾斜角度が15度より小さいと遠心力は大となるが上昇気流が弱く成り過ぎ、60度を超えると上昇力は大となるが、遠心力が小さくなり螺旋状の空気の流れが効率よく発生しない。
ベクトル作用により、図7(b)に示すように、上昇する力と遠心力との相互作用による上昇力は増分する事となり、レーザ光4によって発生した煙や飛散物9を樹脂材料8から遠ざけることができる。
ここで吸引口11の望まれる配置について説明すると、図7(a)に示すようにレーザ光4が照射される上面から見た場合のレーザ光4が照射される加工エリア17から吸引口11を所定の距離だけ離した近傍に設置した場合の吸引口11の傾斜する角度は、遠心力と上昇力とのベクトル作用の関係上45度近辺が望ましく、前述の所定の距離とは、加工エリア17から離しすぎても吸引力が足りなくなる可能性があり、加工エリア17内に配置するとレーザ光4との干渉や煙や飛散物9は、直線的に吸引口11に向かうため、螺旋状の上昇気流を発生する事ができない。そのため、望ましくは、図7(a)に示す加工エリア17の対角線上の角部近傍に、できるだけ加工対象物である樹脂材料8に近づけ、加工エリア17の外周の接線方向上に配置する事が良い。
即ち、吸引口11の先端部が樹脂材料8の外周部から加工エリア17の外周コーナ部で対角位置に相当する位置に配置するのが望ましい。
本発明の樹脂材料のレーザ加工方法及び装置では、加工対象物である樹脂材料8の表面近傍から上昇気流を発生させる事ができるため、加工雰囲気中に存在している浮遊物に対しても有効であり、レーザ加工にて発生した煙や飛散物9はもちろんの事、雰囲気中に存在している浮遊物も付着する事を防ぐ事ができる。
なお、螺旋状の上昇気流を発生させる際には、圧縮空気の噴出圧を螺旋状でない場合より弱く調整して、螺旋状の流れを生成する。もちろん、加工物である樹脂材料によっては、圧縮空気の噴出を停止して、螺旋状の上昇気流を発生して加工することも可能である。
本発明の樹脂材料のレーザ加工方法および装置では、空気の流れを故意に発生させ、樹脂材料8の表面上に上昇気流を発生させる自然現象を利用しており、加工対象物である樹脂材料8に余分な力や要素を与える事が無く、レーザ光4によって穴明けや切断などの加工5を施された周辺にレーザ光4によって発生した煙や飛散物9の付着物10の再付着を効率良く防ぐ事ができ、レーザ光4による広いエリアでの加工を行う事が可能となり、付着物10による製品の外観損傷や工程での歩留まりを防ぐ事ができ、製品の性能を損なうこともない。
図8は、加工対象物である樹脂材料8の表面に上昇気流を発生させない従来例の一例を示した図である。レーザ光4による加工のため発生した煙や飛散物9の多くは、集塵機などにつながった空気などのガスを吸い込む吸引口11に吸い込まれるが、図9に示すように一部は必ず加工対象物である樹脂材料8の表面近傍に舞い上がった状態で対流し、樹脂材料8の表面に堆積もしくは再付着することとなる。その場合、図10に示すようにレーザ光4によって穴明けや切断などの加工5を施された周辺に煙や飛散物9の付着物10として再付着する。図11に示すように、吸引口11を樹脂材料8の表面近傍に近づけたり、図12に示すように噴出し口15から空気などのガスを樹脂材料8の表面に吹付ける事によって強制的に煙や飛散物9を吹き飛ばす力を発生させたりすると、レーザ光4によって発生した煙や飛散物9が樹脂材料8の表面近傍を移動していく動きとなるため、樹脂材料8の表面に対流しやすくなるため、逆に樹脂材料8の表面に煙や飛散物9の付着物10が再付着しやすくなってしまう。
レーザ光4による穴明けや切断などの加工5を施す以上、その加工原理が熱加工による樹脂材料8の焼損であるため、その表面から煙や飛散物9が発生する事は防ぐ事のできない現象であるため、煙や飛散物9による付着物10が再付着することを防ぐためには、いかに付着物10の原因である煙や飛散物9を樹脂材料8表面から遠ざけ、効率良く吸引するかになってくる。
本発明は、従来の煙や飛散物9が加工対象である樹脂材料8の表面に再付着しやすいという欠点を除去するもので、上昇気流を強制的に発生させ、また、上昇気流に螺旋状の運動を生成することにより、吸引口11より煙や飛散物9を効率良く吸引することができる。
本発明のレーザ加工装置及び加工方法は、樹脂材料のレーザ加工において発生する煙・飛散物が、加工対象物である樹脂材料に再度付着する事なく、また、空気中に飛散している浮遊物が加工対象物である樹脂材料に付着する事も防ぐ事ができ、樹脂材料のレーザ加工に有用である。
1 レーザ光源
2 レーザ照射光学系
3 fθレンズ
4 レーザ光
5 レーザ光4によって施された穴や切断などの加工箇所
6 ステージ
7 空気などのガスの噴出し口
8 樹脂材料基板
9 煙や飛散物
10 再付着した付着物
11 吸引口
12 ヒータ
13 搬送ローラ
14 樹脂材料固定用吸引口
15 空気噴出口
16 レーザ貫通用逃げ穴(溝)
17 加工エリア
18 樹脂材料8と吸引口11との距離
2 レーザ照射光学系
3 fθレンズ
4 レーザ光
5 レーザ光4によって施された穴や切断などの加工箇所
6 ステージ
7 空気などのガスの噴出し口
8 樹脂材料基板
9 煙や飛散物
10 再付着した付着物
11 吸引口
12 ヒータ
13 搬送ローラ
14 樹脂材料固定用吸引口
15 空気噴出口
16 レーザ貫通用逃げ穴(溝)
17 加工エリア
18 樹脂材料8と吸引口11との距離
Claims (5)
- 長尺形状の樹脂材料基板の表面にレーザ光を照射して、当該樹脂材料基板の穴明けや切断などの加工を施すレーザ加工装置において、
レーザ光を発生するレーザ光源と、
レーザ光を前記樹脂材料基板の所定の位置に集光して照射するためのレーザ照射光学系と、
前記樹脂製基板の下部に位置する空気吸引口より空気を吸引して密着固定して載置するステージと、
前記加工対象物である樹脂材料基板を樹脂材料基板の長手方向に移動させる移動手段と、
前記ステージに前記樹脂製基板外の長手方向に沿って圧縮空気を噴出して空気の上昇気流を生成するための空気噴出口と、
レーザ加工により発生した煙及び飛散物を吸引するための集塵装置と、
前記樹脂材料基板の貫通部位部に対応して前記ステージ下部に設けられる溝部と、
を備えることを特徴とするレーザ加工装置。 - 前記樹脂材料基板の貫通加工部位に対応する前記ステージの溝部は、前記ステージ内部で前記空気噴出口と連結し、当該ステージの溝部からも圧縮空気を噴出することを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
- 前記ステージ上又はステージ内部に設置されるヒータにより前記樹脂材料近傍の空気を加熱することを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
- 前記集塵装置の吸引口は、前記樹脂製基板を挟んで、かつ当該樹脂性基板の加工エリアの中心に対し点対称位置で当該加工エリア近傍に、加工エリア外周辺の接線方向位置に、前記ステージ面と15度から60度傾いて設置されることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
- 長尺形状の樹脂材料基板の表面にレーザ光を照射して、当該樹脂材料基板の穴明けや切断などの加工を施すレーザ加工方法において、
前記樹脂製基板をステージ上に該ステージ内の空気吸引口より空気を吸引して密着固定し、
前記ステージに前記樹脂製基板外の長手方向に沿って形成される空気噴出口から圧縮空気を噴出して上昇気流を生成し、
当該上昇気流に重畳される前記樹脂製基板のレーザ加工により発生した煙及び飛散物を、前記樹脂性基板の加工エリアの中心に対し点対称位置で加工エリア外周近傍に前記ステージ面と傾いて設置された吸引口より吸引することを特徴とするレーザ加工方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013111644A (ja) * | 2011-12-01 | 2013-06-10 | Tdk Corp | シート体保持装置、シート体加工装置、シート体保持方法、シート体加工方法および表示器用部品製造方法 |
CN109676267A (zh) * | 2017-10-17 | 2019-04-26 | 三星显示有限公司 | 激光装置 |
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2005
- 2005-08-26 JP JP2005245628A patent/JP2007054877A/ja active Pending
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