JP2007054753A - 流動接触分解触媒及びその製造方法並びに低硫黄接触分解ガソリンの製造方法 - Google Patents

流動接触分解触媒及びその製造方法並びに低硫黄接触分解ガソリンの製造方法 Download PDF

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明 飯野
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Abstract

【課題】 低硫黄含有量のガソリン留分を高収率で得る流動接触分解触媒及び該触媒の製造方法並びに該触媒を用いた低硫黄ガソリンの製造方法を提供すること。
【解決手段】 ゼオライトとゼオライト以外の多孔性無機酸化物及び/又は粘土鉱物とからなる粉粒体にバナジウムを担持した触媒であって、バナジウムの担持量がバナジウム金属換算で1,000〜20,000質量ppmであり、バナジウムの少なくとも一部が多核錯塩を形成しており、酸量が20〜450μmol/g、及びマクロ細孔表面積が30〜150m2/gであることを特徴とする流動接触分解触媒及びその製造方法並びに該触媒を用いた低硫黄ガソリンの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、流動接触分解触媒及びその製造方法並びに低硫黄接触分解ガソリンの製造方法に関し、詳しくは、流動接触分解装置で低硫黄の接触分解ガソリンを製造するための触媒及びその製造方法並びに低硫黄接触分解ガソリンの製造方法に関する。
最近の環境問題の高まりに伴い、全世界的にガソリン中の硫黄分が規制されるようになった。日本においても2005年にはガソリ中の硫黄含有量を10質量ppmに自主規制している。ガソリ中の硫黄含有量を10質量ppm以下とするためには、ガソリン基材として用いられる接触分解ガソリン(以下「FCCガソリン」ということがある。)中の硫黄含有量を今まで以上に低減する必要がある。
FCCガソリン中の硫黄含有量を低減する方法として、例えば、流動接触分解装置の前段にある直接脱硫装置、又は間接脱硫装置によって、原料油(重質油)中の硫黄分を従来以上に低減する方法や、流動接触分解装置の後段に後処理装置としてFCCガソリンの水素化脱硫装置を設置し、低硫黄化を図る方法が考えられる。
しかしながら、これらの装置による低硫黄化に際しては、装置に対する負荷が増大するため、炭酸ガスの発生量の増大を免れないという問題がある。また、脱硫率を上げるためには、通常よりも水素の使用量が増えるため運転コストも増大する。さらに、前述の流動接触分解装置後段の後処理装置に関しては、新設する場合が多く莫大な建設コストがかかる。
ところで、FCCガソリンは流動接触分解装置によって重質油等を分解することで得られる。流動接触分解装置で用いる流動接触分解触媒は、例えば、ゼオライト、シリカ・アルミナ等からなり、反応塔で分解反応を行い、再生塔で再生を繰り返すサイクルの中で使用される。このサイクルの中で、原料油中のバナジウム及びニッケルが流動接触分解触媒に蓄積されていき、これらの金属がある程度蓄積された状態(平衡触媒)で繰り返し反応に供される。流動接触分解装置内で、原料油中の硫黄分は、原料油の分解と並行して脱離し、脱硫活性を有するこれら蓄積されたバナジウム及びニッケル金属上で水素化脱硫され、硫化水素として系外に排出除去される。または、硫黄分はバナジウム及びニッケル金属に吸着され、あるいは発生する堆積コーク中に取り込まれ、再生塔にて焼成・酸化されてSOxとなって系外に排出除去される。このように、バナジウム等は脱硫活性を有するので、この性質を利用して、流動接触分解で用いられる触媒を改良し、脱硫率を上げてFCCガソリン中の硫黄含有量を低減する試みがなされている。例えば、バナジウム、亜鉛、ニッケル、鉄又はコバルトを担持した触媒(特許文献1、特許請求の範囲参照)、バナジウム金属をモレキュラーシーブの小孔内にカチオン種として導入したゼオライトを含有する触媒(特許文献2、特許請求の範囲参照)、さらには、バナジウム金属とともにランタン、セリウム等の希土類元素をモレキュラーシーブの小孔内に導入したゼオライトを含有する触媒(特許文献3、特許請求の範囲参照)などが提案されている。
しかしながら、バナジウムは脱硫活性を有する一方で、ゼオライトの小細孔に入り込んでゼオライトの活性点を被毒し、またゼオライト骨格への攻撃による構造の崩壊をもたらす。さらには、細孔閉塞によって原料油あるいは分解生成油の拡散を阻害するなどの弊害を引き起こす。従って、上記提案される触媒では、ある程度の脱硫活性は認められるものの、近年のさらなる低硫黄化に対しては、性能が不十分であり、さらなる改良が求められていた。
特開2003−27065号公報 特許第3545652号公報 特許第3550065号公報
本発明は、このような状況下でなされたもので、脱硫率の高い流動接触分解触媒及びその製造方法並びに低硫黄接触分解ガソリンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、特定の担体にバナジウムを担持した触媒であって、バナジウムの少なくとも一部が多核錯塩を形成し、かつ特定の酸量及びマクロ細孔表面積を有する流動接触分解触媒が、前記課題を解決し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、
(1)ゼオライトとゼオライト以外の多孔性無機酸化物及び/又は粘土鉱物とからなる粉粒体にバナジウムを担持した触媒であって、バナジウムの担持量がバナジウム金属換算で1,000〜20,000質量ppmであり、バナジウムの少なくとも一部が多核錯塩を形成しており、酸量が20〜450μmol/g、及びマクロ細孔表面積が30〜150m2/gであることを特徴とする流動接触分解触媒、
(2)多核錯塩がバナジウム単独の又はバナジウムと他の異なる金属との2〜4核錯塩である上記(1)に記載の流動接触分解触媒、
(3)前記多核錯塩がイソポリ酸又はヘテロポリ酸である上記(1)又は(2)に記載の流動接触分解触媒、
(4)ゼオライトとゼオライト以外の多孔性無機酸化物及び/又は粘土鉱物とからなる粉粒体にバナジウムを担持した触媒であって、バナジウムの担持量がバナジウム金属換算で1,000〜20,000質量ppm、酸量が20〜450μmol/g、及びマクロ細孔表面積が30〜150m2/gであり、バナジウムの担持がバナジウム含有溶液に無機酸、有機酸及び他の金属塩から選ばれる少なくとも1種を混合した担持溶液を担持してなる流動接触分解触媒、
(5)無機酸が、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、過塩素酸、ホウ酸、及びピロリン酸から選ばれる少なくとも一種であり、有機酸が、シュウ酸、酢酸、クエン酸、グルタミン酸、グルコン酸、ステアリン酸、ギ酸、酒石酸、安息香酸、コハク酸、サリチル酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、アセチルサリチル酸、及びアミノ酸から選ばれる少なくとも一種であり、他の金属塩が、マンガン、マグネシウム、カルシウム、コバルト、亜鉛、銅、チタン、アルミニウム、ニッケル、鉄、クロム、ランタン、イットリウム、スカンジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、及びタングステンから選ばれる少なくとも一種の無機金属塩又は有機金属塩である上記(4)に記載の流動接触分解触媒、
(6)バナジウムが担持溶液中で多核錯塩を形成している上記(4)又は(5)に記載の流動接触分解触媒、
(7)前記多核錯塩がイソポリ酸又はヘテロポリ酸である上記(6)に記載の流動接触分解触媒、
(8)バナジウムがゼオライトの外表面、ゼオライト以外の多孔性無機酸化物及び粘土鉱物に担持される上記(1)〜(7)のいずれかに記載の流動接触分解触媒、
(9)多孔性無機酸化物が、アルミナ、シリカ、シリカ・アルミナ、チタニア、及びアルミナ・チタニアから選ばれる少なくとも一種である上記(1)〜(8)のいずれかに記載の流動接触分解触媒、
(10)粘土鉱物がカオリン又はベントナイトである上記(1)〜(9)のいずれかに記載の流動接触分解触媒、
(11)さらに、バナジウム及び/又はニッケルの蓄積量が50〜20,000質量ppmである流動接触分解平衡触媒を、触媒全量を基準として0〜95質量%混合した上記(1)〜(10)のいずれかに記載の流動接触分解触媒、
(12)昇温プログラム還元法により測定される水素還元ピークの温度が400〜750℃の範囲にある上記(1)〜(11)のいずれかに記載の流動接触分解触媒、
(13)ゼオライトとゼオライト以外の多孔性無機酸化物及び/又は粘土鉱物とからなる粉粒体にバナジウムを担持した触媒の製造方法であって、バナジウム塩と無機酸又は有機酸を混合して水溶性のポリ酸塩を調製し、これを粉粒体に担持することを特徴とする流動接触分解触媒の製造方法、
(14)無機酸が硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、過塩素酸、ホウ酸、及びピロリン酸から選ばれる少なくとも一種であり、有機酸がシュウ酸、酢酸、クエン酸、グルタミン酸、グルコン酸、ステアリン酸、ギ酸、酒石酸、安息香酸、コハク酸、サリチル酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、アセチルサリチル酸、及びアミノ酸から選ばれる少なくとも一種である上記(13)に記載の流動接触分解触媒の製造方法、
(15)ゼオライトとゼオライト以外の多孔性無機酸化物及び/又は粘土鉱物とからなる粉粒体にバナジウムを担持した触媒の製造方法であって、バナジウム塩と他の金属の塩を混合した水溶液を調製し、該水溶液を粉粒体に担持することを特徴とする流動接触分解触媒の製造方法、
(16)他の金属がマンガン、マグネシウム、カルシウム、コバルト、亜鉛、銅、チタン、アルミニウム、ニッケル、鉄、クロム、ランタン、イットリウム、スカンジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、及びタングステンから選ばれる少なくとも一種の無機金属塩又は有機金属塩である上記(15)に記載の流動接触分解触媒の製造方法、
(17)上記(1)〜(12)のいずれかに記載の流動接触分解触媒を用いて重質油を接触分解する低硫黄接触分解ガソリンの製造方法、
(18)重質油中の硫黄含有量が0.05〜0.7質量%であり、得られる接触分解ガソリン中の硫黄含有量が50質量ppm以下である上記(17)に記載の低硫黄接触分解ガソリンの製造方法、
(19)得られる低硫黄接触分解ガソリン中のC5〜210℃沸点範囲における硫黄含有量が30質量ppm以下である上記(18)に記載の低硫黄接触分解ガソリンの製造方法、
(20)得られる低硫黄接触分解ガソリン中のC5〜210℃沸点範囲における硫黄含有量が15質量ppm以下である上記(18)に記載の低硫黄接触分解ガソリンの製造方法、
を提供するものである。
本発明の流動接触分解触媒によれば、流動接触分解装置を用いて分解処理及び脱硫処理をすることで、残油留分からは硫黄含有量50質量ppm以下のガソリン留分を、また重質軽油留分からは硫黄含有量30質量ppm以下のガソリン留分を効率よく製造することができる。また、接触分解ガソリンに加えて、分解軽油留分(ライトサイクルオイル、以下「LCO」という。)を効率的に製造することができ、過分解を抑制してコーク収率を低減することができる。
本発明の流動接触分解触媒は、ゼオライトとゼオライト以外の多孔性無機酸化物及び/又は粘土鉱物とからなる粉粒体を担体とすることを特徴とする。ゼオライトの種類としては特に限定されず、Y型ゼオライト、β−ゼオライト、ZSM−5、L型ゼオライトなどが挙げられ、これらのうち特にY型ゼオライトが好ましい。該粉粒体中のゼオライトの含有量は、3〜70質量%が好ましい。3質量%以上であると十分な分解活性が得られ、70質量%以下であると、目的とするFCCガソリンが高い選択性で得られる。以上の点から、ゼオライトのさらに好ましい含有量は、粉粒体全量基準で5〜50質量%の範囲である。
ゼオライト以外の多孔性無機酸化物としては、アルミナ、シリカ、シリカ・アルミナ、チタニア、アルミナ・チタニアなどが挙げられ、FCCガソリン、LCOの収率の点から、アルミナ又はシリカ・アルミナが好ましい。該粉粒体中の多孔性無機酸化物の含有量は、3〜40質量%が好ましい。3質量%以上であると、分解活性及び脱硫活性が向上し、40質量%以下であると、十分な耐摩耗性が得られる。以上の点から、多孔性無機酸化物のさらに好ましい含有量は、粉粒体全量基準で10〜35質量%の範囲である。
また、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイトなどが挙げられ、該粉粒体中の含有量としては、10〜50質量%が好ましい。
上記の担体成分から調製される市販の流動接触分解触媒や残油流動接触分解触媒も本発明の粉粒体に包含される。流動接触分解触媒及び残油流動接触分解触媒は、具体的にはY型ゼオライト、アルミナ、シリカ・アルミナ及びカオリンを用いてスプレードライ法などの常法により製造されるものである。
本発明における粉粒体は、上記担体成分を一種単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができるが、特に、脱硫活性を十分に得るとの点、及び重質油の分解活性に優れる点から、ゼオライトとしてY型ゼオライトを用い、多孔性無機酸化物として、アルミナ又はシリカ・アルミナを用い、さらに粘土鉱物を用いることが好ましい。
本発明の流動接触分解触媒は、前記粉粒体にバナジウムを担持した触媒であり、バナジウムの担持量はバナジウム金属換算で1,000〜20,000質量ppmである。1,000質量ppm未満であると、バナジウムを担持した十分な効果、すなわち十分な脱硫活性を得ることができず、一方、20,000質量ppmを超えると、分解反応が進みすぎ、コークやガスなどの目的外生成物の収率が高くなり、経済性が低下する。
また、本発明の流動接触分解触媒は、バナジウムの少なくとも一部が多核錯塩を形成していることを特徴とする。ここで、多核錯塩はバナジウム単独の錯塩であってもよいし、又はバナジウムと他の異なる金属との2〜4核錯塩であってもよい。
バナジウムは、従来技術においては、メタバナジン酸アンモニウム、シュウ酸バナジル、ナフテン酸バナジウムなどの溶液を用いて担持されるが、これらの溶液を用いた場合には、バナジウムが単独イオンとして溶液中に存在し、担持の過程でゼオライトの小細孔内(細孔径7A程度)に入る。又は、流動接触分解装置の触媒再生塔においては、V25、VO2などのバナジウム酸化物となる。小細孔内に導入されたバナジウムは、ゼオライト、特に超安定Y型ゼオライト(USY)の結晶構造を崩壊させ、分解活性を減少させる。
一方、本発明におけるバナジウムは、触媒の製造過程における担持溶液中で、無機酸又は有機酸の存在下、多核錯塩を形成するため、ゼオライトの小細孔内へのバナジウムの導入を抑制することができる。従って、本発明の流動接触分解触媒は、ゼオライトの結晶構造の崩壊が抑制され、バナジウムの持つ脱硫活性が最大限生かされ、硫黄含有量の小さいFCCガソリンが得られるとともに、FCCガソリン及びLCOの収率を増加させることができる。
ここで、上記多核錯塩は、安定性、バナジウムの水素化脱硫特性の点から、バナジウム単独の又はバナジウムと他の異なる金属との2〜4核錯塩、バナジウムのイソポリ酸又はヘテロポリ酸が好ましい。
バナジウムの多核錯塩を形成するためには、バナジウムの担持においてバナジウム含有溶液に無機酸、有機酸及び他の金属塩から選ばれる少なくとも1種を混合した担持溶液にて担持することで達成される。
バナジウムの多核錯塩を形成するための無機酸としては、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、過塩素酸、ホウ酸、及びピロリン酸が好適に挙げられる。無機酸の添加量としてはバナジウム塩−無機酸塩溶液がpH1〜7となるように添加することが好ましく、さらにはpHが1.5〜6となるように添加することが好ましい。
本発明においては、上記無機酸のうち、本発明の効果の点から、リン酸が好ましく、中でも正リン酸、亜リン酸、特には正リン酸を用いることが好ましい。リン酸を用いる場合には、バナジウム塩としてメタバナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウム等の無機塩を用いて、水溶性のバナジウムヘテロポリリン酸を調製する。バナジウムヘテロポリリン酸はゼオライトの小細孔内には入り得ないため、これを担体である粉粒体に担持することで容易に目的の触媒体を得ることができる。
リンの含有量については、触媒全量を基準として、500〜20,000質量ppmの範囲であることが好ましく、さらには1,000〜15,000質量ppmの範囲であることが好ましい。
バナジウムの多核錯塩を形成するための有機酸としては、シュウ酸、酢酸、クエン酸、グルタミン酸、グルコン酸、ステアリン酸、ギ酸、酒石酸、安息香酸、コハク酸、サリチル酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、アセチルサリチル酸、及びアミノ酸が好適に挙げられる。有機酸の添加量としては、無機酸の場合と同様に、バナジウム塩−有機酸塩溶液がpH1〜7となるように添加することが好ましく、さらにはpHが1.5〜6となるように添加することが好ましい。
本発明においては、上記有機酸のうち、本発明の効果の点からクエン酸が好ましい。例えば、クエン酸の存在下で形成されるバナジウムの多核錯塩はゼオライトの小細孔内には入り得ないため、これを担体である粉粒体に担持することで容易に目的の触媒体を得ることができる。
なお、有機酸を用いた場合には、流動接触分解装置の再生塔において、バナジウムと結合する炭化水素部分等は揮散し、単核のバナジウム酸化物となるが、一旦ゼオライトの外表面等に担持されているので、バナジウムはゼオライトの小細孔内には入らない。従って、平衡触媒となった後でも、脱硫活性及び分解活性が急速に低下することはない。
次に、バナジウムの多核錯塩を形成するための他の金属塩としては、種々のものが挙げられ、マンガン、マグネシウム、カルシウム、コバルト、亜鉛、銅、チタン、アルミニウム、ニッケル、鉄、クロム、ランタン、イットリウム、スカンジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、及びタングステンの無機金属塩及び有機金属塩が好適に挙げられる。これら他の金属の含有量としては、触媒体を基準として、500〜30,000質量ppmが好ましく、さらに1,000〜20,000質量ppmが好ましい。バナジウムとこれら他の金属による多核錯塩は、触媒調製の際に用いられるバナジウム塩溶液と、該金属の金属塩溶液を混合することで容易に得られる。
マンガン塩としては、硫酸マンガン(II)、硫酸アンモニウムマンガン(II)、硝酸マンガン(II)、炭酸マンガン(II)、酢酸マンガン(II)、酢酸マンガン(III)、シュウ酸マンガン(II)、リン酸マンガン(II)、酒石酸マンガン、グルコン酸マンガン(II)、リン酸マンガン(III)、硫酸マンガン(II)二アンモニウム、塩化マンガン(II)、二塩化マンガン、ギ酸マンガン(II)、過マンガン酸カリウム、ほうフッ化マンガン(II)、フタロシアニンマンガン、サリチル酸マンガン(II)、臭化マンガン(II)、テトラフルオロホウ酸マンガン(II)、安息香酸マンガン(II)、及びエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムマンガンなどを使用することができる。
マグネシウム塩としては、安息香酸マグネシウム、オレイン酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウムマグネシウム、臭化マグネシウム、リン酸アンモニウムマグネシウム、リン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、及び水酸化マグネシウムなどを用いることができる。
カルシウム塩としては、亜硝酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、塩化カルシウム、安息香酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、酢酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ギ酸カルシウム、クエン酸カルシウム、硝酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化カルシウム、及び水酸化カルシウムなどを用いることができる。
コバルト塩としては、ギ酸コバルト、オレイン酸コバルト、シュウ酸コバルト、ステアリン酸コバルト、塩化コバルト、酢酸コバルト、硝酸コバルト、炭酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸アンモニウムコバルト、酸化コバルト、及び水酸化コバルトなどを用いることができる。
亜鉛塩としては、安息香酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、ギ酸亜鉛、クエン酸亜鉛、酢酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、酒石酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、塩化亜鉛、塩化亜鉛アンモニウム、クエン酸塩化亜鉛、酢酸亜鉛、臭化亜鉛、シュウ酸亜鉛、硝酸亜鉛、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、リン酸亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、及び過酸化亜鉛などを用いることができる。
銅塩としては、安息香酸銅、ギ酸銅、クエン酸銅、酢酸銅、シュウ酸銅、酒石酸銅、ステアリン酸銅、銅アセチルアセトナート、塩化銅、塩化銅アンモニウム、酢酸銅、酸化銅、臭化銅、硝酸銅、炭酸銅、硫酸銅、リン化銅、水酸化銅、及び硫化銅などを用いることができる。
チタン塩としては、塩化チタン、三塩化チタン、四塩化チタン、硫酸チタン、二酸化チタン、酸化チタン、及びシュウ酸カリウムチタンなどを用いることができる。
アルミニウム塩としては、塩化アルミニウム、酢酸アルミニウム、臭化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、リン酸アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミニウムアセチルアセトナート、アルミニウムイソプロポキシド、酢酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム、シュウ酸アルミニウム、及びステアリン酸アルミニウムなどを用いることができる。
ニッケル塩としては、塩化ニッケル、クエン酸ニッケル、酢酸ニッケル、硝酸ニッケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、硫酸ニッケル、硫酸アンモニウムニッケル、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、硫化ニッケル、安息香酸ニッケル、ステアリン酸ニッケル、及びシュウ酸ニッケル用いることができる。
鉄塩としては、塩化鉄、クエン酸アンモニウム鉄、硝酸鉄、硫酸アンモニウム鉄、硝酸鉄、リン酸鉄、硫酸鉄、水酸化鉄、シュウ酸鉄、シュウ酸鉄アンモニウム、クエン酸鉄、デカン酸鉄などを用いることができる。
クロム塩としては、塩化クロム、酢酸クロム、臭化クロム、硝酸クロム、水酸化クロム、硫酸アンモニウムクロム、硫酸クロム、硫酸クロムアンモニウム、及びリン酸クロムなどを用いることができる。
ランタン塩としては、シュウ酸ランタン、酢酸ランタン、塩化ランタン、酢酸ランタン、硝酸ランタン、炭酸ランタン、及び水酸化ランタンなどを用いることができる。
イットリウム塩としては、塩化イットリウム、酢酸イットリウム、硝酸イットリウム、炭酸イットリウム、及びイットリウム水溶液などを用いることができる。
スカンジウム塩としては、スカンジウム水溶液などを用いることができる。
ニオブ塩としては、五塩化ニオブ、塩化ニオブ、イソプロポキシニオブ、エトキシニオブ、タンタル塩としては、五塩化タンタル、塩化タンタル、イソプロポキシタンタル、エトキシタンタル、メトキシタンタルなどを用いることができる。
モリブデン塩としては、塩化モリブデン、酸化モリブデン、三酸化モリブデン、七モリブデン酸六アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸、二硫化モリブデンなどを用いることができる。
タングステン塩としては、塩化タングステン、ケイタングステン酸、タングステン酸アンモニウム、酸化タングステン、三塩化タングステン、リンタングステン酸アンモニウム、タングステン酸、リンタングステン酸、六塩化タングステンなどを用いることができる。
本発明の流動接触分解触媒には、触媒の安定性、特に水熱安定性を付与するため、及び分解活性を向上させるために、所望により、ランタン、セリウム等の希土類元素を、5,000〜25,000質量ppmの範囲で担持することができる。
次に、本発明の流動接触分解触媒は、酸量が20〜450μmol/gであることを特徴とする。上記酸量が20μmol/g未満では硫黄化合物の分解、脱硫が不十分となり、一方、450μmol/gを超えると分解反応が進みすぎ、ガスやコークなどの目的外生成物の収率が高くなり、経済性が低下する。好ましい酸量は100〜400μmol/gの範囲、さらには200〜350μmol/gの範囲である。
なお、酸量は下記の方法で測定した値である。
<酸量>
触媒上の酸点に塩基性ガス(アンモニア、ピリジン)が強く吸着することを利用して、触媒の酸性質をアンモニア微分吸着熱測定法により測定する。吸着熱の大小で酸点の強度が評価でき、同時に吸着量から、酸量を求めることができる。吸着熱量は熱量計で直接測定し、吸着量は圧力変化から測定する。
また、本発明の流動接触分解触媒は、メソ細孔及びマクロ細孔を有するものであり、細孔径の範囲が20〜1,000Aであり、細孔径ピーク位置を20〜500Aの間に単一ピークとして有することが好ましい。特に、細孔径ピーク位置が90〜300Aの間に存在することが好ましい。また、細孔径40〜400Aの細孔容積が0.05〜0.5mL/gの範囲であることが好ましい。この範囲内であるとバナジウム等の金属を十分に担持させることができ、かつ、触媒の十分な機械的強度を得ることができる。
本発明の流動接触分解触媒は、マクロ細孔表面積が30〜150m2/gであることを特徴とする。上記マクロ細孔表面積が30m2/g未満では原料油の分解が十分ではないため、接触分解ガソリンの収率が低く、かつ脱硫も不十分となり、一方150m2/gを超えると大きな細孔が多くなりすぎ、分解活性が低下すると共に、脱硫も不十分となる。好ましいマクロ細孔表面積は、40〜120m2/gの範囲である。なお、ここでマクロ細孔とは、ゼオライトのミクロ細孔よりも大きい細孔をいう。
次に、本発明の流動接触分解触媒の製造方法について以下詳述する。
まず、担体である粉粒体は、ゼオライト、ゼオライト以外の多孔性無機酸化物及び粘土鉱物を混合することで調製し得る。混合した後、80〜300℃程度で乾燥、焼成してもよい。
この粉粒体にバナジウム金属を含有する方法としては特に制限はなく、バナジウムを含有する溶液を用いた常圧含浸法、真空含浸法、及び浸漬法が好適に用いられる。担持する際の溶液の温度は常温でも加温してもよいが、常温で行うことが好ましい。
上記、バナジウム金属の担持に用いる担持溶液は、バナジウム塩と各種無機酸、有機酸、無機塩等と溶液状態で混合させることで容易に得ることができる。この溶液の調製によって、バナジウムの多核錯塩を得ることができる。
ここで、用いるバナジウム塩としては、溶液として安定であれば特に限定されず、具体的には、ナフテン酸バナジウム、酸化バナジウムアセチルアセテート、シュウ酸バナジルなどの有機塩、メタバナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウム、オキシ二塩化バナジウム、オキシ三塩化バナジウム、オキシ硫酸バナジウムなどの無機塩が挙げられる。
バナジウム塩と無機酸又は有機酸を用いる系においては、これらを混合して水溶性のバナジウムヘテロポリ酸塩を調製し、これを粉粒体に担持することにより、本発明の流動接触分解触媒を得ることができる。ここで用いる無機酸としては、前記したように硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、過塩素酸、ホウ酸、及びピロリン酸が好ましく、これらは単独で、又は二種以上を混合して用いることができる。また、有機酸としては、シュウ酸、酢酸、クエン酸、グルタミン酸、グルコン酸、ステアリン酸、ギ酸、酒石酸、安息香酸、コハク酸、サリチル酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、アセチルサリチル酸、及びアミノ酸が好ましく、これらは単独で、又は二種以上を混合して用いることができる。
次に、バナジウムと他の金属を用いる系においては、本発明の流動接触分解触媒を調製するに際して用いる担持溶液は、バナジウム塩と他の金属の無機塩を用いて調製したバナジウムと他の金属の混合溶液であることが好ましい。ここで他の金属としては、前述したのと同様であり、具体的には、マンガン、マグネシウム、カルシウム、コバルト、亜鉛、銅、チタン、アルミニウム、ニッケル、鉄、クロム、ランタン、イットリウム、スカンジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン及びタングステンが挙げられる。また、無機塩としては、例えば、硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩、リン酸塩、ホウ酸塩、ピロリン酸塩、塩化物などが挙げられ、これらのうち、取り扱いやすさの点で、硫酸塩、アンモニウム塩、及びリン酸塩が好ましい。これらの金属の無機塩は一種を単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
バナジウムを担持させた後は、70〜200℃で乾燥することが好ましい。乾燥温度が70℃以上であると十分な乾燥が可能であり、一方、200℃以下であるとバナジウム金属が凝集することを抑制できる。以上の観点から、乾燥温度は100〜150℃の範囲がより好ましい。
また、乾燥を行った後、所望に応じて、500〜900℃の温度で酸素及び水蒸気の存在下スチーミング処理を行ったり、焼成処理することもできる。
本発明の流動接触分解触媒としては、上記の触媒を単独で使用する場合に加え、市販の流動接触分解触媒を触媒全量基準で0〜95質量%混合したものも含む。ここで、市販の流動接触分解触媒としては、平衡触媒であることが好ましく、特にバナジウム及び/又はニッケルの蓄積量が50〜20,000質量ppmであるものが好ましい。該平衡触媒の混合量は、原料油の性状、通油量、目的とする製品の量、目的とする製品の性状等によって、適宜決定されるものであるが、触媒全量基準で20〜90質量%の範囲であることがより好ましい。
また、本発明の流動接触分解触媒は、昇温プログラム還元法(Temperature Programmed Reduction;以下「TPR法」という。)により測定される水素還元ピークの温度が400〜750℃の範囲にあることが好ましい。該ピーク温度が400℃以上であると、バナジウムの適度な分散性が発現され、水素化性能の点で有利であり、750℃以下であればバナジウムと粉粒体との結合が強すぎることに起因するバナジウムの水素化性能の低下がない。
本発明の流動接触分解触媒は、原料油である直接脱硫装置から供給される脱硫残油又は重質留分に富んだ原料油から、ガソリン留分(FCCガソリン)及びLCOを製造する残油流動接触分解装置(RFCC)に好適に使用される。また、重質軽油、減圧軽油等を間接脱硫装置で脱硫処理して得られる脱硫重質軽油、脱硫減圧軽油、及び脱瀝軽油を原料として、FCCガソリン及びLCOを製造する流動接触分解装置(FCC)に好適に使用される。残油流動接触分解装置の原料油は硫黄含有量が高いため、製造されるFCCガソリン中の硫黄含有量は相対的に高くなるが、本発明の流動接触分解触媒を用いることで、硫黄含有量5〜200質量ppmのFCCガソリンを製造することができる。また、流動接触分解装置の場合には、本発明の流動接触分解触媒を用いることで、硫黄含有量5〜50質量ppmのFCCガソリンを製造することができる。
分解生成油(FCCガソリン)中の硫黄含有量は、用いる原料油の硫黄含有量及び流動接触分解装置の運転条件によって決定されるが、原料油である重質油の硫黄含有量が0.05〜0.7質量%である場合には、得られるFCCガソリン中の硫黄含有量は50質量ppm以下とすることが好ましい。また、得られるFCCガソリン中の、炭素数5の炭化水素の沸点に相当する温度(C5と記載する)〜210℃の沸点範囲を有する留分における硫黄含有量が30質量ppm以下であることが好ましく、さらには15質量ppm以下であることが好ましい。
本発明における流動接触分解の処理条件としては、通常、流動接触分解装置で用いられる条件であればよく、例えば、温度480〜650℃、好ましくは480〜550℃、反応圧力0.02〜5MPa、好ましくは0.2〜2MPaである。処理条件が上記範囲内であると、触媒の分解活性、及びFCCガソリンの脱硫率が高く好ましい。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
物性測定方法及び触媒評価方法
(1)昇温プログラム還元法(TPR法)による還元挙動
TPR法を用い、各実施例及び比較例で調製した触媒について、水素還元挙動を測定した。TPR法は、水素雰囲気中で昇温を行い、担持金属の還元挙動を調べ、金属の状態、特に担体との相互作用等を推察する手段である。以下に測定条件を示す。
前処理;空気雰囲気下、377℃、2時間処理
測定;10%水素/アルゴン気流中で、10℃/分の昇温速度で、30℃(300K)から1,027℃(1,000K)まで昇温し、水素の消費量を測定した。
(2)酸量;前述のアンモニア微分吸着熱測定法にて測定した。
(3)マクロ細孔表面積;細孔分布測定装置(カンタクローム社製「オートソーブ6」)を用いて、窒素吸着法にて測定し、T−プロット法により吸着等温線を解析して求めた。
(4)脱硫率;各実施例及び比較例で得られた触媒を連続式流動床ベンチプラントに充填し、硫黄含有量0.17質量%の水素化処理脱硫重質軽油を、反応温度535℃、反応圧力0.18MPa・G、触媒再生温度683℃、触媒/原料油比(質量比)7.0、原料油供給量950g/hrの条件で、分解・脱硫反応させた。
また、より重質の水素化処理脱硫重油を処理する場合には、硫黄含有量0.3質量%の水素化処理脱硫重油を、反応温度535℃、反応圧力0.18MPa・G、触媒再生温度720℃、触媒/原料油比(質量比)6.6又は6.8、原料油供給量750g/hrの条件で、分解・脱硫反応させた。
生成油は15段蒸留装置にて、沸点C5〜210℃の留分を接触分解ガソリンとして分取し、その硫黄含有量、窒素含有量を測定した。なお、硫黄の定量は、電量滴定法により、窒素の定量は化学発光法により行った。
(5)分解率;通常のMAT評価装置を用いて測定した。反応温度530℃、触媒/原料油比(質量比)4.0の条件で行った。ガソリン収率(質量%)、LCO収率(質量%)、コーク収率(質量%)、及び原料油転化率(質量%)にて評価した。
また、水素化脱硫重質油を処理する場合の反応温度は550℃とした。
実施例1
担体として、Y型ゼオライト20質量%及びアルミナ30質量%(いずれも流動接触分解触媒全量基準)からなる粉粒体を用意した。次いで、正リン酸15.8gを水100mLに溶解した水溶液中に、メタバナジン酸アンモニウム4.6gを入れ、攪拌混合し、最終的に190mLとなるように水を加えて、金属担持液Aを調製した。該担持液を担体500gに常圧含浸した。金属担持液AのpHは約1.6であった。その後、120℃、3時間の乾燥を行い、触媒Aを得た。バナジウム原子として担体に4,000質量ppm、リン原子として10,000質量ppm担持された。なお、第1表ではこのように調製された触媒を触媒(a)と表記する。
次に、該調製触媒を、擬似平衡化条件として、600℃、1時間空気中で焼成した後、スチーム濃度98容量%、空気濃度2容量%の条件で、温度760℃、6時間スチーミング処理を行った。該スチーミング処理触媒240gと、バナジウム870質量ppm、ニッケル500質量ppmが蓄積された流動接触分解平衡触媒(触媒H)1,360gとを均一に混合した。この混合触媒を用いて、上述の連続式流動床ベンチプラントにて評価した。なお、流動接触分解平衡触媒を第1表では触媒(b)と表記する。
また、MAT試験装置での試験においては、前記スチーミング処理触媒0.75gと流動接触分解平衡触媒(触媒H)4.25gとを混合して反応に供した。評価結果を第1表に示す。
実施例2
正リン酸を7.9gとしたこと以外は実施例1と同様にして金属担持液Bを調製し、触媒Bを得た。金属担持液BのpHは2.0であった。バナジウム原子として担体に4,000質量ppm、リン原子として5,000質量ppm担持された。
次に、触媒Bを実施例1と同様に、擬似平衡化処理を行い、前記触媒Hと混合し、連続式流動床ベンチプラント、MAT評価装置にて評価試験を行った。評価結果を第1表に示す。
実施例3
オキシ硫酸バナジウム(IV)・3〜5水和物8.9gと酢酸マンガン(II)・4水和物17.9gを水190mLに溶解し、バナジウム−マンガンの金属担持溶液Cを調製した。金属担持液Aに代えて、該金属担持液Cを用いたこと以外は実施例1と同様にして触媒Cを調製した。金属担持液CのpHは4.6であり、触媒中にバナジウム原子として4,000質量ppm、Mn原子として8,000質量ppm担持された。
次に、触媒Cを実施例1と同様に擬似平衡化処理を行い、触媒Hと混合し、連続式流動床ベンチプラント、MAT評価装置にて評価試験を行った。評価結果を第1表に示す。
実施例4
オキシ硫酸バナジウム(IV)・3〜5水和物13.4gとしたこと以外は、実施例3と同様にして金属担持液Dを調製し、触媒Dを得た。金属担持液DのpHは4.2であった。バナジウム原子として担体に6,000質量ppm、マンガン原子として8,000質量ppm担持された。
次に、触媒Dを実施例1と同様に擬似平衡化処理を行い、触媒Hと混合し、連続式流動床ベンチプラント、MAT評価装置にて評価試験を行った。評価結果を第1表に示す。
実施例5
硫酸ニッケル・6水和物4.5gを添加して金属担持液Eを調製し、含浸担持したこと以外は、実施例3と同様にして触媒Eを得た。金属担持液EのpHは4.5であった。バナジウム原子として担体に6,000質量ppm、マンガン原子として8,000質量ppm担持された。
次に、触媒Eを実施例1と同様に擬似平衡化処理を行い、触媒Hと混合し、連続式流動床ベンチプラント、MAT評価装置にて評価試験を行った。評価結果を第1表に示す。
実施例6
オキシ硫酸バナジウム(IV)・3〜5水和物8.9gとクエン酸・1水和物5gを水190mLに溶解し、バナジウム−クエン酸金属担持溶液Fを調製した。金属担持液Aに代えて、該金属担持液Fを用いたこと以外は実施例1と同様にして触媒Fを調製した。金属担持液FのpHは4.6であり、触媒中にバナジウム原子として4,000質量ppm、クエン酸として10,000質量ppmが担持された。
次に、触媒Fを実施例1と同様に擬似平衡化処理を行い、触媒Hと混合し、連続式流動床ベンチプラント、MAT評価装置にて評価試験を行った。評価結果を第1表に示す。
実施例7
触媒Dを用いて、実施例4と同様に擬似平衡化処理を行い、原料油に水素化処理脱硫重油を用いて評価試験を行った。評価結果を第1表に示す。
比較例1
メタバナジン酸アンモニウムのみをバナジウム金属換算で4,000質量ppmとなるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして触媒Gを調製した。次いで、該調製触媒を、実施例1と同様に擬似平衡化してスチーミング触媒を得、流動接触分解平衡触媒(触媒H)と混合して、混合触媒を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を第1表に示す。
比較例2
触媒Gを用い、比較例1と同様に擬似平衡処理を行い、原料油に水素化処理脱硫重油を用いて評価試験を行った。評価結果を第1表に示す。
比較例3
流動接触分解平衡触媒(触媒H)のみを用いたこと以外は実施例1と同様にして評価した。評価結果を第1表に示す。なお、全触媒充填量が実施例1と同様になるようにした。
Figure 2007054753
Figure 2007054753
*1 HGO;水素化処理重質軽油
RC;水素化処理脱硫重油
本発明の流動接触分解触媒によれば、流動接触分解装置を用いて分解処理及び脱硫処理をすることで、低硫黄含有量のガソリン留分を高収率で得ることができる。また、同時にLCO(ライトサイクルオイル)を効率的に製造することができ、過分解を抑制してコーク収率を低減することができる。

Claims (20)

  1. ゼオライトとゼオライト以外の多孔性無機酸化物及び/又は粘土鉱物とからなる粉粒体にバナジウムを担持した触媒であって、バナジウムの担持量がバナジウム金属換算で1,000〜20,000質量ppmであり、バナジウムの少なくとも一部が多核錯塩を形成しており、酸量が20〜450μmol/g、及びマクロ細孔表面積が30〜150m2/gであることを特徴とする流動接触分解触媒。
  2. 多核錯塩がバナジウム単独の又はバナジウムと他の異なる金属との2〜4核錯塩である請求項1に記載の流動接触分解触媒。
  3. 前記多核錯塩がイソポリ酸又はヘテロポリ酸である請求項1又は2に記載の流動接触分解触媒。
  4. ゼオライトとゼオライト以外の多孔性無機酸化物及び/又は粘土鉱物とからなる粉粒体にバナジウムを担持した触媒であって、バナジウムの担持量がバナジウム金属換算で1,000〜20,000質量ppm、酸量が20〜450μmol/g、及びマクロ細孔表面積が30〜150m2/gであり、バナジウムの担持がバナジウム含有溶液に無機酸、有機酸及び他の金属塩から選ばれる少なくとも1種を混合した担持溶液を担持してなる流動接触分解触媒。
  5. 無機酸が、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、過塩素酸、ホウ酸、及びピロリン酸から選ばれる少なくとも一種であり、有機酸が、シュウ酸、酢酸、クエン酸、グルタミン酸、グルコン酸、ステアリン酸、ギ酸、酒石酸、安息香酸、コハク酸、サリチル酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、アセチルサリチル酸、及びアミノ酸から選ばれる少なくとも一種であり、他の金属塩が、マンガン、マグネシウム、カルシウム、コバルト、亜鉛、銅、チタン、アルミニウム、ニッケル、鉄、クロム、ランタン、イットリウム、スカンジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、及びタングステンから選ばれる少なくとも一種の無機金属塩又は有機金属塩である請求項4に記載の流動接触分解触媒。
  6. バナジウムが担持溶液中で多核錯塩を形成している請求項4又は5に記載の流動接触分解触媒。
  7. 前記多核錯塩がイソポリ酸又はヘテロポリ酸である請求項6に記載の流動接触分解触媒。
  8. バナジウムがゼオライトの外表面、ゼオライト以外の多孔性無機酸化物及び粘土鉱物に担持される請求項1〜7のいずれかに記載の流動接触分解触媒。
  9. 多孔性無機酸化物が、アルミナ、シリカ、シリカ・アルミナ、チタニア、及びアルミナ・チタニアから選ばれる少なくとも一種である請求項1〜8のいずれかに記載の流動接触分解触媒。
  10. 粘土鉱物がカオリン又はベントナイトである請求項1〜9のいずれかに記載の流動接触分解触媒。
  11. さらに、バナジウム及び/又はニッケルの蓄積量が50〜20,000質量ppmである流動接触分解平衡触媒を、触媒全量を基準として0〜95質量%混合した請求項1〜10のいずれかに記載の流動接触分解触媒。
  12. 昇温プログラム還元法により測定される水素還元ピークの温度が400〜750℃の範囲にある請求項1〜11のいずれかに記載の流動接触分解触媒。
  13. ゼオライトとゼオライト以外の多孔性無機酸化物及び/又は粘土鉱物とからなる粉粒体にバナジウムを担持した触媒の製造方法であって、バナジウム塩と無機酸又は有機酸を混合して水溶性のポリ酸塩を調製し、これを粉粒体に担持することを特徴とする流動接触分解触媒の製造方法。
  14. 無機酸が硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、過塩素酸、ホウ酸、及びピロリン酸から選ばれる少なくとも一種であり、有機酸がシュウ酸、酢酸、クエン酸、グルタミン酸、グルコン酸、ステアリン酸、ギ酸、酒石酸、安息香酸、コハク酸、サリチル酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、アセチルサリチル酸、及びアミノ酸から選ばれる少なくとも一種である請求項13に記載の流動接触分解触媒の製造方法。
  15. ゼオライトとゼオライト以外の多孔性無機酸化物及び/又は粘土鉱物とからなる粉粒体にバナジウムを担持した触媒の製造方法であって、バナジウム塩と他の金属の塩を混合した水溶液を調製し、該水溶液を粉粒体に担持することを特徴とする流動接触分解触媒の製造方法。
  16. 他の金属がマンガン、マグネシウム、カルシウム、コバルト、亜鉛、銅、チタン、アルミニウム、ニッケル、鉄、クロム、ランタン、イットリウム、スカンジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、及びタングステンから選ばれる少なくとも一種の無機金属塩又は有機金属塩である請求項15に記載の流動接触分解触媒の製造方法。
  17. 請求項1〜12のいずれかに記載の流動接触分解触媒を用いて重質油を接触分解する低硫黄接触分解ガソリンの製造方法。
  18. 重質油中の硫黄含有量が0.05〜0.7質量%であり、得られる接触分解ガソリン中の硫黄含有量が50質量ppm以下である請求項17に記載の低硫黄接触分解ガソリンの製造方法。
  19. 得られる低硫黄接触分解ガソリン中のC5〜210℃沸点範囲における硫黄含有量が30質量ppm以下である請求項18に記載の低硫黄接触分解ガソリンの製造方法。
  20. 得られる低硫黄接触分解ガソリン中のC5〜210℃沸点範囲における硫黄含有量が15質量ppm以下である請求項18に記載の低硫黄接触分解ガソリンの製造方法。
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