JP2007054250A - 組織捕獲部材及び組織捕獲装置並びに組織保存容器及び内視鏡用処置具並びに内視鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】 生体組織を採取する際の作業を簡略化し、手技を効率良く行えるようにする。
【解決手段】 組織捕獲装置20は、ケース40に着脱自在な組織捕獲部材41を有し、組織捕獲部材41は、上蓋部47とフィルタ部48とが一体に形成されている。上蓋部47は、ケース40の底部40Bに平行な円盤部49を有し、この円盤部49と平行にフィルタ部48のフィルタ保持面57が形成されている。ケース40から組織捕獲部材41を取り外す際には、上蓋部47をケース40から取り出すとフィルタ部48が一緒に取り出され、かつ生体組織の脱落が防止される。
【選択図】 図4
【解決手段】 組織捕獲装置20は、ケース40に着脱自在な組織捕獲部材41を有し、組織捕獲部材41は、上蓋部47とフィルタ部48とが一体に形成されている。上蓋部47は、ケース40の底部40Bに平行な円盤部49を有し、この円盤部49と平行にフィルタ部48のフィルタ保持面57が形成されている。ケース40から組織捕獲部材41を取り外す際には、上蓋部47をケース40から取り出すとフィルタ部48が一緒に取り出され、かつ生体組織の脱落が防止される。
【選択図】 図4
Description
本発明は、組織を捕獲する組織捕獲部材、組織捕獲部材を含む組織捕獲装置、捕獲した組織を保存するための組織保存容器、組織捕獲装置を備える内視鏡用処置具、組織捕獲装置を備える内視鏡に関する。
体内の生体組織などの組織を採取する際には、内視鏡に挿通させた生検鉗子や、高周波スネアで生体組織を採取し、吸引チューブで吸引して体外の組織捕獲装置に回収することが知られている。この場合の組織捕獲装置としては、外筒に複数の収容室を有する内筒を挿入し、外筒の開口を蓋体で閉塞すると共に、蓋体に吸引チューブを接続し、外筒の底部に吸引ポンプのチューブを接続したものがある(例えば、特許文献1参照)。この組織捕獲装置では、収容室の底部に網目状保持壁が設けられており、吸引ポンプを駆動させると、生体組織が吸引チューブから収容室内に導かれ、網目状保持壁に捕獲される。生体組織と共に吸引された流体は、外筒の底部のチューブから排出される。
実開平6−38921号公報
従来の組織捕獲装置では、生体組織を捕獲した内筒を取り出すためには、最初に吸引チューブを蓋体から外さなければならかった。さらに、生体組織を検査室などに運ぶためには、外筒から内筒を取り出し、さらに内筒から生体組織を組織保存容器に移し替えなければならなかった。このように、従来の組織捕獲装置では、生体組織を捕獲した後の作業が煩雑であった。特に、内視鏡の手技を行う内視鏡室は暗いので、組織捕獲装置の蓋や、組織保存容器の蓋の取り扱いに手間取ったり、蓋を落としたりし易かった。このような問題は、生体組織を連続して採取するような、いわゆる連続生検の際には、さらに顕著になる。
この発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、生体組織を採取する際の作業を簡略化し、手技を効率良く行えるようにすることを主な目的とする。
この発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、生体組織を採取する際の作業を簡略化し、手技を効率良く行えるようにすることを主な目的とする。
上記の課題を解決する本発明の請求項1に係る発明は、採取した組織が送り込まれる容器の開口を塞ぐように着脱される上蓋部と、前記上蓋部に一体に設けられ、前記容器内に送り込まれた組織を捕獲する組織捕獲面が、前記容器の開口面と平行な前記上蓋部の内面に対向して配置されたフィルタ部と、を有することを特徴とする組織捕獲部材とした。
この組織捕獲部材は、容器の開口を塞ぐように装着する上蓋部に、組織を捕獲するフィルタ部が一体に設けられているので、上蓋部を容器に対して着脱するだけでフィルタ部が容器に対して着脱される。さらに、フィルタ部を挿入する容器の開口面に対して組織捕獲面が平行に配置されているので、組織捕獲部材を容器から取り外す際に、組織が組織捕獲面から脱落しない。
この組織捕獲部材は、容器の開口を塞ぐように装着する上蓋部に、組織を捕獲するフィルタ部が一体に設けられているので、上蓋部を容器に対して着脱するだけでフィルタ部が容器に対して着脱される。さらに、フィルタ部を挿入する容器の開口面に対して組織捕獲面が平行に配置されているので、組織捕獲部材を容器から取り外す際に、組織が組織捕獲面から脱落しない。
請求項2に係る発明は、採取した組織が送り込まれる容器の開口を塞ぐように着脱される上蓋部と、前記上蓋部に着脱自在に係合し、前記上蓋部と一体的に前記容器に収容可能かつ取り出し可能で、前記容器内に送り込まれた組織を捕獲する組織捕獲面が、前記容器の開口面と平行な前記上蓋部の内面に対向して配置されたフィルタ部と、を有することを特徴とする組織捕獲部材とした。
この組織捕獲部材では、容器の開口を塞ぐように装着する上蓋部に、組織を捕獲するフィルタ部を一体的に係合させてあるので、上蓋部を容器に対して着脱するだけでフィルタ部が容器に着脱される。さらに、フィルタ部を挿入する容器の開口面に対して組織捕獲面が平行に配置されているので、組織捕獲部材を容器から取り外す際に、組織が組織捕獲面から脱落しない。なお、組織捕獲部材を容器から取り外した後には、上蓋部とフィルタ部との係合を解除して分離させても良い。
この組織捕獲部材では、容器の開口を塞ぐように装着する上蓋部に、組織を捕獲するフィルタ部を一体的に係合させてあるので、上蓋部を容器に対して着脱するだけでフィルタ部が容器に着脱される。さらに、フィルタ部を挿入する容器の開口面に対して組織捕獲面が平行に配置されているので、組織捕獲部材を容器から取り外す際に、組織が組織捕獲面から脱落しない。なお、組織捕獲部材を容器から取り外した後には、上蓋部とフィルタ部との係合を解除して分離させても良い。
請求項3に係る発明は、採取した組織が送り込まれる容器と、前記容器の開口を覆うように着脱される上蓋部と、前記上蓋部と共に前記容器に収容可能かつ取り出し可能で、前記容器内に送り込まれた組織を捕獲する組織捕獲面が、前記容器の開口面と平行な前記上蓋部の内面に対向して配置されたフィルタ部と、前記上蓋部と前記フィルタ部によって前記容器内に仕切られた空間に連通する組織吸引管路と、前記組織吸引管路に対して前記組織捕獲面を挟むように配置される流体排出管路と、を有することを特徴とする組織捕獲装置とした。
この組織捕獲装置では、組織吸引管路を利用して容器内に送り込まれた組織を組織捕獲面に捕獲し、吸引に用いた流体は組織捕獲面を通過して排出管路から排出される。組織を取り出す際には、上蓋部を容器から外すと、フィルタ部が上蓋部と共に容器から取り外される。この際、組織捕獲面が取り出し方向に垂直に配置されているので、組織が組織捕獲面から脱落することはない。
この組織捕獲装置では、組織吸引管路を利用して容器内に送り込まれた組織を組織捕獲面に捕獲し、吸引に用いた流体は組織捕獲面を通過して排出管路から排出される。組織を取り出す際には、上蓋部を容器から外すと、フィルタ部が上蓋部と共に容器から取り外される。この際、組織捕獲面が取り出し方向に垂直に配置されているので、組織が組織捕獲面から脱落することはない。
請求項4に係る発明は、採取した組織を内部に保存するための組織保存容器であって、組織をフィルタ部の組織捕獲面に捕獲した組織捕獲部材を受け入れ可能で、前記組織捕獲部材の上蓋部によって閉塞可能な開口部を有し、前記開口部の開口面は、前記組織捕獲面と平行であることを特徴とする組織保存容器とした。
この組織保存容器は、組織を組織捕獲面に捕獲した組織捕獲部材が装着される。フィルタ部は、上蓋部を組織保存容器に装着することで組織保存容器内に収容され、組織は、例えば、保存液に浸漬される。
この組織保存容器は、組織を組織捕獲面に捕獲した組織捕獲部材が装着される。フィルタ部は、上蓋部を組織保存容器に装着することで組織保存容器内に収容され、組織は、例えば、保存液に浸漬される。
請求項5に係る発明は、採取した組織を内部に保存するための組織保存容器であって、組織を捕獲する組織捕獲面を有するフィルタ部に上蓋部が着脱自在に取り付けられた組織捕獲部材を受け入れ可能で、前記上蓋部によって閉塞可能な開口部を有し、底部の内側に前記組織捕獲部材の前記フィルタ部に係合する係合部が設けられていることを特徴とする組織保存容器とした。
この組織保存容器は、組織を組織捕獲面に捕獲した組織捕獲部材が装着される。フィルタ部は、上蓋部を組織保存容器に装着することで組織保存容器内に収容され、係合部に係合される。
この組織保存容器は、組織を組織捕獲面に捕獲した組織捕獲部材が装着される。フィルタ部は、上蓋部を組織保存容器に装着することで組織保存容器内に収容され、係合部に係合される。
請求項6に係る発明は、請求項3に記載の組織捕獲装置を備えることを特徴とする内視鏡用処置具とした。
この内視鏡用処置具では、組織を組織捕獲装置の組織捕獲面に捕獲することができる。組織を取り出す際には、上蓋部を容器から外すと、フィルタ部が上蓋部と共に容器から取り出される。この際、組織捕獲面が取り出し方向に垂直に配置されているので、組織が組織捕獲面から脱落することはない。
この内視鏡用処置具では、組織を組織捕獲装置の組織捕獲面に捕獲することができる。組織を取り出す際には、上蓋部を容器から外すと、フィルタ部が上蓋部と共に容器から取り出される。この際、組織捕獲面が取り出し方向に垂直に配置されているので、組織が組織捕獲面から脱落することはない。
請求項7に係る発明は、請求項3に記載の組織捕獲装置を備えることを特徴とする内視鏡とした。
この内視鏡では、内視鏡内の管路を用いて組織を組織捕獲装置の組織捕獲面に捕獲することができる。組織を取り出す際には、上蓋部を容器から外すと、フィルタ部が上蓋部と共に容器から取り出される。この際、組織捕獲面が取り出し方向に垂直に配置されているので、組織が組織捕獲面から脱落することはない。
この内視鏡では、内視鏡内の管路を用いて組織を組織捕獲装置の組織捕獲面に捕獲することができる。組織を取り出す際には、上蓋部を容器から外すと、フィルタ部が上蓋部と共に容器から取り出される。この際、組織捕獲面が取り出し方向に垂直に配置されているので、組織が組織捕獲面から脱落することはない。
本発明に係る捕獲部材、組織捕獲装置、内視鏡用処置具、内視鏡によれば、組織が送り込まれる容器に、組織を捕獲する組織捕獲面を有するフィルタ部を装着する際に、容器の開口部を閉鎖する上蓋部と一緒に取り扱うことが可能になるので、作業が容易になる。また、フィルタ部を容器から取り出す際にも上蓋部と一緒に取り扱うことが可能になるので、作業を確実に実施可能になり、かつ作業効率を向上させることができる。また、フィルタ部を取り扱う際に、組織捕獲面が組織の脱落を防止するように配置されているので、組織を確実に回収することができる。特に、連続生検を行う場合には、組織を効率良く回収できる。
本発明に係る組織保存容器では、組織を捕獲したフィルタ部を装着する際に、組織保存容器の開口部を閉鎖する上蓋部と一緒に取り扱うことが可能になるので、作業が容易になる。また、フィルタ部を組織保存容器から取り出す際にも上蓋部と一緒に取り扱うことが可能になるので、作業を確実に実施可能になり、かつ作業効率を向上させることができる。組織を保存する際に、組織保存容器に専用の蓋を装着する必要がなく、かつ組織捕獲部材から組織を取り出して組織保存容器に移し替える必要がないので、作業を簡略化することができる。また、フィルタ部を取り扱う際に、組織捕獲面が組織の脱落を防止するように配置されているので、組織を確実に、効率良く回収することができ、例えば、組織保存容器に保存液を貯溜させてある場合には、組織の脱落を防止しつつ保存液の流出を防止できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に第1の実施の形態に係る組織捕獲装置を含む内視鏡用処置具の構成を示す。
図1に示すように、内視鏡用処置具である生検鉗子1は、介助者が操作する操作部2と、操作部2の先端から延びる長尺の挿入部3と、挿入部3の先端に設けられ、生体内の組織(生体組織)を採取する先端処置部4とを有している。
図1に第1の実施の形態に係る組織捕獲装置を含む内視鏡用処置具の構成を示す。
図1に示すように、内視鏡用処置具である生検鉗子1は、介助者が操作する操作部2と、操作部2の先端から延びる長尺の挿入部3と、挿入部3の先端に設けられ、生体内の組織(生体組織)を採取する先端処置部4とを有している。
先端処置部4は、筒状の鉗子先端部5を有し、鉗子先端部5の先端部の外周には、一対のジョー6がピン7で開閉自在に取り付けられている。ジョー6においてピン7に軸支されている部分よりも基端側には、操作ワイヤ8が連結されており、ピン7よりも先端側には、生体組織を収容可能な組織収容空間9が互いに向かい合うように凹設されている。ここで、鉗子先端部5は中空の部材からなり、その内部には断面長円径の管10Aが挿入されている。この管10Aの内孔は組織吸引管路10を形成し、管10Aと鉗子先端部5との間の空間が送水管路11になっている。
挿入部3は、可撓性のシース12の内側に、一対の操作ワイヤ8と、組織吸引管路10とが挿通されている。したがって、挿入部3においても、組織吸引管路10と、送水管路11とが確保されている。
図1に示すように、操作部2は、細長の操作部本体15を有し、操作部本体15の先端部には挿入部3の基端部が挿入された状態で固定されている。操作部本体15には、長手方向で先端側から、組織捕獲装置20が取り付けられるケース取付部21と、スライダ22と、送水ポート23と、吸引スイッチ24とが配設されている。ケース取付部21は、操作部本体15の長手方向と直交するように突設されており、その一部に切り欠き部25が形成されている。切り欠き部25において、先端側に形成された円弧状の側部25Aには、組織吸引管路26が開口している。この組織吸引管路26は、挿入部3側の組織吸引管路10に連結されている。さらに、ケース取付部21の切り欠き部25において、側部25Aに対して直交する端面25Bには、流体排出管路27が開口している。
スライダ22は、操作部本体15の長手方向に沿って形成されたスリット15Aに摺動自在に取り付けられており、挿入部3から引き出された一対の操作ワイヤ8(図2参照)が固定されている。送水ポート23は、送水管路11に連通する管路(不図示)に連結されており、送水源となるシリンジ28を着脱自在な口金29を有している。吸引スイッチ24は、弾性部材30を介して操作部本体15の基端部に接続されており、操作部本体15に向けて吸引スイッチ24を押し込むと吸引を開始することができる。吸引スイッチ24は、操作部本体15内の流体排出管路27に連通可能な管路が形成されており、この管路には吸引チューブ31を介して吸引源32が接続されている。なお、吸引スイッチ24の基端には、術者が指をかけるリング33が形成されている。
図3及び図4に示すように、組織捕獲装置20は、有底筒状のケース40と、ケース41の開口部を覆うように着脱される組織捕獲部材41とからなる。ケース40の側部40Aの一部には、組織吸引管路26の一部をなす開口部42が形成されると共に、底部40Bに流体排出管路27の一部をなす開口部43が形成されている。ケース40は、ケース取付部21に固着されることが好ましいが、不図示の係合手段によって着脱自在に構成されても良い。さらに、図5に示すように、ケース40の内周で、底部40B近傍には、複数の位置決め溝44が周方向に等間隔に形成されている。さらに、ケース40の開口部には、引っ掛かり部45が径方向外側に向けてフランジ状に突設されている。
図3、図4及び図6に示すように、組織捕獲部材41は、ケース40側の引っ掛かり部45に係合可能な爪部46が形成された上蓋部47と、上蓋部47の下側に一体に形成されたフィルタ部48とを有している。上蓋部47は、ケース40の内径に略等しい外径で、かつ軸線A1に平行な断面視で凹形状の円盤部49を有し、円盤部49の外周面には、Oリング50を挿入可能な溝51が環状に形成されている。円盤部49の上面の中央からは、ツマミ52が軸線A1方向に延びている。ツマミ52は、円筒形状の一部が切り欠かれて平面視でD字形になっているが、切り欠きのない円筒形状でも良い。円盤部49の下面49A(内面)は、組織捕獲部材41をケース40に装着したときに、ケース40の底部40B及びケース40の開口面と平行になるように形成されている。
フィルタ部48は、上蓋部47の下方に設けられ、その外径はケース40の内径に略等しい。フィルタ部48は、周方向に等間隔に、かつ中心から放射状に延びる壁部55を有している。壁部55は、上蓋部47の円盤部49の下面49Aに一体に固定されている。このような壁部55によって、フィルタ部48には複数のフィルタ室56が形成されている。各フィルタ室56の底面56Aには、円形の組織捕獲面であるフィルタ保持面57が1個ずつ形成されている。フィルタ保持面57は、フィルタ部48をテーパ状に凹設した底面からからなり、フィルタ保持面57にはフィルタ部48を軸線A1方向に貫通する微小の貫通孔58が複数形成されている。したがって、流体はフィルタ保持面57を通過するが、生体組織はフィルタ保持面57にトラップされる。フィルタ室56の高さ、つまり上蓋部47の円盤部49の下面49Aとフィルタ室56の底面56Aとの間の距離は、生体組織が通過可能な大きさになっている。また、フィルタ部48の外周には、位置決め突起59が複数形成されている。この位置決め突起59は、図5に示すケース40側の位置決め溝44に係合可能に配置されている。さらに、フィルタ部48の底部48Bは、中心部が軸線A1方向に延び、この底部48Bのみがケース40の底部40Bに当接するようになっている。
また、図7及び図8に、組織捕獲部材41と共に使用することができる組織保存容器60を示す。組織保存容器60は、有底筒形状を有し、底部60Bと平行に開口する開口部が組織保存容器用フタ61で密閉されている。組織保存容器60内には、保存液62が収容されている。組織保存容器60の開口部の外周には、引っ掛かり部63がフランジ状に突設されている。組織保存容器用フタ61は、引っ掛かり部63に係合可能な爪部64が周方向に2つ延設されており、組織保存容器60内に引き込まれる側部の外周には、Oリング65を装着する溝66が環状に形成されている。なお、組織保存容器60は、組織捕獲装置20のケース40と等しい内径を有し、組織捕獲部材41を挿入可能になっている。
次に、この実施の形態の作用について説明する。
まず、図4に示すように、ケース40に組織捕獲部材41を装着する。位置決め突起59と位置決め溝44とを係合させることで、1つのフィルタ室56が組織吸引管路26と、流体排出管路27との間の流体経路上に配置される。上蓋部47とケース40とは、Oリング50によって気密が保持され、爪部46が引っ掛かり部45に係合することで、組織捕獲部材41の脱落が防止される。この状態で、生検鉗子1を不図示の内視鏡に挿通し、生体組織を採取する。より詳細には、スライダ22を後退させて、操作ワイヤ8を介して一対のジョー6の基端部を引き、ジョー6の先端部を閉じて、生検鉗子1の挿入部3を不図示の内視鏡に挿通し、先端処置部4を不図示の内視鏡先端から突き出す。その後、スライダ22を前進させて操作ワイヤ8を前進させ、一対のジョー6の先端部を開く。この状態で、生検鉗子1全体を前進させて目的の生体組織に押し当ててから、スライダ22を後退させる。操作ワイヤ8が後退して一対のジョー6の先端部が閉じ、組織収容空間9に生体組織が挟み込まれる。そして、生検鉗子1全体を引き戻すと、生体組織が引きちぎられる。次に、吸引スイッチ24を押し込んで吸引を開始すると共に、送水ポート23に装着したシリンジ28から送水を行う。
まず、図4に示すように、ケース40に組織捕獲部材41を装着する。位置決め突起59と位置決め溝44とを係合させることで、1つのフィルタ室56が組織吸引管路26と、流体排出管路27との間の流体経路上に配置される。上蓋部47とケース40とは、Oリング50によって気密が保持され、爪部46が引っ掛かり部45に係合することで、組織捕獲部材41の脱落が防止される。この状態で、生検鉗子1を不図示の内視鏡に挿通し、生体組織を採取する。より詳細には、スライダ22を後退させて、操作ワイヤ8を介して一対のジョー6の基端部を引き、ジョー6の先端部を閉じて、生検鉗子1の挿入部3を不図示の内視鏡に挿通し、先端処置部4を不図示の内視鏡先端から突き出す。その後、スライダ22を前進させて操作ワイヤ8を前進させ、一対のジョー6の先端部を開く。この状態で、生検鉗子1全体を前進させて目的の生体組織に押し当ててから、スライダ22を後退させる。操作ワイヤ8が後退して一対のジョー6の先端部が閉じ、組織収容空間9に生体組織が挟み込まれる。そして、生検鉗子1全体を引き戻すと、生体組織が引きちぎられる。次に、吸引スイッチ24を押し込んで吸引を開始すると共に、送水ポート23に装着したシリンジ28から送水を行う。
シリンジ28からの液体は、送水管路11を通って、閉状態のジョー6の組織収容空間9に流入する。そして、組織収容空間9内の生体組織と共に組織吸引管路10を通って体外に吸引される。組織吸引管路10に吸引された生体組織は、挿入部3内を通って操作部本体15の組織吸引管路26から、組織捕獲装置20のフィルタ室56に導かれ、フィルタ保持面57に捕獲される。液体は、貫通孔58を通って流体排出管路27から排出される。
連続生検を行う場合には、送水及び吸引を一度停止した後に、組織捕獲装置20のツマミ52を掴んで、組織捕獲部材41を軸線A1回りに所定角度回転させる。組織捕獲部材41の位置決め突起59と、ケース40の位置決め溝44の位置がずれて、生体組織を捕獲したフィルタ室56とは異なるフィルタ室56が組織吸引管路26及び流体排出管路27に連通する位置に配置される。ここで、ケース40の内周と、組織捕獲部材41のフィルタ部48の外周との隙間は、生体組織の大きさに比べて十分に小さいので、生体組織がフィルタ室56から脱離することはない。したがって、前記と同様にして先端処置部4で生体組織を引きちぎり、ジョー6を閉じた状態で送水及び吸引を行うと、フィルタ室56のフィルタ保持面57に新しい生体組織が1つ捕獲される。
生体組織の採取が終了したら、ツマミ52が上向きになるように姿勢を戻してから、ツマミ52を掴んで組織捕獲部材41をケース40から取り外す。図9に示すように、フィルタ保持面57は、ツマミ52に対して垂直に、かつケース40の開口面に平行に形成されているので、生体組織Wが脱落することなくケース40から取り出される。ケース40から取り出した後には、組織保存容器60内の保存液62に生体組織Wを浸漬させて病理検査室などに搬送する。この際、組織保存容器60は、組織保存容器用フタ61を取り外し、組織捕獲部材41をそのまま組織保存容器60に装着する。
フィルタ保持面57は、組織保存容器60に組織捕獲部材41を挿入する方向に対して垂直に形成されているので、生体組織Wはフィルタ室56内に収容されたままで、図10に示すように保存液62に浸漬される。このとき、組織保存容器60の引っ掛かり部63と、組織捕獲部材41の爪部46とが係合し、組織保存容器60が密閉されるので、搬送途中で保存液62などが外部に飛散することはない。また、組織保存容器60の内周と、組織捕獲部材41のフィルタ部48の外周との隙間は、生体組織Wの大きさに比べて十分に小さいので、生体組織Wがフィルタ保持面57から脱落することはない。生体組織Wを取り出すときには、爪部46の係合を解除してから、ツマミ52を掴んで組織捕獲部材41を組織保存容器60から引き上げる。図11に示すように、フィルタ保持面57は、組織捕獲部材41を引き上げる方向と垂直に、かつ組織保存容器60の底部60Bに平行な開口面と平行に形成されているので、生体組織Wがフィルタ保持面57から脱落することはない。
この実施の形態によれば、生体組織Wを手元側で回収する組織捕獲装置20をケース40と、組織捕獲部材41とから構成し、組織捕獲部材41の上蓋部47とフィルタ部48を一体に構成したので、上蓋部47をケース40に対して着脱するだけで、フィルタ部48をケース40に着脱することが可能になる。したがって、上蓋部47とフィルタ部48とを別々に取り扱う場合に比べ、作業性が向上する。特に、内視鏡室などのように、比較的に暗い室内で作業を行う場合に作業を容易に、かつ確実に行えるようになる。
ケース40の側部40Aに組織吸引管路26の開口部42を形成し、ケース40の底部40Bに流体排出管路27の開口部43を形成し、フィルタ部48によって仕切られフィルタ室56に流体を通流させて生体組織Wを捕獲するようにしたので、組織捕獲部材41を着脱する際に、従来のように管路を取り外したり、装着したりする必要がなくなる。したがって、作業効率が向上する。
ケース40の底部40Bに平行な上蓋部47の下面49Aと、フィルタ保持面57とを平行に配置したので、組織捕獲部材41をケース40から取り外す際に、生体組織Wがフィルタ保持面57から脱落することはない。特に、連続生検する場合のように、1つのフィルタ部48に複数の生体組織Wを捕獲する場合には、生体組織Wがケース40内に脱落して見分けが付かなくなることが防止される。
ケース40の側部40Aに組織吸引管路26の開口部42を形成し、ケース40の底部40Bに流体排出管路27の開口部43を形成し、フィルタ部48によって仕切られフィルタ室56に流体を通流させて生体組織Wを捕獲するようにしたので、組織捕獲部材41を着脱する際に、従来のように管路を取り外したり、装着したりする必要がなくなる。したがって、作業効率が向上する。
ケース40の底部40Bに平行な上蓋部47の下面49Aと、フィルタ保持面57とを平行に配置したので、組織捕獲部材41をケース40から取り外す際に、生体組織Wがフィルタ保持面57から脱落することはない。特に、連続生検する場合のように、1つのフィルタ部48に複数の生体組織Wを捕獲する場合には、生体組織Wがケース40内に脱落して見分けが付かなくなることが防止される。
また、生体組織Wを保存液62に浸漬して保存する際に、組織保存容器60に対して組織捕獲部材41を着脱すれば良いので、従来のようにフィルタから生体組織を取り出して移し替える作業が不要になる。上蓋部47とフィルタ部48を一体にすることで暗室において作業が容易、かつ確実に行えるようになることについては、前記と同様である。また、生体組織Wを保存液に浸漬させた後に、別体の蓋を組織保存容器60に取り付ける手間を省略することができる。
組織保存容器60の底部60Bに平行な上蓋部47の下面49Aと、フィルタ保持面57とを平行に配置したので、組織捕獲部材41を組織保存容器60に装着する際、及び組織保存容器60から組織捕獲部材41を取り出す際に、生体組織Wがフィルタ保持面57から脱落することが防止される。特に、連続生検する場合のように、1つのフィルタ部48に複数の生体組織Wを捕獲する場合には、複数の生体組織Wが組織保存容器60内に脱落して見分けが付かなくなることがなくなる。
組織保存容器60の底部60Bに平行な上蓋部47の下面49Aと、フィルタ保持面57とを平行に配置したので、組織捕獲部材41を組織保存容器60に装着する際、及び組織保存容器60から組織捕獲部材41を取り出す際に、生体組織Wがフィルタ保持面57から脱落することが防止される。特に、連続生検する場合のように、1つのフィルタ部48に複数の生体組織Wを捕獲する場合には、複数の生体組織Wが組織保存容器60内に脱落して見分けが付かなくなることがなくなる。
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態は、組織捕獲部材の上蓋部と、フィルタ部とが必要に応じて分離できることを特徴とする。なお、第1の実施の形態と同じ構成要素には、同一の符号を付してある。また、重複する説明は省略する。
図12に示すように、組織捕獲装置70は、操作部2に固定されるケース40と、ケース40に装着される組織捕獲部材71とを有している。なお、ケース40は、側部40Aの開口部42Aが組織吸引管路26を受け入れ可能に開口していること、及び底部40Bの開口部43Aが流体排出管路27の受け入れ可能に開口していることを除いて第1の実施の形態と同じである。
図12及び図13に示すように、組織捕獲部材71は、上蓋部72と、上蓋部72に嵌合させたフィルタ部73とから構成されている。上蓋部72は、円盤部49の外周に爪部46が設けられ、中央にはツマミ75が形成されている。ツマミ75は、円盤部49を変形させることで形成された中空の凸部からなり、平面視でD字形になっている。フィルタ部73は、放射状に延びる複数の壁部55が円盤部49の下面49Aに当接可能に設けられ、これら壁部55によってフィルタ保持面57を有するフィルタ室56が複数仕切られている。さらに、フィルタ部73の中央には、嵌合部76が突設されている。嵌合部76は、上蓋部72側のツマミ75の内側に嵌入可能な形状になっている。これにより、ツマミ75を回すと、上蓋部72と共にフィルタ部73が回転する。ここで、嵌合部76とツマミ75の係合力は、爪部46とケース40側の引っ掛かり部45との係合力よりも大きくなっている。
なお、図14及び図15に示すように、組織捕獲部材71は、組織保存容器60に装着された状態で保管、運搬されることが好ましい。ここで、嵌合部76とツマミ75の係合力は、爪部46と組織保存容器60側の引っ掛かり部63との係合力よりも大きくなっている。
この実施の形態の作用について説明する。
図16に示すように、最初に組織保存容器60から組織捕獲部材71を取り出し、上蓋部72にフィルタ部73を嵌合させた状態でケース40に装着する。生体組織Wを捕獲する作業は、第1の実施の形態と同じである。必要な生体組織Wの捕獲が終了したら、爪部46の係合を解除して組織捕獲部材71をケース40から取り外す。上蓋部72のツマミ75とフィルタ部73の嵌合部76との係合力が上蓋部72の爪部46と組織保存容器60の引っ掛かり部63との係合力よりも強いので、フィルタ部73は、上蓋部72と共にケース40から取り出される。この際に、フィルタ保持面57は、組織捕獲部材71の引き出し方向と垂直に、つまりケース40の開口面と平行に配置されているので、フィルタ保持面57から生体組織Wが脱落することはない。図17に示すように、生体組織Wを組織保存容器60に収容する際には、上蓋部72にフィルタ部73を嵌合させたままで組織保存容器60に装着する。組織保存容器60を組織捕獲部材71ごと検査室に搬送したら、爪部46の係合を解除し、上蓋部72を組織保存容器60から取り外す。上蓋部72のツマミ75とフィルタ部73の嵌合部76との係合力が上蓋部72の爪部46と組織保存容器60の引っ掛かり部63との係合力よりも強いので、フィルタ部73は上蓋部72と共に組織保存容器60から取り出される。この際、前記したように生体組織Wの脱落が防止される。
図16に示すように、最初に組織保存容器60から組織捕獲部材71を取り出し、上蓋部72にフィルタ部73を嵌合させた状態でケース40に装着する。生体組織Wを捕獲する作業は、第1の実施の形態と同じである。必要な生体組織Wの捕獲が終了したら、爪部46の係合を解除して組織捕獲部材71をケース40から取り外す。上蓋部72のツマミ75とフィルタ部73の嵌合部76との係合力が上蓋部72の爪部46と組織保存容器60の引っ掛かり部63との係合力よりも強いので、フィルタ部73は、上蓋部72と共にケース40から取り出される。この際に、フィルタ保持面57は、組織捕獲部材71の引き出し方向と垂直に、つまりケース40の開口面と平行に配置されているので、フィルタ保持面57から生体組織Wが脱落することはない。図17に示すように、生体組織Wを組織保存容器60に収容する際には、上蓋部72にフィルタ部73を嵌合させたままで組織保存容器60に装着する。組織保存容器60を組織捕獲部材71ごと検査室に搬送したら、爪部46の係合を解除し、上蓋部72を組織保存容器60から取り外す。上蓋部72のツマミ75とフィルタ部73の嵌合部76との係合力が上蓋部72の爪部46と組織保存容器60の引っ掛かり部63との係合力よりも強いので、フィルタ部73は上蓋部72と共に組織保存容器60から取り出される。この際、前記したように生体組織Wの脱落が防止される。
さらに、図18及び図19に示すように、フィルタ部73に対して上蓋部72を引き上げて、ツマミ75と嵌合部76の嵌合を解除させる。フィルタ保持面57の上方に平行に配置されていた上蓋部72が脱離してフィルタ保持面57の上方が大きく開くので、ここから生体組織Wを取り出す。
この実施の形態では、ケース40や、組織保存容器60に着脱する際には、上蓋部72とフィルタ部73とを一体的に取り扱うことができる。したがって、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。さらに、生体組織Wをフィルタ保持面57から取り出す際に、上蓋部72をフィルタ部73から離脱させるようにしたので、生体組織Wをフィルタ保持面57から取り出す作業が容易になる。
ここで、図20から図23に本実施の形態の変形例を示す。
図20に示すように、組織捕獲部材80の上蓋部81は、ツマミ75の上端部に環状のフランジ82が径方向外側に向けて延設されており、中央には貫通孔83が軸線と平行に形成されている。フィルタ部84は、嵌合部76の上端かつ中央からロッド状のプッシャ部85が軸線A3と平行に延設されている。プッシャ部85の外径は、上蓋部81の貫通孔83の内径に略等しい。なお、プッシャ部85の径は一定で、プッシャ部85の長さL1は、ツマミ75の長さL2よりも大きい。
図20に示すように、組織捕獲部材80の上蓋部81は、ツマミ75の上端部に環状のフランジ82が径方向外側に向けて延設されており、中央には貫通孔83が軸線と平行に形成されている。フィルタ部84は、嵌合部76の上端かつ中央からロッド状のプッシャ部85が軸線A3と平行に延設されている。プッシャ部85の外径は、上蓋部81の貫通孔83の内径に略等しい。なお、プッシャ部85の径は一定で、プッシャ部85の長さL1は、ツマミ75の長さL2よりも大きい。
生体組織Wを採取する際には、プッシャ部85を貫通孔83に挿通させ、上蓋部81にフィルタ部84を嵌合させた状態で使用する。ケース40に装着して生体組織Wを採取してから組織保存容器60に装着するまでの間は、上蓋部81とフィルタ部84の嵌合状態を維持したままで前記と同様にして作業を行う。図21に示すように、組織保存容器60から生体組織Wを取り出す際には、ツマミ75のフランジ82に下側から指を掛けて、プッシャ部85を押し込む。上蓋部81には上向きの力が作用する一方で、フィルタ部84には下向きの力が作用し、ツマミ75と嵌合部76の嵌合が解除される。その結果、図22及び図23に示すように、上蓋部81のみが組織保存容器60から取り出され、フィルタ部84は組織保存容器60内に留置される。この後は、組織保存容器60内にフィルタ部84を留置させたままで生体組織Wを取り出しても良いし、フィルタ部84を組織保存容器60から取り出してから、生体組織Wを取り出しても良い。
この組織捕獲部材80では、前記した組織捕獲部材71に比べて上蓋部81とフィルタ部84の嵌合を解除し易くなり、作業性がさらに向上する。なお、プッシャ部85は、嵌合部76に連なる基端部から先端部に向かって縮径するようにテーパ状に形成しても良い。この場合には、上蓋部81とフィルタ部84の係合を解除させる際に、プッシャ部85を押し込むに従って徐々に係合力が弱くなり、少ない力で係合を解除させることが可能になる。また、スナップフィットを用いてツマミ75と嵌合部76とを係脱できるようにしても良い。
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態は、組織捕獲部材の上蓋部と、フィルタ部とが必要に応じて分離でき、かつフィルタ部を組織保存容器に係合可能に構成したことを特徴とする。なお、第1、2の実施の形態と同じ構成要素には、同一の符号を付してある。また、重複する説明は省略する。
図24に示すように、組織捕獲部材90は、上蓋部81と、フィルタ部84とを有し、フィルタ部84の底部48Bの中央には、係合用凹部91が形成されている。係合用凹部91は、底面側が開放されたスリットからなり、スリットの閉塞端側は球形に切り欠かれている。
図25に示すように、組織保存容器100は、その底部60Bの内面中央に係合部である係合用凸部92が突設されている。係合用凸部92は、軸線A4方向に延びる円柱部分を有し、円柱部分の先端は球状に拡げられている。ここで、係合用凸部92と係合用凹部91との係合強さは、上蓋部81のツマミ75とフィルタ部84の嵌合部76の係合力よりも大きくなっている。
図25に示すように、組織保存容器100は、その底部60Bの内面中央に係合部である係合用凸部92が突設されている。係合用凸部92は、軸線A4方向に延びる円柱部分を有し、円柱部分の先端は球状に拡げられている。ここで、係合用凸部92と係合用凹部91との係合強さは、上蓋部81のツマミ75とフィルタ部84の嵌合部76の係合力よりも大きくなっている。
この実施の形態の作用について説明する。
組織捕獲部材90をケース40に装着し、生体組織Wを捕獲した後にケース40から取り出すまでは第2の実施の形態と同じである。図26に示すように、組織捕獲部材90を組織保存容器100に装着する際には、フィルタ部84の係合用凹部91に組織保存容器100の係合用凸部92が嵌入され、フィルタ部84と組織保存容器100とが係合される。生体組織Wを取り出す際には、爪部46の係合を解除して上蓋部81を引き上げる。前記したように、上蓋部81とフィルタ部84が係合する力よりも、係合用凸部92と係合用凹部91の係合力の方が大きい。したがって、図27に示すように、フィルタ部84が上蓋部81から外れて組織保存容器100に留置される。生体組織Wは、組織保存容器100内に留置されたフィルタ部84から取り出される。
組織捕獲部材90をケース40に装着し、生体組織Wを捕獲した後にケース40から取り出すまでは第2の実施の形態と同じである。図26に示すように、組織捕獲部材90を組織保存容器100に装着する際には、フィルタ部84の係合用凹部91に組織保存容器100の係合用凸部92が嵌入され、フィルタ部84と組織保存容器100とが係合される。生体組織Wを取り出す際には、爪部46の係合を解除して上蓋部81を引き上げる。前記したように、上蓋部81とフィルタ部84が係合する力よりも、係合用凸部92と係合用凹部91の係合力の方が大きい。したがって、図27に示すように、フィルタ部84が上蓋部81から外れて組織保存容器100に留置される。生体組織Wは、組織保存容器100内に留置されたフィルタ部84から取り出される。
この実施の形態によれば、組織保存容器100から上蓋部81を取り出すだけで、上蓋部81とフィルタ部84とを分離することができるので、生体組織Wを簡単に取り出せるようになる。その他の効果は、第2の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、前記の各実施の形態に限定されずに広く応用することができる。
例えば、図28に示すように、組織捕獲装置20を内視鏡110に一体的に取り付けることも可能である。内視鏡110は、体外で術者が操作をする内視鏡操作部111と、内視鏡操作部111の先端から延び、体内に挿入される内視鏡挿入部112とを有し、ユニバーサルケーブル113によって、不図示の制御装置や、送気・吸引源に接続されている。内視鏡操作部111には、内視鏡挿入部112の先端部を湾曲させるアングルノブ114や、種々のスイッチ115が配設されている。内視鏡操作部111の下方の側部には、処置具チャンネル116の開口が形成されており、ここから内視鏡用処置具である生検鉗子1が挿入される。内視鏡110内には、流体排出管118及び処置具チャンネル116に連通する組織吸引管路117が設けられており、組織吸引管路117は、組織捕獲装置20のケース40の側部40Aの開口部42に接続されている。流体排出管118は、ケース40の底部40Bの開口部43に接続されている。流体排出管118は、内視鏡110内及びユニバーサルケーブル113を通って不図示の吸引源に接続されている。この場合には、内視鏡110内の管路を使って生体組織Wを回収することが可能になるので、生検鉗子1の構成を簡略化することができる。組織捕獲装置20自体による効果は、第1の実施の形態と同じである。なお、第2、第3の実施の形態における組織捕獲部材を使用することも可能であり、その場合には対応する実施の形態の効果が得られる。
例えば、図28に示すように、組織捕獲装置20を内視鏡110に一体的に取り付けることも可能である。内視鏡110は、体外で術者が操作をする内視鏡操作部111と、内視鏡操作部111の先端から延び、体内に挿入される内視鏡挿入部112とを有し、ユニバーサルケーブル113によって、不図示の制御装置や、送気・吸引源に接続されている。内視鏡操作部111には、内視鏡挿入部112の先端部を湾曲させるアングルノブ114や、種々のスイッチ115が配設されている。内視鏡操作部111の下方の側部には、処置具チャンネル116の開口が形成されており、ここから内視鏡用処置具である生検鉗子1が挿入される。内視鏡110内には、流体排出管118及び処置具チャンネル116に連通する組織吸引管路117が設けられており、組織吸引管路117は、組織捕獲装置20のケース40の側部40Aの開口部42に接続されている。流体排出管118は、ケース40の底部40Bの開口部43に接続されている。流体排出管118は、内視鏡110内及びユニバーサルケーブル113を通って不図示の吸引源に接続されている。この場合には、内視鏡110内の管路を使って生体組織Wを回収することが可能になるので、生検鉗子1の構成を簡略化することができる。組織捕獲装置20自体による効果は、第1の実施の形態と同じである。なお、第2、第3の実施の形態における組織捕獲部材を使用することも可能であり、その場合には対応する実施の形態の効果が得られる。
また、各実施の形態において、内視鏡用処置具は、生検鉗子1に限定されずに、高周波スネアなどでも良い。
図4に例示される組織捕獲部材41などのフィルタ室56において、中心部寄りの傾斜面56Bは、フィルタ保持面57の周囲のテーパに連なる向きに形成されているが、この傾斜面56Bとは逆向きに傾斜するように形成しても良く、軸線に平行な面でも良い。
図4に例示される組織捕獲部材41などのフィルタ室56において、中心部寄りの傾斜面56Bは、フィルタ保持面57の周囲のテーパに連なる向きに形成されているが、この傾斜面56Bとは逆向きに傾斜するように形成しても良く、軸線に平行な面でも良い。
1 生検鉗子(内視鏡用処置具)
20,70 組織捕獲装置
26 組織吸引管路
27 流体排出管路
40 ケース(容器)
41,71,80,90 組織捕獲部材
47,72,81 上蓋部
49A 下面(内面)
48,73,84 フィルタ部
57 フィルタ保持面(組織捕獲面)
60,100 組織保存容器
92 係合用凸部(係合部)
110 内視鏡
W 生体組織(組織)
20,70 組織捕獲装置
26 組織吸引管路
27 流体排出管路
40 ケース(容器)
41,71,80,90 組織捕獲部材
47,72,81 上蓋部
49A 下面(内面)
48,73,84 フィルタ部
57 フィルタ保持面(組織捕獲面)
60,100 組織保存容器
92 係合用凸部(係合部)
110 内視鏡
W 生体組織(組織)
Claims (7)
- 採取した組織が送り込まれる容器の開口を塞ぐように着脱される上蓋部と、
前記上蓋部に一体に設けられ、前記容器内に送り込まれた組織を捕獲する組織捕獲面が、前記容器の開口面と平行な前記上蓋部の内面に対向して配置されたフィルタ部と、
を有することを特徴とする組織捕獲部材。 - 採取した組織が送り込まれる容器の開口を塞ぐように着脱される上蓋部と、
前記上蓋部に着脱自在に係合し、前記上蓋部と一体的に前記容器に収容可能かつ取り出し可能で、前記容器内に送り込まれた組織を捕獲する組織捕獲面が、前記容器の開口面と平行な前記上蓋部の内面に対向して配置されたフィルタ部と、
を有することを特徴とする組織捕獲部材。 - 採取した組織が送り込まれる容器と、
前記容器の開口を覆うように着脱される上蓋部と、
前記上蓋部と共に前記容器に収容可能かつ取り出し可能で、前記容器内に送り込まれた組織を捕獲する組織捕獲面が、前記容器の開口面と平行な前記上蓋部の内面に対向して配置されたフィルタ部と、
前記上蓋部と前記フィルタ部によって前記容器内に仕切られた空間に連通する組織吸引管路と、
前記組織吸引管路に対して前記組織捕獲面を挟むように配置される流体排出管路と、
を有することを特徴とする組織捕獲装置。 - 採取した組織を内部に保存するための組織保存容器であって、
組織をフィルタ部の組織捕獲面に捕獲した組織捕獲部材を受け入れ可能で、前記組織捕獲部材の上蓋部によって閉塞可能な開口部を有し、前記開口部の開口面は、前記組織捕獲面と平行であることを特徴とする組織保存容器。 - 採取した組織を内部に保存するための組織保存容器であって、
組織を捕獲する組織捕獲面を有するフィルタ部に上蓋部が着脱自在に取り付けられた組織捕獲部材を受け入れ可能で、前記上蓋部によって閉塞可能な開口部を有し、底部の内側に前記組織捕獲部材の前記フィルタ部に係合する係合部が設けられていることを特徴とする組織保存容器。 - 請求項3に記載の組織捕獲装置を備えることを特徴とする内視鏡用処置具。
- 請求項3に記載の組織捕獲装置を備えることを特徴とする内視鏡。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005242414A JP2007054250A (ja) | 2005-08-24 | 2005-08-24 | 組織捕獲部材及び組織捕獲装置並びに組織保存容器及び内視鏡用処置具並びに内視鏡 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7461038B2 (ja) | 2020-07-27 | 2024-04-03 | 株式会社アダチ | 捕集チャンバの保存容器 |
-
2005
- 2005-08-24 JP JP2005242414A patent/JP2007054250A/ja not_active Withdrawn
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