JP2007052653A - 防犯装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 周囲の環境に応じて警報音および案内音の音量を自動的に変更することが可能な防犯装置。
【解決手段】 防犯装置11が防犯センサ14を用いて侵入者等を検知した際(S12)に、メモリ19から警報音量設定値を読み出した後、警報音量設定値に基づいて警報音の音量を決定し、警報音の出力を行なう(S15)。そして出力された警報音をマイク17を用いて検出し、検出した警報音量(警報音量検出値)が許容警報音量の範囲内であるかを確認する(S17)。警報音量検出値が許容範囲を超える場合、警報音量設定値と警報音量検出値の差分を計算し、警報音量補正値を算出する(S18〜S20)。そして算出された警報音量補正値をもとに警報音量設定値を更新することにより(S21)、警報音量の変更(警報音量の増減)を行なう。
【選択図】 図2

Description

本発明は、音声案内に従い暗証番号を入力操作する防犯装置に関するものであり、特に警報音および案内音の音量制御方法に関する。
従来より、建物のドアや窓等に防犯センサを取り付け、防犯センサが作動(例えば移動物体の検知、振動の検知等)した際に警報音を発する防犯装置が知られている。防犯センサの種類としては、例えばマグネットセンサ、赤外線センサ、または振動検知センサ等が広く知られている。
例えばマグネットセンサは、ドアが開けられた際に、あらかじめドアおよびドア周辺部に設置された複数のマグネットが離反したことを磁力で検知することにより作動する防犯センサである。マグネットセンサが作動すると、防犯装置本体部に対してドア開閉検知の通知が送られる。通知を受けた本体部は、ブザー等の警報音発生装置を用いて警報音を発し、外部に対して報知を行う。また、集合住宅やオフィスビルなどのように防犯管理者(例えば警備会社等)が存在する場合、防犯装置は警報音を発すると共に通信回線(例えば電話回線等)を用いて防犯管理者に対して通報を行う。
防犯センサの作動を検知した防犯装置は、周囲に対して警報音を報知することを最優先とするため、その警報音は日常生活において人間が聴感する音量と比較して大きく設定されている。しかし一方、その音量を無条件に大きくしたのであれば騒音公害とみなされる可能性がある。防犯装置による警報音の音量は、それが周囲の環境に対して与える影響についても考慮されなければならない。
上記の問題について、特許文献1においては、設定および解除が比較的簡易な防犯モードと、解除が比較的困難な防犯モードとの二つの防犯モードを備えた防犯装置が開示されている。特許文献1の防犯装置においては、ユーザーが状況に応じて二つの防犯モードを選択的に指定することができるため、利便性が向上するという特徴がある。
また特許文献1の防犯装置は、防犯センサの作動を意図的に遅延させた防犯モードを備えている。この防犯モードによると、防犯センサを設定した後の一定時間内は防犯センサが作動しない。そのため、例えば前記一定時間内にユーザーが外出等を行ってセンサーに検知されたとしても、防犯センサが作動しないため、設置してから外出するまでの猶予期間を確保できる。猶予期間内であれば、例えば外出の際にユーザーが過って防犯センサーに触れ、警報音が報知されてしまうといった誤作動を防止することができる。
また、特許文献2においては、時刻情報をもとに防犯管理者の不在を判断し、不在である場合は警報音を出力しないでその他の通報(例えば表示パネルを用いた警報表示、通信回線を用いた通知等)のみを行う警報装置が開示されている。この防犯装置によると、防犯管理者不在の状態で警報音が出力されることにより、無駄に周囲に対して騒音を撒き散らすといった弊害を防ぐことが可能となる。
しかしながら上記特許文献1および特許文献2に開示されている発明は、防犯装置の運用面における利便性を考慮したものであり、警報音の音量調整に関する設計は開示も示唆もされていない。従って防犯センサが作動したときの警報音の音量は、音量調節スイッチによって設定するか、警報監視盤に予め設定された音量により定められている。また、暗証番号等の入力を促す案内音(案内音声)の音量についても、警報音と同じく音量調節スイッチによって設定するか、警報監視盤に予め設定された音量に定められている。つまり警報音や案内音の音量は、ユーザー操作により変更しない限り常に一定である。
しかしながら、警報音及び案内音の設定音量が一定であっても、周囲の状況や背景雑音の影響などにより人間の聴感音量は変化する。例えば、防犯装置の設置場所や建物の構造により、聴感音量も違ってくる。狭い密閉された空間や反響の豊かな場所では、反響により聴感音量は相対的に大きくなる。このように防犯装置の音量が大きすぎる場合、人間の聴覚への悪影響も考えられる。また例えば、広い開放された空間や反響の少ない場所では、聴感音量は相対的に小さくなる。さらに背景雑音がある場合、聴感音量が維持されていても、使用者が聞き取りにくい可能性がある。
また、ユーザーの聴覚以外に、近隣事情も配慮しなければならない。深夜時間帯などには、案内音の発声音量が大きいと隣人に迷惑をかける可能性がある。例えば、防犯装置が誤作動した場合などは、不必要に周囲の住民に対して騒音を散布することとなる。また、例え正常動作時であったとしても、防犯装置が設置された環境によっては音の反射などにより想定以上の音量となる場合がある。この場合、本来の防犯効果は得られるが、周囲の住民に対して不要な騒音問題を引き起こす可能性がある。また逆に、周囲の環境により想定以上の音量を得られない場合や、もしくは周囲の騒音により警報音が相殺されてしまう場合は、本来の防犯効果が得られず問題となる場合がある。
このように、例えば深夜等の周囲の雑音が比較的少ない時間帯においては、昼間と同じ音量であってもより広範囲に伝播し、人間の耳によって知覚されやすい(聴感音量が大きい)ため、騒音と見なされる可能性が相対的に高くなる。防犯装置は、異常を報知することを最大の目的とするが、同時に周囲の環境に対する配慮(騒音問題等)を考慮して設計される必要がある。
特開2000−3490号公報 特開2000−215369号公報
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、
周囲の環境及び時間帯に応じて警報音および案内音の音量を適切な音量に自動的に変更することと、
前記処理によって変更された音量を記憶し、次回より変更後の音量をもとに警報音を出力することと、
を特徴とする防犯装置を提供することを目的とする。
本発明の防犯装置は、
防犯センサと警報音発生部とを備え、
前記防犯センサの作動を検知した際に、前記警報音発生部を用いて警報音を出力する警報音発生手段と、
前記警報音発生手段において出力される前記警報音の音量値を設定する警報音量設定手段と、
を有する防犯装置において、
前記警報音発生手段により出力された前記警報音の音量を検出し、検出した結果を検出音量値として記憶する警報音量検出手段と、
前記警報音量設定手段により設定された前記音量値と、前記警報音量検出手段により検出された前記検出音量値とを比較して警報音量差分値を算出する音量値比較手段と、
前記警報音量差分値をもとに、前記警報音発生手段における前記警報音の音量を変更する警報音量変更手段と、
を備えたことを特徴とする。
この構成によると、
防犯装置が防犯センサを用いて侵入者等を検知した際に、予め定められている警報音量設定値(警報音の音量を定めた値)を読み出し、警報音量設定値に基づいて警報音の出力を行なう。出力された警報音は、マイク等の音量検出部により検出される。防犯装置の制御部は、検出された警報音量(検出音量値)と警報音量設定値との差分を算出する。検出音量値が警報音量設定値よりも大幅に大きい場合は、出力する警報音量を減少させる。逆に、検出音量値が警報音量設定値よりも大幅に小さい場合は、出力する警報音量を増加させる。
また本発明の防犯装置は、
前記音量値比較手段により得られた前記差分をもとに、前記警報音量設定手段において設定された前記音量値を変更する設定音量値変更手段と、
前記設定音量値変更手段において変更された前記音量値を記憶する変更後音量値記憶手段と、
を備えたことを特徴とする。
この構成によると、検出された警報音量と警報音量設定値との差分より、新しい警報音量設定値を算出する。例えば警報音量が警報音量設定値より10db大きい場合は、これまでの警報音量設定値から10dbマイナスした値が、新しい警報音量設定値として算出される。算出された新しい警報音量設定値はメモリ等の記憶部に記憶されている古い警報音量設定値に上書きされ、次回警報音を出力する際に使用される。
また本発明の防犯装置は、
防犯センサと警報音発生部とを備え、
前記防犯センサの作動を検知した際に、前記警報音発生部を用いて警報音を出力する警報音発生手段と、
ユーザーに対する操作案内を音声案内音を用いて行う音声案内手段と、
前記音声案内手段において出力される前記音声案内音の音量値を設定する音声案内音量設定手段と、
を有する防犯装置において、
前記警報音および前記音声案内音が出力されていない状態における前記防犯装置の周辺の雑音量を検出する雑音量検出手段と、
前記雑音量検出手段により検出された雑音量と、予め設定されている基準雑音量とを比較して雑音量差分値を算出する雑音量比較手段と、
前記雑音量差分値をもとに、前記音声案内手段における前記音声案内音の音量を変更する音声案内音量変更手段と、
を備えたことを特徴とする。
この構成によると、
防犯装置がセンサーによりユーザーの存在を検知したり、或いはユーザーより操作ボタン群等を用いた操作等を検知した際に、マイク等の音量検出部を用いて周囲の雑音量を検出する。そして検出した雑音量が、予め想定されている基準雑音量の範囲内であるかを確認する。雑音量が基準範囲を上回る場合、音声案内音量の増加を行う。雑音量が基準範囲を下回る場合、音声案内音量の減少を行う。
また本発明の防犯装置は、
現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、
前記現在時刻取得手段により取得された前記現在時刻が、一般的な人間が活動を行っている時間帯の範囲内であるかを判断する時間帯判定手段と、
前記雑音量差分値及び前記時間帯判定手段の判定結果をもとに、前記音声案内手段における前記音声案内音の音量を変更する時間帯音量変更手段と、
を備えたことを特徴とする。
この構成によると、
案内音声音を出力する際に現在の時刻情報を取得し、活動時間帯(世間一般の人間が起床して活動している時間帯)であるかどうかを確認する。確認結果をもとに、音声案内音の出力音量を決定する。例えば、昼間等の活動時間帯は比較的大きな音量で出力を行うが、夜間等の非活動時間帯は比較的小さな音量で出力を行い、周囲の環境に対する騒音となることを防ぐことが可能である。
本発明の第1の構成によれば、
防犯装置が異常を検知し、警報音を出力する場合において、予め想定された警報音量と、周囲の環境の影響により変化した実際の警報音量とに差異があるか判断し、想定以上の差異がある場合に、警報音量を自動的に補正する。これにより、適切な警報音量で警報音を報知することが可能である。また、周囲の環境の変化が激しい場合においても、警報音の出力を行う都度、音量検出および音量変更を自動的に行うため、常に適切な音量で警報音の出力が行われる。従ってユーザーが周囲の環境に応じて警報音量を手動で設定する必要がないため、ユーザーにとっての利便性が向上する。
本発明の第2の構成によれば、
補正された音量はメモリ等に記憶されるため、次回からは補正後の音量で警報音の出力が行なわれる。これにより次回からは、周囲の環境が変化しない限り、警報音発生の度に音量の補正を行なう必要がなく、適切な音量の警報音が出力することが可能である。また、次回警報音発生の際に再度音量の補正が行われたとしても、その補正量が前回補正量と比較して小さくなる可能性が高いという効果がある。
本発明の第3の構成によれば、
防犯装置がユーザーに対する操作案内のために音声案内音を出力する場合において、警報装置が設置された周囲の環境の雑音を検知し、雑音量が当初の想定を越えて大きい、或いは小さい場合に、音声案内音量を自動的に補正する。これにより、適切な案内音量で音声案内を行うことができる。例えば周囲の雑音が大きすぎる場合は音声案内音を増加させ、逆に周囲に雑音が全くない場合は、音声案内音を低下させる等により、周囲の環境にあわせた音量で音声案内を行うことが可能である。
本発明の第4の構成によれば、
周囲の雑音量が想定の範囲内である場合において、現在の時刻が一般的な人間の活動時間帯であるかどうかを判断し、判断結果により音声案内音量を変更する。これにより、例えば昼間は比較的大きな案内音量で案内音声を出力し、逆に夜間は比較的小さい案内音量で案内音声を出力する等、周囲の環境にあわせた音量で音声案内を行うことが可能である。
以下に、本発明の画像形成装置について、図面を参照しつつ説明する。
[実施の形態1]
〈1−1.防犯装置の要部構成〉
ここで、本発明の第一の実施形態における防犯装置の電気回路システムの要部構成を、図1を用いながら説明する。
図1に示すように、本発明の防犯装置11は少なくとも
CPU(制御部)12、防犯センサ13、センサI/F(インタフェース)14、操作ボタン群15、表示部16、マイク17、A/D変換部18、メモリ(記憶部)19、音声合成部21、音量制御回路22、スピーカ23、通信回路24、通信I/F25、電源回路26、電源I/F27を含むように構成されている。また本発明の防犯装置11は、通信I/F25を用いて外部の通信回線との接続が可能であり、また電源I/F27を用いて外部の電源との接続が可能である。
CPU(central processing unit)12は、防犯装置11の各部材の駆動を有機的に制御することにより警報音発生処理等を統括制御するための中央処理装置である。CPU12は、防犯装置11内の各部の制御や、データの計算、加工処理等を行なう中枢部分となっている。またCPU12は、リアルタイムクロック機能(現在の時刻情報を取得するための刻時機能)を保持している。取得された時刻情報は、後述する音量制御回路22等を用いた出力音量制御処理等において用いられる。
防犯センサ13は、マグネットセンサや赤外線センサ等を利用した検知器であり、例えば侵入者の検知や、火災発生の検知等に用いられる。防犯センサ13が作動(例えば侵入者を検知)すると、防犯センサ13より出力された電気信号が後述するセンサI/F14を経由してCPU12へ伝達される。電気信号を受けたCPU12は異常事態発生を判断し、後述する音量制御回路22等に対して警報音の出力制御を行う。
センサI/F14は、防犯センサ13から出力された電気信号(例えば侵入者の検知を通知する信号)をCPU12に対して中継するためのインタフェースである。
操作ボタン群15は、ユーザーが警報装置11の各種操作を行なうための入力インタフェースであり、例えば警戒状態から解除状態への移行等の操作に使用される。なお操作ボタン群15は、例えばプッシュボタンやタッチパネル、各種センサーなどから構成されている。
表示部16は、防犯装置11が保持する各種情報を、ユーザーに対して表示するための出力インタフェースである。例えば、メモリ19から読み出されたデータ、操作ボタン群15によって入力されたデータ、現在の警戒状態、および電源供給状態などが表示される。
マイク17は、警報装置11の外部の音声(例えば周囲の雑音、スピーカ23により出力された警報音等)を検出し、アナログ音声データとして取得するための入力インタフェースである。
A/D変換部18は、マイク17により取得されたアナログ音声データをデジタル音声データに変換するための変換部である。変換により得られたデジタル音声データはCPU12に伝達され、音量検出等の処理に用いられる。
メモリ19は、防犯装置11が保持する各種データを記憶する媒体であり、例えば書込可能なEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)等により構成されている。メモリ19は、例えば防犯センサ13により検知された検知結果や、マイク17およびA/D変換部18によって検出された音声データ、予め設定されている警報音の音量レベルの音量設定値である警報音量設定値等が記憶されている。メモリ19に記憶されているデータは、例えばCPU12が音量制御回路22を制御する際、或いはスピーカ23を用いて外部へ警報音を報知する際等に用いられる。
音声合成部21は、防犯装置11がユーザーに対して出力する音声メッセージの記憶および音声合成を行なう制御回路である。音声合成部21により作成された音声メッセージは、後述する音量制御回路22およびスピーカ23を経由して外部に出力される。
音量制御回路22は、メモリ19から読み出された警報音量設定値(警報装置11の製造時に予め設定されている警報音の音量レベルの音量設定値)を元に、各種音声信号(例えば警報音や案内音声を含んだ信号)の出力音量を調節する制御回路である。
スピーカ23は、音量制御回路22により音量調整された電気信号を音声に変換して出力するための拡声器である。
通信回路24は、CPU12が外部の通信回線(例えば電話回線、ISDN等)を用いて外部装置と通信を行なう際に、各種通信処理を制御するための制御回路である。
通信I/F25は、CPU12が外部の通信回線を用いて外部装置と通信を行なう際に、通信回路24と通信回線とを物理的に接続するための入出力インタフェースであり、例えばモジュラージャック等が用いられる。
電源回路26は、防犯装置11の各部材に電力を供給するための電力源であり、例えば外部電源より得られた電圧を各部材毎に適切な電圧に変換して電力を供給する役割を持つ。
電源I/F27は、電源回路26と外部電源(例えば交流100Vの家庭用電源)とを接続するための物理的なインタフェースであり、例えば電源コンセント等が用いられる。
〈1−2.警報音量制御の処理フローについて〉
ここで、本実施形態の防犯装置11の警戒状態における警報音量制御の処理フローを、図1のブロック図と、図2のフローチャートとを用いて説明する。
図2に示すように、本処理の初期状態における防犯装置11は警戒状態に設定されている(S11)。なお、解除状態から警戒状態への移行は、例えば操作部15を用いたユーザー操作などにより行なわれる。
防犯センサ14が侵入者を検知(例えば一定の質量、或いは熱量を持った物体の運動の検地等)した場合、防犯センサ14はセンサI/F13を経由して、検知した情報をCPU12に対して通知する(S12)。
上記S12により通知を受けたCPU12は、メモリ19より警報音量設定値をメモリ19から読み出す(S13)。警報音量設定値とは、警報音をスピーカ23より出力する際の出力量を規定するための値であり、一定の場所(防音室や無響室)を利用して基準調整が行われた値である。従って、警報音量設定値と実際の設置環境において観測される音量値とは必ずしも一致しない(環境により、観測音量は変化するため)。警報音量設定値は防犯装置11の工場出荷時に設定されるが、防犯装置11の設置時等にユーザー操作により一定の範囲内で変更可能であってもよい。
CPU12は、前記S13において読み込んだ警報音量設定値と音量制御回路22とを用いて警報音の出力量の制御を行なう(S14)。そしてスピーカ23を用いて警報音を発生させることにより、異常事態発生(不審者の侵入等)の報知を周囲に対して行なう(S15)。
CPU12は、スピーカ23を用いて警報音を出力した後、出力された警報音をマイク17を用いてアナログ電気信号としてとして検出する。検出されたアナログ電気信号は、A/D変換部18によりデジタル信号に変換され、CPU12に伝達される(S16)。
上記デジタル信号を受信したCPU12は、デジタル信号をもとに、警報音の音量を検出する。検出された音量(警報音量検出値)が、予め定められた規定範囲内(例えば65dbから75dbの範囲内)であるかどうかを判定する(S17)。警報音量検出値が規定範囲を超えない場合、警報音量の調整が不要であるため、継続して警報音の報知を行う。なお、警報音の報知は、例えばユーザーにより警報音解除用の暗証番号の入力等が行われるまで継続される(S22)。暗証番号が入力されることにより、警報装置11は警報音の出力を停止させ(S23)、解除状態に移行する(S24)。
上記S17において、警報音量検出値が規定範囲を超えている場合、警報音量の調整を行なう必要がある。この場合CPU12は、警報音量設定値をメモリ19から読み出し、警報音量設定値と警報音量検出値とを比較する。比較により得られた差分を、警報音量差分値としてメモリ19に記憶する(S18)。
前記S18における比較処理で、警報音量検出値が警報音量設定値よりも大きいと判定された場合、警報音の出力量を下げる必要がある。このため、CPU12は、警報音量差分値に基づき算出した警報音量補正値(警報音量設定値から警報音量差分を引いた値)と音量制御回路22とを用いて警報音の出力量の制御を行なう。これにより、スピーカ23により出力されている警報音の音量が変更される(S19)。
前記S18における比較処理で、警報音量検出値が警報音量設定値よりも小さいと判定された場合、警報音の出力量を上げる必要がある。このため、CPU12は、警報音量差分値に基づき算出した警報音量補正値(警報音量設定値に警報音量差分値を加えた、或いは差し引いた値)と音量制御回路22とを用いて警報音の出力量の制御を行なう。これにより、スピーカ23により出力されている警報音の音量が変更される(S20)。
CPU12は、前記S19或いは前記S20の結果得られた警報音量補正値を、メモリ19に記憶されている警報音量設定値に対して上書き(置換)する。これにより、警報装置11の製造時に予め設定された警報音量設定値が消去され、新たな警報音量設定値が設定される(S21)。この後、前記S14の処理に移行することにより、変更後の警報音量設定値により警報音の出力が継続して行なわれる。
〈1−3.本発明の種々ある特徴について〉
本実施形態によると、
防犯装置11が防犯センサ14を用いて侵入者等を検知した際(S12)に、メモリ19から警報音量設定値を読み出した後、警報音量設定値に基づいて警報音の音量を決定し、警報音の出力を行なう(S15)。そして出力された警報音をマイク17を用いて検出し、検出した警報音量(警報音量検出値)が許容警報音量の範囲内であるかを確認する(S17)。警報音量検出値が許容範囲を超える場合、警報音量設定値と警報音量検出値の差分を計算し、警報音量補正値を算出する(S18〜S20)。そして算出された警報音量補正値をもとに警報音量設定値を更新することにより(S21)、警報音量の変更(警報音量の増減)を行なう。
例えば防犯装置11の工場出荷時の警報音量設定値が70dbであり、かつ許容警報音量が65dbから75dbであったとする。そして仮に、検出された警報音量検出値が60dbであったとする。この場合、許容警報音量を下回るため警報音量の補正を行う必要がある。警報音量設定値(70db)と警報音量検出値(60db)との差分が10db(70db−60db)であるため、警報音量設定値(70db)に差分(10db)を加えた80dbが警報音量補正値として導き出される。そして警報音量補正値(80db)を、メモリ19に記憶されている警報音量設定値(70db)に上書きすることにより、警報音量設定値が80dbに変更される。なお、許容警報音量(この場合は65db〜75db)は警報音量検出値に対して用いられる値であり、警報音量設定値は許容警報音量の範囲内である必要はない。これは、警報音量設定値はあくまで一定の環境において検出される警報音量を基準として定められた値であるため、必ずしも実際の出力音量と一致しないことが想定されている値であるためである。
以上のように、警報装置11が設置された周囲の環境等の影響により、あらかじめ想定されていた警報音量と実際に検出された警報音量とに一定量以上の差異がある場合に、その差分を元に警報音量を自動的に補正する。これにより、適切な警報音量で警報音を報知することができる。また、補正された音量(警報音量補正値)はメモリ19に記憶されるため、次回からは補正後の音量で警報音の出力が行なわれる。これにより次回からは、周囲の環境が変化しない限り、警報音発生の度に音量の補正を行なうことなく、適切な音量の警報音が出力することが可能である。また逆に、周囲の環境の変化が激しい場合においても、警報音の出力を行う都度、上記音量検出および音量変更処理により自動的に適切な音量で警報音の出力が行われるため、ユーザーにとっての利便性が向上する。
[実施の形態2]
〈2−1.防犯装置の要部構成〉
[実施の形態1]の〈1−1.防犯装置の要部構成〉と同内容であるため、ここでは説明を省略する。
〈2−2.音声案内音量制御の処理フローについて〉
ここで、本実施形態の防犯装置11の解除状態における音声案内音量制御の処理フローを、図1のブロック図と、図3のフローチャートとを用いて説明する。
図3に示すように、本処理の初期状態における防犯装置11は解除状態に設定されている(S24)。なお、警戒状態から解除状態への移行は、例えば操作部15を用いたユーザー操作などにより行なわれる。
解除状態においてCPU12が、ユーザーによる操作ボタン群25を用いた操作を検知すると(S25)、CPU12はマイク17を用いて周囲の雑音の検出を行う。検出された雑音はA/D変換部18を用いてデジタル信号に変換され、CPU12に伝達される。A/D変換部18よりデジタル信号を受けたCPU12は、周囲の雑音の音量(雑音量検出値)が予め想定された一定の範囲内の音量(基準雑音量)であるかどうかを確認する(S26)。確認の結果、雑音量検出値が基準雑音量の範囲内である場合、次のS27に移行する。範囲外である場合、後述するS30に移行する。
前記S26において雑音量検出値が基準雑音量の範囲内であると判断された場合、CPU12は現在時刻の取得を行う。CPU12は取得された現在時刻が、活動時間帯(一般的な人間が起床して活動している時間帯)の範囲内であるかどうかの確認を行う(S27)。活動時間帯の範囲内である場合、予め定められた活動時間帯データ(活動時間帯において案内音を出力する際に使用する案内音量値)をメモリ19より読み込む(S28)。活動時間帯の範囲外である場合、予め定められた非活動時間帯データ(非活動時間帯において案内音を出力する際に使用する案内音量値)をメモリ19より読み込む(S29)。CPU12は読み出された活動時間帯データ或いは非活動時間帯データをもとに、案内音量設定値を変更する。変更された案内音量設定値がメモリ19に記録された後、後述するS33の処理に移行する。
前記S26において雑音量検出値が基準雑音量の範囲外であると判断された場合、CPU12は雑音量検出値が基準雑音量を下回っているか、或いは上回っているかの確認を行う(S30)。下回っている場合、案内音量設定値を減少させる(S31)。上回っている場合、案内音量設定値を増加させる(S32)。変更された案内音量設定値はメモリ19に記録された後、次のS33の処理に移行する。
CPU12は、前記S28、S29、S31、或いはS32においてメモリ19に記録された案内音量設定値と音量制御回路22とを用いて、案内音の出力量の制御を行なう(S33)。この結果、決定された出力量をもとに、スピーカ23より音声案内フレーズ(例えば「暗証番号を入力してください」等)が出力される。案内音に従ってユーザーが暗証番号の入力等の操作を行うことにより(S35)、例えば警報装置11が解除状態から警戒状態へ移行する(S37)。なお図4は、メモリ19に保存されている警報音及び案内音のフレーズの一例を示したテーブル図である。
〈2−3.本発明の種々ある特徴について〉
本実施形態によると、
防犯装置11がユーザーより操作ボタン群15を用いた操作等を検知した際に(S24)、マイク17を用いて周囲の雑音量を検出する。そして検出した雑音量が許容範囲内であるかを確認する(S26)。雑音量が許容範囲を超える場合、案内音量の増加、或いは減少を行う。(S30〜S32)。雑音量が許容範囲内である場合、時刻情報を取得し、活動時間帯であるかどうかを確認し(S27)、その結果をもとに案内音量の音量設定を行う(S28〜S29)警報音量の変更(警報音量の増減)を行なう。
これにより、警報装置11が設置された周囲の環境等の影響により、雑音量が当初の想定よりも大幅に大きい、或いは小さい場合に、案内音量を自動的に補正する。これにより、適切な案内音量で音声案内を行うことができる。また、雑音量が想定の範囲内である場合においても、現在の時刻が活動時間帯であるかどうかにより、案内音量を変更する。これにより、例えば昼間は比較的大きな案内音量で案内を行う、または夜間は比較的小さい案内音量で案内を行う等、状況に応じた案内音量を使い分けることが可能となる。
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
例えば前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、防犯装置11に供給し、その防犯装置11内のコンピュータ(例えばCPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読出されたプログラムコード自体が、前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
なお、プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記録媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
また例えば、前述した実施形態の機能を実現する装置の構造および制御方法が、警報装置以外の電子装置において、出力音量を制御するための目的として用いられたとしても同様の効果が達成されることは言うまでもない。
なお、本発明における音量制御機能を備えた音響装置を備えた電子装置としては、例えば、サイレン、アラーム、自動販売機、OA機器などが考えられる。
本発明の防犯装置の要部構成を示したブロック図である。 本発明の防犯装置における警報音の音量制御方法を示したフロー図である。 本発明の防犯装置における音声案内音の音量制御方法を示したフロー図である。 本発明の防犯装置における警報音および音声案内フレーズの一例を示したデーブル図である。
符号の説明
11 防犯装置
12 CPU(制御部)
13 防犯センサ
14 センサI/F
15 操作ボタン群
16 表示部
17 マイク(検出部)
18 A/D変換部
19 メモリ(記憶部)
21 音声合成部
22 音量制御回路
23 スピーカ

Claims (4)

  1. 防犯センサと警報音発生部とを備え、
    前記防犯センサの作動を検知した際に、前記警報音発生部を用いて警報音を出力する警報音発生手段と、
    前記警報音発生手段において出力される前記警報音の音量値を設定する警報音量設定手段と、
    を有する防犯装置において、
    前記警報音発生手段により出力された前記警報音の音量を検出し、検出した結果を検出音量値として記憶する警報音量検出手段と、
    前記警報音量設定手段により設定された前記音量値と、前記警報音量検出手段により検出された前記検出音量値とを比較して警報音量差分値を算出する音量値比較手段と、
    前記警報音量差分値をもとに、前記警報音発生手段における前記警報音の音量を変更する警報音量変更手段と、
    を有することを特徴とする防犯装置。
  2. 前記音量値比較手段により得られた前記差分をもとに、前記警報音量設定手段において設定された前記音量値を変更する設定音量値変更手段と、
    前記設定音量値変更手段において変更された前記音量値を記憶する変更後音量値記憶手段と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の防犯装置。
  3. 防犯センサと警報音発生部とを備え、
    前記防犯センサの作動を検知した際に、前記警報音発生部を用いて警報音を出力する警報音発生手段と、
    ユーザーに対する操作案内を音声案内音を用いて行う音声案内手段と、
    前記音声案内手段において出力される前記音声案内音の音量値を設定する音声案内音量設定手段と、
    を有する防犯装置において、
    前記警報音および前記音声案内音が出力されていない状態における前記防犯装置の周辺の雑音量を検出する雑音量検出手段と、
    前記雑音量検出手段により検出された雑音量と、予め設定されている基準雑音量とを比較して雑音量差分値を算出する雑音量比較手段と、
    前記雑音量差分値をもとに、前記音声案内手段における前記音声案内音の音量を変更する音声案内音量変更手段と、
    を有することを特徴とする防犯装置。
  4. 現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、
    前記現在時刻取得手段により取得された前記現在時刻が、一般的な人間が活動を行っている時間帯の範囲内であるかを判断する時間帯判定手段と、
    前記雑音量差分値及び前記時間帯判定手段の判定結果をもとに、前記音声案内手段における前記音声案内音の音量を変更する時間帯音量変更手段と、
    を有することを特徴とする請求項3に記載の防犯装置。
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