JP2007051989A - 多回転式絶対値エンコーダ用発電装置及び発電装置を備えた多回転式絶対値エンコーダ - Google Patents

多回転式絶対値エンコーダ用発電装置及び発電装置を備えた多回転式絶対値エンコーダ Download PDF

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Abstract

【課題】バックアップ電池を用いずに、多回転式絶対値エンコーダにバックアップ電源を供給する。
【解決手段】主電源からの電力供給が停止した状態で、回転部101が外力により回された場合、磁石102とヨーク104が接近するとヨーク104内の磁束が変化し、導電コイル105に誘導電流が発生する。発生した電流はリード線106を通りダイオード107に流れて整流され蓄電装置108に蓄積される。蓄電装置108に蓄積された電気量が、負荷となる多回量転検出部に供給される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロボットや工作機などに使用するサーボモータの多回転量を絶対角度で検出する多回転式絶対値エンコーダに電力を供給する多回転式絶対値エンコーダ用発電装置及び発電装置を備えた多回転式絶対値エンコーダに関する。
従来の多回転式絶対値エンコーダは、停電時や電源遮断中など主電源からの電力供給が停止した場合の絶対回転量データの保持のために、外部にバックアップ電池を設けていた(例えば、特許文献1)。
図5において、入力軸201に対し絶対回転角度検出部202と絶対回転量検出部203とが連携配備されたもので、絶対回転量検出部203は、入力軸201の多回転量を検出するためのものであり、入力軸201の回転量に応じた電気信号を発生させる信号発生部209と、この信号発生部209からの電気信号に基づき計数動作すると共にその計数内容を常時保持するための計数部210と、この計数部210の電源をバックアップするためのバックアップ電池211とから構成されている。
このように、従来の多回転式絶対値エンコーダ装置は、主電源からの電力供給が止まった場合に、バックアップ電池により計数部に電力を供給し多回転量を保持するのである。
特開昭63−158402号公報(第4頁、第1図)
従来の多回転式絶対値エンコーダ装置は、外部電源で多回転量を保持する方式となっていて、万一バックアップ電池が消耗していた場合に、主電源からの電力供給が止まると絶対回転量データを保持することができないという問題があった。また、バックアップ用電池は一定期間ごとに更新する必要があり、その度にシステムを停止せねばならなかった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、バックアップ電池なしでバックアップ用電力を供給することができる多回転式絶対値エンコーダ用発電装置及び発電装置を備えた多回転式絶対値エンコーダを提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1に記載の発明は、被検出回転軸に設けた多回転式絶対値エンコーダの回転部に固着された1個または複数個の磁石と、前記多回転式絶対値エンコーダの非回転部に配置された筐体と、前記筐体内に配置された導電コイルと、前記導電コイルの中央部に配置され前記筐体に固定されたヨークと、前記導電コイルに発生した電気量を整流する整流装置と、前記電気量を蓄積する蓄電装置と、を備えたことを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、被検出回転軸に設けた多回転式絶対値エンコーダの回転部に固着された1個または複数個の第1の磁石と、前記多回転式絶対値エンコーダの非回転部に両端をバネで支持されて配置された筐体と、前記筐体内に配置された導電コイルと、前記導電コイルの中央部に配置され前記筐体に固定されたヨークと、前記ヨークの近傍に前記筐体と非接触の状態で配置された第2の磁石と、前記導電コイルに発生した電気量を整流する整流装置と、前記電気量を蓄積する蓄電装置と、を備えたことを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、被検出回転軸に設けた多回転式絶対値エンコーダの回転部に固着された1個または複数個の第1の磁石と、前記多回転式絶対値エンコーダの非回転部に両端をバネで支持されて配置された筐体と、前記筐体内に配置された導電コイルと、前記導電コイルの近傍に前記筐体と非接触の状態で配置された第2の磁石と、前記筐体に固着され、前記第1の磁石の磁石が接近したときに反発力を発生するように配置された第3の磁石と、前記導電コイルに発生した電気量を整流する整流装置と、前記電気量を蓄積する蓄電装置と、を備えたことを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明は、前記筐体は、前記回転部に固着された前記磁石又は前記第1の磁石が最も接近した時に対向するように配置されたことを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明は、前記第1の磁石の1個が、前記回転体の原点位置近傍で前記第3の磁石と対向するよう配置されていることを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明は、前記バネは剛性率の小さい黄銅線、洋白線、りん青銅線、ベリリウム銅線のいずれかを用いたことを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明は、多回転式絶対値エンコーダが請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多回転式絶対値エンコーダ用発電装置を備えたことを特徴としている。
請求項1から4に記載の発明によると、磁石と電磁コイルの相対運動を利用して発電することによって、主電源からの電力供給が停止した場合にバックアップ電力を供給できるので、バックアップ電池が不要となり電池交換を不要にすることができ、また、バックアップ電池の消耗による絶対回転量データの消失を防止できるという効果がある。
請求項2に記載の発明によると、筐体が非回転部に両端をバネで支持され、ヨークの近傍に第2の磁石が配置されているので、請求項1の効果に加え、筐体の振動で発生する発電も利用できる発電量が増加し、バックアップ電力供給量を増加することができる。
請求項3に記載の発明によると、筐体に第1の磁石が接近したときに反発力を発生するように第3の磁石を配置しているので、筐体の振動が大きくなり、筐体の振動で発生する発電量がさらに増加する。
請求項5に記載の発明によると、原点位置近傍で第3の磁石と対向するよう第1の磁石を配置すれば、回転量をカウントする原点位置付近で確実にバックアップ電源が得られる。
請求項6に記載の発明によると、バネは剛性率の小さい黄銅線、洋白線、りん青銅線、ベリリウム銅線のいずれかを用いれば、筐体の振動回数が増え、発電量が増加する。
請求項7に記載の発明によると、多回転式絶対値エンコーダが、発電装置を備え、外部に電源をバックアップするためのバックアップ電池を必要としないので、保守性の良い多回転式絶対値エンコーダが実現できる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施例を示す多回転式絶対値エンコーダ用発電装置の構成図である。図において、101は多回転式絶対値エンコーダの回転部、102は回転部101の表面に固着された磁石である。103は筐体で、略円筒状の導電コイル105と、導電コイル105の中央部に配置され筐体103に固定されたヨーク104が配置されている。ヨーク104は高透磁率材料で構成されている。
107は導電コイル105に発生した電気量を整流する整流装置、108は発生した電気量を蓄積する蓄電装置である。本実施例では、整流装置107にはダイオードを、蓄電装置108には大容量のコンデンサを用いた。なお、蓄電装置108は、ダイオード106を通して図示しない主電源に接続され、主電源動作時は、主電源から電源が供給される。
次に本発明の動作について説明する。
多回転式絶対値エンコーダは、回転部101の1回転内の角度を検出する回転角度検出部と多回転量を検出する多回転量検出部を備えているが、多回転量検出部は、主電源が停止し、回転部101が外力等により回された場合、多回転量を更新する必要がある。
図1において、蓄電装置108は、ダイオード106を通して主電源に接続され、主電源動作時は、主電源から図示しない多回転量検出部へ電源が供給される。
主電源が遮断され回転部101が停止すると、多回転量検出部内の図示しない書き換え可能な不揮発性メモリに多回転量が保持される。
主電源からの電力供給が停止した状態で、回転部101が外力により回された場合、磁石102とヨーク104が接近するとヨーク104内の磁束が変化し、導電コイル105に誘導電流が発生する。発生した電流はリード線を通りダイオード107に流れて整流され蓄電装置108に蓄積される。蓄電装置108に蓄積された電気量が、負荷となる多回転量検出部に供給され、多回転量を更新する。
このように本実施例では、磁石とヨーク間の相対位置で発生するコイル内の誘導電流を利用した発電装置を備えているので、バックアップ電池なしで、回転量検出部にバックアップ電源を供給することができる。また、本発電装置を多回転式絶対値エンコーダに適用することによって、電池交換等の定期的な点検作業が不要になり、保守性の良い多回転式絶対値エンコーダが実現できる。
図2は、本発明の第2実施例を示す多回転式絶対値エンコーダ用発電装置の構成図である。
図において、111はバネで、筐体103は、両端がバネ111を介してエンコーダの支持部114に固定されている。112は第2の磁石で、前記回転部101とは反対側の筐体103の近傍に配置されている。なお、筐体103は図示しない部材によって、バネ111の圧縮、伸長方向以外の動きは規制されている。また、バネ111には、剛性率の小さい黄銅線を用いた。
本実施例が第1実施例と異なる点は、筐体103がバネ111を介してエンコーダの支持部114に固定されていることと、磁石102(第1の磁石)の他に第2の磁石112を備えている点である。その他の構成については第1実施例と同じであるのでその説明を省略する。
次に本発明の動作について説明する。
第1の磁石102とヨーク104が接近するとヨーク104内の磁束が変化し、導電コイル105に誘導電流が発生する動作については、実施例1と同じである。本実施例では筐体103がバネ111でエンコーダ支持部114に固定されているので、第1の磁石102とヨーク104が接近し、吸引力が働いたときに筐体103の位置が変化し、第2の磁石112による導電コイル105との磁束鎖交数が変化する。これによって、導電コイル105に誘導電流が発生する。また、第1の磁石が筐体から離れた後も、吸引力で加振された筐体の振動が持続するので、導電コイル105に磁束変化が発生し、これによる誘導電流が発生する。
このように本実施例では、第1の磁石による磁束変化に加えて第2の磁石による磁束変化によって導電コイルに発生する誘導電流を蓄電し、バックアップ電源としているので、蓄電量をさらに増加させることができる。また、バネに剛性率の小さい黄銅線、洋白線、りん青銅線、又はベリリウム線を用いれば、第1の磁石が筐体から離れた後も、吸引力で加振された筐体の振動が持続する。これによって、導電コイルには、第2の磁石による磁束の磁束変化が発生し、誘導電流を得ることができる。
図3は、本発明の第3実施例を示す多回転式絶対値エンコーダ用発電装置の構成図である。
図において113は第3の磁石である。第3の磁石113は、回転部101が回転し、第1の磁石102が接近したときに反発力が働くよう磁極の向きが設定され、筐体103に固着されている。
本実施例が第2実施例と異なる点は、筐体103に第3の磁石113を固着した点と、筐体103内からヨーク104を除いた点である。その他の構成については、第2実施例と同じである。
次に本実施例の動作について説明する。
図4は本実施例の動作を示す多回転式絶対値エンコーダ用発電装置の側面図の一部である。図4(a)は、回転部101が回転し、第1の磁石102が紙面左側から第3の磁石113に接近したときの図である。このとき、第1の磁石102と第3の磁石113間の反発力によって、第3の磁石113を右側に寄せる力が働き、筐体103を支えているバネ111の左側のバネには引っ張られ、右側のバネは圧縮される。バネ111には筐体を左に戻そうとする力が発生する。さらに回転体が同一方向に回転すると、第1の磁石102は第3の磁石113の右側に移動する。この状態になると、磁石の反発力は第3の磁石113を左側に戻す力になり、筐体を左に戻そうとする力バネの力と加え合わされ、急激に筐体は紙面左側に大きく移動する。図4(b)はこのときの、すなわちバネの力によって筐体が紙面左側に大きく移動したときの図である。このように、本実施例では第1の磁石102が第3の磁石113の近傍を通過するときに、第1の磁石102と第3の磁石113の反発力によって、筐体103が大きく変位し、導電コイル105には、第3の磁石113による磁束変化によって誘導電流が発生する。
なお、筐体103と第3の磁石113の相対運動の回数が多いほど蓄電装置に蓄積される電気量は多くなるので、バネ111の減衰係数はできるだけ小さいほうが望ましい。バネの減衰係数を小さくするには、バネの形状が同じならばバネの材質の剛性率が小さいほうが減衰係数が小さくなるので、黄銅線、洋白線、りん青銅線、ベリリウム銅線などのバネ材料を用いるのが望ましい。
このように本実施例では、磁石の反発力によって、バネで支えられた筐体を大きく動かすので、導電コイルと鎖交する第3の磁石が発生する磁束が大きく時間変化し、導電コイルに大きい誘起電圧が発生する。
また、本実施例の発電装置を多回転式絶対値エンコーダに適用し、誘起電圧の発生する回転位置を回転体の原点位置近傍にすることによって、回転量を検出するときに必ずバックアップ電源が得られる。
回転体の回転を利用して発電できるので、モータを有する装置の補助電源として広く適用できる。
本発明の第1実施例を示す多回転式絶対値エンコーダ用発電装置の構成図 本発明の第2実施例を示す多回転式絶対値エンコーダ用発電装置の構成図 本発明の第3実施例を示す多回転式絶対値エンコーダ用発電装置の構成図 本発明の第3実施例の動作を示す多回転式絶対値エンコーダ用発電装置の構成図 従来の多回転式絶対値エンコーダ装置の構成図
符号の説明
101 回転部
102 磁石(第1の磁石)
103 筐体
104 ヨーク
105 導電コイル
106 ダイオード
107 整流装置(ダイオード)
108 蓄電装置
111 バネ
112 第2の磁石
113 第3の磁石
114 支持部
201 入力軸
202 絶対回転角度検出部
203 絶対回転量検出部
204 ケース
209 信号発生部
210 計数部
211 バックアップ電池

Claims (7)

  1. 被検出回転軸に設けた多回転式絶対値エンコーダの回転部に固着された1個または複数個の磁石と、
    前記多回転式絶対値エンコーダの非回転部に配置された筐体と、
    前記筐体内に配置された導電コイルと、
    前記導電コイルの中央部に配置され前記筐体に固定されたヨークと、
    前記導電コイルに発生した電気量を整流する整流装置と、
    前記電気量を蓄積する蓄電装置と、
    を備えたことを特徴とする多回転式絶対値エンコーダ用発電装置。
  2. 被検出回転軸に設けた多回転式絶対値エンコーダの回転部に固着された1個または複数個の第1の磁石と、
    前記多回転式絶対値エンコーダの非回転部に両端をバネで支持されて配置された筐体と、
    前記筐体内に配置された導電コイルと、
    前記導電コイルの中央部に配置され前記筐体に固定されたヨークと、
    前記ヨークの近傍に前記筐体と非接触の状態で配置された第2の磁石と、
    前記導電コイルに発生した電気量を整流する整流装置と、
    前記電気量を蓄積する蓄電装置と、
    を備えたことを特徴とする多回転式絶対値エンコーダ用発電装置。
  3. 被検出回転軸に設けた多回転式絶対値エンコーダの回転部に固着された1個または複数個の第1の磁石と、
    前記多回転式絶対値エンコーダの非回転部に両端をバネで支持されて配置された筐体と、
    前記筐体内に配置された導電コイルと、
    前記導電コイルの近傍に前記筐体と非接触の状態で配置された第2の磁石と、
    前記筐体に固着され、前記第1の磁石の磁石が接近したときに反発力を発生するように配置された第3の磁石と、
    前記導電コイルに発生した電気量を整流する整流装置と、
    前記電気量を蓄積する蓄電装置と、
    を備えたことを特徴とする多回転式絶対値エンコーダ用発電装置。
  4. 前記筐体は、前記回転部に固着された前記磁石又は前記第1の磁石が最も接近した時に対向するように配置されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多回転式絶対値エンコーダ用発電装置。
  5. 前記第1の磁石の1個が、前記回転体の原点位置近傍で前記第3の磁石と対向するよう配置されていることを特徴とする請求項3に記載の多回転式絶対値エンコーダ用発電装置。
  6. 前記バネは剛性率の小さい黄銅線、洋白線、りん青銅線、ベリリウム銅線のいずれかを用いたことを特徴とする請求項又は3に記載の多回転式絶対値エンコーダ用発電装置。
  7. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多回転式絶対値エンコーダ用発電装置を備えたことを特徴とする多回転式絶対値エンコーダ。
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