JP2007051208A - エレクトロルミネセンスポリマー及び有機el素子 - Google Patents

エレクトロルミネセンスポリマー及び有機el素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 発光効率の向上のためにホールトラップ作用を有するエンドキャップ基で末端がキャップされたポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)の発光寿命を改善する。
【解決手段】 エレクトロルミネセンスポリマーは、フルオレン誘導体単位と電子輸送性単位とを含み、ホールトラップ作用を有するエンドキャップ基で末端がキャップされたエレクトロルミネセンスポリマーであって、電子輸送性基が、オキサゾール誘導体単位及び/又はオキサジアゾール誘導体単位であり、エンドキャップ基がトリアリールアミン誘導体である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有機エレクトロルミネセンス(EL)素子の発光層材料として有用なELポリマー及びそれを用いた有機EL素子に関する。
従来、有機EL素子の発光層を構成する有機EL材料として、π共役ポリマーであるELポリマーが知られており、ポリ(パラフェニレンビニレン)(PPV)、ポリ(パラフェニレン)(PPP)等に代表されるものが広く利用されている。このようなπ共役ポリマーの中で、青色発光を示すものとして、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(PDAF)が実際に使用されている(非特許文献1参照)。
このPDAFの発光効率を向上させるために、ホールトラップ作用を有するトリフェニルアミン誘導体をPDAF末端にエンドキャッパーとして導入することが提案されている(非特許文献2、3)。このようにトリフェニルアミン誘導体を導入することにより、有機EL素子の陽極から注入されたホールがトリフェニルアミン誘導体にトラップされ、陰極から注入された電子と効率よく再結合するので、発光効率が飛躍的に向上し、また、青の色度も深くなるとされている。
しかしながら、PDAFをトリフェニルアミン誘導体でエンドキャップした場合には、確かに発光効率は向上するが、発光寿命が改善されないため、発光寿命が依然として短く、有機EL素子として実用に耐えないという問題があった。
一方、高い発光効率で深青色の発光色を有するELポリマーの発光寿命を改善する試みとして、トリアリールアミン誘導体等のホール輸送性化合物をELポリマーに分散させること(非特許文献4)や、機能の異なるポリマーをブレンドすること(非特許文献5)が提案されている。また、PDAFに特定のモノマー単位を共重合により導入することも提案されている(特許文献1、非特許文献6)。
Jpn. J. Appl. Phys., 1991, 30, L1941 Adv. Mater., 2001, 13, NO.8, April 18, 565-570 Macromol. Rapid Commun., 2001, 22, 1365-1385 Adv. Mater., 2003, 15, NO.15, August 5, 1254-1258 Adv. Mater., 2003, 15, NO.20, October 16, 1708−1712 特開2001−151868号公報 Macromolecule 2002, 35, 6094-6100.
しかしながら、ホール輸送性化合物をELポリマーに分散させる場合、ポリマー分散液の製膜時にホール輸送性化合物の凝集が生じるという欠点があり、また、EL素子駆動の際にもそれらの凝集が生じ、発光効率と発光寿命の低下のおそれがあるという問題があった。また、機能の異なるポリマーをブレンドする場合、一般に相溶性が十分とはいえず、相分離構造が生じやすく、ポリマー薄膜におけるモルフォロジーの制御が困難となるという欠点があった。また、PDAFに特定のモノマー単位を共重合により導入する場合、発光色が長波長側にシフトしてしまうために、そもそも深青色の発光色が得られないという問題があった。
従って、これらの、高発光効率で深青色の発光色を有するELポリマーの発光寿命を改善する試みを、PDAFをトリフェニルアミン誘導体などのホールトラップ作用を有するエンドキャップ剤でキャップしたELポリマーの長寿命化に適用ができないと考えられているのが現状である。
本発明の目的は、発光効率の向上のためにホールトラップ作用を有するエンドキャップ基で末端がキャップされたPDAFについて、その発光寿命を改善することである。
本発明者らは、ホールトラップ作用を有するエンドキャップ基で末端がキャップされたPDAFについて、特定のモノマー単位を共重合させることにより、予想外にも発光波長を長波長側にシフトさせず且つ発光効率を低下させずに、発光寿命を長くできることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、フルオレン誘導体単位と電子輸送性単位とを含み、ホールトラップ作用を有するエンドキャップ基で末端がキャップされたエレクトロルミネセンスポリマーであって、電子輸送性基が、オキサゾール誘導体単位及び/又はオキサジアゾール誘導体単位であり、エンドキャップ基がトリアリールアミン誘導体であるエレクトロルミネセンスポリマーを提供する。
また、本発明は、上述のエレクトロルミネセンスポリマーからなる発光層が一対の電極に挟持されている有機エレクトロルミネセンス素子を提供する。
本発明によれば、ホールトラップ作用を有するエンドキャップ基で末端がキャップされたPDAFについて、特定のモノマー単位を共重合させることにより、予想外にも発光波長を長波長側にシフトさせず且つ発光効率を低下させずに、発光寿命を長くできる。
本発明のELポリマーは、フルオレン誘導体単位と電子輸送性単位とを含み、ホールトラップ作用を有するエンドキャップ基で末端がキャップされたものである。ここで、電子輸送性基が、オキサゾール誘導体単位及び/又はオキサジアゾール誘導体単位であり、エンドキャップ基がトリアリールアミン誘導体である。
本発明において、フルオレン誘導体単位は、式(1)
Figure 2007051208

(式中、R及びRはそれぞれ独立的に水素原子又は置換基である。)
で表されるものである。
式(1)において、R及びRはそれぞれ独立的に水素原子又は置換基であるが、同一又は異なっていてもよい。ここで、置換基としては、直鎖、分岐又は環を有するアルキル基、例えば、t−ブチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基;直鎖、分岐又は環を有するアルケニル基、例えば、プロペニル基;直鎖、分岐又は環を有するアルキニル基、例えば、エチニル基;アラルキル基、例えば、ベンジル基;アリール基、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピラニル基;炭素以外の元素(窒素原子、イオウ原子及び/又は酸素原子など)が芳香の一部を構成するヘテロアリール基、例えば、ピリジル基、チエニル基、カルバゾリル基;アルコキシ基、例えば、メトキシ基、イソプロポキシ基;アリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基;脂肪族ヘテロ環基、例えば、ピペリジル基等が挙げられる。中でも、R、R、R及びRとしては、フェニル基、ナフチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ヘキシル基が好ましく、2−エチルヘキシル基が特に好ましい。
本発明のELポリマー中のフルオレン誘導体単位の含有量は、少なすぎると深青色の発色が得られないので、好ましくは50モル%以上、より好ましくは90モル%以上である。なお、上限は電子輸送性基とエンドキャップ基の含有量の残部として必然的に決定される。
本発明における電子輸送性単位とは、陰極から注入された電子の移動度が高いモノマー単位であり、電気化学的には、還元され易い構造を有するモノマー単位であり、ELポリマーに電子輸送性を付与するものであり、本発明では、オキサゾール誘導体単位及び/又はオキサジアゾール誘導体単位を使用する。
オキサジアゾール誘導体単位の具体例としては、以下の式(2a)〜(2f)が挙げられる。これらは、一種だけを用いてもよいし、二種以上を使用してもより、後述のオキサゾール誘導体の具体例の一種以上と併用することもできる。これらのオキサジアゾール誘導体単位の中でも、特に好ましいものはπ共役の広がりの点から式(2a)のオキサジアゾール誘導体単位であって、フェニレン基の結合がパラ位置のものである。
Figure 2007051208
また、オキサゾール誘導体単位の具体例としては、以下の式(3a)〜(3h)が挙げられる。これらのオキサゾール誘導体単位の中でも、特に好ましいものはπ共役の広がりと溶解性の点から以下の式(3d)のオキサジアゾール誘導体単位である。






Figure 2007051208
本発明のELポリマー中の電子輸送性単位の含有量は、少なすぎるとホール移動度の調整が困難となり発光寿命を長くできず、多すぎると相対的にフルオレン単位の含有量が減少して、深青色の発色が得られ難くなり、駆動電圧の上昇も招くので、好ましくは1モル%〜4モル%である。
本発明において、エンドキャップ基としては、ホールトラップ作用を有するものを使用する。ここで、ホールトラップ作用とは、陽極から注入されたホールがトリアリールアミン誘導体中の窒素原子上でカチオンとして安定化される作用である。このようなエンドキャップ基としては、イオン化ポテンシャル(Ip)が4.4eV(発光ポリマーと接する材料、例えば、ITO電極やホール輸送層)〜5.9eV(ELポリマーHOMOレベル)の範囲にあるキャッパーが好ましい。このようなエンドキャップ基のELポリマー中の含有量は、少なすぎるとホールトラップ効果が得られず、多すぎると主骨格のHOMOレベルの上昇を伴い、トラップ効果が消失し、さらには、エネルギーギャップが縮まることで発光色がレッドシフトし、また、分子量の低下を招き製膜性が悪化するので、好ましくは1モル%〜10モル%、より好ましくは2モル%〜4モル%である。
このようなエンドキャップ基としては、式(4)
Figure 2007051208

(式中、Ar、Ar及びArは、それぞれ独立的にアリール基である。)
で表されるトリアリールアミン誘導体が挙げられる。アリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピラニル基、ビフェニル基、トルイル基またはキシリル基が挙げられる。トリアリールアミン誘導体の具体的としては、以下の式(4a)〜(4d)からなる群より選択された少なくとも一種のトリアリールアミン誘導体が挙げられる。これらのトリアリールアミン誘導体の中でも、特に好ましいものは分子の平面性の点から式(4a)のトリアリールアミン誘導体である。
Figure 2007051208
本発明のELポリマーの重量平均分子量としては、小さすぎると均一な製膜が困難となり、大きすぎると精製が困難であり、また、溶解性や溶液の安定性が不十分となるので、好ましくは1000〜5000000、より好ましくは2000〜500000である。
なお、本発明のELポリマーは、発明の効果を損なわない範囲で、他の繰り返し単位を含有してもよい。例えば、ポリマーのモルフォロジーを安定化させるビナフチル単位やナフタレンやピレン等の縮合多環化合物単位を含有してもよい。
本発明のELポリマーは、種々の重合反応で製造することができる。例えば、C−Cカップリング反応(Yamamoto, T.; Hayashida, N.; React. Funct. Polym. 1998, 37, 1, 1)、YAMAMOTOカップリング反応(Yamamoto, T.; Morita, A.; Miyazaki, T.; Maruyama, H.; Wakayama, H.; Zhou, Z.-H.; Kanbara, T.; Macromolecules 1992, 25, 1214-1223/Yamamoto, T.; Morita, A.; Maruyama, T.; Zhou, Z.-H.; Kanbara, T.; Sanechika, K.; Polym. J., 1990, 22, 187-190) あるいはSuzukiカップリング反応(Miyaura, N.; Suzuki, A. Chem, Rev., 1995, 95, 2457-2483)を利用して製造することができる。
まず、ニッケル系重縮合触媒を調製する。例えば、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を2,2′−ジピリジルとトルエンとDMFとを混合して、触媒溶液を調製する。
次に、式(1)のフルオレン単位に対応する2,7−ジブロモ−フルオレン誘導体と、電子輸送性単位に対応する電子輸送性化合物のジブロモ体(例えば、2,5−ビス(4−ブロモフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)と、エンドキャップ基に対応する臭素化物(例えば、4−ブロモ−4′,4″−ジメチルトリフェニルアミン)とをトルエン中に溶解して、反応基質溶液を調製する。
次に、触媒溶液と反応基質溶液とを、大気遮断条件下で混合し、更に少量の1,5−シクロオクタジエンを添加し、50〜100℃で重縮合反応させ、得られた反応液を濃縮し、得られた濃縮物を塩酸水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、蒸留水で順次洗浄した後、少量のTHFに溶解させ、その溶液をメタノール中に投入して沈殿物としてELポリマーを得ることができる。
本発明のELポリマーの膜を、一対の電極に発光層として挟持させることにより有機EL素子として利用できる。有機EL素子の基本的層構成は、公知の有機EL素子と同様の構成とすることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1(ELポリマーP1の合成)
Figure 2007051208
乾燥窒素にて充填されたグローブボックス内において、十分に脱気乾燥した200mlSchlenk管Aに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)5000mg(18.17mmol)、2,2′−ビピリジン2860mg(18.31mmol)を入れた後、この200mlSchlenk管を密閉し、密閉状態を維持しながら管内に更にトルエン40mlとDMF15mlとを加え、80℃で30分間攪拌することにより重縮合触媒溶液を調製した。
一方、乾燥窒素にて充填されたグローブボックス内において、十分に脱気乾燥した200mlSchlenk管Bに、2,7−ジブロモ−9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン4293mg(7.828mmol)、2,5−ビス(4−ブロモフェニル)−1,3,5−オキサジアゾール31mg(0.0824mmol)、4−ブロモ−4′,4″−ジメチルトリフェニルアミン(TPAと略することがある)116mg(0.329mmol)(エンドキャップ剤)を入れた後、この200mlSchlenk管を密閉し、更にトルエン20mlを入れて溶解させることにより、反応基質溶液を調製した。
得られた反応基質溶液を、大気に触れさせずに、重縮合触媒溶液が入った管Aに移し、重縮合触媒溶液と5分間攪拌混合し、更に、1,5−シクロオクタジエン1.4mg(0.013mmol)を加え、80℃で3日間反応させた。
反応終了後、反応混合液から可能な限り溶媒留去することにより、粘性の高い物体を得た。この物体を、1N塩酸、1N水酸化ナトリウム水溶液、蒸留水の順で洗浄し、少量のTHFに溶解させメタノールにて再沈殿を2回繰り返すことにより、式(P1)のELポリマーを得た。収量は2324mgであった。GPC(溶出液:THF、分子量既知標準ポリスチレンとの比較による)の結果、Mw(重量平均分子量)は94261であり、Mn(数平均分子量)は43905であった。末端のTPAは、HNMRによって仕込み量の4%であることが確認できた。また、ポリマー中の無機金属元素濃度は、EDX(エネルギー分散型蛍光X線測定)の検出限界(0.1%)未満であった。尚、イオンクロマトグラフより測定したClイオンは、4ppm未満であった。
実施例2(ELポリマーP2の合成)
Figure 2007051208
乾燥窒素にて充填されたグローブボックス内において、十分に脱気乾燥した200mlSchlenk管Aに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)5000mg(18.17mmol)、2,2′−ビピリジン2860mg(18.31mmol)を入れた後、この200mlSchlenk管を密閉し、密閉状態を維持しながら管内に更にトルエン40mlとDMF15mlとを加え、80℃で30分間攪拌することにより重縮合触媒溶液を調製した。
一方、乾燥窒素にて充填されたグローブボックス内において、十分に脱気乾燥した200mlSchlenk管Bに、2,7−ジブロモ−9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン4248mg(7.745mmol)、2,5−ビス(4−ブロモフェニル)−1,3,5−オキサジアゾール125mg(0.329mmol)、4−ブロモ−4′,4″−ジメチルトリフェニルアミン(TPAと略することがある)58mg(0.165mmol)(エンドキャップ剤)を入れた後、この200mlSchlenk管を密閉し、更にトルエン20mlを入れて溶解させることにより、反応基質溶液を調製した。
得られた反応基質溶液を、大気に触れさせずに、重縮合触媒溶液が入った管Aに移し、重縮合触媒溶液と5分間攪拌混合し、更に、1,5−シクロオクタジエン1.4mg(0.013mmol)を加え、80℃で3日間反応させた。
反応終了後、反応混合液から可能な限り溶媒留去することにより、粘性の高い物体を得た。この物体を、1N塩酸、1N水酸化ナトリウム水溶液、蒸留水の順で洗浄し、少量のTHFに溶解させメタノールにて再沈殿を2回繰り返すことにより、式(P2)のELポリマーを得た。収量は1980mgであった。GPC(溶出液:THF、分子量既知標準ポリスチレンとの比較による)の結果、Mw(重量平均分子量)は110845であり、Mn(数平均分子量)は48125であった。末端のTPAは、HNMRによって仕込み量の2%であることが確認できた。また、ポリマー中の無機金属元素濃度は、EDX(エネルギー分散型蛍光X線測定)の検出限界(0.1%)未満であった。尚、イオンクロマトグラフより測定したClイオンは、4ppm未満であった。
実施例3(ELポリマーP3の合成)
Figure 2007051208
乾燥窒素にて充填されたグローブボックス内において、十分に脱気乾燥した200mlSchlenk管Aに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)5000mg(18.17mmol)、2,2′−ビピリジン2860mg(18.31mmol)を入れた後、この200mlSchlenk管を密閉し、密閉状態を維持しながら管内に更にトルエン40mlとDMF15mlとを加え、80℃で30分間攪拌することにより重縮合触媒溶液を調製した。
一方、乾燥窒素にて充填されたグローブボックス内において、十分に脱気乾燥した200mlSchlenk管Bに、2,7−ジブロモ−9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン4157mg(7.581mmol)、2,5−ビス(4−ブロモフェニル)−1,3,5−オキサジアゾール125mg(0.33mmol)、2,2′−ジブロモビナフチル68mg(0.165mmol)、4−ブロモ−4′,4″−ジメチルトリフェニルアミン(TPAと略することがある)58mg(0.165mmol)(エンドキャップ剤)を入れた後、この200mlSchlenk管を密閉し、更にトルエン20mlを入れて溶解させることにより、反応基質溶液を調製した。
得られた反応基質溶液を、大気に触れさせずに、重縮合触媒溶液が入った管Aに移し、重縮合触媒溶液と5分間攪拌混合し、更に、1,5−シクロオクタジエン1.4mg(0.013mmol)を加え、80℃で3日間反応させた。
反応終了後、反応混合液から可能な限り溶媒留去することにより、粘性の高い物体を得た。この物体を、1N塩酸、1N水酸化ナトリウム水溶液、蒸留水の順で洗浄し、少量のTHFに溶解させメタノールにて再沈殿を2回繰り返すことにより、式(P3)のELポリマーを得た。収量は1590mgであった。GPC(溶出液:THF、分子量既知標準ポリスチレンとの比較による)の結果、Mw(重量平均分子量)は98785であり、Mn(数平均分子量)は42851であった。末端のTPAは、HNMRによって仕込み量の2%であることが確認できた。また、ポリマー中の無機金属元素濃度は、EDX(エネルギー分散型蛍光X線測定)の検出限界(0.1%)未満であった。尚、イオンクロマトグラフより測定したClイオンは、4ppm未満であった。
比較例1(ELポリマーP4の合成)
Figure 2007051208

乾燥窒素にて充填されたグローブボックス内において、十分に脱気乾燥した200mlSchlenk管Aに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)5000mg(18.17mmol)、2,2′−ビピリジン2860mg(18.31mmol)を入れた後、この200mlSchlenk管を密閉し、密閉状態を維持しながら管内に更にトルエン40mlとDMF15mlとを加え、80℃で30分間攪拌することにより重縮合触媒溶液を調製した。
一方、乾燥窒素にて充填されたグローブボックス内において、十分に脱気乾燥した200mlSchlenk管Bに、2,7−ジブロモ−9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン4429mg(8.075mmol)、ブロモベンゼン26mg(0.165mmol)(エンドキャップ剤)を入れた後、この200mlSchlenk管を密閉し、更にトルエン20mlを入れて溶解させることにより、反応基質溶液を調製した。
得られた反応基質溶液を、大気に触れさせずに、重縮合触媒溶液が入った管Aに移し、重縮合触媒溶液と5分間攪拌混合し、更に、1,5−シクロオクタジエン1.4mg(0.013mmol)を加え、80℃で3日間反応させた。
反応終了後、反応混合液から可能な限り溶媒留去することにより、粘性の高い物体を得た。この物体を、1N塩酸、1N水酸化ナトリウム水溶液、蒸留水の順で洗浄し、少量のTHFに溶解させメタノールにて再沈殿を2回繰り返すことにより、式(P4)のELポリマーを得た。収量は2349mgであった。GPC(溶出液:THF、分子量既知標準ポリスチレンとの比較による)の結果、Mw(重量平均分子量)は119726であり、Mn(数平均分子量)は53406であった。また、ポリマー中の無機金属元素濃度は、EDX(エネルギー分散型蛍光X線測定)の検出限界(0.1%)未満であった。尚、イオンクロマトグラフより測定したClイオンは、6ppmであった。
比較例2(ELポリマーP5の合成)
Figure 2007051208
乾燥窒素にて充填されたグローブボックス内において、十分に脱気乾燥した200mlSchlenk管Aに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)5000mg(18.17mmol)、2,2′−ビピリジン2860mg(18.31mmol)を入れた後、この200mlSchlenk管を密閉し、密閉状態を維持しながら管内に更にトルエン40mlとDMF15mlとを加え、80℃で30分間攪拌することにより重縮合触媒溶液を調製した。
一方、乾燥窒素にて充填されたグローブボックス内において、十分に脱気乾燥した200mlSchlenk管Bに、2,7−ジブロモ−9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン4157mg(7.581mmol)、2,5−ビス(4−ブロモフェニル)−1,3,5−オキサジアゾール125mg(0.33mmol)、ブロモベンゼン26mg(0.165mmol)(エンドキャップ剤)を入れた後、この200mlSchlenk管を密閉し、更にトルエン20mlを入れて溶解させることにより、反応基質溶液を調製した。
得られた反応基質溶液を、大気に触れさせずに、重縮合触媒溶液が入った管Aに移し、重縮合触媒溶液と5分間攪拌混合し、更に、1,5−シクロオクタジエン1.4mg(0.013mmol)を加え、80℃で3日間反応させた。
反応終了後、反応混合液から可能な限り溶媒留去することにより、粘性の高い物体を得た。この物体を、1N塩酸、1N水酸化ナトリウム水溶液、蒸留水の順で洗浄し、少量のTHFに溶解させメタノールにて再沈殿を2回繰り返すことにより、式(P5)のELポリマーを得た。収量は1890mgであった。GPC(溶出液:THF、分子量既知標準ポリスチレンとの比較による)の結果、Mw(重量平均分子量)は94918であり、Mn(数平均分子量)は42740であった。また、ポリマー中の無機金属元素濃度は、EDX(エネルギー分散型蛍光X線測定)の検出限界(0.1%)未満であった。尚、イオンクロマトグラフより測定したClイオンは、4ppm未満であった。
比較例3(ELポリマーP6の合成)
Figure 2007051208
乾燥窒素にて充填されたグローブボックス内において、十分に脱気乾燥した200mlSchlenk管Aに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)5000mg(18.17mmol)、2,2′−ビピリジン2860mg(18.31mmol)を入れた後、この200mlSchlenk管を密閉し、密閉状態を維持しながら管内に更にトルエン40mlとDMF15mlとを加え、80℃で30分間攪拌することにより重縮合触媒溶液を調製した。
一方、乾燥窒素にて充填されたグローブボックス内において、十分に脱気乾燥した200mlSchlenk管Bに、2,7−ジブロモ−9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン4428mg(8.075mmol)、4−ブロモ−4′,4″−ジメチルトリフェニルアミン(TPAと略することがある)58mg(0.165mmol)(エンドキャップ剤)を入れた後、この200mlSchlenk管を密閉し、更にトルエン20mlを入れて溶解させることにより、反応基質溶液を調製した。
得られた反応基質溶液を、大気に触れさせずに、重縮合触媒溶液が入った管Aに移し、重縮合触媒溶液と5分間攪拌混合し、更に、1,5−シクロオクタジエン1.4mg(0.013mmol)を加え、80℃で3日間反応させた。
反応終了後、反応混合液から可能な限り溶媒留去することにより、粘性の高い物体を得た。この物体を、1N塩酸、1N水酸化ナトリウム水溶液、蒸留水の順で洗浄し、少量のTHFに溶解させメタノールにて再沈殿を2回繰り返すことにより、式(P6)のELポリマーを得た。収量は1980mgであった。GPC(溶出液:THF、分子量既知標準ポリスチレンとの比較による)の結果、Mw(重量平均分子量)は123857であり、Mn(数平均分子量)は53128であった。末端のTPAは、HNMRによって仕込み量の2%であることが確認できた。また、ポリマー中の無機金属元素濃度は、EDX(エネルギー分散型蛍光X線測定)の検出限界(0.1%)未満であった。尚、イオンクロマトグラフより測定したClイオンは、30ppmであった。
比較例4(ELポリマーP7の合成)
Figure 2007051208
乾燥窒素にて充填されたグローブボックス内において、十分に脱気乾燥した200mlSchlenk管Aに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)5000mg(18.17mmol)、2,2′−ビピリジン2860mg(18.31mmol)を入れた後、この200mlSchlenk管を密閉し、密閉状態を維持しながら管内に更にトルエン40mlとDMF15mlとを加え、80℃で30分間攪拌することにより重縮合触媒溶液を調製した。
一方、乾燥窒素にて充填されたグローブボックス内において、十分に脱気乾燥した200mlSchlenk管Bに、2,7−ジブロモ−9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン4248mg(7.745mmol)、9,10−ジブロモアントラセン110mg(0.329mmol)、4−ブロモ−4′,4″−ジメチルトリフェニルアミン(TPAと略することがある)58mg(0.165mmol)(エンドキャップ剤)を入れた後、この200mlSchlenk管を密閉し、更にトルエン20mlを入れて溶解させることにより、反応基質溶液を調製した。
得られた反応基質溶液を、大気に触れさせずに、重縮合触媒溶液が入った管Aに移し、重縮合触媒溶液と5分間攪拌混合し、更に、1,5−シクロオクタジエン1.4mg(0.013mmol)を加え、80℃で3日間反応させた。
反応終了後、反応混合液から可能な限り溶媒留去することにより、粘性の高い物体を得た。この物体を、1N塩酸、1N水酸化ナトリウム水溶液、蒸留水の順で洗浄し、少量のTHFに溶解させメタノールにて再沈殿を2回繰り返すことにより、式(P7)のELポリマーを得た。収量は2213mgであった。GPC(溶出液:THF、分子量既知標準ポリスチレンとの比較による)の結果、Mw(重量平均分子量)は85228であり、Mn(数平均分子量)は36374であった。末端のTPAは、HNMRによって仕込み量の2%であることが確認できた。また、ポリマー中の無機金属元素濃度は、EDX(エネルギー分散型蛍光X線測定)の検出限界(0.1%)未満であった。尚、イオンクロマトグラフより測定したClイオンは、5ppmであった。
比較例5(ELポリマーP8の合成)
Figure 2007051208
乾燥窒素にて充填されたグローブボックス内において、十分に脱気乾燥した200mlSchlenk管Aに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)5000mg(18.17mmol)、2,2′−ビピリジン2860mg(18.31mmol)を入れた後、この200mlSchlenk管を密閉し、密閉状態を維持しながら管内に更にトルエン40mlとDMF15mlとを加え、80℃で30分間攪拌することにより重縮合触媒溶液を調製した。
一方、乾燥窒素にて充填されたグローブボックス内において、十分に脱気乾燥した200mlSchlenk管Bに、2,7−ジブロモ−9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン4248mg(7.745mmol)、4,4′−ジブロモチオフェン80mg(0.329mmol)、4−ブロモ−4′,4″−ジメチルトリフェニルアミン(TPAと略することがある)58mg(0.165mmol)(エンドキャップ剤)を入れた後、この200mlSchlenk管を密閉し、更にトルエン20mlを入れて溶解させることにより、反応基質溶液を調製した。
得られた反応基質溶液を、大気に触れさせずに、重縮合触媒溶液が入った管Aに移し、重縮合触媒溶液と5分間攪拌混合し、更に、1,5−シクロオクタジエン1.4mg(0.013mmol)を加え、80℃で3日間反応させた。
反応終了後、反応混合液から可能な限り溶媒留去することにより、粘性の高い物体を得た。この物体を、1N塩酸、1N水酸化ナトリウム水溶液、蒸留水の順で洗浄し、少量のTHFに溶解させメタノールにて再沈殿を2回繰り返すことにより、式(P8)のELポリマーを得た。収量は2073mgであった。GPC(溶出液:THF、分子量既知標準ポリスチレンとの比較による)の結果、Mw(重量平均分子量)は119259であり、Mn(数平均分子量)は37741であった。末端のTPAは、HNMRによって仕込み量の2%であることが確認できた。また、ポリマー中の無機金属元素濃度は、EDX(エネルギー分散型蛍光X線測定)の検出限界(0.1%)未満であった。尚、イオンクロマトグラフより測定したClイオンは、4ppm未満であった。
比較例6(ELポリマーP9の合成)
Figure 2007051208
乾燥窒素にて充填されたグローブボックス内において、十分に脱気乾燥した200mlSchlenk管Aに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)5000mg(18.17mmol)、2,2′−ビピリジン2860mg(18.31mmol)を入れた後、この200mlSchlenk管を密閉し、密閉状態を維持しながら管内に更にトルエン40mlとDMF15mlとを加え、80℃で30分間攪拌することにより重縮合触媒溶液を調製した。
一方、乾燥窒素にて充填されたグローブボックス内において、十分に脱気乾燥した200mlSchlenk管Bに、2,7−ジブロモ−9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン1327mg(2.42mmol)、4,4′−ジブロモ−4″−n−ブチルトリフェニルアミン1111mg(2.42mmol)、4−ブロモ−4′,4″−ジメチルトリフェニルアミン(TPAと略することがある)35mg(0.1mmol)(エンドキャップ剤)を入れた後、この200mlSchlenk管を密閉し、更にトルエン20mlを入れて溶解させることにより、反応基質溶液を調製した。
得られた反応基質溶液を、大気に触れさせずに、重縮合触媒溶液が入った管Aに移し、重縮合触媒溶液と5分間攪拌混合し、更に、1,5−シクロオクタジエン0.8mg(0.007mmol)を加え、80℃で3日間反応させた。
反応終了後、反応混合液から可能な限り溶媒留去することにより、粘性の高い物体を得た。この物体を、1N塩酸、1N水酸化ナトリウム水溶液、蒸留水の順で洗浄し、少量のTHFに溶解させメタノールにて再沈殿を2回繰り返すことにより、式(P9)のELポリマーを得た。収量は1120mgであった。GPC(溶出液:THF、分子量既知標準ポリスチレンとの比較による)の結果、Mw(重量平均分子量)は161298であり、Mn(数平均分子量)は32179であった。末端のTPAは、HNMRによって仕込み量の2%であることが確認できた。また、ポリマー中の無機金属元素濃度は、EDX(エネルギー分散型蛍光X線測定)の検出限界(0.1%)未満であった。尚、イオンクロマトグラフより測定したClイオンは、4ppm未満であった。
比較例7(ELポリマーP10の合成)
Figure 2007051208
乾燥窒素にて充填されたグローブボックス内において、十分に脱気乾燥した200mlSchlenk管Aに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)3000mg(10.9mmol)、2,2′−ビピリジン1710mg(10.95mmol)を入れた後、この200mlSchlenk管を密閉し、密閉状態を維持しながら管内に更にトルエン40mlとDMF15mlとを加え、80℃で30分間攪拌することにより重縮合触媒溶液を調製した。
一方、乾燥窒素にて充填されたグローブボックス内において、十分に脱気乾燥した200mlSchlenk管Bに、2,7−ジブロモ−9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン1330mg(2.42mmol)、DBPDA(N,N‘−ジ(p−n−ブチルフェニル)−N,N’−ジ(p−ブロモフェニル)−1,4−ジアミノベンゼン)1652mg(2.42mmol)、4−ブロモ−4′,4″−ジメチルトリフェニルアミン(TPAと略することがある)35mg(0.1mmol)(エンドキャップ剤)を入れた後、この200mlSchlenk管を密閉し、更にトルエン20mlを入れて溶解させることにより、反応基質溶液を調製した。
得られた反応基質溶液を、大気に触れさせずに、重縮合触媒溶液が入った管Aに移し、重縮合触媒溶液と5分間攪拌混合し、更に、1,5−シクロオクタジエン0.8mg(0.007mmol)を加え、80℃で3日間反応させた。
反応終了後、反応混合液から可能な限り溶媒留去することにより、粘性の高い物体を得た。この物体を、1N塩酸、1N水酸化ナトリウム水溶液、蒸留水の順で洗浄し、少量のTHFに溶解させメタノールにて再沈殿を2回繰り返すことにより、式(P9)のELポリマーを得た。収量は1390mgであった。GPC(溶出液:THF、分子量既知標準ポリスチレンとの比較による)の結果、Mw(重量平均分子量)は17407であり、Mn(数平均分子量)は66156であった。末端のTPAは、HNMRによって仕込み量の2%であることが確認できた。また、ポリマー中の無機金属元素濃度は、EDX(エネルギー分散型蛍光X線測定)の検出限界(0.1%)未満であった。尚、イオンクロマトグラフより測定したClイオンは、検出限界の1ppm未満であった。
有機EL素子の作製例
(基板洗浄)
山容真空工業製ITO基板(インジウム−酸化錫で被覆されたガラス基材)を市販の洗浄剤で超音波処理し、次いで、脱イオン水にてリンスし、続いてアセトン、そしてIPA(イソプロピルアルコール)で超音波処理、最後にIPAにて煮沸し脱脂処理を施した。その後、エキシマ照射装置(ウシオ電機社製)にて数十分間エキシマレーザー照射処理をした。
(ホール輸送層の形成)
上述のように洗浄された基板上(ITO面上)に、0.2μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製フィルターで濾過したホール輸送性ポリマー(H.C.Stark−VTECH社製Baytron CH8000)を、回転速度を制御可能なスピンコーターにて乾燥厚が70nmとなるように塗布し、このホール輸送性ポリマーが塗布された基板を200℃の温度に設定されたホットプレート上に10分間載置して乾燥させることにより、基板上にホール輸送性ポリマー層が形成された積層体を得た。膜厚は、KLA−Tencor社製P−15にて測定した。
(発光層の形成)
次に、各実施例又は各比較例のELポリマーを、高純度トルエンまたはキシレンに溶解させ(1wt%)、得られたポリマー溶液を0.2μmPTFEフィルターで濾過した。濾過処理されたポリマー溶液を、先に形成したホール輸送性ポリマー層上に、回転速度を制御可能なスピンコーターにて乾燥厚が100nmとなるように塗布し、乾燥して発光層を形成した。
(陰極の形成)
この発光層上に、メルク社製LiF(純度99.99%)を、到達真空度2×10−4Pa、蒸着速度0.1nm/sにて4nm厚で製膜し、このLiF膜上に、添川理化学(株)製のカルシウム(純度99.99%)を、到達真空度2×10−4Pa、蒸着速度0.1nm/sにて20nm厚で製膜し、更にその上に、フルウチ化学製アルミニウム(純度99.99%)を、到達真空度2×10−4Pa、蒸着速度0.6nm/sにて150nm厚となるように真空蒸着させてカソード層(陰極)を形成することにより有機EL素子を得た。
有機EL素子の評価例
陰極を蒸着した後、得られた有機EL素子を、大気に触れることなく、酸素濃度10ppm以下、露点−30DP/℃の窒素雰囲気下、評価容器(密閉式)にセットして密閉した後、ITO側に正の極性を与え、アルミニウム側に負の極性を与え、(株)トプコン製の分光放射計SR−3と(株)アドバンテスト製の直流電圧・電源/モニターとからなる自作システムを用いて、有機EL素子のELスペクトルを図1(実施例2と比較例3の有機EL素子と図2(比較例3,比較例6および比較例7の有機EL素子)とに示し、輝度、電流効率、CIE色座標、半減寿命(定電流駆動)を測定した。得られた結果を表1に示す。図1の結果から、共重合成分としてオキサジアゾール誘導体を使用すると、発色に変化が生じないことがわかる。また、図2から、共重合成分としてオキサジアゾール誘導体以外のTPAやDBPDAを使用すると、発光波長が長波長側にシフトしていることがわかる。これは、LUMO−HOMOのギャップが縮まることにより発光色が長波長シフトすることを示している(後述の図3参照)。
有機EL素子の発光寿命評価例
得られた有機EL素子を、グローブボックス中で評価容器へセットした有機EL素子に初期輝度100cd/mになるように電流密度を設定し、定電流駆動にて連続的に素子を発光させ、輝度の半減時間を測定した。得られた結果を表1に示す。
有機ELポリマーのイオン化ポテンシャルIp(酸化還元電位)の測定例
参照電極(BAS RE−5(Ag/Ag+型))と、カウンター電極(BAS 23cmPt)と、作用電極カーボンと、セル(BASサンプルバイアル(20ml))と、電解液(0.1M(Tetrabutylammonium hexafluorophosphate)アセトニトリル溶液)とを備えた東陽テクニカ製SI1287 CV(Cyclic Voltammetry)測定器の当該作用電極カーボンの表面に、ELポリマーのトルエン溶液(1〜3重量%)で用いてELポリマーを製膜し、CV測定することにより、その酸化還元電位(イオン化ポテンシャル)を求めた。スキャンスピードは、100mV/sとした。得られた結果を表1に示す。なお、CVの測定例(比較例3,比較例6および比較例7)を図3(ボルタモグラム)に示す。図3では、真空準位と参照電極との間のエネルギー差を4.8eVとし、イオン化ポテンシャルを算出した。比較例3、6及び7へとHOMOの準位が浅くなる様子がわかる。このように、発光ポリマーのHOMOが浅くなると、トリアリールアミンのトラップ効果が消失するため、電流効率の悪化を招く。
なお、CV測定の信頼性を確認するため、大気中光電子分光装置(AC−2、理研計器製)により、ITO基板上に塗布されたポリマー膜のイオン化ポテンシャルを測定した値を併せて表1の括弧内「<>」に示す。CV測定値とAC−2測定値を比較し、小数点以下1桁目においては、CV値の有効性を確認することが出来た。
ELポリマーのホール移動度の測定例
ITO基板上に形成された実施例2と比較例3のそれぞれのELポリマー膜のホール移動度を、オプテル社製のタイムオブフライト(TOF)測定装置(TOF-401)を用いて測定した。得られた結果を図4に示す。この図から、オキサジアゾールを数%導入するだけで主骨格であるポリフルオレンの、ホール移動度が低下することがわかる。この作用により、長寿命化が達成できたと考えられる。また、主骨格がフルオレン系である場合、オキサジアゾール誘導体は、それ自体、発光することは無く、またフルオレンとの相互作用を生じ難いため、フルオレン本来の深い青色発光を実現することが出来る。酸素が硫黄に置換されたヘテロ化合物で同じ効果が期待できるチオフェンやチアジアゾールなどは、フルオレンからの発光をエネルギー移動や電子移動のメカニズムにより、発光色を低エネルギー側(緑色)へシフトさせてしまう。よって、酸素と窒素からなるヘテロ環共役化合物、つまりオキサジアゾール誘導体のみが優れた発光効率を維持し、しかも発光色を変えることなく寿命を改善する事が出来る。
Figure 2007051208
表1において、ELポリマーのイオン化ポテンシャル(HOMOレベル)については、ホール輸送層ユニットが多く導入された比較例6及び比較例7では浅くなり、その結果、HOMO−LUMOのバンドギャップが縮まり、CIE座標が水色の方向へ移動した。一方、発光ポリマーのHOMOが浅くなることで、エンドキャッパーであるトリアリールアミンのホールトラップ効果が消失して電流効率も悪化した。
また、比較例1及び2の場合、エンドキャッパーがトリアリールアミンではないため、ホールトラップ効果が発現せず、電流効率が悪化した。更に、CIE座標も水色の方向へシフトしてしまった。
高効率化が期待できる蛍光量子収率の高いアントラセンを導入した比較例4の場合、及びチオフェンの導入によりキャリア移動度の調整効果を期待した比較例5の場合では、フルオレンからの発光がエネルギー移動によりアントラセン(チオフェン)から発光してしまうため、CIE色座標が水色(緑)へ移動してしまった。更に、アントラセンでは、期待に反し効率が悪化してしまった。
特に、表1の比較例3から、ELポリマーを形成する主骨格(ポリフルオレン)のHOMOレベル(イオン化ポテンシャル5.9eV)と、陽極側で発光ポリマーと接する材料(例えば、ITO電極(=5.0〜4.4eV)、ホール輸送材料Baytron(=5.1〜5.3eV)など)とのエネルギーギャップの間にイオン化ポテンシャルを有するエンドキャッパー(好ましくはイオン化ポテンシャルが5.5eV付近のトリアミン誘導体)で形成されたフルオレン系ポリマーは、ホールトラップ効果により、高効率(0.9cd/A以上)で深い青色発光(CIE−yが0.1以下)を示している。しかし、このポリマーの発光寿命は非常に短いという欠点がある。
一方、実施例1〜3から、ホールトラップ効果により高効率(0.9cd/A以上)で深い青色発光を示す(CIE−yが0.1以下)状態で、発光寿命を改善する手法として、主骨格のポリフルオレンに対し電子輸送性を示すオキサジアゾール誘導体(あるいはオキサゾール誘導体)を共重合させることが有効であることがわかる。図5に実施例2と比較例3のEL素子の発光寿命の対比図(輝度に対するライフタイム関係図)を示す。図5から、比較例3に比べて実施例2の場合が飛躍的に発光寿命が長くなっていることがわかる。
また、図4で説明したように、オキサジアゾールを数%導入するだけで主骨格であるポリフルオレンにおけるホール移動度が低下する。この作用によりEL素子の長寿命化が達成できたと考えられる。また、主骨格がフルオレン系である場合、オキサジアゾール誘導体は、それ自体、発光することは無く、またフルオレンとの相互作用を生じ難いため、フルオレン本来の深い青色発光を実現することができる。酸素が硫黄に置換されたヘテロ化合物で同じ効果が期待できるチオフェンやチアジアゾールなどは、フルオレンからの発光をエネルギー移動や電子移動のメカニズムにより、発光色を低エネルギー側(緑色)へシフトさせてしまう。よって、酸素と窒素からなるヘテロ環共役化合物、特にオキサジアゾール誘導体もしくはオキサゾール誘導体のみが優れた発光効率を維持し、しかも発光色を変えることなく発光寿命を改善することができる。
本発明のPDAFを主骨格とするエレクトロルミネセンスポリマーは、発光効率の向上のためにホールトラップ作用を有するエンドキャップ基で末端がキャップされているにも関わらず、特定の共重合モノマー単位が導入されているので、発光波長のシフトがなく、発光効率の低下を招くことなく、その発光寿命が改善されている。従って、本発明のエレクトロルミネセンスポリマーは、有機エレクトロルミネセンス素子の発光材料として有用である。
実施例2と比較例3の有機EL素子のELスペクトル図である。 比較例3、比較例6および比較例7の有機EL素子のELスペクトル図である。 比較例3,比較例6および比較例7の有機EL素子のCV測定結果であるボルタモグラムである。 実施例2と比較例3のそれぞれのELポリマー膜のホール移動度の変化図である。 実施例2と比較例3の有機EL素子の発光寿命対比図である。

Claims (14)

  1. フルオレン誘導体単位と電子輸送性単位とを含み、ホールトラップ作用を有するエンドキャップ基で末端がキャップされたエレクトロルミネセンスポリマーであって、電子輸送性基が、オキサゾール誘導体単位及び/又はオキサジアゾール誘導体単位であり、エンドキャップ基がトリアリールアミン誘導体であるエレクトロルミネセンスポリマー。
  2. フルオレン誘導体単位が、式(1)
    Figure 2007051208
    (式中、R及びRはそれぞれ独立的に水素原子又は置換基である。)
    で表される請求項1記載のエレクトロルミネセンスポリマー。
  3. 及びRがそれぞれ独立的に取りうる置換基が、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基又は脂肪族ヘテロ環基である請求項2記載のエレクトロルミネセンスポリマー。
  4. 及びRがそれぞれ独立的にアルキル基又はアリール基である請求項2記載のエレクトロルミネセンスポリマー。
  5. 及びRが2−エチルヘキシル基である請求項2記載のエレクトロルミネセンスポリマー。
  6. 電子輸送性単位が、以下の式(2a)〜(2f)
    Figure 2007051208

    からなる群より選択された少なくとも一種のオキサジアゾール誘導体単位である請求項1記載のエレクロルミネセンスポリマー。
  7. 電子輸送性単位が、以下の式(3a)〜(3h)
    Figure 2007051208
    からなる群より選択された少なくとも一種のオキサゾール誘導体単位である請求項1記載のエレクロルミネセンスポリマー。
  8. 電子輸送性単位が、式(2a′)
    Figure 2007051208
    のオキサゾール誘導体単位である請求項1記載のエレクロルミネセンスポリマー。
  9. エンドキャップ基が、式(4)
    Figure 2007051208
    (式中、Ar、Ar及びArは、それぞれ独立的にアリール基である。)
    で表されるトリアリールアミン誘導体である請求項1記載のエレクトロルミネセンスポリマー。
  10. アリール基が、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピラニル基、ビフェニル基、トルイル基またはキシリル基である請求項9記載のエレクロトルミネセンスポリマー。
  11. エンドキャップ基が、以下の式(4a)〜(4d)
    Figure 2007051208
    からなる群より選択された少なくとも一種のトリアリールアミン誘導体である請求項1記載のエレクロルミネセンスポリマー。
  12. トリアリールアミン誘導体が、式(4a)のトリアリールアミン誘導体である請求項1記載のエレクロルミネセンスポリマー。
  13. フルオレン誘導体単位を50〜90モル%、電子輸送性単位を0.5〜10モル%、及びエンドキャップ基を0.5〜10モル%で含有する請求項1〜12のいずれかに記載のエレクトロルミネセンスポリマー。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載のエレクトロルミネセンスポリマーからなる発光層が一対の電極に挟持されている有機エレクトロルミネセンス素子。
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