本発明は、用紙を収容する1または複数の給紙装置を有し、この給紙装置から給紙された用紙に画像を形成する画像形成処理を行う画像形成装置およびその制御方法に関し、詳しくは、給紙装置に収容する用紙の属性をユーザによりユーザインターフェース装置を用いて設定する際、給紙装置に対する用紙収容作業期間と、用紙属性の設定作業期間を一致させることにより、ユーザが用紙属性設定状態を把握し易く、しかも、離れた場所のユーザインターフェース装置からも画像形成装置との間を往復することなくかつ安全に用紙属性を設定可能な画像形成装置及びその制御方法に関する。
一般に、給紙装置に収容された用紙に画像を形成する際、その用紙のサイズや紙種によって最適な速度や温度で画像形成を行ったり、用紙の給紙時おける用紙間の密着を解くために用紙に適した強さや時間でエアーを吹き付ける機能を持つ画像形成装置は知られている。
従来、これらの動作を制御する用紙属性(用紙パラメータ)は、そのサイズや紙種(コート紙・非コート紙)などとあまり多くなく、そのために、その設定も給紙装置に設置された設定スイッチを用いて設定するのが普通であった。
このような場合、給紙装置を開けて用紙を収容する際、同時に設定スイッチにより用紙属性を設定してから給紙装置を閉めることで、給紙装置に収容された用紙とその用紙に設定された各種属性は、設定スイッチの選択ミスを除けば常に一致しており、給紙装置に収容された用紙に最適な制御が可能であった。
しかし近年、画像形成装置で制御可能な紙種や、最適な画像形成を行うための用紙属性がより細分化され多種に及んだため、従来のように、用紙属性の設定を給紙装置に設置された設定スイッチですべて行うことが困難となり、また、部品コストの面から給紙装置に多数のボタン類を追加する構成を避ける傾向にある。
そこで、設定スイッチを用いずに多種の用紙属性を設定する方法として、例えば、特許文献1に示すように、画像形成装置に備えられたユーザインターフェース装置を用いて設定したり、また、ネットワーク等を介して接続されるパーソナルコンピュータなどから、各種用紙属性を設定する構成が提案されている。
特開2003−270872号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるように、画像形成装置に備えられたユーザインターフェース装置やネットワーク等を介して接続されるパーソナルコンピュータなどから各種用紙属性を設定する構成においては、給紙装置に用紙を収容するタイミングと、ユーザインターフェース装置等からその用紙に対応する用紙属性を設定するタイミングが異なるため、用紙とその用紙に設定された各種属性が一致しない期間が存在したり、ユーザが各種属性の設定を忘れて一致しない状態が継続するなど、最適な画像形成制御ができずに紙詰まりや画質不良の原因となってしまう危険性がある。
そこで、従来から、給紙装置に用紙を収容するために該給紙装置を開閉するタイミングと、ユーザインターフェース装置等からその用紙に対応する用紙属性を設定するタイミングが異なる場合において、ユーザが設定した用紙属性と給紙装置に収容された用紙の用紙属性との整合性を向上させる方法として、給紙装置の開閉が先の場合にはユーザインターフェース装置への用紙の各種属性設定画面を自動表示する制御(制御A)や、ユーザインターフェース装置等からの用紙の各種属性設定が先の場合は給紙装置を使用禁止にする制御(制御B)や、給紙装置に用紙を収容するために該給紙装置を開いてから閉じるまでの期間だけ、ユーザインターフェース装置等からの用紙の各種属性の設定を許可する制御(制御C)などの方法があった。
しかしながら、上記制御AやBによれば、給紙装置に用紙を収容するための作業期間と、ユーザインターフェース装置等からの用紙属性を設定する作業期間が完全に分離しており、ユーザが用紙属性の設定状態を把握し難いという問題点があった。
また、上記制御Cによれば、給紙装置に対する用紙収容作業期間と、ユーザインターフェース装置等からの用紙属性設定作業期間が一致するものの、常に給紙装置を開けたままユーザインターフェース装置の設定画面を操作する必要があり、開いたままの給紙装置につまずくなどの危険性があり、更には、ユーザインターフェース装置が画像形成装置から離れている場合には該画像形成装置との間を往復する必要があり、設定作業が煩雑になるという問題点があった。
また、従来は、上述したように、給紙装置を開閉した場合に自動的にユーザインターフェース装置に用紙属性の設定画面を表示させたり(制御A)、先にユーザインターフェース装置から用紙属性の変更を指示した場合には、給紙装置が抜き差しされる(用紙が交換される)まで給紙装置の使用を禁止する(制御B)などの方法によって、給紙装置に格納した用紙とユーザインターフェース装置からの給紙装置への用紙属性の設定の一致性を向上させ、間違った設定でのジョブの実施を防止するようにしている。
一方、該当する給紙装置で用紙フィード時に紙詰まり(紙ジャム)が発生しているような場合、紙ジャム発生の旨を通知するための画面が上記設定画面上に表示されており、ユーザは、この紙ジャム発生通知画面に表示される指示に従って紙ジャムの除去作業を行なうために、該当する給紙装置を開ける必要がある。
この場合、上記制御Aの下に、自動でユーザインターフェース装置に用紙属性設定画面や、用紙設定変更を促すメッセージが表示されることになり、ユーザにとっては紙ジャム発生との関連が分かり難く、紙ジャム除去作業が混乱してしまうという問題点があった。
本発明は、上記問題点を解消し、給紙装置に対する用紙収容作業期間と、用紙属性の設定作業期間を一致させることにより、ユーザが用紙属性設定状態を把握し易く、しかも、離れた場所のユーザインターフェース装置からも画像形成装置との間を往復することなくかつ安全に用紙属性を設定可能な画像形成装置及びその制御方法に関する。
また、本発明は、紙ジャムが発生した用紙の給紙元の給紙装置を紙ジャム除去作業のために開けた際にも用紙属性設定画面やメッセージが表示されることを規制し、ユーザが混乱なく紙ジャム除去作業を行なうことができる画像形成装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、用紙を収容する1または複数の給紙装置を有し、前記給紙装置から給紙された用紙に画像を形成する画像形成処理を行う画像形成装置において、前記給紙装置に収容する用紙の属性のユーザによる設定指示を入力する属性設定指示入力手段と、前記給紙装置の開及び閉を検出する開閉検出手段と、前記開閉検出手段により前記給紙装置の開が検出された際、前記ユーザに対して該開が検出された給紙装置に収容する用紙の属性の設定指示を要求する設定指示要求手段と、前記設定指示要求手段による前記設定指示の要求を有効または無効に制御する手段であって、前記設定指示の要求を有効にする制御として、前記属性設定指示入力手段により用紙属性の設定指示が入力されるまで前記設定指示要求手段による設定指示要求を継続する設定指示要求制御手段と、前記設定指示要求制御手段による前記設定指示要求継続制御の開始後、前記属性設定指示入力手段による前記設定指示の入力が完了したタイミングと、前記開閉検出手段により前記給紙装置の閉が検出されたタイミングを監視し、前記各タイミングの前後関係に基づき、前記属性設定指示入力手段により入力された前記設定指示に基づく前記給紙装置に収容する用紙の属性の設定を有効にする属性設定手段と、前記属性設定手段で有効にされた属性に基づき前記給紙装置から給紙された用紙に対する画像の形成をそれぞれ制御する画像形成制御手段とを具備することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記属性設定指示入力手段による前記用紙属性の設定指示の入力を検出する入力検出手段を具備し、前記属性設定手段は、前記開閉検出手段により前記給紙装置の開が検出されていない状態で前記入力検出手段により前記属性設定指示入力手段による前記設定指示の入力が検出された際、前記属性設定指示入力手段による前記設定指示の入力が完了したタイミングと、前記開閉検出手段により前記給紙装置の開の検出を経て閉が検出されたタイミングの前後関係に基づき、前記属性設定指示入力手段により入力された前記設定指示に基づく前記給紙装置に収容する用紙の属性の設定を有効にすることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記開閉検出手段により前記給紙装置の開が検出されてから、前記属性設定指示入力手段により前記設定指示が入力され、前記属性設定手段により当該給紙装置に収容する用紙の属性の設定が有効にされるまで、当該給紙装置の使用を禁止する給紙装置使用禁止制御手段を具備することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、上記請求項2記載の発明において、前記入力検出手段により前記属性設定指示入力手段による該当する給紙装置に収容する用紙属性の前記設定指示の入力が検出されてから、前記属性設定指示入力手段による前記設定指示の入力が完了し、前記属性設定手段により当該給紙装置に収容する用紙の属性の設定が有効にされるまで、当該給紙装置の使用を禁止する 給紙装置使用禁止制御手段を具備することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、上記請求項2記載の発明において、前記開閉検出手段により前記給紙装置の開が検出されてから、前記属性設定指示入力手段により前記設定指示が入力され、前記属性設定手段により当該給紙装置に収容する用紙の属性の設定が有効にされるまで、当該給紙装置の使用を禁止する第1の使用禁止制御を行う第1の給紙装置使用禁止制御手段と、前記入力検出手段により前記属性設定指示入力手段による該当する給紙装置に収容する用紙属性の前記設定指示の入力が検出されてから、前記属性設定指示入力手段による前記設定指示の入力が完了し、前記属性設定手段により当該給紙装置に収容する用紙の属性の設定が有効にされるまで、当該給紙装置の使用を禁止する第2の使用禁止制御を行う第2の給紙装置使用禁止制御手段と、前記第1と第2の使用禁止制御の各々対応して該当する使用禁止制御を有効または無効にする旨を指示する禁止制御条件を設定する禁止制御条件設定手段と、前記第1の使用禁止制御に対して設定された禁止制御条件と前記第2の使用禁止制御に対して設定された禁止制御条件との論理和によって禁止制御条件を決定する禁止制御条件決定手段と、前記禁止制御条件決定手段により決定された禁止制御条件に基づいて前記給紙装置の使用禁止制御を行う使用禁止制御手段とを具備することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、上記請求項5記載の発明において、前記第1の使用禁止制御に対応する禁止制御条件を常に有効に設定し、前記第2の使用禁止制御に関する禁止制御条件を有効または無効に設定することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、上記請求項3、5及び6のいずれか記載の発明において、前記属性設定手段は、前記開閉検出手段により前記給紙装置の開が検出されてから、前記属性設定指示入力手段により前記設定指示が入力された後に、前記開閉検出手段により前記給紙装置の閉が検出された場合に、前記設定指示に基づく当該給紙装置の用紙属性の設定を有効にすることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、上記請求項3、5及び6のいずれか記載の発明において、前記属性設定手段は、前記開閉検出手段により前記給紙装置の開が検出されてから、前記開閉検出手段により前記給紙装置の閉が検出された後に、前記属性設定指示入力手段により前記設定指示が入力された場合に、前記設定指示に基づく当該給紙装置の用紙属性の設定を有効にすることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、上記請求項4乃至6のいずれか記載の発明において、前記属性設定手段は、前記入力検出手段により前記設定指示の入力が検出され、前記開閉検出手段により前記給紙装置の開が検出され、前記属性設定指示入力手段による前記設定指示の入力が完了した後に、前記開閉検出手段により前記給紙装置の閉が検出された場合に、前記設定指示に基づく当該給紙装置の用紙属性の設定を有効にすることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、上記請求項4乃至6のいずれか記載の発明において、前記属性設定手段は、前記入力検出手段により前記設定指示の入力が検出され、前記開閉検出手段により前記給紙装置の開が検出され次いで該給紙装置の閉が検出された後に、前記属性設定指示入力手段による前記設定指示の入力が完了した場合に、前記設定指示に基づく当該給紙装置の用紙属性の設定を有効にすることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、上記請求項1乃至10のいずれか記載の発明において、前記給紙装置から給紙した用紙の紙詰まりを検出する紙詰まり検出手段を具備し、前記設定指示要求制御手段は、前記開閉検出手段により前記給紙装置の開が検出された際、該給紙装置から給紙した用紙の紙詰まりが前記紙詰まり検出手段により検出されている場合を含む障害の発生時、前記設定指示要求手段による該給紙装置に収容する用紙の属性の設定指示要求を無効とするように制御することを特徴とする。
請求項12記載の発明は、上記請求項11記載の発明において、前記属性設定手段は、前記紙詰まり検出手段による前記紙詰まりの検出に基づき該当する給紙装置に収容する用紙の属性の設定指示要求を無効に制御した後、前記開閉検出手段により該給紙装置の閉が検出された場合、該給紙装置に対する用紙属性の設定を有効にすることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、上記請求項11または12記載の発明において、前記属性設定手段は、前記紙詰まり検出手段による前記紙詰まりの検出に基づき該当する給紙装置に収容する用紙の属性の設定指示要求を無効に制御した後、該当するユーザにより用紙属性設定指示入力に用いる画面が表示された場合、前記開閉検出手段により当該給紙トレイの閉が検出された時点で、該給紙装置に対する用紙属性の設定を有効としないように制御することを特徴とする。
請求項14記載の発明は、用紙を収容する1または複数の給紙装置を有し、前記給紙装置から給紙された用紙に画像を形成する画像形成処理を行う画像形成装置の制御方法において、前記給紙装置の開及び閉を検出する開閉検出手段により前記給紙装置の開が検出された際、設定指示要求手段により、前記ユーザに対して該開が検出された給紙装置に収容する用紙の属性の設定指示を要求し、前記給紙装置に収容する用紙の属性のユーザによる設定指示を入力する属性設定指示入力手段により用紙属性の設定指示が入力されるまで、設定指示要求制御手段により、前記設定指示要求手段による設定指示要求を継続するように制御し、前記設定指示要求制御手段による前記設定指示要求継続制御の開始後、属性設定手段により、前記属性設定指示入力手段による前記設定指示の入力が完了したタイミングと、前記開閉検出手段により前記給紙装置の閉が検出されたタイミングを監視し、前記各タイミングの前後関係に基づき、前記属性設定指示入力手段により入力された前記設定指示に基づく前記給紙装置に収容する用紙の属性の設定を有効にし、前記属性設定手段で有効にされた属性に基づき前記給紙装置から給紙された用紙に対する画像の形成を画像製制御手段によりそれぞれ制御することを特徴とする。
本発明によれば、開閉検出手段により給紙装置の開が検出された際、設定指示要求手段により、ユーザに対して該開が検出された給紙装置に収容する用紙の属性の設定指示を要求し、設定指示要求制御手段が、属性設定指示入力手段により上記開かれた給紙装置に収容する用紙属性の設定指示が入力されるまで設定指示要求手段による設定指示要求を継続するように制御する一方で、属性設定手段が、設定指示要求制御手段による上記設定指示要求継続制御の開始後、属性設定指示入力手段による設定指示の入力が完了したタイミングと、開閉検出手段により給紙装置の閉が検出されたタイミングを監視し、これら両タイミングの前後関係に基づき、属性設定指示入力手段により入力された設定指示に基づく当該給紙装置に収容する用紙の属性の設定を有効にする制御を行う。
かかる制御によれば、給紙装置の開の検出を契機に設定指示要求を開始した後、属性設定指示入力手段により用紙属性を入力してから給紙装置を閉じる第1の操作手順、あるいは、給紙装置を閉じてから用紙属性の設定指示を入力する第2の操作手順により用紙属性の設定を有効にでき、いずれの操作手順の場合にも、給紙装置に対する用紙収容作業期間と、用紙属性の設定指示入力作業期間とが一致することにより、ユーザは、用紙属性の設定状態の把握がし易くなる。
特に、第2の操作手順を経て用紙属性を設定する場合は、給紙装置の閉が検出された場合にも属性設定指示入力手段による用紙属性の設定指示の入力を受付け、該入力が完了した時点でそれまでに入力された設定指示に基づく用紙属性の設定を有効にする制御が行われるため、開けた給紙装置に対する用紙交換作業を終えて該給紙装置を閉じてから属性設定指示入力手段(ユーザインターフェース装置)での用紙属性の入力を行うことができ、ユーザインターフェース装置が離れた場所にあっても、該ユーザインターフェース装置と画像形成装置との間を往復することなく用紙属性を設定できると共に、給紙装置を閉じた状態で用紙属性の設定指示を入力しその設定を有効にすることが可能であることから、開いた状態の給紙装置につまずくなどの危険を回避し、用紙属性設定作業を安全に進めることができる。
また、本発明によれば、給紙装置から給紙した用紙の紙詰まりを検出する紙詰まり検出手段を具備し、設定指示要求制御手段が、開閉検出手段により給紙装置の開が検出された際、該給紙装置から給紙した用紙の紙詰まりが紙詰まり検出手段により検出されている場合を含む障害の発生時、設定指示要求手段による該給紙装置に収容する用紙の属性の設定指示要求を無効に制御する構成としたため、給紙装置から給紙した用紙の紙ジャムが発生した場合に、紙ジャム除去作業のために当該給紙装置を開けた際にも用紙属性設定画面やメッセージが表示されることがなく、ユーザは混乱なく紙ジャム除去作業を行なうことができる。
以下、本発明に係る画像形成装置およびその制御方法の実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置およびその制御方法が提供される画像形成装置の一概略構成例を示すブロック図である。
図1において、この画像形成装置10は、ネットワーク20を経由してプリント制御装置30、画像読取装置40、情報処理装置50−1〜50−nが接続されている。
ここで、プリント制御装置30は、画像形成装置10を用いた各種文書の印刷制御を行うもので、プリントサーバを構成するものである。
また、画像読取装置40は、画像形成装置10を用いて印刷する画像を読み取るもので、ネットワークスキャナとして構成される。
また、情報処理装置50−1〜50−nは、画像形成装置10を用いて印刷する文書の処理を行うもので、例えば、各ユーザのパーソナルコンピュータ(PC)がこれに相当する。
ここで、プリント制御装置30、画像読取装置40、情報処理装置50−1〜50−nは、本発明に係る画像形成装置10の各給紙トレイの用紙属性の設定指示等を入力するユーザインターフェース部(図示せず)をそれぞれ有している。
一方、画像形成装置10は、ユーザインターフェース部11、制御部12、画像形成部13、記憶部14を具備して構成される。
ここで、ユーザインターフェース部11は、画像形成装置10の各給紙トレイの用紙属性の設定指示等を入力するものである。
また、制御部12は、画像形成部13を制御するもので、ユーザインターフェース部11からの各給紙トレイの用紙属性の設定指示およびプリント制御装置30、画像読取装置40、情報処理装置50−1〜50−nからの(各装置のそれぞれのユーザインターフェース部からの)各給紙トレイの用紙属性の設定指示を入力する設定指示入力部121、設定指示入力部121で入力された設定指示に基づき各給紙トレイの用紙属性の設定を有効にする用紙属性設定部122を有している。
用紙属性設定部122により設定を有効とされた各給紙トレイの用紙属性は、例えば、記憶部14に用紙属性データ141として記憶される。
また、画像形成制御部13は、複数の給紙トレイ、すなわち、給紙トレイ131a(給紙トレイ1)、給紙トレイ131b(給紙トレイ2)、給紙トレイ131c(給紙トレイ3)、給紙トレイ131d(給紙トレイ4)を有するとともに、各給紙トレイ131(131a,131b,131c,131d)の開及び閉をそれぞれに検出するトレイ開閉検出部150、各給紙トレイ131から給紙した用紙が搬送(フィード)中に紙詰まり(紙ジャム)となった場合に該紙ジャムの発生を給紙元の給紙トレイ131に対応して検出する紙ジャム検出部160が設けられている。
このように、本発明は、用紙を収容する1または複数の給紙装置(給紙トレイ131)を有する画像形成装置10に適用されるもので、この画像形成装置10に直接接続されたユーザインターフェース部11若しくはこの画像形成装置10にネットワーク20または専用線(図示せず)で接続された画像読取装置40または情報処理装置50(50−1,…,50−n)等の他の端末(外部端末)からの各給紙トレイ131に収納された用紙の属性のユーザ指示を各給紙トレイ131の実際の用紙の属性に確実に反映させるようにして各給紙トレイ131から給紙された用紙に対する最適な画像形成を可能にするものである。
特に、本発明の画像形成装置10では、ユーザインターフェース部11若しくは他端末(プリント制御装置30、画像読取装置40、情報処理装置50等)のユーザインターフェース部から用紙属性の設定指示を各々ユーザにより入力する構成において、ユーザが給紙トレイ131に用紙を収容する作業期間と、ユーザインターフェース部からの用紙の各種属性の設定作業期間を一致させた状態でユーザによる給紙トレイ131に収容する用紙の属性の設定を行うことを可能にする。
これを実現すべく、本発明の画像形成装置10では、制御部12内に、設定指示要求制御部123、トレイ使用禁止制御部124を更に備える。
設定指示要求制御部123は、トレイ開閉検出部150により給紙トレイ1,2,3,4のいずれかの開が検出された際、該当するユーザに対して該開が検出された給紙トレイに収容する用紙の属性の設定指示を要求する設定指示要求機能と、該設定指示要求機能による上記設定指示の要求を有効(実行する)または無効(禁止する)するように設定する設定機能と、該設定機能の設定に基づいて、上記設定指示要求機能による設定指示の要求を有効または無効に制御する設定指示要求制御機能を有する。
設定指示要求制御部123の上記設定指示要求機能は、ユーザに対する設定指示要求処理として、具体的には、用紙属性を設定するための画面や用紙の変更を促すメッセージ等を表示する処理を行う。
設定要求制御部123の上記設定指示要求制御機能は、事前の設定に基づき、上記設定指示要求機能による設定指示の要求を有効または無効に制御するものであり、該制御の一つとして、トレイ開閉検出部150によりある給紙トレイの開が検出された後、該給紙トレイの閉が検出された後までを含む期間中、設定指示入力部121により用紙属性の設定指示が入力されるまで設定指示要求機能による設定指示要求を継続する(上記用紙属性設定画面や用紙変更を促すメッセージ等の表示を継続する)制御を行う。
また、制御部12の構成において、設定指示入力部121には、ユーザインターフェース部11あるいは外部端末のユーザインターフェース部から当該設定指示入力部121を通じた用紙属性の設定指示の入力を検出する入力検出機能が備わる。
また、用紙属性設定部122は、本発明特有の構成として、設定指示要求制御部123が、給紙トレイの開が検出された後、該給紙トレイの閉が検出された後までを含む期間中、設定指示入力部121により用紙属性の設定指示が入力されるまで設定指示要求を継続するのに合わせて、設定指示入力部121による上記設定指示の入力が完了したタイミングと、トレイ開閉検出部150により該給紙トレイの閉が検出されたタイミングを監視し、これら両方のタイミングの前後関係に基づき、設定指示入力部121により入力された設定指示に基づく該給紙トレイに収容する用紙の属性の設定を有効にする設定確定制御機能を有する。
また、用紙属性設定部122は、ユーザが、画像形成装置10の給紙トレイを開ける前に、ある端末のユーザインターフェース部にて自分で用紙属性設定画面を表示する(開く)操作を行って用紙属性の設定指示を入力するのに合わせて、設定指示入力部121の上記入力検出機能により該ユーザインターフェース部からの設定指示の入力が検出された際には、設定指示入力部121による上記設定指示の入力が完了したタイミングと、トレイ開閉検出部150によりある給紙トレイの開の検出を経てその閉が検出されたタイミングを監視し、これら両方のタイミングの前後関係に基づき、設定指示入力部121により入力された設定指示に基づく当該給紙トレイに収容する用紙の属性の設定を有効にする設定確定制御機能を有する。
これにより、本発明の画像形成装置10では、用紙属性設定処理に際して、後述の実施例1に示すように、ユーザが給紙トレイを開くことを契機に用紙属性の設定に用いるUI(ユーザインターフェース)画面を当該ユーザが使用するユーザインターフェース部に表示し、該UI画面上で用紙属性の設定指示の入力を受付ける方法と、実施例3,4に示すように、ユーザが該当する端末(画像形成装置10、及びこれに接続される外部端末のいずれか)のユーザインターフェース部で用紙属性設定用のUI画面を自分で開く(表示する)ことを契機に該UI画面上で用紙属性の設定指示の入力を受付ける方法のいずれかによる運用が可能である。
なお、制御部12に設けられるトレイ使用禁止制御部124は、ユーザが給紙トレイを開くことによりユーザインターフェース部に表示されるUI画面を用いて用紙属性の設定指示の入力を受付ける場合と、ユーザが該当するユーザインターフェース部で自分で開いたUI画面を用いて用紙属性の設定指示の入力を受付ける場合において、用紙属性の設定対象の用紙トレイの使用を禁止する制御を行うものであり、例えば、前者の場合には、トレイ開閉検出部150により給紙トレイの開が検出されてから、設定指示入力部121により用紙属性の設定指示が入力され、用紙属性設定部122により当該給紙トレイに収容する用紙の属性の設定が有効になるまで当該給紙トレイの使用を禁止する制御を行い、後者の場合には、設定指示入力部121による該当する給紙トレイに収容する用紙の属性の設定指示の入力が検出されてから、設定指示入力部121による上記設定指示の入力が完了し、用紙属性設定部122により当該給紙トレイに収容する用紙の属性の設定が有効になるまで当該給紙トレイの使用を禁止する制御を行う。
以下、本発明に係わる画像形成装置10の各部の機能動作について以下の各実施例の中でより詳しく説明する。
実施例1に係わる画像形成装置10では、ユーザが給紙トレイを開くことにより、該ユーザに対して該開かれた給紙トレイに収容する用紙の属性の設定指示を要求し、該ユーザにより用紙属性の設定指示が入力されるまでこの設定指示の要求を継続して実施する。
具体的には、ユーザが給紙トレイを開くことを契機に用紙属性の設定に用いるUI画面を当該ユーザが使用するユーザインターフェース部(以下、U/I部)に表示し、該UI画面上で用紙属性の設定指示の入力を受付けるものである。
このUI画面上での用紙属性設定指示の入力操作(UI操作)と並行して、画像形成装置10では、ユーザが、自分が開いた給紙トレイに用紙を収容して該給紙トレイを閉じる操作(給紙トレイ操作)を受け入れる。
この間、画像形成装置10は、上記給紙トレイ操作(給紙トレイの閉)によって給紙トレイが閉じられた後までも含む期間を対象に、ユーザにより、上記UI画面上で用紙属性の設定指示が入力されるまで該UI画面を表示して設定指示の入力を要求する動作を継続する。
これにより、ユーザは、給紙トレイを開くのに合わせて表示されたUI画面を用いて、該給紙トレイを閉じる前に限らず、閉じた後においても用紙属性の設定指示を入力することができる。
上記UI操作及び給紙トレイ操作の進行中、画像形成装置10では、用紙属性設定部122が、用紙属性の設定指示が入力されたタイミング、給紙トレイの閉が検出されたタイミングを監視する。
そして、これらタイミングの前後関係を基に、用紙属性設定部122は、給紙トレイを閉じる前に用紙の属性の設定指示があった場合には、その後、該給紙トレイが閉じられた時点で当該入力された設定指示に基づく用紙属性を有効に設定し(確定し)、給紙トレイが閉じられた時に用紙属性の設定指示が未だ入力されていない場合には、設定指示の入力があるまでユーザによるUI操作を受付け、この間に、用紙属性の設定指示の入力が完了すると、その時点でUI画面を閉じて、当該入力された設定指示に基づく用紙属性を有効に設定する(確定する)。
以下、本実施例の用紙属性設定処理動作について図2に示すフローチャートを参照して詳述する。
図2は、特に、図1に示した画像形成装置10において、給紙トレイを開くことを契機にして、画像形成装置10のU/I部11若しくは他の端末のU/I部を用いて用紙の属性設定指示の入力が可能となる場合の画像形成装置10の制御部12の用紙属性設定に関する処理を示している。
なお、この実施例の以下の説明においては、用紙の属性設定指示を画像形成装置10のU/I部11を用いて行う場合について説明する。
図2の処理において、制御部12は、画像形成部13のトレイ開閉検出部150の出力を監視して、まず、画像形成部13の給紙トレイ1〜4(131a〜131d)のいずれかでトレイを開とする操作があったかを調べる(ステップS101)。
ここで、給紙トレイ1〜4のいずれも開にされていない場合(ステップS101でNO)は、ステップS101に戻るが、給紙トレイ1〜4のいずれかが開にされていると(ステップS101でYES)、次に、この開が検出された給紙トレイが用紙属性設定要求をすると設定されているかを調べる(ステップS102)。
すなわち、この実施例においては、図3に示すような、用紙属性設定の要求設定画面300を用いて、画像形成部13の給紙トレイ1〜4に対応してトレイ開閉時に用紙属性の設定指示をユーザに対して要求するか否かを予め設定できるように構成されている。
この用紙属性設定の要求設定画面300は、用紙属性設定の要求設定時にU/I部11に表示される。
図3に示す用紙属性設定の要求設定画面300において、例えば、給紙トレイ1および給紙トレイ2に対しては、トレイ開閉時に用紙属性の設定指示をユーザに対して要求し、給紙トレイ3および給紙トレイ4に対しては、トレイ開閉時に用紙属性の設定指示をユーザに対して要求しない場合は、給紙トレイ1および給紙トレイ2に対して「要求する」を選択し、給紙トレイ3および給紙トレイ4に対して「要求しない」を選択して、「決定」ボタン301を押すことによりこの設定がなされる。
ここで、用紙属性設定の要求設定は、常に同一の用紙属性の用紙が収容される給紙トレイに対しては「要求しない」に設定され、トレイを開閉する度に異なる用紙属性の用紙が収容される可能性のある給紙トレイに対しては「要求する」に設定される。
この設定がなされた状態で、例えば、ステップS101で、給紙トレイ3の開閉が検出された場合は、この給紙トレイ3は「要求しない」と設定されているので、ステップS102で、給紙トレイが用紙属性設定要求に設定されていないと判断され(ステップS102でNO)、この場合は、このままこの処理を終了する。
また、例えば、ステップS101で、給紙トレイ1の開閉が検出された場合は、この給紙トレイ1は「要求する」と設定されているので、ステップS102で、給紙トレイが用紙属性設定要求に設定されていると判断される(ステップS102YES)。
この場合は、給紙トレイ1を使用不可(使用禁止)状態に設定して(ステップS103)、まず、図4に示す用紙属性設定選択画面310をU/I部11に表示する。この用紙属性設定選択画面310で「閉じる」ボタン311が押されると、この用紙属性設定選択画面310は閉じられる。
図4に示す用紙属性設定選択画面310で「用紙属性の設定」ボタン312を押すと、図5に示す用紙属性設定画面320が表示される(ステップS104)。
この用紙属性設定画面320には、それまで給紙トレイ1に収容されていた用紙の「2ndBTB電圧」、「用紙カール量」、「NIP電圧」、「エアアシスト動作」の各項目に関する用紙属性が表示され、ここで、この用紙属性をそのまま用いる場合は、この状態で「決定」ボタン321を押し、この用紙属性を変更する場合は、表示されている用紙属性を変更した後、「決定」ボタン321を押す。
この用紙属性設定画面320は、設定指示要求制御部123の制御の下に、該画面320を用いて用紙属性の設定指示の入力が行われるまで(入力が完了して「決定」ボタン321が押されるまで)継続して表示される。
次に、ステップS104で表示された用紙属性設定画面320による設定指定入力があったかを調べ(ステップS105)、設定指定入力があると(ステップS105でYES)、用紙属性設定画面320で設定された用紙属性を一時的に保持する処理を行う(ステップS106)。
ステップS106で用紙属性を保持した後、若しくは、上記ステップS105で設定指示入力がない場合(ステップS105NO)、制御部12は、画像形成部13のトレイ開閉検出部150の出力を監視して、ステップS101で開とされている給紙トレイ1を閉とする操作があったかを調べる(ステップS107)。
ここで、給紙トレイ1が閉にされていない場合(ステップS107NO)は、ステップS104に戻るが、給紙トレイ1が閉にされていると(ステップS107YES)、次に、この閉が検出された給紙トレイ1に対して既に用紙属性の設定指示が入力されているかどうかを調べる(ステップS108)。
ここで、用紙属性の設定指示が既に入力(保持)されている場合(ステップS108YES)、用紙属性設定部122は、この時点で当該入力されている用紙属性を有効に設定する用紙属性確定処理を行う(ステップS111)。
これに対して、上記ステップS108で、用紙属性の設定指示が未だ入力されていないと判定された場合(ステップS108NO)、用紙属性設定部122は、上記ステップS104で表示された用紙属性設定画面320による設定指定入力があったかを調べ(ステップS109)、上記ステップS107で給紙トレイ1が閉じられたことが検出されてから所定期間内(ステップS110NO)に設定指示の入力があると(ステップS109YES)、用紙属性設定画面320から入力された設定指示に基づく用紙属性を有効に設定する用紙属性確定処理を行う(ステップS111)。
上記ステップS111での用紙属性確定処理の後、上記ステップS103で設定されたこの給紙トレイ1の使用不可状態を解除し(ステップS112)、用紙属性設定通知を行って(ステップS113)、この処理を終了する。
なお、ステップS113における用紙属性設定通知は、U/I部11に、例えば、図6に示す用紙属性設定確認画面330を表示することにより行われる。
図6に示す用紙属性設定確認画面330には、給紙トレイ1の用紙属性が設定された旨が表示されており、この用紙属性設定確認画面330は、「閉じる」ボタン331を押すことにより閉じられる。
図2に示す一連の処理によって、該当給紙トレイ1に収容する用紙属性の設定指示が有効に設定された後は、画像形成部13における画像形成や用紙の制御、エアーの吹き付け等がこの有効にされた用紙属性(記憶部14に記憶された用紙属性データ141)に基づき制御され、この点は以下に示す各実施例でも同様である。
次に、図2に示す一連の用紙属性設定処理中、ユーザによるUI操作と給紙トレイ操作に基づいて用紙属性の設定が有効(確定)とされるまでの流れを図7に示す模式図を参照して検証する。
図7(a)は、図2のステップS104でU/I部11に表示されたUI画面(用紙属性設定画面320)を用い、ステップS107で給紙トレイ1の閉が検出されるまでの間に用紙属性の設定指示の入力があった場合(ステップS108YES)における用紙属性の確定までの流れを示す模式図である。
この例によれば、トレイ開閉検出部150で給紙トレイ1の開が検出され、これに合わせてU/I部11に表示されたUI画面を用いて設定指示入力部121から該給紙トレイ1に収容する用紙属性の設定指示が入力(設定完了:UI画面が閉じられる)された後、トレイ開閉検出部150で給紙トレイ1の閉が検出された時点で、用紙属性設定部122によって、上記設定指示入力部121から入力された設定指示に基づく当該給紙トレイ1に収容する用紙属性の設定が有効(確定)とされる。
図7(b)は、図2のステップS104でU/I部11に表示されたUI画面を用い、ステップS107で給紙トレイ1の閉が検出された後に用紙属性の設定指示があった場合(ステップS109YES)における用紙属性の確定までの流れを示す模式図である。
この例によれば、トレイ開閉検出部150で給紙トレイ1の開が検出されてから、該トレイ開閉検出部150で給紙トレイ1の閉が検出された後に、上記給紙トレイ1の開に合わせて表示されたUI画面を用いて設定指示入力部121から該給紙トレイ1に収容する用紙属性の設定指示が入力(設定完了:UI画面が閉じられる)された時点で、用紙属性設定部122によって、当該設定指示入力部121から入力された設定指示に基づく当該給紙トレイに収容する用紙属性の設定が有効(確定)とされる。
また、本実施例では、図7(a)及び(b)のいずれの例においても、制御部12のトレイ使用禁止制御部124によって、トレイ開閉検出部150で給紙トレイ1の開が検出されてから、設定指示入力部121で該給紙トレイ1に収容する用紙属性の設定指示が入力され、更に、用紙属性設定部122により上記入力された設定指示に基づく用紙属性の設定が有効(確定)とされるまでの間〔図7(a)の例では、給紙トレイ1の開から閉までの間。図7(b)の例では、給紙トレイ1の開からUI画面が閉じられる(設定完了)までの間〕、当該給紙トレイ1の使用を禁止する制御(図2におけるステップS103及びS112参照)が行われる。
図2、図7(a)及び(b)を参照して説明したように、本実施例では、UI操作期間(用紙属性設定作業期間)と給紙トレイ操作期間(用紙収容作業期間)が一致する期間が存在するため、ユーザは、自分が行っている用紙属性の設定状態を把握し易く、両タイミングが異なっていた時に比べて混乱なく、用紙属性設定作業及び用紙収容作業を進めることができる。
なお、本実施例において、給紙トレイを開くことを契機に表示されるUI画面を用いて用紙属性の設定を行う操作は、画像形成装置10のU/I部11から行える他、この画像形成装置10とネットワーク20または専用線等により接続されるプリント制御装置30、画像読取装置40、情報処理装置50−1〜50−nの外部端末の各U/I部を用いて行うことも可能である。
画像形成装置10から離れた場所にあるこれら外部端末のU/I部から該当ユーザが用紙属性の設定指示を入力する場合、例えば、図7(b)に示す運用制御を活用できる。
この場合に、ユーザは、該当する給紙トレイを開けてそのU/I部にUI画面を表示させた状態で、当該給紙トレイに用紙を収容して該給紙トレイを閉じた後に、上記UI画面を操作して該給紙トレイに収容する用紙属性の設定指示を入力することができる。
かかるUI操作及び給紙トレイ操作に対し、画像形成装置10は、図7(b)に示すように、トレイ開閉検出部150で給紙トレイの開を検出することにより該当する外部装置のU/I部に表示した状態で、トレイ開閉検出部150で給紙トレイの閉が検出された後に、既に表示中の上記UI画面を用いて設定指示入力部121を通じて該給紙トレイに収容する用紙属性の設定指示が入力されたことを検出し、その時点で、用紙属性設定部122により、当該設定指示入力部121から入力された設定指示に基づく当該給紙トレイに収容する用紙属性の設定を有効にする。
このように、給紙トレイの閉の検出後にもUI画面を表示したまま設定指示入力部121による用紙属性の設定指示の入力を受付け、その後に用紙属性の設定指示の入力が行われた時点で当該入力された設定指示に基づく用紙属性を有効に設定する制御を活用することで、ユーザは、画像形成装置10における該当する給紙トレイに対する用紙交換作業を終えて該給紙トレイを閉じた後に該画像形成装置10から離れた場所にある外部端末まで戻ってそのU/I部から当該給紙トレイに収容する用紙の属性の設定指示を入力するだけで用紙属性を設定することができ、給紙トレイの閉により用紙属性を設定(確定)する従来の構成にように外部端末と画像形成装置10との間を往復する必要がなくなり、用紙属性の設定作業を大幅に軽減できる。
しかも、この場合、画像形成装置10では、給紙トレイを閉じた状態で用紙属性の設定指示の入力を受付けてその設定を有効にする処理を行うため、自分が操作する外部端末に戻る途中の該当ユーザ(あるいは、近傍を通る他のユーザ)が、画像形成装置の開いた状態の給紙装置につまずくなどの危険性を無くすことができる。
実施例2に係わる画像形成装置10では、ユーザが該当する端末(画像形成装置10、及びこれに接続される外部端末のいずれか)のU/I部で、給紙トレイが指定された用紙属性設定用のUI画面を自分で開く(表示する)ことを契機に、その後にこのユーザによって当該給紙トレイに収容される用紙属性の設定指示の入力を当該UI画面上で受付けるものである。
このUI画面上での用紙属性設定指示の入力操作(UI操作)と並行して、画像形成装置10では、ユーザが行う、該当する給紙トレイを開いて該給紙トレイに用紙を収容し、その後、該給紙トレイを閉じる一連の給紙トレイ操作を受け入れる。
この間、画像形成装置10は、上記給紙トレイ操作(給紙トレイの開あるいは閉)によって給紙トレイが開かれ、更に該給紙トレイが閉じられた後までも含む期間を対象に、ユーザにより、上記UI画面上で用紙属性の設定指示が入力されるまで該UI画面を表示して設定指示の入力を要求する動作を継続する。
これにより、ユーザは、自らの画面表示要求操作によって表示されたUI画面を用いて、該給紙トレイを閉じる前に限らず、閉じた後においても用紙属性の設定指示を行うことができる。
上記UI操作及び給紙トレイ操作の進行中、画像形成装置10では、用紙属性設定部122が、用紙属性の設定指示の入力が完了したタイミング、給紙トレイの開が検出され次いで該給紙トレイの閉が検出されたタイミングを監視する。
そして、これらタイミングの前後関係を基に、用紙属性設定部122は、給紙トレイが開かれた後、給紙トレイを閉じる前に用紙の属性の設定指示があった場合には、その後、該給紙トレイが閉じられた時点で当該入力された設定指示に基づく用紙属性を有効に設定し(確定し)、給紙トレイが開かれた後、給紙トレイが閉じられた時に用紙属性の設定指示が未だ入力されていない場合には、設定指示の入力があるまでユーザによるUI操作を受付け、この間に、用紙属性の設定指示の入力が完了すると、その時点でUI画面を閉じて、当該入力された設定指示に基づく用紙属性を有効に設定する(確定する)。
以下、本実施例の用紙属性設定処理動作について図8に示すフローチャートを参照して詳述する。
図8は、特に、図1に示した画像形成装置10において、画像形成装置10のU/I部11若しくは他の端末のU/I部でUI画面が開かれて用紙の属性設定指示が入力される場合の画像形成装置10の制御部12の用紙属性設定に関する処理を示している。
なお、この実施例の以下の説明においては、用紙の属性設定指示を画像形成装置10のU/I部11を用いて行う場合について説明する。
図8の処理において、制御部12は、設定指示入力部121を監視して、まず、U/I部11から用紙の属性設定指示があるかを調べる(ステップS201)。
ここで、用紙の属性設定指示の入力があると判断されると(ステップS201YES)、この用紙属性の設定指示の入力対象とされた給紙トレイを使用不可(使用禁止)状態に設定し(ステップS202)、この給紙トレイに対して用紙交換をユーザ対して要求する設定があるかを調べる(ステップS203)。
すなわち、この実施例においては、図9に示すような、用紙交換の要求設定画面340を用いて、画像形成部13の給紙トレイ1〜4に対応して用紙属性設定時の用紙交換要求を行うか否かを予め設定できるように構成されている。
この用紙交換の要求設定画面340は、用紙交換の要求設定時にU/I部11に表示される。
図9に示す用紙交換の要求設定画面340において、例えば、給紙トレイ1および給紙トレイ2に対しては、用紙属性設定時の用紙交換をユーザに対して要求し、給紙トレイ3および給紙トレイ4に対しては、用紙属性設定時の用紙交換をユーザに対して要求しない場合は、給紙トレイ1および給紙トレイ2に対して「要求する」を選択し、給紙トレイ3および給紙トレイ4に対して「要求しない」を選択して、「決定」ボタン341を押すことによりこの設定がなされる。
ここで、用紙交換の要求設定は、常に同一の用紙属性の用紙が収容される給紙トレイに対しては「要求しない」に設定され、トレイを開閉する度に異なる用紙属性の用紙が収容される可能性のある給紙トレイに対しては「要求する」に設定される。
この設定がなされた状態で、例えば、ステップS201で、給紙トレイ3に対する用紙属性設定指示があった場合は、この給紙トレイ3は「要求しない」と設定されているので、ステップS203で、用紙交換の要求が設定されていないと判断され(ステップS203NO)、この場合は、ステップS202で設定された使用不可状態を解除し(ステップS214)、U/I部11に対して用紙属性設定通知を行って(ステップS215)、この処理を終了する。
また、例えば、ステップS201で、給紙トレイ1に対する用紙属性設定指示があった場合は、この給紙トレイ1は「要求する」と設定されているので、ステップS203で、用紙交換の要求が設定されていると判断され(ステップS203YES)、例えば、図10に示す用紙交換選択画面350をU/I部11に表示する(ステップS204)。
この用紙交換選択画面350には、それまで給紙トレイ1に収容されていた用紙の「2ndBTB電圧」、「用紙カール量」、「NIP電圧」、「エアアシスト動作」の各項目に関する用紙属性が表示されると共に、「決定」ボタン351、「用紙を交換する」ボタン352および「用紙を交換しない」ボタン353が表示される。
この用紙交換選択画面350を用いて、ユーザは、例えば、用紙を交換しない場合は「用紙を交換しない」ボタン353を押せば良く、また、用紙を交換する場合は、「用紙を交換する」ボタン352を押し、更に、各項目の用紙属性の値を交換する用紙に対応する値に変更した後、「決定」ボタン351を押せば良い。
この用紙交換選択画面350は、設定指示要求制御部123の制御の下に、該画面350を用いて用紙属性の設定指示の入力が完了するまで(「用紙を交換する」ボタン352が押され、次いで、「決定」ボタン351が押されるまで)継続して表示される。
この用紙交換選択画面350を表示した後、制御部12は、給紙トレイ1が開かれたか否かを調べ(ステップS205)、給紙トレイ1が開かれない場合(ステップS205NO)はステップS204に戻るが、給紙トレイ1が開かれた場合は(ステップS205YES)、「用紙を交換する」ボタン352が押されたか、「用紙を交換しない」ボタン353が押されたかを調べる(ステップS206)。
ここで、用紙交換選択画面350で、「用紙を交換しない」ボタン353が押されると(ステップS206NO)、ステップS202で設定された使用不可状態を解除した後(ステップS214)、U/I部11に対して用紙属性設定通知を行って(ステップS215)、この処理を終了する。
また、用紙交換選択画面350で、「用紙を交換する」ボタン352が押された場合(ステップS206YES)、次いで、制御部12は、ステップS205でユーザが開いた給紙トレイ1に収容する用紙(それまでに収容していた用紙に代えて収容した用紙:交換後の用紙)に対応する用紙属性(変更後の用紙属性)の設定指示の入力が完了したかどうか(用紙属性の変更後、「決定」ボタン351が押されたかどうか)を調べ(ステップS207)、設定指定の入力が完了した場合(ステップS207YES)、該入力された用紙属性(変更後の用紙属性)を一時的に保持する処理を行う(ステップS208)。
ステップS208で用紙属性を保持した後、若しくは、上記ステップS207で設定指示入力が完了しない場合(ステップS207NO)、制御部12は、画像形成部13のトレイ開閉検出部150の出力を監視して、ステップS205で開とされている給紙トレイ1を閉とする操作があったかを調べる(ステップS209)。
ここで、給紙トレイ1が閉にされていない場合(ステップS209NO)は、ステップS207に戻るが、給紙トレイ1が閉にされていると(ステップS209YES)、次に、この開が検出された給紙トレイ1に対して既に用紙属性(変更後の用紙属性)の設定指示の入力が完了しているかどうかを調べる(ステップS210)。
ここで、用紙属性の設定指示の入力が既に完了している場合(ステップS210YES)、用紙属性設定部122は、当該入力完了している用紙属性(ステップS208で保持した用紙属性)を有効に設定する用紙属性確定処理を行う(ステップS213)。
これに対して、上記ステップS210で、用紙属性の設定指示の入力が未だ完了していないと判定された場合(ステップS210NO)、用紙属性設定部122は、上記ステップS204で表示した用紙交換選択画面350(図10参照)を用いた用紙属性の設定指定の入力があったかどうか(用紙属性の変更後に「決定」ボタン351が押されたかどうか)を調べ(ステップS211)、上記ステップS209で給紙トレイ1が閉じられたことが検出されてから所定期間内(ステップS212NO)に設定指定の入力があると(ステップS211YES)、用紙交換選択画面350から入力された設定指示に基づく用紙属性(変更後の用紙属性)を有効に設定する用紙属性確定処理を行う(ステップS213)。
上記ステップS213での用紙属性確定処理の後、ステップS202で設定されたこの給紙トレイ1の使用不可状態を解除し(ステップS214)、用紙属性設定通知を行って(ステップS215)、この処理を終了する。
なお、ステップS215の用紙属性設定通知は、例えば、実施例1と同様、図6に示した用紙属性設定確認画面330を表示することにより行うことができる。
次に、図8に示す一連の用紙属性設定処理中、UI操作と給紙トレイ操作に基づいて用紙属性の設定が有効(確定)とされるまでの流れを図11に示す模式図を参照して検証する。
図11(a)は、図8のステップS204でU/I部11に表示されたUI画面(用紙交換選択画面350)を用い、ステップS209で給紙トレイ1の閉が検出されるまでの間に用紙属性(交換した用紙に対応する)の設定指示があった場合(ステップS210YES)における用紙属性の確定までの流れを示す模式図である。
この例によれば、ユーザが自分でU/I部11に用紙属性設定用のUI画面を表示し(表示中、用紙属性設定指示入力可能)、次いで、ユーザが用紙属性を設定しようとする給紙トレイ1を開けることによりトレイ開閉検出部150で該給紙トレイの開が検出され、更に、ユーザにより上記UI画面を用いて設定指示入力部121から該給紙トレイ1に収容する用紙属性の設定指示を入力し終えた(設定完了:UI画面が閉じられる)後、トレイ開閉検出部150で給紙トレイ1の閉が検出された時点で、用紙属性設定部122によって、上記設定指示入力部121から入力された設定指示に基づく当該給紙トレイに収容する用紙属性の設定が有効(確定)とされる。
図11(b)は、図8のステップS204でU/I部11に表示されたUI画面を用い、ステップS209で給紙トレイの閉が検出された後に用紙属性の設定指示があった場合(ステップS211YES)における用紙属性の確定までの流れを示す模式図である。
この例によれば、ユーザが自分でU/I部11に用紙属性設定用のUI画面が表示し(表示中、用紙属性設定指示入力可能)、次いで、ユーザが用紙属性を設定しようとする給紙トレイ1を開けることによりトレイ開閉検出部150で該給紙トレイ1の開が検出され、更に、該給紙トレイ1に用紙を収容して該給紙トレイ1を閉じることによりトレイ開閉検出部150で該給紙トレイ1の閉が検出された後に、この時にも継続して表示されている上記UI画面を用いて設定指示入力部121から該給紙トレイ1に収容する用紙属性の設定指示の入力された(設定完了:UI画面が閉じられる)時点で、用紙属性設定部122によって、当該設定指示入力部121から入力された設定指示に基づく当該給紙トレイ1に収容する用紙属性の設定が有効(確定)とされる。
また、本実施例では、図11(a)及び(b)のいずれの例においても、制御部12のトレイ使用禁止制御部124によって、設定指示入力部121による該当する給紙トレイ1に対する用紙属性の設定指示の入力が検出されてから(UI画面が開かれてから)、該設定指示入力部121を通じてU/I部11からの用紙属性の設定指示が入力され、更に、用紙属性設定部122により上記入力された設定指示に基づく用紙属性の設定が有効(確定)とされるまでの間〔図11(a)の例では、設定指示入力検出時(UI画面が開かれた時)から給紙トレイ1の閉までの間。図11(b)の例では、設定指示入力検出時からUI画面が閉じられる(設定完了)までの間〕、当該給紙トレイ1の使用を禁止する制御(図11におけるステップS202及びS214参照)が行われる。
図8、図11(a)及び(b)を参照して説明したように、本実施例においても、UI操作期間(用紙属性設定作業期間)と給紙トレイ操作期間(用紙収容作業期間)が一致する期間が存在するため、ユーザは、自分が行っている用紙属性の設定状態を把握し易く、両タイミングが異なっていた時に比べて混乱なく、用紙属性設定作業及び用紙収容作業を進めることができる。
また、本実施例においても、ユーザが自分でUI画面を開くことを契機に用紙属性の設定を開始する操作は、画像形成装置10のU/I部11からのみならず、この画像形成装置10に接続される外部端末の各U/I部を用いて行うことも可能であり、この場合に、図11(b)に示すように、給紙トレイの閉の検出後にもUI画面を表示したまま設定指示入力部121による用紙属性の設定指示の入力を受付け、その後に用紙属性の設定指示の入力が行われた時点で当該入力された設定指示に基づく用紙属性を有効に設定する制御を活用することで、ユーザは、画像形成装置10から離れた場所にある外部端末で用紙属性の設定を行う場合、画像形成装置10における該当する給紙トレイに対する用紙交換作業を終えて該給紙トレイを閉じた後に外部端末まで戻ってそのU/I部から当該給紙トレイに収容する用紙の属性の設定指示を入力するだけ良く、外部端末と画像形成装置10との間を往復する必要がない。
また、その際、画像形成装置10では、給紙トレイを閉じた状態で外部端末からの用紙属性の設定指示の入力を受付けてその設定を有効(確定)にする処理を行うため、当該ユーザ等が画像形成装置10の開いた状態の給紙装置につまずくなどの危険を回避できる。
実施例1においては、制御部12のトレイ使用禁止制御部124によって、トレイ開閉検出部150によって給紙トレイの開が検出されてから、設定指示入力部121により該給紙トレイに収容する用紙の属性の設定指示が入力され、用紙属性設定部122により当該給紙トレイに収容する用紙の属性の設定が有効となるまで当該給紙トレイの使用を禁止するようにしている(図2のステップS103及びS112、図7参照)。
また、実施例2においては、制御部12のトレイ使用禁止制御部124によって、設定指示入力部121の入力検出機能により該当する給紙トレイに収容する用紙の用紙属性の設定指示の入力が検出されてから、設定指示入力部121により該給紙トレイに収容する用紙の属性の設定指示が入力され、用紙属性設定部122により当該給紙トレイに収容する用紙の属性の設定が有効となるまで当該給紙トレイの使用を禁止するようにしている(図8のステップS202及びS214、図11参照)。
本実施例の画像形成装置10では、制御部12のトレイ使用禁止制御部124が、実施例1に係わる給紙トレイ使用禁止制御(第1の給紙トレイ使用禁止制御)と、実施例2に係わる給紙トレイ使用禁止制御(第2の給紙トレイ使用禁止制御)に関して、それぞれ、給紙トレイの使用禁止制御を有効するか無効にするかのいずれかを禁止制御条件として設定する禁止制御条件設定機能と、第1の給紙トレイ使用禁止制御に対応する禁止制御条件と第2の使用禁止制御に対応する禁止制御条件との論理和によって禁止制御条件を決定する禁止制御条件決定機能を有し、禁止制御条件決定機能で決定された禁止制御条件に基づいて給紙トレイの使用禁止制御を行うものである。
本実施例に係わるトレイ使用禁止制御部124による給紙トレイ使用禁止制御に用いる禁止制御条件の設定パターンとしては、例えば、第1の給紙トレイ使用禁止制御に関する禁止制御条件を常に有効とし、第2の給紙トレイ使用禁止制御に関する禁止制御条件を有効または無効のいずれかに設定するパターンが考えられる。
かかる設定パターンを踏まえて、例えば、第2の給紙トレイ使用禁止制御に関する禁止制御条件を有効に設定した場合に、実施例2でのように、ユーザがある端末のU/I部で用紙属性設定用のUI画面を表示して用紙属性の設定指示の入力操作へと移行する場合の給紙トレイ使用禁止制御について考えてみる。
この場合、給紙トレイの使用禁止制御に関しては、第1の用紙トレイ禁止制御に関する禁止制御条件「給紙トレイの開が検出されてから、用紙属性の設定指示が入力され、用紙の属性の設定が有効となるまで給紙トレイの使用禁止=有効」と、第2の用紙トレイ禁止制御に関する禁止制御条件「用紙属性の設定指示の入力検出後、用紙属性の設定指示が入力され、用紙属性の設定が有効となるまで給紙トレイの使用禁止=有効」との論理和により、第2の用紙トレイ禁止制御に関する禁止制御条件である「用紙属性の設定指示の入力検出後、用紙属性の設定指示が入力され、用紙属性の設定が有効となるまで給紙トレイの使用禁止=有効」が適用する禁止制御条件として決定される。
この場合には、画像形成装置10のトレイ使用禁止制御部124は、上記決定された禁止制御条件に従い、図11(b)と同様、設定指示入力部121の入力検出機能により該当する給紙トレイに収容する用紙の用紙属性の設定指示の入力が検出されてから、設定指示入力部121により該給紙トレイに収容する用紙の属性の設定指示が入力され、用紙属性設定部122により当該給紙トレイに収容する用紙の属性の設定が有効となるまで当該給紙トレイの使用を禁止するように制御する。
次に、第2の給紙トレイ使用禁止制御に関する禁止制御条件を無効に設定した場合に、実施例2でのように、ユーザがある端末のU/I部で用紙属性設定用のUI画面を表示して用紙属性の設定指示の入力操作へと移行する場合の給紙トレイ使用禁止制御について考えてみる。
この場合、給紙トレイの使用禁止制御に関しては、第1の用紙トレイ禁止制御に関する禁止制御条件「給紙トレイの開が検出されてから、用紙属性の設定指示が入力され、用紙の属性の設定が有効となるまで給紙トレイの使用禁止=有効」と、第2の用紙トレイ禁止制御に関する禁止制御条件「用紙属性の設定指示の入力検出後、用紙属性の設定指示が入力され、用紙属性の設定が有効となるまで給紙トレイの使用禁止=無効」との論理和により、第1の用紙トレイ禁止制御に関する禁止制御条件である「給紙トレイの開が検出されてから、用紙属性の設定指示が入力され、用紙の属性の設定が有効となるまで給紙トレイの使用禁止=有効」が適用する禁止制御条件として決定され、この決定された禁止制御条件に従い、例えば、図12に示すようなフローチャートに沿った用紙属性設定処理が実施されることになる。
図12に示す用紙属性設定処理は、図8における一連の用紙属性設定処理中、ステップS202の処理(給紙トレイを使用不可状態にする処理)を、給紙トレイの開が検出された後の直後に実施するように置き換えたものであり、それ以外の処理の流れは、図8の処理の流れと同様である。
すなわち、本実施例では、第2の給紙トレイ使用禁止制御に関する禁止制御条件を無効に設定し、ユーザが自分で用紙属性設定用のUI画面を表示して用紙属性の設定を行う場合には、設定指示の入力が入力検出機能で検出(ステップS301YES)された後、用紙交換の要求設定がなされている場合(ステップS302YES)、用紙交換選択画面350を操作元のU/I部に表示し(ステップS303)、その後、トレイ開閉検出部150で用紙トレイの開が検出された場合(ステップS304YES)に当該給紙トレイを使用不可状態に設定し(ステップS305)、以後、ステップS306以降の処理を行う。
ここで、ステップS301、S302〜S304、S306〜S315の処理は、それぞれ、図8におけるステップS201、S203〜S205、S206〜S215の各処理と同等のものである。
次に、図12に示す用紙属性設定処理におけるUI操作と給紙トレイ操作に基づく用紙属性の設定確定までの流れを図13に示す模式図を参照して検証する。
図13において、同図(a)は、図12のステップS303で操作元のU/I部に表示されたUI画面を用い、ステップS309で給紙トレイの閉が検出されるまでの間に用紙属性の設定指示の入力が完了した場合(ステップS310YES)における用紙属性の確定までの流れを示す模式図であり、同図(b)は、図12のステップS303で操作元のU/I部に表示されたUI画面を用い、ステップS309で給紙トレイの閉が検出された後に用紙属性の設定指示の入力があった場合(ステップS311YES)における用紙属性の確定までの流れを示す模式図である。
図13(a)及び(b)のいずれの場合においても、予め設定された給紙トレイ使用禁止制御に関する禁止制御条件(第1の用紙トレイ使用禁止制御=有効、第2の用紙トレイ使用禁止制御=無効)の論理和に基づくトレイ使用禁止制御部124の給紙トレイ使用禁止制御によって、設定指示入力部121による該当する給紙トレイに対する用紙属性の設定指示の入力が検出された(UI画面が開かれた)段階では給紙トレイの使用が禁止されないが、その後、トレイ開閉検出部150により給紙トレイの開が検出されてから、既に操作元のU/I部に表示されている(開かれている)上記UI画面より設定指示入力部121を通じて用紙属性の設定指示が入力され、更に、この入力された設定指示に基づく用紙属性の設定が用紙属性設定部122により有効(確定)とされるまでの間〔図13(a)の例では、給紙トレイの開から閉までの間。図13(b)の例では、給紙トレイの開からUI画面が閉じられる(設定完了)までの間〕、当該給紙トレイの使用を禁止する制御(図12におけるステップS305及びS314参照)が行われる。
本実施例に係わる画像形成装置10は、画像形成部13内に、各給紙トレイ毎に当該各給紙トレイから給紙された用紙の紙ジャムが発生したことを検出する紙ジャム検出部160を備え、該紙ジャム検出部160の検出出力は、例えば、制御部12に設けられる設定指示要求制御部123に送られる構成となっている。
設定指示要求制御部123は、トレイ開閉検出部150により給紙トレイの開が検出された際に、ユーザに対して該開が検出された給紙トレイに収容する用紙の属性の設定指示を要求する制御、すなわち、該ユーザによる操作元のU/I部に用紙属性設定画面等を表示する制御を行うが、これと合わせて、設定指示要求を有効にするか無効にするかについて事前の設定に従って、上記設定指示要求を実行するか停止するかの制御機能も有している。
特に、本実施例では、設定指示要求の制御条件として、例えば、紙ジャム発生時には設定指示要求を行わない(無効にする)ことを指示する「設定指示要求無効条件=紙ジャム発生時」を予め設定しておくことにより、設定指示要求制御部123は、画像形成部13における紙ジャム検出部160から送られてくる検出信号に基づきある給紙トレイから給紙中の用紙の紙ジャムが発生したことを検出した場合には、当該紙ジャムの発生した用紙トレイがユーザにより開かれた場合にも設定指示入力要求をユーザに対して行わないように制御するものである。
この設定指示要求制御動作の前提として、本実施例の画像形成装置10(制御部12)では、画像形成部13における紙ジャム検出部160から送られてくる検出出力を常時監視し、該紙ジャム検出部160の検出出力に基づきある給紙トレイから給紙中の用紙の紙ジャムが発生したことを検出した場合には、各端末のU/I部に当該給紙トレイからの給紙中に用紙の紙ジャムが発生した旨を紙ジャム発生通知情報として表示する制御を行う。
一方、各端末のユーザは、U/I部に表示された上記紙ジャム発生通知情報を見て紙ジャム発生を認識したうえで、紙ジャム発生元の給紙トレイを開けることにより、該給紙トレイから給紙されて紙ジャムに至った用紙を除去する作業にあたる。
図14は、かかる運用状況を背景とする本実施例に係わる画像形成装置10の設定指示要求制御動作を示すフローチャートである。
図14において、画像形成装置10の設定指示要求制御部123は、トレイ開閉検出部150により給紙トレイの開が検出されたか否かを監視している(ステップS401)。
ここで、トレイ開閉検出部150により給紙トレイの開が検出された場合(ステップS401YES)、設定指示要求制御部123は、この時点で紙ジャム検出部160の検出出力に基づき当該給紙トレイにおいて給紙用紙の紙ジャムが発生しているか否かをチェックする(ステップS402)。
ここで、当該給紙トレイにおいて紙ジャムが発生していない場合(ステップS402NO)、制御部12は、例えば、図2におけるステップS102以降の処理に移行し、用紙属性設定のための通常の処理(ステップS411)を実施する。
これに対し、当該給紙トレイにおいて紙ジャムが発生している場合(ステップS402YES)、設定指示要求制御部123は、該給紙トレイの開を契機とする設定指示入力要求を行わない(無効にする)ように制御する。
この設定指示要求規制制御(設定指示要求を無効とする制御)としては、具体的に、該給紙トレイを開いたユーザが操作するU/I部に、該開かれた給紙トレイに対する用紙属性の設定画面を表示しないように制御する(ステップS403)。
その後、制御部12は、該給紙トレイを開いたユーザによる該当U/I部の操作(画面表示要求操作)により、該U/I部に用紙属性設定用のUI画面が表示されたか否かをチェックする(ステップS404)。
ここで、U/I部にUI画面が表示されていない場合(ステップS404NO)、次いで、制御部12は、トレイ開閉検出部150により当該給紙トレイの閉が検出されたか否かを監視する(ステップS405)。
ここで、当該給紙トレイの閉が検出されなかった場合(ステップS405NO)、ステップS404に戻るが、当該給紙トレイの閉が検出された場合(ステップS405YES)、制御部12は、この時点で入力されている当該給紙トレイの用紙属性を有効に設定し(ステップS406)、その後、待機状態に戻る(ステップS407)。
これに対し、当該給紙トレイの閉が検出されないままU/I部に上記UI画面が表示された場合(ステップS404YES)、引き続き当該給紙トレイの閉が検出されたか否かをチェックする(ステップS408)。
ここで、当該給紙トレイの閉が検出された場合(ステップS408YES)、制御部12は、この時点で入力されている当該給紙トレイの用紙属性を有効に設定しない(無効に維持する)ように制御し(ステップS409)、ユーザがステップS404にて自分で開いた用紙属性設定用の画面を用いた用紙属性設定処理を開始する、例えば、図8、図12に例示するような用紙属性設定処理(図8ではステップS201、図12ではステップS301)へと移行する。
図14におけるステップS401YES→S402YES→S403の処理の流れからも分かるように、本実施例では、ユーザにより給紙トレイが開かれた場合、当該給紙トレイに対応して紙ジャムが発生している場合には、該当U/I部に自動で用紙設定画面を表示したり、用紙変更を促すメッセージを表示することがないよう、いわゆる、設定指示要求を無効にする制御機能を備える。
かかる設定指示要求無効制御機能によれば、U/I部に表示された紙ジャム発生報知情報を基に紙ジャムを除去しようとして該当する給紙トレイを開いた際に、用紙属性設定に移行するための余計な情報が表示されないようになり、ユーザは、紙ジャム除去にとっては必要のない情報に困惑されることなく紙ジャム除去作業を円滑に進めることができる。
また、図14におけるステップS403以降、S404NO→S405YES→S406の処理の流れからも分かるように、本実施例では、ユーザにより開かれた給紙トレイに対応して紙ジャムが発生している場合に設定指示要求を無効(用紙設定画面や用紙変更を促すメッセージの非表示)にする制御(ステップS401YES→S402YES→S403)を行った後、該給紙トレイの閉が検出された場合に用紙属性を有効に設定する制御機能を有する。
かかる制御機能によれば、ユーザは、当該給紙トレイからの給紙中に発生した紙ジャムを除去した後、該給紙トレイを閉じるだけで、当該給紙トレイに対して現在入力されている用紙属性の設定を有効にでき、以後、印刷指示を発行して当該給紙トレイから給紙した用紙に印刷を行う場合に、当該有効に設定された用紙属性を用いて当該印刷指示に基づく印刷制御(印刷ジョブ)を続行できるようになる。
また、図14におけるステップS403以降、S404YES→S408YES→S409の処理の流れからも分かるように、本実施例では、ユーザにより開かれた給紙トレイに対応して紙ジャムが発生している場合に設定指示要求を無効(用紙設定画面や用紙変更を促すメッセージの非表示)にする制御(ステップS401YES→S402YES→S403)を行った後、該給紙トレイを閉じる前にユーザが自分で用紙属性設定画面を開いた場合、その後、該給紙トレイを閉じた時には、用紙属性を有効に設定しない(無効にする)ように制御する機能を有する。
かかる制御機能によれば、ユーザは、給紙トレイを開いて当該給紙トレイからの給紙中に発生した紙ジャムを除去し、次いで、用紙を変更したうえで自分で用紙属性設定画面を開いて後に該給紙トレイを閉じるという操作を経て当該用紙属性設定画面を用いた用紙属性設定処理へと進むことができ、当該給紙トレイの紙ジャム除去と用紙属性が異なる用紙への交換作業並びに該用紙の属性の設定指示を当該給紙トレイの1回の開閉により円滑に行えるようになる。
なお、本実施例では、給紙トレイが開かれた際、該給紙トレイに用紙ジャムが発生している場合にユーザに対する設定指示要求を無効にする制御を行う例を挙げたが、用紙ジャムに限らず、開かれた給紙トレイに関して何等かの障害が発生している状況全般についてこの制御が適用可能である。
このように、ユーザが開いた給紙トレイに用紙フィード時紙ジャム等の障害が発生している場合に該ユーザに対する設定指示要求を無効(用紙設定画面や用紙変更を促すメッセージの非表示)にする制御を行うことで、ユーザは、その時点でU/I部に表示されている障害報知情報のみを見ながら当該障害の復旧作業に専念できる。
本発明は、用紙を収容する1または複数の給紙装置を有し、この給紙装置から給紙された用紙に画像を形成する画像形成処理を行う画像形成装置に適用でき、給紙装置の開が検出された後、用紙属性の設定指示が入力されるまで設定指示要求を継続する一方で、用紙属性設定手段が、該設定指示要求継続制御の開始後、用紙属性の設定指示の入力が完了したタイミングと、給紙装置の閉が検出されたタイミングの前後関係に基づき、上記入力された設定指示に基づく給紙装置に収容する用紙の属性の設定を有効にする制御を行うことで、給紙装置に対する用紙収容作業期間と、用紙属性の設定作業期間を一致させてユーザが用紙属性設定状態を把握し易くすることができ、しかも、離れた場所のユーザインターフェース装置からも画像形成装置との間を往復することなくかつ安全に用紙属性を設定できる。
本発明に係る画像形成装置の一概略構成例を示すブロック図。
実施例1に係わる画像形成装置の用紙属性設定処理を示すフローチャート。
用紙属性設定の要求設定画面の表示例を示す図。
用紙属性設定選択画面の表示例を示す図。
用紙属性設定画面の表示例を示す図。
用紙属性設定確認画面の表示例を示す図。
実施例1の用紙属性設定処理での用紙属性設定確定までの流れを示す模式図。
実施例2に係わる画像形成装置の用紙属性設定処理を示すフローチャート。
用紙交換の要求設定画面の表示例を示す図。
用紙交換選択画面の表示例を示す図。
実施例2の用紙属性設定処理での用紙属性設定確定までの流れを示す模式図。
実施例3に係わる画像形成装置の用紙属性設定処理を示すフローチャート。
実施例3の用紙属性設定処理での用紙属性設定確定までの流れを示す模式図。
実施例4に係わる画像形成装置の設定指示要求制御動作を示すフローチャート。
符号の説明
10…画像形成装置、11…ユーザインターフェース(U/I)部、12…制御部、121…設定指示入力部、122…用紙属性設定部、123…設定指示要求制御部、124…給紙トレイ使用禁止制御部、13…画像形成部、131a…給紙トレイ1、131b…給紙トレイ2、131c…給紙トレイ3、131d…給紙トレイ4、14…記憶部、141…用紙属性データ、150…トレイ開閉検出部、160…紙ジャム検出部、20…ネットワーク、30…プリント制御装置、40…画像読取装置、50−1,…,50−n…情報処理装置、300…用紙属性設定の要求設定画面、310…用紙属性設定選択画面、320…用紙属性設定画面、330…用紙属性設定確認画面、340…用紙交換要求設定画面、350…用紙交換要求設定画面