JP2007050351A - 吸着部材の製造方法、検出センサの製造方法、吸着部材 - Google Patents

吸着部材の製造方法、検出センサの製造方法、吸着部材 Download PDF

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Abstract


【課題】 長期間にわたり安定して利用することができ、しかも高い検出感度を得ることのできる吸着部材の製造方法、検出センサの製造方法等を提供することを目的とする。
【解決手段】 ゾルゲル法で二酸化チタンからなる吸着部材を製造するに際し、溶媒中に分散させた二酸化チタンの原料にポリエチレングリコールを添加してゲル化し、得られたゲルを加熱して溶媒を揮発させ、さらに溶媒の揮発により残存した原料を熱処理することで、二酸化チタンの原料をポーラス化し、多孔体状の吸着部材を得る。この吸着部材で特定の分子を吸着し、このときの質量変化を検出することで、高精度な分子の検出を可能とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、特定の分子を吸着する吸着部材の製造方法等に関する。
従来より、爆発危険性や有害性のあるガス等の存在、あるいはその定量的な濃度を検出するためのセンサが存在した。このセンサでは、ガスに含まれる特定の分子を吸着し、その吸着の有無、あるいは吸着量を検出することで、ガス等の存在の有無、あるいはその濃度を検出している。このようなセンサは、ガス等を取り扱う施設、設備、装置等に設置され、ガス漏れの検出、ガス量のコントロール等のために用いられている。
また近年、燃料電池の開発が盛んに行われている。燃料電池は水素を用いるため、水素ステーションや、燃料電池を使用する車両や装置、機器等において、水素の漏れが無いか監視するのが好ましい。このような用途にも、上記センサは適用できる。
上記用途以外にも、特定の分子を吸着することで、その吸着の有無あるいは吸着量を検出するセンサは、例えば食物の鮮度や成分分析、快適空間を提供・維持するための環境制御、さらには、人体等、生体の状態検知等に用いることが考えられる。
このようなセンサとしては、従来、大きく分けて2種類の方式のものがあった。
一つは、カンチレバー上に、特定の分子を吸着する吸着膜(感応膜)を設け、吸着膜に分子が吸着されたときのカンチレバーの状態変化から、分子の吸着を検出するものである。吸着膜に分子が吸着されると、吸着膜の質量が増加する。これにより、カンチレバーのたわみ量が変化するので、その変化量から、特定の分子の吸着を検出できる。また、分子の吸着により吸着膜の質量が増加すると、カンチレバーと吸着膜とからなる系の共振周波数が変化するので、その変化から特定の分子の吸着を検出することもできる(例えば、非特許文献1参照。)。
もう一つの方式は、水晶振動子に吸着膜を設け、吸着膜に分子が吸着されたときの水晶振動子の共振周波数変化から、特定の分子の吸着を検出するものである。
このような方式を採用することで、白金やパラジウムを水素分子の吸着膜として適用した水素ガス検知や、PMMAポリマーを用いたアルコール成分検知、また食物の匂い検知等が実現できることが既に報告されている。特に、カンチレバーや水晶振動子の共振周波数変化を検出する方法では、特定分子が吸着膜に吸着して微小な質量変化が生じた際に、高い振動Q値を有する水晶振動子やカンチレバーの共振周波数がその質量変化に極めて敏感に反応して変化を生じるため、高感度な検知が可能になっている。
こうした従来の水晶振動子やカンチレバーの共振周波数変化を用いてガス検知をする方法においては、センサ自体を、水晶の固体素子や、微細加工技術で製作する大きさ数十〜数百μmのカンチレバーで構成する。したがって、センサの小型化が可能であり、また前述のように振動Q値も高くできる特徴があるので、小型化、高感度化の面で優れた構成であると言える。
Suman Cherian, Thomas Thundat、"Determination of adsorption-induced variation in the spring constant of a microcantilever"、Applied Physics Letter、2002年、Vol.80、No.12、pp.2219-2221
ところで、検出対象となる特定の分子を吸着する吸着膜には、有機系材料で形成されたものと、無機系材料で形成されたものがある。
有機系材料で形成された吸着膜は、分子を、分子との化学反応によって吸着するため、吸着性能に優れるが、一旦分子が吸着すると分子が離脱しにくく、長期間にわたって安定した利用を行うのが難しい。
一方、無機系材料は、熱を加えること等により、吸着した分子を容易に離脱させることができるものの、吸着性能の面で有機系材料に劣る。吸着性能が低いと、検出感度が劣ることにも直結する。吸着膜を大きくすることで、分子の吸着量を増やし、検出感度を向上させることも考えられるが、それではセンサの大型化を招くうえに、カンチレバー等も大きくなるため、カンチレバー自体の感度低下を招く要因ともなり得る。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、長期間にわたり安定して利用することができ、しかも高い検出感度を得ることのできる吸着部材の製造方法、検出センサの製造方法等を提供することを目的とする。
そこで、本発明者らは、検出子自体を拡大することなく、実質的な表面積を大きくして高感度を図る、ということを考えた。これには、吸着膜を単なる膜状ではなく多孔体状とするのが有効であると考えた。
吸着膜を構成する無機系材料として代表的な二酸化チタン(TiO)を多孔体状とする試みは、様々行われている兆しがあるが、容易かつ確実に、しかも低コストでこれを実現するのは容易ではない。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ポリエチレングリコールの添加が、課題の解決に非常に有効であることを見出した。
そこでなされた本発明は、特定の分子を吸着する吸着部材の製造方法であって、溶媒中に分散させた二酸化チタンの原料にポリエチレングリコールを添加し、ゲル化する工程と、ゲルを加熱し、溶媒を揮発させる工程と、溶媒の揮発により残存した原料を熱処理して多孔体を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
このとき、二酸化チタンは、溶媒中に分散させ、ゲル化するのが好ましい。
また、二酸化チタン以外に、本発明と同様の手法を用いることで、二酸化シリコン、二酸化ジルコニウムのような他の材料についても、同様に多孔質化して多孔体を形成することができる。
ポリエチレングリコールは、原料が分散された溶媒に対してポリエチレングリコールを0.5wt%以上添加するのが好ましい。
なお、二酸化チタンの原料としては、例えば、Tiテトライソプロポキシドとジエチルアミンを、水等の溶媒に分散させたものを用いることができる。このような混合物に、ポリエチレングリコールを0.5wt%以上添加するのである。
原料に添加するのは、ポリエチレングリコール以外に、ブロックコポリマー等、二次元または三次元の自己組織化が可能な高分子材料とすることも可能であり、これによっても多孔体を形成することができる。ブロックコポリマー(あるいは単にブロックポリマー)は、異なる2個、或いは3個のポリマーを混ぜることで自己組織的に二次元または三次元構造を形成するものを指している。自己組織化可能なポリマーは、全て本発明におけるポリエチレングリコールに代替しての使用が可能である。
また、溶媒を揮発させる工程では、原料を100℃以上に加熱し、溶媒を揮発させるのが良い。そして、多孔体を形成する工程では、原料を450℃以上で熱処理し、多孔体を形成するのが好ましい。
このようにして形成される無機物質の多孔体は、複数の分子を効率よく吸着する。よって複数の分子を吸着するのに適している。多孔体における選択性を高め、特定種の分子のみを吸着したり検出したりするには、この多孔体の原料に、その原料および選択対象となる分子に適した特定の材料を混ぜ、同様に多孔質状の材料として形成したり、あるいはこの多孔体の表面にスチレンやポリカーボネート、ポリプレンブチル等の高分子を表面に薄膜コートすることができる。
本発明は、特定の分子を検出する検出センサの製造方法とすることもでき、溶媒中に分散させた二酸化チタンの原料にポリエチレングリコールを添加する工程と、原料を加熱し、溶媒を揮発させる工程と、原料を熱処理し、二酸化チタンからなる多孔体を形成する工程と、多孔体に対する分子の吸着を検出する検出部材に多孔体を装着、分子を吸着する物質で多孔体の表面をコーティング、あるいは多孔体により検出部材を形成する工程と、を含むことを特徴とする。多孔体に対する分子の吸着を検出する検出部材に多孔体を装着する工程に代えて、多孔体により検出部材を形成する工程を含むようにしても良い。
また、本発明は、分子を吸着する吸着部材であって、二酸化チタンを主成分とし、ポリエチレングリコールを含む多孔体から形成されることを特徴とする吸着部材とすることもできる。
このような吸着部材は、上記したような本発明の吸着部材の製造方法によって得ることができるものであり、触媒、センサ、ガス吸着用のストレージ部材等の用途に用いることができる。
本発明によれば、ポリエチレングリコールの添加により、二酸化チタンをポーラス化することができ、全体として多孔体状とすることができるため、実質的な表面積を大きくすることができる。これにより、特定の分子の吸着性能を向上させることが可能となる。このようにして、吸着した分子の離脱性に優れる無機系材料を用いて形成される吸着部材において、吸着性能を向上させることが可能となり、高い耐久性を得つつも、特定の分子を検出する検出センサ等の感度を向上させることが可能となる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態における吸着部材の製造方法、検出センサの製造方法を適用して得られるセンサの構成を説明するための図である。
この図1に示すセンサ10は、検知対象となる特定の分子(以下、特定分子)を吸着することで、ガスや匂い等の存在(発生)の有無、あるいはその濃度の検出を行うものである。このセンサ10は、特定の分子を吸着する吸着部20と、吸着部20への分子の吸着を検出する検出部30と、を備えている。
吸着部20は、二酸化チタン(TiO)からなる多孔体によって形成されている。
検出部30は、吸着部20における特定分子の吸着の有無、あるいは吸着部20に吸着された特定分子の量を検出する。このような検出部30としては、吸着部20に対する特定分子の吸着を検出できるのであればいかなるものを用いても良いが、例えば、カンチレバー式のものがある。カンチレバー40上に吸着部20を設けておき、吸着部20に分子が吸着されたときのカンチレバー40の状態変化から、分子の吸着を検出するのである。吸着部20に分子が吸着されると、吸着部20の質量が増加する。これにより、カンチレバー40のたわみ量が変化するので、その変化量から、検出部30にて特定分子の吸着を検出できる。また、分子の吸着により吸着部20の質量が増加すると、カンチレバー40と吸着部20とからなる系の共振周波数が変化するので、その変化から特定の分子の吸着を検出することもできる。カンチレバー40を用いる方式以外にも、検出部30としては、ディスク状の振動子等を用いることもできる。また、その質量変化の検出方式も、いかなる方式のものを用いても良い。
さて、上記したような吸着部20は、Tiテトライソプロポキシド、ジエチルアミン、ポリエチレングリコールを用い、ゾルゲル法により、形成することができる。
これにはまず、Tiテトライソプロポキシドとジエチルアミンを、例えばエタノール等の溶媒に分散させ、これを主剤とする。このとき、Tiテトライソプロポキシドとジエチルアミンの量比は、モル比で例えば1:1とするのが好ましい。
水と塩酸をエタノールに溶解し、主剤に滴下する。このとき、Tiテトライソプロポキシドに対する水のモル比は例えば4:1とするのが好ましい。また、エタノールは、主剤を得るのに用いたエタノールと等量とするのが好ましい。
そして、ポリエチレングリコールをエタノールに溶解し、これを主剤に滴下する。このとき、ポリエチレングリコールは、Tiテトライソプロポキシド、ジエチルアミンおよび水の総量に対し、0.5wt%以上の添加量となるようにするのが好ましい。また、エタノールは、主剤を得るのに用いたエタノールと等量とするのが好ましい。
得られた混合物を、例えば24時間、閉空間内で継続的に撹拌し、ゲル化物を得る。
得られたゲル化物を、スピンコート法により、シリコン製の基材上に塗布して薄膜状とする。なお、スピンコート法の他、ゲル化物に基材をディッピングすることで薄膜形成を行うディップコーティング法等を用いても良い。
表面に薄膜が形成された基材を、100〜200℃、例えば100℃で、10〜60分乾燥してエタノールを揮発させる。
さらに、前記の基材を、300〜600℃、例えば450℃以上で60分以上、熱処理する。このようにすると、二酸化チタンがポーラス化し、さらにポリエチレングリコールが揮発して、多孔体とすることができる。
このようにして得られる二酸化チタンは、アナテース(鋭錐石)、ルチル(金紅石)、ブルッカイト(板チタン石)の少なくとも一つを含む特性を有する。
このように、ポリエチレングリコールの添加により、二酸化チタンをポーラス化することができ、得られた薄膜は、多孔体となるため、表面積(BET値)を大きくすることができる。これにより、バルク状のものに比較し、同じ大きさの吸着部20において、より多くの分子を吸着することが可能となる。その結果、センサ10の実質的な感度を向上させることができる。
上記のようにポリエチレングリコールの添加による多孔体状の吸着部20の形成について確認した。
まず、原料として、Tiテトライソプロポキシドとジエチルアミンを用い、24.3mlのエタノールに分散させてこれを主剤とした。Tiテトライソプロポキシドとジエチルアミンの量比は、モル比で1:1とした。
続いて、1.81mlの水と塩酸を24.3mlのエタノールに溶解し、主剤に滴下した。このとき、Tiテトライソプロポキシドに対する水のモル比は、4:1とした。塩酸の量は、Tiテトライソプロポキシド、ジエチルアミンおよび水の総量に対して2.1wt%とした。
そして、ポリエチレングリコールを24.3mlのエタノールに溶解し、これを主剤に滴下した。このとき、ポリエチレングリコールの添加量は、Tiテトライソプロポキシド、ジエチルアミンおよび水の総量に対し、0.5、1、3wt%とした。
また、比較のため、ポリエチレングリコールを添加しない混合物も用意した。
得られた混合物を、24時間、閉空間内で継続的に撹拌し、ゲル化物を得た。そして、得られたゲル化物を、スピンコート法により、シリコン製の基材上に塗布して薄膜を形成し、これを、ホットプレート上で100℃で10分間乾燥し、大気圧下、450℃で1hr熱処理した。また、ポリエチレングリコールを3wt%添加したゲル化物については、450℃で3hr熱処理することも行った。
シリコン製の基材上に形成された薄膜を、SEM(Scanning Electron Microscope)、顕微ラマン分光測定装置(Raman spectroscopy)、X線回折(XRD)で観察した。
図2は、SEMによる観察像を示すものである。図2(a)に示すように、ポリエチレングリコールを添加していない薄膜においては、単なる膜状で多孔体状とはなっていない。これに対し、図2(b)〜(d)、ポリエチレングリコールを添加した薄膜は、粒子が3次元状に凝集していることが確認された。さらに、ポリエチレングリコールの添加量が多いほど、粒子の粒径が大きく、形成された開口の口径も大きくなることが確認された。図2(b)に示した、ポリエチレングリコールの添加量が0.5wt%の場合には、粒子の粒径は350nmであり、図2(c)に示した1.0wt%の場合には950nm、図2(d)に示した3.0wt%の場合には1150nmであった。そして、図3に示すように、得られた薄膜は、多孔体状となっていることが確認された。
このことから、ポリエチレングリコールの添加量をコントロールすることで、粒子の粒径を調整して、多孔体状の吸着膜の空隙率を調整でき、さらに開口の口径も調整できる。これにより、表面積を調整することができ、また、吸着する分子の径による選択性を向上させることも期待できる。
また、図4は、上記と同様、ポリエチレングリコールの添加量を3wt%とし、大気圧下、450℃で0.5hr熱処理した場合の熱処理前後のTEM写真であり、図4(a)に示すように、熱処理前の状態ではアモルファス状態であったものが、図4(b)に示すように、熱処理後にはポーラス化して多孔体状となっていることが確認できた。
図5は、顕微ラマン分光測定装置による測定結果である。
この図5に示すように、ポリエチレングリコールを添加していない薄膜においては、アナテース相(147cm−1)とルチル相(250、432、605cm−1)が検出される。ポリエチレングリコールを1wt%以下とした場合にも、同様の結晶傾向が見られる。
ポリエチレングリコールを1.5wt%とすると、アナテース相とルチル相から、ブルッカイト相(155cm−1)とルチル相へと変異し、アナテース相は消滅していることが確認できる。
ポリエチレングリコールを、さらに3wt%まで増加させていくと、ブルッカイト相のピークのみとなる。
このように、ポリエチレングリコールの添加量を増やしていくことで、アナテース相とルチル相から、ブルッカイト相のみへと変異するのは、二酸化チタンの分子構造が、強い化学変化によって変化するためだと思われる。この考察は、SEMによる多孔体の変異とよく合致する。
図6は、X線回折による測定結果を示すものである。
この図6に示すように、ポリエチレングリコールの添加量にかかわらず、狭いピークの存在が確認できる。このときのピーク強度は、ポリエチレングリコールの増加に伴い、小さくなる。しかし、熱処理時間を長くすることで、結晶粒径が成長し、ピーク強度が高くなることがわかる。
このようにして、ゾルゲル法を用いて二酸化チタンを形成する過程においてポリエチレングリコールを添加することで、薄膜を多孔体状とすることができ、さらにポリエチレングリコールの添加量を調整することで、多孔体の開口の口径をコントロールできることが確認された。
なお、上記実施の形態では、吸着部20をカンチレバー40上に設ける構成としたが、これに限るものではなく、カンチレバー40やディスク状の振動子自体を二酸化チタンからなる多孔体によって形成するようにしても良い。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
本実施の形態における検出センサの概略構成を示す図である。 (a)はポリエチレングリコールを添加しなかった場合、(b)〜(d)はポリエチレングリコールを添加した場合のSEM写真を示す図である。 ポリエチレングリコールの添加により多孔体状となった吸着部を示すSEM写真である。 熱処理前後のTEM写真を示す図である。 吸着部の顕微ラマン分光測定装置による測定結果を示す図である。 吸着部のX線回折による測定結果を示す図である。
符号の説明
10…センサ、20…吸着部、30…検出部

Claims (6)

  1. 特定の分子を吸着する吸着部材の製造方法であって、
    溶媒中に分散させた二酸化チタンの原料にポリエチレングリコールを添加し、ゲル化する工程と、
    前記ゲルを加熱し、前記溶媒を揮発させる工程と、
    前記溶媒の揮発により残存した前記原料を熱処理して多孔体を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする吸着部材の製造方法。
  2. 前記ポリエチレングリコールを、前記原料が分散された溶媒に対して0.5wt%以上添加することを特徴とする請求項1に記載の吸着部材の製造方法。
  3. 前記原料を100℃以上に加熱し、前記溶媒を揮発させることを特徴とする請求項1または2に記載の吸着部材の製造方法。
  4. 前記原料を450℃以上で熱処理し、前記多孔体を形成することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の吸着部材の製造方法。
  5. 特定の分子を検出する検出センサの製造方法であって、
    溶媒中に分散させた二酸化チタンの原料にポリエチレングリコールを添加する工程と、
    前記原料を加熱し、前記溶媒を揮発させる工程と、
    前記原料を熱処理し、二酸化チタンからなる多孔体を形成する工程と、
    前記多孔体に対する前記分子の吸着を検出する検出部材に前記多孔体を装着、前記分子を吸着する物質で前記多孔体の表面をコーティング、あるいは前記多孔体により前記検出部材を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする検出センサの製造方法。
  6. 分子を吸着する吸着部材であって、
    二酸化チタンを主成分とし、ポリエチレングリコールを含む多孔体から形成されることを特徴とする吸着部材。
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