JP2007049278A - システム用カメラ及び連携カメラシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 他のシステム用カメラと連携して移動体を継続して撮影することのできるシステム用カメラ及び連携カメラシステムを提供する。
【解決手段】 システム用カメラ100は、撮影した画像データから移動体を検出すると共に、移動体の外見上の特徴情報を抽出し、かつ移動体がどの側面から撮影されたかを示す側面情報を取得する。そして、移動体の側面情報と特徴情報とを組み合わせて移動体情報を得、この移動体情報を記憶する。さらに、移動体が移動する方向に位置するシステム用カメラを選択し、システム用カメラ110に移動体情報を送信する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、システム用カメラ及び連携カメラシステムに関し、特に移動体を継続的に撮影する際のシステム用カメラ間の連携を円滑に行うための構成に関する。
従来、様々な場所における監視、見守り、対象物・対象者の追跡、異常事態の記録等を行うシステムがある。このようなシステムとして、複数のシステム用カメラを分散配置して広い範囲を監視する監視システムが実用化されており、この監視システムの多くは視野が広角に固定された固定カメラを使用している。
そして、このような監視システムでは、複数のカメラにより撮影された複数の映像が全て監視センターに伝送され、監視センターでは監視人が常時全ての受信映像を監視することにより、不審者の侵入や事件・事故の異常事態の発生を検知していた。
ここで、カメラ台数が多くなるほど漏れのない監視が可能となるが、カメラ台数が多くなるほど監視人の負担が重くなり、逆に異常事態の発見が遅れたり、見過ごしたりする原因となっていた。また、システム用カメラが広角の固定カメラの場合、対象物を撮影することはできるが、特定の場所や対象物をズームアップして詳細に写すことができないため、監視人が事態を正確に把握できない場合があった。
こうした状況を改善するため、複数のシステム用カメラを連携させて移動体を継続的に撮影するようにした連携カメラシステムがある。例えば、複数のシステム用カメラは、それぞれ移動体の自動検出及び特徴量の自動抽出を行い、移動体が一つのカメラの視野内から他のカメラの視野内へ移動する際、移動体を追跡中のカメラから他のカメラへ移動体の特徴情報を送信するようにしている。これにより、他方のカメラでは受信した特徴情報を持つ移動体を発見することが可能となり、複数のカメラ間で移動体を継続して撮影できる。
ここで、他方のカメラへ送信する移動体の特徴情報としては、例えば画像から移動体部分だけを抜き出した後、これを所定の閾値で2値化処理して得られるビットマップパターンを特徴情報として用いるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
そして、先に移動体を撮影していたカメラが抽出した移動体のビットマップパターンをテンプレート情報として他のカメラに送信すると、他のカメラは受信したテンプレート情報と自分が新たに抽出した移動体のビットマップパターンとを比較する。この比較の結果、これらの情報の相関が高い場合に同じ移動体を検出したものと判断する。なお、このようなテンプレート情報を用いた判断方法をテンプレートマッチング法という。
また、他のカメラへ送信する移動体の特徴情報としては、画像から移動体部分だけを抜き出した画像データやその抽象化データを特徴情報として用いるものがある(例えば、特許文献2参照。)。
そして、他のカメラは、先に移動体を撮影していたカメラが抽出した移動体の形状、色、サイズなどを比較することにより以前抽出した移動体の特徴情報と今回抽出した移動体の特徴情報とが同じかどうかを判断する。
特開2002−290962号公報 特開2003−324720号公報
しかしながら、移動体はシステム用カメラに対して常に同じ側面を見せている訳ではなく、移動するにつれて徐々に異なる側面を見せていく。
例えば、図5は、直線道路上を左から右に向かって移動体(自動車)が移動するとき、道路脇手前側に置かれた2台のパン・チルト・ズーム機能付きカメラ(以下、PTZカメラという)100,110が自動車のどの側面を撮影するかを説明する図である。
図5において、システム用カメラである第1PTZカメラ100及び第2PTZカメラ110は常に自動車が画像の中心付近に写るように視野を自動制御しているものとする。これにより、第1PTZカメラ100は時刻t1で視野1−1、時刻t3で視野1−3、時刻t5で視野1−5を撮影し、第2PTZカメラ110は時刻t7で視野2−1、時刻t9で視野2−3、時刻t11で視野2−5を撮影する。
ここで、第1PTZカメラ100又は第2PTZカメラ110が大きく左を向くとき(時刻t1または時刻t7)は、自動車が遠方からカメラに向かって近づいてくるときなので、自動車の右前方側が撮影される。また、第1PTZカメラ100又は第2PTZカメラ110が正面を向いているとき(時刻t3または時刻t9)は、自動車がカメラの目の前を横切るときなので、自動車の右真横側が撮影される。
さらに、第1PTZカメラ100又は第2PTZカメラ110が大きく右を向くとき(時刻t5または時刻t11)は、自動車がカメラの傍を離れて遠方へ遠ざかっていくときなので、自動車の右後方側が撮影される。このように、移動体が移動するにつれて第1PTZカメラ100又は第2PTZカメラ110により、移動体の異なる側面が撮影される。なお、この現象は、PTZカメラで撮影した場合だけに起こるわけではない。
図6は、直線道路上を左から右に向かって自動車が移動するとき、道路脇手前側に置かれた2台の広視野角の固定カメラ(以下、広角カメラという)200,210が自動車のどの側面を撮影するかを説明する図である。
図6において、第1広角カメラ200は視野1を持ち、第2広角カメラ210は視野2を持つ。ここで、第1広角カメラ200の視野1は、図5における視野1−1から視野1−5までの範囲を包含している。同様に、第2広角カメラ210における視野2は、図5における視野2−1から視野2−5までの範囲を包含している。
つまり、第1PTZカメラ100又は第2PTZカメラ110の各視野は、画像の解像度は異なるものの、第1広角カメラ200及び第2広角カメラ210の視野の一部を切り出したものと同じ方向を撮影している。
従って、図6の場合も図5の場合と同様に、時刻t1または時刻t7では自動車の右前方側が撮影され、時刻t3または時刻t9では自動車の右真横側が撮影され、時刻t5または時刻t11では自動車の右後方側が撮影される。つまり、カメラ視野が可変であろうと固定であろうと、カメラに対して移動体が異なる方向へ移動すれば、移動体の異なる側面が撮影されることになる。
このように、移動体が移動するにつれてカメラは移動体の異なる側面を撮影するため、移動体のどの側面が撮影されたかによって、画像データから抽出される移動体の外見上の特徴情報は異なるものとなってしまう。
一方、既述した従来の連携カメラシステムでは、複数のシステム用カメラでそれぞれ移動体のどの側面を撮影したかを調べていない。このため、2つのカメラで同時に移動体を撮影した場合、2つのカメラはそれぞれ移動体の異なる側面を撮影することになり、この場合、同一物体であるにも関わらず特徴情報が一致せず、マッチングに失敗する。
なお、この課題は、視野角が狭い固定カメラを使う場合は起こりにくくなるが、視野角を狭めてしまうと同じ範囲を監視するためにより多くのカメラを設置しなければならなくなり、大幅なコストアップになるという別の課題が生じてしまう。
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、他のシステム用カメラと連携して移動体を継続して撮影することのできるシステム用カメラ及び連携カメラシステムを提供することを目的とするものである。
本発明は、移動体を継続して撮影するシステムに用いられるシステム用カメラにおいて、撮影した画像データから前記移動体を検出する移動体検出手段と、前記移動体の外見上の特徴情報を抽出する特徴情報抽出手段と、前記移動体のどの側面を撮影したかを示す側面情報を取得する側面情報取得手段と、前記移動体の側面情報と特徴情報とを組み合わせて移動体情報を得る移動体情報取得手段と、前記移動体情報を記憶する移動体情報記憶手段と、前記移動体が移動する方向に位置するシステム用カメラを選択するカメラ選択手段と、前記移動体情報を前記カメラ選択手段が選択した移動方向側のシステム用カメラに送信する送信制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
また本発明は、複数のシステム用カメラを用いて移動体を継続して撮影する連携カメラシステムにおいて、前記複数のシステム用カメラは、それぞれ撮影した画像データから前記移動体を検出する移動体検出手段と、前記移動体の外見上の特徴情報を抽出する特徴情報抽出手段と、前記移動体のどの側面を撮影したかを示す側面情報を取得する側面情報取得手段と、前記移動体の側面情報と特徴情報とを組み合わせて移動体情報を得る移動体情報取得手段と、前記移動体情報を記憶する移動体情報記憶手段と、前記移動体が移動する方向に位置するシステム用カメラを選択するカメラ選択手段と、前記移動体情報を前記カメラ選択手段が選択した移動方向側のシステム用カメラに送信する送信制御手段と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明によれば、撮影した画像データから移動体を検出すると共に、検出した移動体の外見上の特徴情報及び側面情報を組み合わせて移動体情報を得、この移動体情報を記憶する。さらに、移動体が移動する方向に位置するシステム用カメラを選択し、このシステム用カメラに移動体情報を送信することにより、他のシステム用カメラと連携して移動体を継続して撮影することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る複数のシステム用カメラを用いた連携カメラシステムのブロック図である。
図1において、100、110はシステム用カメラである第1PTZカメラ及び第2PTZカメラ、120はモニタリング装置である。ここで、第1及び第2PTZカメラ100,110はそれぞれ必要に応じて、ネットワーク130を介して画像データ及びまたは移動体情報をモニタリング装置120に送信する。また、第1及び第2PTZカメラ100,110はそれぞれ必要に応じて、ネットワーク130を介して互いに移動体情報を送受信する。
なお、図1において、破線矢印は第1及び第2PTZカメラ100,110からネットワーク130への符号化済み画像データを含む画像データの流れを示している。また、実線矢印はそれ以外の第1及び第2PTZカメラ100,110とネットワーク130の間のデータ、例えば移動体情報や各種制御情報などのデータの流れを示している。
また、ネットワーク130には有線/無線、公衆網/専用網を問わず、任意の通信網、通信回線、通信技術を利用可能である。従来の連携カメラシステムの一例である監視カメラシステムではアナログ専用線が多く利用されていたが、近年ではLAN回線や携帯電話回線の利用が増えており、より広い概念で言えばインターネットの利用が増えている。
なお、図1においては、2つのカメラ100,110しか図示していないが、他にも2つのカメラ100,110と同様の構成の不図示のカメラが存在している。そして、これらの不図示のカメラも全てネットワーク130を介して画像データ及びまたは移動体情報をモニタリング装置120に送信する。また、それぞれ必要に応じてネットワーク130を介して互いに移動体情報を送受信する。
第1PTZカメラ100は、設置情報取得部101、撮影パラメータ制御部102、画像撮影部103、記憶部104、移動体情報処理部105、画像符号化部106、通信部107を備えている。また、第PTZ2カメラ110及び不図示のカメラも、設置情報取得部111、撮影パラメータ制御部112、画像撮影部113、記憶部114、移動体情報処理部115、画像符号化部116、通信部117を備えている。
設置情報取得部101は、隣接するカメラの設置位置及び設置向き(カメラ台座の向き)を3次元の絶対座標及び方向角として取得する。なお、この絶対座標の原点及びXYZ軸方向は任意に決めてよいが、すべてのカメラが同じ座標系を使用しなければならない。
ここで、第PTZ2カメラ110及び不図示のカメラに備えられている設置情報取得部111も、同じ機能及び構成を有していることから、設置情報取得部111についての説明は省略する。また、この他、第PTZ2カメラ110及び不図示のカメラに備えられている、第1PTZカメラ100のものと同じ機能及び構成を有した撮影パラメータ制御部112等の説明についても省略する。
ところで、設置情報取得部101の設置情報取得方法には任意の従来技術を用いることができる。例えば、GPS計測装置等の自動計測装置を利用して自分の設置情報(設置位置及び設置向き)を取得した後、隣接するカメラ間同士で通信を行うことにより、互いの設置情報を交換する方法がある。
また、最も簡単な設置情報取得方法は、予めユーザが既存の測定装置を利用して隣接するカメラの設置情報(設置位置及び設置向き)を測定しておき、それを記憶部104に入力しておく方法である。この場合、設置情報取得部101は不要となる。なお、この設置情報取得部101が取得するか、または予め記憶部104に記憶しておいた設置情報は、後述する移動体情報処理部105によって利用される。
画像撮影部103は画像を撮影すると共に不図示のパン・チルト・ズーム機構を備えており、撮影パラメータ制御部102の指示に従ってパン・チルト・ズームを行うことにより、撮影方向及び視野角を変化させることが出来る。そして、画像撮影部103で撮影された画像データは、後述する移動体情報処理部105と画像符号化部106に渡される。
撮影パラメータ制御部102は、画像撮影部103のパン角とチルト角を制御するものであり、後述するように移動体情報処理部105から画像上での移動体の移動方向と移動量の予測結果を渡される。そして、この予測結果を用いて移動体が今後カメラ視野の中心付近で撮影されるように画像撮影部103のパン角とチルト角を制御する。
なお、ユーザの設定に従って、後述するように移動体情報処理部105から移動体の画像上のサイズを渡されるようになっている。そして、このサイズが予めユーザが決めた所定のサイズに近づくように(または所定の上限サイズと下限サイズの間に収まるように)画像撮影部103のズーム率を制御する。また、撮影パラメータ制御部102は、画像撮影部103のパン角、チルト角及びズーム率を移動体情報処理部105に渡すようになっている。
移動体情報処理部105は、以下に列挙したとおり様々な機能を有すると共に、様々な処理を行う。
1.画像データを時系列的に処理することにより移動体を自動的に検出する(移動体検出機能)。なお、移動体の検出方法としては、背景差分法、フレーム間差分法、オプティカルフロー法などの従来法を用いることができる。
2.画像データから移動体部分を切り出し、そこから予め決められた情報、例えば、形状、サイズ、輝度分布、色分布、特徴点分布、ビットマップパターンなど、あるいはこれらのいくつかを組み合わせたものを抽出する。これにより、移動体の外見上の特徴情報を取得する(特徴情報抽出機能)。
3.後述する図2に示すように、カメラに対して移動体のどの側面が撮影されたかを示す側面情報を取得する(側面情報取得機能)。なお、図2の例では、カメラの撮影方向に対する移動体の移動方向(移動体の向き)を相対角度として計算し、この相対角度を移動体の側面情報と等価なものと見なしている。
4.移動体の側面情報と特徴情報とを組み合わせて移動体情報を作り、例えば後述する表1に示す移動体情報を記憶部104に記憶する。
5.画像上における移動体の代表位置(例えば中心位置)を計算し、所定のフレーム数分だけ移動体の代表位置の軌跡を求めることにより、画像上での移動体の今後の移動方向と移動量を予測する。そして、この予測結果を撮影パラメータ制御部102に渡す。また、ユーザ設定によっては移動体の画像上のサイズも計算して撮影パラメータ制御部102に渡す。
6.既述したように撮影パラメータ制御部102から渡された画像撮影部103のパン角とチルト角、及び移動体の画像上での今後の移動方向と移動量の予測結果を用いることにより、移動体がカメラ100の視野から遠ざかっているかどうかを判断する。
ここで、もし移動体が遠ざかっていると判断した場合は、設置情報取得部101が取得するか、又は予め記憶部104に記憶しておいた設置情報を用いて移動体の進行方向にある他のカメラを特定する。そして、通信部107及びネットワーク130を介して、この特定した他のカメラに対して記憶部104に記憶しておいたすべての移動体情報を送信する。あるいは、記憶部104に記憶しておいた移動体情報の一部を選択して送信する。
なお、この移動体情報の選択方法には少なくとも2つの方法がある。第一の方法は、予め記憶部104に記憶しておいた他のカメラの設置情報を参照することにより、他のカメラが撮影する可能性のある移動体の側面情報に対応した(複数組の)移動体情報だけを選択する方法である。
第二の方法は、隣接するカメラと定期的に通信し、隣接するカメラが現在どちらの方向を向いているかを調べておくことにより、特定したカメラが最初に移動体のどの側面から撮影するかを判断する。そして、判断結果と同じ側面情報に対応する移動体情報または特徴情報のみを選択する。
7.他のカメラから受信した移動体情報と自身が取得した移動体情報とを比較する(移動体情報比較機能)。
つまり、移動体情報処理部105は、ソフト上の撮影した画像データから移動体を検出する移動体検出手段と、移動体の外見上の特徴情報を抽出する特徴情報抽出手段と、移動体のどの側面を撮影したかを示す側面情報を取得する側面情報取得手段とを備えている。また、移動体情報処理部105は、移動体の側面情報と特徴情報とを組み合わせて移動体情報を得る移動体情報取得手段と、移動体情報を記憶する移動体情報記憶手段と、移動体が移動する方向に位置するシステム用カメラを選択するカメラ選択手段とを備えている。
さらに、移動体情報をカメラ選択手段が選択した移動方向側のシステム用カメラに送信する送信制御手段を備えている。また、通信部107により受信した他のシステム用カメラからの移動体情報と、移動体情報取得手段が取得した移動体情報とを比較する移動体情報比較手段と、移動体の接近離反を判定する判定手段とを備えている。
画像符号化部106は、画像撮影部103からの画像データ及び移動体情報処理部105が時系列的に処理した画像データを予め決められた手順で画像データの圧縮、暗号化、誤り訂正符号化などを行い、符号化済み画像データを通信部107に渡す。ただし、画像符号化部106は、画像データをモニタリング装置120に送信する必要がある場合のみ動作する。
このためには、画像データをモニタリング装置120に送信するかどうかを制御するための制御手順をあらかじめ決めておく必要がある。制御手順の例としては、移動体情報処理部105が移動体を検出している間は常に画像データをモニタリング装置120に送信するというものがある。
あるいは別の例として、モニタリング装置120のユーザが画像データ送信の開始及び停止を制御できるようにシステム設計しておくこともできる。なお、さらに別の例として、モニタリング装置120では画像データは表示しない(移動体の位置情報だけ表示できればよい)と決めた場合は、画像符号化部106は不要となる。
通信部107は、ネットワーク130に適した方法(データ形式、変調方式、通信プロトコルなど)で様々なデータを送受信する。
一方、モニタリング装置120は、通信部121、画像復号化部122、制御部123及び表示部124を備えている。
ここで、通信部121は、ネットワーク130に適した方法で様々なデータを送受信するものである。画像復号化部122は、受信した符号化済み画像データを復号化した後、表示部124に画像データを渡すものである。制御部123は、不図示のユーザインタフェースを備え、ユーザからの指示に応じて表示部124の表示方法を変更したり、任意のカメラに対して制御情報を送信するなどの制御を行うものである。
表示部124は、通信部121から受け取った移動体情報及び画像復号化部122から受け取った画像データをそれぞれ所定の表示方法でユーザに表示するものである。
図2は、既述した図5に示す直線道路上を左から右に向かって自動車(移動体)が移動するとき、道路脇手前側に置かれた第1及び第2PTZカメラ100,110が側面情報を取得する方法を示す図である。
ここで、図2において、第1及び第2PTZカメラ100,110の設置方向を基準にして角度0°とし、また自動車の移動方向を角度β°で表し、第1及び第2PTZカメラ100,110の撮影方向を角度α°で表す。なお、この場合、角度の正方向(+方向)は時計回り方向とする。また、自動車の前面は常に自動車の移動方向を向いているので、角度β°によって自動車の正面方向が決定される。
ここで、自動車が常にカメラ視野の中心に来るように撮影した場合、自動車のどの側面が撮影されるかは、第1及び第2PTZカメラ100,110の撮影方向に対する自動車の相対的な移動方向によって決まる。
図2から明らかなように、第1及び第2PTZカメラ100,110の撮影方向に対する移動体の相対的な移動方向は、相対角度(β−α)°によって求められる。従って、相対角度(β−α)°は移動体の側面情報として利用することができる。
図2の例では、第1及び第2PTZカメラ100,110の設置方向を直線道路に垂直かつ下から上を見る方向(直線道路を見る方向)としている。自動車の移動方向は直線道路に並行かつ左から右に向かう方向なので、β=90となる。このとき、(β−α)の値と自動車の撮影される側面との関係は、以下のようになる。
(β−α)≒180のとき、自動車のほぼ正面が撮影される。
(β−α)≒90のとき、自動車のほぼ真横が撮影される。
(β−α)≒0のとき、自動車のほぼ背面が撮影される。
下記の表1は、図1に示した第1PTZカメラ100が移動体情報を記憶部104に格納する際のデータ格納形式を例示する表である。
Figure 2007049278
この表1には、時刻、ズーム率、相対角度、移動体の特徴情報の4種類のデータが記されているが、このうち相対角度と移動体の特徴情報の2種類のデータが移動体情報を表している。図2で述べたように、相対角度は移動体の側面情報として利用している。
また、もし移動体の特徴情報がズーム率に応じて変化するものであった場合、相対角度と合わせてズーム率も移動体の側面情報の一部と見なし、カメラ間で送受信される移動体情報に含めることとする。これにより、例えば2つのカメラ間でズーム率の制御方法が異なる場合、ズーム率の違いによって生じた移動体の特徴情報の変化を補正することにより、他のカメラから受信した移動体情報と自カメラで抽出した移動体情報とを正しく比較することができる。
ここで、表1において、時刻は第1PTZカメラ100が備える不図示のタイマによって計測され、ズーム率は第1PTZカメラ100が備える不図示のズーム機構の制御量として取得され、相対角度は上述した方法によって求められる。また、移動体の特徴情報は、従来知られているどのような方法によって抽出しても良く、特徴情報の具体例としては、移動体の形状、サイズ、輝度分布、色分布、特徴点分布、ビットマップパターン、或はこれらのいくつかを組み合わせたものが挙げられる。
- 次に、第1及び第2PTZカメラ100,110の連携手順を図3に示すフローチャートを用いて具体的に説明する。
移動体(自動車)が現れる前は、第1及び第2PTZカメラ100,110はいずれも移動体の検出動作を行う(S100;移動物検出手段)。このような移動体の検出動作時、可能な限り広い範囲から移動体を早期に発見することができるよう両カメラ100,110はいずれも、ズーム率を最低にして正面を向くか、または一定周期で左右に首振り動作(パンニング)を行う。なお、第1PTZカメラ100は第2PTZカメラ110の移動体移動方向上流側に位置していることから、第1PTZカメラ100の方が先に移動体を検知する。
ここで、両カメラ100,110が正面方向に静止している場合は、背景差分法やフレーム間差分法を用いて移動体を検出することができる。一方、両カメラ100,110がパンニングしている場合は、オプティカルフロー法を用いてパンニング以外のフローベクトルを検出することにより移動体を検出できる。
次に、このような移動体検出動作により、第1PTZカメラ100が移動体を検出すると(S102のY)、移動体の存在する方向にパンニング及びズームアップ制御を行い、時刻t1で視野1−1を向き、移動体の撮影を開始する(S104)。第1PTZカメラ100は一定期間視野を固定した状態で複数フレームに渡って移動体の画像上での位置の変化を調べることにより、移動体が今後画像上のどの位置まで移動するか予測できるので、その予測位置が画像の中心に来るようにパンニングを行う。
また、パン角の変更に連動してズーム率を変更する。ここで、ズーム率を変更する理由は、移動体がカメラに近づくにつれてズーム率を下げることにより、移動体の画像上でのサイズが常に一定になるようにするためである。
パン角とズーム率の関係は、カメラと監視範囲の対応関係によって異なるため、例えばカメラ設置時にユーザが対応関係を調べて設定しておく。または、移動体情報処理部105が常に移動体の画像上でのサイズを計測し、撮影パラメータ制御部102に渡すことにより、計測されたサイズがあらかじめ定めた所定のサイズに近づくように撮影パラメータ制御部102が自動的にズーム率を制御するようにしてもよい。
上述の撮影パラメータの変更は間欠的に行う。つまり、一定期間視野を固定している間に移動体の画像上での位置の変化を調べ、その結果を受けて所定量だけ撮影パラメータを変更することにより移動体を追跡する、という2つの動作を繰り返す。こうして第1PTZカメラ100が移動体を追跡しながら撮影すると共に、特徴情報を抽出し(S106;特徴情報抽出手段)、側面情報を取得する(S108;側面情報取得手段)。
そして、このようにして得た特徴情報と側面情報とを組み合わせて移動体情報を取得する(S109;移動体情報取得手段)。この後、他のカメラから移動体情報を受信していない場合には(S110のN)、この移動体情報及び他の追加データを表1に例示したような形式で記憶部104に記憶していく(S116;移動体情報記憶手段)。
さらに、第1PTZカメラ100は設置情報取得部101で取得するか、または記憶部104に記憶しておいた設置情報と移動体の移動方向とを比較する。これにより、移動体が進む方向に位置する他のカメラ、この場合は第2PTZカメラ110を選択する(S118;カメラ選択記憶手段)。
そして、それまで接近してきた移動体が第1PTZカメラ100から離反する方向に向かうと判断すると(S120;判定手段)、第1PTZカメラ100は所定のタイミングで記憶しているすべての移動体情報を第2PTZカメラ110に送信する(S122;移動体情報送信手段)。
ここで、所定のタイミングとしては、移動体が第2PTZカメラ110の方向に進んでいることを認識した時刻(例えば時刻t3)、移動体が第1PTZカメラ100の視野から外れそうなことを認識した時刻(時刻t5)、またはその両方の時刻がある。いずれのタイミングに移動体情報を送信するかは、システム設計時に決めておいてもよいし、ユーザ設定によって変更できるようにしておいてもよい。
また、このように移動体情報をすべて送ることにより、第2PTZカメラ110が移動体のどの側面を撮影しても、受信した移動体情報の中から自身が撮影中の側面に対応する移動体情報を見つけ出すことができる。
なお、送信する移動体情報に関しては、すべての移動体情報を送るのではなく、一部の移動体情報を選択して送るようにしても良い。例えば、第2PTZカメラ110の前に障害物があり、視野2−2と視野2−3が障害物によって遮蔽されている場合、第2PTZカメラ110では相対角度120°及び90°に対応する移動体情報を利用できない。
従って、この場合、第1PTZカメラ100は相対角度150°、60°及び30°に対応する移動体情報だけを選択して第2PTZカメラ110に送信すればよい。このように、第2PTZカメラ110が撮影できる側面に対応する移動体情報だけを送るようにすることにより、情報伝送量を減らすことができる。
また、例えば、第2PTZカメラ110は第1PTZカメラ100から移動体情報を受信すると直ちに視野を左に向け、視野2−1を撮影できるとわかっている場合がある。この場合には、第1PTZカメラ100は相対角度150°に対応する移動体情報だけを選択して第2PTZカメラ110に送信すればよい。
このように、第2PTZカメラ110が最初に移動体のどちらの側面から撮影するかを知っていれば、その側面情報に対応した移動体情報だけを送るようにすることにより、情報伝送の無駄をなくすことができる。なお、この場合、移動体情報のうち特徴情報だけを送るようにしても良い。
いずれにしても、この後、第2PTZカメラ110は第1PTZカメラ100から受信した移動体情報と、第2PTZカメラ自身で検出した移動体情報とを比較することにより、第1PTZカメラ100と同じ移動体を検出したかどうかを調べることができる。そして、もし同一の移動体を検出したと判断した場合は、第2PTZカメラ110はそのまま移動体を追跡しながら監視する。逆に、第1PTZカメラ100とは異なる移動体を検出したと判断した場合は、その移動体を無視する。
一方、第1PTZカメラ100は、他のカメラから移動体情報を受信する場合がある。そして、このように他のカメラから移動体情報を受信した場合(S110のY)、S109で取得した移動体情報と、この他のカメラからの移動体情報とを比較する(S112;移動体情報比較手段)。
この比較の結果、他のカメラと同一の移動体を検出したと判断した場合は、第1PTZカメラ100はそのまま移動体を追跡しながら監視する。逆に、他のカメラとは異なる移動体を検出したと判断した場合は、その移動体を無視する。
このように、撮影した画像データから移動体を検出すると共に、検出した移動体の外見上の特徴情報及び側面情報を組み合わせて移動体情報を得、この移動体情報を記憶する。さらに、移動体が移動する方向に位置するシステム用カメラを選択し、このシステム用カメラに移動体情報を所定のタイミングで送信することにより、他のシステム用カメラと連携して移動体を継続して撮影することができる。
これにより、移動体が移動するにつれてカメラに対して移動体の異なる側面が見える場合でも、常に移動体のマッチングに成功する(カメラ間の連携に成功する)。この結果、第1及び第2PTZカメラ100,110は継続して同一の移動体を撮影することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図4は、本実施の形態に係る複数のシステム用カメラを用いた連携カメラシステムのブロック図であり、図4において、200、210はシステム用カメラである第1広角カメラ及び第2広角カメラである。ここで、この第1及び第2広角カメラ200,210はそれぞれ必要に応じて、ネットワーク130を介して画像データ及びまたは移動体情報をモニタリング装置120に送信する。また、第1及び第2広角カメラ200,210はそれぞれ必要に応じて、ネットワーク130を介して互いに移動体情報を送受信する。
なお、図4においては、2つのカメラ200,210しか図示していないが、他にも2つのカメラ200,210と同様の構成の不図示のカメラが存在している。そして、これらの不図示のカメラも全てネットワーク130を介して画像データ及びまたは移動体情報をモニタリング装置120に送信する。また、それぞれ必要に応じてネットワーク130を介して互いに移動体情報を送受信する。
第1広角カメラ200は、設置情報取得部201、画像撮影部203、記憶部204、移動体情報処理部205、画像符号化部206、通信部207を備えている。また、第2カメラ101及び不図示のカメラも、設置情報取得部211、画像撮影部213、記憶部214、移動体情報処理部215、画像符号化部216、通信部217を備えている。
ここで、この第1広角カメラ200の画像撮影部203は広角レンズまたは魚眼レンズを備えており、このため視野が固定された状態で非常に広い視野角で撮影することが出来る。したがって、既述した図1に示すような撮影パラメータ制御部102は、不要となる。
次に、既述した図6に示す直線道路上を左から右に向かって自動車(移動体)が移動するとき、道路脇手前側に置かれた第1及び第2広角カメラ200,210が側面情報を取得する方法について説明する。
図4に示した第1及び第2広角カメラ200,210は、それぞれ常に同じ視野(図6に示す視野1及び視野2)を撮影している。なお、第1及び第2広角カメラ200,210で撮影した画像の一部(X座標の一部の範囲)を切り出した場合、画像の解像度は異なるものの、移動体の写る側面は第1及び第2PTZカメラ100,110で撮影した画像に写る移動体の側面とほぼ同様になる。
下記の表2は、第1及び第2広角カメラ200,210で撮影した画像のX座標範囲に対応する第1及び第2PTZカメラ100,110の撮影方向及び相対角度の例を示す表である。
Figure 2007049278
そして、この表2に例示したような対応表を用いることにより、第1の実施の形態と同様に相対角度と移動体の特徴情報を含む移動体情報を取得することができる。
これにより、移動体が移動するにつれてカメラに対して移動体の異なる側面が見える場合でも、常に移動体のマッチングに成功する(カメラ間の連携に成功する)。この結果、第1及び第2広角カメラ200,210は継続して同一の移動体を撮影することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る複数のシステム用カメラを用いた連携カメラシステムのブロック図。 上記システム用カメラであるPTZカメラが移動体の側面情報を取得する方法を例示する図。 上記システム用カメラである第1及び第2PTZカメラの連携手順を示すフローチャート。 本発明の第2の実施の形態に係る複数のシステム用カメラを用いた連携カメラシステムのブロック図。 移動体が移動するにつれてPTZカメラに対して移動体の異なる側面が見えることを説明する図。 移動体が移動するにつれて広角カメラに対して移動体の異なる側面が見えることを説明する図。
符号の説明
104 記憶部
105 移動体情報処理部
107 通信部
100 第1PTZカメラ
110 第2PTZカメラ
114 記憶部
115 移動体情報処理部
117 通信部
120 モニタリング装置
130 ネットワーク
200 第1広角カメラ
204 記憶部
205 移動体情報処理部
207 通信部
210 第2広角カメラ
214 記憶部
215 移動体情報処理部
217 通信部

Claims (10)

  1. 移動体を継続して撮影するシステムに用いられるシステム用カメラにおいて、
    撮影した画像データから前記移動体を検出する移動体検出手段と、
    前記移動体の外見上の特徴情報を抽出する特徴情報抽出手段と、
    前記移動体のどの側面を撮影したかを示す側面情報を取得する側面情報取得手段と、
    前記移動体の側面情報と特徴情報とを組み合わせて移動体情報を得る移動体情報取得手段と、
    前記移動体情報を記憶する移動体情報記憶手段と、
    前記移動体が移動する方向に位置するシステム用カメラを選択するカメラ選択手段と、
    前記移動体情報を前記カメラ選択手段が選択した移動方向側のシステム用カメラに送信する送信制御手段と、
    を備えたことを特徴とするシステム用カメラ。
  2. 前記移動体情報を送信すると共に他のシステム用カメラからの移動体情報を受信する通信部と、
    前記通信部により受信した他のシステム用カメラからの移動体情報と、前記移動体情報取得手段が取得した移動体情報とを比較する移動体情報比較手段と、を備え、
    前記移動体情報比較手段による比較により撮影している移動体と前記他のシステム用カメラが撮影した移動体とが同じであると判断した場合に、前記移動体の撮影を継続することを特徴とする請求項1記載のシステム用カメラ。
  3. 前記移動体の接近離反を判定する判定手段を備え、
    前記送信制御手段は、前記判定手段により前記移動体が遠ざかっていくと判断すると、前記移動体情報を前記移動方向側のシステム用カメラに送信することを特徴とする請求項1又は2記載のシステム用カメラ。
  4. 前記送信制御手段は、前記移動体情報記憶手段に記憶された移動体情報をすべて前記移動方向側のシステム用カメラに送信することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のシステム用カメラ。
  5. 前記送信制御手段は、前記移動体情報記憶手段に記憶された移動体情報のうち前記移動方向側のシステム用カメラの状態に応じた情報を選択的に送信することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のシステム用カメラ。
  6. 前記送信制御手段は、前記移動体情報記憶手段に記憶された移動体情報のうち前記移動方向側のシステム用カメラが最初に撮影すると予測される移動体の側面情報に対応した情報を選択的に送信することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のシステム用カメラ。
  7. 上記請求項1乃至6の何れか1項に記載のシステム用カメラを連携させて移動体を継続して撮影することを特徴とする連携カメラシステム。
  8. 複数のシステム用カメラを用いて移動体を継続して撮影する連携カメラシステムにおいて、
    前記複数のシステム用カメラは、それぞれ撮影した画像データから前記移動体を検出する移動体検出手段と、前記移動体の外見上の特徴情報を抽出する特徴情報抽出手段と、前記移動体のどの側面を撮影したかを示す側面情報を取得する側面情報取得手段と、前記移動体の側面情報と特徴情報とを組み合わせて移動体情報を得る移動体情報取得手段と、前記移動体情報を記憶する移動体情報記憶手段と、前記移動体が移動する方向に位置するシステム用カメラを選択するカメラ選択手段と、前記移動体情報を前記カメラ選択手段が選択した移動方向側のシステム用カメラに送信する送信制御手段と、を備えていることを特徴とする連携カメラシステム。
  9. 前記複数のシステム用カメラは、それぞれ前記移動体情報を送信すると共に他のシステム用カメラからの移動体情報を受信する通信部と、前記通信部により受信した他のシステム用カメラからの移動体情報と、前記移動体情報取得手段が取得した移動体情報とを比較する移動体情報比較手段と、を備え、前記移動体情報比較手段による比較により撮影している移動体と前記他のシステム用カメラが撮影した移動体とが同じであると判断した場合に、前記移動体の撮影を継続することを特徴とする請求項8記載の連携カメラシステム。
  10. 前記複数のシステム用カメラは、それぞれ前記移動体の接近離反を判定する判定手段を備え、前記送信制御手段は、前記判定手段により前記移動体が遠ざかっていくと判断すると、前記移動体情報を前記移動方向側のシステム用カメラに送信することを特徴とする請求項8又は9記載の連携カメラシステム。
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