JP2007047761A - 光学補償層付偏光板およびその製造方法、ならびに、光学補償層付偏光板を用いた液晶パネル、液晶表示装置および画像表示装置 - Google Patents

光学補償層付偏光板およびその製造方法、ならびに、光学補償層付偏光板を用いた液晶パネル、液晶表示装置および画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】薄型化に寄与し、かつ、優れた耐熱性および耐湿性を有する光学補償層付偏光板を提供すること。
【解決手段】本発明の光学補償層付偏光板は、偏光子と、第1の光学補償層と、第2の光学補償層と、第3の光学補償層とをこの順に有する。第1の光学補償層は、nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが200〜300nmである。第2の光学補償層は、nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが80〜170nmである。第3の光学補償層は、光学的に負の一軸性を示す材料から形成され、かつ、当該材料が傾斜配向している。好ましくは、第2の光学補償層と第3の光学補償層とは、接着剤層のみを介して貼り合わされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学補償層付偏光板およびその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、薄型化に寄与し、かつ、優れた耐熱性および耐湿性を有する光学補償層付偏光板およびその簡便安価な製造方法に関する。また、本発明は、そのような光学補償層付偏光板を用いた液晶パネル、液晶表示装置および画像表示装置に関する。
従来、偏光板は液晶表示装置に多く用いられており、近年急激にその需要が増大している。さらに、偏光板に少なくとも1つの光学補償層を積層させて光学補償機能を付与した楕円偏光板のように付加価値の高い偏光板が使用されるようになってきており、高精細、高画質、広視野角などといった表示品位に対する要求がますます強くなっている。
ところで、ディスコチック液晶化合物を傾斜配向させてなる光学異方性層を三酢酸セルロース(TAC)フィルムにて支持した光学補償位相差フィルムが知られている。このような位相差フィルムは、広視野角機能を有する保護フィルムとして偏光子に直接積層されたり、偏光板に積層されて広視野角機能を付与したりする(例えば、特許文献1および2参照)。
しかし、上記のような位相差フィルムは、例えば高温高湿状態に晒されると、支持基材であるTACフィルムに歪が生じる場合があり、その結果、コントラストが低下する場合がある。
さらに、上記のような位相差フィルムにおいては、光学異方性層自体は10μm以下であって非常に薄いが、TACフィルムを支持基材として機能させるためには100μm程度の厚みが必要となる。その結果、このような位相差フィルムを用いる場合には、薄型化・軽量化が非常に困難である。
特開平6−75116号公報 特開平8−94838号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、薄型化に寄与し、かつ、優れた耐熱性および耐湿性を有する光学補償層付偏光板およびその簡便安価な製造方法を提供することにある。本発明の別の目的は、そのような光学補償層付偏光板を用いた液晶パネル、液晶表示装置および画像表示装置を提供することである。
本発明の光学補償層付偏光板は、偏光子と、第1の光学補償層と、第2の光学補償層と、第3の光学補償層とをこの順に有し、該第1の光学補償層が、nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが200〜300nmであり、該第2の光学補償層が、nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが80〜170nmであり、該第3の光学補償層が、光学的に負の一軸性を示す材料から形成され、かつ、当該材料が傾斜配向している。
好ましい実施形態においては、上記第2の光学補償層と上記第3の光学補償層とは、接着剤層のみを介して貼り合わされている。
好ましい実施形態においては、上記第3の光学補償層の厚みは1〜10μmである。
好ましい実施形態においては、上記第1の光学補償層および上記第2の光学補償層は、それぞれ、ノルボルネン系樹脂および/またはポリカーボネート系樹脂を含有する。
好ましい実施形態においては、上記光学的に負の一軸性を示す材料は、ディスコチック液晶化合物である。
好ましい実施形態においては、上記第3の光学補償層における上記光学的に負の一軸性を示す材料の平均光軸は、該第3の光学補償層の法線方向に対して5°〜50°の角度で傾斜している。
本発明の別の局面によれば、液晶パネルが提供される。この液晶パネルは、上記光学補償層付偏光板と液晶セルとを含む。
本発明のさらに別の局面によれば、液晶表示装置が提供される。この液晶表示装置は、上記液晶パネルを含む。
本発明のさらに別の局面によれば、画像表示装置が提供される。この画像表示装置は、上記光学補償層付偏光板を含む。
本発明のさらに別の局面によれば、光学補償層付偏光板の製造方法が提供される。この製造方法は、光学的に負の一軸性を示す材料が傾斜配向した層と基材とを有する積層体を準備する工程と;nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが80〜170nmである第2の光学補償層と、該積層体とを、該第2の光学補償層と該傾斜配向層とが隣接するようにして貼り合わせる工程と;該基材を剥離して、該傾斜配向層を第3の光学補償層とする工程と;nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが200〜300nmである第1の光学補償層を貼り合わせる工程と;偏光子を貼り合わせる工程とを含む。
好ましい実施形態においては、上記第2の光学補償層と上記積層体とを貼り合わせる工程は、傾斜配向層と基材との接着力より高い接着力で、第2の光学補償層と傾斜配向層とを貼り合わせることを含む。
好ましい実施形態においては、上記基材を剥離する工程は、上記積層体を水浴に浸漬させることを含む。
好ましい実施形態においては、上記水浴の温度は50〜100℃である。
好ましい実施形態においては、上記浸漬時間は3分〜30分である。
以上のように、本発明によれば、光学的に負の一軸性を示す材料から形成された傾斜配向層からTAC支持基材を除去することにより、TAC支持基材の悪影響を排除することができる。具体的には、非常に薄い光学補償層を実現することが可能となり、画像表示装置の薄型化に大きく貢献し得る。さらに、高温高湿環境におけるTACの歪みが排除されるので、非常に優れた耐久性(耐熱性および耐湿性)を有する広視野角楕円偏光板が得られる。
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである:
(1)「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸に垂直な方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。また、例えば「nx=ny」は、nxとnyが厳密に等しい場合のみならず、nxとnyが実質的に等しい場合も包含する。本明細書において「実質的に等しい」とは、光学補償層付偏光板の全体的な偏光特性に実用上の影響を与えない範囲でnxとnyが異なる場合も包含する趣旨である。
(2)「面内位相差Re」は、23℃における波長590nmの光で測定したフィルム(層)面内の位相差値をいう。Reは、波長590nmにおけるフィルム(層)の遅相軸方向、進相軸方向の屈折率をそれぞれ、nx、nyとし、d(nm)をフィルム(層)の厚みとしたとき、式:Re=(nx−ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差Rthは、23℃における波長590nmの光で測定した厚み方向の位相差値をいう。Rthは、波長590nmにおけるフィルム(層)の遅相軸方向、厚み方向の屈折率をそれぞれ、nx、nzとし、d(nm)をフィルム(層)の厚みとしたとき、式:Rth=(nx−nz)×dによって求められる。
(4)本明細書に記載される用語や記号に付される添え字の「1」は第1の光学補償層を表し、添え字の「2」は第2の光学補償層を表し、添え字の「3」は第3の光学補償層を表す。
(5)「λ/2板」とは、ある特定の振動方向を有する直線偏光を、当該直線偏光の振動方向とは直交する振動方向を有する直線偏光に変換したり、右円偏光を左円偏光に(または、左円偏光を右円偏光に)変換したりする機能を有するものをいう。λ/2板は、所定の光の波長(通常、可視光領域)に対して、フィルム(層)の面内の位相差値が約1/2である。
(6)「λ/4板」とは、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(または、円偏光を直線偏光に)変換する機能を有するものをいう。λ/4板は、所定の光の波長(通常、可視光領域)に対して、フィルム(層)の面内の位相差値が約1/4である。
(7)「平均光軸」とは、第3の光学補償層内における光学的に負の一軸性を示す材料分子のそれぞれの光軸の統計的な平均の方向をいう。
A.光学補償層付偏光板
A−1.光学補償層付偏光板の全体構成
図1は、本発明の好ましい実施形態による光学補償層付偏光板の概略断面図である。図1に示すように、この光学補償層付偏光板10は、偏光子11と第1の光学補償層12と第2の光学補償層13と第3の光学補償層14とをこの順に有する。光学補償層付偏光板の各層は、任意の適切な粘着剤層または接着剤層(図示せず)を介して積層されている。実用的には、偏光子11の光学補償層が形成されない側には、任意の適切な保護層(図示せず)が積層されている。さらに、必要に応じて、偏光子11と第1の光学補償層12との間に保護層が設けられる。
上記第1の光学補償層12は、nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが200〜300nmである。上記第2の光学補償層13は、nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが80〜170nmである。上記第3の光学補償層14は、光学的に負の一軸性を示す材料から形成され、かつ、当該材料が厚み方向に傾斜配向している。第1の光学補償層、第2の光学補償層および第3の光学補償層の詳細については、それぞれ、後述のA−2項、A−3項およびA−4項で説明する。
本発明の光学補償層偏光板の全体厚みは、好ましくは100〜250μmであり、さらに好ましくは150〜240μmであり、最も好ましくは160〜230μmである。従来、ディスコチック液晶の傾斜配向層には必ず支持基材(TACフィルム)が設けられており、当該支持基材は100μm程度の厚みを有する。したがって、従来の広視野角楕円偏光板の構成においては、第3の光学補償層の厚みとして支持基材の厚みが支配的となっており、第3の光学補償層として100μm程度の厚みが必要である。一方、本発明によれば、第2の光学補償層と第3の光学補償層とを接着剤層のみを介して貼り合わせることが可能となる。言い換えれば、本発明によれば、第3の光学補償層をディスコチック液晶の傾斜配向層の単独層として(すなわち、TACフィルムのような支持基材を介することなく)、第2の光学補償層に隣接して形成することが可能となり、その結果、第3の光学補償層を非常に薄く(例えば、1〜10μm程度まで)することができる。したがって、本発明は、画像表示装置(例えば、液晶表示装置)の薄型化に大きく貢献し得る。
A−2.第1の光学補償層
第1の光学補償層12は、λ/2板として機能し得る。第1の光学補償層がλ/2板として機能することにより、λ/4板として機能する第2の光学補償層の波長分散特性(特に、位相差がλ/4を外れる波長範囲)について、位相差が適切に調節され得る。このような第1の光学補償層の面内位相差Reは、200〜300nmであり、好ましくは220〜280nmであり、さらに好ましくは230〜270nmである。さらに、上記第1の光学補償層12は、nx>ny=nzの屈折率分布を有する。
上記第1の光学補償層の厚みは、λ/2板として最も適切に機能し得るように設定され得る。言い換えれば、厚みは、所望の面内位相差が得られるように設定され得る。具体的には、厚みは、好ましくは20〜50μmであり、さらに好ましくは25〜45μmであり、最も好ましくは25〜40μmである。
上記第1の光学補償層を構成する材料の代表例としては、ポリカーボネート系樹脂;ポリプロピレンなどの汎用オレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;環状オレフィン系樹脂;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂;ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリメチル(メタ)アクリレートなどのアクリル系樹脂;スチレン系樹脂;ポリビニルアルコール;ポリビニルブチラール;ポリメチルビニルエーテル;ポリアリレート;ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどのスルホン系樹脂;ポリフェニレンスルファイド;ポリイミド;ポリ塩化ビニル;ならびに、これらの共重合体(例えば、二元共重合体、三元共重合体、グラフト共重合体)またはブレンドが挙げられる。
上記第1の光学補償層を構成する材料の別の代表例としては、ネマチック液晶性化合物が挙げられる。例えば、棒状ネマチック液晶性化合物の傾斜配向を制御することにより、所望の特性を有する第1の光学補償層が形成され得る。傾斜配向状態は、液晶性化合物の種類および分子構造、配向膜の種類、添加剤(例えば、可塑剤、バインダー、界面活性剤)等を調整することにより制御され得る。
上記のような構成材料の中でも、環状オレフィン系樹脂またはポリカーボネート系樹脂が特に好ましい。環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば、特開平1−240517号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されている樹脂が挙げられる。具体例としては、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとの共重合体(代表的には、ランダム共重合体)、および、これらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト変性体、ならびに、それらの水素化物が挙げられる。環状オレフィンの具体例としては、ノルボルネン系モノマーが挙げられる。
上記ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、およびそのアルキルおよび/またはアルキリデン置換体、例えば、5−メチル−2−ノルボルネン、5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等、これらのハロゲン等の極性基置換体;ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン等;ジメタノオクタヒドロナフタレン、そのアルキルおよび/またはアルキリデン置換体、およびハロゲン等の極性基置換体、例えば、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチリデン−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン等;シクロペンタジエンの3〜4量体、例えば、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン、4,11:5,10:6,9−トリメタノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタアントラセン等が挙げられる。
本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲内において、開環重合可能な他のシクロオレフィン類を併用することができる。このようなシクロオレフィンの具体例としては、例えば、シクロペンテン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロジシクロペンタジエン等の反応性の二重結合を1個有する化合物が挙げられる。
上記環状オレフィン系樹脂は、トルエン溶媒によるゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)法で測定した数平均分子量(Mn)が好ましくは25,000〜200,000、さらに好ましくは30,000〜100,000、最も好ましくは40,000〜80,000である。数平均分子量が上記の範囲であれば、機械的強度に優れ、溶解性、成形性、流延の操作性が良いものができる。
上記環状オレフィン系樹脂がノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加して得られるものである場合には、水素添加率は、好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは95%以上であり、最も好ましくは99%以上である。このような範囲であれば、耐熱劣化性および耐光劣化性などに優れる。
上記環状オレフィン系樹脂は、種々の製品が市販されている。具体例としては、日本ゼオン社製の商品名「ゼオネックス」、「ゼオノア」、JSR社製の商品名「アートン(Arton)」、TICONA社製の商品名「トーパス」、三井化学社製の商品名「APEL」が挙げられる。
上記ポリカーボネート系樹脂としては、本発明の効果が得られる限りにおいて任意の適切なポリカーボネート系樹脂が用いられる。例えば、芳香族2価フェノール成分とカーボネート成分とからなる芳香族ポリカーボネートが好ましく用いられる。芳香族ポリカーボネートは、通常、芳香族2価フェノール化合物とカーボネート前駆物質との反応によって得ることができる。すなわち、芳香族2価フェノール化合物を苛性アルカリおよび溶剤の存在下でホスゲンを吹き込むホスゲン法、あるいは芳香族2価フェノール化合物とビスアリールカーボネートとを触媒の存在下でエステル交換させるエステル交換法により得ることができる。ここで、カーボネート前駆物質の具体例としては、ホスゲン、上記2価フェノール類のビスクロロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げられ、なかでもホスゲン、ジフェニルカーボネートが好ましい。
上記カーボネート前駆物質と反応させる芳香族2価フェノール化合物の具体例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジプロピルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いられ得る。好ましくは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが用いられる。特に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとを併用することが好ましい。これらを併用することにより、光弾性係数が十分に低く、且つ、適切なTgおよび剛性を有する位相差フィルム(結果として、第1の光学補償層)が得られ得る。
ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを展開溶媒とするGPC法で測定されるポリスチレン換算で好ましくは25,000〜200,000であり、さらに好ましくは30,000〜150,000であり、特に好ましくは40,000〜100,000であり、最も好ましくは50,000〜80,000である。上記ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量を上記の範囲とすることによって、機械的強度に優れた位相差フィルム(結果として、第1の光学補償層)を得ることができる。
上記第1の光学補償層12は、上記環状オレフィン系樹脂または上記ポリカーボネート系樹脂から形成されたフィルムを延伸(例えば、面方向に一軸延伸)することにより得られる。環状オレフィン系樹脂またはポリカーボネート系樹脂からフィルムを形成する方法としては、任意の適切な成形加工法が採用され得る。具体例としては、圧縮成形法、トランスファー成形法、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、粉末成形法、FRP成形法、注型(キャスティング)法等が挙げられる。押出成形法または注型(キャスティング)法が好ましい。得られるフィルムの平滑性を高め、良好な光学的均一性を得ることができるからである。成形条件は、使用される樹脂の組成や種類、第1の光学補償層に所望される特性等に応じて適宜設定され得る。なお、上記環状オレフィン系樹脂および上記ポリカーボネート系樹脂は、多くのフィルム製品が市販されているので、当該市販フィルムをそのまま延伸処理に供してもよい。
上記フィルムの延伸倍率は、第1の光学補償層に所望される面内位相差値および厚み、使用される樹脂の種類、使用されるフィルムの厚み、延伸温度等に応じて変化し得る。具体的には、延伸倍率は、好ましくは1.75〜2.05倍、さらに好ましくは1.80〜2.00倍、最も好ましくは1.85〜1.95倍である。このような倍率で延伸することにより、本発明の効果を適切に発揮し得る面内位相差を有する第1の光学補償層が得られ得る。
上記フィルムの延伸温度は、第1の光学補償層に所望される面内位相差値および厚み、使用される樹脂の種類、使用されるフィルムの厚み、延伸倍率等に応じて変化し得る。具体的には、延伸温度は、好ましくは130〜150℃、さらに好ましくは135〜145℃、最も好ましくは137〜143℃である。このような温度で延伸することにより、本発明の効果を適切に発揮し得る面内位相差を有する第1の光学補償層が得られ得る。
図1を参照すると、第1の光学補償層12は、偏光子11と第2の光学補償層13との間に配置される。第1の光学補償層を配置する方法としては、目的に応じて任意の適切な方法が採用され得る。代表的には、上記第1の光学補償層12は、その両側に粘着剤層(図示せず)を設け、偏光子11および第2の光学補償層13に接着させる。各層の隙間をこのように粘着剤層で満たすことによって、画像表示装置に組み込んだ際に、各層の光学軸の関係がずれることを防止したり、各層同士が擦れて傷ついたりすることを防ぐことができる。また、層間の界面反射を少なくし、画像表示装置に用いた際にコントラストを高くすることもできる。
上記粘着剤層の厚みは、使用目的や接着力などに応じて適宜設定され得る。具体的には、粘着剤層の厚みは、好ましくは1μm〜100μm、さらに好ましくは5μm〜50μm、最も好ましくは10μm〜30μmである。
上記粘着剤層を形成する粘着剤としては、任意の適切な粘着剤が採用され得る。具体例としては、溶剤型粘着剤、非水系エマルジョン型粘着剤、水系粘着剤、ホットメルト粘着剤等が挙げられる。アクリル系ポリマーをベースポリマーとする溶剤型粘着剤が好ましく用いられる。偏光子および第1の光学補償層に対して適切な粘着特性(ぬれ性、凝集性および接着性)を示し、かつ、光学透明性、耐候性および耐熱性に優れるからである。
上記粘着剤層の代わりに接着剤層を用いてもよい。接着剤層を形成する接着剤としては、代表的には、硬化型接着剤が挙げられる。硬化型接着剤の代表例としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、湿気硬化型接着剤、熱硬化型接着剤が挙げられる。熱硬化型接着剤の具体例としては、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂およびポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂系接着剤が挙げられる。湿気硬化型接着剤の具体例としては、イソシアネート樹脂系の湿気硬化型接着剤が挙げられる。湿気硬化型接着剤(特に、イソシアネート樹脂系の湿気硬化型接着剤)が好ましい。湿気硬化型接着剤は、空気中の水分や被着体表面の吸着水、水酸基やカルボキシル基等の活性水素基等と反応して硬化するので、接着剤を塗工後、放置することによって自然に硬化させることができ、操作性に優れる。上記硬化型接着剤は、例えば、市販の接着剤を使用してもよく、上記の各種硬化型樹脂を溶媒に溶解または分散し、硬化型樹脂接着剤溶液(または分散液)として調製してもよい。
A−3.第2の光学補償層
第2の光学補償層13は、λ/4板として機能し得る。本発明によれば、λ/4板として機能する第2の光学補償層の波長分散特性を、上記λ/2板として機能する第1の光学補償層の光学特性によって補正することによって、広い波長範囲での円偏光機能を発揮することができる。このような第2の光学補償層の面内位相差Reは、80〜170nmであり、好ましくは100〜150nmであり、さらに好ましくは110〜140nmである。さらに、上記第2の光学補償層13は、nx>ny=nzの屈折率分布を有する。
上記第2の光学補償層の厚みは、λ/4板として最も適切に機能し得るように設定され得る。言い換えれば、厚みは、所望の面内位相差が得られるように設定され得る。具体的には、厚みは、好ましくは30〜60μmであり、さらに好ましくは35〜55μmであり、最も好ましくは35〜50μmである。
上記第2の光学補償層を構成する材料としては、上記第1の光学補償層に用いられる材料と同様の材料が用いられる。環状オレフィン系樹脂およびポリカーボネート系樹脂が好ましい。環状オレフィン系樹脂およびポリカーボネート系樹脂の詳細については、上記A−2項で説明したとおりである。
第2の光学補償層13の面内位相差Reは、上記A−2項に記載の環状オレフィン系樹脂フィルムまたはポリカーボネート系樹脂フィルムの延伸倍率および延伸温度を変化させることにより制御され得る。延伸倍率は、第2の光学補償層に所望される面内位相差値および厚み、使用される樹脂の種類、使用されるフィルムの厚み、延伸温度等に応じて変化し得る。具体的には、延伸倍率は、好ましくは1.17〜1.47倍、さらに好ましくは1.22〜1.42倍、最も好ましくは1.27〜1.37倍である。このような倍率で延伸することにより、本発明の効果を適切に発揮し得る面内位相差を有する第2の光学補償層が得られ得る。
延伸温度は、第2の光学補償層に所望される面内位相差値および厚み、使用される樹脂の種類、使用されるフィルムの厚み、延伸倍率等に応じて変化し得る。具体的には、延伸温度は、好ましくは130〜150℃、さらに好ましくは135〜145℃、最も好ましくは137〜143℃である。このような温度で延伸することにより、本発明の効果を適切に発揮し得る面内位相差を有する第2の光学補償層が得られ得る。
図1を参照すると、第2の光学補償層13は、第1の光学補償層12と第3の光学補償層14との間に配置される。第2の光学補償層を配置する方法としては、目的に応じて任意の適切な方法が採用され得る。代表的には、上記第2の光学補償層13は、両側に粘着剤層(図示せず)を設け、第1の光学補償層12および第3の光学補償層14を貼り付ける。粘着剤層の代わりに接着剤層を用いてもよい。粘着剤層および接着剤層の詳細については、上記A−2項で説明したとおりである。1つの実施形態においては、第2の光学補償層13に第3の光学補償層14を貼り付ける場合、傾斜配向層と支持基材とを有する積層体の、支持基材に支持されているディスコチック液晶の傾斜配向層側を第2の光学補償層に隣接させて貼り合わせる。この際、好ましくは、傾斜配向層と第2の光学補償層との接着強度が、傾斜配向層と支持基材との接着強度よりも高くなるように貼り合わせる。傾斜配向層と第2の光学補償層との接着強度を、傾斜配向層と支持基材との接着強度よりも高くすることで、特別な処理を行うことなく、支持基材を適切に剥離・除去することが可能となる。
上記傾斜配向層と第2の光学補償層との接着強度は、例えば、引張試験機(島津製作所製、AG−I等)を用いて測定される。具体的には、傾斜配向層と第2の光学補償層とを貼り合わせたせた積層体(25mm幅)を補助板に固定し、第2の光学補償層をリードテープで保持し、このリードテープの一端を引張試験機の治具に固定し、300±30mm/minの速度、90°ピールで引張強度を測定する。このときの引張強度を傾斜配向層と第2の光学補償層との接着強度とする。傾斜配向層と支持基材との接着強度も同様にして測定される。傾斜配向層と第2の光学補償層との接着強度は目的に応じて適宜設定され、好ましくは10〜30N/25mmであり、さらに好ましくは15〜25N/25mmである。一方、傾斜配向層と支持基材との接着強度は目的に応じて適宜設定され得る。好ましくは傾斜配向層と支持基材との接着強度は0.5〜4N/25mmであり、さらに好ましくは1〜3N/25mmである。
好ましい実施形態においては、第3の光学補償層14は、接着剤層(特に、湿気硬化型接着剤層)を介して第2の光学補償層13に貼り付けられる。湿気硬化型接着剤は、硬化のために加熱する必要がないので、第3の光学補償層が積層(接着)時に加熱されない。その結果、加熱収縮の心配がないので、本発明のように第3の光学補償層がきわめて薄い場合であっても、積層時の割れ等が顕著に防止され得る。加えて、硬化型接着剤は、硬化後に加熱されてもほとんど伸縮しない。したがって、第3の光学補償層がきわめて薄い場合であって、かつ、得られる偏光板を高温条件下で使用する場合であっても、第3の光学補償層の割れ等が顕著に防止され得る。
A−4.第3の光学補償層
第3の光学補償層14は、光学的に負の一軸性を示す材料から形成され、かつ、当該材料が厚み方向に傾斜配向している。光学的に負の一軸性を示す材料とは、一方向の主軸の屈折率が他の2方向の屈折率よりも小さいような屈折率分布を有する材料をいう。このような材料は、例えば、nx=ny>nzのような屈折率分布を有する。
光学的に負の一軸性を示す材料の具体例としては、ポリイミド系材料、ディスコチック液晶化合物などの液晶系材料が挙げられる。さらに、これらの材料を主成分として含有し、その他のポリマーまたはオリゴマーと混合および反応させて、負の一軸性を示す材料が傾斜配向した状態で固定化したフィルムも用いられ得る。液晶系材料が好ましく、ディスコチック液晶化合物が特に好ましい。ディスコチック液晶化合物を用いる場合には、その傾斜配向状態は、ディスコチック液晶化合物の種類および分子構造、配向膜の種類、添加剤(例えば、可塑剤、バインダー、界面活性剤)等を調整することにより制御され得る。
上記ディスコチック液晶化合物とは、一般的には、ベンゼンや1,3,5−トリアジン、カリックスアレーンなどのような環状母核を分子の中心に配し、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその側鎖として放射状に置換された円盤状の分子構造を有する液晶性化合物をいう。ディスコチック液晶の代表例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.Liq.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されている、ベンゼン誘導体、トリフェニレン誘導体、トルキセン誘導体、フタロシアニン誘導体や、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されているシクロヘキサン誘導体、および、J.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Soc.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系のマクロサイクルが挙げられる。
本明細書における「傾斜配向」とは、第3の光学補償層内における光学的に負の一軸性を示す材料(例えば、ディスコチック液晶化合物)の分子が、当該光学補償層の平面に対して傾斜して並んでいる状態をいう。傾斜配向状態は、第3の光学補償層の厚み方向にしたがって分子の傾斜角度が変化してもよく、厚み方向で分子の傾斜角度が変化せず一定(チルト配向)であってもよい。本発明においては、光学的に負の一軸性を示す材料の光軸と第3の光学補償層の法線方向(偏光板の法線方向)とのなす角度は、第2の光学補償層に近づくにしたがって増加し、第2の光学補償層と第3の光学補償層との界面において最大になることが好ましい。
第3の光学補償層における上記光学的に負の一軸性を示す材料の平均光軸は、該第3の光学補償層の法線方向に対して好ましくは5°〜50°、さらに好ましくは10°〜30°、最も好ましくは15°〜25°の角度で傾斜している。傾斜角度を5°以上に制御することにより、液晶表示装置等に実装した場合に視野角拡大効果が大きい。傾斜角度を50°以下に制御することにより、上下左右の4方向のいずれの方向においても視野角特性が良好となり、見る方向によって視野角特性が良くなったり悪くなったりすることを抑えることができる。
上記のような第3の光学補償層の面内位相差Reは、好ましくは0〜200nmであり、さらに好ましくは1〜150nmである。さらに、厚み方向の位相差Rthは、好ましくは10〜400nmであり、さらに好ましくは50〜300nmである。
第3の光学補償層の厚みは特に制限されないが、本発明においては好ましくは1〜10μm、さらに好ましくは2〜7μmとすることが可能である。光学的に負の一軸性を示す材料(例えば、ディスコチック液晶化合物)の傾斜配向層を用いて、このような非常に薄い光学補償層を実現したことが、本発明の大きな特徴の1つである。
A−5.偏光子
上記偏光子11としては、目的に応じて任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、1〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着させて一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいても良いし、ヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗しても良い。
ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸しても良いし、また延伸してからヨウ素で染色しても良い。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
A−6.保護層
上記保護層としては、偏光板の保護層として使用できる任意の適切なフィルムが採用され得る。このようなフィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。上記ポリマーフィルムは、例えば、前記樹脂組成物の押出成形物であり得る。TAC、ポリイミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ガラス質系ポリマーが好ましく、TACがさらに好ましい。
上記保護層は、透明で、色付きが無いことが好ましい。具体的には、厚み方向の位相差値が、好ましくは−90nm〜+90nmであり、さらに好ましくは−80nm〜+80nmであり、最も好ましくは−70nm〜+70nmである。
上記保護層の厚みとしては、上記の好ましい厚み方向の位相差が得られる限りにおいて、任意の適切な厚みが採用され得る。具体的には、保護層の厚みは、好ましくは5mm以下であり、さらに好ましくは1mm以下であり、特に好ましくは1〜500μmであり、最も好ましくは5〜150μmである。
偏光子11の外側(光学補償層と反対側)に設けられる保護層には、必要に応じて、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、アンチグレア処理等が施され得る。
A−7.偏光板のその他の構成要素
本発明の光学補償層付偏光板は、さらに他の光学層を備えていてもよい。このような他の光学層としては、目的や画像表示装置の種類に応じて任意の適切な光学層が採用され得る。具体例としては、液晶フィルム、光散乱フィルム、回折フィルム、さらに別の光学補償層(位相差フィルム)等が挙げられる。
本発明の光学補償層付偏光板は、少なくとも一方に最外層として粘着剤層または接着剤層をさらに有し得る。このように最外層として粘着剤層または接着剤層を有することにより、例えば、他の部材(例えば、液晶セル)との積層が容易になり、偏光板が他の部材から剥離するのを防止できる。上記粘着剤層の材料としては、任意の適切な材料が採用され得る。粘着剤の具体例としては、上記A−2項に記載のものが挙げられる。接着剤の具体例としては、上記A−3項に記載のものが挙げられる。好ましくは、吸湿性や耐熱性に優れる材料が用いられる。吸湿による発泡や剥離、熱膨張差等による光学特性の低下、液晶セルの反り等を防止できるからである。
実用的には、上記粘着剤層または接着剤層の表面は、偏光板が実際に使用されるまでの間、任意の適切なセパレータによってカバーされ、汚染が防止され得る。セパレータは、例えば、任意の適切なフィルムに、必要に応じて、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤による剥離コートを設ける方法等によって形成され得る。
本発明の光学補償層付偏光板における各層は、例えば、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤による処理等によって、紫外線吸収能を付与したものであってもよい。
B.光学補償層付偏光板の製造方法
本発明の光学補償層付偏光板の製造方法の好ましい一例について説明する。まず、光学的に負の一軸性を示す材料が傾斜配向した層(傾斜配向層)と基材とを有する積層体を準備する。このような積層体は、例えば、当該材料を所定の濃度で適切な溶媒に溶解した溶液(塗工液)を基材に塗工および乾燥(例えば、加熱処理)することにより得られ得る。溶媒の種類、溶液濃度、塗工量、塗工方法等は、目的、第3の光学補償層の所望の厚みまたは光学特性、材料の所望の傾斜角等に応じて適宜設定され得る。塗工液は、任意の適切な添加剤(例えば、可塑剤、バインダー、界面活性剤)をさらに含有し得る。添加剤の種類および/または添加量を調整することにより、光学的に負の一軸性を示す材料の傾斜配向状態を制御することができる。また、塗工液は、任意の適切なポリマーおよび/またはオリゴマーをさらに含有し得る。このようなポリマーおよび/またはオリゴマーと光学的に負の一軸性を示す材料とを反応させることにより、当該材料の傾斜配向状態を固定することができる。基材は、代表的にはTACフィルムである。
あるいは、上記積層体として、市販の積層フィルムを用いてもよい。市販の積層フィルムの代表例としては、富士写真フイルム社製のWVSA12B(TAC支持基材上にディスコチック液晶化合物の傾斜配向層を有する複合フィルム)が挙げられる。
次に、上記積層体の傾斜配向層(最終的に、第3の光学補償層となる)と第2の光学補償層用フィルムとを、接着剤層または粘着剤層(好ましくは、接着剤層)を介して貼り合わせる。1つの実施形態においては、上記積層体の傾斜配向層を第2の光学補償層に貼り合わせる場合、傾斜配向層と第2の光学補償層との接着強度を、傾斜配向層と支持基材との接着強度よりも高くなるように貼り合わせる。
次に、上記の貼り合わせにより得られた積層体から基材を剥離する。基材が適切に剥離される限り、任意の適切な剥離方法が採用され得る。代表的には、傾斜配向層と第2の光学補償層との接着強度を傾斜配向層と支持基材との接着強度よりも高くすることで、特別な処理をすることなく傾斜配向層と支持基材とを良好に剥離でき、支持基材を除去することができる。このように、傾斜配向層と第2の光学補償層との接着強度を傾斜配向層と支持基材との接着強度よりも高くすることで、傾斜配向層(第3の光学補償層)に悪影響を与えることなく基材を良好に剥離することができる。
別の好ましい実施形態においては、例えば、積層体を温水浴に浸漬する方法が挙げられる。浸漬温度(温水浴の温度)と浸漬時間は、適切に組み合わせて設定され得る。一般的には、浸漬温度を高くすると、浸漬時間を短縮することが可能となる。具体的には、浸漬温度は、好ましくは50℃〜100℃、さらに好ましくは60℃〜90℃、最も好ましくは70℃〜90℃である。浸漬温度が70℃である場合には、浸漬時間は、好ましくは7分〜30分、さらに好ましくは7分〜20分、最も好ましくは7分〜15分である。浸漬温度が80℃〜90℃である場合には、浸漬時間は、好ましくは3分〜30分、さらに好ましくは3分〜20分、最も好ましくは3分〜15分である。このような浸漬温度および浸漬時間で処理することにより、傾斜配向層(第3の光学補償層)に悪影響を与えることなく基材を良好に剥離することができる。
このようにして得られた積層体(第2の光学補償層と第3の光学補償層との積層体)の第2の光学補償層側に、第1の光学補償層および偏光子を積層する。図1に示すような構成を有する楕円偏光板が得られる限り、かつ、偏光子を例えば温水浴に浸漬しない限り、積層順序および積層時点は適宜設定され得る。例えば、第1の光学補償層および偏光子は、第2の光学補償層と第3の光学補償層との積層体に順次積層してもよく、第1の光学補償層と偏光子との積層体を第2の光学補償層と第3の光学補償層との積層体に積層してもよい。あるいは、第1の光学補償層と第2の光学補償層と第3の光学補償層(基材/傾斜配向層)との積層体を作製した後、基材を剥離し、その後で偏光子を積層してもよい。なお、偏光子は、その少なくとも片面に保護層を有する偏光板であってもよい。
以上のようにして、本発明の光学補償層付偏光板が得られる。
C.光学補償層付偏光板の用途
本発明の光学補償層付偏光板は、各種画像表示装置(例えば、液晶表示装置、自発光型表示装置)に好適に使用され得る。適用可能な画像表示装置の具体例としては、液晶表示装置、ELディスプレイ、プラズマディスプレイ(PD)、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)が挙げられる。本発明の光学補償層付偏光板を液晶表示装置に用いる場合には、例えば、黒表示における光漏れ防止および視野角補償に有用である。本発明の光学補償層付偏光板は、任意の適切な駆動モードの液晶表示装置に用いられ得る。具体的には、VAモード、OCBモード、ECBモード、TNモードなどの液晶表示装置に好適に用いられる。本発明の光学補償層付偏光板は、VAモードの液晶表示装置にさらに好適に用いられ、反射型および半透過型のVAモードの液晶表示装置に特に好適に用いられる。また、本発明の光学補償層付偏光板をELディスプレイに用いる場合には、例えば、電極反射防止に有用である。
D.画像表示装置
本発明の画像表示装置の一例として、液晶表示装置について説明する。ここでは、液晶表示装置に用いられる液晶パネルについて説明する。液晶表示装置のその他の構成については、目的に応じて任意の適切な構成が採用され得る。本発明においては、VAモード、OCBモード、ECBモード、TNモードなどの液晶表示装置が好ましく、VAモードの液晶表示装置がより好ましく、反射型および半透過型のVAモードの液晶表示装置が特に好ましい。図2は、本発明の好ましい実施形態における液晶パネルの概略断面図の一例として、VAモードの液晶表示装置について示す。ここでは一例として、反射型の液晶表示装置用液晶パネルを説明する。液晶パネル100は、液晶セル20と、液晶セル20の上側に配置された位相差板30と、位相差板30の上側に配置された偏光板10とを備える。位相差板30としては、目的および液晶セルの配向モードに応じて任意の適切な位相差板が採用され得る。目的および液晶セルの配向モードによっては、位相差板30は省略され得る。上記偏光板10は、上記A項およびB項で説明した本発明の光学補償層付偏光板である。液晶セル20は、一対のガラス基板21、21’と、該基板間に配された表示媒体としての液晶層22とを有する。下基板21’の液晶層22側には、反射電極23が設けられている。上基板21には、カラーフィルター(図示せず)が設けられている。基板21、21’の間隔(セルギャップ)は、スペーサー24によって制御されている。
例えば、反射型VAモードの場合には、このような液晶表示装置(液晶パネル)100は、電圧無印加時には、液晶分子は基板21、21’面に垂直に配向する。このような垂直配向は、垂直配向膜(図示せず)を形成した基板間に負の誘電率異方性を有するネマティック液晶を配することにより実現され得る。このような状態で、偏光板10を通過した直線偏光の光を上基板21の面から液晶層22に入射させると、入射光は垂直配向している液晶分子の長軸の方向に沿って進む。液晶分子の長軸方向には複屈折が生じないため入射光は偏光方位を変えずに進み、反射電極23で反射されて再び液晶層22を通過し、上基板21から出射される。出射光の偏光状態は入射時と変わらないので、当該出射光は偏光板10を透過し、明状態の表示が得られる。電極間に電圧が印加されると、液晶分子の長軸が基板面に平行に配向する。この状態の液晶層22に入射した直線偏光の光に対して液晶分子は複屈折性を示し、入射光の偏光状態は液晶分子の傾きに応じて変化する。所定の最大電圧印加時において、反射電極23で反射し上基板から出射された光は、例えばその偏光方位が90°回転させられた直線偏光となるので、偏光板10で吸収されて暗状態の表示が得られる。再び電圧無印加状態にすると配向規制力により明状態の表示に戻すことができる。また、印加電圧を変化させて液晶分子の傾きを制御して偏光板10からの透過光強度を変化させることにより階調表示が可能となる。なお、上記のように、本発明の画像表示装置は反射型VAモードの液晶表示装置には限定されず、任意の適切な駆動モード(例えば、OCBモード、ECBモード、TNモードなど)の液晶表示装置、あるいは他の画像表示装置(例えば、ELディスプレイ、プラズマディスプレイ(PD)、電界放出ディスプレイ(FED))にも適用され得る。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
(偏光子の作製)
市販のポリビニルアルコール(PVA)フィルム(クラレ社製)を、ヨウ素を含む水溶液中で染色した後、ホウ酸を含む水溶液中で速比の異なるロール間にて約6倍に一軸延伸して長尺の偏光子を得た。PVA系接着剤を用いて、この偏光子の両面に市販のTACフィルム(富士写真フィルム社製)を貼り合わせ、全体厚み100μmの偏光板(保護層/偏光子/保護層)を得た。この偏光板を縦20cm×横30cmに打ち抜いた。このとき、偏光子の吸収軸が縦方向となるようにした。
(第1の光学補償層の作製)
長尺のノルボルネン系樹脂フィルム(日本ゼオン社製:商品名Zeonoa:厚み60μm:光弾性係数3.10×10−12/N)を140℃で1.90倍に一軸延伸することによって、長尺の第1の光学補償層用フィルムを作製した。このフィルムの厚みは35μm、面内位相差Reは270nmであった。このフィルムを縦20cm×横30cmに打ち抜いた。このとき、遅相軸が縦方向となるようにした。
(第2の光学補償層の作製)
長尺のノルボルネン系樹脂フィルム(日本ゼオン社製:商品名Zeonoa:厚み60μm:光弾性係数3.10×10−12/N)を140℃で1.32倍に一軸延伸することによって、長尺の第2の光学補償層用フィルムを作製した。このフィルムの厚みは40μm、面内位相差Reは140nmであった。このフィルムを縦20cm×横30cmに打ち抜いた。このとき、遅相軸が縦方向となるようにした。
(第3の光学補償層の作製)
第3の光学補償層用フィルムとして、支持基材と液晶層とを有する複合フィルム(富士写真フイルム社製、WVSA12B:厚み110μm)を用いた。この複合フィルムは、TAC支持基材上にディスコチック液晶の傾斜配向層が設けられている。この複合フィルムの面内位相差Reは30nmであり、厚み方向の位相差Rthは160nmであり、平均光軸の傾斜角度は20°であった。
この複合フィルムの液晶層と上記第2の光学補償層とを、イソシアネート系硬化型接着剤(厚み5μm)を用いて貼り合わせて、積層体Aを得た。このとき、液晶層と第2の光学補償層との接着強度と、液晶層と支持基材との接着強度とを測定した。その結果、液晶層と第2の光学補償層との接着強度は、20N/25mmであり、液晶層と支持基材との接着強度は、1.3N/25mmであった。すなわち、液晶層と第2の光学補償層との接着強度が、液晶層と支持基材との接着強度より高い状態で接着を行った。なお、接着強度の測定は以下の通りである。まず、積層体A(25mm幅)を補助板に固定し、第2の光学補償層をリードテープで保持し、このリードテープの一端を引張試験機(島津製作所製、AG−I)の治具に固定した。次いで300mm/minの速度、90°ピールによって液晶層と第2の光学補償層との接着強度を測定した。液晶層(傾斜配向層)と支持基材との接着強度も同様にして測定した。このように、液晶層と第2の光学補償層との接着強度が、液晶層と支持基材との接着強度より高い状態で貼り合わせることで、特別な処理をすることなく、支持基材を適切に剥離・除去し、液晶層(ディスコチック液晶の傾斜配向層)と第2の光学補償層とを有する積層体B1を得た。当該液晶層を第3の光学補償層とし、その厚みは3μmであった。ディスコチック液晶の光軸と第3の光学補償層の法線とのなす角度は、第2の光学補償層側が最大となった。
(光学補償層付偏光板の作製)
第2の光学補償層の第3の光学補償層が貼り合わされている側とは反対側の面に、第1の光学補償層および偏光板をこの順に積層した。偏光板と第1の光学補償層、ならびに、第1の光学補償層と第2の光学補償層は、それぞれアクリル系粘着剤層(厚み20μm)を介して貼り合わせた。以上のようにして、全体厚みが223μmの光学補償層付偏光板を作製した。
実施例1で得られた積層体Aを、90℃の温水浴中に5分間浸漬することにより、TAC支持基材を剥離・除去し、液晶層(ディスコチック液晶の傾斜配向層)と第2の光学補償層とを有する積層体B2を得た。当該液晶層を、第3の光学補償層とした。第3の光学補償層の厚みは3μmであった。ディスコチック液晶の光軸と第3の光学補償層の法線とのなす角度は、第2の光学補償層側が最大となった。得られた積層体B2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、全体厚みが223μmの光学補償層付偏光板を作製した。
(比較例1)
TAC支持基材を除去しなかったこと以外は実施例1と同様にして、全体厚みが330μmの光学補償層付偏光板を作製した。
(視野角特性)
上記のようにして得られた実施例1または比較例1の光学補償層付偏光板を、日立株式会社製の液晶セルのバックライト側に、第3の光学補償層が液晶セル側に配置されるように実装した。液晶セルの視認側には、実施例と同様の偏光板/第1の光学補償層/第2の光学補償層の構成を有する光学補償層付偏光板を、第2の光学補償層が液晶セル側に配置されるように実装した。光学補償層付偏光板が実装された液晶セルについて、視野角特性測定装置(ELDIM社製、EZ Contrast)を用いて視野角特性を測定した。コントラストのレーダーチャートを図3に示す。
図3から明らかなように、実施例1の光学補償層付偏光板を用いた液晶セルは、比較例1の光学補償層付偏光板を用いた液晶セルに比べて視野角が顕著に広くなっていることがわかる。これは、実施例1の光学補償層付偏光板は、第3の光学補償層からTAC支持基材が除去され、TAC支持基材の位相差値の影響を受けないので、視野角が広くなったと考える。一方、比較例1の光学補償層付偏光板は、TAC支持基材の位相差値が大きく影響し、視野角が狭くなったと考えられる。なお、図には提示しないが、実施例2における視野角特性も実施例1とおおむね同一となり、比較例1よりも視野角が広くなった。
(耐熱性および耐湿性)
実施例または比較例の光学補償層付偏光板を、60℃/90%RHの加温加湿雰囲気下に500時間放置した。加温加湿試験前後の位相差値を位相差測定装置(王子計測機器株式会社製、KOBLA−31PRW)で測定し、加温加湿試験前後の位相差変化量(%)を下記の式から求めた。
位相差変化量(%)=〔(試験前位相差値−試験後位相差値)/(試験前位相差値)〕×100
測定結果を下記表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1および2の光学補償層付偏光板は、比較例1の光学補償層付偏光板に比べて位相差の変化量が小さいことがわかる。これは、実施例1および2の光学補償層付偏光板は、第3の光学補償層からTAC支持基材が除去されているので、加温加湿によるTAC支持基材の歪の影響がなく、位相差変化が小さいと考えられる。一方、比較例1の光学補償層付偏光板は、加温加湿によってTAC支持基材が大きく歪むことにより、位相差変化が大きくなると考えられる。
本発明の光学補償層付偏光板は、各種画像表示装置(例えば、液晶表示装置、自発光型表示装置)に好適に使用され得る。
本発明の好ましい実施形態による光学補償層付偏光板の概略断面図である。 本発明の好ましい実施形態による液晶表示装置に用いられる液晶パネルの概略断面図である。 (a)は本発明の実施例1の光学補償層付偏光板を用いた液晶パネルの視野角特性を示すレーダーチャートであり、(b)は比較例1の光学補償層付偏光板を用いた液晶パネルの視野角特性を示すレーダーチャートである。
符号の説明
10 光学補償層付偏光板
11 偏光子
12 第1の光学補償層
13 第2の光学補償層
14 第3の光学補償層
20 液晶セル
100 液晶パネル

Claims (14)

  1. 偏光子と、第1の光学補償層と、第2の光学補償層と、第3の光学補償層とをこの順に有し、
    該第1の光学補償層が、nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが200〜300nmであり、
    該第2の光学補償層が、nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが80〜170nmであり、
    該第3の光学補償層が、光学的に負の一軸性を示す材料から形成され、かつ、当該材料が傾斜配向している
    光学補償層付偏光板。
  2. 前記第2の光学補償層と前記第3の光学補償層とが、接着剤層のみを介して貼り合わされている、請求項1に記載の光学補償層付偏光板。
  3. 前記第3の光学補償層の厚みが1〜10μmである、請求項1または2に記載の光学補償層付偏光板。
  4. 前記第1の光学補償層および前記第2の光学補償層が、それぞれ、ノルボルネン系樹脂および/またはポリカーボネート系樹脂を含有する、請求項1から3のいずれかに記載の光学補償層付偏光板。
  5. 前記光学的に負の一軸性を示す材料が、ディスコチック液晶化合物である、請求項1から4のいずれかに記載の光学補償層付偏光板。
  6. 前記第3の光学補償層における前記光学的に負の一軸性を示す材料の平均光軸が、該第3の光学補償層の法線方向に対して5°〜50°の角度で傾斜している、請求項1から5のいずれかに記載の光学補償層付偏光板。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の光学補償層付偏光板と液晶セルとを含む、液晶パネル。
  8. 請求項7に記載の液晶パネルを含む、液晶表示装置。
  9. 請求項1から6のいずれかに記載の光学補償層付偏光板を含む、画像表示装置。
  10. 光学的に負の一軸性を示す材料が傾斜配向した層と基材とを有する積層体を準備する工程と;
    nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが80〜170nmである第2の光学補償層と、該積層体とを、該第2の光学補償層と該傾斜配向層とが隣接するようにして貼り合わせる工程と;
    該基材を剥離して、該傾斜配向層を第3の光学補償層とする工程と;
    nx>ny=nzの屈折率分布を有し、かつ、その面内位相差Reが200〜300nmである第1の光学補償層を貼り合わせる工程と;
    偏光子を貼り合わせる工程と
    を含む、光学補償層付偏光板の製造方法。
  11. 前記第2の光学補償層と前記積層体とを貼り合わせる工程が、傾斜配向層と基材との接着力より高い接着力で、第2の光学補償層と傾斜配向層とを貼り合わせることを含む、請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記基材を剥離する工程が、前記積層体を水浴に浸漬させることを含む、請求項10または11に記載の製造方法。
  13. 前記水浴の温度が50〜100℃である、請求項12に記載の製造方法。
  14. 前記浸漬時間が3分〜30分である、請求項12または13に記載の製造方法。
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