JP2007047242A - 液晶注入容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 使用する液晶量を必要最低限に近づける液晶注入容器を提供することである。
【解決手段】 液晶注入容器20は、真空方式により液晶パネル10へ液晶を注入する際に液晶を溜めておく容器であり、液晶を溜めるために窪んだ液晶溜め部21と、液晶がこぼれないように液晶溜め部21の周囲に突状に形成された額縁部22と、液晶溜め部21に形成された複数の突部23とを有し、突部23は、液晶注入時の液晶パネル10に当たらない場所に設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、真空方式により液晶パネルへ液晶を注入する際に液晶を溜めておく液晶注入容器に関するものである。
図6は、液晶パネルの平面図、図7は、図6のB−B線断面図である。図6、図7は液晶注入前の状態を示している。液晶パネル10は、第1及び第2のガラス基板11、12が間隔を有して対向しており、ガラス基板11、12の対向面にそれぞれ電極13、14が所定のパターンで設けられている。第1及び第2のガラス基板11、12の対向面を縁取るようにシール材15が設けられている。シール材15は、第1及び第2のガラス基板11、12を接着するとともに、液晶(不図示)が注入される表示領域16を囲んでいる。シール材15の一部は途切れており、液晶を注入するための注入口17を形成している。
このような構成の液晶パネル10に液晶を注入するために、真空方式の注入装置を用いることができる。これには液晶を溜めておく液晶注入容器が用いられる。
図8は、液晶注入容器の平面図、図9は、図8のC−C線断面図である。液晶注入容器50は、液晶を溜めるために窪んだ液晶溜め部51と、液晶がこぼれないように液晶溜め部51の周囲に突状に形成された額縁部52とから形成される。液晶注入容器50の材料としては、アルミニウムやステンレス等が用いられ、その上面はテフロン(登録商標)等の撥水材53で覆われている。
次に、液晶注入工程について説明する。図10は、液晶注入工程の液晶注入直前の状態を示す断面図、図11は、液晶注入工程の液晶注入中の状態を示す断面図である。注入装置60は真空ポンプ(不図示)等によって真空にされる槽である。まず、注入装置60の中に、液晶70が溜められた液晶注入容器50と、複数の液晶パネル10を入れる。それぞれの液晶パネル10は注入口17が下向きになるように、カセットなどの支持部材(不図示)によって支持させる。そして、注入装置60を真空にし、カセット又は液晶注入容器50を移動させて、図11に示すように、液晶パネル10を液晶注入容器50へ当接させる。このとき、液晶パネル10は額縁部52に当接し、液晶70は注入口17等に接触する。その後、注入装置60内を大気圧に戻すと、表示領域16は真空のために液晶70が押され、毛細管現象によって表示領域16内へ充填される。
液晶70の注入が終了した後、注入口17に接着剤などを塗布し、熱や紫外線照射によって注入口17を塞ぐ。
このような液晶注入工程に用いられる液晶注入容器には、様々な工夫が提案されている。例えば、特許文献1には、液晶溜め溝を有する、液晶セル内へ液晶を注入するための液晶注入皿であって、液晶注入皿の表面のうち、液晶セルに当接する当接面にぬれ性が低い樹脂膜が形成され、かつ液晶溜め溝の内面には樹脂膜が形成されていない液晶注入皿が開示されている。これにより、液晶がこぼれたり、またははじいたりするなどによる液晶セル内部への気泡の混入を好適に制御できるとしている。
また特許文献2には、液晶注入容器の液晶貯溜用凹部の断面形状を略U字状とするものが開示されている。これにより、真空状態での脱気・脱泡作業中に液晶が液晶貯溜用凹部からこぼれることがなく、確実に脱気・脱泡作業を行うことができるとしている。
特開平10−48649号公報 特開2000−29047号公報
しかしながら、従来の液晶注入容器50を用いた場合、液晶の注入中に液晶溜め部51の液晶70が少なくなってくると、撥水材53によって液晶70がはじかれて部分的に偏り、液晶70が注入口17から離れてしまい、液晶パネル10内に気泡が混入することがある。これは上記の特許文献1によってある程度解決することはできるが、常に液晶が部分的に偏らないという保証はない。
そこで気泡の混入を確実に防ぐためには、液晶注入容器50に溜める液晶70の量を液晶パネル10に注入される量よりも多くしておき、液晶注入後に液晶注入容器50に液晶70がある程度残るようにする必要がある。
しかしながらそもそも液晶自体は非常に高価なものであるためできるだけ無駄になる液晶を発生させたくない。また残った液晶は精製して再使用可能であるが、精製するということはそのためのコストが掛かる。従って、液晶注入容器50に溜める液晶70の量は液晶パネル10への注入量と同じであることが理想的である。
本発明は、使用する液晶量を必要最低限に近づける液晶注入容器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、真空方式により液晶パネルへ液晶を注入する際に液晶を溜めておく液晶注入容器において、前記液晶注入容器は、液晶を溜めるために窪んだ液晶溜め部と、前記液晶溜め部の周囲に形成された額縁部と、前記液晶溜め部に形成された複数の突部とを有することを特徴とする。
この構成によると、突部の分だけ液晶の供給量が減り、しかも液晶が部分的に偏り難いので液晶不足になることがなく、液晶パネルへの気泡の混入を防止できる。
上記の液晶注入容器において、前記突部は、液晶注入時の前記液晶パネルに当たらない場所に設けることが望ましい。液晶パネルを額縁部へ確実に当接させて液晶注入不良をなくすためである。
また前記突部は、前記額縁部よりも高く突出していることが望ましい。突部上に液晶が盛られることがなく、液晶注入後に突部上に液晶が残ることがないからである。
また前記突部は、液晶注入時の前記液晶パネルの注入口付近以外に設けることが望ましい。液晶溜め部上の液晶がスムーズに注入口へ向かって流れるので液晶不足による液晶パネルへの気泡の混入を防止できるからである。
また前記突部は、前記額縁部から離して設けることが望ましい。これにより、注入口から遠い液晶溜め部の端の液晶が自由に流れることができるので、液晶が部分的に偏って残ることがなくなる。
また前記突部は、例えば、液晶注入時の前記液晶パネルと平行となる方向に直線状に設けることが望ましい。これにより、小さいスペースで多くの突部を設けることができる。
また前記突部の上端が上方へ向かって尖っていることが望ましい。これにより、液晶パネルを液晶注入容器に当接させる際に液晶パネルの位置がずれた場合でも、液晶パネルが突部に沿って下降するので、液晶パネルを確実に液晶注入容器の額縁部に当接させることができ、液晶注入不良を防止できる。
また前記液晶溜め部と前記額縁部と前記突部との表面に撥水材を設けることが望ましい。液晶溜め部に液晶が盛り上がるように供給したときに、液晶がこぼれないようにするためである。
本発明によれば、液晶注入容器の突部の分だけ液晶の供給量を減らすとともに、突部を設ける場所に液晶が部分的に偏って残ることがないので、使用する液晶量を必要最低限に近づけることができる。
図1は、液晶注入容器の平面図、図2は、図1のA−A線断面図、図3は、液晶を供給した液晶注入容器の断面図である。液晶注入容器20は、液晶を溜めるために窪んだ液晶溜め部21と、液晶70がこぼれないように液晶溜め部21の周囲に突状に形成された額縁部22と、液晶溜め部21に形成された複数の突部23とを有する。図1では突部23・23の間に各2枚の液晶パネル10がセットされて液晶が注入される。図1において破線で示す液晶パネルは図6及び図7で示したような従来から知られている液晶パネル10を用いることができる。つまりアクティブマトリクス駆動の液晶パネルでもパッシブマトリクス駆動の液晶パネルでもよく、またTN型の液晶パネルでもSTN型の液晶パネルでも構わない。
液晶注入容器50の材料としては、アルミニウムやステンレス等の金属が好適に用いられる。アルミニウムやステンレスは加工が容易であり、さらに耐薬品性及び耐腐食性が良好であるので液晶70への汚染を防止することができるという利点がある。
液晶注入容器20の上面(液晶溜め部21と額縁部22と突部23との表面)はテフロン(登録商標)等の撥水材24で覆うことが好ましい。このように撥水材24で覆うのは、液晶溜め部21に液晶が盛り上がるように供給したときに、液晶がこぼれないようにするためである。なお、撥水材24は、液晶をはじく材料であれば特に限定はなく、必ずしも必要ではない。
液晶溜め部21は平坦であり、深さは約0.5mmである。これ以上深くすると液晶注入時に最後まで液晶70を吸い上げることができずに残ってしまう。
額縁部22は、液晶注入容器20に液晶70を供給したとき、液晶溜め部21で山状に盛り上がった液晶が流れ出ない程度の幅を有していればよい。
突部23は、液晶注入時の液晶パネル10に当たらない場所に設けることが望ましい。突部23の高さが額縁部22の高さよりも低い場合は、液晶注入時に液晶パネル10に当たることがないので液晶溜め部21のどの場所に設けてもよいが、突部23の高さが額縁部22の高さよりも高い場合は、液晶注入時に液晶パネル10に当たり、液晶70の注入の妨げになるからである。ここで、突部23の高さは、液晶溜め部21の深さと同じく約0.5mmや、それよりも低くても構わないが、図2に示すように、額縁部22の高さよりも高い方が好ましい。何故なら、突部23上に液晶70が盛られることがなく、液晶注入後に突部23上に液晶70が残ることがないからである。
このように、液晶溜め部21に突部23を設けることにより、突部23の分だけ液晶70の供給量が減っても液晶70が部分的に偏らないので液晶不足になることがなく、液晶パネル10への気泡の混入を防止できる。従って、使用する液晶量を必要最低限に近づけることができる。
また突部23は、液晶注入時の液晶パネル10の注入口17付近以外に設けることが望ましい。図1では、突部23は液晶注入時の液晶パネル10と平行となる方向に直線状に2本ずつ設けられている。この2本ずつ設けられた突部23は、液晶パネル10の注入口17付近で分かれている。これにより、液晶溜め部21上の液晶70がスムーズに注入口17へ向かって流れるので液晶不足による液晶パネル10への気泡の混入を防止できる。さらに、それぞれの突部23は額縁部22からも離れている。これにより、注入口17から遠い液晶溜め部21の端の液晶70が自由に流れることができるので、液晶70が部分的に偏って残ることがなくなる。
なお、突部23の形状には特に限定はなく、円柱状や円錐状、角柱状や角錐状としてもよい。そして、液晶パネルの注入口が複数ある場合は、突部23はそれぞれの注入口付近以外に設ければよい。
図4は、他の液晶注入容器を示す断面図である。この液晶注入容器30は、突部33の形状が上記の液晶注入容器20と異なり、他の構成は液晶注入容器20と同様である。具体的には突部33の上端が上方へ向かって尖っている。また突部33の高さは額縁部22の高さより高い方が望ましい。これにより、液晶パネル10を液晶注入容器30に当接させる際に液晶パネルの位置がずれた場合でも、液晶パネル10が突部33に沿って下降するので、液晶パネル10を確実に液晶注入容器30の額縁部22に当接させることができ、液晶注入不良を防止できる。
図5は、更に他の液晶注入容器を示す平面図である。この液晶注入容器40は、突部43の形状が上記の液晶注入容器20と異なり、他の構成は液晶注入容器20と同様である。具体的には突部43の額縁部22側部分が水平方向に膨らんだ形状となっている。換言すれば、注入口17から離れた突部43の部分の体積が大きくなっている。これにより、注入口17付近に液晶70が集まり易く、注入口17から離れた部分に液晶70が偏って残りにくくなる。なお、突部43の上端の形状は図2のように平面としてもよいし、図4のように尖っていてもよい。
このような液晶注入容器は、注入容器の材料となるものを鋳型に流し込んで製造してもよい。こうすれば液晶溜め部、額縁部、突部を一体に形成することができるので非常に簡単に液晶注入容器を製造することができる。また例えば直方体の材料を削ることによって、液晶溜め部、額縁部、突部を形成することで、液晶注入容器を製造してもよい。さらには、液晶溜め部、額縁部が形成された液晶注入容器に後付で突部を取り付けてもよい。
次に、液晶注入工程について説明する。この工程は従来例の図10及び図11と同様に行うことができる。即ち、注入装置60の中に、液晶70が溜められた液晶注入容器20と、複数の液晶パネル10を入れる。それぞれの液晶パネル10は注入口17が下向きになるように、カセットなどの支持部材(不図示)によって支持させる。そして、注入装置60を真空にし、カセット又は液晶注入容器20を移動させて、液晶パネル10を液晶注入容器20へ当接させる。このとき、液晶パネル10は額縁部22に当接し、かつ突部23に当たらないようにする。液晶70は注入口17等に接触する。その後、注入装置60内を大気圧に戻すと、表示領域16は真空のために液晶70が押され、毛細管現象によって表示領域16内へ充填される。
液晶70の注入が終了した後、注入口17に接着剤などを塗布し、熱や紫外線照射によって注入口17を塞ぐ。
なお、図1では液晶注入容器20を一つだけ用いているが、例えば液晶注入容器を複数用い、液晶注入容器を横方向(図1における上下方向)に複数並べる。そして液晶注入容器分だけ液晶パネルが並んだ短冊状の液晶パネルを用い、各液晶パネルのそれぞれの注入口を介して各々の液晶注入容器により液晶を注入する。そして液晶注入後に短冊状の液晶パネルを切断して、各液晶パネルを製造する、というようにして液晶注入容器を用いてもよい。
本発明の液晶注入容器は、真空方式の注入装置により液晶を液晶パネルに液晶を充填する際に液晶を溜めておく容器に利用することができる。
本発明の液晶注入容器の平面図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明の液晶を供給した液晶注入容器の断面図である。 本発明の他の液晶注入容器を示す断面図である。 本発明の更に他の液晶注入容器を示す平面図である。 従来の液晶パネルの平面図である。 図6のB−B線断面図である。 従来の液晶注入容器の平面図である。 図8のC−C線断面図である。 従来の液晶注入工程の液晶注入直前の状態を示す断面図である。 従来の液晶注入工程の液晶注入中の状態を示す断面図である。
符号の説明
10 液晶パネル
17 注入口
20、30、40 液晶注入容器
21 液晶溜め部
22 額縁部
23、33、43 突部
24 撥水材
70 液晶

Claims (8)

  1. 真空方式により液晶パネルへ液晶を注入する際に液晶を溜めておく液晶注入容器において、
    前記液晶注入容器は、液晶を溜めるために窪んだ液晶溜め部と、前記液晶溜め部の周囲に形成された額縁部と、前記液晶溜め部に形成された複数の突部とを有することを特徴とする液晶注入容器。
  2. 前記突部は、液晶注入時の前記液晶パネルに当たらない場所に設けることを特徴とする請求項1記載の液晶注入容器。
  3. 前記突部は、前記額縁部よりも高く突出していることを特徴とする請求項2記載の液晶注入容器。
  4. 前記突部は、液晶注入時の前記液晶パネルの注入口付近以外に設けることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の液晶注入容器。
  5. 前記突部は、前記額縁部から離して設けることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の液晶注入容器。
  6. 前記突部は、液晶注入時の前記液晶パネルと平行となる方向に直線状に設けることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の液晶注入容器。
  7. 前記突部の上端が上方へ向かって尖っていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の液晶注入容器。
  8. 前記液晶溜め部と前記額縁部と前記突部との表面に撥水材を設けることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の液晶注入容器。
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