JP2007046538A - 圧縮着火内燃機関及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】単一燃料で広範囲の要求負荷に容易に対処できる圧縮着火内燃機関及びその制御方法を提供する。
【解決手段】混合燃料Aを収容する第1のタンク1と、水Bを収容する水タンク2と、混合液Cと液体炭化水素Dとを分離状態で収容する第2のタンク3と、液体炭化水素Dを収容する第3のタンク4と、混合液Cを収容する第4のタンク5とを備える。混合燃料Aをタンク3に供給する第1のポンプ13と、水Bをタンク3に供給する第2のポンプ18と、液体炭化水素Dを抽出してタンク4に供給する第3のポンプ22と、混合液Cを抽出してタンク5に供給する第4のポンプ25とを備える。タンク1〜5は、液面検知手段15a,15b,20a,20b,29a,29b,29c,35a,35b,40a,40bを備える。タンク3は、分離検知手段30を備える。要求負荷が低いほど液体炭化水素Dの供給量を増加し、高いほど混合液Cの供給量を増加する。
【選択図】 図1
【解決手段】混合燃料Aを収容する第1のタンク1と、水Bを収容する水タンク2と、混合液Cと液体炭化水素Dとを分離状態で収容する第2のタンク3と、液体炭化水素Dを収容する第3のタンク4と、混合液Cを収容する第4のタンク5とを備える。混合燃料Aをタンク3に供給する第1のポンプ13と、水Bをタンク3に供給する第2のポンプ18と、液体炭化水素Dを抽出してタンク4に供給する第3のポンプ22と、混合液Cを抽出してタンク5に供給する第4のポンプ25とを備える。タンク1〜5は、液面検知手段15a,15b,20a,20b,29a,29b,29c,35a,35b,40a,40bを備える。タンク3は、分離検知手段30を備える。要求負荷が低いほど液体炭化水素Dの供給量を増加し、高いほど混合液Cの供給量を増加する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、圧縮着火内燃機関と、その制御方法とに関するものである。
近年、内燃機関の燃費を向上し、排出物を低減するために、予混合圧縮着火内燃機関に代表される圧縮着火内燃機関が検討されている。圧縮着火内燃機関は、酸素含有気体と圧縮自着火可能な燃料とをシリンダ内に導入し、圧縮して自着火させるものである。
ところが、圧縮着火内燃機関は、火花点火方式の内燃機関と異なり着火のタイミングを制御することが難しく、安定に運転することができる運転領域が狭いとの問題がある。前記問題は、さらに詳しくは、着火性の高い燃料を用いると該機関の要求負荷が高くなったときにノッキングを起こしやすく、着火性の低い燃料を用いると該機関の要求負荷が低くなったときに失火しやすいことである。
前記問題を解決するために、従来、着火性の高い燃料と、着火性の低い燃料とを備え、両燃料を混合して該機関に供給する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。前記技術によれば、前記圧縮着火内燃機関の要求負荷に対応して、両燃料の混合比を調整することにより、広い範囲の要求負荷に対して安定して運転することができる。しかし、前記技術では、着火性の高い燃料と、着火性の低い燃料とをそれぞれ別に準備し収容しておく必要がある。
これに対して、単一の燃料を用い、前記圧縮着火内燃機関の要求負荷が高くなったときには、該燃料の一部を部分酸化して着火性抑制物質を生成させる技術も知られている(例えば特許文献2参照)。前記技術は、具体的には、軽油等の炭化水素系燃料の一部を部分酸化してホルムアルデヒド等の着火性抑制物質を生成させるものである。
しかしながら、前記軽油等の炭化水素を部分酸化してホルムアルデヒドを生成させるには、高温で長時間の反応が必要になるという不都合がある。
特開2001−355471号公報
特開2000−213444号公報
本発明は、かかる不都合を解消して、単一の燃料により、広い範囲の要求負荷に対して容易に対処することができる圧縮着火内燃機関を提供することを目的とする。
また、本発明の目的は、前記圧縮着火内燃機関の制御方法を提供することにもある。
前記不都合を解消するために、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、エタノールと液体炭化水素とを所定の割合で混合した混合燃料に対して、水を混合すると、該水が該エタノールと混合して生成する混合液が、該液体炭化水素と容易に分離することを利用した圧縮着火内燃機関及びその制御方法に想到した。
そこで、本発明は、前記目的を達成するために、要求負荷が低いときには液体炭化水素を燃料に添加し、要求負荷が高いときにはエタノールと水との混合液を燃料に添加する圧縮着火内燃機関であって、エタノールと液体炭化水素とを所定の割合で混合した混合燃料を収容する第1のタンクと、水を収容する水タンクと、該第1のタンクから供給される該混合燃料と、該水タンクから供給される水とを混合し、該エタノールと該水とが混合された混合液と、該液体炭化水素とに分離する第2のタンクと、該第2のタンクから抽出された該液体炭化水素を収容する第3のタンクと、該第2のタンクから抽出された該混合液を収容する第4のタンクとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、前記第1のタンクにエタノールと液体炭化水素とを所定の割合で混合した前記混合燃料を収容しておき、該混合燃料と、前記水タンクに収容されている前記水とを前記第2のタンクに供給して混合する。このようにすると、前記エタノールは前記水と相溶性があり混合液を形成するが、前記液体炭化水素は水に不溶であるため、該混合液と該液体炭化水素とが分離する。
ここで、前記混合液と前記液体炭化水素とでは、比重が異なるので、該混合液と該液体炭化水素とは重力により容易に分離する。この結果、ガソリン等のように前記液体炭化水素の方が前記混合液より比重が小さい場合には、前記第2のタンクの下層には前記混合液層、上層には前記液体炭化水素層が形成され、該混合液と該液体炭化水素とはこのように分離した状態で前記第2のタンクに収容されている。
ただし、軽油、オレイン酸メチル等のように前記液体炭化水素の方が前記混合液より比重が大きい場合には、前記第2のタンクの下層に前記液体炭化水素層、上層に前記混合液層が形成される。
そこで、前記第2のタンクから抽出された前記液体炭化水素を前記第3のタンクに収容しておくと共に、該第2のタンクから抽出された該混合液を前記第4のタンクに収容しておく。このようにすることにより、前記液体炭化水素と、前記エタノールと前記水との混合液とを、1種類の前記混合燃料から容易に得ることができる。そして、要求負荷が低いときには前記第3のタンクから前記液体炭化水素を燃料に添加することができ、要求負荷が高いときには前記第4のタンクからエタノールと水との混合液を燃料に添加することができる。
また、本発明の圧縮着火内燃機関は、前記第1のタンクに収容されている前記混合燃料を前記第2のタンクに供給する第1のポンプと、前記水タンクに収容されている前記水を前記第2のタンクに供給する第2のポンプと、前記第2のタンクに収容されている前記液体炭化水素を抽出して前記第3のタンクに供給する第3のポンプと、前記第2のタンクに収容されている前記混合液を抽出して前記第4のタンクに供給する第4のポンプとを備えることを特徴とする。本発明の圧縮着火内燃機関によれば、前記第1乃至第4のポンプを備えることにより、前記第2のタンクに対する前記混合燃料と前記水との供給、該第2のタンクからの前記液体炭化水素と前記混合液との抽出を定量的に行うことができる。
また、本発明の圧縮着火内燃機関において、前記第1乃至第4の各タンクと、前記水タンクとは、それぞれ収容する液体の液面を検知する液面検知手段を備えることを特徴する。前記第1乃至第4の各タンクと、前記水タンクとは、それぞれ前記液面検知手段を備えることにより、前記第1乃至第4の各ポンプによる液体の移動を過不足なく行うことができる。
さらに、本発明の圧縮着火内燃機関において、前記第2のタンクは、前記液体炭化水素と前記混合液との分離を検知する分離検知手段を備えることを特徴とする。前記第2のタンクは、前記分離検知手段を備えることにより、前記混合燃料と前記水とを混合した後、前記液体炭化水素と前記混合液との分離の完了を確実に検知することができ、前記第3のポンプによる該液体炭化水素の抽出と、前記第4のポンプによる該混合液との抽出を確実に行うことができる。前記分離検知手段としては、例えば、アルコール濃度センサ、前記液体炭化水素の屈折率、誘電率、光吸収等を評価するセンサ等を用いることができる。
本発明の圧縮着火内燃機関の制御方法は、前記構成の圧縮着火内燃機関において、要求負荷が低くなるほど該第3のタンクから供給される該液体炭化水素の燃料に対する添加量を増加し、要求負荷が高くなるほど該第4のタンクから供給される該混合液の燃料に対する添加量を増加することにより実施することができる。
本発明の制御方法によれば、単一の燃料により、広い範囲の要求負荷に対して容易に対処することができ、要求負荷が高くなったときにノッキング等を起こしたり、要求負荷が低くなったときに失火等を起こすことがないので、圧縮着火内燃機関を安定して運転することができる。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は本実施形態の圧縮着火内燃機関の装置構成を示すシステム構成図である。
図1に示すように、本実施形態の圧縮着火内燃機関は、エタノールと、ヘプタン等の液体炭化水素とを所定の割合で混合した混合燃料Aを収容する第1タンク1と、水Bを収容する水タンク2と、第1タンク1から供給される混合燃料Aと、水タンク2から供給される水Bとを混合する第2タンク3とを備えている。第2タンク3は、混合燃料Aと水Bとを混合し、前記エタノールと水Bとの混合液Cと液体炭化水素Dとに分離し、混合液Cと液体炭化水素Dとを相互に分離した状態で収容する。
また、本実施形態の圧縮着火内燃機関は、第2タンク3から抽出された液体炭化水素Dを収容する第3タンク4と、第2タンク3から抽出された混合液Eを収容する第4タンク5とを備え、さらに第1タンク1に混合燃料Aを供給する燃料タンク6を備えている。
第1タンク1は、途中に送液ポンプ8、開閉弁9を備える導管10を介して燃料タンク6に接続されている。燃料タンク6は、大気に開放されている。
第1タンク1は、気密に密閉されており、開閉弁11により大気開放自在とされると共に、途中に開閉弁12、第1定量ポンプ13を備える導管14を介して第2タンク3に接続されている。また、第1タンク1は、収容される混合燃料Aの上限液位を検知するレベルセンサ15aと、混合燃料Aの下限液位を検知するレベルセンサ15bとを備えている。そして、導管14は第1タンク1内で、レベルセンサ15bよりも下方に開口している。
水タンク2は、気密に密閉されており、開閉弁16により大気開放自在とされると共に、途中に開閉弁17、第2定量ポンプ18を備える導管19を介して第2タンク3に接続されている。また、水タンク2は、収容される水Bの上限水位を検知するレベルセンサ20aと、水Bの下限水位を検知するレベルセンサ20bとを備えている。そして、導管19は水タンク2内で、レベルセンサ20bよりも下方に開口している。
第2タンク3は、気密に密閉されており、開閉弁21により大気開放自在とされると共に、途中に第3定量ポンプ22、開閉弁23を備える導管24を介して第3タンク4に接続されており、途中に第4定量ポンプ25、開閉弁26を備える導管27を介して第4タンク5に接続されている。
第2タンク3は、下部に撹拌装置28を備えている。撹拌装置28は、例えばマグネティックスターラーであり、第2タンク3内に配置されたスターラーバー28aを磁気により回転駆動することにより、混合燃料Aと水Bとを混合し、前記エタノールと水Bとの混合液Cと液体炭化水素Dとに分離するようになっている。
また、第2タンク3は、収容される液体の合計の上限液位を検知するレベルセンサ29aと、液体炭化水素Dの下限液位を検知するレベルセンサ29bと、混合液Cの下限液位を検知するレベルセンサ29cとを備えている。そして、導管24は第2タンク3内で、レベルセンサ29bよりも下方で液体炭化水素Dの存在する位置に開口しており、導管27は第2タンク3内で、レベルセンサ29cよりも下方に開口している。
さらに、第2タンク3は、導管24の開口部と導管27の開口部との間に、混合液Cと液体炭化水素Dとの分離を検知する分離検知センサ30を備えている。本実施形態では、分離検知センサ30は、混合液Cと液体炭化水素Dとが分離したときに混合液C内に位置するようにされている。
第3タンク4は、気密に密閉されており、開閉弁31により大気開放自在とされると共に、途中に開閉弁32、送液ポンプ33を備える導管34を介して図示しないインジェクタに接続されている。また、第3タンク4は、収容される液体炭化水素Dの上限液位を検知するレベルセンサ35aと、液体炭化水素Dの下限液位を検知するレベルセンサ35bとを備えている。そして、導管34は第3タンク4内で、レベルセンサ35bよりも下方に開口している。
第4タンク5は、気密に密閉されており、開閉弁36により大気開放自在とされると共に、途中に開閉弁37、送液ポンプ38を備える導管39を介して図示しないインジェクタに接続されている。また、第4タンク5は、収容される混合液Cの上限液位を検知するレベルセンサ40aと、混合液Cの下限液位を検知するレベルセンサ40bとを備えている。そして、導管39は第4タンク5内で、レベルセンサ40bよりも下方に開口している。
本実施形態において、開閉弁9,11,12,16,17,21,23,26,31,32,36,37としては、例えば小型の電磁弁などを用いることができる。また、各レベルセンサ15a,15b,20a,20b,29a,29b,29c,35a,35b,40a,40bとしては、小型の光ファイバーセンサ等を用いることができる。また、
分離検知センサ30としては、例えば、アルコール濃度センサ、混合液Cの屈折率、誘電率、光吸収等を評価するセンサ等を用いることができる。
分離検知センサ30としては、例えば、アルコール濃度センサ、混合液Cの屈折率、誘電率、光吸収等を評価するセンサ等を用いることができる。
次に、本実施形態の圧縮着火内燃機関の作動について説明する。
本実施形態の圧縮着火内燃機関では、まず、第3タンク4内に収容されている液体炭化水素Dの液位が上限を下まわったことがレベルセンサ35aにより検知され、かつ、第4タンク5内に収容されている混合液Cの液位が上限を下まわったことがレベルセンサ40aにより検知されると、大気開放弁11,16,21と、開閉弁12,17とを開き、他の弁は全て閉じた状態で、第1定量ポンプ13、第2定量ポンプ18を作動させる。これにより、第1タンク1に収容されている混合燃料Aが導管14を介して第2タンク3に供給されると共に、水タンク2に収容されている水Bが導管19を介して第2タンク3に供給される。そして、第2タンク3内に収容されている液体の合計の液位が上限に達したことがレベルセンサ29aにより検知されたならば、第1定量ポンプ13、第2定量ポンプ18が停止され、大気開放弁11,16,21と、開閉弁12,17とが閉じられる。
ところで、前記操作中、第1タンク1に収容されている混合燃料Aを第2タンク3に供給しているときに、混合燃料Aの液位が下限に達したことがレベルセンサ15bにより検知されることがある。このときは、開閉弁12が閉じられ、第1定量ポンプ13が停止されると共に、開閉弁9が開かれ、送液ポンプ8が作動されて、燃料タンク6から導管10を介して混合燃料Aが第1タンク1に供給される。
第1タンク1に対する混合燃料Aの供給は、第1タンク1に収容されている混合燃料Aの液位が上限に達したことがレベルセンサ15aにより検知されると終了し、送液ポンプ8が停止されると共に開閉弁9が閉じられる。そして、再び開閉弁12が開かれ、第1定量ポンプ13が作動されて、第1タンク1に収容されている混合燃料Aを第2タンク3に供給する操作が再開される。
また、水タンク2に収容されている水Bを第2タンク3に供給しているときに、水Bの水位が下限に達したことがレベルセンサ20bにより検知されることがある。このときは、開閉弁17が閉じられ、第2定量ポンプ18が停止されると共に、図示しない給水手段により水タンク2に給水が行われる。
前記給水は、水タンク2に収容されている水Bの水位が上限に達したことがレベルセンサ20aにより検知されると終了する。そして、再び開閉弁17が開かれ、第2定量ポンプ18が作動されて、水タンク2に収容されている水Bを第2タンク3に供給する操作が再開される。
次に、第2タンク3に対する混合燃料Aと水Bとの供給が終了したならば、撹拌装置28が作動され、第2タンク3内に配置されたスターラーバー28aを磁気により回転駆動することにより、混合燃料Aと水Bとの混合が行われる。このとき、第2タンク3内に混合液C、液体炭化水素Dが残っている時には、混合液C、液体炭化水素Dも混合燃料Aと水Bと共に混合される。
ここで、混合燃料Aを形成している前記エタノールは水Bと相溶性があり、液体炭化水素Dは水に不溶である。従って、前記のように混合すると、前記エタノールと水Bとにより混合液Cが形成される一方、液体炭化水素Dが分離される。
また、混合液Cと液体炭化水素Dとでは、液体炭化水素Dがヘプタンである場合には混合液Cの方が比重が大であるので、混合液Cと液体炭化水素Dとは、混合液Cが第2タンク3内の下層、液体炭化水素Dが上層となり、上下2層に分離した状態となる。第2タンク3では、撹拌装置28による撹拌を停止した後、混合液Cと液体炭化水素Dとが上下2層に分離したことが分離検知センサ30により検知されるまで、所定時間放置する。
次に、第3タンク4内に収容されている液体炭化水素Dの液位が上限を下回っていることがレベルセンサ35aにより検知されている場合には、混合液Cと液体炭化水素Dとが第2タンク3内で上下2層に分離した後、第2タンク3内の液体炭化水素Dが第3タンク4に供給される。第2タンク3内の液体炭化水素Dを第3タンク4に供給する操作は、大気開放弁21,31と、開閉弁23とを開き、他の弁は全て閉じた状態で、第3定量ポンプ22を作動させることにより行われる。前記操作により、第2タンク3に上下2層に分離した状態で収容されている混合液Cと液体炭化水素Dとのうち、上層の液体炭化水素Dが抽出され、導管24を介して第3タンク4に供給される。そして、第3タンク4内に収容されている液体炭化水素Dの液位が上限に達したことがレベルセンサ35aにより検知されたならば、第3定量ポンプ22が停止され、大気開放弁21,31と、開閉弁23が閉じられ、前記操作が終了される。尚、第3定量ポンプ22は、第2タンク3に収容されている液体炭化水素Dの液位が下限に達したことがレベルセンサ29bにより検知されたならば、停止される。
また、第4タンク5内に収容されている混合液Cの液位が上限を下回っていることがレベルセンサ40aにより検知されている場合には、混合液Cと液体炭化水素Dとが第2タンク3内で上下2層に分離した後、第2タンク3内の混合液Cが第4タンク5に供給される。第2タンク3内の混合液Cを第4タンク5に供給する操作は、大気開放弁21,36と、開閉弁26とを開き、他の弁は全て閉じた状態で、第4定量ポンプ25を作動させることにより行われる。前記操作により、第2タンク3に上下2層に分離した状態で収容されている混合液Cと液体炭化水素Dとのうち、下層の混合液Cが抽出され、導管27を介して第4タンク5に供給される。そして、第4タンク5内に収容されている混合液Cの液位が上限に達したことがレベルセンサ40aにより検知されたならば、第4定量ポンプ25が停止され、大気開放弁21,36と、開閉弁26が閉じられ、前記操作が終了される。尚、第4定量ポンプ25は、第2タンク3に収容されている混合液Cの液位が下限に達したことがレベルセンサ29cにより検知されたならば、停止される。
そして、第3タンク4内に収容されている液体炭化水素Dの液位が上限に達していないことがレベルセンサ35aにより検知され、または、第4タンク5内に収容されている混合液Cの液位が上限に達していないことがレベルセンサ40aにより検知されたならば、本実施形態の圧縮着火内燃機関の作動が最初から繰り返される。
本実施形態の圧縮着火内燃機関では、前述のようにして第3タンク4に収容されている液体炭化水素Dと、第4タンク5に収容されている混合液Cとを、該圧縮着火内燃機関の要求負荷に応じて図示しないインジェクタに供給する。即ち、前記圧縮着火内燃機関の要求負荷が低くなるほど第3タンク4に収容されている液体炭化水素Dの前記インジェクタに対する供給量を増加させ、要求負荷が高くなるほど第4タンク5に収容されている混合液Cの前記インジェクタに対する供給量を増加させる。
前記インジェクタには、主燃料として混合燃料Aが別途供給されている。従って、前述のようにすることにより、前記圧縮着火内燃機関の要求負荷が低くなるほど前記主燃料に対する液体炭化水素Dの添加量を増大させることができ、要求負荷が高くなるほど前記主燃料に対する混合液Cの添加量を増大させることができる。
前記ヘプタン等の液体炭化水素Dは着火性が高いので、前記圧縮着火内燃機関の要求負荷が低くなるほど液体炭化水素Dの供給量を増加させることにより失火等を防止することができる。また、前記エタノールは着火性が低いので、前記圧縮着火内燃機関の要求負荷が高くなるほど混合液Cの供給量を増加させることにより、ノッキング等を防止することができる。また、混合液Cに含まれる水により、燃焼温度が低下するため、前記ノッキングを防止することができるとともに、NOxの生成を抑制することができる。
第3タンク4内の液体炭化水素Dを前記インジェクタに供給する操作は、大気開放弁31と、開閉弁32とを開いた状態で、定量ポンプ33を作動させることにより行われ、液体炭化水素Dが導管34を介して前記インジェクタに供給される。また、第4タンク5内の混合液Cを前記インジェクタに供給する操作は、大気開放弁36と、開閉弁37とを開いた状態で、定量ポンプ33を作動させることにより行われ、混合液Cが導管39を介して前記インジェクタに供給される。尚、第3タンク4内の液体炭化水素Dを前記インジェクタに供給する操作と、第4タンク5内の混合液Cを前記インジェクタに供給する操作とは、同時に行うこともできる。また、本実施形態の圧縮着火内燃機関は、必要に応じて、部分的に火花点火を行ってもよい。
1…第1のタンク、 2…水タンク、 3…第2のタンク、 4…第3のタンク、 5…第4のタンク、 13…第1のポンプ、 15a,15b…液面検知手段、 18…第2のポンプ、 20a,20b…液面検知手段、 22…第3のポンプ、 25…第4のポンプ、 29a,29b,29c…液面検知手段、 30…分離検知手段、 35a,35b…液面検知手段、 A…混合燃料、 B…水、 C…混合液、 D…液体炭化水素。
Claims (5)
- 要求負荷が低いときには液体炭化水素を燃料に添加し、要求負荷が高いときにはエタノールと水との混合液を燃料に添加する圧縮着火内燃機関であって、
エタノールと液体炭化水素とを所定の割合で混合した混合燃料を収容する第1のタンクと、
水を収容する水タンクと、
該第1のタンクから供給される該混合燃料と、該水タンクから供給される水とを混合し、該エタノールと該水とが混合された混合液と、該液体炭化水素とに分離する第2のタンクと、
該第2のタンクから抽出された該液体炭化水素を収容する第3のタンクと、
該第2のタンクから抽出された該混合液を収容する第4のタンクとを備えることを特徴とする圧縮着火内燃機関。 - 前記第1のタンクに収容されている前記混合燃料を前記第2のタンクに供給する第1のポンプと、
前記水タンクに収容されている前記水を前記第2のタンクに供給する第2のポンプと、
前記第2のタンクに収容されている前記液体炭化水素を抽出して前記第3のタンクに供給する第3のポンプと、
前記第2のタンクに収容されている前記混合液を抽出して前記第4のタンクに供給する第4のポンプとを備えることを特徴とする請求項1記載の圧縮着火内燃機関。 - 前記第1乃至第4の各タンクと、前記水タンクとは、それぞれ収容する液体の液面を検知する液面検知手段を備えることを特徴する請求項1または請求項2記載の圧縮着火内燃機関。
- 前記第2のタンクは、前記液体炭化水素と前記混合液との分離を検知する分離検知手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の圧縮着火内燃機関。
- エタノールと水との混合液または液体炭化水素を燃料に添加する圧縮着火内燃機関の制御方法であって、
エタノールと液体炭化水素とを所定の割合で混合した混合燃料を収容する第1のタンクと、
水を収容する水タンクと、
該第1のタンクから供給される該混合燃料と、該水タンクから供給される水とを混合し、該エタノールと該水とが混合された混合液と、該液体炭化水素とに分離すると共に、該混合液と該液体炭化水素とを相互に分離した状態で収容する第2のタンクと、
該第2のタンクから抽出された該液体炭化水素を収容する第3のタンクと、
該第2のタンクから抽出された該混合液を収容する第4のタンクとを備える燃料分離システムを用い、
要求負荷が低くなるほど該第3のタンクから供給される該液体炭化水素の燃料に対する添加量を増加し、要求負荷が高くなるほど該第4のタンクから供給される該混合液の燃料に対する添加量を増加することを特徴とする圧縮着火内燃機関の制御方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005231761A JP2007046538A (ja) | 2005-08-10 | 2005-08-10 | 圧縮着火内燃機関及びその制御方法 |
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JP2005231761A JP2007046538A (ja) | 2005-08-10 | 2005-08-10 | 圧縮着火内燃機関及びその制御方法 |
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-
2005
- 2005-08-10 JP JP2005231761A patent/JP2007046538A/ja active Pending
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