JP2007045743A - 歯磨組成物 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 (A)アセチルオイゲノール0.1〜3.0質量%と、
(B)一般式Mn+2n3n+1(但し、MはNa又はKを示し、nは2又は3)で示される直鎖状水溶性ポリリン酸塩を0.5〜3.0質量%と、
(C)非イオン性界面活性剤0.5〜10質量%と
を含有し、前記(A)及び(B)成分の質量比(B)/(A)が0.2〜5.0であることを特徴とする歯磨組成物、及び、更に(D)両性界面活性剤を0.5〜10質量%含有する上記歯磨組成物。
【効果】 本発明の歯磨組成物は、歯槽骨吸収に対して優れた阻止効果を有するアセチルオイゲノールの経粘膜吸収性が促進され、しかも、粘膜刺激がなく、歯磨の液分離がなく、泡立ちが良好であり、歯周病の予防及び治療に有効である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、歯槽骨吸収に対して優れた阻止効果を有するアセチルオイゲノールの経粘膜吸収性を促進し、粘膜刺激がなく、歯磨の液分離がなく、更に泡立ちが良好な歯磨組成物に関する。
従来、歯槽骨の吸収阻止剤としては、フルルビプロフェン、インドメタシン等の非ステロイド系の抗炎症剤が有効であることが報告されている(特許文献1〜5参照)。
しかし、これら薬剤を長期間使用することは口腔粘膜に対して為害作用が発現することが懸念され、慢性病である歯周病により生じる歯槽骨の吸収の予防、阻止には、長期間口腔内で使用しても安全な薬剤を使用することが望ましく、安全性が高く、かつ歯槽骨吸収阻止効果に優れた薬剤の効果が必要であった。
また、非ステロイド系の抗炎症剤以外でも、キチン・キトサンや塩酸ミノサイクリン、α2マクログロブリン等が報告されている(特許文献6〜8参照)が、歯磨組成物として汎用に使用するには、アレルギー問題等、技術的に多くの問題を抱えていた。
更に、比較的容易に歯磨配合が可能な成分として、タウリン、パントテン酸カルシウム、コレウス・フォルスコリの根抽出物等が提案されている(特許文献9〜14参照)が、製剤安定性、微生物汚染、調香上での制約等の問題点を残していた。
一方、出願人は、歯槽骨吸収抑制の有効成分としてアセチルオイゲノール等の二価フェノール誘導体が有効であることを提案した(特許文献15参照)。このアセチルオイゲノールは、ちょうじ由来の香り成分で、安全かつ製剤開発上での課題が少なく、香料成分として実績があり、in vitro試験においては高い骨吸収抑制効果を有する。しかし、粘膜吸収性については改善の余地があり、粘膜吸収性をより向上させる技術が望まれる。歯周組織に用いる薬剤にとってその薬効をより向上させるためには、病変部への効率的なドラッグデリバリーが必要となるため、その経粘膜吸収性を促進する方法、添加剤の開発は重要な意味を持っている。
特開昭60−61524号公報 特開平06−305947号公報 特開平07−267838号公報 特開平07−267853号公報 特開平08−268855号公報 特開昭63−156726号公報 特開平07−69851号公報 特開平07−138188号公報 特開平06−247834号公報 特開平06−305947号公報 特開平08−133969号公報 特開平11−130644号公報 特開平11−322556号公報 特開2003−171250号公報 特開平07−10727号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、歯槽骨吸収に対して優れた阻止効果を有するアセチルオイゲノールの経粘膜吸収性を促進し、粘膜刺激、歯磨の液分離がなく、更に泡立ちが良好な、アセチルオイゲノールを配合した歯磨組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、歯槽骨吸収抑制の有効成分としてアセチルオイゲノールを配合し、アセチルオイゲノールと直鎖状水溶性ポリリン酸塩とを特定の質量比で併用し、かつ、非イオン性界面活性剤を特定割合で配合することにより、アセチルオイゲノールの経粘膜吸収性を効果的に促進でき、優れた歯槽骨吸収抑制効果が発揮され、かつ、歯磨時の粘膜刺激がなく、歯磨の液分離が生じず、優れた使用感及び製剤安定性が得られ、更に、両性界面活性剤を配合することにより、泡立ちも良好な歯磨組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、
(A)アセチルオイゲノール0.1〜3.0質量%と、
(B)一般式Mn+2n3n+1(但し、MはNa又はKを示し、nは2又は3)で示される直鎖状水溶性ポリリン酸塩を0.5〜3.0質量%と、
(C)非イオン性界面活性剤0.5〜10質量%と
を含有し、前記(A)及び(B)成分の質量比(B)/(A)が0.2〜5.0であることを特徴とする歯磨組成物、更に、(D)両性界面活性剤を0.5〜10質量%含有する上記歯磨組成物を提供する。
本発明の歯磨組成物は、歯槽骨吸収に対して優れた阻止効果を有するアセチルオイゲノールの経粘膜吸収性が促進され、しかも、粘膜刺激がなく、歯磨の液分離がなく、泡立ちが良好であり、安全性も高く、歯周病の予防及び治療に有効である。
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の歯磨組成物は、(A)アセチルオイゲノール、(B)直鎖状水溶性ポリリン酸塩、(C)非イオン性界面活性剤を含有し、更に好ましくは(D)両性界面活性剤を含有する。
本発明の歯磨組成物に使用されるアセチルオイゲノールとしては、市販品を使用でき、例えば和光純薬(株)製、高砂香料(株)製等のアセチルオイゲノールが使用可能である。
本発明組成物において、アセチルオイゲノールの配合量は、組成物全体の0.1〜3.0質量%、好ましくは1.0〜2.0質量%である。配合量が0.1質量%未満であると粘膜吸収されず、配合効果が得られず、3.0質量%を超えると歯磨が液分離を生じる。
更に、(B)成分の直鎖状水溶性ポリリン酸塩は、上記アセチルオイゲノールの経粘膜吸収性の促進に有効なものである。
(B)成分の直鎖状水溶性ポリリン酸塩としては、下記一般式(1)
n+2n3n+1 (1)
(但し、MはNa又はKを示し、nは2又は3)
で示されるものが使用でき、重合度n=2のピロリン酸ナトリウム(太平化学産業(株)製、東北化学(株)製等)やピロリン酸カリウム(太平化学産業(株)製、東亜合成化学(株)製等)、n=3のトリポリリン酸ナトリウム(セントラル硝子(株)製、日本ビルダー(株)製等)やトリポリリン酸カリウム(太平化学産業(株)製等)などが挙げられる。これらの中では、特にピロリン酸ナトリウムが好ましい。
上記直鎖状水溶性ポリリン酸塩の配合量は、組成物全体の0.5〜3.0質量%、好ましくは1.0〜2.0質量%とする。直鎖状水溶性ポリリン酸塩の配合量が0.5質量%未満では粘膜吸収促進効果が得られず、3.0質量%を超えると歯磨製剤の安定性が悪くなり液分離を生じる。
本発明において、(B)成分の直鎖状水溶性ポリリン酸塩/(A)成分のアセチルオイゲノールの質量比(B)/(A)は0.2〜5.0であり、特に0.5〜3.0であることが好ましい。この質量比が0.2未満であったり、5.0を超えると、いずれも粘膜吸収促進効果が得られない。
また、上記直鎖状水溶性ポリリン酸塩を配合した歯磨組成物は、使用者によって歯グキ等の口腔粘膜に刺激を感じる場合がある。本発明の歯磨組成物は、更に非イオン性界面活性剤を配合することにより、このような直鎖状水溶性ポリリン酸塩の配合などによる口腔粘膜への刺激を低減させることができ、優れた使用性とすることができる。
非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルポリグルコシド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。具体的には、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油,ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(80)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油などが挙げられ、これらは日光ケミカルズ株式会社、日本エマルジョン株式会社などから入手できる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(15)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(25)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(15)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(25)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ステアリルエーテルなどが挙げられ、これらは日光ケミカルズ株式会社、日本エマルジョン株式会社などから入手できる。アルキルポリグルコシドとしては、デシルグルコシド、ラウリルグルコシドなどが挙げられ、デシルグルコシドとしてはマイドール10(花王株式会社)、ラウリルグルコシドとしてはマイドール12(花王株式会社)などが入手できる。ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリルなどが挙げられ、これらは日光ケミカルズ株式会社などから入手することができる。ショ糖脂肪酸エステルとしては、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステルなどが挙げられ、これらショ糖脂肪酸エステルは三菱化学フーズ株式会社からリョートーシュガーエステルの製品名で入手でき、HLB値が15以上のものが適する。これら非イオン性界面活性剤の中では、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルが粘膜刺激抑制の点で好ましく、特にポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油が好ましい。
上記非イオン性界面活性剤の配合量は、組成物全体の0.5〜10質量%、特に1.0〜5.0質量%とすることが好ましい。配合量が0.5質量%未満では直鎖状水溶性ポリリン酸塩による粘膜刺激を抑えられず、10質量%を超えると歯磨が液分離を生じる。
一方、本発明においては、直鎖状水溶性ポリリン酸塩を配合することにより、粘結剤の凝集状態の変化、歯磨剤の水への分散性の悪化などが起き、結果として歯磨の泡立ち低下が生じることがあり、使用感改善のための対応が必要になる場合がある。本発明においては、更に両性界面活性剤を配合することにより、直鎖状水溶性ポリリン酸塩配合による歯磨の泡立ちの低下を改善し、良好な泡立ちとすることができる。
両性界面活性剤としては、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン(一方社油脂工業(株)製、日本油脂(株)製等)、N−ラウリルジアミノエチルグリシン、N−ミリスチルジアミノエチルグリシン等のN−アルキルジアミノエチルグリシン、あるいはN−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム(三洋化成工業(株)製)等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、N−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインが好ましく、特にN−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウムが好ましい。
上記両性界面活性剤の配合量は、組成物全体の0.5〜10質量%、特に1.0〜5.0質量%とすることが好ましい。配合量が0.5質量%未満であると泡立ちが低くなる場合があり、10質量%を超えると歯磨が液分離を生じる場合がある。
本発明の歯磨組成物は、練、湿潤、液状、液体等の各種剤型の歯磨に調製できるが、チクソトロピ−性を持った練から液状の剤型が好ましい。この場合、本発明の歯磨組成物には、その剤型に応じ、上記必須成分に加えて上記効果に影響を与えない範囲でその他の任意成分を配合することができる。配合することのできる他の成分としては、上記以外の界面活性剤、粘結剤、粘稠剤(保湿剤)、研磨剤、甘味剤、香料、防腐剤等がある。なお、これらの任意成分は、剤型によって必要とする成分及びその配合量が異なるので、その成分及び配合量の選択は従前の場合と同様に行われると共に、本発明の効果を妨げない範囲で行うことが必要である。
界面活性剤としては、上記非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤以外のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤が任意に配合可能である。アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム、N−ミリストイルザルコシン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸ナトリウム等のN−アシルグルタメート、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム等のN−アシルタウレート等が挙げられる(配合量通常0.1〜10質量%)。また、カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる(配合量通常0.1〜10質量%)。
粘結剤としては、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガントガム、カラヤガム、アラビヤガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、カーボポール、ビーガム、増粘性シリカ等が挙げられる(配合量通常0.1〜10質量%)。
粘稠剤としては、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、重量平均分子量100〜10000の範囲であるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、マルチトール、ラクトール等が挙げられる(配合量通常10〜70質量%)。
研磨剤としては、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、不溶性メタリン酸カリウム、酸化チタン、無水ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ酸チタニウム、ケイ酸ジルコニウム、合成樹脂系研磨剤等が挙げられる(配合量通常5〜90質量%、練歯磨の場合には10〜60質量%)。また、清掃助剤として、重曹、炭酸ナトリウム等のアルカリ剤、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸、乳酸、酢酸等の有機酸及びその塩も配合できる(配合量通常0.1〜10質量%)。
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルヒドロカルコン、ペルラルチン、グリチルリチン、ソーマチン、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル等がある(配合量通常0.01〜1.0質量%)。
香料としては、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、グレープフルーツ油、スウィーティー油、柚油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料及び、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー 、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、口腔用組成物に用いられる公知の香料素材を組み合わせて使用することができ、実施例の香料に限定されない。また、配合量も特に限定されないが、上記の香料素材は、製剤組成中に0.000001〜1質量%使用するのが好ましい。また、上記香料素材を併用した賦香用香料としては、製剤組成中に0.1〜2.0質量%使用するのが好ましい。
防腐剤としては、各種パラベンのほか安息香酸ナトリウム、トリクロサン等の非イオン性抗菌剤、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等のカチオン性抗菌剤、精油成分等が配合可能である(配合量通常0.001〜1質量%)。
有効成分としては、例えばデキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテナーゼ、ムタナーゼ等の酵素、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイン、アズレン、グリチルリチン酸塩、グリチルレチン酸、塩化ナトリウム、ビタミンC,E等の抗炎症剤、銅クロロフィル、グルコン酸銅、セチルピリジウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化リゾチーム等の殺菌剤、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等のタバコヤニ除去剤、乳酸アルミニウム、硝酸カリウム等の知覚過敏予防剤も配合できる。なお、有効成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量とすることができる。
歯磨組成物を収容する容器の材質は特に制限されず、通常、歯磨組成物に使用される容器を使用でき、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等のプラスチック容器、ラミネート(AL(アルミニウム)−プラスチック)容器、金属容器等が使用できる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において配合量はいずれも質量%である。
〔実施例、比較例〕
表1〜3に示す組成の歯磨組成物を下記方法で調製し、アセチルオイゲノール粘膜吸収性、粘膜刺激性、液分離、泡立ちを下記方法で評価した。結果を表1〜3に示す。なお、香料については、表4〜10に示す香料A〜Iまでを作成し配合した。
〔歯磨組成物の調製法〕
歯磨組成物の調製は、プロピレングリコールに粘結剤を加え膨潤させる一方、精製水に直鎖状水溶性ポリリン酸塩、サッカリンナトリウム、フッ化ナトリウム、ソルビット液等の水溶性物質を溶解させた後、先のプロピレングリコール分散溶液を加え撹拌した。その後、アセチルオイゲノール、香料A〜I、研磨剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤の順に加え、更に4kPaまで減圧して撹拌し、歯磨組成物を得た。なお、製造にはユニミキサー(FM−SR−25,POWEREX CORPORATION社製)を用いた。
〔アセチルオイゲノールの粘膜吸収性〕
シリアン系ハムスター(雄、6週齢)の頬粘膜を切り取り、粘膜の表層側を上にしてフランツセル(内径1cm)に装着した。受器には撹拌子とレセプター液(PEG(ポリエチレングリコール)#400 20%+生理食塩水 80%)を5mL注入し、37℃の恒温槽にてスターラーでレセプター液を1時間撹拌した。粘膜に試料液(歯磨を精製水で3倍希釈)500μLを添加し、その上面をパラフィルムで被覆し、スターラーで撹拌しながら6時間、37℃で保温し、レセプター液0.5mLを採取した。この液を0.45μmのフィルターでろ過後、10μLを液体クロマトグラフィーにて下記条件で測定した。
測定条件
カラム :イナートシル ODS−2、φ4.6×150mm
カラム温度:40℃
移動相 :pH3.0、メタノール:水(2%トリエチルアミンを含む)=6:4
移動相流量:1.0mL/min
検出 :UV 275nm
使用機器
ポンプ :日立製作所社製 L−7100
試料導入部:日立製作所社製 L−7200
検出器 :日立製作所社製 L−7450
カラム恒温槽:GLサイエンス社製 MODEL557
Figure 2007045743
〔歯磨時の粘膜刺激性〕
専門家パネラー10人を用いた官能試験により評価した。歯ブラシ上に約1.5cmの試験歯磨組成物を乗せ、通常の方法で歯を磨き、使用中の口腔内での歯磨組成物の粘膜刺激について以下の基準で評価し、パネラー10人の平均値を求めた。以下の通り、粘膜刺激性を判断した。
《粘膜刺激の評価基準》
3点:粘膜刺激がない。
2点:やや粘膜刺激がある。
1点:粘膜刺激がある。
《粘膜刺激の評価結果》
◎:口腔内での刺激が2.5点〜3.0点
○:口腔内での刺激が2.0点〜2.5点未満
△:口腔内での刺激が1.5点〜2.0点未満
×:口腔内での刺激が1.0点〜1.5点未満
〔歯磨の液分離〕
専門家パネラー10人を用いた官能試験により評価した。歯ブラシ上に約1.5cmの試験歯磨組成物を乗せ、歯磨の表面で分離している液分量を基に、以下の基準で評価し、パネラー10人の平均値を求めた。以下の通り、粘膜刺激性を判断した。
《液分離の評価基準》
3点:液分離がない。
2点:やや液分離がある。
1点:液分離がある。
《液分離の評価結果》
○:液分離が2.5点〜3.0点
△:液分離が1.5点〜2.5点未満
×:液分離が1.0点〜1.5点未満
〔歯磨時の泡立ち〕
専門家パネラー10人を用いた官能試験により評価した。歯ブラシ上に約1.5cmの試験歯磨組成物を乗せ、通常の方法で歯を磨き、使用中の口腔内での歯磨組成物の泡立ちについて以下の基準で評価した。
《泡立ちの評価基準》
3点:泡立ちが極めて良好である。
2点:泡立ちが良好である。
1点:泡立ちが殆どない。
10名の評価結果を平均し、以下の通り使用感を判断した。
《泡立ちの評価結果》
◎:口腔内での泡立ちが2.5点〜3.0点
○:口腔内での泡立ちが2.0点〜2.5点未満
△:口腔内での泡立ちが1.5点〜2.0点未満
×:口腔内での泡立ちが1.0点〜1.5点未満
Figure 2007045743
Figure 2007045743
Figure 2007045743
なお、上記例において(A)〜(D)成分としては、下記成分を使用した。
アセチルオイゲノール :和光純薬(株)製
ピロリン酸ナトリウム :太平化学産業(株)製
ピロリン酸カリウム :太平化学産業(株)製
トリポリリン酸ナトリウム:セントラル硝子(株)製
トリポリリン酸カリウム :太平化学産業(株)製
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 :日光ケミカルズ(株)製
ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル:日本エマルジョン社製
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン:30%水溶液 一方社油脂工業(株)製
N−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム:三洋化成工業(株)製
Figure 2007045743
Figure 2007045743
Figure 2007045743
Figure 2007045743
Figure 2007045743
Figure 2007045743
Figure 2007045743
表1,2の結果より、実施例1〜9において、アセチルオイゲノール、直鎖状水溶性ポリリン酸塩、非イオン性界面活性剤を配合した歯磨組成物は、いずれもアセチルオイゲノール粘膜吸収率が高く、粘膜刺激がなく、歯磨の液分離も生じていないこと、一方、比較例1〜6においては、粘膜吸収率、粘膜刺激、歯磨の液分離のいずれかの点で十分な効果が発揮されていないことがわかった。
表3の結果より、実施例10〜12において、アセチルオイゲノール、直鎖状水溶性ポリリン酸塩、非イオン性界面活性剤、更には両性界面活性剤を配合した歯磨組成物は、いずれもアセチルオイゲノール粘膜吸収率が高く、粘膜刺激がなく、歯磨の液分離も生じず、泡立ちが良好であることがわかった。

Claims (2)

  1. (A)アセチルオイゲノール0.1〜3.0質量%と、
    (B)一般式Mn+2n3n+1(但し、MはNa又はKを示し、nは2又は3)で示される直鎖状水溶性ポリリン酸塩を0.5〜3.0質量%と、
    (C)非イオン性界面活性剤0.5〜10質量%と
    を含有し、前記(A)及び(B)成分の質量比(B)/(A)が0.2〜5.0であることを特徴とする歯磨組成物。
  2. 更に(D)両性界面活性剤を0.5〜10質量%含有する請求項1記載の歯磨組成物。
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