JP2007043446A - デジタル放送受信機システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 デジタル放送信号の録画データ中の誤りを効率的に補完することができるデジタル放送受信機システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 当該デジタル放送受信機システムは受信機1及び受信機2を含んで構成される。受信機1及び2は、それぞれ、受信したデジタル放送信号を録画データとして記録する録画データ蓄積部19(19a)を備えている。各受信機において、エラー情報記録部20(20a)には、録画データ中の誤り部分(欠損データ)を特定するエラー情報を格納されている。各受信機における録画データの誤り部分は、各エラー情報に基づいて特定され、該誤り部分に対応する正常なデータを受信機間で互いに送受信することにより、各録画データの誤り部分が補完される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、受信したデジタル放送信号に関わるデータを記録する機能を有したデジタル放送受信機システムに関する。
近年、ハードディスクドライブ等を内蔵して受信したデジタル放送信号のデータ内容を記録可能なデジタル放送受信機の開発が盛んである。しかしながら、そのようなデジタル放送受信機において、放送電波を正常に受信できなかった場合は、その正常に受信できなかった部分のデータに誤り(エラー)がある状態、或いは該データが欠如した状態になり、正常な再生ができない場合がある。
上記の問題を解決するべく、下記特許文献1に記載の構成では、デジタル放送システムを、正しいデータをもったサーバ(例えば放送局)とクライアントとしての受信機とで構成している。そして、受信機がデジタル放送に係るデータを正常に受信できなかった場合は、その欠如したデータをサーバ側に要求し、サーバ側からのデータを再度受信することにより受信機側のデータの補完を行う。
また、下記特許文献2に記載の構成では、デジタル放送において、対象となる放送データが複数回放送される。その放送データは、受信機によって複数回受信される。受信機は、受信した放送データのエラー部分を覚えておき、次に受信したデータが正しいと判断される場合、正しいと判断されるデータにてエラー部分を上書きする。これによって、エラー部分のデータの補完が実現される。
特開2001−298725号公報 特開2003−134459号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のデジタル放送システムは、放送システムがサーバ・クライアントシステムになっている必要があり、また、受信機からの補完要求に対応する機能をサーバ側に設ける必要がある。
また、上記特許文献2に記載の構成においては、同一の放送データが複数回放送される必要があると共に受信機が同一の放送データを複数回受信する必要があるため、無駄が多く発生する。また、エラー部分を補完できるタイミングは、データが再送されたタイミングに限られてしまう。
本発明は、上記の点に鑑み、デジタル放送信号に関わるデータを正確に記録手段に格納することができるデジタル放送受信機システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る放送受信機システムは、受信したデジタル放送信号をデジタルデータとして記録する記録手段を備えた受信機を、複数有して構成されたデジタル放送受信機システムにおいて、各受信機は、前記デジタルデータ中の誤りを検出し、前記デジタルデータ中のどの部分に該誤りがあるのかを特定するエラー情報を作成するエラー情報作成手段を備えていて、当該デジタル放送受信機システムは、各受信機のエラー情報に基づきつつ、少なくとも1つの受信機における前記デジタルデータの誤りを正常なデータにて補完するための補完手段を備えていることを特徴とする。
これにより、前記デジタルデータ中の誤りが補完され、前記デジタル放送信号に関わるデータを正確に記録手段に格納することが可能となる。
具体的には、例えば、前記補完手段は、各受信機のエラー情報に基づいて各受信機における前記デジタルデータに含まれた前記誤りを特定し、各受信機における前記誤りを補完するために必要な前記正常なデータを、各受信機間で互いに送受信することにより、各受信機における前記デジタルデータの誤りの補完を行う。
また、例えば、各受信機の前記記録手段にて記録される前記デジタルデータが、特定の種類の番組についてのデジタルデータである場合、前記補完手段は、1つの受信機における前記デジタルデータの前記誤りのみを前記正常なデータにて補完する一方で、その正常なデータを含んだ他の受信機における前記デジタルデータの記録を消去するようにしてもよい。
例えば、前記特定の種類の番組についてのデジタルデータとは、1世代のみコピーを許可された番組についてのデジタルデータである。
また、例えば、前記補完手段は、各受信機間における前記デジタルデータの全部又は一部の送受信を利用して前記補完を行うが、各受信機間で互いに補完すべきデータがない場合、各受信機間で前記デジタルデータの送受信は行われない。
また、例えば、同一の番組の記録を行っていない受信機間では、前記デジタルデータの送受信は行われない。
また、例えば、前記補完手段は、前記誤りのあるデータを前記正常なデータにて補完するために各受信機が受け取る必要のある補完データのデータ量を、各受信機のエラー情報に基づいて受信機ごとに算出し、何れの受信機に対する前記補完データが最も少ないかを判断する。
そして、例えば、前記補完手段によって必要とする前記補完データが最も少ないと判断された受信機に対してのみ、前記補完データが他の受信機から送られるようにしてもよい。
これにより、通信量の削減が図られると共に、該削減に伴う省電力化が期待できる。
上述した通り、本発明に係るデジタル放送受信機システムによれば、デジタル放送信号に関わるデータを正確に記録手段に格納することができる。例えば、デジタル放送信号の録画データ中の誤りを効率的に補完することが可能となる。
<<第1実施形態>>
以下、本発明に係るデジタル放送受信機システムの第1実施形態につき、図面を参照して具体的に説明する。図1は、第1実施形態に係るデジタル放送受信機システムの全体構成を示す図である。図1に示す如く、デジタル放送受信機システムは、受信機1と受信機2とを含んで構成される。
受信機1及び2は、図示されない放送局からのデジタル放送信号を受信可能な受信端末であり、例えば、1セグ放送によるデジタル放送信号を受信可能な携帯電話機等の携帯端末である。地上デジタル放送においては、6MHz(メガヘルツ)の帯域が13のセグメントに分割されており、その13のセグメントの内の1つのセグメントを利用した携帯端末向けの放送は、「1セグ放送」と呼ばれている。
受信機1と受信機2は、別々の場所でデジタル放送信号であるテレビ放送信号を受信して、選局した番組を録画する。1セグ放送の場合、特に受信場所により電波状態が悪くなる場合があり、正常にデータを受信できない場合が比較的多く発生する。受信機1及び2は1セグ放送向けのテレビ受信端末に限定されないが、以下、説明の具体化のため、受信機1及び2が1セグ放送向けのテレビ受信端末であるとして説明を行う。
図2は、1セグ放送向けのテレビ受信端末としての受信機1の構成を表すブロック図である。受信機2は、受信機1と同じものであり、その内部構成は図2に示すものと同じである。受信機1(又は2)は、アンテナ11と、チューナ/復調部12と、TS分離部13と、映像デコード部14と、映像出力部15と、音声デコード部16と、音声出力部17と、録画処理部18と、録画データ蓄積部19と、エラー情報記録部20と、エラー情報処理部21及び通信部22と、再生制御部23と、を有して構成される。
チューナ/復調部12は、アンテナ11を介してデジタル放送信号を受信し、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)伝送方式による変調を復調して、デジタル信号であるMPEG2(Moving Picture Experts Group 2)−TS(Transport Stream)等のトランスポートストリーム信号(以下、「TS信号」という)を得る。チューナ/復調部12からのTS信号は、TS分離部13によってTSパケットに分割される。TSパケットには、映像データを表す映像パケットと、音声データを表す音声パケットと、付加情報データを表す付加情報パケットとがある。
映像デコード部14は、TS分離部13からの映像パケットを復号した映像信号を出力する。映像デコード部14から出力された映像信号は、映像出力部15によって映像として表示される。音声デコード部16は、TS分離部13からの音声パケットを復号した音声信号を出力する。音声デコード部16から出力された音声信号は、スピーカ等からなる音声出力部17によって音声として出力される。
録画処理部(記録処理部)18と、ハードディスク等の記録媒体(或いはハードディスクドライブ等の記録装置)から成る録画データ蓄積部(記録手段)19と、エラー情報記録部20とによるデジタル放送の録画処理手順について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。録画処理部18は、図示されない操作部に対するユーザの操作等によって発生した録画開始の要求(ステップS1)に従って、受信したデジタル放送信号を表すデジタルの録画データを録画データ蓄積部19に記録させる(ステップS2)。例えば、録画処理部18は、デジタル放送信号を復調して得たTS信号をチューナ/復調部12から受け、該TS信号をデジタルの録画データとして録画データ蓄積部19に記録させる。この際、TS信号中の必要なデータのみを録画データ蓄積部19に記憶させるようにする。
また、チューナ/復調部12は、TS信号に付加されている誤り検出符号に基づいて該TS信号を表すデジタルデータ(録画データ)に誤り(エラー)が含まれているか否かを次々と検出し(ステップS3)、誤りが含まれている場合、その誤りを特定するエラー情報を作成して録画処理部18に伝達する。TS信号に誤り訂正符合が付加されている場合、該誤り訂正符号に基づいて誤り訂正を施し、誤りが訂正しきれなかったことにより残存する誤りを対象としてエラー情報を作成するようにしてもよい。上記エラー情報は、録画データ蓄積部19に記録されるべき録画データ中のどの部分に誤りがあるのかを特定している。
また、TS分離部13は、TSパケットごとにデータの誤りの存在の有無を検出し、TSパケット内に誤りがあった場合、その誤りを特定するエラー情報を録画処理部18に伝達する。このTS分離部13から伝達されるエラー情報によっても、録画データ蓄積部19に記録されるべき録画データ中のどの部分に誤りがあるのかが特定される。例えば、録画データを、時間単位やパケット単位等の任意の(所定の)ブロックにて分割し、上記エラー情報によって、どのブロックに誤りがあるのかを特定する。このように、チューナ/復調部12及び/又はTS分離部13は、上記エラー情報を作成するエラー情報作成手段としての機能を有する。
上記のような誤りがあった場合(ステップS3のY)、録画処理部18は、上記エラー情報を、録画データ蓄積部19に記録させる録画データに関連付けつつエラー情報記録部20に格納する(ステップS4)。つまり、エラー情報記録部20に格納されているエラー情報を参照すれば、録画データ蓄積部19に記録されている録画データのどの部分に誤りがあるか(或いは、録画データのどの部分が欠損しているか)を特定することができる。更に録画が継続される場合には、ステップS2に戻り、録画データの記録が継続される。尚、誤りがない場合は(ステップS3のN)、エラー情報は作成されず、必要に応じて録画データの記録が継続される。
また更に、録画処理部18は、TS分離部13から得られる上記付加情報データ(付加情報パケット)中の番組情報に関連付けた形で、上記エラー情報をエラー情報記録部20に格納する。尚、上記付加情報データは、TS信号中のL−EIT(Event Information Table)セクションから取得される。
再生制御部23は、操作部(不図示)に対するユーザの操作等によって発生した再生要求に従って、録画データ蓄積部19から録画データを読み出し、該録画データをTS分離部13に供給する。TS分離部13は、この録画データを映像パケット、音声パケット及び付加情報パケットに分割し、上述の動作と同様に、映像パケット及び音声パケットを、夫々、映像デコード部14及び音声デコード部16に供給する。これにより、録画データは映像及び音声として再生される。
エラー情報記録部20に格納されたエラー情報は、デジタル放送受信機システムを構成する他の受信機との間で互いに伝達されあう。図4及び図5を参照して、この伝達手法と該伝達を利用した誤りの補完手法の一例について説明する。図4は、受信機1の内部構成の一部と受信機2の内部構成の一部を表したブロック図である。図4において、受信機2における録画データ蓄積部、エラー情報記録部、エラー情報処理部及び通信部を指し示す符号を、受信機1におけるそれらと区別する都合上、夫々、19a、20a、21a及び22aとしているが、受信機2における録画データ蓄積部19a、エラー情報記録部20a、エラー情報処理部21a及び通信部22aは、夫々、受信機1における録画データ蓄積部19、エラー情報記録部20、エラー情報処理部21及び通信部22と同じものである。
図5は、上記伝達手法と補完手法の手順を示すフローチャートである。図5の左側に配置されているステップS11〜S14の動作は受信機1の動作を表しており、図5の右側に配置されているステップS21〜S25の動作は受信機2の動作を表している。尚、何れの受信機が受信機1として動作し、何れの受信機が受信機2として動作するかは、予め設定されているものとする。その設定の内容が操作部(不図示)に対するユーザの操作により変更可能となるように、各受信機を構成してもよい。
以下の説明は、特記しない限り、或る1つの番組(放送内容)についての録画データと該録画データについてのエラー情報とに着目して行う。また、前提条件として、受信機1と受信機2は、同じ番組(データの内容等が完全に一致)についての録画データを、図6に示す如く、それぞれ録画データD1及び録画データD2として記録しているものとする。
そして、図6に示す如く、受信機1の録画データ蓄積部19に記録されている録画データD1の中に、誤りがあったことに起因して欠損しているデータ(以下、「欠損データLD1」という)があったとする。同様に、受信機2の録画データ蓄積部19aに記録されている録画データD2の中に、誤りがあったことに起因して欠損しているデータ(以下、「欠損データLD2」という)があったとする。録画データD1と録画データD2は、同一の番組についての録画データであるため、欠損データLD1及びLD2がなかったならば、録画データD1と録画データD2のデータ内容は完全に一致する。
また、誤りがなかったならば欠損データLD1に代わって録画データD1に含まれるはずであった正常なデータが録画データD2に含まれているとし、録画データD2中のその正常なデータを、正常データND2と称する。同様に、誤りがなかったならば欠損データLD2に代わって録画データD2に含まれるはずであった正常なデータが録画データD1に含まれているとし、録画データD1中のその正常なデータを、正常データND1と称する。そして、今、欠損データLD1とLD2(或いは、正常データND1とND2)は重複していないものとする。
まず、録画データの記録が終了すると(或いは、録画データの記録の最中において)、受信機1のエラー情報処理部21は、通信部22を介して受信機1におけるエラー情報を無線送信する(ステップS11)。この際、該エラー情報に関連付けられた番組情報も併せて無線送信される。
受信機2は、まずステップS21にて、受信機1からのエラー情報の受信を待機する。受信機1からのエラー情報を通信部22aを介して受信すると(ステップS21のY)、ステップS22に移行する。受信機1からのエラー情報は通信部22aを介してエラー情報処理部21aに伝達される。尚、受信機1からのエラー情報を受け取るまで、ステップS21の処理は繰り返される(ステップS21のN)。
ステップS22において、受信機2のエラー情報処理部21aは、エラー情報記録部20aに格納されている自機(受信機2)のエラー情報と、受信機1のエラー情報を比較する。この際、ステップS11において受信機1からエラー情報と共に送信された番組情報と、自機(受信機2)のエラー情報に関連付けられている番組情報とを参照し、同一の番組(デジタル放送信号)についてのエラー情報同士を比較するようにする。ステップS22における、同一の番組(デジタル放送信号)についてのエラー情報同士の比較によって、受信機1の録画データ蓄積部19と受信機2の録画データ蓄積部19aに記録されるべき録画データの誤り部分(欠損部分)が特定される。つまり、ステップS22において、受信機2のエラー情報処理部21aは、欠損データLD1及びLD2を認識し、同時に正常データND1及びND2を認識する。
ステップS22に終えて移行するステップS23において、エラー情報処理部21aは、他機である受信機1が欠損データLD1を補完するために必要とする正常データND2を、補完データとして通信部22aを介して受信機1に送信すると共に、自機(受信機2)が欠損データLD2を補完するために必要とする補完データ(即ち、正常データND1)を求める要求データを、通信部22aを介して受信機1に送信する。
但し、上述した前提条件とは異なるが、欠損データLD1を補完するためのデータが録画データ蓄積部19aに無い場合、即ち例えば、欠損データLD1及びLD2が重複している場合や受信機1及び2が同一の番組の録画を行っていなかった場合は、ステップS23における補完データの送信は行われない。また、欠損データD1自体がそもそも存在しない場合も、ステップS23における補完データの送信は行われない。この際、エラー情報処理部21aが、補完データの送信の代わりに「補完データを有していない」ことを表す応答データを受信機1に送信するようにしてもよい。
同様に、上述した前提条件とは異なるが、欠損データLD2を補完するためのデータが録画データ蓄積部19に無い場合、即ち例えば、欠損データLD1及びLD2が重複している場合や受信機1及び2が同一の番組の録画を行っていなかった場合は、ステップS23における上記要求データの送信は行われない。また、欠損データD2自体がそもそも存在しない場合も、ステップS23における要求データの送信は行われない。この際、エラー情報処理部21aが、要求データの送信の代わりに「要求するデータはない」ことを表す応答データを受信機1に送信するようにしてもよい。
また、極端な例であるが、録画データD1の全体が欠損しており、録画データD2の全体が正常なデータである場合、受信機2から受信機1に対して送信される補完データは、録画データD2全体となる。
ステップS11におけるエラー情報の送信の後、受信機1のエラー情報処理部21は、受信機2からの補完データ及び/又は要求データを受信するのを待機する(ステップS12)。図6の例の場合、補完データと要求データが受信機2から送信される。受信機2からの補完データ及び/又は要求データを通信部22を介して受信すると(ステップS12のY)、ステップS13に移行する。尚、受信機2からの補完データ及び/又は要求データを受信することなく、上述の「補完データを有していない」ことを表す応答データ及び/又は「要求するデータはない」ことを表す応答データを受信した場合も、ステップS13に移行する。また、受信機2からの補完データ及び/又は要求データ(又は応答データ)を受け取るまで、ステップS12の処理は繰り返される(ステップS12のN)。
ステップS13において、受信機1のエラー情報処理部21は、ステップS12で受信した補完データ(即ち、正常データND2)にて、録画データ蓄積部19に記録されている録画データD1内の欠損データLD1を補完する。これにより、録画データD1内に欠損データはなくなる。但し、上述した前提条件とは異なるが、「補完データを有していない」ことを表す応答データが受信機2から送られてきた場合は、勿論、欠損データLD1の補完は行われない。
ステップS13を終えて移行するステップS14において、受信機1のエラー情報処理部21は、ステップS12にて受信した要求データに従い、録画データ蓄積部19に記録されている録画データD1内の正常データND1を、補完データとして通信部22を介して受信機2に送信する。但し、上述した前提条件とは異なるが、「要求するデータはない」ことを表す応答データが受信機2から送られてきた場合は、ステップS14における補完データの送信は行われない。
ステップS23の処理の後、受信機2のエラー情報処理部21aは、受信機1からの補完データを受信するのを待機する(ステップS24)。受信機1からの補完データを通信部22aを介して受信すると(ステップS24のY)、ステップS25に移行する。受信機1からの補完データを受け取るまで、ステップS24の処理は繰り返される(ステップS24のN)。但し、上述した前提条件とは異なるが、ステップS23において要求データの送信が行われなかった場合は、ステップS24及びステップS25の処理は行われない。
ステップS25において、受信機2のエラー情報処理部21aは、ステップS24にて受信した補完データ(即ち、正常データND1)にて、録画データ蓄積部19aに記録されている録画データD2内の欠損データLD2を補完する。これにより、録画データD2内に欠損データはなくなる。上記のように各受信機を構成することにより、不特定多数の録画データを持つ受信機間で互いに欠損データの補完を行うことが可能となる。
また、上述の動作を以下のように変形しても良い(この変形を施した例を、「変形例1」という)。変形例1に係るステップS22に、各エラー情報に基づいて欠損データLD1とLD2のデータ量を比較する処理を加える。そして、(欠損データLD1のデータ量)<(欠損データLD2のデータ量)が成立する場合、ステップS23において、エラー情報処理部21aは、正常データND2を補完データとして受信機1に送信する一方で正常データND1を要求する要求データを送信しないようにする。この補完データの送信により、録画データ蓄積部19に記録されている録画データD1内の欠損データLD1は正常データND2にて補完される。要求データが送信されないため、受信機2側の録画データD2内の欠損データLD2は補完されないが、通信量の削減及びこれに伴う省電力化が図られる。
変形例1において、逆に、(欠損データLD1のデータ量)>(欠損データLD2のデータ量)が成立する場合、ステップS23において、エラー情報処理部21aは、正常データND1を要求する要求データを受信機1に送信する一方で正常データND2の補完データを送信しない。この要求データを受け、送信機1のエラー情報処理部21は、正常データND1を補完データとして受信機2に送信する。この補完データの送信により、録画データ蓄積部19aに記録されている録画データD2内の欠損データLD2は正常データND1にて補完されるが、受信機1側の録画データD1内の欠損データLD1は補完されない。このように、変形例1においては、受けとるべき補完データのデータ量が最も少ない受信機に対してのみ他の受信機から補完データが送られる。
2台の受信機(受信機1と受信機2)の動作に着目して本実施形態に係るデジタル放送受信機システムの動作を説明したが、当該デジタル放送受信機システムは、3台以上の受信機から構成することもできる。当該デジタル放送受信機システムが、3台以上の受信機から構成される場合、何れかの受信機が上記の受信機1として動作し、他の受信機が上記の受信機2として動作する。例えば、第1の受信機と第2の受信機と第3の受信機の3台の受信機からデジタル放送受信機システムが構成される場合、第1の受信機が上記の受信機1として動作し、第2及び第3の受信機が上記の受信機2として動作する。そして、第1の受信機と第2の受信機の間と、第1の受信機と第3の受信機の間の夫々で、上述の動作が行われる。
また、上記の第1、第2及び第3の受信機からデジタル放送受信機システムを構成する場合において、上述の変形例1を適用する場合は、例えば、まず受信機1として動作する第1の受信機に対して、受信機2として動作する第2及び第3の受信機が、第2及び第3の受信機におけるエラー情報及び該エラー情報に関連付けられた番組情報を送信すればよい。これにより、第1の受信機のエラー情報処理部21は、第1、第2及び第3の受信機の全てにおけるエラー情報及び該エラー情報に関連付けられた番組情報を認識することできる。
そして、第1の受信機のエラー情報処理部21は、第1、第2及び第3の受信機の全てにおけるエラー情報及び該エラー情報に関連付けられた番組情報を参照して、同一の番組(デジタル放送信号)についてのエラー情報同士を比較することにより、「録画データ中に含まれる誤りのあるデータを正常なデータにて補完するために各受信機が受け取る必要のある補完データのデータ量」を受信機ごとに算出し、算出した補完データのデータ量が最も小さくなる受信機を特定する。
例えば、第1、第2及び第3の受信機の録画データ蓄積部19に記録されている同一の番組についての録画データを、それぞれ録画データD1、D2及びD3とし、録画データD1、D2及びD3の中に、それぞれ欠損データ(欠損しているデータ)LD1、LD2及びLD3があった場合を考える。また、欠損データLD1、LD2及びLD3が重複していないものとする。この場合において、例えば、(欠損データLD1のデータ量)>(欠損データLD2のデータ量)、且つ、(欠損データLD3のデータ量)>(欠損データLD2のデータ量)が成立する場合、「録画データD2中に含まれる誤りのあるデータ(即ち、欠損データLD2)を正常なデータにて補完するために第2の受信機が受け取る必要のある補完データのデータ量」は、他の受信機のおけるそれらよりも小さい。従って、この場合、第2の受信機に対してのみ、欠損データLD2を補完するために必要な補完データ(即ち、例えば正常データND1)が送られる。その補完データは、第1の受信機又は第3の受信機が送るようにすればよい。
<<第2実施形態>>
ところで、地上デジタル放送等においては、著作権保護の観点からデジタル放送信号により配信される番組の録画データのコピー(複製)が制限される場合がある。この制限の有無及び種類は、デジタル放送信号に付加されているコピー制御情報(Copy Control Information :CCI)によって特定される。受信機1及び2が録画する番組が、1世代のみコピーを許可された番組である場合(所謂コピーアットワンスである場合)の動作を、第2実施形態として説明する。
第2実施形態に係るデジタル放送受信機システムの全体構成は、第1実施形態(図1)と同じであり、該デジタル放送受信機システムが、受信機1と受信機2とを含んで構成されるものとして説明を行う。また、本実施形態に係る受信機1と受信機2の内部構成は、図2及び図4にて示された第1実施形態のそれらと同じであるため、重複する説明を省略し、本実施形態の特異な点であるエラー情報の伝達を利用した誤りの補完手法に着目して以下の説明を行う。
図7は、本実施形態に係る補完手法の手順を示すフローチャートである。図7の左側に配置されているステップS11、S32及びS13の動作は受信機1の動作を表しており、図7の右側に配置されているステップS21、S22、S43及びS46の動作は受信機2の動作を表している。尚、何れの受信機が受信機1として動作し、何れの受信機が受信機2として動作するかは、予め設定されているものとする。その設定の内容が操作部(不図示)に対するユーザの操作により変更可能となるように、各受信機を構成してもよい。
以下の説明は、特記しない限り、或る1つの番組(放送内容)についての録画データと該録画データについてのエラー情報とに着目して行う。また、前提条件として、受信機1と受信機2は、1世代のみコピーを許可された同じ番組(データの内容等が完全に一致)についての録画データを、図6に示す如く、それぞれ録画データD1及び録画データD2として記録しているものとする。そして、第1実施形態と同様に、録画データD1には欠損データLD1及び正常データND1が含まれていると共に、録画データD2には欠損データLD2及び正常データND2が含まれているものとする。
受信機1におけるステップS11の動作並びに受信機2におけるステップS21及びS22の動作は、第1実施形態におけるそれらと同じである。即ち、受信機1のエラー情報処理部21から、通信部22を介して受信機1におけるエラー情報が番組情報と共に無線送信され(ステップS11)、受信機2のエラー情報処理部21aは該エラー情報及び番組情報を受信する(ステップS21)。エラー情報処理部21aは、同一の番組についての、自機(受信機2)のエラー情報と受信機1のエラー情報とを比較する(ステップS22)。
ステップS22におけるエラー情報の比較によって、受信機2のエラー情報処理部21aが、欠損データLD1及びLD2並びに正常データND1及びND2を認識すると、ステップS43に移行する。
ステップS43において、エラー情報処理部21aは、他機である受信機1が欠損データLD1を補完するために必要とする正常データND2を、補完データとして通信部22aを介して受信機1に送信する。この際、第1実施形態と異なり、要求データの送信は行わない。ステップS43を終えるとステップS46に移行し、受信機2のエラー情報処理部21aは、上記コピー制御情報に従って、正常データND2を含む録画データD2の記録を自機の録画データ蓄積部19aから消去する。
但し、上述した前提条件とは異なるが、欠損データLD1を補完するためのデータが録画データ蓄積部19aに無い場合、即ち例えば、欠損データLD1及びLD2が重複している場合や受信機1及び2が同一の番組の録画を行っていなかった場合は、ステップS43における補完データの送信及びステップS46における録画データD2の消去は行われない。また、欠損データD1自体がそもそも存在しない場合も、ステップS43における補完データの送信及びステップS46における録画データD2の消去は行われない。この際、エラー情報処理部21aが、補完データの送信の代わりに「補完データを有していない」ことを表す応答データを受信機1に送信するようにしてもよい。
ステップS11におけるエラー情報の送信の後、受信機1のエラー情報処理部21は、受信機2からの補完データを受信するのを待機する(ステップS32)。受信機2からの補完データを通信部22を介して受信すると(ステップS32のY)、ステップS13に移行する。尚、受信機2からの補完データを受信することなく、上述の「補完データを有していない」ことを表す応答データを受信した場合は、ステップS13の処理は行われず、図7に示す動作を終了する。また、受信機2からの補完データ(又は応答データ)を受け取るまで、ステップS32の処理は繰り返される(ステップS32のN)。
ステップS13において、受信機1のエラー情報処理部21は、ステップS32で受信した補完データ(即ち、正常データND2)にて、録画データ蓄積部19に記録されている録画データD1内の欠損データLD1を補完する。これにより、録画データD1内に欠損データはなくなる。
また、上述の動作を以下のように変形しても良い(この変形を施した例を、「変形例2」という)。変形例2に係るステップS22に、各エラー情報に基づいて欠損データLD1とLD2のデータ量を比較する処理を加える。ここで、(欠損データLD1のデータ量)<(欠損データLD2のデータ量)が成立する場合は、上述と同じ動作が行われる。
逆に、(欠損データLD1のデータ量)>(欠損データLD2のデータ量)が成立する場合、ステップS43において、エラー情報処理部21aは、正常データND1を要求する要求データを受信機1に送信する一方で正常データND2の補完データを送信しない。この要求データを受けると、送信機1のエラー情報処理部21は、正常データND1を補完データとして受信機2に送信する一方で、上記コピー制御情報に従って、正常データND1を含む録画データD1の記録を自機の録画データ蓄積部19から消去する。送信機1側から送信される正常データND1の補完データにて、録画データ蓄積部19aに記録されている録画データD2内の欠損データLD2は補完される。このように、変形例2においては、受けとるべき補完データのデータ量が最も少ない受信機に対してのみ他の受信機から補完データが送られ、他の受信機における録画データは消去される。
2台の受信機(受信機1と受信機2)の動作に着目して本実施形態に係るデジタル放送受信機システムの動作を説明したが、当該デジタル放送受信機システムは、3台以上の受信機から構成することもできる。当該デジタル放送受信機システムが、3台以上の受信機から構成される場合、何れかの受信機が上記の受信機1として動作し、他の受信機が上記の受信機2として動作する。例えば、第1の受信機と第2の受信機と第3の受信機の3台の受信機からデジタル放送受信機システムが構成される場合、第1の受信機が上記の受信機1として動作し、第2及び第3の受信機が上記の受信機2として動作する。そして、第1の受信機と第2の受信機の間と、第1の受信機と第3の受信機の間の夫々で、上述の動作が行われる。また、或る1つの受信機(例えば、第1の受信機)に対して補完データを送信した場合、他の受信機(例えば、第2及び第3の受信機)における同一の番組についての録画データを全て消去するようにしてもよい。
また、上記の第1、第2及び第3の受信機からデジタル放送受信機システムを構成する場合において、上述の変形例2を適用する場合は、例えば、まず受信機1として動作する第1の受信機に対して、受信機2として動作する第2及び第3の受信機が、第2及び第3の受信機におけるエラー情報及び該エラー情報に関連付けられた番組情報を送信すればよい。これにより、第1の受信機のエラー情報処理部21は、第1、第2及び第3の受信機の全てにおけるエラー情報及び該エラー情報に関連付けられた番組情報を認識することできる。
そして、第1の受信機のエラー情報処理部21は、第1、第2及び第3の受信機の全てにおけるエラー情報及び該エラー情報に関連付けられた番組情報を参照して、同一の番組(デジタル放送信号)についてのエラー情報同士を比較することにより、「録画データ中に含まれる誤りのあるデータを正常なデータにて補完するために各受信機が受け取る必要のある補完データのデータ量」を受信機ごとに算出し、算出した補完データのデータ量が最も小さくなる受信機を特定する。
例えば、第1、第2及び第3の受信機の録画データ蓄積部19に記録されている同一の番組についての録画データを、それぞれ録画データD1、D2及びD3とし、録画データD1、D2及びD3の中に、それぞれ欠損データ(欠損しているデータ)LD1、LD2及びLD3があった場合を考える。また、欠損データLD1、LD2及びLD3が重複していないものとする。この場合において、例えば、(欠損データLD1のデータ量)>(欠損データLD2のデータ量)、且つ、(欠損データLD3のデータ量)>(欠損データLD2のデータ量)が成立する場合、「録画データD2中に含まれる誤りのあるデータ(即ち、欠損データLD2)を正常なデータにて補完するために第2の受信機が受け取る必要のある補完データのデータ量」は、他の受信機のおけるそれらよりも小さい。従って、この場合、第2の受信機に対してのみ、欠損データLD2を補完するために必要な補完データ(即ち、例えば正常データND1)が送られる。その補完データは、第1の受信機又は第3の受信機が送るようにすればよい。そして、その補完データを送信した受信機(第1の受信機又は第3の受信機)は、その補完データ(正常データ)を含む録画データの記録を自機の録画データ蓄積部19から消去するようにする。
尚、第1及び第2実施形態において、各受信機のエラー情報処理部21(例えば、図4における受信機1のエラー情報処理部21と受信機2のエラー情報処理部21a)は、1又は2以上の受信機における録画データの誤りを正常なデータにて補完するための補完手段として機能する。
本発明に係るデジタル放送受信機システムの全体構成を示す図である。 図1の各受信機の構成を示すブロック図である。 図1の各受信機の録画動作を表すフローチャートである。 図1の受信機間の通信動作を司る部分の構成ブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る欠損データの補完手法を説明するための図である。 図1の各受信機に記録されている録画データの状況を表す図である。 本発明の第2実施形態に係る欠損データの補完手法を説明するための図である。
符号の説明
1、2 受信機
11 アンテナ
12 チューナ/復調部
13 TS分離部
14 映像デコード部
15 映像出力部
16 音声デコード部
17 音声出力部
18 録画処理部
19 録画データ蓄積部
20 エラー情報記録部
21 エラー情報処理部
22 通信部
23 再生制御部

Claims (8)

  1. 受信したデジタル放送信号をデジタルデータとして記録する記録手段を備えた受信機を、複数有して構成されたデジタル放送受信機システムにおいて、
    各受信機は、前記デジタルデータ中の誤りを検出し、前記デジタルデータ中のどの部分に該誤りがあるのかを特定するエラー情報を作成するエラー情報作成手段を備えていて、
    当該デジタル放送受信機システムは、各受信機のエラー情報に基づきつつ、少なくとも1つの受信機における前記デジタルデータの誤りを正常なデータにて補完するための補完手段を備えている
    ことを特徴とするデジタル放送受信機システム。
  2. 前記補完手段は、各受信機のエラー情報に基づいて各受信機における前記デジタルデータに含まれた前記誤りを特定し、各受信機における前記誤りを補完するために必要な前記正常なデータを、各受信機間で互いに送受信することにより、各受信機における前記デジタルデータの誤りの補完を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信機システム。
  3. 各受信機の前記記録手段にて記録される前記デジタルデータが、特定の種類の番組についてのデジタルデータである場合、
    前記補完手段は、1つの受信機における前記デジタルデータの前記誤りのみを前記正常なデータにて補完する一方で、その正常なデータを含んだ他の受信機における前記デジタルデータの記録を消去する
    ことを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信機システム。
  4. 前記特定の種類の番組についてのデジタルデータとは、1世代のみコピーを許可された番組についてのデジタルデータである
    ことを特徴とする請求項3に記載のデジタル放送受信機システム。
  5. 前記補完手段は、各受信機間における前記デジタルデータの全部又は一部の送受信を利用して前記補完を行うが、
    各受信機間で互いに補完すべきデータがない場合、各受信機間で前記デジタルデータの送受信は行われない
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載のデジタル放送受信機システム。
  6. 同一の番組の記録を行っていない受信機間では、前記デジタルデータの送受信は行われない
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載のデジタル放送受信機システム。
  7. 前記補完手段は、前記誤りのあるデータを前記正常なデータにて補完するために各受信機が受け取る必要のある補完データのデータ量を、各受信機のエラー情報に基づいて受信機ごとに算出し、何れの受信機に対する前記補完データが最も少ないかを判断する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載のデジタル放送受信機システム。
  8. 前記補完手段によって必要とする前記補完データが最も少ないと判断された受信機に対してのみ、前記補完データが他の受信機から送られる
    ことを特徴とする請求項7に記載のデジタル放送受信機システム。
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