JP2007041399A - 画像形成装置 - Google Patents

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隆史 三ツ橋
Toshiaki Akashi
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Abstract

【課題】トナーの品質の低下を招くことがない粉体ポンプ手段を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】吸込口35および吐出口36を有するケーシング21と、トナー搬送室53を有して前記ケーシング21の内部に往復移動自在に配設されたトナー搬送部材22と、このトナー搬送部材22内に昇降自在に配設されたプランジャー23と、トナー搬送部材22とプランジャー23を交互に駆動する作動機構24と、動力伝達手段26とによってトナー13を搬送する粉体ポンプ手段18を構成する。吸込口35をトナー搬送系路16dによってトナー収納容器19に接続し、吐出口36をトナー搬送系路16eによって現像手段20に接続する。プランジャー23は降下すると、吸込口35内のトナー13をトナー搬送室53内に吸い込む。トナー搬送部材22の移動により吸込口35が吐出口36と一致すると、プランジャー23は上昇してトナー搬送室53内のトナー13を吐出口36に吐出する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、補給トナーや回収トナーを搬送する粉体ポンプ手段を備えた画像形成装置に関するものである。
補給トナーや回収トナーを搬送する粉体ポンプ手段を備えた画像形成装置としては、例えば特許文献1に開示されている装置がある。
前記特許文献1に記載されている画像形成装置は、クリーニングブレードとブラシを備えたブレードクリーニング方式のクリーニング手段を備え、これにより感光体に付着した回収トナー(残留トナー)を筐体内に払い落とすようにしている。また、払い落とした回収トナーのうち再利用可能なトナーは、トナー受け部材からトナー排出部材により回収トナー移送手段であるトナー搬送装置のホッパに搬送して再利用するようにしている。さらに、ホッパ内の回収トナーは、搬送スクリューによりステータ内に搬送され、かっエアポンプから供給されたエアにより流動化されて、ロータの回転により回収トナー移送用パイプを介して現像手段のトナー補給部に搬送される。そして、再利用できないトナーについては、回収トナー移送用パイプを介して回収トナー貯蔵手段に回収するようにしている。
また、トナーの補給手段としては、トナー収納容器にエアポンプでエアを流入させ、粉体ポンプ手段であるスクリュー式の一軸偏心粉体ポンプ(モーノポンプ)により、流動化された補給トナーをトナー収納容器から現像装置に搬送するようにしたトナー搬送装置ががある(特許文献2参照)。
特許第3593252号(特開平11−219083号公報) 特開2000−81778号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載されている従来の画像形成装置は、粉体ポンプ手段を、螺旋形状のロータと、このロータが挿入されたステータとで構成し、クラッチや軸継手を介してロータをモータで回転することにより、エアにより流動化したトナーを現像装置のトナー補給部や回収トナー貯蔵ケースに搬送しているので、搬送中の摩擦による影響を受けてトナーの品質が低下するばかりか、ロータとステータをスクリュー状に形成する必要があり、その製造コストが高くなるという問題があった。
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、トナーの品質の低下を招くことがない粉体ポンプ手段を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の発明は、粉体ポンプ手段によりトナー収納部のトナーを現像装置に搬送する画像形成装置において、前記粉体ポンプ手段は、前記トナー収納部と第1のトナー搬送系路を介して接続された吸込口と、前記現像装置と第2のトナー搬送系路を介して接続された吐出口とが設けられたケーシングと、このケーシングの内部に収容され、内部が前記吸込口と前記吐出口に対して選択的に連通されるトナー搬送室を形成する往復移動自在なトナー搬送部材と、このトナー搬送部材の内部に摺動自在に設けられたプランジャーと、このプランジャーと前記トナー搬送部材を交互に連続的に駆動する作動機構とを備え、前記粉体ポンプ手段を駆動することにより、前記トナー収納部のトナーを前記現像装置に搬送するものである。
第2の発明は、クリーニング手段から排出されたトナーを粉体ポンプ手段により排トナー貯蔵容器またはトナー補給手段に搬送する画像形成装置において、前記粉体ポンプ手段は、前記クリーニング手段と第1のトナー搬送系路を介して接続された吸込口と、前記排トナー貯蔵容器またはトナー補給手段と第2のトナー搬送系路を介して接続された吐出口とが設けられたケーシングと、このケーシングの内部に収容され、内部が前記吸込口と前記吐出口に対して選択的に連通されるトナー搬送室を形成する往復移動自在なトナー搬送部材と、このトナー搬送部材の内部に摺動自在に設けられたプランジャーと、このプランジャーと前記トナー搬送部材を交互に連続的に駆動する作動機構とを備え、前記粉体ポンプ手段を駆動することにより、前記クリーニング手段から排出されたトナーを前記排トナー貯蔵容器またはトナー補給手段に搬送するものである。
第3の発明は、前記第1または第2の発明において、前記作動機構が、プランジャーに設けられた従動ピンと、トナー搬送部材に形成され前記従動ピンが挿通される係合溝と、ケーシングに形成され前記従動ピンの端部が摺動自在に係合するカム溝と、前記従動ピンが挿通する貫通孔を有する回転部材とを備え、前記従動ピンは、前記回転部材の回転にともなって前記カム溝に沿って移動することにより、前記粉体搬送部材の移動と前記プランジャーの移動を交互に行わせるものである。
第4の発明は、前記第1〜第3の発明のうちのいずれか1つにおいて、前記粉体ポンプ手段がトナー収納部または現像装置から離隔して配置されているものである。
本発明においては、粉体ポンプ手段を往復移動自在なトナー搬送部材と、このトナー搬送部材内に摺動自在に設けられたプランジャーとで構成することにより、従来のスクリュー式の一軸偏心粉体ポンプのように、螺旋形状のロータをステータ内で回転させてトナーをステータ内で搬送する構成を採っていないので、搬送時の摩擦によるトナーの品質低下を抑制することができる。
また、トナーの吸込口と吐出口を並設しているので、装置が占める収容スペースを小さくできる。
また、本発明においては、粉体ポンプ手段の配置上の制約を低減することができる。すなわち、前記特許文献1,2に記載の粉体搬送装置に用いられている従来の粉体ポンプ手段であるスクリュー式の一軸偏心粉体ポンプは、ステータ内のロータを回転させることにより、トナーをステータ内で搬送する構造であるのに対して、本発明による粉体ポンプ手段は、プランジャーでトナーをトナー搬送室内に吸込み、搬送した後、プランジャーにより吐出口に吐出する構造であり、トナーの吸込力や吐出力が大きいので、トナー搬送系路を長くすることができる。したがって、粉体ポンプ手段の画像形成装置内部への設置場所を、トナー収納部や現像装置から離隔して配置することができ設計の自由度が増す。
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る画像形成装置の一実施の形態を示す概略構成図、図2は同画像形成装置のトナー回収部のブロック図、図3は同画像形成装置の現像部のブロック図、図4は同画像形成装置に用いられる粉体ポンプ手段の側面図、図5は図4のV−V線断面図、図6は図5のVI−VI線断面図、図7(a)〜(e)はトナーの搬送動作を説明するための図である。本実施の形態においては、画像形成装置として電子複写機1に適用した例を示す。
図1〜図3において、全体を符号1で示す電子複写機1は、床面に設置されるキャスター付きの筐体2を備え、この筐体2の内部にはトナー回収装置(トナー収納部)3、現像装置4、光学系5、感光体ドラム6、給紙装置7、給紙カセット8、定着部9、排紙部10等が設けられ、また筐体2の上面には原稿が載置されるガラス板11と開閉自在なカバー12が設けられている。
前記トナー回収装置3は、感光体からトナー13を掻き落とすクリーニング手段14と、掻き落とされたトナー13を排トナー貯蔵容器15に排出する排出系路16aと、トナー補給手段17にトナー13を搬送する粉体ポンプ手段18と、クリーニング手段14と粉体ポンプ手段18の吸込口を接続するトナー搬送系路16b(第1のトナー搬送系路)と、粉体ポンプ手段18の吐出口とトナー補給手段17をそれぞれ接続するトナー搬送系路16c(第2のトナー搬送系路)等で構成されている。
前記クリーニング手段14は、従来公知のもの、例えば前記特許文献1に開示されているブレードクリーニング方式のクリーニング手段が用いられる。トナー補給手段17としては、エアポンプ等が用いられ、粉体ポンプ手段18によって搬送されてくる回収トナーを再利用するために図3および図5に示すトナー収納容器19に導く。
前記現像装置4は、前記トナー収納容器19と、粉体ポンプ手段18と、現像手段20と、トナー収納容器19と粉体ポンプ手段18の吸込口を接続するトナー搬送系路16d(第1のトナー搬送系路)と、粉体ポンプ手段18の吐出口と現像手段20とを接続するトナー搬送系路16e(第2のトナー搬送系路)等を備えている。このような現像装置4は、粉体ポンプ手段18から搬送されてきたトナーにより感光体上に形成された静電潜像を現像するもので、従来公知の装置、例えば前記特許文献2に開示されている現像装置が用いられる。トナーの搬送系路16a〜16eとしてはパイプ等が用いられる。前記トナー回収装置3と現像装置4に用いられる粉体ポンプ手段18は、全て同一構造であり、以下図4〜図6に基づいてその構成等を詳述する。なお、光学系5、感光体ドラム6、給紙装置7、給紙カセット8、定着部9および排紙部10については、いずれも従来公知のものであるため、その説明を省略する。
図4〜図6は現像装置4側の粉体ポンプ手段18を示す。この粉体ポンプ手段18は、ケーシング21と、このケーシング21の内部に往復移動自在に収容されたトナー搬送部材22と、このトナー搬送部材22内に昇降自在に設けられたプランジャー23と、トナー13の搬送時に前記トナー搬送部材22とプランジャー23とを交互に連続的に駆動する作動機構24と、この作動機構24と外部の駆動装置25とを動力結合させる動力伝達手段26等を備えている。
前記ケーシング21は、合成樹脂またはアルミニウム等の金属によって形成されたものであって、平板状の固定部材30と、この固定部材30の下面に固定されたガイドプレート31およびカム駆動プレート32とで箱型に形成され、内部空間が前記トナー搬送部材22、作動機構24および動力伝達手段26を収容する収容部34を形成している。固定部材30にはトナー13の吸込口35と吐出口36が形成されている。これらの吸込口35と吐出口36とは、固定部材30の略中央部に前記トナー搬送部材22の移動方向に並設された上下面を貫通する貫通孔からなり、ケーシング21の内部にそれぞれ連通している。固定部材30の下面中央部には3つのシール用溝38a〜38cが形成されており、これらのシール用溝38a〜38cには前記吸込口35と吐出口36の下端側開口部の周囲を二重にシールするシール部材37a〜37cがそれぞれ嵌着されている。シール部材37aはシール用溝38aに嵌着されて吸込口35の下端側開口部の周囲をシールし、シール部材37bはシール用溝38bに嵌着されて吐出口36の下端側開口部の周囲をシールし、シール部材37cはシール用溝38cに嵌着されてシール部材37a,37bの周囲を取り囲んでいる。
前記各シール部材37a〜37cは、断面形状がそれぞれ「凹」または「V」の字に近似した形状に形成され、上側片aがそれぞれ前記各シール用溝38a〜38cに嵌合され、下側片bが前記トナー搬送部材22の上面に接触する薄肉のリップ部をそれぞれ形成している。
前記ガイドプレート31と前記カム駆動プレート32は、ボルト(図示せず)等によって前記固定部材30の下面にそれぞれ固定されている。ガイドプレート31とカム駆動プレート32の内面上部寄りには、前記トナー搬送部材22を左右方向に移動自在に支持するガイドレール41,42がそれぞれ全長にわたって一体に突設されている。
前記トナー搬送部材22は、左右方向に長い摺動板部22Aと、この摺動板部22Aの下面中央に垂設された円筒状(または角筒状)の筒部22Bとからなり、前記ケーシング21内に前記固定部材30の下面に沿って水平方向(図5において左右方向)に移動自在に収容され、かつ付勢手段としての板ばね43(図6)によって上方に付勢されることにより、上面が前記各シール部材37a〜37cのリップ部bに押し付けられている。
前記板ばね43は波形のばねからなり、前記ガイドプレート31と前記カム駆動プレート32の内面にそれぞれ突設した凸部45,46上に設置されており、前記摺動板部22Aの前後端部を下から押圧している。なお、摺動板部22Aと各板ばね43との間には、合成樹脂製のばね受け部材47がそれぞれ介装されている。
前記トナー搬送部材22の上面で前記シール部材37a〜37cに接触する中央部48aは、外側部分48bよりも低く形成されている。このようにトナー搬送部材22の上面中央部48aをその周囲部分48bより低く形成しておくと、シール部材37a〜37cの外側に漏出したトナー13がトナー搬送部材22とガイドプレート31またはカム駆動プレート32の隙間に侵入し難い構造とすることができる。
前記摺動板部22Aの前後端面には、前記ガイドプレート31と前記カム駆動プレート32のガイドレール41,42に摺動自在に係合する凹部50,51が全長にわたってそれぞれ形成されている。
前記トナー搬送部材22の筒部22Bは、上下に貫通し前記プランジャー23が昇降自在に組み込まれる円形の貫通孔52を有し、この貫通孔52のうち前記プランジャー23より上方の孔部分がトナー搬送室53を形成し、プランジャー23の端面がトナー搬送室53の底を形成している。
前記トナー搬送室53の容積は、プランジャー23の上下動によって変化し、図5においてはトナー13の吸込途中の状態のため中間の容積となり、図6においては、トナー13の吸込直前でプランジャー23が最上位置に上昇して停止していることにより最小の容積となり、トナー13の吸込時にプランジャー23が最下位置に降下することにより最大の容積となる。また、筒部22Bには、縦方向に長い一対の係合溝56a,56bが周方向に180°離間して形成されている。これらの係合溝56a,56bは、トナー搬送部材22の移動方向と直交する方向(装置の前後方向)において対向している。
前記プランジャー23は、全体が棒状に形成されており、軸線方向の中央部に小径部23Aが形成され、両端部には大径部23B,23Cがそれぞれ形成され、シール部材55を介して前記トナー搬送部材22の貫通孔52に上下方向に摺動自在に嵌挿されている。
前記シール部材55は、プランジャー23の外周面上部に設けたシール用溝56に装着されている。このシール部材55は、図5に示すようにプランジャー23のシール用溝56に装着された状態において上側となる面にV字状の溝57が形成してある。このようなV字溝57を形成しておくと、シール部材55の径方向の弾性により外周面がトナー搬送部材22の内周面に接触してシール性能を向上させることができる。またトナー13の吐出時(プランジャー23の上昇時)は、V字状溝57にトナー13が溜まると、シール部材55は径方向外方に弾性変形して外径が大きくなるため、シール部材55とトナー搬送部材22の貫通孔52との隙間をより確実にシールし、シール性能を向上させることができる。
図6において、前記作動機構24は、前記プランジャー23を支持する従動ピン60と、前記トナー搬送部材22の筒部22Bに形成された一対の係合溝56a,56bと、前記ガイドプレート31とカム駆動プレート32の内面にそれぞれ形成されたカム溝63,64とで構成されている。
前記従動ピン60は、プランジャー23の下部寄りに設けた径方向に貫通する貫通孔65を貫通して取付けられ、前端部が前記筒部22Bの係合溝56aを貫通してガイドプレート31のカム溝63に摺動自在に挿入されている。一方、従動ピン60の後端部は、筒部22Bの係合溝56bおよび後述する回転部材72の貫通孔73を貫通してカム駆動プレート32のカム溝64に同じく摺動自在に挿入されている。貫通孔73は、回転部材72の半径方向に形成された長孔からなり、前記従動ピン60が摺動自在に挿通されている。
前記ガイドプレート31のカム溝63とカム駆動プレート32のカム溝64とは、同一形状でかつ互いに正対するように形成されている。また、これらのカム溝63,64は、図5に示すように正面視略四角形に形成されていることにより、4つの溝部、すなわち上下方向に対向する2つの水平溝部74a,74bと、左右方向に対向する2つの垂直溝部74c,74dとで構成されている。水平溝部74a,74bの長さは、吸込口35と吐出口36の中心間距離と略等しく設定されている。下側の水平溝部74bは、図5において左側部分に右下がりに傾斜する傾斜部75が形成されている。この傾斜部75は、トナー搬送部材22が吸込口35側から吐出口36側に移動するとき、これと連動してプランジャー23をさらに所定量降下させるためのものであり、例えば回転部材72が70°程度回動する範囲にわたって形成され、残りの20°程度の回動範囲にわたる部分が水平な溝部分を形成している。
前記カム溝63,64の各角部は、トナー搬送部材22とプランジャー23の移動方向をそれぞれ変換する変換点を構成している。このため、各角部の外周壁は、外側に向かって凸となる円弧状に形成されており、これによって従動ピン60の方向転換を円滑に行えるようにしている。
前記動力伝達手段26は、前記回転部材72と、この回転部材72が軸着された駆動軸80とで構成されている。回転部材72としては平歯車が用いられ、前記カム駆動プレート32の内面に形成した凹部81に収容されている。駆動軸80は、一端がカム駆動プレート32に設けた軸孔83に抜けを防止されて回転自在に軸支されている。そして、この動力伝達手段26は、前記作動機構24とともにカム作動機構を構成している。
前記駆動装置25としては、例えば電磁クラッチを備えたモータが用いられ、その出力軸84の回転が駆動歯車85を介して前記回転部材72に伝達される。駆動歯車85は、前記ケーシング21の側面に形成した縦長の開口部87よりケーシング内に挿入され回転部材72と噛合している。
次に、上記構造からなる粉体ポンプ手段18によるトナー13の搬送動作を図7に基づいて説明する。
図7においては、トナー13の吸込時の吸気圧を相対的に高くするために吸込口35の穴径を吐出口36の穴径よりも小さく形成するとともに、トナー13の吐出を容易にするために吐出口36とトナー搬送室53の穴径を等しくしている。
図7(a)はトナー13を吸込口35に供給した状態を示す。この状態において、トナー搬送部材22は、図において左方に移動して停止し、トナー搬送室53を吸込口35の真下に位置させている。また、プランジャー23は最上位置に上昇して停止し、トナー搬送室53の容積を最小にしている。従動ピン60は、カム溝63,64の上側の水平溝部74aと左側の垂直溝部74cの連結部に位置している。
トナー搬送室53へのトナー13の吸込みを開始するには、駆動装置25を駆動し、その回転を駆動歯車85によって回転部材72に伝達し、この回転部材72を反時計方向に所定角度(約90°)だけ回転させる。回転部材72が回転すると、従動ピン60は前記垂直溝部74cの上端から下端側に移動してプランジャー23を降下させる。プランジャー23が降下すると、トナー搬送部材22のトナー搬送室53は容積が増大して負圧になるので、吸込口35内のトナー13がトナー搬送室53に吸い込まれる。図7(b)はこの状態を示す。
吸込口35内のトナー13がトナー搬送室53に吸い込まれると、さらに回転部材72は反時計方向に所定角度(約90°)回転する。このため、従動ピン60はカム溝63,64の下側の水平溝部74bに沿って移動し、トナー搬送部材22を右方に移動させる(図7(c))。これにより、トナー搬送室53は、吐出口36の真下に位置する(図7(d))。また、このとき従動ピン60が水平溝部74bの傾斜部75に沿って移動することにより、プランジャー23をトナー13の吸込時よりもさらに下方に所定量移動させる。これにより、シール部材37a,37bとシール部材37c(図5)との間に溜まっているトナー13をトナー搬送室53に吸い込ませることができる。
トナー搬送部材22が右方に移動して停止すると、さらに回転部材72は反時計方向に所定角度(約90°)回転する。このため従動ピン60はカム溝63,64の右側の垂直溝部74dに沿って上昇し、プランジャー23を上昇させる。これによりトナー搬送室53内のトナー13を吐出口36に吐出させる(図7(e)参照)。したがって、作動機構24によるトナー搬送部材22とプランジャー23の連続的な駆動により、トナー13をトナー収納容器19から現像手段20に搬送することができる。そして、トナー搬送室53内のトナー13が吐出口36に吐出されると、トナー搬送部材22は回転部材72の回転にともない図7(a)に示す元の位置に移動復帰してトナー搬送室53を吸込口35の真下に位置させ、次のトナー13の搬送のために待機する。
このような構造からなる粉体ポンプ手段18においては、プランジャー23の移動によりトナー13を吸込口35からトナー搬送部材22の内部に吸い込み、さらにプランジャー23の次の移動によりトナー13を吐出口36に吐出するので、前記特許文献2のようにスクリュー式のポンプ手段でトナーを移動させる必要がなく、搬送時の摩擦によるトナー13の品質低下を抑制することができる。
また、作動機構24と動力伝達手段26とでカム作動機構を構成したので、構成が簡単で、トナー搬送部材22とプランジャー23を交互にかつ連続的に駆動することができ、また粉体ポンプ手段18を安価に製作することができる。
また、ケーシング21にトナー13の吸込口35と吐出口36を並設しているので、粉体ポンプ手段18の大型化を防止できる。
また、本発明においては、粉体ポンプ手段18をトナー収納部(3)または現像装置4から離隔して配置しているので、粉体ポンプ手段18の配置上の制約が少なく、設計の自由度を高めることができる。すなわち、前記特許文献1,2に記載の粉体搬送装置に用いられているスクリュー式の一軸偏心粉体ポンプは、ステータ内のロータを回転させることにより、トナーをステータ内で搬送する構造であるのに対して、本発明による粉体ポンプ手段18は、プランジャー23でトナー13をトナー搬送室53内に吸込み、搬送した後、プランジャー23により吐出口36に吐出する構造であるため、トナー13の吸込力や吐出力を大きくでき、トナー搬送系路16a〜16eを長くすることができる。それ故、粉体ポンプ手段18の画像形成装置内部への設置場所をトナー収納部や現像装置4から離隔して配置することができる。
さらに、本発明においては、粉体ポンプ手段18がプランジャー23の駆動によりトナー13を吸い込むので、エアポンプを必要とせず、また従来のスクリュータイプの搬送装置と異なりトナー13を流動化させる必要がなく、構成部品の削減および画像形成装置の低廉化を図ることができる。
なお、上記した実施の形態においては、回転部材72として平歯車を用いたが、これ以外のもの、例えば歯付きプーリを用いて駆動装置25からの動力伝達をタイミングベルトで行うようにしてもよい。
また、クリーニング手段14の排出系路26aに粉体ポンプ手段を設け、感光体から掻き落とした回収トナーを粉体ポンプ手段によって排トナー貯蔵容器15に搬送するようにしてもよい。
本発明に係る画像形成装置の一実施の形態を示す概略構成図である。 同画像形成装置のトナー回収部のブロック図である。 同画像形成装置の現像部のブロック図である。 同画像形成装置に用いられる粉体ポンプ手段の側面図である。 図4のV−V線断面図である。 図5のVI−VI線断面図である。 (a)〜(e)はトナーの搬送動作を説明するための図である。
符号の説明
1…電子複写機、3…トナー回収装置、4…現像装置、13…トナー、14…クリーニング手段、15…排トナー貯蔵容器、17…トナー補給手段、16a〜16e…トナー搬送系路、18…粉体ポンプ手段、19…トナー収納容器、20…現像手段、21…ケーシング、22…トナー搬送部材、23…プランジャー、24…作動機構、25…駆動装置、26…動力伝達手段、35…吸込口、36…吐出口、53…トナー搬送室、56a,56b…係合溝、60…従動ピン、63,64…カム溝、72…回転部材、73…貫通孔、80…駆動軸。

Claims (4)

  1. 粉体ポンプ手段によりトナー収納部のトナーを現像装置に搬送する画像形成装置において、
    前記粉体ポンプ手段は、前記トナー収納部と第1のトナー搬送系路を介して接続された吸込口と、前記現像装置と第2のトナー搬送系路を介して接続された吐出口とが設けられたケーシングと、このケーシングの内部に収容され、内部が前記吸込口と前記吐出口に対して選択的に連通されるトナー搬送室を形成する往復移動自在なトナー搬送部材と、このトナー搬送部材の内部に摺動自在に設けられたプランジャーと、このプランジャーと前記トナー搬送部材を交互に連続的に駆動する作動機構とを備え、
    前記粉体ポンプ手段を駆動することにより、前記トナー収納部のトナーを前記現像装置に搬送することを特徴とする画像形成装置。
  2. クリーニング手段から排出されたトナーを粉体ポンプ手段により排トナー貯蔵容器またはトナー補給手段に搬送する画像形成装置において、
    前記粉体ポンプ手段は、前記クリーニング手段と第1のトナー搬送系路を介して接続された吸込口と、前記排トナー貯蔵容器またはトナー補給手段と第2のトナー搬送系路を介して接続された吐出口とが設けられたケーシングと、このケーシングの内部に収容され、内部が前記吸込口と前記吐出口に対して選択的に連通されるトナー搬送室を形成する往復移動自在なトナー搬送部材と、このトナー搬送部材の内部に摺動自在に設けられたプランジャーと、このプランジャーと前記トナー搬送部材を交互に連続的に駆動する作動機構とを備え、
    前記粉体ポンプ手段を駆動することにより、前記クリーニング手段から排出されたトナーを前記排トナー貯蔵容器またはトナー補給手段に搬送することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2記載の画像形成装置において、
    前記作動機構は、プランジャーに設けられた従動ピンと、トナー搬送部材に形成され前記従動ピンが挿通される係合溝と、ケーシングに形成され前記従動ピンの端部が摺動自在に係合するカム溝と、前記従動ピンが挿通する貫通孔を有する回転部材とを備え、前記従動ピンは、前記回転部材の回転にともなって前記カム溝に沿って移動することにより、前記粉体搬送部材の移動と前記プランジャーの移動を交互に行わせることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の画像形成装置において、
    前記粉体ポンプ手段がトナー収納部または現像装置から離隔して配置されていることを特徴とする画像形成装置。
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