JP2007040819A - 標準信号を用いた較正装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 広帯域の信号の測定では測定条件の変更、または複数の測定器を用いて測定し、当該測定結果を継ぎ合わせて測定を行っている。しかし、測定結果の継ぎ目で測定値が不連続な値を取る場合がある。測定値が不連続な値を示している領域の信号の信憑性は低い。そこで、複数の測定条件や、複数の測定器を用いて広帯域の信号を測定しても不連続な測定値の発生が抑えられる標準信号を用いた較正装置を提供する。
【解決手段】 まず、電気抵抗からの雑音を当該測定器での測定条件で測定する。電気抵抗の雑音は広い範囲に渡って均一なエネルギー分布を持つホワイトノイズを出力するので、当該測定器での測定条件で測定した測定結果から熱雑音成分を除去することで当該測定器が発生している雑音強度を知ることができる。次に、被測定信号源の測定を行った後、当該測定器が発生している雑音強度を除去することで被測定信号源からの信号のみが得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】 まず、電気抵抗からの雑音を当該測定器での測定条件で測定する。電気抵抗の雑音は広い範囲に渡って均一なエネルギー分布を持つホワイトノイズを出力するので、当該測定器での測定条件で測定した測定結果から熱雑音成分を除去することで当該測定器が発生している雑音強度を知ることができる。次に、被測定信号源の測定を行った後、当該測定器が発生している雑音強度を除去することで被測定信号源からの信号のみが得られる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、標準信号を用いた較正装置に関し、特に被測定素子より出力される一連の被測定信号の測定を行う場合に測定器や測定条件を切り替えることで生じる測定結果の不連続性を緩和しうる、標準信号を用いた較正装置に関する。
上記した較正装置に関連した技術としては、例えば特許文献1に示すように、超伝導フィルタを用いて熱雑音の発生を抑制し、電波雑音等微小信号を増幅、測定する技術が知られている。当該技術では熱雑音の絶対値を低減することで、測定条件を切り替える場合に発生する測定結果の不連続性を緩和している。
しかしながら、上記した技術では超伝導フィルタを用いることで単一の測定器の熱雑音の発生を抑えることはできるが、例えば単一の測定器では測定困難な広いレンジを持った信号を測定器や測定条件を切り替えて測定を行う場合に、各々の測定器や測定条件に対して一貫性を持つ調整手法は提示されておらず、特に各測定器の測定結果を重ねる領域で生じる測定結果の不連続性を緩和することが困難であるという問題点を有している。
そこで、本発明では従来のこのような問題点を解決し、一連の被測定信号を測定器や測定条件を切り替えて測定を行う場合に生じる測定結果の不連続性を緩和しうる標準信号を用いた較正装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明の標準信号を用いた較正装置は、被測定素子より出力される一連の信号に対して、前記一連の信号の一部分の帯域からなる測定帯域内に有る被測定信号を、測定系を切り替えながら測定を行うことで得られた測定結果を、前記測定系が発生する雑音成分による揺らぎを抑制するよう較正するための機構を有する被測定信号の較正装置であって、前記測定帯域を網羅するよう、既知の値を有する標準信号を供給する標準信号源と、前記測定系を用いて前記標準信号を測定することで得られる、前記標準信号と対応した較正信号と、前記標準信号と前記較正信号とを用いて、前記測定系の切り替えに起因する前記被測定信号の測定値の不連続性を軽減させるための演算を行う演算機構とを有することを特徴とする。
本出願において「測定系」とは、一連の電気信号の一部分を測定するための測定器の選択及び前記測定器の測定条件の選択を行い、測定の準備がされた状態を言う。また、「測定系を切り替える」とは、前記測定器又は前記測定条件を切り替えて測定の準備をすることを言う。また、「測定系を切り替えながら測定する」とは、前記一連の電気信号の一部分を測定するための前記測定器の選択及び前記測定器の測定条件を切り替えながら前記測定器を用いて測定することを言う。
この構成によれば、上記した既知の値を有する標準信号を発生させる標準信号源と、前記測定系を用いて前記標準信号を測定することで発生する、前記標準信号と対応した被測定出力と、前記標準信号と前記被測定出力との入力を受けて処理する前記演算機構により前記測定系の切り替えに起因する前記被測定信号の測定値の不連続性を軽減することで、広い帯域を持つ信号の継ぎ目の不連続性を抑制して測定することが可能となる。
また、上記した本発明の標準信号を用いた較正装置は、前記標準信号源はホワイトノイズとなる熱雑音を発生する、相異なる抵抗値を有する電気抵抗素子の群からなり、前記標準信号は前記電気抵抗素子から発生した前記熱雑音であることを特徴とする。
この構成によれば、広い帯域に対して一定の電力密度を有するホワイトノイズを発生する電気抵抗を標準信号源として用いることで広い帯域で継ぎ目のない標準信号を供給することが可能となる。
また、上記した本発明の標準信号を用いた較正装置は、前記標準信号となる前記熱雑音強度の温度特性を補正するために前記電気抵抗素子の温度を測定して前記熱雑音を補正する、若しくは前記電気抵抗素子の温度を一定値に保持する機構を有していることを特徴とする。
この構成によれば、前記電気抵抗素子の温度を測定して前記熱雑音を補正する、若しくは前記電気抵抗素子の温度を一定値に保持する機構を有しているため、周囲温度が変動しても一定の標準信号としての熱雑音を供給することが可能となる。
また、上記した本発明の標準信号を用いた較正装置では、前記演算機構は前記標準信号源として前記相異なる抵抗値を有する前記電気抵抗素子の群が設けられ、前記標準信号は前記電気抵抗素子から発生した前記熱雑音からなり、前記標準信号源からの前記標準信号を前記測定系を切り替えながら各前記電気抵抗素子毎に前記測定帯域を網羅するよう測定し、前記較正信号として記憶する手段と、前記被測定素子が有する、雑音生成に関与する実効電気抵抗値を抽出する手段と、前記較正信号を補間して、前記実効電気抵抗値に対応する補間較正信号を得る手段と、前記補間較正信号から、前記実効電気抵抗値に相当する雑音成分を減算し、測定器雑音を求める手段と、前記被測定素子からの前記測定帯域内にある前記信号を、前記測定系を切り替えながら測定し前記被測定信号を求める手段と、前記被測定信号から、前記測定器雑音を除去する手段とを有していることを特徴とする。
この構成によれば、前記被測定出力の実効値と、前記標準信号の実効値との間で減算を行うことで前記測定系固有の雑音のみを補間した値が得られる。前記被測定信号の実効値と、補間して得られた前記測定系固有の雑音の実効値との間で減算を行うことで、抵抗成分による熱雑音を削減した前記被測定信号の値のみを抽出することが可能となり、測定器の特性に由来する前記被測定信号の測定系切り替えを行う際に発生する前記被測定信号の継ぎ目の発生を抑制することができる。
また、上記した本発明の標準信号を用いた較正装置は、前記測定器雑音を求める手段は、相異なる抵抗値を有する前記電気抵抗素子の群の前記測定帯域内での第1の熱雑音を第1の温度で測定する手段と、前記電気抵抗素子の群の前記測定帯域内での第2の熱雑音を第2の温度で測定する手段と、前記第2の温度と前記第1の温度との温度差分を取る手段と、前記第2の熱雑音と前記第1の熱雑音との差分である雑音差分を各周波に対して取る手段と、絶対温度で示された第1の温度を前記温度差分で割った温度比率を求める手段と、前記温度比率と前記雑音差分を乗じた、全熱雑音を各周波数に対して求める手段と、前記第1の熱雑音の値から前記全熱雑音を各周波数毎に除去して前記測定器雑音を得る手段とを有していることを特徴とする。
この構成によれば、雑音の理論式を用いることなく、温度を変えて測定した前記第1の熱雑音と前記第2の熱雑音の測定値のみで較正を行うことができる。従って雑音源となる特性が理想抵抗から若干異なっていても、同一の前記電気抵抗に温度変動を加えるため、前記電気抵抗が持つ誤差要因は差分を取る際に打ち消されるための発生を抑えることができる。
<較正装置>
以下、本発明に係る標準信号を用いた較正装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
以下、本発明に係る標準信号を用いた較正装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る標準信号を用いた較正装置を説明するためのブロック図である。
図1(A)に示すように、低周波域で低雑音であり精密な測定を可能とする10Hzから1kHzまでの帯域を測定できる低周波測定器101と、高周波域で低雑音であり精密な測定を可能とする1kHzから100kHzまでの帯域を測定できる高周波測定器102とを切り替えるためのスイッチボックス103により切り替えられるよう構成されている。スイッチボックス103は低周波測定器101と高周波測定器102とを切り替えるための切り替えスイッチ104を備えている。また、スイッチボックス103は切り替え式雑音源105と、被測定信号源109とを切り替える切り替えスイッチ108を備えている。
低周波測定器101と高周波測定器102は切り替え式雑音源105から供給される信号の電圧値を検出するよう共に高い入力インピーダンスを持ち、切り替え式雑音源105や被測定信号源109を接続した場合に、電圧降下による測定誤差が抑制されるよう調整されている。切り替え式雑音源105は複数の抵抗値に対応できるよう抵抗値の異なる抵抗を備えて成る標準抵抗群106と、標準抵抗群106の温度を一定の値に保持することで、熱雑音の電力を一定値に保つための温度調整回路107とを備えている。温度調整回路107はペルチェ素子等を用いて切り替え式雑音源105の温度を常に300Kに保っている。切り替え式雑音源105の抵抗値は例えば50Ω、75Ω、300Ω、1kΩ程度を用いることが可能である。
図1(B)は本実施形態で用いた被測定素子の接続図である。被測定素子はNMOSトランジスタ110であり、ドレイン111に1kΩの抵抗112の一端が接続され、他端は正の電源に接続されている。ドレイン111と1kΩの抵抗112との接続部は結合コンデンサ113を介してスイッチ108に接続されている。また、NMOSトランジスタ110のゲート114にはドレイン111に流れる電流を制御するようゲート電源115の一端が接続され、他端は接地されている。
<較正動作1>
以下、図1を用いて第1の較正動作を説明する。まず、スイッチボックス103のスイッチ108を切り替え式雑音源105側に切り替える。次に、スイッチボックス103のスイッチ104を低周波測定器101側に切り替える。
以下、図1を用いて第1の較正動作を説明する。まず、スイッチボックス103のスイッチ108を切り替え式雑音源105側に切り替える。次に、スイッチボックス103のスイッチ104を低周波測定器101側に切り替える。
次に、切り替え式雑音源105中に収められている標準抵抗群106からの熱雑音と、低周波測定器101自身が発生した雑音とが重畳した較正用信号を各抵抗値毎に例えば10Hzから1kHzまで測定する。この工程を標準抵抗群106の抵抗値を切り替えて測定する。
次に、標準抵抗群106が発生する熱雑音を理論式に基づいて計算して求める。標準抵抗群106として上記した値を用いた場合、単位帯域幅の平方根当たりの値では、75Ωでは1.1nV、300Ωでは2.2nV、1kΩでは4.0nVの値をとる。
次に、低周波測定器101に入力された、標準抵抗群106の各抵抗を熱雑音発生用の入力抵抗として用いた場合に得られた較正用信号値の自乗から、理論的に計算された各入力抵抗に対する熱雑音値の自乗を減算し平方根を求めた後記憶する。当該減算により、各入力抵抗が接続された場合に低周波測定器101が発生する測定器雑音のみを抽出することができる。
次に、同様の測定を高周波測定器102に対して行う。
上記した較正動作を行うことで、低周波測定器101及び高周波測定器102の入力源の抵抗が発する雑音と測定器雑音とを分離してグラフを作成することができる。図2は、本実施形態に係る低周波測定器が発生する雑音と、当該雑音の値から入力源の抵抗が発する熱雑音の理論値を減算した値とを重ねて示した図である。図2で示されるように、特に低周波域での1/f雑音に由来する低周波測定器101が発生する熱雑音以外の雑音が大きくなっている。
図3は、本実施形態に係る高周波測定器が発生する雑音と、当該雑音の値から入力源の抵抗が発する熱雑音の理論値を減算した値とを重ねて示した図である。図3で示されるように、高周波測定器102の測定周波数の下限域で高周波測定器102の1/f雑音に由来する熱雑音以外の雑音が大きくなっている。
<較正動作2>
以下、図1を用いて測定器雑音を求めるための第2の較正動作の手順を説明する。まず、スイッチボックス103のスイッチ108を切り替え式雑音源105側に切り替える。次に、スイッチボックス103のスイッチ104を低周波測定器101側に切り替える。
以下、図1を用いて測定器雑音を求めるための第2の較正動作の手順を説明する。まず、スイッチボックス103のスイッチ108を切り替え式雑音源105側に切り替える。次に、スイッチボックス103のスイッチ104を低周波測定器101側に切り替える。
まず、温度調整回路107を用いて、第1の温度として300Kで切り替え式雑音源105中に収められている標準抵抗群106からの第1の熱雑音と、低周波測定器101自身が発生した第1の機器雑音とが重畳した第1の較正用信号を各抵抗値毎に例えば10Hzから1kHzまで測定する。
次に、同様の測定を温度調整回路107を用いて第2の温度として330Kで行う。低周波測定器101には変動は与えられていないため、低周波測定器101の機器雑音に影響を与えることはなく、標準抵抗群106が出力する熱雑音以外は変動しない。
次に、第2の温度としての330Kから、第1の温度としての300Kを引き差分温度30Kを得る。
次に、第2の温度としての330Kの較正用信号と第1の温度としての300Kの較正用信号の各周波数毎に差分を取り、雑音信号差分の周波数依存性データを得る。
次に、第1の温度としての300Kを差分温度30Kで割り、定数「10」を得る。
次に、雑音信号差分の周波数依存性データに定数「10」を掛け、第1の較正用信号から減算し、第1の機器雑音を算出する。
次に、同様の測定を高周波測定器102に対して行う。
上記した較正動作を行うことで、雑音の理論式を用いることなく、温度を変えて測定したデータのみで較正を行うことができるため、切り替え式雑音源105の特性が理想抵抗から若干異なっていても実測データを元に較正を行うため、誤差の発生を抑えることができる。
図4は、本実施形態に係る低周波測定器が発生する雑音と、当該雑音の値から入力源の抵抗が発する熱雑音の測定値を減算した値とを重ねて示した図である。図4で示されるように、高周波測定器102の測定周波数の下限域で高周波測定器102の1/f雑音に由来する熱雑音以外の雑音が大きくなっている。
図5は、本実施形態に係る高周波測定器が発生する雑音と、当該雑音の値から入力源の抵抗が発する熱雑音の測定値を減算した値とを重ねて示した図である。図5で示されるように、高周波測定器102の測定周波数の下限域で高周波測定器102の1/f雑音に由来する熱雑音以外の雑音が大きくなっている。
<測定動作>
以下、図1を用いて測定動作の手順を説明する。<較正動作1>又は<較正動作2> で低周波測定器101及び高周波測定器102の各々について測定器雑音が求められているので、当該測定器雑音を用いて測定する手順について説明する。
以下、図1を用いて測定動作の手順を説明する。<較正動作1>又は<較正動作2> で低周波測定器101及び高周波測定器102の各々について測定器雑音が求められているので、当該測定器雑音を用いて測定する手順について説明する。
まず、切り替えスイッチ104を低周波測定器101側に切り替える。
次に、切り替えスイッチ108を被測定信号源109側に切り替える。
次に、被測定素子より出力される信号の内、10Hzから1kHzまでの帯域について低周波測定器101で測定する。
次に、低周波測定器101で測定した信号から、予め求めてあった低周波測定器101の測定器雑音成分を、電圧の単位からエネルギーの単位に変換して、各々エネルギーに換算した値同士の引き算を行い、再び電圧の単位に変換することで除去して、被測定信号源109の信号のみを抽出する。
同様の手順を高周波測定器102側でも行うことで低周波測定器101の測定結果及び高周波測定器102の測定結果から各々の測定器雑音が除去された測定結果が得られる。
図6は、本実施形態の技術を用いて測定器雑音を抑圧した測定結果を元に形成したグラフである。比較用として、較正を行わない場合についても図示しているが、本実施形態の技術を用いることで、ほぼ完全に継ぎ目が消失していることが示されている。
次に、上述した本実施形態の効果について説明する。
1.標準抵抗群106の各抵抗を熱雑音発生用の入力抵抗として用いた場合に得られた較正用信号電圧値の自乗から、各入力抵抗に対して理論的に計算された熱雑音電圧値の自乗を減算し、記憶することで、各入力抵抗が接続された場合に低周波測定器101及び高周波測定器102で発生する各機器の雑音特性を把握することができる。各機器の雑音特性を測定値から減算することで各測定器固有の雑音を打ち消すことができるため各測定器の測定帯域端での継ぎ目の発生を抑制することができる。
2.広い帯域に対して一定の電力密度を有するホワイトノイズを発生する電気抵抗を標準信号源として用いることで広い帯域で継ぎ目のない標準信号を供給することが可能となる。
3.標準抵抗群106の温度を一定の値に保持することで、熱雑音の電力を一定値に保つための温度調整回路107とを備えている。温度調整回路107はペルチェ素子等を用いて切り替え式雑音源105の温度を常に300Kに保っている。そのため周囲温度が変動しても一定の標準信号を供給することが可能となる。
4.標準抵抗群106からの熱雑音と、低周波測定器101又は高周波測定器102自身が発生した雑音とが重畳した較正信号から標準抵抗群106が発生する熱雑音を理論式に基づいて計算した値を減算し低周波測定器101又は高周波測定器102自身が発生した雑音のみを含む測定器雑音を算出しているので、被測定信号源109の測定値から測定器雑音を除去することができる。
5.電気抵抗から発生するホワイトノイズは絶対温度の平方根に比例するように発生するため<較正動作2>で説明したように、雑音の理論式を用いることなく、複数の温度での測定データのみで較正を行うことができる。そのため切り替え式雑音源105の特性が理想抵抗から若干異なっている、或いは抵抗の値に若干のズレがあっても実測データを元に較正を行うことができ、誤差の発生を抑えることができる。
6.標準抵抗群106として可変抵抗に比べ経時変化や雑音特性の安定性に優れた固定抵抗を用いているので、再現性の高い較正を行うことができる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
抵抗起因のホワイトノイズを標準信号として用いることに代えて、例えばpn接合を有するダイオードに電流を印加することで発生するショット雑音等を用いても良い。この場合、ダイオードに流す電流値の平方根分だけショット雑音が増えるため、雑音強度を容易に変調することができ、検出装置の入力と出力の間での直線性を容易にチェックすることができる。
101…低周波測定器、102…高周波測定器、103…スイッチボックス、104…スイッチ、105…切り替え式雑音源、106…標準抵抗群、107…温度調整回路、108…スイッチ、109…被測定信号源、110…NMOSトランジスタ、111…ドレイン、112…抵抗、113…結合コンデンサ、114…ゲート、115…ゲート電源。
Claims (5)
- 被測定素子より出力される一連の信号に対して、前記一連の信号の一部分の帯域からなる測定帯域内に有る被測定信号を、測定系を切り替えながら測定を行うことで得られた測定結果を、前記測定系が発生する雑音成分による揺らぎを抑制するよう較正するための機構を有する被測定信号の較正装置であって、
前記測定帯域を網羅するよう、既知の値を有する標準信号を供給する標準信号源と、
前記測定系を用いて前記標準信号を測定することで得られる、前記標準信号と対応した較正信号と、
前記標準信号と前記較正信号とを用いて、前記測定系の切り替えに起因する前記被測定信号の測定値の不連続性を軽減させるための演算を行う演算機構とを有することを特徴とする標準信号を用いた較正装置。 - 前記標準信号源はホワイトノイズとなる熱雑音を発生する、相異なる抵抗値を有する電気抵抗素子の群からなり、前記標準信号は前記電気抵抗素子から発生した前記熱雑音であることを特徴とする請求項1に記載の標準信号を用いた較正装置。
- 前記標準信号となる前記熱雑音強度の温度特性を補正するために前記電気抵抗素子の温度を測定して前記熱雑音を補正する、若しくは前記電気抵抗素子の温度を一定値に保持する機構を有していることを特徴とする請求項2に記載の標準信号を用いた較正装置。
- 前記演算機構は前記標準信号源として前記相異なる抵抗値を有する前記電気抵抗素子の群を設け、前記標準信号としては前記電気抵抗素子から発生した前記熱雑音を用いてなり、
前記測定系を切り替えながら各前記電気抵抗素子毎に前記測定帯域を網羅するよう前記標準信号源からの前記標準信号を測定し、前記較正信号として記憶する手段と、
前記被測定素子が有する、雑音生成に関与する実効電気抵抗値を抽出する手段と、
前記較正信号を補間して、前記実効電気抵抗値に対応する補間較正信号を得る手段と、
前記補間較正信号から、前記実効電気抵抗値に相当する雑音成分を減算し、測定器雑音を求める手段と、
前記被測定素子からの前記測定帯域内にある前記信号を、前記測定系を切り替えながら測定し前記被測定信号を求める手段と、
前記被測定信号から、前記測定器雑音を除去する手段とを有していることを特徴とする請求項1に記載の標準信号を用いた較正装置。 - 前記測定器雑音を求める手段は、
相異なる抵抗値を有する前記電気抵抗素子の群の前記測定帯域内での第1の熱雑音を第1の温度で測定する手段と、
前記電気抵抗素子の群の前記測定帯域内での第2の熱雑音を第2の温度で測定する手段と、
前記第2の温度と前記第1の温度との温度差分を取る手段と、
前記第2の熱雑音と前記第1の熱雑音との差分である雑音差分を各周波に対して取る手段と、
絶対温度で示された第1の温度を前記温度差分で割った温度比率を求める手段と、
前記温度比率と前記雑音差分を乗じた、全熱雑音を各周波数に対して求める手段と、
前記第1の熱雑音の値から前記全熱雑音を各周波数毎に除去して前記測定器雑音を得る手段とを有していることを特徴とする請求項4に記載の標準信号を用いた較正装置。
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CN111693922A (zh) * | 2020-08-04 | 2020-09-22 | 云南电力技术有限责任公司 | 一种阻抗测试仪自动校验系统 |
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