JP2007040593A - ハイブリッドシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池や内燃機関を使用した発電システムの排熱を有効活用してシステムの経済性を向上させる。
【解決手段】 ハイブリッドシステムS1は、発電機構を備える自然冷媒ヒートポンプシステム1と、SOFC発電システム2と、吸収式冷凍機3と、貯湯ユニット4とが複合化されて構成されている。SOFC発電システム2の燃焼排ガスEGは、自然冷媒ヒートポンプシステム1の第1の熱交換器14aへ導入され、自然冷媒を加熱する。これにより、自然冷媒は超臨界状態とされ、膨張タービン15へ導入される。膨張タービン15で自然冷媒は断熱膨張され、そのときの圧力エネルギーが回転力に変換される。この回転力は回転軸50を通して発電機51に与えられ、交流電力が発生される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、CO等の自然界に存在する冷媒を用いた自然冷媒ヒートポンプシステムと、排熱流体を発生する他のシステム、例えば燃料電池や内燃機関を使用したコージェネレーションシステムとを有機的に連係させたハイブリッドシステムに関し、特に他のシステムが発生する排熱にて自然冷媒を加熱するようにした自然冷媒ボトミング発電システムに関するものである。
省エネルギーやCO排出量の削減を目的として、燃料電池や内燃機関を使用したコージェネレーションシステムの導入が推進されている。このシステムは、需要家に燃料電池又は内燃機関等を設置し、都市ガス等を燃料としてこれを駆動させて発電を行い、その際に発生する高温の燃焼排ガスを利用して高温水や低温水を製造して当該需要家に熱供給するものである。かかるコージェネレーションシステムは、電気及び熱の双方を発生するシステムであるため総合効率が70〜80%と高く、電力とガスとを商用系統から購入する場合に比べて経済的なシステムであるとされている。
しかしながら、電力需要量に対する熱需要量(熱電比)は、需要家の負荷構成(業種)により異なる。例えば、ホテルや病院等においては熱需要が多く熱電比は比較的高くなるが、事務所や学校等においては熱需要自体が少なく、また熱需要が昼間のみに限定されることから熱電比は低くなる。さらに、実際の運用では、同一の需要家でも季節や時間帯により熱需要は大きく変動し、電力需要に合わせて前記コージェネレーションシステムの運転を行うと熱が余剰となり、熱を使用できずに放出せざるを得ないケースが生じる。従って、熱電比が比較的低い需要家や、熱需要の季節変動若しくは時間帯変動の大きい需要家に適したコージェネレーションシステムの構築が望まれている。なお、燃料電池の高温排熱を利用して蒸気を製造し、該蒸気にて蒸気タービンを駆動させて発電を行うことも考えられるが、かような蒸気供給方式では起動に時間がかかり、また飽和蒸気の状態では蒸気タービンでの利用は困難であるという問題がある。
ところで、近年、オゾン層保護の観点から、フロン等の人為的に合成された冷媒ではなく、CO、水、空気、アンモニア、ハイドロカーボン等の自然界に存在する物質を冷媒(このような冷媒を本明細書では「自然冷媒」という)として用いた熱システムが注目されており、実際このような自然冷媒を使用したヒートポンプ(以下、自然冷媒ヒートポンプという)システム応用品、例えば家庭用や業務用の自然冷媒ヒートポンプ給湯器が、既に多くの企業で商品化されて販売されている。この自然冷媒ヒートポンプ給湯器は、深夜の安価な電力を利用して熱を貯蔵しておき、翌日に需要家内へ熱を供給するシステムである。
図10は、自然冷媒ヒートポンプ給湯器のシステム基本構成を示す図であり、該自然冷媒ヒートポンプ給湯器は、ヒートポンプユニット10と貯湯ユニット40とを備えている。そしてヒートポンプユニット10は、蒸発器101、CO圧縮機(コンプレッサー)102並びに該圧縮機102を駆動する電動機103、熱交換器104、及び膨張弁105を有し、これら機器は循環管路で連結されており、該管路内には自然冷媒、例えばCOが封入されている。
このような構成において、先ず前記自然冷媒(CO)は蒸発器101において熱交換作用を受けて気体P10とされ、圧縮機102へ送られる。そして圧縮機102においてCOは圧縮され、約130℃の高温に加熱されて超臨界状態とされた超臨界流体P20となり、熱交換器104へ送られる。熱交換器104でCOは、貯湯ユニット40の貯湯槽401から循環されて来る水と熱交換して約60〜90℃程度まで昇温させ、温水Wを生成する。一方、CO自身は常温近くまで冷却され、常温流体P30となる。この時点でCOはまだ高圧の超臨界状態であるために、膨張弁105で断熱膨張され、大部分が液体COでその一部が気体COである二相流体P40となる。しかる後、CO二相流体P40は蒸発器101へ戻り、空気中から熱を取り込み常温まで昇温されて気化して気体P10となり、上述のサイクルが繰り返されるものである。
他方、生成された温水Wは貯湯槽401へ送られる。この場合貯湯槽401内の水温分布は、上層部が約60〜90℃の高温、下層部が常温の温度混合層になる。この貯湯槽401から必要に応じて給湯、風呂用の湯が供給され、また不足する水は水道水等から貯湯槽401へ給水される。
このような自然冷媒ヒートポンプを用いた熱供給システムによれば、蒸発器101により大気の熱を取り込むために、使用する電力量と大気の熱を給湯用エネルギーとして使用でき、COP(利用できる熱エネルギー量/使用する電力エネルギー量)は3となり、非常に経済的なシステムを構築することができる。但し、現状では自然冷媒ヒートポンプ給湯器の設備コストはガス給湯器等に比べて相当高く、設備償却を考慮するとさらにランニングコストを下げることが求められている。
このため、本出願人は先に、前記圧縮機102の動力を軽減するために、膨張弁105に代えて発電機を備えた膨張タービンを用いて発電を行い、そこで発生される電力を圧縮機102の駆動電源の一部として利用するシステムを提案している(特許文献1)。
また、特許文献2には、太陽熱エネルギーを活用して、自然冷媒を加熱させる工程を含む発電システムが提案されている。この発電システムは、図11に示すように、圧縮機102及び電動機103、ソーラーコレクター106、発電機107Gを備える膨張タービン107、吸収式冷凍機108及び給湯用の熱交換器109を備えてなる。かかる構成において、自然冷媒は圧縮機102にて9〜10MPa程度に圧縮され、続いてソーラーコレクター106に送られて約200〜300℃の高温に加熱される。そして、このように高温高圧化された自然冷媒は膨張タービン107において断熱膨張され、その時に発生されるエネルギーで発電機107Gを駆動させて電力を発生させる。その後、未だ6.5MPa程度の超臨界状態である自然冷媒は、吸収式冷凍機108及び熱交換器109で水と熱交換を行い、液化されて圧縮機102に還流される。
特開2005−172336号公報 特開2004−263944号公報
一般に、排熱を発生するシステムにあっては、経済性向上のため、その排熱の有効利用が何よりも求められるところである。特に、燃料電池や内燃機関を使用したコージェネレーションシステムにあっては、熱電比が比較的低い需要家や、熱需要の季節変動若しくは時間帯変動の大きい需要家において発生する余剰熱を有効に利用できるシステムの開発が求められている。一方、自然冷媒ヒートポンプシステムは、背景技術で示したように種々のシステム形態が提案されているものの、他のシステムとのハイブリッド化によるシステムの効率化という観点での検討は十分に為されていない。
従って本発明は、例えば燃料電池や内燃機関を使用したコージェネレーションシステムのように排熱を発生するシステムと自然冷媒ヒートポンプシステムとを有機的に連係させることで、排熱の有効利用を図り、電力等のエネルギー発生効率を向上させることができるハイブリッドシステムを提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかるハイブリッドシステムは、自然冷媒を高圧化する圧縮手段と、高圧の自然冷媒を膨張させると共に前記自然冷媒の膨張時に発生するエネルギーを機械的な出力に変換する機能を有する膨張手段とを具備する自然冷媒ヒートポンプシステムからなる第1のシステムと、排熱流体を発生する第2のシステムとを複合させたハイブリッドシステムであって、前記膨張手段の前段に、前記第2のシステムから与えられる排熱流体と膨張前の自然冷媒とを熱交換させる自然冷媒昇温用の第1の熱交換器を設けたことを特徴とする。
この構成によれば、実質的に第2のシステムのボトミングサイクルに自然冷媒ヒートポンプシステムが組み入れられることとなり、第2のシステムにて発生される排熱が自然冷媒ヒートポンプシステムで活用される。すなわち、第1の熱交換器に第2のシステムの排熱流体が導入され、膨張前の自然冷媒との熱交換が行われる。これにより、自然冷媒は加熱されてエネルギーが高められ、膨張手段において膨張し、その際に第1のシステムとしての機械的な出力が取り出される(高められる)ようになる。なお、本発明でいう「排熱流体」とは、第2のシステムで発生される燃焼排ガスやスチーム等、或いはこれらにより二次的に昇温された水や空気等も含む。
請求項2にかかるハイブリッドシステムは、請求項1において、前記自然冷媒ヒートポンプシステムが、前記膨張手段の機械的な出力を発電機の駆動源として利用する発電機構を備えていることを特徴とする。この構成によれば、第2のシステムにて発生される排熱を利用して発電を行う自然冷媒ボトミング発電システムが構築される。
請求項3にかかるハイブリッドシステムは、請求項1又は2において、前記第2のシステムが、燃料電池発電システム又は内燃機関発電システムであることを特徴とする。この構成によれば、第1の熱交換器において、燃料電池発電システム又は内燃機関発電システムから発生される排熱と、自然冷媒ヒートポンプシステム(自然冷媒ボトミング発電システム)の自然冷媒とが熱交換され、前記排熱を活用して新たな機械的出力(若しくは該機械的出力を利用した発電)を第1のシステムから発生させることができる。
請求項4にかかるハイブリッドシステムは、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記第2のシステムが発生する排熱流体の熱を利用可能な第3のシステムを備え、前記排熱流体の供給先を、前記第1の熱交換器又は前記第3のシステムのいずれかに切り替える切り替え機構を具備することを特徴とする。この構成によれば、第3のシステムの稼働を優先させたい場合に、切り替え機構を制御して第3のシステムへ前記排熱流体を供給させることができる。例えば、第3のシステムとして吸収式冷凍機を設置すれば、冷房や暖房の熱需要が有る季節若しくは時間帯には前記排熱流体を吸収式冷凍機へ供給し、熱需要が無いときには前記第1の熱交換器へ供給して第1のシステム(自然冷媒ヒートポンプシステム)を稼働させるというような、排熱の最適な利用が可能となる。
請求項5にかかるハイブリッドシステムは、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記第1の熱交換器の後段に、前記第1の熱交換器を経由した排熱流体と所定の流体とを熱交換させる第2の熱交換器を設けたことを特徴とする。この構成によれば、前記第1の熱交換器を経由した排熱流体に残存している熱エネルギーが、第2の熱交換器によりさらに回収されるようになる。また、自然冷媒の温度も低温化される。
請求項6にかかるハイブリッドシステムは、請求項5において、前記第2の熱交換器が、温水生成用の熱交換器であることを特徴とする。この構成によれば、排熱流体に残存している熱エネルギーを利用して、第2の熱交換器により温水が生成される。かかる温水は、貯湯槽等に蓄え、給湯用温水等として利用することができる。
請求項7にかかるハイブリッドシステムは、請求項6において、前記第1の熱交換器と第2の熱交換器とが一体化された一体化熱交換器を有し、前記一体化熱交換器は、前記排熱流体が流通する上流側に配置され前記自然冷媒を加熱する第1熱交換部と、下流側に配置され前記温水を加熱する第2熱交換部とを備えることを特徴とする。この構成によれば、第1の熱交換器と第2の熱交換器とが一体化され、自然冷媒、温水及び排熱流体の三流体が一つの熱交換器において熱交換されるので、熱交換器のコンパクト化、ひいてはハイブリッドシステムのコンパクト化を図ることができる。また、第1熱交換部を排熱流体が流通する上流側に配置しているので、比較的高温の熱が自然冷媒に与えられるようになる。
請求項8にかかるハイブリッドシステムは、請求項1〜7のいずれかにおいて、前記膨張手段が、高圧状態の自然冷媒が備える圧力エネルギーを回転エネルギーに変換して回転出力を生成する機構からなることを特徴とする。この構成によれば、膨張手段の出力を利用して各種の回転機器を駆動させることができるようになる。例えば、発電機等も好適に駆動させることができ、自然冷媒ボトミング発電システムを簡易に構築できる。
請求項9にかかるハイブリッドシステムは、請求項8において、前記膨張手段が、ピストン及びシリンダを備える往復式ピストン機関を有すると共に、前記ピストンの往復運動に基づき回転駆動されるクランク軸を具備してなり、該往復式ピストン機関のシリンダへ高圧状態の自然冷媒を導入して膨張させることで、前記クランク軸の回転出力を得るよう構成されたものであることを特徴とする。この構成によれば、膨張手段として、ピストン及びシリンダを備える往復式ピストン機関を使用し、該往復式ピストン機関のシリンダへ高圧状態の自然冷媒を導入して膨張させることでクランク軸の回転出力が得られる。すなわち、自然冷媒をシリンダ内で膨張させると同時にピストンの往復運動に基づくクランク軸の回転出力を生成させることで高圧エネルギーの回収が行われる。
請求項10にかかるハイブリッドシステムは、請求項9において、前記往復式ピストン機関のシリンダには吸気弁と排気弁とが備えられ、前記吸気弁及び排気弁の開閉速度を制御することで前記回転出力の回転数を制御する開閉制御手段を具備することを特徴とする。この構成によれば、クランク軸の回転数が、シリンダの吸気弁及び排気弁の開閉速度により制御され、ひいてはクランク軸の回転出力を利用する各種機器の出力調整が、前記開閉制御手段にて行えるようになる。例えば、発電機が発生する電力の周波数調整も可能となり、インバータ等を用いることなく所望の周波数の電力を発生させることが可能となる。
請求項11にかかるハイブリッドシステムは、請求項2において、前記発電機が発生した電力を、商用電力の周波数に変換するインバータを具備させたことを特徴とする。発電機が発生する電力の周波数は、膨張手段の回転出力の回転数に依存することになる。この場合、商用電力と同じ周波数の電力が得られないこともあるが、インバータを具備させることで、発電機が発生する電力を50Hz若しくは60Hzの電力に変換することが可能となり、発生される電力の汎用性を高めることができる。
請求項1にかかるハイブリッドシステムによれば、例えば燃料電池や内燃機関を使用したコージェネレーションシステムのように排熱を発生するシステムのボトミングサイクルに自然冷媒ヒートポンプシステムが組み入れられ、排熱の有効利用によって電力等のエネルギー発生効率を向上させることができる。
請求項2にかかるハイブリッドシステムによれば、第2のシステムにて発生される排熱を利用して発電を行う自然冷媒ボトミング発電システムが構築され、排熱の有効利用を図ることができる。燃料電池や内燃機関を使用したコージェネレーションシステム等から発生される常圧或いは低圧の排熱ガスは、タービン等に導入して発電を行いエネルギー回収することができず、排熱を廃棄するほかなかったが、この構成によれば、自然冷媒ボトミング発電システムにより排熱を電気エネルギーに変換して回収できるようになり、システムの経済性を向上させることができる。
請求項3にかかるハイブリッドシステムによれば、燃料電池発電システム又は内燃機関発電システムから発生される排熱が、自然冷媒ヒートポンプシステムで活用されて新たなエネルギーが生成されるので、燃料電池発電システム又は内燃機関発電システムの経済性を向上させることができる。
請求項4にかかるハイブリッドシステムによれば、需要家の熱需要の有無に応じて、第2のシステムから発生される排熱を効果的に利用でき、システムの利便性を向上させることができる。
請求項5にかかるハイブリッドシステムによれば、第2のシステムから発生される排熱が二段階で活用され、低温排熱までが第2の熱交換器で活用されるので、より一層、システムの経済性を向上させることができる。
請求項6にかかるハイブリッドシステムによれば、需要家の温水需要の一部を担うことができるハイブリッドシステムを提供できるようになる。
請求項7にかかるハイブリッドシステムによれば、自然冷媒、温水及び排熱流体の三流体が一つの熱交換器において熱交換されることから、コンパクトで、しかも自然冷媒に高い熱エネルギーを与えることができるシステムを構築できる。
請求項8にかかるハイブリッドシステムによれば、膨張手段の出力を利用して各種の回転機器を駆動させることができ、エネルギー回収が容易なシステムとすることができる。
請求項9にかかるハイブリッドシステムによれば、膨張手段として、ピストン及びシリンダを備える往復式ピストン機関が使用され、前記ピストンの往復運動に基づき回転駆動されるクランク軸から回転出力を得るよう構成されているので、前記回転出力を例えば発電機の駆動用に用いることで、システム全体としての経済性を改善することができる。
請求項10にかかるハイブリッドシステムによれば、クランク軸の回転数が、シリンダの吸気弁及び排気弁の開閉速度により制御され、これによりクランク軸の回転出力を受ける各種機器の出力調整が行えるので、例えば発電機が発生する電力の周波数調整も可能となり、インバータ等を用いることなく所望の周波数の電力を発生させることが可能となる。従って、インバータ等の機器の使用を不要とでき、システムの簡素化を図ることができる。
請求項11にかかるハイブリッドシステムによれば、インバータにより発電機が発生する電力を商用電力に変換して電力の汎用性を高めることができるので、電力の利用用途を拡張することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することが可能なものである。
(第1実施形態)
図1は本発明にかかるハイブリッドシステムS1の構成例を示すブロック図である。このハイブリッドシステムS1は、発電機構を備える自然冷媒ヒートポンプシステム1からなる第1のシステムと、固体電解質型燃料電池(SOFC)発電システム2からなる第2のシステムと、吸収式冷凍機3からなる第3のシステムと、貯湯ユニット4とが複合化されて構成されている。
当該ハイブリッドシステムS1のハイブリッド形態は、SOFC発電システム2から発生される燃焼排ガスEG(排熱流体)が保有する熱を、前記自然冷媒ヒートポンプシステム1及び吸収式冷凍機3にて利用させるようにした形態である。すなわち、SOFC発電システム2の燃焼排ガスEGを導出する排ガス配管6が、自然冷媒ヒートポンプシステム1と吸収式冷凍機3とを経由する形態とされている。なお、SOFC発電システム2と自然冷媒ヒートポンプシステム1との関係では、SOFC発電システム2の排熱エネルギーを自然冷媒ヒートポンプシステム1で利用して発電を行う自然冷媒ボトミング発電システムが構築されている。
自然冷媒ヒートポンプシステム1は、空冷式冷却器11、自然冷媒の圧縮機12(圧縮手段)及びその駆動電動機13、熱交換器ユニット14、自然冷媒を断熱膨張させる膨張タービン15(膨張手段)、水冷式冷却器16、開閉弁17、流量制御弁18などを有し、これら機器は循環管路で連結されており、該管路内には自然冷媒、例えばCOが封入されている。
空冷式冷却器11は、大気とCO自然冷媒とを熱交換(空冷)させるもので、CO自然冷媒を大気温度まで冷却して液体化する。この空冷式冷却器11は、例えばCO自然冷媒を流通可能とした伝熱管を蛇行させ、この蛇行伝熱管に熱交換フィンを多数枚取り付けた構成のものを用いることができる。なお、該空冷式冷却器11に熱交換用の大気を送気する送気ファン等を付設しても良い。
圧縮機12は、空冷式冷却器11から送られて来る液体CO自然冷媒を、電動機13から与えられる動力により圧縮して高圧化するものである。この圧縮機12としては、各種の気体圧縮機が使用でき、二段圧縮ロータリー式の圧縮機等も使用することができる。なお、本実施形態では電動機13にて圧縮機12を駆動させる態様を例示しているが、ガスエンジン方式等を採用することもできる。この圧縮機12において、CO自然冷媒は8〜10MPa程度に圧縮される。
熱交換器ユニット14は、SOFC発電システム2の燃焼排ガスEGと膨張前のCO自然冷媒とを熱交換させる自然冷媒昇温用の第1の熱交換器14aと、この第1の熱交換器14aの後段に配置され、CO自然冷媒との熱交換を終えた燃焼排ガスEGと貯湯ユニット4に貯留する水(温水)とを熱交換させる第2の熱交換器14bとを備えている。すなわち、熱交換器ユニット14には、燃焼排ガスEGが流通する排ガス配管6の分岐配管の1つである第1排ガス配管61が導入され、該第1排ガス配管61が第1の熱交換器14a及び第2の熱交換器14bを経由する配管とされている。
前記第1の熱交換器14aにて、加圧されているCO自然冷媒は、燃焼排ガスEGにより加熱され、約150〜200℃程度に高温化されて超臨界状態とされる。なお、かかる熱交換を終えた燃焼排ガスEGは、まだ十分な熱エネルギーを保有しており、第2の熱交換器14bにおいて水を60〜90℃程度に昇温させた後に排気される。
膨張タービン15は、高圧のCO自然冷媒を膨張させると共に前記CO自然冷媒の膨張時に発生するエネルギーを機械的な出力に変換する機能を有するもので、例えばその内部に回転自在に配置されているタービンインペラとロータ(回転体)に対して高圧気体を供給し、該高圧気体が断熱膨張するときのエネルギーをタービンインペラで受け、これをロータの回転力に変換(軸出力に変換)する機構を有するものが用いられる。超臨界状態のCO自然冷媒は膨張タービン15へ導入され、該膨張タービン15の内部で断熱膨張され、このときのエネルギーが前記タービンインペラを介して数千〜数万回転の高速ロータ回転力として回転軸50に出力(軸出力)される。なお、このような膨張タービン15に代えて、膨張エネルギーを利用した往復式ピストン機関150も適用可能である。かかる往復式ピストン機関150については、図6に基づき後記で詳述する。
膨張タービン15の回転軸50には発電機51が直結されており、発電機51の回転軸は前記回転軸50で回転駆動されて同期高速回転し、高周波の交流電力を発電するよう構成されている。しかし、このような高周波交流電力は、そのままでは一般電気機器用の電源として用いることができない。そこでインバータ52を設置し、発電機51が発生する出力電圧をインバータ52へ入力し、前記高周波交流電力を60Hzないし50Hzの商用電力に変換して出力できるようにしている。この電力は、電力ケーブル521により、例えばハイブリッドシステムS1が敷設された事業所や家庭の各種電気施設へ送電される。なお、この電力を、圧縮機12を駆動する電動機13の動作電源の一部として用いれば(前記電力ケーブル521を、電動機13への給電ケーブル131に接続する)、システムの経済化を向上できるので好ましい。
水冷式冷却器16は、膨張タービン15で断熱膨張された後のCO自然冷媒に残存している熱エネルギーを回収する熱交換器であって、水と断熱膨張後のCO自然冷媒とを熱交換させて温水を生成するものである。膨張タービン15で断熱膨張された後、CO自然冷媒は液体COと気体COの二相流体となり、膨張タービン15の効率にもよるが、40〜50℃程度の温度を有する状態となる。水冷式冷却器16は、このような熱エネルギーを利用して温水を生成し需要家の用に供すると共に、CO自然冷媒の温度を常温近くまで低下させ、二相流体の状態から液体の状態にする。なお、温水需要がない場合は、CO自然冷媒の冷却は専ら上述の空冷式冷却器11にて行われることとなる。また、水冷式冷却器16の給水温度を大気温度よりも低くすると、空冷式冷却器11は不要となり、さらに常温よりも低い給水温度にできればCOサイクルの効率は向上する。
CO自然冷媒を循環させる配管は、熱交換器ユニット14を経由した後、膨張タービン15へ向かう第1配管132と、膨張タービン15を経由させずにバイパスして水冷式冷却器16へ向かう第2配管133(バイパス配管)とに分岐される。開閉弁17は、前記第1配管132に配置され、膨張タービン15へのCO自然冷媒の供給を制御する。また、流量制御弁18は、CO自然冷媒の流量を制御するためのもので、前記第2配管133に配置される。すなわち、流量制御弁18の開度を大きくすれば、第2配管133に流れるCO自然冷媒の流量が多くなり、逆に開度を小さくすれば、第1配管132に流れるCO自然冷媒の流量が多くなる。従って、この流量制御弁18の開度調整を行うことで、膨張タービン15で発生されるパワーを制御することが可能となる。
図2(イ)は、自然冷媒ヒートポンプシステム1のP−I線図である。なお、このP−I線図(a)〜(d)の記号は、図2(ロ)のヒートポンプシステム略図に付されている記号(a)〜(d)と対応し、当該部位におけるCO自然冷媒の状態を示すものである。図2(イ)、(ロ)において、状態(a)における約3.5MPaの液体CO自然冷媒は圧縮機12で圧縮され、状態(b)の8〜10MPa程度(原理的には10MPa以上に加圧することも可能であるが、現在汎用されている圧縮機では10MPa程度までなら高効率で圧縮できる)の加圧状態とされる。この際のCO自然冷媒の温度は約0℃程度である。
その後、熱交換器ユニット14(第1の熱交換器14a)において、CO自然冷媒は後述するSOFC発電システム2の燃焼排ガスEGと熱交換され、状態(c)の約150〜200℃程度の高圧超臨界状態となる。この状態でCO自然冷媒は膨張タービン15に導入され、断熱膨張仕事をし、状態(d)の通り、約3.5MPa,40〜60℃まで膨張して一部液化し、一部気化する二相流体となる。しかる後、空冷式冷却器11及び/又は水冷式冷却器16により残存熱エネルギーが回収又は放散され、状態(a)の約3.5MPaの低温液体CO自然冷媒の状態に戻る。このようなサイクルを繰り返すことにより、自然冷媒ヒートポンプシステム1により、自然冷媒ボトミング発電が行われるものである。なお、水冷式冷却器16の出口におけるCO自然冷媒の温度が10℃程度である場合は、図2(イ)に示す状態(a’)→状態(b’)→状態(c)→状態(d’)と進むようになり、断熱膨張後の圧力は約5MPaとなり、回収できるエネルギーが減少する。
次に、SOFC発電システム2について説明する。図3は、SOFC発電システム2の構成を示すブロック図である。このSOFC発電システム2は、脱硫器211、予熱器212、改質器213及びSOFCの電池スタック22を備えている。
脱硫器211は、燃料ガスである都市ガス中に含まれている腐臭剤成分を除去する。予熱器212は、燃料ガスを改質器213へ導入する前に加熱するものである。この際、燃料ガスに水蒸気が混合される。改質器213は、燃料ガスを改質して改質ガスを生成する。改質器213はバーナ213aにより加熱されて約800℃程度に保持されており、触媒の作用によって燃料ガスは水素を主成分とする改質ガスに変換される。
電池スタック22は、発電動作を行う部分であり、燃料極221、空気極222、電解質223及び燃焼室224を備える。前記改質ガスは、700〜1000℃程度に保持された電池スタック22の燃料極221へ導入される。導入された改質ガス中の水素成分(及び一酸化炭素成分)は、その大部分が燃料極221において、空気極222から送られてくる酸素イオンと反応して電気を発生する。空気極222には、空気ブロワ225から空気が導入されており、該空気中の酸素が取り込まれてイオン化される。かかる酸素イオンは、電解質223を通して燃料極221へ移動され、水素成分(及び一酸化炭素成分)と化学反応し電気を発生する。発生された電力は、インバータ226にて直流DCから交流ACに変換されて家庭や業務用電力機器に供給される。
上記のようなSOFCの電池スタック22において、一般に燃料極221での水素利用率は70〜80%で、残りは余剰として排出される(燃料極排ガス)。また、空気極222での空気中の酸素利用率は50〜60%で、残りは余剰として排出される(空気極排空気)。このような余剰エネルギーを自然冷媒ヒートポンプシステム1又は吸収式冷凍機3で活用すべく、前記燃料極排ガスと空気極排空気とは、電池スタック22の出口側に配置された燃焼室224に導入されて燃焼される。すなわち、燃焼により生じた熱は、電池スタック22の保温、バーナ213aの熱源として利用される他、その燃焼排ガスEGは、排ガス配管6により自然冷媒ヒートポンプシステム1又は吸収式冷凍機3へ導かれるものである(図1参照)。
因みに、既存のSOFC発電システムでは、多くの場合、前記燃焼室224から燃焼排ガスEGとして排出される熱エネルギーは、スチームや温水の生成用に活用されている。図4は、そのようなSOFC発電システム20Aの一例を示すブロック図である。このSOFC発電システム20Aでは、燃焼室224からの燃焼排ガスEGを排気する配管600が、順次蒸気用熱交換器231、高温水熱交換器232及び低温水熱交換器233を経由する構成とされている。すなわち、燃焼室224での燃焼により発生した高温燃焼排ガスEGにより、前記蒸気用熱交換器231ではスチームが、高温水熱交換器232において90℃程度の高温水が、低温水熱交換器233において60℃程度の低温水がそれぞれ製造されるものである。
この場合、前記蒸気用熱交換器231で製造されるスチームを用い、蒸気タービンを使用して発電を行うことも可能であるが、蒸気供給方式であると起動に時間を要してしまう。また、飽和蒸気の状態では蒸気タービンでの利用は困難であって加熱蒸気にする必要があることから、より高い温度の排熱が必要となる。このため、排熱エネルギーの電気エネルギーへの変換は不十分なものとなるという問題がある。しかし、本実施形態に係るハイブリッドシステムS1では、燃焼排ガスEGで自然冷媒ヒートポンプシステム1のCO自然冷媒を加熱し、その膨張エネルギーを用いて発電を行うので、極めて効率良く、排熱エネルギーを電気エネルギーへ変換することができる。
本発明においては、排熱流体を発生する第2のシステムとして、上記のSOFC発電システム2に代えて、他のシステムを適用することができる。例えば図5に示すような、内燃機関発電システム2Aを用いることもできる。この内燃機関発電システム2Aは、内燃機関本体25と、該内燃機関本体25により回転駆動される回転軸251と、この回転軸251に回転子の回転軸が直結された発電機26とから構成されている。
内燃機関本体25は、例えばディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、或いはガスタービン機関などからなる。この内燃機関本体25により発電機26を回転駆動させる際、内燃機関本体25からは燃焼排ガスEGが発生されるが、これを排ガス配管6により自然冷媒ヒートポンプシステム1(又は吸収式冷凍機3)へ導くようにすることで、上記と同様な自然冷媒ボトミング発電システムを構築することができる。
図1に戻って、第3のシステムとしての吸収式冷凍機3は、大略的に凝縮器、蒸発器、吸収器及び再生器が密封循環系で連結された構成を備え、蒸発器で蒸発させた冷媒ガス (水蒸気) を吸収器が備える吸収剤の溶液(例えば臭化リチウム溶液)に吸収させたのち、再生器にて再び分離し、凝縮器にて冷却水で凝縮液化するという冷凍サイクルを行なう方式の冷凍機である。
上記構成において、再生器では、臭化リチウム溶液中に吸収されている水分を加熱分離するための熱源が必要となる。そこで、本実施形態では、SOFC発電システム2或いは内燃機関発電システム2Aから発生される燃焼排ガスEGを、前記再生器の熱源として利用可能な構成としている。
すなわち、燃焼排ガスEGを導出する排ガス配管6の分岐配管の1つである第1排ガス配管61は、自然冷媒ヒートポンプシステム1の熱交換器ユニット14(第1の熱交換器14a及び第2の熱交換器14b)を経由するよう配管されていることは前述した通りであるが、もう1つの分岐配管である第2排ガス配管62は、この吸収式冷凍機3の再生器に向けて配管されており、該第2排ガス配管62により燃焼排ガスEGを前記再生器まで導くことが可能とされている。
排ガス配管6には、燃焼排ガスEGの供給先を、自然冷媒ヒートポンプシステム1の熱交換器ユニット14又は吸収式冷凍機3の再生器のいずれかに切り替える切り替え機構60が備えられている。前記切り替え機構60は、第1排ガス配管61及び第2排ガス配管62にそれぞれ具備された第1開閉弁60a及び第2開閉弁60bからなる。これら第1、第2開閉弁60a、60bを季節や時間帯などに応じて一方を「開」、他方を「閉」とすることで、自然冷媒ヒートポンプシステム1で燃焼排ガスEGの排熱エネルギーを利用してボトミング発電を行わせるか、或いは吸収式冷凍機3で燃焼排ガスEGの排熱エネルギーを利用して冷熱を製造させるかの選択的な排熱利用を図ることができる。
なお、本実施形態では、第3のシステムとして吸収式冷凍機3を例示しているが、これに代えて燃焼排ガスEGの排熱エネルギーを利用可能な他の機器を適用しても良い。例えば、燃焼排ガスEGを熱源とする暖房機器等を第3のシステムとして適用することができる。このように、第3のシステムを具備するハイブリッドシステムS1とすることで、需要家の熱需要等に応じて、燃焼排ガスEGの排熱エネルギーを一層適切に利用することができるようになる。
次に貯湯ユニット4は、貯湯槽41及び第1乃至第3の配管路42、43、44を備えている。貯湯槽41は給湯すべき温水を貯留するためのものであり、家庭用の場合は100〜500リットル程度の容積を備えるタンクが用いられる。第1の配管路42は貯湯槽41の底部を起点とし、前述の第2の熱交換器14b内を経由し、貯湯槽41の上層部へ至る閉管路を構成している。すなわち、貯湯槽41底部から吐出される冷水を第2の熱交換器14bへ導いて熱交換させ、温水化した後に貯湯槽41の上層部へ還流させる閉管路である。第2の配管路43は、貯湯槽41の上層部にその一端が配置され、第2の熱交換器14bを経て加温された温水を各種の給湯設備(図示省略)へ給湯するための管路である。また第3の配管路44は、貯湯槽41の底部にその一端が配置され、給湯設備への給湯により不足した水を貯湯槽41へ補給すべく、上水道設備(図示省略)と連結する管路である。このような貯湯ユニット4をハイブリッドシステムS1に具備させることで、CO自然冷媒と熱交換した後の燃焼排ガスEGに残存している熱エネルギーを回収することができ、システムの経済性がより向上されるようになる。
上述の実施形態では、膨張手段として、高圧状態のCO自然冷媒が備える圧力エネルギーを回転エネルギーに変換して回転出力を生成する膨張タービン15を有するものを例示したが、これに代えて、図6に示すような往復式ピストン機関150を備えた膨張手段を用いることもできる。すなわち、図6に示した膨張手段は、ピストン151及びシリンダ152を備える往復式ピストン機関150を有すると共に、前記ピストンの往復運動に基づき回転駆動されるクランク軸50A(図1に示す回転軸50に相当する)を具備してなり、前記シリンダ152へ高圧状態のCO自然冷媒を導入して膨張させることで、前記クランク軸50Aの回転出力を得るよう構成されたものである。前記クランク軸50Aに、図1に示す発電機51の発電機回転子の軸を連結することで、同様に発電機51を駆動させて発電動作を行わせることができる。
往復式ピストン機関150は、第1の熱交換器14aを経て150〜200℃程度の超臨界状態とされているCO自然冷媒を断熱膨張させる。そして、この断熱膨張の際に発生する圧力をエネルギー源として、クランク軸50Aに回転エネルギーを与える。すなわち、断熱膨張というヒートポンプサイクルにおける本来的な役目に加え、高温高圧状態のCO自然冷媒が備える圧力エネルギーを回転エネルギーに変換して回転出力を生成するものである。
図6に基づきさらに詳述すると、往復式ピストン機関150は、大略的にピストン151とシリンダ152とで構成される単気筒式の往復式ピストン機関であり、円筒状のシリンダ152内にピストン151が上下動可能に収容されてなる。シリンダ152の上部には、吸気座153と排気座155とが設けられ、前記吸気座153から高温高圧状態のCO自然冷媒がシリンダ室内Rへ導入され、前記排気座155から断熱膨張仕事を行った後のCO自然冷媒が排出される。なお、前記吸気座153及び排気座155には、それぞれ吸気弁154及び排気弁156が設置され、これらの弁の開閉操作により吸気及び排気タイミングが制御されるようになっている。
ピストン151は、図略のピストンリングをその外周に備え、シリンダ152の内周壁と気密状態で摺接する。ピストン151には、シリンダ152の下方向に延びる連接棒501の上端が、ピストンピンにて揺動可能に取り付けられている。該連接棒501は、ピストン151のヘッドに圧力エネルギーが与えられてピストン151がシリンダ152内を上下方向に往復運動すると、これに連動して上下動を行う。
一方、連接棒501の下端には、クランクピン503を介してクランク502が連結されている。そして、前記クランク502には、所定の軸受けで軸支されたクランク軸50Aが固着されている。このような構成を備えることで、ピストン151が直線的な往復運動を行うと、連接棒501とクランク502との連結点(クランクピン503)が円軌道を描くように運動することになり、クランク軸50Aが回転駆動されるものである。
以上のように構成された往復式ピストン機関150の動作は次の(1)〜(4)通りとなる。なお、下記(1)〜(4)の動作は、図6の(a)〜(d)に示す状態図に順次対応させたものである。
(1)ピストン151がシリンダ152の上端に達したとき、吸気弁154が「開」とされ、高温高圧のCO自然冷媒(高圧ガス)が所定量だけ吸気座153を介してシリンダ室内Rに導入される。
(2)導入されたCO自然冷媒はシリンダ室内Rで断熱膨張仕事を行い、その際に発生される圧力でピストン151はシリンダ152の最下点まで押圧される。
(3)ピストン151が最下点まで下がると吸気弁154が「閉」とされ、一方排気弁156が「開」とされる。ピストン151は連接棒501から与えられる慣性でシリンダ152内を上方向に押し上げられ、シリンダ室内Rに存在している断熱膨張仕事後の低圧の自然冷媒を、排気座155を介して排気させる。
(4)ピストン151がシリンダ152の上端に達すると、排気弁156が「閉」とされ、再び上記(1)の工程に戻る。
上記のようなピストン151の直線的な往復動作が、連接棒501とクランクにより回転運動に変換され、クランク軸50Aから回転出力として取り出される。すなわち、CO自然冷媒がシリンダ室内Rにて断熱膨張されると共に、断熱膨張する際の圧力エネルギーがピストン151のヘッドに与えられ、これがクランク軸50Aの回転力に変換されるものである。なお、図6(a)〜(d)に示した例は、往復式ピストン機関150の一例であり、吸気弁154や排気弁156の位置、構造として様々な形態のものを採用することができる。
前記クランク軸50Aの回転力により発電機51が駆動され、これにより発電機51からは交流電力が発生される。この交流電力の周波数は、発電機51の回転数に依存するので、インバータ52により商用電力の周波数に変換した上で電力系統に供給される。しかし、前記シリンダ152の吸気弁154及び排気弁156の開閉速度を制御することでピストン151の運動速度が制御可能となり、これによりクランク軸50Aの回転速度を制御できることから、発電機51にて発生される交流電力を商用電力の周波数に調整することができる。
図7は、交流電力の周波数調整を行うことが可能な制御システムの構成を示すブロック図である。この制御システムは、図6に示したように往復式ピストン機関150で回転駆動されるクランク軸50Aが発電機51の回転子に直結され、シリンダ152に吸気弁154と排気弁156とが備えられているハード構成を制御対象とするもので、運転制御部53、開閉制御部54(開閉制御手段)、吸気弁駆動部551、排気弁駆動部552及び電圧検出部(周波数検出部)56を備えている。
運転制御部53は、発電機51により発生させる交流電力の周波数制御を行うための運転制御信号を生成するもので、発電機51の回転子(クランク軸50A)の回転数と発生される電力の周波数との関係を表すデータテーブル等を備え、所望の出力電圧周波数の設定情報(50Hz若しくは60Hz)或いは電圧検出部56から与えられる周波数変動情報に応じて、開閉制御部54に運転制御信号を出力する。なお、出力電圧周波数は、発電機51の極数と回転数とにより一義的に定まることから、かかる運転制御部53を省略するようにしても良い。
開閉制御部54は、吸気弁154及び排気弁156の開閉動作を制御する開閉制御信号を生成する。具体的には開閉制御部54は、クランク軸50Aの回転数と吸気弁154及び排気弁156の開閉速度との関係を表すデータテーブル等を備え、目標とするクランク軸50Aの回転数に応じて、吸気弁154及び排気弁156の開閉速度を設定し、これに応じた制御信号を生成して吸気弁駆動部551及び排気弁駆動部552へ出力する。
吸気弁駆動部551は、開閉制御部54から与えられる制御信号に応じて、吸気弁154を開閉駆動する。また排気弁駆動部552は、開閉制御部54から与えられる制御信号に応じて、排気弁156を開閉駆動する。なお、このように吸気弁154及び排気弁156を、個別に吸気弁駆動部551及び排気弁駆動部552により電気的に制御する代わりに、吸気弁154と排気弁156とを共通のカム軸により開閉駆動する機械的な方式を採用するようにしても良い。また、弁構造として、ロータリー弁方式のものを採用するようにしても良い。
電圧検出部56は、発電機51から出力される交流電力を検出し、その周波数情報を抽出する。すなわち、発電機51から出力される交流電力の周波数変動を監視するもので、抽出された周波数情報は、前記運転制御部53へ出力される。
このような制御システムによれば、吸気弁154及び排気弁156の開閉速度が、所定の目標値に応じて開閉制御部54により制御される。ここで、吸気弁154及び排気弁156の開閉速度を比較的早くすると、シリンダ152内へ比較的早いサイクルでCO自然冷媒が吸気され、また排気が行われることから、ピストン151の往復運動のサイクルが早くなり、これによりクランク軸50Aの回転速度も速くなる。一方、吸気弁154及び排気弁156の開閉速度を比較的遅くすると、吸気及び排気のサイクルが遅くなってピストン151の往復運動のサイクルも比較的遅くなり、これによりクランク軸50Aの回転速度も遅くなる。
従って、発電機51の出力電圧の周波数はクランク軸50Aの回転数に依存することから、吸気弁154及び排気弁156の開閉速度を所定速度に調整することで、例えば商用交流電圧の周波数(50Hz若しくは60Hz)と同一周波数の交流電圧を発電機51から出力させることが可能となる。また、電圧検出部56にて出力電圧の周波数を監視し、運転制御部53へフィードバックすることで、出力電圧の周波数を安定化させることも可能となる。そして、商用交流電圧と同一周波数の交流電圧を発電機51から発生させるよう制御することで、インバータ52を介することなく、発電機51から直接的に電力系統へ電力を供給でき、システムの簡素化とコストダウンが図れるようになる。
なお、図6に示した例では、1つの往復式ピストン機関150を用いた単気筒構成を例示したが、往復式ピストン機関を複数台備え、各往復式ピストン機関のシリンダへそれぞれCO自然冷媒が導入されると共に、各ピストンの往復運動が共通のクランク軸に与えられる多気筒構成とし、各往復式ピストン機関のシリンダへCO自然冷媒を供給するタイミングを制御する制御弁を具備させる構成としても良い。かかる多気筒構成によれば、各往復式ピストン機関の吸気、膨張、排気工程に時間差を設けることが可能となり、これにより動力を安定的にクランク軸50Aへ与えることができる利点がある。
或いは、複数の往復式ピストン機関を用い、第1の往復式ピストン機関のシリンダの排気口が、第2の往復式ピストン機関のシリンダの吸気口に接続されるように複数台の往復式ピストン機関が直列的に接続されると共に、各ピストンの往復運動が共通のクランク軸に与えられる単気筒多段構成としても良い。この構成によれば、直列的に接続された複数台の往復式ピストン機関の、上流側の往復式ピストン機関(第1の往復式ピストン機関)に比較的高圧のCO自然冷媒が導入されて断熱膨張仕事をし、続いて下流側の往復式ピストン機関(第2の往復式ピストン機関)に比較的低圧のCO自然冷媒が導入されて断熱膨張仕事をするというように、CO自然冷媒が保有する圧力エネルギーが段階的に利用される。これにより、CO自然冷媒が保有する圧力エネルギーを効率的に利用することができる。
以上の通り構成された本実施形態に係るハイブリッドシステムS1の動作を、図1を主に参照しながら説明する。SOFC発電システム2(或いは内燃機関発電システム2A)の運転が開始されると、SOFC発電システム2自身にて発電が行われると共に、燃焼排ガスEGが発生する。この燃焼排ガスEGは、排ガス配管6により導出される。
ここで、第1開閉弁60aが「開」とされ、第2開閉弁60bが「閉」とされている場合、燃焼排ガスEGは、第1排ガス配管61を介して自然冷媒ヒートポンプシステム1の熱交換器ユニット14(第1の熱交換器14a)へ導かれる。そして、第1の熱交換器14aにおいて、自然冷媒ヒートポンプシステム1の圧縮機12で8〜10MPa程度に圧縮されているCO自然冷媒と、前記燃焼排ガスEGとが熱交換される。この熱交換により、CO自然冷媒は約150〜200℃の高温に加熱されて超臨界状態となる。
しかる後、この超臨界状態のCO自然冷媒は、膨張タービン15(或いは往復式ピストン機関150)に導入されて断熱膨張し、一部が液体COとなり、残部が気体COである二相流体となる。この断熱膨張時のエネルギーにより、回転軸50が回転駆動される(クランク軸50Aが回転駆動される)。この回転軸50(クランク軸50A)の回転出力が発電機51の回転子へ伝達され、発電機51では交流電力の発電が行われる。そして該交流電力はインバータ52で商用周波数電力に変換され、電力ケーブル521を介して電力系統へ電力供給される。或いは、電動機13の動作電源として給電される。
このような仕事を終え、二相流体となったCO自然冷媒は、まだ40〜60℃程度の熱を保有していることから、水冷式冷却器16で水と熱交換する(給湯用の温水を生成することで残存熱エネルギーが回収される)か、或いは空冷式冷却器11で冷却される。これにより、CO自然冷媒は二相流体の状態から液体COとなる。しかる後、液化されたCO自然冷媒は圧縮機12へ再び送られる。以上のようなサイクルが、自然冷媒ヒートポンプシステム1内で繰り返されるものである。
一方、第1の熱交換器14aを通過した燃焼排ガスEGは、続いて第2の熱交換器14bへ導入され、貯湯ユニット4内を流通する水と熱交換される。すなわち、貯湯ユニット4の第1の配管路42を流れる水(温水)と前記燃焼排ガスEGとが熱交換され、約60〜90℃の温水が生成され、貯湯槽41へ貯留される。このように、二段階の熱交換を熱交換器ユニット14内で終えた後、燃焼排ガスEGは排気される。
一方、第1開閉弁60aが「閉」とされ、第2開閉弁60bが「開」とされている場合、燃焼排ガスEGは、第2排ガス配管62を介して吸収式冷凍機3の再生器へ導かれる。そして、再生器において、燃焼排ガスEGは、臭化リチウム溶液中に吸収されている水分を加熱分離するための熱源として用いられ、当該吸収式冷凍機3の冷凍サイクルを動作させる動作源として活用される。これにより、吸収式冷凍機3では冷熱が製造され、該冷熱は需要家の冷熱需要に供されるものである。
当該ハイブリッドシステムS1の実際の運用では、夏季のように冷房需要が多い季節には、第1開閉弁60aを「閉」、第2開閉弁60bを「開」として、燃焼排ガスEGの排熱エネルギーを利用して吸収式冷凍機3を優先的に動作させ、それ以外の季節では、第1開閉弁60aを「開」、第2開閉弁60bを「閉」として、燃焼排ガスEGの排熱エネルギーを利用して自然冷媒ヒートポンプシステム1にてボトミング発電を行うようにすれば良い。なお、第3のシステムとして暖房機器を設置している場合は、冬季において第1開閉弁60aを「閉」、第2開閉弁60bを「開」とし、暖房需要に応えるようにすればよい。なお、前記暖房機器と吸収式冷凍機3とを並置し、第2開閉弁60bの下流側に切替弁を設置して冬季と夏季とで燃焼排ガスEGの供給先を変更できる構成としても良い。
このようなハイブリッドシステムS1の発電効率について概略的に説明する。SOFC発電システム2の発電効率を45%、排熱効率を35%、排熱のうち利用可能な燃焼排ガスEGを1/2とし、自然冷媒ヒートポンプシステム1による発電効率を33%(タービン効率60%、発電機効率80%、所内動力率30%)と仮定すると、燃焼排ガスEGが保有する熱エネルギーをボトミング発電により電気に変換した場合の発電効率は、
ボトミング発電寄与分=排熱効率35%×1/2×33%=5.7%
の上乗せが行われることから、50.7%に向上されることとなる。
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態にかかるハイブリッドシステムS2の構成を示すブロック図である。このハイブリッドシステムS2も基本構成として、発電機構を備える自然冷媒ヒートポンプシステム1からなる第1のシステムと、SOFC発電システム2からなる第2のシステムと、吸収式冷凍機3からなる第3のシステムと、貯湯ユニット4とを備えている点で上述の第1実施形態(図1参照)と同一であるが、SOFC発電システム2の排熱が、燃焼排ガスEGとしてではなく、加圧高温水として取り出される態様である点、自然冷媒ヒートポンプシステム1の熱交換器ユニットとして一体化熱交換器140が用いられている点で相違する。なお、図8において、図1と同一符号が付されている部分は同一部分を示し、これに同一部分については説明を省略乃至は簡略化する。
当該ハイブリッドシステムS2では、SOFC発電システム2の燃焼排ガスEGを導出する排ガス配管6に対して、その上流側に高温水熱交換器71、下流側に低温水熱交換器72が配置されている。高温水熱交換器71には、加圧水が封入された高温配管路7が通過されるようになっている。この高温配管路7は、前記高温水熱交換器71と一体化熱交換器140との間を循環する循環配管路である。なお、高温配管路7には、燃焼排ガスEGにより加熱された加圧水の供給先を、自然冷媒ヒートポンプシステム1の一体化熱交換器140又は吸収式冷凍機3の再生器のいずれかに切り替える切り替え機構70が備えられている。前記切り替え機構70は、第1開閉弁70a及び第2開閉弁70bからなる。
低温水熱交換器72には、加圧ポンプ73が備えられた給水管721が導入されている。この給水管721の端部は分岐されており、一方は弁74を介して前記高温配管路7へ接続され、他方は低温配管路722に接続されている。この低温配管路722は、下流側で分岐され、第1分岐路44aは貯湯槽41へ、第2分岐路44bは需要家内の低温給湯系統へ接続されている。
SOFC発電システム2が稼働され、燃焼排ガスEGが排ガス配管6を介して排出されると、高温水熱交換器71内で前記燃焼排ガスEGと高温配管路7内の加圧水とが熱交換され、これに続いて低温水熱交換器72内で、低温配管路722内の水とが熱交換される。そして、熱を与えられた高温配管路7内の加圧水は一体化熱交換器140へ送られ(第1開閉弁70aが「開」で、第2開閉弁70bが「閉」の場合)、CO自然冷媒と熱交換して該CO自然冷媒を超臨界状態にすると共に、貯湯ユニット4の水と熱交換して温水を製造する。一方、第1開閉弁70aが「閉」で、第2開閉弁70bが「開」の場合は、高温配管路7内の加圧水は吸収式冷凍機3の再生器の加熱源として利用される。一方、同様に熱を与えられた低温配管路722内の水は、第1分岐路44aを介して貯湯槽41へ供給されるか、第2分岐路44bを介して需要家内へ直接供給される。
次に、一体化熱交換器140について説明する。図9は、一体化熱交換器140の構成を簡略的に示す図である。この一体化熱交換器140は、図9(a)に示すように、CO自然冷媒を加熱するCO加熱部141(第1熱交換部)と、貯湯ユニット4の水を加熱する温水加熱部142(第2熱交換部)とを有し、燃焼排ガスEGから熱を与えられた高温加圧水(排熱流体)と、CO自然冷媒と、温水との三流体が一つの熱交換器において熱交換可能とされたものである。
CO加熱部141は、高温加圧水の上流側に配置され、高い熱を保有している状態の加圧水とCO自然冷媒とを熱交換させる部位である。一方、温水加熱部142は、高温加圧水の下流側に配置され、CO自然冷媒との熱交換により低温下された加圧水と貯湯ユニット4の水とを熱交換させる部位である。
この一体化熱交換器140は、図9(b)に示すように、複数枚のフィンプレート143を積重したプレートフィン型熱交換器である。そして、図9(c)に示すように、2枚のフィンプレート143を1セットとし、フィンプレート143間を高温加圧水の流通空間とすると共に、上段のフィンプレート143上に仕切り板144を前記加圧水の流通方向と直交する方向に設けている。この図9(c)に示したようなフィンプレート143のセットを複数積重することで、一体化熱交換器140が構成されている。そして、仕切り板144で区画された一方の空間にCO自然冷媒を流通させ、他方の空間に温水を流通させることで、高温加圧水とそれぞれ熱交換されるようになっている。これらの流通流路には、伝熱性能を向上させると共に、仕切り板144の強度向上のためにコルゲート板からなる伝熱フィン145が配置されている。
このような一体化熱交換器140を用いれば、CO自然冷媒、温水及び高温加圧水の三流体が一つの熱交換器において熱交換されるので、熱交換器のコンパクト化、ひいてはハイブリッドシステムS2のコンパクト化を図ることができる。また、CO加熱部141を高温加圧水が流通する上流側に配置しているので、比較的高温の熱がCO自然冷媒に与えられ、効果的に加熱できるようになる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、膨張手段は、自然冷媒を膨張させると共に前記自然冷媒の膨張時に発生するエネルギーを機械的な出力に変換する機能、特に自然冷媒が備える圧力エネルギーを回転エネルギーに変換して回転出力を生成することが可能なものであれは特に限定はなく、膨張タービン15や往復式ピストン機関150以外の機構を用いることができる。例えば、ロータリー式機関、ルーツ式、リショルム式、スクロール式等の膨張機関をほぼ同じ条件で使用することが可能である。
さらに、自然冷媒に関し、上記実施形態ではCO自然冷媒を使用する例を示したが、この他に水、空気、アンモニア、ハイドロカーボン等を、自然冷媒として用いることが可能である。
本発明の第1実施形態にかかるハイブリッドシステムS1の構成を示すブロック図である。 ハイブリッドシステムS1のP−I線図である。 SOFC発電システムの構成を示すブロック図である。 従来のSOFC発電システムにおける排熱利用例を示すブロック図である。 内燃機関発電システムの構成を示すブロック図である。 高圧状態の自然冷媒をエネルギー源として利用した単気筒式の往復式ピストン機関により回転出力を生成する動作を説明するための断面図である。 往復式ピストン機関の制御システムの構成例を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態にかかるハイブリッドシステムS2の構成を示すブロック図である。 一体化熱交換器の構成を簡略的に示す図である。 従来の自然冷媒ヒートポンプシステムの構成を示すブロック図である。 太陽熱エネルギーを活用した自然冷媒ヒートポンプシステムの構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 自然冷媒ヒートポンプシステム(第1のシステム)
14 熱交換器ユニット
14a 第1の熱交換器
14b 第2の熱交換器
140 一体化熱交換器
15 膨張タービン(膨張手段)
150 往復式ピストン機関(膨張手段)
2 SOFC発電システム(第2のシステム)
2A 内燃機関発電システム(第2のシステム)
3 吸収式冷凍機(第3のシステム)
4 貯湯ユニット
51 発電機
52 インバータ
60、70 切り替え機構

Claims (11)

  1. 自然冷媒を高圧化する圧縮手段と、高圧の自然冷媒を膨張させると共に前記自然冷媒の膨張時に発生するエネルギーを機械的な出力に変換する機能を有する膨張手段とを具備する自然冷媒ヒートポンプシステムからなる第1のシステムと、
    排熱流体を発生する第2のシステムとを複合させたハイブリッドシステムであって、
    前記膨張手段の前段に、前記第2のシステムから与えられる排熱流体と膨張前の自然冷媒とを熱交換させる自然冷媒昇温用の第1の熱交換器を設けたことを特徴とするハイブリッドシステム。
  2. 前記自然冷媒ヒートポンプシステムが、前記膨張手段の機械的な出力を発電機の駆動源として利用する発電機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドシステム。
  3. 前記第2のシステムが、燃料電池発電システム又は内燃機関発電システムであることを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッドシステム。
  4. 前記第2のシステムが発生する排熱流体の熱を利用可能な第3のシステムを備え、
    前記排熱流体の供給先を、前記第1の熱交換器又は前記第3のシステムのいずれかに切り替える切り替え機構を具備することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハイブリッドシステム。
  5. 前記第1の熱交換器の後段に、前記第1の熱交換器を経由した排熱流体と所定の流体とを熱交換させる第2の熱交換器を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハイブリッドシステム。
  6. 前記第2の熱交換器が、温水生成用の熱交換器であることを特徴とする請求項5に記載のハイブリッドシステム。
  7. 前記第1の熱交換器と第2の熱交換器とが一体化された一体化熱交換器を有し、
    前記一体化熱交換器は、前記排熱流体が流通する上流側に配置され前記自然冷媒を加熱する第1熱交換部と、下流側に配置され前記温水を加熱する第2熱交換部とを備えることを特徴とする請求項6に記載のハイブリッドシステム。
  8. 前記膨張手段が、高圧状態の自然冷媒が備える圧力エネルギーを回転エネルギーに変換して回転出力を生成する機構からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のハイブリッドシステム。
  9. 前記膨張手段が、ピストン及びシリンダを備える往復式ピストン機関を有すると共に、前記ピストンの往復運動に基づき回転駆動されるクランク軸を具備してなり、
    該往復式ピストン機関のシリンダへ高圧状態の自然冷媒を導入して膨張させることで、前記クランク軸の回転出力を得るよう構成されたものであることを特徴とする請求項8に記載のハイブリッドシステム。
  10. 前記往復式ピストン機関のシリンダには吸気弁と排気弁とが備えられ、
    前記吸気弁及び排気弁の開閉速度を制御することで前記回転出力の回転数を制御する開閉制御手段を具備することを特徴とする請求項9に記載のハイブリッドシステム。
  11. 前記発電機が発生した電力を、商用電力の周波数に変換するインバータを具備させたことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッドシステム。
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