JP2007040487A - 駆動伝達装置、シート搬送装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 カップリング41のピン孔41cを、ピン43と摺動可能に嵌合する。また、カップリング41の第1回転軸61aが内包される部分の内径を、第1回転軸61aの直径よりも大きくする。
【選択図】 図5
Description
特許文献1には、ピックアップローラとフィードローラとリバースローラとをフレームに一体的に装着し、ユニット化して装置本体から着脱可能にしたシート搬送装置が記載されている。このシート搬送装置は、フィードローラおよびピックアップローラを回転駆動させる第1駆動源と、リバースローラを回転駆動させる第2駆動源とを設けている。そして、第1駆動源の回転駆動力をフィードローラの回転軸に伝達するため、第1カップリングを備えた第1駆動伝達装置と、第2駆動源の回転駆動力をリバースローラの回転軸に伝達するため、第2カップリングを備えた第2駆動伝達装置とを備えている。第1駆動伝達装置は、第1カップリングを用いて、フィードローラの回転軸とフィードローラおよびピックアップローラを回転駆動させる駆動源の駆動軸とを連結させ、駆動源の駆動力をフィードローラおよびピックアップローラに伝達している。また、第2駆動伝達装置は、第2カップリングを用いて、リバースローラの回転軸とリバースローラを回転駆動させる駆動源の駆動軸とを連結させ、駆動源の駆動力をリバースローラに伝達している。
カップリング240の駆動軸取り付け部240aには、図17に示すように、駆動軸262の係合ピン262aが係合する係合溝部240dが形成されている。
この係合溝240dに駆動軸262の係合ピン262aが係合することで、駆動軸262の回転駆動力が係合ピン262aを介してカップリング240に伝達され、カップリング240から回転軸261に駆動力が伝達される。
また、請求項2の発明は、請求項1の駆動伝達装置において、上記ピンの直径をD、上記ピン孔の径方向の長さをWとしたとき、D−0.1≦W≦Dであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の駆動伝達装置において、上記第2回転軸の先端部に第2回転軸を貫通する係合ピンを設け、上記カップリングの内周面に該係合ピンと係合する係合溝を設け、該係合ピンと該係合溝とが係合することで、一方の回転軸の回転駆動力を他方の回転軸へ伝達することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の駆動伝達装置において、上記ピン孔は、軸方向に延びる長穴であって、該カップリングを第2回転軸側へ付勢する付勢部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項4または5の駆動伝達装置において、上記カップリングの第1回転軸側側面の係合溝から回転方向逆側を、少なくとも係合ピンの半径よりも第1回転軸側に凹んだ段部とし、該段部の係合溝からの形成範囲が120°以下であることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項3乃至6いずれかの駆動伝達装置において、上記ピンは、割り部が有るスプリングピンであり、該スプリングピンの割り部が、第2回転軸側へ向いていることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項3乃至7いずれかの駆動伝達装置において、上記係合ピンが上記係合溝に係合したとき、上記第1回転軸と直交する仮想平面上で上記ピンと該係合ピンとのなす角度が90°であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8いずれかの駆動伝達装置において、上記カップリングを摺動性の高い材質で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、記録シート収容部から繰り出された記録シートを、フィードローラとリバースローラとによって一枚に分離して搬送するシート搬送装置において、該フィードローラを回転駆動させる第1駆動源と、該リバースローラを回転駆動させる第2駆動源とを備え、該第1駆動源の回転駆動力を該フィードローラへ伝達する駆動伝達装置及び該第2駆動源の回転駆動力を該リバースローラへ伝達する駆動伝達装置のうち少なくともひとつの駆動伝達装置を、請求項1乃至9いずれかの駆動伝達装置としたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10のシート搬送装置において、上記フィードローラおよび上記リバースローラを、フレームに一体的に装着し装置本体に対して着脱可能とした給紙ユニットとしたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11のシート搬送装置において、上記フィードローラを回転駆動させる第1駆動源と、上記リバースローラを回転駆動させる第2駆動源とをフレームに一体的に装着し装置本体に対して着脱可能とした駆動ユニットとし、該駆動ユニットと上記給紙ユニットのうち、装置本体から着脱される回数の多い方のユニットの軸に、上記カップリングを取り付けたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項10乃至12いずれかのシート搬送装置を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
第1回転軸の軸中心と、第2回転軸の軸中心とが大きくずれて、第2回転軸がカップリングの内周面に当接すると、第1回転軸の軸中心と、第2回転軸の軸中心とのズレ方向に第2回転軸がカップリングを押し込む。すると、カップリングがピンと摺動してピンに対して軸方向に移動し、第2回転軸がカップリングを押し込む力のうちピンの軸方向成分を吸収する。また、これと同時にカップリングがピンを回転の中心としてピンの周方向に回転して、第2回転軸がカップリングを押し込む力のうちピンに対して垂直方向成分を吸収する。このように、カップリングがピンの軸方向と周方向とに移動することで、第2回転軸とカップリングの内周面とが強く当接するのが抑制される。その結果、カップリングの内周面が早期に摩耗して、カップリングの寿命が早まることが抑制される。
また、ピンとカップリングとは、摺動可能な範囲できつく嵌合されているので、ピンとカップリングとの間に回転方向の遊びを無くすことができる。その結果、カップリングと第1回転軸との駆動伝達を良好に行うことができ、回転ムラを抑制することができる。また、ピンとカップリングとは、摺動可能な範囲できつく嵌合されているため、負荷変動が生じることが抑制される。このため、駆動源としてステッピングモータを使用しても、脱調してしまい、回転駆動を制御できなくなるのを抑制することができる。
まず、本実施形態に係る複写機の構成及び動作について説明する。
図1は、本実施形態に係る複写機全体の概略構成図である。複写機本体10の内部には画像形成部100が設けられており、その画像形成部100には像担持体としてのドラム状の感光体11が備わっている。この感光体11の周りには、帯電装置12、現像装置13、転写搬送装置14、クリーニング装置15などが配置されている。また、画像形成部100の上部には、レーザ書込装置16が設けられている。このレーザ書込装置16は、レーザダイオード等からなる光源、ポリゴンミラーからなる走査用の回転多面鏡、ポリゴンモータ、fθレンズ、ミラーなどの図示しない走査光学系を備えている。また、クリーニング装置15の図中左側には、定着装置17が設けられている。この定着装置17は、ヒータを内蔵する定着ローラ18と、その定着ローラ18に対して記録シートを下方から押し当てるための加圧ローラ19とを備えている。
なお、記録シートの両面に画像を形成する場合には、まず、給紙装置23内の記録シートを転写部に送ってその記録シートの片面に画像を転写し、その画像を定着装置17で記録シート上に定着させる。その後、その記録シートを、定着装置17の出口からシート後処理装置31へと延びる排紙路Dの途中から分岐している反転路Eに通し、両面ユニット22へと送る。両面ユニット22へ送られた記録シートは、再給紙路Aを通じて、再び感光体11の下方における転写部へ送られ、上記片面とは反対側の面に画像が転写される。
また、複写機本体10の図中右側面には、ユーザーが手差しした記録シートを上記共通給紙路C内に案内するための手差しトレイ28が開閉自在に設けられている。
また、複写機本体10の複写機本体10の図中右側には、シート搬送装置たる大量給紙装置30が取り付けられている。この大量給紙装置30は、内部に大量の記録シートを積載することが可能で、積載された大量の記録シートを昇降自在に構成されている。この大量給紙装置30の詳細については、後述する。
また、複写機本体10の図中左側には、シート後処理装置31が取り付けられている。このシート後処理装置31は、排紙路Dを通して排出する記録シートを受け入れて、上段の排紙トレイ32上にそのまま排出するか、あるいは、ステイプルや孔開け等の後処理を行って上段の排紙トレイ32又は下段の排紙トレイ33上に排出する。
一方、大量給紙装置30内の記録シートに画像を形成する場合、ユーザーがスタートスイッチを押すと、ピックアップローラ63が回転し、大量給紙装置30内から記録シートが搬送路Fに送り出される。この記録シートは、搬送ローラ35により給紙路Cを通じて、レジストローラ36まで搬送される。以後は、給紙装置23内の記録シートに画像を形成する場合と同じである。
他方、手差しトレイ28に手差しされた記録シートに画像を形成する場合、ユーザーがスタートスイッチを押すと、給紙ローラ38が回転し、手差しトレイ28上から記録シートが給紙路Cに送り出されて、レジストローラ36まで搬送される。以後は、給紙カセット23内の記録シートに画像を形成する場合と同じである。
記録シートの両面に画像を形成する場合には、上述したようにして記録シートの片面にトナー像を定着させた後、その記録シートを排紙路Dの途中から反転路Eに送り込み、両面ユニット22から再給紙路Aを通じて、再び転写部へ送る。そして、同様にして、上記片面とは反対側の面にトナー像を転写して定着し、排紙路Dを通してシート後処理装置31へと送る。
図2は、FRR分離装置90を示す概略斜視図である。
図2に示すように、FRR分離装置90は、大量給紙装置30および給紙装置23内のシート収容部に積載された記録シート束の一番上の記録シートと接触するピックアップローラ63と、ピックアップローラ63によって搬送されてきた記録シートを一枚に分離して搬送するフィードローラ61とリバースローラ62とを備えている。フィードローラ61の回転軸61aは、図示しない駆動モータに接続されている。また、フィードローラ61の回転軸61aには、アーム66が回動自在に取り付けられている。アーム66には、ローラ取り付け部66aとバネ取り付け部66bが設けられている。ローラ取り付け部66aには、アイドラギヤ65及びピックアップローラ63が回転自在に取り付けられている。アイドラギヤ65は、フィードローラ61に設けられたギヤ61b及びピックアップローラ63に設けられたギヤ63aに噛み合っている。これにより、フィードローラ61に設けられたギヤ61からアイドラギヤ65を介して、駆動モータの回転駆動力がピックアップローラ63に伝達され、ピックアップローラ63が回動する。バネ取り付け部66bには、バネ67が取り付けられており、ピックアップローラ63を記録シートと弾性的に接触させて、所定の接触圧が得られるようにしている。また、バネ取り付け部66bには、ピックアップローラ63を記録シートから離間させるための図示しないソレノイドが取り付けられている。そして、後述する所定のタイミングでソレノイドを駆動させて、バネ取り付け部66bを図中下側へ移動させる。すると、アーム66がフィードローラ61の回転軸61aを回転中心とし図中右方向に回転する。その結果、ピックアップローラ63が記録シートから離間する。
図3は、FRR分離装置90の記録シート分離動作を説明する図である。
このFRR分離装置90は、大量給紙装置30および給紙装置23内に積載された記録シートの一番上の記録シートを、ピックアップローラ63の摩擦力によってフィードローラ61へ案内する。これにより、給紙方向Gへ記録シートを送る方向(正方向)に回転するフィードローラ61には、給紙方向Gとは逆方向に所定のトルクがトルクリミッタ70によって付与される。このトルクは、駆動ギヤ62Bと噛み合うようにリバースローラ62の軸に設けた従動ギヤ62Aを介して伝達される。そして、駆動ギヤ62Bと従動ギヤ62Aの間の歯面圧力Iと初期加圧力が、スプリング64の力でフィードローラ61へ圧接したリバースローラ62に加わってリバースローラ62が駆動する。これにより、大量給紙装置30および給紙装置23内の記録シートが1枚ずつ分離搬送される。
装置本体奥側の第2側板84には、ブラケット53と第1駆動モータ51と第2駆動モータ52とを備えた駆動ユニット50が取り付けられている。具体的には、第1駆動モータ51及び第2駆動モータ52がブラケット53に取り付けられており、ブラケット53が装置奥側の第2側板84に取り付けられている。第1駆動モータ51の第1駆動軸51aの先端には、係合ピン51bが固定されている。この係合ピン51bが第1カップリング41に挿入されることで、第1駆動軸51aとフィードバックローラ61の回転軸61aとが連結される。また、第2駆動モータ52の第2駆動軸52aの先端にも、係合ピン52bが固定されており、この係合ピン52bが第2カップリング42内に挿入されることで、第2駆動軸52aリバースローラ62の回転軸62aとが連結される。
本実施形態においては、第1カップリング41と係合ピン51bとで、第1駆動モータ51の回転駆動力をフィードローラ61の回転軸61aに伝達する第1駆動伝達装置が構成されている。また、第2カップリング42と係合ピン52bとで、第2駆動モータ52の回転駆動力をリバースローラ62の回転軸62aに伝達する第2駆動伝達装置が構成されている。
FRR分離装置90の装置奥側の第1側板への位置決め公差、フィードローラ61のフレーム91内での位置決め公差、駆動ユニットの装置奥側の第2側板への位置決め公差などにより、回転軸の軸心と駆動軸の軸心とが大幅に異なる場合がある。従来の駆動伝達装置は、カップリングの回転軸取り付け部の内径と回転軸の直径とを同じにしてガタ無くカップリングを回転軸に取り付けたいた。このため、駆動軸がカップリングの駆動軸側取り付け部の内周面と強く当接し、カップリングの摩耗を早めてカップリングの寿命を早めてしまっていた。特に、FRR分離装置90の場合は、フィードローラの回転軸と、リバースローラの回転軸とが並列に並んで、それぞれの駆動源の回転軸に連結させる。このため、一方の回転軸を位置決めの主基準として、装置に取り付けて、回転軸と駆動軸との位置ズレを抑制したとしても、位置決めの従基準となるもう一方の回転軸が、公差の積み上げの影響を受けて駆動軸との位置ズレが大幅に異なってしまう。その結果、従基準となった方のカップリングが駆動軸と強く当接してしまい早期に摩耗してしまう不具合が生じてしまう。そこで、少なくとも従基準となる回転軸に、以下に説明する駆動伝達装置を用いて、回転軸と駆動軸との位置ズレが大きくても、カップリングが早期に摩耗しないようにしている。以下に、本実施形態の駆動伝達装置について実施例1および実施例2で具体的に説明する。
実施例1の駆動伝達装置40は、第1回転軸たる回転軸61aが挿入される回転軸取り付け部41bと、第2回転軸たる駆動軸51aが挿入される駆動軸取り付け部41aとを有している。回転軸取り付け部41bには、ピン孔たる軸方向に延びる長穴41cが設けられている。また、回転軸61aの先端には、図示しない貫通孔が設けられており、上記カップリング41の長穴41cと回転軸61aの貫通孔とを合わせて、回転軸61aの貫通孔にスプリングピン413が圧入されている。これにより、カップリング41が回転軸61aに軸方向に摺動自在に取り付けられる。また、図8に示すように、スプリングピン413の直径Dに対して、長穴41cの短径Wは、D−0.1≦W≦Dの関係を有しており、カップリング41が軸方向に摺動可能な範囲で、スプリングピン413に対して可及的きつく勘合させている。このように、スプリングピン413に対して摺動可能な範囲で可及的きつくカップリング41を勘合させることで、カップリング41とスプリングピン413との間の回転方向の遊びを無くすことができ、回転ムラや、急激なトルク変動を抑制することができる。
このようにして、カップリング41がスプリングの軸方向の変位と周方向の変位とが周期変動することで、回転中にカップリング41の内周面41eが駆動軸51aと強く当接することが抑制され、カップリング41の内周面41eが早期に摩耗してしまうことを抑制することができる。
以上、本実施形態の駆動伝達装置によれば、第1回転軸の軸中心と、第2回転軸の軸中心とが大きくずれて、第2回転軸がカップリングの内周面に当接すると、第1回転軸の軸中心と、第2回転軸の軸中心とのズレ方向に第2回転軸がカップリングを押し込む。すると、カップリングがスプリングピンと摺動してスプリングピンの軸方向に移動し、第2回転軸がカップリングを押し込む力のうちスプリングピンの軸方向成分を吸収する。また、これと同時にカップリングがスプリングピンを回転の中心としてスプリングピンの周方向に回転して、第2回転軸がカップリングを押し込む力のうちスプリングピンに対して垂直方向成分を吸収する。これにより、第2回転軸とカップリングの内周面とが強く当接するのが抑制される。その結果、カップリングの内周面が早期に摩耗して、カップリングの寿命が早まることが抑制される。
また、スプリングピンとカップリングとは、摺動可能な範囲できつく嵌合されているので、ピンとカップリングとの間に回転方向の遊びを無くすことができる。その結果、カップリングと第1回転軸との駆動伝達を良好に行うことができ、回転ムラを抑制することができる。
(2)
また、上記スプリングピンの直径をD、ピン孔の径方向の長さをWとしたとき、D−0.1≦W≦Dとしている。これにより、スプリングピンとカップリングとが、摺動可能な範囲できつく嵌合される。
(3)
また、駆動軸の先端部に駆動軸軸を貫通する係合ピンを設け、上記カップリングの駆動軸取り付け部の内面に係合ピンと係合する係合溝を設け、係合ピンが係合溝と係合することで、一方の回転軸の回転駆動力を他方の回転軸へ伝達するように構成している。これにより、駆動軸を相対的に軸方向に移動させるだけで、係合ピンと係合溝と係合し、苦動軸と回転軸との連結を行うことができる。
(4)
また、駆動軸を相対的に軸方向に移動させて係合ピンを駆動軸取り付け部の内面の係合溝に係合させとき、係合ピンの位置と係合溝の位置とが異なっていると、係合ピンがカップリングの駆動軸側側面と当接する場合がある。このとき、さらに駆動軸をカップリング側へ相対的に移動させると、軸が変形してしまうなどの不具合が生じる。本実施形態においては、ピン孔を軸方向に延びる長穴として、カップリングを軸方向に移動可能とし、カップリングを駆動軸側へ付勢部材たるスプリングで付勢させている。よって、係合ピンがカップリングの駆動軸側側面と当接した状態で、さらに駆動軸をカップリング側へ相対的に移動させても、カップリングが移動して、駆動軸の押し込み力を吸収する。これにより、軸が変形してしまうなどの不具合を抑制できる。また、装着位置まで駆動軸を移動させたら、駆動軸をカップリングに対して相対的に回転させる。駆動軸とカップリングとは、強く接触してないので、駆動軸を容易に相対的に回転させることができる。駆動軸をカップリングに対して相対的に回転させると、駆動軸の係合ピンが係合溝の位置まで移動する。すると、駆動軸のカップリングを押し込んでいた力が解除され、カップリングが駆動軸側へ移動する。その結果、係合ピンが係合溝に係合し、駆動軸と回転軸とが連結される。このように、係合溝と係合ピンとを係合させるときに、係合ピンの位置と係合溝の位置とが異なっていても、駆動軸を連結位置まで軸方向に相対的に移動させて、駆動軸を相対的に回転させれば、自動的に係合溝と係合ピンとを係合とが係合し駆動軸と回転軸との連結がなされる。よって、駆動軸と回転軸との連結を容易に行うことができる。
(5)
また、回転軸と駆動軸との連結が外され、再び連結された動作が行われたと想定されるとき、駆動軸を相対的に所定角度回転させる。具体的には、装置のOFF状態からON状態に切り替わったときに、駆動軸を相対的に所定角度回転させる。装置のOFF状態のときは、装置のメンテナンスが行われて、回転軸と駆動軸との連結が外されて、再び連結動作が行われて、装置のスイッチがONにされた場合がある。このような場合は、駆動軸を相対的に所定角度回転させて、駆動軸と従動軸との連結を行う。これにより、サービスマンが装置のメンテナンスを行うために、駆動軸と回転軸の連結外して、再び、駆動軸と回転軸とを連結させる際は、駆動軸を連結位置まで軸方向に相対的に移動させるだけで、駆動軸を相対的に回転させなくても、駆動軸と回転軸との連結を行うことができる。その結果、駆動軸と回転軸との連結をさらに容易に行うことができる。
(6)
また、本実施形態においては、スプリングピンと長穴とを摺動可能な範囲で可及的にきつく嵌合させているため、カップリングがスプリングの付勢力で駆動軸側へ移動する際、スプリングピンが摺動抵抗となって素早く元の位置の戻ることができない。このため、駆動軸の回転速度が速いと、係合ピンが係合溝に係合せずに、係合溝よりも回転方向側にある駆動軸側側面に乗り上げてしまい、駆動軸と回転軸との連結がなされない場合がある。しかし、本実施形態においては、カップリングの駆動軸側側面の係合溝から回転方向逆側を、少なくとも係合ピンの半径よりも第1回転軸側に凹んだ段部としている。これにより、係合ピンを係合溝に係合させるために、駆動軸をカップリングに対して相対的に回転させると、係合ピンが段部に落ち込む。そして、さらに駆動軸をカップリングに対して相対的に回転させると、係合ピンが係合溝の回転方向側の側面と突き当たる。これにより、カップリングが駆動軸側へ移動しなくても、係合ピンと係合溝との係合を行うことができる。また、段部の凹みは、係合ピンの半径以上としているので、係合ピンが係合溝の回転方向側の側面を乗り越えてしまうのを抑制し、確実に係合ピンが係合溝の回転方向側の側面と突き当たらせることができる。さらに、段部の係合溝からの形成範囲を120°以下としているので、係合溝の回転方向側の側面の強度を保つことができ、係合ピンが係合溝の回転方向側の側面と突き当たっても、係合溝の回転方向側の側面が変形したり破損したりすることが抑制される。
(7)
また、スプリングピンの割り部を、駆動軸側へ向かせて、割り部を長穴の側面と当接しない位置に設ける。これにより、長穴の側面が割り部によって削られることが抑制される。よって、長穴の側面が割り部によって削られて、長穴の短手方向の長さがスプリングピンの直径よりも大きくなってしまうことが抑制される。その結果、経時にわたり、回転ムラが生じるのを抑制することができる。
(8)
また、係合ピンが係合溝に係合したとき、回転軸と直交する仮想平面上でスプリングピンと係合ピンとのなす角度が90°となっている。係合ピンとスプリングとが平行となるように、係合ピンがカップリングの係合溝に係合している場合は、カップリングのスプリングピンの軸方向の移動は、カップリング全体が姿勢を変えずにスプリングピンに摺動するように移動する。しかし、係合ピンが係合溝に係合したとき、回転軸と直交する仮想平面上でスプリングピンと係合ピンとのなす角度が90°となっている場合、カップリングのスプリングピンの軸方向の移動が、係合ピンを中心とした回転運動にすることができる。カップリングのスプリングピンの軸方向の移動を、係合ピンを中心とした回転運動にすることができるため、カップリング全体が姿勢を変えずにスプリングピンに摺動するように平行移動する場合に比べて、位置ズレをスムーズに吸収することができる。
(9)
また、カップリングを摺動性の高い材質で構成することで、スプリングピンとカップリングとの摺動性を良好にすることができる。よって、カップリングのスプリングピンの軸方向の移動、スプリングピンの周方向への移動、軸方向の移動が良好に行うことができる。
(10)
また、フィードローラを回転駆動させる第1駆動源と、該リバースローラを回転駆動させる第2駆動源とを備え、該第1駆動源の回転駆動力を該フィードローラへ伝達する駆動伝達装置及び第2駆動源の回転駆動力をリバースローラへ伝達する駆動伝達装置のうち少なくともひとつの駆動伝達装置を、上記(1)〜(9)いずれかの駆動伝達装置としている。これにより、回転軸の軸中心と駆動軸の軸中心とが大幅に異なっても、カップリングの寿命が早まることがなく、また回転ムラが生じることがない。よって、良好に用紙を一枚に分離して、搬送することができる。
(11)
また、上記フィードローラおよび上記リバースローラを、フレームに一体的に装着し装置本体に対して着脱可能とした給紙ユニットたるFRR分離装置としている。これにより、FRR分離装置のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
(12)
また、駆動ユニットおよび上記FRR分離装置のうち、メンテナンス等により、装置本体から着脱される回数の多い方のユニットの軸に、上記カップリングを取り付けている。これにより、装置本体から着脱される回数の少ない方のユニットの軸にカップリングを取り付けた場合に比べて、装置着脱時にカップリングの劣化状態が確認される回数を増やすことができる。その結果、装置本体から着脱される回数の少ない方のユニットの軸にカップリングを取り付けた場合に比べて、適正な時期にカップリングの交換を行うことができる。
(13)
また、本実施形態の画像形成装置は、上記(10)〜(12)いずれかの給紙装置を備えているので、用紙搬送性能が長期に渡り維持することのできる画像形成装置を提供することができる。
23 給紙装置
27 原稿自動搬送装置
30 大量給紙装置
36 レジストローラ
41 カップリング
50 駆動ユニット
51 第1駆動モータ
52 第2駆動モータ
61 フィードローラ
62 リバースローラ
63 ピックアップローラ
90 FRR分離装置
91 フレーム
412 スプリング
Claims (13)
- 第1回転軸と第2回転軸との間にあり、該2つの軸端部を内包して軸同士を連結し、一方の回転軸の回転駆動力を他方の回転軸へ伝達するカップリングを備えた駆動伝達装置において、
該カップリングにピン孔を設け、該第1回転軸の軸端部に貫通孔を設け、該ピン孔と該貫通孔にピンを貫通させて該第1回転軸に該カップリングを取り付けたものであって、該ピン孔を、該ピンと摺動可能に嵌合し、かつ、該カップリングの該第1回転軸が内包される部分の内径を、該第1回転軸の直径よりも大きくしたことを特徴とする駆動伝達装置。 - 請求項1の駆動伝達装置において、
上記ピンの直径をD、上記ピン孔の径方向の長さをWとしたとき、
D−0.1≦W≦D
であることを特徴とする駆動伝達装置。 - 請求項1または2の駆動伝達装置において、
上記第2回転軸の先端部に第2回転軸を貫通する係合ピンを設け、上記カップリングの内周面に該係合ピンと係合する係合溝を設け、該係合ピンと該係合溝とが係合することで、一方の回転軸の回転駆動力を他方の回転軸へ伝達することを特徴とする駆動伝達装置。 - 請求項3の駆動伝達装置において、
上記ピン孔は、軸方向に延びる長穴であって、該カップリングを第2回転軸側へ付勢する付勢部材を設けたことを特徴とする駆動伝達装置 - 請求項4の駆動伝達装置において、
上記第1回転軸と上記第2回転軸との連結が外れ、再び連結されたと想定される動作が行われたとき、上記第2回転軸を該第1回転軸に対して相対的に所定角度回転させることを特徴とする駆動伝達装置。 - 請求項4または5の駆動伝達装置において、
上記カップリングの第1回転軸側側面の係合溝から回転方向逆側を、少なくとも係合ピンの半径よりも第1回転軸側に凹んだ段部とし、該段部の係合溝からの形成範囲が120°以下であることを特徴とする駆動伝達装置。 - 請求項3乃至6いずれかの駆動伝達装置において、
上記ピンは、割り部が有るスプリングピンであり、該スプリングピンの割り部が、第2回転軸側へ向いていることを特徴とする駆動伝達装置。 - 請求項3乃至7いずれかの駆動伝達装置において、
上記係合ピンが上記係合溝に係合したとき、上記第1回転軸と直交する仮想平面上で上記ピンと該係合ピンとのなす角度が90°であることを特徴とする駆動伝達装置。 - 請求項1乃至8いずれかの駆動伝達装置において、
上記カップリングを摺動性の高い材質で構成したことを特徴とする駆動伝達装置。 - 記録シート収容部から繰り出された記録シートを、フィードローラとリバースローラとによって一枚に分離して搬送するシート搬送装置において、
該フィードローラを回転駆動させる第1駆動源と、該リバースローラを回転駆動させる第2駆動源とを備え、該第1駆動源の回転駆動力を該フィードローラへ伝達する駆動伝達装置及び該第2駆動源の回転駆動力を該リバースローラへ伝達する駆動伝達装置のうち少なくともひとつの駆動伝達装置を、請求項1乃至9いずれかの駆動伝達装置としたことを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項10のシート搬送装置において、
上記フィードローラおよび上記リバースローラを、フレームに一体的に装着し装置本体に対して着脱可能とした給紙ユニットとしたことを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項11のシート搬送装置において、
上記フィードローラを回転駆動させる第1駆動源と、上記リバースローラを回転駆動させる第2駆動源とをフレームに一体的に装着し装置本体に対して着脱可能とした駆動ユニットとし、該駆動ユニットと上記給紙ユニットのうち、装置本体から着脱される回数の多い方のユニットの軸に、上記カップリングを取り付けたことを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項10乃至12いずれかのシート搬送装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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