JP2007039945A - マンホール管及びマンホール管の埋設構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 地盤が液状化するほどの強い地震発生時にマンホール管が高圧地下水で浮き上げられる現象が発生しているが、従来では、簡単で且つ有効なマンホール管浮き上がり防止技術がなかった。
【解決手段】 地表面から下向き姿勢で埋設されるマンホール管において、マンホール管筒体部11の外周面に、上下方向に連続する水案内用の凹溝16を周方向に間隔をもって多数本形成していることにより、地盤が液状化するほどの強い地震時に発生する高圧地下水を、マンホール管筒体部外周面の各凹溝16を通してマンホール管浮き上げ力のかからない場所に速やかに逃がすことができるようにしている。
【選択図】 図1
【解決手段】 地表面から下向き姿勢で埋設されるマンホール管において、マンホール管筒体部11の外周面に、上下方向に連続する水案内用の凹溝16を周方向に間隔をもって多数本形成していることにより、地盤が液状化するほどの強い地震時に発生する高圧地下水を、マンホール管筒体部外周面の各凹溝16を通してマンホール管浮き上げ力のかからない場所に速やかに逃がすことができるようにしている。
【選択図】 図1
Description
本願発明は、下水道のような地下水路の保守・点検用に埋設されるマンホール管及びマンホール管の埋設構造に関し、特に強い地震発生時の地盤液状化によるマンホール管の浮き上がりを防止するためのものである。
図14(A)には、下水等の水路における一般的なマンホール管の埋設構造を示しているが、この図14(A)のマンホール管埋設構造は、有底筒形のマンホール管Cを地表面から下向き姿勢で地中に埋設し、該マンホール管Cの底部付近に複数本の水路管4,5を接続して構成されている。
この種のマンホール管Cは、一般にプレキャストコンクリート製のものが多い。又、マンホール管Cは、かなりの内径(例えば90〜150cm)及び深さ(例えば2〜8m)を有している。尚、この種のマンホール管Cは、比較的小型のものでは底板部12Cと筒体部11Cとを一体成形したものもあるが、一般的には底板部12Cと筒体部11Cを別体に成形し且つ筒体部11Cも上下複数個に分割成形して、設置現場で順次組立てる場合が多い(この種のものを一般的に組立てマンホールと呼んでいる)。
図14(A)のマンホール管埋設構造では、マンホール管Cの埋設位置の地盤土壌8を所定内径で所定深さまで掘削して縦坑を形成し、その縦坑内にマンホール管Cを設置し、マンホール管底部付近に水路管4,5を接続し、縦坑内の余剰空所に土壌を埋め戻し(埋め戻し土壌9)、マンホール管周囲の地盤土壌上に舗装10を施して完成させる。マンホール管Cの上部開口には、蓋13が被される。
この種の水路工事(例えば下水工事)は、一般に平坦な現場で多く行われているが、平坦な地盤では、地下水位の深さ(図14(A)の符号L)が比較的浅い位置にあることがある(特に、海を埋め立てた造成地では、地表面から1m程度の深さに地下水位Lがあることがある)。
そして、強い地震が発生したときには、地下水位Lの深さが浅いと地盤の液状化が起こり易くなる(特に砂質地盤の場合は液状化現象が強く現れる)。尚、地盤の液状化現象は、地震により地盤が強く振動したときに、地下水の間隙水圧が高くなって土粒子が水中に浮かんだ状態になることで起こるものである。
ところで、図14(A)に示すマンホール管埋設状態において、マンホール管Cの周囲の地盤8が地震により液状化すると、マンホール管Cに対する保持力(摩擦力)が小さくなるとともに、マンホール管内部が空洞であるのでマンホール管Cの比重が周囲の液状化地盤の比重より軽くなって、マンホール管Cに浮力が発生する。他方、地下水の間隙水圧が高くなって地盤8が液状化すると、図14(B)に示すようにマンホール管Cの周囲に噴砂現象(符号Dの矢印)が発生し、その噴砂現象によるマンホール管押し上げ力が加わる。従って、マンホール管埋設場所で地盤の液状化が起こると、図14(B)に示すように、マンホール管Cが浮き上がるという被害が発生することがある。尚、マンホール管Cが浮き上がると、図14(B)に示すように水路管4,5の接続部分が破断してしまい、大掛かりな補修作業が必要となる。
このような地盤液状化によるマンホール管の浮き上がりを防止するための公知技術として、特開平8−165666号公報(特許文献1)に示されるものがある。この特開平8−165666号公報のマンホール管埋設構造は、図15に示すように地中に埋設したマンホール管Cの筒体部11Cの外周面と地盤土壌8との間に礫材層からなる透水経路41を設ける一方、該透水経路41の上端部を透水性舗装42で被覆して構成されている。尚、透水経路(礫材層)41には、一般に粒径が30〜50mm程度の砕石が用いられているが、各砕石間に多数の小空間部があって該各小空間部が蛇行しながら連続している。又、透水性舗装42部分は、比較的小粒径の多数の骨材を結着させたもので、各骨材間の小空間部が蛇行状態で連続している。
そして、特開平8−165666号公報のマンホール管埋設構造では、地震時に発生した地盤8中の過剰間隙水を、礫材層からなる透水経路41内を通し、さらに透水性舗装42部分を通して地表面に逃がすことができ、それによってマンホール管埋設付近の地盤の液状化を緩和してマンホール管の浮き上がりを防止し得る、とされている。
ところで、地盤を液状化させるほどの強い地震が発生したときに、地下水の間隙水圧が地盤の液状化を起こさせるまで高圧になるのはごく短時間(数秒程度)であり、その後、強振動が数10秒間継続することで、地盤中の地下水が過剰間隙水圧となって地盤液状化による大きな被害が発生することになる。そして、強い地震の発生時に、マンホール管周囲の地盤の液状化を防ぐには、どれだけ短時間で地下水の過剰間隙水圧を低下させるか(又は地下水が地盤液状化を起こす高圧まで上昇させないか)にかかっている。
ところが、上記した特許文献1(図15)のマンホール管埋設構造では、地震により間隙水圧が高くなった地下水を透水経路(礫材層)41及び透水性舗装42を通して地表面に逃がすことができると記載されているが、透水経路中及び透水性舗装中の各空間部は非常に短い間隔で蛇行していて、高圧の地下水が透水経路41部分や透水性舗装42部分を通過するときに何度も砕石や骨材に衝突するようになる。従って、高圧地下水が透水経路41中及び透水性舗装42中を通るのにかなり大きな流通抵抗があり、該透水経路41及び透水性舗装42を通って地下水圧力が減圧されるスピードより地盤の強振動継続による地下水の間隙水圧の上昇スピードが早くなることが考えられる。
このように、上記特許文献1のマンホール管埋設構造では、強い地震が発生時に、高圧になった地下水の一部を地表面に逃がすことで若干の地下水減圧効果が期待できるものの、地下水の液状化防止対策(マンホール管の浮き上がり防止対策)としては不十分であった。
そこで、本願発明は、地盤が液状化するほどの強い地震が発生したときでも、マンホール管近傍で発生する地下水の間隙水圧を効率よく低下させ得るようにした、マンホール管及びその埋設構造を提供することを目的としている。
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。
本願請求項1の発明
本願請求項1の発明は、地表面から下向き姿勢で埋設されるマンホール管を対象にしている。
本願請求項1の発明は、地表面から下向き姿勢で埋設されるマンホール管を対象にしている。
この種のマンホール管は、一般にプレキャストコンクリート製のものが多いが、合成樹脂製のものもある。又、マンホール管は、有底筒状でかなりの内径(例えば90〜150cm)及び深さ(例えば2〜8m)を有している。尚、マンホール管は、一般に円筒形のものが多いが、楕円筒形や角筒形のものもある。マンホール管の底部付近には、各水路管の端部を接続するための複数個の接続穴が形成される。
そして、本願請求項1のマンホール管には、マンホール管本体の筒体部の外周面に、上下方向に連続する水案内用の凹溝を周方向に間隔をもって多数本形成している。
各凹溝は、この請求項1では、マンホール管本体の筒体部外周面に直接成形している。尚、マンホール管を上下複数個に分割成形したものでは、各凹溝を各分割成形品の外周面にそれぞれ同形同間隔で形成しておき、各分割成形品を合体させたときに各分割成形品の各凹溝が上下に連続するようにする。
各凹溝は、例えば、幅が10〜30mm、深さが10〜20mm程度で、周方向に50〜200mm間隔をもって筒体部外周面の全周に形成されている。尚、この各凹溝は、それぞれマンホール管本体の全長(又はほぼ全長)に亘って上下直線状態で連続している。
又、この請求項1のマンホール管では、各凹溝の上部寄り位置に、筒体部を貫通してマンホール管の内部空所に達する水抜穴をそれぞれ形成してもよい。この各水抜穴は、後述の請求項4のマンホール管埋設構造に適用するものである。尚、この水抜穴を形成する場合は、該水抜穴を筒体部の内面に向けて上向き傾斜状態にするとよい。
本願請求項1のマンホール管は、後述する請求項3又は請求項4のようにして地下に埋設される。そして、マンホール管埋設状態では、筒体部外周面の各凹溝が上下向きの水案内通路となり、強い地震発生時にマンホール管の周囲で発生した高圧地下水(過剰間隙水)を各凹溝を通して上昇させることができる。その場合、各凹溝が上下方向に連続しているので、該各凹溝内に侵入した水がほとんど抵抗なく押し上げられる。
本願請求項2の発明
本願請求項2の発明も、地表面から下向き姿勢で埋設されるマンホール管を対象にしている。
本願請求項2の発明も、地表面から下向き姿勢で埋設されるマンホール管を対象にしている。
そして、この請求項2のマンホール管は、既製のマンホール管の筒体部の外周面を、外面側に上下方向に連続する水案内用の凹溝を周方向に間隔をもって多数本設けた溝付部材で被覆して構成している。
この請求項2では、マンホール管本体として既製のマンホール管を使用しているが、既製のマンホール管の筒体部外周面は、凹凸のない平滑面となっている。このように、筒体部外周面が平滑面であると、マンホール管の製造が簡単となる。
溝付部材は、耐腐食性があり、経年変化しない材料製(例えば合成樹脂製)のものがよい。又、この溝付部材としては、全周を複数個に分割(例えば全周を2〜4分割)した分割成形品を使用してもよいし、可撓性のある波板状のものを使用してもよい。
溝付部材が分割成形品である場合には、その内面が使用される既製マンホール管の外周面と同形状の曲面となり、外面側に上下向き凹溝を円弧方向に間隔をもって複数本形成したものが使用される。尚、この場合、分割成形品に形成される各凹溝の大きさ(幅及び深さ)及び間隔は、上記請求項1のものと同じにしたものでよい。そして、各分割成形品(分割溝付部材)は、それぞれ既製マンホール管の筒体部外周面に接着剤で接着して、既製マンホール管の筒体部外周面の全周を溝付部材で被覆したマンホール管を形成する。この場合は、既製マンホール管(筒体部)と溝付部材に連続して水路管接続用の穴が形成される。又、各凹溝の上部寄り位置に水抜穴を形成する場合は、溝付部材及び既製マンホール管の筒体部を貫通して形成する。尚、この各水抜穴は、後述の請求項4のマンホール管埋設構造に適用するものである。
溝付部材が可撓性のある波板状のものでは、波形状方向に多数の凹凸部があり、外面側の各凹部が本願の凹溝となる。そして、この波板状の溝付部材を使用した場合には、波板形状が周方向に向く姿勢(各凹溝が上下向きになる)で該波板状溝付部材を既製マンホール管の筒体部外周面の全周に巻付けて、外周面に多数の波形凹溝付きのマンホール管を構成する。この場合、波板の内面を既製マンホール管の筒体部外周面に接着剤で接着させるとよい。
この請求項2のマンホール管も、後述する請求項3(各凹溝の上部寄り位置に水抜穴を形成したものでは請求項4も可能)のようにして地下に埋設される。そして、この請求項2のマンホール管でも、マンホール管埋設状態において、マンホール管外周面の各凹溝が上下向きの水案内通路となり、強い地震発生時にマンホール管の周囲で発生した高圧地下水を各凹溝を通してスムーズに上昇させることができる。
本願請求項3の発明
本願請求項3の発明は、上記請求項1又は請求項2のマンホール管の埋設構造を対象にしている。
本願請求項3の発明は、上記請求項1又は請求項2のマンホール管の埋設構造を対象にしている。
そして、この請求項3のマンホール管埋設構造では、マンホール管として外周面に上下方向に向く水案内用の凹溝を周方向に多数本形成したものを使用している一方、該マンホール管をその外周面と地盤土壌との間に透水材を設けた状態で埋設しているとともに、マンホール管の上部寄り外周部に各凹溝の上部寄り位置から放出される水を吸収し得る礫材層からなる水吸収部を設けている。尚、埋設されたマンホール管の底部寄りには、流入側水路管と流出側水路管が接続されている。
マンホール管外周面と地盤土壌との間に設ける透水材は、各凹溝内への水の流入を許容し且つ該各凹溝内への土砂の侵入を阻止(凹溝内の目詰まりを防止する)し得る機能をもつものである。この透水材としては、礫材層(一般に粒径が30〜50mm程度の砕石が使用される)や透水シート(例えば不織布)や透水マット(細径の合成樹脂線材を立体網状に絡めて適宜厚さの面状マットにしたもの)等が使用可能である。透水材が礫材層の場合は、マンホール管外周面とその周囲の土壌との間に全周に亘って所定幅(例えば15〜30cmの幅)だけ礫材(砕石)を充填する。この礫材層は、各礫材間に多数の小空間部があって、各凹溝内への地下水の流入を許容する一方、各凹溝内への土砂の侵入を阻止する機能を有している。透水材が透水シートの場合は、該透水シートをマンホール管外周面に貼着して各凹溝を被覆する。又、透水材が透水マットの場合は、該透水マットをマンホール管外周面に巻付けて各凹溝を被覆する。このように、透水材が透水シートや透水マットの場合にも、それらが、各凹溝内への地下水の流入を許容する一方、各凹溝内への土砂の侵入を阻止する機能を有する。
マンホール管の上部寄り外周部に設けた水吸収部は、舗装面の下面において礫材層を所定厚さ(例えば20〜40cm厚さ)で半径方向に所定幅(例えば100〜150cm幅)の環状に敷設したものである。この礫材層は、粒径が30〜50mm程度の礫材(一般に砕石が使用される)を充填したもので、各礫材間に多数の小空間部がある。従って、この礫材層からなる水吸収部には、各礫材間の多数の小空間部に一時的ではあるが多量の水を吸収することができるものである。この礫材層の内端部は各凹溝の上部寄り部分に連続しており、各凹溝を通って上昇した地下水を速やかに礫材層内に吸収し得るようになっている。尚、この水吸収部となる礫材層は、地表近くにあるので通常時には地下水が溜まらない高さであり(各礫材間の小空間部には空気が入っている)、従って地下水が各凹溝を通って上昇すると該水吸収部(礫材層)に水が容易に(速やかに)侵入するようになる。
この請求項3のマンホール管埋設構造では、マンホール管外周面と地盤土壌との間に透水材(礫材層、透水シート、透水マット等)を設けているので、地下水が透水材を通ってマンホール管外周面の各凹溝内に侵入するようになっている。又、透水材は、地盤土壌(土砂)が各凹溝内に侵入するのを阻止する機能があり、各凹溝内が土砂で目詰まりしないようになっている。
又、強い地震が発生してマンホール管周囲の地下水が過剰水圧になると、マンホール管外周面にある各凹溝内が低圧であるので、過剰水圧の地下水が透水材(礫材層、透水シート、透水マット等)を通って各凹溝内に侵入し、続いて各凹溝内を上昇した後、各凹溝の上部寄り位置から水吸収部(礫材層)中に侵入するようになる。又、各凹溝は上下向き姿勢で空洞となっているので、各凹溝中を上昇する水の流通抵抗がほとんどなく、地盤中で発生した高圧地下水を順次速やかに水吸収部に吸収させることができる。
従って、この請求項3のマンホール管埋設構造では、液状化が起こり易い地盤で強い地震が発生したときでも、地盤の液状化を抑制できるとともに、マンホール管の浮き上がりを防止できる構造となっている。
本願請求項4の発明
本願請求項4の発明も、マンホール管の埋設構造を対象にしている。
本願請求項4の発明も、マンホール管の埋設構造を対象にしている。
この請求項4のマンホール管埋設構造では、マンホール管として、外周面に上下方向に連続する水案内用の凹溝を周方向に間隔をもって多数本形成し、且つ該各凹溝の上部寄り位置に各凹溝内を上昇してくる水をマンホール管筒体部を貫通してマンホール管の内部空所に導く水抜穴をそれぞれ形成したものを使用している。尚、各水抜穴は、マンホール管筒体部の内面に向けて上向き傾斜状態で形成するとよい。
そして、この請求項4のマンホール管埋設構造では、上記構成のマンホール管を、その外周面と地盤土壌との間に、各凹溝内への水の流入を許容し且つ該各凹溝内への土砂の侵入を阻止し得る透水材を設けた状態で埋設している。
この請求項4のマンホール管埋設構造において、マンホール管外周面と地盤土壌との間に設けられる透水材は、上記請求項3で使用した透水材と同じもの(礫材層、透水シート、透水マット等)を使用できる。
この請求項4のマンホール管埋設構造では、上記請求項3のものと同様に、マンホール管外周面と地盤土壌との間に透水材(礫材層、透水シート、透水マット等)を設けているので、地下水が透水材を通ってマンホール管外周面の各凹溝内に侵入するようになっている。又、透水材は、地盤土壌(土砂)が各凹溝内に侵入するのを阻止する機能があり、各凹溝内が土砂で目詰まりしないようになっている。
又、強い地震が発生してマンホール管周囲の地下水が過剰水圧になると、マンホール管外周面にある各凹溝内が低圧であるので、過剰水圧の地下水が透水材を通って各凹溝内に侵入し、続いて各凹溝内を上昇した後、各凹溝の上部寄り位置にある各水抜穴を通ってマンホール管の内部空所に流入するようになる。又、各凹溝は上下向き姿勢で空洞となっているので、各凹溝中を上昇する水の流通抵抗がほとんどなく、地盤中で発生した過剰圧力水を順次速やかにマンホール管の内部空所に流入させることができる。
従って、この請求項4のマンホール管埋設構造では、液状化が起こり易い地盤で強い地震が発生したときでも、地盤の液状化を抑制できるとともに、マンホール管の浮き上がりを防止できる構造となっている。
尚、この請求項4のマンホール管埋設構造において、強い地震発生時に各凹溝内を上昇する水を各凹溝から排出させるのに、上記請求項3で採用した水吸収部(マンホール管上部寄り外周部に設けた礫材層)を併用してもよい。このように、各凹溝中を上昇する水を、各水抜穴からマンホール管の内部空所に流入させるとともに、マンホール管上部寄り外周部の水吸収部(礫材層)に吸収させるようにすると、凹溝中を上昇する水の排出効率が一層良好となる。
本願請求項1の発明の効果
本願請求項1のマンホール管は、マンホール管本体の筒体部の外周面に上下方向に連続する水案内用の凹溝を周方向に間隔をもって多数本形成している。
本願請求項1のマンホール管は、マンホール管本体の筒体部の外周面に上下方向に連続する水案内用の凹溝を周方向に間隔をもって多数本形成している。
従って、この請求項1のマンホール管を使用する(地下に埋設する)と、強い地震発生時に起きる地下水の高圧化(過剰間隙水圧)に対して、マンホール管外周面の各凹溝が高圧地下水の逃がし通路となり、地盤の液状化を抑制し得るという効果がある。
又、マンホール管外周面の各凹溝は、上下方向に連続する状態で形成しているので、各凹溝内にを上動する高圧地下水の流通抵抗が小さくなり、該高圧地下水を速やかに排出し得るという効果もある。
本願請求項2の発明の効果
本願請求項2のマンホール管は、既製のマンホール管の筒体部の外周面を、外面側に上下方向に連続する水案内用の凹溝を周方向に間隔をもって多数本設けた溝付部材で被覆して構成している。
本願請求項2のマンホール管は、既製のマンホール管の筒体部の外周面を、外面側に上下方向に連続する水案内用の凹溝を周方向に間隔をもって多数本設けた溝付部材で被覆して構成している。
従って、この請求項2のマンホール管でも、使用状態(埋設状態)で、強い地震により地下水が高圧化したときに、各凹溝によって上記請求項1と同様の効果を得ることができる。即ち、各凹溝が高圧地下水の逃がし通路となり、地盤の液状化を抑制し得るという効果がある。
又、この請求項2のマンホール管は、既製のマンホール管の筒体部外周面を別部材からなる溝付部材で被覆して構成しているので、既製マンホール管を利用して外周面に凹溝付きのマンホール管を製作できるという効果がある。
本願請求項3の発明の効果
本願請求項3のマンホール管埋設構造は、マンホール管として外周面に上下方向に向く水案内用の凹溝を周方向に多数本形成したものを使用している一方、該マンホール管をその外周面と地盤土壌との間に透水材を設けた状態で埋設しているとともに、マンホール管の上部寄り外周部に各凹溝の上部寄り位置から放出される水を吸収し得る礫材層からなる水吸収部を設けて構成している。
本願請求項3のマンホール管埋設構造は、マンホール管として外周面に上下方向に向く水案内用の凹溝を周方向に多数本形成したものを使用している一方、該マンホール管をその外周面と地盤土壌との間に透水材を設けた状態で埋設しているとともに、マンホール管の上部寄り外周部に各凹溝の上部寄り位置から放出される水を吸収し得る礫材層からなる水吸収部を設けて構成している。
この請求項3のマンホール管埋設構造では、強い地震発生時における高圧地下水を、各凹溝を通して上昇させた後、その上部寄り位置から水吸収部内に吸収させ得るようになっているので、上記請求項1に記載した効果(地盤の液状化を抑制できるという効果)を達成し得る。
又、マンホール管外周面と地盤土壌との間の透水材により、マンホール管外周面の各凹溝内が地盤土壌(土砂)で目詰まりすることがないので、該各凹溝を強い地震発生時における高圧地下水の逃がし通路として長期に亘って利用できるという効果がある。
本願請求項4の発明の効果
本願請求項4のマンホール管埋設構造では、マンホール管として外周面に上下方向に連続する水案内用の凹溝を周方向に間隔をもって多数本形成し、且つ該各凹溝の上部寄り位置に各凹溝内を上昇してくる水をマンホール管筒体部を貫通してマンホール管の内部空所に導く水抜穴をそれぞれ形成したものを使用し、このマンホール管を、その外周面と地盤土壌との間に各凹溝内への水の流入を許容し且つ該各凹溝内への土砂の侵入を阻止し得る透水材を設けた状態で埋設して構成している。
本願請求項4のマンホール管埋設構造では、マンホール管として外周面に上下方向に連続する水案内用の凹溝を周方向に間隔をもって多数本形成し、且つ該各凹溝の上部寄り位置に各凹溝内を上昇してくる水をマンホール管筒体部を貫通してマンホール管の内部空所に導く水抜穴をそれぞれ形成したものを使用し、このマンホール管を、その外周面と地盤土壌との間に各凹溝内への水の流入を許容し且つ該各凹溝内への土砂の侵入を阻止し得る透水材を設けた状態で埋設して構成している。
そして、この請求項4のマンホール管埋設構造では、強い地震発生時における高圧地下水が、マンホール管外周面の各凹溝内を通って上昇し、さらに各凹溝の上部寄り位置から水抜穴を通ってマンホール管の内部空所に放出されるようになっている。
従って、この請求項4のマンホール管埋設構造でも、上記請求項3の効果(地盤の液状化を抑制できるという効果)を達成し得る。
図1〜図13を参照して本願のいくつかの実施例を説明する。図1には第1実施例のマンホール管を示し、図2〜図3には図1のマンホール管の埋設構造を示している。図4には図1のマンホール管の変形使用例を示し、図5〜図6には図4のマンホール管の埋設構造を示している。図7には第2実施例のマンホール管を示し、図8〜図10には図7のマンホール管の埋設構造を示している。図11及び図12には第3実施例のマンホール管を示し、図13には第4実施例のマンホール管を示している。
図1に示す第1実施例のマンホール管は、プレキャストコンクリート製で、筒体部11の底部に底板部12を有する有底円筒状のマンホール管本体1を使用している。尚、一般的なマンホール管は、内径が90〜150cmで深さが2〜8m程度の大きさで、底板部12と筒体部11を別体に成形し且つ筒体部11も上下複数個に分割成形して、設置現場で順次組立てるものが多いが、図示例では、マンホール管本体1として、筒体部11と底板部12とを一体にし且つ筒体部11も一体にした状態で表示している。
図1のマンホール管には、筒体部11の外周面に、上下方向に連続する水案内用の凹溝16を周方向に間隔をもって多数本形成している。この各凹溝16,16・・は、それぞれマンホール管本体1の全長に亘って上下直線状態で連続している。又、マンホール管の底部付近には、各水路管4,5(図2)の端部を接続するための複数個(図示例では2つ)の接続穴14,15が形成されている。
図1のマンホール管では、各凹溝16,16・・は、マンホール管本体の成形時に筒体部外周面に一体成形している。尚、マンホール管を上下複数個に分割成形したものでは、各凹溝16,16・・を各分割成形品の外周面にそれぞれ同形同間隔で形成しておき、各分割成形品を合体させたときに各分割成形品の各凹溝が上下に連続するようにする。
各凹溝16,16・・は、幅が10〜30mm、深さが10〜20mm程度で、周方向に150〜200mm間隔をもって筒体部外周面の全周に形成されている。尚、図1の凹溝形成例では、周方向に角度15°間隔をもって合計24本の凹溝16を形成しているが、その倍以上の本数の凹溝16を形成してもよい。
図1のマンホール管は、図2に示すように、地表面から下向き姿勢で埋設される。マンホール管の底部付近には、流入側と流出側の各水路管4,5が接続されている。マンホール管本体1の上部開口には、マンホール蓋13が被せられる。尚、地表面にはアスファルト材やコンクリート材で舗装されるが、該舗装面10は、一般にマンホール管の上端部外周面を隙間なく取り巻くようにして敷設される。尚、本願のマンホール管の筒体部外周面には、多数の凹溝16,16・・が筒体部11の上端に達する位置まで形成されている。この各凹溝16,16・・の上端部は塞いでおくのが好ましく、この実施例では地表面の舗装時に各凹溝16,16・・の上端部も図2及び図3に示すように舗装材10aで閉塞しておくとよい。
図2のマンホール管埋設構造では、筒体部11の外周面と地盤土壌8との間に礫材層からなる透水材2が設けられている。図2の実施例の透水材2は、粒径が30〜50mm程度の砕石を使用し、筒体部外周面と地盤土壌8との間の全周に亘って15〜30cm程度の幅の礫材層を形成している。この礫材層2内には、各単粒砕石間に相互に連続する多数の小空間部を有しており、筒体部外周面の各凹溝16,16・・内への地下水の流入を許容する一方、該各凹溝16,16・・内への土砂の侵入を阻止(凹溝16内の目詰まりを防止)する機能をもつものである。
又、図2の実施例のマンホール管埋設構造では、マンホール管の上部寄り外周部に礫材層からなる水吸収部31を設けている。この水吸収部31は、舗装面10の下面において粒径が30〜50mm程度の砕石からなる礫材層を所定厚さ(例えば20〜40cm厚さ)で所定幅(例えば半径方向に100〜150cm幅)の環状に敷設したものである。この水吸収部(礫材層)31内には、各砕石間に多数の小空間部があって、該各小空間部に一時的ではあるが多量の水を吸収できるようになっている。この水吸収部(礫材層)31の内端部は各凹溝16,16・・の上部寄り部分に連続しており、図3に矢印で示すように各凹溝16,16・・を通って上昇した地下水を速やかに水吸収部(礫材層)31内に吸収し得るようになっている。尚、この水吸収部31となる礫材層は、地表近くにあるので通常時には地下水位Lより高位置にあり、各礫材間の小空間部には空気が入っている。従って、地下水が各凹溝16,16・・を通って上昇すると該水吸収部(礫材層)31に水が容易に(速やかに)侵入するようになる。
図2の実施例のマンホール管埋設構造において、地盤に液状化が起こるほどの強い地震が発生したときには、次のような作用が発生する。
まず、地盤土壌8中の地下水の間隙水圧が高圧になり、その高圧地下水が、図3に矢印で示すようにマンホール管外周部の透水材(礫材層)2中に侵入し、続いて筒体部外周面の各凹溝16,16・・(高圧地下水より低圧である)内に侵入して、該凹溝内を上昇する。尚、透水材(礫材層)2中に侵入した高圧地下水の一部は、そのまま礫材層2中の小空間部を通って上昇するが、礫材層2中では高圧地下水が各砕石に衝突して蛇行しながら上昇するので、かなりの抵抗を受ける(上昇スピードが遅くなる)。他方、筒体部外周面の各凹溝16,16・・は、上下直線状に連続しているので、水の流通抵抗がほとんどなく、該各凹溝を通る水の上昇スピードは速いという特性がある。そして、各凹溝16,16・・内を上昇する高圧地下水は、凹溝上端部寄り位置から図3に矢印で示すように周囲の水吸収部(礫材層)31内に侵入し、該水吸収部31内に吸収される。尚、図2及び図3の実施例では、マンホール管外周部の透水材2として礫材層を使用しているので、高圧地下水の一部はその礫材層2を通ってその上部寄り位置から水吸収部31に吸収される。
このように、図2及び図3の実施例のマンホール管埋設構造では、強い地震発生時にマンホール管外周部近傍で発生する高圧地下水を、順次速やかに水吸収部31内に吸収させることができるので、マンホール管外周部近傍の地下水を減圧でき、地盤の液状化が抑制されることにより、マンホール管の浮き上がりを防止できるという機能が生じる。
図4〜図6には、図1のマンホール管の変形使用例を示しているが、この使用例では、マンホール管外周面と地盤土壌8との間に設けられる透水材として、透水シート3を使用している。この透水シート3は、不織布のような比較的耐久性があり且つ透水性の良好な材質のものが使用される。そして、透水材として透水シート3を使用したものでは、図4に示すように、該透水シート3をマンホール管本体1の筒体部外周面の全周に巻き付けて貼着して、該透水シート3で各凹溝16,16・・を被覆する。尚、透水シート3おける水路管用の各接続穴14,15に対応する部分には、水路管挿通用の穴を開けておく。
そして、図4に示す透水シート付きのマンホール管は、図5に示すように地盤中に埋設する。図5に示すマンホール管の埋設構造では、マンホール管筒体部11の外周面にある各凹溝16,16・・が透水シート3で被覆され、該透水シート3の外面に地盤土壌8(実際には埋め戻し土壌)が直接接触しているが、該透水シート3により各凹溝16,16・・内への地下水の侵入を許容する一方、各凹溝16,16・・内への土砂の侵入を阻止するようになる。又、図5及び図6のマンホール管埋設構造では、筒体部11の上部寄り外周面に、図2及び図3と同様の礫材層からなる水吸収部31が設けられている。尚、図5及び図6において、透水シート3は理解し易くするために点線状態で表示している。
図5及び図6のマンホール管埋設構造では、地盤に液状化が起こるほどの強い地震が発生したときに、地盤土壌8中で発生する高圧地下水(過剰間隙水)が、図6に矢印で示すように順次マンホール管外周面の透水材(透水シート)3を通して各凹溝16,16・・内に侵入して該凹溝内を上昇し、続いて凹溝上端部寄り位置から図6に矢印で示すように周囲の水吸収部(礫材層)31内に侵入し、該水吸収部31内に吸収される。従って、図4〜図6に示すように、透水材として透水シート3を使用したマンホール管の埋設構造であっても、強い地震発生時にマンホール管外周部近傍で発生する高圧地下水を、順次速やかに水吸収部31内に吸収させることができるので、マンホール管外周部近傍の地下水を減圧でき、地盤の液状化が抑制されることにより、マンホール管の浮き上がりを防止できるという機能が生じる。
尚、図5〜図6に示すマンホール管埋設構造では、マンホール管外周面と地盤土壌8との間に、透水材として透水シート3のみを使用しているが、該透水シート3と図2及び図3に示す礫材層からなる透水材とを併用してもよい。又、図4〜図6の変形例として、透水シート3に代えて適宜厚さ(例えば3〜5cm程度の厚さ)の透水マットを使用してもよい。
図7に示す第2実施例のマンホール管は、図1のマンホール管において、筒体部11の上部寄り位置に上下2段の周溝17,17を形成する一方、該各周溝17,17と筒体部外周面に形成した各凹溝16,16・・の交点部分にそれぞれマンホール管の内部空所Sに達する水抜穴18,18・・を形成している。この各水抜穴18,18・・は、後述するように、強い地震発生時に各凹溝16,16・・を通って上昇してくる高圧地下水をマンホール管の内部空所S内に逃がすものである。
この各水抜穴18,18・・は、図8に示すように、マンホール管埋設状態において、地下水位Lよりかなり高位置に設けられていて、通常状態で地下水が水抜穴18を通ってマンホール管の内部空所Sに流入しないようにしている。又、該各水抜穴18,18・・は、マンホール管筒体部11の内面に向けて上向き傾斜状態で形成しており、降雨水が地中に浸透してきたときに、その浸透水が各水抜穴18,18・・を通ってマンホール管の内部空所Sに流入しないようにしている。
図8及び図9のマンホール管埋設構造では、筒体部11の外周面と地盤土壌8との間の透水材として透水シート3を使用しているが、この透水シート3は図2に示す礫材層2に代えてもよく、あるいは透水シート3と礫材層とを併用してもよい。又、図8及び図9のマンホール管埋設構造では、各水抜穴18,18・・が各凹溝16,16・・を上昇してくる高圧地下水の逃がし通路となる関係で、筒体部11の上部寄り外周部には図2又は図5に示す水吸収部(礫材層)は設けていないが、図10に示すように各水抜穴18,18・・とともに筒体部上部寄り外周部に礫材層からなる水吸収部31を併用してもよい。
そして、図8及び図9のマンホール管埋設構造では、地盤に液状化が起こるほどの強い地震が発生したときに、地盤土壌8中で発生する高圧地下水が、図9に矢印で示すようにマンホール管外周面の透水材(透水シート)3を通して各凹溝16,16・・内に侵入して該凹溝内を上昇し、続いて各水抜穴18,18・・を通ってマンホール管の内部空所S内に放出される。従って、水吸収部31のないマンホール管埋設構造であっても、強い地震発生時にマンホール管外周部近傍で発生する高圧地下水を、順次速やかにマンホール管の内部空所S内に放出することができる(地盤の液状化が抑制されることにより、マンホール管の浮き上がりを防止できる)。
又、各水抜穴18,18・・を形成したマンホール管の埋設構造において、図10に示すように筒体部11の上部寄り外周部に礫材層からなる水吸収部31を併用すると、各凹溝16,16・・中を上昇してくる高圧地下水の逃がし部が多くなり、一層の地盤液状化抑制機能が発揮される。
尚、隣接する各凹溝16,16・・の上下各水抜穴18,18を、それぞれ周溝17,17の交点部分に形成すると、いずれかの凹溝16の水抜穴18が目詰まりしても、その目詰まりした水抜穴18の凹溝16内を上昇してくる高圧地下水を、周溝17を通して隣の凹溝16の水抜穴18からマンホール管内部空所S内に逃がすことができる。
図11及び図12に示す第3実施例のマンホール管は、既製のマンホール管1Aの筒体部11Aの外周面を別部材からなる複数個(図示例では4個)の分割成形品6A,6A・・からなる溝付部材6で被覆して構成されている。尚、図11は各分割成形品6A,6A・・を既製マンホール管1Aの外周面に取付ける前の状態を示し、図12は各分割成形品6A,6A・・を既製マンホール管1Aの外周面に取付けた状態での水平断面図を示している。
4個の分割成形品6A,6A・・は、それぞれ既製マンホール管1Aの外周を4分割した長さを持つ適宜厚さの円弧板状で、且つマンホール管筒体部11Aの全高さと同高さを有している。この各分割成形品6A,6A・・の外面には、それぞれ所定小間隔をもって複数本ずつ(図示例のものでは周方向に角度15°間隔で6本ずつ)の上下向き凹溝16A,16A・・が形成されている。この各分割成形品6Aは、耐腐食性があり、経年変化しない材料(例えば合成樹脂やコンクリート)で成形されている。
そして、この各分割成形品6A,6A・・は、既製マンホール管1Aの外周面にそれぞれ接着剤で接着させて、図12に示すような外周部に溝付部材6付きのマンホール管に合体させる。尚、他の実施例では、分割成形品6Aは、2つ割りや3つ割りのものも使用できる。
この溝付部材付きマンホール管には、底部付近に水路管接続用の複数個の接続穴が形成されるが、この各接続穴は、図11に示すように予め既製マンホール管1Aの筒体部11A及び対応する分割成形品6Aにそれぞれ形成しておいてもよいし(図11の符号14,15,14A)、あるいは各分割成形品6A,6A・・を既製マンホール管1Aの外周に取付けた状態で、該分割成形品6A及びマンホール管筒体部11Aを貫通させて各接続穴を同時に形成してもよい。
又、図11及び図12の溝付部材付きマンホール管には、各凹溝16A,16A・・の上部寄り位置にそれぞれ図7〜図10に示す水抜穴18を形成することもできる。その場合には、各水抜穴は、各凹溝16A部分から溝付部材6及び既製マンホール管の筒体部11Aを貫通して形成する。
この図11及び図12に示す第3実施例の溝付部材付きマンホール管も、図2又は図5に示すように、筒体部外周面と地盤土壌との間に透水材(礫材層2や透水シート3等)を設け、且つ各凹溝内を上昇する高圧地下水の逃がし構造(例えば水吸収部31や水抜穴18等)を設けた状態で地中に埋設される。従って、この図11及び図12の溝付部材付きマンホール管でも、強い地震発生時の地盤液状化対策(マンホール管の浮き上がり防止対策)として有効となる。又、この溝付部材付きマンホール管は、既製マンホール管1Aを利用して外周面に凹溝付きのマンホール管を製作できる。
図13に示す第4実施例のマンホール管は、既製マンホール管1Aの外周面に可撓性のある波板状の溝付部材7を巻付けて構成されている。
溝付部材7が波板状のものでは、波形状方向に多数の凹凸部があり、外面側の各凹部がそれぞれ上下向きの各凹溝16B,16B・・となる。そして、この波板状の溝付部材7を使用した場合には、波板形状が周方向に向く姿勢(各凹溝16Bが上下向きになる)で該波板状溝付部材7を既製マンホール管筒体部11Aの外周面全周に巻付けて、外周面に多数の波形凹溝付きのマンホール管を構成する。この場合、波板の内面を既製マンホール管の筒体部外周面に接着剤で接着させるとよい。
この図13に示す第4実施例の溝付部材付きマンホール管も、図2又は図5に示すように、筒体部外周面と地盤土壌との間に透水材(礫材層2や透水シート3等)を設け、且つ各凹溝内を上昇する高圧地下水の逃がし構造(例えば水吸収部31)を設けた状態で地中に埋設される。従って、この図13の溝付部材付きマンホール管でも、強い地震発生時の地盤液状化対策(マンホール管の浮き上がり防止対策)として有効となる。又、この図13の溝付部材付きマンホール管では、溝付部材7が波板状のものであるので、該溝付部材7が安価であり、且つその取付けも容易となる。尚、この溝付部材付きマンホール管も、既製マンホール管1Aを利用して外周面に凹溝付きのマンホール管を製作できる。
1,1Aはマンホール管本体、2は透水材(礫材層),3は透水材(透水シート)、6は溝付部材、6Aは分割成形品、7は溝付部材(波形部材)、8は地盤土壌、11,11Aは筒体部、16,16A,16Bは凹溝、17は周溝、18は水抜穴、31は水吸収部(礫材層)である。
Claims (4)
- 地表面から下向き姿勢で埋設されるマンホール管であって、
マンホール管本体(1)の筒体部(11)の外周面に、上下方向に連続する水案内用の凹溝(16)を周方向に間隔をもって多数本形成している、
ことを特徴とするマンホール管。 - 地表面から下向き姿勢で埋設されるマンホール管であって、
既製のマンホール管(1A)の筒体部(11A)の外周面を、外面側に上下方向に連続する水案内用の凹溝(16A,16B)を周方向に間隔をもって多数本設けた溝付部材(6,7)で被覆して構成している、
ことを特徴とするマンホール管。 - 地表面から下向き姿勢で埋設したマンホール管の埋設構造であって、
マンホール管として、外周面に上下方向に連続する水案内用の凹溝(16,16A,16B)を周方向に間隔をもって多数本形成したものを使用している一方、
マンホール管は、その外周面と地盤土壌(8)との間に各凹溝(16,16A,16B)内への水の流入を許容し且つ該各凹溝(16,16A,16B)内への土砂の侵入を阻止し得る透水材(2,3)を設けた状態で埋設しているとともに、
マンホール管の上部寄り外周部に、各凹溝(16,16A,16B)の上部寄り位置から放出される水を吸収し得る礫材層からなる水吸収部(31)を設けている、
ことを特徴とするマンホール管の埋設構造。 - 地表面から下向き姿勢で埋設したマンホール管の埋設構造であって、
マンホール管として、外周面に上下方向に連続する水案内用の凹溝(16)を周方向に間隔をもって多数本形成し、且つ該各凹溝(16)の上部寄り位置に各凹溝(16)内を上昇してくる水をマンホール管筒体部(11)を貫通してマンホール管の内部空所(S)に導く水抜穴(18)をそれぞれ形成したものを使用している一方、
マンホール管は、その外周面と地盤土壌(8)との間に各凹溝(16)内への水の流入を許容し且つ該各凹溝(16)内への土砂の侵入を阻止し得る透水材(2,3)を設けた状態で埋設している、
ことを特徴とするマンホール管の埋設構造。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011179199A (ja) * | 2010-02-26 | 2011-09-15 | Kowa:Kk | 被覆体付きマンホール |
JP2013185399A (ja) * | 2012-03-09 | 2013-09-19 | Shimizu Corp | 構造物の基礎構造 |
-
2005
- 2005-08-02 JP JP2005224283A patent/JP2007039945A/ja active Pending
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