JP2007039932A - 削孔用冶具 - Google Patents
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Abstract
【課題】一機の重機を用いて、かつ少ない工程でコンクリート体に穴を開けること。
【解決手段】重機に取り付けられる削孔用冶具であって、中空円筒状の下端部に掘削用の刃を付帯したケーシングと、側面に複数の破砕用の刃を付帯する破砕ロッドと、を有し、前記破砕ロッドは前記ケーシングの内部に嵌入して一体的に構成され、前記複数の破砕用の刃は、下方に配設されるよりも上方に配設される方が大きくなるように形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】重機に取り付けられる削孔用冶具であって、中空円筒状の下端部に掘削用の刃を付帯したケーシングと、側面に複数の破砕用の刃を付帯する破砕ロッドと、を有し、前記破砕ロッドは前記ケーシングの内部に嵌入して一体的に構成され、前記複数の破砕用の刃は、下方に配設されるよりも上方に配設される方が大きくなるように形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、ボーリング作業を行う場合に堀削機等のハンマグラブの先端に取り付けられ、地面に穴を空けるための削孔用冶具に関するものである。
従来、狭隘地において地面に杭を打つため、スラブ等のコンクリート体を残したまま当該スラブに穴をあける場合がある。この場合、まずコンクリート体を円形に切削し、次に前記円形の内部のコンクリートを破砕処分することにより行う。
具体的には、コンクリート体を円筒状に切削(コア抜き)する場合には、先端に刃の付いた中空のケーシングをクレーン等の重機の先端に据え付けて行う。そして、ケーシングをスラブに当てて掘り進めるとコンクリート体が円形に切削される。また、円形のコアの内側のコンクリートを破砕処分する場合には、先端が鋭利に形成された螺旋状の刃を有する粉砕手段を付帯した重機(例えば、特許文献1参照)の先端に据え付けて行う。
しかしながら、前述のように、ケーシングを付帯した重機と、粉砕手段を付帯した重機の2機を使用すると、狭隘地にて作業を行う場合は、重機を出し入れする作業が困難で、作業が円滑に行えない。このため、より少ない重機を用いて作業可能にすることが望ましい。
また、前述の方法は、ケーシングによりコンクリート体に円筒状に穴を開けた後、破砕手段により当該円筒状の内側にあるコンクリートを破砕するというように、2段階の工程がある。このように工程数が多いと、時間や手間がかかるといった問題もある。
本発明の目的は、一機の重機を用いて、かつ少ない工程でコンクリート体に穴を開けることである。
前記目的を達成するための本発明に係る代表的な削孔用冶具は、次の通りである。
(1)重機に取り付けられる削孔用冶具であって、中空円筒状の下端部に掘削用の刃を付帯したケーシングと、側面に複数の破砕用の刃を付帯する破砕ロッドと、を有し、前記破砕ロッドは前記ケーシングの内部に嵌入して一体的に構成され、前記複数の破砕用の刃は、下方に配設されるよりも上方に配設される方が大きくなるように形成されていることを特徴とする削孔用冶具。
(2)前記破砕ロッドにはハンドルが配設され、前記ケーシングには該ケーシング外部から前記ハンドルを把持するための穴が形成されていることを特徴とする(1)に記載の削孔用冶具。
以上のように、(1)の構成によれば、ケーシングと破砕ロッドを一体的に構成するため、従来、まずコンクリート体を円筒状に抜いて(コア抜き)、その後コアの内部を破砕する、といった2段階の工程を同時に行うことができる。このため、工期を短縮することができる。また、コア抜きする手段と、破砕する手段とを別々の重機に取り付けることをせずに済むため、重機が1機で足りる。このため、狭隘地においても作業が行いやすくなる。更に、破砕用の刃は上方に配置されるにつれて徐々に大きくなっていくため、効率よく破砕を行うことができる。
(2)の構成によれば、ケーシングと破砕ロッドとの組立時において、作業者が手をケーシングの穴から手を入れ、ハンドルを把持しつつ破砕ロッドの姿勢を調整することができる。これにより、より容易かつ短時間で破砕ロッドをケーシングに組み付けることができ、作業性を向上させることができる。
図を用いて本発明の一実施形態を説明する。図1は削孔用冶具10を分解した状態の側面図であり、図2は削孔用冶具10を組み立てた状態の一部断面図である。
図1及び図2に示すように、削孔用冶具10は、中空円筒状のケーシング20と、ドリル状の破砕ロッド30とを組み立てることで構成される。次に各構成部材の構成を詳細に説明する。
(ケーシング20)
ケーシング20は下端に大きい開口部20aを有する中空円筒状に形成されている。ケーシング20は、不図示の重機に固定されて回転し、コンクリート体を円筒状に掘削するものである。ケーシング20による掘削により、例えばコンクリート体に杭を打つ場合に、杭を打つための穴の外周が形成される。尚、本実施形態のケーシング20の側面の大きさは、上下に3mほどである。但し、大きさはこれに限定されるものではない。
ケーシング20は下端に大きい開口部20aを有する中空円筒状に形成されている。ケーシング20は、不図示の重機に固定されて回転し、コンクリート体を円筒状に掘削するものである。ケーシング20による掘削により、例えばコンクリート体に杭を打つ場合に、杭を打つための穴の外周が形成される。尚、本実施形態のケーシング20の側面の大きさは、上下に3mほどである。但し、大きさはこれに限定されるものではない。
図1に示すように、ケーシング20の上端は、頭部が六角形状の固定用ボルト21が形成されている。固定用ボルト21には、杭打ち機等の重機のオーガモータに対してピンにて固定するため、横穴21aが横方向に形成されている。また、固定用ボルト21には、泥水等の潤滑水を重機から破砕ロッド30に対して供給するための供給孔21bが縦方向に設けられている。
ケーシング20の内部には、破砕ロッド30を挿入するための中空部22が形成されている。中空部22の上部には、破砕ロッド30を固定するため嵌入溝22aが形成される。嵌入溝22aの形状は、ケーシング20の回転駆動力を破砕ロッド30に確実に伝達するため、多角形状(例えば六角形状)に形成される。
また中空部22には、破砕ロッド30の上端を嵌入溝22aへ容易に導くため、徐々に円筒の径から嵌入溝22aの径へと小さくなっているガイド部22bが形成される。尚、嵌入溝22aの側面には、不図示のピンにてケーシング20と破砕ロッド30とを固定するため、横穴22cが横方向に形成されている。
ケーシング20の側面上方には、ケーシング20の外部から中空部22へと通じる複数(本実施形態においては4つ)の穴23が形成される。これにより、作業者が穴23から手を入れ、破砕ロッド30に形成されるハンドルを把持することができる。ここで、穴23の数は4つに限るものではなく、後述する破砕ロッド30に形成されるハンドルの数と同じであればよい。
ケーシング20の下端で開口部20aの円周上には、超硬チップ等で形成された複数のくさび状の刃24が付帯されている。刃24は、開口部20aの円周上に等間隔で形成されている。本実施形態は、円周上に16個の刃24を付帯している。
(破砕ロッド30)
破砕ロッド30は、ドリル状に形成されている。破砕ロッド30は、ケーシング20によって掘削された円筒状の穴の内部にあるコンクリート等を破砕するものである。
破砕ロッド30は、ドリル状に形成されている。破砕ロッド30は、ケーシング20によって掘削された円筒状の穴の内部にあるコンクリート等を破砕するものである。
図1に示すように、破砕ロッド30の上端は、ケーシング20と固定するための固定用ボルト31が形成されている。ここで、固定用ボルト31の形状は、本実施形態では嵌入溝22aと同じ六角形状で構成されている。また、固定用ボルト31には、ケーシング20の横穴21aと通じる横穴31aが形成される。
破砕ロッド30の側面上方には、穴23と同じ数のハンドル32が形成される。作業者が破砕ロッド30をケーシング20に嵌入する際には、穴23から手を入れ、ハンドル32を持ちながら破砕ロッド30を調整することとなる。
破砕ロッド30の側面下方には、ケーシング20にてコア抜きされた箇所の内部にあるコンクリート等を破砕するための刃33が複数形成される。複数の刃33は、下方から上方に行くに従って徐々に径が拡大していくように配置されている。これにより、最初はコンクリートの中心部付近を破砕し、徐々に中心部付近から大きな径の部分を破砕することになる。この結果、効率よく内部のコンクリートを破砕することができる。
破砕ロッド30の下端部34の側面は、コンクリートを破砕しやすいように、上方に行くに従って、徐々に径が大きくなるよう円錐形状に形成されている。また、下端部34の側面には小さな刃34aが螺旋状に形成されている。
このような構成のため、破砕ロッド30が回転し掘削が進むと、最初小さな刃34aがケーシング20内のコンクリートの小さな範囲を破砕し、次に大きな刃33によって徐々に大きな範囲を破砕することとなり、効率的に破砕されることとなる。また、下端部34が円錐形状であり、円錐先端部が常に回転中心として軸を安定させるため、破砕中の破砕ロッド30のブレを防止することができる。
尚、破砕ロッド30には、固定用ボルト31の上端から下端部34の側面に通じる潤滑水の供給孔35が形成される。これにより、重機から供給された泥水等の潤滑水をケーシング20の供給孔21bを通じて供給孔35の下端である排出口35aからコンクリートに供給することができる。潤滑水は、掘削屑に供給されてスライム状になり、切削屑の除去を円滑に行う。また、掘削中に刃24、33、34aに生じる摩擦熱を除去する役割をも果たす。これにより、円滑かつ効率よく掘削作業を行うことができる。
(削孔用冶具10の組立)
図1に示すケーシング20及び破砕ロッド30を組み立てると、図2に示す一体的な削孔用冶具10が構成される。これについて説明する。尚、図2はケーシング20の下方を切り開き、ケーシング20のみを断面としている。
図1に示すケーシング20及び破砕ロッド30を組み立てると、図2に示す一体的な削孔用冶具10が構成される。これについて説明する。尚、図2はケーシング20の下方を切り開き、ケーシング20のみを断面としている。
まず、ケーシング20を固定用ボルト21にて重機のオーガモータの固定部と固定する。これにより、ケーシング20の姿勢は固定される。そして、ケーシング20の下端の開口部20aから破砕ロッド30を挿入する。
ケーシング20内の中空部22上部にはガイド部22bがある。このため、挿入された破砕ロッド30の上端の固定用ボルト31は、ガイド部22bによって、嵌入溝22a方向にガイドされる。
ここで、固定用ボルト31及び嵌入溝22aは六角形状である。このため、ケーシング20と破砕ロッド30との角度が嵌入する角度よりもズレていると、互いに嵌入しないこととなる。また、ケーシング20の側面は金属製であるので、外部から内部を視認することはできない。このため、固定用ボルト31を嵌入溝22aに嵌入させる作業は、本来は困難となる。
しかし、本実施形態においては、ケーシング20の側面に、ハンドル32と同数の穴23を形成している。このため、作業者がケーシング20の穴23から手を入れて、ハンドルを握ることで、破砕ロッド30の回転軸線を中心に回転移動させることができる。また、ハンドル32が穴23の位置とちょうど重なった状態(図1参照)において、嵌入溝22aと固定用ボルト31とがちょうど嵌入する位置関係であるように設計すれば、作業者はハンドル32の位置を穴32に合わせれば、固定用ボルト31が嵌入溝22aに嵌入する位置であることを容易に認識することができる。
このように、ケーシング20側面に穴23を設け、挿入された破砕ロッド30のハンドル32を把持可能に構成した。このため作業者は、ケーシング20に対して破砕ロッド30を嵌め込み、削孔用冶具10を組み立てることを、より容易に行うことができる。
嵌入溝22aに固定用ボルト31が嵌め込まれると、ケーシング20と破砕ロッド30とは一体的に構成される。このとき、図1に示すように、ケーシング20に設けられた横穴22cと破砕ロッド30に設けられた横穴31aとが連通する。ここで、連通した横穴22c、31aに固定用の不図示のピン等を挿入することにより、ケーシング20と破砕ロッド30とは一体的に固定配設されることとなる。
尚、一体となった場合、ケーシング20側の潤滑水の供給孔21bと破砕ロッド30側の供給孔35の導入口35bとが連通することとなる。これにより、重機から供給される潤滑水は、供給孔21b、供給孔35を通って、排出口35aから排出されることとなる。
(削孔用冶具10の作用効果)
以上のように一体的に組み立てられた削孔用冶具10は、次のような作用効果を有する。
以上のように一体的に組み立てられた削孔用冶具10は、次のような作用効果を有する。
削孔用冶具10は、ケーシング20による掘削と、破砕ロッド30による破砕を、削孔用冶具10により一度に行う。即ち、従来であれば別々の工程として行われていた上記2つの作業を、一度に行うことができる。このため、工程数を削減することができ、工期の短縮を図ることができる。
また、コンクリート体を円筒状に掘削するケーシング20と、円筒状内部のコンクリートを破砕する破砕ロッド30とを一体的に有する。このため、従来であればケーシング20を付帯するための重機と、破砕ロッド30を付帯するための重機との2つを用意しなければならないところ、本実施形態においては、削孔用冶具10を付帯するための1つの重機を用意すれば足りる。このため、狭隘地など複数の重機が入らないところであっても、穴あけ作業を1つの重機ででき、作業性を向上させることができる。
ケーシング20には、ハンドル32を把持するための穴23が形成されている。このため、破砕ロッド30をケーシング20内部に嵌入させる際に、作業者が穴23を通じてハンドル32を把持して姿勢の微調整をすることができる。この結果、ケーシング20と破砕ロッド30とを容易に一体的にすることができる。
破砕ロッド30の刃33は、上側に行くに従って徐々に大きくなるように形成されている。このため、削孔用冶具10に無理な力を加えることなく、コンクリート体を効率的に破砕することができる。
破砕ロッド30の下端部34は円錐形状である。このため、破砕ロッド30の回転によるブレを防ぐ。また、破砕ロッド30とケーシング20とが一体的に構成されていることにより、ケーシング20のブレをも防ぐ。
上述のように、ケーシング20と破砕ロッド30とを一体化させた場合に、潤滑水を供給するための供給孔35等が重機と連通することとなる。即ち、削孔用冶具10には潤滑水を供給する手段が付帯されている。このため、潤滑水を供給する手段を別途付帯する必要がなく、工事のための部材点数を削減することができる。
本発明は、コンクリート体を破砕するだけでなく、その他のものに穴を開けることも可能である。
10…削孔用冶具、20…ケーシング、20a…開口部、21…固定用ボルト、21a…横穴、21b…供給孔、22…中空部、22a…嵌入溝、22b…ガイド部、22c…横穴、23…穴、24…刃、30…破砕ロッド、31…固定用ボルト、31a…横穴、32…ハンドル、33…刃、34…下端部、34a…刃、35…供給孔、35a…排出口、35b…導入口
Claims (2)
- 重機に取り付けられる削孔用冶具であって、
中空円筒状の下端部に掘削用の刃を付帯したケーシングと、
側面に複数の破砕用の刃を付帯する破砕ロッドと、を有し、
前記破砕ロッドは前記ケーシングの内部に嵌入して一体的に構成され、
前記複数の破砕用の刃は、下方に配設されるよりも上方に配設される方が大きくなるように形成されていることを特徴とする削孔用冶具。 - 前記破砕ロッドにはハンドルが配設され、
前記ケーシングには該ケーシング外部から前記ハンドルを把持するための穴が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の削孔用冶具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005223861A JP2007039932A (ja) | 2005-08-02 | 2005-08-02 | 削孔用冶具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005223861A JP2007039932A (ja) | 2005-08-02 | 2005-08-02 | 削孔用冶具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007039932A true JP2007039932A (ja) | 2007-02-15 |
Family
ID=37798176
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005223861A Pending JP2007039932A (ja) | 2005-08-02 | 2005-08-02 | 削孔用冶具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007039932A (ja) |
-
2005
- 2005-08-02 JP JP2005223861A patent/JP2007039932A/ja active Pending
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Legal Events
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---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
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