JP2007039366A - クレンジング化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有意な量の水分が混入しても、高いクレンジング力、透明性及び優れた使用感のすべてを十分に高水準で維持できる液状レンジング化粧料を提供すること。
【解決手段】 基油及び非イオン界面活性剤を含有するクレンジング化粧料において、非イオン界面活性剤は、イソステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン及びステアリン酸ソルビタンからなる群より選ばれる1種以上からなる第1の界面活性剤と、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリルからなる第2の界面活性剤を含んでおり、前記クレンジング化粧料は、当該化粧料の全質量を基準として、第1の界面活性剤を1〜15質量%、第2の界面活性剤を5〜40質量%含有することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明はクレンジング化粧料に関する。
クレンジング化粧料は、皮膚上のメイクアップの除去や汚垢の清浄に用いられる。クレンジング化粧料の種類としては、ローションタイプ、エマルションタイプ、オイルタイプ等がある。これらのうち、オイルタイプのクレンジング化粧料のクレンジング効果は、主にクレンジング化粧料に含まれる油分の分散作用によるものである。つまり、クレンジング化粧料に含まれる油分にメイクアップなどの成分が分散し、これを拭き取ったり、洗い流したりすることにより皮膚が浄化される。
ところで、クレンジング化粧料を浴室内や洗面台で使用できたらその利便性は格段に向上する。しかしながら、従来のオイルタイプのクレンジング化粧料では、浴室内などにおいて手や顔が濡れた状態で使用、すなわち、有意な量の水分が混入すると、白濁により透明性を保持できなくなるとともに、クレンジング力が低下し、さらには使用感が悪くなるなどの問題があった。
これらの問題を解決するため、これまでに多くの研究がなされ、例えば、特許文献1には、特定の界面活性剤と油剤とを組み合わせることにより、上記問題を解決し得るクレンジング化粧料が提供できる旨、記載されている。
特許第3532910号公報
ところが、特許文献1に記載のクレンジング化粧料であっても、有意な量の水分が混入した場合、クレンジング力、透明性の保持及び使用感につき、これらすべてを同時に十分向上できなかった。特に、使用感の向上が不十分であり、かかるクレンジング化粧料の使用感、具体的には、使用後の洗い流しやすさ、及び、洗い流した後のさっぱり感に改善の余地がある。
そこで、本発明は、有意な量の水分が混入しても、高いクレンジング力、透明性及び優れた使用感のすべてを十分に高水準で維持できるクレンジング化粧料を提供することを目的とする。
本発明者らは、クレンジング化粧料を調製するにあたり、特定の非イオン界面活性剤を組み合わせて配合することにより、有意な量の水分が混入しても、高いクレンジング力、透明性及び優れた使用感のすべてを十分に高水準とすることができることを見出し、特に、使用感につき、従来のクレンジング化粧料と比較して使用後に洗い流しやすく、かつ、洗い流した後のぬめり感がなく、さっぱり感を得られることを見出した。
本発明のクレンジング化粧料は、基油及び非イオン界面活性剤を含有するクレンジング化粧料において、非イオン界面活性剤は、イソステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン及びステアリン酸ソルビタンからなる群より選ばれる1種以上からなる第1の界面活性剤と、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリルからなる第2の界面活性剤を含んでおり、クレンジング化粧料は、当該化粧料の全質量を基準として、第1の界面活性剤を1〜15質量%、第2の界面活性剤を5〜40質量%含有することを特徴とする。
本発明のクレンジング化粧料においては、特定の非イオン界面活性剤の組み合わせ、すなわち、第1の界面活性剤と第2の界面活性剤とがそれぞれ所定の含有率にて配合されている。
本発明のクレンジング化粧料によれば、上記のような特定の組み合わせの非イオン界面活性剤が含有されているため、有意な量の水分が混入しても、使用後の洗い流しやすさ、及び、洗い流した後にさっぱり感が得られる。使用後の洗い流しやすさ、並びに、洗い流した後にさっぱり感が得られる主因は、第1の界面活性剤として用いるソルビタン脂肪酸エステルの界面活性能によるものと考えられる。なお、本明細書において、「有意な量の水分が混入」とは、クレンジング化粧料100質量部に対して、最大で20質量部の水分が混入することを意味するものとする。
また、本発明のクレンジング化粧料によれば、有意な量の水分が混入しても、十分に高いクレンジング力を維持することができる。また、有意な量の水分が混入しても、乳化物や懸濁物を生じることが十分に抑制されるため、外観が悪くなることを十分に防止でき、クレンジング化粧料が透明の場合もその透明性を十分に維持できる。
また、本発明のクレンジング化粧料において、ポリグリセリン脂肪酸エステルを、クレンジング化粧料の全質量を基準として、0.1〜5質量%含有することが好ましい。本発明のクレンジング化粧料が、上記範囲内の含有率にてポリグリセリン脂肪酸エステルを含有していると、当該クレンジング化粧料のクレンジング力がより高くなる。
また、本発明のクレンジング化粧料において、水の含有量が全質量基準で10質量%以下であることが好ましい。水の含有量が10質量%以下であると、当該化粧料の油分の含有量を十分多くすることができ、分散作用によるクレンジング力をより高めることができる。また、少量の水を含有していると、屈折率の関係から透明なクレンジング化粧料を得やすくなる。この場合、水の含有量は全質量基準で0.1質量%以上であることが好ましい。
また、本発明のクレンジング化粧料は、25℃において、粘度が1000mPa・s以下であることが好ましい。当該化粧料の25℃における粘度が1000mPa・s以下であると、通常使用する条件下において、当該化粧料は液状であるため、より使いやすくなる。なお、本明細書においては、25℃における粘度が1000mPa・s以下である流体の状態を液状という。
本発明によれば、有意な量の水分が混入しても、高いクレンジング力、透明性及び優れた使用感のすべてを十分に高水準で維持できるクレンジング化粧料を提供できる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。まず、本発明のクレンジング化粧料の各成分について説明する。
本発明の液状クレンジング化粧品は、基油及び非イオン界面活性剤を含有するものであり、非イオン界面活性剤は、イソステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン及びステアリン酸ソルビタンからなる群より選ばれる1種以上からなる第1の界面活性剤と、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリルからなる第2の界面活性剤とを含んでいる。
<第1の界面活性剤>
イソステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン及びステアリン酸ソルビタンは、ソルビタン脂肪酸エステルであり、これらはそれぞれ、イソステアリン酸、オレイン酸及びステアリン酸とソルビタン混合物とのエステルである。ソルビタンは多価アルコールであるため、エステル結合によって結合している脂肪酸基の数によって、エステルの種類はモノ、ジ及びトリエステルに分類される。脂肪酸基の数が増えるにしたがって、すなわち、モノ、ジ及びトリエステルの順で親油性が高くなるが、本発明においては、得られるクレンジング化粧料の親水性を高める観点からモノエステルであることが好ましい。
第1の界面活性剤の含有率は、クレンジング化粧料の全質量を基準として、1〜15質量%であり、より確実に本発明のクレンジング化粧料による効果を得る観点から、1〜10質量%がより好ましい。第1の界面活性剤の含有率が1質量%未満であると、使用感が悪くなる。一方、第1の界面活性剤の含有率が15質量%を超えると、クレンジング化粧料が白濁しやすくなり、有意な量の水分が混入すると白濁により透明性を保持できなくなる。
<第2の界面活性剤>
第2の界面活性剤であるポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリルはヤシ油に酸化エチレンを付加して得られる。酸化エチレン付加モル数は、5〜20であることが好ましく、5〜10であることがより好ましい。
第2の界面活性剤の含有率は、クレンジング化粧料の全質量を基準として、5〜40質量%であり、より確実に本発明のクレンジング化粧料による効果を得る観点から、10〜35質量%がより好ましい。第2の界面活性剤の含有率が5質量%未満であると、得られるクレンジング化粧料の親水性が不十分となり、有意な量の水分が混入すると、白濁により透明性を保持できなくなるとともに、クレンジング力が低下する。一方、第2の界面活性剤の含有率が40質量%を超えるとクレンジング化粧料が白濁し、透明なクレンジング化粧料を得ることが困難となる。
ここで、第1及び第2の界面活性剤の含有率は上記のとおりであるが、本発明のクレンジング化粧料においては、第1の界面活性剤の含有量を1質量部とした場合、第2の界面活性剤の含有量が1〜5質量部であることが好ましく、2〜4質量部であることがより好ましい。第1の界面活性剤の含有量と第2の界面活性剤の含有量の比が上記範囲であると、有意な量の水が混入しても、高いクレンジング力及び透明性をより高水準で維持できるクレンジング化粧料を得ることができる。
<基油>
基油としては、一般的に化粧料に使用し得る25℃において液状の油分であれば特に限定されない。具体的には、例えばスクワラン、α−オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、流動パラフィンなどの液状炭化水素類、オリーブ油、メドフォーム油、アボガド油、アルモンド油、ゴマ油、シソ油、綿実油、ヒマワリ油、ナタネ油、グレープシード油、パーム核油、サフラワー油などの液状植物性油、ミンク油、卵黄油、馬油などの液状動物性油、ホホバ油、液状ラノリンなどの液状ろう類、ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルシロキサンなどのシリコーン油、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、エチルヘキサン酸セチルなどの液状エステル油などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。これらのうち、クレンジング効果の観点から、液状炭化水素類及び/又はシリコーン油と液状エステル油とを併用することが好ましい。
<その他の添加成分>
本発明のクレンジング化粧料おいては、水の含有量は全質量基準で10質量%以下であり、クレンジング化粧料の屈折率を調整し、透明でより外観の優れたクレンジング化粧料を得る観点から、0.1〜10質量%の水を含有していることが好ましい。一方、水の含有量が10質量%を超えるとクレンジング化粧料に含まれる油分の含有量が少なくなり、クレンジング効果が低下する傾向がある。
また、本発明のクレンジング化粧料は、ポリグリセリン脂肪酸エステルをさらに含有することが好ましい。脂肪酸の種類としては、ラウリン酸ノミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸などが好ましい。また、ポリグリセリンの重合度は5〜15であることが好ましい。具体的なポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、モノラウリン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリルなどを挙げることができる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有率は、クレンジング化粧料の全質量を基準として、0.1〜5質量%であることが好ましく、0.5〜3質量%がより好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有率が上記範囲であると、得られるクレンジング化粧料のクレンジング力をより向上させることができる。なお、ポリグリセリン脂肪酸エステルは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
また、本発明の目的や効果を損なわない範囲で、さらに保湿剤、安定剤、酸化防止剤、着色料、香料、抗炎症剤、抗菌剤、殺菌剤などを添加してもよい。
<調製方法>
本発明のクレンジング化粧料は、従来公知のクレンジング化粧料の調製方法によって調製することができる。例えば、所定量の基油に対して、イソステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン及びステアリン酸ソルビタンから選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤、及び、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル、並びに、水やポリグリセリン脂肪酸エステルなどの添加成分をそれぞれ所定量配合し混合することによって得られる。混合時間は特に限定されないが、通常、5分程度混合すれば、各成分が均一に混合されたクレンジング化粧料が得られる。
<使用方法>
本発明のクレンジング化粧料によれば、皮膚上の汚垢、並びにマスカラ、アイシャドウ、口紅、ファンデーション、アイライナー、アイブロウ、チークカラーなどのメイクキャップを除去できる。また、本発明のクレンジング化粧料は紫外線対策用の化粧品、乳液及びサンオイルなどのサンケア商品のクレンジングにも有効に使用できる。使用方法としては、クレンジング化粧料を皮膚表面に塗布後、クレンジング化粧料にメイクキャップなどをなじませ、これを洗い流したり、拭き取ったりすればよい。ただし、本発明のクレンジング化粧料は、有意な量の水分が混入しても使用することができるので、手や顔が濡れた状態、例えば、入浴時でも使用することができる。入浴時にクレンジング化粧料を使用できると、使用後にクレンジング化粧料を洗い流すことができ、拭き取る手間を省くことができる。
以下、実施例を挙げて本発明について更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
表1の実施例1に示す含有率(質量%)となるように各成分を混合し、クレンジング化粧料を得た。得られたクレンジング化粧料は常温(25℃)において流動性があり、液状であった。
得られたクレンジング化粧料に対して、以下の評価を行った。
<外観の評価>
実施例1で得たクレンジング化粧料に対して水を添加する前の透明性、並びに、25℃においてクレンジング化粧料100質量部に対して水20質量部を添加した場合の白濁の有無を目視により評価した。
<官能試験>
官能評価担当者3名に、固形口紅のメイクアップを施し、手及び顔が濡れた状態にて実施例1で得たクレンジング化粧料を使用してもらい、かかるクレンジング化粧料のクレンジング力、洗い流しやすさ、及び、洗い流した後のぬめり感について評価してもらった。各評価項目の評価の基準は以下のようにした。担当者3名の合議による評価結果を表1に示す。
クレンジング力・・・◎:良好、○:普通、△:弱い、×:なし
洗い流しやすさ・・・◎:良好、○:普通、△:少し重い、×:重い
洗い流した後のぬめり感・・・○:なし、△:少しあり、×:あり
<実施例2〜6及び比較例1〜3>
表1の実施例2〜6及び表2の比較例1〜3にそれぞれ示す含有率(質量%)となるように各成分を混合したこと以外、実施例1のクレンジング化粧料と同様にして、実施例2〜6及び比較例1〜3のクレンジング化粧料をそれぞれ得た。得られたクレンジング化粧料はいずれも常温(25℃)において流動性があり、液状であった。また、これらのクレンジング化粧料に対しても実施例1のクレンジング化粧料と同様にして外観の評価及び官能試験を実施した。評価結果を表1及び表2に示す。
Figure 2007039366


Figure 2007039366



Claims (4)

  1. 基油及び非イオン界面活性剤を含有するクレンジング化粧料において、
    前記非イオン界面活性剤は、イソステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン及びステアリン酸ソルビタンからなる群より選ばれる1種以上からなる第1の界面活性剤と、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリルからなる第2の界面活性剤を含んでおり、
    前記クレンジング化粧料は、当該化粧料の全質量を基準として、第1の界面活性剤を1〜15質量%、第2の界面活性剤を5〜40質量%含有することを特徴とするクレンジング化粧料。
  2. ポリグリセリン脂肪酸エステルを、前記クレンジング化粧料の全質量を基準として、0.1〜5質量%含有することを特徴とする請求項1記載のクレンジング化粧料。
  3. 水の含有量が全質量基準で10質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のクレンジング化粧料。
  4. 25℃において、粘度が1000mPa・s以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のクレンジング化粧料。
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