JP2007038301A - 接続構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 各種の電気部品や電子部品等に用いられる接合部材を接合する際に、二つの接合部材の接合面に垂直な方向と共に、接合面に平行な方向に対しても十分に高い接合強度が得られる接合構造を提供する。
【解決手段】 二つの接合部材11、12は、それぞれ連続する複数の面を接合面として、その接合面間に接合剤3が介在することにより互いに接合されている。二つの接合部材11、12の間、及びこれら接合部材11、12と接合剤3の間における熱膨張係数差は、5.0×10−6/℃以下である。また、接合部材はWやCu−W等の金属、あるいはAlNやSi3N4等のセラミックスであり、接合剤にはガラス又は金属ロウ材を用いる。
【選択図】 図2
【解決手段】 二つの接合部材11、12は、それぞれ連続する複数の面を接合面として、その接合面間に接合剤3が介在することにより互いに接合されている。二つの接合部材11、12の間、及びこれら接合部材11、12と接合剤3の間における熱膨張係数差は、5.0×10−6/℃以下である。また、接合部材はWやCu−W等の金属、あるいはAlNやSi3N4等のセラミックスであり、接合剤にはガラス又は金属ロウ材を用いる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、セラミックスや金属からなる2つの接合部材の接合構造に関し、詳しくは接合強度、耐久性に優れた接合構造に関するものである。
従来、各種の電気部品や電子部品等においては、各種の接合部材が種々の接合方法で接合されてきた。例えば、半導体製造装置に用いられるサセプタの電極では、窒化アルミニウム等のセラミックス基板上にタングステン等からなる金属の電極が接合されている。
このような電気部品や電子部品における各種部材の接合には、接合剤としてガラスを用いる方法や、ロウ材を用いる方法が知られている。例えば、ガラスを用いる接合方法では、金属同士又はセラミックス同士、あるいは金属とセラミックスの接合が行われている。また、ロウ材を用いる方法でも、金属同士、あるいは金属とセラックスの接合や、表面にメタライズ層を形成したセラミックス同士の接合が一般的に行われている。
上記した従来の接合方法は、図1に示すように、二つの接合部材1、2の互いに向かい合う一つの平面同士の間を接合材3で接合するものである。具体的には、片方の接合部材1と他方の接合部材2の平面同士を対向させ、その対向する平面間に接合剤3を塗布して接合していた。
しかしながら、このような従来の接合構造においては、その接合面に垂直な方向に対する接合強度は十分に高いが、接合面に平行な方向における接合強度が弱い、即ち接合面に対して平行な方向に働く力には極めて弱とう欠点があった。そのため、片方の接合部材に接合面と平行な方向の力が働いた場合、二つの接合部材が接合面で簡単に剥がれやすいという問題があった。
本発明は、このような従来の事情に鑑み、各種の電気部品や電子部品等に用いられる2つの接合部材を接合する際に、二つの接合部材の接合面に垂直な方向と共に、接合面に平行な方向に対しても十分に高い接合強度が得られる接合構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明が提供する接合構造は、二つの接合部材を互いに接合した構造であって、二つの接合部材がそれぞれ連続する複数の面を接合面として、その接合面の間に介在する接合剤により互いに接合されていることを特徴とするものである。
上記本発明の接合構造においては、前記二つの接合部材の間及びこれら接合部材と接合剤との間における熱膨張係数差が5.0×10−6/℃以下であることを特徴とする。
また、上記本発明の接合構造においては、前記接合剤がガラス又は金属ロウ材であることを特徴とする。更に、前記二つの接合部材の組合せが、金属−金属、金属−セラミックス、又はセラミックス−セラミックスのいずれかであることを特徴とするものである。
更に、本発明の接続構造においては、前記金属はニッケル、タングステン、モリブデン、銅、銅−タングステン、銅−モリブデンのいずれかであり、前記セラミックスは窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウムのいずれかであることを特徴とする。
本発明によれば、二つの接合部材を接合剤で接合して、その接合面に垂直な方向と共に、接合面に平行な方向に対しても十分に高い接合強度を有する接合構造を提供することができ、各種の電気部品や電子部品等に用いられる2つの接合部材の高強度な接合に極めて有効である。
本発明における接合構造では、二つの接合部材がそれぞれ連続する複数の面の間に介在する接合材によって接合されている。換言すれば、本発明における二つの接合部材は、それぞれ二つ以上の連続した平面を備えており、これらの二つ以上の連続した平面を互いの接合面として接合剤により接合されている。
次に、図面を参照して、本発明による接合構造を具体的に説明する。図2に示す接合構造は、第1の接合部材11の表面に凹部を形成し、この凹部内に第2の接合部材12の下端部を挿入した状態で接合剤3により接合されている。この接合構造においては、第1の接合部材11では凹部の底面と側面の連続した二つの面が接合面を構成する一方、第2の接合部材12の接合面は、例えば第2の接合部材12が円柱状の場合、その下端平面と下端部外周面(接合剤3に接した部分)の連続した二つの面で構成されている。
図3に示す接合構造では、第1の接合部材13の表面に凹部を形成すると共に、第2の接合部材14の下端表面に凸部を設け、この第1の接合部材13の凹部内に第2の接合部材14の下端部を挿入した状態で接合剤3により接合されている。従って、この接合構造においては、第1の接合部材13では凹部の底面と側面の連続した二つの面が接合面を構成し、第2の接合部材14の接合面は、同様に円柱状の場合、接合剤3に接した下端平面、その下端平面から下方に突き出た凸部の側面、並びにその凸部の下端底面の連続する3つの面によって構成される。
また、図4に示す接合構造では、第1の接合部材15の表面に凹部を形成すると共に、第2の接合部材16の下端表面に凹部を設け、この第1の接合部材15の凹部内に第2の接合部材16の下端部を挿入した状態で接合剤3により接合されている。この接合構造においては、第1の接合部材15では凹部の底面と側面の連続した二つの面が接合面を構成する一方、第2の接合部材16の接合面は、同様に円柱状の場合、その接合剤3に接した下端部側面、下端平面、及びその下端平面に穿設された凹部の側面、並びにその底面の連続する4つの面によって構成されている。
以上の図1〜4に示した具体例では、第1(大きい方)の接合部材に凹部を設け、その凹部内に第2(小さい方)の接合部材の下端部側を挿入した状態で接合しているが、本発明の接合構造はこれらに限定されるものではなく、二つ以上の連続した面からなる接合面を備えた多種多様な接合部材による接合が可能である。
例えば、図5に示すように、第2の接合部材18が比較的大きい場合には、その第2の接合部材18に凹部を、且つ第1の接合部材17の平面には凸部を形成し、この第1の接合部材17の凸部を第2の接合部材18の凹部内に挿入した状態で、接合剤3により互いに接合することもできる。
このような本発明の接合構造によれば、二つ以上の連続した面からなる接合面を接合剤で接合しているため、従来のごとく互いに対向した一つの平面同士を接合面とした場合と比較して、2つの接合部材の接合強度を向上させることができ、特に接合面に平行な方向での接合強度が大幅に向上する。そのため、片方の接合部材に接合面に対して平行な方向の大きな力が働いた場合であっても、二つの接合部材の剥離を防止することができる。
また、二つの接合部材及びその間に存在する接合剤の相互の熱膨張係数差は5.0×10−6/℃以下であることが必要である。熱膨張係数差が5.0×10−6/℃を超えると、接合時に加えられた熱履歴により応力がそれぞれの部材に働き、破壊やクラック、更には変形などが発生しやすくなるため好ましくない。
接合剤としてはガラス又は金属ロウ材が好ましい。これらの接合剤は、接合時に液体となり、接合部材と密着できるため好ましい。特に接合部に圧力を加えた場合は、接合部にポアが形成され難くなるため特に好適である。一般にセラミックスは金属に比較して熱膨張係数が小さいため、セラミックス同士の接合に対する接合剤としてはガラスが好ましい。接合部材が金属同士の場合には、熱膨張係数差を小さくするために、接合剤は金属ロウ材が好ましい。また、金属とセラミックスの接合に関しては、熱膨張係数差が比較的小さいガラス、若しくは金属ロウ材を接合剤として使用することが好ましい。
接合部材に用いる金属は、ニッケル、タングステン、モリブデン、銅、銅−タングステン、銅−モリブデンのいずれかであることが好ましい。これらの材料は接合時に接合剤である金属ロウ材に濡れやすいだけでなく、ガラスにも比較的濡れるため接合が容易であるばかりでなく、強固な接合が得られるため好ましい。
接合部材に用いるセラミックスは、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウムのいずれかであることが好ましい。これらの材料はセラミックスの中でも比較的高強度材料であるため、強固な接合が得られやすい。また、酸化アルミニウムは酸化物であり、それ以外の材料も表面に非常に薄い酸化被膜を有するため、接合剤であるガラスとも濡れ性が良好であり、強固な接合が得られるため特に好ましい。
特に窒化アルミニウムは、焼結体を製造する際に、少量のアルカリ土類金属化合物や希土類化合物を焼結助剤として添加する。これらの化合物は、窒化アルミニウムのごく表面に存在する酸化物と反応して化合物を形成する。これらのアルカリ土類−アルミニウム酸化物、希土類−アルミニウム酸化物は、特にガラスとの濡れ性に優れているため好ましい。
接合部材として、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、及び酸化アルミニウムの各セラミックスと、ニッケル、タングステン、モリブデン、銅、銅−タングステン、及び銅−モリブデンの各金属又は合金を用意した。これら各接合部材の熱膨張係数を下記表1に示した。
尚、上記の接合部材に関して、タングステン、モリブデン、銅−タングステン、及び銅−モリブデンについては、厚み2μmのニッケル若しくは厚み1μmの金をメッキしたもの、及び厚み2μmのニッケルを施した上に更に厚み1μmの金をメッキしたものも用意した。また、セラミックスの接合部材については、接合部にタングステンのメタライズを施し、その上に更に厚み2μmのニッケルをメッキしたものも用意した。
上記の各接合部材の接合面を図1〜4のいずれかの形状に加工し、接合剤として下記表2に示すガラス及び金属ロウ材を用いて接合した。上記接合に際しては、接合部に接合部材の自重以外に10g/mm2の荷重をかけ、2つの接合部材の接合面間に残る体積と概ね同程度の接合剤を使用して接合した。尚、下記表2に示す接合剤の材質は、ガラス1が40%ZnO−30%B2O3−30%Al2O3、ガラス2が硼珪酸ガラス、活性Agロウが80%Ag−20%Cuである。また、各接合剤の熱膨張係数、及び接合温度を下記表2に併せて示した。
下記した表3〜54に、上記表1に示した各接合部材から選択した接合部材1と接合部材2の組合せごとに、接合面の形状、用いた接合剤、及び接合雰囲気を示すと共に、それぞれの接合構造における引張強度と曲げ強度に関する評価を示した。尚、接合部材に施したメッキやメタライズは、各表中の接合部材1及び接合部材2の欄の括弧内に示した。
引張強度及び曲げ強度は、片方の接合部材を固定し、他方の接合部材に30kgfの力をかけて、引張強度の場合は垂直方向に引っ張り、曲げ強度の場合は垂直方向に対して直角方向に押して、それぞれ測定した。その際の評価は、接合面で剥がれたものを×、接合部で剥がれず接合部材が破壊又は変形したものを○、接合部で剥がれず接合部材が破壊又は変形したが、接合部にクラックが生じたものは△として、それぞれ下記表3〜54に示した。
尚、片方の接合部材がNi又はCuである場合には、上記表2のどの接合剤を用いても、AlN、Si3N4、SiC、Al2O3、W、Mo、Cu−W、Cu−Moの接合部材と接合することができなかった。そのため、接合部材の一方がNi又はCuの組合せについては、相手の接合部材がNi又はCuで且つ接合が可能であった組合せのみを下記表54に示し、それ以外の組合せについては表として示さなかった。
1、11、13、15、17 第1の接合部材
2、12、14、16、18 第2の接合部材
3 接合剤
2、12、14、16、18 第2の接合部材
3 接合剤
Claims (7)
- 二つの接合部材を互いに接合した構造であって、二つの接合部材がそれぞれ連続する複数の面を接合面として、その接合面の間に介在する接合剤により互いに接合されていることを特徴とする接合構造。
- 前記二つの接合部材の間及びこれら接合部材と接合剤との間における熱膨張係数差が5.0×10−6/℃以下であることを特徴とする、請求項1に記載の接合構造。
- 前記接合剤がガラス又は金属ロウ材であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の接合構造。
- 前記二つの接合部材の組合せが、金属−金属、金属−セラミックス、又はセラミックス−セラミックスのいずれかであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の接合構造。
- 前記金属が、ニッケル、タングステン、モリブデン、銅、銅−タングステン、銅−モリブデンのいずれかであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の接合構造。
- 前記セラミックスが、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウムのいずれかであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の接合構造。
- 前記二つの接合部材のいずれか片方が窒化アルミニウムであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の接合構造。
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