JP2007038186A - 耐紫外線性フィルター用濾材およびソックフィルター - Google Patents
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Abstract
【課題】低圧力損失で高い粒子捕集効率を発現し、紫外線照射下においても長期間使用できる耐紫外線性フィルター用濾材およびソックフィルターを提供すること。
【解決手段】メルトブロー不織布の少なくとも片面に、ポリエステル繊維,ナイロン繊維,ポリエチレン繊維,ビニロン繊維,アクリル繊維の中から選ばれる繊維を50重量%以上含有し、且つ、紫外線透過率が70%以下である不織布が補強材として積層されていることを特徴とする耐紫外線性フィルター用濾材。
【選択図】なし
【解決手段】メルトブロー不織布の少なくとも片面に、ポリエステル繊維,ナイロン繊維,ポリエチレン繊維,ビニロン繊維,アクリル繊維の中から選ばれる繊維を50重量%以上含有し、且つ、紫外線透過率が70%以下である不織布が補強材として積層されていることを特徴とする耐紫外線性フィルター用濾材。
【選択図】なし
Description
本発明は、食品加工工場等において空気を浄化するのに好適なフィルター用濾材に関し、さらに詳しくは、紫外線照射を受けても強度や性能の低下が起こりにくく、長期にわたって使用可能な濾材およびその濾材を成形したソックフィルターに関するものである。
ソックフィルターとは濾材を細長い袋状に成形したフィルターであり、その開口部を空調機の空気吹き出し口に接続して、主に食品加工工場などで使用される。従来、ソックフィルターとしては、濾材として織物を使用したものがあるが、粒子捕集性能を向上させるのに織目を込ませた構造とする必要があり、結果として、厚くて重い構成になり、コスト高にもなる。このため、経済的なことを考え洗濯して再利用を行っているが、ソックフィルターの長さは、通常5〜20mもあり容易ではなく、その上、機械的捕集のため、特に微塵の捕集性に乏しいという欠点があった。
これらの問題点を解決するものとして、メルトブロー不織布とスパンボンド不織布を積層した濾材から構成されたソックフィルターが提案され、ポリプロピレンを素材としたスパンボンドを使用することが好適であることが示されている(特許文献1)。しかしながら、かかるソックフィルターは、防虫や殺菌などのために紫外線ランプが設置されている食品加工工場などで使用すると、紫外線により濾材が脆化して破壊され、長期間の使用に耐えられず、用いることができる範囲が限定されるという問題がある。
特開平10−272316号公報
本発明の目的は、前記の従来技術の課題を解決するためになされたものであり、低圧力損失で高い粒子捕集効率を発現し、紫外線照射下においても長期間使用できる耐紫外線性フィルター用濾材およびソックフィルターを提供することにある。
本発明は、上記の背景技術に鑑みなされたものであって、上記の課題を解決することができた耐紫外線性フィルター用濾材およびソックフィルターとは、以下の通りの構成である。
第1の発明は、メルトブロー不織布(不織布A)の少なくとも片面に、ポリエステル繊維,ナイロン繊維,ポリエチレン繊維,ビニロン繊維,アクリル繊維の中から選ばれる繊維を50重量%以上含有し、且つ、紫外線透過率が70%以下である不織布(不織布B)が積層されていることを特徴とする耐紫外線性フィルター用濾材である。
第2の発明は、前記不織布Aが、エレクトレット化されていることを特徴とする第1の発明に記載の耐紫外線性フィルター用濾材である。
第3の発明は、前記不織布Bがスパンボンド不織布であることを特徴とする第1および第2の発明に記載の耐紫外線性フィルター用濾材である。
第4の発明は、第1〜3の発明に記載の耐紫外線性フィルター用濾材を、不織布Bが外面となるように成形したことを特徴とするソックフィルターである。
本発明によれば、低圧力損失で高い粒子捕集効率を発現し、しかも、強い紫外線を受ける過酷な環境下の使用においても長期間使用できる耐紫外線性フィルター用濾材およびソックフィルターを提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の耐紫外線性フィルター用濾材は、メルトブロー不織布である不織布Aの少なくとも一面に、特定の繊維を含有し、且つ低い紫外線透過率を持つ不織布Bを積層したものであることが好ましい。メルトブロー法によれば極細繊維不織布が得られ、表面積を拡大することが可能となり、例えばエレクトレット等に用いると高い性能を発揮し得るが、その反面、摩擦・紫外線等の外部からの機械的・光学的刺激に敏感となり、脆化によってダスト化し易く、例えば食品工場等の使用において著しい不具合が生じることを本願発明者らは知見した。そしてかかる不具合を解消するため、鋭意研究した結果、紫外線透過率が低い不織布を用いることにより、通気性を阻害することなく、メルトブロー不織布を機械的・光学的刺激から有効に保護することが可能となり、長期間高い捕集性能を維持できることを見出し本発明に至ったものである。すなわち、濾材構成材料の中で、メルトブロー不織布である不織布Aは濾過機能を担っており、不織布Bは加工に耐えうる強度を濾材に付与する補強材としての機能と、濾材の紫外線による劣化を防止する機能も果たすものである。
本発明の耐紫外線性フィルター用濾材は、メルトブロー不織布である不織布Aの少なくとも一面に、特定の繊維を含有し、且つ低い紫外線透過率を持つ不織布Bを積層したものであることが好ましい。メルトブロー法によれば極細繊維不織布が得られ、表面積を拡大することが可能となり、例えばエレクトレット等に用いると高い性能を発揮し得るが、その反面、摩擦・紫外線等の外部からの機械的・光学的刺激に敏感となり、脆化によってダスト化し易く、例えば食品工場等の使用において著しい不具合が生じることを本願発明者らは知見した。そしてかかる不具合を解消するため、鋭意研究した結果、紫外線透過率が低い不織布を用いることにより、通気性を阻害することなく、メルトブロー不織布を機械的・光学的刺激から有効に保護することが可能となり、長期間高い捕集性能を維持できることを見出し本発明に至ったものである。すなわち、濾材構成材料の中で、メルトブロー不織布である不織布Aは濾過機能を担っており、不織布Bは加工に耐えうる強度を濾材に付与する補強材としての機能と、濾材の紫外線による劣化を防止する機能も果たすものである。
本発明の耐紫外線性フィルター用濾材に使用するメルトブロー不織布の平均繊維径は0.01dtex〜0.5dtexであることが好ましい。平均繊維径が0.01dtexよりも小さいと、圧力損失が大きくなり、また粒子の目詰まりが早く起きて長期の使用に耐えない。また平均繊維径が0.5dtexよりも大きいと、微細塵に対して十分な粒子捕集効率を発現できない。
メルトブロー不織布である不織布Aの目付は好ましくは10g/m2〜100g/m2、さらに好ましくは20g/m2〜60g/m2である。ソックフィルターは、食品工場等の天井付近に設置されることが多く、目付がこの範囲を超えるとソックフィルター全体が重くなり、設置作業が困難になるという問題があり、一方、目付がこの範囲未満であると微細塵に対して十分な粒子捕集効率を発現できない。
本発明の耐紫外線性フィルター用濾材において、不織布Bは、ポリエステル繊維,ナイロン繊維,ポリエチレン繊維,ビニロン繊維,アクリル繊維の中から選ばれる繊維を含有することが好ましい。これら繊維は紫外線に対する耐久性が高く、不織布Bに含有することで紫外線照射下でも長期間使用可能な濾材とすることができる。不織布Bには上に挙げた以外の繊維を混合することもできるが、ポリエステル繊維,ナイロン繊維,ポリエチレン繊維,ビニロン繊維,アクリル繊維の中から選ばれる繊維を50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上含有することが重要である。ポリエステル繊維,ナイロン繊維,ポリエチレン繊維,ビニロン繊維,アクリル繊維の中から選ばれる繊維の含有量がこの値未満になると、不織布Bの紫外線に対する耐久性が不十分となる。
また、不織布Bの紫外線透過率は70%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは10%以下である。この値を超える紫外線透過率を持つ補強材では、紫外線の遮蔽効果が十分でなく、補強材を透過した紫外線によりメルトブロー不織布が脆化して破壊されて性能低下を引き起こす。しかし、一般に紫外線透過率を下げると通気性が損なわれるため、補強材の紫外線透過率の下限は0.1%である。ここで、紫外線透過率は、以下の方法で測定した値である。15Wのブラックライト(松下電工製FL−15BLB)の表面から5cm離れた位置に紫外線照度計を置いた。ブラックライトを点灯して紫外線照度を測定し、その後、紫外線照度計の前に補強材を置いた状態で紫外線照度を測定し、補強材を置いた状態での紫外線照度と補強材がない状態での紫外線照度の比を紫外線透過率とした。なお、紫外線照度計は、オーク製作所製UV−M02に受光器UV35を装着して用いた。
本発明において、不織布Bの製法は特に限定されず、ニードルパンチ不織布,ウォーターパンチ不織布や、スパンボンド不織布などが使用できるが、中でも長繊維で構成されて強度が高いスパンボンド不織布が好ましい。
不織布Bを構成する繊維の繊維径は1〜10dtexが好ましい。繊維径が小さければ高い紫外線遮蔽効果が得られるが、通気性が損なわれる傾向にあり、かかる範囲内であれば、通気性を損なうこと無く、メルトブロー不織布である不織布Aを有効に保護することができるからである。より好ましくは2〜8dtex、更に好ましくは4〜7dtexである。
また、不織布Bの目付は、25g/m2〜300g/m2が好ましく、50g/m2〜200g/m2がさらに好ましい。目付がこれ未満では紫外線が通り易くなり、有効に不織布Aを保護することが困難となり、更には強度が弱くなって、フィルターを袋状に加工する際の加工性が悪くなるからである。また、目付がこれを超えると圧力損失が大きくなることや、ソックフィルター全体の重量が重くなるという問題が生じる。
また、不織布Bは紫外線遮蔽効果を発現させるため、酸化チタンを0.1重量%以上含有させることも好ましい形態の一つである。酸化チタンは糸切れ等の問題を起こさず、高い紫外線遮蔽効果を発揮するものであり、繊維自体の紫外線遮蔽効果を確保することにより、紫外線から有効にメルトブローを保護しながら、薄く通気性がよい補強材が得られるからである。より好ましくは0.2重量%以上、更に好ましくは0.3重量%以上である。上限は特に限定されるものではないが、2重量%を超えても紫外線遮蔽効果の変化は少なく、これを超える範囲では酸化チタンを含有させる意義が薄くなる。
更に、不織布Bを構成する繊維として、カーボンブラック等の原着や紫外線吸収剤混練り・コーティング、染色等によって紫外線遮蔽効果を高めたものを用いることも、不織布Aを保護する上で好ましい形態の一つである。
本発明の耐紫外線性フィルター用濾材において、メルトブロー不織布はエレクトレット化されていることが好ましい。エレクトレット化の方法として、従来公知の電荷付与方法が使用可能である。すなわち、固体もしくは液体との摩擦、接触により電荷を付与する方法、電子線などの荷電粒子を衝突させ電荷を付与する方法、紫外線、X線等の高エネルギー電磁波を照射することによる光電効果を利用する方法、コロナ放電、プラズマなどにより発生する電離性イオン、電荷を注入、付着させる方法などである。メルトブロー不織布の材質については特に限定されず、ポリプロピレン、ポリエチレン,ナイロン,ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸などが使用できるが、コストとエレクトレット化した際の電荷保持性からポリプロピレンが好ましい。
本発明において不織布Aと不織布Bは非接着状態で単に重ねるだけでも良いが、熱エンボスや超音波による融着、接着樹脂や熱接着シートによる接着などにより接合して積層一体化しても良い。不織布Bはメルトブロー不織布である不織布Aの片面に積層するだけでなく、両面に積層することができ、さらに、本発明の目的を損なわない範囲で他の不織布やネット等を積層しても差し支えない。また、不織布Bには、必要に応じて抗菌性、防カビ性、難燃性が付与することができ、それらの付与方法としては、不織布の構成繊維として抗菌性や防カビ性、難燃性を有する繊維を混合する方法や、不織布製造後に抗菌性や防カビ性、難燃性を有する薬剤を添着する方法がある。
本発明のソックフィルターは、前記の耐紫外線性フィルター用濾材の不織布Bが外周側になるような構成で袋状に成形したものである。このような構成にすることにより、ソックフィルターの外側にある紫外線ランプから照射される紫外線が、不織布Bにより遮蔽されてメルトブロー不織布の劣化を防止して、紫外線照射下でも長期間使用することができる。ソックフィルターの形成は、濾材を縫製したり、超音波ウェルダーで接合する方法などにより可能である。
以下、実施例をあげて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明で使用した不織布Bの紫外線透過率および濾材の濾過性能の試験方法は以下の通りである。
<不織布B(補強材)の紫外線透過率>
15Wのブラックライト(松下電工製FL−15BLB)の表面から5cm離れた位置に紫外線照度計を置き、ブラックライトを点灯して紫外線照度を測定した。その後、紫外線照度計の前に補強材を置いた状態で紫外線照度を測定した。補強材を置いた状態での紫外線照度と補強材がない状態での紫外線照度の比を紫外線透過率とした。なお、紫外線照度は、オーク製作所製紫外線照度計UV−M02に受光器UV35を装着して測定した。
15Wのブラックライト(松下電工製FL−15BLB)の表面から5cm離れた位置に紫外線照度計を置き、ブラックライトを点灯して紫外線照度を測定した。その後、紫外線照度計の前に補強材を置いた状態で紫外線照度を測定した。補強材を置いた状態での紫外線照度と補強材がない状態での紫外線照度の比を紫外線透過率とした。なお、紫外線照度は、オーク製作所製紫外線照度計UV−M02に受光器UV35を装着して測定した。
<濾材の濾過性能>
濾材をダクトに装着し風速10cm/sで通風し、濾材の圧力損失を差圧計で測定し、濾材の上下流の0.3〜0.5μmの大気塵の濃度をパーティクルカウンターでそれぞれ測定して、その比から粒子捕集効率を求めた。
濾材をダクトに装着し風速10cm/sで通風し、濾材の圧力損失を差圧計で測定し、濾材の上下流の0.3〜0.5μmの大気塵の濃度をパーティクルカウンターでそれぞれ測定して、その比から粒子捕集効率を求めた。
(実施例1)
平均繊維径0.03dtex、目付30g/m2のエレクトレット化したポリプロピレン製メルトブロー不織布(不織布A)の片面に、酸化チタンを0.3重量%含有した平均繊維径5.6dtex、目付40g/m2で紫外線透過率45%のポリエステル製スパンボンド不織布(不織布B)を補強材として積層し、濾材を作製した。この濾材の濾過性能を測定した結果、圧力損失は57Pa、粒子捕集効率は95%であった。
平均繊維径0.03dtex、目付30g/m2のエレクトレット化したポリプロピレン製メルトブロー不織布(不織布A)の片面に、酸化チタンを0.3重量%含有した平均繊維径5.6dtex、目付40g/m2で紫外線透過率45%のポリエステル製スパンボンド不織布(不織布B)を補強材として積層し、濾材を作製した。この濾材の濾過性能を測定した結果、圧力損失は57Pa、粒子捕集効率は95%であった。
(実施例2)
平均繊維径0.03dtex、目付30g/m2のエレクトレット化したポリプロピレン製メルトブロー不織布(不織布A)の片面に、酸化チタンを0.3重量%含有した平均繊維径8.9dtex、目付130g/m2で紫外線透過率6.5%のポリエステル製スパンボンド不織布(不織布B)を補強材として積層し、濾材を作製した。この濾材の濾過性能を測定した結果、圧力損失は62Pa、粒子捕集効率は96%であった。
平均繊維径0.03dtex、目付30g/m2のエレクトレット化したポリプロピレン製メルトブロー不織布(不織布A)の片面に、酸化チタンを0.3重量%含有した平均繊維径8.9dtex、目付130g/m2で紫外線透過率6.5%のポリエステル製スパンボンド不織布(不織布B)を補強材として積層し、濾材を作製した。この濾材の濾過性能を測定した結果、圧力損失は62Pa、粒子捕集効率は96%であった。
(比較例1)
平均繊維径0.03dtex、目付30g/m2のエレクトレット化したポリプロピレン製メルトブロー不織布の片面に、平均繊維径5.6dtex、目付20g/m2で紫外線透過率85%のポリプロピレン製スパンボンド不織布を補強材として積層し、濾材を作製した。この濾材の濾過性能を測定した結果、圧力損失は56Pa、粒子捕集効率は95%であった。
平均繊維径0.03dtex、目付30g/m2のエレクトレット化したポリプロピレン製メルトブロー不織布の片面に、平均繊維径5.6dtex、目付20g/m2で紫外線透過率85%のポリプロピレン製スパンボンド不織布を補強材として積層し、濾材を作製した。この濾材の濾過性能を測定した結果、圧力損失は56Pa、粒子捕集効率は95%であった。
(比較例2)
平均繊維径0.03dtex、目付30g/m2のエレクトレット化したポリプロピレン製メルトブロー不織布の片面に、平均繊維径5.6dtex、目付100g/m2で紫外線透過率25%のポリプロピレン製スパンボンド不織布を補強材として積層し、濾材を作製した。この濾材の濾過性能を測定した結果、圧力損失は67Pa、粒子捕集効率は95%であった。
平均繊維径0.03dtex、目付30g/m2のエレクトレット化したポリプロピレン製メルトブロー不織布の片面に、平均繊維径5.6dtex、目付100g/m2で紫外線透過率25%のポリプロピレン製スパンボンド不織布を補強材として積層し、濾材を作製した。この濾材の濾過性能を測定した結果、圧力損失は67Pa、粒子捕集効率は95%であった。
上記濾材から直径90mmのサンプルをとり、平らな板の上にメルトブロー不織布側を下にして置き、補強材面側から15Wのブラックライト(松下電工製FL−15BLB)で照度1.0mW/cm2の紫外線を照射しながら放置して、経時変化を観察した。
材質がポリプロピレンで紫外線透過率の高い不織布を補強材に使用している比較例1では、350時間経過時点で濾材に著しい脆化が見られ、取り扱う際に破壊し濾過性能の測定ができなかった。また、紫外線透過率は低いものの、ポリプロピレン不織布を補強材に使用している比較例2では、1000時間経過時点で著しい脆化が見られ、取り扱う際に破壊し濾過性能の測定ができなかった。これに対し、材質がポリエステルで紫外線透過率が低い不織布を補強材に使用している実施例1および2の濾材では、いずれも3000時間経過後も変化は認められず、濾過性能の低下も見られなかった。
(実施例3)
実施例2で作製した濾材の補強材側が外周側になるように、ミシンで袋状に縫製して直径30cm、長さ10mのソックフィルターを作製した。作製したソックフィルターを食品加工工場内の空調機に設置し、風量30m3/minで空気を循環して連続運転させた。このソックフィルターから約30cm離れたところに、紫外線殺菌灯が6台設置されている。
実施例2で作製した濾材の補強材側が外周側になるように、ミシンで袋状に縫製して直径30cm、長さ10mのソックフィルターを作製した。作製したソックフィルターを食品加工工場内の空調機に設置し、風量30m3/minで空気を循環して連続運転させた。このソックフィルターから約30cm離れたところに、紫外線殺菌灯が6台設置されている。
(比較例3)
比較例2で作製した濾材の補強材側が外周側になるように、ミシンで袋状に縫製して直径30cm、長さ10mのソックフィルターを作製した。作製したソックフィルターを実施例3と同様に食品加工工場内の空調機に設置して連続運転させた。
比較例2で作製した濾材の補強材側が外周側になるように、ミシンで袋状に縫製して直径30cm、長さ10mのソックフィルターを作製した。作製したソックフィルターを実施例3と同様に食品加工工場内の空調機に設置して連続運転させた。
比較例3のソックフィルターは、運転開始後3ヶ月で濾材が破壊されて部分的に穴が開いたが、実施例3のソックフィルターは、運転開始して6ヶ月経過後も外観に全く変化が見られず、また、濾材をサンプリングして濾過性能を測定した結果、圧力損失は71Pa、粒子捕集効率は97%であった。
本発明によれば、低圧力損失で高い粒子捕集効率を発現し、紫外線照射下においても長期間使用できる耐紫外線性フィルター用濾材およびソックフィルターを提供することができるため、食品加工工場等の空調機に装着して空気を浄化できるフィルターの用途に利用することができ、産業界に大きく寄与することができる。
Claims (4)
- メルトブロー不織布(不織布A)の少なくとも片面に、ポリエステル繊維,ナイロン繊維,ポリエチレン繊維,ビニロン繊維,アクリル繊維の中から選ばれる繊維を50重量%以上含有し、且つ、紫外線透過率が70%以下である不織布(不織布B)が積層されていることを特徴とする耐紫外線性フィルター用濾材。
- 前記不織布Aが、エレクトレット化されていることを特徴とする請求項1記載の耐紫外線性フィルター用濾材。
- 前記不織布Bがスパンボンド不織布であることを特徴とする請求項1および2記載の耐紫外線性フィルター用濾材。
- 請求項1〜3記載の耐紫外線性フィルター用濾材を、不織布Bが外周側になるように成形したことを特徴とするソックフィルター。
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JP2005228041A JP2007038186A (ja) | 2005-08-05 | 2005-08-05 | 耐紫外線性フィルター用濾材およびソックフィルター |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015510556A (ja) * | 2012-02-16 | 2015-04-09 | カール・フロイデンベルク・カーゲーCarl FreudenbergKG | 光防御繊維材料 |
CN107747173A (zh) * | 2017-10-23 | 2018-03-02 | 河南工程学院 | 农用非织造布的防紫外整理方法 |
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2005
- 2005-08-05 JP JP2005228041A patent/JP2007038186A/ja not_active Withdrawn
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