JP2007037532A - 第viii因子インヒビター抗体の阻害活性を中和する抗−イディオタイプ抗体 - Google Patents

第viii因子インヒビター抗体の阻害活性を中和する抗−イディオタイプ抗体 Download PDF

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Abstract

【課題】第VIII因子のドメインA2に対するインヒビター抗体を中和することを可能にする、血友病Aの処置のための新規のツールを開発する。
【解決手段】本発明は、第VIII因子のドメインA2に結合する第VIII因子インヒビター抗体に対するモノクローナル抗−イディオタイプ抗体、およびこのモノクローナル抗−イディオタイプ抗体を産生する細胞株、薬物としてのこのモノクローナル抗−イディオタイプ抗体の使用、ならびにより詳細には、血友病Aの処置のために使用される薬物の製造のためのその使用に関する。
【選択図】図1

Description

先行技術および序文
本発明は、第VIII因子のドメインA2へ結合する第VIII因子インヒビター抗体に対する抗−イディオタイプモノクローナル抗体、およびこの抗−イディオタイプモノクローナル抗体を産生する細胞株、薬物としてのこの抗−イディオタイプモノクローナル抗体の使用、およびより詳細には、血友病Aの処置のための薬物の製造のためのその使用に関する。
血友病Aは、染色体Xの異常に起因する遺伝性疾患であり、凝固不能性によって、冒されている人において発現される。この疾患は、凝固に関与する蛋白質、第VIII因子(FVIII)の遺伝子における突然変異の結果であり、これは、血液中における第VIII因子の完全な欠如か、またはその部分的な欠乏のいずれかを決定する。
血友病Aは、血液凝固に影響を与える不全症の中で最も一般的である:フランスにおいて、5000人のうち1人の男性が冒されている(即ち、血友病に苦しむ患者の80%)。他のタイプの血友病、血友病Bは、血友病に苦しむ患者の20%を冒し;それは、他の凝固因子、第IX因子の欠乏に起因する。
血友病(タイプAまたはB)の現在の処置は、欠乏しているかまたは欠如している凝固因子の静脈投与からなる。フランスにおいて、血友病の処置のための第VIII因子は、ラボラトワール、フランセ、デュ、フラクショヌマン、エ、デ、ビオテクノロジ(the Laboratoire Francais du Fractionnement et des Biotechnologies;LFB)によってまたはインターナショナル・ファーマシューティカル・ラボラトリーズ(international pharmaceutical laboratories)によって提供される血液誘導化薬物の形態で、ならびに遺伝子工学方法によって調製された組換え薬物の形態で、入手可能である。実際に、第VIII因子をコードするDNAが、単離されおよび哺乳動物細胞において発現され(Woodら、Nature (1984) 312: 330-337)、そしてそのアミノ酸配列がcDNAから誘導された。
分泌された第VIII因子(FVIII)は、300 Kda(2332アミノ酸)の分子量を有する糖蛋白質であり、これは、凝固内因性経路(coagulation intrinsic pathway)の活性化において重要な役割を果たしている。不活性FVIIIは、6つの領域からなる:N末端からC末端へ、A1(残基1-372)、A2(残基373-740)、B(残基741-1648)、A3(残基1649-2019)、C1(残基2020-2172)およびC2(残基2173-2332)。分泌後、FVIIIは、フォン・ビルブラント因子(von Willebrand Factor;vWF)と相互作用し、これは、FVIIIを血漿プロテアーゼから保護する。FVIIIは、トロンビンによる切断時に、vWFから解離する。この切断は、ドメインBの排除およびヘテロダイマー(heterodimer)の形成を生じさせる。FVIIIは、この形態で血漿中を循環する。このヘテロダイマーは、重鎖(A1、A2)および軽鎖(A3、C1、C2)からなる。
FVIIIが血友病患者へ注入されると、それは、患者の血液循環中のフォン・ビルブラント因子へ結合する。活性化第VIII因子は、活性化第IX因子の補因子として作用し、活性第X因子への第X因子の変換を促進する。活性化第X因子は、プロトロンビンをトロンビンへ変換する。次いで、トロンビンは、フィブリノーゲンをフィブリンへ変換し、血餅形成(clot formation)が続く。
第VIII因子の投与で遭遇する主な問題は、≪阻害抗体(inhibiting antibodies)≫と呼ばれる、患者における第VIII因子に対する抗体の出現である。これらの抗体は、第VIII因子プロコアギュラント活性(procoagulant activity)を中和し、これは、注入されるとすぐに不活性化される。従って、投与された凝固因子は、出血が停止し得る前に破壊され、これは、血友病の重大な合併症であり、治療を無効にしてしまう。更に、ある遺伝的に非血友病性の患者は、内因性第VIII因子に対するインヒビターを発現し得る:これは、後天性血友病である。
研究によって、抗−第VIII因子免疫応答は、大部分についてはサブクラスIgG4およびIgG1に属しそしてめったにIgG2に属さない、ポリクローナルIgGタイプのものであることが示された。IgG3は決して発現されない。軽鎖は、しばしば、κタイプ(Kappa type)のものである。IgG4の過剰発現(overrepresentation)は、長期間確立されたインヒビターを有する血友病者で、より顕著である。FVIII分子のドメインC2およびA2は、免疫応答の好まれる標的であるが、いくつかの場合において、ドメインA3に対する抗体が検出される。血友病患者の血漿を、固定化されたFVIIIを備える免疫吸着カラム(immunoadsorption column)に通過させると、抗−FVIII抗体の総量を精製することが可能である。収穫される量は、しばしば、総IgG 10mg当たり100μgより多い(Gilles JGら (1993) Blood; 82: 2452-2461)。動物モデルが、第VIII因子インヒビターの形成を研究する目的で開発され;ヒト組換え第VIII因子で免疫化されたラットは、ポリクローナルタイプの迅速な免疫応答を示す(Jarvisら Thromb Haemost. 1996 Feb. 75(2):318-25)。第VIII因子作用に対する抗−第VIII因子抗体干渉(interference)の多数の機構が存在し、第VIII因子の蛋白分解性切断および第VIII因子と種々のパートナー[例えば、フォン・ビルブラント因子(vWF)、リン脂質(PL)、第IX因子、活性化第X因子(FXa)またはAPC(Activated Protein C;活性化プロテインC)]との相互作用における干渉を包含する。
この免疫応答の結果を弱めるいくつかの処置が利用可能である:例えば、デスモプレシン(これは、第VIIIの産生を刺激する合成ホルモンである)、凝固を促進する薬剤(例えば、プロトロンビン複合体、または活性化プロトロンビン複合体の濃縮物)、組換え第VIIa因子、多量もしくは中間量の第VIII因子のプラスマスフェレーシス(plasmapheresis)および注入(infusions)を包含する処置。にもかかわらず、これらの方法は、非常に高価かつ低有効性である。
この免疫ポリクローナル応答のインビボ分析の複雑性のために、第VIII因子の特定ドメインに対するモノクローナル抗体が、研究チームによって単離された。従って、IgG4κタイプのヒトモノクローナル抗体(LE2E9)が単離された。この抗体は、第VIII因子のドメインC1に対するものであり、そして第VIII補因子活性およびフォン・ビルブラント因子へのその結合を阻害する(Jacqueminら (2000) Blood 95:156-163)。同一の様式で、インヒビターを有する血友病Aに苦しむ患者のメモリーB細胞のレパートリーから産生された、BO2C11と呼ばれる(IgG4κ)、第VIII因子のドメインC2に対するヒトモノクローナル抗体が、単離された(Jacqueminら Blood 1998 Jul 15;92 (2):496-506)。BO2C11は、第VIII因子のドメインC2を認識し、そしてフォン・ビルブラント因子およびリン脂質へのその結合を阻害する。それは、天然および活性第VIII因子のプロコアギュラント活性(procoagulation activity)を完全に阻害する。モノクローナル抗体の更なる例は、第VIII因子のドメインA2に対するBOIIB2抗体である。BOIIB2抗体は、第VIII因子活性の99%を阻害する。ドメインA2へ結合することによって、それは、FIXa(これは、FVIIIのこの領域内に低親和性結合部位を含有する)の結合に干渉しそして阻害し得、そして、その瞬間から、FIXaの酵素活性を阻害する。第二の考えられる作用様式は、FVIIIのヘテロ−ダイマー形態(A2:A1およびA3:C1:C2)とFVIIIのヘテロ−トリマー形態(A2およびA1およびA3:C1:C2)との間の平衡におけるその干渉であり、これらの複合体のドメインA2の分離(dissociation)を促進し、それらを非機能性にする(Ananyeva NMら (2004) Blood Coagul Fibrinolysis. Mar. 15(2):109-24. Review)。
これら新規のツールのおかげで、第VIII因子インヒビター抗体に対する更により最近の戦略的努力は、該インヒビター抗体を中和する抗−イディオタイプ抗体(他の抗体の可変領域と相互作用する能力を有する抗体)の投与を考慮している(Saint-Remy JMら (1999) Vox Sang ; 77 (suppl 1) : 21-24)。文献WO 2004/014955に開示されるマウス抗−イディオタイプ抗体、14C12は、第VIII因子のドメインC2に対する抗−第VIII因子標的抗体(BO2C11モノクローナル抗体)の阻害特性を、インビトロにおいて、用量依存様式で、中和する。にもかかわらず、抗−第VIII因子免疫応答はポリクローナルであり、そして患者中で発現される第VIII因子インヒビター抗体は、必ずしも、第VIII因子のドメインC2に対するわけではない。14C12抗体のみの投与からなる処置は、患者中で発現される抗−第VIII因子免疫応答を部分的にしか中和することができない。
インヒビターを発現した、血友病Aに苦しむ患者において見られる更に優勢なカテゴリーの第VIII因子インヒビター抗体は、第VIII因子のドメインA2に対するインヒビター抗体からなる。ドメインA2は43 KDのドメインである。その機能は、未だに十分に知られていないが、第VIII因子のドメインA2に対する阻害抗体は、遷移状態の複合体FXase/FXの変換の阻害によって、第VIIIa因子の機能を阻害することが示された(Lollarら J Clin Invest. 1994 Jun ; 93(6):2497-504、Fayら J Biol Chem. 1996 ; 271(11) : 6027-6032)。
従って、第VIII因子のドメインA2に対するインヒビター抗体は、第VIII因子に対する免疫応答において非常に重要であり、この応答は混合されており、そして第VIII因子のドメインA2に対する抗体およびドメインC2に対する抗体の介入(intervention)を主な様式で使用する。現在、第VIII因子のドメインA2に対するインヒビター抗体を中和することを可能にするツールは、存在しない。
従って、本出願人は、先ず、第VIII因子のドメインA2に対するインヒビター抗体を中和することを可能にする、血友病Aの処置のための新規のツールを開発することを試みた。引き続いて、本出願人は、インヒビターを有する血友病Aに苦しむ患者において発現される大部分のインヒビター抗体の阻害効果を中和することを可能にする新規のツールを開発することを試みた。
従って、本出願人は、第VIII因子インヒビター抗体(このインヒビター抗体は、第VIII因子のドメインA2に結合する)に対する新規の抗−イディオタイプ抗体を製造した。驚くべきことに、本出願人は、第VIII因子のドメインC2へ結合するインヒビターに対する抗−イディオタイプ抗体と同時の、本発明に従う抗−イディオタイプ抗体の使用が、抗−第VIII因子免疫応答のインヒビター効果に対して、そして特に、ドメインA2に対するインヒビター抗体によっておよび第VIII因子のドメインC2に対するインヒビター抗体によって誘発される免疫応答に対して、中和効果を有することに気付いた。
発明の詳細な説明
従って、本発明の第一の主題は、ヒトインヒビター抗体に対する第VIII因子モノクローナル抗−イディオタイプ抗体であって、該インヒビター抗体が第VIII因子のドメインA2に対する抗体に関する。
用語第VIII因子≪インヒビター抗体≫または≪インヒビター≫は、第VIII因子プロコアギュラント活性(procoagulant activity)を、特にそれへ結合することによって、阻害する抗体、そして特に抗−第VIII因子抗体(このエピトープは、第VIII因子上に局在する)を指すことが理解される。有利には、本発明の抗体は、第VIII因子のドメインA2に対するインヒビター抗体(本発明のモノクローナル抗−イディオタイプ抗体の標的)の凝固阻害活性の、少なくとも50%、有利には少なくとも60%、そしてなおより有利には少なくとも70%、80%、90%、99%または100%を中和することができる。該インヒビター抗体の凝固阻害活性を中和するこの能力は、≪第VIII因子クロモジェニックテスト(factor VIII chromogenic test)≫のようなアッセイにおいて、インヒビター抗体と抗−イディオタイプ抗体との存在下で、第VIII因子活性を測定することによって測定され得る(Jacqueminら (1998) Blood 92, 494-506)。
本発明の抗−イディオタイプモノクローナル抗体は、ヒトまたは動物起源のものであり得る。更に、それは、種々の様式で得られ得る。例えば、抗−イディオタイプ抗体を産生する細胞は、抗−第VIII因子インヒビター抗体を有する患者の末梢血リンパ球から、または健康な個体から得られ得る。これらの細胞は、当業者に周知の技術によって不死化され、そして産生された抗−イディオタイプ抗体の、第VIII因子に対するインヒビター抗体を中和する能力について選択され得る。本発明の抗−イディオタイプモノクローナル抗体を産生する更なる手段は、第VIII因子のドメインA2に対する第VIII因子インヒビター抗体の注射による、動物(有利には、マウス)の免疫化、脾臓リンパ球とメラノーマ細胞株(有利には、マウスメラノーマ)との融合、続いて第VIII因子インヒビター抗体に対する抗−イディオタイプ抗体を産生する細胞培養物の同定およびクローニングである。
本発明の特定の局面において、本発明の抗−イディオタイプ抗体は、その重鎖の可変ドメインが生殖系列DP-71との類似性を示す、インヒビター抗体に対する。このようなインヒビター抗体は、第VIII因子または第VIII因子から誘導されるフラグメントを用いての、そしてより詳細にはドメインA2の全部または一部のみを含むフラグメントを用いての、免疫化によって、ヒト(例えば、インヒビター抗体を有する患者の血清)またはマウス、ウマ、ヤギ、非ヒト霊長類などの他の動物から得られ得、この列挙は限定的でない。
有利には、本発明の抗−イディオタイプ抗体の標的インヒビター抗体は、第VIII因子アミノ酸484〜508の間に位置するエピトープを認識する。より正確には、認識されるエピトープは、第VIII因子の残基484〜508ならびにグルタミン酸残基389、390および391を含むコンフォメーショナルエピトープ(conformational epitope)である。実際に、第VIII因子のドメインA2は、第VIII因子アミノ酸373-740を含む。このドメインは、第IX因子(これは、第VIII因子のドメインA2およびA3に結合する)による第VIII因子の認識ならびに第VIII因子の不活性化に関連し、このドメインは、インヒビター抗体によって認識される主要なエピトープの1つである。
好ましくは、本発明の抗−イディオタイプ抗体の標的インヒビター抗体は、ナンバーLMBP 6422CBで、the Belgian Coordinated Collections of Microorganismsに寄託された、BOIIB2抗体である。BOIIB2抗体は、高い割合のインヒビターを有する重篤な血友病Aを有する患者のリンパ球から最初に産生された、第VIII因子のドメインA2に対するヒトモノクローナル抗体IgG4である。この抗体は、サブクラスIgG4に属し、そして生殖系列DP-71から誘導される。第VIII因子上で認識されるエピトープは、残基484〜508のレベルで局在されている。より正確には、BOIIB2抗体は、残基484 〜508ならびにグルタミン酸残基389、390および391を含むコンフォメーショナルエピトープを認識する。BOIIB2抗体は、ドメインA2の分離を促進することによって、あるいはtenase複合体へのFIXaおよび/またはFXの結合を阻害することによって、tenase複合体の機能に干渉することにより、第VIII因子活性を99%阻害する。本発明の特定の局面において、本発明のモノクローナル抗−イディオタイプ抗体の軽鎖の各々の可変領域は、核酸配列(配列番号2)と少なくとも70%の同一性(identity)を有する核酸配列によってコードされ、そして該モノクローナル抗−イディオタイプ抗体の重鎖の各々の可変領域は、核酸配列(配列番号1)と少なくとも70%の同一性を有する核酸配列によってコードされる。特に有利な様式において、配列同一性は、少なくとも80%、そして好ましくは少なくとも95〜99%の同一性である。同一性のパーセンテージは、比較される2つの配列を整列させ、そして同一ヌクレオチドを有する位置の数をカウントすることによって算出され、この数は、配列のヌクレオチドの総数によって割られる。遺伝コード重複性(genetic code redundancy)は、同一アミノ酸が、異なるヌクレオチドの数個のトリプレットによってコードされ得るという事実に起因し得る。いずれの場合においても、これらの配列差異は、モノクローナル抗体のその標的への親和性や、標的インヒビター抗体のインヒビター活性を中和するその能力に全く影響を与えない。
本発明の好ましい局面において、モノクローナル抗−イディオタイプ抗体の軽鎖の各々の可変領域は、核酸配列(配列番号2)によってコードされ、そしてモノクローナル抗−イディオタイプ抗体の重鎖の各々の可変領域は、核酸配列(配列番号1)によってコードされる。
有利には、本発明の抗体の軽鎖の可変領域の各々のペプチド配列は、配列(配列番号4)と、少なくとも70%同一性、そして有利な様式において少なくとも80%または90%、そしてなおより有利な様式において少なくとも99%同一性を有する配列である。
有利には、本発明の抗体の重鎖の可変領域の各々のペプチド配列は、配列(配列番号3)と、少なくとも70%同一性、そして有利には少なくとも80%または90%、そしてなおより有利な様式において少なくとも99%同一性を有する配列である。
特に有利な様式において、本発明の抗体の軽鎖の各々のペプチド配列は、配列(配列番号4)と、少なくとも70%同一性、そしてより有利には少なくとも80%または90%、なおより有利な様式において少なくとも99%同一性を有する配列であり;そして本発明の抗体の重鎖の各々のペプチド配列は、配列(配列番号3)と、少なくとも70%同一性、そして有利には少なくとも80%または90%、そしてなおより有利な様式において少なくとも99%同一性を有する配列である。
好ましくは、本発明の抗体の軽鎖の各々のペプチド配列は、配列(配列番号4)である。
好ましくは、本発明の抗体の軽鎖の各々のペプチド配列は、配列(配列番号3)である。
配列番号2から誘導されるペプチド配列は、配列(配列番号4)であり、そして配列(配列番号1)から誘導されるペプチド配列は、配列(配列番号3)である。好ましくは、本発明のモノクローナル抗−イディオタイプ抗体の軽鎖の各々の可変領域は、ペプチド配列(配列番号4)を有し、そして本発明のモノクローナル抗−イディオタイプ抗体の重鎖の各々の可変領域は、ペプチド配列(配列番号3)を有する。
本発明の抗体はまた、本発明の特徴を満足する修飾された抗体と理解され、ここで、1またはそれ以上のアミノ酸が、置換または欠失される。このような置換または欠失は、該分子内の任意の位置に局在され得る。より多くのアミノ酸が置換または欠失される場合において、任意の置換または欠失の組合せが、考慮され得る。本発明の抗体の可変領域配列のこのような変更は、本発明の抗−イディオタイプ抗体と標的インヒビター抗体との間で接触する傾向にある残基の数を増加させるために行われ得る。
本発明の実施形態において、抗−イディオタイプ抗体はマウス抗体である。
有利には、このマウスモノクローナル抗−イディオタイプ抗体は、IgG1κである。
好ましくは、本発明のモノクローナル抗体は、キメラ抗体である。≪キメラ抗体≫は、その軽鎖および重鎖の可変領域が、異なる種(species)の軽鎖および重鎖の定常領域に属する抗体であると理解される。従って、本発明の抗体は、加えて、非マウス種に属するその軽鎖および重鎖の定常領域を有する。この点に対して、全ての哺乳動物非マウスファミリーおよびスピーシーズ(families and species)が使用される傾向にある:そして特に、例えば、ヒト、サル、ネズミ科(マウス以外)、イニシン科(Suidae)、ウシ科、ウマ科のメンバー、ネコ科、イヌ科、例えば、ならびにトリである。
本発明のキメラ抗体は、当業者に公知の組換えDNAの標準技術によって、そしてより特には、例えばMorrisonら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 81, pp. 6851-55 (1984) によって記載される≪キメラ≫抗体構築技術によって[ここで、組換えDNA技術が、非ヒト哺乳動物から誘導される抗体の軽鎖の定常領域および/または重鎖の定常領域を、ヒトイムノグロブリンの対応する領域で置換するために使用される]、作製され得る。
本発明の特定の局面において、本発明の抗体は、ヒトハイブリッド抗体、即ち、その定常部分がヒトであるキメラ抗体である。本発明のこの実施形態は、ヒトにおける抗体免疫原性を減少させることを可能にし、そして同様に、ヒトへの治療物(therapeutic)としての投与時にその有効性を改善することを可能にする。
有利には、本発明の抗体は、ヒト化抗体である。このような抗体は、非ヒト種のモノクローナル抗体の1またはそれ以上のCDR領域(相補性決定領域)と、可変ヒトフレームワーク領域(variable human framework regions)(該可変領域の高度に保存された領域)との結合によって得られ得、このような得るための方法は、当該技術水準において教示されている(Jonesら Nature (1986) 321:522); Riechmannら Nature (1988) 332:323)。
有利には、本発明のモノクローナル抗−イディオタイプ抗体は、the Collection Nationale de Cultures de Microorganismes (CNCM)において、アクセッション番号CNCM I-3450で寄託された30D1ハイブリドーマによって産生される30D1抗体である。30D1モノクローナル抗−イディオタイプ抗体の軽鎖の各々の可変領域は、核酸配列(配列番号2)によってコードされ、そして30D1モノクローナル抗−イディオタイプ抗体の重鎖の各々の可変領域は、核酸配列(配列番号1)によってコードされる。30D1ハイブリドーマを得るための方法は、本明細書のパート≪実施例≫に記載されている。
本発明の“モノクローナル抗−イディオタイプ抗体”によって、30D1抗体のフラグメントを含む任意の抗体、そしてより詳細には、30D1抗体の重鎖の可変領域および/または軽鎖の可変領域、あるいは30D1抗体の重鎖の可変領域および/または軽鎖の可変領域の任意のフラグメントを含む任意の抗体が意味されることが理解される。≪フラグメント≫は、フラグメントF(ab’)2もしくはフラグメントFab’もしくはフラグメントFabまたは領域CDR(相補性決定領域)あるいはこれらのフラグメントまたは領域のいずれか1つの任意の修飾バージョンをいうと理解される。
本発明の特定の実施形態において、本発明のモノクローナル抗−イディオタイプ抗体は、フラグメントF(ab’)2もしくはフラグメントFab’もしくはフラグメントFabまたは領域CDR(相補性決定領域)あるいはこれらのフラグメントまたは領域のいずれか1つの修飾バージョンである。パパインによるイムノグロブリンの酵素消化は、≪フラグメントFab≫(フラグメント抗原結合(Fragment Antigen Binding))と呼ばれる2つの同一のフラグメント、およびフラグメントFc(結晶化可能フラクション)を生じさせる。フラグメントFcは、イムノグロブリンエフェクター機能(immunoglobulins effector functions)の基質である。
フラグメントF(ab’)2は、ペプシン消化によって作製され、ここで、フラグメントFabの両方が2つのジスルフィド架橋によって固定されたままであり、そしてフラグメントFcが数個のペプチドに分割される。フラグメントF(ab’)2は、F(ab’)2を形成するようにインターカテナリー(intercatenary)ジスルフィド架橋によって結合された、2つのフラグメントFab’(1つのフラグメントFab’は、1つのFabおよび1つのヒンジ領域からなる)によって形成されている。
抗体の結合部位を含有するこのようなフラグメントは、それらが誘導される全抗体(whole antibody)の特定の性質(例えば、補体を活性化する、またはFcγレセプターに結合する能力)を失っていたかもしれない。しかし、これらのフラグメントは、インヒビター抗体を中和する全抗体の能力を失っていなかった。従って、本発明はまた、30D1抗体の、フラグメントF(ab’)2、Fab’、Fab、領域CDR、あるいはこれらのフラグメントまたは領域のいずれか1つの任意の修飾バージョンに関する。特に、これらのフラグメントは、BOIIB2抗体を中和する全抗体の能力を保持していた。
本発明の更なる主題は、前述の抗体を産生する安定細胞株(stable cell line)である。本発明の安定細胞株は、ヒトまたは動物起源のものであり得る。本発明の安定細胞株は、ヒト不死化細胞から誘導され得る。本発明の更なる実施形態において、この細胞株は、不死化動物細胞(例えば、マウス)から誘導され得る。本発明のこの実施形態から誘導される細胞株の好ましい実施例は、アクセッション番号I-3450で、CNCMにおいて寄託された株30D1である。更なる実施形態において、本発明の安定細胞株は、ゲノムの所望の部位で本発明の抗体の発現を可能にする遺伝子構築物(genetic construction)へ統合化された、細胞株である。このような細胞を得ることを含む工程は、安定トランスフェクション(stable transfection)である。この工程は、任意のタイプの細胞に適用され得、但し、それらは、インビトロ培養物中で維持され得る。安定トランスフェクションは、遺伝子構築物の統合を必要とし、これは、相同組換え(homologous recombination)によってまたは無作為に行われ得る。それは、問題の遺伝子を含む遺伝子構築物におけるポジティブセレクションボックス(positive selection box)の存在であり、これは、細胞へ例えば抗生物質耐性を付与し、これは、細胞ゲノムへのトランスジーンの挿入を証明する。サブクローニング工程の結果として、本発明の長期間抗体産生細胞株(a long term antibody of the invention producer cell line)が得られ(例えば、30D1)、これはインビトロ培養物中に維持され得る。
本発明の抗体を発現する安定細胞株は、ヒト細胞株、齧歯類(rodent)細胞株、例えばマウス株、SP2/0、YB2/0、IR983F、ヒトミエローマ(例えば、Namalwa)、またはヒト起源の任意の他の細胞(例えば、PERC6)、CHO株、特にCHO-K-1、CHO-Lec10、CHO-Lec1、CHO-Lec13、CHO Pro-5、CHO dhfr- (CHO DX B11、CHO DG44)、あるいはWil-2、Jurkat、Vero、Molt-4、COS-7、293-HEK、BHK、K6H6、NSO、SP2/0-Ag 14およびP3X63Ag8.653から選択される更なる株からなる群から選択され得る。
本発明の更なる特定の主題は、the Collection Nationale de Cultures de Microorganismes (CNCM)において、アクセッション番号CNCM I-3450で寄託された30D1ハイブリドーマである。30D1ハイブリドーマによって産生されるモノクローナル抗−イディオタイプ抗体の軽鎖の各々の可変領域は、核酸配列(配列番号2)によってコードされ、そして30D1ハイブリドーマによって産生されるモノクローナル抗−イディオタイプ抗体の重鎖の各々の可変領域は、核酸配列(配列番号1)によってコードされる。30D1ハイブリドーマによって産生される抗体は、30D1抗体であり、そして30D1ハイブリドーマを得るための方法は、本明細書のパート≪実施例≫に記載されている。
本発明の更なる主題は、前述の本発明の抗体の重鎖の可変領域をコードする配列(配列番号1)のDNAフラグメントである。このDNAフラグメントは、その重鎖の可変領域が核酸配列(配列番号1)によってコードされ、その誘導化ペプチド配列が配列(配列番号3)である、ポリペプチド(優先的には、抗体)の発現を可能にするベクターへ挿入され、宿主細胞中へ導入されそして維持され得る。このベクターは、宿主細胞におけるこの外因性核酸フラグメントの発現を可能にし、何故ならば、それは、この発現に必須の配列(プロモーター、ポリアデニル化配列、選択遺伝子)を含有するからである。
このようなベクターは、当業者に周知であり、そしてアデノウイルス、レトロウイルス、プラスミドまたはバクテリオファージであり得、この列挙は限定的ではない。更に、任意の哺乳動物細胞が、宿主細胞として、即ち、本発明のポリペプチドまたは抗体を発現する細胞として使用され得る:例えば、SP2/0、YB2/0、IR983F、ヒトミエローマ(例えば、Namalwa)、またはヒト起源の任意の他の細胞(例えば、PERC6)、CHO株、特にCHO-K-1、CHO-Lec10、CHO-Lec1、CHO-Lec13、CHO Pro-5、CHO dhfr- (CHO DX B11、CHO DG44)、あるいはWil-2、Jurkat、Vero、Molt-4、COS-7、293-HEK、BHK、K6H6、NSO、SP2/0-Ag 14およびP3X63Ag8.653から選択される他の細胞株。
本発明の更なる主題は、前述の本発明の抗体の軽鎖の可変領域をコードする配列(配列番号2)のDNAフラグメントである。このDNAフラグメントは、その軽鎖の可変領域が核酸配列(配列番号2)によってコードされ、その誘導化ペプチド配列が配列(配列番号4)である、ポリペプチド(好ましくは、抗体)の発現を可能にするベクターへ挿入され、宿主細胞中へ導入されそして維持され得る。このベクターは、宿主細胞におけるこの外因性核酸フラグメントの発現を可能にし、何故ならば、それは、この発現に必須の配列(プロモーター、ポリアデニル化配列、選択遺伝子)を含有するからである。このようなベクターは、当業者に周知であり、そしてアデノウイルス、レトロウイルス、プラスミドまたはバクテリオファージであり得、この列挙は限定的ではない。更に、任意の哺乳動物細胞が、宿主細胞として、即ち、本発明のポリペプチドまたは抗体を発現する細胞として使用され得る:例えば、SP2/0、YB2/0、IR983F、ヒトミエローマ(例えば、Namalwa)、またはヒト起源の任意の他の細胞(例えば、PERC6)、CHO株、特にCHO-K-1、CHO-Lec10、CHO-Lec1、CHO-Lec13、CHO Pro-5、CHO dhfr- (CHO DX B11、CHO DG44)、あるいはWil-2、Jurkat、Vero、Molt-4、COS-7、293-HEK、BHK、K6H6、NSO、SP2/0-Ag 14およびP3X63Ag8.653から選択される更なる細胞株。
本発明の更なる主題は、本発明の抗体および少なくとも賦形剤および/または少なくとも薬学的に許容されるビヒクルを含む薬学的組成物である。好ましくは、本発明の薬学的組成物中に含有されるモノクローナル抗−イディオタイプ抗体は、30D1抗体、30D1から誘導されるフラグメントまたは領域、または30D1の可変領域を含むキメラもしくはヒト化抗体(および、例えば、本明細書において前述したもの)である。本発明の薬学的組成物は、処置される患者によって許容される任意の賦形剤中に処方され得る。このような賦形剤の例としては、水、生理食塩水溶液、リンゲル液、デキストロース溶液、および任意の他の好適な水性生理学的溶液が挙げられる。賦形剤はまた、少量の添加剤(例えば、該組成物の等張性および安定性を増加させる物質)を含有し得る。このような賦形剤としては、リン酸バッファー、重炭酸バッファー(bicarbonate buffer)およびトリスバッファーが挙げられる。このような賦形剤は、当業者に周知である。
標準製剤(standard formulations)は、注射用の液体として、または投与前に好適な液体中に再懸濁され得る固形製剤として処方され得る。本発明の薬学的組成物の調製のために使用され得るビヒクルは、有利には、動物または患者において治療的組成物の半減期を増加させるか、または有効成分の制御された送達を可能にする機能を有する。このようなビヒクルは、有機および合成ポリマーならびに他の化合物(これは、通常の速度で該薬物を広め得るか、または特定の環境においてのみ広める)、ならびにリポソームであり得、この列挙は限定的ではない。
有利には、本発明の薬学的組成物は、更に、第VIII因子のドメインA2とは異なるドメインに結合するインヒビター抗体に対する少なくとも1つの抗−イディオタイプ抗体を含む。この更なる抗体は、第VIII因子のドメインA1、またはA3、またはB、C1またはC2に結合するインヒビター抗体に対する抗−イディオタイプ抗体であり得る。実際に、インヒビター抗体を発現した、血友病Aに苦しむ患者は、最も頻繁に、数個のタイプのインヒビター抗体を示す。その上、種々のタイプのインヒビター抗体の量および性質は固定されておらず、しかし、患者の生活の過程において変化し得る。一人の同一患者の異なるインヒビター抗体は、従って、第VIII因子の異なるドメインに対するので、異なるインヒビター抗体に対する、1個ではなくて数個のタイプの抗−イディオタイプ抗体で患者を処置することが、特に有利である。
好ましくは、該薬学的組成物は、第VIII因子ドメインC2へ結合するインヒビター抗体に対するモノクローナル抗−イディオタイプ抗体および本発明のモノクローナル抗体を含む。実際に、ドメインA2およびC2は、抗−第VIII因子免疫反応の主要な標的である。従って、第VIII因子のドメインA2へ結合するインヒビター抗体に対する抗−イディオタイプ抗体とドメインC2へ結合するインヒビター抗体に対する抗−イディオタイプ抗体との混合物を含む薬学的組成物は、患者に存在する全てのインヒビター抗体の少なくとも70%、そして有利には少なくとも80%または90%を中和することを可能にする。本発明の好ましい実施形態において、本発明の薬学的組成物は、14C12抗体(the Belgian Coordinated Collections of Microorganismsにアクセッション番号LMBP 5878CBで寄託)および30D1抗体を含む。本発明の更に好ましい実施形態において、該薬学的組成物は、14C12抗体と、30D1抗体から誘導されたキメラまたはヒト化抗体(即ち、30D1抗体の可変領域を含む抗体)とを含む。
本発明の更なる主題は、薬物としての本発明の抗体の使用である。
本発明の更なる主題は、薬物の製造のための該抗体の使用である。有利には、このような薬物は、第VIII因子のドメインA2に対するインヒビター抗体を含む血友病に苦しむ患者における出血を、軽減および/または予防および/または処置するために使用される。
本発明の更なる主題は、血友病タイプAの処置のための薬物の製造のための、本発明の抗体の使用である。
有利には、この様式で処置されるタイプAの血友病は、インヒビターを有する血友病である。本発明の抗体で処置されるこのタイプの血友病は、先天性または後天性であり得る。インヒビター抗体を中和する本発明の抗体は、第VIII因子の活性がインヒビター抗体によってもはや阻害されないので、患者への第VIII因子の注射による処置の有効性を回復させる。
本発明の更なる主題は、第VIII因子のドメインA2に対するインヒビター抗体のインヒビター活性をインビトロまたはインビボで中和するための、本発明の抗体の使用である。このプロセスは、第VIII因子のドメインA2に対するそのインヒビター抗体を、患者の血液から除去する(deplete)ために行われ得、その後、血液が患者に再注射される。
本発明の更なる主題は、インヒビター抗体を吸収するため(例えば、第VIII因子インヒビター抗体を精製するため)の該抗体の使用である。
最後に、本発明の更なる主題は、第VIII因子インヒビター抗体を検出および/または精製するための、本発明の抗体の使用である。行われる検出および精製のこのような方法のプロセスは、当業者に周知である。例えば、このための、その表面が本発明の抗体でグラフとされている、ビーズを含有する免疫精製カラム(immunopurification column)の使用。該抗体で認識される分子のみが、該ビースへ結合する。他のものは、該カラムを通過する。該分子の回収のために、溶媒のイオン強度の増加が、十分である。
本発明の更なる局面および利点は、本発明を示しそしてその範囲を限定しないことが意図される、以下の実施例に記載される。
実施例1:第VIII因子のドメインA2に対するヒトモノクローナル抗体≪抗−A2抗体≫の産生
所望の特異性および特徴を有する、ヒトモノクローナル抗体を、個体(好ましくは、血友病Aまたは後天性血友病に苦しむ患者)の末梢血から得たBリンパ球の形質転換によって作製する。B細胞を、当業者に周知の技術(Madec et al. (1996) J Immunol 156:3541-3549)のおかげで、Epstein-Barrウイルスでの感染によってそして表面抗原活性化によって形質転換する。所望の抗体を含有する細胞上清を、特異的試験によって同定する。
従って、第VIII因子に向けられた抗体を、該上清と、第VIII因子または複合体第VIII因子/フォン・ビルブラント因子でコーティングされたポリスチレンプレートとを反応させることによって同定する。特異的抗体の結合を、酵素とカップリングされた抗−ヒトIgGの添加によって検出する。酵素の存在下で着色化合物に変換される酵素基質の添加は、特異的抗体を検出することを可能にする。ELISA(酵素結合イムノソルベント検定法)と呼ばれるこのような方法は、当業者に周知である。詳細な説明は、≪Current Protocols in Immunology, Chapter 2,John Wiley & Sons, Inc, 1994≫において入手可能である。
抗−第VIII因子抗体を産生するB細胞は、その後、限界希釈(limit dilutions)によって拡大およびクローニングされる。クローニングの方法は、例えば、≪Current Protocols in Immunology, Chapter 2, John Wiley & Sons, Inc. 1994≫において説明されている。
所望の特徴(即ち、第VIII因子のプロコアギュラント活性を阻害する能力)を示す抗−第VIII因子抗体を、製造業者の使用説明書に従っての、市販のクロモジェニックテストキット(chromogenic test kits)の使用によって同定する。第VIII因子の機能を阻害しそして第VIII因子へ結合するに十分な親和性を示す抗体が、選択される。図1は、機能アッセイにおいて第VIII因子を阻害する抗体(第VIII因子のドメインA2に特異的で、BOIIB2と呼ばれる)の特性を示している。使用される機能アッセイは、クロモジェニックアッセイであり、ここで、トロンビンによって活性化された第VIII因子は、第X因子の第Xa因子への変換における、第IXa因子に対するコファクターとして作用する。手短に言えば、PBS-BSA(1 IU/ml)の溶液中に希釈した20μlの組換え第VIII因子(recFVIII)を、PBS-BSAの同一溶液中のBOIIB2抗体の連続希釈の等容積と混合し、そして37℃で1時間インキュベートする。20 μlの該混合物を、次いで、20 μlの試薬1(第X因子)および20 μlの試薬2(第IXa)を有するマイクロタイターウエルにおいて、室温で、3分間インキュベートし、その後、100μlの試薬3(クロモジェニック基質(chromogenic substrate)およびブロッキングバッファー(blocking buffer))を添加する。特異的抗体無しでまたは同一濃度の無関係の抗体と共にインキュベートしたrecFVIIIを含むコントロール実験を行う。基質の着色密度(coloration density)を、450nmでのリファレンスと共に、405nmで直接測定する。阻害のパーセンテージを、ポジティブコントロールrecFVIII 1 IU/mlとの比較によって算出する。曲線は、BOIIB2が、0.1μg/mlの濃度で99%までFVIIIを阻害することを示している。
あるいは、必要とされる特徴を有する抗体は、動物の免疫化によって作製され得る。この場合、ヒト第VIII因子を、アジュバントと共にマウスへ注射する。抗−ヒトモノクローナル抗体を、次いで、脾臓リンパ球とマウスミエローマ細胞株との融合によって得る。抗−第VIII因子抗体を産生する細胞上清を、限界希釈によって同定およびクローニングする。このような方法の一般的な説明は、≪Current Protocols in Immunology, Chapter 2, John Wiley & Sons, Inc. 1994≫において見られ得る。所望の特徴を示すインヒビターの更なる選択は、上記に記載されている。
マウスにおいて産生された抗体をヒト化する。従って、重鎖および軽鎖の可変マウス部分の配列を、最善の相同性のフレームワーク領域(framework regions;FR)を有するヒト抗体を同定する様式で、ヒト免疫グロブリンの可変領域と並べる。次いで、該ヒト化可変領域をコードするDNAフラグメントを、Sato K et al. (1993); Cancer Research 53: 851-856に記載される、PCR−ベースのCDRグラフト化法(PCR-based CDR grafted method)によって合成する。
実施例2:抗−A2抗体の特異性および親和性のキャラクタライゼーション
第VIII因子のドメインA2に対する抗体の特異性を、ウサギ網状赤血球を用いて組み合わされた転写−翻訳システム(combined transcription-translation system)によってキャラクタライズする。この目的のために、ドメインA2の種々のフラグメントを含有するプラスミドバンクを構築する。
7.2 kbの完全cDNAを含有するプラスミド構築物pSP64-FVIII (ATCC, Rockville, MD)をテンプレートとして使用して、PCRによって全てのフラグメントを作製する。変異または欠失を有するcDNAのフラグメントを、DOE-PCR (Splicing by Overlap Extension-PCR)によって作製する。抗−tag抗体の特異的認識のためのエピトープtag T7および/またはユビキチンを含むtag配列を、15アミノ酸未満の第VIII因子フラグメント、ならびに標識のためのシステインの相補配列へ加える。第VIII因子のポリペプチドフラグメントを、製造業者の使用説明書に従って、≪TNT coupled Reticulocyte Lysate Systems≫(Promega)の方法によって作製する。
転写された遺伝子の免疫沈降反応を、以下のように行う。該特異的抗体を含有するサンプル希釈液を、500μlの好適な緩衝液中の40μlのプロテインAセファロース(Pharmacia)と混合し、そして該混合物を4℃で1時間徐々に撹拌する。固定されていない抗体を、一連の遠心分離および洗浄によって除去する。該抗体−プロテインAセファロース複合体を、メチオニンL−(35S)を用いてインビトロで標識した第VIII因子のポリペプチド3μlが補充された300μlの緩衝液中に再懸濁させ、4℃で2時間インキュベートする。該抗原/抗体複合体を、30μlの変性緩衝液(denaturating buffer)中3分間の煮沸によって、ビーズから溶出し、そして放射活性をカウントする。第二アリコートを、SDS-PAGEによって分析し、そしてオートラジオグラフィーによって可視化する。
図2は、BOIIB2抗体についてのこのような経験の結果を示している。領域379-546、379-546Mut (R484A, Y487A, R489A, P492A) および 461-531の配列tagを有する残基を標識しそして網状赤血球のライゼート(lysates)によって作製した。該フラグメントを、プロテイン−Aセファロースへ結合されたヒトBOIIB2抗体によって免疫沈降させた。洗浄後、該複合体を溶出し、そして放射活性をシンチレーションによって測定し(CPM)、そしてSDS-PAGE上においてチャージし、続いてオートグラフィーを行った。残基379-546を含むドメインA2へのBOIIB2の結合が示される。いずれの場合であっても、該結合は、4つの変異が該領域へ導入された場合または該領域がそのN末端部分(461-531)で切断された場合に、なくなった。抗−c-myc 9E10抗体およびヒト血漿を、それぞれ、ポジティブおよびネガティブコントロールとして使用した。
残基389-510を含む領域における結合部位を、ドメインA2内で同定する。しかし、該エピトープのより正確なレイアウトは困難であり、何故ならば、このようなフラグメントのアミノ末端またはカルボキシ末端部分の除去は、該抗体の結合を迅速に廃止するからである。従って、本出願人は、推定される結合部位(即ち、484-509)へのユニーク突然変異を導入する段階的アプローチを使用した。図2は、このような部位におけるユニーク突然変異が、該抗体の結合を廃止することを示している。その上、該ユニーク突然変異を、389-391内に局在する3つのグルタミン酸の配列へ導入し、また結合の喪失を生じた。従って、該結合部位はアミノ酸484-509内に位置するが、該3つのグルタミン酸残基は該抗体の有効な結合について一定の距離で必要とされると結論付けることが可能である。
抗体の親和性は、システム≪表面プラスモン共鳴(Surface Plasmon Resonance)≫によって算出される。この手段によって、リアルタイムでの第VIII因子とヒト抗体との相互作用のキネティックスは、Pharmacia Biosensor BIAcoreTM(Pharmacia Biosensore AB)による機器によって分析される。精製BOIIB2抗体(酢酸ナトリウム緩衝液10 mM pH 5.0中20 μg/ml)を、製造業者の使用説明書に従って、チップ≪CMEセンサーチップ≫の活性化表面に固定化する。全ての実験を、HBS中、10 μl/minの一定フローで行った。HBS中の第VIII因子を、表面プローブ上に固定化されたECRを介して、種々の濃度で注入する。各サイクルの終了時に、該表面を、HCl(pH2)で36秒間リンスすることによって再生させる。結合(association)および解離(dissociation)定数を、1または2の固定化リガンドへのアナライトの結合を想定したモデルを使用して、評価コンピュータプログラムBIA(assessment computer program BIA)によって測定する。
BOIIB2のkdissを1.10−8−1まで評価し、そしてBOIIB2のkassを1.10−1−1まで評価した。
実施例3:BOIIB2抗体の配列決定
EBVによって不死化されたヒトB細胞株からのRNA単離を、製造業者(Life Technologies)の使用説明書に従って、試薬TRIzolを使用して行う。cDNAを、cDNAの第一鎖(first strand)の合成のためのSuperscriptプレ増幅システム(Superscript pre-amplification system)によって合成する。該抗体の重鎖の可変領域(VH)をコードするcDNAを、Jacqueminら (2000); Blood. Jan 1;95(1):156-63に記載されているように、ファミリーVHのリーダー配列および領域CHの第一エクソンについての特異的プライマーを用いてPCRによって増幅する。対形成(pairing)を、60℃で、PCRの40サイクル行う。好適なサイズ(460bp)のPCR産物を、1.5%のアガロースゲルから単離し、そしてKit TA Cloning(Invitrogen BV, Leek, The Nederlands)を使用してクローニングする。問題の遺伝子VHのファミリーに対応するプライマーのカップルによるPCRスクリーニングを、無作為化したコロニー培養物において行う。ポジティブコロニーのプラスミドDNAを、製造業者の使用説明書に従って、Wizard Plus Minipreps(Promega, Menio Park, CA)によって単離し、そしてSequenase(United States Biochemical, Cleveland, OH)で2方向において配列決定する。該可変領域遺伝子の配列分析を、≪V BASE Sequence Directory≫(Tomlinsonら MRC Centre for protein Engineering, Cambridge, UK)によって行う。
BOIIB2のVH遺伝子は、グループH4に属し、そしてDP-71と相同である。セグメントJはJH6cと相同である。該クローニングされた軽鎖の遺伝子配列決定は、該VLがVLIIIと、そして該セグメントJがJL5と同定した。
BOIIB2の重鎖のヌクレオチド配列は、配列(配列番号5)であり、そして抗体BOIIB2の軽鎖のヌクレオチド配列は、配列(配列番号6)である。配列(配列番号5)に対応するペプチド配列は、配列(配列番号7)であり、そして配列(配列番号6)に対応するペプチド配列は、配列(配列番号8)である。
実施例4:抗−イディオタイプ抗体30D1の産生
I.マウス免疫化
4匹のBalb/c雌性マウス(6週齢)は、フロイント完全アジュバント(FCA)(第一免疫化)中に次いでフロイント不完全アジュバント(FIA)中に懸濁させたFVIII抗−ドメインA2 BOIIB2ヒト抗体10ngの、足の裏(foot-pad)における皮下(SC)注射を3回受容した。
第一出血(出血0)を該免疫化の前に行い(J0での出血)、次いで、続いて以下に記載のような注射および出血を行った:
J1: 注射番号1(フロイント完全アジュバントの存在下でのBOIIB2抗体10 μg)
J15: 出血番号1
J16: 注射番号2(フロイント不完全アジュバントの存在下でのBOIIB2抗体10 μg)
J28: 出血番号2
J29: 注射番号3(フロイント不完全アジュバントの存在下でのBOIIB2抗体10 μg)
J44: 出血番号3。
II.マウスにおける免疫応答の評価
種々の出血(bleedings)における抗−BOIIB2抗体の存在を評価するために、直接固定(direct fixation)におけるELISA試験を行う。このために、4℃で、ON(一晩(over night))、グリシン緩衝液中(グリシン緩衝液=グリシン0.1M、NaCl 0.17M、pH 9.2)、BOIIB2 抗体(3 μg/ml、50 μl/ウエル)を、不溶化させる。PBS/Tweenで3回洗浄を行う(PBS = NaCl 140.0 mM, KCl 2.6 mM, KH2PO41.4 mM, Na2HPO4.2H2O 8.1 nM, pH 7.4)。該システムを、100 μl/ウエルのマジックバッファー(マジックバッファー=Tris 50mM, NaCl 0.17M, BSA 1%, pH 7.2)を用いて、室温(RT)で、30分間、飽和させる。次いで、出血物を、マジックバッファー中1/10, 1/50, 1/250および1/1250へ希釈し、そして室温(RT)で2時間インキュベートする(50μl/ウエル)。次いで、PBS/Tweenを用いて3回洗浄を行った。次いで、該システムを、室温(RT)で2時間、1 μg/mlまでの、HRP(ホースラディシュペルオキシダーゼ)(Bio-Rad)で標識したヤギポリクローナルマウス抗−IgG抗体の溶液と共にインキュベートする(50μl/ウエル)(マジックバッファーにおける希釈)。その後、該システムをPBS/Tweenで3回洗浄し、次いで、色素原(オルト−フェニルジアミン)で顕在化させ、そして得られた発色強度を、波長490/650 nmに対応するフィルターを備えるリーダーで読んだ(reader Emax Molecular Devices, Sunnyvale, CA)。
光学密度について得られた結果:
Figure 2007037532
得られた結果を図7において報告する。
結論:各マウスは、正しい応答を、そしてBOIIB2抗体注射と類似の様式で示した。任意の様式で、マウス番号2を、融合(fusion)を行うために選択した。
III.融合およびスクリーニング
マウス番号2の脾臓リンパ球を、ミエローマ細胞SP2/0と融合した。融合を、当業者に公知の伝統的な様式で行った(J.G. Gillesら Blood (2004) 103: 2617-23; P. Cornelis, ≪ Les anticorps monoclonaux ≫, Revue IRE, vol. 7, n°4, 1983)。
細胞を、限界希釈の原理に従って、ヒポキサンチンおよびチミジンを含有するDMEM培地(ダルベッコの改変イーグル培地)において連続的に増殖させ、そしてポジティブと評価されたクローンを、ポイントIIで前述したような直接固定ELISA(direct fixation ELISA)の試験によって検出した。
該固定の特異性を、本出願人のラボラトリーにおいて入手可能な無関係の特異性抗−Der P2のヒト抗体IgG4(AK6A3、ダニDermatophagoides Pteronisinus (DPT)の主要アレルゲンの1つに対する抗体)で確認した。IgG4とは異なるアイソタイプの任意の他の抗体がネガティブコントロールとして使用され得ることは、当業者に明らかである。
ハイブリドーマの安定性を測定するために、本出願人は、200 μl〜5 mlの範囲の種々の容積の培地において、該クローンの増殖時のアッセイ(アッセイ1〜3)を繰り返した。
アッセイ1=200 μlのウエルにおける測定
アッセイ2=1 mlのウエルにおける測定
アッセイ3=5 mlのボトルにおける測定。
光学密度の結果:
Figure 2007037532
結論:4クローンが、抗体BOIIB2への直接固定化においてポジティブである:14E7、25F7、27B5、30D1。これらのクローンは、3つのアッセイにおいて安定である。
IV.培養上清を用いての阻害アッセイ
ポイントIIIにおいて保持された4つのクローンの中から、抗体BOIIB2のパラトープのレベルで局在化されるエピトープ決定基を正確に認識する抗−イディオタイプ抗体(Ac anti-Id)産生クローンを選択するために、該抗−Id抗体(anti-Id antibodies)を、不溶化FVIIIへのBOIIB2結合の阻害のELISAアッセイにおいて評価した。グリシン緩衝液中2 μg/mlの組換え第VIII因子(recFVIII)(Baxter)(50 μl/ウエル)を不溶化し、次いで、室温で2時間放置した。最終量0.4 μg/mlのBOIIB2抗体(または無関係なIgG4)を、マジックバッファー中1/1、1/2および1/4の希釈での、抗体培養物14E7、25F7、27B5、30D1の上清と共に、2時間インキュベートした。ウエルをPBS/Tween緩衝液で3回洗浄し、次いで100 μl/ウエルのマジックバッファーでの飽和を行う(室温で30分間)。その後、50 μlのBOIIB2(または無関係のIgG4)および培養上清と共のインキュベーション(2H、RT、マジックバッファー)、次いで3回の洗浄を行った。不溶化recFVIIIへ固定されたBOIIB2抗体を、HPR−標識されたマウスポリクローナルヒト抗−IgG(Southern Biotechnology)のマジックバッファー中へ、1 μg/mlの溶液を50 μl/ウエルで添加することによって検出する。PBS/Tweenでの3回の連続洗浄を行い、その後、色素原(OPD オルト−フェニルジアミン)での顕在化を行い、そして490/650 nmの波長に対応するフィルターを備えたリーダー(reader Emax Molecular Devices, Sunnyvale, CA)によって、得られた発色強度の読み取りを行った。
阻害は、以下のように算出される:
I(%)=1−(抗−イディオタイプ抗体有りのシグナル/抗−イディオタイプ抗体無しのシグナル)。
得られた結果:
Figure 2007037532
結論:1つのクローン(30DA1)のみが、不溶化recFVIIIへの抗体BOIIB2の固定化を特異的に阻害することができる。
V.拡張様式での抗−BOIIB2抗体の4産生クローンの産生
実施例IVからの抗体14E7、25F7、27B5、30D1の特異性を確認することを可能にする利用可能なより多量の抗体を有するために、本出願人は、これらの抗−イディオタイプ抗体を、培養培地DMEMにおいてこれらの抗−イディオタイプ抗体を産生し、続いてプロテインGアフィニティーカラムにおける精製を行い、これは、該抗体を精製し次いで濃縮し、そして得られた抗−イディオタイプ抗体の特異性をより確認することを可能にする。
精製された抗体の濃度を、当業者に公知の伝統的な様式で、光度計測(photometry)によって測定した。
30D1: 3.23 mg/mlで4 mlの産生
27B5: 3.24 mg/mlで7.5 mlの産生
14E7: 2.74 mg/mlで4 mlの産生
25F7: 0.392 mg/mlで5 mlの産生。
種々の抗体の得られた量は、以下である:
30D1: 12.92 mg
27B5: 24.3 mg
14E7: 10.96 mg
25F7: 1.96 mg。
VI.特異性評価
異なる調製物を、ポイントIIおよびIVで記載したものと同一のプロトコルに従って、ELISAによって評価する。
6.1. ELISAアッセイ:不溶化BOIIB2抗体への抗−イディオタイプ抗体14E7、25F7、27B5、30Dlの直接結合
結果を図6に示す。4つの抗体は、プレート上の不溶化BOIIB2抗体へ、用量依存様式で結合する。結果は、該4つの抗体の親和性は異なっていることを示唆しており、これは、以下の順で減少する:30D1、27B5、14E7、25F7。
6.2.ELISAアッセイ:不溶化recFVIIIへの抗体BOIIB2固定の阻害
使用したプロトコルは、ポイントIVで記載のプロトコルと同一である。
使用したBOIIB2濃度は、0.4 μg/mlに等しく、これは、FVIIIの1ユニットの活性の約90%を阻害し得る濃度である。
阻害は、以下のように算出される:
I(%)=1−(抗−イディオタイプ抗体有りのシグナル/抗−イディオタイプ抗体無しのシグナル)。
Figure 2007037532
結果を図7に示す。30D1および27B5抗体はインヒビター効果を示し、一方、14E7および25F7抗体はネガティブである。30D1および27B5抗体のインヒビター効果は、定量的に区別される。30D1は非常に低い用量で阻害を生じるが(0.6 μg/mlで90%阻害そして6 μg/ml未満で94.8%の最大値)、それは、50%の阻害に達するために約10 μg/mlを使用することが必要である。
6.3.機能アッセイ:BOIIB2抗体インヒビター活性(抗−FVIII)の中和の測定。前記実施例において得られた結果に依存して、30D1抗体のみを評価する。
BOIIB2抗体を、マジックバッファー中の30D1 抗−Id(1.25から最終0.02 μg/mlの希釈曲線)と共に、種々の濃度(1.6〜0.05 μg/ml)でインキュベートする。30分後、0.5 U/mlの最終量のFVIII Kogenate(Bayer)を添加し、次いで37℃で30分間の補足的インキュベーションを行う。サンプルを、マジックバッファー中、30×に希釈し、次いで、製造業者の使用説明書に従って、DADEクロモジェニックアッセイの試薬(クロモジェニック第VIII因子、Dade Behring Gmbh, Marburg, Germany)を添加する。
結果:
Figure 2007037532
結果を図6に再現する。結果は、30D1抗体が、用量依存様式で、BOIIB2インヒビター活性を中和することを示している。阻害は、以下のように算出される:
I(%)=1−(抗−イディオタイプ抗体有りのシグナル/抗−イディオタイプ抗体無し)。
6.4.方法≪表面プラスモン共鳴BIAcore (Surface plasmon resonance BIAcore)≫による、30D1抗体 抗−Idの固定のキネティックスの測定
BOIIB2インヒビター抗体への30D1抗−イディオタイプ抗体の固定のキネティックスを、Pharmacia Biosensor BIAcore(Pharmacia Biosensor AB, Uppsala, Sweden)を使用して、方法≪表面プラスモン共鳴Biacore≫によって評価した。BOIIB2抗体を、プローブCM5の活性化表面上に固定化した。30D1抗−イディオタイプ抗体を、該プローブの表面上の固定化BOIIB2のいくつかの濃度に注入した。結合および解離定数を測定した:
(M−1S−1)=6・10
(S−1)=1・10−5
:1・10−5/6・10=0.17・10−9 M。
6.5 30D1抗体サブクラスのキャラクタライゼーション
30D1 Abのサブクラスを測定するために、システムIsoStrip(Roche製)を使用した(比色定量ストリップ)。30D1抗体は、IgG1, κである。
6.6 配列
配列決定のために、30D1抗−イディオタイプ抗体を産生するハイブリドーマからのmRNAを、Quick Prep Micro mRNA精製キット(Amersham Pharmacia Biotech, Uppsala, Sweden)を使用して単離した。cDNAを、First-strand cDNA合成キット(Amersham Pharmacia Biotech)を使用して合成した。重鎖(VH)および軽鎖(VL)をコードするcDNAを、マウス中に潜在的に生じる異なる遺伝子ファミリーに対応する特異的プライマーを用いて、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)によって増幅した。PCR産物を、QIA quick Gel Extraction Kit(Qiagen, Hilden, Germany)を使用してアガロースゲル1.5%から単離し、そしてpGEM-T Easy Vector system(Promega, Madison, WI)を使用してクローニングした。ポジティブコロニーのプラスミドDNAを、High Pure Plasmid Isolation Kit(Roche Diagnostics, Mannheim, Germany)を用いて単離し、そしてSeqenase(US Biochemical, Cleveland, OH)を用いて両方向において配列決定した。
実施例5:14C12および30D1抗−イディオタイプ抗体による、BO2C11抗体およびBOIIB2抗体の混合物の阻害効果の中和
ベセズダアッセイ(Bethesda assay)を、BO2C11およびBOIIB2モノクローナル抗体を用いて行い、ヒト抗−FVIII因子抗体のインヒビター能力を中和する30D1および14C12抗−イディオタイプ抗体(特許WO 2004/014955に記載される、第VIII因子のドメインC2へ結合するインヒビター抗体に対する抗体)の能力を評価した。BO2C11(0.03 μg/ml)+BOIIB2(0.013 μg/ml)抗体の濃度を、ベセズダアッセイにおける第VIII因子活性の80%を阻害する濃度として規定する。
中和効果を評価する:
1 混合物BO2C11 + BOIIB2へ、(0.0063〜6.4 μg/mlの)増加濃度で、別個に添加された各抗−イディオタイプ抗体について(14C12 −−◆−−およびBODI−−■−−)。
2 混合物BO2C11 + BOIIB2へ、同一濃度で添加された2つの抗−イディオタイプ抗体14C12および30D1(−−▲−−)の結合(association)について。
図7は、FVIIIの異なるドメイン(ドメインA2およびC2)に対するインヒビター抗体を標的とする2つの抗−イディオタイプ抗体の組合せが、抗−イディオタイプ抗体が単独で使用される場合よりも高い効果を有することを示している。
図1:機能アッセイにおける、第VIII因子を阻害する抗体BOIIB2能力の評価。 図2:BOIIB2抗体のエピトープマッピング。 図3:光学密度測定による、BOIIB2抗体を注射されたマウスの出血依存免疫応答。 図4:不溶化BOIIB2抗体への抗−イディオタイプ抗体の直接結合(direct binding)。 図5:組換え不溶化第VIII因子への抗体BOIIB2の結合の阻害。 図6:BOIIB2抗体 抗−第VIII因子インヒビター活性の中和。 図7:14C12および30D1抗−イディオタイプ抗体を用いての、BO2C11抗体およびBOIIB2抗体の混合物のインヒビター効果の中和。

Claims (27)

  1. 第VIII因子ヒトインヒビター抗体に対するモノクローナル抗−イディオタイプ抗体であって、該インヒビター抗体が第VIII因子のドメインA2に対するものであることを特徴とする、抗体。
  2. 前記インヒビター抗体が、第VIII因子アミノ酸484〜508の間に位置するエピトープを認識することを特徴とする、請求項1に記載の抗体。
  3. 前記インヒビター抗体が、BOIIB2抗体(アクセッション番号LMBP 6422CBで、the Belgian Coordinated Collections of Microorganismsへ寄託された)であることを特徴とする、請求項1または2に記載の抗体。
  4. その軽鎖の各々の可変領域が、核酸配列(配列番号2)と少なくとも70%の同一性を有する核酸配列によってコードされること、およびその重鎖の各々の可変領域が、核酸配列(配列番号1)と少なくとも70%の同一性を有する核酸配列によってコードされることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の抗体。
  5. その軽鎖の各々の可変領域が、核酸配列(配列番号2)によってコードされること、およびその重鎖の各々の可変領域が、核酸配列(配列番号1)によってコードされることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の抗体。
  6. その軽鎖の各々の可変領域のペプチド配列が、配列(配列番号4)と少なくとも70%の同一性を有する配列であること、およびその重鎖の各々の可変領域のペプチド配列が、配列(配列番号3)と少なくとも70%の同一性を有する配列であることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の抗体。
  7. 配列(配列番号2)から誘導されるペプチド配列が配列(配列番号4)であること、および配列(配列番号1)から誘導されるペプチド配列が配列(配列番号3)であることを特徴とする、請求項4または5のいずれか1項に記載の抗体。
  8. 前記抗−イディオタイプ抗体がマウス抗体であることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の抗体。
  9. 前記抗−イディオタイプ抗体がIgG1κであることを特徴とする、請求項8に記載の抗体。
  10. 前記抗体がキメラ抗体であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の抗体。
  11. 前記抗体がヒトハイブリッド抗体であることを特徴とする、請求項10に記載の抗体。
  12. 前記抗体がヒト化抗体であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の抗体。
  13. フラグメントF(ab’)2、フラグメントFab’、フラグメントFab、領域CDRあるいはこれらのフラグメントまたは領域のいずれか1つの任意の修飾バージョンであることを特徴とする、請求項のいずれか1項に記載の抗体。
  14. the Collection Nationale de Cultures de Microorganismes (CNCM)においてアクセッション番号CNCM I-3450で寄託された30D1ハイブリドーマによって産生されて得ることができることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の抗体。
  15. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の抗体を産生する安定細胞株。
  16. SP2/0、YB2/0、IR983F、ヒトメラノーマNamalwa、PERC6、CHO株、特にCHO-K-1、CHO-Lec10、CHO-Lec1、CHO-Lec13、CHO Pro-5、CHO dhfr-、Wil-2、Jurkat、Vero、Molt-4、COS-7、293-HEK、BHK、K6H6、NSO、SP2/0-Ag 14およびP3X63Ag8.653からなる群から選択される、請求項15に記載の安定細胞株。
  17. the Collection Nationale de Cultures de Microorganismes (CNCM)においてアクセッション番号CNCM I-3450で寄託された30D1ハイブリドーマ。
  18. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の抗体の重鎖の可変領域をコードする配列(配列番号1)のDNAフラクグメント。
  19. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の抗体の軽鎖の可変領域をコードする配列(配列番号2)のDNAフラクグメント。
  20. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の抗体ならびに少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤および/または少なくとも1つの薬学的に許容されるビヒクルを含む、薬学的組成物。
  21. 第VIII因子のドメインA2と異なるドメインに対する少なくとも1つの抗−イディオタイプ抗体を含むことを特徴とする、請求項20に記載の組成物。
  22. 第VIII因子のドメインC2に対する抗−イディオタイプ抗体を含むことを特徴とする、請求項20または21のいずれか1項に記載の組成物。
  23. 薬物を製造するための、請求項1〜14のいずれか1項に記載の抗体の使用。
  24. 血友病タイプAの処置において使用される薬物を製造するための、請求項1〜14のいずれか1項に記載の抗体の使用。
  25. 血友病タイプAがインヒビターを伴う血友病であることを特徴とする、請求項24に記載の抗体の使用。
  26. 第VIII因子のドメインA2に対するインヒビター抗体のインビトロ阻害活性を中和するための、請求項1〜14のいずれか1項に記載の抗体の使用。
  27. 第VIII因子インヒビター抗体を検出および/または精製するための、請求項1〜14のいずれか1項に記載の抗体の使用。
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