JP2007037364A - ケーブルグランド - Google Patents

Abstract

【目的】 本発明の目的は、電子機器に通気性を持たせることができるケーブルグランドを提供する。
【構成】 電子機器に電源ケーブル等のケーブル１０を保持接続するのに使用されるものであって、内部にケーブル１０が通されるグランド本体１００と、このグランド本体１００内に設けられており且つケーブル１０を弾性的に保持する筒状のスリーブ２００とを有しており、スリーブ２００には、グランド本体１００の内部から外部にかけて通じる換気路２１０が設けられた構成となっている。
【選択図】 図１

Description

本発明は電気機器にケーブルを保持接続する際に使用されるケーブルグランドに関する。

この種のゲーブルグランドは、グランド本体内に設けられたゴム製のスリーブによりケーブルを弾性的に保持して密閉性を高め、これにより電気機器に塵や埃が侵入するのを防止するようになっている( 特許文献１参照) 。

特開２０００−３１２４２９号公報

ところが、完全な密閉構造を有していない電気機器では、電気機器の隙間から空気が流通して当該電気機器の内部で結露が生じる可能性があり、機器にとって好ましくない。また、電気機器は、完全な密閉性を有していないものの、密閉性が高い。このため、電気機器の内部部品の自己発熱等により電気機器の内圧が上昇し、これにより筐体等の部品にストレスが懸かる。この点も機器にとって好ましくない。即ち、電気機器に通気性を持たせることが要求されている。

本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、電気機器に通気性を持たせることができるケーブルグランドを提供することにある。

上記課題を解決するために、本発明のケーブルグランドは、電気機器にケーブルを保持接続する際に使用されるケーブルグランドであって、内部にケーブルが通されるグランド本体と、このグランド本体内に設けられており且つケーブルを弾性的に保持する１つ又は複数の筒状のスリーブとを有しており、このスリーブには、グランド本体の内部から外部にかけて通じる換気路が設けられていることを特徴としている。

換気路はスリーブに設けられた溝又は貫通孔である。換気路が溝である場合、スリーブの内周面又は外周面に設けることができる。グランド本体は、一端部に前記スリーブが嵌まり込む本体部と、この本体部の一端部に前記スリーブを挟んだ状態で螺着可能なキャップとを有した構成となっている場合、前記換気路は前記本体部及びキャップのネジ溝を通じてグランド本体の外部に通じていることが好ましい。

前記スリーブは、前記本体部の一端部に嵌まり込んだ状態で当該本体部から突出する長さを有する。この場合、前記スリーブは、前記キャップが前記本体部に取り付けられることにより圧縮され、これにより前記換気路が狭くなるようになっている。

本発明の請求項１に係るケーブルグランドによる場合、ケーブルを弾性的に保持する筒状のスリーブにグランド本体の内部から外部にかけて通じる換気路が設けられている。このため、このケーブルグランドが電気機器に設けられると、前記換気路により電気機器の内部と外部とに通気性を持たせることができる。その結果、電気機器内に結露が生じるのを防止できると共に、電気機器内の内圧が上昇したりすることにより生じるストレスを防止することができるので、電子機器の長寿命化を図ることが可能になる。

本発明の請求項２に係るケーブルグランドによる場合、換気路はスリーブに設けられた溝又は貫通孔である。よって、スリーブに簡単に換気路を形成することができる。

本発明の請求項３に係るケーブルグランドによる場合、換気路がグランド本体の本体部及びキャップのネジ溝を通じて当該グランド本体の外部に通じている。このため、換気路が直接グランド本体の外部に露出させず、本体部及びキャップに覆われているため、グランド本体内外の換気を確保しつつ、塵や埃が侵入するのを防止することができる。

本発明の請求項４に係るケーブルグランドによる場合、前記スリーブが前記本体部の一端部に嵌まり込んだ状態で当該本体部から突出する長さを有しており、前記キャップが前記本体部に取り付けられることにより圧縮され、これにより前記換気路が狭くなるようになっている。このように換気路が狭くすることで、塵や埃の侵入を更に防止することができる。しかも、塵や埃の侵入を防ぐために、スリーブに微細な換気路を形成する必要がないので、換気路を設ける工程が簡単になる。

以下、本発明の実施の形態に係るケーブルグランドについて図面を参照しながら説明する。図１は本発明の実施の形態に係るケーブルグランドの左半分を断面で示した概略的側面図、図２は同ケーブルグランドの分解斜視図である。

図１乃至図２に示すケーブルグランドは、電気機器１の筐体に取り付けられ、当該電気機器に電源ケーブル等のケーブル１０を保持接続するのに使用されるものであって、内部にケーブル１０が通されるグランド本体１００と、このグランド本体１００内に設けられており且つケーブル１０を弾性的に保持する筒状のスリーブ２００とを有した構成となっている。以下、各部を詳しく説明する。

グランド本体１００は、図２に示すように、長さ方向の一端部１１０ａにスリーブ２００が嵌まり込む円筒状の本体部１１０と、この本体部１１０の一端部１１０ａにスリーブ２００を挟んだ状態で螺着可能なキャップ１２０とを有している。

本体部１１０は、一端部１１０ａの内周面が奥側に向けて縮径している。これにより、スリーブ２００が本体部１１０の一端部１１０ａに嵌まり込み保持される。この本体部１１０の一端部１１０ａの外周面には、キャップ１２０のネジ溝１２１( 図１参照) と螺合するネジ溝１１１ａが設けられている。また、本体部１１０の他端部１１０ｂは、一端部１１０ａよりも径が小さくなっており、その外周面には後述するロック用ナット３００が螺合するネジ溝１１１ｂが設けられている。

キャップ１２０は、上面にケーブル１０を通すための円形の開口１２２( 図２参照) が設けられた略円筒体である。このキャップ１２０の内周面には、本体部１１０のネジ溝１１１ａと螺合するネジ溝１２１( 図１参照) が設けられている。

スリーブ２００は、奥側に向けて縮径したゴム製の円筒体である。これによりスリーブ２００の内部に通されたケーブル１０を弾性的に保持するようになっている。このスリーブ２００の長さ寸法は、本体部１１０の一端部１１０ａに嵌まり込んだ状態で、本体部１１０から突出する長さとなっている。また、スリーブ２００の外周面には、長さ方向の他端部から中央部にかけて直線状の溝が設けられている。この溝がグランド本体１００の外部からに内部かけて通じる換気路２１０となる。具体的には、換気路２１０は、スリーブ２００が本体部１１０の一端部１１０ａに嵌まり込み、キャップ１２０に挟まれた状態で、一端部がキャップ１２０の内周面に望み、本体部１１０のネジ溝１１１ａ及びキャップ１２０のネジ溝１２１を通じてグランド本体１００の外部に通じている一方、他端部が本体部１１０の内部に望んでグランド本体１００の内部に通じている。

以下、このような構成のケーブルグランドの使用方法について説明する。まず、ケーブル１０をキャップ１２０、スリーブ２００に順次通す。そして、当該スリーブ２００を本体部１１０の一端部１１０ａに嵌合させ、当該一端部１１０ａにキャップ１２０を螺着させる。これによりケーブル１０がグランド本体１００に通される。

本体部１１０の一端部１１０ａにキャップ１２０を螺着すると、スリーブ２００が本体部１１０とキャップ１２０との間で挟まれて圧縮され、これによりスリーブ２００の換気路２１０の幅が取付前の状態よりも幅狭になる。

その後、本体部１１０の他端部１１０ｂにゴムパッキン４００を取り付け、図示しない電気機器１の筐体の取付孔に挿入する。そして、本体部１１０の他端部１１０ｂにロック用ナット３００を螺着し、当該ロック用ナット３００を締める。これによりケーブルグランドが電気機器１に取り付けられる。即ち、ケーブル１０が電気機器１に保持される。その後、ケーブル１０を電気機器１の端子台又は直接電気機器１に電気的に接続する。なお、本体部１００にケーブル１０を通す前に、当該本体部１００を電気機器１に取り付けるようにしても良い。

このようなケーブルグランドによる場合、スリーブ２００に設けられた換気路２１０がグランド本体１００の内部と通じている一方、グランド本体１００の本体部１１０のネジ溝１１１ａ及びキャップ１２０のネジ溝１２１を通じて当該グランド本体１００の外部と通じている。このため、電気機器１に取り付けられると、換気路２１０により電気機器１の内部と外部とに通気性を持たせることができる。その結果、電気機器１内に結露が生じるのを防止できると共に、電気機器１内の内圧が上昇したりすることにより生じるストレスを防止することができるので、電子機器１の長寿命化を図ることが可能になる。しかも、換気路２１０は、本体部１１０のネジ溝１１１ａ及びキャップ１２０のネジ溝１２１を通じて当該グランド本体１００の外部と通じている。即ち、換気路２１０がグランド本体１００の外部に露出しておらず、キャップ１２０により塵や埃の侵入を防止することができるので、電気機器１の通気性を図りつつ、ケーブルグランド本来の機能を果たすことが可能になる。更に、換気路２１０は、スリーブ２００が取り付け時に本体部１１０とキャップ１２０との間で圧縮されることにより、幅狭になるようになっている。この点でも、塵や埃の侵入を防止することができる。また、塵や埃の侵入を防止するために、スリーブ２００に微細な換気路２１０を設ける必要がないので、換気路２１０を設ける固定が簡単になる。

なお、このケーブルグランドは、電気機器にケーブルを保持接続する際に使用されるケーブルグランドであって、内部にケーブルが通されるグランド本体と、このグランド本体内に設けられており且つケーブルを弾性的に保持するゴム製のスリーブとを有しており、前記スリーブには、グランド本体の内部から外部にかけて通じる換気路が設けられている限りどのように設計変更を行ってもかまわない。

本体部１１０については、ケーブル１０が通される筒状体であるかぎり、どのような形状のものを用いてもかまわない。この点は、キャップ１２０も同様である。

スリーブ２００については、ゴム製であるとしたが、これに類する樹脂製のものを用いることが可能である。即ち、本体部１１０とケーブル１０との間の気密性を保持するために、ケーブル１０を弾性的に保持できる筒状体である限りどのようなものを用いても良い。

換気路２１０については、スリーブ２００の外周面に設けられた溝であるとしたが、スリーブ２００の内周面に設けられた溝又はスリーブ２００に設けられた貫通孔とすることができる。勿論、溝及び貫通孔を組み合わせることも可能である。この換気路２１０は、グランド本体１００の外部に直接露出しないことが望ましいが、露出させるようにしても良い。また、換気路２１０は複数設けることも可能である。

上記実施例では、本体部１１０をロック用ナット３００及びパッキン４００を用いて電気機器に取り付けられるとしたが、その他により取り付けることも勿論可能である。また、本体部１１０をを電気機器の筐体に一体的に設けることも可能である。

本発明の実施の形態に係るケーブルグランドの左半分を断面で示した概略的側面図である。 同ケーブルグランドの分解斜視図である。

符号の説明

１０ ケーブル
１００ グランド本体
１１０ 本体部
１２０ キャップ
２００ スリーブ
２１０ 換気路

Claims (4)

1. 電気機器にケーブルを保持接続する際に使用されるケーブルグランドにおいて、
   内部にケーブルが通されるグランド本体と、このグランド本体内に設けられており且つケーブルを弾性的に保持する筒状のスリーブとを有しており、
   このスリーブには、グランド本体の内部から外部にかけて通じる１つ又は複数の換気路が設けられていることを特徴とするケーブルグランド。
2. 請求項１記載のケーブルグランドにおいて、換気路はスリーブに設けられた溝又は貫通孔であることを特徴とするケーブルグランド。
3. 請求項２記載のケーブルグランドにおいて、グランド本体は、一端部に前記スリーブが嵌まり込む本体部と、この本体部の一端部に前記スリーブを挟んだ状態で螺着可能なキャップとを有した構成となっており、前記換気路は前記本体部及びキャップのネジ溝を通じてグランド本体の外部に通じていることを特徴とすることを特徴とするケーブルグランド。
4. 請求項２又は３記載のケーブルグランドにおいて、前記スリーブは、前記本体部の一端部に嵌まり込んだ状態で当該本体部から突出する長さを有しており、前記キャップが前記本体部に取り付けられることにより圧縮され、これにより前記換気路が狭くなることを特徴とするケーブルグランド。