JP2007036725A - 符号化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】符号化効率が高い符号化装置を提供する。
【解決手段】画面間符号化処理を行う場合、制御部100がスイッチ103を切換制御し、動き補償部111の出力が減算器102および加算器108に出力される。動きベクトル検出部112は、符号化対象ブロックの動きベクトルを、上記ブロックの動きベクトルを予測に用いるブロックの動きベクトルの符号量を考慮して、コストが最小となるものを求める。一方、画面内符号化処理を行う場合、制御部100がスイッチ103を切換制御し、画面内予測部113の出力が減算器102および加算器108に出力される。画面内予測部113は、符号化対象ブロックに適用すべき符号化モードを、上記ブロックの符号化モードを予測に用いるブロックの符号化モードを考慮して、コストが最小となるものを求めるようにしたものである。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)-4 AVC(Advanced Video Coding)/H.264などの動画像圧縮技術を用いた符号化装置に関する。
周知のように、H.264エンコーダでは、モード判定においてRate-Distortion最適手法(以下RDOと称する)が広く用いられている(例えば、非特許文献1参照)。これは、全ての符号化モードについて仮符号化を行って発生符号量Rと符号化歪Dを求め、コストJを最小とする符号化モードを選択するものである。なお、J = D +λR(λは定数)である。
また、動きベクトル探索においても、動き補償残差の大きさDMOTIONに加え、動きベクトルの符号量RMVを考慮したコストを用いて探索を行う。なお、JMOTION = DMOTIONMVRMVである。ただし、λMVは定数である。
従来のRDO法では、符号化する当該ブロックについてコストJ、JMOTIONを最小とする符号化モードや動きベクトルを選択するようにしている。しかし、H.264規格では、動きベクトルやモード情報の符号化やイントラ符号化モードにおいて、隣接の既符号化ブロックからの予測を行う。このため、符号化ブロックのコストのみを最小とする符号化モードや動きベクトルを選択すると、後続ブロックで予測効率が低下し符号量が増加してしまうことがあるという問題があった。
G. Sullivan, T. Wiegand, "Rate-Distortion Optimization for Video Compression", IEEE Signal Processing Magazine, Nov. 1998.
H.264規格では、動きベクトルやモード情報の符号化やイントラ符号化モードにおいて、隣接の既符号化ブロックからの予測を行うため、符号化対象となるブロックのコストのみを最小とする符号化モードや動きベクトルを選択すると、後に符号化する後続ブロックで予測効率が低下し符号量が増加してしまうことがあるという問題があった。
この発明は上記の問題を解決すべくなされたもので、後に符号化する後続ブロックで予測効率が低下することが無く、符号化効率が高い符号化装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、この発明は、動画像信号を入力し圧縮符号化を行う符号化装置において、入力画像データと、既に符号化された符号化画像データとに基づいて、符号化対象ブロックの動きベクトル探索点に対応する動き補償残差の大きさを求める第1手段と、符号化対象ブロックの周囲の既に動きベクトルが求められたブロックの動きベクトルに基づいて、符号化対象ブロックの動きベクトルを予測する予測動きベクトルを求め、この予測動きベクトルと探索点とに基づいて求めた動きベクトルの符号量を求める第2手段と、符号化対象ブロックの動きベクトルを用いて動きベクトルが予測される後続ブロックの動きベクトルを予測する第3手段と、第1手段が求めた動き補償残差の大きさ、第2手段が求めた動きベクトルの符号量および第3手段が求めた後続ブロックの動きベクトルの符号量の和が最小となる動きベクトルを求める第4手段とを具備して構成するようにした。
この発明によれば、後に符号化する後続ブロックで予測効率が低下することが無く、符号化効率が高い符号化装置を提供できる。
以下、図面を参照して、この発明の一実施の形態について説明する。図1は、この発明に係わる、H.264/AVCの規格に基づいて画像データを符号化する符号化装置の構成を示すものである。
この符号化装置は、入力端子101、減算器102、スイッチ103、DCT及び量子化部104、可変長符号化部105、出力端子106、逆量子化及び逆DCT部107、加算器108、デブロッキングフィルタ109、画像メモリ110、動き補償部111、動きベクトル検出部112、画面内予測部113および制御部100を備える。
入力端子101は、画像データが入力される端子である。1フレームの画像は、多数のブロックで構成されており、入力端子101には、ブロック単位で画像データが入力される。入力端子101に入力された画像データ(以下、入力画像データと称する)は、減算器102、動きベクトル検出部112、画面内予測部113および制御部100に出力される。
減算器102は、入力画像データからスイッチ103が出力する予測画像データを減算し、この減算結果をDCT及び量子化部104に出力する。スイッチ103は、後述する動き補償部111と、画面内予測部113とから予測信号がそれぞれ入力され、制御部100の指示に従って、いずれかの予測信号を選択的に減算器102に出力する。
DCT及び量子化部104は、減算器102の減算結果に、DCT(Discrete Cosine Transform)処理、すなわち離散コサイン変換処理を施し、この処理結果に量子化処理を施す。この処理結果は、残差信号DCT係数として、可変長符号化部105、および逆量子化及び逆DCT部107に出力される。
可変長符号化部105は、上記残差信号DCT係数の符号量Rrを求め、これを画面内予測部113に通知したり、動きベクトルの符号量Rmvを求め、これを動きベクトル検出部112に通知する。また可変長符号化部105は、上記残差信号DCT係数に可変長符号化処理を施し、出力端子106を通じてストリームとして出力する。なお、後述する動きベクトル検出部112にて検出された動きベクトルも可変長符号化部105で可変長符号化される。
逆量子化及び逆DCT部107は、上記残差信号DCT係数に逆量子化処理を施し、さらにこの処理結果に、逆離散コサイン変換処理を施す。これにより、DCT及び量子化部104に入力された減算器102の減算結果(残差信号)が復元される。上記処理結果は、加算器108に出力される。
加算器108は、上記処理結果と、スイッチ103が出力する予測画像データとを加算する。これにより、デブロッキングフィルタ処理前の符号化画像データが再現される。この再現された符号化画像データは、デブロッキングフィルタ109および画面内予測部113に出力される。
デブロッキングフィルタ109は、符号化画像データに対して、符号化ブロック間の歪みを改善する処理を施し、この処理結果を画像メモリ110に出力する。画像メモリ110は、デブロッキングフィルタ109に出力をフレーム単位で記憶する。
動き補償部111は、後述する動きベクトル検出部112にて検出された動きベクトルに基づいて、画像メモリ110に蓄えられている既に符号化された符号化画像フレームから必要なデータを読み出し、この読み出したデータから予測画像のデータを生成する。つまり、上記動きベクトルと、画像メモリ110に蓄積されている既に符号化された画像とに基づいて、入力画像データに近い予測画像データを生成する。この予測画像データは、スイッチ103に出力される。
動きベクトル検出部112は、入力端子101からの入力画像データと、画像メモリ110に記憶される画像データに基づいて、動画像の動きを示す動きベクトルを検出する動きベクトル検出処理を実施する。この処理で検出された動きベクトルは、動き補償部111および可変長符号化部105に出力される。
画面内予測部113は、1フレーム内での予測処理を行うものであって、そのために、入力画像データと、加算器108から出力されるデブロッキングフィルタ処理前の符号化画像データと、可変長符号化部105にて求められた符号量Rrとに基づいて、種々の符号化モードによる画面内予測処理を行う。そして、このうち最適な符号化モードを検出し、この検出した符号化モードによる画面内予測処理で得られた予測画像データをスイッチ103に出力する。
制御部100は、当該符号化装置の各部を統括して制御するものであって、画面単位あるいはそれ以下の単位で符号化する方法を選択し、これに応じて各部を制御し、これにより、発生する符号量を目的の値に近づけるものである。
次に、動きベクトル検出部112にて実施される動きベクトル検出処理について説明する。図2は、符号化対象となるブロックについて、上記動きベクトル検出処理を実施するフローチャートである。動きベクトル検出部112は、上記フローチャートに示す処理を、入力画像データを構成する各ブロック毎に実施する。
まずステップ2aにおいて動きベクトル検出部112は、初期設定を行う。ここでは、上記初期設定の1つとして、評価尺度最小値Jminに、予め記憶する評価尺度初期値を設定する。そして動きベクトル検出部112は、ステップ2bに移行し、ステップ2b〜2fのループ処理を評価対象となる探索点(x,y)を可変して繰り返し実行する。
ステップ2cにおいて動きベクトル検出部112は、ある探索点(x,y)について評価尺度JMOTION(x,y)を計算し、ステップ2dに移行する。ここで実施される計算は、後に詳述するが、下式(1)に示すようなものである。
Figure 2007036725
なお、上式において、DMOTIONは、符号化対象ブロックの動きベクトルを探索点(x,y)とした場合の動き補償残差の大きさを示し、RMVは、符号化対象ブロックの動きベクトルを探索点(x,y)とした場合の動きベクトルの符号量を示し、λMVおよびλNMVは定数である。
またRMV1、RMV2、RMV3は、図3に示すようなブロックb、b、bの動きベクトルの符号量を示す。なお、ブロックbは、符号化対象ブロックであり、ブロックb、b、bは、上記ブロックbの動きベクトルを、自己の動きベクトルの予測に用いるブロックである。
ステップ2dにおいて動きベクトル検出部112は、ステップ2cで求めた評価尺度JMOTION(x,y)が、評価尺度最小値Jminよりも小さいか否かを判定する。ここで、ステップ2cで求めた評価尺度JMOTION(x,y)が、評価尺度最小値Jminよりも小さい場合には、ステップ2eに移行し、一方、評価尺度最小値Jmin以上の場合には、ステップ2fに移行する。
ステップ2eにおいて動きベクトル検出部112は、動きベクトルmvとして上記探索点(x,y)を設定するとともに、評価尺度最小値Jminにステップ2cで求めた評価尺度JMOTION(x,y)を設定し、ステップ2fに移行する。
ステップ2fにおいて動きベクトル検出部112は、評価対象となるすべての探索点(x,y)について、ステップ2c〜2eのループ処理を実施したか否かを判断し、すべてについて実施していない場合には、ステップ2bに移行して、評価していない探索点(x,y)について上記ループ処理を実施する。一方、すべてについて実施した場合には、当該処理を終了し、符号化対象ブロックbの動きベクトルとして、mvが設定される。
次に、図4を参照して、ステップ2cにて実施される評価尺度JMOTION(x,y)の計算処理について説明する。
まずステップ4aにおいて動きベクトル検出部112は、入力画像データと、画像メモリ110に記憶される既に符号化された画像データとに基づいて、符号化対象ブロックbの動きベクトルを探索点(x,y)とした場合の動き補償残差の大きさDMOTIONを求め、ステップ4bに移行する。
ステップ4bにおいて動きベクトル検出部112は、図5に示すような符号化対象ブロックbの周囲の既に動きベクトルが求められたブロックb−1、b−2、b−3の動きベクトルに基づいて、予測ベクトルPmvを求める演算を行い、ステップ4cに移行する。
ステップ4cにおいて動きベクトル検出部112は、探索点(x,y)を動きベクトルとした場合の動きベクトルの符号量Rmvを可変長符号化部105に求めさせる。動きベクトルの符号量Rmvは、探索展(x,y)とステップ4bで求めた予測ベクトルPmvの差分をもとに決定される。そして可変長符号化部105から上記動きベクトルの符号量Rmvを取得し、ステップ4dに移行する。
次に動きベクトル検出部112は、ステップ4d〜4gのループ処理を、例えば図3に示すように、符号化対象ブロックbに後続するブロックb、b、bについてそれぞれ実施し、これにより各ブロックの予測ベクトルPmv(n)と、動きベクトル符号量Rmv(n)を求める。なお、ブロックb、b、bの動きベクトルは、符号化対象ブロックbの動きベクトルを用いて予測されるものである。
すなわち、ステップ4eにおいて動きベクトル検出部112は、ブロックbの周囲の既に動きベクトルが求められたブロックbn−1、bn−2、bn−3の動きベクトルに基づいて、予測ベクトルPmv(n)を求める演算を行い、ステップ4fに移行する。
ステップ4fにおいて動きベクトル検出部112は、ステップ4e探索点(x,y)を動きベクトルとした場合の動きベクトル符号量Rmv(n)を可変長符号化部105に求めさせる。そして可変長符号化部105から上記動きベクトルの符号量Rmv(n)を取得し、ステップ4gに移行する。
ステップ4gにおいて動きベクトル検出部112は、ブロックb、b、bについて、ステップ4e〜4fのループ処理を実施したか否かを判断し、すべてブロックについて実施した場合には、ステップ4hに移行し、一方、すべてのブロックについて実施していない場合には、ステップ4dに移行して、残るブロックについて上記ループ処理を実施する。
ステップ4hにおいて動きベクトル検出部112は、前述の式(1)に当該処理で求めた値を代入し、評価尺度JMOTION(x,y)を求める。そして、当該処理を終了し、ステップ2dに移行する。
次に、画面内予測部113にて実施される画面内予測処理について説明する。図6は、上記画面内予測処理を実施するフローチャートである。画面内予測部113は、上記フローチャートに示す処理を、1フレーム毎に実施する。
まずステップ6aにおいて画面内予測部113は、初期設定を行う。ここでは、上記初期設定の1つとして、評価尺度最小値Jminに、予め記憶する評価尺度初期値を設定する。そして画面内予測部113は、ステップ6bに移行し、ステップ6b〜6fのループ処理を、M種ある符号化モードについてそれぞれ実行する。
ステップ6cにおいて画面内予測部113は、M種ある符号化モードのうち、ある符号化モードm(m=1〜M)について評価尺度J(m)を計算し、ステップ6dに移行する。ここで実施される計算は、後に詳述するが、下式(2)に示すようなものである。
Figure 2007036725
なお、上式において、D(m)は、符号化モードmで符号化した場合の符号化対象ブロックの符号化歪みの大きさを示し、R(m)は、符号化モードmにて符号化した場合の符号化対象ブロックの発生符号量を示し、λおよびλNは定数である。
またRN(ここでは、N=1〜4)は、図7に示すようなブロックb、b、b、bの発生符号量を示す。なお、ブロックb、b、b、bは、符号化対象となるブロックbを、自己の符号化モード予測に用いるブロックである。
ステップ6dにおいて画面内予測部113は、ステップ6cで求めた評価尺度J(m)が、評価尺度最小値Jminよりも小さいか否かを判定する。ここで、ステップ6cで求めた評価尺度J(m)が、評価尺度最小値Jminよりも小さい場合には、ステップ6eに移行し、一方、評価尺度最小値Jmin以上の場合には、ステップ6fに移行する。
ステップ6eにおいて画面内予測部113は、符号化モード識別子modeに、符号化モードmを設定するとともに、評価尺度最小値Jminにステップ6cで求めた評価尺度J(m)を設定し、ステップ6fに移行する。
ステップ6fにおいて画面内予測部113は、M種、すべての符号化モードについて、ステップ6c〜6eのループ処理を実施したか否かを判断し、すべてについて実施していない場合には、ステップ6bに移行して、実施していない符号化モードについて上記ループ処理を実施する。一方、すべてについて実施した場合には、当該処理を終了し、符号化対象ブロックbの符号化モードとして、符号化モード識別子modeに設定されるものが採用される。
次に、図8を参照して、ステップ6cにて実施される評価尺度J(m)の計算処理について説明する。
まずステップ8aにおいて画面内予測部113は、入力画像データの符号化対象ブロックを符号化モードmで符号化して予測画像データを生成する。そして、この予測画像データと、入力画像データの符号化対象ブロックとを比較して、符号化歪みの大きさD(m)を求め、ステップ8bに移行する。
ステップ8bにおいて画面内予測部113は、図5に示したような符号化対象ブロックbの周囲の既に符号化されたブロックb−1の符号化に用いられた符号化モードmb−1と、符号化モードmとに基づいてモード情報符号量Rmを求める演算を行う。ここで、モード情報の符号化は、まず符号化モードmがブロックb−1の符号化モードmb−1と同一であるかどうかを示すフラグを付加し、符号化モードが同一でない場合のみ符号化モードmを表す符号語を付加するようにしても良い。
この場合、モード情報符号量Rmは、符号化モードmがブロックb−1の符号化モードmb−1と同一の場合はフラグのビット数のみ、同一でない場合は、フラグのビット数と符号化モードmを表す符号語のビット数の合計となる。情報符号量Rmを求めた後、ステップ8cに移行する。
ステップ8cにおいて画面内予測部113は、ステップ8aで生成した予測画像データをスイッチ103を通じて減算器102に出力する。これにより、減算器102にて、入力画像データから予測画像データが引き算され、この減算結果は、DCT及び量子化部104において、離散コサイン変換処理および量子化処理が施され、残差信号として可変長符号化部105に出力される。
またステップ8cにおいて画面内予測部113は、可変長符号化部105に対して、上記残差信号の符号量Rrを求めさせる。これにより可変長符号化部105が求めた上記残差信号の符号量Rrを取得し、ステップ8dに移行する。
ステップ8dにおいて画面内予測部113は、ステップ8bで求めたモード情報符号量Rmと、ステップ8cで求めた残差信号の符号量Rrとを加算して、符号化対象ブロックbの全符号量R(m)を求め、ステップ8eに移行する。
次に画面内予測部113は、ステップ8e〜8iのループ処理を、例えば図7に示すように、符号化対象ブロックbに後続するブロックb、b、b、bについてそれぞれ実施し、これにより各ブロックのモード情報符号量Rm(n)と、残差信号の符号量Rr(n)を求める。なお、ブロックb、b、b、bの符号化モードは、符号化対象ブロックbの符号化モードに影響されるものである。
すなわち、ステップ8fにおいて画面内予測部113は、ブロックbの周囲の既に符号化されたブロックbn−1、bn−2、bn−3で用いられた符号化モードと、符号化モードmとに基づいて、ブロックbのモード情報符号量Rm(n)を求める演算を行い、ステップ8gに移行する。
ステップ8gにおいて画面内予測部113は、ブロックbの予測画像データをスイッチ103を通じて減算器102に出力する。これにより、減算器102にて、入力画像データから予測画像データが引き算され、この減算結果は、DCT及び量子化部104において、離散コサイン変換処理および量子化処理が施され、残差信号として可変長符号化部105に出力される。
またステップ8gにおいて画面内予測部113は、可変長符号化部105に対して、上記残差信号の符号量Rr(n)を求めさせる。これにより可変長符号化部105が求めた上記残差信号の符号量Rr(n)を取得し、ステップ8hに移行する。
ステップ8hにおいて画面内予測部113は、ステップ8fで求めたモード情報符号量Rm(n)と、ステップ8gで求めた残差信号の符号量Rr(n)とを加算して、符号化対象ブロックbの全符号量R(m,n)を求め、ステップ8iに移行する。
ステップ8iにおいて画面内予測部113は、ブロックb、b、b、bについて、ステップ8f〜8hのループ処理を実施したか否かを判断し、すべてブロックについて実施した場合には、ステップ8jに移行し、一方、すべてのブロックについて実施していない場合には、ステップ8eに移行して、残るブロックについて上記ループ処理を実施する。
ステップ8jにおいて画面内予測部113は、前述の式(2)に当該処理で求めた値を代入し、評価尺度J(m)を求める。そして、当該処理を終了し、ステップ6dに移行する。
以上のように、上記構成の符号化装置では、図2および図4に示したように、動きベクトル検出部112における動きベクトルを求める演算処理において、符号化対象ブロックbの動きベクトルを、符号化対象となるブロックbの動きベクトルを予測に用いるブロックb、b、bの動きベクトルの符号量を考慮して、コストが最小となるものを求めるようにしている。
したがって、上記構成の符号化装置によれば、符号化対象となるブロックbの動きベクトルを、後に符号化する後続ブロックの動きベクトルの符号量も考慮するので、後に符号化する後続ブロックで予測効率が低下することが無く、符号化効率を向上させることができる。
また、上記構成の符号化装置では、図6および図8に示したように、画面内予測部113における符号化モードの予測処理において、符号化対象ブロックbに適用すべき符号化モードを、符号化対象となるブロックbの符号化モードを予測に用いるブロックb、b、b、bの符号化モードを考慮して、コストが最小となるものを求めるようにしている。
したがって、上記構成の符号化装置によれば、符号化対象となるブロックbに適用する符号化モードを、後に符号化する後続ブロックに適用する符号化モードも考慮するので、後に符号化する後続ブロックで予測効率が低下することが無く、符号化効率を向上させることができる。
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
その一例として例えば、上記実施の形態では、図8に示した評価尺度J(m)の計算処理において、残差信号の符号量RrやRr(n)についても考慮するようにしたが、これに代わって例えば、図9に示すように、上記残差信号の符号量RrやRr(n)を考慮せず、モード情報符号量RmとRm(n)のみを考慮するようにしてもよい。この場合、図8に示した演算処理に比べて演算量を少なくでき、十分に符号化効率を向上させることができる。
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
この発明に係わる符号化装置の一実施形態の構成を示す回路ブロック図。 図1に示した符号化装置の動きベクトル検出部の動作を説明するためのフローチャート。 図2に示した処理において符号化の対象となるブロックと、その周囲の後に符号化される後続ブロックを示す図。 図2に示した処理のうち、評価尺度JMOTION(x,y)を求める処理を詳細に説明するためのフローチャート。 図2に示した処理において符号化の対象となるブロックと、その周囲の既に符号化されたブロックを示す図。 図1に示した符号化装置の画面内予測部の動作を説明するためのフローチャート。 図6に示した処理において符号化の対象となるブロックと、その周囲の後に符号化される後続ブロックを示す図。 図6に示した処理のうち、評価尺度J(m)求める処理を詳細に説明するためのフローチャート。 図8に示した処理の変形例を示すフローチャート。
符号の説明
100…制御部、101…入力端子、102…減算器、103…スイッチ、104…DCT及び量子化部、105…可変長符号化部、106…出力端子、107…逆量子化及び逆DCT部、108…加算器、109…デブロッキングフィルタ、110…画像メモリ、111…動き補償部、112…動きベクトル検出部、113…画面内予測部。

Claims (3)

  1. 動画像信号を入力し圧縮符号化を行う符号化装置において、
    入力画像データと、既に符号化された符号化画像データとに基づいて、符号化対象ブロックの動きベクトル探索点に対応する動き補償残差の大きさを求める第1手段と、
    前記符号化対象ブロックの周囲の既に動きベクトルが求められたブロックの動きベクトルに基づいて、前記符号化対象ブロックの動きベクトルを予測する予測動きベクトルを求め、この予測動きベクトルと前記探索点とに基づいて求めた動きベクトルの符号量を求める第2手段と、
    前記符号化対象ブロックの動きベクトルを用いて動きベクトルが予測される後続ブロックの動きベクトルを予測する第3手段と、
    前記第1手段が求めた動き補償残差の大きさ、前記第2手段が求めた動きベクトルの符号量および前記第3手段が求めた後続ブロックの動きベクトルの符号量の和が最小となる動きベクトルを求める第4手段とを具備することを特徴とする符号化装置。
  2. 動画像信号を入力し圧縮符号化を行う符号化装置において、
    指定された符号化モードで入力画像データの符号化対象ブロックを符号化して予測画像データを生成し、この予測画像データと、前記入力画像データを比較して符号化歪みの大きさを求める第1手段と、
    前記符号化対象ブロックの周囲の既に符号化されたブロックの符号化に用いられた符号化モードと、前記符号化対象ブロックの符号化モードに基づいて、モード情報符号量を求める第2手段と、
    前記符号化対象ブロックの符号化モードを用いて符号化モードが予測される後続ブロックのモード情報符号量を求める第3手段と、
    前記第1手段が求めた符号化歪みの大きさ、前記第2手段が求めたモード情報符号量および前記第3手段が求めた後続ブロックのモード情報符号量の和が最小となるよう前記符号化対象ブロックの符号化モードを決定する第4手段とを具備することを特徴とする符号化装置。
  3. 動画像信号を入力し圧縮符号化を行う符号化装置において、
    指定された符号化モードで入力画像データの符号化対象ブロックを符号化して予測画像データを生成し、この予測画像データと、前記入力画像データを比較して符号化歪みの大きさを求める第1手段と、
    前記符号化対象ブロックの周囲の既に符号化されたブロックの符号化に用いられた符号化モードと、前記符号化対象ブロックの符号化モードに基づいて、符号化モード情報の符号量を求める第2手段と、
    前記符号化対象ブロックに対して予測符号化を行った残差信号の符号量を求める第3手段と、
    前記符号化対象ブロックの符号化モードを用いて符号化モードが予測される後続ブロックのモード情報符号量を、前記ブロックの周囲の既に符号化されたブロックの符号化に用いられた符号化モードと前記符号化対象ブロックの符号化モードに基づいて求める第4手段と、
    前記後続ブロックに対して予測符号化を行った際の残差信号の符号量を求める第5手段と、
    前記第1手段が求めた符号化歪みの大きさ、前記第2手段が求めた符号化対象ブロックのモード情報符号量、前記第3手段が求めた符号化対象ブロックの残差信号の符号量、前記第4手段が求めた後続ブロックのモード情報符号量および前記第5手段が求めた後続ブロックの残差信号の符号量の和が最小となるよう前記符号化対象ブロックの符号化モードを決定する第6手段とを具備することを特徴とする符号化装置。
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