JP2007032778A - バルブ - Google Patents

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Abstract

【課題】 弁座や弁体に付着した粉体等の付着物を確実且つ効率的に洗浄できるバルブの提供を課題としている。
【解決手段】 弁体23の閉塞動作時に該弁体23の外周面と前記弁座14の内周面との間隙31に、前記流通孔15の径方向ならびに下流側から流体が導入され、しかも前記間隙31が減少するに従って径方向ならびに下流側から導入された流体の流速圧が増大されて前記内外周面に付着した付着物が除去され得るように、前記弁座14には径方向流体導入孔17aが貫通形成され且つ前記弁体23には下流側流体導入孔17bが貫通形成されていることを特徴とするバルブを提供する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、互いに当接してシール面となる弁体の外周面及び弁座の内周面を具備したバルブに関する。
従来、この種のバルブとしては例えば図4に示すようなものが存在する。
即ち、この従来のバルブは濾過乾燥機に適用されたものであり、槽本体1aの下部側面に固定されるケーシング12aと、該ケーシング12a内に設けられた弁座14aと、該弁座14aの流通孔15aを開閉すべく油圧シリンダ28aにより往復動自在に設けられた弁体23aとからなる。
そして、油圧シリンダ28aにより弁体23aを開放すると、槽本体1aに堆積している製品粉体は回転する攪拌翼により弁座14aの流通孔15aを介してケーシング12a内に流出されて、その下面に設けたシュート13aから外部に排出されることになる。
ところで、このようにして粉体が流通孔15aの上流側から下流側に排出されると、弁座14aの内周面及び弁体23aの外周面に粉体が付着することになるが、この状態で弁座14aの流通孔15aが弁体23aにより閉塞されると、粉体の噛み込みによってシール性が損なわれるという不都合がある。従って、従来に於いては作業者がケーシング12aの側面に設けた点検孔(図示せず)を開口して、手作業により付着した粉体を拭き取って除去していたのである。
このようなことに対して、特許文献1には、流通孔にその径方向から流体を導入させるべく弁座に径方向流体導入孔を貫通形成し、弁体がこの弁座を閉塞させるときに、弁体の外周面と弁座の内周面間の間隙が減少するに従って、上記の径方向の流体導入孔から間隙に噴出されて流速圧が増大する流体により弁体と弁座に付着した付着物が除去されるよう構成させたバルブが記載されている。
しかし、このようなバルブでは、流体を単に径方向のみから導入させているため、粉体の種類によっては、付着した粉体を十分除去することができず、弁座や弁体に付着した粉体等の付着物を確実且つ効率的に洗浄させるという要望を十分満足させることが困難であるという問題を有している。
特許第3150596号公報
本発明は、弁座や弁体に付着した粉体等の付着物を確実且つ効率的に洗浄できるバルブの提供を課題としている。
本発明者らは、弁座や弁体に付着した粉体をより確実に且つ効率的に洗浄させ得るバルブについて鋭意検討を行ったところ、弁座と弁体との間隙部に導入させる流体の方向を、径方向のみならず、他の方向から導入させることで弁座や弁体に付着した粉体等の付着物をより確実に且つ効率的に洗浄させ得ることを見出し本発明の完成に到ったのである。
すなわち、本発明は上記課題を解決すべく、流通孔15が上流側から下流側に向けて拡径するテーパ状に形成された弁座14と、該弁座14の内周面に当接させて前記流通孔15を閉塞すべく前記弁座14の内周面に対応する外周面が形成された弁体23とが用いられ、該弁体23が前記流通孔15を開閉すべく往復動自在に設けられてなるバルブであって、弁体23の閉塞動作時に該弁体23の外周面と前記弁座14の内周面との間隙31に、前記流通孔15の径方向ならびに下流側から流体が導入され、しかも前記間隙31が減少するに従って径方向ならびに下流側から導入された流体の流速圧が増大されて前記内外周面に付着した付着物が除去され得るように、前記弁座14には径方向流体導入孔17aが貫通形成され且つ前記弁体23には下流側流体導入孔17bが貫通形成されていることを特徴とするバルブを提供する。
本発明によれば、弁体23の閉塞動作時に該弁体23の外周面と前記弁座14の内周面間の間隙31に径方向流体導入孔17aと弁体23に設けられた下流側流体導入孔17bとの相異なる方向から流体を噴出させることができ、一定の方向のみから流体を噴出させた場合に比べて、弁体23の外周面や弁座14の内周面に付着した粉体等を、より確実に、且つより効率的に洗浄し得る。
なお、弁体23の閉塞動作時には、弁座14の内周面及び弁体23の外周面は夫々テーパ状に形成されてなるため、弁体23の閉塞動作時には前記間隙31が徐々に減少することになる。従って、この間隙31を流動する流体の流速は徐々に増大するため、かかる流体の流速圧により前記付着物が良好に除去されることとなる。
以下、本発明に係るバルブを濾過乾燥機に適用した場合の一実施形態について図面に従って説明する。
図1に於いて、1はベル型ハウジング形状の槽本体を示し、その内部中央にはモータ2により回転駆動され且つ油圧シリンダ3により昇降可能な回転軸4aと、該回転軸4aの下端部に設けられた複数枚の翼4bとからなる攪拌翼5が内装されている。
6は槽本体1の下部開口部を閉塞するための下蓋で、その中央には濾液排出口7が設けられており、且つ下蓋6上には濾板8を介して濾材9が配されている。10は槽本体1の外周面に設けられたジャケットを示す。
11は槽本体1の下部側面に取付けた粉体排出用のバルブで、図2に示すように次のような構成からなっている。即ち、同図中、12は箱型のケーシングで、その下面にはシュート13が設けられている。14はケーシング12の一側面に取付けられた弁座で、中央に穿設した流通孔15の内周は上流側から下流側に向けて拡径するテーパ状に形成され、且つ径方向流体導入孔17aが径方向に貫通形成された弁座本体18と、該弁座本体18と前記ケーシング12の一側面間に介装されて弁座14の内壁面を構成する環状のプラグシート19とからなり、該プラグシート19の前後両面に図3の如く夫々形成された環状の凹溝20にはOリング21が装着されてシールが施されており、前記弁座本体18の一端部は槽本体1の下部側面に穿設した排出孔に嵌入されている。尚、弁座本体18には複数の径方向流体導入孔17aを設けても構わない。
23は弁座14の内周面に当接してその流通孔15を閉塞すべく、該内周面に対応した外周面、即ち上流側から下流側に向けて拡径するテーパ状の外周面を有する中空の弁体で、その上流側外周面に周方向に形成した凹溝24にはOリング25が装着されると共に、下流側には前記弁座14のプラグシート19の後面19aに当接する鍔部26が突設されており、該鍔部26には、プラグシート19の後面19aと当接する当接面に凹溝26aが形成され、該凹溝26aにOリング33が装着されて鍔部26とプラグシート19の後面19aとの間のシールが施されている。
この弁体23は、中空構造に形成され、弁体23のテーパ状の外周面には前記鍔部26との境界部に沿って連続した周状の開口部32bが形成されて、弁体23の中空部分から前記開口部32bを通じて流通孔15の下流側から上流側に向けて流体を噴出させるべく下流側流体導入孔17bが備えられている。
また、前記鍔部26と前記凹溝24間には図3のように凹状部27が全周に亘って形成されている。尚、弁体23による弁座14の流通孔15の閉塞時には、弁座14の径方向流体導入孔17aは前記凹状部27に配置されるように構成されている。
28はケーシング12の一側面に対向する他側面に挿通して固定された油圧シリンダで、そのロッド29は伸縮自在なベローズ30により外嵌被覆され、且つその先端部は弁体23の背面中央に固定されている。
また、このロッド29は筒状に形成され、前記弁体23に固定されている先端部において弁体23の中空部分に開口しており、後端側には流体をロッド29を通じて弁体の中空部分に供給し得るように流体供給口(図示せず)が備えられている。
本実施形態は以上のような構成からなり、槽本体1に投入された原料スラリーは濾過,展延,洗浄,乾燥という一連の工程を経て製品粉体Aが生成されるが、槽本体1内に堆積した粉体Aを外部に排出する場合は、次のようにして行う。
先ず、バルブ11の油圧シリンダ28を作動させて弁体23を図2の一点鎖線で示すように開放すると、槽本体1内で回転している攪拌翼5の翼4bにより粉体Aは弁座14の流通孔15を介してケーシング12内に流出され、そのシュート13から落下して外部に排出されることとなる。
そして、このような粉体Aの排出が終了した時点で、油圧シリンダ28を作動させて弁座14の流通孔15を弁体23で閉塞するのであるが、この閉鎖動作時に於いて図3の如く弁座14の径方向流体導入孔17aと、弁体23の下流側流体導入孔17bからエアが自動噴出される。径方向流体導入孔17aからのエアは先ず弁体23の外周面に設けた凹状部27に流入するが、該凹状部27内に一旦溜められる状態となるために、エアは周方向に均一に流れることとなり、弁体23の外周面と弁座14の内周面間との間隙31を全周に亘ってエアが流動する。一方、下流側流体導入孔17bからのエアも弁体23の外周面と弁座14の内周面間との間隙31に流入するが、その方向は、径方向流体導入孔17aからのエアの流入方向と略直交する。したがって、径方向のエアで除去されなかった付着粉体Aがこの下流側からのエアで飛散させて除去される。また、その結果槽本体1内及びケーシング12内に向かってエアが流動し、これら内外周面に付着した粉体Aが飛散して除去される。
この場合において、弁座14の内周面及び弁体23の外周面はテーパ状に形成されてなるため、弁体23の閉塞動作により前記間隙31の幅が徐々に減少することとなる。従って、この間隙31を流動するエアの流速が徐々に増大して閉塞直前には槽本体1内及びケーシング12内に向かってエアが流動しながら最大の流速圧が生じることとなり、単にエアを噴出させて付着物を除去する場合に比して、格段優れた洗浄効果が得られるのである。
その結果、弁体23が閉塞されても該弁体23の外周面と弁座14の内周面間に粉体Aが噛み込むようなことはなくなり、また弁体23及び弁座14に損傷を生ぜしめることもなくなって、長期に亘り良好なシール性を維持できるのである。
また、弁体23が閉塞された後、径方向流体導入孔17aからのエアの圧力を上げ保持することによって弁体23のシール性能を確認できる。即ち、径方向流体導入孔17aと凹状部27のエア圧を閉塞して、エア圧の変化により弁体23の上流側のOリング25もしくは鍔部26のOリング33からのエアの漏れを検知することができ、これらのOリングの交換時期、弁座14の清掃時期を確認することができるのである。このように、シール面の洗浄効果及びシール性能の確認も可能である。
なお、これらのOリングは、いずれも弁体23側に設けられた場合を例に説明したが、弁座14側に設けられてもよく、上記のようなエアの漏れ検知を行わない場合にはいずれか一方、あるいは、両方を設けなくすることもできる。ただし、スラリーの濾過時などにおけるバルブのシール性を高め得る点においていずれか一方にはOリングが設けられていることが好ましく、径方向流体導入孔17aや下流側流体導入孔17bにスラリーなどが入り込むことを防止し得る点において流通孔15の上流側において、弁体23か弁座14のいずれかにOリングが設けられていることが好ましい。
さらに、前記径方向流体導入孔17aならびに下流側流体導入孔17bからのエアの噴出は、弁体23の閉塞動作に連動させて自動制御することが可能であるため、バルブ11の開閉及び洗浄も簡単に自動化が図れて作業の簡略化に大いに寄与し得ることになる。
また、本実施形態に係るバルブ11は全体が非常に簡易な構成からなるため、その製作も容易で且つ安価に行えるという実用的な利点もある。
尚、上記実施形態に於いては、弁体23の外周面に凹状部27を設けたが、かかる凹状部27は必ずしも設ける必要はなく、省略しても構わない。
また、本発明に係るバルブ11は上記実施形態の如き濾過乾燥機だけではなく適用可能であり、その具体的な使用用途は問わず、さらに付着物も粉体だけではなくスラリー液等を洗浄除去することも勿論可能である。
さらに、径方向流体導入孔17aおよび下流側流体導入孔17bに導入する流体は、気体以外に水等の液体であってもよく、要すれば、径方向流体導入孔17aと下流側流体導入孔17bとに別々の流体を用いることも可能である他、シール手段等のバルブ11の各部の構成も本発明の意図する範囲内に於いて任意に設計変更自在である。
この様に、本発明は夫々テーパ状に形成された弁座の内周面と弁体の外周面とを当接させる閉塞動作時において、この内外周面間に形成される間隙が減少して該間隙に噴出されたエア等の流速が増大していくことを利用するものであるために、かかるエア等の流速圧により前記内外周面に付着した粉体等の付着物を確実に除去することが可能となり、単にエアを噴出させて付着物を除去する場合に比して、格段優れた洗浄効果が得られるという格別の効果を得るに至った。
また、エアが径方向のみから噴出される場合に比べて、該径方向と略直交する方向からもエアが噴出されるため、さらに優れた洗浄効果が得られるという格別の効果を得るに至った。
しかも、前記間隙31に流体を導入させるための下流側流体導入孔17bの開口部が、前記弁体23外周面の周方向に連続した周状に形成されている場合には、流体を周方向に均一に噴出させることができ、下流側流体導入孔17bから周方向により均一かつ広範囲にエア等を噴出させることができ、バルブにさらに優れた洗浄効果を奏させ得る。
また、前記弁体23による流通孔15の閉塞時に弁座14の内壁面19aに当接する鍔部26が弁体23に設けられ、前記下流側流体導入孔17bの前記開口部を、弁体23の前記鍔部26と、弁座14の内周面に対応する前記外周面との境界部に沿って周状に形成させた場合には、弁座14の内周面と、弁体23の外周面とのほぼ全域に流体を噴出させることができ、下流側流体導入孔17bから、さらに均一かつ広範囲に流体を噴出させることができ、バルブがさらに優れた洗浄効果を有するものとなる。
その結果、付着物が弁座と弁体間に噛み込んだ状態で閉塞されて、この両者のシール性が損なわれたり、損傷が生じたりするようなことがなくなり、よって長期間の使用にも耐え得るという効果を奏する。
また、バルブ閉塞時に流体流通部で流体圧を保持することによって、バルブのシール性能を確認することができる。これにより、Oリングの交換時期、シール面の清掃時期を知ることができて、常に最良のシール性能を有したバルブとして機能させることが可能になるという効果もある。
さらに、前記流体導入孔からのエア等の噴出は、弁体の閉塞動作に連動させて自動制御することが可能であるため、バルブの開閉及び洗浄も簡単に自動化が図れて作業の簡略化に大いに寄与し得るという特有の効果もある。
また、本発明に係るバルブは上述したように全体の構成が極めて簡易であるため、その製作も容易に且つ安価に行えるという実用的な効果も奏する。
本発明の一実施形態を示す濾過装置の一部断面正面図。 バルブの一実施形態を示す一部断面正面図。 バルブの一部断面を含む要部拡大正面図。 従来例を示すバルブの一部断面正面図。
符号の説明
14:弁座、15:流通孔、17a:径方向流体導入孔、17b:下流側流体導入孔、19:プラグシート、19a:弁座内壁面(プラグシート後面)、21:Oリング、23:弁体、25:Oリング、26:鍔部、27:凹状部、31:間隙

Claims (3)

  1. 流通孔(15)が上流側から下流側に向けて拡径するテーパ状に形成された弁座(14)と、該弁座(14)の内周面に当接させて前記流通孔(15)を閉塞すべく前記弁座(14)の内周面に対応する外周面が形成された弁体(23)とが用いられ、該弁体(23)が前記流通孔(15)を開閉すべく往復動自在に設けられてなるバルブであって、
    弁体(23)の閉塞動作時に該弁体(23)の外周面と前記弁座(14)の内周面との間隙(31)に、前記流通孔(15)の径方向ならびに下流側から流体が導入され、しかも前記間隙(31)が減少するに従って径方向ならびに下流側から導入された流体の流速圧が増大されて前記内外周面に付着した付着物が除去され得るように、前記弁座(14)には径方向流体導入孔(17a)が貫通形成され且つ前記弁体(23)には下流側流体導入孔(17b)が貫通形成されていることを特徴とするバルブ。
  2. 前記下流側流体導入孔(17b)は、前記間隙(31)に流体を導入させるための開口部が、前記弁体(23)外周面の周方向に連続した周状に形成されている請求項1に記載のバルブ。
  3. 前記弁体(23)による流通孔(15)の閉塞時に弁座(14)の内壁面(19a)に当接する鍔部(26)が弁体(23)に設けられ、前記下流側流体導入孔(17b)の前記開口部は、弁体(23)の前記鍔部(26)と、弁座(14)の内周面に対応する前記外周面との境界部に沿って周状に形成されている請求項2に記載のバルブ。
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