JP2007032526A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン始動時に燃料噴射機構にベーパが発生したか否かを短時間で判定し、ベーパ発生を判定したときには、ベーパを確実に潰すことができる燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】燃料を高圧化するポンプと、ポンプで高圧化された燃料を燃料噴射弁に供給するデリバリパイプとを備え、デリバリパイプ内の燃料の圧力を検出し、デリバリパイプ内の燃料の温度を検出し(ステップS21)、検出した温度における燃料の飽和蒸気圧を算出し(ステップS23)、検出燃料圧力が、算出飽和蒸気圧よりも低いときにベーパ発生を判定し(ステップS24) ベーパ発生を判定したときに、ベーパ発生量を推定し(ステップS25)、推定したベーパを潰すために必要なクランキングの回数又は時間を算出し(ステップS25)、算出したクランキングを行ってから燃料噴射を開始する。
【選択図】図3

Description

この発明は、燃料噴射制御装置に関する。
エンジンの気筒内へ燃料を直接噴射するには、各燃料噴射弁へ供給する燃料を高圧にすることが必要であり、そのための高圧燃料噴射装置が知られている。
高圧燃料噴射装置は、燃料タンクの燃料を圧送する低圧ポンプと、低圧燃料をさらに加圧する高圧ポンプとを備える。低圧ポンプは電動モータで駆動され、高圧ポンプはエンジンで駆動される。エンジン運転中に高圧ポンプで圧送された燃料は、デリバリパイプ内で高圧状態に維持される。その高圧燃料が各燃料噴射弁を介して気筒内に噴射される。
ところで、エンジンが停止すると、高圧ポンプ及び低圧ポンプが停止するとともに、燃料噴射弁を介しての燃料噴射が停止する。このためデリバリパイプ内には高圧燃料が密閉されることとなる。そしてデリバリパイプ内の燃料の温度は、時間の経過とともに徐々に低下する。
燃料は、温度低下にともなって熱収縮し、デリバリパイプ内の燃料圧力は低下する。10℃の温度変化によって約1%の体積変化が生じ、それによって約8MPaの圧力変化が生じることが確認されている。このように温度低下に伴う燃料圧力の低下は比較的急激である。このため、燃料が所定温度まで低下したときに、デリバリパイプ内の燃料圧力が、この所定温度における飽和蒸気圧よりも低くなることがある。するとデリバリパイプ内にはベーパ(燃料蒸気)が発生しうる。デリバリパイプ内にベーパが形成されると、その後、デリバリパイプ内の圧力は、温度低下にともなって各温度での飽和蒸気圧近傍で推移し、デリバリパイプ内では徐々にベーパの空間が大きくなる。こうして、エンジン始動時にデリバリパイプ内に大きな空間が形成されていることがある。
このような空間が存在しては、デリバリパイプ内を所望の圧力まで高圧化することはできない。
そこで従来の燃料噴射装置では、低圧ポンプ/高圧ポンプの昇圧状態やエンジン停止中の燃料温度の変化からベーパ発生状態を判定し、ベーパ発生を判定したときは燃料の圧力が低圧ポンプの定格圧(0.35MPa)近傍になったときに燃料噴射を開始している(特許文献1参照)。
特開2003−120460号公報
しかし、前述した従来装置は、燃料圧力の昇圧状態に基づいてベーパが発生したか否かを判定するので、低圧ポンプを駆動するか、クランキングして高圧ポンプを駆動しなければ判定できず、判定時間を要する。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、エンジン始動時に燃料噴射機構にベーパが発生したか否かを短時間で判定し、ベーパ発生を判定したときには、ベーパを確実に潰すことができる燃料噴射制御装置を提供することを目的としている。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、燃料を高圧化するポンプ(11,21)と、前記ポンプ(11,21)で高圧化された燃料を燃料噴射弁(32a〜32d)に供給するデリバリパイプ(31)と、前記デリバリパイプ(31)内の燃料の圧力を検出する圧力検出手段(51/ステップS12)と、前記デリバリパイプ(31)内の燃料の温度を検出する温度検出手段(51/ステップS21)と、検出した温度における燃料の飽和蒸気圧を算出する飽和蒸気圧算出手段(ステップS23)と、前記検出燃料圧力が、前記算出飽和蒸気圧よりも低いときにベーパ発生を判定するベーパ判定手段(ステップS24)と ベーパ発生を判定したときに、ベーパ発生量を推定するベーパ量推定手段(ステップS251〜S252)と、推定したベーパを潰すために必要なクランキングの回数又は時間を算出するベーパ潰しクランキング算出手段(ステップS253)と、算出したクランキングを行ってから燃料噴射を開始する燃料噴射手段(ステップS83)とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、デリバリパイプ内の燃料圧力が、デリバリパイプ内の燃料の温度に基づいて算出した燃料の飽和蒸気圧よりも低いか否かによってベーパ発生を判定するので、ベーパ発生を迅速に判定することができる。そして、ベーパ発生を判定したときに、ベーパを潰すために必要なクランキングを行ってから燃料噴射を開始するようにしたので、ベーパを確実に潰すことができる。
以下では図面等を参照して本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による燃料噴射制御装置の第1実施形態を示す図である。
燃料噴射装置1は、燃料圧送部10と、燃料高圧化部20と、高圧燃料噴射部30とを備える。
燃料圧送部10は、フィードポンプ(低圧ポンプ)11と、プレッシャレギュレータ12と、燃料フィルタ13と、燃料タンク14とを備える。
燃料タンク14は、燃料を貯留するとともに、フィードポンプ11、プレッシャレギュレータ12を収納する。フィードポンプ11は、電動モータ11aで駆動され、燃料タンク14内の燃料を燃料供給通路15を介して燃料高圧化部20に供給する。燃料フィルタ13はフィードポンプ11の上流及び下流にそれぞれ配置される。プレッシャレギュレータ12は、燃料供給通路15から分岐するリターン通路16に設けられ、フィードポンプ11の吐出圧が一定圧以上にならないように、燃料タンク14に余剰燃料を戻す。また燃料供給通路15にはダンパ16が設けられる。このダンパ16は燃料供給通路15の圧力脈動を抑制する。
燃料高圧化部20は、プランジャポンプ(高圧ポンプ)21と、吸入チェックバルブ22と、スピル調整ソレノイド23と、吐出チェックバルブ24とを備える。
プランジャポンプ21は、シリンダ21aと、プランジャ21bと、スプリング21cとを有する。プランジャ21bはシリンダ21a内を往復動する。プランジャ21bは、ポンプ駆動カム25(板カム)の周面に従動する。ポンプ駆動カム25は、吸気バルブ用カムシャフト26に一体に形成されている。吸気バルブ用カムシャフト26はチェーン又はベルトを介してクランクシャフトによって駆動される。スプリング21cはプランジャ21bをカム25の周面に向けて付勢する。
吸入チェックバルブ22はシリンダ21aの吸入側に設けられている。吸入チェックバルブ22は、燃料がシリンダ21aから燃料圧送部10に逆流することを防止する。
スピル調整ソレノイド23は、スピルシャフト23aを制御する。スピルシャフト23aは、吸入チェックバルブ22を強制的に開放する。吸入チェックバルブ22がスピルシャフト23aによって強制的に開放されると、シリンダ21a内の燃料は、スピル通路27を通って燃料タンク14に戻される。
吐出チェックバルブ24はシリンダ21aの吐出側に設けられている。吐出チェックバルブ24は、燃料が高圧燃料噴射部30からシリンダ21aに逆流することを防止する。
プランジャ21bがポンプ駆動カム25の周面に従動して下降するときに、フィードポンプ11からの低圧燃料が吸入チェックバルブ22を介してシリンダ21aに充満する。そしてプランジャ21bがポンプ駆動カム25の周面に従動して上昇するときに、シリンダ21aの燃料の圧力が上昇して吐出チェックバルブ24が開かれ、高圧の燃料がオリフィス28を介してデリバリパイプ31に供給され、デリバリパイプ31内が高圧化する。なお、プランジャポンプ21の吐出量は、スピル調整ソレノイド23によってコントロールされる。すなわち、プランジャ21bが上昇するときに、スピルシャフト23aによる吸入チェックバルブ22の開放時間を長くすれば、スピル通路27を通って燃料タンク14に戻される燃料量が増大し、プランジャポンプ21の吐出量、すなわちデリバリパイプ31への燃料供給量は減少する。反対にスピルシャフト23aによる吸入チェックバルブ22の開放時間を短くすれば、スピル通路27を通って燃料タンク14に戻される燃料量が少なくなり、プランジャポンプ21の吐出量、すなわちデリバリパイプ31への燃料供給量は増大する。
高圧燃料噴射部30は、デリバリパイプ31と、高圧燃料噴射弁32a〜32dとを備える。
デリバリパイプ31は、プランジャポンプ21から吐出される高圧燃料を蓄える。デリバリパイプ31に蓄えられた高圧燃料は、高圧燃料噴射弁32a〜32dからエンジンのシリンダ内に直接噴射される。
デリバリパイプ31は、安全弁33を備える。この安全弁33はデリバリパイプ31内の燃料圧力が許容圧力を超えたときに開いて、デリバリパイプ31内の高圧燃料の一部を燃料タンク14に戻す。
デリバリパイプ31内の燃料の温度及び圧力は、温度圧力センサ51によって検出される。なおセンサは温度及び圧力をそれぞれ検出する複数のセンサで検出しても、また例えば圧力から温度を算出(間接的に検出)するようにしてもよい。
コントローラ50は温度圧力センサ51、クランクシャフトポジションセンサ52、カムシャフトポジションセンサ53、冷却水温センサ54、吸気温(外気温)センサ55からの信号を入力し、電動モータ11a、スピル調整ソレノイド23、高圧燃料噴射弁32a〜32dを制御する。なお後述のREF信号は、クランクシャフトポジションセンサ52、カムシャフトポジションセンサ53からの信号である。
コントローラ50は中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ50を複数のマイクロコンピュータで構成してもよい。
エンジンを成層始動するには圧縮行程で燃料を噴射する必要があり、燃料を高圧にしておかなければならない。
ところがエンジンが停止すると、上述のようにデリバリパイプ内の燃料圧力が低下し、ベーパが発生することがある。ベーパが発生している状態ではデリバリパイプ内の圧力を十分高圧化することができない。
したがって、成層始動するには、クランキングを開始して燃料を噴射するまでの短時間にベーパを潰しておかなければならない。
そこで本発明では、短時間にベーパを潰して成層始動できるようにするとともに、ベーパを潰しきれないと判定したときには燃料を吸気行程噴射する均質始動するようにしたのである。
以下ではこのコントローラ50の具体的な制御内容について説明する。
図2は、燃料圧力の演算方法を示すフローチャートである。コントローラ50はキーオン中は常にこのフローチャートに沿って2ミリ秒の実行間隔ごとに燃料圧力PFを演算している。
ステップS11においてコントローラ50は、燃料圧力センサ51からの信号を入力する。
ステップS12においてコントローラ50は、その入力信号を加重平均処理して燃料圧力PFを求める。
図3は、コールド成層始動できるか否かの判定方法を示すフローチャートである。コントローラ50はコールド成層始動時のクランキングを開始する前に実行する。
ステップS21においてコントローラ50は、燃料温度TF(℃)、冷却水温Tw(℃)、外気温TA(℃)を検出する。これらはエンジン停止中に行う。すなわちエンジンが回転すると、それによってプランジャポンプ21も作動し、デリバリパイプ内が高圧化する。したがってエンジン停止中に検出することで、一層正確にベーパの有無を判定できるのである。
ステップS22においてコントローラ50は、、エンジン回転速度Ne(rpm)を検出し、それが50rpm未満であるか否かを判定する。50rpm未満のときはステップS23に処理を移し、50rpm以上のときはこの処理を抜ける。
ステップS23においてコントローラ50は、ステップS21で検出した燃料温度TFにおけるガソリンの飽和蒸気圧PFVAPを求める。具体的にはコントローラ50のROMにあらかじめ格納された図8に示すマップに基づいて飽和蒸気圧PFVAPを求める。このマップはあらかじめ実験を通じて設定される。
ステップS24においてコントローラ50は、ベーパの発生する可能性があるか否かを判定する。具体的にはステップS12で求めた燃料圧力PFが飽和蒸気圧PFVAP以下であるか否かで判定する。すなわち、ある燃料温度TFにおける燃料圧力PFが飽和蒸気圧PFVAPよりも高圧であればベーパは発生しないが、飽和蒸気圧PFVAPよりも低圧であればベーパが発生しうるからである。ベーパ発生の可能性があるときはステップS25に処理を移し、ベーパ発生の可能性がないときは処理を抜ける。
ステップS25においてコントローラ50は、燃料圧力をコールド成層始動可能な状態まで昇圧できるか否かを判定する。具体的な内容は後述する。
ステップS26においてコントローラ50は、コールド成層始動可能な条件を判定する。具体的な内容は後述する。
図4は、燃料圧力をコールド成層始動可能な状態まで昇圧できるか否かの判定サブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS24においてベーパの発生しうることが判定されているが、このベーパが存在しては、燃料圧力をコールド成層始動可能な状態まで昇圧することができない。そこで本ルーチンでは、発生するペーパ体積Vvapを求めて、そのベーパVvapを潰すために必要なクランキング回数(以下「ベーパ潰しクランキング回数」という)NCRVAPを求め、このベーパ潰しクランキング回数NCRVAPが、燃料圧力をコールド成層始動可能な状態に昇圧するために行うクランキング回数RNCRよりも小さければ、ベーパを潰すことができると判定しているのである。詳細は以下である。
ステップS251においてコントローラ50は、燃料圧力PFにおけるガソリン+ベーパの体積変化量ΔVgas+vapを以下の式で計算する。
Figure 2007032526
なおこの式は圧力変化ΔPに対する体積変化ΔVの以下の一般式を変形したものである。
Figure 2007032526
ステップS252においてコントローラ50は、このとき発生するペーパ体積Vvapを以下の式で計算する。
Figure 2007032526
ここでRVvapgasは実験取得した体積比(一定値)であり、一例を挙げると0.25である。
ステップS253においてコントローラ50は、発生したペーパVvapを潰すためのベーパ潰しクランキング回数NCRVAPに基づいて求める。具体的にはコントローラ50のROMにあらかじめ格納された図9に示すマップに基づいてを求める。このマップはあらかじめ実験を通じて設定される。
ステップS254においてコントローラ50は、燃料圧力をコールド成層始動可能な状態まで昇圧するために行うクランキング回数RNCRを、そのときの冷却水温Twに基づいて求める。具体的にはコントローラ50のROMにあらかじめ格納された図10に示すマップに基づいてを求める。このマップはあらかじめ実験を通じて設定される。
ステップS255においてコントローラ50は、デリバリパイプ内の燃料圧力をコールド成層始動可能な状態に昇圧するためにクランキングする間にベーパが潰されるか否かを判定する。ベーパを潰すことができれば昇圧可能である。このときはステップS256へ処理を移す。ベーパを潰しきれない場合は昇圧が不十分であると考えられる。このときはステップS257へ処理を移す。
ステップS256においてコントローラ50は、フラグ#FSTRPFOK=1とする。
ステップS257においてコントローラ50は、フラグ#FSTRPFOK=0とする。
図5は、コールド成層始動することができる条件を具備するか否かの判定サブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS261においてコントローラ50は、冷却水温TwがTwSSTL〜TwSSTHの範囲内であるか否かを判定する。範囲内であればステップS262に処理を移し、範囲外であればステップS264に処理を移す。
ステップS262においてコントローラ50は、外気温TAがTASSTL〜TASSTHの範囲内であるか否かを判定する。範囲内であればステップS263に処理を移し、範囲外であればステップS264に処理を移す。
ステップS263においてコントローラ50は、コールド成層始動が可能であるとしてフラグ#FSTRSTOK=1とする。
ステップS264においてコントローラ50は、コールド成層始動が不能であるとしてフラグ#FSTRSTOK=0とする。
図6は、エンジン始動時に、燃料を噴射せずに(フェールカット状態で)高圧燃料ポンプから吐出された燃料によってデリバリパイプ内の圧力を昇圧するクランキングについてのフローチャートである。
ステップS71においてコントローラ50は、REF位置通過カウンタREFCNTをインクリメントする。
ステップS72においてコントローラ50は、カウンタREFCNTが、燃料圧力をコールド成層始動可能な状態に昇圧するために行うクランキング回数RNCRの2倍以上になったか否かを判定する。なお2倍としたのは1サイクル中でREFCNTをカウントする回数がクランキングの2倍だからである。
ステップS72が成立するまではステップS71→S72→S73を繰り返し、ステップS72が成立したらステップS71→S72→S74となり、ステップS80の始動処理に移行する。
図7は、クランキング終了を受けて実際にエンジンを始動する処理のフローチャートである。
ステップS81においてコントローラ50は、フラグ#FSTRPFOK=1であるか否かを判定する。#FSTRPFOK=1であればステップS82へ処理を移し、#FSTRPFOK=0であればステップS84へ処理を移す。
ステップS82においてコントローラ50は、フラグ#FSTRSTOK=1であるか否かを判定する。#FSTRSTOK=1であればステップS83へ処理を移し、#FSTRSTOK=0であればステップS84へ処理を移す。
ステップS83においてコントローラ50は、フェールカットを解除して成層の燃料噴射タイミング及び点火時期で成層始動を行う。
ステップS84においてコントローラ50は、フェールカットを解除して均質の燃料噴射タイミング及び点火時期で均質始動を行う。
本実施形態によれば、デリバリパイプ内の燃料の温度及び圧力を検出し、それらに基づいてデリバリパイプ内にベーパが発生する否かを判定するので、ベーパ発生の有無を迅速に判定することができる。また特別な機構を追加する必要もない。
またベーパ発生を判定したときには、ベーパ量を推定し、そのベーパを潰すために必要なクランキング回数を算出し、そのクランキングをした後に燃料を噴射するようにしたので、デリバリパイプ内の圧力を確実に高圧化することができる。
さらに、デリバリパイプ内の燃料圧力をコールド成層始動可能な状態に昇圧するためにクランキングする間にベーパが潰される場合にのみ成層始動することで、成層始動を確実に実施することができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、理解を容易にするために、図8に示した通りであり、ガソリンの飽和蒸気圧線が1本であるとして説明した。ところが、実際の飽和蒸気圧線は1本ではなく、図12に示すようにガソリン性状によって異なる飽和蒸気圧線が存在することとなる。図12では冬季用ガソリンの飽和蒸気圧線を実線で示し、夏季用ガソリンの飽和蒸気圧線を一点鎖線で示した。
揮発成分の多い冬季ガソリンを前提として、夏季ガソリンのベーパ発生量を推定しては、ベーパ発生量を多く推定してしまい、不要に多くクランキングしてしまうこととなる。反対に揮発成分の少ない夏季ガソリンを前提として、冬季ガソリンのベーパ発生量を推定しては、ベーパ発生量を少なく推定してしまい、ベーパを潰しきれない。
そこで第2実施形態では、冬季ガソリンを前提とし、所定の条件が揃ってもなおベーパ発生が推定できるときは、前提としている揮発成分の少ないガソリンであると判定し、その判定結果を学習することで、次回始動におけるクランキング回数を適切なものにするようにしたのである。具体的な内容は図11のフローチャートに沿って説明する。
ステップS91においてコントローラ50は、外気温TAが学習許可温度TALRNを超えているか否かを判定する。すなわちこれによって夏季か冬季かを判定している。外気温TAが学習許可温度TALRNを超えているときはステップS92に処理を移し、超えていなければルーチンを抜ける。
ステップS92においてコントローラ50は、冷却水温Twが学習許可温度TwLRNを超えているか否かを判定する。すなわちこれによってエンジンが暖機されたか否かを判定している。冷却水温Twが学習許可温度TwLRNを超えているときはステップS93に処理を移し、超えていなければルーチンを抜ける。
ステップS93においてコントローラ50は、燃料圧力PFが飽和蒸気圧PFVAP以下であるか否かで判定する。これはベーパが発生しうる条件である。すなわち本来であればベーパが発生しないのに、ベーパが発生しうる条件を具備している場合は、夏季に冬季用ガソリンの飽和蒸気圧線でベーパ発生を推定していると考えられるので、このときはステップS94へ移行し、それ以外はルーチンを抜ける。
ステップS94においてコントローラ50は、(PFVAP-PF)×GRVPとし、飽和蒸気圧線を下方にシフトして次回以降の始動時にはこの学習した飽和蒸気圧線に基づいてベーパ発生の有無を判定する。
本実施形態によれば、燃料性状を学習することで、始動におけるクランキング回数を適切なものにすることができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明と均等であることは明白である。
例えば、第1実施形態においては、クランキング回数を求めることとしているが、クランキングの継続時間を求めてもよい。
また第2実施形態においては、外気温及び冷却水温に基づいて学習許可を判断するようにしたが、例えば外気温に代えて冷却水温の初期値で夏季冬季を判定したり、エンジン始動からの経過時間によってエンジンの暖機を判定してもよい。
本発明による燃料噴射機構のベーパ発生判定装置の第1実施形態を示す図である。 燃料圧力の演算方法を示すフローチャートである。 コールド成層始動できるか否かの判定方法を示すフローチャートである。 燃料圧力をコールド成層始動可能な状態まで昇圧できるか否かの判定サブルーチンを示すフローチャートである。 コールド成層始動することができる条件を具備するか否かの判定サブルーチンを示すフローチャートである。 エンジン始動時に、燃料を噴射せずに(フェールカット状態で)高圧燃料ポンプから吐出された燃料によってデリバリパイプ内の圧力を昇圧するクランキングについてのフローチャートである。 クランキング終了を受けて実際にエンジンを始動する処理のフローチャートである。 ガソリンの飽和蒸気圧特性を示す図である。 ベーパ発生量とベーパ潰しクランキング回数との関係を示す図である。 冷却水温と、燃料圧力をコールド成層始動可能な状態まで昇圧するために行うクランキング回数との関係を示す図である。 飽和蒸気圧の学習ルーチンを示す図である。 冬季ガソリンと夏季ガソリンの飽和蒸気圧特性を示す図である。
符号の説明
1 燃料噴射装置
10 燃料圧送部
11 フィードポンプ(低圧ポンプ)
20 燃料高圧化部
21 プランジャポンプ(高圧ポンプ)
30 高圧燃料噴射部
31 デリバリパイプ
32a〜32d 高圧燃料噴射弁
50 コントローラ
51 温度圧力センサ(圧力検出手段/温度検出手段)
ステップS12 圧力検出手段
ステップS21 温度検出手段
ステップS23 飽和蒸気圧算出手段
ステップS24 ベーパ判定手段
ステップS251,S252 ベーパ量推定手段
ステップS253 ベーパ潰しクランキング算出手段
ステップS254 成層始動クランキング算出手段
ステップS255 成層始動許可手段
ステップS83 燃料噴射手段
ステップS91,S92 学習許可手段
ステップS94 飽和蒸気圧学習手段

Claims (6)

  1. 燃料を高圧化するポンプと、
    前記ポンプで高圧化された燃料を燃料噴射弁に供給するデリバリパイプと、
    前記デリバリパイプ内の燃料の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記デリバリパイプ内の燃料の温度を検出する温度検出手段と、
    検出した温度における燃料の飽和蒸気圧を算出する飽和蒸気圧算出手段と、
    前記検出燃料圧力が、前記算出飽和蒸気圧よりも低いときにベーパ発生を判定するベーパ判定手段と、
    ベーパ発生を判定したときに、ベーパ発生量を推定するベーパ量推定手段と、
    推定したベーパを潰すために必要なクランキングの回数又は時間を算出するベーパ潰しクランキング算出手段と、
    算出したクランキングを行ってから燃料噴射を開始する燃料噴射手段と、
    を備える燃料噴射制御装置。
  2. エンジン水温に基づいて、成層始動に必要なクランキングの回数又は時間を算出する成層始動クランキング算出手段と、
    前記ベーパ潰しクランキング回数又は時間が、前記成層始動クランキング回数又は時間よりも小さいときに、成層始動を許可する成層始動許可手段と、
    を備え、
    前記燃料噴射手段は、成層始動が許可されたときには、成層始動クランキング回数又は時間のクランキングを行ってから燃料噴射を開始する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記圧力検出手段は、エンジンの停止中にデリバリパイプ内の燃料圧力を検出し、
    前記温度検出手段は、エンジンの停止中にデリバリパイプ内の燃料温度を検出する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料噴射制御装置。
  4. 学習許可を判定する学習許可手段と、
    学習許可状態になっても、前記デリバリパイプ内の燃料圧力が、そのときの燃料温度における飽和蒸気圧に達しないときには、その飽和蒸気圧の値を下げるように更新する飽和蒸気圧学習手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の燃料噴射制御装置。
  5. 前記学習許可手段は、外気温又はエンジン水温が所定値を超えているときに学習を許可する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の燃料噴射制御装置。
  6. 前記学習許可手段は、エンジンの暖機を判定したときに学習を許可する、
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の燃料噴射制御装置。
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