JP2007032290A - スクロール式流体機械 - Google Patents

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Masao Nakano
雅夫 中野
Noboru Iida
飯田  登
Kiyoshi Sawai
澤井  清
Hideki Murakami
秀樹 村上
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】温度変化によるそれぞれのスクロールのラップ部と鏡板のスラストすきまの変化が大きいため、それを緩和できる構成が必要であった。
【解決手段】旋回スクロール5の自転運動を防止するために旋回スクロール5と固定スクロール11との間に設けられた補助クランク機構12とを備えてなるスクロール式流体機械とし、固定フレーム7と固定スクロール11の固定部にリング状のスペーサ16を挿入し、前記スペーサ16の材質を補助クランク13の熱膨張率と同等か、もしくは小さな材料で構成したことにより温度変化によるスラストすきまの変化を緩和することが出来る。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体の圧縮、膨張および圧送を行なうスクロール式流体機械、特に固定スクロールに対して、旋回スクロールの回転阻止機構を有したスクロール式流体機械に関する。
従来のこの種の無給型スクロール式流体機械には、旋回スクロールの自転を防止するためには補助クランク機構が広く使用されている。前記補助クランク機構の旋回スクロール側、固定フレーム側にはそれぞれ玉軸受けが使用され回転自在に軸支している(例えば、特許文献1参照)。
また、この種のスクロール式流体機械では各スクロールの鏡板とラップ部とのすきまにスラストすきまが存在する場合には、このスラストすきまより各圧縮室の圧縮流体が漏れ出し圧縮効率の低下に大きな影響を与えている。このため圧縮効率を向上させるためにはスラストすきまを小さく押さえることが重要なポイントになっている。
一般に旋回スクロールの遠心力を小さくするために、また固定フレームの熱放熱性および軽量化のため旋回スクロール、固定フレームにはアルミ材が使用されており、補助クランクは玉軸受けに挿入されるために鋼材で構成されている。
図2は、特許文献1に記載された従来のスクロール式流体機械の補助クランク機構を示すものである。図2に示すように旋回スクロール31、固定フレーム32を連結する補助クランク33および玉軸受け34より構成されている。また、スラストすきまを調整するためのスペーサ35が固定フレーム32と玉軸受け34接触端面に挿入されている。
特開平11−247770号公報(図1)
しかしながら、前記従来の構成では旋回スクロール、固定フレームがアルミ材で、補助クランク材が鋼材であり、それぞれの熱膨張係数が大きく異なるため組立て時のスラストすきまが温度変化により変化する。低温時にはスラストすきまが小さくなり、スクロールラップ部と鏡板が接触破損する恐れがある。また、高温時にはスラストすきまが増大し性能低下してしまい流量確保のため回転数をアップさせる必要があった。回転数をアップさせると遠心力の増大、騒音の増大等の課題があった。
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、温度変化によるスラストすきまの変化を押さえ温度上昇による性能の低下、および低温時のスクロールのラップ部と鏡板の接触を防ぐスクロール式流体機械を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、旋回スクロールの自転運動を防止するために前記旋回スクロールと前記固定スクロールとの間に設けられた補助クランク機構とを備えてなるスクロール式流体機械とし、前記固定フレームと前記固定スクロールの固定部にスペーサを挿入し、前記スペーサの材質を前記補助クランクの熱膨張率と同等か、もしくは小さい材料で構成したことを特徴とする。
このことにより温度変化によるスラストすきまの変化を緩和することが出来る。
また、請求項3に記載の発明は、補助クランクの材質を一般鋼材の熱膨張率よりも高いもので構成したことを特徴とする。
このことにより温度変化によるスラストすきまの変化を緩和することが出来る。
本発明のスクロール式流体機械は、温度変化によるスラストすきまの変化を緩和することができ、温度上昇による流量の低下の緩和および、低温時のスクロールのラップ部と鏡板の接触を防止することが出来る。
第1の発明は固定フレームとその固定フレームの中心部に回転可能に設けられ、先端がクランク部となった駆動軸と前記固定フレーム内に位置してその駆動軸のクランク部に旋回スクロール玉軸受けを介して旋回可能に設けられ鏡板にラップ部が立設された旋回スクロールと、その旋回スクロールに対向して前記固定フレームの他端側に設けられて鏡板にその旋回スクロールのラップ部との間で複数の圧縮室を形成するラップが立設された固定スクロールと、前記旋回スクロールの自転運動を防止するために前記旋回スクロールと前記固定スクロールとの間に設けられた補助クランク機構とを備えてなるスクロール式流体機械とし、前記固定フレームと前記固定スクロールの固定部にスペーサを挿入し、前記スペーサの材質を前記補助クランクの熱膨張率と同等か、もしくは小さな材料で構成したことにより、温度変化によるスラストすきまの変化を緩和することができ、温度上昇時の性能低下緩和および低温時のスクロールのラップ部と鏡板の接触を押さえることが出来る。
第2の発明は特に、第1の発明のスペーサの高さを補助クランクの高さの半分以上にしたことにより、温度変化によるスラストすきま変化の効果をより大きくすることができる。
第3の発明は固定フレームとその固定フレームの中心部に回転可能に設けられ、先端がクランク部となった駆動軸と前記固定フレーム内に位置してその駆動軸のクランク部に旋回スクロール玉軸受けを介して旋回可能に設けられ鏡板にラップ部が立設された旋回スクロールと、その旋回スクロールに対向して前記固定フレームの他端側に設けられて鏡板にその旋回スクロールのラップ部との間で複数の圧縮室を形成するラップが立設された固定スクロールと、前記旋回スクロールの自転運動を防止するために前記旋回スクロールと前記固定スクロールとの間に設けられた補助クランク機構とを備えてなるスクロール式流体機械とし、前記補助クランクの材質を一般鋼材の熱膨張率よりも高いもので構成したことにより、温度変化によるスラストすきまの変化を緩和することができ、温度上昇時の性能低下緩和および低温時のスクロールのラップ部と鏡板の接触を押さえることが出来る。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明にかかるスクロール式流体機械の縦断面図を示している。
図1に示されるように、モータケーシング1内に電動機の固定子2が固定されており、駆動軸3に電動機の回転子4が固定されている。駆動軸3の先端はクランク状になり旋回スクロール5の鏡板中心に旋回スクロール玉軸受け6を介して回転可能に接合されている。また、駆動軸3は固定フレーム7に主軸玉軸受け8でもって回転自在に支持されている。前記旋回スクロール5の鏡面にラップ部9が立設され、その旋回スクロール5に対向し
て前記固定フレーム7の他端側に設けられて鏡板にその旋回スクロールのラップ部9との間で複数の圧縮室を形成するラップ部10が立設された固定スクロール11がある。
また、前記旋回スクロール5の自転運動を防止するために旋回スクロール5と固定スクロール11の間にクランク機構12が設置されている。またこのクランク機構には少なくとも3個以上の補助クランク13(1個のみ図示)と旋回スクロール側および固定フレーム側に旋回スクロール側玉軸受け14、固定フレーム側玉軸受け15により回転自在に設置されている。固定フレーム7と固定スクロール11の間にはリング状のスペーサ16がボルト等で固定されている。
固定スクロール11、旋回スクロール5および固定フレーム7はアルミ材で構成されおり、スペーサ16およびクランク13は鋼材で構成されている。熱膨張によるスラスト方向の変化を押さえるためには、スペーサ16の材質は出来るだけ熱膨張係数の小さいSUS403やセラミック材が適している。また、補助クランク13の材質は熱膨張係数の大きいSUS304等が適している。
以上のように構成されたスクロール式流体機械について、以下その動作、作用を説明する。
まず、駆動軸3が回転するとクランク機構12により自転防止されながら旋回スクロール5が公転し、旋回スクロールのラップ部9と固定スクロールのラップ部10に囲まれた空間が圧縮され固定スクロールに設けられた吐出口17より圧縮流体が吐出される。
また、この圧縮により圧縮熱が発生し、旋回スクロール5、固定スクロール、固定フレーム7、補助クランク13およびスペーサ16に熱が伝わり熱膨張を起こす。また、それそれ材質が異なるためスクロールのラップと鏡板のスラストすきまは高温の場合は広がる方向にまた、低温の場合には狭まる方向に変化を起こす。
以上のように、本実施の形態においては固定フレーム7と固定スクロール11の固定部にリング状のスペーサ16を挿入し、前記スペーサ16の材質を前記補助クランク13の熱膨張率と同等かもしくは小さな材料で構成しているので、温度変化によるスクロールのラップ部と鏡板のスラストすきまの変化を緩和することができ、高温時には流量の低下を緩和し、低温時にはそれぞれのスクロールのラップ部と鏡板の接触をなくすことが出来る。
また、スペーサ16の高さを補助クランク長さの半分以上にし、補助クランク13の材質を熱膨張係数の大きなSUS304等の材料で構成すればより効果的になる。
上述したように、本発明にかかるスクロール式流体機械は、温度変化によるスラストすきまの変化を押さえているため流体送風機、空気圧縮の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1にかかるスクロール式流体機械の縦断面図 従来の補助クランク機構の縦断面図
符号の説明
1 モータケーシング
2 固定子
3 駆動軸
4 回転子
5 旋回スクロール
6 旋回スクロール玉軸受け
7 固定フレーム
8 主軸玉軸受け
9 旋回スクロールのラップ部
10 固定スクロールのラップ部
11 固定スクロール
12 補助クランク機構部
13 補助クランク
14 旋回スクロール側玉軸受け
15 固定フレーム側玉軸受け
16 スペーサ
17 吐出口

Claims (3)

  1. 固定フレームとその固定フレームの中心部に回転可能に設けられ、先端がクランク部となった駆動軸と前記固定フレーム内に位置してその駆動軸のクランク部に旋回スクロール玉軸受けを介して旋回可能に設けられ鏡板にラップ部が立設された旋回スクロールと、その旋回スクロールに対向して前記固定フレームの他端側に設けられて鏡板にその旋回スクロールのラップ部との間で複数の圧縮室を形成するラップが立設された固定スクロールと、前記旋回スクロールの自転運動を防止するために前記旋回スクロールと前記固定スクロールとの間に設けられた補助クランク機構とを備えてなるスクロール式流体機械とし、前記固定フレームと前記固定スクロールの固定部にスペーサを挿入し、前記スペーサの材質を前記補助クランクの熱膨張率と同等かもしくは小さな材料で構成したことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. スペーサの高さを補助クランクの高さの半分以上にしたことを特徴とする請求項1記載のスクロール式流体機械。
  3. 固定フレームとその固定フレームの中心部に回転可能に設けられ、先端がクランク部となった駆動軸と前記固定フレーム内に位置してその駆動軸のクランク部に旋回スクロール玉軸受けを介して旋回可能に設けられ鏡板にラップ部が立設された旋回スクロールと、その旋回スクロールに対向して前記固定フレームの他端側に設けられて鏡板にその旋回スクロールのラップ部との間で複数の圧縮室を形成するラップが立設された固定スクロールと、前記旋回スクロールの自転運動を防止するために前記旋回スクロールと前記固定スクロールとの間に設けられた補助クランク機構とを備えてなるスクロール式流体機械とし、前記補助クランクの材質を一般鋼材の熱膨張率よりも高いもので構成したことを特徴とするスクロール式流体機械。
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