JP2007029781A - 有機廃液の湿式酸化処理装置および湿式酸化処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有機廃液の湿式酸化処理において、装置構成が簡単で、湿式酸化分解の効率が高く、必要酸素量を低減でき、装置コスト、処理操作コストを低減できる有機廃液の湿式酸化処理装置および湿式酸化処理方法を提供する
【解決手段】 有機廃液と酸素含有気体が供給され亜臨界状態で有機廃液を湿式酸化分解する湿式酸化分解炉を有する有機廃液の湿式酸化処理装置において、酸素含有気体を有機廃液と混合し微細気泡化して湿式酸化分解炉に供給するノズルを備え、ノズルは湿式酸化分解炉の炉底側部に開口して設けられ、有機廃液と微細気泡化された酸素含有気体が湿式酸化分解炉の内部空間の内周接線方向に圧入されることにより湿式酸化分解炉内部に旋回流を形成するように構成されてなる有機廃液の湿式酸化処理装置、および同湿式酸化分解炉内に有機廃液の旋回流を形成しながら有機物を酸化分解する有機廃液の湿式酸化処理方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機廃液を亜臨界状態において酸化分解し低コスト、短時間で、環境に負荷を与えることなく無害に処理する有機廃液の湿式酸化処理装置および湿式酸化処理方法に関し、特にその処理時の酸素または空気等の酸素含有気体の消費量を低減することを可能とした有機廃液の湿式酸化処理装置および湿式酸化処理方法に関する。
従来、一般に食品工業廃水等、動植物由来の有機物、バイオマス有機物としての有機廃液は、農地還元(畑地散布)、濃縮・乾燥の後に家畜飼料化、メタン発酵によるエネルギー回収、海洋投棄などにより処理される場合があったが、それらは環境の二次汚染、処理コスト等の問題や、投棄禁止措置等により、近年、新たな処理方法、処理装置が求められている。
一方、水の臨界点、374℃、22.1Pa以上の状態(超臨界状態)においては、有機物は容易に溶解し且つ酸化反応(超臨界水酸化反応)により分解されることが知られているが、その臨界点以上の高温、高圧と超臨界状態における取り扱い条件、装置部材への影響等のため、装置コスト、操作コストが高いという問題があった。
そこで、水の超臨界状態近傍でそれよりも低い温度と圧力状態(亜臨界状態)において、有機廃液中に含まれる有機物(通常は水に溶解している場合が多いが、スラリー状に混合したものもある)を、水性相中で酸化分解(燃焼)処理を行う湿式酸化処理が、その優れた特徴、すなわち、反応速度大、省エネ、安全、省スペース等から注目されている。
なお、本明細書で「有機廃液」とは、有機物が溶解、懸濁しているもののみならず、有機物がスラリー状に混合しており「液」として取り扱える状態の有機廃棄物も含めて、総じて「有機廃液」と言うこととする。
図7に、従来の有機廃液の湿式酸化処理装置の要部概略構成を示し説明する。図中、01は有機廃液aの湿式酸化分解を行う湿式酸化分解炉であり、湿式酸化分解炉01は、亜臨界条件で湿式酸化分解を行う高圧密閉容器で形成され、図示しない高圧ポンプにより有機廃液aが供給されるとともに、酸素含有気体として図示しない酸素供給装置からの高圧の酸素bが供給され、亜臨界状態の高温、高圧下で、有機廃液a中にスラリー状の固形有機物がある場合は可溶化され、有機物は完全に酸化分解されて、無機化した炭酸ガスCO、窒素ガスN、水HOを主成分とし、残余の酸素Oを含む生成物dとして取り出され、気液分離器02でガスgと生成水wとに分離されて図示しない下流の工程に送られる。なお、図7においては、湿式酸化処理装置としての要部を示し、ポンプ、バルブ、熱交換器、制御系等、および上流側、下流側の付属処理装置も省略されて示されている。
この例の湿式酸化分解炉01は、上流側に反応塔01a、下流側に触媒塔01bを直列に接続した構成としている。反応塔01aでは、酸素含有気体として酸素bが供給され亜臨界状態で有機廃液aを湿式酸化分解して、有機廃液a中にスラリー状の固形有機物がある場合は可溶化し、有機廃液a中の有機物を中間生成液cに変換する。触媒塔01bは反応塔01aの下流側に直列に接続し酸素含有気体として酸素bが供給され反応塔01aから送り込まれた中間生成液cを亜臨界状態で触媒03により無機化する。
なお、酸素含有気体は酸素に限られず空気等でもよく、空気の場合、酸素供給装置に代えて空気供給装置から酸化作用に十分な酸素量となる空気を高圧下で供給してもよいが、以下、酸素を供給する場合で述べる。なお、空気を供給する場合は、生成物d中には空気を構成する他の気体が含まれる。
湿式酸化分解炉01においては酸化剤となる酸素bが充分に有機廃液と接触する必要があり、そのため反応塔01aではその底部から有機廃液aと酸素bを供給すると共に、底部近くに多孔板04を設けて酸素bの塔内分散を図っている。また、反応塔01aの上方に向かうにつれて塔内に交互に平置される邪魔板05が設けられ、酸素aのショートパス防止、接触時間の増加により酸化反応の促進が図られる。触媒塔01bにおいても同様に酸素bの塔内分散の必要があり、多孔板04、邪魔板05を用いる場合がある。
しかしながら、図7の反応塔01aにおけるような多孔板04と邪魔板05の組合せは、従来よりガスの液中への分散、吸収、反応を行わせる操作において多く採用され、有機廃液の処理においても例えば特表平11−503070号公報(特許文献1)に示されるように邪魔板を用いた装置が提案されているが、図7に示す従来例では充分な処理能力が得られていない。
すなわち、本発明者等が焼酎廃液等の有機廃液の連続湿式酸化処理試験を実施した結果、99.9%以上の分解率を確認できたが、当該廃液の元素分析から理論的に算出された必要酸素量はCODcr値の約1.7〜2倍であるところ、実際にはCODcr値の3〜4倍の酸素供給を要し、供給した酸素の約50%の酸素しか酸化反応に寄与していないことが判明した。
これは、上記の連続湿式酸化処理試験装置には酸素気泡を発生させるために図7に示す従来例同様に多孔板04を使用したが、機械加工で開けられる程度の開孔径(直径数mm程度)であるため、そのような多孔板04で生じる程度の大きさの気泡は多孔板04を通過した気泡同士が直ぐに合体してさらに大きい気泡となり、気体流量に対する気液接触面積が小さくなるため、酸素bが有機廃液aに溶解する量が小さく反応性が充分でなく、実際の処理に要する必要酸素量が増大したものと考えられる。このことは、有機廃液の湿式酸化処理において酸素のコストが増大することを意味し、有機廃液の効率的な処理を行う上で、大きなネックとなるものであった。
一方、水中に微細気泡を放出する技術は従来、加圧空気を細孔から水中に吹出させるもの、せん断力が形成された水流内に空気を流入させる、加圧された水の急減圧を行って溶解していた空気を気化する、等の手段がとられるが、例えば特許第3397154号公報(特許文献2)に示されるものおいても、いずれも河川沼沢の水質浄化や、養殖、活魚運搬における酸素供給等のためのものであって、水中に設け、あるいは水中に向けて設けて微細気泡を注入する技術に止まり、亜臨界状態で湿式酸化処理を行う有機廃液に対して反応を最適に維持し且つ微細気泡を供給するものではなく、また、亜臨界状態で用いる手段としては、適切なものが見出せなかった。
特表平11−503070号公報 特許第3397154号公報
本発明は、有機廃液の湿式酸化処理において、装置構成が簡単で、湿式酸化分解の効率が高く、必要酸素量を低減でき、装置コスト、処理操作コストを低減できる有機廃液の湿式酸化処理装置および湿式酸化処理方法を提供することを課題とするものである。
本発明は、上記の課題を解決するためになされ、下記の(1)から(13)の手段を提供するものであり、以下、特許請求の範囲に記載の順に説明する。
(1)その第1の手段として、有機廃液と酸素含有気体が供給され亜臨界状態で同有機廃液を湿式酸化分解する湿式酸化分解炉を有する有機廃液の湿式酸化処理装置において、前記酸素含有気体を前記有機廃液と混合し微細気泡化して前記湿式酸化分解炉に供給するノズルを備え、同ノズルは同湿式酸化分解炉の炉底側部に開口して設けられ、前記有機廃液と微細気泡化された酸素含有気体が同湿式酸化分解炉の内部空間の内周接線方向に圧入されることにより同湿式酸化分解炉内部に旋回流を形成するように構成されてなることを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理装置を提供する。
(2)第2の手段としては、有機廃液と酸素含有気体が供給され亜臨界状態で同有機廃液を湿式酸化分解する湿式酸化分解炉を有する有機廃液の湿式酸化処理装置において、液中に気体を混合するノズルを備え、同ノズルにより前記有機廃液と微細気泡化した前記酸素含有気体とを混合状態で直接前記湿式酸化分解炉に供給するように構成してなることを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理装置を提供する。
(3)また、第3の手段として、第2の手段の有機廃液の湿式酸化処理装置において、前記湿式酸化分解炉は、酸素含有気体が供給され亜臨界状態で有機廃液を湿式酸化分解して中間生成液に変換する反応塔と、同反応塔の下流側に直列に接続し酸素含有気体が供給され前記反応塔から送り込まれた前記中間生成液を亜臨界状態で触媒により無機化する触媒塔とを備え、前記反応塔が前記ノズルを備えてなることを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理装置を提供する。
(4)第4の手段として、第3の手段の有機廃液の湿式酸化処理装置において、前記触媒塔も第2の前記ノズルを備え、第2の前記ノズルにより前記中間生成液と微細気泡化された前記酸素含有気体とを混合状態で直接前記触媒塔に供給するように構成してなることを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理装置を提供する。
(5)第5の手段として、第2の手段ないし第4の手段のいずれかの有機廃液の湿式酸化処理装置において、前記ノズルは、先細りに形成された内部空間と、同内部空間の先端に設けられた吹出し出口と、同内部空間の後端中央に設けられ前記気体が導入される気体入口と、同内部空間の内周の接線方向に開口し前記液が同内部空間に圧入される液導入路とを備えてなることを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理装置。
(6)第6の手段として、第2の手段ないし第4の手段のいずれかの有機廃液の湿式酸化処理装置において、前記ノズルは、後端から前端に向かって形成された液通路と、同液通路の先端に設けられた吹出し出口と、同液通路の後端に設けられ前記液が圧入される液入口と、同ノズルの本体側面に前記気体を前記液通路に導入する気体導入路とを備えてなることを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理装置を提供する。
(7)第7の手段として、第5の手段または第6の手段の有機廃液の湿式酸化処理装置において、前記ノズルは前記湿式酸化分解炉または同ノズルが取り付けられる前記反応塔、触媒塔の内周の接線方向に前記吹出し出口を配して開口するように取り付けられてなることを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理装置を提供する。
(8)また、第8の手段として、湿式酸化分解炉に有機廃液と酸素含有気体を供給して同有機廃液中の有機物を酸化分解する有機廃液の湿式酸化処理方法において、同湿式酸化分解炉を亜臨界状態に維持し、同湿式酸化分解炉内に前記有機廃液の旋回流を形成しながら、前記有機物を酸化分解することを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理方法を提供する。
(9)第9の手段として、第8の手段の有機廃液の湿式酸化処理方法において、前記湿式酸化分解炉に前記酸素含有気体を微細気泡として供給し、同微細気泡を同湿式酸化分解炉内を旋回しながら上昇させ、同微細気泡の酸素と前記有機廃液とを接触させて、前記有機物を酸化分解することを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理方法を提供する。
(10)第10の手段として、有機廃液と酸素含有気体が供給され亜臨界状態で同有機廃液を湿式酸化分解炉で湿式酸化分解する有機廃液の湿式酸化処理において、ノズルで前記有機廃液中に前記酸素含有気体を混合し、同ノズルから前記有機廃液と微細気泡化した前記酸素含有気体とを混合状態で直接前記湿式酸化分解炉に吹込んで供給することを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理方法を提供する。
(11)第11の手段として、第10の手段の有機廃液の湿式酸化処理方法において、前記湿式酸化分解炉を反応塔と同反応塔の下流側に直列に接続する触媒塔で構成し、同反応塔に前記ノズルにより供給された有機廃液を亜臨界状態で湿式酸化分解して中間生成液に変換し、前記触媒塔に酸素含有気体を供給し前記反応塔から送り込まれた前記中間生成液を亜臨界状態で触媒により無機化することを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理方法を提供する。
(12)第12の手段として、第11の手段の有機廃液の湿式酸化処理方法において、前記触媒塔は第2の前記ノズルで前記中間生成液中に前記酸素含有気体を混合し、第2の前記ノズルから同中間生成液と微細気泡化した同酸素含有気体とを混合状態で直接前記触媒塔に吹込んで供給することを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理方法を提供する
(13)第13の手段として、第10の手段ないし第12の手段のいずれかの有機廃液の湿式酸化処理方法において、前記ノズルは、前記湿式酸化分解炉または同ノズルが取付けられた前記反応塔、触媒塔の内周の接線方向に吹込むことを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理方法を提供する。
(1)特許請求の範囲に記載の請求項1の発明によれば、有機廃液の湿式酸化処理装置を上記第1の手段のように構成したので、ノズルから湿式酸化分解炉の内周接線方向に有機廃液と微細気泡化した酸素含有気体が圧入されるため、湿式酸化分解炉内空間に酸素含有気体が既に微細に混合された状態で供給され且つ旋回流を生起し炉内を上昇し、湿式酸化分解炉内全体に微細気泡化された酸素が均一に分散する状態が得られ、微細気泡化とあいまって湿式酸化分解の反応性が飛躍的に向上し、また、ノズルにおいて湿式酸化分解炉への供給直前に有機廃液と酸素含有気体を混合して供給するため、気液の再分離、気泡粗大化、温度、圧力が亜臨界状態に制御されない状態を経ることによる不測の反応を起こす恐れも防止され、装置構成が簡単で、湿式酸化分解の効率が高く、必要酸素量を低減でき、装置コスト、処理操作コストを低減できる有機廃液の湿式酸化処理装置が得られる。
(2)請求項2の発明によれば、有機廃液の湿式酸化処理装置を上記第2の手段のように構成したので、ノズルから有機廃液と微細気泡化した酸素含有気体が混合状態で直接湿式酸化分解炉に供給されるため、湿式酸化分解炉内空間に酸素含有気体が既に微細に混合された状態で供給されて湿式酸化分解炉内全体に微細気泡化された酸素含有気体が均一に分布する状態が得られ、微細気泡化により湿式酸化分解の反応性が向上し、また、ノズルにおいて湿式酸化分解炉への供給直前に有機廃液と酸素含有気体を混合して直接供給するため、気液の再分離、気泡粗大化、温度、圧力が亜臨界状態に制御されない状態を経ることによる不測の反応を起こす恐れも防止され、装置構成が簡単で、湿式酸化分解の効率が高く、必要酸素量を低減でき、装置コスト、処理操作コストを低減できる有機廃液の湿式酸化処理装置が得られる。
(3)請求項3の発明によれば、有機廃液の湿式酸化処理装置を上記第3の手段のように構成したので、請求項2の発明の効果を、反応塔と触媒塔で湿式酸化分解炉を構成する湿式酸化処理装置の反応塔において奏することができる。
(4)請求項4の発明によれば、有機廃液の湿式酸化処理装置を上記第4の手段のように構成したので、反応塔と触媒塔で湿式酸化分解炉を構成する湿式酸化処理装置において請求項3の発明の効果に加え、請求項2の発明の効果を触媒塔においても奏することができ、有機廃液の湿式酸化処理装置としての上記効果がさらに向上する。
(5)請求項5の発明によれば、有機廃液の湿式酸化処理装置を上記第5の手段のように構成したので、請求項2ないし請求項4のいずれかの発明の効果に加え、その効果を確実に奏するノズルを具備する有機廃液の湿式酸化処理装置が得られる。
(6)請求項6の発明によれば、有機廃液の湿式酸化処理装置を上記第6の手段のように構成したので、請求項2ないし請求項4のいずれかの発明の効果に加え、その効果を確実に奏するノズルを具備する有機廃液の湿式酸化処理装置が得られ、ノズルは構造簡単で、コストが低減し、また、目詰まり等のトラブルの恐れも少なく、操作性、操作コストに優れるものとなる。
(7)請求項7の発明によれば、有機廃液の湿式酸化処理装置を上記第7の手段のように構成したので、請求項5または請求項6の発明の効果に加え、ノズルの吹出し出口が湿式酸化分解炉またはノズルが取り付けられる反応塔、触媒塔の内周の接線方向に配されて開口するように取り付けられるため、吹き込まれた有機廃液と微細気泡化した酸素含有気体が旋回流を生起して上昇し、炉内(塔内)全体に微細気泡化された酸素含有気体が均一に分散する状態が得られ、微細気泡化とあいまって湿式酸化分解の反応性が飛躍的に向上する。
(8)請求項8の発明によれば、有機廃液の湿式酸化処理方法を上記第8の手段のように構成したので、湿式酸化分解炉に有機廃液と酸素含有気体を供給して有機廃液中の有機物を酸化分解するに際し、湿式酸化分解炉内に有機廃液の旋回流を形成し湿式酸化分解炉内を旋回上昇させながら有機物を湿式酸化分解するため、湿式酸化分解炉内の酸素含有気体の均一分散性に優れ、著しく反応性が向上し、湿式酸化分解の効率が高く、必要酸素量を低減でき、装置コスト、処理操作コストを低減できる。
(9)請求項9の発明によれば、有機廃液の湿式酸化処理方法を上記第9の手段のように構成したので、請求項8の発明の効果に加え、酸素含有気体が微細気泡として供給されるため、湿式酸化分解炉内を旋回しながら上昇して有機廃液とを接触するため、微細気泡化した酸素含有気体により気液接触面積が増大し有機物を酸化分解する反応性が著しく向上し、必要酸素供給量を大幅に低減できるものとなる。
(10)請求項10の発明によれば、有機廃液の湿式酸化処理方法を上記第10の手段のように構成したので、ノズルで有機廃液中に酸素含有気体を混合し、ノズルから有機廃液と微細気泡化した酸素含有気体とを混合状態で直接湿式酸化分解炉に吹込んで供給するため、湿式酸化分解炉内空間に酸素含有気体が既に微細に混合された状態で供給されて湿式酸化分解炉内全体に微細気泡化された酸素含有気体が均一に分布する状態が得られ、微細気泡化により湿式酸化分解の反応性が向上し、また、ノズルにおいて湿式酸化分解炉への供給直前に有機廃液と酸素含有気体を混合して直接供給するため、気液の再分離、気泡粗大化、温度、圧力が亜臨界状態に制御されない状態を経ることによる不測の反応を起こす恐れも防止され、湿式酸化分解の効率が高く、必要酸素量を低減でき、装置コスト、処理操作コストを低減できる有機廃液の湿式酸化処理方法が得られる。
(11)請求項11の発明によれば、有機廃液の湿式酸化処理方法を上記第11の手段のように構成したので、請求項10の発明の効果を、反応塔と触媒塔で湿式酸化分解炉を構成する湿式酸化処理装置の反応塔において奏することができる。
(12)請求項12の発明によれば、有機廃液の湿式酸化処理方法を上記第12の手段のように構成したので、請求項11の発明の効果に加え、請求項10の効果を触媒塔においても奏することができ、有機廃液の湿式酸化処理装置としての上記効果がさらに向上する。
(13)請求項13の発明によれば、有機廃液の湿式酸化処理方法を上記第13の手段のように構成したので、請求項10ないし請求項12のいずれかの発明の効果に加え、吹き込まれた有機廃液と微細気泡化した酸素含有気体が旋回流を生起して上昇し、炉内(塔内)全体に微細気泡化された酸素含有気体が均一に分散する状態が得られ、微細気泡化とあいまって湿式酸化分解の反応性が飛躍的に向上する。
本発明を実施するための最良の形態として、以下に実施例1と実施例2を説明する。
本発明の実施例1に係る有機廃液の湿式酸化処理装置および湿式酸化処理方法を、図1から図1から図4にもとづき説明する。図1(a)は本実施例および後述の実施例2の有機廃液の湿式酸化処理装置の要部概略構成図であり、(b)は(a)中A矢視による反応塔平面図である。図2(a)は図1中の反応塔(または触媒塔)の本実施例における底部拡大図であり、(b)は(a)中B矢視とB′矢視による一部断面位置を変えた平面断面図である。(a)は(b)中C矢視による立面図となる。図3は図2中のノズルの拡大図であり、(a)は平面断面図、(b)は(a)中D矢視による側面断面図である。図4は本実施例による試験装置における気泡発生状態の説明図である。
本実施例の有機廃液の湿式酸化処理装置は、図1に示すように、有機廃液aの湿式酸化分解を行う湿式酸化分解炉1を備え、湿式酸化分解炉1は、亜臨界条件で湿式酸化分解を行う高圧密閉容器で形成され、図示しない高圧ポンプにより有機廃液aが供給されるとともに、酸素含有気体として図示しない酸素供給装置からの高圧の酸素bが供給され、亜臨界状態の高温、高圧下で、有機廃液a中にスラリー状の固形有機物がある場合は可溶化され、有機物は完全に酸化分解されて、無機化した炭酸ガスCO、窒素ガスN、水HOを主成分とし、残余の酸素Oを含む生成物dとして取り出され、気液分離器2でガスgと生成水wとに分離されて図示しない下流の工程に送られる。なお、図1においては、湿式酸化処理装置としての要部を示し、ポンプ、バルブ、熱交換器、制御系等、および上流側、下流側の付属処理装置も省略されて示されている。
本発明における湿式酸化分解炉1を限定するものではないが、本実施例の湿式酸化分解炉1は、上流側に反応塔1a、下流側に触媒塔1bを直列に接続した構成としている。反応塔1aでは、酸素含有気体として酸素bが供給され亜臨界状態で有機廃液aを湿式酸化分解して、有機廃液a中にスラリー状の固形有機物がある場合は可溶化し、有機廃液a中の有機物を中間生成液cに変換する。触媒塔1bは反応塔1aの下流側に直列に接続し酸素含有気体として酸素bが供給され反応塔1aから送り込まれた中間生成液cを亜臨界状態で触媒3により無機化する。
なお、酸素含有気体は酸素に限られず空気等でもよく、空気の場合、酸素供給装置に代えて空気供給装置から酸化作用に十分な酸素量となる空気を高圧下で供給してもよいが、以下、酸素を供給する場合で述べる。なお、空気を供給する場合は、生成物d中には空気を構成する他の気体が含まれる。
以上については、前述の図7の従来例と同様であるが、図2に示すように、本実施例においては、反応塔1aの炉底側部6aに開口し、酸素bを有機廃液aと混合し、微細気泡化して反応塔1aに供給するノズル10が設けられている。すなわち、ノズル10において有機廃液a中に酸素bを混合して、ノズル10により有機廃液aと微細気泡化した酸素b′とを混合状態で直接反応塔1aに供給するように構成している。また、本実施例においては、反応塔1a内には多孔板04、邪魔板05に相当するものは設けられていない。
触媒塔1bには、内設された触媒3より下方においてその炉底側部6bに開口し、酸素bを中間生成液cと混合し、微細気泡化して触媒塔1bに供給するノズル10′が設けられている。すなわち、ノズル10′において中間生成液c中に酸素bを混合して、ノズル10′により中間生成液cと微細気泡化した酸素b′とを混合状態で直接触媒塔1bに供給するように構成している。また、本実施例においては、触媒塔1b内には多孔板04、邪魔板05に相当するものは設けられていない。
また、図2に示すように、ノズル10は反応塔1aの塔内空間7aの内周8aの接線方向に向けて取付けられ、有機廃液aと微細気泡化された酸素b′が反応塔1aの塔内空間7aの内周接線方向に圧入されることにより反応塔1a内部に旋回流を形成するように構成されている。ノズル10′も同様に、触媒塔1bの塔内空間7bの内周8bの接線方向に向けて取付けられ、中間生成液cと微細気泡化された酸素b′が触媒塔1bの塔内空間7bの内周接線方向に圧入されることにより触媒塔1bに内設された触媒3の下方において触媒塔1b内部に旋回流を形成するように構成されている。
ノズル10とノズル10′は基本的に同じ構造のものであって、図3にノズル10を示し、説明する。ノズル10は、先細りに形成された回転体状の内部空間11と、内部空間11の先端に設けられた吹出し出口12と、内部空間11の後端中央に設けられ酸素bが導入される気体入口13と、内部空間11の内周11aの接線方向に開口し有機廃液a(ノズル10′では中間生成液c)が内部空間11に圧入される液導入路14とを備えている。内部空間11は本実施例において、後端側が円筒形、先端側が円錐形をなしているが、円錐形だけで構成されてもよく、断面が滑らかに変化する先細り形状でもよい。図3において気体入口13と液導入路14は図示しないそれぞれの配管をネジ込む形状を示すが、勿論その構造に限定されるものではない。
本実施例のノズル10は、上記のように構成されているので、有機廃液aは液導入路14から内部空間11の内周接線方向に圧入されると、内部空間11の周面に沿う旋回流となって流れ、酸素bは内部空間11の中心部を軸方向に流れ、両者が直ぐ混合することはないが、ノズル10の吹出し出口12に近づくにつれて流路面積が小さくなるので酸素bと有機廃液aとがぶつかり合い、このとき酸素bの流れ方向に対して有機廃液aの流れ方向がせん断する方向となっているために、酸素bは細かく分断されて有機廃液aと混合し、吹出し出口12からは、有機廃液aと微細気泡化した酸素b′とを混合状態で直接反応塔1aに吹き込んで供給することができる。
ノズル10′においても同様に、中間生成液cと酸素bが導入され、ノズル10′の吹出しノズル12から、中間生成液cと微細気泡化した酸素b′とを混合状態で直接触媒塔1bに吹き込んで供給することができる。
また、本実施例の有機廃液の湿式酸化処理装置は、ノズル10、10′はその取付けられる反応塔1a、触媒塔1bの内周の接線方向に吹出し出口12を配して開口するように取り付けられているので、図4に反応塔1aの場合を示すように、接線方向に吹き込まれる有機廃液aと微細気泡化した酸素b′、あるいは中間生成液cと微細気泡化した酸素b′が塔内空間7a、7bに旋回流Xを生起し、反応塔1a、触媒塔1b内に既に微細に混合された状態で供給され且つ共に旋回流Xとなって塔内を上昇するので、各塔1a、1b内全体に微細気泡化された酸素b′が均一に分散する状態が得られる。
特に、酸素含有気体としての酸素bが、湿式酸化分解炉1(反応塔1a)内に貯留している有機廃液a中に単独で吹き込まれる場合は、酸素bを微細気泡化しても塔内空間7aにおいて有機廃液a中に均一分散することには限界があるが、本実施例ではノズル10で有機廃液aと微細気泡化した酸素b′とが混合状態で反応塔1aに供給されるので均一分散が飛躍的に向上する。触媒塔1bにおいてもノズル10′により均一分散の飛躍的向上がなされる。
また、予め有機廃液aと酸素bを混合して後に、その混合物を何らかのノズル等で反応塔1aに供給する場合は、有機廃液aと酸素bの再分離、気泡粗大化、温度、圧力が亜臨界状態に制御されない状態を経ることにより不測の反応を起こす恐れ等があるが、本実施例ではノズル10において反応塔1aへの供給直前に混合して反応塔1aに直接吹き込んで供給するため、そのような問題も防止される。
また、本実施例では、反応塔1aに有機廃液aと酸素bを直接吹き込んで供給するため、混合後に温度、圧力が亜臨界状態に制御されない状態を経ることがなく、混合後に不測の反応を起こすことによる障害が防止される。
以上のように、本実施例の有機廃液の湿式酸化処理装置においては、そのノズル10、10′により酸素含有気体としての酸素bが微細気泡化されて供給される。本発明者達が上記従来例に即して実施した試験結果からは、従来例における最大気泡径は20mm程度であったのに対して、本実施例のノズル10(10′)によれば、最大気泡径は数mmオーダー、例えば最大気泡径4mmのものが容易に得られた。そのため、上記のような酸素b供給の均一分散性による反応良好化、不良反応の防止等の効果のほか、以下に述べるように酸素bの微細気泡化により反応性も飛躍的に向上し、酸素bの必要供給量を大幅に低減できるものとなる。
すなわち、湿式酸化分解反応は、有機廃液a中に酸素bが溶解して酸化反応を生起することから、気液接触面積Sが反応性の比例的要素となると考えられる。
ここで、酸素気泡を球として気泡面積Aは気泡径をDとすると、A=πDであり、気泡体積Vは、V=πD/6である。・・・・・・・・・・・(1)
一方、気泡径Dを均一として酸素供給量をQとすると、気泡数Nは、N=Q/Vであり、酸素供給量Q=気泡体積V合計=VN、気液接触面積S=気泡面積A合計=ANである。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
上記(2)に(1)を代入すると、Q=(D・S)/6が得られる。・・・・(3)
したがって、気泡径D1に対して、Q1=(D1・S1)/6、気泡径D2に対して、Q2=(D2・S2)/6として、酸素供給量Qを変えずに酸素気泡径Dを変えた場合を考えると、上記(3)において、Q1=Q2の関係から、
S2/S1=D1/D2となる。・・・・・・・・・・・・・(4)
例えば、本発明者等が実施した上記試験結果から従来の気泡径20mmをもって、D1=20mmとし、
一方、上記のように本実施例において得られる気泡径を、D2=4mmとすると、(4)から、
S2=5・S1となり、気泡径Dが1/5になったことにより、本実施例の気液接触面積S2は従来の気液接触面積S1の5倍となって、約5倍の反応性を有するものとなる。
また、本実施例における酸素供給量Q2を、従来の酸素供給量Q1の半分とした場合は、(3)においてQ2=0.5・Q1の関係から、
S2/S1=D1/(2・D2)となる。・・・・・・・・・(5)
気泡径Dの違いは上記どおりとして、D1=20mm、D2=4mmとすると、(5)から、
S2=2.5・S1となり、酸素供給量Qを半分に低減しても、本実施例の気液接触面積S2は従来の気液接触面積S1の2.5倍となって、約2.5倍の反応性を有するものとなる。
したがって、前述のように、湿式酸化処理において廃液の元素分析から理論的に算出された必要酸素量はCODcr値の約1.7〜2倍であるところ、上記従来例においては実際の処理能力を得るためにはCODcr値の3〜4倍の酸素供給を要し、理論的必要酸素量の約2倍の酸素供給量を要したところが、本実施例によれば、酸素供給量Qを現状の半分にしても反応性は約2.5倍あるので、酸素供給量の半減が可能となり、半減しても従来どおりの処理能力を発揮できるものとなる。
以上から、本実施例の有機廃液の湿式酸化処理装置によれば、装置構成が簡単で、湿式酸化分解の効率が高く、必要酸素量を低減でき、装置コスト、処理操作コストを低減できる有機廃液の湿式酸化処理装置が得られる。
本実施例の有機廃液の湿式酸化処理方法は上記のように、湿式酸化分解炉1に有機廃液aと酸素bを供給して有機廃液a中の有機物を酸化分解するに際し、湿式酸化分解炉1を亜臨界状態に維持し、湿式酸化分解炉内に有機廃液aの旋回流を形成しながら、有機物を酸化分解するため、湿式酸化分解炉内の均一分散性に優れ、また、湿式酸化分解炉1に酸素含有気体としての酸素bを微細気泡b′として供給し、微細気泡b′を湿式酸化分解炉内を旋回しながら上昇させ、微細気泡の酸素b′と有機廃液aとを接触させて、有機物を酸化分解するので微細気泡化した酸素b′によって著しく反応性が向上し、必要酸素供給量を低減できるものとなるのである。
また、具体的には、ノズル10で有機廃液a中に酸素bを混合し、ノズル10から有機廃液bと微細気泡化した酸素b′とを混合状態で直接湿式酸化分解炉1に吹込んで供給し、また、湿式酸化分解炉1を反応塔1aと反応塔の下流側に直列に接続する触媒塔1bで構成し、反応塔1aにノズル10により供給された有機廃液aを亜臨界状態で湿式酸化分解して中間生成液cに変換し、触媒塔1bに酸素bを供給し反応塔から送り込まれた中間生成液cを亜臨界状態で触媒3により無機化するものであり、触媒塔においても第2のノズル10′から中間生成液cと微細気泡化した酸素b′とを混合状態で直接触媒塔1bに吹込んで供給し、さらには、ノズル10、10′から、反応塔1a、触媒塔1bの内周の接線方向に吹込む有機廃液の湿式酸化処理方法であって、上記湿式酸化処理装置において説明した作用効果を奏することができる。
したがって、本実施例の有機廃液の湿式酸化処理方法によれば、湿式酸化分解の効率が高く、必要酸素量を低減でき、装置コスト、処理操作コストを低減できる有機廃液の湿式酸化処理方法が得られる。
本発明の実施例2に係る有機廃液の湿式酸化処理装置および湿式酸化処理方法を、前述の図1および図5、図6にもとづき説明する。図5(a)は図1中の反応塔(または触媒塔)の本実施例における底部拡大図であり、(b)は(a)中E矢視とE′矢視による一部断面位置を変えた平面断面図である。(a)は(b)中F矢視による立面図となる。図6は図5中のノズルの拡大図であり、(a)は立面断面図、(b)は(a)中G矢視による側面断面図である。なお、図6においてノズルは、図5と図示する気体導入路の配向が異なっているがそれ以外同じものである。
本実施例の有機廃液の湿式酸化処理装置は、前述の実施例1のノズル10(10′)と態様が異なるノズル20(20′)を用いるだけで、そのほかは同じである。したがって、ノズル20(20′)の構造を主に以下説明する。
図5に示すように、ノズル20は反応塔1aの塔内空間7aの内周8aの接線方向に向けて取付けられ、有機廃液aと微細気泡化された酸素b′が反応塔1aの塔内空間7aの内周接線方向に圧入されることにより反応塔1a内部に旋回流を形成するように構成されている。ノズル20′も同様に、触媒塔1bの塔内空間7bの内周8bの接線方向に向けて取付けられ、中間生成液cと微細気泡化された酸素b′が触媒塔1bの塔内空間7bの内周接線方向に圧入されることにより触媒塔1bに内設された触媒3の下方において触媒塔1b内部に旋回流を形成するように構成されている。
ノズル20とノズル20′は基本的に同じ構造のものであって、図6にノズル20を示し、説明する。ノズル20(20′)は、後端から前端に向かって形成された液通路21と、液通路21の先端に設けられた吹出し出口22と、液通路21の後端に設けられ有機廃液aが圧入される液入口24と、ノズル20(20′)の本体側面に酸素bを液通路21に導入する気体導入路23とを備えている。
図6において気体導入路23と液入口24は図示しないそれぞれの配管をネジ込む形状を示すが、勿論その構造に限定されるものではない。
本実施例のノズル20は、上記のように構成されているので、有機廃液aは液導入路24から液通路21を先端方向に圧入されると、吹出し出口22へ向かって急速に流れ、気体導入路23から導入された酸素bは、液通路23の有機廃液bの急流に吸引されて合流し且つ合流部で酸素bはせん断を受けて微細化され、吹出し出口22からは、有機廃液aと微細気泡化した酸素b′とを混合状態で直接反応塔1aに吹き込んで供給することができる。
ノズル20′においても同様に、中間生成液cと酸素bが導入され、ノズル20′の吹出し出口22から、中間生成液cと微細気泡化した酸素b′とを混合状態で直接触媒塔1bに吹き込んで供給することができる。
実施例1のノズル10(10′)と、ノズル20(20′)とにおける有機廃液aと酸素bの混合、酸素bの微細気泡化の態様は異なるが、ノズル20(20′)の反応塔1a(1b)への取付け方、用い方、有機廃液の湿式酸化処理装置、湿式酸化処理方法としての作用効果は実施例1と実質同じである。なお、本実施例のノズル20(20′)は実施例1のものに比べ、ノズルとしては構造簡単で、コストが低減し、また、目詰まり等のトラブルの恐れも少なく、操作性、操作コストに優れるものとなる。
よって、本実施例の有機廃液の湿式酸化処理装置および湿式酸化処理方法によれば、実施例1と同様に、装置構成が簡単で、湿式酸化分解の効率が高く、必要酸素量を低減でき、装置コスト、処理操作コストを低減できる有機廃液の湿式酸化処理装置および湿式酸化処理方法が得られる。
以上、本発明を図示の実施例について説明したが、本発明は上記の実施例に限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造、構成に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。
例えば、上記実施例のノズル10、20は反応塔1aのみに設け、触媒塔1bは別の装置、方法によって酸素bを供給してもよい。また、反応塔1a、触媒塔1bの一方に上記ノズル10(10′)を設け、他方に上記ノズル20(20′)を設けてもよい。
また、前述したが、酸素bは、空気等の他の適切な酸素含有気体に置き換えて用いてもよい。その場合、所定の必要酸素供給量が得られるように諸ファクタを設定することは勿論である。
また、上記ノズル10(20)、10′(20′)は、炉底側部6a、6bに開口し塔内空間7a、7bの内周接線方向に有機廃液a(中間生成液c)と微細気泡化した酸素b′を吹き込むようにしているが、そのことは塔内空間7a、7b内に旋回流を起こすことが肝要であって、図示のように各塔1a、1bの下方側面部に取付けられて開口するものに限定されず底面の外周寄りの位置も含む炉底側部6a、6bに取付けられて開口し内周接線方向に吹き込むものであればよい。
なお、本発明は、その構成によって従来例に示されるような多孔板04、邪魔板05を設けなくても上述のごとく十分な反応性向上を奏するものであり、各実施例において多孔板、邪魔板を設けていないが、それらを追設することを否定するものではなく、要に応じて本発明の作用効果を損なわないように適宜加えてもよい。
(a)は本発明の実施例1および実施例2に係る有機廃液の湿式酸化処理装置の要部概略構成図であり、(b)は(a)中A矢視による反応塔平面図である (a)は図1中の反応塔または触媒塔の実施例1における底部拡大図であり、(b)は(a)中B矢視とB′矢視による一部断面位置を変えた平面断面図である。 図2中のノズルの拡大図であり、(a)は平面断面図、(b)は(a)中D矢視による側面断面図である。 実施例1による試験装置における気泡発生状態の説明図である。 (a)は図1中の反応塔または触媒塔の実施例2における底部拡大図であり、(b)は(a)中E矢視とE′矢視による一部断面位置を変えた平面断面図である。 図5中のノズルの拡大図であり、(a)は立面断面図、(b)は(a)中G矢視による側面断面図である。 従来の有機廃液の湿式酸化処理装置の要部概略構成図である。
符号の説明
1 湿式酸化分解炉
1a 反応塔
1b 触媒塔
2 気液分離器
3 触媒
6a、6b 炉底側部
7a、7b 塔内空間
8a、8b 内周
10、10′ ノズル
11 内部空間
11a 内周
12 吹出し出口
13 気体入口
14 液導入路
20、20′ ノズル
21 液通路
22 吹出し出口
23 気体導入路
24 液入口

Claims (13)

  1. 有機廃液と酸素含有気体が供給され亜臨界状態で同有機廃液を湿式酸化分解する湿式酸化分解炉を有する有機廃液の湿式酸化処理装置において、前記酸素含有気体を前記有機廃液と混合し微細気泡化して前記湿式酸化分解炉に供給するノズルを備え、同ノズルは同湿式酸化分解炉の炉底側部に開口して設けられ、前記有機廃液と微細気泡化された酸素含有気体が同湿式酸化分解炉の内部空間の内周接線方向に圧入されることにより同湿式酸化分解炉内部に旋回流を形成するように構成されてなることを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理装置。
  2. 有機廃液と酸素含有気体が供給され亜臨界状態で同有機廃液を湿式酸化分解する湿式酸化分解炉を有する有機廃液の湿式酸化処理装置において、液中に気体を混合するノズルを備え、同ノズルにより前記有機廃液と微細気泡化した前記酸素含有気体とを混合状態で直接前記湿式酸化分解炉に供給するように構成してなることを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理装置。
  3. 請求項2に記載の有機廃液の湿式酸化処理装置において、前記湿式酸化分解炉は、酸素含有気体が供給され亜臨界状態で有機廃液を湿式酸化分解して中間生成液に変換する反応塔と、同反応塔の下流側に直列に接続し酸素含有気体が供給され前記反応塔から送り込まれた前記中間生成液を亜臨界状態で触媒により無機化する触媒塔とを備え、前記反応塔が前記ノズルを備えてなることを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理装置。
  4. 請求項3に記載の有機廃液の湿式酸化処理装置において、前記触媒塔も第2の前記ノズルを備え、第2の前記ノズルにより前記中間生成液と微細気泡化された前記酸素含有気体とを混合状態で直接前記触媒塔に供給するように構成してなることを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理装置。
  5. 請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の有機廃液の湿式酸化処理装置において、前記ノズルは、先細りに形成された内部空間と、同内部空間の先端に設けられた吹出し出口と、同内部空間の後端中央に設けられ前記気体が導入される気体入口と、同内部空間の内周の接線方向に開口し前記液が同内部空間に圧入される液導入路とを備えてなることを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理装置。
  6. 請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の有機廃液の湿式酸化処理装置において、前記ノズルは、後端から前端に向かって形成された液通路と、同液通路の先端に設けられた吹出し出口と、同液通路の後端に設けられ前記液が圧入される液入口と、同ノズルの本体側面に前記気体を前記液通路に導入する気体導入路とを備えてなることを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の有機廃液の湿式酸化処理装置において、前記ノズルは前記湿式酸化分解炉または同ノズルが取付けられる前記反応塔、触媒塔の内周の接線方向に前記吹出し出口を配して開口するように取り付けられてなることを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理装置。
  8. 湿式酸化分解炉に有機廃液と酸素含有気体を供給して同有機廃液中の有機物を酸化分解する有機廃液の湿式酸化処理方法において、同湿式酸化分解炉を亜臨界状態に維持し、同湿式酸化分解炉内に前記有機廃液の旋回流を形成しながら、前記有機物を酸化分解することを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理方法。
  9. 請求項8に記載の有機廃液の湿式酸化処理方法において、前記湿式酸化分解炉に前記酸素含有気体を微細気泡として供給し、同微細気泡を同湿式酸化分解炉内を旋回しながら上昇させ、同微細気泡の酸素と前記有機廃液とを接触させて、前記有機物を酸化分解することを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理方法。
  10. 有機廃液と酸素含有気体が供給され亜臨界状態で同有機廃液を湿式酸化分解炉で湿式酸化分解する有機廃液の湿式酸化処理において、ノズルで前記有機廃液中に前記酸素含有気体を混合し、同ノズルから前記有機廃液と微細気泡化した前記酸素含有気体とを混合状態で直接前記湿式酸化分解炉に吹込んで供給することを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理方法。
  11. 請求項10に記載の有機廃液の湿式酸化処理方法において、前記湿式酸化分解炉を反応塔と同反応塔の下流側に直列に接続する触媒塔で構成し、同反応塔に前記ノズルにより供給された有機廃液を亜臨界状態で湿式酸化分解して中間生成液に変換し、前記触媒塔に酸素含有気体を供給し前記反応塔から送り込まれた前記中間生成液を亜臨界状態で触媒により無機化することを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理方法。
  12. 請求項11に記載の有機廃液の湿式酸化処理方法において、前記触媒塔は第2の前記ノズルで前記中間生成液中に前記酸素含有気体を混合し、第2の前記ノズルから同中間生成液と微細気泡化した同酸素含有気体とを混合状態で直接前記触媒塔に吹込んで供給することを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理方法。
  13. 請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の有機廃液の湿式酸化処理方法において、前記ノズルは、前記湿式酸化分解炉または同ノズルが取付けられた前記反応塔、触媒塔の内周の接線方向に吹込むことを特徴とする有機廃液の湿式酸化処理方法。
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