JP2007027336A - 露光方法及び装置、並びに電子デバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 照明光の波長程度以下の微細パターンを、安価に形成可能であるとともに高い重ね合わせ精度が得られる露光技術を提供する。
【解決手段】 照明光を2枚の回折格子を介して照射することによって干渉縞パターン92を形成し、干渉縞パターン92でウエハを露光する。露光前に干渉縞パターン92の周期方向に間隔LX1だけ離れた2箇所の計測点Q4及びQ5に干渉縞計測系41を移動して、それぞれ干渉縞パターン92の位置を計測し、2箇所の計測値と間隔LX1とを用いて干渉縞パターン92の周期T3を求め、露光対象のウエハの伸縮率に合わせてその周期T3を補正する。
【選択図】 図12
【解決手段】 照明光を2枚の回折格子を介して照射することによって干渉縞パターン92を形成し、干渉縞パターン92でウエハを露光する。露光前に干渉縞パターン92の周期方向に間隔LX1だけ離れた2箇所の計測点Q4及びQ5に干渉縞計測系41を移動して、それぞれ干渉縞パターン92の位置を計測し、2箇所の計測値と間隔LX1とを用いて干渉縞パターン92の周期T3を求め、露光対象のウエハの伸縮率に合わせてその周期T3を補正する。
【選択図】 図12
Description
本発明は、半導体集積回路、フラットパネルディスプレイ装置、薄膜磁気ヘッド、及びマイクロマシン等の電子デバイス製造工程における微細パターンの形成工程で使用される露光技術及び該露光技術を用いる電子デバイス製造技術に関する。
半導体集積回路等の電子デバイスの製造工程における微細パターンの形成に際しては、一般的にフォトリソグラフィー技術が使用される。これは、ウエハ等の被加工基板の表面にフォトレジスト(感光性薄膜)を塗布する塗布工程、形成すべきパターンの形状に応じた光量分布を有する露光用の照明光を被加工基板に照射する露光工程、現像工程、及びエッチング工程等により、被加工基板上に所望のパターンを形成するものである。
現状で最先端の電子デバイスを製造するための露光工程においては、露光方法として、主に投影露光方法が使用されている。これは、レチクル等のマスク上に形成すべきパターンを4倍又は5倍に拡大して形成しておき、これに露光用の照明光を照射し、その透過光を縮小投影光学系を用いて被加工基板上に露光することで、そのパターンを被加工基板上に転写するものである。
投影露光方法で形成可能なパターンの微細度は縮小投影光学系の解像度で決まり、これは露光波長を投影光学系の開口数(NA)で割った値にほぼ等しい。従って、より微細な回路パターンを形成するためには、露光波長の短波長化又は投影光学系の高NA化が必要である。
一方、例えば非特許文献1及び非特許文献2に開示される如く、光源と被加工基板との間に回折格子を配置し、照明光をこの回折格子に照射することによって発生する複数の回折光を被加工基板上で干渉させ、その干渉縞による明暗パターンを用いて被加工基板上に微細パターンを形成する方法(以下、干渉露光方法と呼ぶ)も提案されている。
J.M. Carter他: "Interference Lithography" http://snl.mit.edu/project_document/SNL-8.pdf Mark L. Schattenburg他: "Grating Production Methods" http://snl.mit.edu/papers/presentations/2002/MLS-Con-X-2002-07-03.pdf
一方、例えば非特許文献1及び非特許文献2に開示される如く、光源と被加工基板との間に回折格子を配置し、照明光をこの回折格子に照射することによって発生する複数の回折光を被加工基板上で干渉させ、その干渉縞による明暗パターンを用いて被加工基板上に微細パターンを形成する方法(以下、干渉露光方法と呼ぶ)も提案されている。
J.M. Carter他: "Interference Lithography" http://snl.mit.edu/project_document/SNL-8.pdf Mark L. Schattenburg他: "Grating Production Methods" http://snl.mit.edu/papers/presentations/2002/MLS-Con-X-2002-07-03.pdf
上述の従来の露光方法のうち投影露光方法においては、より高解像度を得るには、より短波長の露光光源又はより高NAの投影光学系が必要になる。
しかしながら、現在最先端の露光装置では、露光波長は193nmに短波長化されており、今後の一層の短波長化は使用可能なレンズ材料の観点から困難な状況にある。また、現在最先端の投影光学系のNAは0.92程度に達しており、これ以上の高NA化は困難な状況にあるとともに、露光装置の製造コストを大幅に上昇させる原因となる。
しかしながら、現在最先端の露光装置では、露光波長は193nmに短波長化されており、今後の一層の短波長化は使用可能なレンズ材料の観点から困難な状況にある。また、現在最先端の投影光学系のNAは0.92程度に達しており、これ以上の高NA化は困難な状況にあるとともに、露光装置の製造コストを大幅に上昇させる原因となる。
一方、従来の露光方法のうちの干渉露光方法では、原理的には、露光波長以下の微細なパターンの露光を、比較的安価な装置で実現できる利点がある。しかしながら、干渉縞のパターンは回折格子に対応して周期が固定されているため、周期の調整は困難であった。
また、例えばウエハ等の被加工基板上に形成された既存のパターンに対して干渉縞によるパターンを重ねて露光するような場合には、既存のパターンと干渉縞によるパターンとの重ね合わせを高精度に行う必要があるが、従来はその重ね合わせの具体的な手法については検討されていなかった。
また、例えばウエハ等の被加工基板上に形成された既存のパターンに対して干渉縞によるパターンを重ねて露光するような場合には、既存のパターンと干渉縞によるパターンとの重ね合わせを高精度に行う必要があるが、従来はその重ね合わせの具体的な手法については検討されていなかった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、微細パターン、例えば照明光の波長程度以下の線幅のパターンを、周期等の特性を或る程度制御できる状態で安価に形成可能な露光技術を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、そのような微細パターンを、高い重ね合わせ精度で形成可能な露光技術を提供することを第2の目的とする。
また、本発明は、そのような微細パターンを、高い重ね合わせ精度で形成可能な露光技術を提供することを第2の目的とする。
また、本発明は、上記露光技術を用いた電子デバイス製造技術を提供することをも目的とする。
以下の本発明の一部の要素に付した括弧付き符号は、本発明の実施形態の構成に対応するものである。しかしながら、各符号はその要素の例示に過ぎず、本発明の要素をその実施形態の構成に限定するものではない。
本発明による第1の露光方法は、光源(1)からの照明光により感光性の基板上にパターンを露光する露光方法であって、対向して配置した第1回折格子(G11)及び第2回折格子(G21)に対し、その第1回折格子側からその照明光を照射し、その第2回折格子のその第1回折格子とは反対側に、第1方向に周期性を有する干渉縞を形成する第1工程と、その干渉縞上の所定方向に第1間隔だけ離れた2箇所の位置でその干渉縞のその第1方向の位置を計測して、その干渉縞の特性を求める第2工程と、その第2工程で求められたその干渉縞の特性を補償する第3工程と、その基板上にその干渉縞のパターンを露光する第4工程とを有するものである。
本発明による第1の露光方法は、光源(1)からの照明光により感光性の基板上にパターンを露光する露光方法であって、対向して配置した第1回折格子(G11)及び第2回折格子(G21)に対し、その第1回折格子側からその照明光を照射し、その第2回折格子のその第1回折格子とは反対側に、第1方向に周期性を有する干渉縞を形成する第1工程と、その干渉縞上の所定方向に第1間隔だけ離れた2箇所の位置でその干渉縞のその第1方向の位置を計測して、その干渉縞の特性を求める第2工程と、その第2工程で求められたその干渉縞の特性を補償する第3工程と、その基板上にその干渉縞のパターンを露光する第4工程とを有するものである。
本発明によれば、2枚の回折格子を介して形成される干渉縞の特性を計測し、これを補償することによって、その基板(被加工基板)上に、所望の特性を有する干渉縞によるパターンを露光することができる。
本発明において、その第3工程に続いて、その干渉縞上のその所定方向又は該所定方向に交差する方向に第2間隔だけ離れた2箇所の位置でその干渉縞のその第1方向の位置を計測して、その干渉縞の特性を求める第5工程と、その第5工程で求められたその干渉縞の特性を補償する第6工程とをさらに有することができる。
本発明において、その第3工程に続いて、その干渉縞上のその所定方向又は該所定方向に交差する方向に第2間隔だけ離れた2箇所の位置でその干渉縞のその第1方向の位置を計測して、その干渉縞の特性を求める第5工程と、その第5工程で求められたその干渉縞の特性を補償する第6工程とをさらに有することができる。
また、一例として、その第2工程におけるその所定方向はその第1方向に直交する方向であり、その干渉縞の特性は、その干渉縞の回転角を含む。この場合、その第3工程は、その干渉縞の回転角を補償するために、その第1回折格子及びその第2回折格子の少なくとも一方を回転する工程と、その基板を回転する工程との少なくとも一方を含むことができる。
また、別の例として、その第2工程におけるその所定方向はその第1方向であり、その干渉縞の特性は、その干渉縞のその第1方向の周期を含み、その第3工程は、その第2工程で求められたその干渉縞の周期を補正する工程を含む。この場合、その第3工程は、その干渉縞の周期を補正するために、その第1回折格子に対するその照明光のテレセントリシティを制御する工程と、その基板の高さを制御する工程との少なくとも一方を含むことができる。
次に、本発明による第2の露光方法は、光源(1)からの照明光により感光性の基板上にパターンを露光する露光方法であって、対向して配置した第1回折格子(G11)及び第2回折格子(G21)に対し、その第1回折格子側からその照明光を照射し、その第2回折格子のその第1回折格子とは反対側に、第1方向に周期性を有する干渉縞を形成する第1工程と、その干渉縞上の同一直線上に無い3箇所の計測点を含む所定個数の計測点において、それぞれその干渉縞のその第1方向の位置を計測して、その干渉縞の特性を求める第2工程と、その第2工程で求められたその干渉縞の特性を補償する第3工程と、その基板上にその干渉縞のパターンを露光する第4工程とを有するものである。
本発明によれば、2枚の回折格子を介して形成される干渉縞の特性を計測し、これを補償することによって、その基板(被加工基板)上に、所望の特性を有する干渉縞によるパターンを露光することができる。
本発明において、一例として、その第2工程で求めるその干渉縞の特性は、その干渉縞の回転角及びその第1方向の周期を含む。
また、一例として、その第2工程は、その干渉縞とその第1方向に周期的な計測格子とのその第1方向への相対移動に伴うその計測格子からの透過光量の変化を用いて、その干渉縞の位置を計測する工程を含む。
本発明において、一例として、その第2工程で求めるその干渉縞の特性は、その干渉縞の回転角及びその第1方向の周期を含む。
また、一例として、その第2工程は、その干渉縞とその第1方向に周期的な計測格子とのその第1方向への相対移動に伴うその計測格子からの透過光量の変化を用いて、その干渉縞の位置を計測する工程を含む。
また、一例として、その感光性の基板上に予め形成されたパターンのパターン位置情報を計測する工程をさらに含み、その第4工程において、そのパターン位置情報を用いて、その基板上の所定位置にその干渉縞によるパターンを露光してもよい。これによって、その干渉縞とその基板上にそれまでの工程で形成されているパターンとの重ね合わせ精度を向上できる。
また、本発明による電子デバイスの製造方法は、パターン形成工程を有する電子デバイスの製造方法であって、そのパターン形成工程において、本発明の露光方法を用いるものである。
次に、本発明による露光装置は、光源(1)からの照明光を対向して配置される第1回折格子(G11)と第2回折格子(G21)とに照射することによって生成される第1方向に周期性を有する干渉縞によるパターンを、感光性の基板上に露光するための露光装置であって、その光源からのその照明光をその第1回折格子に照射するための照明光学系(IS)と、その基板を保持する基板保持機構(38)と、その干渉縞上の所定方向に離れた複数の計測位置で、その干渉縞のその第1方向の位置を計測する位置計測機構(41)と、その位置計測機構により計測されたその複数の計測位置でのその干渉縞のその第1方向の位置に基づいてその干渉縞の特性を求める演算装置(70)と、その演算装置によって求められたその干渉縞の特性を補償する補正機構とを備えたものである。本発明によれば、本発明の露光方法を実施できる。
次に、本発明による露光装置は、光源(1)からの照明光を対向して配置される第1回折格子(G11)と第2回折格子(G21)とに照射することによって生成される第1方向に周期性を有する干渉縞によるパターンを、感光性の基板上に露光するための露光装置であって、その光源からのその照明光をその第1回折格子に照射するための照明光学系(IS)と、その基板を保持する基板保持機構(38)と、その干渉縞上の所定方向に離れた複数の計測位置で、その干渉縞のその第1方向の位置を計測する位置計測機構(41)と、その位置計測機構により計測されたその複数の計測位置でのその干渉縞のその第1方向の位置に基づいてその干渉縞の特性を求める演算装置(70)と、その演算装置によって求められたその干渉縞の特性を補償する補正機構とを備えたものである。本発明によれば、本発明の露光方法を実施できる。
本発明において、一例として、その所定方向はその第1方向に直交する方向であり、その演算装置が求めるその干渉縞の特性はその干渉縞の回転角を含み、その補正機構は、その干渉縞の回転角を補償するために、その第1回折格子又はその第2回折格子の少なくとも一方を回転させる機構(80A,80B)と、その基板を回転する機構との少なくとも一方を有する。
また、別の例として、その所定方向はその第1方向であり、その演算装置が求めるその干渉縞の特性はその干渉縞のその第1方向の周期を含み、その補正機構は、その第1回折格子に対するその照明光のテレセントリシティを制御する部材(31a,31b)と、その基板の高さを制御する高さ制御装置(38Z)との少なくとも一方を含む。
また、一例として、その位置計測機構は、その第1方向に周期的な計測格子(95A)と、その計測格子からの透過光を検出する光電検出器(101)とからなる位置計測部材を有する。この場合、その位置計測機構は、その複数の計測位置に対応する複数のその位置計測部材を有してもよい。
また、一例として、その位置計測機構は、その第1方向に周期的な計測格子(95A)と、その計測格子からの透過光を検出する光電検出器(101)とからなる位置計測部材を有する。この場合、その位置計測機構は、その複数の計測位置に対応する複数のその位置計測部材を有してもよい。
また、その位置計測機構は、その位置計測部材とその干渉縞とをその所定方向に相対移動する移動機構を有してもよい。
また、その演算装置によって求められるその干渉縞の特性に基づいて、その干渉縞とその基板との位置関係を所定の関係に設定する位置制御機構を有してもよい。
また、その基板に予め形成されたパターンのパターン位置情報を計測する位置計測機構(43)を有するとともに、その位置制御機構は、そのパターン位置情報を用いてその所定の関係の設定を行うようにしてもよい。
また、その演算装置によって求められるその干渉縞の特性に基づいて、その干渉縞とその基板との位置関係を所定の関係に設定する位置制御機構を有してもよい。
また、その基板に予め形成されたパターンのパターン位置情報を計測する位置計測機構(43)を有するとともに、その位置制御機構は、そのパターン位置情報を用いてその所定の関係の設定を行うようにしてもよい。
本発明によれば、2つの回折格子を介して形成される干渉縞のパターンで基板(被加工基板)を露光することによって、照明光の波長程度以下の線幅のパターンのような微細パターンを安価に形成することができる。また、その干渉縞の特性を補償することによって、その特性を或る程度制御できる。
また、本発明によれば、重ね合わせ露光する場合の重ね合わせ精度を向上できる。
また、本発明によれば、重ね合わせ露光する場合の重ね合わせ精度を向上できる。
以下、本発明の好ましい実施形態の一例につき図面を参照して説明する。
図1は、本例の露光装置の概略構成を示す図である。なお、図1中に示したXYZ座標系と、以降の各図で示す座標系とは同一である。図1において、光源1としては波長193nmのパルスレーザビームよりなる照明光IL1を出力するArF(アルゴン・フッ素)エキシマーレーザが使用されている。光源1としては、その他に発振波長248nmのKrF(クリプトン・フッ素)エキシマーレーザ、発振波長157nmのF2 (フッ素ダイマー)レーザ、又は波長変換素子を使用する高調波レーザ等も使用できる。
図1は、本例の露光装置の概略構成を示す図である。なお、図1中に示したXYZ座標系と、以降の各図で示す座標系とは同一である。図1において、光源1としては波長193nmのパルスレーザビームよりなる照明光IL1を出力するArF(アルゴン・フッ素)エキシマーレーザが使用されている。光源1としては、その他に発振波長248nmのKrF(クリプトン・フッ素)エキシマーレーザ、発振波長157nmのF2 (フッ素ダイマー)レーザ、又は波長変換素子を使用する高調波レーザ等も使用できる。
光源1を発した照明光IL1は、第1の光軸AX1に沿って配置される第1のレンズ群を構成するレンズ2,3,4,6により、所定のビームサイズを有する平行光線束(平行ビーム)である照明光IL2に変換される。
照明光IL2は、偏光制御素子9により所定の偏光状態に設定された照明光IL3となり、照明光均一化手段の一部を構成する集光光学系10に入射する。集光光学系10を射出した照明光IL5は、照明光均一化手段の一部を構成するオプチカルインテグレータ(ユニフォマイザ又はホモジナイザ)としてのフライアイレンズ13に入射する。フライアイレンズ13の射出側の面の近傍には、必要に応じて開口絞り17が配置される。
照明光IL2は、偏光制御素子9により所定の偏光状態に設定された照明光IL3となり、照明光均一化手段の一部を構成する集光光学系10に入射する。集光光学系10を射出した照明光IL5は、照明光均一化手段の一部を構成するオプチカルインテグレータ(ユニフォマイザ又はホモジナイザ)としてのフライアイレンズ13に入射する。フライアイレンズ13の射出側の面の近傍には、必要に応じて開口絞り17が配置される。
なお、集光光学系10、フライアイレンズ13、開口絞り17等からなる照明光均一化手段の詳細については後述する。
フライアイレンズ13を射出した照明光IL7は、第2の光軸AX2に沿って配置される第2のレンズ群を構成するレンズ19,20,21に入射し、これらのレンズで屈折されて照明光IL8となって視野絞り22(詳細後述)に達する。
フライアイレンズ13を射出した照明光IL7は、第2の光軸AX2に沿って配置される第2のレンズ群を構成するレンズ19,20,21に入射し、これらのレンズで屈折されて照明光IL8となって視野絞り22(詳細後述)に達する。
視野絞り22を透過した照明光は、さらに第2の光軸AX2に沿って配置される第3のレンズ群を構成するレンズ25,26,27により屈折されて集光点28に至る。集光点28は、フライアイレンズ13の射出側の面上の1点と、第2のレンズ群(19,20,21)及び第3のレンズ群(25,26,27)を介して共役(結像関係)となっている。
集光点28を通過した照明光IL9は、さらに第4のレンズ群を構成するレンズ29,30,32,35により屈折されて照明光IL10となって第1の透光性平板P1に入射する。なお、以上の第1のレンズ群(2,3,4,5)から第4のレンズ群(29,30,32,35)に至るまでの照明光IL1〜IL10の光路上の光学部材を含む光学系を、以下では照明光学系ISという。この照明光学系ISは、第1の透光性平板P1が配置される面を所定の照射面とする照明光学装置とみなすこともできる。
以下、照明光学系ISの射出側の光軸AX2に沿って光源1側が+方向となるようにZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行な方向にX軸を、図1の紙面に垂直な方向にY軸を取って説明する。本例では、X軸及びY軸を含むXY平面は水平面にほぼ平行である。
第1の透光性平板P1の下方(−Z方向)には、第2の透光性平板P2が設けられる。第2の透光性平板P2は、パターンを形成すべき加工対象である半導体ウエハ等の基板W(以降、適宜ウエハともいう)に対向して配置される。第1の透光性平板P1には後述する第1の回折格子が形成されており、その第1の回折格子に照明光IL10が照射されることにより発生する回折光は、第2の透光性平板P2に照射される。第2の透光性平板P2には後述する第2の回折格子が形成されており、上記回折光はその第2の回折格子に照射されることになる。そして、第2の回折格子で発生した回折光はウエハWに照射され、ウエハW上に複数の回折光からなる干渉縞による明暗パターンが形成される。
第1の透光性平板P1の下方(−Z方向)には、第2の透光性平板P2が設けられる。第2の透光性平板P2は、パターンを形成すべき加工対象である半導体ウエハ等の基板W(以降、適宜ウエハともいう)に対向して配置される。第1の透光性平板P1には後述する第1の回折格子が形成されており、その第1の回折格子に照明光IL10が照射されることにより発生する回折光は、第2の透光性平板P2に照射される。第2の透光性平板P2には後述する第2の回折格子が形成されており、上記回折光はその第2の回折格子に照射されることになる。そして、第2の回折格子で発生した回折光はウエハWに照射され、ウエハW上に複数の回折光からなる干渉縞による明暗パターンが形成される。
ウエハWの表面には、上記明暗パターンを感光し記録するためのフォトレジスト等の感光部材PRを形成しておく。即ち、ウエハWは感光性の基板とみなすことができる。ウエハWは、一例として直径が300mmの円板状であり、第2の透光性平板P2は一例としてウエハWの表面の全面を覆う直径の円板状とする。同様に第1の透光性平板P1も一例として第2の透光性平板P2の表面の全面を覆う直径の円板状とする。ただし、後述する様に、第2の透光性平板P2の直径は、ウエハWの直径よりも30mm程度以上大きいことが望ましい。なお、本例では透光性平板P1,P2は円板状であるが、透光性平板P1,P2をウエハWの表面を覆う程度の大きさの矩形の平板状としてもよい。
ウエハWは、ウエハベース50上をX方向及びY方向に可動な基板保持機構であるウエハステージ38上に保持され、これによりX方向及びY方向に可動となっている。ウエハステージ38及び不図示のリニアモータ等の駆動機構を含んでウエハステージ系が構成されている。また、ウエハWのX方向及びY方向の位置はウエハステージ38上に設けられた移動鏡39の位置を介してレーザ干渉計40により計測される。即ち、レーザ干渉計40からのレーザビームはビームスプリッタ(例えば偏光ビームスプリッタ)90によって計測ビームと参照ビームとに分割され、計測ビームは移動鏡39に照射され、参照ビームはミラーを介してコラム構造体75(位置基準となる基準フレーム)に固定された参照鏡91に照射される。そして、移動鏡39からの計測ビームと参照鏡91からの参照ビームとの干渉光をレーザ干渉計40で検出することによって、コラム構造体75を基準としてウエハステージ38のX方向、Y方向の位置を例えば1〜0.1nm程度の分解能で計測することができる。なお、レーザ干渉計40は実際には図7に示すように、2軸のX軸のレーザ干渉計40X1,40X2と3軸のY軸のレーザ干渉計40Y1,40Y2,40Y3とを表しており、移動鏡39も、X軸の移動鏡39X及びY軸の移動鏡39Yを表している。
図1において、ウエハベース50の+X方向の上方にウエハマーク検出機構43が配置されている。ウエハマーク検出機構43は、例えば光学顕微鏡からなりウエハW上に形成されている既存の回路パターンあるいは位置合わせマークの位置を検出するものである。ウエハステージ38上に保持されたウエハWは、必要に応じて露光前にウエハマーク検出機構43の直下に移動され、ウエハW上のパターン又はマークの位置が検出される。図7のY軸のレーザ干渉計40Y3の計測ビームは、Y軸に平行にウエハマーク検出機構43の検出中心を通過するように設定されており、レーザ干渉計40Y3は、例えばウエハWのアライメント時のウエハステージ38のY座標を計測するために使用される。
なお、ウエハWの表面の高さ分布を計測するために、一例としてウエハWの表面の複数の計測点に斜めにスリット像を投影する投射光学系と、ウエハWの表面からの反射光を受光してその複数のスリット像を再結像する受光光学系とを備え、その再結像された複数のスリット像の横ずれ量からその複数の計測点の所定の基準面(以下、第1の基準面という)からのZ方向の位置ずれ量を計測する斜入射方式のウエハ表面位置検出系(不図示)が、例えばウエハマーク検出機構43の近傍に配置されている。その斜入射方式の多点のウエハ表面位置検出系の具体的な構成については、例えば特開平05−129182号公報に開示されている。また、本例ではその第1の基準面は、XY平面に平行である。
本例のウエハステージ38にはウエハWのZ方向の位置とX軸及びY軸の周りの傾斜角(回転角)とを制御するZレベリング機構38Zも組み込まれており、そのウエハ表面位置検出系の計測結果に基づいてそのZレベリング機構38Zは、ウエハWの露光時にウエハWの表面の平均的な面をその第1の基準面に合致させる。Zレベリング機構38Zは、例えばウエハWを保持するテーブル部と、ほぼ正三角形の頂点付近に配置された3箇所でウエハステージ38のベース部に対してそのテーブル部のZ方向の高さを独立に制御する駆動部材とを備えている。
また、透光性平板P1及びP2は、それぞれY方向に見たときの断面がほぼU字型で中央部に照明光を通す円形開口が形成された第1のホルダ36A及び第2のホルダ37A上に真空吸着又は電磁吸着によって吸着保持されている。透光性平板P2は、ホルダ37Aを含む第2保持駆動機構によって、XY平面に平行に、かつウエハWと所定の間隔をもって対向して配置される。また、透光性平板P1は、ホルダ36Aを含む第1保持駆動機構によって、XY平面に平行に、かつ第2の透光性平板P2と所定の間隔をもって対向して配置される。さらに本例では、第1のホルダ36Aの透光性平板P1を保持する部分は、X方向において、第2のホルダ37Aの透光性平板P2を保持する部分内に収納されるように配置されている。このため、例えば透光性平板P1,P2を交換する必要があるときには、ホルダ36A及び37Aを互いに独立にY方向に引き抜くことが可能となっている。
図1において、光軸AX2の+X方向側において、XY平面に平行でY軸に平行に、かつZ方向に所定間隔で1対の細長い平板状のベース部材75A及び75Bが配置され、光軸AX2に関してベース部材75A及び75Bに対称にY軸に平行に1対のベース部材75C及び75Dが配置されている。ベース部材75A〜75Dの上面はそれぞれ平面度の良好なガイド面に加工されている。ベース部材75A〜75Dの+Y方向及び−Y方向の端部をそれぞれ連結部材(不図示)によって固定することで、コラム構造体75が構成されている。
また、第1の透光性平板P1を保持するホルダ36AのX方向の両端部は、平板状のスライダ36B及び36Cを介してそれぞれベース部材75A及び75C上に移動自在に載置されている。ホルダ36Aとスライダ36B及び36Cとは、ホルダ36AのZ方向の位置を制御可能な3個のZ軸アクチュエータ81Aと相対回転防止用の2個のピン(不図示)とを介して連結されている。従って、ホルダ36A及びスライダ36B,36Cは、ベース部材75A及び75Cの上面で一体的にX方向、Y方向、及びZ軸の周りの回転方向に移動できるとともに、3箇所のZ軸アクチュエータ81Aの高さを制御することで、ベース部材75A,75Cに対するホルダ36A(第1の透光性平板P1)のZ方向の位置とX軸及びY軸の周りの回転角とを調整することができる。
また、+X方向のスライダ36BはY方向に離れた2個のX軸アクチュエータ80Aを介してスライダ77Aに連結され、スライダ77Aはベース部材75A上に固定されたY軸ガイドに沿って不図示の駆動モータによってY方向に駆動される。2個のX軸アクチュエータ80Aの駆動量を制御することによって、ベース部材75Aに対するホルダ36A(第1の透光性平板P1)のX方向の位置とZ軸の周りの回転角とを調整することができる。また、スライダ77AをY方向に駆動することで、それに連動してホルダ36A(第1の透光性平板P1)をY方向に大きく移動できるとともに、そのY方向の位置の調整を行うことができる。
この結果、コラム構造体75に対してホルダ36A(第1の透光性平板P1)のX方向、Y方向、Z方向の位置、及びX軸、Y軸、Z軸の周りの回転角の6自由度の変位を調整できるとともに、必要に応じてホルダ36A(第1の透光性平板P1)を照明光学系ISの下方から+Y方向に引き抜いて、透光性平板P1の交換等を行うことができる。
また、ホルダ36A(第1の透光性平板P1)のX方向、Y方向の位置、及びZ軸の周りの回転角は、ホルダ36A上に設けられた移動鏡84の位置を介してレーザ干渉計82により計測される。即ち、レーザ干渉計82からのレーザビームはビームスプリッタ83によって計測ビームと参照ビームとに分割され、計測ビームは移動鏡84に照射され、参照ビームはミラーを介してベース75C(コラム構造体75)に固定された参照鏡85に照射される。そして、移動鏡84からの計測ビームと参照鏡85からの参照ビームとの干渉光をレーザ干渉計82で検出することによって、コラム構造体75を基準としてホルダ36AのX方向、Y方向の位置を例えば1〜0.1nm程度の分解能で計測することができ、2箇所のY方向(又はX方向でも可)の位置の差分からホルダ36AのZ軸の周りの回転角を計測できる。このため、実際にはレーザ干渉計82はX方向に1軸でY方向に2軸のレーザ干渉計から構成されており、移動鏡84もX方向に1軸でY方向に2軸の移動鏡から構成されている。
また、ホルダ36A(第1の透光性平板P1)のX方向、Y方向の位置、及びZ軸の周りの回転角は、ホルダ36A上に設けられた移動鏡84の位置を介してレーザ干渉計82により計測される。即ち、レーザ干渉計82からのレーザビームはビームスプリッタ83によって計測ビームと参照ビームとに分割され、計測ビームは移動鏡84に照射され、参照ビームはミラーを介してベース75C(コラム構造体75)に固定された参照鏡85に照射される。そして、移動鏡84からの計測ビームと参照鏡85からの参照ビームとの干渉光をレーザ干渉計82で検出することによって、コラム構造体75を基準としてホルダ36AのX方向、Y方向の位置を例えば1〜0.1nm程度の分解能で計測することができ、2箇所のY方向(又はX方向でも可)の位置の差分からホルダ36AのZ軸の周りの回転角を計測できる。このため、実際にはレーザ干渉計82はX方向に1軸でY方向に2軸のレーザ干渉計から構成されており、移動鏡84もX方向に1軸でY方向に2軸の移動鏡から構成されている。
また、必要に応じて、不図示の第1のZ位置検出系のレーザ光源から透光性平板P1の上面に斜めに複数本、例えば3本のレーザビームが照射され、その上面で反射されたレーザビームの位置を光電検出器で検出することによって、予め定められている所定の基準面(以下、第2の基準面という)に対して、透光性平板P1の上面のZ方向の位置、及びX軸、Y軸の周りの回転角が計測される。その第2の基準面はXY平面に平行である。
この結果、ホルダ36A(第1の透光性平板P1)のX方向、Y方向、Z方向の位置、及びX軸、Y軸、Z軸の周りの回転角の6自由度の変位が計測され、この計測値に基づいて3個のZ軸アクチュエータ81A、2個のX軸アクチュエータ80A、及びスライダ77A用のY軸の駆動モータを駆動することで、ホルダ36A(第1の透光性平板P1)の6自由度の変位が目標とする状態に制御される。
図1において、第1のホルダ36Aと同様に、第2の透光性平板P2を保持する第2のホルダ37AのX方向の両端部は、平板状のスライダ37B及び37Cを介してそれぞれベース部材75B及び75D上に移動自在に載置されている。ホルダ37Aとスライダ37B,37Cとは、ホルダ37AのZ方向の位置を制御可能な3個のZ軸アクチュエータ81Bと相対回転防止用の2個のピン(不図示)とを介して連結されている。また、+X方向のスライダ37BはY方向に離れた2個のX軸アクチュエータ80Bを介してスライダ77Bに連結され、スライダ77Bはベース部材75B上に固定されたY軸ガイドに沿って不図示の駆動モータによってY方向に駆動される。
この結果、コラム構造体75に対してホルダ37A(第2の透光性平板P2)のX方向、Y方向、Z方向の位置、及びX軸、Y軸、Z軸の周りの回転角の6自由度の変位を調整できるとともに、必要に応じてホルダ37A(第2の透光性平板P2)を照明光学系ISの下方から+Y方向に引き抜いて、透光性平板P2の交換等を行うことができる。
また、ホルダ37A(第2の透光性平板P2)のX方向、Y方向の位置、及びZ軸の周りの回転角は、ホルダ36Aと同様にして、ベース75D(コラム構造体75)に固定された参照鏡89を基準として、ホルダ37A上に設けられた移動鏡88の位置を介してレーザ干渉計86により計測される。
また、ホルダ37A(第2の透光性平板P2)のX方向、Y方向の位置、及びZ軸の周りの回転角は、ホルダ36Aと同様にして、ベース75D(コラム構造体75)に固定された参照鏡89を基準として、ホルダ37A上に設けられた移動鏡88の位置を介してレーザ干渉計86により計測される。
なお、この構成の他に、例えばレーザ干渉計86の参照鏡89をホルダ36Aに固定することによって、レーザ干渉計82を用いることなく、レーザ干渉計86によって直接ホルダ36Aとホルダ37AとのX方向、Y方向の相対的な位置関係を計測してもよい。また、例えばレーザ干渉計40の参照鏡91をホルダ37Aに固定することによって、レーザ干渉計86を用いることなく、レーザ干渉計40によって直接ウエハステージ38とホルダ37AとのX方向、Y方向の相対的な位置関係を計測してもよい。
また、必要に応じて、不図示の第2のZ位置検出系のレーザ光源から透光性平板P2の上面に斜めに複数本、例えば3本のレーザビームが照射され、その上面で反射されたレーザビームの位置を光電検出器で検出することによって、予め定められている所定の基準面(以下、第3の基準面という)に対して、透光性平板P2の上面のZ方向の位置、及びX軸、Y軸の周りの回転角が計測される。その第3の基準面はXY平面に平行である。なお、その第1及び第2のZ位置検出系の代わりに、上記のウエハWのZ位置を計測するための斜入射方式の多点のウエハ表面位置検出系と同じ構成の検出系、あるいはZ方向の位置を計測するレーザ干渉計などを使用することも可能である。
この結果、ホルダ37A(第2の透光性平板P2)のX方向、Y方向、Z方向の位置、及びX軸、Y軸、Z軸の周りの回転角の6自由度の変位が計測される。そして、その計測値に基づいて3個のZ軸アクチュエータ81B、2個のX軸アクチュエータ80B、及びスライダ77B用のY軸の駆動モータを駆動することで、ホルダ37A(第2の透光性平板P2)の6自由度の変位が目標とする状態に制御される。
本例では、上記の第1、第2、及び第3の基準面はいずれもXY平面に平行であり、その第1及び第2の基準面のZ方向の間隔と、その第3及び第1の基準面のZ方向の間隔とは装置全体の動作を制御する主制御系内に予め記憶されている。本例では露光時にウエハWの表面がその第1の基準面に平行になるように制御されるとともに、ウエハWの表面と第2の透光性平板P2(第2の回折格子)との位置関係、及び第1の透光性平板P1(第1の回折格子)と第2の透光性平板P2との位置関係が所定の関係になるように制御される。さらに、必要に応じて、ウエハWの表面がその第1の基準面に対してZ方向に所定間隔だけずれるように制御される。
次に、本例の露光装置によってウエハW上に形成される干渉縞の明暗パターンについて、図2〜図4を用いて説明する。
図1の第1の透光性平板P1の+Z側、即ち光源1側の表面には、X方向に周期性を有する1次元の位相変調型の回折格子G11が形成されている。そして、第2の透光性平板P2の+Z側、即ち第1の透光性平板P1側の表面にも、X方向に周期性を有する1次元の位相変調型の回折格子G21が形成されている。
図1の第1の透光性平板P1の+Z側、即ち光源1側の表面には、X方向に周期性を有する1次元の位相変調型の回折格子G11が形成されている。そして、第2の透光性平板P2の+Z側、即ち第1の透光性平板P1側の表面にも、X方向に周期性を有する1次元の位相変調型の回折格子G21が形成されている。
まず、これらの回折格子G11,G21について図2を用いて説明する。
図2(A)は、図1の第1の透光性平板P1を+Z側から見た図であり、その表面にはY方向に長手方向を有し、それと直交するX方向に1次元的な周期T1を有する、位相変調型の第1の回折格子G11が形成されている。
第1の回折格子G11は、いわゆるクロムレス位相シフトレチクルの様に第1の透光性平板P1の表面部分と、当該平板表面をエッチング等により掘り込んだ掘り込み部分(図2(A)中の斜線部)とからなる。掘り込み部分の深さは、その表面部を透過する照明光と掘り込み部を透過する照明光との間に概ね180度の位相差が形成されるように設定される。両照明光に180度の位相差を形成する場合には、露光光の波長λ、第1の透光性平板P1の屈折率n、任意の自然数mに対し、その掘り込み深さを、
(2m−1)λ/(2(n−1)) …(1)
とすればよい。
図2(A)は、図1の第1の透光性平板P1を+Z側から見た図であり、その表面にはY方向に長手方向を有し、それと直交するX方向に1次元的な周期T1を有する、位相変調型の第1の回折格子G11が形成されている。
第1の回折格子G11は、いわゆるクロムレス位相シフトレチクルの様に第1の透光性平板P1の表面部分と、当該平板表面をエッチング等により掘り込んだ掘り込み部分(図2(A)中の斜線部)とからなる。掘り込み部分の深さは、その表面部を透過する照明光と掘り込み部を透過する照明光との間に概ね180度の位相差が形成されるように設定される。両照明光に180度の位相差を形成する場合には、露光光の波長λ、第1の透光性平板P1の屈折率n、任意の自然数mに対し、その掘り込み深さを、
(2m−1)λ/(2(n−1)) …(1)
とすればよい。
また、表面部分と掘り込み部分との幅の比率(デューティ比)は、概ね1:1とすることが好ましい。ただし、上記位相差及びデューティ比のいずれについても、上記180度及び1:1から異なる値を採用することもできる。
図2(B)は、図1の第2の透光性平板P2を+Z側から見た図であり、その表面(第1の透光性平板P1側の面)には、Y方向に長手方向を有し、X方向に1次元的な周期T2を有する第2の回折格子G21が形成されている。第2の回折格子G21も、その構造は上述の第1の回折格子G11と同様である。
図2(B)は、図1の第2の透光性平板P2を+Z側から見た図であり、その表面(第1の透光性平板P1側の面)には、Y方向に長手方向を有し、X方向に1次元的な周期T2を有する第2の回折格子G21が形成されている。第2の回折格子G21も、その構造は上述の第1の回折格子G11と同様である。
第1の透光性平板P1、第2の透光性平板P2は合成石英等の、紫外線に対する透過性(透光性)が高く、熱膨張係数(線膨張係数)が小さく、従って露光光の吸収に伴う熱変形の小さな材料で形成する。その厚さは、自重変形等の変形を防止するために、例えば5mm以上とすることが好ましい。ただし、自重変形等をより一層防止するために、10mm以上の厚さとすることもできる。また、特に光源1としてF2 レーザを使用する場合には、フッ素の添加された合成石英を使用することが好ましい。
なお、図2(A),(B)中では、説明の便宜上周期T1を第1の透光性平板P1の直径(一例として300mm以上)の1割程度と表わしているが、実際には周期T1は例えば240nm程度、周期T2は例えば120nm程度であり、第1の透光性平板P1の直径に比して圧倒的に小さい。これは、図2(A),(B)以外の各図においても同様である。
以下、図3を用いて、照明光IL10の第1の回折格子G11及び第2の回折格子G21への照射により、ウエハW上に干渉縞の明暗パターンが形成される原理について説明する。
図3は、相互に対向して配置された第1の透光性平板P1、第2の透光性平板P2及びウエハWの断面図であり、図3において、照明光IL10が照射されると、第1の回折格子G11からはその周期T1に応じた回折光が発生する。第1の回折格子G11が、デューティ比1:1で位相差180度の位相変調型格子であれば、発生する回折光は主に+1次回折光LPと−1次回折光LMとなる。ただし、それ以外の次数の回折光が発生する可能性もある。
図3は、相互に対向して配置された第1の透光性平板P1、第2の透光性平板P2及びウエハWの断面図であり、図3において、照明光IL10が照射されると、第1の回折格子G11からはその周期T1に応じた回折光が発生する。第1の回折格子G11が、デューティ比1:1で位相差180度の位相変調型格子であれば、発生する回折光は主に+1次回折光LPと−1次回折光LMとなる。ただし、それ以外の次数の回折光が発生する可能性もある。
±1次回折光LP,LMの回折角θは、露光光(照明光IL10)の波長λに対して、
sinθ= λ/T1 …(2)
により表わされる角である。
ただし、これは、±1次回折光LP,LMが第1の透光性平板P1を透過して空気(その代わりの窒素又は希ガス等であってもよい。以下も同様である。)中に射出した後の回折角である。即ち、±1次回折光LP,LMの第1の透光性平板P1中の回折角θ’は、第1の透光性平板P1の屈折率nを用いて、
sinθ’= λ/(n×T1) …(3)
により表わされる角となる。
sinθ= λ/T1 …(2)
により表わされる角である。
ただし、これは、±1次回折光LP,LMが第1の透光性平板P1を透過して空気(その代わりの窒素又は希ガス等であってもよい。以下も同様である。)中に射出した後の回折角である。即ち、±1次回折光LP,LMの第1の透光性平板P1中の回折角θ’は、第1の透光性平板P1の屈折率nを用いて、
sinθ’= λ/(n×T1) …(3)
により表わされる角となる。
続いて、±1次回折光LP,LMは第2の透光性平板P2上の第2の回折格子G21に入射する。ここで、上述の如く第2の回折格子G21も位相変調型の回折格子であるから、第2の回折格子G21からも主に±1次回折光が発生する。
本例においては、第2の回折格子G21の周期T2が第1の回折格子G11の周期T1の半分、即ちT1=2×T2の条件を満たす。この場合、+1次回折光LPの第2の回折格子G21への照射により発生する−1次回折光LP1は、Z方向に対し傾き角θをもって−X方向に傾いて発生する。また、−1次回折光LMの第2の回折格子G21への照射により発生する+1次回折光LM1は、Z方向に対し傾き角θをもって+X方向に傾いて発生する。なお、第2の回折格子G21によって発生する2次回折光を使用することを前提に、T2=T1である第2の回折格子を使用することもできる。
本例においては、第2の回折格子G21の周期T2が第1の回折格子G11の周期T1の半分、即ちT1=2×T2の条件を満たす。この場合、+1次回折光LPの第2の回折格子G21への照射により発生する−1次回折光LP1は、Z方向に対し傾き角θをもって−X方向に傾いて発生する。また、−1次回折光LMの第2の回折格子G21への照射により発生する+1次回折光LM1は、Z方向に対し傾き角θをもって+X方向に傾いて発生する。なお、第2の回折格子G21によって発生する2次回折光を使用することを前提に、T2=T1である第2の回折格子を使用することもできる。
さらに、第2の回折格子から発生する、より高次(M次)の回折光を使用することを前提として、T2=M×T1/2である第2の回折格子を使用することもできる。
図4に示す如く、上記2本の回折光は、ウエハWの鉛直方向(法線方向)VWに対して上記傾き角θを保ってウエハW上に照射され、ウエハWに干渉縞としての明暗パターンIFを形成する。このとき、ウエハW上に形成される干渉縞の明暗パターンIFの周期(強度分布の周期)T3は、
T3 = λ/(2×sinθ) …(4)
となる。これは第1の回折格子G11の周期T1の半分であり、第2の回折格子G21の周期T2に等しい。
図4に示す如く、上記2本の回折光は、ウエハWの鉛直方向(法線方向)VWに対して上記傾き角θを保ってウエハW上に照射され、ウエハWに干渉縞としての明暗パターンIFを形成する。このとき、ウエハW上に形成される干渉縞の明暗パターンIFの周期(強度分布の周期)T3は、
T3 = λ/(2×sinθ) …(4)
となる。これは第1の回折格子G11の周期T1の半分であり、第2の回折格子G21の周期T2に等しい。
この明暗パターンIFが、その明暗に応じてウエハWの表面に形成されているフォトレジストPR等の感光部材を感光し、明暗パターンIFがウエハW上に露光転写される。
従って、ウエハW上には、その全面にX方向に周期T3を有するY方向に平行な明暗パターンが形成される。そして、ウエハW上に形成されたフォトレジストPRには、この明暗パターンが照射され露光される。
従って、ウエハW上には、その全面にX方向に周期T3を有するY方向に平行な明暗パターンが形成される。そして、ウエハW上に形成されたフォトレジストPRには、この明暗パターンが照射され露光される。
本例では、図3において、第1の回折格子G11と第2の回折格子G21との間の第1の距離L1と、第2の回折格子G21とウエハWとの間の第2の距離L2とは、一例として、第1の回折格子G11上の任意の一点を発した±1次回折光LP,LMが、ウエハWにおいて、ほぼ同一の点に照射されるように設定される。この結果、ウエハW上の各点に照射される回折光は、それぞれ第1の回折格子G11上のほぼ同一の点から発した±1次回折光LP,LMであるから、それらの回折光の可干渉性は高く、良好なコントラストをもって干渉縞を形成することが可能となる。
この場合でも、回折格子G11及びG21を介して形成される干渉縞は、その第2の回折格子G21の第1の回折格子G11とは反対側の近傍に、例えば数mm程度離れて形成されていると言うことができる。
次に、図5を参照して、本例の照明光均一化手段の一例につき説明する。本例の照明光均一化手段は、図1中の集光光学系10と、フライアイレンズ13とよりなるものである。
次に、図5を参照して、本例の照明光均一化手段の一例につき説明する。本例の照明光均一化手段は、図1中の集光光学系10と、フライアイレンズ13とよりなるものである。
図5(A)は、そのうちのフライアイレンズ13と、図1のレンズ19からレンズ35までのレンズ系を総括的に表す照明系後群レンズ35aと、透光性平板P1及びP2とを+X方向から見た図であり、図5(B)はこれを−Y方向から見た図である。図5(A)において、フライアイレンズ13は、遮光性の部材14上にレンズエレメントF1,F2,F3,F4,F5,F6,F7,F8をY方向に沿って一列に配列して構成されている。図1の集光光学系10からの照明光IL5がフライアイレンズ13に照射され、フライアイレンズ13を射出した照明光IL7は、照明系後群レンズ35aで屈折され照明光IL10となって第1の透光性平板P1に入射する。
この場合、フライアイレンズ13の一列に配置された複数のレンズエレメントF1〜F8に光束を集光させるインプット光学系を備えてもよい。
このとき、フライアイレンズ13がY方向に沿って一列に配置された複数のレンズエレメントF1〜F8からなるものであるため、照明光IL10の第1の透光性平板P1への入射角度特性は、X方向とY方向とで異なったものとなる。
このとき、フライアイレンズ13がY方向に沿って一列に配置された複数のレンズエレメントF1〜F8からなるものであるため、照明光IL10の第1の透光性平板P1への入射角度特性は、X方向とY方向とで異なったものとなる。
照明系後群レンズ35aは、その入射側焦点面がフライアイレンズ13の射出面と一致し、その射出側焦点面が第1の透光性平板P1の上面(+Z方向の面)と一致する様に配置される。従って、照明系後群レンズ35aは、いわゆるフーリエ変換レンズを構成する。
フライアイレンズ13の各レンズエレメントを射出した照明光IL7は、照明系後群レンズ35aにより屈折され、照明光IL10となって第1の透光性平板P1上に重畳して照射される。従って、第1の透光性平板P1上の照明光の強度分布は、当該重畳による平均化効果により均一化される。
フライアイレンズ13の各レンズエレメントを射出した照明光IL7は、照明系後群レンズ35aにより屈折され、照明光IL10となって第1の透光性平板P1上に重畳して照射される。従って、第1の透光性平板P1上の照明光の強度分布は、当該重畳による平均化効果により均一化される。
第1の透光性平板P1上の任意の一点IPへの照明光IL10のY方向についての入射角度範囲φは、フライアイレンズ13のY方向への配列に応じて図5(A)に示す如き所定の値となる。
一方、フライアイレンズ13がX方向については1列しかないことから、X方向についての入射角度範囲を、所定の値以下に設定できる。従って、一点IPへの照明光IL10を、Y方向を含み、かつ一点IPを含む平面内に進行方向を有し、かつ、その進行方向が互いに平行ではない複数の照明光とすることができる。
一方、フライアイレンズ13がX方向については1列しかないことから、X方向についての入射角度範囲を、所定の値以下に設定できる。従って、一点IPへの照明光IL10を、Y方向を含み、かつ一点IPを含む平面内に進行方向を有し、かつ、その進行方向が互いに平行ではない複数の照明光とすることができる。
また、必要に応じて、フライアイレンズ13の射出面に、図5(C)に示す如くY方向に長くX方向に狭いスリット状の開口部18を有する開口絞り17を設け、照明光IL10のX方向への進行方向を、Y方向を含み、かつ一点IPを含む平面と平行な面内に、より一層限定することもできる。また、この開口絞り17は、フライアイレンズ13の射出面と共役な、図1中の集光点28の位置に設けることもできる。
ところで、1次元的な周期を有する干渉縞の明暗パターンIFを形成する場合、その形成に用いる照明光IL10は、その偏光方向(電場方向)が明暗パターンIFの長手方向に平行、即ち第1の回折格子G11及び第2の回折格子G21の長手方向に平行な直線偏光光であることが好ましい。この場合に、干渉縞IFのコントラストを最高にすることができるからである。
ただし、照明光IL10は、完全な直線偏光光でなくとも、第1の回折格子G11の長手方向(Y方向)の電場成分が、周期方向(X方向)の電場成分よりも大きな照明光であれば、上述のコントラスト向上効果を得ることができる。
照明光IL10のこのような偏光特性は、図1の照明光学系中に設けた偏光制御素子9により実現される。偏光制御素子9は、例えば光軸AX1を回転軸方向として回転可能に設けられた偏光フィルター(ポラロイド板)や偏光ビームスプリッターであり、その回転により照明光IL3の偏光方向を所定の直線偏光とすることができる。
照明光IL10のこのような偏光特性は、図1の照明光学系中に設けた偏光制御素子9により実現される。偏光制御素子9は、例えば光軸AX1を回転軸方向として回転可能に設けられた偏光フィルター(ポラロイド板)や偏光ビームスプリッターであり、その回転により照明光IL3の偏光方向を所定の直線偏光とすることができる。
光源1がレーザ等の概ね直線偏光に偏光した照明光IL1を放射する光源である場合には、偏光制御素子9として、同じく回転可能に設けられた1/2波長板を用いることもできる。また、それぞれ独自に回転可能に直列に設けられた2枚の1/4波長板を採用することもできる。この場合には、照明光IL3〜IL10の偏光状態を、概ね直線偏光光とするのみでなく、円偏光及び楕円偏光の偏光光とすることもできる。
なお、露光装置で露光すべきウエハW上には、以前の露光工程(フォトリソグラフィー工程)において既にパターンが形成されており、新たな露光工程においては、そのパターンと所定の位置関係を保ってパターンを形成する必要があるのが一般的である。
そして、ウエハW上の既存のパターンは、ウエハWへの成膜工程、エッチング工程に伴う熱変形や応力変形により、設計値に比べある程度の伸縮が生じている場合が多い。そこで、露光装置には、このようなウエハWの伸縮に適用して、新たなパターンをある程度伸縮補正してウエハW上に形成することが求められる。
そして、ウエハW上の既存のパターンは、ウエハWへの成膜工程、エッチング工程に伴う熱変形や応力変形により、設計値に比べある程度の伸縮が生じている場合が多い。そこで、露光装置には、このようなウエハWの伸縮に適用して、新たなパターンをある程度伸縮補正してウエハW上に形成することが求められる。
本例の露光装置では、Zレベリング機構38Z(高さ制御装置)によって設定されるウエハWのZ位置若しくは照明光IL10の収束発散状態としてのテレセントリシティのいずれか一方、又はこれらの両方を変更することにより、ウエハW上に形成する明暗パターンの伸縮補正を行なうことができる。
始めに、図1における照明光IL10の収束発散状態について図6を用いて説明する。
始めに、図1における照明光IL10の収束発散状態について図6を用いて説明する。
図6(A)は、照明光IL10が平行な光線束である場合、即ち収束も発散もしない状態を表わす図である。このとき照明光IL10の照明領域のX方向の外縁LEa,LEbは第1の透光性平板P1に対して垂直であり、それらの間の照明光IL10c,照明光IL10d,照明光IL10eは、第1の透光性平板P1内の場所によらず第1の透光性平板P1に垂直に入射する。
一方、図6(B)は、照明光IL10が発散する光線束である場合を表わす図であり、外縁LEa1,LEb1で規定される照明光IL10は全体として発散光路となる。このとき外縁LEa1,LEb1は、鉛直方向LEa,LEbからそれぞれψe傾いて(発散して)いる。従って、照明光IL10の第1の透光性平板P1への入射角は、その位置に応じて変化することとなる。
即ち、外縁LEa1に近い光路部分を通って照射される照明光IL10fは、やや外向きに傾斜して第1の透光性平板P1に入射することになる。そして傾斜角をψfとすると、照明光IL10fによってウエハW上に形成される干渉縞の明暗パターンの位置は、次式6で角度φを角度ψfで置き換えたΔZ×tanψfだけ−X方向にずれた位置に形成される。
δp = ΔZ×tanφ …(6)
この式6における角度φは、図3において第1の回折格子G11の各位置に入射する照明光IL10の光量重心方向の、その第1の回折格子G11に対する法線方向からX方向(回折格子G11の周期方向)へのずれ量、すなわち第1の回折格子G11の各位置に入射する照明光IL10のテレセントリシティを表している。式6によれば、図3において、第1の回折格子G11を発した回折光LP,LMがウエハW上の同一の点に集光するように間隔L1及びL2が設定された状態から、ウエハWのZ位置をΔZだけ変化させて、かつその回折格子G11上の或る点に入射する照明光IL10のテレセントリシティを角度φだけ制御することによって、その点に対応するウエハW上の干渉縞の位置がX方向にδpだけ変化する。また、本例の図1の照明光学系ISにおいて、光軸AX2上では照明光IL10の角度φは0であり、この光軸AX2上で上記干渉縞の明暗パターンが形成される位置が、式6におけるX方向の基準位置である。
この式6における角度φは、図3において第1の回折格子G11の各位置に入射する照明光IL10の光量重心方向の、その第1の回折格子G11に対する法線方向からX方向(回折格子G11の周期方向)へのずれ量、すなわち第1の回折格子G11の各位置に入射する照明光IL10のテレセントリシティを表している。式6によれば、図3において、第1の回折格子G11を発した回折光LP,LMがウエハW上の同一の点に集光するように間隔L1及びL2が設定された状態から、ウエハWのZ位置をΔZだけ変化させて、かつその回折格子G11上の或る点に入射する照明光IL10のテレセントリシティを角度φだけ制御することによって、その点に対応するウエハW上の干渉縞の位置がX方向にδpだけ変化する。また、本例の図1の照明光学系ISにおいて、光軸AX2上では照明光IL10の角度φは0であり、この光軸AX2上で上記干渉縞の明暗パターンが形成される位置が、式6におけるX方向の基準位置である。
一方、外縁LEb1に近い光路部分を通って照射される照明光IL10hがウエハW上に形成する干渉縞の明暗パターンの位置は、照明光IL10hの外向きの傾斜角ψhにより、式6に従ってΔZ×tanψhだけ+X方向にずれた位置に形成される。また、中心に近い光路部分を通って照射される照明光IL10gがウエハW上に形成する干渉縞の明暗パターンの位置は、照明光IL10gがほぼ垂直入射することから位置ずれは生じない。
従って、ウエハWに露光される干渉縞パターンIFの第1の回折格子G11に対する大きさの関係は、ΔZが正の場合には、照明光IL10が発散光束とすることにより拡大されたものとすることができ、収束光束とすることにより縮小されたものとすることができ、従ってウエハWに露光される干渉縞パターンIFの伸縮補正を行なうことができる。
具体的に図1の光軸AX2から+X方向に間隔X1だけ離れた位置に入射する照明光IL10の角度をφ(X1)[rad]として、角度φ(X1)が小さいと仮定すると、式6は次のように近似できる。
具体的に図1の光軸AX2から+X方向に間隔X1だけ離れた位置に入射する照明光IL10の角度をφ(X1)[rad]として、角度φ(X1)が小さいと仮定すると、式6は次のように近似できる。
δp = ΔZ×φ(X1) …(7)
また、干渉縞パターンIFのX方向の周期をk(kは1付近の実数)倍に伸縮したい場合には、間隔X1における干渉縞パターンIFの位置ずれ量δpについて次式が成立すればよい。
(X1+δp)/X1 = k …(8)
式7及び式8から、角度φ(X1)は次のようになる。
また、干渉縞パターンIFのX方向の周期をk(kは1付近の実数)倍に伸縮したい場合には、間隔X1における干渉縞パターンIFの位置ずれ量δpについて次式が成立すればよい。
(X1+δp)/X1 = k …(8)
式7及び式8から、角度φ(X1)は次のようになる。
φ(X1)=X1(k−1)/ΔZ …(9)
即ち、図1の照明光IL10のテレセントリシティを制御して、光軸AX2からX方向に間隔X1だけ離れた位置での照明光IL10のX方向への角度φ(X1)が式9を満たすようにすることによって、干渉縞パターンIFのX方向の周期をk倍に伸縮することができる。
即ち、図1の照明光IL10のテレセントリシティを制御して、光軸AX2からX方向に間隔X1だけ離れた位置での照明光IL10のX方向への角度φ(X1)が式9を満たすようにすることによって、干渉縞パターンIFのX方向の周期をk倍に伸縮することができる。
このように本例では、照明光IL10のテレセントリシティを制御すること、すなわち第1の回折格子G11内の位置に応じて照明光IL10の光量重心方向とその回折格子G11の法線方向との関係を変化させること(照明光IL10の入射角をその回折格子G11内の位置に応じて変化させること)によって、ウエハW上に形成される干渉縞の周期を制御する。
そして、本例の露光装置においては、図1に示した通り、照明光学系IS中の第4のレンズ群を構成するレンズ29,30,32,35のうち、負レンズ30にはレンズ駆動機構31a,31bが取り付けられ、正レンズ32にはレンズ駆動機構33a,33bが取り付けられている。そして、これらのレンズ駆動機構31a,31b,33a,33bは、固定軸34a,34b上をZ方向に可動であり、これによりレンズ30及びレンズ32もそれぞれ独立してZ方向に可動である。
即ち、第4のレンズ群29,30,32,35は、全体としていわゆるインナーフォーカスレンズを構成することとなり、その焦点距離または焦点位置が可変となる。そのレンズ駆動機構31a,31b,33a,33b(照明光のテレセントリシティを制御する部材)でその第4のレンズ群29,30,32,35の焦点距離又は焦点位置を制御することにより、照明光IL10の収束発散状態を可変とすることができる。なお、これに併せて、照明光学系ISの第1のレンズ群2,3,4,6についてもZ位置調整機構を設け、上記第4のレンズ群29,30,32,35と併せて、照明光IL10の収束発散状態を可変とすることもできる。
このために、図1に示した通り、第1のレンズ群2,3,4,6中の負レンズ4にはレンズ駆動機構5a,5bが取り付けられ、正レンズ6にはレンズ駆動機構7a,7bが取り付けられている。そして、これらのレンズ駆動機構5a,5b,7a,7bは、固定軸8a,8b上をZ方向に可動であり、これによりレンズ4及びレンズ6もそれぞれ独立してZ方向に可動とすることができる。
また、式6より、照明光IL10の収束発散状態は上記のように可変とすることなく所定の収束状態または発散状態に固定しておき、ウエハWを配置するZ位置を変更することにより上記干渉縞の周期の伸縮補正を行なうこともできる。
これらの伸縮補正は、ウエハWの露光に先立ち、ウエハマーク検出機構43によりウエハW上の複数箇所に形成されている既存の回路パターンあるいは位置合せマークの位置を検出することにより予め計測したウエハWの伸縮量に基いて行なうことが望ましい(詳細後述)。
これらの伸縮補正は、ウエハWの露光に先立ち、ウエハマーク検出機構43によりウエハW上の複数箇所に形成されている既存の回路パターンあるいは位置合せマークの位置を検出することにより予め計測したウエハWの伸縮量に基いて行なうことが望ましい(詳細後述)。
なお、ウエハWの伸縮量等の計測に先立って、ウエハマーク検出機構43の検出基準44の位置をウエハステージ上の干渉縞計測系41上の所定の基準マークを用いて計測しておくことが望ましい。また、露光装置には、ウエハマーク検出機構43による上記位置計測精度を向上するために、ウエハマーク検出機構43の位置でウエハステージ38の位置計測を可能とする検出機構であるY軸のレーザ干渉計40Y3(図7参照)等を設けておくことが望ましい。
なお、本例の露光方法を、ウエハWに対する最初の露光工程で使用する場合であっても、次工程以降で形成されるパターンとの位置合わせ精度を向上するために、このような伸縮補正を行なうことができることは言うまでもない。
なお、本例の露光方法を、ウエハWに対する最初の露光工程で使用する場合であっても、次工程以降で形成されるパターンとの位置合わせ精度を向上するために、このような伸縮補正を行なうことができることは言うまでもない。
次に、本例の露光方法の一例につき説明する。本例においては、図1の第1の透光性平板P1に照射される照明光IL10の領域は、ウエハWを覆う円形領域、又は図7に示すようにウエハWよりも小さな照明領域42のいずれでも可能である。後者の照明領域42のX方向の幅はウエハWの直径より大きい。このように小さな照明領域42を用いる際には、照明領域42(干渉縞パターン)に対してウエハWをY方向に走査して露光を行う必要がある。
即ち、図7は、図1のウエハステージ38をレンズ35側から見た図であり、ウエハWへの露光は、図1の光源1、照明光学系IS、第1の透光性平板P1、及び第2の透光性平板P2に対して、図7に示すように、ウエハWをウエハステージ38によりY方向に走査して行なうものとする。上述の通り、ウエハW上には照明光IL10、第1の透光性平板P1上の第1の回折格子G11、及び第2の透光性平板P2上の第2の回折格子G21によりX方向に周期方向を有し、Y方向に長手方向を有する干渉縞の明暗パターンIFが形成されているから、当該Y方向への走査は干渉縞の明暗パターンIFの長手方向に沿って行なわれることになる。
上記走査露光に際しては、ウエハW(ウエハステージ38)のX方向及びY方向の位置や回転角は、ウエハステージ38に設けられたX軸の移動鏡39X及びY軸の移動鏡39Yを介して、X軸のレーザ干渉計40X1及び40X2と、Y軸のレーザ干渉計40Y1及び40Y2とを用いて計測され、その計測された位置や回転角が不図示のステージ制御機構により制御される。
このような走査露光により、ウエハWには第1の回折格子G11及び第2の回折格子G21により形成される明暗パターンIFがY方向に積算されて露光されることになるため、これらの回折格子の欠陥や異物の影響が緩和され、ウエハW上には、欠陥のない良好なパターンが露光される。
なお、走査露光中に生じる干渉縞の明暗パターンIFとウエハWとのX、Y方向の位置ずれや回転ずれは、前述した透過性平板P1、P2、及びウエハステージ38の位置のレーザ干渉計の計測結果に基づき、第1及び第2の透過性平板P1、P2と、ウエハWとの少なくとも一方の移動により補正される。
なお、走査露光中に生じる干渉縞の明暗パターンIFとウエハWとのX、Y方向の位置ずれや回転ずれは、前述した透過性平板P1、P2、及びウエハステージ38の位置のレーザ干渉計の計測結果に基づき、第1及び第2の透過性平板P1、P2と、ウエハWとの少なくとも一方の移動により補正される。
また、照明領域42内に残存する恐れのある照度の不均一性についても、その誤差がY方向に積算され平均化されるため、実質的により高い均一性を実現することができる。さらに、照明領域42の形状を、X方向の位置によってY方向の幅が変化するものであるとすることもできる。これにより、照明領域42の形状自体を変化させることにより、照明領域42内の照明光照度分布のY方向積算値を一層均一化することができるからである。
このような照明領域42の形状は、図1の照明光学系IS中の視野絞り22に設ける開口の形状により決定することができる。なお、視野絞り22は、第1の透光性基板P1の光源側の近傍に配置しても良い。
また、照明領域42をウエハWの全面を覆う程度の大視野に設定して、ウエハW上に上記の干渉縞の明暗パターンを一括露光するためには、その視野絞り22の開口を広げればよい。
また、照明領域42をウエハWの全面を覆う程度の大視野に設定して、ウエハW上に上記の干渉縞の明暗パターンを一括露光するためには、その視野絞り22の開口を広げればよい。
なお、ウエハWに対する露光が重ね合わせ露光である場合には、予めその干渉縞の明暗パターンとウエハW上にそれまでの工程で形成されている回路パターンとのアライメントを行っておく必要がある。以下、本例のアライメントを行うための機構及びそのアライメント方法の一例につき説明する。この際に、図1の2枚の透光性平板P1及びP2のそれぞれの回折格子の周期方向が平行に、かつほぼX方向となるように回転角が調整されているものとする。
図8は、図2のウエハステージ38を示す平面図であり、この図8において、一例としてウエハWの上面はX方向、Y方向にそれぞれ所定幅の多数のショット領域SA(区画領域)に区分され、各ショット領域SAにはそれまでのデバイス製造工程によって、所定の回路パターンが形成されているとともに、X方向、Y方向の位置を示すアライメントマーク(位置合わせマーク)としてのウエハマークWMx及びWMyも形成されている。なお、ウエハマークの代わりに各ショット領域SA内に形成されている所定の回路パターンを使用してアライメントを行ってもよい。
そして、本例の露光装置を用いる露光時には、干渉縞パターン92と、ウエハW上の各ショット領域SA内の回路パターンとは特にX方向に対して所定の位置関係を満たす必要がある。なお、干渉縞パターン92がX方向及びY方向に所定ピッチの2次元の格子状パターンである場合には、その格子状パターンと各ショット領域SA内の回路パターンとはX方向、Y方向に所定の位置関係を満たす必要がある。
その干渉縞パターンとウエハW上のショット領域とのアライメントを行うために、ウエハステージ38には、干渉縞計測系41(位置計測機構)が固定され、干渉縞計測系41の上面はウエハWの表面と同じ高さに設定されている。
図8において、干渉縞計測系41の上面には、Y方向に所定間隔で2つの二次元の基準マーク93A及び93Bが形成され、これらの基準マーク93A及び93Bの間に透過基板94が埋め込まれている。なお、透過基板94を大きくしてその上に基準マーク93A及び93Bをも形成してもよい。一例として、基準マーク93A及び93Bの中心を通る直線がY軸に平行となるように、ウエハステージ38のZ軸の周りの回転角が設定されている。
図8において、干渉縞計測系41の上面には、Y方向に所定間隔で2つの二次元の基準マーク93A及び93Bが形成され、これらの基準マーク93A及び93Bの間に透過基板94が埋め込まれている。なお、透過基板94を大きくしてその上に基準マーク93A及び93Bをも形成してもよい。一例として、基準マーク93A及び93Bの中心を通る直線がY軸に平行となるように、ウエハステージ38のZ軸の周りの回転角が設定されている。
透過基板94の表面には干渉縞パターンの位置計測用のX方向に光透過部と遮光部とを互いに異なる周期で配列した計測格子95A及び95Bが形成されている。計測格子95Aは、干渉縞パターン92のX方向の位置を検出するために使用されるが、他の計測格子95Bは、干渉縞パターン92とは周期の異なる別の干渉縞パターンの位置を検出するために使用される。従って、計測格子95A,95Bの個数は、検出対象の干渉縞パターンの周期の種類に応じて設定される。
図8の干渉縞パターン92の位置を検出する場合には、ウエハステージ38を駆動して、計測格子95Aの中心が干渉縞パターン92(まだ照明光は照射されていない)中の計測すべき位置(計測点)に合致するように移動する。その後、図1の視野絞り22を駆動して照明光がウエハWに照射されないように照明領域を制限して、照明光IL10の照射を開始して、計測格子95A上に干渉縞パターン92を形成する。
図9は、図8の干渉縞計測系41の構成例を示し、この図9において、透過基板94の計測格子95Aが形成された領域の底面に順次、計測格子95Aを透過した光を集光するレンズ100と、その集光された光を検出する光電検出器101とが配置されている。干渉縞パターン92のX方向の設計上の強度分布の周期をT3とすると、計測格子95AのX方向の周期PAは、一例として周期T3とほぼ等しく設定され、計測格子95Aの光透過部と遮光部との幅の比はほぼ1:1に設定される。なお、周期PAを周期T3の2倍以上のほぼ整数倍(例えば2倍)に設定して、計測格子95A中の光透過部の幅を周期T3程度として、レンズ100では計測格子95Aを透過した0次光のみを集光する構成も可能である。計測格子95A、レンズ100、及び光電検出器101を含んで第1の位置計測部材が構成されている。同様に、図8の計測格子95Bの底面にも、レンズ及び光電検出器が配置され、これによって第2の位置計測部材が構成されている。これら複数の位置計測部材を含んで干渉縞計測系41が構成されている。
なお、複数の計測格子95A及び95Bに対してレンズ100及び光電検出器101を共通に用いる構成も可能である。また、図8の干渉縞計測系41と同様の複数の干渉縞計測系をウエハステージ38上に配置しておき、干渉縞パターンの複数の計測点における位置を同時に計測できるようにしてもよい。
図9において、光電検出器101の検出信号は、アライメント情報処理系73に供給されている。アライメント情報処理系73内の記憶部には、図8の基準マーク93A,93Bと計測格子95A,95Bとの位置関係(例えば基準マーク93A,93Bの中心を通る直線に対する計測格子95A,95B中の所定の透光部の中心のX方向へのオフセット量ΔIAX,ΔIBX)の情報が記憶されている。アライメント情報処理系73には、図1のレーザ干渉計40によって計測されるウエハステージ38のX方向、Y方向の位置の情報も供給されている。
図9において、光電検出器101の検出信号は、アライメント情報処理系73に供給されている。アライメント情報処理系73内の記憶部には、図8の基準マーク93A,93Bと計測格子95A,95Bとの位置関係(例えば基準マーク93A,93Bの中心を通る直線に対する計測格子95A,95B中の所定の透光部の中心のX方向へのオフセット量ΔIAX,ΔIBX)の情報が記憶されている。アライメント情報処理系73には、図1のレーザ干渉計40によって計測されるウエハステージ38のX方向、Y方向の位置の情報も供給されている。
この場合、露光装置全体の動作を制御する主制御系70の制御のもとで、図8のウエハステージ38を+X方向に例えば干渉縞パターン92の周期の数倍程度の範囲内で移動して、アライメント情報処理系73においてウエハステージ38の座標に対応させて、光電検出器101の検出信号を取り込むと、その検出信号はウエハステージ38のX座標に対して周期T3で正弦波状に変化する。そこで、一例として、ウエハステージ38の移動を開始して最初にその検出信号がピークになるときのウエハステージ38のX座標を、その計測点における干渉縞パターン92の位置とすることができる。以下では、計測格子95Aを干渉縞パターン92の計測点に移動した後、ウエハステージ38を駆動して計測格子95Aを+X方向に移動したときに光電検出器101の検出信号が最初にピークとなるときのウエハステージ38のX座標及びY座標を、その計測点において干渉縞計測系41を用いて検出した干渉縞パターン92の位置とする。
図9において、アライメント情報処理系73は、そのようにして検出した干渉縞パターン92の位置の情報を主制御系70に供給する。主制御系70(干渉縞の特性を求める演算装置)は、後述のように干渉縞パターン92の複数の計測点における位置情報に基づいて、干渉縞パターン92の回転角又は周期等の特性を算出する。次に、主制御系70は、その干渉縞パターン92の特性を補償するために、一例として干渉縞パターン92を回転するように駆動系72(補正装置の一部)を介して図1の透光性平板P1及びP2を回転する。このため、駆動系72には、計測情報処理系74及び主制御系70を介して図1のレーザ干渉計82及び86で計測される透光性平板P1及びP2の位置情報も供給されており、駆動系72は、主制御系70から指示された駆動量に基づいて、図1のアクチュエータ80A及び80Bを介して透光性平板P1及びP2を駆動する。なお、その代わりにウエハステージ38を介してウエハWを回転させてもよい。
また、その干渉縞パターンの特性としての周期を補正するために、主制御系70は、図1のレンズ駆動機構31a,31b,33a,33bで第4のレンズ群29,30,32,35の焦点距離又は焦点位置を制御することにより、照明光IL10の収束発散状態を可変とするとともに、必要に応じてZレベリング機構38Zを介してウエハWのZ位置を制御する。
なお、アライメント及び露光に際しては、予め図8のウエハマーク検出機構43の検出中心44と干渉縞パターン92の中心である露光中心との間隔(ベースライン量)を計測して記憶しておく必要がある。そのため、予め基準マーク93A及び93Bの中心がウエハマーク検出機構43の検出中心44に合致するときのウエハステージ38のX座標、Y座標の値(AX1,AY1)が計測されて、図9のアライメント情報処理系73内の記憶部に記憶されている。そして、一例としてウエハステージ38を駆動して図1の光軸AX2付近に計測格子95Aの中心を移動した後、図9の干渉縞パターン92に対して計測格子95Aを+X方向に移動して光電検出器101の検出信号が最初にピークとなるときのウエハステージ38のX座標及びY座標を、干渉縞パターン92の露光中心の座標(EX1,EY1)とみなす。
この場合、座標(EX1,EY1)と座標(AX1,AY1)との差分を、上記の基準マーク93A,93Bに対する計測格子95AのX方向へのオフセット量ΔIAXで補正することによって、ウエハマーク検出機構43のベースライン量(BEX,BEY)を求めることができる。このベースライン量(BEX,BEY)は主制御系70に供給される。ウエハマーク検出機構43を介して計測されるウエハW上の各ショット領域の座標をそのベースライン量で補正することによって、ウエハW上の各ショット領域を干渉縞パターン92の露光領域に正確に移動することができる。
次に、本例の露光装置のアライメント動作及び露光動作の一例につき図10のフローチャートを参照して説明する。以下の説明では、干渉縞パターン92の回転角や周期を計測する際の干渉縞パターン92の形状はほぼ円形であるとしているが、その形状は図7に示すような矩形状でもよいことは言うまでもない。
先ず、干渉縞パターン92を形成する照明光が照射されていない状態で、図10のステップ200において、図8のウエハマーク検出機構43を用いて、ウエハW上の複数のマーク、一例として、ウエハW上から選択された同一直線上にない3個のショット領域を含む複数のショット領域SAに付設されたX軸及びY軸のウエハマーク(アライメントマーク)の座標を計測する。具体的に、ウエハマーク検出機構43は、計測対象のウエハマークの検出中心44からのX方向、Y方向への位置ずれ量を検出し、この検出結果を図9のアライメント情報処理系73に供給する。アライメント情報処理系73では、その位置ずれ量にそのときのウエハステージ38のX方向、Y方向の位置を加算することによって、そのウエハマークのX座標、Y座標を求める。
先ず、干渉縞パターン92を形成する照明光が照射されていない状態で、図10のステップ200において、図8のウエハマーク検出機構43を用いて、ウエハW上の複数のマーク、一例として、ウエハW上から選択された同一直線上にない3個のショット領域を含む複数のショット領域SAに付設されたX軸及びY軸のウエハマーク(アライメントマーク)の座標を計測する。具体的に、ウエハマーク検出機構43は、計測対象のウエハマークの検出中心44からのX方向、Y方向への位置ずれ量を検出し、この検出結果を図9のアライメント情報処理系73に供給する。アライメント情報処理系73では、その位置ずれ量にそのときのウエハステージ38のX方向、Y方向の位置を加算することによって、そのウエハマークのX座標、Y座標を求める。
その後、アライメント情報処理系73は、それらのウエハマークのX座標、Y座標の計測値に基づいて、例えば特公平4−47968号公報で開示されているエンハンスト・グローバル・アライメント(EGA)方式でウエハW上の全部のショット領域の配列座標を計算するための、X方向へのオフセットXoff、Y方向へのオフセットYoff、ショット配列のローテーション(回転角)Θ、X方向へのスケーリング(線形伸縮量)kx、及びY方向へのスケーリング(線形伸縮量)kyを含むショット配列のパラメータを求める。これらのパラメータは主制御系70に供給され、そのオフセットXoff、Yoffは上述のベースライン量(BEX,BEY)を用いて補正される。
なお、ショット配列及び以下の干渉縞の回転角は、+Z方向から見たときに反時計周りの方向の符号を+とする。また、スケーリングkx,kyは線形伸縮が無いときに1であり、X方向の線形伸縮がない状態(kx=1)で、図8のウエハW上に周期T20の干渉縞パターンが露光されるときに重ね合わせ精度が最良になるように設定されているものとする。このようにX方向の線形伸縮がない状態では、ウエハW上のショット領域SAのX方向の配列周期は、周期T20の整数倍である。
次のステップ201において、例えば図1の視野絞り22を用いてウエハW以外の領域に照明光IL10を照射して、図11(A)に示すように、明部92a及び暗部92bをほぼX方向に周期T3で配置してなる干渉縞パターン92を形成する。説明の便宜上、図11〜図13においてその干渉縞パターン92は円形領域に分布しているが、実際には、その干渉縞パターン92はウエハWを露光しないように一部が欠けている。また、干渉縞パターン92の周期T3は露光波長程度であるが、図11〜図13では説明の便宜上大きく表示されている。
次のステップ202において、図11(A)に示すように、干渉縞パターン92上のY方向に間隔LY1だけ離れた2箇所の計測点Q1及びQ2に図8の干渉縞計測系41の計測格子95Aを順次移動して、それぞれ干渉縞パターン92のX方向の位置を計測し、この計測結果を図9の主制御系70に供給し、主制御系70ではその2つのX方向の位置を間隔LY1で割ることによって干渉縞パターン92の回転角θ1を求める。この際に、計測点Q1及びQ2における干渉縞パターン92のX方向の位置は、±1/2周期以上に変化しないようにその間隔LY1が設定されている。
次のステップ203において、ウエハW上のY方向のショット配列に対して干渉縞パターン92の周期方向に直交する方向を平行にするために(干渉縞パターンの回転角を補償(補正)するために)、主制御系70は、ステップ200で求められたショット配列のローテーションΘと、ステップ202で求めた干渉縞パターン92の回転角θ1とを用いて、干渉縞パターン92の必要な回転角θ2(=Θ−θ1)を求める。そして、主制御系70は、駆動系72を介して図1の透光性平板P1及びP2をそれぞれθ2だけ回転して、その干渉縞パターン92をθ2だけ回転する。
次のステップ204において、図11(B)に示すように、回転後の干渉縞パターン92上のY方向に間隔LY2(>LY1)だけ離れた2箇所の計測点Q1及びQ3に図8の干渉縞計測系41の計測格子95Aを順次移動して、干渉縞パターン92のX方向の位置をそれぞれ計測し、この計測結果を図9の主制御系70に供給する。主制御系70ではその2つのX方向の位置を間隔LY2で割ることによって干渉縞パターン92の残存する回転角θ3を求める。この回転角θ3は、ショット配列のローテーションΘに近い値である。なお、間隔LY2についても、計測点Q1及びQ3における干渉縞パターン92のX方向の位置が、±1/2周期以上に変化しないように設定されている。ただし、間隔LY2は、間隔LY1以下であってもよい。
次のステップ205において、ステップ203と同様に、主制御系70は、ショット配列のローテーションΘと、計測された干渉縞パターン92の回転角θ3とを用いて、干渉縞パターン92の必要な回転角θ4(=Θ−θ3)を求める。そして、主制御系70は、駆動系72を介して干渉縞パターン92をθ4だけ回転する。これによって、ウエハW上のY方向のショット配列に対して干渉縞パターン92の周期方向に直交する方向が高精度に平行になり、重ね合わせ精度が向上する。なお、ステップ203、205においては、干渉縞パターン92を回転する代わりに、図8のウエハステージ38を用いてウエハWを逆方向に回転してもよい。
次のステップ206において、図12(A)に示すように、干渉縞パターン92上のX方向に間隔LX1だけ離れた2箇所の計測点Q4及びQ5に図8の干渉縞計測系41の計測格子95Aを順次移動して、それぞれ干渉縞パターン92のX方向の位置を計測し、この計測結果を図9の主制御系70に供給する。その間隔LX1は干渉縞パターン92の設計上の周期のM1倍(M1は整数)であるとともに、そのM1の値は、その計測点Q4及びQ5の間にある干渉縞パターン92の実際の周期T3の数(=LX1/T3)が、(M1−1/2)から(M1+1/2)の間に入るように、即ちあまり大きくならないように設定される。そして、主制御系70ではその2つの計測点におけるX方向の位置の差分を設計上の周期T3で割って端数mを求めた後、その間隔LX1を周期の数(M+m)で割ることによって干渉縞パターン92の周期T3を求める。
次のステップ207において、ステップ200で求めたウエハWのショット配列のスケーリングkxに合わせて、干渉縞パターン92の周期T3をT3Aに補正する。この場合、スケーリングkxが1のときに干渉縞パターン92の周期はT20となるべきであるため、X方向の重ね合わせ精度を最良にするための、干渉縞パターン92の周期T3Aは次のようにもとの周期T3のkx1倍となる。
kx1=T3A/T3=kx・T20/T3 …(10)
具体的に主制御系70は、式9における係数kの代わりに式10の係数kx1を代入して、図1の透光性平板P1に照射される照明光IL10のテレセントリシティの補正、及びウエハステージ38を介したウエハの高さの補正によって、干渉縞パターン92のX方向の周期をkx1倍に伸縮する。一例としてkx1が1より小さいとすると、干渉縞パターン92は図12(B)に示すようにX方向に収縮される。
具体的に主制御系70は、式9における係数kの代わりに式10の係数kx1を代入して、図1の透光性平板P1に照射される照明光IL10のテレセントリシティの補正、及びウエハステージ38を介したウエハの高さの補正によって、干渉縞パターン92のX方向の周期をkx1倍に伸縮する。一例としてkx1が1より小さいとすると、干渉縞パターン92は図12(B)に示すようにX方向に収縮される。
次のステップ208において、図12(B)に示すように、干渉縞パターン92上のX方向に間隔LX2(>LX1)だけ離れた2箇所の計測点Q4及びQ6に図8の干渉縞計測系41の計測格子95Aを順次移動して、干渉縞パターン92のX方向の位置を計測し、この計測結果を図9の主制御系70に供給する。なお、間隔LX2は間隔LX1以下でもよい。その間隔LX2も干渉縞パターン92の設計上の周期のM2倍(M2は整数)であり、ステップ206と同様に、主制御系70ではその2つの計測点におけるX方向の位置の差分を設計上の周期(ここではT3Aに等しい)で割って端数m’を求めた後、その間隔LX2を周期の数(M2+m’)で割ることによって干渉縞パターン92の周期T3Aをより高精度に求める。
次のステップ209において、ステップ200で求めたウエハWのショット配列のスケーリングkxに合わせて、ステップ207と同様に干渉縞パターン92の周期T3Aを補正する。この場合も、X方向の重ね合わせ精度を最良にするための、干渉縞パターン92の周期は式10と同じくもとの周期T3のkx1倍となるが、係数kx1の精度は向上している。
次のステップ210において、ステップ209で補正された干渉縞パターン92の周期を用いて、干渉縞パターン92とウエハW上のショット領域との重ね合わせ精度が最良となる露光位置に図8のウエハWを移動した後、図1の視野絞り22によって照明領域を設定して、照明光IL10の照射を開始して、干渉縞パターンでウエハWを露光する。これでウエハWの露光が終了する。本例では、上記のように干渉縞パターン92の回転角及び周期をウエハW上のショット配列に合わせて補正しているため、ウエハW上の各ショット領域に既に形成されている回路パターンと干渉縞パターン92との重ね合わせ精度が向上している。
なお、図10の動作において、ステップ202〜205の回転角の補正動作とステップ206〜209の周期の補正動作との一方を省略することも可能である。また、ステップ202〜205の回転角の補正動作中の2回目の回転角の補正動作(ステップ204及び205)、及びステップ206〜209の周期の補正動作中の2回目の周期の補正動作(ステップ208及び209)を省略することも可能である。
また、図10のステップ202及び206の干渉縞パターン92の回転角及び周期を計測する動作を、図13に示すように同時に行うことも可能である。
図13は、干渉縞パターン92の一例を示し、この図13において、干渉縞パターン92上に同一直線上に無い3個の計測点Q8、Q12、Q11を含む6個の計測点Q7,Q8,Q9,Q10,Q11,Q12を設定する。なお、計測点の個数は3個以上の任意の個数でよい。この際に、例えば最も−X方向の計測点Q7を基準とした場合、その他の計測点Q8〜Q12で計測されるX方向の位置は、予測される計測値に対してそれぞれ±1/2周期を超えないように設定される。
図13は、干渉縞パターン92の一例を示し、この図13において、干渉縞パターン92上に同一直線上に無い3個の計測点Q8、Q12、Q11を含む6個の計測点Q7,Q8,Q9,Q10,Q11,Q12を設定する。なお、計測点の個数は3個以上の任意の個数でよい。この際に、例えば最も−X方向の計測点Q7を基準とした場合、その他の計測点Q8〜Q12で計測されるX方向の位置は、予測される計測値に対してそれぞれ±1/2周期を超えないように設定される。
次に、図8のウエハステージ38を駆動して、それらの計測点Q7〜Q12に干渉縞計測系41の計測格子95Aを順次移動して、それぞれ干渉縞パターン92のX方向の位置を計測し、この計測結果を図9の主制御系70に供給する。主制御系70では、一例としてその6個の計測点での計測値を用いて最小自乗法によって干渉縞パターン92の回転角θE及びX方向の周期T3を決定する。その後、図10のステップ203及び207と同様の動作によって干渉縞パターン92の回転角及び周期が補正される。これによって、干渉縞パターン92の回転角θE及びX方向の周期T3の計測及び補正を効率的に行うことができる。
なお、この後、再び図13に示す計測点Q7〜Q12における干渉縞パターン92の位置の計測、回転角及び周期の計算、並びにそれらの補正を繰り返してもよい。これによって、残存する回転角の誤差や周期の誤差が補正されて、重ね合わせ精度が向上する。
なお、上記の実施形態では、露光及び計測対象の干渉縞は一方向に周期性を持つ1次元の干渉縞パターンであったが、露光及び計測対象の干渉縞は2方向(例えば直交する2方向)に周期性を持つ2次元の干渉縞パターンであってもよい。このように2次元の干渉縞パターンの位置計測を行う場合には、例えば図8の干渉縞計測系41上に計測格子95Aを90°回転した形状の計測格子(以下、Y方向計測格子と言う。)をも形成しておき、このY方向計測格子の底面にも図9のレンズ100及び光電検出器101よりなる光電変換部を設けておけばよい。この場合、その2次元の干渉縞パターンの計測点でそのY方向計測格子をY方向に移動して、その光電変換部の検出信号がピークとなるときのウエハステージ38のY座標を求めることで、その2次元の干渉縞パターンのY方向の位置も計測することができ、複数の位置での計測値からそのY方向の周期を計測することができる。
なお、上記の実施形態では、露光及び計測対象の干渉縞は一方向に周期性を持つ1次元の干渉縞パターンであったが、露光及び計測対象の干渉縞は2方向(例えば直交する2方向)に周期性を持つ2次元の干渉縞パターンであってもよい。このように2次元の干渉縞パターンの位置計測を行う場合には、例えば図8の干渉縞計測系41上に計測格子95Aを90°回転した形状の計測格子(以下、Y方向計測格子と言う。)をも形成しておき、このY方向計測格子の底面にも図9のレンズ100及び光電検出器101よりなる光電変換部を設けておけばよい。この場合、その2次元の干渉縞パターンの計測点でそのY方向計測格子をY方向に移動して、その光電変換部の検出信号がピークとなるときのウエハステージ38のY座標を求めることで、その2次元の干渉縞パターンのY方向の位置も計測することができ、複数の位置での計測値からそのY方向の周期を計測することができる。
なお、図1の例においては、第1の回折格子G11及び第2の回折格子G21はそれぞれ位相変調型回折格子であるとしたが、両回折格子の構成は、これに限るものではない。例えば、いずれの回折格子も、ハーフトーン位相シフトレチクル(Attenuated Phase Shift Mask)の如く、透過光の位相及び強度の双方を変調する回折格子を用いることもできる。また、第1の回折格子を位相変調型回折格子として、第2の回折格子を強度変調型回折格子としてもよい。
図14は、図1において、第1の透光性平板P1の+Z方向側(光源側)の面にX方向に周期T1の位相変調型の第1の回折格子G11,G12を形成し、第2の透光性平板P2の−Z方向側(ウエハW側)に周期T2(ここではT1/2に等しい)の強度変調型の第2の回折格子G21Aを形成した場合を示している。
以下、図14を用いて、照明光IL10の第1の回折格子G11,G12及び第2の回折格子G21Aへの照射により、ウエハW上に干渉縞の明暗パターンが形成される原理について説明する。
以下、図14を用いて、照明光IL10の第1の回折格子G11,G12及び第2の回折格子G21Aへの照射により、ウエハW上に干渉縞の明暗パターンが形成される原理について説明する。
図14において、照明光IL10が照射されると、第1の回折格子G11,G12からは、+1次回折光LPと−1次回折光LMの2本の回折光が発生し、第1の透光性平板P1を透過して第2の透光性平板P2に入射する。続いて、+1次回折光LPと−1次回折光LMとは、第2の透光性平板P2のウエハW側の表面に設けられた第2の回折格子G21Aに照射される。両回折光は対称であるため、以下+1次回折光LPについてのみ説明する。
+1次回折光LPは、第1の回折格子G11,G12の周期T1により、第2の回折格子G21Aに対して鉛直な方向(法線方向)から所定の角度だけ傾いて第2の回折格子G21Aへ入射する。+1次回折光LPが第2の回折格子G21Aに照射されると、第2の回折格子G21Aからも回折光が発生する。第2の回折格子G21Aが強度変調型の回折格子であることから、当該回折光は0次光を含む回折光となる。
ここで、当該各回折光の発生する角度方向は、照射される照明光(+1次回折光LP)の入射角の傾斜に応じて傾いたものとなる。即ち、第2の回折格子G21Aからは、照射された+1次回折光LPに平行な方向に進行する0次回折光LP0と、第2の回折格子G21AのX方向の周期T2に応じて回折される−1次回折光LP1とが発生する。
なお、第2の回折格子G21Aの周期T2が、上記周期T1及び波長との関係で決まる所定の値より大きい場合には、不図示の+1次回折光も発生する可能性がある。しかし、周期T2を、照明光の波長以下とすることで、実質的に不図示の+1次回折光の発生を防止することができる。
なお、第2の回折格子G21Aの周期T2が、上記周期T1及び波長との関係で決まる所定の値より大きい場合には、不図示の+1次回折光も発生する可能性がある。しかし、周期T2を、照明光の波長以下とすることで、実質的に不図示の+1次回折光の発生を防止することができる。
この結果、ウエハW上には、0次回折光LP0と−1次回折光LP1との2本の回折光が照射されることとなり、これらの回折光の干渉により干渉縞の明暗パターンが形成される。
なお、図14の構成では、一例として、第1の回折格子G11,G12と第2の回折格子G21Aとの間隔D1に対して、第2の回折格子G21AとウエハWの表面との間隔D2は小さく設定される。
なお、図14の構成では、一例として、第1の回折格子G11,G12と第2の回折格子G21Aとの間隔D1に対して、第2の回折格子G21AとウエハWの表面との間隔D2は小さく設定される。
なお、以上の例においては、第1の回折格子G11(又はG11,G12)と第2の回折格子G21(又はG21A)とはそれぞれ別の透光性平板上に形成されるものとしたが、両回折格子を同一の透光性平板上に形成することもできる。
図15は、第1の回折格子G13と第2の回折格子G14とを、それぞれ一つの透光性平板P3の光源側及びウエハW側に形成した例を示す図である。なお、本例においても、各回折格子の構造や製法は上述の例と同様である。また、レンズ35及びその上流の照明光学系も、上述の例と同様である。
図15は、第1の回折格子G13と第2の回折格子G14とを、それぞれ一つの透光性平板P3の光源側及びウエハW側に形成した例を示す図である。なお、本例においても、各回折格子の構造や製法は上述の例と同様である。また、レンズ35及びその上流の照明光学系も、上述の例と同様である。
なお、図15中の透光性平板P4は、第2の回折格子G14の汚染防止、及び第1の距離L1と第2の距離L2とをほぼ等しくするために設けているものである。また、一例として、図1のホルダ37Aによってその透光性平板P3と透光性平板P4とを一体的に保持することが可能であり、この場合、図1のホルダ36A及びその保持駆動機構は省略することが可能である。
また、第1の回折格子及び第2の回折格子は、いずれも透光性平板の表面にのみ設けられるものに限られるわけではない。
例えば、図16に示す如く、第2の回折格子G16は第2の透光性平板P6の表面に形成するものの、その上に薄い第3の透光性平板P7を貼り合わせ、第2の回折格子G16を実効的に透光性平板の内部に形成することもできる。なお、図16中の第2の透光性平板P5及び第1の回折格子G15は、図3に示したものと同様である。
例えば、図16に示す如く、第2の回折格子G16は第2の透光性平板P6の表面に形成するものの、その上に薄い第3の透光性平板P7を貼り合わせ、第2の回折格子G16を実効的に透光性平板の内部に形成することもできる。なお、図16中の第2の透光性平板P5及び第1の回折格子G15は、図3に示したものと同様である。
なお、これらの透光性平板P7等を使用する場合にも、第1の距離L1及び第2の距離L2は、一例として、透光性平板P5上の一点から生じた1対の回折光が、ウエハW上のほぼ同一の点上で交差するように設定される。
ところで、以上の例においては、第2の透光性平板P2とウエハWとの間には、空気が存在するものとしていたが、これに代わり、所定の誘電体を満たすこととしても良い。これにより、ウエハWに照射される照明光(回折光)の実質的な波長を、上記誘電体の屈折率分だけ縮小することができ、ウエハW上に形成される干渉縞の明暗パターンの周期T3を一層縮小することが可能となる。なお、そのためには、第2の回折格子G21の周期T2及び第1の回折格子G11の周期T1も、それに比例して縮小する必要があることは言うまでも無い。
ところで、以上の例においては、第2の透光性平板P2とウエハWとの間には、空気が存在するものとしていたが、これに代わり、所定の誘電体を満たすこととしても良い。これにより、ウエハWに照射される照明光(回折光)の実質的な波長を、上記誘電体の屈折率分だけ縮小することができ、ウエハW上に形成される干渉縞の明暗パターンの周期T3を一層縮小することが可能となる。なお、そのためには、第2の回折格子G21の周期T2及び第1の回折格子G11の周期T1も、それに比例して縮小する必要があることは言うまでも無い。
図17(A)は、これに適したウエハステージ38a等の例を示す図である。ウエハステージ38aの周囲には、連続的な側壁38b,38cが設けられ、側壁38b,38cで囲まれた部分には水等の液体56を保持可能となっている。これにより、ウエハWとホルダ37Aに保持された第2の透光性平板P2との間は水に満たされ、照明光の波長は、水の屈折率(波長193nmの光に対して1.46)だけ縮小される。
なお、給水機構54及び排水機構55も併設され、これにより側壁38b,38cで囲まれた部分には汚染の無い清浄な液体が供給されかつ排出される。
また、図17(B)に示す如く、ウエハステージ38aの側壁38d,38eの最上面を第1の透光性平板P1の下面より高くし、ホルダ36Aに保持された第1の透光性平板P1とホルダ37Aに保持された第2の透光性平板P2との間の空間にも液体を満たすこともできる。給液機構54a及び排液機構55bの機能は上述と同様である。
また、図17(B)に示す如く、ウエハステージ38aの側壁38d,38eの最上面を第1の透光性平板P1の下面より高くし、ホルダ36Aに保持された第1の透光性平板P1とホルダ37Aに保持された第2の透光性平板P2との間の空間にも液体を満たすこともできる。給液機構54a及び排液機構55bの機能は上述と同様である。
これにより、第1の回折格子G11からウエハWに至る全光路を、空気以外の誘電体で覆うことが可能となり、上述の照明光の実効波長λを、液体の屈折率分だけ縮小することが可能となる。そしてこれにより、一層微細な周期を有するパターンの露光が可能となる。
なお、第2の透光性平板P2とウエハWの間に満たす誘電体は水に限らず、他の誘電性液体であっても良いことは言うまでも無い。その場合、その誘電性液体の屈折率は、1.2以上であることが、干渉縞の明暗パターンの周期の縮小の点から好ましい。
なお、第2の透光性平板P2とウエハWの間に満たす誘電体は水に限らず、他の誘電性液体であっても良いことは言うまでも無い。その場合、その誘電性液体の屈折率は、1.2以上であることが、干渉縞の明暗パターンの周期の縮小の点から好ましい。
また、図17(A)、(B)ではウエハWが液体中に配置されるものとしたが、第2の透過性平板P2とウエハWとの間で、少なくとも干渉縞パターンの形成領域を含む所定領域が液体で満たされるようにその供給及び排出を行うようにしてもよい。このとき、特に走査型露光装置では、走査露光時に液体を走査方向に沿って流すようにしてもよいし、ウエハステージ38上でウエハWを囲む所定領域の表面の高さをウエハWの表面とほぼ一致させることが好ましい。さらに、第1及び第2の透過性平板P1、P2の間で、少なくとも照明光IL10の通過領域を含む所定領域を液体で満たすようにしてもよいし、特に走査型露光装置では走査方向に沿って液体を流してもよい。このとき、第2の透過性平板P2とウエハWとの間とは独立に、第1及び第2の透過性平板P1、P2の間で液体の供給及び排出を行うようにしてもよい。
なお、本例の露光装置では、各種透光性平板を光路に沿って近接して配置することになるため、その各表面での表面反射に伴う多重干渉による悪影響のおそれがある。そこで、本例においては、図1の光源1からの照明光IL1〜IL10として、その時間的な可干渉距離(光の進行方向についての可干渉距離)が、100[μm]以下の光を使用することが好ましい。これにより多重干渉に伴う不要な干渉縞の発生を避けることができる。
光の時間的な可干渉距離は、その光の波長をλ、その光の波長分布における波長半値幅をΔλとしたとき、概ねλ2/Δλ で表わされる距離である。従って、露光波長λがArFレーザからの193nmの場合には、その波長半値幅Δλが370pm以上程度である照明光IL1〜IL10を使用することが望ましい。
また、照明光IL1〜IL10の波長としても、より微細な干渉縞パターンIFを得るために200[nm]以下の照明光を使用する事が望ましい。
また、照明光IL1〜IL10の波長としても、より微細な干渉縞パターンIFを得るために200[nm]以下の照明光を使用する事が望ましい。
なお、上記の実施形態において、例えば図1のレーザ干渉計40,86,82等の移動鏡39,89,84は独立の部材としてウエハステージ38やホルダ36A,37Aに固定されているが、それらの移動鏡を用いることなく、ウエハステージ38の上端部の側面自体、及びホルダ36A,37Aの側面自体を鏡面加工して、これらの鏡面加工された反射面を移動鏡として使用しても良い。これは参照鏡91,89,85についても同様である。
なお、上記実施形態ではXY平面内での干渉縞パターンの位置を計測するものとしたが、例えばZ方向の異なる位置でそれぞれ計測格子95Aを移動して得られる光電検出器101の検出信号に基づき、干渉縞パターンのコントラストが最も高いZ方向の位置を決定し、この決定した位置にウエハWを配置して干渉縞パターンの転写を行うようにしてもよい。また、上記実施形態では不図示のウエハ表面位置検出系を用いて計測格子95AやウエハWのZ方向の位置や傾斜を調整するものとしたが、ウエハ表面位置検出系の代わりに、第2の透過性平板P2(またはホルダ37A)とウエハステージ38とのZ方向の相対位置を複数点で計測するセンサ(例えばレーザ干渉計など)を用いてもよい。
また、干渉縞パターンを形成する露光装置(特に照明光学系IS、及び透過性平板P1、P2)の構成は上記実施形態に限られるものでなく、干渉縞パターンを形成する干渉露光方式の露光装置なら本発明を適用することができる。
上記の如くして干渉縞による明暗パターンの露光されたウエハWは、不図示のウエハローダーにより露光装置外に搬送され、現像装置に搬送させる。現像により、ウエハW上のフォトレジストには、露光された明暗パターンに応じたレジストパターンが形成される。そして、エッチング装置において、このレジストパターンをエッチングマスクとして、ウエハW又はウエハW上に形成された所定の膜をエッチングすることにより、ウエハWに所定のパターンが形成される。
上記の如くして干渉縞による明暗パターンの露光されたウエハWは、不図示のウエハローダーにより露光装置外に搬送され、現像装置に搬送させる。現像により、ウエハW上のフォトレジストには、露光された明暗パターンに応じたレジストパターンが形成される。そして、エッチング装置において、このレジストパターンをエッチングマスクとして、ウエハW又はウエハW上に形成された所定の膜をエッチングすることにより、ウエハWに所定のパターンが形成される。
半導体集積回路、フラットパネルディスプレイ、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等の電子デバイスの製造工程は、上記の如き微細パターンを多数層に亘って形成する工程を含む。本発明の露光装置による上記露光方法を、そのような多数回のパターン形成工程の中の少なくとも1つの工程に使用して、電子デバイスを製造することができる。
また、上記少なくとも1つの工程において、本発明の露光装置による上記露光方法を用いて干渉縞による明暗パターンを露光したウエハW上のフォトレジストPRに対し、一般的な投影露光装置により所定形状のパターンを合成露光して、合成露光されたフォトレジストPRを現像し、上記パターン形成を行なうこともできる。
また、上記少なくとも1つの工程において、本発明の露光装置による上記露光方法を用いて干渉縞による明暗パターンを露光したウエハW上のフォトレジストPRに対し、一般的な投影露光装置により所定形状のパターンを合成露光して、合成露光されたフォトレジストPRを現像し、上記パターン形成を行なうこともできる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
本発明の露光方法及び装置は、半導体集積回路、フラットパネルディスプレイ、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等の電子デバイスの製造工程において使用することができる。
1…光源、2,3,4,6…第1のレンズ群レンズ、10…集光光学系、13…フライアイレンズ、17…照明開口絞り、29,30,32,35…第4のレンズ群レンズ、P1…第1の透光性平板、P2…第2の透光性平板、36A…第1ホルダ、37A…第2ホルダ、W…基板(ウエハ),38…ウエハステージ,40…レーザ干渉計、41…干渉縞計測系、G11…第1の回折格子、G21…第2の回折格子、IL1〜IL10…照明光
Claims (29)
- 光源からの照明光により感光性の基板上にパターンを露光する露光方法であって、
対向して配置した第1回折格子及び第2回折格子に対し、前記第1回折格子側から前記照明光を照射し、前記第2回折格子の前記第1回折格子とは反対側に、第1方向に周期性を有する干渉縞を形成する第1工程と、
前記干渉縞上の所定方向に第1間隔だけ離れた2箇所の位置で前記干渉縞の前記第1方向の位置を計測して、前記干渉縞の特性を求める第2工程と、
前記第2工程で求められた前記干渉縞の特性を補償する第3工程と、
前記基板上に前記干渉縞のパターンを露光する第4工程とを有することを特徴とする露光方法。 - 前記第3工程に続いて、前記干渉縞上の前記所定方向又は該所定方向に交差する方向に第2間隔だけ離れた2箇所の位置で前記干渉縞の前記第1方向の位置を計測して、前記干渉縞の特性を求める第5工程と、
前記第5工程で求められた前記干渉縞の特性を補償する第6工程とをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の露光方法。 - 前記第2工程における前記所定方向は前記第1方向に直交する方向であり、前記干渉縞の特性は、前記干渉縞の回転角を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の露光方法。
- 前記第3工程は、前記干渉縞の回転角を補正するために、前記第1回折格子及び前記第2回折格子の少なくとも一方を回転する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の露光方法。
- 前記第3工程は、前記干渉縞の回転角を補償するために、前記基板を回転する工程を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の露光方法。
- 前記第2工程における前記所定方向は前記第1方向であり、前記干渉縞の特性は、前記干渉縞の前記第1方向の周期を含み、
前記第3工程は、前記第2工程で求められた前記干渉縞の周期を補正する工程を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の露光方法。 - 前記第3工程は、前記干渉縞の周期を補正するために、前記第1回折格子に対する前記照明光のテレセントリシティを制御する工程と、前記基板の高さを制御する工程との少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項6に記載の露光方法。
- 光源からの照明光により感光性の基板上にパターンを露光する露光方法であって、
対向して配置した第1回折格子及び第2回折格子に対し、前記第1回折格子側から前記照明光を照射し、前記第2回折格子の前記第1回折格子とは反対側に、第1方向に周期性を有する干渉縞を形成する第1工程と、
前記干渉縞上の同一直線上に無い3箇所の計測点を含む所定個数の計測点において、それぞれ前記干渉縞の前記第1方向の位置を計測して、前記干渉縞の特性を求める第2工程と、
前記第2工程で求められた前記干渉縞の特性を補償する第3工程と、
前記基板上に前記干渉縞のパターンを露光する第4工程とを有することを特徴とする露光方法。 - 前記第2工程で求める前記干渉縞の特性は、前記干渉縞の回転角及び前記第1方向の周期を含むことを特徴とする請求項8に記載の露光方法。
- 前記第2工程は、前記干渉縞と前記第1方向に周期的な計測格子との前記第1方向への相対移動に伴う前記計測格子からの透過光量の変化を用いて、前記干渉縞の位置を計測する工程を含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の露光方法。
- 前記第1回折格子は前記第1方向に前記干渉縞の前記第1方向の周期の2倍の周期を有する回折格子であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の露光方法。
- 前記第2回折格子は前記第1方向に前記干渉縞の前記第1方向の周期と等しい周期を有する回折格子であることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の露光方法。
- 前記第1回折格子は前記第1方向に直交する第2方向にも周期性を有する回折格子であり、前記第2回折格子は前記第2方向にも周期性を有する回折格子であることにより、前記干渉縞は前記第2方向にも周期性を有することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の露光方法。
- 前記第2工程は、前記干渉縞の前記第2方向の位置を計測する工程と、前記干渉縞の前記第2方向の周期を求める工程とを含むことを特徴とする請求項13に記載の露光方法。
- 前記照明光の波長が、200nm以下であることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の露光方法。
- 前記第4工程において、前記第2回折格子と前記基板との間の空隙、及び前記第1回折格子と前記第2回折格子との間の空隙の少なくとも一方に液体を満たした状態で、前記基板上に前記干渉縞によるパターンを露光することを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の露光方法。
- 前記感光性の基板上に予め形成されたパターンのパターン位置情報を計測する工程をさらに含み、
前記第4工程において、前記パターン位置情報を用いて、前記基板上の所定位置に前記干渉縞によるパターンを露光することを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の露光方法。 - パターン形成工程を有する電子デバイスの製造方法であって、
前記パターン形成工程において、請求項1から17のいずれか一項に記載の露光方法を用いることを特徴とするデバイス製造方法。 - 光源からの照明光を対向して配置される第1回折格子と第2回折格子とに照射することによって生成される第1方向に周期性を有する干渉縞によるパターンを、感光性の基板上に露光するための露光装置であって、
前記光源からの前記照明光を前記第1回折格子に照射するための照明光学系と、
前記基板を保持する基板保持機構と、
前記干渉縞上の所定方向に離れた複数の計測位置で、前記干渉縞の前記第1方向の位置を計測する位置計測機構と、
前記位置計測機構により計測された前記複数の計測位置での前記干渉縞の前記第1方向の位置に基づいて前記干渉縞の特性を求める演算装置と、
前記演算装置によって求められた前記干渉縞の特性を補償する補正機構とを備えたことを特徴とする露光装置。 - 前記所定方向は前記第1方向に直交する方向であり、
前記演算装置が求める前記干渉縞の特性は前記干渉縞の回転角を含み、
前記補正機構は、前記干渉縞の回転角を補償するために、前記第1回折格子又は前記第2回折格子の少なくとも一方を回転させる機構と、前記基板を回転する機構との少なくとも一方を有することを特徴とする請求項19に記載の露光装置。 - 前記所定方向は前記第1方向であり、
前記演算装置が求める前記干渉縞の特性は前記干渉縞の前記第1方向の周期を含み、
前記補正機構は、前記第1回折格子に対する前記照明光のテレセントリシティを制御する部材と、前記基板の高さを制御する高さ制御装置との少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項19に記載の露光装置。 - 前記位置計測機構は、前記第1方向に周期的な計測格子と、前記計測格子からの透過光を検出する光電検出器とからなる位置計測部材を有することを特徴とする請求項19から21のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記位置計測機構は、前記複数の計測位置に対応する複数の前記位置計測部材を有することを特徴とする請求項22に記載の露光装置。
- 前記位置計測機構は、前記位置計測部材と前記干渉縞とを前記所定方向に相対移動する移動機構を有することを特徴とする請求項22又は23に記載の露光装置。
- 前記第1回折格子は前記第1方向に前記干渉縞の前記第1方向の周期の2倍の周期を有する回折格子であり、
前記第2回折格子は前記第1方向に前記干渉縞の前記第1方向の周期と等しい周期を有する回折格子であることを特徴とする請求項19から24のいずれか一項に記載の露光装置。 - 前記第1回折格子は前記第1方向に直交する第2方向にも周期性を有する回折格子であり、前記第2回折格子は前記第2方向にも周期性を有する回折格子であることにより、前記干渉縞は前記第2方向にも周期性を有し、
前記位置計測装置は、前記干渉縞の前記第2方向の位置をも計測することを特徴とする請求項19から25のいずれか一項に記載の露光装置。 - 前記演算装置によって求められる前記干渉縞の特性に基づいて、前記干渉縞と前記基板との位置関係を所定の関係に設定する位置制御機構を有することを特徴とする請求項19から26のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記基板に予め形成されたパターンのパターン位置情報を計測する位置計測機構を有するとともに、前記位置制御機構は、前記パターン位置情報を用いて前記所定の関係の設定を行うことを特徴とする請求項27に記載の露光装置。
- 前記第1回折格子と前記第2回折格子との間の空隙、及び前記第2回折格子と前記基板との空隙の少なくとも一方に液体を充填する液体充填機構を有することを特徴とする請求項19から28のいずれか一項に記載の露光装置。
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JP2005206240A JP2007027336A (ja) | 2005-07-14 | 2005-07-14 | 露光方法及び装置、並びに電子デバイス製造方法 |
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