JP2007049049A - 露光方法及び装置、並びに電子デバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 照明光の波長程度以下の微細パターンを干渉縞を用いて安価に形成可能であるとともに、その干渉縞のコントラスト等の特性を効率的に調整できる露光技術を提供する。
【解決手段】 開口絞り17からの照明光を2枚の回折格子G11及びG21を介して照射することによって干渉縞IFを形成し、干渉縞IFでウエハを露光する。露光前に回折格子G11,G21を同方向に等しい角度で回転する工程と、回折格子G11,G21を所定角度比で回転する工程とを組み合わせて、開口絞り17の開口部18の長手方向と干渉縞IFの長手方向とが平行になり、かつ干渉縞IFのコントラストが最大になるようにする。
【選択図】 図6

Description

本発明は、半導体集積回路、フラットパネルディスプレイ装置、薄膜磁気ヘッド、及びマイクロマシン等の電子デバイス製造工程における微細パターンの形成工程で使用される露光技術及び該露光技術を用いるデバイス製造技術に関する。
半導体集積回路等の電子デバイスの製造工程における微細パターンの形成に際しては、一般的にフォトリソグラフィー技術が使用される。これは、ウエハ等の被加工基板の表面にフォトレジスト(感光性薄膜)を塗布する塗布工程、形成すべきパターンの形状に応じた光量分布を有する露光用の照明光を被加工基板に照射する露光工程、現像工程、及びエッチング工程等により、被加工基板上に所望のパターンを形成するものである。
現状で最先端の電子デバイスを製造するための露光工程においては、露光方法として、主に投影露光方法が使用されている。これは、レチクル等のマスク上に形成すべきパターンを4倍又は5倍に拡大して形成しておき、これに露光用の照明光を照射し、その透過光を縮小投影光学系を用いて被加工基板上に露光することで、そのパターンを被加工基板上に転写するものである。
投影露光方法で形成可能なパターンの微細度は縮小投影光学系の解像度で決まり、これは露光波長を投影光学系の開口数(NA)で割った値にほぼ等しい。従って、より微細な回路パターンを形成するためには、露光波長の短波長化又は投影光学系の高NA化が必要である。
一方、例えば非特許文献1及び非特許文献2に開示される如く、光源と被加工基板との間に回折格子を配置し、照明光をこの回折格子に照射することによって発生する複数の回折光を被加工基板上で干渉させ、その干渉縞による明暗パターンを用いて被加工基板上に微細パターンを形成する方法(以下、干渉露光方法と呼ぶ)も提案されている。
J.M. Carter他: "Interference Lithography" http://snl.mit.edu/project_document/SNL-8.pdf Mark L. Schattenburg他: "Grating Production Methods" http://snl.mit.edu/papers/presentations/2002/MLS-Con-X-2002-07-03.pdf
上述の従来の露光方法のうち投影露光方法においては、より高解像度を得るには、より短波長の露光光源又はより高NAの投影光学系が必要になる。
しかしながら、現在最先端の露光装置では、露光波長は193nmに短波長化されており、今後の一層の短波長化は使用可能なレンズ材料の観点から困難な状況にある。また、現在最先端の投影光学系のNAは0.92程度に達しており、これ以上の高NA化は困難な状況にあるとともに、露光装置の製造コストを大幅に上昇させる原因となる。
一方、従来の露光方法のうちの干渉露光方法では、原理的には、露光波長以下の微細なパターンの露光を、比較的安価な装置で実現できる利点がある。しかしながら、従来はその干渉縞のコントラストや回転角等の特性を効率的に調整するための具体的な方法は検討されていなかった。
また、例えばその干渉縞の照明領域が被加工基板よりも狭い場合に、その被加工基板の全面にその干渉縞を露光するためには、その干渉縞とその被加工基板とを相対走査する必要がある。この場合、干渉縞の長手方向とその被加工基板を駆動するステージの走り方向との調整方法についても、従来は具体的な方法は検討されていなかった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、微細パターン、例えば照明光の波長程度以下の線幅のパターンを、干渉縞を用いて形成する場合に、その干渉縞のコントラスト等の特性を効率的に調整できる露光技術を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、干渉縞の長手方向とその干渉縞が露光される物体との相対移動の方向を効率的に調整できる露光技術を提供することを特徴とする第2の目的とする。
また、本発明は、上記露光技術を用いた電子デバイス製造技術を提供することをも目的とする。
以下の本発明の一部の要素に付した括弧付き符号は、本発明の実施形態の構成に対応するものである。しかしながら、各符号はその要素の例示に過ぎず、本発明の要素をその実施形態の構成に限定するものではない。
本発明による第1の露光方法は、第1格子(G11)及び第2格子(G21)が対向して配置され、その第1格子側から照明光を照射し、その第2格子の近傍に、第1方向に周期性を有する干渉縞を形成して、感光性基板上にその干渉縞を露光する露光方法であって、その干渉縞の特性を計測する第1工程と、その干渉縞の特性に基づいて、その第1格子と第2格子との回転関係を調整する第2工程とを含むものである。
本発明によれば、2枚の格子を介して所定の物体上に干渉縞のパターンを露光することによって、投影光学系を用いる場合に比べて安価に、照明光の波長程度以下の線幅の微細パターンを形成できる。また、干渉縞の特性に基づいて2枚の格子の回転関係を調整することによって、その干渉縞のコントラスト等の特性を効率的に調整できる。
本発明において、一例として、その第1格子に照射するその照明光の入射角度分布は、その第1方向の入射角度範囲をその第2方向の入射角度範囲より小さいものとすることができる。
本発明において、一例として、その第2工程は、その第1格子とその第2格子とを、同方向に同量回転する工程を含む。
また、別の例として、その第2工程は、その第1格子とその第2格子とを、2:−1の角度比で回転する工程を含む。
また、一例として、その第1工程は、その第1方向に直交する第2方向からのその干渉縞の長手方向のずれ量を計測する工程を含み、その第2工程は、その第1格子とその第2格子とを、同方向に同量回転する工程と、その第1格子とその第2格子とを、2:−1の角度比で回転する工程とを含む。
また、その第1格子に入射するその照明光の入射角度分布のうちの、その第2方向への入射角度範囲をそれぞれ異ならせて、その第1工程、及びその第2工程を複数回実行してもよい。
また、一例として、その照明光のその第1格子への入射角度分布は、その第1方向の入射角度範囲が、その第2方向の入射角度範囲より小さく、その第1工程及びその第2工程は、その照明光のその入射角度分布を、その第1格子の法線方向を回転中心として回転調整する工程を含むことができる。
次に、本発明の第2の露光方法は、第1方向に周期性を有する第1格子(G11)及び第2格子(G21)が対向して配置され、その第1格子側から照明光を照射し、その第2格子の近傍に、その第1方向に周期性を有する干渉縞を形成して、その干渉縞を露光する露光方法であって、その第1格子に照射するその照明光の入射角度分布は、その第1方向の入射角度範囲が、その第2方向の入射角度範囲より小さいとともに、その第1格子及びその第2格子の代わりに、その照明光の光路上に小開口(102a)の形成された基板(102)を配置する第1工程と、その小開口を通過するその照明光の入射角度分布の長手方向を計測する第2工程とを有するものである。
本発明によれば、その第2工程で計測される長手方向がその照明光の入射角度分布の長手方向に平行であり、その長手方向をその干渉縞の長手方向とすることで、その干渉縞のコントラストが最大になる。また、干渉縞の長手方向に露光対象の物体を相対移動することで、その物体上の広い範囲に干渉縞パターンを露光できる。従って、その第2工程で計測される長手方向を用いることによって、その干渉縞の長手方向とその干渉縞が露光される物体との相対移動の方向を効率的に調整できる。
本発明において、その第2工程に続いて、その干渉縞が露光される物体を駆動するステージの走り方向をその第2工程で求められた光量分布の長手方向に基づいて補正する第3工程を有してもよい。
また、一例として、その第1格子の周期はその第2格子の周期の自然数分の2倍である。
また、一例として、その第1格子及びその第2格子の周期方向がそれぞれその第1方向に平行となっている状態で、その干渉縞は、その第1方向にその第2格子の周期の自然数分の1の周期を持つ。
また、その干渉縞のパターンを物体上に露光する際に、その第2格子とその物体との間の空隙、及びその第1格子とその第2格子との間の空隙の少なくとも一方に液体を満たしてもよい。
次に、本発明による電子デバイス製造方法は、パターン形成工程を有する電子デバイスの製造方法であって、そのパターン形成工程において、本発明の露光方法を用いるものである。
次に、本発明による露光装置は、第1格子(G11)及び第2格子(G21)が対向して配置され、その第1格子側から照明光を照射し、その第2格子の近傍に、第1方向に周期性を有する干渉縞を形成して、その干渉縞を感光性基板上に露光する露光装置であって、その干渉縞の特性を計測する特性計測装置(41)と、その特性計測装置で計測される特性に基づいて、その第1格子と第2格子との回転関係を調整する回転機構(80A,80B,82,86)とを備えたものである。本発明によれば、本発明の露光方法を使用できる。
本発明において、一例として、その照明光のその第1格子への入射角度分布を、その第1方向の入射角度範囲を、その第2方向の入射角度範囲より小さく設定し、その第2方向の入射角度範囲が可変である照明光学系(IS)を備え、その特性計測装置は、その干渉縞のコントラストを計測するコントラスト計測機構を含むものである。
この場合、一例として、そのコントラスト計測機構は、その第1方向に周期的な計測格子(95A)と、その干渉縞とその計測格子とが重なった状態でその計測格子からの透過光量を検出する光電検出器(101)と、その干渉縞とその計測格子とをその第1方向に相対移動する機構(38)とを含む。
また、そのコントラスト計測機構の計測結果に基づいて、その回転機構を介してその第1格子とその第2格子とを2:−1の角度比で回転する制御装置(70)をさらに備えてもよい。
また、一例として、その特性計測装置は、その干渉縞のその第1方向の位置を計測する位置計測機構を含むとともに、その干渉縞の複数の位置におけるその位置計測機構の計測結果に基づいて、その干渉縞の周期方向に直交する方向を計測するとともに、該計測結果に基づいて、その回転機構を介してその第1格子とその第2格子とを同方向に等しい角度回転してもよい。
また、その干渉縞とその感光性基板とをその第2方向に相対走査するステージ機構(38)をさらに備えてもよい。
また、その第1格子とその第2格子との間の空隙、及びその第2格子とその干渉縞が露光される感光性基板との空隙の少なくとも一方に液体を充填する液体充填機構(54,55)を備えてもよい。
本発明の第1の露光方法によれば、2つの格子を介して形成される干渉縞で物体(被加工基板)を露光することによって、照明光の波長程度以下の線幅の微細パターンを安価に形成することができる。また、その干渉縞の特性に基づいて、その2つの格子の回転関係を調整するか、又はその2つの格子の同方向で等しい角度の回転と所定角度比の回転とを組み合わせることによって、その干渉縞のコントラスト等の特性を効率的に調整できる。
本発明の第2の露光方法によれば、照明光の波長程度以下の線幅の微細パターンを安価に形成できるとともに、第1格子に照射される照明光の入射角度分布を容易に計測できるため、干渉縞の長手方向とその干渉縞が露光される物体との相対移動の方向を効率的に調整できる。
以下、本発明の好ましい実施形態の一例につき図面を参照して説明する。
図1は、本例の露光装置の概略構成を示す図である。なお、図1中に示したXYZ座標系と、以降の各図で示す座標系とは同一である。図1において、光源1としては波長193nmのパルスレーザビームよりなる照明光IL1を出力するArF(アルゴン・フッ素)エキシマーレーザが使用されている。光源1としては、その他に発振波長248nmのKrF(クリプトン・フッ素)エキシマーレーザ、発振波長157nmのF2 (フッ素ダイマー)レーザ、又は波長変換素子を使用する高調波レーザ等も使用できる。
光源1を発した照明光IL1は、第1の光軸AX1に沿って配置される第1のレンズ群を構成するレンズ2,3,4,6により、所定のビームサイズを有する平行光線束(平行ビーム)である照明光IL2に変換される。
照明光IL2は、偏光制御素子9により所定の偏光状態に設定された照明光IL3となり、照明光均一化手段の一部を構成する集光光学系10に入射する。集光光学系10を射出した照明光IL5は、照明光均一化手段の一部を構成するオプチカルインテグレータ(ユニフォマイザ又はホモジナイザ)としてのフライアイレンズ13に入射する。フライアイレンズ13の射出側の面の近傍には、必要に応じて開口絞り17が配置される。
なお、集光光学系10、フライアイレンズ13、開口絞り17等からなる照明光均一化手段の詳細については後述する。
フライアイレンズ13を射出した照明光IL7は、第2の光軸AX2に沿って配置される第2のレンズ群を構成するレンズ19,20,21に入射し、これらのレンズで屈折されて照明光IL8となって視野絞り22(詳細後述)に達する。
視野絞り22を透過した照明光は、さらに第2の光軸AX2に沿って配置される第3のレンズ群を構成するレンズ25,26,27により屈折されて集光点28に至る。集光点28は、フライアイレンズ13の射出側の面上の1点と、第2のレンズ群(19,20,21)及び第3のレンズ群(25,26,27)を介して共役(結像関係)となっている。
集光点28を通過した照明光IL9は、さらに第4のレンズ群を構成するレンズ29,30,32,35により屈折されて照明光IL10となって第1の透光性平板P1に入射する。なお、以上の第1のレンズ群(2,3,4,5)から第4のレンズ群(29,30,32,35)に至るまでの照明光IL1〜IL10の光路上の光学部材を含む光学系を、以下では照明光学系ISという。この照明光学系ISは、第1の透光性平板P1が配置される面を所定の照射面とする照明光学装置とみなすこともできる。
以下、照明光学系ISの射出側の光軸AX2に沿って光源1側が+方向となるようにZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内にあって図1の紙面に平行な方向にX軸を、Z軸に垂直な平面内にあって図1の紙面に垂直な方向、すなわち上記Z軸及びX軸の双方に直交する方向にY軸を取って説明する。
第1の透光性平板P1の下方(−Z方向)には、第2の透光性平板P2が設けられる。第2の透光性平板P2は、パターンを形成すべき加工対象である半導体ウエハ等の基板W(以降、適宜ウエハともいう)に対向して配置される。第1の透光性平板P1には後述する第1の回折格子(第1格子)が形成されており、その第1の回折格子に照明光IL10が照射されることにより発生する回折光は、第2の透光性平板P2に照射される。第2の透光性平板P2には後述する第2の回折格子(第2格子)が形成されており、上記回折光はその第2の回折格子に照射されることになる。そして、第2の回折格子で発生した回折光はウエハWに照射され、ウエハW上に複数の回折光からなる干渉縞による明暗パターンが形成される。
ウエハWの表面には、上記明暗パターンを感光し記録するためのフォトレジスト等の感光部材PRを形成しておく。即ち、ウエハWは感光性の基板又は露光対象の物体とみなすことができる。ウエハWは、一例として直径が300mmの円板状であり、第2の透光性平板P2は一例としてウエハWの表面の全面を覆う直径の円板状とする。同様に第1の透光性平板P1も一例として第2の透光性平板P2の表面の全面を覆う直径の円板状とする。ただし、後述する様に、第2の透光性平板P2の直径は、ウエハWの直径よりも30mm程度以上大きいことが望ましい。なお、本例では透光性平板P1,P2は円板状であるが、透光性平板P1,P2をウエハWの表面を覆う程度の大きさの矩形の平板状としてもよい。
ウエハWは、ウエハベース50上をX方向及びY方向に可動な基板保持機構であるウエハステージ38上に保持され、これによりX方向及びY方向に可動となっている。ウエハステージ38及び不図示のリニアモータ等の駆動機構を含んでウエハステージ系が構成されている。また、ウエハWのX方向及びY方向の位置はウエハステージ38上に設けられた移動鏡39の位置を介してレーザ干渉計40により計測される。即ち、レーザ干渉計40からのレーザビームはビームスプリッタ(例えば偏光ビームスプリッタ)90によって計測ビームと参照ビームとに分割され、計測ビームは移動鏡39に照射され、参照ビームはミラーを介してコラム構造体75(位置基準となる基準フレーム)に固定された参照鏡91に照射される。そして、移動鏡39からの計測ビームと参照鏡91からの参照ビームとの干渉光をレーザ干渉計40で検出することによって、コラム構造体75を基準としてウエハステージ38のX方向、Y方向の位置を例えば1〜0.1nm程度の分解能で計測することができる。なお、レーザ干渉計40は実際には図8に示すように、2軸のX軸のレーザ干渉計40X1,40X2と3軸のY軸のレーザ干渉計40Y1,40Y2,40Y3とを表しており、移動鏡39も、X軸の移動鏡39X及びY軸の移動鏡39Yを表している。
図1において、ウエハベース50の+X方向の上方にウエハマーク検出機構43が配置されている。ウエハマーク検出機構43は、例えば光学顕微鏡からなりウエハW上に形成されている既存の回路パターンあるいは位置合わせマークの位置を検出するものである。ウエハステージ38上に保持されたウエハWは、必要に応じて露光前にウエハマーク検出機構43の直下に移動され、ウエハW上のパターン又はマークの位置が検出される。図8のY軸のレーザ干渉計40Y3の計測ビームは、Y軸に平行にウエハマーク検出機構43の検出中心を通過するように設定されており、レーザ干渉計40Y3は、例えばウエハWのアライメント時のウエハステージ38のY座標を計測するために使用される。
なお、ウエハWの表面の高さ分布を計測するために、一例としてウエハWの表面の複数の計測点に斜めにスリット像を投影する投射光学系と、ウエハWの表面からの反射光を受光してその複数のスリット像を再結像する受光光学系とを備え、その再結像された複数のスリット像の横ずれ量からその複数の計測点の所定の基準面(以下、第1の基準面という)からのZ方向の位置ずれ量を計測する斜入射方式のウエハ表面位置検出系(不図示)が、例えばウエハマーク検出機構43の近傍に配置されている。その斜入射方式の多点のウエハ表面位置検出系の具体的な構成については、例えば特開平05−129182号公報に開示されている。また、本例ではその第1の基準面は、XY平面に平行である。
本例のウエハステージ38にはウエハWのZ方向の位置とX軸及びY軸の周りの傾斜角(回転角)とを制御するZレベリング機構38Zも組み込まれており、そのウエハ表面位置検出系の計測結果に基づいてそのZレベリング機構38Zは、ウエハWの露光時にウエハWの表面の平均的な面をその第1の基準面に合致させる。Zレベリング機構38Zは、例えばウエハWを保持するテーブル部と、ほぼ正三角形の頂点付近に配置された3箇所でウエハステージ38のベース部に対してそのテーブル部のZ方向の高さを独立に制御する駆動部材とを備えている。
また、透光性平板P1及びP2は、それぞれY方向に見たときの断面がほぼU字型で中央部に照明光を通す円形開口が形成された第1のホルダ36A及び第2のホルダ37A上に真空吸着又は電磁吸着によって吸着保持されている。透光性平板P2は、ホルダ37Aを含む第2保持駆動機構によって、XY平面に平行に、かつウエハWと所定の間隔をもって対向して配置される。また、透光性平板P1は、ホルダ36Aを含む第1保持駆動機構によって、XY平面に平行に、かつ第2の透光性平板P2と所定の間隔をもって対向して配置される。さらに本例では、第1のホルダ36Aの透光性平板P1を保持する部分は、X方向において、第2のホルダ37Aの透光性平板P2を保持する部分内に収納されるように配置されている。このため、例えば透光性平板P1,P2を交換する必要があるときには、ホルダ36A及び37Aを互いに独立にY方向に引き抜くことが可能となっている。
図1において、光軸AX2の+X方向側において、XY平面に平行でY軸に平行に、かつZ方向に所定間隔で1対の細長い平板状のベース部材75A及び75Bが配置され、光軸AX2に関してベース部材75A及び75Bに対称にY軸に平行に1対のベース部材75C及び75Dが配置されている。ベース部材75A〜75Dの上面はそれぞれ平面度の良好なガイド面に加工されている。ベース部材75A〜75Dの+Y方向及び−Y方向の端部をそれぞれ連結部材(不図示)によって固定することで、コラム構造体75が構成されている。
また、第1の透光性平板P1を保持するホルダ36AのX方向の両端部は、平板状のスライダ36B及び36Cを介してそれぞれベース部材75A及び75C上に移動自在に載置されている。ホルダ36Aとスライダ36B及び36Cとは、ホルダ36AのZ方向の位置を制御可能な3個のZ軸アクチュエータ81Aと相対回転防止用の2個のピン(不図示)とを介して連結されている。従って、ホルダ36A及びスライダ36B,36Cは、ベース部材75A及び75Cの上面で一体的にX方向、Y方向、及びZ軸の周りの回転方向に移動できるとともに、3箇所のZ軸アクチュエータ81Aの高さを制御することで、ベース部材75A,75Cに対するホルダ36A(第1の透光性平板P1)のZ方向の位置とX軸及びY軸の周りの回転角とを調整することができる。
また、+X方向のスライダ36BはY方向に離れた2個のX軸アクチュエータ80Aを介してスライダ77Aに連結され、スライダ77Aはベース部材75A上に固定されたY軸ガイドに沿って不図示の駆動モータによってY方向に駆動される。2個のX軸アクチュエータ80Aの駆動量を制御することによって、ベース部材75Aに対するホルダ36A(第1の透光性平板P1)のX方向の位置とZ軸の周りの回転角とを調整することができる。また、スライダ77AをY方向に駆動することで、それに連動してホルダ36A(第1の透光性平板P1)をY方向に大きく移動できるとともに、そのY方向の位置の調整を行うことができる。
この結果、コラム構造体75に対してホルダ36A(第1の透光性平板P1)のX方向、Y方向、Z方向の位置、及びX軸、Y軸、Z軸の周りの回転角の6自由度の変位を調整できるとともに、必要に応じてホルダ36A(第1の透光性平板P1)を照明光学系ISの下方から+Y方向に引き抜いて、透光性平板P1の交換等を行うことができる。
また、ホルダ36A(第1の透光性平板P1)のX方向、Y方向の位置、及びZ軸の周りの回転角は、ホルダ36A上に設けられた移動鏡84の位置を介してレーザ干渉計82により計測される。即ち、レーザ干渉計82からのレーザビームはビームスプリッタ83によって計測ビームと参照ビームとに分割され、計測ビームは移動鏡84に照射され、参照ビームはミラーを介してベース75C(コラム構造体75)に固定された参照鏡85に照射される。そして、移動鏡84からの計測ビームと参照鏡85からの参照ビームとの干渉光をレーザ干渉計82で検出することによって、コラム構造体75を基準としてホルダ36AのX方向、Y方向の位置を例えば1〜0.1nm程度の分解能で計測することができ、2箇所のY方向(又はX方向でも可)の位置の差分からホルダ36AのZ軸の周りの回転角を計測できる。このため、実際にはレーザ干渉計82はX方向に1軸でY方向に2軸のレーザ干渉計から構成されており、移動鏡84もX方向に1軸でY方向に2軸の移動鏡から構成されている。なお、Y方向の移動鏡は2軸に限定されることはなく、例えばX方向に2軸の干渉計を設けて、Y方向に1軸の干渉計(1軸の移動鏡)を設けてもよく、さらには本例の回折格子は概ねY方向を長手方向としているため、Y軸の計測は1軸のリニアエンコーダ等としてもよい。
また、必要に応じて、不図示の第1のZ位置検出系のレーザ光源から透光性平板P1の上面に斜めに複数本、例えば3本のレーザビームが照射され、その上面で反射されたレーザビームの位置を光電検出器で検出することによって、予め定められている所定の基準面(以下、第2の基準面という)に対して、透光性平板P1の上面のZ方向の位置、及びX軸、Y軸の周りの回転角が計測される。その第2の基準面はXY平面に平行である。
この結果、ホルダ36A(第1の透光性平板P1)のX方向、Y方向、Z方向の位置、及びX軸、Y軸、Z軸の周りの回転角の6自由度の変位が計測され、この計測値に基づいて3個のZ軸アクチュエータ81A、2個のX軸アクチュエータ80A、及びスライダ77A用のY軸の駆動モータを駆動することで、ホルダ36A(第1の透光性平板P1)の6自由度の変位が目標とする状態に制御される。
図1において、第1のホルダ36Aと同様に、第2の透光性平板P2を保持する第2のホルダ37AのX方向の両端部は、平板状のスライダ37B及び37Cを介してそれぞれベース部材75B及び75D上に移動自在に載置されている。ホルダ37Aとスライダ37B,37Cとは、ホルダ37AのZ方向の位置を制御可能な3個のZ軸アクチュエータ81Bと相対回転防止用の2個のピン(不図示)とを介して連結されている。また、+X方向のスライダ37BはY方向に離れた2個のX軸アクチュエータ80Bを介してスライダ77Bに連結され、スライダ77Bはベース部材75B上に固定されたY軸ガイドに沿って不図示の駆動モータによってY方向に駆動される。
この結果、コラム構造体75に対してホルダ37A(第2の透光性平板P2)のX方向、Y方向、Z方向の位置、及びX軸、Y軸、Z軸の周りの回転角の6自由度の変位を調整できるとともに、必要に応じてホルダ37A(第2の透光性平板P2)を照明光学系ISの下方から+Y方向に引き抜いて、透光性平板P2の交換等を行うことができる。
また、ホルダ37A(第2の透光性平板P2)のX方向、Y方向の位置、及びZ軸の周りの回転角は、ホルダ36Aと同様にして、ベース75D(コラム構造体75)に固定された参照鏡89を基準として、ホルダ37A上に設けられた移動鏡88の位置を介してレーザ干渉計86により計測される。
なお、この構成の他に、例えばレーザ干渉計86の参照鏡89をホルダ36Aに固定することによって、レーザ干渉計82を用いることなく、レーザ干渉計86によって直接ホルダ36Aとホルダ37AとのX方向、Y方向の相対的な位置関係を計測してもよい。また、例えばレーザ干渉計40の参照鏡91をホルダ37Aに固定することによって、レーザ干渉計86を用いることなく、レーザ干渉計40によって直接ウエハステージ38とホルダ37AとのX方向、Y方向の相対的な位置関係を計測してもよい。
また、必要に応じて、不図示の第2のZ位置検出系のレーザ光源から透光性平板P2の上面に斜めに複数本、例えば3本のレーザビームが照射され、その上面で反射されたレーザビームの位置を光電検出器で検出することによって、予め定められている所定の基準面(以下、第3の基準面という)に対して、透光性平板P2の上面のZ方向の位置、及びX軸、Y軸の周りの回転角が計測される。その第3の基準面はXY平面に平行である。なお、その第1及び第2のZ位置検出系の代わりに、上記のウエハWのZ位置を計測するための斜入射方式の多点のウエハ表面位置検出系と同じ構成の検出系、あるいはZ方向の位置を計測するレーザ干渉計などを使用することも可能である。
この結果、ホルダ37A(第2の透光性平板P2)のX方向、Y方向、Z方向の位置、及びX軸、Y軸、Z軸の周りの回転角の6自由度の変位が計測される。そして、その計測値に基づいて3個のZ軸アクチュエータ81B、2個のX軸アクチュエータ80B、及びスライダ77B用のY軸の駆動モータを駆動することで、ホルダ37A(第2の透光性平板P2)の6自由度の変位が目標とする状態に制御される。
本例では、上記の第1、第2、及び第3の基準面はいずれもXY平面に平行であり、その第1及び第2の基準面のZ方向の間隔と、その第3及び第1の基準面のZ方向の間隔とは装置全体の動作を制御する主制御系内に予め記憶されている。本例では露光時にウエハWの表面がその第1の基準面に平行になるように制御されるとともに、ウエハWの表面と第2の透光性平板P2(第2の回折格子)との位置関係、及び第1の透光性平板P1(第1の回折格子)と第2の透光性平板P2との位置関係が所定の関係になるように制御される。
次に、本例の露光装置によってウエハW上に形成される干渉縞の明暗パターンについて、図2〜図4を用いて説明する。
図1の第1の透光性平板P1の+Z側、即ち光源1側の表面には、所定の方向に周期性を有する1次元の位相変調型の回折格子G11(第1格子)が形成されている。そして、回折格子G11は、当該所定の方向がX方向と概ね一致するように本例の露光装置に装填されている。また、第2の透光性平板P2の+Z側、即ち第1の透光性平板P1側の表面にも、所定の方向に周期性を有する1次元の位相変調型の回折格子G21(第2格子)が形成されている。そして、回折格子G21は、当該所定の方向がX方向と概ね一致するように本例の露光装置に装填されている。
まず、これらの回折格子G11,G21について図2を用いて説明する。
図2(A)は、図1の第1の透光性平板P1を+Z側から見た図であり、その表面にはY方向に長手方向を有し、それと直交するX方向に1次元的な周期T1を有する、位相変調型の第1の回折格子G11が形成されている。
第1の回折格子G11は、いわゆるクロムレス位相シフトレチクルの様に第1の透光性平板P1の表面部分と、当該平板表面をエッチング等により掘り込んだ掘り込み部分(図2(A)中の斜線部)とからなる。掘り込み部分の深さは、その表面部を透過する照明光と掘り込み部を透過する照明光との間に概ね180度の位相差が形成されるように設定される。両照明光に180度の位相差を形成する場合には、露光光の波長λ、第1の透光性平板P1の屈折率n、任意の自然数mに対し、その掘り込み深さを、
(2m−1)λ/(2(n−1)) …(1)
とすればよい。
また、表面部分と掘り込み部分との幅の比率(デューティ比)は、概ね1:1とすることが好ましい。ただし、上記位相差及びデューティ比のいずれについても、上記180度及び1:1から異なる値を採用することもできる。
図2(B)は、図1の第2の透光性平板P2を+Z側から見た図であり、その表面(第1の透光性平板P1側の面)には、Y方向に長手方向を有し、X方向に1次元的な周期T2を有する第2の回折格子G21が形成されている。第2の回折格子G21も、その構造は上述の第1の回折格子G11と同様である。
第1の透光性平板P1、第2の透光性平板P2は合成石英等の、紫外線に対する透過性(透光性)が高く、熱膨張係数(線膨張係数)が小さく、従って露光光の吸収に伴う熱変形の小さな材料で形成する。その厚さは、自重変形等の変形を防止するために、例えば5mm以上とすることが好ましい。ただし、自重変形等をより一層防止するために、10mm以上の厚さとすることもできる。また、特に光源1としてF2 レーザを使用する場合には、フッ素の添加された合成石英を使用することが好ましい。
なお、図2(A),(B)中では、説明の便宜上周期T1を第1の透光性平板P1の直径(一例として300mm以上)の1割程度と表わしているが、実際には周期T1は例えば240nm程度、周期T2は例えば120nm程度であり、第1の透光性平板P1の直径に比して圧倒的に小さい。これは、図2(A),(B)以外の各図においても同様である。
以下、図3を用いて、照明光IL10の第1の回折格子G11及び第2の回折格子G21への照射により、ウエハW上に干渉縞の明暗パターンが形成される原理について説明する。
図3は、相互に対向して配置された第1の透光性平板P1、第2の透光性平板P2及びウエハWの断面図であり、図3において、照明光IL10が照射されると、第1の回折格子G11からはその周期T1に応じた回折光が発生する。第1の回折格子G11が、デューティ比1:1で位相差180度の位相変調型格子であれば、発生する回折光は主に+1次回折光LPと−1次回折光LMとなる。ただし、それ以外の次数の回折光が発生する可能性もある。
±1次回折光LP,LMの回折角θは、露光光(照明光IL10)の波長λに対して、
sinθ= λ/T1 …(2)
により表わされる角である。
ただし、これは、±1次回折光LP,LMが第1の透光性平板P1を透過して空気(その代わりの窒素又は希ガス等であってもよい。以下も同様である。)中に射出した後の回折角である。即ち、±1次回折光LP,LMの第1の透光性平板P1中の回折角θ’は、第1の透光性平板P1の屈折率nを用いて、
sinθ’= λ/(n×T1) …(3)
により表わされる角となる。
続いて、±1次回折光LP,LMは第2の透光性平板P2上の第2の回折格子G21に入射する。ここで、上述の如く第2の回折格子G21も位相変調型の回折格子であるから、第2の回折格子G21からも主に±1次回折光が発生する。
本例においては、第2の回折格子G21の周期T2が第1の回折格子G11の周期T1の半分、即ちT1=2×T2の条件を満たす。この場合、+1次回折光LPの第2の回折格子G21への照射により発生する−1次回折光LP1は、Z方向に対し傾き角θをもって−X方向に傾いて発生する。また、−1次回折光LMの第2の回折格子G21への照射により発生する+1次回折光LM1は、Z方向に対し傾き角θをもって+X方向に傾いて発生する。なお、第2の回折格子G21によって発生する2次以上(自然数Qを用いてQ次)の回折光を使用することを前提に、T2=Q×T1/2である第2の回折格子を使用することもできる。なお、上式はQが自然数の場合について全般に成立するものであり、形成される干渉縞の周期は、第2の回折格子G21の周期のQ分の1(1/Q)の周期を持つことになる。
図4に示す如く、上記2本の回折光は、ウエハWの鉛直方向(法線方向)VWに対して上記傾き角θを保ってウエハW上に照射され、ウエハWに干渉縞としての明暗パターンIFを形成する。このとき、ウエハW上に形成される干渉縞の明暗パターンIFの周期(強度分布の周期)T3は、
T3 = λ/(2×sinθ) …(4)
となる。これは第1の回折格子G11の周期T1の半分であり、第2の回折格子G21の周期T2の1/Q倍に等しい。
この明暗パターンIFが、その明暗に応じてウエハWの表面に形成されているフォトレジストPR等の感光部材を感光し、明暗パターンIFがウエハW上に露光転写される。
従って、ウエハW上には、その全面にX方向に周期T3を有するY方向に平行な明暗パターンが形成される。そして、ウエハW上に形成されたフォトレジストPRには、この明暗パターンが照射され露光される。
本例では、図3において、第1の回折格子G11と第2の回折格子G21との間の第1の距離L1と、第2の回折格子G21とウエハWとの間の第2の距離L2とは、一例として、第1の回折格子G11上の任意の一点を発した±1次回折光LP,LMが、ウエハWにおいて、ほぼ同一の点に照射されるように設定される。この結果、ウエハW上の各点に照射される回折光は、それぞれ第1の回折格子G11上のほぼ同一の点から発した±1次回折光LP,LMであるから、それらの回折光の可干渉性は高く、良好なコントラストをもって干渉縞を形成することが可能となる。
この場合でも、回折格子G11及びG21を介して形成される干渉縞は、その第2の回折格子G21の第1の回折格子G11とは反対側の近傍に、例えば数mm程度離れて形成されていると言うことができる。
なお、ウエハWの第2の回折格子G21からの距離L2が、上記の如き基準位置からずれて設定されている場合には、当該Z方向へのずれ量と照明光IL10のX方向の入射角度範囲の積に概ね比例して、ウエハW上に形成される干渉縞IFのコントラストが低下する。従って、ウエハWに表面の凹凸や設定誤差があっても、ウエハWの全面に高コントラストな干渉縞を形成するためには、照明光IL10のX方向の入射角度範囲は、所定の値より小さいことが望ましい。
次に、図5を参照して、本例の照明光均一化手段の一例につき説明する。本例の照明光均一化手段は、図1中の集光光学系10と、フライアイレンズ13とよりなるものである。
図5(A)は、そのうちのフライアイレンズ13と、図1のレンズ19からレンズ35までのレンズ系を総括的に表す照明系後群レンズ35aと、透光性平板P1及びP2とを+X方向から見た図であり、図5(B)はこれを−Y方向から見た図である。図5(A)において、フライアイレンズ13は、遮光性の部材14上にレンズエレメントF1,F2,F3,F4,F5,F6,F7,F8をY方向に沿って一列に配列して構成されている。図1の集光光学系10からの照明光IL5がフライアイレンズ13に照射され、フライアイレンズ13を射出した照明光IL7は、照明系後群レンズ35aで屈折され照明光IL10となって第1の透光性平板P1に入射する。
この場合、フライアイレンズ13の一列に配置された複数のレンズエレメントF1〜F8に光束を集光させるインプット光学系を備えてもよい。
このとき、フライアイレンズ13がY方向に沿って一列に配置された複数のレンズエレメントF1〜F8からなるものであるため、照明光IL10の第1の透光性平板P1への入射角度特性は、X方向とY方向とで異なったものとなる。
照明系後群レンズ35aは、その入射側焦点面がフライアイレンズ13の射出面と一致し、その射出側焦点面が第1の透光性平板P1の上面(+Z方向の面)と一致する様に配置される。従って、照明系後群レンズ35aは、いわゆるフーリエ変換レンズを構成する。
フライアイレンズ13の各レンズエレメントを射出した照明光IL7は、照明系後群レンズ35aにより屈折され、照明光IL10となって第1の透光性平板P1上に重畳して照射される。従って、第1の透光性平板P1上の照明光の強度分布は、当該重畳による平均化効果により均一化される。
第1の透光性平板P1上の任意の一点IPへの照明光IL10のY方向についての入射角度範囲φは、フライアイレンズ13のY方向への配列に応じて図5(A)に示す如き所定の値となる。
一方、フライアイレンズ13がX方向については1列しかないことから、X方向についての入射角度範囲を、所定の値以下に設定できる。従って、一点IPへの照明光IL10の入射角度分布を、X方向への入射角度範囲がY方向への入射角度範囲より小さくなるように設定することができる。そして、X方向への入射角度範囲を所定の値以下に、Y方向の入射角度範囲を所定の値以上に設定することができる。
また、必要に応じて、フライアイレンズ13の射出面に、図5(C)に示す如くY方向に長くX方向に狭いスリット状の開口部18を有する開口絞り17を設けることにより、照明光IL10のX方向への入射角度範囲を、さらに制限することもできる。一例として、形成される干渉縞の周期方向のコントラストを高めるためには、透光性平板P1(回折格子G11)に入射する照明光IL10の入射角度範囲は、X方向で2[mrad]以下が望ましい。
このように開口絞り17を設ける場合、その開口部18の長手方向(ここではY方向)の長さを調整するために、開口部18をY方向に挟むようにそれぞれ不図示のモータによってY方向に移動される遮光部17a及び17bが設けられる。このように遮光部17a及び17bによってY方向の長さが調整される開口部18を線状開口とみなすことができる。そして、開口部18の長手方向(Y方向)の長さの調節により、第1の透光性平板P1上の一点IPへの照明光IL10のY方向への入射角度範囲を可変とすることができる。また、その開口絞り17及び遮光部17a,17bは、フライアイレンズ13の射出面と共役な、図1中の集光点28の位置に設けることもできる。
なお、照明光学系ISは、平面鏡、凹面鏡、又は凸面鏡等の反射光学部材を含んでも良い。その場合、開口部18の長手方向は必ずしも前述のY方向と物理的に一致しないが、その場合であっても、遮光部17a,17bは照明光IL10のY方向への入射角度範囲を可変とする方向について移動可能に設けるべきことは言うまでもない。
ところで、1次元的な周期を有する干渉縞の明暗パターンIFを形成する場合、その形成に用いる照明光IL10は、その偏光方向(電場方向)が明暗パターンIFの長手方向(非周期方向)に平行、即ち第1の回折格子G11及び第2の回折格子G21の長手方向に平行な直線偏光光であることが好ましい。この場合に、干渉縞IFのコントラストを最高にすることができるからである。
ただし、照明光IL10は、完全な直線偏光光でなくとも、第1の回折格子G11の長手方向(Y方向)の電場成分が、周期方向(X方向)の電場成分よりも大きな照明光であれば、上述のコントラスト向上効果を得ることができる。
照明光IL10のこのような偏光特性は、図1の照明光学系中に設けた偏光制御素子9により実現される。偏光制御素子9は、例えば光軸AX1を回転軸方向として回転可能に設けられた偏光フィルター(ポラロイド板)や偏光ビームスプリッターであり、その回転により照明光IL3の偏光方向を所定の直線偏光とすることができる。
光源1がレーザ等の概ね直線偏光に偏光した照明光IL1を放射する光源である場合には、偏光制御素子9として、同じく回転可能に設けられた1/2波長板を用いることもできる。また、それぞれ独自に回転可能に直列に設けられた2枚の1/4波長板を採用することもできる。この場合には、照明光IL3〜IL10の偏光状態を、概ね直線偏光光とするのみでなく、円偏光及び楕円偏光の偏光光とすることもできる。
なお、露光装置で露光すべきウエハW上には、以前の露光工程(フォトリソグラフィー工程)において既にパターンが形成されており、新たな露光工程においては、そのパターンと所定の位置関係を保ってパターンを形成する必要があるのが一般的である。
そして、ウエハW上の既存のパターンは、ウエハWへの成膜工程、エッチング工程に伴う熱変形や応力変形により、設計値に比べある程度の伸縮が生じている場合が多い。そこで、露光装置には、このようなウエハWの伸縮に適用して、新たなパターンをある程度伸縮補正してウエハW上に形成することが求められる。
本例の露光装置では、Zレベリング機構38Z(高さ制御装置)によって設定されるウエハWのZ位置若しくは照明光IL10の収束発散状態のいずれか一方、又はこれらの両方を変更することにより、ウエハW上に形成する明暗パターンの伸縮補正を行なうことができる。
そして、本例の露光装置においては、図1に示した通り、照明光学系IS中の第4のレンズ群を構成するレンズ29,30,32,35のうち、負レンズ30にはレンズ駆動機構31a,31bが取り付けられ、正レンズ32にはレンズ駆動機構33a,33bが取り付けられている。そして、これらのレンズ駆動機構31a,31b,33a,33bは、固定軸34a,34b上をZ方向に可動であり、これによりレンズ30及びレンズ32もそれぞれ独立してZ方向に可動である。
即ち、第4のレンズ群29,30,32,35は、全体としていわゆるインナーフォーカスレンズを構成することとなり、その焦点距離または焦点位置が可変となる。そのレンズ駆動機構31a,31b,33a,33bでその第4のレンズ群29,30,32,35の焦点距離又は焦点位置を制御することにより、照明光IL10の収束発散状態を可変とすることができる。なお、これに併せて、照明光学系ISの第1のレンズ群2,3,4,6についてもZ位置調整機構を設け、上記第4のレンズ群29,30,32,35と併せて、照明光IL10の収束発散状態を可変とすることもできる。
このために、図1に示した通り、第1のレンズ群2,3,4,6中の負レンズ4にはレンズ駆動機構5a,5bが取り付けられ、正レンズ6にはレンズ駆動機構7a,7bが取り付けられている。そして、これらのレンズ駆動機構5a,5b,7a,7bは、固定軸8a,8b上をZ方向に可動であり、これによりレンズ4及びレンズ6もそれぞれ独立してZ方向に可動とすることができる。
これらの伸縮補正は、ウエハWの露光に先立ち、ウエハマーク検出機構43によりウエハW上の複数箇所に形成されている既存の回路パターンあるいは位置合せマークの位置を検出することにより予め計測したウエハWの伸縮量に基いて行なうことが望ましい。
なお、ウエハWの伸縮量等の計測に先立って、ウエハマーク検出機構43の検出基準44の位置をウエハステージ上の干渉縞計測系41上の所定の基準マークを用いて計測しておくことが望ましい。また、露光装置には、ウエハマーク検出機構43による上記位置計測精度を向上するために、ウエハマーク検出機構43の位置でウエハステージ38の位置計測を可能とする検出機構であるY軸のレーザ干渉計40Y3(図8参照)等を設けておくことが望ましい。
次に、本例の露光方法の一例につき説明する。本例においては、図1の第1の透光性平板P1に照射される照明光IL10の領域は、ウエハWを覆う円形領域、又は図8に示すようにウエハWよりも小さな照明領域42のいずれでも可能である。後者の照明領域42のX方向の幅はウエハWの直径より大きい。このように小さな照明領域42を用いる際には、干渉縞92が形成されている照明領域42に対してウエハWを干渉縞92の長手方向、即ちY方向に概ね平行な方向に走査して露光を行う必要がある。
即ち、図8は、図1のウエハステージ38をレンズ35側から見た図であり、ウエハWへの露光は、図1の光源1、照明光学系IS、第1の透光性平板P1、及び第2の透光性平板P2に対して、図8に示すように、ウエハWをウエハステージ38によりY方向に概ね平行な方向に走査して行なうものとする。上述の通り、ウエハW上には照明光IL10、第1の透光性平板P1上の第1の回折格子G11、及び第2の透光性平板P2上の第2の回折格子G21によりX方向に周期方向を有し、Y方向に長手方向を有する干渉縞92の明暗パターンが形成されているから、当該Y方向への走査は干渉縞92の明暗パターンの長手方向に沿って行なわれることになる。本例では、干渉縞92とウエハWとを相対走査して露光する際のウエハステージ38の移動方向がステージ走り方向に対応し、そのステージ走り方向は干渉縞92の長手方向に平行である。そのステージ走り方向と干渉縞92の長手方向とを平行に合わせる方法については後述する。
上記走査露光に際しては、ウエハW(ウエハステージ38)のX方向及びY方向の位置やZ軸を回転中心とする回転角は、ウエハステージ38に設けられたX軸の移動鏡39X及びY軸の移動鏡39Yを介して、X軸のレーザ干渉計40X1及び40X2と、Y軸のレーザ干渉計40Y1及び40Y2とを用いて計測され、その計測された位置や回転角が不図示のステージ制御機構により制御される。
このような走査露光により、ウエハWには第1の回折格子G11及び第2の回折格子G21により形成される干渉縞92の明暗パターンが、概ねY方向に平行なステージ走り方向に積算されて露光されることになるため、これらの回折格子の欠陥や異物の影響が緩和され、ウエハW上には、欠陥のない良好なパターンが露光される。
なお、走査露光中に生じる干渉縞92の明暗パターンとウエハWとのX、Y方向の位置ずれや回転ずれは、前述した透過性平板P1、P2、及びウエハステージ38の位置のレーザ干渉計の計測結果に基づき、第1及び第2の透過性平板P1、P2と、ウエハWとの少なくとも一方の移動により補正される。
また、照明領域42内に残存する恐れのある照度の不均一性についても、その誤差が概ねY方向に積算され平均化されるため、実質的により高い均一性を実現することができる。さらに、照明領域42の形状を、X方向の位置によってY方向の幅が変化するものであるとすることもできる。これにより、照明領域42の形状自体を変化させることにより、照明領域42内の照明光照度分布の概ねY方向の積算値を一層均一化することができるからである。
このような照明領域42の形状は、図1の照明光学系IS中の視野絞り22に設ける開口の形状により決定することができる。なお、視野絞り22は、第1の透光性基板P1の光源側の近傍に配置しても良い。
また、図9に示すように、ウエハWの大きさに対してX方向及びY方向の両方向で小さい照明領域42aを用いることも可能である。図9において、照明領域42aはX方向に細長い領域であり、X方向の両端部のY方向の幅がほぼ線形に外側に向かって狭くなっている。この場合、照明領域42aでウエハWの全面を露光するためには、図9に照明領域42aの中心の軌跡45で示すように、一例としてウエハWと照明領域42aとをY方向に相対的に移動して露光する動作(走査露光)と、その間にウエハWと照明領域42aとをX方向に相対的に移動する動作(ステップ移動動作)とを繰り返す必要がある。その際に、隣り合う列においては、ウエハWと照明領域42aとの相対移動の方向は反転するとともに、隣接する列間の継ぎ誤差を低減するために、或る列の照明領域42aの端部と、それに隣接する列における照明領域42aの端部とが重なるように露光が行われる。なお、実際には照明領域42aが固定されており、ウエハステージ38を駆動することで照明領域42aに対してウエハWがX方向、Y方向に移動するが、図9では説明の便宜上、ウエハWに対して照明領域42aが移動するように表している。
なお、照明光学系ISを構成する各レンズを必要に応じて大型化し、視野絞り22の開口を広げることにより、照明領域42をウエハWの全面を覆う程度の大視野に設定することもできる。そして、この場合には、上記の走査露光を行うことなく、上記の干渉縞の明暗パターンをウエハWの全面に一括露光することも可能である。
なお、ウエハWに対する露光が重ね合わせ露光である場合には、予めその干渉縞の明暗パターンとウエハW上にそれまでの工程で形成されている回路パターンとのアライメントを行っておく必要がある。以下、本例のアライメントを行うための機構につき説明する。本例ではその機構を用いて、2枚の透光性平板P1,P2に形成された回折格子によって形成される干渉縞のコントラスト及び回転角の調整も行う。
図10は、図2のウエハステージ38を示す平面図であり、この図10において、一例としてウエハWの上面はX方向、Y方向にそれぞれ所定幅の多数のショット領域SA(区画領域)に区分され、各ショット領域SAにはそれまでのデバイス製造工程によって、所定の回路パターンが形成されているとともに、X方向、Y方向の位置を示すアライメントマーク(位置合わせマーク)としてのウエハマークWMx及びWMyも形成されている。なお、ウエハマークの代わりに各ショット領域SA内に形成されている所定の回路パターンを使用してアライメントを行ってもよい。
そして、本例の露光装置を用いる露光時には、干渉縞92による露光パターンと、ウエハW上の各ショット領域SA内の回路パターンとは特にX方向に対して所定の位置関係を満たす必要がある。なお、干渉縞92がX方向及びY方向に所定ピッチの2次元の格子状パターンである場合には、その格子状パターンと各ショット領域SA内の回路パターンとはX方向、Y方向に所定の位置関係を満たす必要がある。
その干渉縞とウエハW上のショット領域とのアライメントを行うために、ウエハステージ38には、干渉縞計測系41(特性計測装置又はコントラスト計測装置)が固定され、干渉縞計測系41の上面はウエハWの表面と概ね同じ高さに設定されている。
図10において、干渉縞計測系41の上面には、Y方向に所定間隔で2つの二次元の基準マーク93A及び93Bが形成され、これらの基準マーク93A及び93Bの間に透過基板94が埋め込まれている。なお、透過基板94を大きくしてその上に基準マーク93A及び93Bをも形成してもよい。一例として、基準マーク93A及び93Bの中心を通る直線がY軸に平行となるように、ウエハステージ38のZ軸の周りの回転角が設定されている。
透過基板94の表面には干渉縞パターンの位置計測用のX方向に光透過部と遮光部とを互いに異なる周期で配列した計測格子95A及び95Bが形成されている。計測格子95Aは、干渉縞92のX方向の位置及びコントラストを検出するために使用されるが、他の計測格子95Bは、干渉縞92とは周期の異なる別の干渉縞の位置及びコントラストを検出するために使用される。従って、計測格子95A,95Bの個数は、検出対象の干渉縞の周期の種類に応じて設定される。
図8の干渉縞92の位置を検出する場合には、ウエハステージ38を駆動して、計測格子95Aの中心が干渉縞92(まだ照明光は照射されていない)中の計測すべき位置(計測点)に合致するように移動する。その後、図1の視野絞り22を駆動して照明光がウエハWに照射されないように照明領域を制限して、照明光IL10の照射を開始して、計測格子95A上に干渉縞92を形成する。
図11は、図10の干渉縞計測系41の構成例を示し、この図11において、透過基板94の計測格子95Aが形成された領域の底面に順次、計測格子95Aを透過した光を集光するレンズ100と、その集光された光を検出する光電検出器101とが配置されている。干渉縞92のX方向の設計上の強度分布の周期をT3とすると、計測格子95AのX方向の周期PAは、一例として周期T3とほぼ等しく設定され、計測格子95Aの光透過部と遮光部との幅の比はほぼ1:1に設定される。なお、周期PAを周期T3の2倍以上のほぼ整数倍(例えば2倍)に設定して、計測格子95A中の光透過部の幅を周期T3程度として、レンズ100では計測格子95Aを透過した0次光のみを集光する構成も可能である。計測格子95A、レンズ100、及び光電検出器101を含んで第1の位置計測部材が構成されている。同様に、図10の計測格子95Bの底面にも、レンズ及び光電検出器が配置され、これによって第2の位置計測部材が構成されている。これら複数の位置計測部材を含んで干渉縞計測系41が構成されている。
なお、複数の計測格子95A及び95Bに対してレンズ100及び光電検出器101を共通に用いる構成も可能である。また、図10の干渉縞計測系41と同様の複数の干渉縞計測系をウエハステージ38上に配置しておき、干渉縞パターンの複数の計測点における位置を同時に計測できるようにしてもよい。
図11において、光電検出器101の検出信号SCは、アライメント情報処理系73に供給されている。アライメント情報処理系73内の記憶部には、図10の基準マーク93A,93Bと計測格子95A,95Bとの位置関係(例えば基準マーク93A,93Bの中心を通る直線に対する計測格子95A,95B中の所定の透光部の中心のX方向へのオフセット量ΔIAX,ΔIBX)の情報が記憶されている。アライメント情報処理系73には、図1のレーザ干渉計40によって計測されるウエハステージ38のX方向、Y方向の位置の情報も供給されている。
この場合、露光装置全体の動作を制御する主制御系70の制御のもとで、図10のウエハステージ38を+X方向に例えば干渉縞92の周期の数倍程度の範囲内で移動して、アライメント情報処理系73においてウエハステージ38の座標に対応させて、光電検出器101の検出信号を取り込むと、その検出信号はウエハステージ38のX座標に対して周期T3で正弦波状に変化する。そこで、一例として、ウエハステージ38の移動を開始して最初にその検出信号がピークになるときのウエハステージ38のX座標を、その計測点における干渉縞92の位置とすることができる。以下では、計測格子95Aを干渉縞92の計測点に移動した後、ウエハステージ38を駆動して計測格子95Aを+X方向に移動したときに光電検出器101の検出信号が最初にピークとなるときのウエハステージ38のX座標及びY座標を、その計測点において干渉縞計測系41を用いて検出した干渉縞92の位置とする。
図11において、アライメント情報処理系73は、そのようにして検出した干渉縞92の位置の情報を主制御系70に供給する。さらに、光電検出器101の検出信号SCのコントラスト(=振幅/直流成分)は干渉縞92のコントラストに対応しているため、アライメント情報処理系73はその検出信号SCのコントラストを干渉縞92のコントラスト情報として主制御系70に供給する。主制御系70(制御装置)は、後述のように干渉縞92の複数の計測点における位置情報に基づいて、干渉縞92の回転角(長手方向のY軸に対する回転角)を算出する。次に、主制御系70は、その干渉縞92の回転角やコントラスト等の特性を補正するために、一例として駆動系72(補正装置の一部)を介して図1の透光性平板P1及びP2(回折格子G11及びG21)を、両方を同方向に等しい角度で、又は両方を所定の角度比で回転する。このため、駆動系72(回転機構の一部)には、計測情報処理系74及び主制御系70を介して図1のレーザ干渉計82及び86で計測される透光性平板P1及びP2の位置情報も供給されており、駆動系72は、主制御系70から指示された駆動量に基づいて、図1のアクチュエータ80A及び80Bを介して透光性平板P1及びP2を駆動する。なお、その代わりに、ウエハステージ38を介してウエハWを回転させる場合も有り得る。
なお、干渉縞92を計測格子95Aで周期方向に走査してそのコントラストを計測する場合には、干渉縞92の周期方向と計測格子95Aの周期方向とが必ずしも平行ではないため、検出信号SCのコントラストを高めるために、計測格子95Aの長手方向(非周期方向)であるY方向の長さは十分な光量が検出できる範囲でできるだけ狭い方が良い。
また、アライメント及び露光に際しては、予め図10のウエハマーク検出機構43の検出中心44と干渉縞92の中心である露光中心との間隔(ベースライン量)を計測して記憶しておく必要がある。
次に、本例の露光装置において、図2(A)の透光性平板P1上の第1の回折格子G11の長手方向と図2(B)の透光性平板P2上の第2の回折格子G21の長手方向とをそれぞれ図5(C)の開口絞り17の開口部18の長手方向(ほぼY軸に平行である)に平行にして、形成される干渉縞のコントラストを最大にするとともに、その干渉縞の長手方向とウエハステージ38のステージ走り方向(ここではY方向に平行とする)とを平行に合わせるための効率的な第1の調整方法につき、図12のフローチャートを参照して説明する。以下の説明では、干渉縞92の照明領域は図8の矩形の照明領域42とするが、その照明領域はどのような形状であってもよい。
先ず図12のステップ201において、図1の透光性平板P1,P2上のアライメントマーク(不図示)を露光装置に設けられたアライメント顕微鏡(不図示)によって検出し、この検出結果に基づいてX軸アクチュエータ80A,80Bを介して透光性平板P1,P2の回転角を調整する。これによって、透光性平板P1に形成された回折格子G11の周期方向、及び透光性平板P2に形成された回折格子G21の周期方向がそれぞれほぼX方向に平行になるように、即ち回折格子G11,G21の長手方向(周期方向に直交する方向)がそれぞれほぼY方向に平行になるようにラフに調整する。
次のステップ202において、図1の照明光学系IS中の開口絞り17の開口部18(図5(C)参照)の長手方向の長さをある程度制限して、その長手方向の照明光のコヒーレンスファクタ(σ値)を小さくする、即ち小σ化する。このためには、図11の主制御系70が図5(A)の開口絞り17の両端部に配置してある遮光部材17a及び17bを光軸AX2側に移動すればよい。なお、説明の便宜上、その開口部18の遮光部材17a及び17bによって制限された部分(線状開口)を以下では線状光源と呼ぶ。このように開口絞り17の開口部18の長手方向において照明光を小σ化しておくことによって、両回折格子G11,G21がある程度相対回転していても、形成される干渉縞のコントラストを高めることができる。
次のステップ203において、2枚の透光性平板P1,P2(回折格子G11,G21)を同方向に等しい角度だけ回転し、形成される図8の干渉縞92の長手方向が、ステージ走り方向(ここではY方向)に平行になるように調整する。具体的に、図11の干渉縞計測系41の計測格子95Aにより図8のY方向に離れた2箇所の計測点41A及び41Bで干渉縞92をX方向に走査して、それぞれ干渉縞92の周期方向(ほぼX方向)の位置を計測し、この計測結果に基づいて干渉縞92の長手方向のY軸に対する回転角を計算する。なお、この際に、3箇所以上の計測点で干渉縞92の周期方向の位置を計測し、この計測結果から最小自乗法等によって干渉縞92の回転角を求めてもよい。次に、その回転角を相殺して、干渉縞92の長手方向をY軸に平行にするように、図11の主制御系70は、図1のレーザ干渉計82,86の計測値に基づいてX軸アクチュエータ80A,80Bを駆動して、透光性平板P1,P2を等しい角度だけ回転する。
次のステップ204において、干渉縞計測系41で干渉縞92のコントラストをモニタしつつ、主制御系70は、駆動系72を介して2枚の透光性平板P1,P2(回折格子G11,G21)を2対−1の角度比で相対的に微小回転して、干渉縞92のコントラストが最大になる相対回転位置を探し、その相対回転位置で透光性平板P1,P2を固定する。これは、干渉縞92の長手方向を固定した状態で、2枚の回折格子G11及びG21の長手方向を平行に合わせることを意味する。干渉縞92のコントラストは、図11の干渉縞計測系41の光電検出器101から出力される検出信号SCのコントラストで表しているため、その検出信号SCのコントラストが最大になるときの相対回転位置を求めればよい。この際に、図1のウエハステージ38のZレベリング機構38Zを動作させて、干渉縞計測系41のZ位置を変化させて、干渉縞92のコントラストが最大になるZ位置を求め、以後の計測はそのZ位置から、例えば0.1から5μm程度の所定距離だけ離れた位置に、干渉縞計測系41を設定した状態で行うことが望ましい。また、回折格子G11及びG21の回転の角度比は、図1のレーザ干渉計82,86の計測値に基づいて高精度に制御可能である。
このとき、回転角の符号を光源側から見て反時計周りを+として、正又は負の所定の回転角をαとすると、第1の回折格子G11の回転角θ(G11)が2αであるときに、第2の回折格子G21の回転角θ(G21)は−αとなる。即ち、回転角θ(G11)とθ(G21)との角度比は次のように2:−1となっている。
θ(G11):θ(G21)=2α:−α=2:−1 …(5)
回転角θ(G11)及びθ(G21)が微小な範囲においては、回折格子G11と回折格子G21との周期の比が2対1であるため、その角度比で回転する限り、ウエハステージ38上に形成される干渉縞92の周期方向は回転しない。
実際には、所定ステップ角で第1の回折格子G11を回転して、それに応じて第2の回折格子G21を−1/2だけ回転する毎に、干渉縞92のコントラストを計測し、例えば計測結果を内挿(補間)することによってコントラストが最大になる回転角を求め、その回転角で回折格子G11,G21の角度を固定すればよい。
次のステップ205において、主制御系70は図5(A)の遮光部材17a,17bを開いて、開口絞り17の線状光源の長手方向の長さを露光時の長さに戻して、即ち、照明光IL10の第1の透光性平板P1へのY方向の入射角度範囲を露光時の入射角度範囲に戻して、再度ステップ203及び204を実行する。このときのステップ204に対応する動作における第1の回折格子G11の回転角を2αとすると、第2の回折格子G21の回転角は−αとなるが、その角度αの変化の幅(振り角)は、上記の開口絞り17の線状光源が長手方向に小さい場合よりも狭い範囲とする。そして、その狭い振り角の範囲内で回折格子G11及びG21を前回よりも微細な所定ステップ角ずつ変化させて、それぞれ干渉縞92のコントラストを計測して、干渉縞92のコントラストが最大になるときの第1の回折格子G11の回転角2αと、第2の回折格子G21の回転角−αとを探し、求められた角度で透光性平板P1,P2(回折格子G11,G21)を固定する。
次のステップ206において、回転合わせの完了した2枚の透光性平板P1,P2(回折格子G11,G21)について、この状態で例えば不図示のアライメント顕微鏡を用いて透光性平板P1及びP2上のアライメントマーク(不図示)の座標情報を計測して、これらの座標情報を主制御系70内の記憶部の所定の露光データファイル等に記憶しておく。
その後、透光性平板P1,P2を別の透光性平板と交換した後で、再び透光性平板P1,P2を使用するような場合には、それらのアライメントマークの位置をその露光データファイル中に記憶されている座標情報に応じて位置決めすることで、上記のステップ201の動作(プリアライメント)を省略してステップ202から回転角の調整を行うことが可能になり、調整時間を短縮できる。
次のステップ207において、照明光学系中の図5(C)の開口絞り17の線状光源(ここでは開口部18と同じ)の長手方向を、ウエハステージ38のステージ走り方向に合わせ込むために、干渉縞計測系41を用いて干渉縞92のコントラストを計測しながら、図1のフライアイレンズ13及び開口絞り17を光軸の周りに一体的に微小回転する。そして、干渉縞92のコントラストが最大になる状態で、フライアイレンズ13及び開口絞り17の回転角を固定することによって、線状光源の長手方向が干渉縞92の長手方向に平行になり、かつその線状光源の長手方向がステージ走り方向に平行になる。
この調整方法における開口絞り17の開口部18と、第1の回折格子G11と、第2の回折格子G21と、ウエハステージ38上に形成される干渉縞(ここではIFとする)との関係につき図6及び図7を参照して説明する。
図6は、開口絞り17から干渉縞IFまでの光学部材を簡略化して示す斜視図であり、この図6において、照明系後群レンズ35aは図5(A)と同じであり、開口絞り17、第1の回折格子G11、第2の回折格子G21、干渉縞IFの光軸を原点として、X軸及びY軸に平行な座標系をそれぞれ(X3,Y3),(X1,Y1),(X2,Y2),(X0,Y0)とする。この場合、Y方向がステージ走り方向であるとすると、調整が完了した状態では、開口絞り17の開口部18の長手方向S3は、Y3軸に平行であり、回折格子G11及びG21の長手方向S1及びS2はそれぞれY1軸及びY2軸に平行であり、干渉縞IFの長手方向S0はY0軸に平行である。
この図6においても、+Z方向側から干渉縞IFを見たときに反時計周りの角度の符号を+として、開口絞り17、回折格子G11、回折格子G21、及び干渉縞IFの回転角をそれぞれω3、ω1、ω2、ω0とする。
次に、図7(A)は図6の第1の回折格子G11の所定位置に照射された照明光IL10から、第1の回折格子G11により発生する±1次回折光LP,LMが、第2回折格子G21上のどこに入射するかを表わす図であり、座標系が(X2,Y2)になっている。図7(A)の状態は、第1の回折格子G11がω1だけ回転している場合であり、それによって回折光LP,LMの第2回折格子G21への照射位置も中心(IL10)を中心にω1だけ回転する。中心(IL10)から回折光LP,LMの位置までの距離は、第1の回折格子G11と第2回折格子G21との間隔と、第1の回折格子G11の周期とによって変化する。
図7(B)は上記回折光LPが、第2の回折格子G21に入射し、回折光LP1,LM1となって干渉縞IF上の所定位置に入射することを示す図であり、図7(B)に示した状態は以下のようになっている。
a)両回折格子G11,G21の回転関係が最適化されていない状態であるため、回折光LP1,LM1の入射位置は一致せず、Y0方向に計2×D0の間隔が発生している。
b)回折光LP1,LM1の方向R1,R2も、X0軸に平行ではなくなっている。
a)の結果として、第1の回折格子G11上の同一の1点を発した回折光LP,LMはウエハ上で異なる位置に照射されることとなり、逆の見方をすると、ウエハ上の1点に照射される2本の回折光は、透光性平板P1上の異なる点を発した照明光になるため、空間的可干渉性に乏しくなり易く、干渉縞のコントラスト低下の原因になる。干渉縞のコントラストは、線状照明のY方向のσ値を小さくすることで、改善できる。しかし、Y方向の小σ化は、照度ムラの悪化等を招くため、露光時には採用が困難である。
一方、本例の回折格子G11,G21の回転角の調整時には、ラフ調整において、Y方向を小σ化して、キャプチャーレンジの拡大を図っている。これに対して、最初からY方向のコヒーレンスファクタが中程度(中σ)では、ラフ調整工程開始時に、干渉縞のコントラストが低すぎて、計測が困難な場合がある。
b)の結果として、ウエハ上に形成される干渉縞IFの方向が回転してしまう。即ち、図7(B)において、干渉縞の周期方向は方向R1,R2に平行になってしまう。その干渉縞の回転角をρとすると、回転角ρは、図6の回折格子G11の回転角ω1及び回折格子G21の回転角ω2を用いて次のようになる。
ρ=−ω1+2×ω2 …(6)
このために、両回折格子G11,G21を、ω1:ω2=2:−1の角度比で回転する限り、形成される干渉縞の方向は回転しないことになる。なお、両回折格子G11,G21を、同方向に等しい角度で回転すると、上式より、干渉縞は上記回転角と同じ角度及び同じ方向で回転することになる。
なお、本例においては、照明光IL10の第1の透光性平板P1への入射角度範囲を規定する光学部材は、上述の通りフライアイレンズ13、開口絞り17、あるいはさらにインプット光学系であるとしたが、これに限らず、他の光学部材を用いることが可能であることは言うまでもない。例えば、光源側から順に、所定の角度方向又は位置に照明光を集光するインプット光学系、開口絞り、ロッドインテグレーターを適宜組み合わせた光学部材を使用することもできる。そして、この場合においても、インプット光学系や開口絞りを回転することにより、照明光IL10の第1の透光性平板P1への入射角度範囲の分布を、第1の透光性平板P1の法線方向を中心として回転可能であることは言うまでもない。
以上の如き、フライアイレンズ13、開口絞り17等、あるいはさらにインプット光学系のいずれか一つを回転する機構は、照明光入射角度分布調整機構とみなすことができる。なお、本例においては、説明の便宜上、ステージ走り方向をY方向としたが、ステージ走り方向は厳密にY方向と平行である必要は無く、概ねY方向と一致していれば良い。
上記の調整方法のようにフライアイレンズ13及び開口絞り17を回転するためには、光学系の高精度な回転機構が必要である。
そのような高精度な回転機構を用いることなく調整を行うために、以下の本実施形態の第2の調整方法では、開口絞り17の開口18の長手方向を基準として回折格子G11,G12の回転角及びステージ走り方向を定めるものとする。
この方法では、先ず図13に示すフローチャートのステップ210において、図5(A)の遮光部材17a,17bの間隔を狭くして、開口絞り17の線状光源の長手方向(ほぼY方向)の長さをある程度制限して(長手方向を小σ化して)、ステップ201と同様に、透光性平板P1及びP2に形成されている回折格子G11,G21の長手方向がそれぞれほぼY方向に平行になるようにラフに調整する。
次のステップ211において、図8の干渉縞計測系41で干渉縞92のコントラストを計測しながら、図1の2枚の透光性平板P1,P2(回折格子G11,G21)を一体的に回転し、干渉縞92のコントラストが最大になる回転位置で透光性平板P1,P2を固定する。次のステップ212において、ステップ204と同様に、干渉縞計測系41で干渉縞92のコントラストをモニタしつつ、2枚の透光性平板P1,P2(回折格子G11,G21)を2対−1の角度比で相対的に微小回転して、干渉縞92のコントラストが最大になる相対回転位置を探し、その相対回転位置で透光性平板P1,P2を固定する。
次のステップ213において、必要に応じて、ステップ211及び212の動作を繰り返す。その後、ステップ214において、図5(A)の遮光部材17a,17bを開いて、開口絞り17の線状光源の長手方向の長さを露光時の長さに戻して、ステップ211〜213の動作を再度実行する。以上の工程により、開口絞り17の線状光源(ここでは開口18と同じ)の長手方向と干渉縞92の長手方向(非周期方向)とが一致する。
次のステップ215において、図8に示すように、干渉縞計測系41によりY方向に離れた複数の計測点41A,41B等で干渉縞92の周期方向(ほぼX方向)の位置を計測し、この計測結果に基づいて干渉縞92の長手方向、即ち開口絞り17の線状光源の長手方向のY軸に対する回転角Θaを求める。その後、ステップ216において、ステップ215で求められた回転角Θaに合わせて、主制御系70は、露光時のウエハステージ38のステージ走り方向を制御パラメータ等の変更によりソフトウェア的にY軸に対して回転角Θaだけ回転させる。
具体的には、ウエハステージ38をY方向に所定量移動するに際し、X方向にもY方向への移動量に比例する量だけ移動するように、主制御系70中の制御パラメータ等の変更を行う。
または、例えば露光装置の組立調整時にこの調整動作を実行している場合には、開口絞り17の線状光源の長手方向は固定されているため、例えば図7のウエハステージ38側のX軸の移動鏡39Xの反射面をY軸に対して回転角Θaで回転させることによって、ハードウェア的にウエハステージ38のステージ走り方向をその線状光源の長手方向に合わせてもよい。
このような、ステージ走り方向のソフトウェア的又はハードウェア的な変更手段は、ステージ走査方向の可変機構ともみなすこともできる。
このように開口絞り17の線状光源又は開口18の長手方向を基準としてウエハステージ38のステージ走り方向を設定する場合には、照明光学系側に高精度な回転機構を設ける必要がないため、露光装置の構成が簡素化できる場合がある。
次に、本実施形態の第3の調整方法は、次のように開口絞り17の開口18又は線状光源の長手方向を直接計測する。これは、例えば線状光源の長手方向とウエハステージ38のステージ走り方向との関係をラフに調整する場合に使用できる。
この調整方法では、第1段階として、図14(A)に示すように、2枚の透光性平板P1,P2を除去し、例えば透光性平板P2の代わりに、大きめのピンホール102aの形成された遮光性の基板102を装填する。基板102は、例えば図1のホルダ37Aに保持される。
次に、第2段階として、ピンホール102aの底面側に2次元のCCD等の撮像センサ103を配置する。撮像センサ103は、例えば図1のウエハステージ38上に着脱自在に固定されるものである。この状態で開口絞り17の開口18を全開にして照明光IL10を照射すると、開口絞り17の開口18はY方向に細長いため、ピンホール102aを通過した照明光は、撮像センサ103の上面で図14(B)に示すように、ほぼY方向に沿って細長い領域18FPに拡散する。即ち、その細長い領域18FPは、開口絞り17の開口18に平行である。そこで、撮像センサ103の検出結果を画像処理することによって、ステージ走り方向104(現段階ではY軸に平行とする)に対する領域18FPの中心の方向105の回転角Θaを求める。
なお、ステージ走り方向104は、例えば図14(A)の状態から図1のウエハステージ38を介して撮像センサ103をY方向に所定間隔だけ駆動して、駆動の前後で図14(B)の照明光の照射領域18FPの中心の座標を計測し、これらの2箇所におけるその中心座標を結ぶことによっても求めることができる。
次に第3段階として、ステップ216と同様にして、その第2段階で求められた回転角Θaに合わせて、主制御系70は、露光時のウエハステージ38のステージ走り方向104をソフトウェア的に回転角Θaだけ回転させて、開口絞り17の線状光源の方向105に合わせ込む。この場合にも、そのステージ走り方向104をハードウェア的に調整してもよい。
なお、撮像センサ103を用いる代わりに、ナイフエッジ(KE)センサをウエハステージ38上に設け、上記ピンホール102aを透過した照明光の照射領域をナイフエッジセンサで計測してもよい。
また、以上のような開口絞り17の開口18(線状光源)の長手方向とステージ走り方向との回転調整は、例えば数日に一度の精度セルフチェック時に行えば良く、透光性平板P1,P2(回折格子G11,G21)の交換時に毎回行う必要はない。
なお、上記の実施形態では、露光及び計測対象の干渉縞は一方向に周期性を持つ1次元の干渉縞パターンであったが、露光及び計測対象の干渉縞は2方向(例えば直交する2方向)に周期性を持つ2次元の干渉縞パターンであってもよい。このように2次元の干渉縞パターンの位置計測を行う場合には、例えば図10の干渉縞計測系41上に計測格子95Aを90°回転した形状の計測格子(以下、Y方向計測格子と言う。)をも形成しておき、このY方向計測格子の底面にも図11のレンズ100及び光電検出器101よりなる光電変換部を設けておけばよい。この場合、その2次元の干渉縞パターンの計測点でそのY方向計測格子をY方向に移動して、その光電変換部の検出信号がピークとなるときのウエハステージ38のY座標を求めることで、その2次元の干渉縞パターンのY方向の位置も計測することができ、複数の位置での計測値からそのY方向の周期を計測することができる。
なお、図1の例においては、第1の回折格子G11及び第2の回折格子G21はそれぞれ位相変調型回折格子であるとしたが、両回折格子の構成は、これに限るものではない。例えば、いずれの回折格子も、ハーフトーン位相シフトレチクル(Attenuated Phase Shift Mask)の如く、透過光の位相及び強度の双方を変調する回折格子を用いることもできる。また、第1の回折格子を位相変調型回折格子として、第2の回折格子を強度変調型回折格子としてもよい。
図15は、図1において、第1の透光性平板P1の+Z方向側(光源側)の面にX方向に周期T1の位相変調型の第1の回折格子G11,G12を形成し、第2の透光性平板P2の−Z方向側(ウエハW側)に周期T2(ここではT1/2に等しい)の強度変調型の第2の回折格子G21Aを形成した場合を示している。
以下、図15を用いて、照明光IL10の第1の回折格子G11,G12及び第2の回折格子G21Aへの照射により、ウエハW上に干渉縞の明暗パターンが形成される原理について説明する。
図15において、照明光IL10が照射されると、第1の回折格子G11,G12からはその周期T1に応じた回折光が発生する。第1の回折格子G11,G12が、デューティ比1:1で位相差180度の位相変調型格子であれば、0次回折光は消失し発生しない。この場合、主に±1次光の2本の回折光が発生するが、±2次光等の高次回折光も発生する可能性もある。
しかしながら、周期T1が照明光の実効波長λの3倍より短い場合には、3次以上の高次回折光は発生し得ない。また、上記の如くデューティ比1:1で位相差180度の位相変調型格子であれば2次回折光も発生し得ない。従って、この場合には、第1の回折格子G11,G12からは、+1次回折光LPと−1次回折光LMとの2本のみが発生し、第1の透光性平板P1を透過して第2の透光性平板P2に入射する。続いて、+1次回折光LPと−1次回折光LMとは、第2の透光性平板P2のウエハW側の表面に設けられた第2の回折格子G21Aに照射される。両回折光は対称であるため、以下+1次回折光LPについてのみ説明する。
+1次回折光LPは、第1の回折格子G11,G12の周期T1により、第2の回折格子G21Aに対して鉛直な方向(法線方向)から所定の角度だけ傾いて第2の回折格子G21Aへ入射する。+1次回折光LPが第2の回折格子G21Aに照射されると、第2の回折格子G21Aからも回折光が発生する。第2の回折格子G21Aが強度変調型の回折格子であることから、当該回折光は0次光を含む回折光となる。
ここで、当該各回折光の発生する角度方向は、照射される照明光(+1次回折光LP)の入射角の傾斜に応じて傾いたものとなる。即ち、第2の回折格子G21Aからは、照射された+1次回折光LPに平行な方向に進行する0次回折光LP0と、第2の回折格子G21AのX方向の周期T2に応じて回折される−1次回折光LP1とが発生する。この結果、ウエハW上には、0次回折光LP0と−1次回折光LP1との2本の回折光が照射されることとなり、これらの回折光の干渉により干渉縞の明暗パターンが形成される。
なお、±2次以上の高次回折光と0次光との干渉縞の明暗パターンを形成することもできる。
この場合にも、第1の回折格子G11,G12と第2の回折格子G21Aとの回転角を調整する場合に、図12又は図13の調整方法を適用することができる。
なお、図15の構成では、一例として、第1の回折格子G11,G12と第2の回折格子G21Aとの間隔D1に対して、第2の回折格子G21AとウエハWの表面との間隔D2は小さく設定される。
なお、以上の例においては、第1の回折格子G11(又はG11,G12)と第2の回折格子G21(又はG21A)とはそれぞれ別の透光性平板上に形成されるものとしたが、両回折格子を同一の透光性平板上に形成することもできる。この場合には、その透光性平板上の回折格子の長手方向と図5(C)の開口絞り17の開口部18の長手方向との調整に上記の実施形態の調整方法を適用することができる。
ところで、以上の例においては、第2の透光性平板P2とウエハWとの間には、空気が存在するものとしていたが、これに代わり、所定の誘電体を満たすこととしても良い。これにより、ウエハWに照射される照明光(回折光)の実質的な波長を、上記誘電体の屈折率分だけ縮小することができ、ウエハW上に形成される干渉縞の明暗パターンの周期T3を一層縮小することが可能となる。なお、そのためには、第2の回折格子G21の周期T2及び第1の回折格子G11の周期T1も、それに比例して縮小する必要があることは言うまでも無い。
図16(A)は、これに適したウエハステージ38a等の例を示す図である。ウエハステージ38aの周囲には、連続的な側壁38b,38cが設けられ、側壁38b,38cで囲まれた部分には水等の液体56を保持可能となっている。これにより、ウエハWとホルダ37Aに保持された第2の透光性平板P2との間は水に満たされ、照明光の波長は、水の屈折率(波長193nmの光に対して1.46)だけ縮小される。
なお、給水機構54及び排水機構55も併設され、これにより側壁38b,38cで囲まれた部分には汚染の無い清浄な液体が供給されかつ排出される。
また、図16(B)に示す如く、ウエハステージ38aの側壁38d,38eの最上面を第1の透光性平板P1の下面より高くし、ホルダ36Aに保持された第1の透光性平板P1とホルダ37Aに保持された第2の透光性平板P2との間の空間にも液体を満たすこともできる。給液機構54a及び排液機構55bの機能は上述と同様である。
これにより、第1の回折格子G11からウエハWに至る全光路を、空気以外の誘電体で覆うことが可能となり、上述の照明光の実効波長λを、液体の屈折分だけ縮小することが可能となる。そしてこれにより、一層微細な周期を有するパターンの露光が可能となる。
なお、第2の透光性平板P2とウエハWの間に満たす誘電体は水に限らず、他の誘電性液体であっても良いことは言うまでも無い。その場合、その誘電性液体の屈折率は、1.2以上であることが、干渉縞の明暗パターンの周期の縮小の点から好ましい。
また、図16(A)、(B)ではウエハWが液体中に配置されるものとしたが、第2の透過性平板P2とウエハWとの間で、少なくとも干渉縞パターンの形成領域を含む所定領域が液体で満たされるようにその供給及び排出を行うようにしてもよい。このとき、特に走査型露光装置では、走査露光時に液体を走査方向に沿って流すようにしてもよいし、ウエハステージ38上でウエハWを囲む所定領域の表面の高さをウエハWの表面とほぼ一致させることが好ましい。さらに、第1及び第2の透過性平板P1、P2の間で、少なくとも照明光IL10の通過領域を含む所定領域を液体で満たすようにしてもよいし、特に走査型露光装置では走査方向に沿って液体を流してもよい。このとき、第2の透過性平板P2とウエハWとの間とは独立に、第1及び第2の透過性平板P1、P2の間で液体の供給及び排出を行うようにしてもよい。
なお、本例の露光装置では、各種透光性平板を光路に沿って近接して配置することになるため、その各表面での表面反射に伴う多重干渉による悪影響のおそれがある。そこで、本例においては、図1の光源1からの照明光IL1〜IL10として、その時間的な可干渉距離(光の進行方向についての可干渉距離)が、100[μm]以下の光を使用することが好ましい。これにより多重干渉に伴う不要な干渉縞の発生を避けることができる。
光の時間的な可干渉距離は、その光の波長をλ、その光の波長分布における波長半値幅をΔλとしたとき、概ねλ2/Δλ で表わされる距離である。従って、露光波長λがArFレーザからの193nmの場合には、その波長半値幅Δλが370pm以上程度である照明光IL1〜IL10を使用することが望ましい。
また、照明光IL1〜IL10の波長としても、より微細な干渉縞パターンを得るために200[nm]以下の照明光を使用する事が望ましい。
なお、上記の実施形態において、例えば図1のレーザ干渉計40,86,82等の移動鏡39,89,84は独立の部材としてウエハステージ38やホルダ36A,37Aに固定されているが、それらの移動鏡を用いることなく、ウエハステージ38の上端部の側面自体、及びホルダ36A,37Aの側面自体を鏡面加工して、これらの鏡面加工された反射面を移動鏡として使用しても良い。これは参照鏡91,89,85についても同様である。
なお、上記実施形態では不図示のウエハ表面位置検出系を用いて計測格子95AやウエハWのZ方向の位置や傾斜を調整するものとしたが、ウエハ表面位置検出系の代わりに、第2の透過性平板P2(またはホルダ37A)とウエハステージ38とのZ方向の相対位置を複数点で計測するセンサ(例えばレーザ干渉計など)を用いてもよい。
また、干渉縞パターンを形成する露光装置(特に照明光学系IS、及び透過性平板P1、P2)の構成は上記実施形態に限られるものでなく、干渉縞パターンを形成する干渉露光方式の露光装置なら本発明を適用することができる。
上記の如くして干渉縞による明暗パターンの露光されたウエハWは、不図示のウエハローダーにより露光装置外に搬送され、現像装置に搬送させる。現像により、ウエハW上のフォトレジストには、露光された明暗パターンに応じたレジストパターンが形成される。そして、エッチング装置において、このレジストパターンをエッチングマスクとして、ウエハW又はウエハW上に形成された所定の膜をエッチングすることにより、ウエハWに所定のパターンが形成される。
半導体集積回路、フラットパネルディスプレイ、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等の電子デバイスの製造工程は、上記の如き微細パターンを多数層に亘って形成する工程を含む。本発明の露光装置による上記露光方法を、そのような多数回のパターン形成工程の中の少なくとも1つの工程に使用して、電子デバイスを製造することができる。
また、上記少なくとも1つの工程において、本発明の露光装置による上記露光方法を用いて干渉縞による明暗パターンを露光したウエハW上のフォトレジストPRに対し、一般的な投影露光装置により所定形状のパターンを合成露光して、合成露光されたフォトレジストPRを現像し、上記パターン形成を行なうこともできる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
本発明の露光方法及び装置は、半導体集積回路、フラットパネルディスプレイ、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等の電子デバイスの製造工程において使用することができる。
本発明の実施形態の一例の露光装置の概略構成を示す一部を切り欠いた図である。 (A)は第1の透光性平板P1上に形成した第1の回折格子G11を示す図、(B)は第2の透光性平板P2上に形成した第2の回折格子G21を示す図である。 第1の回折格子G11と第2の回折格子G21とウエハWとの位置関係、及び回折光LP,LM,LM1,LP1を示す断面図である。 ウエハW上に形成される干渉縞の強度分布を示す断面図である。 (A)は第1の透光性平板への照明光の入射角度範囲を+X方向から見た側面図、(B)はそれを−Y方向から見た側面図、(C)は開口絞り17を示す図である。 図1中の開口絞り17から干渉縞までの光学部材を簡略化して示す斜視図である。 (A)は、図6の第1の回折格子G11の所定位置に照射された照明光IL10により発生する±1次回折光LP,LMが、第2回折格子G21上にどのように入射するのかを示す図、(B)は、上記回折光LPが第2の回折格子G21に入射して回折光LP1,LM1となって干渉縞上の所定位置に入射する状態を示す図である。 本発明の実施形態における干渉縞の照明領域の一例を示す平面図である。 本発明の実施形態における干渉縞の照明領域の他の例を示す平面図である。 図1中のウエハステージ38とウエハマーク検出機構43との関係を示す平面図である。 図10中の干渉縞計測系41の構成例を示す図である。 本発明の実施形態における干渉縞の回転角及びコントラストの第1の調整方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における干渉縞の回転角及びコントラストの第2の調整方法を示すフローチャートである。 (A)は透光性平板P1、P2の代わりにピンホールの形成された基板を配置した状態を示す要部の拡大図、(B)は図14(A)のピンホールを通過した照明光の光量分布の一例を示す図である。 本発明の実施形態の他の例における、第1の回折格子G11,G12と第2の回折格子G21AとウエハWとの位置関係を示す断面図である。 (A)はウエハWと第2の透光性平板P2の間にのみ液体を満たす機構の説明図、(B)はさらに透光性平板P2と透光性平板P1との間にも液体を満たす機構の説明図である。
符号の説明
1…光源、2,3,4,6…第1のレンズ群レンズ、10…集光光学系、13…フライアイレンズ、17…開口絞り、29,30,32,35…第4のレンズ群レンズ、P1…第1の透光性平板、P2…第2の透光性平板、36A…第1ホルダ、37A…第2ホルダ、W…基板(ウエハ),38…ウエハステージ,40…レーザ干渉計、41…干渉縞計測系、G11…第1の回折格子、G21…第2の回折格子、IL1〜IL10…照明光

Claims (30)

  1. 第1格子及び第2格子が対向して配置され、前記第1格子側から照明光を照射し、前記第2格子の近傍に、第1方向に周期性を有する干渉縞を形成して、感光性基板上に前記干渉縞を露光する露光方法であって、
    前記干渉縞の特性を計測する第1工程と、
    前記干渉縞の特性に基づいて、前記第1格子と第2格子との回転関係を調整する第2工程とを含むことを特徴とする露光方法。
  2. 前記第1格子に照射する前記照明光の入射角度分布は、前記第1方向の入射角度範囲が、前記第2方向の入射角度範囲より小さいことを特徴とする請求項1に記載の露光方法。
  3. 前記干渉縞の前記特性は、前記干渉縞の長手方向の方向を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の露光方法。
  4. 前記干渉縞の長手方向の方向の計測は、前記干渉縞上の前記第2方向に所定間隔だけ離れた少なくとも2箇所の位置で、前記干渉縞の前記第1方向の位置を計測することにより行うことを特徴とする請求項3に記載の露光方法。
  5. 前記第2工程に続いて、
    前記干渉縞が露光される前記感光性基板を駆動するステージの走り方向を前記第1工程で求められた前記干渉縞の長手方向の方向に基づいて補正する工程を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の露光方法。
  6. 前記干渉縞の前記特性は、前記干渉縞のコントラストを含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の露光方法。
  7. 前記第1工程は、前記干渉縞のコントラストを計測するために、前記干渉縞と前記第1方向に周期的な計測格子との前記第1方向への相対移動に伴う前記計測格子からの透過光量の変化を計測する工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の露光方法。
  8. 前記第2工程は、前記第1格子と前記第2格子とを、同方向に同量回転する工程を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の露光方法。
  9. 前記第2工程は、前記第1格子と前記第2格子とを、2:−1の角度比で回転する工程を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の露光方法。
  10. 前記第1格子に入射する前記照明光の前記第2方向への入射角度範囲をそれぞれ異ならせて、前記第1工程、及び前記第2工程を複数回実行することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の露光方法。
  11. 前記第1格子に入射する前記照明光の前記第1方向の入射角度範囲は、2[mrad]以下であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の露光方法。
  12. 前記第1格子に照射する前記照明光の入射角度分布を、前記第1格子の法線方向を回転中心として回転調整する工程を含むことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の露光方法。
  13. 第1方向に周期性を有する第1格子及び第2格子が対向して配置され、前記第1格子側から照明光を照射し、前記第2格子の近傍に、前記第1方向に周期性を有する干渉縞を形成して、前記干渉縞を感光性基板に露光する露光方法であって、
    前記第1格子に照射する前記照明光の入射角度分布は、前記第1方向の入射角度範囲が、前記第2方向の入射角度範囲より小さいとともに、
    前記第1格子及び前記第2格子の代わりに、前記照明光の光路上に小開口の形成された基板を配置する第1工程と、
    前記小開口を通過する前記照明光の入射角度分布の長手方向を計測する第2工程とを有することを特徴とする露光方法。
  14. 前記第2工程に続いて、
    前記干渉縞が露光される前記感光性基板を駆動するステージの走り方向を前記第2工程で求められた光量分布の長手方向に基づいて補正する第3工程を有することを特徴とする請求項13に記載の露光方法。
  15. 前記第1格子の周期は前記第2格子の周期の自然数分の2倍であることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の露光方法。
  16. 前記第1格子及び前記第2格子の周期方向がそれぞれ前記第1方向に平行となっている状態で、
    前記干渉縞は、前記第1方向に前記第2格子の周期の自然数分の1の周期を持つことを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の露光方法。
  17. 前記感光性基板を前記第2方向に走査しつつ、前記露光を行うことを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の露光方法。
  18. 前記照明光の波長が、200nm以下であることを特徴とする請求項1から17のいずれか一項に記載の露光方法。
  19. 前記干渉縞のパターンを前記感光性基板上に露光する際に、前記第2格子と前記感光性基板との間の空隙、及び前記第1格子と前記第2格子との間の空隙の少なくとも一方に液体を満たすことを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の露光方法。
  20. パターン形成工程を有する電子デバイスの製造方法であって、
    前記パターン形成工程において、請求項1から19のいずれか一項に記載の露光方法を用いることを特徴とする電子デバイス製造方法。
  21. 第1格子及び第2格子を対向して配置し、前記第1格子側から照明光を照射し、前記第2格子の近傍に、第1方向に周期性を有する干渉縞を形成して、前記干渉縞を感光性基板に露光する露光装置であって、
    前記干渉縞の特性を計測する特性計測装置と、
    前記特性計測装置で計測される特性に基づいて、前記第1格子と前記第2格子との回転関係を調整する回転機構とを備えたことを特徴とする露光装置。
  22. 前記照明光の前記第1格子への入射角度分布を、前記第1方向の入射角度範囲を、前記第2方向の入射角度範囲より小さく設定し、前記第2方向の入射角度範囲が可変である照明光学系を備え、
    前記特性計測装置は、前記干渉縞のコントラストを計測するコントラスト計測機構を含むことを特徴とする請求項21に記載の露光装置。
  23. 前記コントラスト計測機構は、前記第1方向に周期的な計測格子と、前記干渉縞と前記計測格子とが重なった状態で前記計測格子からの透過光量を検出する光電検出器と、前記干渉縞と前記計測格子とを前記第1方向に相対移動する機構とを含むことを特徴とする請求項22に記載の露光装置。
  24. 前記コントラスト計測機構の計測結果に基づいて、前記回転機構を介して前記第1格子と前記第2格子とを2:−1の角度比で回転する制御装置をさらに備えたことを特徴とする請求項22又は23に記載の露光装置。
  25. 前記特性計測装置は、前記干渉縞の前記第1方向の位置を計測する位置計測機構を含むとともに、
    前記干渉縞の複数の位置における前記位置計測機構の計測結果に基づいて、前記干渉縞の周期方向に直交する方向を計測するとともに、
    前記制御装置は、該計測結果に基づいて、前記回転機構を介して前記第1格子と前記第2格子とを、同方向に等しい角度回転することを特徴とする請求項24に記載の露光装置。
  26. 前記干渉縞と前記感光性基板とを前記第2方向に相対走査するステージ機構をさらに備えたことを特徴とする請求項21から25のいずれか一項に記載の露光装置。
  27. 前記ステージ機構は、前記干渉縞の周期方向に直交する方向に応じて、前記感光性基板の走査方向を可変とする走査方向可変機構を有することを特徴とする請求項26に記載の露光装置。
  28. 前記干渉縞の周期方向に直交する方向に応じて、前記照明光の前記第1格子への入射角度分布を、前記第1格子の法線方向を回転中心として回転調整する照明光入射角度分布調整機構を有することを特徴とする請求項21から27のいずれか一項に記載の露光装置。
  29. 前記第1格子の周期は前記第2格子の周期の自然数Q倍であり、
    前記干渉縞は、前記第1方向に前記第2格子の周期の1/Qに等しい周期であることを特徴とする請求項21から28のいずれか一項に記載の露光装置。
  30. 前記第1格子と前記第2格子との間の空隙、及び前記第2格子と前記干渉縞が露光される前記感光性基板との空隙の少なくとも一方に液体を充填する液体充填機構を有することを特徴とする請求項21から29のいずれか一項に記載の露光装置。
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