JP2007026475A - プログラマブル集積回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】SRAMの高速性とEEPROMの不揮発性との両立を簡単な構成により実現すること。
【解決手段】第1の増幅回路部100は、第1の負荷回路122と第1の不揮発性記憶手段102と第1のスイッチ手段126とを有するとともにこれらを第1の電源と第2の電源との間に直列に接続している。第2の増幅回路部110も同様に、第2の負荷回路124と第2の不揮発性記憶手段104と第2のスイッチ手段128とを有しこれらを第1の電源と第2の電源との間に直列に接続している。これら第1の増幅回路部100と第2の増幅回路部110とでフリップフロップを構成している。このような構成とすることによって、相互的に反転した電位情報を保持するSRAMのような揮発性記憶動作と、2つの不揮発性記憶手段による不揮発性記憶動作とを両立することができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、不揮発性記憶回路と揮発性記憶回路との特徴を備えたプログラマブル集積回路に関する。
不揮発性記憶回路の特徴とは、電源を遮断してもデータを保持し、再び電源が投入されれば保持していたデータを読み取り電位情報として復元する点である。不揮発性記憶回路を構成する不揮発性記憶素子は、紫外線などで注入された電子を放出するEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)や、完全に1度かぎりのデータ書き込みであるROMや、製造時に回路にデータが書き込まれているマスクROMなどがある。近年、電気的にデータの書き換えが可能なEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)が広く利用されている。
EEPROMは、制御用ゲート電極と分極しやすい誘電体を用いた浮遊電極とを有している。その浮遊電極に電子(またはホール)を注入して、実効的にスレッショルド電圧を変化させることでデータの書き込みを判断する。EEPROMは、データの書き込みの有無に応じて、デプレション特性とエンハンスメント特性とを示す。この素子としての特性の変化を実効的なスレッショルド電圧の変化という。
スレッショルド電圧とは、いわゆるしきい値のことである。ソース電極とドレイン電極との間で電流が流れ始めるか、または流れが止まるかするときにゲート電極に印加している電圧値のことである。
エンハンスメント特性とは、ゲート電極とソース電極とに印加する電圧の差がゼロのときに反転層が形成されず、電流が流れない素子特性をいう。一方、デプレション特性とは、ゲート電極とソース電極とに印加する電圧の差がゼロですでにチャネルが形成され、ソース電極とドレイン電極との間で電流が流れる素子特性をいう。
浮遊電極を分極させる方法はいくつか提案されているが、広く用いられている方法は、F−N(Fowler−Nordheim)トンネリングを利用するものである。
簡単に説明すると、EEPROMの制御用ゲート電極とドレイン電極とに、十数Vの電位を特定の時間印加して、浮遊電極下に設けた薄い酸化膜を通してF−Nトンネル電流を流すのである。これにより、浮遊電極に電子を注入したり電子を放出したりすることができ、EEPROMの実効的なスレッショルド電圧を変化させることができる。
このように、データの読み取りは、EEPROMのソース電極とドレイン電極とのコンダクタンスの変化を利用した電流電圧変換が行われるのが一般的である。
EEPROMの使用例としては、ROMのデータが電気的に書き換え可能なものであるから、さまざまな用途に利用されている。例えば、システムの電源投入時やシステムの待機状態からの起動時において、所望のデータの読み出しなどに用いられることが多い。所望のデータとは、システムの電源投入条件を含むデータや、システム稼動中に変化するパラメータを含むデータなどであって、常に同一のデータではないものである。
EEPROMは、浮遊電極を覆うように制御用ゲート電極が設けられた構造が一般的であって、EEPROMの浮遊電極に電子を注入する場合には、ドレイン電極を接地レベルとし、制御用ゲート電極に十数Vを数ミリ秒印加することにより行われる。また、浮遊電極から電子を放出する場合には、制御用ゲート電極を接地レベルとし、ドレイン電極に十数Vを数ミリ秒印加することにより行われる。
EEPROMは、実効的なスレッショルド電圧を変化させる記憶素子であるため、データの取り扱いには、電流電圧変換が行われるのが一般的である。電流電圧変換を行うにはいくつかの要素が必要であって、EEPROMの書き込み動作や消去動作に必要な十数Vという比較的高い電圧を切り替える電圧切り替え制御回路や電流電圧変換回路が必要である。
EEPROMは、自体の集積度の向上のほか、これらの要素の縮小化も求められており、その動作速度の向上も求められている。
電圧切り替え制御回路は、EEPROMの制御用ゲート電極とドレイン電極とに、書き込み動作時と消去動作時とで十数Vの異なる電圧を供給しなくてはならない。さらに、EEPROMへの書き込み動作時または消去動作時以外では、ロジックレベルとしての5V程度またはそれ以下の電圧と接地レベルの電圧とを供給しなければならない。このため、電圧切り替え制御回路自体の使い方も複雑化している。
ところで、記憶回路には揮発性記憶回路もある。揮発性記憶回路の特徴とは、電源を遮断すると保持しているデータが消えてしまう点である。揮発性記憶回路を構成する揮発性記憶素子は、代表的なものとしてDRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)が知られている。
SRAMは、いくつかのMIS型電界効果トランジスタなどのスイッチング素子でフリップフロップを構成して情報を記憶するものである。DRAMのようにデータが記憶してある容量への定期的な電荷再注入(リフレッシュ動作)が必要ではないことから、高速動作を必要とする用途などに用いられている。
近年、EEPROMやそれに必要な他の回路の小型化や高速化の要求がある。こうした要求から、SRAMの高速性とEEPROMの不揮発性という双方の特徴を併せ持った記憶回路が提案されている。
そのような記憶回路は多くの提案をみるものであるが、SRAMとEEPROMとを組み合わせて回路を構成し、データの退避時には、SRAMのフリップフロップの安定したループ回路から得られる電位情報に基づいて、EEPROMへの書き込みに必要な所定の電圧をドレイン電極と制御用ゲートとに印加する手段を備えている記憶回路が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
このようなSRAMとEEPROMとを組み合わせた記憶回路は、電源を遮断しないかぎりSRAMとして動作しており、電源投入やシステムの待機状態からの起動には、EEPROMからデータの復元を行っている。
データの復元は、EEPROMの実効的なスレッショルド電圧変化により、SRAM内のMIS型電界効果トランジスタのトランスコンダクタンスを制御して、電源供給の過渡状態におけるフリップフロップのバランスを崩して電位差を生じさせたのち、電源電圧到達時には、フリップフロップの増幅機能によりロジックレベルのデータとしてSRAM内に保持する動作を行っている。
特許文献1に示した従来技術を図を用いて説明する。図6は、特許文献1に示す従来技術のプログラマブル集積回路の概略構成を示した回路図である。
400はSRAM部、410は不揮発性記憶回路部である。402は第1のトランジスタ、404は第2のトランジスタであり、不揮発性記憶回路部410を構成している。406は第3のトランジスタ、408は第4のトランジスタである。432は第5のトンランジスタ、434は第6のトンランジスタであり、SRAM部400を構成している。436は第1のトランスファーゲート、438は第2のトランスファーゲートである。44
0は第1の信号線、450は第2の信号線、60は選択線、92は第1のデータ線、94は第2のデータ線である。n40は第1接続点、n41は第2接続点である。
SRAM部400と不揮発性記憶回路部410とは、選択用の第3のトランジスタ406と第4のトランジスタ408とによって接続と非接続とが制御されている。第1のデータ線92と第1接続点n40との間には第1のトランスファーゲート436が設けてあり、第2のデータ線94と第2接続点n41との間には第2のトランスファーゲート438が設けてある。
これらのトランスファーゲートを介して、SRAM部400と不揮発性記憶回路部410とに記憶している電位情報を入出力している。
電位情報とは、例えば、ロジックレベルのハイレベル(5V)やローレベル(0Vや接地レベル)の2値の情報をいう。
第1の信号線440は、第1のトランジスタ402と第2のトランジスタ404とのゲート電極に接続され、第2の信号線450は、不揮発性記憶回路部410とSRAM部400とを電気的に接続する第3のトランジスタ406と第4のトランジスタ408とのゲート電極に接続されている。選択線60は、第1のトランスファーゲート436と第2のトランスファーゲート438のゲート電極に接続されている。
第1のトランジスタ402と第2のトランジスタ404とのソース電極は、Vcc電源に接続され、第5のトンランジスタ432と第6のトランジスタ434とのソース電極は、接地レベルであるGndに接続している。
次に、SRAM動作について説明する。第1の信号線440および第2の信号線450をローレベルに固定する。このとき、SRAM部400内の電位情報は、第1接続点n40または第2接続点n41のいずれか一方がハイレベル(ここではVcc電源の電位)となっており、他方がローレベルとなる。
SRAM部400への電位情報の入出力は、選択線60をハイレベルにすることで、第1のトランスファーゲート436および第2のトランスファーゲート438を介して、第1のデータ線92および第2のデータ線94からSRAM部400に書き込んだり、それに対して、SRAM部400から読み出しだしたりする。入力動作のときは、第1のデータ線92と第2のデータ線94とは、ロジック的に反転関係にある電位情報を供給する。
次に、不揮発性記憶回路部410への書き込み動作について説明する。まず、不揮発性記憶素子である第1のトランジスタ402および第2のトランジスタ404に既に書き込まれている情報(旧情報という)を消去する必要がある。これには、第2の信号線450をローレベルにして、第3のトランジスタ406および第4のトランジスタ408を用いて不揮発性記憶回路部410とSRAM部400とを電気的に切断してから、第1の信号線440に負極性の低い電圧を印加して不揮発性記憶回路部410を書き込み状態にする。ここでいう書き込み状態とは、浮遊電極から電子を放出した状態のことであって、第1のトランジスタ402と第2のトランジスタ404との浮遊電極からVcc電源へ注入されていた電子を放出させるのである。
旧情報の消去を行ったのち、SRAM部400に既に新しい電位情報が記憶されているとすれば、選択線60をローレベルにして、第1のトランスファーゲート436および第2のトランスファーゲート438を用いてSRAM部400と第1のデータ線92および第2のデータ線94を電気的に切断したのち、第2の信号線450をハイレベルにして、第3のトランジスタ406および第4のトランジスタ408を用いてSRAM部400と不揮発性記憶回路部410とを電気的に接続して、第1の信号線440に正極性の高い電圧を印加する。
このとき、第2接続点n41がローレベルの電位情報であったら、第5のトランジスタ432は非導通状態であり、第1のトランジスタ402と第3のトランジスタ406とにも電流が流れないので、不揮発性記憶素子である第1のトランジスタ402の実効的なスレッショルド電圧は変化せずデプレション特性を示したままの書き込み状態となる。
それに対して、第1の接続点n40は、ハイレベルの電位情報であるから、第6のトランジスタ434は導通状態であり、第2のトランジスタ404と第4のトランジスタ408とにも電流が流れるので、不揮発性記憶素子である第2のトランジスタ404の浮遊電極に電子が注入されて、実効的なスレッショルド電圧が変化して、エンハンスメント特性を示す消去状態となる。
説明した一連の動作ののち、第1の信号線440と第2の信号線450と選択線60とをローレベルとして、不揮発性記憶回路部410への書き込み動作が完了する。特許文献1に示した従来技術によれば、システムの起動時において不揮発性記憶回路部410に待避させておいた情報をSRAMへ書き込む初期動作に使用できるとしている。
次に、不揮発性記憶回路部410に書き込んだ情報をSRAM部400へ読み出す動作について説明する。これは、上述のシステムの起動時における情報の読み出し動作に相当する。
不揮発性記憶回路部410に情報が書き込まれていると、第1のトランジスタ402および第2のトランジスタ404のいずれか一方が高いエンハンスメント特性を示し、もう一方がデプレション特性を示しているため、システムの起動時などで、Vcc電源を投入する過渡状態において、第1のトランジスタ402と第2のトランジスタ404とには、電流値に差が生じる。これを利用して情報を読み出すのである。
読み出しにはまず、第1の信号線440と第2の信号線450とをローレベルとして、選択線60をハイレベルとする。これにより第1のトランスファーゲート436と第2のトランスファーゲート438とが導通状態になる。
この状態で、第1のデータ線92と第2のデータ線94とをローレベルにして、第1接続点n40と第2接続点n41とをローレベルにする。次に、第1の信号線440はローレベルのままとし、第2の信号線450をハイレベルとして、選択用の第3のトランジスタ406と第4のトランジスタ408とを導通状態にする。
このとき、第1のトランジスタ402および第2のトランジスタ404のいずれか一方はエンハンスメントを示しているから、非導通状態となり電流が流れないが、もう一方はデプレション特性を示すため電流が流れて、第1接続点n40と第2接続点n41に電流電圧変換された電位差が生じる。
SRAM部のフリップフロップ機能によりこの電位差が増幅されるとともに第1のデータ線92および第2のデータ線94にはその電位差が出力されるのである。
次に、特許文献2に示した従来技術を図を用いて説明する。図7は、特許文献2に示す従来技術のプログラマブル集積回路の概略構成を示した回路図である。
500はSRAM部である。531はプルアップの負荷素子としてデプレション型の第1のトランジスタ、532も同じくデプレション型の第2のトランジスタである。533は第3のトランジスタ、534は第4のトランジスタであり、フリップフロップを構成している。502は不揮発性記憶素子である第5のトランジスタである。
60は選択線、92は第1のデータ線、94は第2のデータ線92である。536は第1のトランスファーゲート、538は第2のトランスファーゲートである。n50は第1接続、n51は第2接続点である。
SRAM部500への選択と非選択とは、第1のトランスファーゲート536と第2のトランスファーゲート538とを用いて行い、第1のデータ線92および第2のデータ線94へ電位情報の入出力が行われる。
第1のトランジスタ531と第2のトランジスタ532とのソース電極は、正極性のVcc電源が接続され、フリップフロップを構成する第3のトランジスタ533および第4のトランジスタ534のソース電極は、接地レベルであるGndに接続している。
第1のトランスファーゲート536および第2のトランスファーゲート538のゲート電極は、選択線60に接続されている。
不揮発性記憶素子である第5のトランジスタ502のゲート電極は、第1接続点n50と第4のトランジスタ534のゲート電極とに接続され、第5のトランジスタ502のドレイン電極は、第2接続点n51と第3のトランジスタ533のゲート電極とに接続されている。第5のトランジスタ502のソース電極は、不揮発性素子として動作させるための電圧を印加する端子となっている。
まず、SRAM動作について説明する。SRAM部500は、一般的なSRAMの構成である。第1のデータ線92と電位情報が反転レベルである第2のデータ線94との両方の電位情報を、SRAM部500へ第1のトランスファーゲート536および第2のトランスファーゲート538を介して入力が行われる。入力には、選択線60をハイレベルにして、第1のトランスファーゲート536および第2のトランスファーゲート538を導通状態にする。このときVcc電源は、例えば5V程度なので、第5のトランジスタ502の導通と非導通状態とには無関係に、第1接続点n50と第2接続点n51との電位関係は、第1のデータ線92および第2のデータ線94の電位情報によって決定される。
次に、不揮発性記憶素子である第5のトランジスタ502への書き込みと消去について説明する。SRAM部500には、すでに説明した方法により所定の電位情報が入力されている状態とする。まず、選択線60をローレベルにして、第1のデータ線92および第2のデータ線94を電気的に切断する。次に、第5のトランジスタ502のソース電極を開放して、Vcc電源をSRAM部500を駆動する電圧レベルの5V程度から15V程度に変化させることにより、SRAM部500内の第1接続点n50または第2接続点n51のいずれか一方が15V程度にレベルシフトし、もう一方は接地レベルのまま保持される。
このとき、第5のトランジスタ502のドレイン電極に15V程度、ゲート電極に接地レベルが印加されると、浮遊電極に注入されていた電子があれば、放出動作を行い、実効的にスレッショルド電圧が低い不揮発性記憶素子の書き込み状態となり、第5のトランジスタ502のドレイン電極に接地レベル、ゲート電極に15V程度が印加されれば、浮遊電極に電子が注入されて、実効的にスレッショルド電圧が高い不揮発性記憶素子の消去状態となる。
次に、読み出し動作について説明する。不揮発性記憶素子である第5のトランジスタ502からの読み出しは、システムの起動の際にのみ有効になる。Vcc電源が切断されていないうちはSRAM動作が継続されている。
まず、選択線60をローレベルにして、第1のデータ線92および第2のデータ線94を電気的に切断する。次に、Vcc電源と第5のトランジスタ502のソース電極とを接地レベルから5V程度まで上昇させる。このとき、第5のトランジスタ502が書き込み状態であれば、実効的なスレッショルド電圧が低く、デプレション特性を示すので、第5のトランジスタ502に電流が流れて、第1のトランジスタ531と第2のトランジスタ532とのそれぞれのトランスコンダクタンスに差が生じて、フリップフロップの増幅作用から、第2接続点n51は5V程度へ誘導される。
第5のトランジスタ502が消去状態であれば、実効的なスレッショルド電圧が高く、エンハンスメント特性を示すので、第1のトランジスタ531と第2のトランジスタ532とのそれぞれのトランスコンダクタンスには差が生じない。そこで、第2のトランジスタ532より第1のトランジスタ531のトランスコンダクタンスを大きく設定しておけば、電源投入の過渡状態で、第1のトランジスタ531と第2のトランジスタ532との電流値のバランスが崩れて、第1接続点n50がハイレベルへ誘導され、それに対して、第2接続点n51がローレベルに誘導される。これにより、フリップフロップの増幅作用から、第1接続点n50は5V程度へ誘導される。トランスコンダクタンスを満足させるには、第1のトランジスタ531と第2のトランジスタ532との寸法を適切に設定することで実現できるとしている。
特開平7−226088号公報(第5頁、第1図) 特開昭60−70594号公報(第6頁、第1図)
特許文献1に示した従来技術では、ロジックレベルの電圧源のほかに、第1の信号線440に負極性の低い電圧と正極性の高い電圧との2つの電圧源を用意する必要がある。そして、これらの電圧源を動作別に切り替える手段も必要である。
不揮発性記憶回路部410への情報の書き込みには、まず旧情報を消去する操作が必要である。
それぞれの動作には、第2の信号線450の信号によって、不揮発性記憶回路部410とSRAM部400とを電気的に接続と非接続とを切り替えなければならない。
このように、実使用においては、操作が煩雑になってしまうという問題があった。
特許文献2に示した従来技術では、不揮発性記憶素子である第5のトランジスタ502へデータを退避するときと第5のトランジスタ502からデータを読み出すときとで、第5のトランジスタ502のソース電極を、開放状態とロジックレベルでのハイレベル電位とに切り替える手段が必要である。
このように、実使用においては、構成が複雑になってしまうという問題があった。
本発明は、上述した問題点を解消し、簡便な制御性と小規模な回路で構成できるプログラマブル集積回路を提供することを目的とする。
本発明は上記の目的を達成するため、以下に記載するような技術構成を採用するものである。
不揮発性記憶回路と揮発性記憶回路との特徴を備えた記憶回路に電位情報を記憶するプログラマブル集積回路であって、
第1の増幅回路部と第2の増幅回路部とを有し、第1の増幅回路部と第2の増幅回路部とでフリップフロップを構成し、
第1の増幅回路部は、第1の負荷回路と第1の不揮発性記憶手段と第1のスイッチ手段とを有するとともにこれらを第1の電源と第2の電源との間に直列に接続し、
第2の増幅回路部は、第2の負荷回路と第2の不揮発性記憶手段と第2のスイッチ手段とを有するとともにこれらを第1の電源と第2の電源との間に直列に接続し、
第1の増幅回路部と第2の増幅回路部とは、相互的に反転した電位情報を保持することを特徴とする。
第1の不揮発性記憶手段は、一方の端子に第1のスイッチ手段を接続し、他方の端子に第1の負荷回路を接続し、
第2の不揮発性記憶手段は、一方の端子に第2のスイッチ手段を接続し、他方の端子に第2の負荷回路を接続していることを特徴とする。
第1の不揮発性記憶手段と第2の不揮発性記憶手段とは、それぞれ浮遊電極と制御用ゲート電極とを有する不揮発性記憶素子で構成することを特徴とする。
第1のスイッチ手段と第1の不揮発性記憶手段とは、同一導電型のMIS型電界効果トランジスタで構成し、
第2のスイッチ手段と第2の不揮発性記憶手段とは、同一導電型のMIS型電界効果トランジスタで構成することを特徴とする。
第1の負荷回路と第1の不揮発性記憶手段とは第1の接続点で接続し、第1の接続点に第1の入出力手段を接続し、
第2の負荷回路と第2の不揮発性記憶手段とは第2の接続点で接続し、第2の接続点に第2の入出力手段を接続し、
第1の増幅回路部と第2の増幅回路部とは、それぞれ第1の入出力手段と第2の入出力手段とを用いて電位情報の受け渡しを行うことを特徴とする。
第1の負荷回路の一方の端子を第1の電源に接続し、他方の端子を第1の不揮発性記憶手段の一方の端子に接続し、第1の不揮発性記憶手段の他方の端子を第1のスイッチ手段の一方の端子に接続し、第1のスイッチ手段の他方の端子を第2の電源に接続し、
第2の負荷回路の一方の端子を第1の電源に接続し、他方の端子を第2の不揮発性記憶手段の一方の端子に接続し、第2の不揮発性記憶手段の他方の端子を第2のスイッチ手段の一方の端子に接続し、第2のスイッチ手段の他方の端子を第2の電源に接続し、
第1の負荷回路と第1のスイッチ手段と第1の不揮発性記憶手段とは、それぞれ制御端子を備えてなり、これらの制御端子は共通に接続するとともに第2の接続点に接続し、
第2の負荷回路と第2のスイッチ手段と第2の不揮発性記憶手段とは、それぞれ制御端子を備えてなり、これらの制御端子は共通に接続するとともに第1の接続点に接続し、
第1の入出力手段と第2の入出力手段とは、それぞれ制御端子を備えてなり、これらの制御端子は選択線に接続し、
第1の入出力手段の他方の端子は、第1のデータ線に接続し、第2の入出力手段の他方の端子は、第2のデータ線に接続することを特徴とする。
本発明のプログラマブル集積回路は、簡単な構成で不揮発性記憶回路の特徴と揮発性記憶回路の特徴とを併せ持つことができる。
本発明のプログラマブル集積回路によれば、不揮発性記憶回路のデータ記憶操作である書き込みと消去との2つの操作において、揮発性記憶回路としての動作時のフリップフロップで保持される電位関係と、不揮発性記憶回路への書き込みと消去との2つの操作に必要なドレイン電極と制御用ゲート電極との電位関係とが同じであるため、高電位側電源をロジックレベルの電圧から所定の10数Vまで昇圧するだけで、フリップフロップ機能により自己整合的にレベルシフトして、書き込みと消去との2つの操作を完了するための電圧条件が同時に満たされる。
また、データ復元機能に際しては、ロジックレベルの電源電圧を印加する以外に制御を必要としないという特徴をもつ。
簡素な構成であるにも関わらず、揮発性記憶回路としての機能と高速性とを維持するとともに、不揮発性記憶回路としての電源遮断やシステム待機状態などでのデータ記憶機能と電源投入やシステム起動状態でのデータ復元機能とを備えることができるのである。
本発明のプログラマブル集積回路は、第1の増幅回路部や第2の増幅回路部を構成するスイッチ手段と不揮発性記憶回路とが対称に構成され、かつフリップフロップ接続しているので、データの復元時には不揮発性記憶回路の僅かなスレッショルド電圧差で差動増幅することができる。このため、不揮発性記憶素子へのデータ記憶操作で、昇圧電圧値あるいは印加時間が不足して実効的なスレッショルド電圧差が所定の値にならなかった場合や、システム自体の低電源電圧化でのデータの復元時でさえ、誤動作を抑制することができる。
また、浮遊電極を有する不揮発性記憶素子の実効的なスレッショルド電圧差が、書き込み状態と消去状態とで10数V程度あるデバイスを使用する場合において、不揮発性記憶回路に書き込まれた旧いデータによっては、ロジックレベルの電源電圧で揮発性記憶回路としての動作が困難になることが予想されようが、この場合、書き込み動作と消去動作とに要する昇圧電圧値を下げるか、昇圧電圧印加時間を短縮し、浮遊電極へ不十分な電子注入を行って、実効的なスレッショルド電圧を最適化することで揮発性記憶回路としての機能を実現することができる。不十分な電子注入はリテンション特性の低下をもたらすが、データの一時退避としての活用が主であれば十分である。
以下に図面を参照して、この発明にかかるプログラマブル集積回路の好適な実施の形態を説明する。
[全体構成の説明]
図1と図2とは、本発明のプログラマブル集積回路の全体構成を示す回路図である。100は第1の増幅回路部、110は第2の増幅回路部、122は第1の負荷回路、124は第2の負荷回路、102は第1の不揮発性記憶手段、104は第2の不揮発性記憶手段、126は第1のスイッチ手段、128は第2のスイッチ手段、132は第1の入出力手段、134は第2の入出力手段、60は選択線、92は第1のデータ線、94は第2のデータ線、n10は第1の接続点、n11は第2の接続点である。Vccは第1の電源、Gndは第2の電源である。電源電位のレベルとしては、Vccは高電位レベルであって、Gndは接地レベルである。
第1の増幅回路部100と第2の増幅回路部110とは、VccとGndとの間に接続している。第1の増幅回路部100は、第1の負荷回路122と第1の不揮発性記憶手段102と第1のスイッチ手段126とを直列に接続している。構成を同じくして、第2の増幅回路部110は、第2の負荷回路124と第2の不揮発性記憶手段104と第2のスイッチ手段128とを直列に接続している。
本発明のプログラマブル集積回路は、不揮発性記憶手段を含む増幅回路部を2つ備え、これら増幅回路を揮発性記憶回路のフリップフロップのように接続する。このようにすることによって、簡単な構成で不揮発性記憶回路の特徴と揮発性記憶回路の特徴とを併せ持つ記憶回路を形成することができる。
図1は、本発明のプログラマブル集積回路の第1の実施例を示すものである。
第1の負荷回路122と第1の不揮発性記憶手段102と第1のスイッチ手段126と、第2の負荷回路124と第2の不揮発性記憶手段104と第2のスイッチ手段128とは、MIS型電界効果トランジスタで構成しており、それぞれ制御端子を有している。
第1の不揮発性記憶手段102と第2の不揮発性記憶手段104とは、制御用ゲート電極と浮遊電極との2つの電極を有し、F−Nトンネリングを利用して浮遊電極に電子の注
入と放出とを行う不揮発性記憶素子である。
したがって、第1の負荷回路122と第2の負荷回路124と第1のスイッチ手段126と第2のスイッチ手段128との制御端子はゲート電極のことをいい、第1の不揮発性記憶手段102と第2の不揮発性記憶手段104との制御端子は、制御用ゲート電極のことをいう。
第1の負荷回路122と第2の負荷回路124とは、PチャネルMOSトランジスタであって、第1のスイッチ手段126と第2のスイッチ手段128とは、NチャネルMOSトランジスタである。第1の不揮発性記憶手段102と第2の不揮発性記憶手段104とは、ソース電極とドレイン電極とをN型とする。
すなわち、第1の不揮発性記憶手段102および第2の不揮発性記憶手段104と第1のスイッチ手段126および第2のスイッチ手段128とは、同一導電型である。
第1の増幅回路部100と第2の増幅回路部110との構成を詳しく説明する。第1の負荷回路122のソース電極はVccに接続している。ドレイン電極は、第1の不揮発性記憶手段102のドレイン電極と接続するとともに第1の入出力手段132に接続している。この接続点は、第1の接続点n10である。第1の不揮発性記憶手段102のソース電極は、第1のスイッチ手段126のドレイン電極と接続し、第1のスイッチ手段126のソース電極は、Gndと接続している。それぞれの制御端子である各ゲート電極は、共通に接続するとともに第2の接続点n11に接続している。
第2の負荷回路124のソース電極はVccに接続している。ドレイン電極は、第2の不揮発性記憶手段104のドレイン電極と接続するとともに第2の入出力手段134に接続している。この接続点は、第2の接続点n11である。第2の不揮発性記憶手段104のソース電極は、第2のスイッチ手段128のドレイン電極と接続し、第2のスイッチ手段128のソース電極は、Gndと接続している。それぞれの制御端子である各ゲート電極は、共通に接続するとともに第1の接続点n10に接続している。
これら第1の増幅回路部100と第2の増幅回路部110とでフリップフロップを構成している。
第1の入出力手段132は、第1の接続点n10と第1のデータ線92とを電気的に接続と非接続とにするNチャネルMOSトランジスタで構成するスイッチング素子である。構成を同じくして、第2の入出力手段134は、第2の接続点n11と第2のデータ線94とを電気的に接続と非接続とにするNチャネルMOSトランジスタで構成するスイッチング素子である。これらのスイッチング素子のゲート電極は、ともに選択線60に接続しており、選択線60の信号によって制御される。
第1の増幅回路部100と第2の増幅回路部110とは、それぞれ負荷回路とスイッチ手段との間に直列に不揮発性記憶手段を設けており、この構成が本発明の特徴である。この不揮発性記憶手段のソース電極とドレイン電極との間を短絡すると一般に知られているSRAM構成と同様な揮発性記憶回路になる。
[不揮発性記憶素子の説明:図3、図4、図5]
次に、本発明で用いる不揮発性記憶素子について説明する。図3は、不揮発性記憶素子の構造を模式的に示す断面図である。50はP型のシリコン基板、32はN型のソース電極、34はN型のドレイン電極、8はトンネル酸化膜部、12は浮遊電極、10は制御用ゲート電極、40は絶縁膜である。なお、不揮発性記憶装置はF−Nトンネリングを用いるEEPROMを想定している。また、説明する上で特に必要ない構成は省略してある。
図3に示す不揮発性記憶素子は、制御用ゲート電極10とトンネル酸化膜部8まで延びたドレイン電極34との間に、高電圧を印加することでトンネル酸化膜部8を電子がトン
ネリングして情報の書き込みや消去を行うものである。
ドレイン電極34に正極性の高電圧、制御用ゲート電極10に接地レベル電圧を印加すると、浮遊電極12内に注入されている電子がトンネル酸化膜部8を通ってドレイン電極34へ流れる。この浮遊電極12内に電子が注入されていない状態を書き込み状態という。この状態では、デプレション特性を示すNチャネルMOSトランジスタと同様の性質をもつ。
また、ドレイン電極34が接地レベル電圧、制御用ゲート電極10に負極性の高電圧を印加する場合においても、同様な現象を起こす。この場合のソース電極32は、電気的に開放状態か、または接地レベル電圧とする。
このように、トンネル酸化膜部8の上下で、制御用ゲート電極10よりドレイン電極34が正極性側に高電圧がかかった場合に、その電界によって電子のトンネリングが起こる。図3に示す一般的な不揮発性記憶素子では、おおよそ7V以上でこの現象が生じ始める。
一方、ドレイン電極34に接地レベル電圧、制御用ゲート電極10に正極性の高電圧を印加すると、F−Nトンネリングにより、トンネル酸化膜部8を通って浮遊電極12内に電子が注入される。この浮遊電極12内に電子が注入された状態を消去状態という。この状態では、エンハンスメント特性を示すNチャネルMOSトランジスタと同様の性質をもつ。
このように、不揮発性記憶素子は、浮遊電極12内に注入されている電子の有無によって、スレッショルド電圧が変化するNチャネルMOSトランジスタの振る舞いをする特徴がある。ここでいうスレッショルド電圧とは、不揮発性記憶素子が実効的に動作を開始する電圧であり、実効的なスレッショルド電圧と同じ意味である。
F−Nトンネリングは、印加する電圧によって実効的なスレッショルド電圧値も変動するため、印加電圧値の最適化は重要である。また印加電圧値とともに印加時間も、スレッショルド電圧の変動を起こす重要なパラメータである。これについては、図4を用いて詳しく説明する。
図4は、不揮発性記憶素子の実効的なスレッショルド電圧変動特性を説明する図である。縦軸は実効的なスレッショルド電圧を示し、その単位はV(ボルト)である。横軸は図3に示す不揮発性記憶素子の制御用ゲート電極10に印加する電圧を示しており、その単位はV(ボルト)である。
このときのドレイン電極34は、接地レベル電圧に固定している。すなわちドレイン電極34に対して、制御用ゲート電極10に−15Vから+15Vを印加している様子を示している。
図4に示すように、不揮発性記憶素子の書き込み状態から、制御用ゲート電極10の印加電圧が、おおよそ+5V以上になると、実効的なスレッショルド電圧が正側へ変化し始める。そして、おおよそ+13Vで完全に実効的なスレッショルド電圧はエンハンスメント特性を示す。これは、浮遊電極12に電子が満充填されている状態である。このときの実効的なスレッショルド電圧は、おおよそ+2.2Vである。
また、エンハンスメントの状態から、制御用ゲート電極10に印加する電圧を下げていくと、おおよそ−6Vでスレッショルド電圧が負側へ変化し始める。そしておおよそ−15Vで完全に、実効的なスレッショルド電圧はデプレション特性を示す。これは、浮遊電極12から電子が放出されている状態である。このときの実効的なスレッショルド電圧は、おおよそ−6.8Vである。
図5は、図3に示す不揮発性記憶素子のドリフト電流と制御用ゲート電圧との関係を説明する図である。縦軸はドリフト電流を示し、その単位はA(アンペア)である。横軸は
図3の制御用ゲート電極10に印加する電圧を示しており、その単位はV(ボルト)である。実線で示す曲線1は、デプレション特性を示す不揮発性記憶素子の書き込み状態における特性であり、一点鎖線で示す曲線2は、エンハンスメント特性を示す不揮発性記憶素子の消去状態における特性である。このとき、ソース電極32は接地レベル電圧が供給され、ドレイン電極34は制御用ゲート電極10に接続されている。
曲線1は、制御用ゲート電極10に−14Vを印加して不揮発性記憶素子を書き込み状態にしたときの特性で、曲線2は、制御用ゲート電極10に+14Vを印加して不揮発性記憶素子を消去状態にしたときの特性である。
図5に示すように、曲線1においては、通常、ロジックICで扱う電源電圧である0Vと+数Vにわたって、常にある程度のドリフト電流が流れているが、曲線2においては、おおよそ+2V程度まではリークレベルの電流しか流れない。しかしながら、+2Vを超えると、指数的にドリフト電流が増加しておおよそ+4V程度で、曲線1の電流値に近づいて、不揮発性記憶素子の書き込み状態と消去状態とに関わらずドリフト電流が流れる。
一般的に不揮発性記憶素子に記憶されたデータを電位情報に変換する際には、制御用ゲート電極を0Vにして、不揮発性記憶素子のソース電極とドレイン電極との間の電流を電圧に変換する。このとき、図5に示す曲線1の特性を示す書き込み状態にある不揮発性記憶素子であれば電流が流れるが、曲線2の特性を示す消去状態にある不揮発性記憶素子では電流が微小にしか流れず、2つの状態で電流値に差が生じる。この2つの状態での電流を電圧に変換すれば2つのレベルの電位情報としてデータの復元ができる。
[SRAM動作の説明:図1]
次に、本発明のプログラマブル集積回路のSRAM動作について説明する。選択線60が、ローレベル(Gndの電位)のときは、第1の入出力手段132と第2の入出力手段134とは非導通状態であって、第1のデータ線92と第2のデータ線94との電位情報の入出力はない。選択線60がハイレベル(Vccの電位、例えば、数V)になると、第1の入出力手段132と第2の入出力手段134とは導通状態になり、プログラマブル集積回路への電位情報の入力あるいはプログラマブル集積回路からの電位情報の出力が行われる。
電位情報とは、例えば、ロジックレベルのハイレベルやローレベルの2値の情報をいう。
第1のデータ線92と第2のデータ線94とへの電位情報の出力には、まず、選択線60をローレベルにして第1のデータ線92と第2のデータ線94とを同電位に充電したのち、選択線60をハイレベルにして第1の接続点n10の電位情報を第1のデータ線92へ出力する。同様に、第2の接続点n11の電位情報を第2のデータ線94へ出力する。
第1のデータ線92と第2のデータ線94とからの電位情報の入力には、まず、第1のデータ線92と第2のデータ線94とに反転関係にあるローレベルとハイレベルの電位情報を印加したのち、選択線60をハイレベルにする。第1の入出力手段132と第2の入出力手段134とが導通状態になり、第1の接続点n10と第2の接続点n11とにローレベルとハイレベルとが充電される。
このとき、第1の不揮発性記憶手段102と第2の不揮発性記憶手段104とに、旧情報が書き込まれていて、互いに異なる実効的なスレッショルド電圧を有していたとする。例えば、第1の接続点n10にローレベル、第2の接続点n11にハイレベルが充電されたとき、第1の不揮発性記憶手段102が、図5の曲線2で示すような実効的なスレッショルド電圧が高い消去状態であったとしても、第1の不揮発性記憶手段102の制御用ゲ
ート電極に3V程度のハイレベルが印加されると、MIS型電界効果トランジスタの遷移領域となり電流が流れて、第1の接続点n10には、第1のスイッチ手段126を介して接地レベル電圧が供給される。
対して、第2の接続点n11はハイレベルが充電されていて、第2のスイッチ手段128と第2の不揮発性記憶手段104の制御用ゲート電極にはローレベルが充電されているので電流は流れず、第2の接続点n11は、第2の負荷回路124を介してVccの電圧(ハイレベルに等しい)が供給されて、安定したSRAM動作を行う。
また、第1の不揮発性記憶手段102が、図5の曲線1で示すような実効的なスレッショルド電圧が低い書き込み状態であったとすると、常に電流が流れるデプレション特性を示すので、第1のスイッチ手段126に第2の接続点n11のハイレベルが印加されて、第1の接続点n10にはGndの電位(ローレベル)が供給される。
対して、第2のスイッチ手段128には、第1の接続点n10のローレベルが印加されるので、第2の接続点n11には第2の負荷回路124を介してVccの電圧(ハイレベル)が供給されて、安定したSRAM動作を行う。
以上、SRAM動作を行ったのち、選択線60をローレベルにして、入力を終了する。
以上のようにして、本発明のプログラマブル集積回路は、SRAMとしての機能であるロジックレベルの1ビットの電位情報を記憶することができる。
そして、電源遮断や、システム待機によるシステム電源の遮断などで、データを失う揮発性のSRAMに代わり、1ビットの電位情報を不揮発性記憶素子への退避する機能を有している。
次に、この1ビットの電位情報を、第1の不揮発性記憶手段102と第2の不揮発性記憶手段104とへ退避する機能について説明する。
ここで、第1の接続点n10と第2の接続点n11とには、互いに反転関係にあるローレベルの電圧とハイレベルの電圧とが保持されているとして、選択線60をローレベルにして、第1のデータ線92と第2のデータ線94とを電気的に切断する。
次に、図示しない昇圧手段を用いてVccをロジックレベルの3V程度から14V程度に昇圧する。もし、第1の接続点n10がローレベルであれば、昇圧に関わらずローレベルのままである。一方、第2の接続点n11は、昇圧によりレベルシフトして14V近くまで引き上げられる。
このとき、第1の不揮発性記憶手段102の制御用ゲート電極には、14V近くの電圧が印加されて、導通状態になる。ドレイン電極にはGndの電位が第1のスイッチ手段126と第1の不揮発性記憶手段102のチャネルとを介して供給されるので、F−Nトンネリングにより、浮遊電極へ電子が注入されて、不揮発性記憶素子の消去状態となる。
一方、第2のスイッチ素子128のゲート電極と第2の不揮発性記憶手段104の制御用ゲート電極と第2の負荷回路124のゲート電極とには、Gndの電位が印加されるので、第2の不揮発性記憶手段104のドレイン電極である第2の接続点n11は、完全に14V程度まで昇圧されて、F−Nトンネリングにより、浮遊電極から電子の放出が起こり、不揮発性記憶素子の書き込み状態となる。
すなわち、Vccの電圧をロジックレベルの3V程度から14V程度へ昇圧することで、第1の不揮発性記憶手段102と第2の不揮発性記憶手段104とが保持していた旧情報には無関係に、消去と書き込みを同時に行うことができる。
Vccの電圧を昇圧する図示しない昇圧手段は、一般的に知られている電源手段を用いることができる。例えば、チャージポンプ型昇圧回路やレギュレータ回路などである。したがって、その構成などの説明は省略する。もちろん、外部電源を利用してVccの電圧を可変してもかまわない。
次に、第1の不揮発性記憶手段102と第2の不揮発性記憶手段104とからの電位情報の読み取りについて説明する。
まず、電源電圧またはシステム電源であるVccの電圧がGndの電位から数V程度のロジックレベルの電圧に変化する過程において、第1の不揮発性記憶手段102が書き込み状態、第2の不揮発性記憶手段104が消去状態であったとすると、第1の不揮発性記憶手段102は、デプレション特性を示し、第2の不揮発性記憶手段104は実効的なスレッショルド電圧が3V近いエンハンスメント特性を示し、そのトランスコンダクタンスの差から、第1の接続点n10より第2の接続点n11の電圧がわずかに上昇し始める。
第2の接続点n11の電圧がわずかに上昇すると、第1のスイッチ手段126は、弱反転領域から飽和領域に向かって変化して、第1の接続点n10にGndの電位を充電する。これに対して、Gndの電位に充電される第1の接続点n10は、第2のスイッチ手段128を非導通状態に誘導するとともに第2の不揮発性記憶手段104はスレッショルド電圧を向かえていないので、第2の接続点n11には、Gndの電位の電圧源からの電流経路が断たれてさらに上昇する。この動作が連続することによって、第1の接続点n10と第2の接続点n11とは、それぞれローレベルとハイレベルとに増幅される。
ここで、以上のような第1の不揮発性記憶手段102と第2の不揮発性記憶手段104とへの電位情報の退避を説明した上で、もし、Vccのロジックレベルが3V未満であった場合について説明する。
SRAM動作では、第1の不揮発性記憶手段102と第2の不揮発性記憶手段104とが、書き込み状態であっても消去状態であっても、制御用ゲート電極に3V程度のハイレベルが印加されれば電流が流れると説明したが、例えば、3V未満のハイレベル(Vccが3V未満)が印加された場合は、消去状態にある不揮発性記憶素子には電流が流れない。この場合には、不揮発性記憶素子への電位情報の退避の際に印加する電圧を、14V未満として、不完全な電子注入と放出とを行って、実効的なスレッショルド電圧差を小さくする。不揮発性記憶素子からの電位情報の読み取りの際に、第1の不揮発性記憶手段102と第2の不揮発性記憶手段104とにわずかに実効的なスレッショルド電圧の差が生じれば、フリップフロップで構成された不揮発性記憶素子は差動回路としての機能より、電位情報の復元が可能である。
図2は、本発明のプログラマブル集積回路の第2の実施例を示すものである。
200は第1の増幅回路部、210は第2の増幅回路部である。222は第1の負荷抵抗、224は第2の負荷抵抗、202は第1のEEPROM、204は第2のEEPROM、226は第1のMOSトランジスタスイッチ、228は第2のMOSトランジスタスイッチである。すでに説明した同一の構成には同一の番号を付与しており、その説明は省略する。
第1の増幅回路部200と第2の増幅回路部210とは、VccとGndとの間に接続しており、第1の増幅回路部200は、第1の負荷抵抗222と第1のEEPROM202と第1のMOSトランジスタスイッチ226とを直列に接続している。構成を同じくして、第2の増幅回路部210は、第2の負荷抵抗224と第2のEEPROM204と第2のMOSトランジスタスイッチ228とを直列に接続している。
第1のEEPROM202と第2のEEPROM204とは、不揮発性記憶素子であって、既に説明したとおり、制御用ゲート電極と浮遊電極との2つの電極を有しており、F−Nトンネリングにより浮遊電極に電子を注入と放出とを行うものである。
図2に示す構成と図1に示す構成との相違点は、第1の増幅回路200と第2の増幅回
路210と構成する負荷要素である。しかし、これら第1の増幅回路部200と第2の増幅回路部210とでフリップフロップが構成されていることには変わりはなく、この第1のEEPROM202と第2のEEPROM204とのソース電極とドレイン電極との間を短絡すると、一般に知られているSRAM構成と同様な揮発性記憶回路になることにも変わりはない。
図2に示す第1の負荷抵抗222と第2の負荷抵抗224とは、通常の抵抗素子でもダイオードを用いた抵抗でもMIS型トランジスタを用いた抵抗でもよい。例えば、デプレション型のNチャネルMOSトランジスタでも、ダイオード接続されたPチャネルMOSトランジスタでもよいのである。
第1の負荷抵抗222と第2の負荷抵抗224とは、単に第1の増幅回路部200と第2の増幅回路部210とをVccへプルアップする機能を有しているだけであるが、例えば、第1の接続点n10にローレベルが充電されるようとするときに、第1の負荷抵抗222は、旧情報をもった第1のEEPROMが書き込み状態にあっても十分にローレベルを充電できる高い抵抗値でなければならない。
図2に示す本発明の第2の実施例の動作については、上述した抵抗値を有する第1の負荷抵抗222と第2の負荷抵抗224を備えることで、図1に示す本発明の第1の実施例の動作となんら変わることはなく、その説明は省略する。
本発明のプログラマブル集積回路は、SRAMとしての機能とEEPROMとしての機能とを、より少ない構成で実現することができる。電源遮断時あるいはシステム電源遮断時のSRAM内の1ビットの電位情報を、簡単に不揮発性記憶手段へ退避させることができる。このため、常用状態と待機状態とをもつ電子機器類への搭載に適している。
本発明のプログラマブル集積回路を説明する回路図である。 本発明のプログラマブル集積回路を説明する回路図である。 不揮発性記憶素子の構造を模式的に示す断面図である。 不揮発性記憶素子の書き込みと消去とにかかる電圧特性を説明する特性図である。 不揮発性記憶素子のドリフト電流とゲート電圧との関係を説明する特性図である。 特許文献1に示した従来技術を説明する回路図である。 特許文献2に示した従来技術を説明する回路図である。
符号の説明
60 選択線
92 第1のデータ線
94 第2のデータ線
100 第1の増幅回路部
110 第2の増幅回路部
102 第1の不揮発性記憶手段
104 第2の不揮発性記憶手段
122 第1の負荷回路
124 第2の負荷回路
126 第1のスイッチ手段
128 第2のスイッチ手段
132 第1の入出力手段
134 第2の入出力手段
202 第1のEEPROM
204 第2のEEPROM
222 第1の負荷抵抗
224 第2の負荷抵抗
226 第1のMOSトランジスタスイッチ
228 第2のMOSトランジスタスイッチ

Claims (6)

  1. 不揮発性記憶回路と揮発性記憶回路との特徴を備えた記憶回路に電位情報を記憶するプログラマブル集積回路であって、
    第1の増幅回路部と第2の増幅回路部とを有し、該第1の増幅回路部と該第2の増幅回路部とでフリップフロップを構成し、
    前記第1の増幅回路部は、第1の負荷回路と第1の不揮発性記憶手段と第1のスイッチ手段とを有するとともにこれらを第1の電源と第2の電源との間に直列に接続し、
    前記第2の増幅回路部は、第2の負荷回路と第2の不揮発性記憶手段と第2のスイッチ手段とを有するとともにこれらを前記第1の電源と前記第2の電源との間に直列に接続し、
    前記第1の増幅回路部と前記第2の増幅回路部とは、相互的に反転した前記電位情報を保持することを特徴とするプログラマブル集積回路。
  2. 前記第1の不揮発性記憶手段は、一方の端子に前記第1のスイッチ手段を接続し、他方の端子に前記第1の負荷回路を接続し、
    前記第2の不揮発性記憶手段は、一方の端子に前記第2のスイッチ手段を接続し、他方の端子に前記第2の負荷回路を接続していることを特徴とする請求項1に記載のプログラマブル集積回路。
  3. 前記第1の不揮発性記憶手段と前記第2の不揮発性記憶手段とは、それぞれ浮遊電極と制御用ゲート電極とを有する不揮発性記憶素子で構成することを特徴とする請求項1または2に記載のプログラマブル集積回路。
  4. 前記第1のスイッチ手段と前記第1の不揮発性記憶手段とは、同一導電型のMIS型電界効果トランジスタで構成し、
    前記第2のスイッチ手段と前記第2の不揮発性記憶手段とは、同一導電型のMIS型電界効果トランジスタで構成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のプログラマブル集積回路。
  5. 前記第1の負荷回路と前記第1の不揮発性記憶手段とは第1の接続点で接続し、該第1の接続点に第1の入出力手段を接続し、
    前記第2の負荷回路と前記第2の不揮発性記憶手段とは第2の接続点で接続し、該第2の接続点に第2の入出力手段を接続し、
    前記第1の増幅回路部と前記第2の増幅回路部とは、それぞれ前記第1の入出力手段と前記第2の入出力手段とを用いて前記電位情報の受け渡しを行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のプログラマブル集積回路。
  6. 前記第1の負荷回路の一方の端子を前記第1の電源に接続し、他方の端子を前記第1の不揮発性記憶手段の一方の端子に接続し、前記第1の不揮発性記憶手段の他方の端子を前記第1のスイッチ手段の一方の端子に接続し、前記第1のスイッチ手段の他方の端子を前記第2の電源に接続し、
    前記第2の負荷回路の一方の端子を前記第1の電源に接続し、他方の端子を前記第2の不揮発性記憶手段の一方の端子に接続し、前記第2の不揮発性記憶手段の他方の端子を前記第2のスイッチ手段の一方の端子に接続し、前記第2のスイッチ手段の他方の端子を前記第2の電源に接続し、
    前記第1の負荷回路と前記第1のスイッチ手段と前記第1の不揮発性記憶手段とは、それぞれ制御端子を備えてなり、これらの制御端子は共通に接続するとともに前記第2の接続点に接続し、
    前記第2の負荷回路と前記第2のスイッチ手段と前記第2の不揮発性記憶手段とは、そ
    れぞれ制御端子を備えてなり、これらの制御端子は共通に接続するとともに前記第1の接続点に接続し、
    前記第1の入出力手段と前記第2の入出力手段とは、それぞれ制御端子を備えてなり、これらの制御端子は選択線に接続し、
    前記第1の入出力手段の他方の端子は、第1のデータ線に接続し、前記第2の入出力手段の他方の端子は、第2のデータ線に接続することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載のプログラマブル集積回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9368228B2 (en) 2013-11-19 2016-06-14 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor memory
JP2019050068A (ja) * 2017-09-08 2019-03-28 学校法人 芝浦工業大学 半導体装置

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US9368228B2 (en) 2013-11-19 2016-06-14 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor memory
JP2019050068A (ja) * 2017-09-08 2019-03-28 学校法人 芝浦工業大学 半導体装置

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