JP2007024966A - ネガ型画像形成材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 支持体上に、(A)ラジカル開始剤及び(B)ラジカル重合性化合物を含有し、光又は熱により硬化反応を生起する感光層と、アミド基及び/又はシアノ基を有する水溶性化合物を含有する保護層と、をこの順に設けてなることを特徴とするネガ型画像形成材料。
【選択図】 なし
Description
これらの代表的なものとして汎用される平版印刷版原版としては、親水性支持体上に親油性の感光性樹脂層を設けた構成を有するPS版が広く用いられている。その製版方法として、通常は、リスフイルムを介してマスク露光(面露光)後、非画像部を溶解除去することにより所望の印刷版を得ていた。近年、画像情報をコンピューターを用いて電子的に処理、蓄積、出力する、デジタル化技術が広く普及してきている。そして、その様なデジタル化技術に対応した新しい画像出力方式が種々実用される様になってきた。その結果レーザー光のような指向性の高い光をデジタル化された画像情報に従って走査し、リスフイルムを介すこと無く、直接印刷版を製造するコンピューター トゥ プレート(CTP)技術が切望されており、これに適応した平版印刷版原版を得ることが重要な技術課題となっている。
また、保護層を有する平版印刷版原版であって、感光層の画像部の硬化が不充分であると、保護層を除去する工程としてプレ水洗を必要とすることや、現像時間が増大することに伴い、画像部がダメージを受けてしまい、結果的に保護層を設けることによって耐刷性が低下してしまう問題を抱えているというのが現状である。
また、このような平版印刷版原版は、通常、複数の版を積層してなる積層体の状態で保存、搬送されるが、その際に、感光層面と支持体裏面とが直接接触するため、かかる保護層を設けた原版では、特に高湿度下で保存された場合、支持体と接着してはがれ難くなり、作業性が低下したり、接着したものを剥離しようとする際、感光層側表面の一部が支持体に付着してしまい感光層に欠陥が生じるという問題があった。
即ち、本発明の目的は、感光層上に保護層が設けられてなる画像形成材料であって、感度及び耐キズ性に優れ、また、保護層を除去することが容易であり、更には、重ねて保存した場合でも隣接する画像形成材料同士や画像形成材料と保護紙(合紙)との接着を抑制することが可能で、優れた画質の画像を形成しうるネガ型画像形成材料を提供することにある。
即ち、本発明のネガ型画像形成材料は、支持体上に、(A)ラジカル開始剤及び(B)ラジカル重合性化合物を含有し、光又は熱により硬化反応を生起する感光層と、アミド基及び/又はシアノ基を有する水溶性化合物(以下、適宜、「特定水溶性化合物」と称する。)を含有する保護層と、をこの順に設けてなることを特徴とする。
以下、本発明のネガ型画像形成材料を、単に、「画像形成材料」と称する場合がある。
また、本発明の画像形成材料における保護層中に、更に、ポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールを含有することが好ましい態様である。
本発明においては、感光層上に設けられる保護層の成分として、アミド基及び/又はシアノ基を有する水溶性化合物を使用することで、アミド基の水素結合性や双極子モーメントの大きいシアノ基の分子間相互作用により高強度な被膜を形成するため、塗膜形成後の膜中溶存酸素量が低く、更に、外部からの酸素遮断性が高いため、ラジカル重合性化合物の酸素による重合阻害が抑制される。そのため、感光層は高感度で重合が起こり、高硬化度な皮膜となるため、本発明のネガ型画像形成材料を平版印刷版原版に適用した場合、形成された画像部は充分に硬化されており、高耐刷な印刷版を形成することができる。
また、保護層が高強度な被膜を形成するため、物理的な保護機能が高く、耐キズ性に優れた画像形成材料を与えることができる。なお、ここでいう「キズ」とは、爪先や針先などで感光層面を機械的に引っ掻いたとき、その部分が現像処理しても膜として残る、或いは保護層が剥がれることにより酸素遮断が低下し、露光部のラジカル重合反応が酸素により阻害され露光部すなわち画像部が現像により除去されてしまうという現象である。この現象が起きると、本発明のネガ型画像形成材料を平版印刷版原版に適用した場合、非画像部であるにも関わらず画像として印刷物に転写されたり、画像部であるにも関わらず印刷物の画像がぬけてしまう。このようにキズが発生しやすい平版印刷版原版を使用すると、刷版搬送時の取り扱いに注意を要したり、露光装置であるプレートセッターの刷版くわえ部分に残膜が出るなど、ハンドリング性の悪い刷版となる。
更に、本発明における保護層は、被膜性に優れ、塗布乾燥後は疎水的で水を呼び込みにくい膜を形成することができる。そのため、本発明のネガ型画像形成材料を平版印刷版原版に適用した場合、平版印刷版原版を重ねて保存した場合でも、隣接する平版印刷版原版同士や平版印刷版原版と保護紙(合紙)との接着を抑制することができるものと推測される。
加えて、本発明に用いられる特定水溶性化合物は、極性基であるアミド基やシアノ基を有し、また、好ましくはカルボキシル基、更に好ましくはカルボン酸塩基を側鎖に有するので、例えば、水のような高極性の媒体に対しての親和性に優れる。そのため、水分散性に優れ、本発明のネガ型画像形成材料を平版印刷版原版に適用した場合、ランニング適性上、問題となる現像カスが発生しにくいという利点をも有する。
本発明のネガ型画像形成材料は、支持体上に、(A)ラジカル開始剤及び(B)ラジカル重合性化合物を含有し、光又は熱により硬化反応を生起する感光層と、アミド基及び/又はシアノ基を有する水溶性化合物(特定水溶性化合物)を含有する保護層と、をこの順に設けてなることを特徴とする。
まず、本発明における保護層について説明する。
本発明における保護層は特定水溶性化合物を含有する。
まず、この特定水溶性化合物について説明する。
この特定水溶性化合物としては、アミド基及び/又はシアノ基を有し、かつ、酸性〜中性〜アルカリ性の水に対し、溶解或いは分散されるものであれば特に制限はないが、中性〜アルカリ性の水に対し、溶解或いは分散されるものが好ましく、中でも、水溶性であることがより好ましい。
また、特定水溶性化合物は、保護層中の他の成分との相溶性を向上させて、画像形成の際に用いられる光の透過を均一にする観点から、特定水溶性化合物が、重量平均分子量が1,000以上の高分子化合物であり、該高分子化合物が側鎖に酸基又はその塩を有することが好ましい。
前記アルキル基としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、及び環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、並びに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
上記置換基中のアルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等が挙げられ、また、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
上記置換基中のアシル基(R01CO−)におけるR01としては、水素原子、並びに上記のアルキル基、アリール基を挙げることができる。
上記置換基中のヘテロ環基としては、ピリジル基、ピペリジニル基等が挙げられる。
上記置換基中のシリル基としては、トリメチルシリル基等が挙げられる。
上記のような置換基とアルキレン基を組み合わせることで得られる置換アルキル基の好ましい具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、s−ブトキシブチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、ピリジルメチル基、テトラメチルピペリジニルメチル基、N−アセチルテトラメチルピペリジニルメチル基、トリメチルシリルメチル基、メトキシエチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスホノブチル基、ホスホナトヘキシル基、ジエチルホスホノブチル基、ジフェニルホスホノプロピル基、メチルホスホノブチル基、メチルホスホナトブチル基、トリルホスホノヘキシル基、トリルホスホナトヘキシル基、ホスホノオキシプロピル基、ホスホナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基等を挙げることができる。
好ましいR02、R03、R04、R05の例としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基並びに置換アリール基を挙げることができる。これらの具体例としては、前述の例として示したものを挙げることができる。R02、R03、R04、R05のより好ましい基としては、水素原子、ハロゲン原子並びに炭素原子数1から10までの直鎖状、分岐状、環状のアルキル基を挙げることができる。このようなアルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基の好ましい具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−オクテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−ブテニル基、2−フェニル−1−エテニル基、2−クロロ−1−エテニル基、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、フェニルエチニル基を挙げることができる。
また、複素環基は置換基を有していてもよく(置換へテロ環基)、この置換ヘテロ環基としては、上記のヘテロ環基の環形成炭素原子上に置換基として、水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては、前述の置換アルキル基において導入される置換基として示したものを挙げることができる。
また、脂環式基は置換基を有していてもよく(置換脂環式基)、この置換脂環式基としては、上記の脂環式基の環形成炭素原子上に置換基として、水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては、前述の置換アルキル基において導入される置換基として示したものを挙げることができる。
中でも、本発明における特定水溶性化合物は、これらの酸基又はその塩を側鎖に有する高分子化合物であることが好ましい。
有機アンモニウム化合物の水酸化物の好ましい例としては、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
有機アミン化合物の好ましい例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、N−エチルジシクロヘキシルアミン、ピロリジン、1−メチルピロリジン、2,5−ジメチルピロリジン、ピペリジン、1−メチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、キヌクリジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]−オクタン、ヘキサメチレンテトラミン、モルホリン、4−メチルモルホリン、ピリジン、ピコリン、4−ジメチルアミノピリジン、ルチジン、1、8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン(DBU)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルエチルアミン、Schiff塩基などが挙げられる。
金属アルコキシド化合物の好ましい例としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドなどが挙げられる。これらの塩基は、1種或いは2種以上の混合であってもよい。
側鎖カルボキシル基が中和されてカルボン酸塩になっている割合としては、好ましくは全カルボキシル基量の内、5%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、80%以上であることが最も好ましい。
(1)下記(i)〜(iii)の単量体を、通常のラジカル重合法を用いることにより製造する方法。
(i)アミド基及び/又はシアノ基を含有するラジカル重合性化合物を少なくとも1種
(ii)カルボン酸塩基を含有するラジカル重合性化合物を少なくとも1種
(iii)必要に応じて、(i)、(ii)以外のラジカル重合性化合物
基を使用して(ii)のカルボン酸をカルボン酸塩にする方法。
(i)アミド基及び/又はシアノ基を含有するラジカル重合性化合物を少なくとも1種
(ii)カルボン酸基を含有するラジカル重合性化合物を少なくとも1種
(iii)必要に応じて、(i)、(ii)以外のラジカル重合性化合物
体例をとしては、前述のものが用いられる。
具体的には、例えば、アルキルアクリレート(該アルキル基の炭素原子数は1〜20のものが好ましい)等のアクリル酸エステル類、(具体的には、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸エチルへキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートなど);
アリールアクリレート(例えば、フェニルアクリレートなど);
アリールメタクリレート(例えば、フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレートなど);
アルコキシスチレン(例えば、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレンなど);
ハロゲンスチレン(例えば、クロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオルスチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオルメチルスチレンなど);等が挙げられる。
これらは、1種あるいは2種以上用いることができる。
具体的には、特定水溶性化合物が低分子化合物である場合には、保護層全固形分中、5〜60質量%の範囲で含有されることが好ましく、5〜30質量%の範囲で含有されることがより好ましい。
具体的には、特定水溶性化合物が分子量1,000以上の高分子化合物である場合には、保護層全固形分中、5〜95質量%の範囲で含有されることが好ましく、5〜20質量%の範囲で含有されることがより好ましい。
また、保護層(1g)中のアミド基及び/又はシアノ基の好ましい含有量は、感度、耐キズ性の点で、0.01meq/g以上が好ましく、0.1meq/g以上がより好ましく、0.4meq/g以上が最も好ましい。
このように、本発明における保護層は、特定水溶性化合物の他に、本発明の効果を損なわない限りにおいて、他の高分子化合物を混合して使用することができる。例えば、本発明における特定水溶性化合物が高分子化合物の場合、他の高分子化合物と混合して使用することができ、また、特定水溶性化合物が分子量1,000未満の低分子化合物である場合には、膜性向上のためのバインダー成分として他の高分子化合物を併用することが好ましい。ここで併用可能な他の高分子化合物としては、例えば、米国特許第3,458,311号、特公昭55−49729号等に詳細に記載されている公知のものを用いることができる。このような保護層に使用できる材料としては、水若しくはアルカリ水溶液に溶解できる天然高分子化合物及び合成高分子化合物から選ばれ、塗布乾燥された時にフィルム形成できるものが好ましい。具体的には、天然高分子化合物では、アラビアガム、水溶性大豆多糖類、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等)、その変性体、ホワイトデキストリン、プルラン、酵素分解エーテル化デキストリン等が挙げられ、合成高分子化合物では、ポリビニルアルコール、そのブチラール誘導体、ポリアクリル酸、そのアルカリ金属塩若しくはアミン塩、ポリアクリル酸共重合体、そのアルカリ金属塩若しくはアミン塩、ポリメタクリル酸、そのアルカリ金属塩若しくはアミン塩、ビニルアルコール/アクリル酸共重合体及びそのアルカリ金属塩若しくはアミン塩、ポリアクリルアミド、その共重合体、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、その共重合体、ポリビニルメチルエーテル、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩若しくはアミン塩、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸共重合体、そのアルカリ金属塩若しくはアミン塩、ポリウレタン等を挙げることができる。
このようなポリビニルアルコールの具体例としては71〜100%加水分解され、重合度が300から2400の範囲のものを挙げることができる。具体的には、株式会社クラレ製の、KL−504、KL−506、KL−318、KL−118、KM−618、KM−118、SK−5102、PVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等、日本合成化学工業株式会社製の、NH−26、NH−20、NH−18、N−300、NM−11、NL−05、AH−26、AH−22、AH−17、A−300、C−500、P−610、AL−06、GH−23、GH−20、GH−17、GM−14、GM−14L、GL−05、GL−03、KH−20、KH−17、KM−11、KL−05、KL−03、KP−08、KP−06、NK−05、NH−17Q、NM−11Q、EG−40、EG−30、EG−25、EG−05、NH−18S、GH−20S、GH−17S、GL−05S、T−330、T−330S、T−330H、T−330ST、T−350、T−230、T−215、T−HS−1、K−210、L−7514、L−5407、Z−200、Z−200H、Z−210、Z−100、Z−220、F−78、L−0301、L−0302、L−3266、CKS−50等、電気化学工業株式会社製の、K−24E、K−17C、K−17E、K−05、H−24、H−20、H−17、H−12、B−33、B−24T、B−24、B−20、B−17R、B−17、B−05、B−04、NP−15、NP−20H、EP−120K、EP−240、PC−100、EP−130、D−100、F−300S、D−310、F−510S、MP−10、DR−828、W−100等が挙げられる。
なお、本発明において、保護層の塗布量とは乾燥後の被覆量を表すこととする。
このような場合、本発明における保護層に望まれる特性としては、上記以外に、更に、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、感光層との密着性に優れていることが好ましい。
ここで使用する溶媒としては、水を主成分として用いるが、塗布液の表面張力、粘度等の塗布物性制御や感光層の溶解性制御の点から、メタノール等のアルコール類、グリセリン等のグライコール類、エタノールホルムアミドなどのアマイド類、ジメチルスルホキシドを混合し使用できるが、これに限定されたものではない。
溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは0.01〜50質量%、更に好ましくは1〜20質量%である。
これらの界面活性剤の好ましい添加量は、溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)中、0.01〜5質量%、更に好ましくは0.1〜3質量%である。
好適に使用できる無機質の層状化合物とは、薄い平板状の形状を有する粒子であり、例えば、一般式A(B,C)2−5D4O10(OH,F,O)2〔ただし、Aは、K,Na,Caの何れか、B及びCは、Fe(II),Fe(III),Mn,Al,Mg,Vの何れかであり、Dは、Si又はAlである。〕で表される天然雲母、合成雲母等の雲母群、一般式3MgO・4SiO・H2Oで表されるタルク、テニオライト、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、りん酸ジルコニウムなどが挙げられる。
複数種の無機質の層状化合物を併用した場合でも、これらの無機質の層状化合物の合計の量が上記の質量比であることが好ましい。
本発明における感光層は、(A)ラジカル開始剤及び(B)ラジカル重合性化合物を含有し、光又は熱により硬化反応を生起することを特徴とする。
以下、感光層を構成する上記必須成分に加え、任意成分についても説明する。
本発明における感光層に含有されるラジカル開始剤とは、光及び/又は熱のエネルギーによってラジカルを発生し、後述する(B)ラジカル重合性化合物の重合反応を開始、促進させる化合物を指す。
本発明において、好ましいラジカル開始剤としては、(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。以下に、上記(a)〜(k)の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(a)芳香族ケトン類には、「RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY」J.P.Fouassier,J.F.Rabek(1993),p77−117記載のベンゾフェノン骨格或いはチオキサントン骨格を有する化合物が挙げられる。例えば、
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(b)オニウム塩化合物には、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物が挙げられる。
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(c)有機過酸化物には、分子中に酸素−酸素結合を1個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、その例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)ブタン、ターシャリイブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジターシャリイブチルパーオキサイド、ターシャリイブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(ターシャリイブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリイブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−キサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、メタ−トルオイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ターシャリイブチルパーオキシアセテート、ターシャリイブチルパーオキシピバレート、ターシャリイブチルパーオキシネオデカノエート、ターシャリイブチルパーオキシオクタノエート、ターシャリイブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ターシャリイブチルパーオキシラウレート、ターシャリーカーボネート、3,3’4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等がある。
本発明で用いられるラジカル開始剤として好ましい(d)チオ化合物には、下記一般式(4)で示される構造を有する化合物が挙げられる。
上記一般式(4)におけるアルキル基としては炭素原子数1〜4個のものが好ましい。またアリール基としてはフェニル、ナフチルのような炭素原子数6〜10個のものが好ましく、置換アリール基としては、上記のようなアリール基に塩素原子のようなハロゲン原子、メチル基のようなアルキル基、メトシキ基、エトキシ基のようなアルコキシ基で置換されたものが含まれる。R27は、好ましくは炭素原子数1〜4個のアルキル基である。一般式(4)で示されるチオ化合物の具体例としては、下記に示すような化合物が挙げられる。
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物には、特公昭45−37377号、特公昭44−86516号記載のロフィンダイマー類、例えば2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(f)ケトオキシムエステル化合物には、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(g)ボレート化合物の例には、下記一般式(5)で表される化合物を挙げることができる。
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(h)アジニウム塩化合物には、特開昭63−138345号、特開昭63−142345号、特開昭63−142346号、特開昭63−143537号並びに特公昭46−42363号記載のN−O結合を有する化合物群を挙げることができる。
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(i)メタロセン化合物には、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−4705号記載のチタノセン化合物、並びに特開平1−304453号、特開平1−152109号記載の鉄−アレーン錯体を挙げることができる。
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(j)活性エステル化合物には、特公昭62−6223記載のイミドスルホネート化合物、特公昭63−14340号、特開昭59−174831号記載の活性スルホネート類を挙げることができる。
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物には、下記一般式(6)から(12)のものを挙げることができる。
本発明に用いられるラジカル開始剤として好ましい(l)アゾ系化合物には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスプロピオニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等を挙げることができる。
本発明におけるラジカル開始剤は単独若しくは2種以上の併用によって好適に用いられる。
本発明における感光層に含有されるラジカル重合性化合物としては、以下に述べる従来公知の重合性化合物、即ち、付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物を用いることができる。
従来公知の付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、上記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。
アクリル酸エステルとしては、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、へキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
CH2=C(R)COOCH2CH(R’)OH (A)
(但し、R及びR’は、H又はCH3を示す。)
本発明における感光層には、感度の向上のために、増感色素が含有されていることが好ましい。この増感色素が吸収し得る波長の露光により、既述の(A)ラジカル開始剤のラジカル発生反応や、それによる(B)ラジカル重合性化合物の重合反応が促進されるものである。
本発明において好ましい増感色素としては、(1)350〜450nmの領域に吸収を有するもの、(2)赤外領域に吸収を有するものが挙げられる。
このような増感色素の例としては、下記一般式(XIV)〜(XVIII)で表される化合物が挙げられる。
その他、例えば、該感光層中での相溶性向上、結晶析出抑制のために、増感色素に対し、適宜、置換基を導入することができる。例えば、ある種の感光系では、アリール基やアリル基等の不飽和結合が相溶性向上に非常に有効である場合があり、また、分岐アルキル構造導入等の方法により、色素π平面間の立体障害を導入することで、結晶析出が著しく抑制できる。
また、増感色素に対し、ホスホン酸基やエポキシ基、トリアルコキシシリル基等の導入により、金属や金属酸化物等の無機物への密着性を向上させることができる。そのほか、目的に応じ、増感色素のポリマー化等の方法も利用できる。
本発明の画像形成材料を平版印刷版原版に適用する場合には、これは、通常、感光層成分100質量部に対し、0.05〜30質量部、好ましくは0.1〜20質量部、更に好ましくは0.2〜10質量部の範囲である。
本発明においては、赤外領域に吸収を有する増感色素として、赤外光を吸収し、熱エネルギーに変換する赤外線吸収剤を含有することが好ましい。このような赤外線吸収剤としては、公知の分光増感色素、又は光を吸収して光ラジカル開始剤と相互作用する染料或いは顔料が挙げられる。
本発明に用いられる赤外線吸収剤として好ましい分光増感色素又は染料は、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、フタロシアニン類(例えば、フタロシアニン、メタルフタロシアニン)、ポルフィリン類(例えば、テトラフェニルポルフィリン、中心金属置換ポルフィリン)、クロロフィル類(例えば、クロロフィル、クロロフィリン、中心金属置換クロロフィル)、金属錯体(例えば、下記化合物)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)等が挙げられる。
特公昭40−28499号記載のピリリウム塩類、例えば、下記化合物が挙げられる。
本発明において使用される赤外線吸収顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
なお、本発明の画像形成材料を平版印刷版原版に適用する場合には、(2)赤外領域に吸収を有する増感色素は、通常、感光層成分100質量部に対し、0.05〜30質量部、好ましくは0.1〜20質量部、更に好ましくは1.0〜10質量部の範囲である。
本発明における感光層には、皮膜特性向上などの目的で、必要に応じて、(D)バインダーポリマーを使用することができる。このバインダーポリマーとしては、感度の観点から、側鎖に下記一般式(a)〜(c)で表わされるエチレン性不飽和結合を有する化合物であることが好ましい。中でも、感度、保存安定性の点で、下記一般式(a)で表されるエチレン性不飽和結合を有する化合物が最も好ましい。
また、Xは、酸素原子、硫黄原子、又は−NR12−を表し、R12は、水素原子、又は1価の有機基を表す。ここで、R12は、置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、中でも、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
ここで、導入しうる置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基などが挙げられる。
また、Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−N−R12を表す。R12としては、一般式(1)におけるのと同様のものが挙げられる。
また、Zは、酸素原子、硫黄原子、−NR12−、又は置換基を有してもよいフェニレン基を表す。R12は、置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、中でも、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
まず、一般式(d)におけるR1は、水素原子又はメチル基を表し、特にメチル基が好ましい。
より具体的には、R2で表される連結基の主骨格を構成する原子数が、1〜30であることが好ましく、3〜25であることがより好ましく、4〜20であることが更に好ましく、5〜10であることが最も好ましい。なお、本発明における「連結基の主骨格」とは、一般式(d)におけるAと末端COOHとを連結するためのみに使用される原子又は原子団を指し、特に、連結経路が複数ある場合には、使用される原子数が最も少ない経路を構成する原子又は原子団を指す。したがって、連結基内に環構造を有する場合、その連結部位(例えば、o−、m−、p−など)により算入されるべき原子数が異なる。
鎖状構造の連結基としては、エチレン、プロピレン等が挙げられる。また、これらのアルキレンがエステル結合を介して連結されている構造もまた好ましいものとして例示することができる。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−ノルボルニル基等の炭素数1〜10までの直鎖状、分枝状、又は環状のアルキル基が挙げられる。
アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、インデニル基等の炭素数1〜10までのアリール基、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を1個含有する炭素数1〜10までのヘテロアリール基、例えば、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、キノリル基等が挙げられる。
アルケニル基の具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基等の炭素数1〜10までの直鎖状、分枝状、又は環状のアルケニル基が挙げられる。
アルキニル基の具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−オクチニル基等の炭素数1〜10までのアルキニル基が挙げられる。R3が有してもよい置換基としては、R2が導入し得る置換基として挙げたものと同様である。但し、R3の炭素数は、置換基の炭素数を含めて1〜10である。
また、一般式(d)におけるnは、1〜5の整数を表し、本発明の画像形成材料を平版印刷版原版に適用した際の耐刷の点で好ましくは1である。
これらのバインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよいが、ランダムポリマーであることが好ましい。
本発明で使用されるポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が使用できる。
本発明における感光層には、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、及び特開昭62−293247号に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料も好適に用いることができる。
また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.1質量%〜約10質量%が好ましい。
本発明の画像形成材料は、支持体上に、上述した感光層と保護層とをこの順に有することを特徴とする。以下、本発明の画像形成材料について、好適な態様用途である平版印刷版原版を参照して、詳細に説明する。
本発明の画像形成材料としての平版印刷版原版は、上記感光層の構成成分を溶媒に溶かして感光層塗布液を調製し、それを適当な支持体上に塗布することにより製造することができる。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
平版印刷版原版の支持体としては、寸度的に安定な板状物であれば特に制限はなく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)等が挙げられる。これらは、樹脂フィルムや金属板などの単一成分のシートであっても、2以上の材料の積層体であってもよく、例えば、上記のごとき金属がラミネート、若しくは蒸着された紙やプラスチックフィルム、異種のプラスチックフィルムの積層シート等が含まれる。
前記アルミニウム板の厚みは、およそ0.1〜0.6mm程度、好ましくは0.15〜0.4mm、特に好ましくは0.2〜0.3mmである。
アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2以上が好適であるが、より好ましくは2.0〜6.0g/m2の範囲である。陽極酸化被膜が1.0g/m2未満であると耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
尚、このような陽極酸化処理は平板印刷版の支持体の印刷に用いる面に施されるが、電気力線の裏回りにより、裏面にも0.01〜3g/m2の陽極酸化被膜が形成されるのが一般的である。
これらの中で、本発明において特に好ましい親水化処理は珪酸塩処理である。珪酸塩処理について、以下に説明する。
珪酸塩処理により、アルミニウム板表面上の親水性が一層改善されるため、印刷の際、インクが非画像部に付着しにくくなり、汚れ性能が向上する。
支持体の裏面には、必要に応じてバックコートが設けられる。かかるバックコートとしては、特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物及び特開平6−35174号公報記載の有機又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。
これらの被覆層のうち、Si(OCH3)4、Si(OC2H5)4、Si(OC3H7)4、Si(OC4H9)4などの珪素のアルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから与られる金属酸化物の被覆層が耐現像性に優れており特に好ましい。
本発明における平版印刷版原版には、感光層と支持体との間の密着性や汚れ性を改善する目的で、中間層を設けてもよい。このような中間層の具体例としては、特公昭50−7481号、特開昭54−72104号、特開昭59−101651号、特開昭60−149491号、特開昭60−232998号、特開平3−56177号、特開平4−282637号、特開平5−16558号、特開平5−246171号、特開平7−159983号、特開平7−314937号、特開平8−202025号、特開平8−320551号、特開平9−34104号、特開平9−236911号、特開平9−269593号、特開平10−69092号、特開平10−115931号、特開平10−161317号、特開平10−260536号、特開平10−282682号、特開平11−84674号、特願平8−225335号、特願平8−270098号、特願平9−195863号、特願平9−195864号、特願平9−89646号、特願平9−106068号、特願平9−183834号、特願平9−264311号、特願平9−127232号、特願平9−245419号、特願平10−127602号、特願平10−170202号、特願平11−36377号、特願平11−165861号、特願平11−284091号、特願2000−14697号等に記載のものを挙げることができる。
本発明における平版印刷版原版は、上述の本発明における感光層を有するため、赤外線レーザーによる露光、紫外線ランプによる露光、また、サーマルヘッドによる熱的な記録も可能である。本発明においては、波長760nmから1200nmの赤外線を放射する固体レーザ及び半導体レーザにより画像露光されることが好ましい。
現像液及び補充液として、アルカリ性水溶液を用いる場合、従来公知のアルカリ性水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウム及び同リチウム等の無機アルカリ塩が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤も用いられる。
これらのアルカリ剤は単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。
また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。
平版印刷版をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。
整面液の塗布量は一般に0.03〜0.8g/m2(乾燥質量)が適当である。
整面液が塗布された平版印刷版は必要であれば乾燥された後、バーニングプロセッサー(例えば、富士写真フイルム(株)より販売されているバーニングプロセッサー:BP−1300)等で高温に加熱される。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成している成分の種類にもよるが、180〜300℃の範囲で1〜20分の範囲が好ましい。
(特定水溶性化合物(W−1)の合成)
コンデンサー、攪拌機を取り付けた1000ml三口フラスコに、2−プロパノール85gを入れ、80℃に加熱した。窒素気流下、アクリルアミド49.8g、アクリル酸21.6g、重合開始剤V−601(和光純薬製)1.15g、及び2−プロパノール85gからなる溶液を2時間半かけて滴下した。更に、80℃で2時間反応させた。反応混液を室温に冷却して、水酸化ナトリウム12.0gを水400mlに溶解した水溶液を滴下した。1時間撹拌した後、有機溶媒を減圧留去し、特定水溶性化合物(W−1)を得た。その後、固形分量が10重量%になるように水を加え調整し、特定水溶性化合物(W−1)を含む溶液を得た。
コンデンサー、攪拌機を取り付けた1000ml三口フラスコに、2−プロパノール70gを入れ、80℃に加熱した。窒素気流下、アクリロニトリル18.0g、アクリル酸39.8g、重合開始剤V−601(和光純薬製)1.00g、及び2−プロパノール70gからなる溶液を2時間半かけて滴下した。更に、80℃で2時間反応させた。反応混液を室温に冷却して、水酸化ナトリウム10.0gを水250mlに溶解した水溶液を滴下した。1時間撹拌した後、有機溶媒を減圧留去し、特定水溶性化合物(W−2)を得た。その後、固形分量が10重量%になるように水を加え調整し、特定水溶性化合物(W−2)を含む溶液を得た。
(支持体の作成)
99.5%以上のアルミニウムと、Fe 0.30%、Si 0.10%、Ti 0.02%、Cu 0.013%を含むJIS A 1050合金の溶湯を清浄化処理を施し、鋳造した。清浄化処理には、溶湯中の水素などの不要なガスを除去するために脱ガス処理し、セラミックチューブフィルタ処理をおこなった。鋳造法はDC鋳造法で行った。凝固した板厚500mmの鋳塊を表面から10mm面削し、金属間化合物が粗大化してしまわないように550℃で10時間均質化処理を行った。
次いで、400℃で熱間圧延し、連続焼鈍炉中で500℃60秒中間焼鈍した後、冷間圧延を行って、板圧0.30mmのアルミニウム圧延板とした。圧延ロールの粗さを制御することにより、冷間圧延後の中心線平均表面粗さRaを0.2μmに制御した。その後、平面性を向上させるためにテンションレベラーにかけた。
まず、アルミニウム板表面の圧延油を除去するため10%アルミン酸ソーダ水溶液で50℃30秒間脱脂処理を行い、30%硫酸水溶液で50℃30秒間中和、スマット除去処理を行った。
次いで、支持体と感光層の密着性を良好にし、かつ非画像部に保水性を与えるため、支持体の表面を粗面化する、いわゆる、砂目立て処理を行った。1%の硝酸と0.5%の硝酸アルミを含有する水溶液を45℃に保ち、アルミウェブを水溶液中に流しながら、間接給電セルにより電流密度20A/dm2、デューティー比1:1の交番波形でアノード側電気量240C/dm2を与えることで電解砂目立てを行った。その後10%アルミン酸ソーダ水溶液で50℃30秒間エッチング処理を行い、30%硫酸水溶液で50℃30秒間中和、スマット除去処理を行った。
下記組成の感光層塗布液1を調製し、上記のようにして得られたアルミニウム支持体にワイヤーバーを用いて塗布し、温風式乾燥装置にて115℃で45秒間乾燥して感光層を形成した。乾燥後の被覆量は1.2〜1.3g/m2の範囲内であった。
・(A)ラジカル開始剤「S−1」 0.30g
・(B)ラジカル重合性化合物「M−1」 1.00g
・(C)増感色素(赤外線吸収剤)「IR−1」 0.08g
・(D)バインダーポリマー「B−1」 1.20g
・エチルバイオレットのクロライド塩 0.04g
・フッ素系界面活性剤 0.02g
(メガファックF−176、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 9.0g
・メタノール 8.0g
・1−メトキシ−2−プロパノール 8.0g
・下記表2に記載の保護層用高分子化合物 2.5g(固形分量)
・非イオン性界面活性剤 0.05g
(EMAREX NP−10 日本エマルジョン社(株)製)
・イオン交換水 96.9g
得られた平版印刷版原版を、水冷式40W赤外線半導体レーザーを搭載したCreo社製Trendsetter 3244VXにて、解像度175lpi、外面ドラム回転数150rpm、出力0〜8Wの範囲でlogEで0.15ずつ変化させて露光した。
露光後、水道水による水洗により保護層を除去した後、富士写真フイルム社製自動現像機LP−1310HIIを用い、30℃12秒で現像した。現像液は、富士フイルム(株)社製DV−2の1:4水希釈水を用い、フィニッシャーは、富士フイルム(株)社製FP−2Wの1:1水希釈液を用いた。
上記露光及び現像により得られた画像の線幅とレーザー出力、光学系でのロス及び走査速度を基に、記録に必要なエネルギー量を算出した。数値が小さいほど高感度であることを表す。結果を下記表2に併記する。
上記感光層及び保護層を有する平版印刷版原版の耐キズ性についての評価を行った。機器としては、HEIDON社製Scratching TESTER HEIDON−14を用い、引っ掻き針として0.4mmRダイヤ針を用い、針上の荷重を変化させながら、400mm/minの速さで保護層表面を引っ掻いた。引っ掻いた後の平版印刷版原版に対し、上述の現像処理を行い、残膜が目視で観測された荷重の大きさを評価した。荷重が大きいほど、キズ残膜が生じにくく、耐キズ性に優れることになる。結果を下記表2に併記する。
得られた平版印刷版原版の保護層と、隣接する平版印刷版原版の支持体と、が接触するように積み重ね、500kg/m2の荷重がかかるようにし、30℃75%RHの環境下で10日間放置した。
その後、保護層と支持体裏面との接着状態を確認した。その際の接着状態について、接着して剥離し難いレベルの1から、接着の問題なく剥離しうるレベルの5までの1〜5の5段階の官能評価を行い、結果を下記表2に併記する。評価結果の3が実用下限レベル、2以下は実用上不可レベルである。
なお、比較例2のように保護層がない場合には、平版印刷版原版の感光層と、隣接する平版印刷版原版の支持体と、が接触するように積み重ねて、同様の評価を行った。
(感光層の形成)
下記組成の感光層塗布液2を調整し、実施例1と同様のアルミニウム支持体にワイヤーバーを用いて塗布し、温風式乾燥装置にて115℃で45秒間乾燥して感光層を形成した。乾燥後の感光層の被覆量は1.2〜1.3g/m2の範囲内であった。
・(A)ラジカル開始剤「S−1」 0.25g
・(B)ラジカル重合性化合物「M−2」 1.00g
・(C)増感色素(赤外線吸収剤)「IR−1」 0.08g
・(D)バインダーポリマー「B−2」 1.00g
・エチルバイオレットのクロライド塩 0.04g
・フッ素系界面活性剤 0.02g
(メガファックF−176、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 9.0g
・メタノール 8.0g
・1−メトキシ−2−プロパノール 8.0g
・下記表3に記載の保護層用高分子化合物 0.1g(固形分量)
・ポリビニルアルコール 1.0g
(ケン化度98.5モル%、重合度500)
・非イオン性界面活性剤 0.04g
(EMAREX NP−10 日本エマルジョン社(株)製)
・イオン交換水 96.9g
得られた平版印刷版原版に対し、実施例1と同様の方法で感度、耐キズ性、及び密着性の評価をそれぞれ行った。結果を下記表3に併記する。
得られた平版印刷版原版を、水冷式40W赤外線半導体レーザーを搭載したCreo社製Trendsetter 3244VXにて、出力9W、外面ドラム回転数210rpm、版面エネルギー100mJ/cm2、解像度2400dpiの条件で露光した。
露光後、富士写真フイルム(株)社製自動現像機スタブロン900Nを用いて現像処理した。ここで、現像液は、仕込み液、補充液ともに富士写真フイルム(株)製DV−2の1:4水希釈液を用いた。現像浴の温度は30℃とした。また、フィニッシャーは、富士写真フイルム(株)製FN−6の1:1水希釈液(pH=10.8)を用いた。
このような現像条件において、自動現像機の搬送速度のみを変えて現像を行い、平版印刷版原版の非画像部が取りきれるのに必要な現像液浸漬時間を測定した。数値が小さいほど現像性に優れることを示す。
また、得られた平版印刷版原版を、それぞれ、60℃で3日間保存、及び、45℃、湿度75%RHで3日間保存して強制経時させた後、同様の現像性の評価を行った。結果を下記表3に併記する。
(下塗り層の形成)
実施例1と同様のアルミニウム支持体上に、下記下塗り液1をワイヤーバーにて塗布し、温風式乾燥装置を用いて90℃で30秒間乾燥した。乾燥後の被覆量は10mg/m2であった。
・エチルアクリレートと
2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩と
のモル比75:15の共重合体 0.1g
・2−アミノエチルホスホン酸 0.1g
・メタノール 50g
・イオン交換水 50g
下記組成の感光層塗布液3を上記の下塗り済みのアルミニウム支持体にワイヤーバーを用いて塗布し、温風式乾燥装置にて115℃で45秒間乾燥して感光層を形成した。乾燥後の被覆量は1.2〜1.3g/m2の範囲内であった。
・(A)ラジカル開始剤「S−1」 0.30g
・(B)ラジカル重合性化合物「M−2」 1.10g
・(C)増感色素(赤外線吸収剤)「IR−1」 0.07g
・(D)バインダーポリマー(下記表4に記載の化合物) 1.20g
・エチルバイオレットのクロライド塩 0.04g
・フッ素系界面活性剤 0.02g
(メガファックF−176、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 9.0g
・メタノール 8.0g
・1−メトキシ−2−プロパノール 8.0g
・下記表4に記載の保護層用高分子化合物 0.5g(固形分量)
・ポリビニルアルコール 1.5g
(ケン化度98.5モル%、重合度500)
・非イオン性界面活性剤 0.03g
(EMAREX NP−10 日本エマルジョン社(株)製)
・イオン交換水 96.9g
得られた平版印刷版原版に対し、実施例1と同様の方法で感度、耐キズ性、及び密着性の評価をそれぞれ行った。結果を下記表4に併記する。
得られた平版印刷版原版を、水冷式40W赤外線半導体レーザを搭載したCreo社製Trendsetter 3244VFSにて、出力9W、外面ドラム回転数210rpm、版面エネルギー100mJ/cm2、解像度2400dpiの条件で露光した。
露光後、富士写真フイルム(株)製自動現像機スタブロン900Nを用い現像処理し、平版印刷版を得た。ここで、現像液は、仕込み液、補充液ともに富士写真フイルム(株)製DV−2の1:4水希釈液を用いた。現像浴の温度は30℃とした。また、フィニッシャーは、富士写真フイルム(株)製FN−6の1:1水希釈液(pH=10.8)を用いた。
得られた平版印刷版を、ローランド社製R201の印刷機で、大日本インキ社製GEOS−G(N)のインキを用いて印刷を行った。ベタ画像部の印刷物を観察し、画像がかすれはじめた枚数によって耐刷性を調べた。枚数が多い程、耐刷性に優れる。結果を下記表4に併記する。
得られた平版印刷版原版に対し、実施例5と同様の方法で現像性の評価を行った。結果を下記表4に併記する。
(下塗り層の形成)
実施例1と同様のアルミニウム支持体上に、下記下塗り液2をワイヤーバーにて塗布し、温風式乾燥装置を用いて80℃で20秒間乾燥した。乾燥後の被覆量は2mg/m2であった。
・下記構造のポリマー「P−1」 0.3g
・純粋 60.0g
・メタノール 939.7g
・イオン交換水 50g
下記組成の感光層塗布液4を上記の下塗り済みのアルミニウム支持体にワイヤーバーを用いて塗布し、温風式乾燥装置にて100℃で1分間乾燥して感光層を形成した。乾燥後の被覆量は1.1g/m2の範囲内であった。
・(A)ラジカル開始剤「S−2」 0.12g
・(B)ラジカル重合性化合物「M−3」 1.50g
・(C)増感色素「DY−1」 0.15g
・(D)バインダーポリマー「B−4」 1.00g
・ε−フタロシアニン(F−1)分散物 0.02g
(ε−フタロシアニンの含有割合:10質量%)
・増感助剤「G−1」 0.5g
・フッ素系ノニオン界面活性剤 0.02g
(メガファックF−780F、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 26.0g
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 26.3g
・下記表5に記載の保護層用高分子化合物 0.8g(固形分量)
・ポリビニルアルコール 2.0g
(ケン化度98.5モル%、重合度500)
・非イオン性界面活性剤 0.03g
(EMAREX NP−10 日本エマルジョン社(株)製)
・イオン交換水 95.0g
得られた平版印刷版原版上に、富士写真フイルム(株)製の富士ステップガイド(ΔD=0.15で不連続的に透過光学濃度が変化するグレースケール)を密着させ、光学フィルターを通したキセノンランプにより既知の露光エネルギーとなるように露光を行った。
その後、下記組成の現像液に25℃、10秒間浸漬し、現像を行い、画像が完全に除去される最高の段数を読み、その露光エネルギー量を求め、感度を算出した(単位、μJ/cm2)。エネルギー量が小さい程、高感度であると評価する。短波半導体レーザーへの露光適性を見積もる目的で、光学フィルターとしてケンコーBP−40を用い、400nmのモノクロミックな光で露光を行った。結果を下記表5に併記する。
下記組成からなるpH12.0の水溶液
・水酸化カリウム 0.2g
・1Kケイ酸カリウム 2.4g
(SiO2/K2O=1.9)
・下記化合物 5.0g
・エチレンジアミンテトラ酢酸・4Na塩 0.1g
・水 91.3g
得られた平版印刷版原版に対し、実施例1と同様の方法で耐キズ性、及び接着性の評価をそれぞれ行った。結果を下記表5に併記する。
得られた平版印刷版原版を、FUJIFILM Electronic Imaging Ltd製Violet半導体レーザセッターVx9600(InGaN系半導体レーザ405nm±10nm発光/出力30mW)に装填し、90μJ/cm2の露光量、かつ、解像度2438dpiで、2ピクセル線を描画した。露光後の版は自動的に、接続されている自動現像機LP1250PLXに送られ、150℃で10秒間加熱後、PVA保護層を水洗除去し、引き続いて28℃で20秒間、現像処理される。現像液は富士写真フィルム(株)製現像液DV−2を水で5倍に希釈したものを仕込んだ。現像後の版は、リンス浴で水洗され、続いて、ガム引き浴へ送られる。ここで、ガム液としては、富士写真フィルム(株)製ガム液FP−2Wを水で2倍に希釈したものを用いた。ガム引き後の版は、熱風乾燥後、自動現像機から排出される。
このようにして得られた平版印刷版を、ローランド社製R201の印刷機で、大日本インキ社製GEOS−G(N)のインキを用いて印刷を行った。ベタ画像部の印刷物を観察し、画像がかすれはじめた枚数によって耐刷性を調べた。枚数が多い程、耐刷性に優れる。結果を下記表5に併記する。
未露光状態の平版印刷版原版を、G&J社製自動現像機IP85HDを用い、加熱部分を作動させずに、ライン速度(搬送速度)1.5m/分で計1000m2分の現像処理を行った。なお、現像処理には、実施例5と同じ現像液を利用した。その後、現像液タンクの汚れを目視にて観察した。評価は、官能評価により、汚れが著しいレベルの1から汚れが全く観察されないレベルの5までの1〜5の5段階で行い、2以下は実用不可、3は実用下限レベルである。結果を下記表5に併記する。
(感光層の形成)
下記組成の感光層塗布液5を、実施例1と同様のアルミニウム支持体にワイヤーバーを用いて塗布し、温風式乾燥装置にて115℃で45秒間乾燥して感光層を形成した。乾燥後の被覆量は1.5〜1.7g/m2の範囲内であった。
・(A)ラジカル開始剤(下記表6に記載の化合物) 0.20g
・(B)ラジカル重合性化合物「M−4」 1.50g
・(C)増感色素(下記表6に記載の化合物) 0.15g
・(D)バインダーポリマー「B−4」 1.00g
・ε−フタロシアニン(F−1)分散物 0.02g
(ε−フタロシアニンの含有割合:10質量%)
・増感助剤「G−2」 0.5g
・フッ素系ノニオン界面活性剤 0.02g
(メガファックF−780F、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 26.0g
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 26.3g
・下記表6に記載の保護層用高分子化合物 1.0g(固形分量)
・ポリビニルアルコール 1.2g
(ケン化度98.5モル%、重合度500)
・非イオン性界面活性剤 0.03g
(EMAREX NP−10 日本エマルジョン社(株)製)
・イオン交換水 95.0g
得られた平版印刷版原版に対し、実施例25と同様の方法で感度の評価を行った。結果を下記表6に併記する。
得られた平版印刷版原版に対し、実施例1と同様の方法で感度、耐キズ性、及び接着性の評価をそれぞれ行った。結果を下記表6に併記する。
(感光層の形成)
実施例1と同様のアルミニウム支持体に、上記感光層塗布液1に下記構造の化合物(J−1)を0.10g加えた感光層塗布液1’を、ワイヤーバーを用いて塗布し、温風式乾燥装置にて115℃で45秒間乾燥して感光層を形成した。乾燥後の被覆量は1.2〜1.3g/m2の範囲内であった。
・下記表7に記載の保護層用高分子化合物 1.2g(固形分量)
・ポリビニルアルコール 1.2g
(ケン化度98.5モル%、重合度500)
・雲母分散物 6.00g
・非イオン性界面活性剤 2.00g
(EMAREX NP−10 日本エマルジョン社(株)製)
・イオン交換水 190.0g
水184gに合成雲母(「ソマシフME−100」:コープケミカル社製、アスペクト比:1000以上)の16gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)3μmになるまで分散し、雲母分散液を得た。
なお、下記表7中、雲母分散液「あり」とは、前記保護層塗布液6に雲母分散液を加えたものを用いたことを指し、「なし」とは、雲母分散液を加えなかった保護層塗布液6を用いたことを指す。
得られた平版印刷版原版に対し、実施例1と同様の方法で感度、耐キズ性、及び接着性の評価をそれぞれ行った。結果を下記表7に併記する。
更に、実施例35と実施例37との対比、実施例36と実施例38との対比により、保護層に雲母を添加することで、高感度を維持しながら、耐キズ性や接着抑制効果が一層向上することが分かった。
Claims (4)
- 支持体上に、
(A)ラジカル開始剤及び(B)ラジカル重合性化合物を含有し、光又は熱により硬化反応を生起する感光層と、
アミド基及び/又はシアノ基を有する水溶性化合物を含有する保護層と、
をこの順に設けてなることを特徴とするネガ型画像形成材料。 - 前記水溶性化合物が重量平均分子量1,000以上の高分子化合物であることを特徴とする請求項1に記載のネガ型画像形成材料。
- 前記高分子化合物が側鎖に酸基又はその塩を有することを特徴とする請求項2に記載のネガ型画像形成材料。
- 前記保護層中に、更に、ポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールを含有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のネガ型画像形成材料。
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