JP2007024323A - ボイラ - Google Patents
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Abstract
【課題】NOx等の排出量を増加させることなく、排ガス中の主要な未燃分であるCOのみならず、微量のVOCの濃度を低減するボイラを提供すること。
【解決手段】火炉1の前後の対向する壁面の下方に空気比を1未満にした一段以上のバーナ2を配置し、その後流側(火炉1上方)の前後壁に二次燃焼用空気供給口3を配置する。火炉前後壁の両側の対向する側壁面には二次燃焼用空気供給口3と同じ高さ、又はそれより少し低い位置に、ガス流れと交わる方向(略水平方向)に伸びた突起物11を設置する。この突起物11により、バーナ2で燃料の燃焼により生成して側壁に沿って上昇する高濃度の未燃分を含んだガスの流れが上昇を妨げられ、火炉1の内側方向に向かうため、未燃分が最寄りの二次燃焼用空気の流れに接触することにより酸化され、VOCとCOの濃度が共に火炉1の出口4に至るまでに偏在することなく低減される。
【選択図】図1
【解決手段】火炉1の前後の対向する壁面の下方に空気比を1未満にした一段以上のバーナ2を配置し、その後流側(火炉1上方)の前後壁に二次燃焼用空気供給口3を配置する。火炉前後壁の両側の対向する側壁面には二次燃焼用空気供給口3と同じ高さ、又はそれより少し低い位置に、ガス流れと交わる方向(略水平方向)に伸びた突起物11を設置する。この突起物11により、バーナ2で燃料の燃焼により生成して側壁に沿って上昇する高濃度の未燃分を含んだガスの流れが上昇を妨げられ、火炉1の内側方向に向かうため、未燃分が最寄りの二次燃焼用空気の流れに接触することにより酸化され、VOCとCOの濃度が共に火炉1の出口4に至るまでに偏在することなく低減される。
【選択図】図1
Description
本発明は、ボイラの火炉に係り、特に排ガス中の一酸化炭素、揮発性有機化合物等の未燃分を低減するのに好適な、火炉構造に関する。
従来技術によるボイラ火炉内の構造の側面及び正面から見た模式図をそれぞれ図4(a)と図4(b)に示す。
図4に示すような火炉1の比較的下方に複数のバーナ2を設置し、その上部(バーナ2からのガス流れの後流)に空気供給口3を設置して二段燃焼法による燃料を燃焼させる構成は、近年、多くの事業用又は産業用ボイラで採用されている。
図4に示すような火炉1の比較的下方に複数のバーナ2を設置し、その上部(バーナ2からのガス流れの後流)に空気供給口3を設置して二段燃焼法による燃料を燃焼させる構成は、近年、多くの事業用又は産業用ボイラで採用されている。
前記二段燃焼法はバーナ2に供給する空気量を理論空気量よりも少なくして、火炉1内に還元雰囲気を形成し、バーナ2での燃料の燃焼で発生した窒素酸化物(以下、NOx)をN2に還元することにより低減する。そして燃料の完全燃焼に不足する空気をバーナ2の後流側の二段燃焼用空気供給口3から別途供給する。二段燃焼用空気が供給された後は、火炉1全体としての空気量が理論空気量以上(空気比1以上)となり、石炭燃焼の場合には火炉出口4でのO2濃度が3%前後になるように制御される。火炉出口4手前の火炉1内にはノーズ部5と呼ばれるガス流路が狭くなった部分があり、高温のガスが伝熱管群6に接触せずに火炉1から流出するのを防いでいる。
このような二段燃焼法では、還元雰囲気のバーナ2の設置部分で多量の未燃分及び還元物質が発生する。未燃分としては一酸化炭素(CO)が代表的であるが、最近は光化学オキシダントの一因ともなる揮発性有機化合物(VOC)も注目されている。NOxの発生を抑制しつつ、前記未燃分をバーナ2の後流側に供給する二段燃焼用空気で酸化させ、いかに低減するかが重要である。
図4に示すような、バーナ2を火炉1の前後壁に設置して燃料を対向位置で燃焼させる対向燃焼においては、前後壁からのバーナ火炎が衝突して未燃分を含んだガスが周辺に広がる。横に並んだバーナ2同士の間では、互いのバーナ2から出た前記ガスが混合して比較的均一となるが、最も側壁寄りのバーナ2同士では該バーナ2からの火炎が衝突した後にバーナ2を設置していない火炉壁である側壁側に流れ、未燃分が側壁に沿って高濃度のまま上昇し、二次燃焼用空気の流れに接触せずにすり抜ける場合がある(図8参照)。
こうした未燃物質がボイラからそのまま排出されるのを防ぐために、以下のような方法が実用化されている。すなわち、図4(b)に示した最も側壁寄りの二段燃焼用空気供給口3Aからの空気量を増加する運用を行う構成、又は図5(図5(a)の火炉1内の構造を示す側面図と図5(b)の正面図)に示したように、通常の二段燃焼用空気供給口3の他に側壁近くに二段燃焼用空気供給口3Bを増設した構成、更に図6(図6(a)の火炉1内の構造を示す側面図と図6(b)の正面図)に示したようにバーナ2と通常の二段燃焼用空気供給口3との間であって側壁に近い位置に空気供給口3Cを通常の二段燃焼用空気供給口3の他に設けた構成等である。
排ガス中の主要な未燃分であるCOの濃度は通常数十〜数百ppmであるのに対し、VOC濃度は一般に数ppmと低い。しかし、VOC濃度が規制される場合も数ppmのレベルと低いため、シビアな抑制が必要となる。
ところが、VOCの濃度変化の傾向は代表的な未燃分であるCOと必ずしも一致しないことが、実測により確認された。図7に示すように、バーナ火炎7中では、バーナ2の中心軸方向のCOの濃度変化が小さいのに対し、VOCは特にバーナ2中心軸付近でVOC濃度が高く、周辺領域ではほとんど検出されない。このため、図8に示すように、前記前後壁のバーナ2、2による対向燃焼方式のバーナ火炎7が衝突した場合、側壁中心部8、8側にVOCが集まりやすく、当該中心部8で特にVOC濃度が高くなる。そして、この高VOC領域にまで二次燃焼用空気が到達しなければ、VOCは酸化されないまま側壁に沿って上昇し、火炉1から排出される。
従って、火炉出口4あるいは煙突における平均CO濃度を低減できたからといって、VOC濃度も同様に低減できるとは限らない。VOCを効率よく低減するためには、二段燃焼用空気を供給する際、COを対象とするときよりも一層確実に、側壁中心部8まで空気を到達させる必要がある。
なお下記特許文献1にはボイラ火炉で生じた燃焼排ガスの流路となる副側壁の底壁上部に燃焼ガス流路の幅方向全体に亘って、燃焼ガス流に対向する方向に突起物を配置してガスのすり抜け、ガス偏流を防ぐ構成が開示されている。しかし前記特許文献1の発明はボイラ火炉内のガスのすり抜け防止用の突起物ではない。
特開平11−248104号公報
前述の従来技術においては、以下のような課題がある。
図4に示した側壁側の二段燃焼用空気供給口3Aからの空気量を増加する方法では、側壁側の空気量が増加した分、中心側の他の供給口3Dからの空気を減少させる必要がある。供給口3Dからの空気量を減少させなければ、全空気量が増加し、火炉出口4の空気比が増加してNOxの増加、あるいは空気供給ファンの容量増加につながるためである。
図4に示した側壁側の二段燃焼用空気供給口3Aからの空気量を増加する方法では、側壁側の空気量が増加した分、中心側の他の供給口3Dからの空気を減少させる必要がある。供給口3Dからの空気量を減少させなければ、全空気量が増加し、火炉出口4の空気比が増加してNOxの増加、あるいは空気供給ファンの容量増加につながるためである。
しかし、前記空気供給口3Aと空気供給口3Dへの空気量配分の変化は、側壁付近の未燃分(COとVOC)のすり抜けを防止することができる反面、火炉1中央部での未燃分のすり抜けを生じてしまう可能性がある。
図5に示したように、二段燃焼用空気供給口3Bを側壁近くに増設した場合、全空気量を変化させないために、空気供給口3、3Bの1つ当たりの空気量を減少させることになる。そこで、火炉1中心部まで空気を到達させるためには空気供給口3、3Bの断面積を小さくして流速を上げる必要が生じるが、その結果、供給口3、3Bごとの空気の流れが細くなるため、空気供給口3、3B同士の間にスリット状のすり抜けが生じるおそれがある。
図6に示したように、バーナ2と通常の二段燃焼空気用の空気供給口3との間に増設した空気供給口3Cから空気を供給する場合、図5の従来技術同様、空気供給口3、3Cごとの空気量が少なくなるだけでなく、空気供給口3Cからの空気によって、バーナ2と二段燃焼用空気供給口3との間に形成される還元領域が縮小され、排ガス中のNOx濃度の低減効果が小さくなることが予想される。
このように、排ガス中のNOx濃度を低減するために火炉1内に還元領域を作ることにより、未燃分を発生させても火炉出口4までの高温領域でガスを良好に混合できずに、前記未燃分がすり抜けてしまった場合、火炉出口4以降ではガスの混合も起こりにくい上、各種伝熱管類による熱回収によりガス温度が急低下するため、それ以上酸化される機会がない。VOCは沸点の低いガスであるため、脱硝装置、電気集塵機、脱硫装置といった排ガス処理設備でほとんど捕集されることなく、煙突から大気中へ排出されてしまう。
本発明の課題は、上述のような従来技術の課題に対し、NOx等の排出量を増加させることなく、排ガス中の主要な未燃分であるCOのみならず、微量のVOCの濃度を低減するボイラを提供することである。
本発明の上記課題は、次の解決手段により解決される。
請求項1記載の発明は、火炉内に空気比を1未満(理論空気量より少ない空気供給量)にした一段以上のバーナを設けたバーナ段と、バーナからのガス流れの後流側に一段以上の空気供給口を設けた空気供給口段を有するボイラにおいて、バーナ段から火炉出口までの間の火炉壁内面に、ガス流れを妨げる方向に伸びた突起物を1つ以上設置したことを特徴とするボイラである。
請求項1記載の発明は、火炉内に空気比を1未満(理論空気量より少ない空気供給量)にした一段以上のバーナを設けたバーナ段と、バーナからのガス流れの後流側に一段以上の空気供給口を設けた空気供給口段を有するボイラにおいて、バーナ段から火炉出口までの間の火炉壁内面に、ガス流れを妨げる方向に伸びた突起物を1つ以上設置したことを特徴とするボイラである。
請求項2記載の発明は、バーナ段と空気供給口段は、互いに対向する一対の前後の火炉壁に設けられ、突起物は、前記一対の火炉壁に隣接する互いに対向する一対の側壁内面に一対以上設置されることを特徴とする請求項1記載のボイラである。
請求項3記載の発明は、バーナ段と空気供給口段の間及び/又は空気供給口段と火炉出口の間の火炉側壁内面に、ガス流れを妨げる方向に伸びた突起物を一対以上設置したことを特徴とする請求項2記載のボイラである。
請求項4記載の発明は、火炉壁を構成する水冷壁の一部を、火炉内側に張り出させることによって突起物を形成することを特徴とした請求項1〜3のいずれかに記載のボイラである。
請求項5記載の発明は、火炉壁を構成する水冷壁の内側に金属板を取り付けて突起物を形成することを特徴とした請求項1〜3のいずれかに記載のボイラである。
請求項6記載の発明は、ガス流れを妨げる突起物を、設置する火炉壁の幅全体にわたって及び/又は幅方向に部分的に設置することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のボイラである。
請求項1記載の発明によれば、火炉壁に設置した突起物により、バーナで発生して側壁に沿って上昇する未燃分(CO、VOC)を火炉壁から離れた酸化領域に導くので、未燃分はほぼ完全に酸化され、火炉出口に到達するまでに偏りなく濃度が低下する。また、二段燃焼用空気供給口の配置や各空気供給口の空気量配分を変更する必要がないため、NOx濃度の抑制に主眼を置いた最適なボイラ運転を行うことができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、突起物が互いに対向する一対の前後壁に設けられたバーナ段と空気供給口段の間に設置されるので、バーナで燃料の燃焼により生成して側壁に沿って上昇する高濃度の未燃分を含んだガスの流れが突起物により上昇を妨げられ火炉の内側方向に向かい、完全燃焼される。
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加えて、突起物の設置位置がバーナ段と空気供給口段との間である場合は、未燃分が最寄りの二次燃焼用空気の流れに接触することにより酸化され、VOCとCOの濃度が共に火炉の出口に至るまでに偏在することなく低減される。また、突起物の設置位置が二次燃焼用空気供給口の後流側である場合は、雰囲気の還元性が比較的弱く、腐食が軽くなるため、突起物構成材料の強化処理は不要又は比較的少なくて済む。
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、突起物を水冷壁の一部を火炉内側に張り出させることによって突起物を形成するので、製作が容易である。
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、既設の火炉でも突起物を容易に取り付けることができる。
請求項6記載の発明によれば、請求項1〜5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、ガス流れを妨げる突起物を火炉壁の幅全体にわたって設けると火炉壁に沿って上昇する未燃分の流れの発生を確実に防止することができる。またVOC濃度が高くなる火炉壁の中心付近に火炉壁の全幅より小さい幅の突起物を設けることでも未燃分の流れの発生をかなり防止できる。
以下、本発明の実施例を挙げ、図面を用いてさらに詳細に説明する。
本発明の実施例1を図面と共に説明する。
図1は、本実施例による排ガス中の未燃分を低減するボイラ火炉内の構造を示す側面図(図1(a))と正面図(図1(b))である。
図1は、本実施例による排ガス中の未燃分を低減するボイラ火炉内の構造を示す側面図(図1(a))と正面図(図1(b))である。
火炉1の前後の対向する壁面の下方に複数のバーナ2(二段とは限らない)を配置し、その後流側(火炉1上方)の前後壁に二次燃焼用空気供給口3(一段とは限らない)を配置する。火炉壁に配置する二次燃焼用空気供給口3の数と配置位置は従来技術と同様であるが、前後壁の両側の対向する側壁面には二次燃焼用空気供給口3と同じ高さ、又はそれより少し低い位置に、ガス流れと交わる方向(略水平方向)に伸びた長い突起物11を設置する。この突起物11により、バーナ2で燃料の燃焼により生成して側壁に沿って上昇する高濃度の未燃分を含んだガスの流れが上昇を妨げられ、火炉1の内側方向に向かう。その結果、未燃分が最寄りの二次燃焼用空気の流れに接触することにより酸化され、VOCとCOの濃度が共に火炉1の出口4に至るまでに偏在することなく低減される。
この突起物11は水管壁を火炉1内側に張り出させることにより形成することができるため、製作は比較的容易である。ただし、設置場所が強い還元雰囲気下にあり、灰付着と腐食が厳しくなるため、表面に肉盛あるいは溶射などの強化処理を施しておく。
突起物11は細長い板状、三角柱状又は半円柱状等の形状とすることができるが、いずれも灰の堆積を防ぐため、上面は火炉1壁側よりも火炉1内部側の方が下がった傾斜面とする。突起物11の火炉1内側への張り出し高さは、側壁に最も近い空気供給口3と側壁との間隔の1/3〜1/2程度が適当である。
突起物11の長さは、側壁の幅全体とすることで、側壁に沿って上昇する未燃分の流れの発生を防止することが確実になるが、特にVOC濃度が高くなる側壁の中心付近に、側壁幅の1/3〜1/2程度の長さで設置しても効果が得られる。
前記実施例1で説明した突起物11の設置位置は、VOCの酸化に必要な温度である1000℃以上、望ましくは1200℃以上での滞留時間を1.0秒以上確保でき、ガスの流れと交わる方向に長い形状物として設置できれば、上記実施例に示した以外の場所でも構わない。
本発明による排ガス中の未燃分を低減する他の実施例のボイラ火炉内の構造を図2(図2(a)は火炉内の側面図、図2(b)は火炉内の正面図)に示す。
本実施例でも、二次燃焼用空気供給口3の数と配置位置は従来技術と同様であるが、二次燃焼用空気供給口3とノーズ部5の間の高さの側壁に、ガス流れと交わる方向に伸びた長い突起物11を設置する。前後壁面に設けられたバーナ2で生成して側壁に沿って上昇し、二次空気の流れをすり抜けてきた未燃分を含んだガスの流れが、突起物11により火炉1内側方向に向けられる。
本実施例でも、二次燃焼用空気供給口3の数と配置位置は従来技術と同様であるが、二次燃焼用空気供給口3とノーズ部5の間の高さの側壁に、ガス流れと交わる方向に伸びた長い突起物11を設置する。前後壁面に設けられたバーナ2で生成して側壁に沿って上昇し、二次空気の流れをすり抜けてきた未燃分を含んだガスの流れが、突起物11により火炉1内側方向に向けられる。
突起物11が設置された高さ位置の火炉1内において、火炉壁付近はガスのすり抜けによる酸素不足の状態となっているが、二次空気供給後は火炉1全体としての空気量は理論空気量を超えているため、未燃分が側壁から離れた空間に残存している酸素に接触することにより酸化され、VOC、COともに火炉出口4までに偏在することなく低減される。
本発明による排ガス中未燃分を低減する他の実施例のボイラ火炉内の構造を図3(図3(a)は火炉内の側面図、図3(b)は火炉内の正面図)に示す。
本実施例でも、二次燃焼用空気供給口3の数と配置位置は従来技術と同様であるが、ノーズ部5の頂点(火炉1内に突き出た先端部)の高さ位置の側壁にほぼ水平方向に伸びた突起部11を設置する。
本実施例でも、二次燃焼用空気供給口3の数と配置位置は従来技術と同様であるが、ノーズ部5の頂点(火炉1内に突き出た先端部)の高さ位置の側壁にほぼ水平方向に伸びた突起部11を設置する。
この場合は、天井面から吊り下げられた伝熱管群6の下端がノーズ部5の頂点まで達しない火炉、あるいはボイラの前壁(缶前)側の空間に伝熱管群6が設置されていない火炉では、図3に示すように、ノーズ部5の頂点の高さ位置に水平方向に長い突起部11を設置することが可能である。この位置の側壁はノーズ部5の存在により幅が狭くなっているため、突起部11の長さを短くでき、経済的である。
この場合の突起物11は、前述の実施例1、2と同様に、水管壁を火炉1内側に張り出させて形成して、その形状を実施例1、2と同様とする。本実施例による突起物11の設置位置は、二次燃焼用空気供給口3、3Aの後流側であるので、雰囲気の還元性が比較的弱く、腐食が軽くなるため、材料の強化処理は不要あるいは実施例1に比較して少なくて済む。
なお、上記実施例1〜3の各突起物11の配置位置を少なくとの2種類組み合わせて火炉1内に配置してもよい
なお、上記実施例1〜3の各突起物11の配置位置を少なくとの2種類組み合わせて火炉1内に配置してもよい
本発明の上記各実施例の突起物11として長い金属板を用いて、既設の火炉(二次燃焼用空気供給口3A、3B、3Cのない火炉)に適用することも可能である(図示せず)。その場合、火炉側壁の水管表面にガスの流れを妨げる方向に長い金属板を取り付けることにより、側壁に沿って上昇するガスを火炉中心方向へ流し、未燃分を酸化させることができる。この際、金属板上への灰の堆積を防ぐため、上面が火炉壁側よりも火炉内部側の方が下がるように傾斜面を設ける。金属板の設置位置や腐食対策の強化処置は、前述の各実施例と同様である。ただし、図1に示した突起物11のように、二次燃焼用空気供給口3付近に金属板を設置する場合は、温度が1600℃前後と高く、非常に厳しい環境であるため、金属板を水冷式とした方が良い。
上記実施例4の金属板を含めて本発明の上記各実施例におけるガスの流れを妨げる突起物11の設置数は、左右の側壁に一対だけである必要はなく、未燃分の偏在状況に応じて、高さやサイズを変えて二対以上設置しても良い。
本発明は、排ガス中のNOxの発生量の制御への影響が小さく、ボイラ排ガス中のVOCとCO濃度を低減できるボイラとして利用可能性がある。
1 火炉 2 バーナ
3、3A、3B、3C、3D 二段燃焼用空気供給口
4 火炉出口 5 ノーズ部
6 伝熱管群 7 火炎
8 側壁中心部 11 突起物
3、3A、3B、3C、3D 二段燃焼用空気供給口
4 火炉出口 5 ノーズ部
6 伝熱管群 7 火炎
8 側壁中心部 11 突起物
Claims (6)
- 火炉内に空気比を1未満にした一段以上のバーナを設けたバーナ段と、バーナからのガス流れの後流側に一段以上の空気供給口を設けた空気供給口段を有するボイラにおいて、
バーナ段から火炉出口までの間の火炉壁内面に、ガス流れを妨げる方向に伸びた突起物を1つ以上設置したことを特徴とするボイラ。 - バーナ段と空気供給口段は、互いに対向する一対の前後の火炉壁に設けられ、突起物は、前記一対の火炉壁に隣接する互いに対向する一対の側壁内面に一対以上設置されることを特徴とする請求項1記載のボイラ。
- バーナ段と空気供給口段の間及び/又は空気供給口段と火炉出口の間の火炉側壁内面に、ガス流れを妨げる方向に伸びた突起物を一対以上設置したことを特徴とする請求項2記載のボイラ。
- 火炉壁を構成する水冷壁の一部を、火炉内側に張り出させることによって突起物を形成することを特徴とした請求項1〜3のいずれかに記載のボイラ。
- 火炉壁を構成する水冷壁の内側に金属板を取り付けて突起物を形成することを特徴とした請求項1〜3のいずれかに記載のボイラ。
- ガス流れを妨げる突起物を、設置する火炉壁の幅全体にわたって及び/又は幅方向に部分的に設置することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のボイラ。
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JP2014173777A (ja) * | 2013-03-07 | 2014-09-22 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 燃焼バーナ及びボイラ |
JP2016205793A (ja) * | 2015-04-16 | 2016-12-08 | 環境エナジー株式会社 | 懸垂管形折流ボイラー |
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