JP2007024268A - 真空断熱材 - Google Patents

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芳信 柿崎
Yuji Katagiri
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Abstract

【課題】 本発明は、無機繊維を主体として構成された無機繊維集合体からなる芯材に吸着した微量水分を除去するための乾燥工程を経て製造される真空断熱材において、断熱性能を低下させることなく短時間で芯材の吸着水分を除去し効率的に製造することのできる真空断熱材を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の真空断熱材は、湿式法または乾式法にて得られた無機繊維を主体として構成された無機繊維集合体からなる芯材を外装材に梱包し真空引きしてなる真空断熱材であって、前記芯材に対して、高周波加熱、マイクロ波加熱等の誘電加熱処理を行うことにより、吸湿現象により前記無機繊維に吸着した微量水分を除去した後、水分の再吸着を防ぎつつ、真空引きしてなることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ガラス繊維等の無機繊維を主体として構成された無機繊維集合体からなる芯材を使用した真空断熱材に関し、詳細にはプラスチック金属箔ラミネートフィルムの外装材に梱包する前に、芯材に吸着された水分等を効率的に除去することのできる真空断熱材に関する。
従来、真空断熱材としては、ガラス繊維等の無機繊維からなるニードリングマット、フェルト、ウール等の無機繊維集合体を無機バインダを用いて成形した芯材を断熱容器内に収容し、その後真空にして密閉したものが一般的に使用されている。
このような無機繊維集合体からなる真空断熱材用芯材の断熱性を高めるため、従来より、無機繊維中のショット(未繊維化の固まり、太い繊維など)の含有率を低下させたり、無機繊維を伝熱方向に対して垂直方向に配列させて熱伝導率を低くする等の方法が提案されている。
前記無機繊維中のショットは、サイズが大きく、数が多いと、真空断熱材用芯材中の空隙のサイズと数が増加し、大きな空隙中の空気の対流による熱伝達により、熱伝導率が高くなり、断熱性が低下することが分かっている。
また、前記無機繊維は細ければ細いほど、繊維同士の接合点面積が減少するので、熱移動経路が複雑となり、断熱性が向上することが分かっている。
このため、最近では、特許文献1に開示されるように、平均繊維径が2μm以下の微細ガラス繊維からなる抄造シートを真空断熱材用芯材として使用することも提案されており、この場合、ショット含有率は実質上ゼロとなり、熱移動経路も長くできるので、高い断熱性能を有した真空断熱材が得られる。
また、バインダを使用せず、実質的に無機繊維のみで真空断熱材用芯材を構成すると、減圧時に水分以外の余計なガス発生がなくなるので、真空断熱材完成後に発生するガスを吸着し真空断熱材の真空度を維持するためのガス吸着剤の使用量を減らすことができ、特性上及びコスト上のメリットがもたらされる。
また、真空断熱材用芯材を抄造シートにて構成すると、シート厚さが均一であるため、真空断熱材用芯材の外表面に凹凸がなくなり、断熱特性の均一性がもたらされる。
特開平7−139691号公報
平均繊維径が2μm以下の微細ガラス繊維からなる抄造シートを真空断熱材用芯材として用いた場合、上記のようなメリットが得られたが、逆に、次のような弊害も有していた。
ガラス繊維抄造シートからなる真空断熱材用芯材は、乾燥シートとして供給され使用されるものであるが、ガラス繊維は水との親和性が高い(接触角は0度)ため、供給されたガラス繊維抄造シートからなる真空断熱材用芯材は、真空断熱材として組み立てられるまでの間に、空気中の水分を徐々に吸着(吸湿)してしまうという問題がある。通常、真空断熱材を組み立てるまでの間に0.5質量%程度の水分が繊維表面に吸着している。
真空断熱材用芯材が水分を有していると、真空断熱材の真空度を高めることができないので、真空断熱材を組み立てる前に予め水分を除去しておく必要があり、通常、近赤外線・遠赤外線加熱、接触乾燥、熱風乾燥といった外部加熱法による乾燥処理が行われているが、この乾燥方法では、まず表面のガラス繊維が熱を一部反射する問題があり、更にガラス繊維が微細になればなるほど、芯材が厚いほど熱伝導が悪くなるので、通常、120℃で10時間程度もの乾燥時間をかけており、コスト高となるという問題を有している。
また、水分を含んだ微細ガラス繊維シートを外部加熱法で乾燥すると、繊維を覆っていた水分は表面張力の働きで、乾燥に伴い繊維の接触面に集まる。すなわち、微細な繊維同士がもし平行状態にあれば、繊維は引き合い、あたかも1本に集合する形となる。乾燥時間を短くするため、温度を高くすると、温度が高いほど水の蒸発移動が速くなり、引き合う力も高まることになる。従って、厚さ方向に収縮して密度が高くなる部分が生じることになる。これは、太い繊維で構成された芯材と構造が類似してくることになり、目的とする高断熱性能が得られず、断熱性能は低下する。
そこで、本発明は、前記従来の問題点に鑑み、無機繊維を主体として構成された無機繊維集合体からなる芯材に吸着した微量水分を除去するための乾燥工程を経て製造される真空断熱材において、断熱性能を低下させることなく短時間で芯材の吸着水分を除去し効率的に製造することのできる真空断熱材を提供することを目的とする。
本発明の真空断熱材は、前記目的を達成するべく、請求項1に記載の通り、湿式法または乾式法にて得られた無機繊維を主体として構成された無機繊維集合体からなる芯材を外装材に梱包し真空引きしてなる真空断熱材であって、前記芯材に対して、高周波加熱、マイクロ波加熱等の誘電加熱処理を行うことにより、吸湿現象により前記無機繊維に吸着した微量水分を除去した後、水分の再吸着を防ぎつつ、真空引きしてなることを特徴とする。
また、請求項2記載の真空断熱材は、請求項1記載の真空断熱材において、前記芯材が、前記芯材が、無機繊維を主体として湿式抄造して得られたシート状物からなるものであることを特徴とする。
また、請求項3記載の真空断熱材は、請求項1または2記載の真空断熱材において、前記芯材が、実質的に無機繊維のみで構成されたものであることを特徴とする。
また、請求項4記載の真空断熱材は、請求項1乃至3の何れかに記載の真空断熱材において、前記無機繊維が、平均繊維径0.2〜4μmのガラス繊維であることを特徴とする。
本発明によれば、無機繊維を主体として構成された無機繊維集合体からなる芯材に吸湿現象により吸着した微量水分を、誘電加熱により除去するため、従来の乾燥法より乾燥時間を短縮することが可能となる。
また、前記芯材を、無機繊維を主体として湿式抄造して得られたシート状物から構成するようにした場合には、ガラスウールからなる集綿積層体を圧縮して形成したものよりも、厚さと密度の精度に優れ、安定した品質とすることができる。更に、品質の安定した芯材は、所望の断熱効果を発揮することができ、複数積層すればより断熱効果に優れる。また、前記芯材を、無機繊維主体の湿式抄造シートから構成するようにした場合には、熱伝導率を高めるショットの含有率を低く抑えられるため、断熱性能の低下を抑えることができる。また、前記芯材を、無機繊維主体の湿式抄造シートから構成し必要に応じて複数積層するように構成した場合には、繊維が芯材の水平方向に配列するため、熱伝導率が低く抑えられ断熱性能が向上する。
また、前記芯材を、実質的に無機繊維のみで構成するようにした場合には、真空時に水分以外の余計なガス発生がなくなるので、真空断熱材に内包させるガス吸着剤の使用量を減らすことができ製造コストを低く抑えることができる。
また、前記無機繊維を、平均繊維径0.2〜4μmの微細径繊維とした場合には、繊維同士の接合点面積が減少し熱移動経路が複雑化するため、断熱性能が高められる。また、前記無機繊維を平均繊維径0.2〜4μmとした場合には、前記芯材を無機繊維主体の湿式抄造シートとして得る場合に、シート化が容易で、生産性が高く、製造コストを低く抑えることができる。また、前記無機繊維をガラス繊維とした場合には、平均繊維径0.2〜4μmの微細径繊維を工業的に容易に得ることができ製造コストを低く抑えられる。
本発明の真空断熱材は、無機繊維を主体として構成された無機繊維集合体からなる芯材を外装材に梱包し真空引きしてなる真空断熱材において、前記芯材に吸湿現象により吸着した0.5質量%程度の微量水分を効率的に除去する方法として、誘電加熱処理を行うようにしたことが特徴である。
誘電加熱は、一般的に定義されるように、高周波電場内において発生する熱を利用するものであるが、具体例を挙げると、高周波(1MHzから300MHz)加熱やマイクロ波(300MHzから300GHz)加熱を挙げることができる。マイクロ波の方が周波数が高く電界強度を弱められ、放電現象が起きず、安全に使用できるので、ガラス繊維の誘電加熱に伴う水分の蒸発を行うにはマイクロ波加熱法が好ましい。また、2450MHzのマイクロ波はわが国の電波法での電子レンジ等を対象に規定されており、設備を導入する上でも一般的であるので好ましい。
内部加熱法であるマイクロ波誘電加熱で0.5質量%程度の水分量の微細ガラス繊維抄造シートを加熱すると、誘電損失係数12.3と高い水が発熱して水蒸気として芯材から取り除かれる。この加熱は、前記従来の外部加熱法と異なり、全ての水分子に均一にしかも急激に発生するので、芯材の吸着水分を除去するための乾燥処理に要する時間を短縮することが可能となる。
更にガラス自体も誘電損失係数は水の1/246の0.05ではあるが発熱を起こす。ガラス組成の内、誘電損失が大きい物質は、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等であり、通常のガラス繊維組成では、約10質量%含んでいるので、ガラス自体も発熱する。このことを利用して原子力発電の盛んなフランスでは1980年代より原子力廃棄物をガラスに誘電加熱して溶融して封じ込めるAVM法(Atelier Vitrification de Marcoule)を実施している。
前記無機繊維としては、ガラス繊維、セラミック繊維、スラグウール繊維、ロックウール繊維等を用いることができるが、平均繊維径4μm以下の微細径繊維を工業的に容易に得られる点で、ガラス繊維が好ましい。
前記ガラス繊維としては、例えば、耐酸性のCガラスを溶融、紡糸後、バーナの火炎でエネルギを与え、吹き飛ばして得られるガラス短繊維や、Cガラスを溶融した後、紡糸したガラス長繊維が好適に用いられる。しかしながら、前記ガラス短繊維の場合、バーナの火炎のエネルギが不均一若しくは不足していると、前記ガラス短繊維の一部にショットと呼ばれるガラス塊や部分的に太くなった繊維が少量混入する場合がある。
このような火炎法や、その他遠心法等の製法によって得られるガラス繊維は、その繊維構造が表面積の小さい円柱状に形成されており、パルプ繊維等のように枝分かれ(フィブリル化)していないため、抄造時に抄紙原料液中の繊維が一定方向に走行するフォーミングワイヤに引っ張られても、繊維が引っ掛かってシート表面の地合が崩れたり、孔が開いたりする等の不都合がない。
従って、前記芯材は、無機繊維を主体として湿式抄造したシート状物から形成されることが好ましい。
また、表面凹凸等をなくして湿式抄造するために、また、熱伝導率を悪化させるショットを除去するために、例えば、ガラス繊維を分散媒体に分散させた抄紙原料液の遠心分離を行い、スクリーン・フィルタを通過させる等して、抄紙原料液中の30μm以上のショットの含有率を実質上0質量%近くまで除去することが好ましい。このようにして抄造されたシート中の30μm以上のショット含有率は、0.1質量%以下となる。
前記シート状物は、無機繊維の他に、有機バインダ、無機バインダ、有機繊維等のバインダ効果のあるものや、有機粉体、無機粉体、その他、マイクロカプセル粒体等、前記シートの強度、均一性、取り扱い性を向上させるものを混入させることが可能であるが、減圧時や真空時に水分以外の余計なガス発生をなくすため、無機繊維のみで抄造したシート状物とすることが好ましい。
前記無機繊維としては、平均繊維径が0.2〜4μmのガラス繊維が好適に用いられる。平均繊維径が0.2μm未満であると、前記繊維を抄紙してシートを形成することは可能であるが、濾水性が悪く、製造コストが高くなり、工業製品として実用に適さないという不都合があり、4μmを超えると、湿式抄造法では単独繊維ではシート化が困難になるという不都合があるからである。
また、ガラス繊維が平均繊維径0.2〜4μmの微細径繊維である場合、マイクロ波誘電加熱でガラス繊維の一部が溶融融着することが可能となる。繊維自体での発熱溶融焼結であるため、焼結が均一となり、以降の加圧変形に対して潰れにくくなる。つまり、真空引き加工時での芯材のつぶれ(厚さ減少)を少なくでき、真空断熱材の厚さ方向の熱伝導が高まることを抑えることが可能になる。
尚、外部加熱法で焼結を行い、同様の効果を得ようとしてもCガラス繊維では約500℃の加温と加温までの加熱時間が数時間必要で、外観は外側のみ焼結して変形を生じ柔軟性を欠き、マイクロ波誘電加熱による乾燥処理品と同様性状のガラスシートを得ることはできない。
次に、本発明の真空断熱材用芯材となる無機繊維シートの製造方法について説明する。
前記無機繊維シートは、傾斜抄紙機或いは長網抄紙機を用いて製造することが好ましい。以下一例を説明する。
(1)先ず、原料として、例えば、平均繊維径1μmの微細ガラス繊維を所定量計量し、ミキサ、パルパ等の分離機により前記繊維を水中に均一に分散し抄紙原料液を得る。尚、ガラス繊維はパルプと異なりフィブリル化はしないため、ビータのような刃物を備えた叩解機を使用すると折れて粉状となるため、パルパを使用する。この抄紙原料液を貯蔵タンクに輸送、貯蔵する。
(2)次に、前記抄紙原料液中のガラス繊維には、ショットが少量混入していると推測されるため、前記抄紙原料液を遠心分離機にて遠心した後、スクリーン・フィルタを通過させて抄紙原料液中の30μm以上のショット含有率を0質量%近くまで低減させる。
(3)そして、種口弁・白水バルブで抄紙原料液の供給量を制御し、ステップディフューザ等を介してヘッドボックスから抄紙原料液を噴出し、走行するフォーミングワイヤ上に堆積させ、下方から脱水して、ガラス繊維シートを形成する。
(4)その後、前記ガラス繊維シートを水分乾燥させるドライヤを通過させてロール状に巻き取る。このガラス繊維シートを展開して所望の大きさに切断して真空断熱材用芯材シートとする。このシートは、前記シート単層或いは必要に応じて複数枚積層して積層体とし、必要な断熱効果及び厚みを有する真空断熱材用芯材として用いることができる。
(5)得られた真空断熱材用芯材を所定のサイズに切り取り、出力600Wのマイクロ波加熱装置で15分間加熱乾燥処理を行い前記芯材の吸着微量水分を除去した後、水分の再吸着を防ぎながら、直ちに必要厚さに重ねて袋状の外装材に挿入し、真空引き(0.04torr、10分)を行い、加熱封印して真空断熱材を得る。
尚、上記説明における誘電加熱時の電力や時間については、特に制限をするものではない。また、本発明における真空引きの程度は、特に制限はないが、0.08Torr以下程度とすることができる。
また、外装材としては、その内部を真空状態に保つことができるものであれば特に制限はない。その一例として、アルミ箔とPETフィルムからなる多層ラミネートフィルム等のプラスチック金属箔ラミネートフィルムを挙げることができる。
次に、本発明の実施例を従来例とともに説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
平均繊維径1.0μmのガラス繊維100質量%を上記方法で湿式抄造して、熱風乾燥後、厚さ2.0mm、密度0.140g/cm3の真空断熱材用芯材シートを得た。
次に、得られた芯材シートに対して、出力600Wのマイクロ波加熱装置で15分間加熱乾燥処理を行い芯材シートの吸着微量水分を除去した後、水分の再吸着を防ぎながら、直ちに5枚重ねて厚さ10mmの積層体の真空断熱材用芯材とし、水分の再吸着を防ぎながら、アルミ箔とPETフィルムからなるガスバリアラミネートフィルムの袋状の外装材に挿入し、0.04torrで10分間、真空引きした後加熱封印して真空断熱材を得た。
次に、真空断熱材の外観を観察し、厚さを測定して真空断熱材用芯材の密度変化を求めた。室温で熱伝導率を測定すると、0.0025W/m・Kであった。
(従来例1)
実施例と同様にして、厚さ2.0mm、密度0.140g/cm3の真空断熱材用芯材シートを得た。
次に、得られた芯材シートに対して、熱風乾燥機で120℃、10時間加熱乾燥処理を行い芯材シートの吸着微量水分を除去した後、水分の再吸着を防ぎながら、直ちに5枚重ねて厚さ10mmの積層体の真空断熱材用芯材とし、実施例と同様にして、真空断熱材を得た。
次に、真空断熱材の外観を観察し、厚さを測定して真空断熱材用芯材の密度変化を求めた。室温で熱伝導率を測定すると、0.0035W/m・Kであった。
(従来例2)
実施例と同様にして、厚さ2.0mm、密度0.140g/cm3の真空断熱材用芯材シートを得た。
次に、得られた芯材シートに対して、熱風乾燥機で180℃、10時間加熱乾燥処理を行い芯材シートの吸着微量水分を除去した後、水分の再吸着を防ぎながら、直ちに5枚重ねて厚さ10mmの積層体の真空断熱材用芯材とし、実施例と同様にして、真空断熱材を得た。
次に、真空断熱材の外観を観察し、厚さを測定して真空断熱材用芯材の密度変化を求めた。室温で熱伝導率を測定すると、0.0030W/m・Kであった。
次に、前記実施例、従来例1〜2の真空断熱材加工前の真空断熱材用芯材の厚さ、坪量、密度と、真空断熱材加工後の真空断熱材の厚さ、密度、熱伝導率、外観を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2007024268
表1に示す結果から以下のことが分かった。
(1)実施例の場合、芯材の乾燥処理にマイクロ波加熱乾燥を実施したことにより、水分が均一に蒸発除去され、熱伝導率が従来例1に比べ約28%改善された。また、乾燥処理時間を従来例の1/40に短くでき、大幅な生産性の向上と製造コストの低減が図れた。また、ガラス自体の溶融による接合融着があるため、従来例に比べて、真空引きによる芯材の厚さ減少率が小さくなった。これにより、芯材シートの使用量の低減が図れる。
(2)従来例1の場合、120℃で10時間の熱風乾燥による芯材の乾燥処理を行ったが、乾燥に時間をかけた割には、熱伝導率は実施例に比べ40%劣る結果であった。また、外部加熱法である熱風乾燥による乾燥処理を行ったため、水分の蒸発に伴いガラス繊維同士が引き合って収縮し易くなったため、厚さ減少率が実施例に比べ大きくなった。
(3)従来例2の場合、従来例1より60℃高い180℃で10時間の熱風乾燥による芯材の乾燥処理を行ったため、従来例1に比べ、水分除去率が向上し、熱伝導率が約14%改善されたが、実施例に比べると20%劣る結果となった。これは、従来例2の場合、従来例1に比べ乾燥処理温度を60℃高くしたため、水分の蒸発に伴いガラス繊維同士が引き合う力が増しより収縮し易くなって、厚さ減少率が従来例1よりも大きくなった結果、真空断熱材の厚さ方向の伝熱経路が短くなり熱が伝わり易くなったことが原因と推定される。

Claims (4)

  1. 湿式法または乾式法にて得られた無機繊維を主体として構成された無機繊維集合体からなる芯材を外装材に梱包し真空引きしてなる真空断熱材であって、前記芯材に対して、高周波加熱、マイクロ波加熱等の誘電加熱処理を行うことにより、吸湿現象により前記無機繊維に吸着した微量水分を除去した後、水分の再吸着を防ぎつつ、真空引きしてなることを特徴とする真空断熱材。
  2. 前記芯材が、無機繊維を主体として湿式抄造して得られたシート状物からなるものであることを特徴とする請求項1記載の真空断熱材。
  3. 前記芯材が、実質的に無機繊維のみで構成されたものであることを特徴とする請求項1または2記載の真空断熱材。
  4. 前記無機繊維が、平均繊維径0.2〜4μmのガラス繊維であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の真空断熱材。
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