JP2007021692A - 切削加工方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明によれば、主軸に装着した回転形の切削工具をワークに対して相対的に送ると共に、ピックフィードを与え、ワーク表面を加工する際、隣り合う工具経路の対応する工具位置間における工具刃先の位相差が予め指令した値を保つように、工具経路と工具刃先の位相についての情報を含むNCプログラムを入力部21から入力し、読取解釈部23、補間部25、指令分配部27、主軸回転軸駆動部29、各送り軸駆動部35を経て、工具の送り動作と回転動作とを同期制御するようにした。
【選択図】 図1
Description
1つの工具経路における工具位置と工具刃先の回転角度位置を表わす位相とが予め指令した値になるように、工具の送りと回転とを同期制御しているので、工具経路の始点、終点又は中間の任意の地点における工具刃先の位相を特定できる。これをピックフィード量を隔てて隣り合うすべての工具経路について行うことにより、隣り合う工具経路の対応する工具位置間における工具刃先の位相差が予め指令した値を保つようにカッターマーク付けが行える。
工具の送りと回転とを同期制御することにより、前記隣り合う工具経路の対応する工具位置間における工具刃先の位相差を予め指令した例えば0度や180度に保つことができ、あるいはランダムになるようにでき、加工面に所望のカッターマーク付けが行える。
工具の刃先形状を得るべきカッターマークの形状に合うように形成し、ピックフィード量を隔てて隣り合う工具経路の対応する工具位置間における工具刃先の位相差が予め指令した値を保つように、工具の送りと回転とを同期制御してワーク表面を加工することにより、例えば六角形、正方形、サイクロイド形等の所望のカッターマーク形状を得ることができる。
読取解釈部は、工具経路プログラム情報及び工具刃先の位相情報あるいは工具刃先の位相差情報を読取り解釈して補間部へ送出し、補間部は、これらの情報に基づき工具の送りと回転とが同期して動作するように送り軸及び主軸回転軸の移動指令値を演算する。その移動指令値は送り軸駆動部と主軸回転軸駆動部へ分配され、工具の送りと回転とが同期制御される。こうして、工具経路の始点又は終点における工具刃先の位相が予め指令した値になるように、あるいは隣り合う工具経路の対応する工具位置間における工具刃先の位相差が予め指令した値を保つように切削加工が行える。
検出データ処理部は、送り軸現在位置検出部と主軸現在角度位置検出部から出力される工具位置に対する工具刃先の位相データを刻々生成し補間部へフィードバックする。補間部は、フィードバックされた工具位置に対する工具刃先の位相データと入力指令されている工具位置に対する工具刃先の位相データとの偏差がなくなるように補正の補間演算を行い、送り軸駆動部及び主軸回転軸駆動部へ分配する。こうして工具の送りと回転との間で精度の高い同期制御が行われる。
検出データ記憶部は、検出データ処理部で生成した工具位置に対する工具刃先の位相のデータを1つの工具経路にわたって記憶し、補間部へ送出する。補間部は、この送出された工具刃先の位相と隣り合う次の工具経路の対応する工具位置における工具刃先の位相との差が予め指令した位相差情報の値を保つように補間演算を行うとともに、検出データ処理部からフィードバックされた工具位置に対する工具刃先の位相データとの偏差がなくなうように補正の補間演算を行う。こうして1つ前の工具経路に合わせた工具の送りと回転との間における精度の高い同期制御が行われる。
数値制御装置の読取解釈部は、工具経路プログラム情報及び工具刃先の位相情報あるいは工具刃先の位相差情報を読取り解釈して補間部へ送出し、補間部は、これらの情報に基づき工具の送りと回転とが同期して動作するように送り軸と主軸回転軸の移動指令値を演算する。その移動指令値は、この数値制御装置を有する切削加工装置の送り駆動部と主軸回転軸駆動部へ分配され、工具の送りと回転とが同期制御される。
工具経路プログラムには、予めそのコードの意味を定義した書式の指令形式、例えばGコードが用いられる。Gコードは、準備機能ワードであり、工具経路の各ブロックの終点における工具刃先の位相の値を指定したり、ピックフィード量を隔てて隣り合う工具経路の対応する工具位置間における工具刃先の位相差の値を指定したりする場合に用いる。これらのGコードの意味を予め定義しておくことにより、読取解釈部はGコードを読取り解釈でき、補間部へ工具経路プログラム情報を送ることができる。
更に、本発明によれば、切削加工装置の送り軸現在位置検出部及び主軸現在角度位置検出部からの検出結果を受け取り、検出データ処理部で実際の工具位置に対する工具刃先の位相データを刻々生成し、補間部へフィードバックするので、補間部はこの実際の位相データと入力指令された目標となる位相データとの偏差がなくなるように補正の補間演算を行う。従って、工具の送りと回転との間で精度の高い同期制御が行える。つまり、何らかの原因で工具の送りと回転との同期制御に狂いが生じても、すぐに正しい関係に補正可能であり、カッターマークのくずれを小さくできる。
更に、本発明によれば、読取り解釈部は、予め定義した書式の指令形式、例えばGコードを用いて記述した工具経路プログラムを読取り解釈できるので、工具の送りと回転との同期制御の内容を任意に指令することができる。つまり工具経路プログラム作成の段階で容易に種々のカッターマーク形状の加工面を指令することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態による切削加工装置を示すブロック図である。入力部21から切削工具の移動軌跡である工具経路やピックフィード経路を規定するプログラム情報、工具刃先の回転角度位置を表す位相情報、ピックフィード量を隔てて隣り合う工具経路の対応する工具位置間における工具刃先の位相差情報を入力する。これらの情報は、NCプログラム、手動データ入力装置(MDI)からのデータ、機械パラメータ等種々の形態があり、またこれらの形態の組合せであってもよい。入力部21はNCプログラムをコンピュータを援用して生成するCAM装置であってもよい。読取解釈部23以降の構成の説明は後述する。
なお、本明細書では、切削加工を行いながら工具がワークに対して相対移動するその移動経路を工具経路と称し、直前の工具経路の方向とは異なる方向、例えば直角方向にワークに対して相対移動するピックフィード経路と区別する。また、工具刃先の回転角度位置とは、工具刃先の位相のことであり、予め定めた基準位置から回転方向に見た角度で表す。工具は主軸に相対回転することなくキーにより常に回転方向定位置に装着されるので、結局、工具刃先の位相は、主軸の回転角度位置で表わすことができる。主軸は、回転方向の位置制御、速度制御が行える回転軸(C軸)機能を有しており、主軸回転軸と表わすこともある。また、工具の送りと回転とを同期制御するとは、工具の1刃当たりの送り量が予め指令した値を保つように、かつ、ブロックの始点又は終点における工具刃先の位相が予め指令した値になるように送り軸と主軸回転軸とを関連付けて同時に制御することである。
図2は、ワークWに対して直線往復移動させる工具経路Ft1〜Ftnに沿って、回転形の切削工具としてのボールエンドミルTを移動させてワークWの加工面MSをスキャン加工する様子を示している。簡単化のため、ここではワークWに斜めの平面でなる加工面MSを形状加工する場合を考える。工具Tは、先ず第1番目の工具経路Ft1に沿ってワークWに対して相対移動を開始し、加工開始点S1からワークWの加工を開始し、加工終点E1において第1番目の工具経路Ft1の加工を終了し、次いで第1番目の工具経路Ft1に対して直角方向に移動するピックフィードP1を行い、次の加工開始点S2から第2番目の工具経路Ft2に沿って同様の加工が行われる。これを繰り返して加工面MSの全面または加工面MSに定義された加工領域の全体に渡って表面加工する。
Φ=(Δ/F)×360°/N (1)
ここで、
Φ:位相差
Δ:刃先がワークに切り込み開始した瞬間の主軸の工具経路に沿った位置の隣接する工具経路間でのずれ量
F:1刃当たりの送り量
N:工具の刃数
である。
なお、工具Tは、主軸に装着されると加工中に主軸に対して相対回転することはないので、主軸の回転角度位置を制御することにより、工具Tの切刃の位相を制御することができる。
Gコードは他に、早送りの終点に位置決めする時の工具刃先の位相を指令する場合はG00.1を、送り軸終点までの1刃当たり送り量を指定する場合はG95.1を、カスプ頂点間のピッチを指定する場合はG201を用いる等、予め定義して用いることができる。従って、Gコードを予め定義しておけば、得たいカッターマークが形成できるように工具の送り動作と回転動作の同期制御の内容を任意に指令することができる。尚、Gコードとは、NCプログラムを記述するときの準備機能コードであり、ブロックの制御動作のモードを決める指令である。例えば、補間の種類、工具オフセット、固定サイクル、アブソリュート/インクリメンタル指令等を指定する場合に用いる。
図示はしないが、第3の実施の形態から検出データ処理部41より補間部25へのフィードバック回路をなくした形態も考えられる。つまり、検出データ記憶部43から1つ前の工具経路における工具位置に対する工具刃先の位相の値だけを補間部25へ送出し、次の工具経路におけるカッターマークの位置を1つ前のカッターマークの位置に合わせることができる。
23 読取解釈部
25 補間部
27 指令分配部
29 主軸回転軸駆動部
33 主軸現在角度位置検出部
35 送り軸駆動部
39 送り軸現在位置検出部
41 検出データ処理部
43 検出データ記憶部
Claims (8)
- 回転する工具をワークに対して相対的に送り、ワークに形状加工を施す切削加工方法において、
ピックフィードから次のピックフィードまでの1つの工具経路における工具位置と工具刃先の回転角度位置を表す位相とが予め指令した値になるように、工具の送りと回転とを同期制御することを特徴とした切削加工方法。 - 回転する工具をワークに対して相対的に送り、ワークに形状加工を施す切削加工方法において、
ピックフィード量を隔てて隣り合う工具経路の対応する工具位置間における工具刃先の位相差が予め指令した値を保つように、工具の送りと回転とを同期制御することを特徴とした切削加工方法。 - 回転する工具をワークに対して相対的に送り、ワークに形状加工を施す切削加工方法において、
得るべきカッターマークの形状に適した刃先形状の工具を用い、
ピックフィード量を隔てて隣り合う工具経路の対応する工具位置間における工具刃先の位相差が予め指令した値を保つように、工具の送りと回転とを同期制御し、
ワーク表面に所望のカッターマーク形状を形成することを特徴とした切削加工方法。 - 回転する工具をワークに対して相対的に送り、ワークに形状加工を施す切削加工装置において、
工具経路プログラム情報及び工具刃先の回転角度位置を表す位相情報あるいはピックフィード量を隔てて隣り合う工具経路の対応する工具位置間における工具刃先の位相差情報を含む入力情報を読取り解釈可能な読取解釈部と、
前記読取解釈部で読取り解釈した入力情報に基づき、工具の送りと回転とが同期して動作するように送り軸及び主軸回転軸の移動指令値を演算する補間部と、
前記補間部で演算した送り軸の移動指令値によって送り軸を駆動制御する送り軸駆動部と、
前記補間部で演算した主軸回転軸の移動指令値によって主軸回転軸を駆動制御する主軸回転軸駆動部と、
を具備し、工具刃先の位相が予め指令した値になるように工具の送りと回転とを同期制御してワークを切削加工することを特徴とした切削加工装置。 - 前記送り軸における工具位置の現在位置を検出する送り軸現在位置検出部と、
前記主軸回転軸における工具刃先の現在の位相を検出する主軸現在角度位置検出部と、
前記送り軸現在位置検出部及び前記主軸現在角度位置検出部の出力から工具位置に対する工具刃先の位相のデータを生成し、前記補間部へフィードバックする検出データ処理部と、
を更に具備し、前記補間部は、前記検出データ処理部で生成した工具位置に対する工具刃先の位相のデータと入力した指令データとの偏差がなくなるように補間演算する請求項4に記載の切削加工装置。 - 前記検出データ処理部で生成した工具位置に対する工具刃先の位相のデータをピックフィードから次のピックフィードまでの1つの工具経路にわたって記憶する検出データ記憶部を更に具備し、前記補間部は、前記検出データ記憶部に記憶した工具位置に対する工具刃先の位相と隣り合う次の工具経路の対応する工具位置における工具刃先の位相との差が予め指令した位相差情報の値を保つように補間演算を行う請求項5に記載の切削加工装置。
- 工具をワークに対して相対的に送る送り軸と工具を装着して回転する主軸回転軸を含む複数軸を制御可能な数値制御装置において、
工具経路プログラム情報及び工具刃先の回転角度位置を表す位相情報あるいはピックフィード量を隔てて隣り合う工具経路の対応する工具位置間における工具刃先の位相差情報を含む入力情報を読取り解釈可能な読取解釈部と、
前記読取解釈部で読取り解釈した入力情報に基づき、工具の送りと回転とが同期して動作するように送り軸及び主軸回転軸の移動指令値を演算する補間部と、
を具備し、工具刃先の位相が予め指令した値になるように工具の送りと回転とを同期制御することを特徴とした数値制御装置。 - 前記読取解釈部に入力する位相情報あるいは位相差情報は、予め定義した書式の指令形式で工具経路プログラムに記述する請求項7に記載の数値制御装置。
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