JP2007021556A - レーザ照射装置、レーザスクライブ方法 - Google Patents

レーザ照射装置、レーザスクライブ方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 1回のレーザ照射により形成される改質領域の大きさを拡大して高い生産性で加工対象物のスクライブが可能なレーザ照射装置、このレーザ照射装置を用いたレーザスクライブ方法を提供すること。
【解決手段】 レーザ照射装置100は、レーザ光源101と、出射されたレーザ光を集光する集光レンズ103と、レーザ光の集光点の位置を調整可能なZ軸スライド機構104と、基板Wを光軸101aと略直交する平面内で移動可能なX軸スライド部110およびY軸スライド部108と、レーザ光の集光領域が基板Wの厚み方向の所定の位置に位置するようにZ軸スライド機構104を制御するレンズ制御部122と、基板Wの切断予定位置に沿って集光領域が相対移動するようにX軸スライド部110およびY軸スライド部108を制御するステージ制御部123とを備え、集光レンズ103と基板Wとの間に、石英ガラス板106が挿入されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、レーザ照射装置、およびこのレーザ照射装置を用いた半導体等の基板のレーザスクライブ方法に関する。
半導体等の基板にレーザを照射して基板を切断あるいは分割するための分割領域を形成するレーザ照射装置としては、パルス幅が1μs以下のレーザ光を出射するレーザ光源と、出射されたレーザ光を集光する集光レンズとを備えたレーザ加工装置が知られている(特許文献1)。
このレーザ加工装置を用いたレーザ加工方法(レーザスクライブ方法)は、加工対象物の内部に集光部を合わせてレーザ光を照射し、加工対象物の内部に多光子吸収による改質領域を形成するものである。そして、この改質領域により構成され、加工対象物のレーザ光入射面側の表面より所定距離内側に離間した領域に切断予定ラインを形成する。その後、加工対象物に外部から応力を加えると、切断予定ラインを起点にして加工対象物が割れる。また、集光点におけるピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上となるようにレーザ光を集光させている。
このレーザ加工方法は、加工対象物の内部に集光部を合わせて改質領域を形成するため、加工対象物のレーザ光入射面側の表面に、回路を構成する配線等が存在しても、これらの配線等に熱的なダメージを与えることなく、切断予定ラインに沿って厚み方向に加工対象物を割ることができるとしている。
また、このレーザ加工装置を用いたレーザ加工方法において、加工対象物の内部に形成される改質領域あるいはこれを起点として形成されるクラック部(クラックスポット)の大きさは、集光レンズの特性と、レーザ光のピークパワー密度に依存する。例えば、上記特許文献1に示されたガラス(厚さ700μm)をYAGレーザを用いて切断する実施例では、集光レンズの開口数が0.55の場合、ピークパワー密度がおよそ1×1011(W/cm2)では、クラックスポットの大きさは、およそ100μmである。また、ピークパワー密度がおよそ5×1011(W/cm2)では、およそ250μmである。
特開2002−192370号公報
しかしながら、加工対象物の厚みが、クラックスポットの大きさよりも相当に厚い場合は、切断予定ラインを形成した後に、加工対象物を破断面が変形することなく割ることは困難である。外部応力を加えたときに改質領域を起点としたクラックの成長方向がずれて切断予定ラインに沿って割れず外形不良が生じるという課題がある。このような課題を改善するには、加工対象物の厚みに対応して、改質領域が厚み方向に連続するように、繰り返してレーザ光を照射する方法が考えられるが、レーザ光を照射する加工時間が長くなり生産性が低下するという課題を有している。
本発明は、上記課題を考慮してなされたものであり、1回のレーザ照射により形成される改質領域の大きさを拡大して高い生産性で加工対象物のスクライブが可能なレーザ照射装置、このレーザ照射装置を用いたレーザスクライブ方法を提供することを目的とする。
本発明のレーザ照射装置は、波長分散特性を有するパルスレーザ光を出射するレーザ光源と、パルスレーザ光を集光する集光手段と、パルスレーザ光の集光点の加工対象物に対する位置を調整可能な調整手段と、集光手段に対して加工対象物をパルスレーザ光の光軸と略直交する平面内で相対的に移動可能な移動手段と、パルスレーザ光が集光された集光領域が加工対象物の厚み方向の所定の位置に配置されるように調整手段を制御すると共に、加工対象物の切断予定位置に沿って集光領域が相対的に移動するように移動手段を制御する制御部とを有し、集光手段と加工対象物との間の光軸上に、屈折率が1よりも大きい軸上色収差拡大手段を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、制御部が調整手段を制御して、パルスレーザ光の集光領域が加工対象物の厚み方向の所定の位置に配置されるように集光点の位置を調整し、加工対象物の切断予定位置に沿って集光領域が相対的に移動するように移動手段を制御すれば、集光領域において加工対象物がパルスレーザ光を多光子吸収して形成される改質領域を加工対象物の厚み方向に渡って形成することができる。集光手段と加工対象物との間の光軸上に、屈折率が1よりも大きい軸上色収差拡大手段を備えているので、集光手段によって集光されたパルスレーザ光は、集光領域において波長分散による軸上色収差が拡大された状態となる。したがって、加工対象物の厚み方向に形成された改質領域をより拡大することができる。すなわち、1回のレーザ照射により形成される改質領域の大きさを拡大して、より少ない照射回数で加工対象物の厚み方向に渡って改質領域を形成することができるため、高い生産性で加工対象物のスクライブが可能なレーザ照射装置を提供することができる。
また、上記軸上色収差拡大手段を光軸に略直交するように挿入可能な挿入手段をさらに備え、制御部は、挿入手段を制御して、軸上色収差拡大手段を集光手段と加工対象物との間に挿入することが好ましい。
この構成によれば、制御部は、挿入手段を制御して軸上色収差拡大手段を集光手段と加工対象物との間に挿入することが可能なため、パルスレーザ光の集光領域における軸上色収差の幅を軸上色収差拡大手段の挿入によって変えることができる。集光領域の幅が変われば加工対象物がパルスレーザ光を多光子吸収して形成される改質領域の幅を変えることができる。したがって、加工対象物の厚みに応じて軸上色収差拡大手段を集光手段と加工対象物との間に挿入して、集光領域の幅を変えることにより、形成される改質領域の幅を変えて生産性がより高い状態で、加工対象物のスクライブを行うことができる。
本発明のレーザスクライブ方法は、上記発明に記載のレーザ照射装置を用い、波長分散特性を有する集光されたパルスレーザ光を加工対象物に照射して、加工対象物が多光子吸収して形成される改質領域を加工対象物の切断予定位置に沿った厚み方向に形成するレーザスクライブ方法であって、パルスレーザ光の光軸が加工対象物の切断予定位置の線上に位置するように集光手段と加工対象物とを相対的に位置決めする位置決め工程と、軸上色収差拡大手段を集光手段と加工対象物との間に配置して、パルスレーザ光の集光領域の少なくとも一部が加工対象物のパルスレーザ光の入射面と反対側の表面に掛かるように集光点の位置を調整手段によって調整する調整工程と、集光手段に対して加工対象物を相対移動させながら切断予定位置に沿ってパルスレーザ光を照射して第1の改質領域を形成する第1の走査工程と、調整手段によって集光領域を加工対象物の厚み方向にずらし、集光手段に対して加工対象物を相対移動させながら切断予定位置に沿ってパルスレーザ光を照射して、第1の走査工程で形成された第1の改質領域に厚み方向において連続するように第2の改質領域を形成する第2の走査工程とを備えることを特徴とする。
この方法によれば、位置決め工程でパルスレーザ光の光軸と加工対象物の切断予定位置とが位置決めされ、調整工程では、調整手段によって、加工対象物の厚み方向においてパルスレーザ光の集光領域の少なくとも一部が加工対象物のパルスレーザ光の入射面と反対側の表面に掛かるように集光点の位置が調整される。そして、第1の走査工程では、軸上色収差拡大手段を集光手段と加工対象物との間に配置することにより、集光領域において軸上色収差が拡大した状態でレーザ照射が行われて加工対象物の切断予定位置に沿うと共に厚み方向に第1の改質領域が形成される。第2の走査工程では、調整手段によって集光領域を加工対象物の厚み方向にずらして、第1の走査工程と同様にレーザ照射が行われて、第1の改質領域に厚み方向において連続するように第2の改質領域が形成される。したがって、軸上色収差拡大手段を集光手段と加工対象物との間に配置しない場合に比べて、軸上色収差が拡大した集光領域では、多光子吸収して形成される改質領域が拡大するので、加工対象物の厚み方向に渡って改質領域を連続して形成するためのレーザ照射の走査回数を低減することができる。よって、高い生産性で加工対象物のスクライブが可能なレーザスクライブ方法を提供することができる。
また、本発明の他のレーザスクライブ方法は、請求項2に記載のレーザ照射装置を用い、波長分散特性を有する集光されたパルスレーザ光を加工対象物に照射して、加工対象物が多光子吸収して形成される改質領域を加工対象物の切断予定位置に沿った厚み方向に形成するレーザスクライブ方法であって、パルスレーザ光の光軸が加工対象物の切断予定位置の線上に位置するように集光手段と加工対象物とを相対的に位置決めする位置決め工程と、パルスレーザ光の集光領域の少なくとも一部が加工対象物のパルスレーザ光の入射面と反対側の表面に掛かるように集光点の位置を調整する調整工程と、集光手段に対して加工対象物を相対移動させながら切断予定位置に沿ってパルスレーザ光を照射して第1の改質領域を形成する第1の走査工程と、挿入手段によって軸上色収差拡大手段を集光手段と加工対象物との間に挿入すると共に調整手段によって集光領域を加工対象物の厚み方向にずらし、集光手段に対して加工対象物を相対移動させながら切断予定位置に沿ってパルスレーザ光を照射して、第1の走査工程で形成された第1の改質領域に厚み方向において連続するように第2の改質領域を形成する第2の走査工程とを備えることを特徴とする。
この方法によれば、第1の走査工程では、軸上色収差拡大手段を集光手段と加工対象物との間に挿入せずに、集光領域において軸上色収差が少ない状態で第1の改質領域が形成される。第2の走査工程では、軸上色収差拡大手段を集光手段と加工対象物との間に挿入した状態、すなわち第1の走査工程に比べて軸上色収差が拡大した状態で、第2の改質領域が第1の改質領域に厚み方向に連続して形成される。よって、第1の改質領域が第2の改質領域に比べ、厚み方向の幅が狭い状態すなわち改質密度が高い状態で形成されるので、外部応力を加えて加工対象物を切断予定位置で切断する際に、第1の改質領域が形成された表面側から容易に切断される。すなわち、第1の改質領域をきっかけとして第2の改質領域側に切断が進んで、破断面に外形不良が発生することを低減することができる。
本発明の実施形態は、液晶表示装置を構成する液晶表示パネルを製造する工程において、液晶表示パネルが区画形成されたマザー基板を切断する工程で用いられるレーザ照射装置と、このレーザ照射装置を用いたレーザスクライブ方法を例に説明する。
(液晶表示パネル)
まず、液晶表示パネルについて説明する。図1は、液晶表示パネルの構造を示す概略図である。同図(a)は概略正面図、同図(b)は同図(a)のA−A線で切った概略断面図である。
図1(a)および(b)に示すように、液晶表示パネル10は、TFT(Thin Film Transistor)素子3を有する素子基板1と、対向電極6を有する対向基板2と、シール材4によって接着された両基板1,2の隙間に充填された液晶5とを備えている。素子基板1は対向基板2より一回り大きく額縁状に張り出した状態となっている。
素子基板1は、厚みおよそ1.2mmの石英ガラス基板を用いており、その表面には画素を構成する画素電極(図示省略)と、3端子のうちの一つが画素電極に接続されたTFT素子3が形成されている。TFT素子3の残りの2端子は、画素電極を囲んで互いに絶縁状態で格子状に配置されたデータ線(図示省略)と走査線(図示省略)とに接続されている。データ線は、Y軸方向に引き出されて端子部1aにおいてデータ線駆動回路部9に接続されている。走査線は、X軸方向に引き出され、左右の額縁領域に形成された2つの走査線駆動回路部13,13に個々に接続されている。各データ線駆動回路部9および走査線駆動回路部13の入力側配線は、端子部1aに沿って配列した実装端子11にそれぞれ接続されている。端子部1aとは反対側の額縁領域には、2つの走査線駆動回路部13,13を繋ぐ配線12が設けられている。
対向基板2は、厚みおよそ1.0mmの透明なガラス基板を用いており、共通電極としての対向電極6が設けられている。対向電極6は、対向基板2の四隅に設けられた上下導通部14を介して素子基板1側に設けられた配線と導通しており、当該配線も端子部1aに設けられた実装端子11に接続されている。
液晶5に面する素子基板1の表面および対向基板2の表面には、それぞれ配向膜7,8が形成されている。
液晶表示パネル10は、外部駆動回路と電気的に繋がる中継基板が実装端子11に接続される。そして、外部駆動回路からの入力信号が各データ線駆動回路部9および走査線駆動回路部13に入力されることにより、TFT素子3が画素電極ごとにスイッチングされ、画素電極と対向電極6との間に駆動電圧が印加されて表示が行われる。
尚、図1には図示省略したが、液晶表示パネル10の表裏面には、それぞれ入出射する光を偏向する偏光板が設けられる。
図2は、液晶表示パネルが区画形成されたマザー基板を示す概略図である。同図(a)は概略平面図、同図(b)は、同図(a)のB−B線で切った概略断面図である。
図2(a)に示すように、1つの液晶表示パネル10に相当する素子基板1がマザー基板としてのウェハ状の基板Wに複数区画形成されている。そして、図2(b)に示すように、対向基板2が個々に区画形成された素子基板1と接着されている。1つの液晶表示パネル10は、区画領域Dx,Dyに沿った切断予定位置を切断して、基板Wから取り出される。この場合、基板Wは、厚み1.2mm、直径12インチの石英ガラス基板であり、200個分の液晶表示パネル10が区画形成されている。
尚、本実施形態では、基板Wに個々の対向基板2を接着した形態であるが、ウェハ状の基板内に対向基板2が複数区画形成された他のマザー基板と基板Wとを接着し、相方のマザー基板を切断して液晶表示パネル10を取り出すようにしてもよい。
(レーザ照射装置)
次に、本発明を適用したレーザ照射装置について説明する。図3は、レーザ照射装置の構成を示す概略図である。
図3に示すように、レーザ照射装置100は、パルスレーザ光を出射するレーザ光源101と、出射されたパルスレーザ光を反射するダイクロイックミラー102と、反射したパルスレーザ光を集光する集光手段としての集光レンズ103とを備えている。また、加工対象物としての基板Wを載置するステージ107と、ステージ107を集光レンズ103に対してX,Y軸方向に移動させる移動手段としてのX軸スライド部110およびY軸スライド部108とを備えている。また、ステージ107に載置された基板Wに対して集光レンズ103のZ軸方向の位置を変えて、パルスレーザ光の集光点の位置を調整する調整手段としてのZ軸スライド機構104と、集光レンズ103と基板Wとの間の光軸101aに直交するように配置される軸上色収差拡大手段としての石英ガラス板106とを備えている。さらには、ダイクロイックミラー102を挟んで集光レンズ103と反対側に位置する撮像装置112を備えている。
レーザ照射装置100は、上記各構成を制御するメインコンピュータ120を備えており、メインコンピュータ120には、CPUや各種メモリーの他に撮像装置112が撮像した画像情報を処理する画像処理部124を有している。撮像装置112は、同軸落射型光源とCCD(固体撮像素子)が組み込まれたものである。同軸落射型光源から出射した可視光は、集光レンズ103を透過して焦点を結ぶ。
メインコンピュータ120には、レーザ加工の際に用いられる各種加工条件のデータを入力する入力部125とレーザ加工時の各種情報を表示する表示部126が接続されている。また、レーザ光源101の出力やパルス幅、パルス周期を制御するレーザ制御部121と、Z軸スライド機構104を駆動して集光レンズ103のZ軸方向の位置を制御するレンズ制御部122とが接続されている。さらに、X軸スライド部110とY軸スライド部108をそれぞれレール109,111に沿って移動させるサーボモータ(図示省略)を駆動するステージ制御部123が接続されている。
集光レンズ103をZ軸方向に移動させるZ軸スライド機構104には、移動距離を検出可能な位置センサが内蔵されており、レンズ制御部122は、この位置センサの出力を検出して集光レンズ103のZ軸方向の位置を制御可能となっている。したがって、撮像装置112の同軸落射型光源から出射した可視光の焦点が基板Wの表面と合うように集光レンズ103をZ軸方向に移動させれば、基板Wの厚みを計測することが可能である。
レーザ光源101は、例えばチタンサファイアを固体光源とするレーザ光をフェムト秒のパルス幅で出射するいわゆるフェムト秒レーザである。この場合、パルスレーザ光は、波長分散特性を有しており、中心波長が800nmであり、その半値幅はおよそ10nmである。またパルス幅はおよそ300fs(フェムト秒)、パルス周期は1kHz、出力はおよそ700mWである。
集光レンズ103は、この場合、倍率が100倍、開口数(NA)が0.8、WD(Working Distance)が3mmの対物レンズである。集光レンズ103はZ軸スライド機構104から延びたスライドアーム104aによって支持されている。また、Z軸スライド機構104と共に移動するモータ105から延びた回転アーム105aの端部に石英ガラス板106が支持されている。レンズ制御部122は、Z軸スライド機構104を駆動すると共に、モータ105を駆動して回転アーム105aをZ軸を回転軸として回転させる。これにより集光レンズ103の開口部103aの前面に石英ガラス板106を挿入可能となっている。
尚、本実施形態では、ステージ107は、Y軸スライド部108に支持されているが、X軸スライド部110とY軸スライド部108との位置関係を逆転させてX軸スライド部110に支持される形態としてもよい。また、ステージ107をθテーブルを介してY軸スライド部108に支持することが好ましい。これによれば、基板Wを光軸101aに対してより垂直な状態とすることが可能である。
図4は、軸上色収差の拡大状態を示す概略図である。同図(a)は軸上色収差拡大手段を挿入しないときのパルスレーザ光の集光状態を示し、同図(b)は軸上色収差拡大手段を挿入したときのパルスレーザ光の集光状態を示すものである。軸上色収差拡大手段としての石英ガラス板106は、厚み2mmであり、屈折率は約1.46である。
図4(a)に示すように、石英ガラス板106を挿入していないときには、集光レンズ103によって集光されたパルスレーザ光113は、屈折率が1よりも大きい基板Wに入射して屈折し、短波長側のパルスレーザ光114から長波長側のパルスレーザ光115までその集光点が光軸101a上でずれた集光領域116に集光される。集光領域116は、いわゆる軸上色収差を有している。
図4(b)に示すように、石英ガラス板106を挿入したときには、集光レンズ103によって集光されたパルスレーザ光は、屈折率が1よりも大きい石英ガラス板106を透過して屈折する。よって、短波長側のパルスレーザ光114と長波長側のパルスレーザ光115とでは、集光点がずれた状態で基板Wに入射する。そして、入射後さらに屈折して短波長側のパルスレーザ光114から長波長側のパルスレーザ光115までその集光点が光軸101a上でずれた集光領域117に集光される。すなわち、より軸上色収差が拡大した集光領域117となる。
ここで多光子吸収による改質領域の形成について説明する。加工対象物が透明な材料であっても、材料の吸収のバンドギャップEgよりも光子のエネルギーhνが非常に大きいと吸収が生じる。これを多光子吸収と言い、レーザ光のパルス幅を極めて短くして、多光子吸収を加工対象物の内部に起こさせると、多光子吸収のエネルギーが熱エネルギーに転化せずに、イオン価数変化、結晶化または分極配向等の永続的な構造変化が誘起されて屈折率変化領域が形成される。本実施形態では、この屈折率変化領域を改質領域と呼ぶ。
図5は、多光子吸収により形成された改質領域を示す写真である。同図(a)は、図4(a)に対応する改質領域を示し、同図(b)は図4(b)に対応する改質領域を示すものである。いずれも基板Wの断面写真である。
図5(a)に示すように、石英ガラス板106を挿入せずにパルスレーザ光113を基板Wに照射した場合、パルスレーザ光113の集光領域116において形成された改質領域20は、基板Wの断面から見ると、基板Wの厚み方向におよそ300μmの幅を有している。この場合の集光領域116におけるピークパワー密度は、8×1012W/cm2である。また、集光領域116の位置が、パルスレーザ光113の入射面Waに近づくにつれて、短波長側のパルスレーザ光114と長波長側のパルスレーザ光115との光路差が少なくなり、入射面Waの近傍では、改質領域20の幅は、およそ50μmとなる。
図5(b)に示すように、石英ガラス板106を挿入してパルスレーザ光を基板Wに照射した場合、パルスレーザ光の集光領域117において形成された改質領域21は、基板Wの断面から見ると、基板Wの厚み方向におよそ700μmの幅を有している。すなわち、波長分散特性を有するパルスレーザ光の特性を利用して、石英ガラス板106を挿入することにより軸上色収差を拡げ、改質領域の幅を拡大することが可能である。
このような改質領域20,21を形成するためのパルスレーザ光113の照射条件としては、加工対象物によってパルスレーザ光の出力やパルス幅、パルス周期、レーザスキャン速度等の設定が必要なことは言うまでもない。特に、レーザ光源101が有する出力は、ダイクロイックミラー102や集光レンズ103および石英ガラス板106などの光軸101a上に配置される透過性物質による吸収で減衰することを考慮する必要がある。したがって、実際の加工対象物を用いた予備試験を実施して、最適な照射条件を導くことが望ましい。
(レーザスクライブ方法)
次に本発明を適用したレーザスクライブ方法について説明する。図6は、レーザスクライブ方法を示すフローチャートである。
図6に示すように、本実施形態のレーザスクライブ方法は、レーザ照射装置100を用い、パルスレーザ光の光軸101aが基板Wの切断予定位置の線上に位置するように集光レンズ103と基板Wとを相対的に位置決めする位置決め工程(ステップS1)と、パルスレーザ光の集光領域が基板Wの厚み方向(Z軸方向)の所定の位置に位置するように集光点の位置を調整する調整工程(ステップS3)とを備えている。また、集光レンズ103に対して基板Wを相対移動させながら切断予定位置に沿ってパルスレーザ光を照射して第1の改質領域を形成する第1の走査工程としての1次レーザスキャン(ステップS4)を備えている。さらに、Z軸スライド機構104によって集光領域をZ軸方向にずらし、集光レンズ103に対して基板Wを相対移動させながら切断予定位置に沿ってパルスレーザ光を照射して、1次レーザスキャンで形成された第1の改質領域にZ軸方向において連続するように第2の改質領域を形成する第2の走査工程としての2次レーザスキャン(ステップS5)を備えている。
図6のステップS1は、位置決め工程である。ステップS1では、図2に示した基板Wを対向基板2側がステージ107の表面に接するように載置する。そして、区画領域DxがX軸方向に平行となるように基板Wを位置決めする。また、ステージ制御部123は、パルスレーザ光の光軸101aが基板Wの任意の区画領域Dx,Dyの切断予定位置の線上に位置するように、サーボモータを駆動しX軸スライド部110およびY軸スライド部108を移動させる。この場合、ウェハ状の基板Wに方向を規定するオリフラ等を形成しておけば、比較的容易に位置決めすることができる。そして、ステップS2へ進む。
図6のステップS2は、基板Wの厚みを測定する工程である。ステップS2では、オペレータは、メインコンピュータ120を操作して、基板Wの厚み測定を実施する。撮像装置112が捉えた映像を表示部126に表示させ、基板Wのパルスレーザ光の入射面Wa(図4参照)と、もう一方の反対側の表面Wb(図4参照)とに撮像装置112から出射される可視光の焦点を合わせる動作を行わせることにより、メインコンピュータ120は、Z軸スライド機構104の位置センサの出力から基板Wの厚みを演算する。演算結果は、メインコンピュータ120の記憶部にZ軸方向の座標として記憶される。そして、ステップS3に進む。
図6のステップS3は、パルスレーザ光の集光点の位置を調整する調整工程である。先に述べたように石英ガラス板106を挿入した場合は、軸上色収差が拡がった集光領域117となる。撮像装置112が捉えた可視光の焦点と集光領域117とのZ軸方向の位置関係をあらかじめレーザ照射する予備試験の結果から求めておき、データとして入力しておく。このデータとステップS2で求められた基板Wの厚みデータ(Z軸方向の座標)とに基づいて、ステップS3では、レンズ制御部122は、モータ105を駆動して石英ガラス板106を集光レンズ103の開口部103aの前面に挿入する。そして、図4(b)に示すように、レンズ制御部122は、Z軸スライド機構104を駆動して集光領域117の少なくとも一部が基板Wのパルスレーザ光の入射面Waと反対側の表面Wbに掛かるように集光レンズ103をZ軸方向に移動させる。そして、ステップS4へ進む。
図6のステップS4は、1次レーザスキャン工程である。ステップS4では、集光レンズ103に対して基板Wを相対移動させながら切断予定位置に沿ってパルスレーザ光を照射して第1の改質領域を形成する。この場合、図2に示すように基板Wには複数(200個)の液晶表示パネル10が区画形成されており、区画領域Dxに対応してX軸方向に基板Wを横断するレーザスキャンを19回行う。また、続いて区画領域Dyに対応してY軸方向に基板Wを横断するレーザスキャンを15回行う。当然、液晶表示パネル10の基板Wにおける区画配置に対応して所定のピッチでX軸またはY軸方向にずらしながら各レーザスキャンを行う。切断予定位置は、あらかじめデータとして入力されているので、メインコンピュータ120は、このデータに基づいた制御信号をステージ制御部123に送る。ステージ制御部123は、制御信号に基づいてX軸スライド部110とY軸スライド部108とを移動させることにより、基板Wを集光レンズ103に対して相対移動させる。この場合、パルスレーザ光の照射に対応して基板Wを移動させる速度すなわちレーザースキャン速度は、およそ20mm/秒である。したがって、X軸方向へ19回およびY軸方向へ15回のレーザスキャンに要する時間は、基板Wのウェハサイズが12インチ(300mm)のため、およそ9分である。そして、ステップS5へ進む。
図6のステップS5は2次レーザスキャン工程である。ステップS5では、レンズ制御部122は、Z軸スライド機構104を駆動して集光領域117をZ軸方向にずらす。そして、集光レンズ103に対して基板Wを相対移動させながら切断予定位置に沿ってパルスレーザ光を照射して、1次レーザスキャンで形成された第1の改質領域にZ軸方向において連続するように第2の改質領域を形成する。レーザスキャンの方法は、ステップS4と同じである。この場合、集光領域117において形成される改質領域21の幅は、およそ700μmであるため、集光領域117の位置をZ軸方向におよそ500μmずらせば、基板Wの厚み1.2mmの幅内に改質領域21が連続して形成される。尚、基板Wの厚みが700μm未満ならば、ステップS4の1次レーザスキャンのみでよい。また、基板Wの厚みが700μm以上ならば、その厚みに応じて集光領域117をZ軸方向にずらしたレーザスキャンを繰り返せばよい。そして、ステップS6へ進む。
図6のステップS6は、形成された改質領域に沿って基板Wを分割(ブレイク)する工程である。図7は、ブレイク方法を示す概略断面図である。同図(a)は外部応力の与え方を示す断面図、同図(b)はブレイク後の断面図である。ステップS6では、例えば図7(a)に示すように、ステップS4およびステップS5によって、基板Wの厚み方向に連続して形成された改質領域Rcに対して、CまたはD方向に外部応力を加える。これにより基板Wは、図7(b)に示すように、改質領域Rcで分断される。図8は、分断後の基板の断面写真である。図8に示すように、改質領域Rcが、基板Wの厚み方向の全域に渡って形成されている。この場合の改質領域Rcの幅(Z軸方向に直交する方向の幅)は、およそ10〜20μmである。
以上のレーザスクライブ方法によれば、改質領域Rcが基板Wの厚み方向に連続して形成されているため、精度よくかつ容易に切断することが可能である。また、破断面に外形不良等が生じにくい。また、石英ガラス板106を挿入せずに、基板Wの厚み方向に連続した改質領域Rcを形成する場合、パルスレーザ光113の集光領域116は、入射面Waに近づくに従って軸上色収差が少なくなる。その結果改質領域20の幅が小さくなるため、厚み1.2mmの基板Wの厚み方向に連続した改質領域Rcを形成するには、およそ10回(約90分)のレーザスキャン工程が必要になる。本実施形態のレーザスクライブ方法では、2回(約18分)のレーザスキャン工程で済むため、レーザ加工の所要時間を大幅に短縮することが可能となる。
上記実施形態の効果は、以下の通りである。
(1)上記実施形態のレーザ照射装置100は、集光レンズ103の開口部103aの前面に石英ガラス板106を挿入することが可能な構成となっているため、集光レンズ103を透過したパルスレーザ光を屈折させて、軸上色収差が拡がった集光領域117にパルスレーザ光を集光させることができる。したがって、このような波長分散特性を有するパルスレーザ光を石英ガラス基板からなる基板Wの内部に集光点を結ぶように照射すれば、集光領域117において多光子吸収されて形成される改質領域21を、石英ガラス板106を挿入しないで形成される改質領域20に比べて拡大することができる。ゆえに、1回のレーザ照射により形成される改質領域の大きさを拡大して高い生産性で基板Wのスクライブが可能なレーザ照射装置100を提供することができる。
(2)上記実施形態のレーザ照射装置100は、レンズ制御部122は、挿入手段としてのモータ105を駆動して石英ガラス板106を集光レンズ103と基板Wとの間に挿入することができる。したがって、パルスレーザ光の集光領域における軸上色収差の幅を石英ガラス板106の挿入によって変えることができる。集光領域の幅が変われば基板Wがパルスレーザ光を多光子吸収して形成される改質領域の幅を変えることができる。したがって、基板Wの厚みに応じて石英ガラス板106を集光レンズ103と基板Wとの間に挿入して、集光領域の幅を変えることにより、形成される改質領域の幅を変えて生産性がより高い状態で、加工対象物のスクライブを行うことができる。
(3)上記実施形態のレーザスクライブ方法は、レーザ照射装置100を用い、石英ガラス板106を挿入した状態で、パルスレーザ光の集光領域117の少なくとも一部がパルスレーザ光の入射面Waと反対側の表面Wbに掛かるように集光点の位置を調整する調整工程を備えている。また、集光レンズ103に対して基板Wを相対移動させながら切断予定位置に沿ってパルスレーザ光を照射して第1の改質領域を形成する1次レーザスキャン工程を備えている。さらに、Z軸スライド機構104を駆動して集光レンズ103をZ軸方向に移動させることにより集光領域117をZ軸方向にずらし、再び切断予定位置に沿ってパルスレーザ光を照射して、1次レーザスキャン工程で形成された第1の改質領域にZ軸方向において連続するように第2の改質領域を形成する2次レーザスキャン工程を備えている。したがって、基板Wの厚み方向に沿って連続した改質領域Rcを形成することができ、この改質領域Rcを分断する外部応力を加えれば、破断面に外形不良が発生することを低減して、基板Wを精度よくかつ容易に切断することができる。また、1回のレーザ照射により形成される改質領域21の大きさが、石英ガラス板106を挿入しない場合に比べて拡大されているので、より少ないレーザスキャン工程の回数で基板Wの厚み方向に沿って連続した改質領域Rcを形成することができる。すなわち、高い生産性を有するレーザスクライブ方法を提供することができる。
上記実施形態以外の変形例は、以下の通りである。
(変形例1)上記実施形態のレーザ照射装置100において、石英ガラス板106を挿入可能な挿入手段としてのモータ105を備えているが、これに限定されない。石英ガラス板106を集光レンズ103の開口部103a側に固定して配置してもよい。
(変形例2)上記実施形態のレーザ照射装置100において、軸上色収差拡大手段は、石英ガラス板106に限定されない。例えば、回折格子や回折レンズ等の屈折率を調整可能な部材を用いても同様な効果を奏する。また、集光レンズ103の屈折率を軸上色収差が拡がるように、屈折率調整材料を表面にコーティグする等の手法を用いてもよい。さらには、石英ガラス板106のような固体に限らず、屈折率が1よりも大きな液体をレーザ光を透過する容器に充填したものでもよい。
(変形例3)上記実施形態のレーザ照射装置100において、パルスレーザ光の集光点の位置の調整を行う調整手段や基板Wを集光レンズ103に対して相対的に移動させる移動手段の構造は、これに限定されない。例えば、集光レンズ103を固定し、基板W側がX,Y,Z軸方向に移動可能な構成としてもよい。また、基板W側を固定し、レーザ光源101とダイクロイックミラー102および集光レンズ103とが一体となってX,Y,Z軸方向に移動可能な構成としてもよい。
(変形例4)上記実施形態のレーザスクライブ方法は、これに限定されない。例えば、1次レーザスキャン工程では、石英ガラス板106を挿入しない状態でレーザスキャンを実施して幅が狭い第1の改質領域(図5(a)の改質領域20に相当)を形成する。続いて2次レーザスキャン工程で、石英ガラス板106を挿入して幅の広い第2の改質領域(図5(b)の改質領域21に相当)を第1の改質領域に連続するように形成してもよい。これによれば、第1の改質領域は、軸上色収差が少なく集光領域においてより電界強度あるいはピークパワー密度が高い状態すなわち改質密度が高い状態で形成されるため、分割(ブレイク)工程において、外部応力を加えた時に、この第1の改質領域をきっかけとして第2の改質領域が形成された方向に切断を進めることができる。ゆえに、基板Wの厚み方向に連続した改質領域Rcをより容易に切断可能な状態に形成することができる。
(変形例5)上記実施形態のレーザスクライブ方法において、加工対象物は石英ガラスからなる基板Wに限定されない。レーザ光に対して透明な加工対象物であれば本発明のレーザスクライブ方法を適用することが可能であり、例えば、低アルカリガラスやソーダガラス、あるいはシリコン等からなる半導体ウェハのスクライブにも用いることができる。
(変形例6)上記実施形態のレーザスクライブ方法において、工順は、これに限定されない。例えば、1次レーザスキャン工程が終わったところで、基板Wを反転してステージ107に載置し、再び基板Wの位置決め工程と調整工程で、集光点の位置を調整する。そして、2次レーザスキャン工程を実施する。このようにすれば、1次と2次レーザスキャン工程における集光領域の厚み方向における幅をほぼ同等として改質領域を形成することができる。すなわち、基板Wの表裏面から内部に向けて形成される改質領域を表裏面からの距離に寄らずほぼ同等な密度で形成することができる。
液晶表示パネルの構造を示す概略図。 液晶表示パネルが区画形成されたマザー基板を示す概略図。 レーザ照射装置の構成を示す概略図。 軸上色収差の拡大状態を示す概略図。 多光子吸収により形成された改質領域を示す写真。 レーザスクライブ方法を示すフローチャート。 ブレイク方法を示す概略断面図。 分断後の基板の断面写真。
符号の説明
20…改質領域、21…拡大された改質領域、100…レーザ照射装置、101…レーザ光源、101a…光軸、103…集光手段としての集光レンズ、104…調整手段としてのZ軸スライド機構、105…挿入手段としてのモータ、106…軸上色収差拡大手段としての石英ガラス板、108…移動手段としてのX軸スライド部、110…移動手段としてのY軸スライド部、113…パルスレーザ光、116,117…集光領域、120…制御部としてのメインコンピュータ、W…加工対象物としての基板、Wa…パルスレーザ光の入射面、Wb…パルスレーザ光の入射面と反対側の表面。

Claims (4)

  1. 波長分散特性を有するパルスレーザ光を出射するレーザ光源と、
    前記パルスレーザ光を集光する集光手段と、
    前記パルスレーザ光の集光点の加工対象物に対する位置を調整可能な調整手段と、
    前記集光手段に対して前記加工対象物を前記パルスレーザ光の光軸と略直交する平面内で相対的に移動可能な移動手段と、
    前記パルスレーザ光が集光された集光領域が前記加工対象物の厚み方向の所定の位置に配置されるように前記調整手段を制御すると共に、前記加工対象物の切断予定位置に沿って前記集光領域が相対的に移動するように前記移動手段を制御する制御部とを有し、
    前記集光手段と前記加工対象物との間の前記光軸上に、屈折率が1よりも大きい軸上色収差拡大手段を備えていることを特徴とするレーザ照射装置。
  2. 前記軸上色収差拡大手段を前記光軸に略直交するように挿入可能な挿入手段をさらに備え、
    前記制御部は、前記挿入手段を制御して、前記軸上色収差拡大手段を前記集光手段と前記加工対象物との間に挿入することを特徴とする請求項1に記載のレーザ照射装置。
  3. 請求項1または2に記載のレーザ照射装置を用い、波長分散特性を有する集光されたパルスレーザ光を加工対象物に照射して、前記加工対象物が多光子吸収して形成される改質領域を前記加工対象物の切断予定位置に沿った厚み方向に形成するレーザスクライブ方法であって、
    前記パルスレーザ光の光軸が前記加工対象物の前記切断予定位置の線上に位置するように前記集光手段と前記加工対象物とを相対的に位置決めする位置決め工程と、
    前記軸上色収差拡大手段を前記集光手段と前記加工対象物との間に配置して、前記パルスレーザ光の集光領域の少なくとも一部が前記加工対象物の前記パルスレーザ光の入射面と反対側の表面に掛かるように集光点の位置を前記調整手段によって調整する調整工程と、
    前記集光手段に対して前記加工対象物を相対移動させながら前記切断予定位置に沿って前記パルスレーザ光を照射して第1の改質領域を形成する第1の走査工程と、
    前記調整手段によって前記集光領域を前記加工対象物の厚み方向にずらし、前記集光手段に対して前記加工対象物を相対移動させながら前記切断予定位置に沿って前記パルスレーザ光を照射して、前記第1の走査工程で形成された前記第1の改質領域に前記厚み方向において連続するように第2の改質領域を形成する第2の走査工程とを備えることを特徴とするレーザスクライブ方法。
  4. 請求項2に記載のレーザ照射装置を用い、波長分散特性を有する集光されたパルスレーザ光を加工対象物に照射して、前記加工対象物が多光子吸収して形成される改質領域を前記加工対象物の切断予定位置に沿った厚み方向に形成するレーザスクライブ方法であって、
    前記パルスレーザ光の光軸が前記加工対象物の前記切断予定位置の線上に位置するように前記集光手段と前記加工対象物とを相対的に位置決めする位置決め工程と、
    前記パルスレーザ光の集光領域の少なくとも一部が前記加工対象物の前記パルスレーザ光の入射面と反対側の表面に掛かるように集光点の位置を調整する調整工程と、
    前記集光手段に対して前記加工対象物を相対移動させながら前記切断予定位置に沿って前記パルスレーザ光を照射して第1の改質領域を形成する第1の走査工程と、
    前記挿入手段によって前記軸上色収差拡大手段を前記集光手段と前記加工対象物との間に挿入すると共に前記調整手段によって前記集光領域を前記加工対象物の厚み方向にずらし、前記集光手段に対して前記加工対象物を相対移動させながら前記切断予定位置に沿って前記パルスレーザ光を照射して、前記第1の走査工程で形成された前記第1の改質領域に前記厚み方向において連続するように第2の改質領域を形成する第2の走査工程とを備えることを特徴とするレーザスクライブ方法。
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