JP2007021116A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技に積極参加できるという特徴が希薄化することを抑制しつつ、各周回体に付される絵柄配列の設計自由度を高めることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】スロットマシン10では、前面扉12の略中央左部に設けられたスタートレバー71が操作されると、表示窓31L,31M,31Rを介して視認可能なリール42L,42M,42Rが回転を開始する。そして、ストップスイッチ72〜74が操作されると、各スイッチ72〜74に対応したリール42L,42M,42Rが停止するように構成されている。また、各リール42L,42M,42Rには、それぞれ21個の図柄が一列に設けられている。そして、各リール42L,42M,42Rには、状態移行図柄としての「7」図柄が1つずつ配置されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スロットマシン等の遊技機に関するものである。
複数のリールを回転させたあとに停止させる遊技機としては、例えばスロットマシンがある。スロットマシンでは、各リールの外周部に複数の図柄が付与されており、表示窓を通じて各リールに付与された図柄の一部が視認可能な構成となっている。そして、遊技者がメダルを投入してスタートレバーを操作することでスロットマシンの内部にて役の抽選が行われると共に各リールが回転を開始し、各リールが回転を開始した後に各リールと対応するストップスイッチを操作したり所定時間が経過したりすることで各リールが順次停止して1回のゲームが終了する。このとき、各リールは、内部抽選により当選となった図柄の組合せが予め設定された有効ライン上に停止し得るように、或いは、内部抽選により当選となっていない図柄の組合せが有効ライン上に停止しないように、ストップスイッチが操作されたタイミングから所定図柄数分だけ回転させた後に停止させる等の停止制御が行われる。そして、全てのリールが回転を停止した際に当選となった図柄の組合せが有効ライン上に停止すると入賞となり、当該入賞が例えば小役入賞であれば所定枚数のメダルが払い出される等の特典が遊技者に付与され、状態移行入賞であれば遊技状態がビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスゲーム等の遊技者に有利なボーナスゲーム(特別遊技状態)に移行する。したがって、遊技者は、変動する図柄を見て、そして所定の図柄が有効ライン上に停止するようストップスイッチを操作することが一般的であり、換言すれば、遊技者が遊技に積極参加できることがスロットマシンの特徴であるといえる。
かかるスロットマシンでは、ストップスイッチが所定のタイミングで操作されなかった場合、当選となった図柄の組合せが有効ライン上に停止しない所謂取りこぼしが発生する場合がある。これは、ストップスイッチの操作されたタイミングからリールを停止させるまでに回転させることのできる回転量が最大で例えば図柄4つ分と予め定められている中で、5図柄以上離れた間隔でリールに配置された取りこぼし図柄が存在するためである(例えば特許文献1参照)。
ここで、内部抽選の結果が取りこぼし図柄を含む図柄の組合せの当選であった場合、ストップスイッチが所定のタイミングで操作されなければ入賞とならず、遊技者に不利益を生じさせる可能性がある。一方、かかる不利益を回避すべく同種の図柄を4図柄以下の間隔で各リールに配置する構成とした場合、遊技者が図柄を見てストップスイッチを操作せずとも当選となった図柄の組合せが有効ライン上に停止するため、遊技者が遊技に積極参加できるというスロットマシンの特徴が希薄化してしまうことが懸念される。また、各リールに配置できる図柄の数には限りがあるため、配置できる図柄の種類や配置順序に多大な制約が生じることとなり、図柄配列に関する設計自由度が低下するという新たな問題も生じることとなった。
なお、以上の問題はスロットマシンに限らず、複数の周回体を周方向に周回させ、その後遊技者の操作に基づいてリールその他の周回体の周回を停止させる他の遊技機にも該当する問題である。
特開2004−105613号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技に積極参加できるという特徴が希薄化することを抑制しつつ、各周回体に付される絵柄配列の設計自由度を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.周方向に周回すると共に、該周方向に複数種の絵柄(図柄)が配列された複数の周回体(リール42L,42M,42R)と、
前記各周回体について各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示窓(表示窓31L,31M,31R)と、
前記各周回体の周回を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー71)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて、所定絵柄役及び特定絵柄役等の役の抽選を行う抽選手段(主制御装置131の抽選処理機能)と、
前記各周回体毎に設けられ、該各周回体を周回させる駆動手段(ステッピングモータ61)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて前記各周回体の周回を開始させるよう前記各駆動手段を開始駆動制御する開始駆動制御手段(主制御装置131の回転開始処理機能S901)と、
前記各周回体の周回を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップスイッチ72〜74)と、
前記各停止操作手段の操作に基づいて、該各停止操作手段の操作タイミングから予め定めた規定期間(190msec)内に、操作された停止操作手段と対応する周回体の周回を停止させるよう前記各駆動手段を停止駆動制御する停止駆動制御手段(主制御装置131の停止制御処理機能S902〜S909)と、
前記抽選手段の抽選結果が前記所定絵柄役当選であって、前記表示窓から視認できる有効位置(有効ライン)に所定絵柄又は所定絵柄の組合せ(小役図柄、再遊技図柄の組合せ)が停止した場合、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置131のメダル払出処理等)と、
前記抽選手段の抽選結果が前記特定絵柄役当選であって、前記有効位置に前記特定絵柄の組合せ(BB図柄の組合せ)が停止した場合、所定の終了条件(400枚以上のメダル獲得)が成立するまで、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態(BBゲーム)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置131のボーナスゲーム処理機能)と
を備えた遊技機において、
前記抽選手段の抽選結果が前記特定絵柄役当選である場合、前記特定絵柄の組合せが前記有効位置に停止するまで前記特定絵柄役当選を留保する留保手段(主制御装置131)を備え、
前記各周回体に、前記所定絵柄と前記特定絵柄を配置すると共に、前記特定絵柄を1つずつ配置したことを特徴とする遊技機。
手段1によれば、各周回体には特定絵柄が1つずつ配置されている。かかる構成とすることにより、特定絵柄役に当選した場合、遊技者は特定絵柄の組合せが有効位置に停止するよう各停止操作手段を操作する必要が生じ、遊技に積極参加できるという遊技機の特徴を高めることが可能となる。また、抽選手段の抽選結果が特定絵柄役当選である場合、特定絵柄の組合せが有効位置に停止するまで特定絵柄役当選が留保される構成とすることにより、特定絵柄役に当選したにも関わらず特別遊技状態に移行することなく当選結果が無効とされ、遊技者が不利益を被ることを抑制することが可能となる。さらにいうと、各周回体に特定絵柄が1つずつしか配置されていない場合、特定絵柄の組合せが有効位置に停止する可能性が複数配置されている場合と比して低くなるが、特定絵柄役当選が留保される構成とすることにより、遊技者が不利益を被ることを抑制することが可能となる。加えて、各周回体に配置される特定絵柄の数を1つに限定することにより、複数種の絵柄が周回体に配置される構成において、所定絵柄等の特定絵柄と異なる絵柄を各周回体に比較的自由に配置することが可能となり、絵柄配列の設計自由度を高めることが可能となる。この結果、各周回体の絵柄配列をバリエーションに富んだものとすることが可能となり、各周回体が停止した際に各表示窓から視認可能となる絵柄配列すなわち停止出目が単調化することを抑制することが可能となる。
手段2.上記手段1において、前記停止駆動制御手段は、前記周回体の周回を停止させる停止態様として、前記停止操作手段が操作されたタイミングで前記有効位置に到達している到達絵柄をそのまま当該有効位置に停止させる停止態様と、前記到達絵柄を前記周回体の周回する側に予め定めた絵柄数(1〜4図柄)分だけ移動させた後に停止させる複数の停止態様を有し、
前記各周回体に、前記停止駆動制御手段の有する停止態様数(5個)より多い数(21個)の絵柄を配置したことを特徴とする遊技機。
手段2によれば、停止操作手段が操作された場合、周回体は停止操作手段の操作されたタイミングでそのまま停止するか、予め定めた絵柄数分だけ周回した後に停止するかのいずれかであり、各周回体には、停止駆動制御手段の有する停止態様数より多い数の絵柄が配置されている。かかる構成において各周回体に配置される特定絵柄の数を1つずつに限定することにより、遊技者は特定絵柄の組合せが有効位置に停止するように各停止操作手段を操作する必要が生じ、遊技に積極参加できるという遊技機の特徴を高めることが可能となる。また、所定絵柄等の特定絵柄と異なる絵柄を各周回体に比較的自由に配置することが可能となり、絵柄配列の設計自由度を高めることが可能となる。
手段3.上記手段1又は手段2において、前記各周回体の絵柄配列を、前記特定絵柄(「7」図柄)と、前記各停止操作手段の操作タイミングに関わらず前記規定期間内に前記有効位置に到達し得るように配置した第1所定絵柄(「リプレイ」図柄、「ベル」図柄)と、前記各停止操作手段が所定のタイミングで操作された場合に限り前記規定期間内に前記有効位置に到達し得るように配置した第2所定絵柄(「チェリー」図柄、「スイカ」図柄)とを含む構成としたことを特徴とする遊技機。
手段3によれば、各周回体には、所定絵柄として、各停止操作手段の操作タイミングに関わらず規定期間内に有効位置に到達し得るように配置された第1所定絵柄と、各停止操作手段が所定のタイミングで操作された場合に限り規定期間内に有効位置に到達し得るように配置された第2所定絵柄が付されている。かかる構成とすることにより、抽選手段の抽選結果が第1所定絵柄役当選である場合には、各停止操作手段の操作タイミングに関わらず有効位置に第1所定絵柄又は第1所定絵柄の組合せを停止させることが可能となり、抽選手段の抽選結果が第2所定絵柄役当選である場合には、各停止操作手段が所定のタイミングで操作された場合に限り有効位置に第2所定絵柄又は第2所定絵柄の組合せを停止させることが可能となる。第2所定絵柄を、各停止操作手段が所定のタイミングで操作された場合に限り、規定期間内に有効位置に到達し得るように配置することにより、特定絵柄役に当選していない状況下においても第2所定絵柄が有効位置に停止するよう狙って各停止操作手段を操作することを促すことが可能となり、遊技者が遊技に積極参加できるという遊技機の特徴を高めることが可能となる。
手段4.上記手段3において、前記特定絵柄と前記第2所定絵柄を、前記表示窓から同時に視認可能とならないよう離間して配置したことを特徴とする遊技機。
手段4によれば、特定絵柄と第2所定絵柄は、表示窓から同時に視認可能とならないよう離間して配置されている。かかる構成とすることにより、特定絵柄と第2所定絵柄が表示窓から視認可能な範囲に同時に停止することを回避することが可能となる。この結果、第2所定絵柄役に当選したにも関わらず第2所定絵柄又は第2所定絵柄の組合せが有効位置に停止しないという機会を低減させることが可能となる。仮に特定絵柄と第2所定絵柄が表示窓から視認可能な範囲に同時に停止する絵柄配列とした場合、遊技者は特別遊技状態に移行することを期待しながら遊技を行うことが一般的であるため、第2所定絵柄ではなく特定絵柄が有効位置に停止するように他の停止操作手段を操作すると想定されるからである。このことは、各周回体に特定絵柄が1つずつしか配置されていない場合、より顕著なものとなる。各周回体に特定絵柄が複数配置されている場合と比して、特定絵柄の有効位置に停止する確率が低下するからである。なお、特定絵柄と第2所定絵柄を表示窓から同時に視認可能とならないよう離間して配置するとは、具体的には、特定絵柄と第2所定絵柄を少なくとも「(表示窓から周回体毎に視認できる絵柄数)−1」絵柄分離れるように配置することである。
手段5.上記手段3又は手段4において、前記停止駆動制御手段は、前記特定絵柄役当選が留保されている状況下で前記第2所定絵柄役に当選した場合、前記特定絵柄を有効位置に停止させることが可能であれば該特定絵柄を前記有効位置に停止させるよう前記各駆動手段を停止駆動制御することを特徴とする遊技機。
手段5によれば、特定絵柄役当選が留保されている状況下で第2所定絵柄役に当選した場合、特定絵柄を有効位置に停止させることが可能であれば該特定絵柄を有効位置に停止させるよう各駆動手段が停止駆動制御される。かかる構成とすることにより、各周回体に特定絵柄が1つずつしか配置されていない中で、特別遊技状態への移行が遅延されることを抑制することが可能となる。
手段6.上記手段1乃至手段5のいずれかにおいて、前記特定絵柄役に当選しているか否かを示唆する示唆演出(連続演出)を行う示唆演出手段(補助表示部15、表示制御装置111等)を備えたことを特徴とする遊技機。
手段6によれば、特定絵柄役に当選しているか否かを示唆する示唆演出が行われる。かかる遊技機において特定絵柄を各周回体に1つずつ配置することにより、示唆演出の行われたゲームにおいて特定絵柄が有効位置に停止する可能性を低減させることが可能となり、折角用意した示唆演出が無駄なものとなってしまうことを抑制することが可能となる。
手段7.上記手段1乃至手段6のいずれかにおいて、前記各周回体に、前記特定絵柄として1種類の絵柄を配置したことを特徴とする遊技機。
手段7によれば、特定絵柄は1種類のみであり、各周回体に該特定絵柄が1つずつ配置されている。かかる構成とすることにより、複数種の絵柄が周回体に配置される構成において、所定絵柄等の特定絵柄と異なる絵柄を各周回体に比較的自由に配置することが可能となり、絵柄配列の設計自由度を高めることが可能となる。この結果、各周回体の絵柄配列をバリエーションに富んだものとすることが可能となり、各周回体が停止した際に各表示窓から視認可能となる絵柄配列すなわち停止出目が単調化することを抑制することが可能となる。
手段8.周方向に周回すると共に、該周方向に複数種の絵柄(図柄)が配列された複数の周回体(リール42L,42M,42R)と、
前記各周回体について各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示窓(表示窓31L,31M,31R)と、
前記各周回体の周回を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー71)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて、所定絵柄役及び特定絵柄役等の役の抽選を行う抽選手段(主制御装置131の抽選処理機能)と、
前記各周回体毎に設けられ、該各周回体を周回させる駆動手段(ステッピングモータ61)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて前記各周回体の周回を開始させるよう前記各駆動手段を開始駆動制御する開始駆動制御手段(主制御装置131の回転開始処理機能S901)と、
前記各周回体の周回を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップスイッチ72〜74)と、
前記各停止操作手段の操作に基づいて、該各停止操作手段の操作タイミングから予め定めた規定期間(190msec)内に、操作された停止操作手段と対応する周回体の周回を停止させるように、且つ前記役の抽選に当選した場合には、該当選役と対応する絵柄が前記表示窓から視認できる有効位置(有効ライン)に停止し得るように前記各駆動手段を停止駆動制御する停止駆動制御手段(主制御装置131の停止制御処理機能S902〜S909)と、
前記抽選手段の抽選結果が前記所定絵柄役当選であって、前記有効位置に所定絵柄又は所定絵柄の組合せ(小役図柄、再遊技図柄の組合せ)が停止した場合、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置131のメダル払出処理等)と、
前記抽選手段の抽選結果が前記特定絵柄役当選であって、前記有効位置に前記特定絵柄の組合せ(BB図柄の組合せ)が停止した場合、所定の終了条件(400枚以上のメダル獲得)が成立するまで、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態(BBゲーム)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置131のボーナスゲーム処理機能)と
を備えた遊技機において、
前記抽選手段の抽選結果が前記特定絵柄役当選であって前記有効位置に前記特定絵柄の組合せが停止しなかった場合、前記特定絵柄役当選を留保する留保手段(主制御装置131)と、
前記停止操作手段が操作された場合に予め設定した基準位置(下ライン)に到達している到達絵柄と、前記規定期間が経過するまでに前記基準位置に停止させる停止絵柄との関係を定め得る停止情報群(スベリテーブル)を複数記憶する停止情報群記憶手段(主制御装置131のROM152)と、
前記抽選手段の抽選結果に応じて前記複数の停止情報群から1つの停止情報群を選択する停止情報群選択手段(主制御装置131のスベリテーブル設定処理機能S708)と、
該停止情報群選択手段の選択した停止情報群を格納する停止情報群格納手段(RAM153のスベリテーブル格納エリア153b)と
を備え、
前記停止駆動制御手段を、前記停止情報群格納手段に格納された停止情報群に基づいて前記各駆動手段を停止駆動制御する構成とし、
前記各周回体に、前記所定絵柄と前記特定絵柄を配置すると共に、前記特定絵柄を1つずつ配置したことを特徴とする遊技機。
手段8によれば、各周回体には特定絵柄が1つずつ配置されている。かかる構成とすることにより、特定絵柄役に当選した場合、遊技者は特定絵柄の組合せが有効位置に停止するよう各停止操作手段を操作する必要が生じ、遊技に積極参加できるという遊技機の特徴を高めることが可能となる。また、抽選手段の抽選結果が特定絵柄役当選であって有効位置に特定絵柄の組合せが停止しなかった場合、特定絵柄役当選が留保される構成とすることにより、特定絵柄役に当選したにも関わらず特別遊技状態に移行することなく当選結果が無効とされ、遊技者が不利益を被ることを抑制することが可能となる。さらにいうと、各周回体に特定絵柄が1つずつしか配置されていない場合、特定絵柄の組合せが有効位置に停止する可能性が複数配置されている場合と比して低くなるが、特定絵柄役当選が留保される構成とすることにより、遊技者が不利益を被ることを抑制することが可能となる。加えて、各周回体に配置される特定絵柄の数を1つに限定することにより、複数種の絵柄が周回体に配置される構成において、所定絵柄等の特定絵柄と異なる絵柄を各周回体に比較的自由に配置することが可能となり、絵柄配列の設計自由度を高めることが可能となる。この結果、各周回体の絵柄配列をバリエーションに富んだものとすることが可能となり、各周回体が停止した際に各表示窓から視認可能となる絵柄配列すなわち停止出目が単調化することを抑制することが可能となる。
また、停止操作手段が操作された場合に予め設定した基準位置に到達している到達絵柄と、規定期間が経過するまでに基準位置に停止させる停止絵柄との関係を定め得る停止情報群が複数記憶されており、これら停止情報群に基づいて停止駆動制御が行われる。かかる構成とすることにより、停止操作手段が操作されてから周回体を停止させるまでの処理を簡略化させることが可能となり、停止駆動制御に関わる処理負荷を軽減させることが可能となる。仮に停止情報群を備えない構成とした場合、停止操作手段が操作された場合の到達絵柄を確認した上で、例えば規定期間内に特定絵柄を有効位置に停止させることが可能か否かを判定したり、有効位置にどの絵柄を停止させるかを決定したりする等の処理を、規定期間内に行う必要が生じるからである。
なお、「停止情報群を格納する」とは、停止情報群を実際にデータとして記憶する構成の他、参照すべき停止情報群を導出し得るアドレス情報等を記憶する構成も含む。
手段9.上記手段8において、前記各停止情報群に、前記周回体の周回を停止させる停止態様として、前記到達絵柄をそのまま前記基準位置に停止させる停止態様と、前記到達絵柄を前記周回体の周回する側に所定の絵柄数(1〜4図柄)分だけ移動させた後に停止させる複数の停止態様を定め、
前記各周回体に、前記各停止情報群に定めた停止態様数(5個)より多い数(21個)の絵柄を配置したことを特徴とする遊技機。
手段9によれば、停止操作手段が操作された場合、周回体は停止操作手段の操作されたタイミングでそのまま停止するか、予め定めた絵柄数分だけ周回した後に停止するかのいずれかであり、各周回体には、各停止情報群に定められた停止態様数より多い数の絵柄が配置されている。かかる構成において各周回体に配置される特定絵柄の数を1つずつに限定することにより、遊技者は特定絵柄の組合せが有効位置に停止するように各停止操作手段を操作する必要が生じ、遊技に積極参加できるという遊技機の特徴を高めることが可能となる。また、所定絵柄等の特定絵柄と異なる絵柄を各周回体に比較的自由に配置することが可能となり、絵柄配列の設計自由度を高めることが可能となる。
手段10.上記手段8又は手段9において、前記各周回体の絵柄配列を、前記特定絵柄(「7」図柄)と、前記各停止操作手段の操作タイミングに関わらず前記規定期間内に前記有効位置に到達し得るように配置した第1所定絵柄(「リプレイ」図柄、「ベル」図柄)と、前記各停止操作手段が所定のタイミングで操作された場合に限り前記規定期間内に前記有効位置に到達し得るように配置した第2所定絵柄(「チェリー」図柄、「スイカ」図柄)とを含む構成としたことを特徴とする遊技機。
手段10によれば、各周回体には、所定絵柄として、各停止操作手段の操作タイミングに関わらず規定期間内に有効位置に到達し得るように配置された第1所定絵柄と、各停止操作手段が所定のタイミングで操作された場合に限り規定期間内に有効位置に到達し得るように配置された第2所定絵柄が付されている。かかる構成とすることにより、抽選手段の抽選結果が第1所定絵柄役当選である場合には、各停止操作手段の操作タイミングに関わらず有効位置に第1所定絵柄又は第1所定絵柄の組合せを停止させることが可能となり、抽選手段の抽選結果が第2所定絵柄役当選である場合には、各停止操作手段が所定のタイミングで操作された場合に限り有効位置に第2所定絵柄又は第2所定絵柄の組合せを停止させることが可能となる。第2所定絵柄を、各停止操作手段が所定のタイミングで操作された場合に限り、規定期間内に有効位置に到達し得るように配置することにより、特定絵柄役に当選していない状況下においても第2所定絵柄が有効位置に停止するよう狙って各停止操作手段を操作することを促すことが可能となり、遊技者が遊技に積極参加できるという遊技機の特徴を高めることが可能となる。
手段11.上記手段10において、遊技媒体(メダル、仮想メダル)を受入させる受入手段(メダル投入口75、第1クレジット投入スイッチ77、第2クレジット投入スイッチ78、第3クレジット投入スイッチ79)と、
前記受入手段からの遊技媒体受入を検出し、予め定められた規定数(3枚)を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置131のタイマ割込み処理機能)と、
前記表示窓から視認できる視認範囲に、前記賭数設定手段の設定した賭数に応じた有効位置(有効ライン)を設定する有効位置設定手段(主制御装置131のタイマ割込み処理機能)と
を備え、
前記特定絵柄と前記第2所定絵柄を、前記表示窓から同時に視認可能とならないよう離間して配置したことを特徴とする遊技機。
手段11によれば、特定絵柄と第2所定絵柄は、表示窓から同時に視認可能とならないよう離間して配置されている。かかる構成とすることにより、特定絵柄と第2所定絵柄が表示窓から視認可能な範囲に同時に停止することを回避することが可能となる。従って、視認範囲に複数の有効位置が設定された場合であっても、特定絵柄と第2所定絵柄が同時に有効位置に停止することを回避することが可能となり、第2所定絵柄役に当選したにも関わらず第2所定絵柄又は第2所定絵柄の組合せが有効位置に停止しないという機会を低減させることが可能となる。仮に特定絵柄と第2所定絵柄が表示窓から視認可能な範囲に同時に停止する絵柄配列とした場合、遊技者は特別遊技状態に移行することを期待しながら遊技を行うことが一般的であるため、特定絵柄と第2所定絵柄が有効位置に停止している状況下では第2所定絵柄ではなく特定絵柄が有効位置に停止するように他の停止操作手段を操作すると想定されるからである。このことは、各周回体に特定絵柄が1つずつしか配置されていない場合、より顕著なものとなる。各周回体に特定絵柄が複数配置されている場合と比して、特定絵柄の有効位置に停止する確率が低下するからである。なお、特定絵柄と第2所定絵柄を表示窓から同時に視認可能とならないよう離間して配置するとは、具体的には、特定絵柄と第2所定絵柄を少なくとも「(表示窓から周回体毎に視認できる絵柄数)−1」絵柄分離れるように配置することである。
手段12.上記手段10において、遊技媒体(メダル、仮想メダル)を受入させる受入手段(メダル投入口75、第1クレジット投入スイッチ77、第2クレジット投入スイッチ78、第3クレジット投入スイッチ79)と、
前記受入手段からの遊技媒体受入を検出し、予め定められた規定数(3枚)を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置131のタイマ割込み処理機能)と、
前記表示窓から視認できる視認範囲に、前記賭数設定手段の設定した賭数に応じた有効位置(有効ライン)を設定する有効位置設定手段(主制御装置131のタイマ割込み処理機能)と
を備え、
前記特定絵柄と前記第2所定絵柄を、前記有効位置設定手段の設定し得る有効位置に同時に停止しないよう離間して配置したことを特徴とする遊技機。
手段12によれば、特定絵柄と第2所定絵柄は、有効位置設定手段の設定し得る有効位置に同時に停止しないよう離間して配置されている。かかる構成とすることにより、視認範囲に複数の有効位置が設定された場合であっても、特定絵柄と第2所定絵柄が同時に有効位置に停止することを回避することが可能となり、第2所定絵柄役に当選したにも関わらず第2所定絵柄又は第2所定絵柄の組合せが有効位置に停止しないという機会を低減させることが可能となる。仮に特定絵柄と第2所定絵柄が有効位置設定手段の設定し得る有効位置に同時に停止する絵柄配列とした場合、遊技者は特別遊技状態に移行することを期待しながら遊技を行うことが一般的であるため、特定絵柄と第2所定絵柄が有効位置に停止している状況下では第2所定絵柄ではなく特定絵柄が有効位置に停止するように他の停止操作手段を操作すると想定されるからである。このことは、各周回体に特定絵柄が1つずつしか配置されていない場合、より顕著なものとなる。各周回体に特定絵柄が複数配置されている場合と比して、特定絵柄の有効位置に停止する確率が低下するからである。なお、特定絵柄と第2所定絵柄を有効位置設定手段の設定し得る有効位置に同時に停止しないよう離間して配置するとは、具体的には、特定絵柄と第2所定絵柄を少なくとも「(周回体毎に有効位置を設定可能な位置の数)−1」絵柄分離れるように配置することである。
手段13.上記手段10乃至手段12のいずれかにおいて、前記停止情報群選択手段を、前記特定絵柄役当選が留保されている状況下で前記第2所定絵柄役に当選した場合、前記特定絵柄を前記規定期間内に前記有効位置に停止させることが可能であれば該特定絵柄を前記有効位置に優先して停止させるように定めた、特定停止情報群を選択する構成としたことを特徴とする遊技機。
手段13によれば、特定絵柄役当選が留保されている状況下で第2所定絵柄役に当選した場合、特定絵柄を規定期間内に有効位置に停止させることが可能であれば該特定絵柄を有効位置に優先して停止させるように定めた、特定停止情報群が選択される。かかる構成とすることにより、各周回体に特定絵柄が1つずつしか配置されていない中で特定絵柄役に当選したにも関わらず第2所定絵柄を有効位置に停止させる制御が優先され、特別遊技状態への移行が遅延されることを抑制することが可能となる。
また、手段11又は手段12にかかる特徴的構成を適用した場合、停止駆動制御に関わる処理負荷を軽減させつつ遊技者が不快感を抱くことを抑制することが可能となる。仮に特定絵柄と第2所定絵柄が共に有効位置に停止し得る絵柄配列とした場合、特定絵柄と第2所定絵柄が共に有効位置に停止した状況下において、遊技者が特定絵柄ではなく第2所定絵柄を有効位置に停止させるべく停止操作手段を操作する可能性がある。この場合、特定絵柄が第2所定絵柄より優先して有効位置に停止し得るように周回体の停止駆動制御を行うと、特定絵柄が優先されることに対して遊技者が不快感を抱くことが懸念される。また、前記懸念を解消させるべく、状況に応じて有効位置に停止する絵柄が変化するように周回体を停止駆動制御する構成とすると、停止駆動制御に関わる処理負荷が増大化することとなるからである。
手段14.上記手段13において、前記特定停止情報群を、前記規定期間内に前記特定絵柄を前記有効位置に停止させることが可能な場合、該特定絵柄を前記有効位置に優先して停止させるように、前記規定期間内に前記特定絵柄を前記有効位置に停止させることが不可能であって前記第2所定絵柄を前記有効位置に停止させることが可能な場合、前記第2所定絵柄を前記有効位置に停止させるように定めたことを特徴とする遊技機。
手段14によれば、特定停止情報群は、特定絵柄を規定期間内に有効位置に停止させることが可能な場合、該特定絵柄を有効位置に優先して停止させるように、規定期間内に特定絵柄を有効位置に停止させることが不可能であって第2所定絵柄を有効位置に停止させることが可能な場合、第2所定絵柄を有効位置に停止させるように定められている。かかる構成とすることにより、特定絵柄役と第2所定絵柄役に当選している状況下において、特定絵柄を有効位置に停止させることが不可能なタイミングで停止操作手段が操作された場合であっても、第2所定絵柄役と対応する特典の付与される余地を残すことが可能となる。故に、特定絵柄役と第2所定絵柄役に当選しているにも関わらず、特定絵柄の組合せと、第2所定絵柄又は第2所定絵柄の組合せのいずれも有効位置に停止せずに遊技者が不利益を被る機会を抑制させることが可能となる。
手段15.上記手段13又は手段14において、所定条件が成立した場合に前記停止情報群格納手段に格納された停止情報群を変更する停止情報群変更手段(主制御装置131のスベリテーブル第1変更処理機能S904及びスベリテーブル第2変更処理機能S911)を備え、
該停止情報群変更手段は、前記特定絵柄役当選が留保されている状況下で前記第2所定絵柄役に当選し、前記特定絵柄が前記有効位置に停止しなかった場合、前記第2所定絵柄を前記規定期間内に前記有効位置に停止させることが可能であれば該第2所定絵柄を前記有効位置に優先して停止させるように定めた停止情報群に変更することを特徴とする遊技機。
手段15によれば、特定絵柄役当選が留保されている状況下で第2所定絵柄役に当選し、特定絵柄が有効位置に停止しなかった場合、第2所定絵柄を規定期間内に有効位置に停止させることが可能であれば該第2所定絵柄を有効位置に優先して停止させるように定めた停止情報群に変更される。かかる構成とすることにより、特別遊技状態への移行が遅延されることを抑制しつつ、遊技者が不利益を被る機会を軽減させることが可能となる。仮に特定絵柄ではなく第2所定絵柄が有効位置に到達するタイミングで停止操作手段が操作され、第2所定絵柄が有効位置に停止した場合であっても、該第2所定絵柄の組合せが有効位置に停止するように他の停止操作手段を操作すれば、第2所定絵柄の組合せと対応する特典の付与を受けることが可能となるからである。
また、特定絵柄と第2所定絵柄が同時に有効位置に停止しないよう離間して配置した構成にかかる特徴的構成を適用することにより、停止情報群として記憶されるデータ量の増加を抑制させることが可能となる。停止情報群に基づいて停止駆動制御を行う場合、例えば特定絵柄役に当選している場合や特定絵柄役と第2所定絵柄役に当選している場合等の当選役の状況に応じて、さらに設定される有効位置に応じて種々の停止情報群を予め記憶しておく必要があり、データ量が多大なものとなる可能性が懸念される。しかしながら、特定絵柄と第2所定絵柄が同時に有効位置に停止しないよう離間して配置した場合、停止情報群を変更する際に、特定絵柄又は第2所定絵柄の一方の絵柄を有効位置に停止させ得るよう定めた停止情報群に変更すればよい。故に、予め記憶させておく特定停止情報群の数を低減させることが可能となり、データ量の増加を抑制させることが可能となる。
手段16.上記手段8乃至手段15のいずれかにおいて、前記特定絵柄役に当選しているか否かを示唆する示唆演出(連続演出)を行う示唆演出手段(補助表示部15、表示制御装置111等)を備えたことを特徴とする遊技機。
手段16によれば、特定絵柄役に当選しているか否かを示唆する示唆演出が行われる。かかる遊技機において特定絵柄を各周回体に1つずつ配置することにより、示唆演出の行われたゲームにおいて特定絵柄が有効位置に停止する可能性を低減させることが可能となり、折角用意した示唆演出が無駄なものとなってしまうことを抑制することが可能となる。
手段17.上記手段8乃至手段16のいずれかにおいて、前記各周回体に、前記特定絵柄として1種類の絵柄を配置したことを特徴とする遊技機。
手段17によれば、特定絵柄は1種類のみであり、各周回体に該特定絵柄が1つずつ配置されている。かかる構成とすることにより、複数種の絵柄が周回体に配置される構成において、所定絵柄等の特定絵柄と異なる絵柄を各周回体に比較的自由に配置することが可能となり、絵柄配列の設計自由度を高めることが可能となる。この結果、各周回体の絵柄配列をバリエーションに富んだものとすることが可能となり、各周回体が停止した際に各表示窓から視認可能となる絵柄配列すなわち停止出目が単調化することを抑制することが可能となる。
なお、以上の各手段を適用し得る遊技機として、「複数の絵柄からなる絵柄列(具体的には図柄が付されたリール)を変動表示(具体的にはリールの回動)した後に絵柄列を確定停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して絵柄の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して又は所定時間経過することにより絵柄の変動が停止され、その停止時の確定絵柄が特定絵柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)の発生等の特典を付与するようにし、さらに、球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。」といったスロットマシンとパチンコ機とが融合したタイプの遊技機なども挙げられる。
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、上下一対の支軸25a,25bが設けられている。支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、各支軸25a,25bに対応して当該支軸25a,25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a,26bが設けられている。そして、各支軸25a,25bの上方に支持金具26a,26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a,26bの挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖することができるように構成されている。
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、前面扉12の右端側上部には解錠操作部たるキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。キーシリンダ20が設けられる位置は前面扉12の中でも肉厚の薄い上部位置とされており、その結果、全長の短い汎用性のあるキーシリンダ20を採用することができる。なお、本実施の形態では、キーシリンダ20として、不正解錠防止機能の高いオムロック(商標名)が用いられている。連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の支持金具23に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と支持金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル30が設けられている。遊技パネル30には、縦長の3つの表示窓31L,31M,31Rが横並びとなるように形成されている。表示窓31L,31M,31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L,31M,31Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓31L,31M,31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板40によりその内部が上下2分割されており、仕切り板40の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール42L,中リール42M,右リール42Rを備えている。なお、各リール42L,42M,42Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール42L,42M,42Rが各表示窓31L,31M,31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L,42M,42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓31L,31M,31Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール42L,42M,42Rが正回転すると、各表示窓31L,31M,31Rを通じてリール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール42L,42M,42Rは、それぞれがステッピングモータ61L,61M,61Rに連結されており、各ステッピングモータ61L,61M,61Rの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール42L,42M,42Rは同様の構成をしているため、ここでは左リール42Lを例に挙げて図6に基づいて説明する。なお、図6は左リール42Lの組立斜視図である。
左リール42Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部にはボス部51形成されており、円盤状のボス補強板52を介して左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸に取り付けられている。従って、左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、左リール42Lが円環状のリール面に沿って周回するようになっている。
左リール用ステッピングモータ61Lは、リールユニット41(図3)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール42Lと一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール42Lが1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置131に検出信号が出力される。従って、主制御装置131はこの検出信号に基づいて左リール42Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ61Lは例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ61Lの回転位置、すなわち左リール42Lの回転位置が制御される。
各リール42L,42M,42Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール42L,42M,42Rに付された図柄のうち、表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓31L,31M,31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
ここで、各リール42L,42M,42Rに付される図柄について説明する。図7には、左リール42L,中リール42M,右リール42Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L,42M,42Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。また、各リール42L,42M,42Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置131が表示窓から視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール42L,42M,42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト20番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト19番目)、「青年」図柄(例えば、左ベルト18番目)、「7」図柄(例えば、左ベルト17番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト13番目)、「チャンス」図柄(例えば、左ベルト12番目)、「スイカ」図柄(例えば、左ベルト9番目)、「リーチ」図柄(例えば、左ベルト6番目)、「ラッキー」図柄(例えば、左ベルト1番目)の9種類がある。そして、図7に示すように、各リール42L,42M,42Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
なお、リールユニット41の各リール42L,42M,42Rは識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、主表示部を構成する。但し、可変表示手段は、図柄を周方向に可変表示する構成であれば、これ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に加えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
遊技パネル30には、各表示窓31L,31M,31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。これら各組合せラインに対応して、表示窓31L,31M,31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32,33,34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル数の払出処理や、特別遊技状態たるBBゲーム等のボーナスゲームへの移行処理などが実行される。
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に払い出されるメダル払出枚数とが示されている。
メダル払出が行われる小役入賞としては、スイカ入賞と、ベル入賞と、チェリー入賞とがある。有効ライン上に左から「スイカ」図柄、「スイカ」図柄、「スイカ」図柄と並んで停止した場合、スイカ入賞として15枚のメダル払出、有効ライン上に左から「ベル」図柄、「ベル」図柄、「ベル」図柄と並んで停止した場合、ベル入賞として11枚のメダル払出が行われる。また、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、チェリー入賞として2枚のメダル払出が行われる。即ち、チェリー入賞の場合には、中リール42M及び右リール42Rの有効ライン上に停止する図柄はどのような図柄であってもよい。故に、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、各有効ライン上にてチェリー入賞が成立し、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われる。結果として、本実施形態では4枚のメダル払出が行われる。
また、遊技状態が移行する状態移行入賞としてBB入賞がある。有効ライン上に左から「7」図柄、「7」図柄、「7」図柄と並んで停止した場合、BB入賞として遊技状態が特別遊技状態たるBBゲームに移行する。但し、「7」図柄が有効ライン上に左・中・右と並んで停止したとしても、メダル払出は行われない。すなわち、「7」図柄の組合せが有効ライン上に成立した際には、BBゲームに移行するのみである。換言すれば、「7」図柄は、遊技状態をBBゲームに移行させるための状態移行図柄であるといえる。
更に、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄と並んで停止した場合には、再遊技入賞となる。再遊技入賞が成立すると、メダル払出や状態移行は行われないものの、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能となる。
加えて、遊技状態が後述するRBゲームである場合に限り、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「チャンス」図柄と並んで停止した場合と、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「ラッキー」図柄と並んで停止した場合に、JAC入賞として15枚のメダル払出が行われる。
その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に上記した図柄の組合せが停止しなかった場合には、メダル払出や遊技状態の移行等は一切行われない。すなわち、左リール42Lの「チャンス」図柄及び「ラッキー」図柄、中リール42Mと右リール42Rの「チェリー」図柄、各リール42L,42M,42Rの「青年」図柄及び「リーチ」図柄は、入賞と一切関与していない。換言すれば、上記各図柄は、遊技者に付与される特典と無関係な無特典図柄であると言える。このように、各リール42L,42M,42Rには、例えば「ベル」図柄等の入賞と関係する特典図柄と、例えば「青年」図柄等の入賞と無関係な無特典図柄がそれぞれ付されている。なお、以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せともいう。例えば、BB図柄の組合せとは、BB入賞となる図柄の組合せ、すなわち「7」図柄、「7」図柄、「7」図柄の組合せである。
遊技パネル30の下方左側には、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L,42M,42Rを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。スタートレバー71は、遊技者がゲームを開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー52が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー71の右側には、回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72,73,74が設けられている。各ストップスイッチ72,73,74は停止対象となるリール42L,42M,42Rに対応する表示窓31L,31M,31Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ72が操作された場合には左リール42Lの回転が停止し、中ストップスイッチ73が操作された場合には中リール42Mの回転が停止し、右ストップスイッチ74が操作された場合には右リール42Rの回転が停止する。ストップスイッチ72,73,74はリール42L,42M,42Rの回転に基づく可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ72,73,74は、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口75が設けられている。メダル投入口75は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
メダル投入口75から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ84によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。すなわち、セレクタ84にはメダル通路切替ソレノイド83が設けられ、そのメダル通路切替ソレノイド83の非励磁時には排出用通路82側とされ、励磁時には貯留用通路81側に切り替えられるようになっている。貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返還される。
メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置91は、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
メダル投入口75の下方には、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ84内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ84が機械的に連動して動作され、当該セレクタ84内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方左側には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ77が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状のスイッチとして、第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ77〜79は前記メダル投入口75とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77〜79は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、第1クレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートレバー71の左側には、ボタン状の精算スイッチ80が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状態で精算スイッチ80が押下操作されることで、仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。
なお、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するように設定された「クレジットモード」と、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」とを切換可能としたスロットマシンの場合には、前記精算スイッチ80に、モード切換のための切換スイッチとしての機能を付加してもよい。この場合、精算スイッチ(切換スイッチ)80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるように構成される。そして、精算スイッチ80がオン状態のときにはクレジットモードとされ、精算スイッチ80がオフ状態のときにはダイレクトモードとされる。クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際に仮想メダルがある場合には、その分の仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。これにより、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることで自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる精算スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。
遊技パネル30の表示窓31L,31M,31R下方には、貯留記憶された仮想メダル数を表示するクレジット表示部35と、BBゲームが終了するまでに獲得できる残りのメダル数を表示する残獲得枚数表示部36と、入賞時に獲得したメダルの枚数を表示する獲得枚数表示部37とがそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚未満であれば、スロットマシン内部に貯蓄されると共にクレジット表示部35の仮想メダル数が加算表示される。一方、仮想メダル数が50枚のとき又は50枚に達したときには、セレクタ84により貯留用通路81から排出用通路82への切替がなされ、メダル排出口17からメダル受け皿18へと余剰メダルが返却される。
また、クレジット表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。
第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が1つ減算され、第1有効ライン表示部32が点灯して中ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が2つ減算され、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が3つ減算され、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えばクレジット表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、クレジット表示部35の数値が全て減算されて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に各種情報を与える補助表示部15とが設けられている。補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための表示制御装置111が設けられている。なお、上部ランプ13及びスピーカ14の位置や数は特に以上説明したものに限られない。
メダル受け皿18の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。また、メダル受け皿18の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿19が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ123は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ123は、エラー状態をリセットする場合のほか、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット41の上方には、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。なお、ボックスベースとボックスカバーとを鍵部材を用いて開封不能に連結する構成としてもよい。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置131には、演算処理手段であるCPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU151には、電源ボックス121の内部に設けられた電源装置161の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路154や、入出力ポート155などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置131の入力側には、スタートレバー71の操作を検出するスタート検出センサ71a、各ストップスイッチ72,73,74の操作を個別に検出するストップ検出センサ72a,73a,74a、メダル投入口75から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ75a、各クレジット投入スイッチ77,78,79の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ77a,78a,79a、精算スイッチ80の操作を検出する精算検出センサ80a、各リール42の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55、ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ91a、リセットスイッチ123の操作を検出するリセット検出センサ123a、設定キー挿入孔124に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ124a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート155を介してCPU151へ出力されるようになっている。
なお、投入メダル検出センサ75aは実際には複数個のセンサより構成されている。即ち、メダル投入口75からホッパ装置91に至る貯留用通路81は、メダルが1列で通行可能なように構成されている。そして、貯留用通路81には第1センサが設けられるとともに、それよりメダルの幅以上離れた下流側に第2センサ及び第3センサが近接(少なくとも一時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接)して設けられており、これら第1乃至第3の各センサによって投入メダル検出センサ75aが構成されている。主制御装置131は、第1センサから第2センサに至る時間を監視し、その経過時間が所定時間を越えた場合にはメダル詰まり又は不正があったものとみなしてエラーとする。エラーになると、エラー報知が行われるとともにエラー解除されるまでの遊技者による操作が無効化される。また、主制御装置131は第2センサと第3センサとがオンオフされる順序をも監視し、第2,第3センサが共にオフ、第2センサのみオン、第2,第3センサが共にオン、第3センサのみオン、第2,第3センサが共にオフという順序通りになった場合で、かつ各オンオフ切換に移行する時間が所定時間内である場合にのみメダルが正常に取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラーとする。このようにするのは、貯留用通路81でのメダル詰まりの他、メダルを投入メダル検出センサ75a付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正を防止するためである。
また、主制御装置131の入力側には、入出力ポート155を介して電源装置161に設けられた停電監視回路161bが接続されている。電源装置161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部161aや、上述した停電監視回路161bなどが搭載されている。
停電監視回路161bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ122による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路161bは、電源部161aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU151と入出力ポート155のそれぞれに供給され、CPU151ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。
電源部161aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置131などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置131による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置131の出力側には、各有効ライン表示部32,33,34、クレジット表示部35、残獲得枚数表示部36、獲得枚数表示部37、各リール42L,42M,42Rを回転させるための各ステッピングモータ61(61L,61M,61R)、セレクタ84に設けられたメダル通路切替ソレノイド83、ホッパ装置91、表示制御装置111、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板171等が入出力ポート155を介して接続されている。
表示制御装置111は、上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置131からの信号を受け取った上で、表示制御装置111が独自に上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示部15を駆動制御する。従って、表示制御装置111は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置131との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部32〜37を表示制御装置111が制御する構成としてもよい。
上述したCPU151には、このCPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図10以降のフローチャートに示される各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM152に記憶されている。
RAM153は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源ボックス121内に設けられた電源装置161からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM153には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、各リール42L,42M,42Rを停止させる処理を行う際に使用するための当選番号格納エリア153a,スベリテーブル格納エリア153b,変更図柄格納エリア153c等の格納エリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ122の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理(図12参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図13参照)において実行される。なお、CPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路161bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
続いて、主制御装置131内のCPU151により実行される各制御処理を図10〜図24のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU151の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図10はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置161の停電監視回路161bでは停電信号が生成され、主制御装置131に対して出力される。NMI端子を介して停電信号を受信した主制御装置131では、NMI割込み処理が実行される。
NMI割込み処理では、まずステップS101において、CPU151内に設けられた使用レジスタのデータをRAM153内に設けられたバックアップエリアに退避させる。続いて、ステップS102では、停電フラグをRAM153内に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。その後、ステップS103にてRAM153のバックアップエリアに退避させたデータを再びCPU151の使用レジスタに復帰させる。この復帰処理でNMI割込み処理が終了する。なお、CPU151の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグのセット処理が可能な場合には、バックアップエリアへの退避および復帰処理を省くことができる。
図11は、主制御装置131で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置131のCPU151により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU151内の全レジスタの値をRAM153のバックアップエリアに退避させる。ステップS202では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
ここで、停電時処理について図12を用いて説明する。この停電時処理は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの送信処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。なお、このことは後述する復電時処理用の処理プログラムについても同様である。
ステップS301では、コマンド送信が終了しているか否かを判定する。送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンド送信を終了させる。このように停電時処理の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理を優先し、単位コマンドの送信処理終了後に停電時処理を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してROM152の小容量化を図ることができる実益を有する。
ステップS301がYES、すなわちコマンドの送信が完了している場合には、ステップS302に進み、CPU151のスタックポインタの値をRAM153内のバックアップエリアに保存する。その後ステップS303では、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポート155における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。ステップS304では、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値とは、具体的にはRAM153の作業領域アドレスにおけるチェックサムの2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAM153のチェックサムは0となる。RAM153のチェックサムを0とすることにより、ステップS305においてそれ以後のRAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM153への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、詳細な説明は省略するが、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合には後述するメイン処理に移行する。
なお、電源装置161の電源部161aは、上述したNMI割込み処理及び停電時処理を実行するのに十分な時間、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力が保持されるように構成されている。本実施形態では、30msecの間、駆動電圧が出力され続けるようになっている。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、CPU151自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール42L,42M,42Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ61L〜61Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入出力ポート155に接続された各種センサ(図9参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントした結果を外部集中端子板171へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS210では、各種コマンドを表示制御装置111へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、クレジット表示部35、残獲得枚数表示部36及び獲得枚数表示部37にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS212では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部35〜37に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS213では、入出力ポート155からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS214では、先のステップS201にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU151内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS215にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
図13は電源投入後に実行される主制御装置131でのメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS401では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU151内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU151内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、ステップS402では設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されてON操作されているか否か、より詳しくは設定キー検出センサ124aからON信号を受信しているか否かを判定する。設定キーのON操作がなされている場合にはステップS403に進み、強制的RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。続くステップS404では当選確率設定処理を行う。
ここで、当選確率設定処理について図14を用いて説明する。スロットマシン10には、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、当選確率設定処理とは、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定するための処理である。
ステップS501では設定キーが挿入されてON操作されているか否かを判定し、ON操作されていない場合にはそのまま本処理を終了する。ON操作されている場合には、ステップS502にて次回のタイマ割込みを許可する。その後、ステップS503にて現在の設定値を読み込むと共に、ステップS504では現在の設定値をクレジット表示部35に表示する。但し、設定キーが挿入されてON操作された直後の処理では、先の強制的RAMクリア処理によりRAM153のデータがクリアされているため、クレジット表示部35に表示される設定値は「1」である。
ステップS505ではスタートレバー71が操作されたか否かを判定し、操作されていない場合にはステップS506〜ステップS507に示す設定更新処理を行う。ステップS506では、リセットスイッチ123が操作されたか否かを判定する。リセットスイッチ123が操作されていない場合にはそのままステップS504に戻り、操作された場合にはステップS507にて設定値を1更新した後にステップS504に戻る。つまり、設定更新処理では、リセットスイッチ123が操作される毎に設定値が1更新され、更新された設定値がクレジット表示部35に表示される。なお、設定値が「6」のときにリセットスイッチ123が操作された場合、設定値は「1」に更新される。
ステップS505にてスタートレバー71が操作された場合には、ステップS508にて設定キーのON操作が継続してなされているか否かを判定する。設定キーのON操作が継続してなされている場合にはそのまま待機し、ON操作が終了された場合にはステップS509にて次回のタイマ割込みを禁止する。その後、ステップS510にて設定値を保存し、ステップS511にてRAM153に記憶された設定値以外のデータをクリアして本処理を終了する。
メイン処理の説明に戻り、ステップS404にて当選確率設定処理を行った後には、ステップS405にて遊技に関わる主要な制御を行う通常処理を実行する。
一方、ステップS402にて設定キーが挿入されていない場合には、ステップS406以降に示す復電処理を行う。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させる処理である。従って、復電処理では先ずRAM153のデータが正常かどうかを確認する必要がある。
そこで、ステップS406では設定値が正常か否かを判定する。具体的には、設定値が1〜6のいずれかである場合に正常であると判定し、0又は7以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、ステップS407にて停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされている場合には、さらにステップS408にてRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM153のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM153のデータは正常であると判定する。
ステップS408においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS409に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU151のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS410において、復電処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置111に送信する。その後、ステップS411にて遊技状態として打ち止め及び自動精算設定保存処理を行い、ステップS412にてスタート検出センサ71a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS413にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS204)が実行されることとなる。
一方、ステップS406〜ステップS408のいずれかがNO、すなわち、設定値が異常である、電源遮断時にセットされる筈の停電フラグがセットされていない、又はRAM判定値が異常である場合には、RAM153のデータが破壊された可能性が高い。このような場合には、ステップS414〜ステップS416に示す動作禁止処理を行う。動作禁止処理として、先ずステップS414にて次回のタイマ割込み処理を禁止し、ステップS415では入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ステップS416にてホール管理者等にエラーの発生を報知するエラー報知処理を行う。かかる動作禁止状態は、上述した当選確率設定処理が行われるまで維持される。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図15のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS601では、メダルがベットされているか否かを判定する。メダルがベットされているときには、続いてステップS602にてスタートレバー71が操作されたか否かを判定する。ステップS601,ステップS602が共にYESの場合には、ステップS603の抽選処理、ステップS604のリール制御処理、ステップS605のメダル払出処理、ステップS606のボーナスゲーム処理を順に実行し、ステップS601に戻る。一方、ステップS601にてメダルがベットされていない、またはステップS602にてスタートレバー71が操作されていない場合には、ステップS601に戻る。
次に、ステップS603の抽選処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。
ステップS701では、スロットマシン10の現在の設定状態やベットされたメダルの枚数等に基づき、当否決定用の抽選テーブルを選択する。ここで、スロットマシン10の設定状態は「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときにBB当選確率が最も低い抽選テーブルが選択され、「設定6」のときにBB当選確率が最も高い抽選テーブルが選択される。また、ベットされるメダルの枚数は1〜3枚のいずれかであり、ベット枚数が多いほど役の当選確率が高くなるような抽選テーブルが選択される。例えば3枚ベットされたときの役の当選確率は、1枚ベットされたときの役の当選確率と比して3倍よりも高い確率となっている。ここで、抽選テーブルについて、簡単に説明する。図17は、「設定1」の通常状態下で3枚ベットされた場合に選択される抽選テーブルである。抽選テーブルには、入賞となる役の数と同数のインデックス値IVが設定されている。すなわち、通常状態下では、再遊技、チェリー、ベル、スイカ、BBの5種類の入賞が発生し得る(図8参照)ため、1〜5の5つのインデックス値IVが設定されている。そして、各インデックス値IVには、入賞となる役がそれぞれ一義的に対応付けられると共に、ポイント値PVが設定されている。なお、本スロットマシン10における各抽選テーブルでは、設定値が高い抽選テーブルほどBB役と対応するポイント値PVが大きく設定されており、ベット枚数が多いほど各ポイント値PVが大きく設定されている。
ステップS702ではインデックス値IVを1とし、続くステップS703では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、スタートレバー71が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。ここで、乱数カウンタについて簡単に説明すると、本スロットマシン10では、8ビットのシフトレジスタを2つ用いて0〜65535の乱数を生成している。各シフトレジスタは定期的(例えば100ns毎)に1ずつ更新され、各シフトレジスタの上位ビットと下位ビットを入れ替えた値がCPU151に入力され、スタートレバー71が操作されたとき(すなわちスタート検出センサ71aのON信号を受信したとき)に入力されている値が乱数値としてラッチされる。これは初回の判定値設定処理にて用いられる乱数値を不規則なものとするための工夫であり、例えば各シフトレジスタのビットをランダムに入れ替えた値が乱数値としてラッチされる構成であってもよい。
その後、ステップS704ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定し、65535を超えた場合には、ステップS705にてそのときのインデックス値IVと対応する役の当選フラグをセットする。ちなみに、当選フラグが小役当選フラグ又は再遊技当選フラグである場合、これら当選フラグは、該当選フラグがセットされたゲームの終了時にリセットされる。一方、当選フラグがBB当選フラグである場合、BB当選フラグはBB図柄の組合せが有効ライン上に成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、BB当選フラグは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。なお、BB当選フラグを持ち越した次ゲーム以降における役の当否判定では、小役又は再遊技の当否判定は行うが、BBに関する当否判定は行わない。
ステップS704にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS706にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS707ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき役があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき役がある場合にはステップS703に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS703では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS704では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図17に示した抽選テーブルが選択された場合、BB当選確率は約300分の1である。一方、再遊技及び小役当選確率はBB当選確率よりも高く設定されており、再遊技当選確率は約7.3分の1、ベル当選確率は約7.0分の1、チェリー及びスイカ当選確率は128分の1である。
ステップS705にて当選フラグをセットした後、又はステップS707にて当否判定すべき役がないと判定された場合には、ステップS708にてリール停止制御用のスベリテーブル(停止テーブル)を設定するスベリテーブル設定処理を行う。ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押されたタイミングからリールをどれだけ滑らせた(回転させた)上で停止させるかが定められたテーブルである。すなわち、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押された際に基点位置(本実施形態では下ライン上)に到達している到達図柄と、前記基点位置に実際に停止させる停止図柄との関係が定められた停止データ群である。
本実施の形態では、スベリテーブルに関するデータ構成に特徴を有するので、その点について説明する。
本スロットマシン10では、ストップスイッチ72〜74が操作された場合に、到達図柄をそのまま停止させる場合、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる場合、2図柄分滑らせた後に停止させる場合、3図柄分滑らせた後に停止させる場合、4図柄分滑らせた後に停止させる場合の5パターンがリールの停止態様として用意されている。これは、遊技者がストップスイッチ72〜74を操作するタイミングと、各表示窓32L,32M,32Rから視認可能な範囲に停止する図柄配列(以下、「停止出目」と言う)とを密接に関連付けるための工夫である。つまり、ストップスイッチ72〜74が操作されたタイミングから規定時間(190msec)が経過するまでに各リール42L,42M,42Rを停止させることにより、遊技者の操作によってあたかも停止出目が決定されたかのような印象を遊技者に抱かせることが可能となる。また、4図柄分までは滑らせることが可能な構成とすることにより、かかる規定時間内で可能な限り抽選に当選した役と対応する図柄の組合せを有効ライン上に停止させることが可能となる。
このような停止態様に関する停止データは、左リール42Lに5種類(滑りなし、1コマ滑り、2コマ滑り、3コマ滑り、4コマ滑り)、中リール42Mに5種類、右リール42Rに5種類必要である。この場合、各リール42L,42M,42Rに関する停止データをビット単位で割り振る構成とすると、各リール42L,42M,42Rに3ビットの停止データが必要となり、1バイトに納めることができなくなる。
この点、本実施の形態では、各5種類の停止データが必要であるから、各停止データをまとめて6進数と仮定して圧縮データを作成している。即ち、停止データを「(左リール42Lのデータ)×36+(中リール42Mのデータ)×6+(右リール42Rのデータ)」からなる構成とする。この場合、各リール42L,42M,42Rの停止データとして準備できる数は各々最大6種類であり、停止データ全体としては6×6×6=216の組合せパターンが存在するが、これは1バイトで表現できる最大値である256以内となる。その結果、各リール42L,42M,42Rに5種類も停止データが存在するにもかかわらず、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる。また、各リール42L,42M,42Rには21個の図柄が付されていることから、1つのスベリテーブルを21バイトで構成することができ、主制御装置131の記憶容量を削減することが可能となる。ちなみに、本実施の形態では、21バイトからなるスベリテーブルが約60種類予めROM152に記憶されている。
また、各停止データを圧縮データとして記憶する本スロットマシン10では、各停止データを使用するにあたって所定の解凍処理を行う。具体的には、到達図柄の図柄番号と対応する圧縮データを「36」(=6×6)で除算し、得られた商を左リール42Lの停止データとして把握する。さらに、その除算して得られた余りを「6」で除算し、得られた商を中リール42Mの停止データとして把握すると共に、その余りを右リール42Rの停止データとして把握する。
上述した処理を経て、CPU151は各リール42L,42M,42Rの停止データを解凍データとして把握することができる。なお、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる構成であればよく、例えば各停止データをまとめて5進数と仮定して圧縮データを作成してもよい。停止データが1バイト内におさまる条件としては、各リール42L,42M,42Rの停止データとして準備可能な最大数を乗算したときに得られる値が256以下であればよい。従って、各リール42L,42M,42Rにおいて、準備可能な停止データの最大数が同一である必要もない。例えば、左リール42Lに6種類、中リール42Mに8種類、右リール42Rに4種類の停止データを準備可能とした場合であっても、停止データ全体の組合せパターンは6×8×4=192通りとなり、1バイトで表現できる最大値256以下となるため、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる。ちなみに、かかる場合には、圧縮データを「(右リール42Rのデータ)×48+(中リール42Mのデータ)×6+(左リール42Lのデータ)」とし、解凍処理では、到達図柄の図柄番号と対応する圧縮データを「48」で除算して得られた商を右リール42Rの停止データとし、その除算して得られた余りを「6」で除算して得られた商を中リール42Mの停止データとし、更にその余りを左リール42Lの停止データとして把握することとなる。
図18は、スイカ図柄を有効ライン上に停止させる場合にセットされるスベリテーブルの一例である。滑り数が0である番号の図柄は、下ライン上に実際に停止する図柄である。例えば、左リール42Lの7番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは滑ることなくそのまま停止し、9番図柄たる「スイカ」図柄が上ライン上に停止する。また、滑り数が0でない番号の図柄は、記載された図柄数分だけリールが滑ることを意味する。例えば、左リール42Lの8番図柄たる「リプレイ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは1図柄分だけ滑り、9番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に停止する。すなわち、滑り数が0でない番号の図柄が下ライン上に到達している際にストップスイッチが押された場合、対応するリールは滑り数が0の図柄が下ライン上に到達するまで滑った後に停止する。このように、スベリテーブルでは、各リール42L,42M,42Rに付された図柄が下ライン上に到達したタイミングでストップスイッチ72〜74を押された場合の滑り数が図柄番号毎に設定されている。そして、例えば図柄番号0における左滑り数2、中滑り数0、右滑り数3の停止データが1バイトの圧縮データとされ、各図柄番号についての圧縮データすなわち21バイトの圧縮データから1つのスベリテーブルが構成されている。
図19に示すように、スベリテーブル設定処理では、先ずステップS801にてBB当選フラグがセットされているか否かを判定する。BB当選フラグがセットされていない場合にはステップS802に進み、当選フラグと一義的に対応する第1当選番号をRAM153の当選番号格納エリア153aにセットする。当選番号とはスベリテーブルをセットする際に用いるための番号であり、第1当選番号がセットされている場合には、当選フラグがセットされていない又は当選フラグが1つだけセットされていることを意味する。続くステップS803では、第1当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルをRAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットし、本処理を終了する。このとき、本スロットマシン10では、左リール42Lの当選フラグと対応する図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように、中リール42M及び右リール42Rの当選フラグと対応する図柄が中ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。また、当選フラグがセットされていない外れの場合には、いずれの入賞態様も成立しないスベリテーブルをセットする。
図18に示すスベリテーブルは、スイカ当選フラグがセットされている場合に第1当選番号に基づいてセットされるスベリテーブルである。換言すれば、スイカ当選フラグがセットされている場合に最初にセットされるスベリテーブルであるとも言える。かかるスベリテーブルでは、例えば中リール42Mの4番図柄たる「チェリー」図柄が下ライン上に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mは滑ることなくそのまま停止し、5番図柄たる「スイカ」図柄が中ライン上に停止する。また、中リール42Mの5番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mは3図柄分だけ滑って8番図柄たる「リーチ」図柄が下ライン上に停止し、9番図柄たる「スイカ」図柄が中ライン上に停止する。右リール42Rについても同様であり、例えば右リール42Rの4番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に右ストップスイッチ74が押された場合、右リール42Rは3図柄分だけ滑って7番図柄たる「リーチ」図柄が下ライン上に停止し、8番図柄たる「スイカ」図柄が中ライン上に停止する。このように、中リール42M及び右リール42Rについては、「スイカ」図柄が中ライン上に停止するように設定されている。
但し、左リール42Lについては、上ライン又は下ラインのいずれかに「スイカ」図柄が停止するように設定されている。すなわち、7番の「ベル」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、9番の「スイカ」図柄は上ライン上に停止し、8番の「リプレイ」図柄又は9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、9番の「スイカ」図柄は下ライン上に停止する。これは、一般的に左リール42L→中リール42M→右リール42Rの順に回転を停止させるべくストップスイッチ72〜74が操作されることを考慮し、停止出目を多様化させるための工夫である。
また、かかるスベリテーブルが最初にセットされた場合であっても、ストップスイッチの押されたタイミングによっては「スイカ」図柄が有効ライン上に停止せず、所謂取りこぼしが発生することもある。これは、滑らせることのできる範囲をストップスイッチの押されたタイミングから190msec以内(最大4図柄分)と予め決めており、下ライン上に到達した「スイカ」図柄から次に下ライン上に到達する「スイカ」図柄までの間隔が5図柄分以上離れている区間を設定しているためである。例えば中リール42Mでは、5番の「スイカ」図柄から9番の「スイカ」図柄までは3図柄分離れているのみである一方、9番の「スイカ」図柄から5番の「スイカ」図柄までは16図柄分離れている。このため、例えば中リール42Mの11番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達しているタイミングで中ストップスイッチ73が押された場合、仮に中リール42Mを4図柄分滑らせても「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。
スベリテーブル設定処理の説明に戻り、ステップS801にてBB当選フラグがセットされていると判定した場合には、さらにステップS804にて他の当選フラグがセットされているか否かを判定する。他の当選フラグがセットされていない場合にはBB当選フラグのみがセットされていることを意味するため、上述したステップS802〜ステップS803の処理を行い、本処理を終了する。一方、他の当選フラグがセットされている場合には、BB当選フラグを持ち越した状態で小役又は再遊技に当選したことを意味する。かかる場合にはステップS805に進み、セットされている当選フラグと一義的に対応する第2当選番号をRAM153の当選番号格納エリア153aにセットする。第2当選番号がセットされている場合には、BB当選フラグと、小役当選フラグ又は再遊技当選フラグの2つがセットされていることを意味する。続くステップS806では、第2当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルをRAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットし、本処理を終了する。このとき、本スロットマシン10では、BB当選フラグと他の当選フラグの少なくとも一方と対応する図柄が有効ライン上のいずれかに停止するよう設定されたスベリテーブルをセットする。具体的に説明すると、他の当選フラグが再遊技当選フラグである場合、「7」図柄より「リプレイ」図柄が優先して有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。一方、他の当選フラグが小役当選フラグである場合、「7」図柄が優先して有効ライン上に停止するように、且つ「7」図柄を有効ライン上に停止させられない場合は小役当選フラグと対応する図柄が有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。さらに、他の当選フラグが小役当選フラグたるベル当選フラグである場合には、上述した設定に加えて、「7」図柄と「ベル」図柄とを共に有効ライン上に停止させることが可能な場合、「7」図柄と「ベル」図柄が共に有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。
抽選処理の説明に戻り、スベリテーブル設定処理が終了した後、ステップS709では補助表示部15にて連続演出が行われているか否かを判定する。連続演出が行われていない場合にはステップS710に進み、連続演出設定処理を行う。ここで、連続演出とは、補助表示部15にて各リール42L,42M,42Rの回転開始段階から複数ゲーム(本実施形態では2ゲーム)にわたって所定の表示演出を行い、BB当選フラグがセットされていれば最終ゲームの全リール42L,42M,42R停止後にBB当選を示唆し、セットされていなければ全リール42L,42M,42R停止後にBB非当選を示唆する演出である。連続演出設定処理では、先ず、スタートレバー71が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数に基づいて連続演出を行うか否かの連続演出抽選を行う。連続演出抽選は、BB当選フラグの有無により当選確率が異なっており、BB当選フラグがセットされている場合の当選確率は約5分の1であり、セットされていない場合の当選確率は設定1の場合で約100分の1である。つまり、連続演出抽選の当選確率は、BBの当選有無に関わらずBB当選確率よりも高く設定されており、小役及び再遊技の当選有無と無関係に連続演出抽選が行われる。これは、通常時の遊技が単調化することを抑制するための工夫である。そして、連続演出抽選に外れた場合にはそのまま本処理を終了し、当選した場合には連続演出コマンドをセットして本処理を終了する。連続演出コマンドは表示制御装置111に対して送信されるコマンドであり、表示制御装置111は、当該コマンドを受信することにより、連続演出を開始させるべく補助表示部15の表示制御を開始する。また、補助表示部15にて連続演出が行われている場合には、ステップS711にて終了コマンドをセットする連続演出終了処理を行った後、本処理を終了する。終了コマンドは表示制御装置111に対して送信されるコマンドであり、表示制御装置111は、当該コマンドを受信することにより、BB当選を示唆するか否かを認識し、認識した結果と対応する表示結果で連続演出が終了するように補助表示部15を表示制御する。
次に、ステップS604のリール制御処理について、図20のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS901において各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。回転開始処理では、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、当該時間が経過するまで待機するウエイト処理を行った後に各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる。このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、直ちに各リール42L,42M,42Rが回転を開始しない場合がある。続くステップS902では、ストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を受信したか否かを判定し、停止指令が発生していない場合には停止指令が発生するまで待機する。但し、本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから所定の速度で定速回転するまでの期間を無効期間として設定しており、この無効期間内にストップスイッチ72〜74が押下操作されても、ストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を無効化する。ちなみに本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから0.5秒が経過するまでの期間を無効期間として設定している。
ステップS902にてストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS903に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否か、すなわち1つのリールのみが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。今回の停止指令が第3停止指令でない場合にはステップS904にてスベリテーブル第1変更処理を行う。
ここで、スベリテーブル第1変更処理について図21のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第1変更処理では、ステップS1001にて今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち全てのリールが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令である場合にはステップS1002〜ステップS1005に示す第1停止変更処理を行う。第1停止変更処理では、ステップS1002にていずれのストップスイッチが操作されたかを確認し、ステップS1003では、左ストップスイッチ72が操作されたか否かを判定する。そして、左ストップスイッチ72が操作された場合には、スベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。これは、先のスベリテーブル設定処理(図19参照)において、左ストップスイッチ72が最初に操作されることを想定してスベリテーブルを設定しているためである。一方、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合、想定された順序と異なる順序でストップスイッチが操作されたことを意味する。かかる場合にはステップS1004に進み、RAM153の当選番号格納エリア153aにセットされた当選番号を確認する。続くステップS1005では、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、当選番号及び操作されたストップスイッチと対応する変則押し用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。換言すれば、第1停止変更処理は、セットされている当選フラグの種別と、操作されたストップスイッチとに基づいてスベリテーブルを変更する処理であると言える。
ステップS1001にて今回の停止指令が第1停止指令でないと判定した場合には、当該停止指令が第2停止指令であること、すなわち1つのリールが停止している状況下でストップスイッチが押下操作されたことを意味する。かかる場合には、ステップS1006〜ステップS1009に示す第2停止変更処理を行う。第2停止変更処理では、先ずステップS1006において、第1停止指令時に操作されたストップスイッチと、第2停止指令時に操作されたストップスイッチ、すなわちストップスイッチの操作された順序を確認する。続くステップS1007では、第2停止指令時に操作されたストップスイッチと対応するストップ検出センサからON信号を受信したタイミングにおいて、下ライン上に何番の図柄が到達しているかを確認する。続くステップS1008では、下ライン上に到達している到達図柄が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄か否かを確認する。到達図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致した場合にはステップS1009に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。また、到達図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致しなかった場合にはそのまま本処理を終了する。換言すれば、第2停止変更処理は、スベリテーブルから導かれる当選フラグの種別と、ストップスイッチの操作タイミング(リールの停止開始位置)とに基づいてスベリテーブルを変更する処理であると言える。
ここで、スイカ当選フラグがセットされた場合を例として、第1停止変更処理と第2停止変更処理について説明する。スイカ当選フラグがセットされた場合、スベリテーブル設定処理では、左リール42Lの「スイカ」図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように、中リール42M及び右リール42Rの「スイカ」図柄が中ライン上に停止するように設定されたスベリテーブル(図18参照)がセットされる。
第1停止指令が左ストップスイッチ72ではなく中ストップスイッチ73であった場合、例えば9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達しているタイミングで中ストップスイッチ73が操作されると、図18に示すスベリテーブルでは9番の「スイカ」図柄ではなく11番の「リプレイ」図柄が下ライン上に停止する。つまり、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで中ストップスイッチ73が操作されたにも関わらず、「スイカ」図柄が有効ライン上に停止しない。第1停止変更処理では、かかる不具合の発生を回避すべく、下ライン上に9番の「スイカ」図柄が停止し得るスベリテーブルに変更する。より詳しくは、スベリテーブル設定処理でセットされるスベリテーブルと同様、各有効ライン上のいずれか(本実施形態では中ライン又は下ライン上)に中リール42Mの「スイカ」図柄が停止するスベリテーブルが予め用意されており、中ストップスイッチ73が操作された場合にはかかるスベリテーブルに変更する。第1停止指令が右ストップスイッチ74であった場合も同様である。
また、左リール42Lの上ライン上に「スイカ」図柄が停止している状況下で第2停止指令として右ストップスイッチ74が操作された場合、スイカ入賞を成立させるためには上ライン又は下ライン上に「スイカ」図柄が停止するよう右リール42Rを停止させる必要がある。一方、図18に示すスベリテーブルは右リール42Rの「スイカ」図柄を中ライン上に停止させるスベリテーブルであるため、「スイカ」図柄を上ライン及び下ライン上に停止させることはできない。したがって、第2停止変更処理では、下ライン上に到達している到達図柄を確認し、上ライン又は下ライン上のいずれかに「スイカ」図柄が停止し得るスベリテーブルに変更する。例えば、8番の「スイカ」図柄が中ライン上に到達したタイミングで右ストップスイッチ74が操作された場合、上ライン上に「スイカ」図柄を停止させることはできないため、下ライン上に8番の「スイカ」図柄を停止させるスベリテーブルに変更する。
リール制御処理の説明に戻り、スベリテーブル第1変更処理を行った後、または今回の停止指令が第3停止指令であった場合には、ステップS905にて下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。ステップS906では、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルから到達図柄と対応するスベリ量を算出し、ステップS907にて下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS908では到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS909にてリールを停止させるリール停止処理を行う。ステップS910では全てのリールが停止したか否かを判定し、全てのリールが停止していない場合にはステップS911にてスベリテーブル第2変更処理を行う。
ここで、スベリテーブル第2変更処理について図22のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第2変更処理では、ステップS1101にて現在停止しているリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1102では、停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号と一致しているか否かを判定する。一致しない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。一致した場合にはステップS1103に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。そして、スベリテーブル第2変更処理を行った後は、回転中のリールが存在するためステップS902に戻る。換言すれば、スベリテーブル第2変更処理は、スベリテーブルから導かれる当選フラグの種別と、リールの停止位置とに基づいてスベリテーブルを変更する処理であると言える。
具体例を説明すると、再遊技当選フラグがセットされた場合、スベリテーブル設定処理では、左リール42Lの「リプレイ」図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように、中リール42M及び右リール42Rの「リプレイ」図柄が中ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルがセットされる。このため、例えば左リール42Lの「リプレイ」図柄が上ライン上に停止した場合には、スベリテーブル第2変更処理において、上ライン又は右下がりライン上に再遊技入賞が成立するスベリテーブルに変更する。また、2つのリールを停止させた後のスベリテーブル第2変更処理では、どの有効ライン上に入賞図柄が2つ停止しているかを確認し、当選フラグがセットされている場合であれば全てのリールが停止した時に入賞図柄の組合せが成立し得るように、当選フラグがセットされていない場合であれば全てのリールが停止した時に入賞図柄の組合せが成立しないように、スベリテーブルを変更する。
また、スベリテーブル第2変更処理では、入賞を成立させる有効ラインを変更する場合の他、成立させるべき入賞図柄の組合せを変更する場合にもスベリテーブルを変更する。すなわち、BB当選フラグと小役当選フラグがセットされている場合には、有効ライン上に「7」図柄が停止しているか否かを判別し、「7」図柄が停止していない場合には、小役当選フラグと対応する入賞が成立し得るようにスベリテーブルを変更する。
なお、BB当選フラグが持ち越されていない場合、1つ目のリールを停止させた後に行われるスベリテーブル第2変更処理と、2つ目のリールを停止させる前に行われる第2停止変更処理(スベリテーブル第1変更処理)とは、入賞を成立させる有効ラインを中ラインから変更する処理という点で同じである。そこで、本スロットマシン10では、当選フラグの種別に応じて一方の処理のみを行う構成としている。具体的には、ベル入賞等の取りこぼしの発生しない当選フラグがセットされている場合にスベリテーブル第2変更処理を行い、スイカ入賞等の取りこぼしの発生し得る当選フラグがセットされている場合に第2停止変更処理を行うこととしている。これは、主制御装置131の処理負荷を軽減させつつ、取りこぼしの発生する機会を軽減させるための工夫である。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS910にて全てのリールが停止していた場合には、ステップS912に進み、払出判定処理を行って本処理を終了する。払出判定処理とは、入賞図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。具体的には、小役入賞が有効ライン上に成立しているか否かを判定し、小役入賞が有効ライン上に成立していないときには小役当選フラグをリセットすると共にRAM153の払出予定数格納エリアに0をセットする。小役入賞が有効ライン上に成立しているときには、その小役入賞が小役当選フラグと対応する図柄の組合せか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ13等によりエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに0をセットする。一致しているときには小役当選フラグをリセットすると共に、RAM153の払出予定数格納エリアに成立した役と対応する払出数をセットする。また、再遊技入賞が有効ライン上に成立した場合には、再遊技当選フラグをリセットすると共に払出予定数格納エリアに0をセットし、再遊技を可能とする再遊技処理を行う。再遊技処理では、かかるゲームのベット数を確認し、確認結果と同数のベット数を再度設定する処理を行う。従って、再遊技入賞が成立すると、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能となる。
次に、ステップS605のメダル払出処理について、図23のフローチャートに基づき説明する。
メダル払出処理では、先ずステップS1201にて払出数カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS1202にてクレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する。上限に達していないときには、ステップS1203,S1205にてクレジットカウンタのカウント値及び払出数をそれぞれ1加算する。その後、ステップS1206では、クレジット表示部35及び獲得枚数表示部37の枚数をそれぞれ1加算する表示部変更処理を行う。
一方、ステップS1202にてクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには、ステップS1204にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置91からメダル排出口17を介してメダル受け皿18へ払い出す。続くステップS1205ではホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサ91aのメダル検出信号に応じて払出数を1加算する。その後、ステップS1206にて獲得枚数表示部37の枚数を1加算する表示部変更処理を行う。ステップS1206にて表示部変更処理を行った後、再びステップS1201に戻る。ステップS1201で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS1207にて現在の遊技状態がボーナスゲームか否かを判定する。ボーナスゲームでない場合にはステップS1209に進み、払出終了処理を行った後に本処理を終了する。払出終了処理では、払出予定数格納エリアや払出数カウンタの値を0にリセットする。なお、獲得枚数表示部37の値は、次ゲームを開始すべくメダルがベットされたときにリセットされる。また、現在の遊技状態がボーナスゲームである場合には、ステップS1208にて後述する残獲得数カウンタのカウント値から払出数を減算すると共に、残獲得枚数表示部36の枚数を減算する処理を行う。その後、ステップS1209にて払出終了処理を行い、本処理を終了する。なお、残獲得枚数表示部36の枚数を減算する処理は、ステップS1206の表示部変更処理にて行ってもよい。
次に、ステップS606のボーナスゲーム処理について、図24のフローチャートに基づき説明する。
ボーナスゲーム処理の説明に先立ち、ボーナスゲームについて説明する。BBゲームは、複数回のRBゲームで構成されている。RBゲームは、12回のJACゲームで構成されている。JACゲームとは、JAC図柄の組合せが有効ライン上に揃う確率つまりJAC入賞成立の確率が非常に高いゲームである。RBゲームでJAC入賞が成立すると最大枚数(ここでは15枚)のメダルが払い出される。そして、JAC入賞が8回成立すると、JACゲームが12回行われる前であってもRBゲームが終了する。また、BBゲームは、メダル払出数が所定数(具体的には400枚)に達したことを以って終了する。そして、RBゲームの途中でメダル払出数が所定数に達した場合、BBゲームのみならずRBゲームも終了する。これは、BBゲーム中のメダル払出数に上限をもたせることにより遊技者の射幸心を抑え、遊技の健全性を担保するための工夫である。さらに、本実施の形態では、RBゲームに移行する図柄の組合せを設定しておらず、BBゲームに移行した直後及びRBゲームが終了した直後にRBゲームに移行する構成としている。故に、BBゲームとは、所定数のメダル払出が行われるまでRBゲームに連続して移行するゲームであるとも言える。
さて、ボーナスゲーム処理では、先ずステップS1301にて遊技状態がボーナスゲームか否かを判定する。ボーナスゲーム中でないときにはステップS1302〜ステップS1305に示すボーナス図柄判定処理を行う。
このボーナス図柄判定処理では、先ずステップS1302にてBB当選フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていないときにはそのまま本処理を終了する。BB当選フラグがセットされているときにはステップS1303に進み、今回有効ライン上にBB図柄の組合せが停止したか否かを判定し、BB図柄の組合せが停止していないときにはそのまま本処理を終了する。一方、今回有効ライン上にBB図柄の組合せが停止したときには、ステップS1304においてBB開始処理を行う。BB開始処理では、BB当選フラグをリセットすると共にBB設定フラグをセットしてボーナスゲームの1種であるBBゲームとする。また、BBゲーム中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残獲得数カウンタに400をセットすると共に、残獲得枚数表示部36に400を表示させる処理を行う。ちなみに、現在の遊技状態がボーナスゲームか否かの判定は、BB設定フラグのセット有無により判定している。続くステップS1305ではRB開始処理を行い、その後本処理を終了する。RB開始処理では、成立可能なJAC入賞回数をカウントするための残JAC入賞カウンタに8をセットすると共に、JACゲームの残りゲーム数をカウントするための残JACゲームカウンタに12をセットする。
ステップS1301で遊技状態がボーナスゲーム中のときには、ステップS1306に進み、JAC図柄の組合せが有効ライン上に停止したか否かを判定する。JAC図柄の組合せが有効ライン上に停止したときには、ステップS1307にて残JAC入賞カウンタの値を1減算する。その後、或いはステップS1306にてJAC図柄の組合せが有効ライン上に停止しなかったときには、JACゲームを1つ消化したことになるため、ステップS1308にて残JACゲームカウンタの値を1減算する。続いて、ステップS1309では残JAC入賞カウンタ又は残JACゲームカウンタのいずれかが0になったか否かを判定する。いずれかが0になっていたとき、つまりJAC入賞が8回成立したかJACゲームが12回消化されたときには、RBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1310にて残JAC入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタの値をリセットするRB終了処理を行う。続くステップS1311では、残獲得数カウンタのカウント値が0か否かを確認する。0でない場合には、BBゲーム中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BBゲームの終了条件が成立していないことを意味するため、ステップS1312に進み、先述したRB開始処理を行った後、本処理を終了する。
また、ステップS1309において残JAC入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタのいずれの値も0になっていないとき、つまりJAC入賞がまだ8回成立しておらずJACゲームも12回消化されていないときには、ステップS1313に進み、残獲得数カウンタのカウント値が0か否かを確認する。0でない場合には、BBゲーム中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BBゲームの終了条件が成立していないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、残獲得数カウンタのカウント値が0である場合には、BBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1314〜ステップS1315に示す特別遊技状態終了処理を行う。特別遊技状態終了処理では、先ずステップS1314において、先述したRB終了処理を行う。その後、ステップS1315にてBB設定フラグや各種カウンタなどを適宜リセットしたりエンディング処理を行ったりするBB終了処理を行い、本処理を終了する。また、前記ステップS1311にて残獲得数カウンタのカウント値が0である場合にも、BBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1315にてBB終了処理を行い、本処理を終了する。
次に、本実施の形態では、各リール42L,42M,42Rに付された図柄の配列順序に特徴を有するので、図7の左リール42Lを参照しながら説明する。
左リール42Lには、「リプレイ」図柄、「ベル」図柄、「青年」図柄、「7」図柄、「チェリー」図柄、「チャンス」図柄、「スイカ」図柄、「リーチ」図柄、「ラッキー」図柄の9種類が付されている。
小役入賞となる図柄の組合せを形成する「ベル」図柄と、再遊技入賞となる図柄の組合せを形成する「リプレイ」図柄は、下ライン上に先に到達する図柄と次に到達する同種の図柄との間が4図柄以下となるように配置されている。例えば、7番の「ベル」図柄と10番の「ベル」図柄との間は2図柄離れるようにして、19番の「ベル」図柄と2番の「ベル」図柄との間は4図柄離れるようにして配置されている。左リール42Lは、左ストップスイッチ72の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができるため、かかる図柄配列とすることにより、左ストップスイッチ72が如何なるタイミングで操作された場合であっても、ベル当選フラグ又はリプレイ当選フラグがセットされていれば「ベル」図柄及び「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させることができる。具体的には、11番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達するタイミング、すなわち「ベル」図柄が下ライン上を通過した後のタイミングでストップスイッチ72が操作された場合であっても、左リール42Lを4図柄分滑らせることにより、15番の「ベル」図柄を下ライン上に停止させることができる。
一方、小役入賞となる図柄の組合せを形成する「スイカ」図柄は、9番の位置に1つだけ配置されている。従って、例えば「スイカ」図柄が下ライン上に到達してから次に下ライン上に到達するまでには、左リール42Lが20図柄分回転する必要がある。但し、左リール42Lは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、「スイカ」図柄が下ライン上を通過した後のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。換言すれば、所定のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合に限って「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることができるよう、10番の「ベル」図柄から左リール42Lの回転する側に向かって8番の「リプレイ」図柄までの間に、「スイカ」図柄が配置されない非配置区間を形成したとも言える。ちなみに、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させるためには、3番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。なお、下ライン上に「スイカ」図柄を停止させるためには、5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達してから9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72が操作されなければならないが、表示窓32Lから3個の図柄が視認可能であって、各位置について有効ラインが設定される構成においては、3番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達したタイミングで左ストップスイッチ72が操作されたとしても、9番の「スイカ」図柄を上ライン上に停止させることができる。
「チェリー」図柄は、5番と13番の2カ所に配置されている。従って、5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達してから次に13番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでには、左リール42Lが8図柄分回転する必要がある。同様に、13番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達してから次に5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでには、左リール42Lが13図柄分回転する必要がある。但し、左リール42Lは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、「チェリー」図柄が下ライン上を通過した後のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合、「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。換言すれば、所定のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合に限って「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させることができるよう、6番の「リーチ」図柄から12番の「チャンス」図柄までの間と、14番の「青年」図柄から左リール42Lの回転する側に向かって4番の「チャンス」図柄までの間に、「チェリー」図柄が配置されない非配置区間を形成したとも言える。ちなみに、「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させるためには、20番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間、又は7番の「ベル」図柄が下ライン上に到達してから13番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。
さらに、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄は、3図柄分離れるようにして配置されている。すなわち、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄は、5図柄の範囲内に配置されている。これは、リールの停止態様として5パターンを有するスロットマシン10において、小役入賞及び再遊技入賞の全てに対応できる位置を設定するための工夫であり、左ストップスイッチ72の操作タイミングをより限定するための工夫である。換言すれば、5番の「チェリー」図柄から9番の「スイカ」図柄までの間と、9番の「スイカ」図柄から13番の「チェリー」図柄までの間に、小役入賞及び再遊技入賞となる図柄を有効ライン上に停止させることができる区間を形成したとも言える。また、かかる構成においては、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄のいずれか一方の図柄が有効ライン上に停止した場合、他方の図柄は有効ライン上に停止しない。従って、所定のタイミングで左ストップスイッチ72を操作しなければ有効ライン上に停止しない「スイカ」図柄と「チェリー」図柄で役の複合が発生することを回避でき、予め用意するスベリテーブル数を削減することが可能となると共に主制御装置131の記憶容量を低減させることが可能となる。「スイカ」図柄と「チェリー」図柄が共に有効ライン上に停止する図柄配列とした場合、第1停止指令として左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合に、役の複合が発生しないよう例えば停止位置を限定する等の制御が必要となり、複数のスベリテーブルを予め用意する必要が生じるからである。ここで、役の複合とは、例えば上ライン上で「スイカ」図柄を揃えようとしたときに左リール42Lの「チェリー」図柄が下ライン上に停止する場合のように、複数の入賞が同時に発生する場合をいう。
加えて、「チェリー」図柄の上下には、入賞と関与しない無特典図柄としての「チャンス」図柄、「リーチ」図柄、「青年」図柄が配置されている。これは、「ベル」図柄等の図柄の組合せによって入賞が成立するものと、左リール42L単独で入賞が成立する「チェリー」図柄とで役の複合が発生することを抑制するための工夫であり、かかる構成とすることにより、予め用意するスベリテーブル数を削減することが可能となると共に、主制御装置131の記憶容量を低減させることが可能となる。第1停止指令として左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合、役の複合を回避させるべく例えば「ベル」図柄等の組合せ図柄の停止する有効ラインを限定する必要が生じるが、「チェリー」図柄と少なくとも1図柄分離れて配置されているため、停止させる位置に制約を受けることを抑制することが可能となり、予め用意するスベリテーブル数の増加を抑制することが可能となるからである。この他、「7」図柄の上流側には「青年」図柄が配置されており、20番の「リプレイ」図柄と2番の「ベル」図柄との間には無特典図柄としての「ラッキー」図柄が配置されている。これら無特典図柄は、停止出目が単調化することを抑制するための工夫である。仮に特典と関与する図柄のみからなる図柄配列とした場合、本実施形態では5種類の図柄しか各リール42L,42M,42Rに配置することができず、停止出目が単調化する可能性があるからである。ちなみに、9種類の図柄全てを特典と関与する図柄とした場合、各リール42L,42M,42Rの滑り数が予め決められている中で、取りこぼしの発生する頻度が高まることが懸念される。
以上の通り、「ベル」図柄及び「リプレイ」図柄は、左ストップスイッチ72が如何なるタイミングで操作された場合であっても有効ライン上に停止させることができる。「スイカ」図柄は、3番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72が操作されれば、有効ライン上に停止させることができる。「チェリー」図柄は、20番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間、又は7番の「ベル」図柄が下ライン上に到達してから13番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72が操作されれば、有効ライン上に停止させることができる。つまり、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を有効ライン上に停止させるためには、3番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間、又は7番の「ベル」図柄が下ライン上に到達してから9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。換言すれば、5番の「チェリー」図柄又は9番の「スイカ」図柄が有効ライン上に到達している間に左ストップスイッチ72が操作されれば、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を有効ライン上に停止させることができるとも言える。
状態移行図柄としての「7」図柄は、17番の位置に1つだけ配置されている。従って、例えば「7」図柄が下ライン上に到達してから次に下ライン上に到達するまでには、左リール42Lが20図柄分回転する必要がある。但し、左リール42Lは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、「7」図柄が下ライン上を通過した後のタイミングでストップスイッチ72が操作された場合、「7」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。「7」図柄を有効ライン上に停止させるためには、11番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから17番の「7」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。一方、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を有効ライン上に停止させるためには、5番の「チェリー」図柄又は9番の「スイカ」図柄が有効ライン上に到達している間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。つまり、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には「7」図柄が有効ライン上に停止せず、「7」図柄を有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には、小役入賞及び再遊技入賞となる図柄のいずれかが有効ライン上に停止しない。「7」図柄は、5番の「チェリー」図柄に対して左リール42Lの回転する上流側に11図柄分離れると共に下流側に8図柄分離れており、9番の「スイカ」図柄に対して上流側に7図柄分離れると共に下流側に12図柄分離れているからである。
また、「7」図柄は、「スイカ」図柄及び「チェリー」図柄の非配置区間に配置されているとも言える。具体的に説明すると、「7」図柄は、13番の「チェリー」図柄から3図柄分離れており、9番の「スイカ」図柄から7図柄分離れており、5番の「チェリー」図柄から11図柄分離れている。また、5番の「チェリー」図柄は、「7」図柄から8図柄分離れている。従って、「7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、「スイカ」図柄及び「チェリー」図柄が有効ライン上に停止しない。かかる構成とすることにより、所定のタイミングで左ストップスイッチ72を操作しなければ有効ライン上に停止しない「スイカ」図柄又は「チェリー」図柄と「7」図柄で役の複合が発生することを回避でき、予め用意するスベリテーブル数を削減することが可能となると共に、主制御装置131の記憶容量を軽減させることが可能となる。
なお、中リール42M及び右リール42Rについても、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を有効ライン上に停止させるべくストップスイッチ73,74を操作した場合には「7」図柄が有効ライン上に停止せず、「7」図柄を有効ライン上に停止させるべくストップスイッチ73,74を操作した場合には、小役入賞及び再遊技入賞となる図柄のいずれかが有効ライン上に停止しない図柄配列となっている。但し、中リール42M及び右リール42Rについては、「チェリー」図柄が入賞と関与しない無特典図柄であるため、有効ライン上に停止させるべく所定のタイミングでストップスイッチ73,74を操作する必要のある図柄は、「スイカ」図柄と「7」図柄である。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
各リール42L,42M,42Rに「7」図柄を1つずつ配置する構成とすることにより、BB当選となった場合に、遊技者はBB図柄の組合せが有効位置に停止するよう各ストップスイッチ72〜74を操作する必要が生じ、遊技に積極参加できるというスロットマシン10の特徴を高めることが可能となる。また、BB当選はBB入賞が成立するまで持ち越される構成とすることにより、BB当選となったにも関わらずBBゲームに移行することなく当選結果が無効とされ、遊技者が不利益を被ることを抑制することが可能となる。さらにいうと、各リール42L,42M,42Rに「7」図柄が1つずつしか配置されていない場合、BB図柄の組合せが有効ライン上に停止する可能性が複数配置されている場合と比して低くなるが、BB当選が持ち越される構成とすることにより、遊技者が不利益を被ることを抑制することが可能となる。加えて、各リール42L,42M,42Rに配置される「7」図柄の数を1つに限定することにより、複数種の図柄がリールに配置される構成において、「ベル」図柄等の「7」図柄と異なる図柄を各リール42L,42M,42Rに比較的自由に配置することが可能となり、図柄配列の設計自由度を高めることが可能となる。この結果、各リール42L,42M,42Rの図柄配列をバリエーションに富んだものとすることが可能となり、各リール42L,42M,42Rが停止した際に表示窓32L,32M,32Rから視認可能となる図柄配列すなわち停止出目が単調化することを抑制することが可能となる。
「ベル」図柄と「リプレイ」図柄を、各ストップスイッチ72〜74が如何なるタイミングで操作された場合であっても有効ライン上に停止させることができるように配置する一方、「スイカ」図柄と「チェリー」図柄を、各ストップスイッチ72〜74が所定のタイミングで操作された場合に限り有効ライン上に停止させることができるように配置することにより、BB当選していない状況下においても「スイカ」図柄及び「チェリー」図柄が有効ライン上に停止するよう狙って各ストップスイッチ72〜74を操作することを促すことが可能となり、遊技者が遊技に積極参加できるというスロットマシン10の特徴を高めることが可能となる。
各ストップスイッチ72〜74を所定のタイミングで操作しなければ有効ライン上に停止しない「7」図柄と「スイカ」図柄を、同時に有効ライン上に停止しない図柄配列とすることにより、スイカ入賞に当選したにも関わらずスイカ入賞を取りこぼす機会を低減させることが可能となる。仮に「7」図柄と「スイカ」図柄が有効ライン上に同時に停止する図柄配列とした場合、遊技者はBBゲームに移行することを期待しながら遊技を行うことが一般的であるため、「スイカ」図柄ではなく「7」図柄が有効ライン上に停止するように他のストップスイッチを操作すると想定されるからである。このことは、各リール42L,42M,42Rに「7」図柄が1つずつしか配置されていない場合、より顕著なものとなる。各リール42L,42M,42Rに「7」図柄が複数配置されている場合と比して、「7」図柄の有効ライン上に停止する確率が低下するからである。
「7」図柄と「スイカ」図柄を少なくとも6図柄分離して配置することにより、「7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングでストップスイッチが操作された場合には「スイカ」図柄が有効ライン上に停止せず、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングでストップスイッチが操作された場合には「7」図柄が有効ライン上に停止しない構成とすることができる。かかる場合、仮にBB当選フラグが持ち越されている状況下でスイカ当選フラグもセットされていることを遊技者が認識したとしても、いずれの入賞を成立させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作するのかを遊技者に選択させることが可能となり、遊技者が不快感を抱く可能性を軽減させつつ特別遊技状態への移行が遅延されることを抑制させることが可能となる。また、「7」図柄と「チェリー」図柄が有効ライン上に同時に停止しない図柄配列とすることにより、BB入賞に当選したにも関わらずBBゲームへの移行が遅延されることを低減させることが可能となる。「7」図柄と「チェリー」図柄で役の複合が発生しないからである。
「7」図柄と「スイカ」図柄及び「7」図柄と「チェリー」図柄が有効ライン上に同時に停止しない構成とすることにより、予め記憶させておくスベリテーブルの数を低減させることが可能となり、データ量の増加を抑制させることが可能となる。スベリテーブルに基づいてリールの停止制御を行う場合、セットされた当選フラグの種別に応じて、さらに設定される有効ラインの数に応じて種々のスベリテーブルを予め記憶しておく必要があり、データ量が多大なものとなる可能性が懸念される。しかしながら、BB当選フラグとスイカ当選フラグ又はBB当選フラグとチェリー当選フラグがセットされている状況下で一方の図柄が有効ライン上に停止し得るよう停止制御を行う構成の場合、第2停止指令以降の停止制御を行うためのスベリテーブルとして特別なスベリテーブルを別途記憶させずとも、BB当選フラグのみがセットされた場合やスイカ又はチェリー当選フラグがセットされた場合に用いるスベリテーブルを流用することが可能である。故に、BB当選フラグ及び小役当選フラグがセットされた場合に用いるスベリテーブルの数を低減させることが可能となり、データ量の増加を抑制させることが可能となる。
また、BB当選フラグが持ち越されている状況下で小役当選フラグがセットされた場合、小役入賞よりBB入賞が優先して成立するようなスベリテーブルをセットすることにより、BB当選したにも関わらず小役入賞を成立させる制御が優先され、BBゲームへの移行が遅延されることを抑制することが可能となる。特に、スイカ入賞やチェリー入賞は、ストップスイッチの操作されたタイミングによって取りこぼす可能性がある。従って、これら小役入賞を優先して成立させる制御とした場合、図柄を狙ってストップスイッチを操作する技量に乏しい遊技者が、BB入賞のみならず小役入賞をも取りこぼし、所有するメダルをいたずらに減少させてしまう可能性が懸念される。また、各リール42L,42M,42Rには「7」図柄が1つずつしか配置されていないため、有効ライン上に「7」図柄が停止するタイミングで各ストップスイッチ72〜74を操作できない可能性もある。従って、BB入賞を優先して成立させる制御とすることにより、BBゲームへの移行が遅延されることを抑制すると共にメダルの減少を抑制させることが可能となる。
各リール42L,42M,42Rに「7」図柄を1つずつ配置する構成とすることにより、スイカ入賞及びチェリー入賞が成立し得るタイミングで各ストップスイッチ72〜74が操作された場合に「7」図柄が有効ライン上に停止しない構成において、小役図柄や再遊技図柄を配置する際に受ける制約を軽減させることが可能となり、各リール42L,42M,42Rに付される図柄配列の設計自由度を高めることが可能となる。また、スイカ入賞又はチェリー入賞の一方を取りこぼすタイミングで各ストップスイッチ72〜74が操作された場合に、意図せず有効ライン上に「7」図柄が停止する機会を低減させることが可能となり、折角用意した連続演出が無駄なものとなる機会を軽減させることが可能となる。
次に、スベリテーブルの変更方法が異なる第2実施形態について説明する。なお、基本構成は上記実施形態と同様のため、第2実施形態の特徴であるリール制御処理について詳細を説明する。
リール制御処理について、図20のフローチャートに基づき説明する。なお、理解を容易なものとするため、ここでは実際のゲームの進行に即して説明すると共に図7の図柄配列を適宜参照しながら説明することとする。
リール制御処理では、先ずステップS901において各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。回転開始処理では、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、当該時間が経過するまで待機するウエイト処理を行った後に各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる。このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、直ちに各リール42L,42M,42Rが回転を開始しない場合がある。続くステップS902では、ストップスイッチ72〜74のいずれかが操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を受信したか否かを判定し、停止指令が発生していない場合には停止指令が発生するまで待機する。但し、本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから所定の速度で定速回転するまでの期間を無効期間として設定しており、この無効期間内にストップスイッチ72〜74が操作されても、ストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を無効化する。ちなみに本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから0.5秒が経過するまでの期間を無効期間として設定している。
ステップS902にてストップスイッチ72〜74のいずれかが操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS903に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否か、すなわち1つのリールのみが回転しているときにストップスイッチが操作されたか否かを判定する。全リール42L,42M,42Rが回転しているときにストップスイッチ72〜74のいずれかが操作された場合、今回の停止指令は第1停止指令であることを意味する。かかる場合にはステップS903にて否定判定を行い、ステップS904にてスベリテーブル第1変更処理を行う。スベリテーブル第1変更処理とは、停止指令の発生に基づいてリールを停止させる前に行うスベリテーブルの変更処理である。
スベリテーブル第1変更処理では、図25のフローチャートに示すように、ステップS1401にて今回の停止指令が第1停止指令か否かを判定する。今回の停止指令は第1停止指令であるため、ステップS1402〜ステップS1408に示す第1停止変更処理を行う。第1停止変更処理では、ステップS1402にていずれのストップスイッチが操作されたかを確認し、ステップS1403では、操作されたストップスイッチが左ストップスイッチ72か否かを判定する。そして、左ストップスイッチ72が操作されていた場合には、スベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。これは、先のスベリテーブル設定処理(図19参照)において、左ストップスイッチ72が最初に操作されることを想定してスベリテーブルをセットしているためである。
一方、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合、想定された順序(すなわち左ストップスイッチ72→中ストップスイッチ73→右ストップスイッチ74の順序)と異なる順序でストップスイッチが操作されたことを意味する。かかる場合にはステップS1404に進み、RAM153の当選番号格納エリア153aにセットされた当選番号を確認する。続くステップS1405では、確認した当選番号から再遊技に当選しているか否かを把握する。具体的には、確認した当選番号が、再遊技当選を意味する第1当選番号又は再遊技当選とBB当選を意味する第2当選番号か否かを判定する。再遊技に当選している場合にはステップS1406に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、再遊技入賞を成立させるための入賞確定用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。ここで、入賞確定用スベリテーブルとは、セットされた当選フラグと対応する入賞が成立しない所謂取りこぼしの発生を回避するためのスベリテーブルである。
図26は、再遊技当選している場合にセットされる入賞確定用スベリテーブルである。かかるスベリテーブルでは、左リール42Lの「リプレイ」図柄が上ライン上に停止し、中リール42Mの「リプレイ」図柄が中ライン上に停止し、右リール42Rの「リプレイ」図柄が下ライン上に停止するように設定されている。すなわち、再遊技当選時の入賞確定用スベリテーブルは、再遊技入賞が右下がりライン上に成立するように設定されている。これは、役の複合が発生することを回避させつつ再遊技入賞を成立させるための工夫である。左リール42Lの「チェリー」図柄はその図柄単独で入賞を成立させることが可能な図柄であるため、左ストップスイッチ72が最初に操作されなかった場合、再遊技入賞等の図柄の組合せによって入賞が成立するものと、左リール42L単独で入賞が成立するチェリー入賞とで役の複合が発生し得る。具体的には、中リール42Mと右リール42Rの「リプレイ」図柄が下ライン上に停止している状況下で左リール42Lの3番図柄たる「リプレイ」図柄を下ライン上に停止させた場合、上ライン上に5番図柄たる「チェリー」図柄が停止するため、再遊技入賞とチェリー入賞が同時に成立する役の複合が発生してしまう。しかしながら、先の抽選処理において再遊技とチェリーに共に当選することはないため、役の複合が発生する矛盾を回避させる必要がある。そこで、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には右下がりライン上に再遊技入賞が成立する入賞確定用スベリテーブルをセットすることにより、役の複合を回避させつつ再遊技入賞を成立させることが可能となる。
ステップS1405にて再遊技当選していないと判定した場合、ステップS1407にてベル当選のみしているか否か、具体的にはステップS1404にて確認した当選番号がベル当選を意味する第1当選番号と一致するか否かを確認する。そして、ベルにのみ当選していた場合、上述したステップS1406に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、ベル入賞を成立させるための入賞確定用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。詳細な説明は省略するが、ベル当選時の入賞確定用スベリテーブルは、ベル入賞が中ライン上に成立するように設定されている。これは、役の複合が発生することを回避させつつベル入賞を成立させるための工夫である。例えば、中リール42Mと右リール42Rの「ベル」図柄が上ライン上に停止している状況下で左リール42Lの7番図柄たる「ベル」図柄を上ライン上に停止させた場合、下ライン上に5番図柄たる「チェリー」図柄が停止するため、ベル入賞とチェリー入賞が同時に成立する役の複合が発生してしまう。しかしながら、先の抽選処理においてベルとチェリーに共に当選することはないため、役の複合が発生する矛盾を回避させる必要がある。そこで、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には中ライン上にベル入賞が成立する入賞確定用スベリテーブルをセットすることにより、役の複合を回避させつつベル入賞を成立させることが可能となる。
ステップS1407にて否定判定をした場合、すなわちBB等の再遊技とベル以外の役に当選した場合又はいずれの役にも当選していない場合には、ステップS1408に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、当選番号及び操作されたストップスイッチと一義的に対応する変則押し用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。本スロットマシン10では、スベリテーブル設定処理にてセットされるスベリテーブルと同様、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置を複数設定されたスベリテーブルが、中リール42M及び右リール42Rについてもそれぞれ用意されている。そして、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が左リール42Lに複数設定されたスベリテーブルから、操作されたストップスイッチと対応するリールに複数設定されたスベリテーブルに変更する。これは、取りこぼしの発生頻度を低減させるための工夫である。図18に示すスベリテーブルを例に説明すると、例えば中リール42Mの9番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達しているタイミングで中ストップスイッチ73が操作された場合、かかるスベリテーブルでは12番の「青年」図柄が下ライン上に停止し、「スイカ」図柄が有効ライン上に停止しない。つまり、図18に示すスベリテーブルに基づいて中リール42Mを停止させた場合、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで中ストップスイッチ73が操作されたにも関わらず、スイカ入賞を取りこぼしてしまうこととなる。そこで、かかる不具合の発生を抑制すべく、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には、変則押し用スベリテーブルに変更することとしている。
スベリテーブル第1変更処理が終了した後、ステップS905では、かかるタイミングで下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS906では、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルのうち、到達図柄と対応する図柄番号の圧縮データから今回停止させるべきリールのスベリ量を算出し、ステップS907にて下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS908では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS909にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。そして、ステップS910では、全てのリールが停止したか否かを判定する。第1停止指令に基づいて上述したステップS903〜ステップS909の処理を行った場合、未だに2つのリールは回転中である。かかる場合にはステップS910にて否定判定を行い、続くステップS911にてスベリテーブル第2変更処理を行う。スベリテーブル第2変更処理とは、リールを停止させた後に行うスベリテーブルの変更処理である。
ここで、スベリテーブル第2変更処理について図27のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第2変更処理では、ステップS1501にて現在セットされているスベリテーブルが入賞確定用スベリテーブルか否かを判定し、入賞確定用スベリテーブルである場合にはそのまま本処理を終了する。入賞確定用スベリテーブルでない場合にはステップS1502に進み、RAM153の当選番号格納エリア153aにセットされた当選番号を確認する。続くステップS1503では確認した当選番号が第2当選番号か否かを判定し、第2当選番号でないと判定した場合にはステップS1504にて現在停止しているリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1505では、停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号と一致しているか否かを判定し、一致していない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。停止図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致している場合にはステップS1506に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。本スロットマシン10では、スベリテーブル設定処理にてセットされるスベリテーブルと同様、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置を複数設定されたスベリテーブルが、中リール42M及び右リール42Rについてもそれぞれ用意されている。そして、第1停止指令に基づいて停止させたリールの停止図柄に応じて、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が回転中の他のリールについて複数設定されたスベリテーブルに変更する。これは、各表示窓32L,32M,32Rから視認可能な範囲に停止する図柄配列(以下、「停止出目」と言う)が単調化することを抑制するための工夫である。
例えば図18に示すスベリテーブルに基づいて左リール42Lと中リール42Mを停止させる構成とした場合、左リール42Lの「スイカ」図柄は上ライン又は下ライン上に停止する一方、中リール42Mの「スイカ」図柄は中ライン上にしか停止しない。ところが、左リール42Lの「スイカ」図柄が上ライン上に停止した場合、中リール42Mの「スイカ」図柄が中ラインではなく上ライン上に停止してもスイカ入賞の成立する余地が残る。同様に、左リール42Lの「スイカ」図柄が下ライン上に停止した場合、中リール42Mの「スイカ」図柄が中ラインではなく下ライン上に停止してもスイカ入賞の成立する余地が残る。つまり、図18に示すスベリテーブルに基づいて左リール42Lと中リール42Mを停止させる構成とした場合、中リール42Mの停止出目が過剰に制約を受けることとなる。そこで本スロットマシン10では、停止したリールの停止図柄を確認し、確認結果に応じたライン変更用スベリテーブルに変更することとしている。具体的には、左リール42Lの7番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止し、9番図柄たる「スイカ」図柄が上ライン上に停止した場合、上ライン又は中ライン上に中リール42Mの「スイカ」図柄が停止するよう設定されたスベリテーブルに変更する。また、左リール42Lの9番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に停止した場合、中ライン又は下ライン上に中リール42Mの「スイカ」図柄が停止するよう設定されたスベリテーブルに変更する。
ちなみに、本スロットマシン10では、停止図柄と変更図柄が一致した場合、以下に示すようなスベリテーブルに変更する。左リール42Lが停止している場合、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が中リール42Mについて複数設定されたスベリテーブルに変更し、中リール42Mが停止している場合、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が右リール42Rについて複数設定されたスベリテーブルに変更し、右リール42Rが停止している場合、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が左リール42Lについて複数設定されたスベリテーブルに変更する。
一方、ステップS1503にて肯定判定をした場合、すなわち確認した当選番号が第2当選番号であった場合、ステップS1507では、BB以外の当選が再遊技か否かを判定し、再遊技であった場合には上述したステップS1504〜ステップS1506の処理を行い、本処理を終了する。また、BB以外の当選が小役当選である場合には、ステップS1508にて第2当選番号時処理を行い、本処理を終了する。
第2当選番号時処理では、図28のフローチャートに示すように、ステップS1601にてBB以外の当選がベル当選か否かを判定する。ベル当選であった場合にはステップS1602に進み、BB入賞及びベル入賞が共に成立する可能性があるか否かを判定する。具体的には、現在停止しているリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認し、有効ライン上に「7」図柄と「ベル」図柄が共に停止しているか否かを判定する。例えば、第1停止指令に基づいて左リール42Lの15番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止した場合、17番図柄たる「7」図柄が上ライン上に停止することとなる。従って、第1停止指令に基づいて左リール42Lが停止した段階では、BB入賞、ベル入賞共に成立する可能性がある。かかる場合にはステップS1603に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、「7」図柄及び「ベル」図柄を共に有効ライン上に停止させることが可能に設定された同時成立用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。具体的には、第1停止指令に基づいて左リール42Lの15番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止した場合、中リール42Mの14番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルに変更し、第1停止指令に基づいて中リール42Mの14番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止した場合、左リール42Lの15番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルに変更する。なお、これら同時成立用スベリテーブルは、「7」図柄と「ベル」図柄を共に有効ライン上に停止させることが不可能な場合、「7」図柄を有効ライン上に停止させるように、さらに「7」図柄を有効ライン上に停止させることが不可能な場合、「ベル」図柄を有効ライン上に停止させるように設定されている。
ステップS1602において否定判定をした場合、続くステップS1604ではBB入賞の成立する可能性があるか否か、すなわち有効ライン上に「7」図柄が停止しているか否かを判定する。有効ライン上に「7」図柄が停止している場合にはステップS1605に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、「7」図柄が有効ライン上に停止するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。また、ステップS1604にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1606に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、「ベル」図柄が有効ライン上に停止するように設定されたベル入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
ステップS1601にてBB当選以外の当選役がベルでなかった場合には、当該当選役がスイカ又はチェリーであることを意味する。かかる場合にはステップS1607に進み、BB入賞の成立する可能性があるか否か、すなわち有効ライン上に「7」図柄が停止しているか否かを判定する。有効ライン上に「7」図柄が停止している場合にはステップS1608に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、「7」図柄が有効ライン上に停止するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。また、ステップS1607にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1609に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、BB以外の当選役と対応する図柄(「スイカ」図柄又は「チェリー」図柄)が有効ライン上に停止するように設定された小役入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
以上のように、第1停止指令に基づいて対応するリールを停止させると共にスベリテーブル第2変更処理を行った場合、ステップS902に戻り、回転中のリールと対応するストップスイッチのいずれかが操作されて次の停止指令が発生するまで待機する。
ステップS902にて回転中のリールと対応するストップスイッチのいずれかが操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS903に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否かを判定する。いずれか1つのリールが停止しているときにストップスイッチが操作された場合、今回の停止指令は第2停止指令であることを意味する。かかる場合にはステップS903にて否定判定を行い、ステップS904にてスベリテーブル第1変更処理を行う。
スベリテーブル第1変更処理では、図25のフローチャートに示すように、ステップS1401にて今回の停止指令が第1停止指令か否かを判定する。今回の停止指令は第2停止指令であるため、ステップS1409〜ステップS1414に示す第2停止変更処理を行う。第2停止変更処理では、ステップS1409にて現在セットされているスベリテーブルが入賞確定用スベリテーブルか否かを判定し、入賞確定用スベリテーブルである場合にはそのまま本処理を終了する。入賞確定用スベリテーブルでない場合にはステップS1410に進み、第1停止指令及び第2停止指令がいずれのストップスイッチ72〜74に対してどのような順序でなされたかを確認する。続くステップS1411では、確認結果が左ストップスイッチ72→中ストップスイッチ73の順に操作される順押し操作であったか否かを判定し、順押し操作であった場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。これは、先のスベリテーブル第2変更処理において、左ストップスイッチ72が最初に操作された場合は次に中ストップスイッチ73が操作されることを想定したスベリテーブルに変更しているためであり、スベリテーブル第2変更処理においてスベリテーブルを変更していない場合であっても、先のスベリテーブル設定処理において中リール42Mの当選フラグと対応する図柄が中ライン上に停止するスベリテーブルをセットしているためである。
ステップS1411において順押し操作でないと判定した場合にはステップS1412に進み、第1停止指令に基づいて停止したリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1413では、停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号と一致しているか否かを判定し、一致しない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。停止図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致した場合にはステップS1414に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。具体的には、第1停止指令に基づいて停止させたリールの停止図柄に応じて、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が第2停止指令に基づいて停止させるリールについて複数設定されたスベリテーブルに変更する。例えば、スイカ当選フラグがセットされ、左リール42Lの「スイカ」図柄が上ライン上に停止している状況下で右ストップスイッチ74が第2停止指令として操作された場合、スイカ入賞を成立させるためには右リール42Rの「スイカ」図柄を上ライン又は下ライン上に停止させればよい。そこで、左ストップスイッチ72→右ストップスイッチ74の順にストップスイッチが操作された場合には、右リール42Rの「スイカ」図柄が上ライン又は下ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルに変更する。
スベリテーブル第1変更処理が終了した後、ステップS905では、かかるタイミングで下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS906では、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルのうち、到達図柄と対応する図柄番号の圧縮データから今回停止させるべきリールのスベリ量を算出し、ステップS907にて下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS908では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS909にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。そして、ステップS910では、全てのリールが停止したか否かを判定する。第2停止指令に基づいて上述したステップS903〜ステップS909の処理を行った場合、未だに1つのリールが回転中である。かかる場合にはステップS910にて否定判定を行い、続くステップS911にてスベリテーブル第2変更処理を行う。
ここで、スベリテーブル第2変更処理について図27のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第2変更処理では、ステップS1501にて現在セットされているスベリテーブルが入賞確定用スベリテーブルか否かを判定し、入賞確定用スベリテーブルである場合にはそのまま本処理を終了する。入賞確定用スベリテーブルでない場合にはステップS1502に進み、RAM153の当選番号格納エリア153aにセットされた当選番号を確認する。続くステップS1503では確認した当選番号が第2当選番号か否かを判定し、第2当選番号でないと判定した場合にはステップS1504にて現在停止している2つのリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1505では、各停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号とそれぞれ一致しているか否かを判定し、少なくとも一方が一致していない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。各停止図柄の図柄番号と各変更図柄の図柄番号が共に一致した場合にはステップS1506に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。例えば、スイカ当選フラグがセットされている状況下で左リール42Lの「スイカ」図柄が上ライン上、中リール42Mの「スイカ」図柄が中ライン上に停止した場合、右リール42Rの「スイカ」図柄が下ライン上に停止するスベリテーブルに変更する。
一方、ステップS1503にて肯定判定をした場合、すなわち確認した当選番号が第2当選番号であった場合、ステップS1507では、BB以外の当選が再遊技か否かを判定し、再遊技であった場合には上述したステップS1504〜ステップS1506の処理を行い、本処理を終了する。また、BB以外の当選が小役当選である場合には、ステップS1508にて第2当選番号時処理を行い、本処理を終了する。
第2当選番号時処理では、図28のフローチャートに示すように、ステップS1601にてBB以外の当選がベル当選か否かを判定する。ベル当選であった場合にはステップS1602に進み、BB入賞及びベル入賞が共に成立する可能性があるか否かを判定する。具体的には、現在停止している2つのリールの下ライン上に停止した各停止図柄の図柄番号を確認し、有効ライン上に「7」図柄と「ベル」図柄が共に並んで停止しているか否かを判定する。本実施形態では、左リール42Lの15番図柄たる「ベル」図柄、中リール42Mの14番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止しているか否かを判定している。これら各図柄が下ライン上に停止している場合、下ライン上に「ベル」図柄が並んで停止し、上ライン上に「7」図柄が並んで停止していることとなり、右リール42Rの停止結果によってBB入賞及びベル入賞のいずれも成立する可能性がある。かかる場合にはステップS1603に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、「7」図柄を上ライン上に停止させることが可能な場合には「7」図柄を上ライン上に停止させるように、且つ停止させることが不可能な場合には「ベル」図柄を下ライン上に停止させるように設定された同時成立用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
ステップS1602において否定判定をした場合、続くステップS1604ではBB入賞の成立する可能性があるか否か、すなわち有効ライン上に「7」図柄が並んで停止しているか否かを判定する。有効ライン上に「7」図柄が並んで停止している場合にはステップS1605に進み、BB入賞が成立するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。また、ステップS1604にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1606に進み、ベル入賞が成立するように設定されたベル入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
ステップS1601にてBB当選以外の当選役がベルでなかった場合には、当該当選役がスイカ又はチェリーであることを意味する。かかる場合にはステップS1607に進み、BB入賞の成立する可能性があるか否か、すなわち有効ライン上に「7」図柄が並んで停止しているか否かを判定する。有効ライン上に「7」図柄が並んで停止している場合にはステップS1608に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、BB入賞が成立するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。また、ステップS1607にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1609に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、BB以外の当選役と対応する入賞が成立するように設定された小役入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
以上のように、第2停止指令に基づいて対応するリールを停止させると共にスベリテーブル第2変更処理を行った場合、ステップS902に戻り、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されて次の停止指令が発生するまで待機する。
ステップS902にて回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS903に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否かを判定する。2つのリールが停止しているときにストップスイッチが操作された場合、今回の停止指令は第3停止指令であることを意味する。かかる場合にはステップS903にて肯定判定を行い、スベリテーブル第1変更処理を行うことなくステップS905に進む。
ステップS905では、かかるタイミングで下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS906では、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルのうち、到達図柄と対応する図柄番号の圧縮データから今回停止させるべきリールのスベリ量を算出し、ステップS907にて下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS908では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS909にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。そして、ステップS910では、全てのリールが停止したか否かを判定する。第3停止指令に基づいて上述したステップS903〜ステップS909の処理を行った場合には、全てのリールが回転を停止している。かかる場合にはステップS910にて肯定判定を行い、ステップS912にて払出判定処理を行った後に本処理を終了する。払出判定処理とは、入賞図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。具体的には、小役入賞が有効ライン上に成立しているか否かを判定し、小役入賞が有効ライン上に成立していないときには小役当選フラグをリセットすると共にRAM153の払出予定数格納エリアに0をセットする。小役入賞が有効ライン上に成立しているときには、その小役入賞が小役当選フラグと対応する図柄の組合せか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ13等によりエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに0をセットする。一致しているときには小役当選フラグをリセットすると共に、RAM153の払出予定数格納エリアに成立した役と対応する払出数をセットする。また、再遊技入賞が有効ライン上に成立した場合には、再遊技当選フラグをリセットすると共に払出予定数格納エリアに0をセットし、再遊技を可能とする再遊技処理を行う。再遊技処理では、かかるゲームのベット数を確認し、確認結果と同数のベット数を再度設定する処理を行う。従って、再遊技入賞が成立すると、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能となる。
以上詳述した第2実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
各リール42L,42M,42Rに「7」図柄を1つずつ配置する構成とすることにより、BB当選となった場合に、遊技者はBB図柄の組合せが有効位置に停止するよう各ストップスイッチ72〜74を操作する必要が生じ、遊技に積極参加できるというスロットマシン10の特徴を高めることが可能となる。また、BB当選はBB入賞が成立するまで持ち越される構成とすることにより、BB当選となったにも関わらずBBゲームに移行することなく当選結果が無効とされ、遊技者が不利益を被ることを抑制することが可能となる。さらにいうと、各リール42L,42M,42Rに「7」図柄が1つずつしか配置されていない場合、BB図柄の組合せが有効ライン上に停止する可能性が複数配置されている場合と比して低くなるが、BB当選が持ち越される構成とすることにより、遊技者が不利益を被ることを抑制することが可能となる。加えて、各リール42L,42M,42Rに配置される「7」図柄の数を1つに限定することにより、複数種の図柄がリールに配置される構成において、「ベル」図柄等の「7」図柄と異なる図柄を各リール42L,42M,42Rに比較的自由に配置することが可能となり、図柄配列の設計自由度を高めることが可能となる。この結果、各リール42L,42M,42Rの図柄配列をバリエーションに富んだものとすることが可能となり、各リール42L,42M,42Rが停止した際に表示窓32L,32M,32Rから視認可能となる図柄配列すなわち停止出目が単調化することを抑制することが可能となる。
各ストップスイッチ72〜74を所定のタイミングで操作しなければ有効ライン上に停止しない「7」図柄と「スイカ」図柄を、同時に有効ライン上に停止しない図柄配列とすることにより、スイカ入賞に当選したにも関わらずスイカ入賞を取りこぼす機会を低減させることが可能となる。仮に「7」図柄と「スイカ」図柄が有効ライン上に同時に停止する図柄配列とした場合、遊技者はBBゲームに移行することを期待しながら遊技を行うことが一般的であるため、「7」図柄と「スイカ」図柄が有効ライン上に同時に停止した状況下では「スイカ」図柄ではなく「7」図柄が有効ライン上に停止するように他のストップスイッチを操作すると想定されるからである。このことは、各リール42L,42M,42Rに「7」図柄が1つずつしか配置されていない場合、より顕著なものとなる。各リール42L,42M,42Rに「7」図柄が複数配置されている場合と比して、「7」図柄の有効ライン上に停止する確率が低下するからである。
各リール42L,42M,42Rに「7」図柄を1つずつ配置する構成とすることにより、スイカ入賞及びチェリー入賞が成立し得るタイミングで各ストップスイッチ72〜74が操作された場合に「7」図柄が有効ライン上に停止しない構成において、小役図柄や再遊技図柄を配置する際に受ける制約を軽減させることが可能となり、各リール42L,42M,42Rに付される図柄配列の設計自由度を高めることが可能となる。また、スイカ入賞又はチェリー入賞の一方を取りこぼすタイミングで各ストップスイッチ72〜74が操作された場合に、意図せず有効ライン上に「7」図柄が停止する機会を低減させることが可能となり、折角用意した連続演出が無駄なものとなる機会を軽減させることが可能となる。なお、「7」図柄が有効ライン上に停止し得るタイミングでストップスイッチ72〜74を操作する技量の劣った遊技者の場合、BB入賞をなかなか成立させることができず、ボーナスゲームへの移行がいたずらに遅延される可能性が生じ得るが、BB当選フラグに加えて小役当選フラグがセットされた場合には「7」図柄を優先して有効ライン上に停止させる構成とすることにより、BBゲームへの移行がいたずらに遅延されることを好適に抑制することが可能となる。
「ベル」図柄と「リプレイ」図柄を、各ストップスイッチ72〜74が如何なるタイミングで操作された場合であっても有効ライン上に停止させることができるように配置する一方、「スイカ」図柄と「チェリー」図柄を、各ストップスイッチ72〜74が所定のタイミングで操作された場合に限り有効ライン上に停止させることができるように配置することにより、BB当選していない状況下においても「スイカ」図柄及び「チェリー」図柄が有効ライン上に停止するよう狙って各ストップスイッチ72〜74を操作することを促すことが可能となり、遊技者が遊技に積極参加できるというスロットマシン10の特徴を高めることが可能となる。また、「スイカ」図柄と「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで各ストップスイッチ72〜74が操作された場合に、「7」図柄を有効ライン上に停止しない位置に配置することにより、BB当選の有無を示唆する連続演出が無駄なものとなる機会を軽減させることが可能となる。連続演出が行われたゲームにおいて、スイカ入賞又はチェリー入賞を諦めて「7」図柄を有効ライン上に停止させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作するか、「7」図柄の組合せを有効ライン上に停止させることを諦めてスイカ入賞及びチェリー入賞の成立を狙って各ストップスイッチ72〜74を操作するかを遊技者に選択させることが可能となるからである。
また、BB当選フラグが持ち越されている状況下で小役当選フラグがセットされた場合、小役入賞よりBB入賞が優先して成立するようなスベリテーブルをセットすることにより、BBに当選したにも関わらず小役入賞を成立させる制御が優先され、BBゲームへの移行が遅延されることを抑制することが可能となる。特に、スイカ入賞やチェリー入賞は、ストップスイッチの操作されたタイミングによって取りこぼす可能性がある。従って、これら小役入賞を優先して成立させる制御とした場合、図柄を狙ってストップスイッチを操作する技量に乏しい遊技者が、BB入賞のみならず小役入賞をも取りこぼし、所有するメダルをいたずらに減少させてしまう可能性が懸念される。従って、BB入賞を優先して成立させる制御とすることにより、BBゲームへの移行が遅延されることを抑制すると共にメダルの減少を抑制させることが可能となる。また、かかるスベリテーブルを、「7」図柄が優先して有効ライン上に停止するように、且つ「7」図柄を有効ライン上に停止させられない場合は小役当選フラグと対応する図柄が有効ライン上に停止するように設定することにより、「7」図柄を有効ライン上に停止させることが不可能なタイミングでストップスイッチ72〜74が操作された場合であっても、小役入賞の成立する余地を残すことが可能となる。故に、BBと小役に当選しているにも関わらず、BB入賞と小役入賞のいずれも有効ライン上に成立せずに遊技者が不利益を被る機会を抑制させることが可能となる。
BBと小役に当選している状況下で「7」図柄が有効ライン上に停止しなかった場合、当選となった小役図柄が有効ライン上に停止し得るようにスベリテーブルを変更することにより、BBゲームへの移行が遅延されることを抑制しつつ、遊技者の所有するメダルの減少を抑制させることが可能となる。仮に「7」図柄ではなく当選となった小役図柄が有効ライン上に停止するタイミングでストップスイッチ72〜74が操作され、当選した小役図柄が有効ライン上に停止した場合であっても、この小役入賞が成立するようにストップスイッチ72〜74を操作すれば、このゲームでBBゲームへの移行が行われずともメダル払出の特典を受けることができるからである。
各ストップスイッチ72〜74を所定のタイミングで操作しなければ有効ライン上に停止しない「7」図柄と「スイカ」図柄を、同時に有効ライン上に停止しない図柄配列とすることにより、主制御装置131の処理負荷を軽減させつつ遊技者が不快感を抱くことを抑制することが可能となる。仮に「7」図柄と「スイカ」図柄が同時に有効ライン上に停止し得る図柄配列とした場合、「7」図柄と「スイカ」図柄が共に有効ライン上に停止した状況下において、遊技者が「7」図柄ではなく「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させるべくストップスイッチ72〜74を操作する可能性がある。この場合、「7」図柄が「スイカ」図柄より優先して有効ライン上に停止し得るように各リール42L,42M,42Rの停止駆動制御を行うと、「7」図柄が優先されることに対して遊技者が不快感を抱くことが懸念される。また、前記懸念を解消させるべく、状況に応じて有効ライン上に停止する図柄が変化するように各リール42L,42M,42Rを停止駆動制御する構成とすると、停止駆動制御に関わる処理負荷が増大化することとなるからである。
「7」図柄と「スイカ」図柄を少なくとも6図柄分離して配置することにより、「7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングでストップスイッチが操作された場合には「スイカ」図柄が有効ライン上に停止せず、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングでストップスイッチが操作された場合には「7」図柄が有効ライン上に停止しない構成とすることができる。かかる場合、仮にBB当選フラグが持ち越されている状況下でスイカ当選フラグもセットされていることを遊技者が認識したとしても、いずれの入賞を成立させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作するのかを遊技者に選択させることが可能となり、遊技者が不快感を抱く可能性を軽減させつつ特別遊技状態への移行が遅延されることを抑制させることが可能となる。
「7」図柄と「チェリー」図柄が有効ライン上に同時に停止しない図柄配列とすることにより、BB当選フラグ又はチェリー当選フラグがセットされたにも関わらず、BBゲームへの移行が遅延されたり、チェリー入賞を取りこぼしたりすることを低減させることが可能となる。BB入賞とチェリー入賞が同時に成立可能な図柄配列とした場合、一方の当選フラグのみがセットされている状況下では、当選していない「チェリー」図柄又は「7」図柄の組合せが有効ライン上に停止しないよう各リールを停止制御する必要があり、これに伴って当選した「7」図柄の組合せ又は「チェリー」図柄も有効ライン上に停止しない不具合が発生し得る。一方、「7」図柄と「チェリー」図柄が有効ライン上に同時に停止しない図柄配列とした場合、このような不具合の発生を回避することができるため、BB当選フラグ又はチェリー当選フラグの一方がセットされた状況下においても、BBゲームへの移行が遅延されたり、チェリー入賞を取りこぼしたりすることを低減させることが可能となる。
「7」図柄と「スイカ」図柄及び「7」図柄と「チェリー」図柄が有効ライン上に同時に停止しない構成とすることにより、予め記憶させておくスベリテーブルの数を低減させることが可能となり、データ量の増加を抑制させることが可能となる。スベリテーブルに基づいてリールの停止制御を行う場合、セットされた当選フラグの種別に応じて、さらに設定される有効ラインの数に応じて種々のスベリテーブルを予め記憶しておく必要があり、データ量が多大なものとなる可能性が懸念される。しかしながら、「7」図柄と「スイカ」図柄及び「7」図柄と「チェリー」図柄が有効ライン上に同時に停止しないよう離間して配置した場合、スベリテーブルを変更する際に、入賞の成立する可能性がある図柄を有効ライン上に停止させ得るよう定めたスベリテーブルに変更すればよい。すなわち、当選フラグが1つだけセットされている場合に用いるスベリテーブルを流用することが可能となる。故に、予め記憶させておくスベリテーブルの数を低減させることが可能となり、データ量の増加を抑制させることが可能となる。
BB当選フラグとベル当選フラグがセットされている場合、「7」図柄と「ベル」図柄とを共に有効ライン上に停止させることが可能な場合、「7」図柄と「ベル」図柄が共に有効ライン上に停止するように、不可能な場合には「7」図柄が優先して有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルがセットされる。「7」図柄はストップスイッチ72〜74が所定のタイミングで操作された場合に限り有効ライン上に停止させることが可能な図柄であるため、可能な限り「7」図柄と「ベル」図柄が共に有効ライン上に停止するようにスベリテーブルを設定することにより、BB入賞を成立させることが不可能な場合に、ストップスイッチ72〜74の操作タイミングに関わらず成立させることが可能なベル入賞までもが成立しなくなる不具合を抑制することが可能となる。また、かかるスベリテーブルを、「7」図柄と「ベル」図柄とを共に有効ライン上に停止させることが不可能な場合、「7」図柄が優先して有効ライン上に停止するようにスベリテーブルを設定することにより、BBに当選したにも関わらずベル入賞を成立させる制御が優先され、BBゲームへの移行が遅延されることを抑制することが可能となる。
「ベル」図柄を4図柄以下の間隔で配置することにより、ストップスイッチ72〜74が如何なるタイミングで操作された場合であっても、任意の有効ライン上に「ベル」図柄を停止させることができる。かかる構成とすることにより、小役入賞よりBB入賞が優先して成立するようにスベリテーブルを構成している中で、BB入賞を成立させることが不可能な場合にベル入賞も取りこぼしてしまう機会を抑制することが可能となる。さらにいうと、一般の遊技者は自己の所有するメダルが増加することを期待しながら遊技を行うと想定されるため、かかる構成とすることにより、BB当選フラグが持ち越されている状況下において遊技者の所有するメダルが減少することを抑制することが可能となる。
ストップスイッチ72〜74が操作された場合に下ライン上に到達している到達絵柄と、規定時間が経過するまでに下ライン上に停止させる停止絵柄との関係を定めたすべりテーブルに基づいて各リール42L,42M,42Rを停止させることにより、各ストップスイッチ72〜74が操作されてから対応するリールを停止させるまでの処理を簡略化させることが可能となり、停止駆動制御に関わる処理負荷を軽減させることが可能となる。仮にスベリテーブルを備えない構成とした場合、各ストップスイッチ72〜74が操作された場合の到達絵柄を確認した上で、例えば規定時間内に当選となった図柄を有効ライン上に停止させることが可能か否かを判定したり、有効ライン上にどの図柄を停止させるかを決定したりする等の処理を、規定時間内に行う必要が生じるからである。
「チェリー」図柄と「スイカ」図柄が同時に有効ライン上に停止しないよう離間して配置することにより、所定のタイミングで左ストップスイッチ72を操作しなければ有効ライン上に停止しない「スイカ」図柄と「チェリー」図柄で役の複合が発生することを回避できる。この結果、「スイカ」図柄又は「チェリー」図柄が有効ライン上に停止し得るタイミングで左ストップスイッチ72を操作したにも関わらず取りこぼしが発生してしまう不具合を回避することが可能となる。また、かかる図柄配列では、予め用意するスベリテーブル数を削減することが可能となると共に主制御装置131の記憶容量を低減させることが可能となる。「スイカ」図柄と「チェリー」図柄が共に有効ライン上に停止する図柄配列とした場合、第1停止指令として左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された状況下において、役の複合を回避させるべく例えば停止位置を限定する等の制御が必要となり、スイカ用の入賞確定用スベリテーブルを予め用意しておく必要が生じるからである。さらに、入賞確定用スベリテーブルにおいては、各リール42L,42M,42Rの「スイカ」図柄の停止位置が限定されるため、各ストップスイッチ72〜74を操作すべきタイミングもより限定されることとなる。故に、「スイカ」図柄と「チェリー」図柄が共に有効ライン上に停止する図柄配列とした場合には、入賞確定用スベリテーブルを用いて停止位置を限定したがために取りこぼしの発生する可能性が高まるという新たな問題が生じ得る。
「ベル」図柄と「リプレイ」図柄を、それぞれの図柄間隔が4図柄以下となるように配置することにより、ストップスイッチ72〜74が如何なるタイミングで操作された場合であっても、任意の有効ライン上に「ベル」図柄又は「リプレイ」図柄を停止させることができる。故に、それぞれの入賞を成立させるための入賞確定用スベリテーブルを予め用意しておくことにより、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチ73,74が最初に操作された場合であっても、「チェリー」図柄との役の複合を回避しつつ取りこぼしの発生を回避することが可能となる。
「チェリー」図柄の上下に、入賞と関与しない無特典図柄としての「チャンス」図柄、「リーチ」図柄、「青年」図柄が配置されている。かかる構成とすることにより、「ベル」図柄等の図柄の組合せによって入賞が成立するものと、左リール42L単独で入賞が成立する「チェリー」図柄とで役の複合が発生することを回避することが可能となり、予め用意するスベリテーブル数を削減することが可能となると共に、主制御装置131の記憶容量を低減させることが可能となる。第1停止指令として左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合、役の複合を回避させるべく例えば「ベル」図柄等の組合せ図柄の停止する有効ラインを限定する必要が生じるが、「チェリー」図柄と少なくとも1図柄分離れて配置されているため、停止させる位置に制約を受けることを抑制することが可能となり、予め用意するスベリテーブル数の増加を抑制することが可能となるからである。
「7」図柄の上流側には「青年」図柄が配置されており、20番の「リプレイ」図柄と2番の「ベル」図柄との間には無特典図柄としての「ラッキー」図柄が配置されている。これら無特典図柄を配置することにより、停止出目が単調化することを抑制することが可能となる。仮に特典と関与する図柄のみからなる図柄配列とした場合、5種類の図柄しか各リール42L,42M,42Rに配置することができず、停止出目が単調化する可能性があるからである。ちなみに、9種類の図柄全てを特典と関与する図柄とした場合、各リール42L,42M,42Rの滑り数が予め決められている中で、取りこぼしの発生する頻度が高まることが懸念される。
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記各実施の形態では、スイカ入賞及びチェリー入賞が成立し得るタイミングで各ストップスイッチ72〜74が操作された場合、「7」図柄が有効ライン上に停止しない構成としたが、所定のタイミングでストップスイッチを操作しなければ有効ライン上に停止しない図柄を狙ってストップスイッチが操作された場合に、状態移行図柄が有効ライン上に停止しない構成であれば、各リールに付される図柄配列及び図柄の種類は任意である。
(b)上記各実施の形態では、所定のタイミングでストップスイッチを操作しなければ有効ライン上に停止しない図柄として「スイカ」図柄と「チェリー」図柄の2種類を設定したが、1種類のみであってもよい。図7を用いて一例を説明すると、例えばチェリー入賞が設定されていないスロットマシンの場合、「スイカ」図柄が有効ライン上に停止するよう各ストップスイッチを操作する必要がある。つまり、左リールであれば、3番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間にストップスイッチを操作する必要がある。ところが、かかるタイミングでストップスイッチが操作された場合、「スイカ」図柄と「7」図柄との間が7図柄分離れているため、「7」図柄が有効ライン上に停止することはない。故に、かかる構成であっても、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。
(c)「7」図柄を配置する位置は、「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な位置に配置された図柄から、リールの回転する上流側に「(リールを滑らせることのできる最大図柄数)+(表示窓から視認可能な図柄数)−1」図柄以上離れた位置であって、下流側に「(表示窓から視認可能な図柄数)−1」図柄以上離れた位置であればよい。また、取りこぼしの発生する図柄が1種類のみである場合には、当該図柄の配置された位置から、リールの回転する上流側に「(リールを滑らせることのできる最大図柄数)+(表示窓から視認可能な図柄数)−1」図柄以上離れた位置であって、下流側に「(表示窓から視認可能な図柄数)−1」図柄以上離れた位置に、「7」図柄を配置すればよい。かかる構成とすることにより、取りこぼしの発生する図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで各ストップスイッチが操作された場合に、「7」図柄を表示窓から視認できない位置に停止させることが可能となり、連続演出が無駄なものとなる機会を軽減させることが可能となる。具体例を挙げて説明すると、表示窓から1個の図柄のみが視認可能な構成であって、最大4図柄分滑らせることができる構成の場合、「7」図柄を配置する位置は、取りこぼしの発生する図柄を有効ライン上に停止させることが可能な位置から、リールの回転する上流側に4(=4+1−1)図柄以上離れた位置であって、下流側に0(=1−1)図柄以上離れた位置であればよい。つまり、かかる構成の場合、「7」図柄は、上流側に4図柄以上離れた位置であれば任意の位置に配置することが可能である。
(d)上記各実施の形態では、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄を5図柄の範囲内に配置する構成としたが、用意されたリールの停止態様数の範囲内であれば、かかる範囲に限定されるものではなく、例えば4図柄の範囲内に配置してもよい。かかる構成とすれば、「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングに幅を持たせることが可能となり、取りこぼしの発生する頻度を低下させることが可能となる。但し、複数の有効ラインを設定し得るスロットマシンの場合には、役の複合が発生することを回避できるように、少なくとも表示窓から視認できる図柄数分だけ離れた位置に配置することが望ましい。
(e)上記各実施の形態では、「チェリー」図柄の上下に無特典図柄を配置する構成としたが、「チェリー」図柄の上下に配置する図柄を、それぞれリールを滑らせることのできる最大図柄数以下の間隔で配置する構成とするのであれば、小役図柄やBB図柄を配置してもよい。但し、かかる場合には、各リール42L,42M,42Rの停止出目が単調化することが懸念される。
(f)上記各実施の形態では、単独入賞が成立する図柄として「チェリー」図柄、図柄の組合せで入賞が成立する図柄として「ベル」図柄等を配置する構成としたが、入賞態様を形成する図柄の種類はかかる構成に限定されるものではなく任意である。すなわち、単独入賞の成立する図柄が「ベル」図柄であってもよいし、「青年」図柄であってもよい。また、ベル入賞は同種の図柄が有効ライン上に並んだ場合に成立する構成としたが、有効ライン上に左から「ベル」図柄、「ベル」図柄、「リプレイ」図柄と並んで停止した場合にベル入賞が成立する構成としてもよい。すなわち、予め設定した図柄が有効ライン上に並んで停止した場合に組合せ入賞が成立する構成であればよい。
(g)上記各実施の形態では、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合にチェリー入賞が成立する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、中リール42Mの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合にチェリー入賞が成立する構成としてもよいし、右リール42Rの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合にチェリー入賞が成立する構成としてもよい。
(h)上記各実施の形態では、主制御装置131のRAM153に形成されたスベリテーブル格納エリア153bにスベリテーブルをセットする構成としたが、参照すべきスベリテーブルを導出し得るアドレス情報等を記憶させる構成としても、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(i)上記各実施の形態では、BBゲーム中に払出される残りのメダル数を残獲得枚数表示部36に減算表示する構成としたが、かかる構成に加えて、例えば補助表示部15にてBBゲームに移行してから払出されたメダル数を加算表示する構成としてもよい。或いは、補助表示部15にてBBゲームに移行してから増加した遊技者の所有するメダル数を表示する構成としてもよい。かかる構成を実現するためには、払い出したメダル数からベットされたメダル数を減算し、当該結果を補助表示部15に表示すればよい。
(j)上記各実施の形態では、補助表示部15にてBB当選の有無を示唆する連続演出を行う構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、音声にてBB当選の有無を示唆する連続演出を行う構成でもよいし、ランプにて連続演出を行う構成であってもよい。また、連続演出を行うゲーム数は2ゲームに限定されるものではなく任意であり、1ゲームのみ演出を行う構成であってもよい。
(k)上記各実施の形態では、BB当選フラグがセットされると、次ゲーム以降の抽選処理ではBBに関する抽選を行わない構成としたが、BBに関する抽選を行う構成としてもよい。また、BB当選フラグがセットされた状態でさらにBBに当選した場合、当該結果を無効とする構成としてもよいし、BB当選フラグを複数セットする構成としてもよい。
(l)上記各実施の形態では、ストップスイッチ72〜74が操作された際に下ライン上に到達している図柄と、下ライン上に実際に停止させる図柄との関係が定められたスベリテーブルを備える構成としたが、ストップスイッチ72〜74が操作された際に下ライン上に到達している図柄と、上ライン上に実際に停止させる図柄との関係が定められたスベリテーブルを備える構成としてもよい。かかる構成にあっても、上ライン上に実際に停止する図柄から下ライン上に停止する図柄を一義的に導くことが可能だからである。つまり、スベリテーブルは、ストップスイッチ72〜74が操作された際に基点位置に到達している図柄と、前記基点位置に実際に停止する図柄との関係を定めることが可能な構成であればよい。
(m)上記各実施の形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(n)上記各実施の形態では、円筒骨格部材50の外周面に、図柄が印刷されたベルトを貼付する構成としたが、円筒骨格部材とベルトとを一体形成し、このベルトの外周面に図柄を個別に貼付する構成としてもよい。かかる場合には、この一体形成の外周面が無端状ベルトに相当する。
(o)上記各実施の形態では、状態移行図柄としての「7」図柄が有効ライン上に揃った場合にメダル払出を行わない構成としたが、メダル払出を行う構成としてもよい。
(p)上記各実施の形態では、スベリテーブルに基づいてリールの停止制御を行う所謂テーブル制御タイプのスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、所謂コントロール制御タイプのスロットマシンに適用しても、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
(q)上記各実施の形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして5ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。
(r)各リール42L,42M,42Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
(s)上記各実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
一実施の形態におけるスロットマシンの正面図。 前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図。 前面扉の背面図。 筐体の正面図。 左リールの組立斜視図。 各リールを構成する帯状ベルトの展開図。 入賞態様とメダル払出枚数との関係を示す説明図。 スロットマシンのブロック回路図。 NMI割込み処理を示すフローチャート。 タイマ割込み処理を示すフローチャート。 停電時処理を示すフローチャート。 メイン処理を示すフローチャート。 当選確率設定処理を示すフローチャート。 通常処理を示すフローチャート。 抽選処理を示すフローチャート。 抽選テーブルの一例を示す図。 スベリテーブルの一例を示す図。 スベリテーブル設定処理を示すフローチャート。 リール制御処理を示すフローチャート。 スベリテーブル第1変更処理を示すフローチャート。 スベリテーブル第2変更処理を示すフローチャート。 メダル払出処理を示すフローチャート。 ボーナスゲーム処理を示すフローチャート。 スベリテーブル第1変更処理の別態様を示すフローチャート。 入賞確定用スベリテーブルの一例を示す図。 スベリテーブル第2変更処理の別態様を示すフローチャート。 第2当選番号時処理を示すフローチャート。
符号の説明
10…遊技機としてのスロットマシン、11…遊技機本体の一部を構成する筐体、12…遊技機本体の一部又は遊技機本体の開閉部材を構成する前面扉、15…補助表示部、31…表示窓、42…周回体又は無端状ベルトを構成するリール、61…駆動手段としてのステッピングモータ、71…始動操作手段としてのスタートレバー、72〜74…停止操作手段としてのストップスイッチ、75…受入手段を構成するメダル投入口、111…示唆演出手段等を構成する表示制御装置、131…抽選手段や留保手段等を構成する主制御装置、151…メイン制御手段等の各種制御手段を構成するCPU、152,153…記憶手段としてのROM,RAM、161…電源装置。

Claims (1)

  1. 周方向に周回すると共に、該周方向に複数種の絵柄が配列された複数の周回体と、
    前記各周回体について各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示窓と、
    前記各周回体の周回を開始させるべく操作される始動操作手段と、
    前記始動操作手段の操作に基づいて、所定絵柄役及び特定絵柄役等の役の抽選を行う抽選手段と、
    前記各周回体毎に設けられ、該各周回体を周回させる駆動手段と、
    前記始動操作手段の操作に基づいて前記各周回体の周回を開始させるよう前記各駆動手段を開始駆動制御する開始駆動制御手段と、
    前記各周回体の周回を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段と、
    前記各停止操作手段の操作に基づいて、該各停止操作手段の操作タイミングから予め定めた規定期間内に、操作された停止操作手段と対応する周回体の周回を停止させるよう前記各駆動手段を停止駆動制御する停止駆動制御手段と、
    前記抽選手段の抽選結果が前記所定絵柄役当選であって、前記表示窓から視認できる有効位置に所定絵柄又は所定絵柄の組合せが停止した場合、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
    前記抽選手段の抽選結果が前記特定絵柄役当選であって、前記有効位置に前記特定絵柄の組合せが停止した場合、所定の終了条件が成立するまで、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる特別遊技状態移行手段と
    を備えた遊技機において、
    前記抽選手段の抽選結果が前記特定絵柄役当選である場合、前記特定絵柄の組合せが前記有効位置に停止するまで前記特定絵柄役当選を留保する留保手段を備え、
    前記各周回体に、前記所定絵柄と前記特定絵柄を配置すると共に、前記特定絵柄を1つずつ配置したことを特徴とする遊技機。
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