以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、上下一対の支軸25a,25bが設けられている。支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、各支軸25a,25bに対応して当該支軸25a,25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a,26bが設けられている。そして、各支軸25a,25bの上方に支持金具26a,26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a,26bの挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖することができるように構成されている。
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、前面扉12の右端側上部には解錠操作部たるキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。キーシリンダ20が設けられる位置は前面扉12の中でも肉厚の薄い上部位置とされており、その結果、全長の短い汎用性のあるキーシリンダ20を採用することができる。なお、本実施の形態では、キーシリンダ20として、不正解錠防止機能の高いオムロック(商標名)が用いられている。連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の支持金具23に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と支持金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル30が設けられている。遊技パネル30には、縦長の3つの表示窓31L,31M,31Rが横並びとなるように形成されている。表示窓31L,31M,31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L,31M,31Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓31L,31M,31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板40によりその内部が上下2分割されており、仕切り板40の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール42L,中リール42M,右リール42Rを備えている。なお、各リール42L,42M,42Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール42L,42M,42Rが各表示窓31L,31M,31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L,42M,42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓31L,31M,31Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール42L,42M,42Rが正回転すると、各表示窓31L,31M,31Rを通じてリール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール42L,42M,42Rは、それぞれがステッピングモータ61L,61M,61Rに連結されており、各ステッピングモータ61L,61M,61Rの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール42L,42M,42Rは同様の構成をしているため、ここでは左リール42Lを例に挙げて図6に基づいて説明する。なお、図6は左リール42Lの組立斜視図である。
左リール42Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部にはボス部51形成されており、円盤状のボス補強板52を介して左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸に取り付けられている。従って、左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、左リール42Lが円環状のリール面に沿って周回するようになっている。
左リール用ステッピングモータ61Lは、リールユニット41(図3)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール42Lと一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール42Lが1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置131に検出信号が出力される。従って、主制御装置131はこの検出信号に基づいて左リール42Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ61Lは例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ61Lの回転位置、すなわち左リール42Lの回転位置が制御される。
各リール42L,42M,42Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール42L,42M,42Rに付された図柄のうち、表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓31L,31M,31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
ここで、各リール42L,42M,42Rに付される図柄について説明する。図7には、左リール42L,中リール42M,右リール42Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L,42M,42Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。また、各リール42L,42M,42Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置131が表示窓から視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール42L,42M,42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト20番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト19番目)、「青年」図柄(例えば、左ベルト18番目)、「7」図柄(例えば、左ベルト17番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト13番目)、「チャンス」図柄(例えば、左ベルト12番目)、「スイカ」図柄(例えば、左ベルト9番目)、「リーチ」図柄(例えば、左ベルト6番目)、「ラッキー」図柄(例えば、左ベルト1番目)の9種類がある。そして、図7に示すように、各リール42L,42M,42Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
なお、リールユニット41の各リール42L,42M,42Rは識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、主表示部を構成する。但し、可変表示手段は、図柄を周方向に可変表示する構成であれば、これ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に加えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
遊技パネル30には、各表示窓31L,31M,31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。これら各組合せラインに対応して、表示窓31L,31M,31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32,33,34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル数の払出処理や、特別遊技状態たるBBゲーム等のボーナスゲームへの移行処理などが実行される。
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に払い出されるメダル払出枚数とが示されている。
メダル払出が行われる小役入賞としては、スイカ入賞と、ベル入賞と、チェリー入賞とがある。有効ライン上に左から「スイカ」図柄、「スイカ」図柄、「スイカ」図柄と並んで停止した場合、スイカ入賞として15枚のメダル払出、有効ライン上に左から「ベル」図柄、「ベル」図柄、「ベル」図柄と並んで停止した場合、ベル入賞として11枚のメダル払出が行われる。また、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、チェリー入賞として1枚のメダル払出が行われる。即ち、チェリー入賞の場合には、中リール42M及び右リール42Rの有効ライン上に停止する図柄はどのような図柄であってもよい。故に、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、各有効ライン上にてチェリー入賞が成立し、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われる。結果として、本実施形態では2枚のメダル払出が行われる。換言すれば、本実施形態では、各リール42L,42M,42Rに付された図柄が有効ライン上で所定の組合せを形成した場合に入賞成立となる組合せ入賞と、規定のリールに付された図柄が有効ライン上に停止すれば他のリールの停止結果に関わらず入賞成立となる単独入賞とを備えていると言える。
また、遊技状態が移行する状態移行入賞としてBB入賞がある。有効ライン上に左から「7」図柄、「7」図柄、「7」図柄と並んで停止した場合、BB入賞として遊技状態が特別遊技状態たるBBゲームに移行する。但し、「7」図柄が有効ライン上に左・中・右と並んで停止したとしても、メダル払出は行われない。すなわち、「7」図柄の組合せが有効ライン上に成立した際には、BBゲームに移行するのみである。換言すれば、「7」図柄は、遊技状態をBBゲームに移行させるための状態移行図柄であるといえる。
更に、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄と並んで停止した場合には、再遊技入賞となる。再遊技入賞が成立すると、メダル払出や状態移行は行われないものの、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能となる。
加えて、遊技状態が後述するRBゲームである場合に限り、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「チャンス」図柄と並んで停止した場合と、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「ラッキー」図柄と並んで停止した場合に、JAC入賞として15枚のメダル払出が行われる。
その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に上記した図柄の組合せが停止しなかった場合には、メダル払出や遊技状態の移行等は一切行われない。すなわち、左リール42Lの「チャンス」図柄及び「ラッキー」図柄、中リール42Mと右リール42Rの「チェリー」図柄、各リール42L,42M,42Rの「青年」図柄及び「リーチ」図柄は、入賞と一切関与していない。換言すれば、上記各図柄は、遊技者に付与される特典と無関係な無特典図柄であると言える。このように、各リール42L,42M,42Rには、例えば「ベル」図柄等の入賞と関係する特典図柄と、例えば「青年」図柄等の入賞と無関係な無特典図柄がそれぞれ付されている。なお、以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せともいう。例えば、BB図柄の組合せとは、BB入賞となる図柄の組合せ、すなわち「7」図柄、「7」図柄、「7」図柄の組合せである。
遊技パネル30の下方左側には、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L,42M,42Rを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。スタートレバー71は、遊技者がゲームを開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー52が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー71の右側には、回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72,73,74が設けられている。各ストップスイッチ72,73,74は停止対象となるリール42L,42M,42Rに対応する表示窓31L,31M,31Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ72が操作された場合には左リール42Lの回転が停止し、中ストップスイッチ73が操作された場合には中リール42Mの回転が停止し、右ストップスイッチ74が操作された場合には右リール42Rの回転が停止する。ストップスイッチ72,73,74はリール42L,42M,42Rの回転に基づく可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ72,73,74は、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口75が設けられている。メダル投入口75は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
メダル投入口75から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ84によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。すなわち、セレクタ84にはメダル通路切替ソレノイド83が設けられ、そのメダル通路切替ソレノイド83の非励磁時には排出用通路82側とされ、励磁時には貯留用通路81側に切り替えられるようになっている。貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返還される。
メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置91は、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
メダル投入口75の下方には、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ84内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ84が機械的に連動して動作され、当該セレクタ84内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方左側には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ77が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状のスイッチとして、第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ77〜79は前記メダル投入口75とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77〜79は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、第1クレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートレバー71の左側には、ボタン状の精算スイッチ80が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状態で精算スイッチ80が押下操作されることで、仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。
なお、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するように設定された「クレジットモード」と、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」とを切換可能としたスロットマシンの場合には、前記精算スイッチ80に、モード切換のための切換スイッチとしての機能を付加してもよい。この場合、精算スイッチ(切換スイッチ)80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるように構成される。そして、精算スイッチ80がオン状態のときにはクレジットモードとされ、精算スイッチ80がオフ状態のときにはダイレクトモードとされる。クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際に仮想メダルがある場合には、その分の仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。これにより、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることで自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる精算スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。
遊技パネル30の表示窓31L,31M,31R下方には、貯留記憶された仮想メダル数を表示するクレジット表示部35と、BBゲームが終了するまでに獲得できる残りのメダル数を表示する残獲得枚数表示部36と、入賞時に獲得したメダルの枚数を表示する獲得枚数表示部37とがそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚未満であれば、スロットマシン内部に貯蓄されると共にクレジット表示部35の仮想メダル数が加算表示される。一方、仮想メダル数が50枚のとき又は50枚に達したときには、セレクタ84により貯留用通路81から排出用通路82への切替がなされ、メダル排出口17からメダル受け皿18へと余剰メダルが返却される。
また、クレジット表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。
第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が1つ減算され、第1有効ライン表示部32が点灯して中ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が2つ減算され、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が3つ減算され、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えばクレジット表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、クレジット表示部35の数値が全て減算されて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に各種情報を与える補助表示部15とが設けられている。補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための表示制御装置111が設けられている。なお、上部ランプ13及びスピーカ14の位置や数は特に以上説明したものに限られない。
メダル受け皿18の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。また、メダル受け皿18の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿19が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ123は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ123は、エラー状態をリセットする場合のほか、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット41の上方には、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。なお、ボックスベースとボックスカバーとを鍵部材を用いて開封不能に連結する構成としてもよい。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置131には、演算処理手段であるCPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU151には、電源ボックス121の内部に設けられた電源装置161の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路154や、入出力ポート155などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置131の入力側には、スタートレバー71の操作を検出するスタート検出センサ71a、各ストップスイッチ72,73,74の操作を個別に検出するストップ検出センサ72a,73a,74a、メダル投入口75から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ75a、各クレジット投入スイッチ77,78,79の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ77a,78a,79a、精算スイッチ80の操作を検出する精算検出センサ80a、各リール42の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55、ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ91a、リセットスイッチ123の操作を検出するリセット検出センサ123a、設定キー挿入孔124に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ124a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート155を介してCPU151へ出力されるようになっている。
なお、投入メダル検出センサ75aは実際には複数個のセンサより構成されている。即ち、メダル投入口75からホッパ装置91に至る貯留用通路81は、メダルが1列で通行可能なように構成されている。そして、貯留用通路81には第1センサが設けられるとともに、それよりメダルの幅以上離れた下流側に第2センサ及び第3センサが近接(少なくとも一時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接)して設けられており、これら第1乃至第3の各センサによって投入メダル検出センサ75aが構成されている。主制御装置131は、第1センサから第2センサに至る時間を監視し、その経過時間が所定時間を越えた場合にはメダル詰まり又は不正があったものとみなしてエラーとする。エラーになると、エラー報知が行われるとともにエラー解除されるまでの遊技者による操作が無効化される。また、主制御装置131は第2センサと第3センサとがオンオフされる順序をも監視し、第2,第3センサが共にオフ、第2センサのみオン、第2,第3センサが共にオン、第3センサのみオン、第2,第3センサが共にオフという順序通りになった場合で、かつ各オンオフ切換に移行する時間が所定時間内である場合にのみメダルが正常に取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラーとする。このようにするのは、貯留用通路81でのメダル詰まりの他、メダルを投入メダル検出センサ75a付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正を防止するためである。
また、主制御装置131の入力側には、入出力ポート155を介して電源装置161に設けられた停電監視回路161bが接続されている。電源装置161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部161aや、上述した停電監視回路161bなどが搭載されている。
停電監視回路161bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ122による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路161bは、電源部161aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU151と入出力ポート155のそれぞれに供給され、CPU151ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。
電源部161aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置131などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置131による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置131の出力側には、各有効ライン表示部32,33,34、クレジット表示部35、残獲得枚数表示部36、獲得枚数表示部37、各リール42L,42M,42Rを回転させるための各ステッピングモータ61(61L,61M,61R)、セレクタ84に設けられたメダル通路切替ソレノイド83、ホッパ装置91、表示制御装置111、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板171等が入出力ポート155を介して接続されている。
表示制御装置111は、上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置131からの信号を受け取った上で、表示制御装置111が独自に上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示部15を駆動制御する。従って、表示制御装置111は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置131との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部32〜37を表示制御装置111が制御する構成としてもよい。
上述したCPU151には、このCPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図10以降のフローチャートに示される各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM152に記憶されている。
RAM153は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源ボックス121内に設けられた電源装置161からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM153には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、各リール42L,42M,42Rを停止させる処理を行う際に使用するための当選番号格納エリア153a,スベリテーブル格納エリア153b,変更図柄格納エリア153c等の格納エリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ122の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理(図12参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図13参照)において実行される。なお、CPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路161bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
続いて、主制御装置131内のCPU151により実行される各制御処理を図10〜図30のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU151の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図10はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置161の停電監視回路161bでは停電信号が生成され、主制御装置131に対して出力される。NMI端子を介して停電信号を受信した主制御装置131では、NMI割込み処理が実行される。
NMI割込み処理では、まずステップS101において、CPU151内に設けられた使用レジスタのデータをRAM153内に設けられたバックアップエリアに退避させる。続いて、ステップS102では、停電フラグをRAM153内に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。その後、ステップS103にてRAM153のバックアップエリアに退避させたデータを再びCPU151の使用レジスタに復帰させる。この復帰処理でNMI割込み処理が終了する。なお、CPU151の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグのセット処理が可能な場合には、バックアップエリアへの退避および復帰処理を省くことができる。
図11は、主制御装置131で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置131のCPU151により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU151内の全レジスタの値をRAM153のバックアップエリアに退避させる。ステップS202では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
ここで、停電時処理について図12を用いて説明する。この停電時処理は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの送信処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。なお、このことは後述する復電時処理用の処理プログラムについても同様である。
ステップS301では、コマンド送信が終了しているか否かを判定する。送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンド送信を終了させる。このように停電時処理の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理を優先し、単位コマンドの送信処理終了後に停電時処理を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してROM152の小容量化を図ることができる実益を有する。
ステップS301がYES、すなわちコマンドの送信が完了している場合には、ステップS302に進み、CPU151のスタックポインタの値をRAM153内のバックアップエリアに保存する。その後ステップS303では、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポート155における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。ステップS304では、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値とは、具体的にはRAM153の作業領域アドレスにおけるチェックサムの2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAM153のチェックサムは0となる。RAM153のチェックサムを0とすることにより、ステップS305においてそれ以後のRAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM153への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、詳細な説明は省略するが、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合には後述するメイン処理に移行する。
なお、電源装置161の電源部161aは、上述したNMI割込み処理及び停電時処理を実行するのに十分な時間、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力が保持されるように構成されている。本実施形態では、30msecの間、駆動電圧が出力され続けるようになっている。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、CPU151自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール42L,42M,42Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ61L〜61Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入出力ポート155に接続された各種センサ(図9参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントした結果を外部集中端子板171へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS210では、後述する演出コマンド等の各種コマンドを表示制御装置111へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、クレジット表示部35、残獲得枚数表示部36及び獲得枚数表示部37にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS212では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部35〜37に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS213では、入出力ポート155からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS214では、先のステップS201にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU151内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS215にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
図13は電源投入後に実行される主制御装置131でのメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS401では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU151内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU151内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、ステップS402では設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されてON操作されているか否か、より詳しくは設定キー検出センサ124aからON信号を受信しているか否かを判定する。設定キーのON操作がなされている場合にはステップS403に進み、強制的RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。続くステップS404では当選確率設定処理を行う。
ここで、当選確率設定処理について図14を用いて説明する。スロットマシン10には、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、当選確率設定処理とは、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定するための処理である。
ステップS501では設定キーが挿入されてON操作されているか否かを判定し、ON操作されていない場合にはそのまま本処理を終了する。ON操作されている場合には、ステップS502にて次回のタイマ割込みを許可する。その後、ステップS503にて現在の設定値を読み込むと共に、ステップS504では現在の設定値をクレジット表示部35に表示する。但し、設定キーが挿入されてON操作された直後の処理では、先の強制的RAMクリア処理によりRAM153のデータがクリアされているため、クレジット表示部35に表示される設定値は「1」である。
ステップS505ではスタートレバー71が操作されたか否かを判定し、操作されていない場合にはステップS506〜ステップS507に示す設定更新処理を行う。ステップS506では、リセットスイッチ123が操作されたか否かを判定する。リセットスイッチ123が操作されていない場合にはそのままステップS504に戻り、操作された場合にはステップS507にて設定値を1更新した後にステップS504に戻る。つまり、設定更新処理では、リセットスイッチ123が操作される毎に設定値が1更新され、更新された設定値がクレジット表示部35に表示される。なお、設定値が「6」のときにリセットスイッチ123が操作された場合、設定値は「1」に更新される。
ステップS505にてスタートレバー71が操作された場合には、ステップS508にて設定キーのON操作が継続してなされているか否かを判定する。設定キーのON操作が継続してなされている場合にはそのまま待機し、ON操作が終了された場合にはステップS509にて次回のタイマ割込みを禁止する。その後、ステップS510にて設定値を保存し、ステップS511にてRAM153に記憶された設定値以外のデータをクリアして本処理を終了する。
メイン処理の説明に戻り、ステップS404にて当選確率設定処理を行った後には、ステップS405にて遊技に関わる主要な制御を行う通常処理を実行する。
一方、ステップS402にて設定キーが挿入されていない場合には、ステップS406以降に示す復電処理を行う。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させる処理である。従って、復電処理では先ずRAM153のデータが正常かどうかを確認する必要がある。
そこで、ステップS406では設定値が正常か否かを判定する。具体的には、設定値が1〜6のいずれかである場合に正常であると判定し、0又は7以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、ステップS407にて停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされている場合には、さらにステップS408にてRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM153のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM153のデータは正常であると判定する。
ステップS408においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS409に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU151のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS410において、復電処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置111に送信する。その後、ステップS411にて遊技状態として打ち止め及び自動精算設定保存処理を行い、ステップS412にてスタート検出センサ71a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS413にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS204)が実行されることとなる。
一方、ステップS406〜ステップS408のいずれかがNO、すなわち、設定値が異常である、電源遮断時にセットされる筈の停電フラグがセットされていない、又はRAM判定値が異常である場合には、RAM153のデータが破壊された可能性が高い。このような場合には、ステップS414〜ステップS416に示す動作禁止処理を行う。動作禁止処理として、先ずステップS414にて次回のタイマ割込み処理を禁止し、ステップS415では入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ステップS416にてホール管理者等にエラーの発生を報知するエラー報知処理を行う。かかる動作禁止状態は、上述した当選確率設定処理が行われるまで維持される。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図15のフローチャートに基づき説明する。なお、以下では、3枚のメダルがベットされて遊技が行われた場合について説明することとする。
先ずステップS601では、メダルがベットされているか否かを判定する。メダルがベットされているときには、続いてステップS602にてスタートレバー71が操作されたか否かを判定する。ステップS601,ステップS602が共にYESの場合には、ステップS603の抽選処理、ステップS604のリール制御処理、ステップS605のメダル払出処理、ステップS606のボーナスゲーム処理を順に実行し、ステップS601に戻る。一方、ステップS601にてメダルがベットされていない、またはステップS602にてスタートレバー71が操作されていない場合には、ステップS601に戻る。
次に、ステップS603の抽選処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。
ステップS701では、スロットマシン10の現在の設定状態やベットされたメダルの枚数等に基づき、当否決定用の抽選テーブルを選択する。ここで、スロットマシン10の設定状態は「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときにBB当選確率が最も低い抽選テーブルが選択され、「設定6」のときにBB当選確率が最も高い抽選テーブルが選択される。また、ベットされるメダルの枚数は1〜3枚のいずれかであり、ベット枚数が多いほど役の当選確率が高くなるような抽選テーブルが選択される。例えば3枚ベットされたときの役の当選確率は、1枚ベットされたときの役の当選確率と比して3倍よりも高い確率となっている。ここで、抽選テーブルについて、簡単に説明する。図17は、「設定1」の通常状態下で3枚ベットされた場合に選択される抽選テーブルである。抽選テーブルには、判定すべき役の数と同数のインデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられると共に、ポイント値PVが設定されている。すなわち、本実施形態における通常状態下では、再遊技、チェリー、ベル、スイカ、BB+チェリー、BBの6種類の役について判定が行われる。ここで、再遊技、チェリー、ベル、スイカ、BBの5種類の役は、1回の判定で1つの役に当選となる単独当選役である。これに加えて、本スロットマシン10では、1回の判定で複数の役に当選となる複数当選役としてBB+チェリーを設定している。これは、BB当選の有無を示唆するチャンス演出が無駄なものとなってしまうことを抑制するための工夫である。なお、本スロットマシン10における各抽選テーブルでは、設定値が高い抽選テーブルほどBBと対応するポイント値PVが大きく設定されており、ベット枚数が多いほど各ポイント値PVが大きく設定されている。
ステップS702ではインデックス値IVを1とし、続くステップS703では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、スタートレバー71が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。ここで、乱数カウンタについて簡単に説明すると、本スロットマシン10では、8ビットのシフトレジスタを2つ用いて0〜65535の乱数を生成している。各シフトレジスタは定期的(例えば100ns毎)に1ずつ更新され、各シフトレジスタの上位ビットと下位ビットを入れ替えた値がCPU151に入力され、スタートレバー71が操作されたとき(すなわちスタート検出センサ71aのON信号を受信したとき)に入力されている値が乱数値としてラッチされる。これは初回の判定値設定処理にて用いられる乱数値を不規則なものとするための工夫であり、例えば各シフトレジスタのビットをランダムに入れ替えた値が乱数値としてラッチされる構成であってもよい。
その後、ステップS704ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定し、65535を超えた場合には、ステップS705にてそのときのインデックス値IVと対応する役の当選フラグをセットする。このとき、BB+チェリーに当選した場合には、BB当選フラグとチェリー当選フラグとをそれぞれセットする。ちなみに、当選フラグが小役当選フラグ等のBB当選フラグと異なる当選フラグである場合、これら当選フラグは、該当選フラグがセットされたゲームの終了時にリセットされる。一方、当選フラグがBB当選フラグである場合、BB当選フラグはBB図柄の組合せが有効ライン上に成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、BB当選フラグは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。なお、BB当選フラグを持ち越した次ゲーム以降における役の当否判定では、小役又は再遊技の当否判定は行うが、BB+チェリーやBBに関する当否判定は行わない。
ステップS704にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS706にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS707ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき役があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき役がある場合にはステップS703に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS703では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS704では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図17に示した抽選テーブルが選択された場合、BB+チェリーの当選確率は約512分の1であり、BBの当選確率は約730分の1である。つまり、BBには約300分の1の確率で当選し、BB当選となった際の約6割はBB当選に加えてチェリーにも当選している。また、その他の入賞の発生し得る役の当選確率は、再遊技当選確率が約7.3分の1、ベル当選確率が約7.0分の1、チェリー及びスイカ当選確率が128分の1である。さらに、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.4分の1である。
ステップS705にて当選フラグをセットした後、又はステップS707にて当否判定すべき役がないと判定された場合には、ステップS708にてリール停止制御用のスベリテーブル(停止テーブル)を設定するスベリテーブル設定処理を行う。つまり、ステップS705にて当選フラグをセットした場合、すなわちステップS704においていずれかの役に当選したと判定した場合には、当否判定すべき役の有無に関わらず役の当否判定を終了する。ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押されたタイミングからリールをどれだけ滑らせた(回転させた)上で停止させるかが定められたテーブルである。すなわち、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押された際に基点位置(本実施形態では下ライン上)に到達している到達図柄と、前記基点位置に実際に停止させる停止図柄との関係が定められた停止データ群である。
本実施の形態では、スベリテーブルに関するデータ構成に特徴を有するので、その点について説明する。
本スロットマシン10では、ストップスイッチ72〜74が操作された場合に、到達図柄をそのまま停止させる場合、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる場合、2図柄分滑らせた後に停止させる場合、3図柄分滑らせた後に停止させる場合、4図柄分滑らせた後に停止させる場合の5パターンがリールの停止態様として用意されている。これは、遊技者がストップスイッチ72〜74を操作するタイミングと、各表示窓32L,32M,32Rから視認可能な範囲に停止する図柄配列(以下、「停止出目」と言う)とを密接に関連付けるための工夫である。つまり、ストップスイッチ72〜74が操作されたタイミングから規定時間(190msec)が経過するまでに各リール42L,42M,42Rを停止させることにより、遊技者の操作によってあたかも停止出目が決定されたかのような印象を遊技者に抱かせることが可能となる。また、4図柄分までは滑らせることが可能な構成とすることにより、かかる規定時間内で可能な限り抽選に当選した役と対応する図柄の組合せを有効ライン上に停止させるように、且つ抽選に当選していない役と対応する図柄の組合せを有効ライン上に停止させないようにすることが可能となる。
このような停止態様に関する停止データは、左リール42Lに5種類(滑りなし、1コマ滑り、2コマ滑り、3コマ滑り、4コマ滑り)、中リール42Mに5種類、右リール42Rに5種類必要である。この場合、各リール42L,42M,42Rに関する停止データをビット単位で割り振る構成とすると、各リール42L,42M,42Rに3ビットの停止データが必要となり、1バイトに納めることができなくなる。
この点、本実施の形態では、各5種類の停止データが必要であるから、各停止データをまとめて6進数と仮定して圧縮データを作成している。即ち、停止データを「(左リール42Lのデータ)×36+(中リール42Mのデータ)×6+(右リール42Rのデータ)」からなる構成とする。この場合、各リール42L,42M,42Rの停止データとして準備できる数は各々最大6種類であり、停止データ全体としては6×6×6=216の組合せパターンが存在するが、これは1バイトで表現できる最大値である256以内となる。その結果、各リール42L,42M,42Rに5種類も停止データが存在するにもかかわらず、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる。また、各リール42L,42M,42Rには21個の図柄が付されていることから、1つのスベリテーブルを21バイトで構成することができ、1つのスベリテーブルに必要なデータ量を低減させることが可能となる。この結果、記憶容量に制限のあるスロットマシンにおいて、種々のスベリテーブルを記憶させておくことが可能となり、停止出目を多様化させることが可能となる。ちなみに、本実施の形態では、21バイトからなるスベリテーブルが約60種類予めROM152に記憶されている。
また、各停止データを圧縮データとして記憶する本スロットマシン10では、各停止データを使用するにあたって所定の解凍処理を行う。具体的には、到達図柄の図柄番号と対応する圧縮データを「36」(=6×6)で除算し、得られた商を左リール42Lの停止データとして把握する。さらに、その除算して得られた余りを「6」で除算し、得られた商を中リール42Mの停止データとして把握すると共に、その余りを右リール42Rの停止データとして把握する。
上述した処理を経て、CPU151は各リール42L,42M,42Rの停止データを解凍データとして把握することができる。なお、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる構成であればよく、例えば各停止データをまとめて5進数と仮定して圧縮データを作成してもよい。停止データが1バイト内におさまる条件としては、各リール42L,42M,42Rの停止データとして準備可能な最大数を乗算したときに得られる値が256以下であればよい。従って、各リール42L,42M,42Rにおいて、準備可能な停止データの最大数が同一である必要もない。例えば、左リール42Lに6種類、中リール42Mに8種類、右リール42Rに4種類の停止データを準備可能とした場合であっても、停止データ全体の組合せパターンは6×8×4=192通りとなり、1バイトで表現できる最大値256以下となるため、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる。ちなみに、かかる場合には、圧縮データを「(右リール42Rのデータ)×48+(中リール42Mのデータ)×6+(左リール42Lのデータ)」とし、解凍処理では、到達図柄の図柄番号と対応する圧縮データを「48」で除算して得られた商を右リール42Rの停止データとし、その除算して得られた余りを「6」で除算して得られた商を中リール42Mの停止データとし、更にその余りを左リール42Lの停止データとして把握することとなる。
図18は、スイカ図柄を有効ライン上に停止させる場合にセットされるスベリテーブルの一例である。滑り数が0である番号の図柄は、下ライン上に実際に停止する図柄である。例えば、左リール42Lの7番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは滑ることなくそのまま停止し、9番図柄たる「スイカ」図柄が上ライン上に停止する。また、滑り数が0でない番号の図柄は、記載された図柄数分だけリールが滑ることを意味する。例えば、左リール42Lの8番図柄たる「リプレイ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは1図柄分だけ滑り、9番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に停止する。すなわち、滑り数が0でない番号の図柄が下ライン上に到達している際にストップスイッチが押された場合、対応するリールは滑り数が0の図柄が下ライン上に到達するまで滑った後に停止する。このように、スベリテーブルでは、各リール42L,42M,42Rに付された図柄が下ライン上に到達したタイミングでストップスイッチ72〜74を押された場合の滑り数が図柄番号毎に設定されている。そして、例えば図柄番号0における左滑り数2、中滑り数0、右滑り数3の停止データが1バイトの圧縮データとされ、各図柄番号についての圧縮データすなわち21バイトの圧縮データから1つのスベリテーブルが構成されている。
図19に示すように、スベリテーブル設定処理では、先ずステップS801にてBB当選フラグがセットされているか否かを判定する。BB当選フラグがセットされていない場合にはステップS802に進み、当選フラグ及び現在の遊技状態(すなわちBBゲーム中か否か)と一義的に対応する第1当選番号をRAM153の当選番号格納エリア153aにセットする。当選番号とはスベリテーブルをセットする際に用いるための番号であり、第1当選番号がセットされている場合には、当選フラグがセットされていない又は当選フラグが1つだけセットされていることを意味する。続くステップS803では、第1当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルをRAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットし、本処理を終了する。このとき、本スロットマシン10では、左リール42Lの当選フラグと対応する図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように、中リール42M及び右リール42Rの当選フラグと対応する図柄が中ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。つまり、第1当選番号がセットされている場合、左リール42Lと中リール42Mの当選フラグと対応する図柄が、右下がりライン上又は右上がりライン上に並んで停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。また、当選フラグがセットされていない外れの場合には、いずれの入賞態様も成立しないスベリテーブルをセットする。
図18に示すスベリテーブルは、スイカ当選フラグがセットされている場合に第1当選番号に基づいてセットされるスベリテーブルである。換言すれば、スイカ当選フラグがセットされている場合に最初にセットされるスベリテーブルであるとも言える。かかるスベリテーブルでは、例えば中リール42Mの4番図柄たる「チェリー」図柄が下ライン上に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mは滑ることなくそのまま停止し、5番図柄たる「スイカ」図柄が中ライン上に停止する。また、中リール42Mの5番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mは3図柄分だけ滑って8番図柄たる「リーチ」図柄が下ライン上に停止し、9番図柄たる「スイカ」図柄が中ライン上に停止する。右リール42Rについても同様であり、例えば右リール42Rの4番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に右ストップスイッチ74が押された場合、右リール42Rは3図柄分だけ滑って7番図柄たる「リーチ」図柄が下ライン上に停止し、8番図柄たる「スイカ」図柄が中ライン上に停止する。このように、中リール42M及び右リール42Rについては、「スイカ」図柄が中ライン上に停止するように設定されている。
但し、左リール42Lについては、上ライン又は下ラインのいずれかに「スイカ」図柄が停止するように設定されている。すなわち、7番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、9番図柄たる「スイカ」図柄は上ライン上に停止し、8番図柄たる「リプレイ」図柄又は9番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、9番図柄たる「スイカ」図柄は下ライン上に停止する。これは、一般的に左リール42L→中リール42M→右リール42Rの順に回転を停止させるべくストップスイッチ72〜74が操作されることを考慮し、停止出目を多様化させるための工夫である。
また、かかるスベリテーブルが最初にセットされた場合であっても、ストップスイッチの押されたタイミングによっては「スイカ」図柄が有効ライン上に停止せず、所謂取りこぼしが発生することもある。これは、滑らせることのできる範囲をストップスイッチの押されたタイミングから190msec以内(最大4図柄分)と予め決めており、下ライン上に到達した「スイカ」図柄から次に下ライン上に到達する「スイカ」図柄までの間隔が5図柄分以上離れている区間を設定しているためである。例えば中リール42Mでは、5番図柄たる「スイカ」図柄から9番図柄たる「スイカ」図柄までは3図柄分離れているのみである一方、9番図柄たる「スイカ」図柄から5番図柄たる「スイカ」図柄までは16図柄分離れている。このため、例えば中リール42Mの11番図柄たる「リプレイ」図柄が下ライン上に到達しているタイミングで中ストップスイッチ73が押された場合、仮に中リール42Mを4図柄分滑らせても「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。本スロットマシン10では、かかる「スイカ」図柄の他、「7」図柄及び「チェリー」図柄についても5図柄分以上離れた区間を設定している。つまり、スイカ入賞、BB入賞、チェリー入賞については、各入賞と対応する役に当選している場合であっても、ストップスイッチの押されたタイミングによって取りこぼしが発生し得る。
図20に示すスベリテーブルは、チェリー当選フラグがセットされている場合に第1当選番号に基づいてセットされるスベリテーブルである。換言すれば、チェリー当選フラグがセットされている場合に最初にセットされるスベリテーブルであるとも言える。かかるスベリテーブルでは、左リール42Lの「チェリー」図柄が、上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように設定されている。すなわち、3番図柄たる「リプレイ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは滑ることなくそのまま停止し、5番図柄たる「チェリー」図柄が上ライン上に停止する。また、9番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは4図柄分だけ滑り、13番図柄たる「チェリー」図柄が下ライン上に停止する。
一方、かかるスベリテーブルでは、スイカ等の他の当選フラグに基づいてセットされるスベリテーブルと異なり、中リール42Mと右リール42Rの「チェリー」図柄が中ライン上に停止するようには設定されていない。例えば中リール42Mの4番図柄たる「チェリー」図柄が中ライン上に到達している(すなわち3番図柄たる「リプレイ」図柄が下ライン上に到達している)際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mは1図柄分だけ滑り、4番図柄たる「チェリー」図柄は下ライン上に停止する。また、右リール42Rの11番図柄たる「チェリー」図柄が中ライン上に到達している(すなわち10番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に到達している)際に右ストップスイッチ74が押された場合、右リール42Rは4図柄分だけ滑り、15番図柄たる「ベル」図柄が中ライン上に停止する。つまり、右リール42Rの「チェリー」図柄は有効ライン上に停止しない。これは、チェリー入賞の場合、中リール42M及び右リール42Rの有効ライン上に停止する図柄はどのような図柄であってもよいからである。
さらに、かかるスベリテーブルでは、上述した構成に加えて、左リール42Lと中リール42Mの「7」図柄が下ライン上に停止するように、右リール42Rの「7」図柄が上ライン上に停止するように設定されている。例えば、左リール42Lの13番図柄たる「チェリー」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは滑ることなくそのまま停止し、13番図柄たる「チェリー」図柄が下ライン上に停止する。一方、14番図柄たる「青年」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、すなわちチェリー入賞を取りこぼすタイミングで左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは3図柄分だけ滑り、17番図柄たる「7」図柄が下ライン上に停止する。これは、チェリー入賞を取りこぼした場合に、BB入賞への期待感を高めさせるための工夫である。
なお、複数の滑り数が記載されている位置の図柄は、下ライン上に停止する可能性があるものの、当該図柄が下ライン上に到達している際にストップスイッチが押された場合には下ライン上に停止しない図柄である。例えば、左リール42Lの10番図柄たる「ベル」図柄には、滑り数として「3」と「0」の2通りが記載されている。10番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは3図柄分だけ滑り、13番図柄たる「チェリー」図柄が下ライン上に停止し、10番図柄たる「ベル」図柄は下ライン上に停止しない。一方、6番図柄たる「リーチ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは4図柄分だけ滑り、10番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止する。
ステップS801にてBB当選フラグがセットされていると判定した場合には、さらにステップS804にて他の当選フラグがセットされているか否かを判定する。他の当選フラグがセットされていない場合にはBB当選フラグのみがセットされていることを意味するため、上述したステップS802〜ステップS803の処理を行い、本処理を終了する。一方、他の当選フラグがセットされている場合には、BB+チェリーに当選した、又はBB当選フラグを持ち越した状態で小役又は再遊技に当選したことを意味する。かかる場合にはステップS805に進み、セットされている当選フラグ及び現在の遊技状態(すなわちBBゲーム中か否か)と一義的に対応する第2当選番号をRAM153の当選番号格納エリア153aにセットする。第2当選番号がセットされている場合には、BB当選フラグと、小役当選フラグ又は再遊技当選フラグの2つがセットされていることを意味する。続くステップS806では、第2当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルをRAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットし、本処理を終了する。このとき、本スロットマシン10では、BB当選フラグと他の当選フラグの少なくとも一方と対応する図柄が有効ライン上のいずれかに停止するよう設定されたスベリテーブルをセットする。具体的に説明すると、他の当選フラグが再遊技当選フラグである場合、「7」図柄より「リプレイ」図柄が優先して有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。一方、他の当選フラグが小役当選フラグである場合、「7」図柄が優先して有効ライン上に停止するように、且つ「7」図柄を有効ライン上に停止させられない場合は小役当選フラグと対応する図柄が有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。さらに、他の当選フラグが小役当選フラグたるベル当選フラグである場合には、上述した設定に加えて、「7」図柄と「ベル」図柄とを共に有効ライン上に停止させることが可能な場合、「7」図柄と「ベル」図柄が共に有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。
図21に示すスベリテーブルは、BB当選フラグとチェリー当選フラグがセットされている場合に第2当選番号に基づいてセットされるスベリテーブルである。換言すれば、BB当選フラグとチェリー当選フラグがセットされている場合に最初にセットされるスベリテーブルであるとも言える。
かかるスベリテーブルでは、左リール42Lの「7」図柄が、上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように設定されている。例えば、16番図柄たる「リプレイ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは1図柄分だけ滑り、17番図柄たる「7」図柄が下ライン上に停止する。また、13番図柄たる「チェリー」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは2図柄分だけ滑り、17番図柄たる「7」図柄が上ライン上に停止する。つまり、「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで左ストップスイッチ72が押された場合であっても、「7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能であれば、「チェリー」図柄より「7」図柄が優先して有効ライン上に停止するように設定されている。
左リール42Lの「7」図柄を有効ライン上に停止させることができない場合には、「チェリー」図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように設定されている。すなわち、5番図柄たる「チェリー」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは滑ることなくそのまま停止し、5番図柄たる「チェリー」図柄が下ライン上に停止する。また、9番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは2図柄分だけ滑り、13番図柄たる「チェリー」図柄が上ライン上に停止する。
中リール42M及び右リール42Rについては、チェリー入賞の場合、有効ライン上に停止する図柄はどのような図柄であってもよい。そこで、BB当選フラグとチェリー当選フラグがセットされている場合に第2当選番号に基づいてセットされるスベリテーブルでは、中リール42Mの「7」図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように、右リール42Rの「7」図柄が上ライン上に停止するように設定されている。
抽選処理の説明に戻り、スベリテーブル設定処理が終了すると、ステップS709にてBBに当選しているか否かを判定する。BBに当選していると判定した場合にはステップS710に進み、演出コマンドAをセットして本処理を終了する。BBに当選していないと判定した場合には、ステップS711にてチェリーに当選しているか否かを判定し、チェリーに当選していないと判定した場合には、さらにステップS712にてスイカに当選しているか否かを判定する。そして、チェリーかスイカのいずれかに当選していると判定した場合にはステップS713に進み、演出コマンドBをセットして本処理を終了する。一方、チェリーとスイカのいずれにも当選していないと判定した場合には、演出コマンドをセットすることなくそのまま本処理を終了する。
ここで、演出コマンドとは表示制御装置111に対して送信されるコマンドであり、表示制御装置111は、当該コマンドを受信することにより、各演出コマンドと対応するチャンス演出を行わせるべく補助表示部15等の駆動制御を開始する。つまり、BBに当選している場合と、チェリーに当選している場合と、スイカに当選している場合に、補助表示部15にてチャンス演出が行われる。なお、演出コマンドの表示制御装置111への送信は、先述したタイマ割込み処理中のコマンド出力処理S210(図11参照)にて行われる。
次に、ステップS604のリール制御処理について、図22のフローチャートに基づき説明する。なお、理解を容易なものとするため、ここでは実際のゲームの進行に即して説明すると共に図7の図柄配列を適宜参照しながら説明することとする。
リール制御処理では、先ずステップS901において各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。回転開始処理では、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、当該時間が経過するまで待機するウエイト処理を行った後に各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる。このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、直ちに各リール42L,42M,42Rが回転を開始しない場合がある。続くステップS902では、ストップスイッチ72〜74のいずれかが操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を受信したか否かを判定し、停止指令が発生していない場合には停止指令が発生するまで待機する。但し、本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから所定の速度で定速回転するまでの期間を無効期間として設定しており、この無効期間内にストップスイッチ72〜74が操作されても、ストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を無効化する。ちなみに本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから0.5秒が経過するまでの期間を無効期間として設定している。
ステップS902にてストップスイッチ72〜74のいずれかが操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS903に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否か、すなわち1つのリールのみが回転しているときにストップスイッチが操作されたか否かを判定する。全リール42L,42M,42Rが回転しているときにストップスイッチ72〜74のいずれかが操作された場合、今回の停止指令は第1停止指令であることを意味する。かかる場合にはステップS903にて否定判定を行い、ステップS904にてスベリテーブル第1変更処理を行う。スベリテーブル第1変更処理とは、停止指令の発生に基づいてリールを停止させる前に行うスベリテーブルの変更処理である。
スベリテーブル第1変更処理では、図23のフローチャートに示すように、ステップS1001にてBBとチェリーに当選しているか否か、具体的にはBBとチェリーの当選を意味する第2当選番号がセットされているか否かを判定する。BBとチェリーに当選していない場合、ステップS1002では今回の停止指令が第1停止指令か否かを判定する。今回の停止指令は第1停止指令であるため、ステップS1003〜ステップS1010に示す第1停止変更処理を行う。第1停止変更処理では、ステップS1003にていずれのストップスイッチが操作されたかを確認し、ステップS1004では、操作されたストップスイッチが左ストップスイッチ72か否かを判定する。そして、左ストップスイッチ72が操作されていた場合には、スベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。これは、先のスベリテーブル設定処理(図19参照)において、左ストップスイッチ72が最初に操作されることを想定してスベリテーブルをセットしているためである。
一方、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合、想定された順序(すなわち左ストップスイッチ72→中ストップスイッチ73→右ストップスイッチ74の順序)と異なる順序でストップスイッチが操作されたことを意味する。かかる場合にはステップS1005に進み、RAM153の当選番号格納エリア153aにセットされた当選番号を確認する。続くステップS1006では、確認した当選番号からチェリーにのみ当選しているか否かを把握し、チェリーにのみ当選している場合には、スベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。チェリーに当選していない場合には、ステップS1007にて再遊技に当選しているか否かを把握する。具体的には、確認した当選番号が、再遊技当選を意味する第1当選番号又は再遊技当選とBB当選を意味する第2当選番号か否かを判定する。再遊技に当選している場合にはステップS1008に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、再遊技入賞を成立させるための入賞確定用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。ここで、入賞確定用スベリテーブルとは、セットされた当選フラグと対応する入賞が成立しない所謂取りこぼしの発生を回避するためのスベリテーブルである。
図24は、再遊技当選している場合にセットされる入賞確定用スベリテーブルである。かかるスベリテーブルでは、左リール42Lの「リプレイ」図柄が上ライン上に停止し、中リール42Mの「リプレイ」図柄が中ライン上に停止し、右リール42Rの「リプレイ」図柄が下ライン上に停止するように設定されている。すなわち、再遊技当選時の入賞確定用スベリテーブルは、再遊技入賞が右下がりライン上に成立するように設定されている。これは、役の複合が発生することを回避させつつ再遊技入賞を成立させるための工夫である。左リール42Lの「チェリー」図柄はその図柄単独で入賞を成立させることが可能な図柄であるため、左ストップスイッチ72が最初に操作されなかった場合、再遊技入賞等の図柄の組合せによって入賞が成立するものと、左リール42L単独で入賞が成立するチェリー入賞とで役の複合が発生し得る。具体的には、中リール42Mと右リール42Rの「リプレイ」図柄が下ライン上に停止している状況下で左リール42Lの3番図柄たる「リプレイ」図柄を下ライン上に停止させた場合、上ライン上に5番図柄たる「チェリー」図柄が停止するため、再遊技入賞とチェリー入賞が同時に成立する役の複合が発生してしまう。しかしながら、先の抽選処理において再遊技とチェリーに共に当選することはないため、役の複合が発生する矛盾を回避させる必要がある。そこで、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には右下がりライン上に再遊技入賞が成立する入賞確定用スベリテーブルをセットすることにより、役の複合を回避させつつ再遊技入賞を成立させることが可能となる。
ステップS1007にて再遊技に当選していないと判定した場合、ステップS1009ではベルにのみ当選しているか否か、具体的にはステップS1005にて確認した当選番号がベル当選を意味する第1当選番号と一致するか否かを確認する。そして、ベルにのみ当選していた場合、上述したステップS1008に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、ベル入賞を成立させるための入賞確定用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。詳細な説明は省略するが、ベル当選時の入賞確定用スベリテーブルは、ベル入賞が中ライン上に成立するように設定されている。これは、役の複合が発生することを回避させつつベル入賞を成立させるための工夫である。例えば、中リール42Mと右リール42Rの「ベル」図柄が上ライン上に停止している状況下で左リール42Lの7番図柄たる「ベル」図柄を上ライン上に停止させた場合、下ライン上に5番図柄たる「チェリー」図柄が停止するため、ベル入賞とチェリー入賞が同時に成立する役の複合が発生してしまう。しかしながら、先の抽選処理においてベルとチェリーに共に当選することはないため、役の複合が発生する矛盾を回避させる必要がある。そこで、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には中ライン上にベル入賞が成立する入賞確定用スベリテーブルをセットすることにより、役の複合を回避させつつベル入賞を成立させることが可能となる。
ステップS1009にて否定判定をした場合、すなわちBB等の再遊技とベル以外の役に当選した場合又はいずれの役にも当選していない場合には、ステップS1010に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、当選番号及び操作されたストップスイッチと一義的に対応する変則押し用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。本スロットマシン10では、スベリテーブル設定処理にてセットされるスベリテーブルと同様、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置を複数設定されたスベリテーブルが、中リール42M及び右リール42Rについてもそれぞれ用意されている。そして、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が左リール42Lに複数設定されたスベリテーブルから、操作されたストップスイッチと対応するリールに複数設定されたスベリテーブルに変更する。これは、取りこぼしの発生頻度を低減させるための工夫である。図18に示すスベリテーブルを例に説明すると、例えば中リール42Mの9番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達しているタイミングで中ストップスイッチ73が操作された場合、かかるスベリテーブルでは12番図柄たる「青年」図柄が下ライン上に停止し、「スイカ」図柄が有効ライン上に停止しない。つまり、図18に示すスベリテーブルに基づいて中リール42Mを停止させた場合、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで中ストップスイッチ73が操作されたにも関わらず、スイカ入賞を取りこぼしてしまうこととなる。そこで、かかる不具合の発生を抑制すべく、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には、変則押し用スベリテーブルに変更することとしている。
ステップS1001にてBBとチェリーに当選していた場合には、ステップS1011にて複数当選第1処理を行い、本処理を終了する。複数当選第1処理とは、チェリー入賞とBB入賞のいずれか一方が成立し得るようにスベリテーブルを変更する処理である。なお、理解を容易なものとするため、BBとチェリーに当選していない状況下における一連の処理を説明した上で、複数当選第1処理を説明することとする。
スベリテーブル第1変更処理が終了した後、ステップS905では、かかるタイミングで下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS906では、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルのうち、到達図柄と対応する図柄番号の圧縮データから今回停止させるべきリールのスベリ数を算出し、ステップS907にて下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS908では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS909にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行うと共にステップS910にて停止コマンドをセットする。ここで、停止コマンドとは表示制御装置111に対して送信されるコマンドであり、表示制御装置111は、当該コマンドを受信することにより、いずれかのリールが停止されたことを認識する。停止コマンドの表示制御装置111への送信は、先述したタイマ割込み処理中のコマンド出力処理S210(図11参照)にて行われる。停止コマンドをセットした後、ステップS911では、全てのリールが停止したか否かを判定する。第1停止指令に基づいて上述したステップS903〜ステップS910の処理を行った場合、未だに2つのリールは回転中である。かかる場合にはステップS911にて否定判定を行い、続くステップS912にてスベリテーブル第2変更処理を行う。スベリテーブル第2変更処理とは、リールを停止させた後に行うスベリテーブルの変更処理である。
ここで、スベリテーブル第2変更処理について図25のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第2変更処理では、ステップS1101にて現在セットされているスベリテーブルが入賞確定用スベリテーブルか否かを判定し、入賞確定用スベリテーブルである場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。入賞確定用スベリテーブルでない場合にはステップS1102に進み、RAM153の当選番号格納エリア153aにセットされた当選番号を確認する。続くステップS1103では確認した当選番号が第2当選番号か否かを判定し、第2当選番号でないと判定した場合にはステップS1104にてチェリー当選を意味する第1当選番号がセットされているか否かを判定する。そして、チェリーに当選していると判定した場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。
ステップS1104にてチェリーに当選していないと判定した場合にはステップS1105に進み、現在停止しているリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1106では、停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号と一致しているか否かを判定し、一致していない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。
停止図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致している場合にはステップS1107に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。上述した通り、本スロットマシン10では、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置を複数設定されたスベリテーブルが、中リール42M及び右リール42Rについてもそれぞれ用意されている。そして、第1停止指令に基づいて停止させたリールの停止図柄に応じて、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が回転中の他のリールについて複数設定されたスベリテーブルに変更する。これは、停止出目が単調化することを抑制するための工夫である。
例えば図18に示すスベリテーブルに基づいて左リール42Lと中リール42Mを停止させる構成とした場合、左リール42Lの「スイカ」図柄は上ライン又は下ライン上に停止する一方、中リール42Mの「スイカ」図柄は中ライン上にしか停止しない。ところが、左リール42Lの「スイカ」図柄が上ライン上に停止した場合、中リール42Mの「スイカ」図柄が中ラインではなく上ライン上に停止してもスイカ入賞の成立する余地が残る。同様に、左リール42Lの「スイカ」図柄が下ライン上に停止した場合、中リール42Mの「スイカ」図柄が中ラインではなく下ライン上に停止してもスイカ入賞の成立する余地が残る。つまり、図18に示すスベリテーブルに基づいて左リール42Lと中リール42Mを停止させる構成とした場合、中リール42Mの停止出目が過剰に制約を受けることとなる。そこで本スロットマシン10では、停止したリールの停止図柄を確認し、確認結果に応じたライン変更用スベリテーブルに変更することとしている。具体的には、左リール42Lの7番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止し、9番図柄たる「スイカ」図柄が上ライン上に停止した場合、上ライン又は中ライン上に中リール42Mの「スイカ」図柄が停止するよう設定されたスベリテーブルに変更する。また、左リール42Lの9番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に停止した場合、中ライン又は下ライン上に中リール42Mの「スイカ」図柄が停止するよう設定されたスベリテーブルに変更する。つまり、左リール42Lの「スイカ」図柄が上ライン上に停止した場合には、上ライン又は右下がりライン上に「スイカ」図柄が並んで停止するようにスベリテーブルを変更し、左リール42Lの「スイカ」図柄が下ライン上に停止した場合には、下ライン又は右上がりライン上に「スイカ」図柄が並んで停止するようにスベリテーブルを変更する。
ちなみに、本スロットマシン10では、停止図柄と変更図柄が一致した場合、以下に示すようなスベリテーブルに変更する。左リール42Lが停止している場合、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が中リール42Mについて複数設定されたスベリテーブルに変更し、中リール42Mが停止している場合、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が右リール42Rについて複数設定されたスベリテーブルに変更し、右リール42Rが停止している場合、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が左リール42Lについて複数設定されたスベリテーブルに変更する。
一方、ステップS1103にて肯定判定をした場合、すなわち確認した当選番号が第2当選番号であった場合、ステップS1108では、BB以外の当選が再遊技か否かを判定し、再遊技であった場合には上述したステップS1105〜ステップS1107の処理を行い、本処理を終了する。また、BB以外の当選が小役当選である場合には、ステップS1109にて小役当選がチェリーか否かを判定し、チェリーでない場合にはステップS1110にて第2当選番号時処理を行い、本処理を終了する。
第2当選番号時処理では、図26のフローチャートに示すように、ステップS1201にてBB以外の当選がベル当選か否かを判定する。ベル当選であった場合にはステップS1202に進み、BB入賞及びベル入賞が共に成立する可能性があるか否かを判定する。具体的には、現在停止しているリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認し、有効ライン上に「7」図柄と「ベル」図柄が共に停止しているか否かを判定する。例えば、第1停止指令に基づいて左リール42Lの15番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止した場合、17番図柄たる「7」図柄が上ライン上に停止することとなる。従って、第1停止指令に基づいて左リール42Lが停止した段階では、BB入賞、ベル入賞共に成立する可能性がある。かかる場合にはステップS1203に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、「7」図柄及び「ベル」図柄を共に有効ライン上に停止させることが可能に設定された同時成立用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。具体的には、第1停止指令に基づいて左リール42Lの15番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止した場合、中リール42Mの14番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルに変更し、第1停止指令に基づいて中リール42Mの14番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止した場合、左リール42Lの15番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルに変更する。なお、これら同時成立用スベリテーブルは、「7」図柄と「ベル」図柄を共に有効ライン上に停止させることが不可能な場合、「7」図柄を有効ライン上に停止させるように、さらに「7」図柄を有効ライン上に停止させることが不可能な場合、「ベル」図柄を有効ライン上に停止させるように設定されている。
ステップS1202において否定判定をした場合、続くステップS1204ではBB入賞の成立する可能性があるか否か、すなわち有効ライン上に「7」図柄が停止しているか否かを判定する。有効ライン上に「7」図柄が停止している場合にはステップS1205に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、「7」図柄が有効ライン上に停止するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。また、ステップS1204にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1206に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、「ベル」図柄が有効ライン上に停止するように設定されたベル入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
ステップS1201にてBB当選以外の当選役がベルでなかった場合には、当該当選役がスイカであることを意味する。かかる場合にはステップS1207に進み、BB入賞の成立する可能性があるか否か、すなわち有効ライン上に「7」図柄が停止しているか否かを判定する。有効ライン上に「7」図柄が停止している場合にはステップS1208に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、「7」図柄が有効ライン上に停止するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。また、ステップS1207にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1209に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、「スイカ」図柄が有効ライン上に停止するように設定されたスイカ入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
ステップS1109にてチェリーに当選していた場合には、ステップS1111にて複数当選第2処理を行い、本処理を終了する。複数当選第2処理とは、チェリー入賞とBB入賞のいずれか一方が成立し得るようにスベリテーブルを変更する処理である。なお、理解を容易なものとするため、BBとチェリーに当選していない状況下における一連の処理を説明した上で、複数当選第2処理を説明することとする。
以上のように、第1停止指令に基づいて対応するリールを停止させると共にスベリテーブル第2変更処理を行った場合、ステップS902に戻り、回転中のリールと対応するストップスイッチのいずれかが操作されて次の停止指令が発生するまで待機する。
ステップS902にて回転中のリールと対応するストップスイッチのいずれかが操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS903に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否かを判定する。いずれか1つのリールが停止しているときにストップスイッチが操作された場合、今回の停止指令は第2停止指令であることを意味する。かかる場合にはステップS903にて否定判定を行い、ステップS904にてスベリテーブル第1変更処理を行う。
スベリテーブル第1変更処理では、図23のフローチャートに示すように、ステップS1001にてBBとチェリーに当選しているか否かを判定する。BBとチェリーに当選していない場合、ステップS1002では今回の停止指令が第1停止指令か否かを判定する。今回の停止指令は第2停止指令であるため、ステップS1012〜ステップS1018に示す第2停止変更処理を行う。第2停止変更処理では、ステップS1012にて現在セットされているスベリテーブルが入賞確定用スベリテーブルか否かを判定し、入賞確定用スベリテーブルである場合には、スベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。入賞確定用スベリテーブルでない場合にはステップS1013に進み、チェリーにのみ当選しているか否かを判定する。チェリーにのみ当選している場合には、スベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。また、チェリーに当選していない場合には、ステップS1014にて第1停止指令及び第2停止指令がいずれのストップスイッチ72〜74に対してどのような順序でなされたかを確認する。続くステップS1015では、確認結果が左ストップスイッチ72→中ストップスイッチ73の順に操作される順押し操作であったか否かを判定し、順押し操作であった場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。これは、先のスベリテーブル第2変更処理において、左ストップスイッチ72が最初に操作された場合は次に中ストップスイッチ73が操作されることを想定したスベリテーブルに変更しているためであり、スベリテーブル第2変更処理においてスベリテーブルを変更していない場合であっても、先のスベリテーブル設定処理において中リール42Mの当選フラグと対応する図柄が中ライン上に停止するスベリテーブルをセットしているためである。
ステップS1015において順押し操作でないと判定した場合にはステップS1016に進み、第1停止指令に基づいて停止したリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1017では、停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号と一致しているか否かを判定し、一致しない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。停止図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致した場合にはステップS1018に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。具体的には、第1停止指令に基づいて停止させたリールの停止図柄に応じて、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が第2停止指令に基づいて停止させるリールについて複数設定されたスベリテーブルに変更する。例えば、スイカ当選フラグがセットされ、左リール42Lの「スイカ」図柄が上ライン上に停止している状況下で右ストップスイッチ74が第2停止指令として操作された場合、スイカ入賞を成立させるためには右リール42Rの「スイカ」図柄を上ライン又は下ライン上に停止させればよい。そこで、左ストップスイッチ72→右ストップスイッチ74の順にストップスイッチが操作された場合には、右リール42Rの「スイカ」図柄が上ライン又は下ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルに変更する。
ステップS1001にてBBとチェリーに当選していた場合には、ステップS1011にて複数当選第1処理を行い、本処理を終了する。複数当選第1処理については後述することとする。
スベリテーブル第1変更処理が終了した後、ステップS905では、かかるタイミングで下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS906では、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルのうち、到達図柄と対応する図柄番号の圧縮データから今回停止させるべきリールのスベリ数を算出し、ステップS907にて下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS908では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS909にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行うと共にステップS910にて停止コマンドをセットする。停止コマンドをセットした後、ステップS911では、全てのリールが停止したか否かを判定する。第2停止指令に基づいて上述したステップS903〜ステップS910の処理を行った場合、未だに1つのリールが回転中である。かかる場合にはステップS911にて否定判定を行い、続くステップS912にてスベリテーブル第2変更処理を行う。
ここで、スベリテーブル第2変更処理について図25のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第2変更処理では、ステップS1101にて現在セットされているスベリテーブルが入賞確定用スベリテーブルか否かを判定し、入賞確定用スベリテーブルである場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。入賞確定用スベリテーブルでない場合にはステップS1102に進み、RAM153の当選番号格納エリア153aにセットされた当選番号を確認する。続くステップS1103では確認した当選番号が第2当選番号か否かを判定し、第2当選番号でないと判定した場合にはステップS1104にてチェリー当選を意味する第1当選番号がセットされているか否かを判定する。そして、チェリーに当選していると判定した場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。
ステップS1104にてチェリーに当選していないと判定した場合にはステップS1105に進み、現在停止している2つのリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1106では、各停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号とそれぞれ一致しているか否かを判定し、少なくとも一方が一致していない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。各停止図柄の図柄番号と各変更図柄の図柄番号が共に一致した場合にはステップS1107に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。例えば、スイカ当選フラグがセットされている状況下で左リール42Lの「スイカ」図柄が上ライン上、中リール42Mの「スイカ」図柄が中ライン上に停止した場合、右リール42Rの「スイカ」図柄が下ライン上に停止するスベリテーブルに変更する。
一方、ステップS1103にて肯定判定をした場合、すなわち確認した当選番号が第2当選番号であった場合、ステップS1108では、BB以外の当選が再遊技か否かを判定し、再遊技であった場合には上述したステップS1105〜ステップS1107の処理を行い、本処理を終了する。また、BB以外の当選が小役当選である場合には、ステップS1109にて小役当選がチェリーか否かを判定し、チェリーでない場合にはステップS1110にて第2当選番号時処理を行い、本処理を終了する。
第2当選番号時処理では、図26のフローチャートに示すように、ステップS1201にてBB以外の当選がベル当選か否かを判定する。ベル当選であった場合にはステップS1202に進み、BB入賞及びベル入賞が共に成立する可能性があるか否かを判定する。具体的には、現在停止している2つのリールの下ライン上に停止した各停止図柄の図柄番号を確認し、有効ライン上に「7」図柄と「ベル」図柄が共に並んで停止しているか否かを判定する。本実施形態では、左リール42Lの15番図柄たる「ベル」図柄、中リール42Mの14番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止しているか否かを判定している。これら各図柄が下ライン上に停止している場合、下ライン上に「ベル」図柄が並んで停止し、上ライン上に「7」図柄が並んで停止していることとなり、右リール42Rの停止結果によってBB入賞及びベル入賞のいずれも成立する可能性がある。かかる場合にはステップS1203に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、「7」図柄を上ライン上に停止させることが可能な場合には「7」図柄を上ライン上に停止させるように、且つ停止させることが不可能な場合には「ベル」図柄を下ライン上に停止させるように設定された同時成立用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
ステップS1202において否定判定をした場合、続くステップS1204ではBB入賞の成立する可能性があるか否か、すなわち有効ライン上に「7」図柄が並んで停止しているか否かを判定する。有効ライン上に「7」図柄が並んで停止している場合にはステップS1205に進み、BB入賞が成立するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。また、ステップS1204にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1206に進み、ベル入賞が成立するように設定されたベル入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
ステップS1201にてBB当選以外の当選役がベルでなかった場合には、当該当選役がスイカであることを意味する。かかる場合にはステップS1207に進み、BB入賞の成立する可能性があるか否か、すなわち有効ライン上に「7」図柄が並んで停止しているか否かを判定する。有効ライン上に「7」図柄が並んで停止している場合にはステップS1208に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、BB入賞が成立するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。また、ステップS1207にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1209に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、スイカ入賞が成立するように設定されたスイカ入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
ステップS1109にてチェリーに当選していた場合には、ステップS1111にて複数当選第2処理を行い、本処理を終了する。複数当選第2処理については後述することとする。
以上のように、第2停止指令に基づいて対応するリールを停止させると共にスベリテーブル第2変更処理を行った場合、ステップS902に戻り、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されて次の停止指令が発生するまで待機する。
ステップS902にて回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS903に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否かを判定する。2つのリールが停止しているときにストップスイッチが操作された場合、今回の停止指令は第3停止指令であることを意味する。かかる場合にはステップS903にて肯定判定を行い、スベリテーブル第1変更処理を行うことなくステップS905に進む。
ステップS905では、かかるタイミングで下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS906では、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルのうち、到達図柄と対応する図柄番号の圧縮データから今回停止させるべきリールのスベリ量を算出し、ステップS907にて下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS908では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS909にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行うと共にステップS910にて停止コマンドをセットする。停止コマンドをセットした後、ステップS911では、全てのリールが停止したか否かを判定する。第3停止指令に基づいて上述したステップS903〜ステップS910の処理を行った場合には、全てのリールが回転を停止している。かかる場合にはステップS911にて肯定判定を行い、ステップS913にて払出判定処理を行った後に本処理を終了する。払出判定処理とは、入賞図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。具体的には、小役入賞が有効ライン上に成立しているか否かを判定し、小役入賞が有効ライン上に成立していないときには小役当選フラグをリセットすると共にRAM153の払出予定数格納エリアに0をセットする。小役入賞が有効ライン上に成立しているときには、その小役入賞が小役当選フラグと対応する図柄の組合せか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ13等によりエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに0をセットする。一致しているときには小役当選フラグをリセットすると共に、RAM153の払出予定数格納エリアに成立した役と対応する払出数をセットする。また、再遊技入賞が有効ライン上に成立した場合には、再遊技当選フラグをリセットすると共に払出予定数格納エリアに0をセットし、再遊技を可能とする再遊技処理を行う。再遊技処理では、かかるゲームのベット数を確認し、確認結果と同数のベット数を再度設定する処理を行う。従って、再遊技入賞が成立すると、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能となる。
以上に説明した通り、ベルやBB等に当選して組合せ入賞の成立し得る状況下において、各リール42L,42M,42Rは、取りこぼしが極力発生しないように、且つ当選役と対応する図柄が可能な限り有効ライン上に停止するように、スベリテーブルを適宜変更しながら停止制御が行われる。これは、BBとベルに当選した場合のような複数の組合せ入賞の成立し得る状況下においても同様であり、少なくとも一方の入賞は成立するように停止制御が行われる。一方、チェリーにのみ当選して単独入賞のみが成立し得る状況下の場合、各リール42L,42M,42Rは、スベリテーブルを変更することなく停止制御が行われる。これは、中リール42Mと右リール42Rの停止結果が入賞と関与しないためであり、主制御装置131の処理負荷を軽減させるための工夫である。
次に、組合せ入賞と単独入賞が共に成立し得る場合、すなわちBBとチェリーに当選した場合に行われるリール制御処理について説明する。なお、基本構成は上述した通りのため、その要部を説明することとする。
ステップS902にてストップスイッチ72〜74のいずれかが操作されて第1停止指令が発生した場合には、ステップS904にてスベリテーブル第1変更処理を行う。スベリテーブル第1変更処理では、ステップS1001にて肯定判定を行い、ステップS1011にて複数当選第1処理を行う。
複数当選第1処理について、図27のフローチャートを用いて説明する。複数当選第1処理では、先ずステップS1301にて今回の停止指令が第1停止指令か否かを判定する。今回の停止指令は第1停止指令であるためステップS1302に進み、いずれのストップスイッチが操作されたかを確認する。続くステップS1303では、操作されたストップスイッチが右ストップスイッチ74か否かを判定する。操作されたストップスイッチが右ストップスイッチ74でない場合には、スベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。これは、先のスベリテーブル設定処理(図19,図21参照)において、左リール42Lと中リール42Mの「7」図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように設定されたスベリテーブルをセットしているためである。つまり、左リール42Lと中リール42Mの場合、「7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングでストップスイッチが操作されれば、上ライン又は下ラインのいずれかに「7」図柄を停止させることができるからである。
一方、操作されたストップスイッチが右ストップスイッチ74である場合には、ステップS1304に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、右リール42Rの「7」図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。これは、BB入賞を取りこぼす機会を低減させるための工夫である。図21に示すスベリテーブルでは、右リール42Rの「7」図柄は上ライン上に停止するように設定されている。このため、16番図柄たる「7」図柄が下ライン上に到達しているタイミングで右ストップスイッチ74が押された場合、かかるスベリテーブルでは18番図柄たる「リプレイ」図柄が下ライン上に停止し、「7」図柄が有効ライン上に停止しない。つまり、図21に示すスベリテーブルに基づいて右リール42Rを停止させた場合、「7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ74が押されたにも関わらず、BB入賞を取りこぼしてしまうこととなる。そこで、かかる不具合の発生を抑制すべく、右ストップスイッチ74が最初に操作された場合には、BB入賞用スベリテーブルに変更することとしている。
スベリテーブル第1変更処理が終了すると、操作されたストップスイッチと対応するリールを停止させると共に停止コマンドをセットし、ステップS912にてスベリテーブル第2変更処理を行う。スベリテーブル第2変更処理では、ステップS1109にて肯定判定を行い、ステップS1111にて複数当選第2処理を行う。
ここで、複数当選第2処理について図28のフローチャートを用いて説明する。複数当選第2処理では、先ずステップS1401にて今回の停止指令が第1停止指令か否かを判定する。今回の停止指令は第1停止指令であるためステップS1402に進み、左リール42Lが停止しているか否かを判定する。左リール42Lが停止している場合にはステップS1403に進み、BB入賞の成立する可能性があるか否かを判定する。具体的には、現在停止しているリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認し、有効ライン上に「7」図柄が停止しているか否かを判定する。「7」図柄が停止している場合にはステップS1404に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、「7」図柄が有効ライン上に停止するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。具体的には、「7」図柄が上ライン上に停止した場合であれば、中リール42Mの「7」図柄が上ライン又は中ラインのいずれかに停止するように設定されたスベリテーブルに変更し、「7」図柄が下ライン上に停止した場合であれば、中リール42Mの「7」図柄が下ライン又は中ラインのいずれかに停止するように設定されたスベリテーブルに変更する。
ステップS1403にてBB入賞の成立する可能性がない、すなわち有効ライン上に「7」図柄が停止していないと判定した場合には、ステップS1405に進み、停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号と一致しているか否かを判定し、一致しない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。停止図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致した場合にはステップS1406に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、図20に示したチェリー入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。かかる処理は、役の抽選に当選していない入賞が成立する不具合を回避するための処理である。図21に示すスベリテーブルに基づいて各リール42L,42M,42Rを停止させた場合、例えば左リール42Lの5番図柄たる「チェリー」図柄と、中リール42Mの4番図柄たる「チェリー」図柄と、右リール42Rの1番図柄たる「ラッキー」図柄が下ライン上に停止した場合、上ライン上に「ベル」図柄が並んで停止することとなり、ベルに当選していないにも関わらずベル入賞が成立してしまう不具合が発生する。そこで、このような不具合の発生を回避すべく、停止図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致した場合(例えば停止図柄が5番図柄であった場合等)には、チェリー入賞用スベリテーブルに変更することとしている。
スベリテーブル第2変更処理の終了後に第2停止指令が発生した場合には、ステップS904にてスベリテーブル第1変更処理を行う。スベリテーブル第1変更処理では、ステップS1001にて肯定判定を行い、ステップS1011にて複数当選第1処理を行う。
複数当選第1処理について、図27のフローチャートを用いて説明する。複数当選第1処理では、先ずステップS1301にて今回の停止指令が第1停止指令か否かを判定する。今回の停止指令は第2停止指令であるためステップS1305に進み、第1停止指令及び第2停止指令がいずれのストップスイッチ72〜74に対してどのような順序でなされたかを確認する。ステップS1306では、第1停止指令が左ストップスイッチ72になされたか否かを判定し、左ストップスイッチ72になされた場合には、さらにステップS1307にて左ストップスイッチ72→中ストップスイッチ73の順に操作される順押し操作であったか否かを判定する。順押し操作でない場合には、左ストップスイッチ72→右ストップスイッチ74の順にストップスイッチが操作されたことを意味する。かかる場合には、ステップS1308にてBB入賞の成立する可能性があるか否か、具体的には有効ライン上に「7」図柄が停止しているか否かを判定する。そして、BB入賞の成立する可能性がある場合にはステップS1309に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、右リール42Rの「7」図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するよう設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。また、ステップS1307にて操作順序が順押し操作であると判定した場合、ステップS1308にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、スベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。
ステップS1306にて第1停止指令が左ストップスイッチ72になされていないと判定した場合には、ステップS1310にてBB入賞の成立する可能性があるか否か、具体的には有効ライン上に「7」図柄が停止しているか否かを判定する。BB入賞の成立する可能性がある場合にはステップS1311に進み、第2停止指令が左ストップスイッチ72になされたか否かを判定する。第2停止指令が左ストップスイッチ72になされた場合にはステップS1312に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、BB又はチェリー入賞を成立させるためのBB+チェリー入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。例えば、中リール42Mの「7」図柄が下ライン上に停止している状況下で第2停止指令として左ストップスイッチ72が操作された場合には、左リール42Lの「7」図柄が下ライン上に停止するように、且つ、「7」図柄を下ライン上に停止させることができなければ「チェリー」図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように設定されたスベリテーブルに変更する。同様に、右リール42Rの「7」図柄が下ライン上に停止している状況下で第2停止指令として左ストップスイッチ72が操作された場合には、左リール42Lの「7」図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように、且つ、「7」図柄を前記有効ラインのいずれにも停止させることができなければ「チェリー」図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように設定されたスベリテーブル(すなわち図21に示したスベリテーブル)に変更する。
ステップS1311にて第2停止指令が左ストップスイッチ72になされていないと判定した場合には、ステップS1313に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、BB入賞を成立させるためのBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。例えば、右リール42Rの「7」図柄が下ライン上に停止している状況下で第2停止指令として中ストップスイッチ73が操作された場合には、中リール42Mの「7」図柄が中ライン又は下ラインのいずれかに停止するように設定されたスベリテーブルに変更する。
一方、ステップS1310にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1314に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、図20に示したチェリー入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
スベリテーブル第1変更処理が終了すると、操作されたストップスイッチと対応するリールを停止させると共に停止コマンドをセットし、ステップS912にてスベリテーブル第2変更処理を行う。スベリテーブル第2変更処理では、ステップS1109にて肯定判定を行い、ステップS1111にて複数当選第2処理を行う。
ここで、複数当選第2処理について図28のフローチャートを用いて説明する。複数当選第2処理では、先ずステップS1401にて今回の停止指令が第1停止指令か否かを判定する。今回の停止指令は第2停止指令であるためステップS1407に進み、左リール42Lが停止しているか否かを判定する。左リール42Lが停止している場合にはステップS1408に進み、BB入賞の成立する可能性があるか否かを判定する。具体的には、現在停止している2つのリールの下ライン上に停止した各停止図柄の図柄番号を確認し、有効ライン上に「7」図柄が並んで停止しているか否かを判定する。BB入賞の成立する可能性がある、すなわち有効ライン上に「7」図柄が並んで停止している場合にはステップS1409に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、BB入賞が成立するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。例えば、左リール42Lと中リール42Mの「7」図柄が下ライン上に並んで停止している場合、右リール42Rの「7」図柄が下ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルに変更する。また、ステップS1408にてBB入賞の成立する可能性がない、すなわち有効ライン上に「7」図柄が並んで停止していないと判定した場合には、スベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。
ステップS1407にて左リール42Lが停止していないと判定した場合、ステップS1410にてBB入賞の成立する可能性があるか否かを判定する。BB入賞の成立する可能性がある場合にはステップS1411に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、BB又はチェリー入賞を成立させるためのBB+チェリー入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。例えば、中リール42Mと右リール42Rの「7」図柄が下ライン上に並んで停止している場合には、左リール42Lの「7」図柄が下ライン上に停止するように、且つ、「7」図柄を下ライン上に停止させることができなければ「チェリー」図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように設定されたスベリテーブルに変更する。また、ステップS1410にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合にはステップS1412に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、図20に示したチェリー入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
スベリテーブル第2変更処理の終了後に第3停止指令が発生した場合には、そのときにRAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされているスベリテーブルに基づいて対応するリールを停止させ、停止コマンドをセットすると共に払出判定処理を行い、リール制御処理を終了する。
次に、ステップS605のメダル払出処理について、図29のフローチャートに基づき説明する。
メダル払出処理では、先ずステップS1501にて払出数カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS1502にてクレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する。上限に達していないときには、ステップS1503,S1505にてクレジットカウンタのカウント値及び払出数をそれぞれ1加算する。その後、ステップS1506では、クレジット表示部35及び獲得枚数表示部37の枚数をそれぞれ1加算する表示部変更処理を行う。
一方、ステップS1502にてクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには、ステップS1504にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置91からメダル排出口17を介してメダル受け皿18へ払い出す。続くステップS1505ではホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサ91aのメダル検出信号に応じて払出数を1加算する。その後、ステップS1506にて獲得枚数表示部37の枚数を1加算する表示部変更処理を行う。ステップS1506にて表示部変更処理を行った後、再びステップS1501に戻る。ステップS1501で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS1507にて現在の遊技状態がボーナスゲームか否かを判定する。ボーナスゲームでない場合にはステップS1509に進み、払出終了処理を行った後に本処理を終了する。払出終了処理では、払出予定数格納エリアや払出数カウンタの値を0にリセットする。なお、獲得枚数表示部37の値は、次ゲームを開始すべくメダルがベットされたときにリセットされる。また、現在の遊技状態がボーナスゲームである場合には、ステップS1508にて後述する残獲得数カウンタのカウント値から払出数を減算すると共に、残獲得枚数表示部36の枚数を減算する処理を行う。その後、ステップS1509にて払出終了処理を行い、本処理を終了する。なお、残獲得枚数表示部36の枚数を減算する処理は、ステップS1506の表示部変更処理にて行ってもよい。
次に、ステップS606のボーナスゲーム処理について、図30のフローチャートに基づき説明する。
ボーナスゲーム処理の説明に先立ち、ボーナスゲームについて説明する。BBゲームは、複数回のRBゲームで構成されている。RBゲームは、12回のJACゲームで構成されている。JACゲームとは、JAC図柄の組合せが有効ライン上に揃う確率つまりJAC入賞成立の確率が非常に高いゲームである。RBゲームでJAC入賞が成立すると最大枚数(ここでは15枚)のメダルが払い出される。そして、JAC入賞が8回成立すると、JACゲームが12回行われる前であってもRBゲームが終了する。また、BBゲームは、メダル払出数が所定数(具体的には400枚)に達したことを以って終了する。そして、RBゲームの途中でメダル払出数が所定数に達した場合、BBゲームのみならずRBゲームも終了する。これは、BBゲーム中のメダル払出数に上限をもたせることにより遊技者の射幸心を抑え、遊技の健全性を担保するための工夫である。さらに、本実施の形態では、RBゲームに移行する図柄の組合せを設定しておらず、BBゲームに移行した直後及びRBゲームが終了した直後にRBゲームに移行する構成としている。故に、BBゲームとは、所定数のメダル払出が行われるまでRBゲームに連続して移行するゲームであるとも言える。
さて、ボーナスゲーム処理では、先ずステップS1601にて遊技状態がボーナスゲームか否かを判定する。ボーナスゲーム中でないときにはステップS1602〜ステップS1605に示すボーナス図柄判定処理を行う。
このボーナス図柄判定処理では、先ずステップS1602にてBB当選フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていないときにはそのまま本処理を終了する。BB当選フラグがセットされているときにはステップS1603に進み、今回有効ライン上にBB図柄の組合せが停止したか否かを判定し、BB図柄の組合せが停止していないときにはそのまま本処理を終了する。一方、今回有効ライン上にBB図柄の組合せが停止したときには、ステップS1604においてBB開始処理を行う。BB開始処理では、BB当選フラグをリセットすると共にBB設定フラグをセットしてボーナスゲームの1種であるBBゲームとする。また、BBゲーム中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残獲得数カウンタに400をセットすると共に、残獲得枚数表示部36に400を表示させる処理を行う。ちなみに、現在の遊技状態がボーナスゲームか否かの判定は、BB設定フラグのセット有無により判定している。続くステップS1605ではRB開始処理を行い、その後本処理を終了する。RB開始処理では、成立可能なJAC入賞回数をカウントするための残JAC入賞カウンタに8をセットすると共に、JACゲームの残りゲーム数をカウントするための残JACゲームカウンタに12をセットする。
ステップS1601で遊技状態がボーナスゲーム中のときには、ステップS1606に進み、JAC図柄の組合せが有効ライン上に停止したか否かを判定する。JAC図柄の組合せが有効ライン上に停止したときには、ステップS1607にて残JAC入賞カウンタの値を1減算する。その後、或いはステップS1606にてJAC図柄の組合せが有効ライン上に停止しなかったときには、JACゲームを1つ消化したことになるため、ステップS1608にて残JACゲームカウンタの値を1減算する。続いて、ステップS1609では残JAC入賞カウンタ又は残JACゲームカウンタのいずれかが0になったか否かを判定する。いずれかが0になっていたとき、つまりJAC入賞が8回成立したかJACゲームが12回消化されたときには、RBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1610にて残JAC入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタの値をリセットするRB終了処理を行う。続くステップS1611では、残獲得数カウンタのカウント値が0か否かを確認する。0でない場合には、BBゲーム中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BBゲームの終了条件が成立していないことを意味するため、ステップS1612に進み、先述したRB開始処理を行った後、本処理を終了する。
また、ステップS1609において残JAC入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタのいずれの値も0になっていないとき、つまりJAC入賞がまだ8回成立しておらずJACゲームも12回消化されていないときには、ステップS1613に進み、残獲得数カウンタのカウント値が0か否かを確認する。0でない場合には、BBゲーム中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BBゲームの終了条件が成立していないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、残獲得数カウンタのカウント値が0である場合には、BBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1614〜ステップS1615に示す特別遊技状態終了処理を行う。特別遊技状態終了処理では、先ずステップS1614において、先述したRB終了処理を行う。その後、ステップS1615にてBB設定フラグや各種カウンタなどを適宜リセットしたりエンディング処理を行ったりするBB終了処理を行い、本処理を終了する。また、前記ステップS1611にて残獲得数カウンタのカウント値が0である場合にも、BBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1615にてBB終了処理を行い、本処理を終了する。
次に、チャンス演出が行われる際の表示制御装置111によるチャンス演出処理の具体的手順について概説する。図31は、表示制御装置111内のCPUにより実行されるチャンス演出処理を示すフローチャートである。表示制御装置111は、図31に示す手順に従って主制御装置131から提供される各種コマンドを処理しつつ補助表示部15等の駆動制御を実行する。
先ずステップS1701では、主制御装置131から停止コマンドを受信したか否かを判定する。上述した通り、演出コマンドA及び演出コマンドBは各リール42L,42M,42Rが回転を開始する前に主制御装置131から送信されるコマンドであり、停止コマンドは各リール42L,42M,42Rが停止する毎に主制御装置131から送信されるコマンドである。故に、チャンス演出が行われるゲームにおける最初の処理では当該ステップが否定判定されることとなる。ステップS1702では、演出コマンドを受信したか否かを判定し、演出コマンドを受信していなければそのまま本処理を終了する。演出コマンドを受信した場合、ステップS1703にてその演出コマンドの内容をRAMに格納すると共に、続くステップS1704にてチャンス演出を開始すべく補助表示部15等を駆動制御し、本処理を終了する。なお、表示制御装置111のROMには主制御装置131から受信したコマンドと対応するチャンス演出データが予め記憶されており、当該データを補助表示部15等に出力することにより、チャンス演出が開始される。
遊技者によるストップスイッチ72〜74の操作に基づいてリール42L,42M,42Rが停止すると、主制御装置131から停止コマンドが送信され、ステップS1701にて肯定判定されることとなる。かかる場合にはステップS1705に進み、RAMに設けられた停止コマンドの受信回数を記憶するための停止カウンタSCの値を1加算する。ステップS1706では停止カウンタSCの値が3となったか否かを判定し、停止カウンタSCの値が3でない場合、すなわちいずれかのリールが回転中である場合にはステップS1707に進み、チャンス演出の継続を示す表示がなされるよう補助表示部15等を駆動制御し、本処理を終了する。なお、表示制御装置111のRAMには停止カウンタSCの値と対応したチャンス演出継続データが予め記憶されており、当該データを補助表示部15等に出力することにより、チャンス演出が継続される。
停止カウンタSCの値が3である場合、すなわち全てのリールが回転を停止した場合にはステップS1708に進み、RAMに格納された受信情報に基づいて演出コマンドAを受信しているか否かを確認する。演出コマンドAを受信していない場合、チェリー又はスイカに当選したことを意味すると共にBBには当選していないことを意味するため、ステップS1709に進み、BBに当選していないことを示唆する表示がなされるよう補助表示部15等を駆動制御する。また、演出コマンドAを受信している場合にはBBに当選していることを意味するため、ステップS1710に進み、BBに当選していることを示唆する表示がなされるよう補助表示部15等を駆動制御する。なお、表示制御装置111のROMには各演出コマンドと対応した最終表示データが予め記憶されており、当該データを補助表示部15等に出力することにより、BB当選の有無を示唆する表示が行われる。ステップS1709又はステップS1710にて補助表示部15等を駆動制御した後、ステップS1711ではRAMに格納された演出コマンドの内容や停止カウンタSCの値等をクリアし、本処理を終了する。
なお、ステップS1701では、停止コマンドの受信判定に加えてRAMに演出コマンドの内容が格納されているかも確認している。このため、仮に演出コマンドを受信することなく停止コマンドを受信しても、ステップ1701にて否定判定がなされ、チャンス演出を開始することなく本処理を終了する。
ここで、チャンス演出の一例を説明するに先立ち、本実施の形態では各リール42L,42M,42Rに付された図柄の配列順序に特徴を有するので、図7の左リール42Lを参照しながら説明する。
左リール42Lには、「リプレイ」図柄、「ベル」図柄、「青年」図柄、「7」図柄、「チェリー」図柄、「チャンス」図柄、「スイカ」図柄、「リーチ」図柄、「ラッキー」図柄の9種類が付されている。
小役入賞となる図柄の組合せを形成する「ベル」図柄と、再遊技入賞となる図柄の組合せを形成する「リプレイ」図柄は、下ライン上に先に到達する図柄と次に到達する同種の図柄との間が4図柄以下となるように配置されている。例えば、7番の「ベル」図柄と10番の「ベル」図柄との間は2図柄離れるようにして、19番の「ベル」図柄と2番の「ベル」図柄との間は4図柄離れるようにして配置されている。左リール42Lは、左ストップスイッチ72の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができるため、かかる図柄配列とすることにより、左ストップスイッチ72が如何なるタイミングで操作された場合であっても、ベル当選フラグ又はリプレイ当選フラグがセットされていれば「ベル」図柄及び「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させることができる。具体的には、11番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達するタイミング、すなわち「ベル」図柄が下ライン上を通過した後のタイミングでストップスイッチ72が操作された場合であっても、左リール42Lを4図柄分滑らせることにより、15番の「ベル」図柄を下ライン上に停止させることができる。
一方、小役入賞となる図柄の組合せを形成する「スイカ」図柄は、9番の位置に1つだけ配置されている。従って、例えば「スイカ」図柄が下ライン上に到達してから次に下ライン上に到達するまでには、左リール42Lが20図柄分回転する必要がある。但し、左リール42Lは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、「スイカ」図柄が下ライン上を通過した後のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。換言すれば、所定のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合に限って「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることができるよう、10番の「ベル」図柄から左リール42Lの回転する側に向かって8番の「リプレイ」図柄までの間に、「スイカ」図柄が配置されない非配置区間を形成したとも言える。ちなみに、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させるためには、3番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。なお、下ライン上に「スイカ」図柄を停止させるためには、5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達してから9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72が操作されなければならないが、表示窓32Lから3個の図柄が視認可能であって、各位置について有効ラインが設定される構成においては、3番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達したタイミングで左ストップスイッチ72が操作されたとしても、9番の「スイカ」図柄を上ライン上に停止させることができる。
「チェリー」図柄は、5番と13番の2カ所に配置されている。従って、5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達してから次に13番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでには、左リール42Lが8図柄分回転する必要がある。同様に、13番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達してから次に5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでには、左リール42Lが13図柄分回転する必要がある。但し、左リール42Lは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、「チェリー」図柄が下ライン上を通過した後のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合、「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。換言すれば、所定のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合に限って「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させることができるよう、6番の「リーチ」図柄から12番の「チャンス」図柄までの間と、14番の「青年」図柄から左リール42Lの回転する側に向かって4番の「チャンス」図柄までの間に、「チェリー」図柄が配置されない非配置区間を形成したとも言える。ちなみに、「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させるためには、20番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間、又は7番の「ベル」図柄が下ライン上に到達してから13番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。
さらに、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄は、3図柄分離れるようにして配置されている。すなわち、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄は、5図柄の範囲内に配置されている。これは、リールの停止態様として5パターンを有するスロットマシン10において、小役入賞及び再遊技入賞の全てに対応できる位置を設定するための工夫であり、左ストップスイッチ72の操作タイミングをより限定するための工夫である。換言すれば、5番の「チェリー」図柄から9番の「スイカ」図柄までの間と、9番の「スイカ」図柄から13番の「チェリー」図柄までの間に、小役入賞及び再遊技入賞となる図柄を有効ライン上に停止させることができる区間を形成したとも言える。また、かかる構成においては、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄のいずれか一方の図柄が有効ライン上に停止した場合、他方の図柄は有効ライン上に停止しない。従って、所定のタイミングで左ストップスイッチ72を操作しなければ有効ライン上に停止しない「スイカ」図柄と「チェリー」図柄で役の複合が発生することを回避でき、予め用意するスベリテーブル数を削減することが可能となると共に主制御装置131の記憶容量を低減させることが可能となる。「スイカ」図柄と「チェリー」図柄が共に有効ライン上に停止する図柄配列とした場合、第1停止指令として左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合に、役の複合が発生しないよう例えば停止位置を限定する等の制御が必要となり、複数のスベリテーブルを予め用意する必要が生じるからである。ここで、役の複合とは、例えば上ライン上で「スイカ」図柄を揃えようとしたときに左リール42Lの「チェリー」図柄が下ライン上に停止する場合のように、複数の入賞が同時に発生する場合をいう。
加えて、「チェリー」図柄の上下には、入賞と関与しない無特典図柄としての「チャンス」図柄、「リーチ」図柄、「青年」図柄が配置されている。これは、「ベル」図柄等の図柄の組合せによって入賞が成立するものと、左リール42L単独で入賞が成立する「チェリー」図柄とで役の複合が発生することを抑制するための工夫であり、かかる構成とすることにより、予め用意するスベリテーブル数を削減することが可能となると共に、主制御装置131の記憶容量を低減させることが可能となる。第1停止指令として左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合、役の複合を回避させるべく例えば「ベル」図柄等の組合せ図柄の停止する有効ラインを限定する必要が生じるが、「チェリー」図柄と少なくとも1図柄分離れて配置されているため、停止させる位置に制約を受けることを抑制することが可能となり、予め用意するスベリテーブル数の増加を抑制することが可能となるからである。この他、「7」図柄の上流側には「青年」図柄が配置されており、20番の「リプレイ」図柄と2番の「ベル」図柄との間には無特典図柄としての「ラッキー」図柄が配置されている。これら無特典図柄は、停止出目が単調化することを抑制するための工夫である。仮に特典と関与する図柄のみからなる図柄配列とした場合、本実施形態では5種類の図柄しか各リール42L,42M,42Rに配置することができず、停止出目が単調化する可能性があるからである。ちなみに、9種類の図柄全てを特典と関与する図柄とした場合、各リール42L,42M,42Rの滑り数が予め決められている中で、取りこぼしの発生する頻度が高まることが懸念される。
以上の通り、「ベル」図柄及び「リプレイ」図柄は、左ストップスイッチ72が如何なるタイミングで操作された場合であっても有効ライン上に停止させることができる。「スイカ」図柄は、3番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72が操作されれば、有効ライン上に停止させることができる。「チェリー」図柄は、20番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間、又は7番の「ベル」図柄が下ライン上に到達してから13番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72が操作されれば、有効ライン上に停止させることができる。つまり、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を有効ライン上に停止させるためには、3番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間、又は7番の「ベル」図柄が下ライン上に到達してから9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。換言すれば、5番の「チェリー」図柄又は9番の「スイカ」図柄が有効ライン上に到達している間に左ストップスイッチ72が操作されれば、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を有効ライン上に停止させることができるとも言える。
状態移行図柄としての「7」図柄は、17番の位置に1つだけ配置されている。従って、例えば「7」図柄が下ライン上に到達してから次に下ライン上に到達するまでには、左リール42Lが20図柄分回転する必要がある。但し、左リール42Lは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、「7」図柄が下ライン上を通過した後のタイミングでストップスイッチ72が操作された場合、「7」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。「7」図柄を有効ライン上に停止させるためには、11番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから17番の「7」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。一方、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を有効ライン上に停止させるためには、5番の「チェリー」図柄又は9番の「スイカ」図柄が有効ライン上に到達している間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。つまり、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には「7」図柄が有効ライン上に停止せず、「7」図柄を有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には、小役入賞及び再遊技入賞となる図柄のいずれかが有効ライン上に停止しない。「7」図柄は、5番の「チェリー」図柄に対して左リール42Lの回転する上流側に11図柄分離れると共に下流側に8図柄分離れており、9番の「スイカ」図柄に対して上流側に7図柄分離れると共に下流側に12図柄分離れているからである。
また、「7」図柄は、「スイカ」図柄及び「チェリー」図柄の非配置区間に配置されているとも言える。具体的に説明すると、「7」図柄は、13番の「チェリー」図柄から3図柄分離れており、9番の「スイカ」図柄から7図柄分離れており、5番の「チェリー」図柄から11図柄分離れている。また、5番の「チェリー」図柄は、「7」図柄から8図柄分離れている。従って、「7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、「スイカ」図柄及び「チェリー」図柄が有効ライン上に停止しない。かかる構成とすることにより、所定のタイミングで左ストップスイッチ72を操作しなければ有効ライン上に停止しない「スイカ」図柄又は「チェリー」図柄と「7」図柄で役の複合が発生することを回避でき、予め用意するスベリテーブル数を削減することが可能となると共に、主制御装置131の記憶容量を軽減させることが可能となる。
なお、中リール42M及び右リール42Rについても、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を有効ライン上に停止させるべくストップスイッチ73,74を操作した場合には「7」図柄が有効ライン上に停止せず、「7」図柄を有効ライン上に停止させるべくストップスイッチ73,74を操作した場合には、小役入賞及び再遊技入賞となる図柄のいずれかが有効ライン上に停止しない図柄配列となっている。但し、中リール42M及び右リール42Rについては、「チェリー」図柄が入賞と関与しない無特典図柄であるため、有効ライン上に停止させるべく所定のタイミングでストップスイッチ73,74を操作する必要のある図柄は、「スイカ」図柄と「7」図柄である。
次に、表示制御装置111が演出コマンドBを受信した場合、すなわちBB非当選時に行われるチャンス演出の一例を、図32(a)〜(d)に示す補助表示部15の一連の表示態様及び各リール42L,42M,42Rの停止出目に基づきながら説明する。上述した通り、演出コマンドBとは、スイカ又はチェリーに当選した場合に表示制御装置111に対して送信される演出コマンドである。ここでは、チェリーに当選している状況下において、遊技者が「7」図柄を狙ってすなわち小役入賞を取りこぼすようにして各ストップスイッチ72〜74を操作した場合を例に説明する。
図32(a)に示すように、チャンス演出が行われるゲームでは、スタートレバー71の操作に伴って各リール42L,42M,42Rが回転を開始すると、2段に積み重ねられた円柱状の木片と、上段の木片に載置されたダルマ像と、木槌を持った青年キャラクタとが表示される。そして、青年キャラクタが下段の木片に狙いをつける様が表示される。
遊技者が左リール42Lの「7」図柄を有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合、左リール42Lの「7」図柄は下ライン上に到達したタイミングで停止する。図32(b)では、下ライン上に17番図柄たる「7」図柄、中ライン上に18番図柄たる「青年」図柄、上ライン上に19番図柄たる「ベル」図柄が停止している。左リール42Lが停止すると、青年キャラクタが下段の木片を木槌で打ち抜く様が表示される。また、下段の木片が打ち抜かれた反動によってダルマ像が1段となった木片の上で揺れ動き、やがて安定する様が表示される。そして、次にストップスイッチが操作されるまで、青年キャラクタが残り1段となった木片に狙いをつける様が表示される。
その後、遊技者が中リール42Mの「7」図柄を有効ライン上に停止させるべく中ストップスイッチ73を操作した場合、中リール42Mの「7」図柄は下ライン上に到達したタイミングで停止する。図32(c)では、下ライン上に16番図柄たる「7」図柄、中ライン上に17番図柄たる「青年」図柄、上ライン上に18番図柄たる「青年」図柄が停止している。つまり、左リール42Lと中リール42Mが停止した時点で「7」図柄が下ライン上に並んで停止し、BB入賞の成立し得る状況となっている。中リール42Mが停止すると、青年キャラクタが残り1段となった木片を木槌で打ち抜き、ダルマ像が木片の打ち抜かれた反動によって地面に落下する様が表示される。その後、次のストップスイッチが操作されるまで、地面に落下したダルマ像が揺れ動く様が表示される。
さらに、遊技者が右リール42Rの「7」図柄を有効ライン上に停止させるべく右ストップスイッチ74を操作した場合、右リール42Rの「7」図柄は上ライン上に到達したタイミングで停止する。図32(d)では、下ライン上に14番図柄たる「チャンス」図柄、中ライン上に15番図柄たる「ベル」図柄、上ライン上に16番図柄たる「7」図柄が停止している。つまり、チェリー当選時に「7」図柄を狙って各ストップスイッチ72〜74が操作された場合、左リール42Lと中リール42Mの「7」図柄は下ライン上に並んで停止するものの右リール42Rの「7」図柄は下ライン上に停止せず、BB入賞が成立しない。右リール42Rが停止すると、揺れ動いていたダルマ像が最終的に倒れると共に青年キャラクタががっかりしたポーズをとる様が表示され、BBに当選していないことが示唆される。
次に、表示制御装置111が演出コマンドAを受信した場合、すなわちBB当選時に行われるチャンス演出の一例を、図33(a)〜(d)に示す補助表示部15の一連の表示態様及び各リール42L,42M,42Rの停止出目に基づきながら説明する。上述した通り、演出コマンドBとは、BBに当選した場合に表示制御装置111に対して送信される演出コマンドである。ここでは、BBとチェリーの複数当選役に当選している状況下において、遊技者が小役入賞の取りこぼしを回避すべく各ストップスイッチ72〜74を操作した場合を例に説明する。
図33(a)に示すように、チャンス演出が行われるゲームでは、スタートレバー71の操作に伴って各リール42L,42M,42Rが回転を開始すると、2段に積み重ねられた円柱状の木片と、上段の木片に載置されたダルマ像と、木槌を持った青年キャラクタとが表示される。そして、青年キャラクタが下段の木片に狙いをつける様が表示される。
遊技者が小役入賞の取りこぼしを回避すべく左ストップスイッチ72を操作した場合、左リール42Lの「7」図柄は有効ライン上に停止せず、「チェリー」図柄が有効ライン上に到達したタイミングで停止する。図33(b)では、下ライン上に5番図柄たる「チェリー」図柄、中ライン上に6番図柄たる「リーチ」図柄、上ライン上に7番図柄たる「ベル」図柄が停止している。左リール42Lが停止すると、青年キャラクタが下段の木片を木槌で打ち抜く様が表示される。また、下段の木片が打ち抜かれた反動によってダルマ像が1段となった木片の上で揺れ動き、やがて安定する様が表示される。そして、次にストップスイッチが操作されるまで、青年キャラクタが残り1段となった木片に狙いをつける様が表示される。
その後、遊技者が小役入賞の取りこぼしを回避すべく中ストップスイッチ73を操作した場合、中リール42Mの「7」図柄も有効ライン上に停止しない。図33(c)では、下ライン上に4番図柄たる「チェリー」図柄、中ライン上に5番図柄たる「スイカ」図柄、上ライン上に6番図柄たる「ベル」図柄が停止している。中リール42Mが停止すると、青年キャラクタが残り1段となった木片を木槌で打ち抜き、ダルマ像が木片の打ち抜かれた反動によって地面に落下する様が表示される。その後、次のストップスイッチが操作されるまで、地面に落下したダルマ像が揺れ動く様が表示される。
さらに、遊技者が小役入賞の取りこぼしを回避すべく右ストップスイッチ74を操作した場合、右リール42Rの「7」図柄も有効ライン上に停止しない。図33(d)では、下ライン上に7番図柄たる「リーチ」図柄、中ライン上に8番図柄たる「スイカ」図柄、上ライン上に9番図柄たる「ベル」図柄が停止している。つまり、BBとチェリーに当選している状況下において遊技者が小役入賞の取りこぼしを回避すべく各ストップスイッチ72〜74を操作した場合、BB入賞は成立しないもののチェリー入賞が成立する。右リール42Rが停止すると、揺れ動いていたダルマ像が最終的に立ったまま安定すると共に青年キャラクタがガッツポーズをとる様が表示され、BBに当選していることが示唆される。
つまり、チャンス演出では、BB当選の有無に関わらず、スタートレバー71が操作されてから第3停止指令が発生するまでの間、同じ表示演出が行われる。そして、第3停止指令に基づいて対応するリールが停止すると、ダルマ像が立って安定することを通じてBB当選が示唆されるか、ダルマ像が倒れることを通じてBB非当選が示唆されるかのいずれかの表示演出が行われる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
抽選役としてBBとチェリーに当選となる複数当選役を設定することにより、遊技者が先に行われたゲームの停止出目からBB非当選であることを把握し、次回のゲームでチェリー入賞が成立したとしても、BBに当選している余地を残すことが可能となる。故に、小役入賞が成立した場合であってもBB当選しているのではないかという期待感を遊技者に抱かせることが可能となり、BBに当選していない状況下における遊技が単調化することを抑制させることが可能となる。従来のスロットマシンの場合、例えばリーチ目と称される停止出目が視認可能となったり、BB当選の示唆され得る補助演出が行われたりしない限り、BB当選への期待感を抱かせることは難しかったが、複数当選役を設定した本構成の場合、上記方法に加えてチェリー入賞成立時にもBB当選への期待感を抱かせることが可能となるからである。
複数当選役を設定することにより、遊技に関わる処理負荷が増大化することを抑制させることが可能となる。確かに、BB当選となった場合にチェリーの当否判定を重ねて行う構成としても、1回のゲームでBBとチェリーに当選となる機会を生じさせることが可能である。しかしながら、かかる構成とした場合、役の当否判定を繰り返し行う必要が生じ、役の抽選に関わる処理負荷が増大化することとなる。一方、複数当選役を設定した本実施形態においては、1回の役の当否判定で複数の役に当選となるため、役の抽選に関わる処理負荷が増大化することを抑制させることが可能となる。
複数当選役に当選した場合にはBBとチェリーに当選となる構成とすることにより、チェリー入賞を取りこぼさないよう各ストップスイッチ72〜74を操作する意義を遊技者に提案することが可能となり、BB非当選時における遊技が単調化することを抑制させることが可能となる。本実施形態では、チェリー入賞が成立したとしても1枚又は2枚のメダル払出が行われるのみであり、遊技者が3枚のメダルをベットしてゲームを行っていた場合、メダルの減少速度を緩和させることは可能となるものの所有するメダルは減少することとなる。また、チェリー入賞は左ストップスイッチ72を所定のタイミングで操作しなければ成立しない入賞である。したがって、遊技者によっては、左ストップスイッチ72を所定のタイミングで操作する労力と、実際に払い出されるメダル数及びチェリー当選確率とのバランスからチェリー入賞を取りこぼしてもよいと考える可能性がある。そこで、複数当選役に当選した場合にはBBとチェリーに当選となる構成とすることにより、チェリー入賞が他の小役入賞と比してメダル払出枚数が少ないのはBB当選となる場合があるからだという印象を遊技者に抱かせることが可能となり、チェリー入賞を取りこぼさないよう各ストップスイッチ72〜74を操作することを促すことが可能となる。
複数当選役に当選した場合、各リール42L,42M,42RはBB入賞がチェリー入賞より優先して成立し得るように停止制御される。遊技者はBBゲームに移行することを期待しながら遊技を行うことが一般的であるため、かかる構成とすることにより、BBに当選したにも関わらずBB入賞よりチェリー入賞を成立させる停止制御が優先され、BBゲームへの移行が遅延されることを回避することが可能となる。また、BB入賞を成立させることが不可能な場合にはチェリー入賞が成立し得るように各リール42L,42M,42Rが停止制御される構成とすることにより、複数当選役に当選となったゲームでBB入賞を成立させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作しなかったがためにBB入賞とチェリー入賞のいずれも成立せず、遊技者の所有するメダルが減少する不利益を抑制させることが可能となる。BB入賞が成立せずともチェリー入賞が成立すれば所定枚数(本実施形態では2枚)のメダル払出が行われるからである。
「ベル」図柄と「リプレイ」図柄を、各ストップスイッチ72〜74が如何なるタイミングで操作された場合であっても有効ライン上に停止させることができるように配置する一方、「スイカ」図柄と「チェリー」図柄を、各ストップスイッチ72〜74が所定のタイミングで操作された場合に限り有効ライン上に停止させることができるように配置することにより、BB当選していない状況下においても各小役図柄が有効ライン上に停止するよう狙って各ストップスイッチ72〜74を操作することを促すことが可能となり、遊技者が遊技に積極参加できるというスロットマシン10の特徴を高めることが可能となる。遊技者は自己の所有するメダルが増加することを期待しながら遊技を行うことが一般的だからである。
「7」図柄は、各小役入賞を取りこぼさないタイミングで各ストップスイッチ72〜74が操作された場合に、有効ライン上に到達しない位置に配置されている。かかる構成においては、各小役入賞を取りこぼさないタイミングで各ストップスイッチ72〜74が操作された場合、BBに当選した場合であっても「7」図柄が有効ライン上に停止しない。したがって、かかる構成とした場合、小役入賞の取りこぼしを回避することで自己の所有するメダルの減少を抑制させようと遊技を行う遊技者が、BB当選時にBB入賞が成立しない不利益を被るという新たな問題が懸念されることとなる。そこで、BBとチェリーに当選となる複数当選役を設定することにより、BB入賞は成立せずともチェリー入賞が成立するため、各小役図柄を有効ライン上に到達させ得るタイミングで各ストップスイッチ72〜74を操作する遊技者が、BB当選時に不利益を被る機会を抑制させることが可能となる。チェリー入賞が成立すれば所定枚数(本実施形態では2枚)のメダル払出が行われるからである。
複数当選役に当選した場合にはBBとチェリーに当選となる構成とすることにより、各ストップスイッチ72〜74を所定のタイミングで操作しなければ入賞の成立しないチェリーとBBとを密接に関連付けることが可能となり、BBに当選していない状況下における遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。遊技者にチェリー入賞が成立すればBBに当選となるかのような印象を与えることが可能となり、チェリー入賞を成立させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作するよう促すことが可能となるからである。また、チェリー入賞はチェリーにのみ当選した場合にも成立するものであり、チェリーに当選する確率はBBに当選する確率よりも高いため、BB非当選時であってもチェリー入賞の成立を通じてBB当選への期待感を抱かせることが可能となるからである。これらのことは、チェリー入賞のみならず各小役入賞を取りこぼさないように各ストップスイッチ72〜74を操作することを促すことにも繋がる。チェリー入賞が成立してBB当選となるのであればスイカ入賞が成立した場合にもBBに当選となるのではないかと遊技者に推測させることが可能となるからである。
複数当選役を設定したスロットマシン10においてBB当選の有無を示唆するチャンス演出を行うことにより、BB当選の有無を示唆する補助演出に関わる設計自由度を高めることが可能となる。仮に複数当選役を設定することなくBB当選の有無を示唆する補助演出を行う構成とすると、補助演出の行われる前のゲームにおける停止出目からBBに当選していないことを遊技者が把握し、補助演出の行われるゲームにおいて小役入賞又は再遊技入賞が成立した場合、補助演出の結果を待たずしてBBに当選していないことが遊技者に察知されてしまうこととなる。小役入賞又は再遊技入賞が成立したにも関わらずBB当選が示唆されるということは、補助演出が行われる以前のゲームにおいてBBに当選し、当該BB当選が持ち越されていることを意味するからである。つまり、停止出目からBB当選の有無を察知可能な遊技の熟練者にとって、BB当選が示唆されることを期待し得る補助演出は、小役入賞と再遊技入賞のいずれも成立しないゲームにおける補助演出に限定されることとなり、これは補助演出を行う機会が不要に制限されてしまうことに繋がり得る。一方、BBとチェリーに当選となる複数当選役を設定する構成とした場合、仮にチャンス演出の行われるゲームにおいてチェリー入賞が成立しても、BB当選が示唆されることを遊技者に期待させることが可能となる。つまり、BB当選を示唆するチャンス演出に加えてBB非当選を示唆するチャンス演出を行う構成とした場合であっても、チャンス演出を行う機会が不要に制限されてしまうことを抑制させることが可能となり、チャンス演出に関わる設計自由度を高めることが可能となる。
チャンス演出を行うスロットマシン10において、各小役入賞を取りこぼさないタイミングで各ストップスイッチ72〜74が操作された場合に、「7」図柄が有効ライン上に到達しない図柄配列とすることにより、チャンス演出が無駄なものとなる機会を軽減させることが可能となる。チャンス演出の開始されたゲームにおいて、小役入賞の取りこぼしを覚悟して「7」図柄を有効ライン上に停止させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作するか、BB入賞の成立を諦めて各小役図柄を有効ライン上に到達させることが可能なタイミングで各ストップスイッチ72〜74を操作するかを遊技者に選択させることが可能となるからである。
BB当選となった場合にはBB当選を示唆するチャンス演出が行われる構成とすることにより、BBに当選していることを速やかに示唆することが可能となる。また、BB非当選時にチェリー当選やスイカ当選となった場合にもチャンス演出を行う構成とすることにより、チャンス演出の行われるゲームにおいて各小役入賞を取りこぼさないタイミングで各ストップスイッチ72〜74を操作するよう促すことが可能となり、チャンス演出が無駄なものとなる機会を軽減させることが可能となる。BBに当選する確率は約300分の1であり、チェリー又はスイカに当選する確率は約60分の1である、すなわち、BB当選を示唆するチャンス演出よりBB非当選を示唆するチャンス演出の方が行われる頻度が高いため、チャンス演出時にBB入賞を成立させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作していたのでは小役入賞を取りこぼす頻度が高まることに繋がるからである。このように、BB当選を示唆するチャンス演出よりBB非当選を示唆するチャンス演出の方が行われる頻度を高く設定することにより、各小役入賞を取りこぼさないタイミングで各ストップスイッチ72〜74を操作するよう促すことが可能となり、チャンス演出が無駄なものとなる機会を軽減させることが可能となる。
チャンス演出では、BB当選の有無に関わらず、スタートレバー71が操作されてから第3停止指令が発生するまでの間、同じ表示演出が行われる。そして、第3停止指令に基づいて対応するリールが停止すると、ダルマ像が立って安定することを通じてBB当選が示唆されるか、ダルマ像が倒れることを通じてBB非当選が示唆されるかのいずれかの表示演出が行われる。かかる構成とすることにより、全リール42L,42M,42Rが回転を停止するまでBB当選への期待感を持続させることが可能となる。また、複数当選役に当選した際にBB当選を示唆するチャンス演出を行った場合、各小役入賞を取りこぼさないタイミングで各ストップスイッチ72〜74が操作されていれば、チェリー入賞の成立をもってBB当選が示唆されることとなる。故に、チェリー入賞の成立とBB当選とが関連しているかのような印象を遊技者に抱かせることが可能となり、BB非当選時の遊技が単調化することを好適に抑制させることが可能となる。チェリー入賞が成立した場合にBB当選しているのではないかという期待感を抱かせることが可能となるからである。
「7」図柄を各リール42L,42M,42Rに1つずつ配置することにより、「7」図柄は各ストップスイッチ72〜74を所定のタイミングで操作しなければ有効ライン上に停止しない。かかる構成とすることにより、BB非当選時の遊技が単調化することを抑制させることが可能となる。仮に各ストップスイッチ72〜74の操作タイミングに関わらず有効ライン上に停止し得るよう「7」図柄を配置した場合、BB当選時に各ストップスイッチ72〜74の操作タイミングに関わらずBB入賞を成立させることが可能となり、停止出目からBB当選の有無が容易に把握されてしまうこととなるからである。具体的に言うと、全リール42L,42M,42Rを停止させた際にBB入賞が成立すればBBに当選したことを意味し、BB入賞が成立しなければBBに当選していないことを意味することとなってしまう。
チェリーにのみ当選している状況下で「7」図柄を狙って各ストップスイッチ72〜74が操作された場合に、左リール42Lと中リール42Mの「7」図柄が下ライン上に並んで停止し、右リール42Rの「7」図柄が上ライン上に停止する構成とすることにより、各小役図柄を有効ライン上に到達させ得るタイミングで各ストップスイッチ72〜74が操作されず、「7」図柄を有効ライン上に到達させ得るタイミングで各ストップスイッチ72〜74が操作された場合に、右リール42Rを停止させるまでBB入賞が成立する余地を残すことが可能となり、BB当選への期待感を高めることが可能となる。故に、BB非当選時の遊技が単調化することを抑制させることが可能となる。ちなみに、かかる構成においては、中リール42Mに先んじて左リール42Lと右リール42Rが停止した場合であれば、右上がりライン上に「7」図柄が並んで停止し、中リール42Mの「7」図柄が下ライン上に停止することとなるため、同様の作用効果を奏することができる。
スベリテーブルに基づいて各リール42L,42M,42Rを停止制御する構成とすることにより、いずれの図柄を有効ライン上に停止させるのかをストップスイッチが操作されてから決定する必要がなくなるため、停止制御に関わる処理負荷を低減させることが可能となる。また、当選番号に基づいてスベリテーブルを一義的に選択する構成とすることにより、スベリテーブルの選択にあたって改めて抽選等の別処理を行う必要がなくなり、スベリテーブル設定処理における処理負荷を低減させることが可能となる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施の形態では、複数当選役としてBBとチェリーに当選となる役を設定したが、これに代えて又は加えて、BBと他の小役(スイカ、ベル)に当選となる役を設定してもよい。かかる構成としても、小役入賞が成立した場合にBB当選への期待感を抱かせることが可能となり、BB非当選時における遊技が単調化することを抑制させることが可能となる。さらにいうと、BBとスイカに当選となる複数当選役を設定すれば、小役入賞を取りこぼさないようにして各ストップスイッチ72〜74を操作する遊技者がBB当選時に所有するメダルを減少させてしまう不利益を好適に抑制させることが可能となる。スイカ入賞が成立した場合には15枚のメダルが払い出されるため、仮に3枚のメダルをベットして遊技を行っていたとしても遊技者の所有するメダルが増加するからである。また、BBとベルに当選となる複数当選役を設定すれば、「7」図柄を狙ってストップスイッチ72〜74を操作していない遊技者がBB当選時に所有するメダルを減少させてしまう不利益を好適に抑制させることが可能となる。ベル入賞が成立した場合には11枚のメダルが払い出されるため、仮に3枚のメダルをベットして遊技を行っていたとしても遊技者の所有するメダルが増加するからである。加えて、ベル役は各ストップスイッチ72〜74の操作タイミングに関わらず入賞を成立させることが可能な役であり、ベル当選となる確率も他の小役と比して高いため、BB当選への期待感を好適に持続させることが可能となる。
(b)上記実施の形態では、BBとチェリーに当選となる複数当選役と、BBにのみ当選となるBB役とが抽選役として設定されている構成としたが、複数当選役のみが設定されている構成としてもよいことは言うまでもない。かかる構成とすれば、BB当選となった際に必ずチェリーにも当選することとなり、小役入賞を取りこぼさないようにして各ストップスイッチ72〜74を操作する遊技者がBB当選時に所有するメダルを減少させてしまう不利益を抑制させることが可能となる。
(c)上記実施の形態では、BBに当選している場合と、チェリーにのみ当選している場合と、スイカにのみ当選している場合にチャンス演出を行う構成としたが、これらの場合の所定確率でチャンス演出を行う構成としてもよい。但し、BB+チェリーに当選した場合等のBB当選時には、可能な限りBB当選を示唆するチャンス演出を行うことが望ましい。停止出目からBB当選を察知できない遊技の初心者等にとって、BB当選を察知する機会が遅れることに繋がり得るからである。また、外れの場合や他の小役や再遊技に当選した場合にチャンス演出を行う構成としてもよいことは言うまでもない。
(d)上記実施の形態では、チャンス演出を行うスロットマシン10に複数当選役を設定する構成としたが、チャンス演出を行わないスロットマシン10に複数当選役を設定してもよい。かかる構成においても、チェリー入賞が成立した次ゲームでBB入賞が成立するか否かを期待しながら遊技を行うことが可能となるため、BB非当選時における遊技が単調化することを好適に抑制させることが可能となる。
(e)上記実施の形態では、小役入賞を取りこぼさない位置で各ストップスイッチ72〜74を操作した場合、「7」図柄が有効ライン上に停止しない図柄配列としたが、かかる構成に限定されるものではなく、「7」図柄が有効ライン上に停止する図柄配列としてもよい。但し、かかる構成においては、BBに当選している場合に有効ライン上に「7」図柄が停止することとなるため、遊技者がBB入賞を成立させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作し、BB当選を示唆するチャンス演出が無駄なものとなってしまうことが懸念される。
(f)上記実施の形態では、チェリーにのみ当選している場合に、予めセットした1つのスベリテーブルに基づいて各リール42L,42M,42Rを停止制御する構成としたが、他の役に当選した場合と同様、停止図柄やストップスイッチ72〜74の操作順序に応じてスベリテーブルを変更する構成としてもよいことは言うまでもない。
(g)上記実施の形態では、チェリーにのみ当選している状況下で「7」図柄を狙って各ストップスイッチ72〜74が操作された場合、左リール42Lと中リール42Mの「7」図柄が下ライン上に並んで停止する構成としたが、これに加えて、スイカにのみ当選している状況下で「7」図柄を狙って各ストップスイッチ72〜74が操作された場合、左リール42Lと中リール42Mの「7」図柄が下ライン上に並んで停止する構成としてもよい。つまり、チャンス演出時に「7」図柄を狙ってストップスイッチ72〜74が操作された場合には、2つのリールの「7」図柄が有効ライン上に並んで停止する構成とする。かかる構成とすれば、チャンス演出時に「7」図柄を狙ってストップスイッチ72〜74を操作する遊技者であっても、最後のリールを停止させるまでBB入賞への期待感を持続させることが可能となる。
(h)上記実施の形態では、ダルマ像が地面に無事に着地するか否かを通じてBB当選の有無を示唆する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、少なくともBBに当選している状況下でBBに当選していることを示唆する補助演出を行うことが可能な構成であればよい。すなわち、補助表示部15にて所定の表示演出を行う構成に限らず、スピーカ14等を用いてBBに当選していることを示唆する補助演出を行う構成であってもよい。但し、例えば上記実施形態におけるダルマ像を「7」図柄の像とするようなBB当選を直接連想させる補助演出は避けることが望ましい。BBに当選していることを強く期待する遊技者であれば、補助表示部15に「7」図柄の像が表示された時点で小役入賞よりBB入賞を成立させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作すると想定されるからである。
(i)上記実施の形態では、リール制御処理を開始する前に演出コマンドを表示制御装置111に対して送信する構成としたが、各ストップスイッチ72〜74の操作が有効とされる前までに送信する構成であればよい。かかる構成であれば、遊技者が各ストップスイッチ72〜74を操作するゲームの開始段階からチャンス演出を通じてBB当選への期待感を高めることが可能となるからである。また、全リール42L,42M,42Rが停止した後にダルマ像が地面に無事に着地するか否かを通じてBB当選の有無を示唆する構成としたが、かかる構成を変更し、次ゲームを開始させるべくベット操作がなされた場合やスタートレバー71の操作がなされた場合等の次ゲームの開始段階でBB当選の有無を示唆する構成としてもよい。すなわち、BB当選の有無を示唆するタイミングは、チャンス演出が行われたゲームにおける全リール42L,42M,42Rの停止後から次ゲームの第1停止指令が発生するまでの間であればよい。かかるタイミングであれば、遊技者はチャンス演出の行われた次のゲームでBB入賞を成立させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作することが可能となるからである。
ここで、次ゲームを開始させるべくベット操作がなされた際にBB当選の有無を示唆するチャンス演出を図34の一連の表示態様に基づいて説明する。図34は、チェリー入賞が成立するゲームにおいてチャンス演出が行われた場合を示す一連の表示態様である。
図34(a)に示すように、チャンス演出が行われるゲームでは、スタートレバー71の操作に伴って各リール42L,42M,42Rが回転を開始すると、2段に積み重ねられた円柱状の木片と、上段の木片に載置されたダルマ像と、木槌を持った青年キャラクタとが表示される。そして、青年キャラクタが下段の木片に狙いをつける様が表示される。
遊技者が小役入賞の取りこぼしを回避すべく左ストップスイッチ72を操作した場合、左リール42Lの「7」図柄は有効ライン上に停止せず、「チェリー」図柄が有効ライン上に到達したタイミングで停止する。図33(b)では、下ライン上に5番図柄たる「チェリー」図柄、中ライン上に6番図柄たる「リーチ」図柄、上ライン上に7番図柄たる「ベル」図柄が停止している。左リール42Lが停止すると、青年キャラクタが下段の木片を木槌で打ち抜く様が表示される。また、下段の木片が打ち抜かれた反動によってダルマ像が1段となった木片の上で揺れ動き、やがて安定する様が表示される。そして、次にストップスイッチが操作されるまで、青年キャラクタが残り1段となった木片に狙いをつける様が表示される。
その後、遊技者が小役入賞の取りこぼしを回避すべく中ストップスイッチ73を操作した場合、中リール42Mの「7」図柄も有効ライン上に停止しない。図34(c)では、下ライン上に4番図柄たる「チェリー」図柄、中ライン上に5番図柄たる「スイカ」図柄、上ライン上に6番図柄たる「ベル」図柄が停止している。中リール42Mが停止すると、青年キャラクタが残り1段となった木片を木槌で打ち抜き、ダルマ像が木片の打ち抜かれた反動によって地面に落下する様が表示される。その後、次のストップスイッチが操作されるまで、地面に落下したダルマ像が揺れ動く様が表示される。
さらに、遊技者が小役入賞の取りこぼしを回避すべく右ストップスイッチ74を操作した場合、右リール42Rの「7」図柄も有効ライン上に停止しない。図34(d)では、下ライン上に7番図柄たる「リーチ」図柄、中ライン上に8番図柄たる「スイカ」図柄、上ライン上に9番図柄たる「ベル」図柄が停止している。右リール42Rが停止すると、揺れ動いていたダルマ像が斜めに傾いた状態で安定すると共に青年キャラクタが困惑する様が表示される。つまり、全リール42L,42M,42Rが停止した時点では、BBに当選しているか否かが不明なままである。
その後、遊技者が次ゲームを開始させるべくベット操作を行うと、BBに当選している場合(すなわちBB+チェリーに当選している場合)であれば、図34(e)に示すように、傾いていたダルマ像が立った状態で安定すると共に青年キャラクタがガッツポーズをとる様が表示され、BBに当選していることが示唆される。一方、チェリーにのみ当選している場合には、図34(f)に示すように、傾いていたダルマ像が倒れて停止すると共に青年キャラクタががっかりしたポーズをとる様が表示され、BBに当選していないことが示唆される。
かかる一連のチャンス演出を行う具体的手順としては、BB+チェリー当選を意味する演出コマンドと、チェリー当選のみを意味する演出コマンドを予め設定し、主制御装置131が当選役に応じた演出コマンドを表示制御装置111に送信する構成とする。また、ベット操作がなされた場合には、主制御装置131からベットコマンドを表示制御装置111に対して送信する構成とする。表示制御装置111は、上述した演出コマンドの受信に基づいて図34(a)〜(d)に示した一連のチャンス演出を行い、ベットコマンドの受信に基づいて予め受信した演出コマンドと対応する表示(すなわち図34(e)又は(f))を行う構成とする。
(j)上記実施の形態では、通常ゲームにおいて同一図柄が有効ライン上に並んで停止すると入賞成立となる構成について説明したが、予め定めた図柄が有効ライン上で所定の組合せを形成して停止した場合に入賞成立となる構成としてもよい。すなわち、RBゲームにおけるJAC入賞のように異なる図柄が有効ライン上に並んで停止した場合に入賞成立となる構成としてもよい。上記実施形態におけるJAC入賞では、左リール42L及び中リール42Mの「リプレイ」図柄、右リール42Rの「チャンス」図柄及び「ラッキー」図柄がJAC入賞と対応する当選図柄に相当する。
(k)上記実施の形態では、小役入賞を取りこぼさないタイミングで各ストップスイッチ72〜74が操作された場合、「7」図柄が有効ライン上に停止しない構成としたが、所定のタイミングでストップスイッチを操作しなければ有効ライン上に停止しない図柄を狙ってストップスイッチが操作された場合に、状態移行図柄が有効ライン上に停止しない構成であれば、各リールに付される図柄配列及び図柄の種類は任意である。
(l)上記実施の形態では、チェリーに当選した場合、BB当選の有無に関わらず左リール42Lの上段又は下段に「チェリー」図柄が停止する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、BB当選の有無に応じて左リール42Lの「チェリー」図柄の停止位置が変化する構成や、BB当選の有無に応じて中リール42M及び右リール42Rの停止出目が変化する構成としてもよい。これら構成とすれば、チェリー入賞が成立した場合の停止出目からBB当選の有無を判別することが可能となり、BB非当選時における遊技が単調化することを抑制させることが可能となる。例えばBB非当選時には左リール42Lの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止し、BB当選時には左リール42Lの「チェリー」図柄が中段に停止する構成とした場合、左リール42Lの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止した際に、中段に停止していればBB当選していたのに惜しかったという思いを遊技者に抱かせることが可能となるからである。なお、これら構成を実現する方法としては、BBとチェリーに当選している場合に用いるスベリテーブルと、チェリーにのみ当選している場合に用いるスベリテーブルを予め記憶させておき、停止指令に応じて適宜スベリテーブルを変更する構成が考えられる。
これら構成に基づいて次のような手段が想定される。
前記遊技媒体の受入に基づいて前記有効位置を複数設定し得る有効位置設定手段(主制御装置131)を備え、該有効位置設定手段が前記有効位置を複数設定した場合、前記停止駆動制御手段は、前記複数当選役に当選すると共に前記第2入賞を成立させることが不可能なタイミングで前記停止操作手段が操作された場合、予め定めた1の有効位置(中ライン)で前記第1入賞が成立するよう前記各駆動手段を停止駆動制御し、前記複数当選役に当選した際に当選となる所定役(チェリー役)にのみ当選すると共に該所定役と対応する第1入賞を成立させることが可能なタイミングで前記停止操作手段が操作された場合、前記1の有効位置と異なる他の有効位置で前記第1入賞が成立するよう前記各駆動手段を停止駆動制御することを特徴とする遊技機。
或いは、前記有効位置に到達している到達絵柄と前記有効位置に停止させる停止絵柄との関係を定め得る停止情報群を予め複数記憶する停止情報群記憶手段と、前記役の抽選結果に応じて前記複数の停止情報群から1の停止情報群を選択する停止情報群選択手段と、該停止情報群選択手段の選択した停止情報群を格納する停止情報群格納手段とを備え、前記停止情報群選択手段を、前記複数当選役に当選した場合と、前記複数当選役に当選した際に当選となる所定役(チェリー役)にのみ当選した場合と、では異なる停止情報群を選択する構成とし、前記停止駆動制御手段を、前記停止情報群格納手段に格納された停止情報群に基づいて前記各駆動手段を停止駆動制御する構成としたことを特徴とする遊技機。
(m)上記実施の形態では、所定のタイミングでストップスイッチを操作しなければ有効ライン上に停止しない図柄として「スイカ」図柄と「チェリー」図柄の2種類を設定したが、1種類のみであってもよい。図7を用いて一例を説明すると、例えばチェリー入賞が設定されていないスロットマシンの場合、「スイカ」図柄が有効ライン上に停止するよう各ストップスイッチを操作する必要がある。つまり、左リールであれば、3番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間にストップスイッチを操作する必要がある。ところが、かかるタイミングでストップスイッチが操作された場合、「スイカ」図柄と「7」図柄との間が7図柄分離れているため、「7」図柄が有効ライン上に停止することはない。故に、かかる構成であっても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。かかる構成とした場合、BBとチェリーに当選となる複数当選役ではなくBBとスイカに当選となる複数当選役を設定することが望ましいことは言うまでもない。
(n)「7」図柄を配置する位置は、「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な位置に配置された図柄から、リールの回転する上流側に「(リールを滑らせることのできる最大図柄数)+(表示窓から視認可能な図柄数)−1」図柄以上離れた位置であって、下流側に「(表示窓から視認可能な図柄数)−1」図柄以上離れた位置であればよい。また、取りこぼしの発生する図柄が1種類のみである場合には、当該図柄の配置された位置から、リールの回転する上流側に「(リールを滑らせることのできる最大図柄数)+(表示窓から視認可能な図柄数)−1」図柄以上離れた位置であって、下流側に「(表示窓から視認可能な図柄数)−1」図柄以上離れた位置に、「7」図柄を配置すればよい。かかる構成とすることにより、取りこぼしの発生する図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで各ストップスイッチが操作された場合に、「7」図柄を表示窓から視認できない位置に停止させることが可能となり、チャンス演出が無駄なものとなる機会を軽減させることが可能となる。具体例を挙げて説明すると、表示窓から1個の図柄のみが視認可能な構成であって、最大4図柄分滑らせることができる構成の場合、「7」図柄を配置する位置は、取りこぼしの発生する図柄を有効ライン上に停止させることが可能な位置から、リールの回転する上流側に4(=4+1−1)図柄以上離れた位置であって、下流側に0(=1−1)図柄以上離れた位置であればよい。つまり、かかる構成の場合、「7」図柄は、上流側に4図柄以上離れた位置であれば任意の位置に配置することが可能である。なお、上記実施形態のように、取りこぼしの発生しない位置に配置された図柄から、リールの回転する上流側に「(リールを滑らせることのできる最大図柄数)+(表示窓から視認可能な図柄数)−1」図柄以上離れた位置であって、下流側にも「(リールを滑らせることのできる最大図柄数)+(表示窓から視認可能な図柄数)−1」図柄以上離れた位置に「7」図柄を配置する構成とすることが、最も好ましい。かかる場合には、「7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで各ストップスイッチが操作された場合に、取りこぼしの発生する図柄が有効ライン上に到達しないからである。
(o)上記実施の形態では、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄を5図柄の範囲内に配置する構成としたが、用意されたリールの停止態様数の範囲内であれば、かかる範囲に限定されるものではなく、例えば4図柄の範囲内に配置してもよい。かかる構成とすれば、「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングに幅を持たせることが可能となり、取りこぼしの発生する頻度を低下させることが可能となる。但し、複数の有効ラインを設定し得るスロットマシンの場合には、役の複合が発生することを回避できるように、少なくとも表示窓から視認できる図柄数分だけ離れた位置に配置することが望ましい。
(p)上記実施の形態では、1枚〜3枚のメダルがベットされた場合にゲームを行うことが可能なスロットマシンについて説明したが、3枚のメダルがベットされた場合にのみゲームを行うことが可能なスロットマシンに上述した構成を適用してもよく、かかる場合であっても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。なお、かかる場合には、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄を7図柄の範囲内に配置する構成とすれば、小役入賞及び再遊技入賞となる図柄を有効ライン上に停止させることが可能である。すなわち、有効ラインの設定される数が一定である場合には、「(リールの停止態様数)+(有効ラインの設定される位置数)−1」図柄の範囲内に配置する構成であればよい。
(q)上記実施の形態では、通常ゲームにおいて各入賞態様と対応する図柄の組合せが1種類のみであるスロットマシンについて説明したが、JAC入賞のように入賞態様と対応する図柄の組合せを複数種類有するスロットマシンの場合、各リール42L,42M,42Rの図柄配列を以下のように構成することが望ましい。ここでは、「7」図柄が並んで停止した場合と、「青年」図柄が並んで停止した場合のいずれの場合にもBB入賞が成立するスロットマシンを例として説明する。かかる構成において各ストップスイッチ72〜74が所定のタイミングで操作されなければBB入賞が成立しない図柄配列とする場合、同じ識別情報を有する図柄が5図柄以上(予め設定されたリールの停止態様以上)離れて配置された非配置区間を形成する必要がある。すなわち、「7」図柄同士の間隔が5図柄以上離れるように、且つ「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上離れるように「7」図柄と「青年」図柄を配置する。このとき、異種図柄たる「7」図柄と「青年」図柄との間隔は任意でよい。また、「7」図柄及び「青年」図柄を各リール42L,42M,42Rに1つずつ配置する構成とした場合、「7」図柄同士及び「青年」図柄同士の間隔は、同一図柄(すなわち「7」図柄であれば当該「7」図柄)が所定位置に到達してから1回転して再度所定位置に到達するまでの間に当該所定位置を通過する他の図柄数(すなわち20図柄)と等しくなる。故に、かかる構成としても、各ストップスイッチ72〜74が所定のタイミングで操作されなければBB入賞が成立しない図柄配列とすることが可能である。一方、各ストップスイッチ72〜74の操作タイミングに関わらずBB入賞が成立する図柄配列とする場合、同じ識別情報を有する図柄を4図柄以内(予め設定された最大滑り数以内)の間隔で配置する必要がある。すなわち、「7」図柄同士の間隔が4図柄以内となるように、且つ「青年」図柄同士の間隔が4図柄以内となるように「7」図柄と「青年」図柄を配置する。このとき、異種図柄たる「7」図柄と「青年」図柄との間隔は任意でよい。なお、かかる図柄配列は、BB入賞に限らず小役入賞や再遊技入賞と対応する図柄の組合せを複数種類有する場合であっても同様であることは言うまでもない。
(r)上記実施の形態では、スベリテーブルに基づいて各リールを停止させる所謂テーブル制御を行うスロットマシンについて説明したが、ストップスイッチが操作された後に対応するリールのスベリ数を所定のプログラムに基づいて決定する所謂プログラム制御を行うスロットマシンであってもよい。
(s)上記実施の形態では、主制御装置131のRAM153に形成されたスベリテーブル格納エリア153bにスベリテーブルをセットする構成としたが、参照すべきスベリテーブルを導出し得るアドレス情報等を記憶させる構成としても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(t)上記実施の形態では、チャンス演出を行うか否かを主制御装置131が決定する構成としたが、表示制御装置111が決定する構成としてもよい。主制御装置131から当選役の有無やゲームの進行状況、各停止指令に基づいて停止したリールの停止出目等をコマンドとして表示制御装置111に逐次送信する構成とすれば、受信したコマンド内容に基づいて表示制御装置111がチャンス演出を行うか否かを決定することが可能となる。かかる構成とすれば、主制御装置131の処理負荷を軽減させつつ上記実施形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。
(u)上記実施の形態では、ダルマ像が立った状態で安定することを通じてBBに当選していることが示唆され、かかるチャンス演出はBB当選時にのみ行われる構成としたが、所定確率でBB非当選時にも行われる構成としてもよい。但し、BB非当選時にも行う構成とした場合には遊技者がBB当選の有無を把握できない可能性が生じるため、BB非当選時に行う確率は低いことが望ましい。例えば、ダルマ像が立った状態で安定するチャンス演出を、BB当選時には必ず行うと共に、BB非当選時においてチャンス演出を行うと決定した場合の例えば100分の1で行う構成とする。かかる構成とすれば、BB当選時にダルマ像が立った状態で安定するチャンス演出は約300分の1で行われることとなり、チェリー又はスイカに当選する確率(すなわちBB非当選時にチャンス演出を行う確率)は約60分の1であるため、BB非当選時にダルマ像が立った状態で安定するチャンス演出は約6000分の1で行われることとなる。故に、ダルマ像が立った状態で安定した場合にBB当選していることへの期待感を高めることが可能となり、BB非当選時における遊技が単調化することを抑制させることが可能となる。
これら構成に基づいて次のような手段が想定される。
補助演出(チャンス演出)を行う補助演出手段(補助表示部15、表示制御装置111)と、補助演出を行うか否かを決定する補助演出決定手段(主制御装置131のチャンス演出設定処理機能S709〜S713)とを備え、前記補助演出手段は、前記補助演出決定手段が前記補助演出を行うと決定した場合、前記特定役非当選時より前記特定役当選時に高確率で行う第1補助演出(ダルマ像が立った状態で安定するチャンス演出)と、前記特定役当選時より前記特定役非当選時に高確率で行う第2補助演出(ダルマ像が倒れるチャンス演出)とのいずれか一方の補助演出を行うことを特徴とする遊技機。
(v)上記実施の形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(w)上記実施の形態では、円筒骨格部材50の外周面に、図柄が印刷されたベルトを貼付する構成としたが、円筒骨格部材とベルトとを一体形成し、このベルトの外周面に図柄を個別に貼付する構成としてもよい。かかる場合には、この一体形成の外周面が無端状ベルト又は周回体に相当する。
(x)上記実施の形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして5ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。
(y)上記実施の形態では、いわゆるAタイプのスロットマシンについて説明したが、Bタイプ、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはCTゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよく、何れの場合であっても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。なお、これらの各タイプにおけるボーナス当選としては、BB当選、RB当選、SB当選、CT当選などが挙げられる。
(z)各リール42L,42M,42Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
(A)上記実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
10…遊技機としてのスロットマシン、11…遊技機本体の一部を構成する筐体、12…遊技機本体の一部又は遊技機本体の開閉部材を構成する前面扉、14…スピーカ、15…補助演出手段を構成する補助表示部、31…表示窓、42…変動表示手段を構成すると共に回胴又は周回体としてのリール、61…変動表示手段を構成すると共に駆動手段としてのステッピングモータ、71…始動操作手段としてのスタートレバー、72〜74…停止操作手段としてのストップスイッチ、111…補助演出手段を構成する表示制御装置、131…抽選手段や停止駆動制御手段等を構成する主制御装置、151…メイン制御手段等の各種制御手段を構成するCPU、152,153…記憶手段としてのROM,RAM、161…電源装置。