以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、上下一対の支軸25a,25bが設けられている。支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、各支軸25a,25bに対応して当該支軸25a,25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a,26bが設けられている。そして、各支軸25a,25bの上方に支持金具26a,26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a,26bの挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖することができるように構成されている。
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、前面扉12の右端側上部には解錠操作部たるキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。キーシリンダ20が設けられる位置は前面扉12の中でも肉厚の薄い上部位置とされており、その結果、全長の短い汎用性のあるキーシリンダ20を採用することができる。なお、本実施の形態では、キーシリンダ20として、不正解錠防止機能の高いオムロック(商標名)が用いられている。連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の支持金具23に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と支持金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル30が設けられている。遊技パネル30には、縦長の3つの表示窓31L,31M,31Rが横並びとなるように形成されている。表示窓31L,31M,31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L,31M,31Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓31L,31M,31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板40によりその内部が上下2分割されており、仕切り板40の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール42L,中リール42M,右リール42Rを備えている。なお、各リール42L,42M,42Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール42L,42M,42Rが各表示窓31L,31M,31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L,42M,42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓31L,31M,31Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール42L,42M,42Rが正回転すると、各表示窓31L,31M,31Rを通じてリール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール42L,42M,42Rは、それぞれがステッピングモータ61L,61M,61Rに連結されており、各ステッピングモータ61L,61M,61Rの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール42L,42M,42Rは同様の構成をしているため、ここでは左リール42Lを例に挙げて図6に基づいて説明する。なお、図6は左リール42Lの組立斜視図である。
左リール42Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部にはボス部51形成されており、円盤状のボス補強板52を介して左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸に取り付けられている。従って、左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、左リール42Lが円環状のリール面に沿って周回するようになっている。
左リール用ステッピングモータ61Lは、リールユニット41(図3)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール42Lと一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール42Lが1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置131に検出信号が出力される。従って、主制御装置131はこの検出信号に基づいて左リール42Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ61Lは例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ61Lの回転位置、すなわち左リール42Lの回転位置が制御される。
各リール42L,42M,42Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール42L,42M,42Rに付された図柄のうち、表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓31L,31M,31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。換言すれば、各表示窓31L,31M,31Rを、上段、中段、下段の3個の図柄が視認可能な状態となるように形成したとも言える。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
ここで、各リール42L,42M,42Rに付される図柄について説明する。図7には、左リール42L,中リール42M,右リール42Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L,42M,42Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。また、各リール42L,42M,42Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置131が表示窓から視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール42L,42M,42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト20番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト19番目)、「青年」図柄(例えば、左ベルト18番目)、「7」図柄(例えば、左ベルト16番目)、「ナス」図柄(例えば、左ベルト12番目)、「BAR」図柄(例えば、左ベルト8番目)、「スイカ」図柄(例えば、左ベルト5番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト1番目)の8種類がある。そして、図7に示すように、各リール42L,42M,42Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
なお、リールユニット41の各リール42L,42M,42Rは識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、主表示部を構成する。但し、可変表示手段は、図柄を周方向に可変表示する構成であれば、これ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に加えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
遊技パネル30には、各表示窓31L,31M,31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。これら各組合せラインに対応して、表示窓31L,31M,31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32,33,34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル数の払出処理や、特別遊技状態たるBBゲームやRTゲームへの移行処理などが実行される。
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に払い出されるメダル払出枚数とが示されている。
メダル払出が行われる小役入賞としては、スイカ入賞と、ベル入賞と、チェリー入賞とがある。有効ライン上に左から「スイカ」図柄、「スイカ」図柄、「スイカ」図柄と並んで停止した場合、スイカ入賞として15枚のメダル払出、有効ライン上に左から「ベル」図柄、「ベル」図柄、「ベル」図柄と並んで停止した場合、ベル入賞として11枚のメダル払出が行われる。また、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、チェリー入賞として2枚のメダル払出が行われる。即ち、チェリー入賞の場合には、中リール42M及び右リール42Rの有効ライン上に停止する図柄はどのような図柄であってもよい。故に、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、各有効ライン上にてチェリー入賞が成立し、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われる。結果として、本実施形態では4枚のメダル払出が行われる。
遊技状態が移行する状態移行入賞としてBB入賞とRT入賞がある。有効ライン上に左から「7」図柄、「7」図柄、「7」図柄と並んで停止した場合又は「BAR」図柄、「BAR」図柄、「BAR」図柄と並んで停止した場合には、BB入賞として遊技状態が特別遊技状態たるBBゲームに移行する。また、有効ライン上に左から「ナス」図柄、「ナス」図柄、「ナス」図柄と並んで停止した場合には、RT入賞として遊技状態が特別遊技状態たるRTゲームに移行する。但し、これら図柄の組合せが有効ライン上に停止したとしても、メダル払出は行われない。すなわち、「7」図柄の組合せや「BAR」図柄の組合せが有効ライン上に成立した際にはBBゲームに移行するのみであり、「ナス」図柄の組合せが有効ライン上に成立した際にはRTゲームに移行するのみである。換言すれば、「7」図柄と「BAR」図柄は遊技状態をBBゲームに移行させるための状態移行図柄であり、「ナス」図柄は遊技状態をRTゲームに移行させるための状態移行図柄であるといえる。
更に、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄と並んで停止した場合には、再遊技入賞となる。再遊技入賞が成立すると、メダル払出や状態移行は行われないものの、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能となる。
加えて、遊技状態が後述するRBゲームである場合に限り、有効ライン上に左から「青年」図柄、「青年」図柄、「青年」図柄と並んで停止した場合に、JAC入賞として15枚のメダル払出が行われる。
その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に上記した図柄の組合せが停止しなかった場合には、メダル払出や遊技状態の移行等は一切行われない。すなわち、中リール42Mと右リール42Rの「チェリー」図柄は入賞と一切関与していない。換言すれば、上記図柄は、遊技者に付与される特典と無関係な無特典図柄であると言える。このように、中リール42Mと右リール42Rには、例えば「ベル」図柄等の入賞と関係する特典図柄と、「チェリー」図柄等の入賞と無関係な無特典図柄がそれぞれ付されている。また、「青年」図柄がRBゲーム中に限り入賞と関与する点に着目すれば、通常状態下では各リール42L,42M,42Rに付された「青年」図柄も無特典図柄であると言える。なお、以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せともいう。例えば、BB図柄の組合せとは、BB入賞となる図柄の組合せ、すなわち「7」図柄の組合せ又は「BAR」図柄の組合せである。
遊技パネル30の下方左側には、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L,42M,42Rを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。スタートレバー71は、遊技者がゲームを開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー52が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー71の右側には、回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72,73,74が設けられている。各ストップスイッチ72,73,74は停止対象となるリール42L,42M,42Rに対応する表示窓31L,31M,31Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ72が操作された場合には左リール42Lの回転が停止し、中ストップスイッチ73が操作された場合には中リール42Mの回転が停止し、右ストップスイッチ74が操作された場合には右リール42Rの回転が停止する。ストップスイッチ72,73,74はリール42L,42M,42Rの回転に基づく可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ72,73,74は、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口75が設けられている。メダル投入口75は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
メダル投入口75から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ84によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。すなわち、セレクタ84にはメダル通路切替ソレノイド83が設けられ、そのメダル通路切替ソレノイド83の非励磁時には排出用通路82側とされ、励磁時には貯留用通路81側に切り替えられるようになっている。貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返還される。
メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置91は、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
メダル投入口75の下方には、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ84内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ84が機械的に連動して動作され、当該セレクタ84内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方左側には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ77が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状のスイッチとして、第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ77〜79は前記メダル投入口75とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77〜79は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、第1クレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートレバー71の左側には、ボタン状の精算スイッチ80が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状態で精算スイッチ80が押下操作されることで、仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。
なお、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するように設定された「クレジットモード」と、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」とを切換可能としたスロットマシンの場合には、前記精算スイッチ80に、モード切換のための切換スイッチとしての機能を付加してもよい。この場合、精算スイッチ(切換スイッチ)80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるように構成される。そして、精算スイッチ80がオン状態のときにはクレジットモードとされ、精算スイッチ80がオフ状態のときにはダイレクトモードとされる。クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際に仮想メダルがある場合には、その分の仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。これにより、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることで自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる精算スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。
遊技パネル30の表示窓31L,31M,31R下方には、貯留記憶された仮想メダル数を表示するクレジット表示部35と、BBゲームが終了するまでに獲得できる残りのメダル数を表示する残獲得枚数表示部36と、入賞時に獲得したメダルの枚数を表示する獲得枚数表示部37とがそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚未満であれば、スロットマシン内部に貯蓄されると共にクレジット表示部35の仮想メダル数が加算表示される。一方、仮想メダル数が50枚のとき又は50枚に達したときには、セレクタ84により貯留用通路81から排出用通路82への切替がなされ、メダル排出口17からメダル受け皿18へと余剰メダルが返却される。
また、クレジット表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。
第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が1つ減算され、第1有効ライン表示部32が点灯して中ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が2つ減算され、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が3つ減算され、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えばクレジット表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、クレジット表示部35の数値が全て減算されて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に各種情報を与える補助表示部15とが設けられている。補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための表示制御装置111が設けられている。なお、上部ランプ13及びスピーカ14の位置や数は特に以上説明したものに限られない。
メダル受け皿18の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。また、メダル受け皿18の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿19が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ123は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ123は、エラー状態をリセットする場合のほか、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット41の上方には、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。なお、ボックスベースとボックスカバーとを鍵部材を用いて開封不能に連結する構成としてもよい。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置131には、演算処理手段であるCPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU151には、電源ボックス121の内部に設けられた電源装置161の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路154や、入出力ポート155などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置131の入力側には、スタートレバー71の操作を検出するスタート検出センサ71a、各ストップスイッチ72,73,74の操作を個別に検出するストップ検出センサ72a,73a,74a、メダル投入口75から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ75a、各クレジット投入スイッチ77,78,79の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ77a,78a,79a、精算スイッチ80の操作を検出する精算検出センサ80a、各リール42の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55、ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ91a、リセットスイッチ123の操作を検出するリセット検出センサ123a、設定キー挿入孔124に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ124a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート155を介してCPU151へ出力されるようになっている。
なお、投入メダル検出センサ75aは実際には複数個のセンサより構成されている。即ち、メダル投入口75からホッパ装置91に至る貯留用通路81は、メダルが1列で通行可能なように構成されている。そして、貯留用通路81には第1センサが設けられるとともに、それよりメダルの幅以上離れた下流側に第2センサ及び第3センサが近接(少なくとも一時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接)して設けられており、これら第1乃至第3の各センサによって投入メダル検出センサ75aが構成されている。主制御装置131は、第1センサから第2センサに至る時間を監視し、その経過時間が所定時間を越えた場合にはメダル詰まり又は不正があったものとみなしてエラーとする。エラーになると、エラー報知が行われるとともにエラー解除されるまでの遊技者による操作が無効化される。また、主制御装置131は第2センサと第3センサとがオンオフされる順序をも監視し、第2,第3センサが共にオフ、第2センサのみオン、第2,第3センサが共にオン、第3センサのみオン、第2,第3センサが共にオフという順序通りになった場合で、かつ各オンオフ切換に移行する時間が所定時間内である場合にのみメダルが正常に取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラーとする。このようにするのは、貯留用通路81でのメダル詰まりの他、メダルを投入メダル検出センサ75a付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正を防止するためである。
また、主制御装置131の入力側には、入出力ポート155を介して電源装置161に設けられた停電監視回路161bが接続されている。電源装置161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部161aや、上述した停電監視回路161bなどが搭載されている。
停電監視回路161bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ122による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路161bは、電源部161aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU151と入出力ポート155のそれぞれに供給され、CPU151ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。
電源部161aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置131などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置131による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置131の出力側には、各有効ライン表示部32,33,34、クレジット表示部35、残獲得枚数表示部36、獲得枚数表示部37、各リール42L,42M,42Rを回転させるための各ステッピングモータ61(61L,61M,61R)、セレクタ84に設けられたメダル通路切替ソレノイド83、ホッパ装置91、表示制御装置111、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板171等が入出力ポート155を介して接続されている。
表示制御装置111は、上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置131からの信号を受け取った上で、表示制御装置111が独自に上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示部15を駆動制御する。従って、表示制御装置111は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置131との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部32〜37を表示制御装置111が制御する構成としてもよい。
上述したCPU151には、このCPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図10以降のフローチャートに示される各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM152に記憶されている。
RAM153は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源ボックス121内に設けられた電源装置161からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM153には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、各リール42L,42M,42Rを停止させる処理を行う際に使用するための当選番号格納エリア153a,スベリテーブル格納エリア153b,変更図柄格納エリア153c等の格納エリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ122の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理(図12参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図13参照)において実行される。なお、CPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路161bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
続いて、主制御装置131内のCPU151により実行される各制御処理を図10〜図29のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU151の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図10はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置161の停電監視回路161bでは停電信号が生成され、主制御装置131に対して出力される。NMI端子を介して停電信号を受信した主制御装置131では、NMI割込み処理が実行される。
NMI割込み処理では、まずステップS101において、CPU151内に設けられた使用レジスタのデータをRAM153内に設けられたバックアップエリアに退避させる。続いて、ステップS102では、停電フラグをRAM153内に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。その後、ステップS103にてRAM153のバックアップエリアに退避させたデータを再びCPU151の使用レジスタに復帰させる。この復帰処理でNMI割込み処理が終了する。なお、CPU151の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグのセット処理が可能な場合には、バックアップエリアへの退避および復帰処理を省くことができる。
図11は、主制御装置131で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置131のCPU151により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU151内の全レジスタの値をRAM153のバックアップエリアに退避させる。ステップS202では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
ここで、停電時処理について図12を用いて説明する。この停電時処理は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの送信処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。なお、このことは後述する復電時処理用の処理プログラムについても同様である。
ステップS301では、コマンド送信が終了しているか否かを判定する。送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンド送信を終了させる。このように停電時処理の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理を優先し、単位コマンドの送信処理終了後に停電時処理を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してROM152の小容量化を図ることができる実益を有する。
ステップS301がYES、すなわちコマンドの送信が完了している場合には、ステップS302に進み、CPU151のスタックポインタの値をRAM153内のバックアップエリアに保存する。その後ステップS303では、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポート155における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。ステップS304では、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値とは、具体的にはRAM153の作業領域アドレスにおけるチェックサムの2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAM153のチェックサムは0となる。RAM153のチェックサムを0とすることにより、ステップS305においてそれ以後のRAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM153への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、詳細な説明は省略するが、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合には後述するメイン処理に移行する。
なお、電源装置161の電源部161aは、上述したNMI割込み処理及び停電時処理を実行するのに十分な時間、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力が保持されるように構成されている。本実施形態では、30msecの間、駆動電圧が出力され続けるようになっている。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、CPU151自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール42L,42M,42Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ61L〜61Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入出力ポート155に接続された各種センサ(図9参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントした結果を外部集中端子板171へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS210では、各種コマンドを表示制御装置111へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、クレジット表示部35、残獲得枚数表示部36及び獲得枚数表示部37にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS212では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部35〜37に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS213では、入出力ポート155からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS214では、先のステップS201にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU151内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS215にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
図13は電源投入後に実行される主制御装置131でのメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS401では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU151内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU151内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、ステップS402では設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されてON操作されているか否か、より詳しくは設定キー検出センサ124aからON信号を受信しているか否かを判定する。設定キーのON操作がなされている場合にはステップS403に進み、強制的RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。続くステップS404では当選確率設定処理を行う。
ここで、当選確率設定処理について図14を用いて説明する。スロットマシン10には、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、当選確率設定処理とは、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定するための処理である。
ステップS501では次回のタイマ割込みを許可する。その後、ステップS502にて現在の設定値を読み込むと共に、ステップS503では現在の設定値をクレジット表示部35に表示する。但し、設定キーが挿入されてON操作された直後の処理では、先の強制的RAMクリア処理によりRAM153のデータがクリアされているため、クレジット表示部35に表示される設定値は「1」である。
ステップS504ではスタートレバー71が操作されたか否かを判定し、操作されていない場合にはステップS505〜ステップS506に示す設定更新処理を行う。ステップS505では、リセットスイッチ123が操作されたか否かを判定する。リセットスイッチ123が操作されていない場合にはそのままステップS503に戻り、操作された場合にはステップS506にて設定値を1更新した後にステップS503に戻る。つまり、設定更新処理では、リセットスイッチ123が操作される毎に設定値が1更新され、更新された設定値がクレジット表示部35に表示される。なお、設定値が「6」のときにリセットスイッチ123が操作された場合、設定値は「1」に更新される。
ステップS504にてスタートレバー71が操作された場合には、ステップS507にて設定キーのON操作が継続してなされているか否かを判定する。設定キーのON操作が継続してなされている場合にはそのまま待機し、ON操作が終了された場合にはステップS508にて次回のタイマ割込みを禁止する。その後、ステップS509にて設定値を保存し、ステップS510にてRAM153に記憶された設定値以外のデータをクリアして本処理を終了する。
メイン処理の説明に戻り、ステップS404にて当選確率設定処理を行った後には、ステップS405にて遊技に関わる主要な制御を行う通常処理を実行する。
一方、ステップS402にて設定キーが挿入されていない場合には、ステップS406以降に示す復電処理を行う。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させる処理である。従って、復電処理では先ずRAM153のデータが正常かどうかを確認する必要がある。
そこで、ステップS406では設定値が正常か否かを判定する。具体的には、設定値が1〜6のいずれかである場合に正常であると判定し、0又は7以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、ステップS407にて停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされている場合には、さらにステップS408にてRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM153のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM153のデータは正常であると判定する。
ステップS408においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS409に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU151のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS410において、復電処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置111に送信する。その後、ステップS411にて遊技状態として打ち止め及び自動精算設定保存処理を行い、ステップS412にてスタート検出センサ71a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS413にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS204)が実行されることとなる。
一方、ステップS406〜ステップS408のいずれかがNO、すなわち、設定値が異常である、電源遮断時にセットされる筈の停電フラグがセットされていない、又はRAM判定値が異常である場合には、RAM153のデータが破壊された可能性が高い。このような場合には、ステップS414〜ステップS416に示す動作禁止処理を行う。動作禁止処理として、先ずステップS414にて次回のタイマ割込み処理を禁止し、ステップS415では入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ステップS416にてホール管理者等にエラーの発生を報知するエラー報知処理を行う。かかる動作禁止状態は、上述した当選確率設定処理が行われるまで維持される。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図15のフローチャートに基づき説明する。なお、以下では、メダルが3枚ベットされて遊技が行われた場合、すなわち5本の組合せライン全てが有効ラインとなった場合について説明する。1枚ベットされた場合及び2枚ベットされた場合については、入賞を成立させるべき有効ラインが限定される点を除き3枚ベットの場合と同様のため、説明を省略する。
先ずステップS601では、メダルがベットされているか否かを判定する。メダルがベットされているときには、続いてステップS602にてスタートレバー71が操作されたか否かを判定する。ステップS601,ステップS602が共にYESの場合には、ステップS603の抽選処理、ステップS604のリール制御処理、ステップS605のメダル払出処理、ステップS606のボーナスゲーム処理を順に実行し、ステップS601に戻る。一方、ステップS601にてメダルがベットされていない、またはステップS602にてスタートレバー71が操作されていない場合には、ステップS601に戻る。
次に、ステップS603の抽選処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。
ステップS701では、スロットマシン10の現在の設定状態やベットされたメダルの枚数等に基づき、当否決定用の抽選テーブルを選択する。ここで、スロットマシン10の設定状態は「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときにBB当選確率が最も低い抽選テーブルが選択され、「設定6」のときにBB当選確率が最も高い抽選テーブルが選択される。また、ベットされるメダルの枚数は1〜3枚のいずれかであり、ベット枚数が多いほど役の当選確率が高くなるような抽選テーブルが選択される。例えば3枚ベットされたときの役の当選確率は、1枚ベットされたときの役の当選確率と比して3倍よりも高い確率となっている。ここで、抽選テーブルについて、簡単に説明する。図17は、「設定1」の通常状態下で3枚ベットされた場合に選択される抽選テーブルである。抽選テーブルには、当否判定を行うべき役の数と同数のインデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられると共にポイント値PVが設定されている。すなわち、通常状態下において選択される抽選テーブルには、再遊技、チェリー、ベル、スイカ、BBの5種類の役について当否判定を行うよう、1〜5の5つのインデックス値IVが設定されている。但し、通常状態下で入賞の成立し得るRT役(図8参照)については、インデックス値IVが設定されていない。つまり、本スロットマシン10では、通常状態下でRT入賞が成立するにも関わらず当否判定を行う役としてRT役が設定されていない。なお、本スロットマシン10における各抽選テーブルでは、設定値が高い抽選テーブルほどBB役と対応するポイント値PVが大きく設定されており、ベット枚数が多いほど各ポイント値PVが大きく設定されている。
ステップS702ではインデックス値IVを1とし、続くステップS703では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、スタートレバー71が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。ここで、乱数カウンタについて簡単に説明すると、本スロットマシン10では、8ビットのシフトレジスタを2つ用いて0〜65535の乱数を生成している。各シフトレジスタは定期的(例えば100ns毎)に1ずつ更新され、各シフトレジスタの上位ビットと下位ビットを入れ替えた値がCPU151に入力され、スタートレバー71が操作されたとき(すなわちスタート検出センサ71aのON信号を受信したとき)に入力されている値が乱数値としてラッチされる。これは初回の判定値設定処理にて用いられる乱数値を不規則なものとするための工夫であり、例えば各シフトレジスタのビットをランダムに入れ替えた値が乱数値としてラッチされる構成であってもよい。
その後、ステップS704ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定し、65535を超えた場合には、ステップS705にてそのときのインデックス値IVと対応する役の当選フラグをセットする。ちなみに、当選フラグが小役当選フラグ又は再遊技当選フラグである場合、これら当選フラグは、該当選フラグがセットされたゲームの終了時にリセットされる。一方、当選フラグがBB当選フラグである場合、BB当選フラグはBB図柄の組合せが有効ライン上に成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、BB当選フラグは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。なお、BB当選フラグを持ち越した次ゲーム以降における役の当否判定では、小役又は再遊技の当否判定は行うが、BBに関する当否判定は行わない。
ステップS704にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS706にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS707ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき役があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき役がある場合にはステップS703に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS703では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS704では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図17に示した抽選テーブルが選択された場合、BB当選確率は約300分の1である。一方、再遊技及び小役当選確率はBB当選確率よりも高く設定されており、再遊技当選確率は約7.3分の1、ベル当選確率は約7.0分の1、チェリー及びスイカ当選確率は128分の1である。また、いずれの役にも当選しない確率は約1.4分の1である。
ステップS705にて当選フラグをセットした後、又はステップS707にて当否判定すべき役がないと判定された場合には、ステップS708にてリール停止制御用のスベリテーブル(停止テーブル)を設定するスベリテーブル設定処理を行い、本処理を終了する。このように、本スロットマシン10では、当否判定の結果を表示制御装置111に対して送信しない構成となっており、いずれの役に当選したかを補助表示部15等にて示唆する補助演出は行わない構成となっている。
ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押されたタイミングからリールをどれだけ滑らせた(回転させた)上で停止させるかが定められたテーブルである。すなわち、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押された際に基点位置(本実施形態では下ライン上)に到達している到達図柄と、前記基点位置に実際に停止させる停止図柄との関係が定められた停止データ群である。
本実施の形態では、スベリテーブルに関するデータ構成に特徴を有するので、その点について説明する。
本スロットマシン10では、ストップスイッチ72〜74が操作された場合に、到達図柄をそのまま停止させる場合、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる場合、2図柄分滑らせた後に停止させる場合、3図柄分滑らせた後に停止させる場合、4図柄分滑らせた後に停止させる場合の5パターンがリールの停止態様として用意されている。これは、遊技者がストップスイッチ72〜74を操作するタイミングと、各表示窓31L,31M,31Rから視認可能な範囲に停止する図柄配列(以下、「停止出目」と言う)とを密接に関連付けるための工夫である。つまり、ストップスイッチ72〜74が操作されたタイミングから規定時間(190msec)が経過するまでに各リール42L,42M,42Rを停止させることにより、遊技者の操作によってあたかも停止出目が決定されたかのような印象を遊技者に抱かせることが可能となる。また、4図柄分までは滑らせることが可能な構成とすることにより、かかる規定時間内で可能な限り抽選に当選した役と対応する図柄の組合せを有効ライン上に停止させることが可能となる。
このような停止態様に関する停止データは、左リール42Lに5種類(滑りなし、1コマ滑り、2コマ滑り、3コマ滑り、4コマ滑り)、中リール42Mに5種類、右リール42Rに5種類必要である。この場合、各リール42L,42M,42Rに関する停止データをビット単位で割り振る構成とすると、各リール42L,42M,42Rに3ビットの停止データが必要となり、1バイトに納めることができなくなる。
この点、本実施の形態では、各5種類の停止データが必要であるから、各停止データをまとめて6進数と仮定して圧縮データを作成している。即ち、停止データを「(左リール42Lのデータ)×36+(中リール42Mのデータ)×6+(右リール42Rのデータ)」からなる構成とする。この場合、各リール42L,42M,42Rの停止データとして準備できる数は各々最大6種類であり、停止データ全体としては6×6×6=216の組合せパターンが存在するが、これは1バイトで表現できる最大値である256以内となる。その結果、各リール42L,42M,42Rに5種類も停止データが存在するにもかかわらず、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる。また、各リール42L,42M,42Rには21個の図柄が付されていることから、1つのスベリテーブルを21バイトで構成することができ、主制御装置131の記憶容量を削減することが可能となる。ちなみに、本実施の形態では、21バイトからなるスベリテーブルが約60種類予めROM152に記憶されている。
また、各停止データを圧縮データとして記憶する本スロットマシン10では、各停止データを使用するにあたって所定の解凍処理を行う。具体的には、到達図柄の図柄番号と対応する圧縮データを「36」(=6×6)で除算し、得られた商を左リール42Lの停止データとして把握する。さらに、その除算して得られた余りを「6」で除算し、得られた商を中リール42Mの停止データとして把握すると共に、その余りを右リール42Rの停止データとして把握する。
図18は、スイカ図柄を有効ライン上に停止させる場合にセットされるスベリテーブルの一例である。滑り数が0である番号の図柄は、下ライン上に実際に停止する図柄である。例えば、左リール42Lの3番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは滑ることなくそのまま停止し、5番図柄たる「スイカ」図柄が上ライン上に停止する。また、滑り数が0でない番号の図柄は、記載された図柄数分だけリールが滑ることを意味する。例えば、左リール42Lの4番図柄たる「リプレイ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは1図柄分だけ滑り、5番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に停止する。すなわち、図18に示すスベリテーブルでは、滑り数が0でない番号の図柄が下ライン上に到達している際にストップスイッチが押された場合、対応するリールは記載された図柄数分だけ滑った後に停止し、滑り数0の図柄が下ライン上に停止することとなる。このように、スベリテーブルでは、各リール42L,42M,42Rに付された図柄が下ライン上に到達したタイミングでストップスイッチ72〜74を押された場合の滑り数(停止態様)が図柄番号毎に設定されている。そして、例えば図柄番号0における左滑り数3、中滑り数0、右滑り数3の停止データが1バイトの圧縮データとされ、各図柄番号についての圧縮データすなわち21バイトの圧縮データから1つのスベリテーブルが構成されている。
図19に示すように、スベリテーブル設定処理では、先ずステップS801にてBB当選フラグがセットされているか否かを判定する。BB当選フラグがセットされていない場合にはステップS802に進み、当選フラグと一義的に対応する第1当選番号をRAM153の当選番号格納エリア153aにセットする。当選番号とはスベリテーブルをセットする際に用いるための番号であり、第1当選番号がセットされている場合には、当選フラグがセットされていない又は当選フラグが1つだけセットされていることを意味する。続くステップS803では、第1当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルをRAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットし、本処理を終了する。このとき、本スロットマシン10では、左リール42Lの当選フラグと対応する図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように、中リール42M及び右リール42Rの当選フラグと対応する図柄が中ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。但し、チェリー当選を意味する第1当選番号がセットされている場合には、左リール42Lの「チェリー」図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように設定されている一方、中リール42M及び右リール42Rの「チェリー」図柄が中ライン上に停止するとは限らないように設定されたスベリテーブルをセットする。かかるスベリテーブルについては後述するが、これは、チェリー入賞が左リール42Lの停止結果のみに基づいて成立する入賞であって、中リール42M及び右リール42Rの「チェリー」図柄はチェリー入賞と無関係だからである。当選フラグがセットされていない外れの場合には、いずれの入賞態様も成立しないスベリテーブルをセットする。
図18に示すスベリテーブルは、スイカ当選フラグがセットされている場合に第1当選番号に基づいてセットされるスベリテーブルである。換言すれば、スイカ当選フラグがセットされている場合に最初にセットされるスベリテーブルであるとも言える。かかるスベリテーブルでは、例えば中リール42Mの0番図柄たる「チェリー」図柄が下ライン上に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mは滑ることなくそのまま停止し、1番図柄たる「スイカ」図柄が中ライン上に停止する。また、中リール42Mの1番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mは3図柄分だけ滑って4番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止し、5番図柄たる「スイカ」図柄が中ライン上に停止する。右リール42Rについても同様であり、例えば右リール42Rの1番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に到達している際に右ストップスイッチ74が押された場合、右リール42Rは2図柄分だけ滑って3番図柄たる「チェリー」図柄が下ライン上に停止し、4番図柄たる「スイカ」図柄が中ライン上に停止する。このように、中リール42M及び右リール42Rについては、「スイカ」図柄が中ライン上に停止するように設定されている。
但し、左リール42Lについては、上ライン又は下ラインのいずれかに「スイカ」図柄が停止するように設定されている。すなわち、3番の「ベル」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、5番の「スイカ」図柄は上ライン上に停止し、4番の「リプレイ」図柄又は5番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、5番の「スイカ」図柄は下ライン上に停止する。これは、一般的に左リール42L→中リール42M→右リール42Rの順に回転を停止させるべくストップスイッチ72〜74が操作されることを考慮したものであり、停止出目を多様化させるための工夫である。
また、かかるスベリテーブルが最初にセットされた場合であっても、ストップスイッチの押されたタイミングによっては「スイカ」図柄が有効ライン上に停止せず、所謂取りこぼしが発生することもある。これは、滑らせることのできる範囲をストップスイッチの押されたタイミングから190msec以内(最大4図柄分)と予め決めており、下ライン上に到達した「スイカ」図柄から次に下ライン上に到達する「スイカ」図柄までの間隔が5図柄分以上離れている区間を設定しているためである。例えば中リール42Mでは、1番の「スイカ」図柄から5番の「スイカ」図柄までは3図柄分離れているのみである一方、5番の「スイカ」図柄から1番の「スイカ」図柄までは16図柄分離れている。このため、例えば中リール42Mの11番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達しているタイミングで中ストップスイッチ73が押された場合、仮に中リール42Mを4図柄分滑らせても「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。
図20に示すスベリテーブルは、チェリー当選フラグがセットされている場合に第1当選番号に基づいてセットされるスベリテーブルである。換言すれば、チェリー当選フラグがセットされている場合に最初にセットされるスベリテーブルであるとも言える。かかるスベリテーブルでは、左リール42Lの「チェリー」図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように設定されている。すなわち、20番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、1番の「チェリー」図柄は上ライン上に停止し、0番の「青年」図柄又は1番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、1番の「チェリー」図柄は下ライン上に停止する。
但し、スイカ当選時と同様、かかるスベリテーブルが最初にセットされた場合であっても、左ストップスイッチ72の押されたタイミングによっては「チェリー」図柄が有効ライン上に停止せず、取りこぼしが発生することもある。これは、左リール42Lの「チェリー」図柄が1番の位置のみにしか付されていないからである。ちなみに、左リール42Lの16番図柄たる「7」図柄には、滑り数として4の他に0が記されている。これは、13番図柄たる「リプレイ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合に、左リール42Lが3図柄分だけ滑って16番図柄たる「7」図柄が下ライン上に停止することを容易に理解させるために便宜上記したものである。16番図柄たる「7」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは4図柄分滑って20番図柄たる「リプレイ」図柄が下ライン上に停止し、1番図柄たる「チェリー」図柄が上ライン上に停止する。
かかるスベリテーブルでは、左リール42Lの「チェリー」図柄を上ライン又は下ラインのいずれかに停止させることが不可能な場合、左リール42Lの「ナス」図柄を上ライン又は下ラインのいずれかに停止させることが可能であれば「ナス」図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように設定されている。例えば、6番の「ベル」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、すなわち「チェリー」図柄が下ライン上を通過した後に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは4図柄分滑って10番の「リプレイ」図柄が下ライン上に停止し、12番の「ナス」図柄が上ライン上に停止する。また、11番の「ベル」図柄又は12番の「ナス」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、12番の「ナス」図柄は下ライン上に停止する。但し、左リール42Lの「ナス」図柄も12番の位置に1つ付されているのみであるため、かかるスベリテーブルがセットされた場合であっても「チェリー」図柄と「ナス」図柄が共に有効ライン上に停止しないことがある。
中リール42M及び右リール42Rについては、「ナス」図柄が中ライン上に停止するように設定されている。例えば中リール42Mの12番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mは滑ることなくそのまま停止し、13番図柄たる「ナス」図柄が中ライン上に停止する。右リール42Rについても同様であり、例えば右リール42Rの12番図柄たる「リプレイ」図柄が下ライン上に到達している際に右ストップスイッチ74が押された場合、中リール42Mは滑ることなくそのまま停止し、13番図柄たる「ナス」図柄が中ライン上に停止する。但し、中リール42Mには「ナス」図柄が13番の位置に1つ付されているのみであり、右リール42Rには「ナス」図柄が13番と17番の位置に付されているのみであるため、かかるスベリテーブルがセットされた場合であっても「ナス」図柄が中ライン上に停止しないことがある。
このように、チェリー当選フラグがセットされている場合、左リール42Lについては「チェリー」図柄又は「ナス」図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように、中リール42M及び右リール42Rについては「ナス」図柄が中ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。
スベリテーブル設定処理の説明に戻り、ステップS801にてBB当選フラグがセットされていると判定した場合には、さらにステップS804にて他の当選フラグがセットされているか否かを判定する。他の当選フラグがセットされていない場合にはBB当選フラグのみがセットされていることを意味するため、上述したステップS802〜ステップS803の処理を行い、本処理を終了する。一方、他の当選フラグがセットされている場合には、BB当選フラグを持ち越した状態で小役又は再遊技に当選したことを意味する。かかる場合にはステップS805に進み、セットされている当選フラグと一義的に対応する第2当選番号をRAM153の当選番号格納エリア153aにセットする。第2当選番号がセットされている場合には、BB当選フラグと、小役当選フラグ又は再遊技当選フラグの2つがセットされていることを意味する。続くステップS806では、第2当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルをRAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットし、本処理を終了する。このとき、本スロットマシン10では、BB当選フラグと他の当選フラグの少なくとも一方と対応する図柄が有効ライン上のいずれかに停止するよう設定されたスベリテーブルをセットする。具体的に説明すると、他の当選フラグが再遊技当選フラグである場合、「7」図柄より「リプレイ」図柄が優先して有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。一方、他の当選フラグが小役当選フラグである場合、「7」図柄が優先して有効ライン上に停止するように、且つ「7」図柄を有効ライン上に停止させられない場合は小役当選フラグと対応する図柄が有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。
次に、ステップS604のリール制御処理について、図21のフローチャートに基づき説明する。なお、理解を容易なものとするため、ここでは実際のゲームの進行に即して説明すると共に図7の図柄配列を適宜参照しながら説明することとする。
リール制御処理では、先ずステップS901において各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。回転開始処理では、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、当該時間が経過するまで待機するウエイト処理を行った後に各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる。このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、直ちに各リール42L,42M,42Rが回転を開始しない場合がある。続くステップS902では、ストップスイッチ72〜74のいずれかが操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を受信したか否かを判定し、停止指令が発生していない場合には停止指令が発生するまで待機する。但し、本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから所定の速度で定速回転するまでの期間を無効期間として設定しており、この無効期間内にストップスイッチ72〜74が操作されても、ストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を無効化する。ちなみに本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから0.5秒が経過するまでの期間を無効期間として設定している。
ステップS902にてストップスイッチ72〜74のいずれかが操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS903に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否か、すなわち1つのリールのみが回転しているときにストップスイッチが操作されたか否かを判定する。全リール42L,42M,42Rが回転しているときにストップスイッチ72〜74のいずれかが操作された場合、今回の停止指令は第1停止指令であることを意味する。かかる場合にはステップS903にて否定判定を行い、ステップS904にてスベリテーブル第1変更処理を行う。スベリテーブル第1変更処理とは、停止指令の発生に基づいてリールを停止させる前に行うスベリテーブルの変更処理である。
スベリテーブル第1変更処理では、図22のフローチャートに示すように、ステップS1001にて今回の停止指令が第1停止指令か否かを判定する。今回の停止指令は第1停止指令であるため、ステップS1002〜ステップS1008に示す第1停止変更処理を行う。第1停止変更処理では、ステップS1002にていずれのストップスイッチが操作されたかを確認し、ステップS1003では、操作されたストップスイッチが左ストップスイッチ72か否かを判定する。そして、左ストップスイッチ72が操作されていた場合には、スベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。これは、先のスベリテーブル設定処理(図19参照)において、左ストップスイッチ72が最初に操作されることを想定してスベリテーブルをセットしているためである。
一方、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合、想定された順序(すなわち左ストップスイッチ72→中ストップスイッチ73→右ストップスイッチ74の順序)と異なる順序でストップスイッチが操作されたことを意味する。かかる場合にはステップS1004に進み、RAM153の当選番号格納エリア153aにセットされた当選番号を確認する。続くステップS1005では、確認した当選番号から再遊技に当選しているか否かを把握する。具体的には、確認した当選番号が、再遊技当選を意味する第1当選番号又は再遊技当選とBB当選を意味する第2当選番号か否かを判定する。再遊技に当選している場合にはステップS1006に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、再遊技入賞を成立させるための入賞確定用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。ここで、入賞確定用スベリテーブルとは、セットされた当選フラグと対応する入賞が成立しない所謂取りこぼしの発生を回避するためのスベリテーブルである。
図23は、再遊技当選している場合にセットされる入賞確定用スベリテーブルである。かかるスベリテーブルでは、左リール42Lの「リプレイ」図柄が上ライン上に停止し、中リール42Mの「リプレイ」図柄が中ライン上に停止し、右リール42Rの「リプレイ」図柄が下ライン上に停止するように設定されている。すなわち、再遊技当選時の入賞確定用スベリテーブルは、再遊技入賞が右下がりライン上に成立するように設定されている。これは、役の複合が発生することを回避させつつ再遊技入賞を成立させるための工夫である。左リール42Lの「チェリー」図柄はその図柄単独で入賞を成立させることが可能な図柄であるため、左ストップスイッチ72が最初に操作されなかった場合、再遊技入賞等の図柄の組合せによって入賞が成立するものと、左リール42L単独で入賞が成立するチェリー入賞とで役の複合が発生し得る。具体的には、中リール42Mと右リール42Rの「リプレイ」図柄が下ライン上に停止している状況下で左リール42Lの20番図柄たる「リプレイ」図柄を下ライン上に停止させた場合、上ライン上に1番図柄たる「チェリー」図柄が停止するため、再遊技入賞とチェリー入賞が同時に成立する役の複合が発生してしまう。しかしながら、先の抽選処理において再遊技とチェリーに共に当選することはないため、役の複合が発生する矛盾を回避させる必要がある。そこで、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には、右下がりライン上に再遊技入賞が成立する入賞確定用スベリテーブルをセットすることにより、役の複合を回避させつつ再遊技入賞を成立させることが可能となる。
ステップS1005にて再遊技当選していないと判定した場合、ステップS1007にてベル当選のみしているか否か、具体的にはステップS1004にて確認した当選番号がベル当選を意味する第1当選番号と一致するか否かを確認する。そして、ベルにのみ当選していた場合、上述したステップS1006に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、ベル入賞を成立させるための入賞確定用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。詳細な説明は省略するが、ベル当選時の入賞確定用スベリテーブルは、ベル入賞が中ライン上に成立するように設定されている。これは、役の複合が発生することを回避させつつベル入賞を成立させるための工夫である。例えば、中リール42Mと右リール42Rの「ベル」図柄が上ライン上に停止している状況下で左リール42Lの3番図柄たる「ベル」図柄を上ライン上に停止させた場合、下ライン上に1番図柄たる「チェリー」図柄が停止するため、ベル入賞とチェリー入賞が同時に成立する役の複合が発生してしまう。しかしながら、先の抽選処理においてベルとチェリーに共に当選することはないため、役の複合が発生する矛盾を回避させる必要がある。そこで、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には、中ライン上にベル入賞が成立する入賞確定用スベリテーブルをセットすることにより、役の複合を回避させつつベル入賞を成立させることが可能となる。
ステップS1007にて否定判定をした場合、すなわち再遊技とベル以外のBB等の役に当選した場合又はいずれの役にも当選していない場合には、ステップS1008に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、当選番号及び操作されたストップスイッチと一義的に対応する変則押し用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。本スロットマシン10では、スベリテーブル設定処理にてセットされるスベリテーブルと同様、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置を複数設定されたスベリテーブルが、中リール42M及び右リール42Rについてもそれぞれ用意されている。そして、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が左リール42Lに複数設定されたスベリテーブルから、操作されたストップスイッチと対応するリールに複数設定されたスベリテーブルに変更する。これは、取りこぼしの発生頻度を低減させるための工夫である。図18に示すスベリテーブルを例に説明すると、例えば中リール42Mの5番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達しているタイミングで中ストップスイッチ73が操作された場合、かかるスベリテーブルでは8番の「青年」図柄が下ライン上に停止し、「スイカ」図柄が有効ライン上に停止しない。つまり、スイカ当選している状況下で図18に示すスベリテーブルに基づいて中リール42Mを停止させた場合、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで中ストップスイッチ73が操作されたにも関わらず、スイカ入賞を取りこぼしてしまうこととなる。そこで、かかる不具合の発生を抑制すべく、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には、変則押し用スベリテーブルに変更することとしている。また、チェリーにのみ当選している状況下で左ストップスイッチ72以外のストップスイッチ73,74が最初に操作された場合には、「ナス」図柄の停止可能な位置が対応するリールに複数設定されたスベリテーブルに変更する。つまり、チェリーにのみ当選している状況下で変則押しがなされた場合には、「ナス」図柄を有効ライン上に停止させることができるように、すなわちRT入賞を成立させることができるようにスベリテーブルを変更する。
スベリテーブル第1変更処理が終了した後、ステップS905では、かかるタイミングで下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS906では、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルのうち、到達図柄と対応する図柄番号の圧縮データから今回停止させるべきリールのスベリ量を算出し、ステップS907にて下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS908では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS909にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。そして、ステップS910では、全てのリールが停止したか否かを判定する。第1停止指令に基づいて上述したステップS903〜ステップS909の処理を行った場合、未だに2つのリールは回転中である。かかる場合にはステップS910にて否定判定を行い、続くステップS911にてスベリテーブル第2変更処理を行う。スベリテーブル第2変更処理とは、リールを停止させた後に行うスベリテーブルの変更処理である。
ここで、スベリテーブル第2変更処理について図24のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第2変更処理では、ステップS1101にて現在セットされているスベリテーブルが入賞確定用スベリテーブルか否かを判定し、入賞確定用スベリテーブルである場合にはそのまま本処理を終了する。入賞確定用スベリテーブルでない場合にはステップS1102に進み、RAM153の当選番号格納エリア153aにセットされた当選番号を確認する。続くステップS1103では確認した当選番号が第2当選番号か否かを判定し、第2当選番号でないと判定した場合にはステップS1104〜ステップS1111に示す第1当選番号時処理を行う。第1当選番号時処理では、ステップS1104にてチェリー当選を意味する第1当選番号か否かを判定する。チェリー当選を意味する第1当選番号でない場合にはステップS1105に進み、現在停止しているリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1106では、停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号と一致しているか否かを判定し、一致していない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。停止図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致している場合にはステップS1107に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。本スロットマシン10では、スベリテーブル設定処理にてセットされるスベリテーブルと同様、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置を複数設定されたスベリテーブルが、中リール42M及び右リール42Rについてもそれぞれ用意されている。そして、第1停止指令に基づいて停止させたリールの停止図柄に応じて、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が回転中の他のリールについて複数設定されたスベリテーブルに変更する。これは、停止出目が単調化することを抑制すると共に取りこぼしが発生する機会を低減させるための工夫である。
例えば図18に示すスベリテーブルに基づいて左リール42Lと中リール42Mを停止させる構成とした場合、左リール42Lの「スイカ」図柄は上ライン又は下ライン上に停止する一方、中リール42Mの「スイカ」図柄は中ライン上にしか停止しない。ところが、左リール42Lの「スイカ」図柄が上ライン上に停止した場合、中リール42Mの「スイカ」図柄が中ラインではなく上ライン上に停止してもスイカ入賞の成立する余地が残る。同様に、左リール42Lの「スイカ」図柄が下ライン上に停止した場合、中リール42Mの「スイカ」図柄が中ラインではなく下ライン上に停止してもスイカ入賞の成立する余地が残る。つまり、図18に示すスベリテーブルに基づいて左リール42Lと中リール42Mを停止させる構成とした場合、中リール42Mの停止出目が過剰に制約を受けることとなり、取りこぼしの発生する可能性が高まることとなる。そこで本スロットマシン10では、停止したリールの停止図柄を確認し、確認結果に応じたライン変更用スベリテーブルに変更することとしている。具体的には、左リール42Lの3番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止し、5番図柄たる「スイカ」図柄が上ライン上に停止した場合、上ライン又は中ライン上に中リール42Mの「スイカ」図柄が停止するよう設定されたスベリテーブルに変更する。また、左リール42Lの5番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に停止した場合、中ライン又は下ライン上に中リール42Mの「スイカ」図柄が停止するよう設定されたスベリテーブルに変更する。すなわち、図18に示すスベリテーブルの場合、3番図柄たる「ベル」図柄と5番図柄たる「スイカ」図柄が変更図柄として一義的に導かれる構成となっており、かかるスベリテーブルをセットした場合には、RAM153の変更図柄格納エリア153cに変更図柄の図柄番号として「3」と「5」をセットする構成となっている。これは他のスベリテーブルにおいても同様であり、当選フラグと対応する図柄が有効ライン上に停止した際における下ライン上の図柄番号が変更図柄として一義的に導かれるように構成されている。
ちなみに、本スロットマシン10では、停止図柄と変更図柄が一致した場合、以下に示すようなスベリテーブルに変更する。左リール42Lが停止している場合、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が中リール42Mについて複数設定されたスベリテーブルに変更し、中リール42Mが停止している場合、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が右リール42Rについて複数設定されたスベリテーブルに変更し、右リール42Rが停止している場合、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が左リール42Lについて複数設定されたスベリテーブルに変更する。
ステップS1104にてチェリー当選を意味する第1当選番号であった場合には、ステップS1108〜ステップS1111に示すナス成立処理を行う。
先ずステップS1108では、左リール42Lが停止しているか否かを判定する。左リール42Lが停止している場合には、ステップS1109にて左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止しているか否かを判定し、停止している場合にはそのまま本処理を終了する。左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止している場合、全リール42L,42M,42Rの停止後にチェリー入賞成立となることが確定しており、他の入賞が成立することはないため、スベリテーブルを変更する必要が乏しいからである。
左リール42Lが回転中である場合(ステップS1108がNOの場合)、又は左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止していない場合(ステップS1109がNOの場合)には、ステップS1110にて「ナス」図柄が有効ライン上に停止しているか否かを判定し、停止していない場合にはそのまま本処理を終了する。一方、有効ライン上に「ナス」図柄が停止している場合にはステップS1111に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、RT入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。RT入賞用スベリテーブルとは、「ナス」図柄の停止可能な位置がいずれかのリールについて複数設定されたスベリテーブルである。例えば、左リール42Lの「ナス」図柄が上ライン上に停止した場合、中リール42Mの「ナス」図柄が上ライン又は中ライン上に停止するように設定されたRT入賞用スベリテーブルに変更する。つまり、チェリーにのみ当選している状況下で「ナス」図柄が有効ライン上に停止した場合、RT入賞を成立させることができるようにスベリテーブルを変更する。
ちなみに、本スロットマシン10では、チェリー当選を意味する第1当選番号がセットされている状況下で「ナス」図柄が有効ライン上に停止した場合、以下に示すようなスベリテーブルに変更する。左リール42Lが停止している場合、「ナス」図柄の停止可能な位置が中リール42Mについて複数設定されたスベリテーブルに変更し、中リール42Mが停止している場合、「ナス」図柄の停止可能な位置が右リール42Rについて複数設定されたスベリテーブルに変更し、右リール42Rが停止している場合、「ナス」図柄の停止可能な位置が左リール42Lについて複数設定されたスベリテーブルに変更する。このとき特に右リール42Rが停止している場合には、チェリー当選時に最初にセットされるスベリテーブル、すなわち図20に示すスベリテーブルに変更する。かかるスベリテーブルでは、左リール42Lの「ナス」図柄又は「チェリー」図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するよう設定されている。したがって、かかるスベリテーブルに変更することにより、左停止指令の発生タイミングに応じてチェリー入賞とRT入賞のいずれかを成立させることが可能となる。
一方、ステップS1103にて肯定判定をした場合、すなわち確認した当選番号が第2当選番号であった場合、ステップS1112では、BB以外の当選が再遊技か否かを判定し、再遊技であった場合には上述したステップS1104〜ステップS1111の第1当選番号時処理を行い、本処理を終了する。但し、再遊技に当選している場合にはステップS1104にて必ず否定判定を行うため、実際にはステップS1104〜ステップS1107の処理を行い、本処理を終了する。また、BB以外の当選が小役当選である場合には、ステップS1113にて第2当選番号時処理を行い、本処理を終了する。
第2当選番号時処理では、図25のフローチャートに示すように、ステップS1201にてBB入賞の成立する可能性があるか否かを判定する。具体的には、現在停止しているリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認し、有効ライン上にBB図柄(「7」図柄又は「BAR」図柄)が停止しているか否かを判定する。例えば、第1停止指令に基づいて左リール42Lの14番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止した場合、16番図柄たる「7」図柄が上ライン上に停止することとなる。従って、第1停止指令に基づいて左リール42Lが停止した段階では、BB入賞の成立する可能性がある。かかる場合にはステップS1202に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、有効ライン上に停止したBB図柄と同じBB図柄が入賞成立となる有効ライン上に停止するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。なお、BB入賞と小役入賞が共に成立する可能性がある場合、例えばBBとチェリーに当選している状況下で中リール42MのBB図柄が有効ライン上に停止した場合等においては、次のようなスベリテーブルに変更する。すなわち、左リール42LのBB図柄を入賞成立となる有効ライン上に停止させることが可能であればBB図柄を停止させるように、BB図柄を停止させることが不可能であって「チェリー」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させることが可能であれば「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させるように設定されたスベリテーブルに変更する。
ステップS1201にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1203に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、当選している小役と対応する図柄が有効ライン上に停止するように設定された小役入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。なお、本スロットマシン10では、BBとチェリーに当選している状況下で有効ライン上に「ナス」図柄が停止した場合、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルをRT入賞用スベリテーブルに変更する処理を行わない。詳細は後述するが、RTゲームの終了条件の1つとしてBB当選を設定しているためである。なお、以下では、特に注記した場合を除き、「チェリー当選」又は「チェリー当選時」という場合にはチェリーにのみ当選している場合を意味することとする。
以上のように、第1停止指令に基づいて対応するリールを停止させると共にスベリテーブル第2変更処理を行うと、ステップS902に戻り、回転中のリールと対応するストップスイッチのいずれかが操作されて次の停止指令が発生するまで待機する。
ステップS902にて回転中のリールと対応するストップスイッチのいずれかが操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS903に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否かを判定する。いずれか1つのリールが停止しているときにストップスイッチが操作された場合、今回の停止指令は第2停止指令であることを意味する。かかる場合にはステップS903にて否定判定を行い、ステップS904にてスベリテーブル第1変更処理を行う。
スベリテーブル第1変更処理では、図22のフローチャートに示すように、ステップS1001にて今回の停止指令が第1停止指令か否かを判定する。今回の停止指令は第2停止指令であるため、ステップS1009〜ステップS1014に示す第2停止変更処理を行う。第2停止変更処理では、ステップS1009にて現在セットされているスベリテーブルが入賞確定用スベリテーブルか否かを判定し、入賞確定用スベリテーブルである場合にはそのまま本処理を終了する。入賞確定用スベリテーブルでない場合にはステップS1010に進み、第1停止指令及び第2停止指令がいずれのストップスイッチ72〜74に対してどのような順序でなされたかを確認する。続くステップS1011では、確認結果が所定の操作順序であったか否かを判定する。具体的には、操作順序が、左ストップスイッチ72→中ストップスイッチ73の操作順序、中ストップスイッチ73→右ストップスイッチ74の操作順序、右ストップスイッチ74→左ストップスイッチ72の操作順序か否かを判定する。そして、所定の操作順序であった場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。これは、先のスベリテーブル第2変更処理において、上述した各操作順序のいずれかでストップスイッチ72〜74が操作されることを想定したスベリテーブルに変更しているためであり、例えばチェリー当選下でスベリテーブルを変更していない場合であっても、先のスベリテーブル設定処理において左リール42Lの「チェリー」図柄が上ライン又は下ライン上に停止するスベリテーブルをセットしているためである。
ステップS1011において所定の操作順序でないと判定した場合にはステップS1012に進み、第1停止指令に基づいて停止したリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1013では、停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号と一致しているか否かを判定し、一致しない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。停止図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致した場合にはステップS1014に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。具体的には、第1停止指令に基づいて停止させたリールの停止図柄に応じて、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が第2停止指令に基づいて停止させるリールについて複数設定されたスベリテーブルに変更する。例えば、スイカ当選フラグがセットされ、左リール42Lの「スイカ」図柄が上ライン上に停止している状況下で右ストップスイッチ74が第2停止指令として操作された場合、スイカ入賞を成立させるためには右リール42Rの「スイカ」図柄を上ライン又は下ライン上に停止させればよい。そこで、左ストップスイッチ72→右ストップスイッチ74の順にストップスイッチが操作された場合には、右リール42Rの「スイカ」図柄が上ライン又は下ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルに変更する。また、チェリーにのみ当選した状況下で「ナス」図柄が有効ライン上に停止している場合には、「ナス」図柄の停止可能な位置が第2停止指令に基づいて停止させるリールについて複数設定されたスベリテーブルに変更する。これに加えて、チェリーにのみ当選した状況下における操作順序が中ストップスイッチ73→左ストップスイッチ72の操作順序であった場合には、チェリー当選時に最初にセットされるスベリテーブル、すなわち図20に示すスベリテーブルに変更する。かかるスベリテーブルでは、「ナス」図柄又は「チェリー」図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように設定されているため、かかるスベリテーブルに変更することにより、左停止指令の発生タイミングに応じてチェリー入賞とRT入賞のいずれかを成立させることが可能となる。
スベリテーブル第1変更処理が終了した後、ステップS905では、かかるタイミングで下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS906では、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルのうち、到達図柄と対応する図柄番号の圧縮データから今回停止させるべきリールのスベリ量を算出し、ステップS907にて下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS908では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS909にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。そして、ステップS910では、全てのリールが停止したか否かを判定する。第2停止指令に基づいて上述したステップS903〜ステップS909の処理を行った場合、未だに1つのリールが回転中である。かかる場合にはステップS910にて否定判定を行い、続くステップS911にてスベリテーブル第2変更処理を行う。
ここで、スベリテーブル第2変更処理について図24のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第2変更処理では、ステップS1101にて現在セットされているスベリテーブルが入賞確定用スベリテーブルか否かを判定し、入賞確定用スベリテーブルである場合にはそのまま本処理を終了する。入賞確定用スベリテーブルでない場合にはステップS1102に進み、RAM153の当選番号格納エリア153aにセットされた当選番号を確認する。続くステップS1103では確認した当選番号が第2当選番号か否かを判定し、第2当選番号でないと判定した場合にはステップS1104〜ステップS1111に示す第1当選番号時処理を行う。第1当選番号時処理では、ステップS1104にてチェリー当選を意味する第1当選番号か否かを判定する。チェリー当選を意味する第1当選番号でない場合にはステップS1105に進み、現在停止している2つのリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1106では、各停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号とそれぞれ一致しているか否かを判定し、少なくとも一方が一致していない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。各停止図柄の図柄番号と各変更図柄の図柄番号が共に一致した場合にはステップS1107に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。例えば、スイカ当選フラグがセットされている状況下で左リール42Lの「スイカ」図柄が上ライン上、中リール42Mの「スイカ」図柄が中ライン上に停止した場合、右リール42Rの「スイカ」図柄が下ライン上に停止するスベリテーブルに変更する。
ステップS1104にてチェリー当選を意味する第1当選番号であった場合には、ステップS1108〜ステップS1111に示すナス成立処理を行う。
先ずステップS1108では、左リール42Lが停止しているか否かを判定する。左リール42Lが停止している場合には、ステップS1109にて左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止しているか否かを判定し、停止している場合にはそのまま本処理を終了する。左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止している場合、全リール42L,42M,42Rの停止後にチェリー入賞成立となることが確定しており、他の入賞が成立することはないため、スベリテーブルを変更する必要が乏しいからである。
左リール42Lが回転中である場合(ステップS1108がNOの場合)、又は左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止していない場合(ステップS1109がNOの場合)には、ステップS1110に進む。ステップS1110では、現在停止している2つのリールの「ナス」図柄が有効ライン上に並んで停止しているか否かを判定し、並んで停止していない場合にはそのまま本処理を終了する。一方、有効ライン上に「ナス」図柄が並んで停止している場合にはステップS1111に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、RT入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。例えば、左リール42Lの「ナス」図柄が上ライン上、中リール42Mの「ナス」図柄が中ライン上に停止した場合、右リール42Rの「ナス」図柄が下ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルに変更する。つまり、チェリーに当選している状況下で「ナス」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、RT入賞を成立させることができるようにスベリテーブルを変更する。
但し、中リール42Mと右リール42Rの「ナス」図柄が有効ライン上に並んで停止している場合には、左リール42Lの「ナス」図柄をRT入賞成立となる有効ライン上に停止させることが可能であれば「ナス」図柄をこの有効ライン上に停止させるように、「ナス」図柄を停止させることが不可能であって「チェリー」図柄を上ライン又は下ライン上に停止させることが可能であれば「チェリー」図柄を上ライン又は下ライン上に停止させるように設定されたスベリテーブルに変更する。かかるスベリテーブルに変更することにより、左停止指令の発生タイミングに応じてチェリー入賞とRT入賞のいずれかを成立させることが可能となる。
一方、ステップS1103にて肯定判定をした場合、すなわち確認した当選番号が第2当選番号であった場合、ステップS1112では、BB以外の当選が再遊技か否かを判定し、再遊技であった場合には上述したステップS1104〜ステップS1111の第1当選番号時処理を行い、本処理を終了する。但し、再遊技に当選している場合にはステップS1104にて必ず否定判定を行うため、実際にはステップS1104〜ステップS1107の処理を行い、本処理を終了する。また、BB以外の当選が小役当選である場合には、ステップS1113にて第2当選番号時処理を行い、本処理を終了する。
第2当選番号時処理では、図25のフローチャートに示すように、ステップS1201にてBB入賞の成立する可能性があるか否かを判定する。具体的には、現在停止している2つのリールの下ライン上に停止した各停止図柄の図柄番号を確認し、有効ライン上に同じBB図柄(「7」図柄又は「BAR」図柄)が並んで停止しているか否かを判定する。有効ライン上に同じBB図柄が並んで停止している場合にはステップS1202に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、BB入賞が成立するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。なお、BB入賞と小役入賞が共に成立する可能性がある場合、例えばBBとチェリーに当選している状況下で中リール42Mと右リール42Rの同じBB図柄が有効ライン上に並んで停止した場合等においては、次のようなスベリテーブルに変更する。すなわち、BB入賞成立となる左リール42LのBB図柄を有効ライン上に停止させることが可能であれば、そのBB図柄がBB入賞成立となる有効ライン上に停止するように、BB入賞成立となる左リール42LのBB図柄を停止させることが不可能であって「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させることが可能であれば、「チェリー」図柄が有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルに変更する。
ステップS1201にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1203に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、当選している小役と対応する入賞が成立するように設定された小役入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。なお、本スロットマシン10では、BBとチェリーに当選している状況下で有効ライン上に「ナス」図柄が並んで停止した場合であっても、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルをRT入賞用スベリテーブルに変更する処理を行わない。すなわち、中リール42Mと右リール42Rの「ナス」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、左リール42Lの「チェリー」図柄が上ライン又は下ライン上に停止するように、且つRT入賞が成立する有効ライン上に「ナス」図柄が停止しないように設定されたスベリテーブルに変更する。これは、RTゲームの終了条件の1つとしてBB当選を設定しているためである。
以上のように、第2停止指令に基づいて対応するリールを停止させると共にスベリテーブル第2変更処理を行うと、ステップS902に戻り、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されて次の停止指令が発生するまで待機する。
ステップS902にて回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS903に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否かを判定する。2つのリールが停止しているときにストップスイッチが操作された場合、今回の停止指令は第3停止指令であることを意味する。かかる場合にはステップS903にて肯定判定を行い、スベリテーブル第1変更処理を行うことなくステップS905に進む。
ステップS905では、かかるタイミングで下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS906では、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルのうち、到達図柄と対応する図柄番号の圧縮データから今回停止させるべきリールのスベリ量を算出し、ステップS907にて下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS908では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS909にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。そして、ステップS910では、全てのリールが停止したか否かを判定する。第3停止指令に基づいて上述したステップS903〜ステップS909の処理を行った場合には、全てのリールが回転を停止している。かかる場合にはステップS910にて肯定判定を行い、続くステップS912にて払出判定処理を行って本処理を終了する。払出判定処理とは、入賞図柄の組合せが有効ライン上に形成されていることを条件の1つとして、メダルの払出枚数を設定したり遊技状態をRTゲームに移行させたりする処理である。
払出判定処理では、図26のフローチャートに示すように、先ずステップS1301において、各リール42L,42M,42Rの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号から所定有効ライン上の図柄の組合せを導出する。続くステップS1302では、導出した図柄の組合せが再遊技入賞又は小役入賞成立となる図柄の組合せと一致するか否かを判定する。再遊技入賞又は小役入賞が成立している場合にはステップS1303に進み、入賞成立役が抽選処理にてセットされた当選フラグと一致しているか否かを判定する。入賞成立役と当選フラグが一致していない場合には、ステップS1304にてスロットマシン10をエラー状態とすると共にエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。その後、ステップS1305では、リセットスイッチ123が操作されたか否かを判定し、リセットスイッチ123が操作されるまで待機する。リセットスイッチ123が操作された場合には、エラー状態から復帰してそれ以降の処理を開始すべくステップS1306に進む。
入賞成立役と当選フラグが一致している場合には、ステップS1306にて再遊技入賞が成立したか否かを判定する。再遊技入賞が成立した場合にはステップS1307にて再遊技処理を行う。再遊技処理では、クレジット表示部35に表示された仮想メダル数を減じることなく、今回のゲームのベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行う。つまり、今回のゲームで再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次回のゲームを行うことができる。ステップS1306にて再遊技入賞が成立していない場合には、小役入賞が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS1308に進み、成立した小役入賞と対応する払出数をRAM153の払出予定数格納エリアにセットする。
一方、ステップS1302にて再遊技入賞と小役入賞のいずれも成立していなかった場合には、ステップS1309にてRT入賞が成立したか否かを判定する。RT入賞が成立している場合にはステップS1310に進み、チェリー当選フラグがセットされているか否かを判定する。チェリー当選フラグがセットされていない場合には、ステップS1311にてスロットマシン10をエラー状態とすると共にエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。その後、ステップS1312では、リセットスイッチ123が操作されたか否かを判定し、リセットスイッチ123が操作されるまで待機する。リセットスイッチ123が操作された場合には、エラー状態から復帰してそれ以降の処理を開始すべくステップS1313に進む。
チェリー当選フラグがセットされている場合にはステップS1313に進み、遊技状態をRTゲームに移行させるべくRT開始処理を行う。RT開始処理では、RT設定フラグをセットして特別遊技状態の1種であるRTゲームとする。また、RTゲームの残りゲーム数をカウントするための残RTゲームカウンタに30をセットする。
ここで、RTゲームについて簡単に説明する。RTゲームとは、上述した抽選処理にてRTゲーム専用に設定されたRTゲーム用抽選テーブルが選択され、この抽選テーブルに基づいて各役の当否判定が行われるゲームである。そして、RTゲームは、所定回数(本実施形態では30回)のゲームが行われるか、BBに当選したことを以って終了する。
図27は、「設定1」のRTゲーム下で選択されるRTゲーム用抽選テーブルである。RTゲーム用抽選テーブルには、通常ゲーム下で選択される抽選テーブル(以下、「通常ゲーム用抽選テーブル」と言う)と同じ役が当否判定を行うべき役として設定されている。また、小役及びBBのポイント値PVは通常ゲーム用抽選テーブルと同じ値が設定されているものの、再遊技のポイント値PVは、通常ゲーム用抽選テーブルの設定値が8980であるのに対して54931と非常に高く設定されている。したがって、RTゲームに移行すると再遊技に当選する確率が非常に高くなる。再遊技入賞はストップスイッチ72〜74の操作タイミングに関わらず成立する入賞であるため、再遊技入賞の成立する確率が非常に高くなる。ちなみに、図27に示す抽選テーブルが選択された場合、小役及びBBには通常ゲーム下と同じ確率で当選し、再遊技には約1.2分の1の確率で当選し、65536分の1の確率でいずれの役にも当選しない。つまり、RTゲームとは、いずれの入賞も成立しないゲームが通常ゲームと比してほぼ発生せず、高確率で再遊技入賞の成立するゲームである。故に、RTゲームに移行すると、遊技者は自己の所有するメダルをほぼ減少させることなく所定回数のゲームを行うことができる。ちなみに、RTゲーム下ではBBや小役の当否判定を通常ゲームと同じ当選確率で行うため、遊技者は、RTゲームに移行してからRTゲームが終了するまでの間に、約50枚のメダルの増加を期待することができる。
払出判定処理の説明に戻り、所定有効ライン上の図柄の組合せが入賞成立となるか否かを判定した後、ステップS1314では全ての有効ラインについて払出判定が終了したか否かを判別し、終了していない場合にはステップS1301に戻る。つまり、本スロットマシン10では、メダルが3枚ベットされて有効ラインが5ライン設定されている場合、各有効ラインについて入賞が成立しているか否かを順次判定する。
例えば、左リール42Lの「チェリー」図柄が上ライン上に停止した場合、上ラインに関するステップS1301〜ステップS1308の処理にて払出予定数として2がセットされ、右下がりラインに関するステップS1301〜ステップS1308の処理にて払出予定数として再度2がセットされる。この結果、左リール42Lの「チェリー」図柄が上ライン上に停止した場合には、払出予定数として4がセットされることとなり、後述するメダル払出処理にて4枚のメダル払出が行われる。
全ての有効ラインについて払出判定が終了した場合には、ステップS1315にて小役及び再遊技当選フラグをリセットする等の判定終了処理を行った後、本処理を終了する。但し、BB当選フラグは本処理にてリセットしない。
次に、ステップS605のメダル払出処理について、図28のフローチャートに基づき説明する。
メダル払出処理では、先ずステップS1401にて払出数カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS1402にてクレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する。上限に達していないときには、ステップS1403,S1405にてクレジットカウンタのカウント値及び払出数をそれぞれ1加算する。その後、ステップS1406では、クレジット表示部35及び獲得枚数表示部37の枚数をそれぞれ1加算する表示部変更処理を行う。
一方、ステップS1402にてクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには、ステップS1404にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置91からメダル排出口17を介してメダル受け皿18へ払い出す。続くステップS1405ではホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサ91aのメダル検出信号に応じて払出数を1加算する。その後、ステップS1406にて獲得枚数表示部37の枚数を1加算する表示部変更処理を行う。ステップS1406にて表示部変更処理を行った後、再びステップS1401に戻る。ステップS1401で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS1407にて現在の遊技状態がボーナスゲーム(BBゲーム)か否かを判定する。現在の遊技状態がボーナスゲームである場合には、ステップS1408にて後述する残獲得数カウンタのカウント値から払出数を減算すると共に、残獲得枚数表示部36の枚数を減算する処理を行う。なお、残獲得枚数表示部36の枚数を減算する処理は、ステップS1406の表示部変更処理にて行ってもよい。その後又は現在の遊技状態がボーナスゲームでない場合には、ステップS1409にて払出予定数格納エリアや払出数カウンタの値を0にリセットする払出終了処理を行う。
ステップS1409にて払出終了処理を行った後、ステップS1410では現在の遊技状態がRTゲームか否かをRT設定フラグの有無に基づいて判定し、RTゲームでない場合にはそのまま本処理を終了する。現在の遊技状態がRTゲームである場合には、ステップS1411にてBB当選フラグがセットされているか否かを判定する。BB当選フラグがセットされている場合には、RTゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1412にてRT設定フラグをクリアすると共に残RTゲームカウンタの値をリセットするRTゲーム終了処理を行い、本処理を終了する。一方、ステップS1411にてBB当選フラグがセットされていない場合には、RTゲームを1ゲーム消化したことを意味するため、ステップS1413にて残RTゲームカウンタの値を1減算する。続くステップS1414では、残RTゲームカウンタの値が0になったか否かを判定し、0になっていない場合にはそのまま本処理を終了する。また、残RTゲームカウンタの値が0の場合には、RTゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1412にて上述したRTゲーム終了処理を行い、本処理を終了する。
次に、ステップS606のボーナスゲーム処理について、図29のフローチャートに基づき説明する。
ボーナスゲーム処理の説明に先立ち、ボーナスゲームについて説明する。BBゲームは、複数回のRBゲームで構成されている。RBゲームは、12回のJACゲームで構成されている。JACゲームとは、1枚ベットのみ許されるゲームであり、JAC図柄の組合せが有効ライン上に揃う確率つまりJAC入賞成立の確率が非常に高いゲームである。RBゲームでJAC入賞が成立すると最大枚数(ここでは15枚)のメダルが払い出される。そして、JAC入賞が8回成立すると、JACゲームが12回行われる前であってもRBゲームが終了する。また、BBゲームは、メダル払出数が所定数(具体的には400枚)に達したことを以って終了する。そして、RBゲームの途中でメダル払出数が所定数に達した場合、BBゲームのみならずRBゲームも終了する。これは、BBゲーム中のメダル払出数に上限をもたせることにより遊技者の射幸心を抑え、遊技の健全性を担保するための工夫である。さらに、本実施の形態では、RBゲームに移行する図柄の組合せを設定しておらず、BBゲームに移行した直後及びRBゲームが終了した直後にRBゲームに移行する構成としている。故に、BBゲームとは、所定数のメダル払出が行われるまでRBゲームに連続して移行するゲームであるとも言える。
さて、ボーナスゲーム処理では、先ずステップS1501にて遊技状態がボーナスゲームか否かを判定する。ボーナスゲーム中でないときにはステップS1502〜ステップS1505に示すボーナス図柄判定処理を行う。
このボーナス図柄判定処理では、先ずステップS1502にてBB当選フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていないときにはそのまま本処理を終了する。BB当選フラグがセットされているときにはステップS1503に進み、今回有効ライン上にBB図柄の組合せが停止したか否かを判定し、BB図柄の組合せが停止していないときにはそのまま本処理を終了する。一方、今回有効ライン上にBB図柄の組合せが停止したときには、ステップS1504においてBB開始処理を行う。BB開始処理では、BB当選フラグをリセットすると共にBB設定フラグをセットしてボーナスゲームの1種であるBBゲームとする。また、BBゲーム中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残獲得数カウンタに400をセットすると共に、残獲得枚数表示部36に400を表示させる処理を行う。ちなみに、現在の遊技状態がボーナスゲームか否かの判定は、BB設定フラグのセット有無により判定している。続くステップS1505ではRB開始処理を行い、その後本処理を終了する。RB開始処理では、成立可能なJAC入賞回数をカウントするための残JAC入賞カウンタに8をセットすると共に、JACゲームの残りゲーム数をカウントするための残JACゲームカウンタに12をセットする。
ステップS1501で遊技状態がボーナスゲーム中のときには、ステップS1506に進み、JAC図柄の組合せが有効ライン上に停止したか否かを判定する。JAC図柄の組合せが有効ライン上に停止したときには、ステップS1507にて残JAC入賞カウンタの値を1減算する。その後、或いはステップS1506にてJAC図柄の組合せが有効ライン上に停止しなかったときには、JACゲームを1つ消化したことになるため、ステップS1508にて残JACゲームカウンタの値を1減算する。続いて、ステップS1509では残JAC入賞カウンタ又は残JACゲームカウンタのいずれかが0になったか否かを判定する。いずれかが0になっていたとき、つまりJAC入賞が8回成立したかJACゲームが12回消化されたときには、RBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1510にて残JAC入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタの値をリセットするRB終了処理を行う。続くステップS1511では、残獲得数カウンタのカウント値が0か否かを確認する。0でない場合には、BBゲーム中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BBゲームの終了条件が成立していないことを意味するため、ステップS1512に進み、先述したRB開始処理を行った後、本処理を終了する。
また、ステップS1509において残JAC入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタのいずれの値も0になっていないとき、つまりJAC入賞がまだ8回成立しておらずJACゲームも12回消化されていないときには、ステップS1513に進み、残獲得数カウンタのカウント値が0か否かを確認する。0でない場合には、BBゲーム中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BBゲームの終了条件が成立していないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、残獲得数カウンタのカウント値が0である場合には、BBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1514〜ステップS1515に示すボーナスゲーム終了処理を行う。ボーナスゲーム終了処理では、先ずステップS1514において、先述したRB終了処理を行う。その後、ステップS1515にてBB設定フラグや各種カウンタなどを適宜リセットしたりエンディング処理を行ったりするBB終了処理を行い、本処理を終了する。また、前記ステップS1511にて残獲得数カウンタのカウント値が0である場合にも、BBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1515にてBB終了処理を行い、本処理を終了する。
次に、本実施の形態では、各リール42L,42M,42Rに付された図柄の配列順序に特徴を有するので、その特徴部分について図7を参照しながら説明する。
左リール42Lには、小役入賞となる図柄の組合せを形成する「ベル」図柄と、再遊技入賞となる図柄の組合せを形成する「リプレイ」図柄が、下ライン上に先に到達する図柄と次に到達する図柄との間が4図柄以下となるように配置されている。例えば、3番の「ベル」図柄と6番の「ベル」図柄との間は2図柄離れるようにして、14番の「ベル」図柄と19番の「ベル」図柄との間は4図柄離れるようにして配置されている。同様に、4番の「リプレイ」図柄と7番の「リプレイ」図柄との間は2図柄離れるようにして、15番の「リプレイ」図柄と20番の「リプレイ」図柄との間は4図柄離れるようにして配置されている。このように、「ベル」図柄と「リプレイ」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。左リール42Lは、左ストップスイッチ72の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができるため、かかる図柄配列とすることにより、左ストップスイッチ72が如何なるタイミングで操作された場合であっても、ベル当選フラグ又は再遊技当選フラグがセットされていれば対応する図柄を有効ライン上に停止させることができる。具体的には、ベル当選フラグがセットされている状況下で15番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達するタイミング、すなわち「ベル」図柄が下ライン上を通過した後のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合であっても、左リール42Lを4図柄分滑らせることにより、19番の「ベル」図柄を下ライン上に停止させることができる。
「ベル」図柄及び「リプレイ」図柄は、中リール42M及び右リール42Rにも同様の位置関係で配置されている。つまり、これら図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。したがって、ベル又は再遊技に当選した場合には、各ストップスイッチ72〜74が如何なるタイミングで操作された場合であっても、対応する入賞を成立させることができる。
一方、左リール42Lには、小役入賞となる図柄の組合せを形成する「スイカ」図柄が5番の位置に1つだけ配置されている。従って、「スイカ」図柄が下ライン上に到達してから次に下ライン上に到達するまでには、左リール42Lが20図柄分回転する必要がある。つまり、左リール42Lの場合、同一の「スイカ」図柄すなわち5番図柄たる「スイカ」図柄が再度下ライン上に到達する必要がある。但し、左リール42Lは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、「スイカ」図柄が下ライン上を通過した後のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。換言すれば、所定のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合に限って「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることができるよう、6番の「ベル」図柄から左リール42Lの回転する側に向かって4番の「リプレイ」図柄までの間に、「スイカ」図柄が配置されない非配置区間を形成したとも言える。ちなみに、「スイカ」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、1番の「チェリー」図柄が前記所定の有効ライン上に到達してから5番の「スイカ」図柄が前記所定の有効ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。なお、下ライン上に「スイカ」図柄を停止させるためには、1番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達してから5番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72が操作されなければならないが、表示窓31Lから3個の図柄が視認可能であって、各位置について有効ラインが設定される構成においては、20番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達したタイミングで左ストップスイッチ72が操作されたとしても、5番の「スイカ」図柄を上ライン上に停止させることができる。右リール42Rには、「スイカ」図柄が4番の位置に1つだけ配置されている。なお、右リール42Rについては、左リール42Lと付された位置が異なるのみであるため、説明を省略する。
中リール42Mには、「スイカ」図柄が1番と5番の2カ所に配置されている。従って、1番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達してから次に5番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでには、中リール42Mが4図柄分回転する必要がある。一方、5番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達してから次に1番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでには、中リール42Mが17図柄分回転する必要がある。但し、中リール42Mは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、5番の「スイカ」図柄が下ライン上を通過した後のタイミングで中ストップスイッチ73が操作された場合、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。換言すれば、所定のタイミングで中ストップスイッチ73が操作された場合に限って「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることができるよう、6番の「リプレイ」図柄から中リール42Mの回転する側に向かって0番の「チェリー」図柄までの間に、「スイカ」図柄が配置されない非配置区間を形成したとも言える。ちなみに、「スイカ」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、18番の「青年」図柄が前記所定の有効ライン上に到達してから5番の「スイカ」図柄が前記所定の有効ライン上に到達するまでの間に中ストップスイッチ73を操作する必要がある。
以上のように、「スイカ」図柄は、所定のタイミングで各ストップスイッチ72〜74が操作されなければ所定の有効ライン上に停止しないように、各リール42L,42M,42Rに配置されている。
図柄の組合せを必要とせず単独で入賞成立となる左リール42Lの「チェリー」図柄は、1番の位置に1つだけ配置されている。つまり、「スイカ」図柄と同様、所定のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合に限って「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させることができるよう、2番の「青年」図柄から左リール42Lの回転する側に向かって0番の「青年」図柄までの間に、「チェリー」図柄が配置されない非配置区間を形成したとも言える。ちなみに、「チェリー」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、18番の「青年」図柄が前記所定の有効ライン上に到達してから1番の「チェリー」図柄が前記所定の有効ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。
さらに、左リール42Lの「チェリー」図柄と「スイカ」図柄は、3図柄分離れるようにして配置されている。すなわち、左リール42Lの「チェリー」図柄と「スイカ」図柄は、5図柄の範囲内に配置されている。これは、リールの停止態様として5パターンを有するスロットマシン10において、小役入賞及び再遊技入賞の全てに対応できる位置を設定するための工夫であり、左ストップスイッチ72の操作タイミングをより限定するための工夫でもある。換言すれば、1番の「チェリー」図柄から5番の「スイカ」図柄までの間に、小役入賞及び再遊技入賞となる図柄を所定の有効ライン上に停止させることができる区間を形成したとも言える。また、かかる構成においては、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄のいずれか一方の図柄が有効ライン上に停止した場合、他方の図柄は有効ライン上に停止しない。従って、所定のタイミングで左ストップスイッチ72を操作しなければ有効ライン上に停止しない「スイカ」図柄と「チェリー」図柄で役の複合が発生することを回避でき、予め用意するスベリテーブル数を削減することが可能となると共に主制御装置131に記憶させておくデータ量を低減させることが可能となる。「スイカ」図柄と「チェリー」図柄が共に有効ライン上に停止する図柄配列とした場合、第1停止指令として左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合に、役の複合が発生しないよう例えば停止位置を限定する等の制御が必要となり、複数のスベリテーブルを予め用意する必要が生じるからである。また、停止位置を限定する制御を行った場合、ストップスイッチを操作するタイミングがより限定されることとなるため取りこぼしの発生頻度が高まることとなるが、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄が同時に有効ライン上に停止しない図柄配列とすることにより、取りこぼしの発生頻度を低減させることが可能となる。
加えて、「チェリー」図柄の上下には、通常ゲーム下で入賞と関与しない「青年」図柄が配置されている。これは、「ベル」図柄等の図柄の組合せによって入賞が成立するものと、左リール42L単独で入賞が成立する「チェリー」図柄とで役の複合が発生することを抑制するための工夫であり、かかる構成とすることにより、予め用意するスベリテーブル数を削減することが可能となると共に、主制御装置131に予め記憶させておくデータ量を低減させることが可能となる。第1停止指令として左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合、役の複合を回避させるべく例えば「ベル」図柄等の組合せ図柄の停止する有効ラインを限定する必要が生じるが、「チェリー」図柄と少なくとも1図柄分離れて上記組合せ図柄が配置されているため、停止させる位置に制約を受けることを抑制することが可能となり、予め用意するスベリテーブル数の増加を抑制することが可能となるからである。
以上の通り、左リール42Lの「ベル」図柄及び「リプレイ」図柄は、左ストップスイッチ72が如何なるタイミングで操作された場合であっても所定の有効ライン上に停止させることができる。左リール42Lの「スイカ」図柄は、1番の「チェリー」図柄が所定の有効ライン上に到達してから5番の「スイカ」図柄が前記所定の有効ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72が操作されれば、前記所定の有効ライン上に停止させることができる。左リール42Lの「チェリー」図柄は、18番の「青年」図柄が所定の有効ライン上に到達してから1番の「チェリー」図柄が前記所定の有効ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72が操作されれば、前記所定の有効ライン上に停止させることができる。つまり、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、1番の「チェリー」図柄が前記所定の有効ライン上に到達したタイミングで左ストップスイッチ72を操作する必要がある。換言すれば、1番の「チェリー」図柄が所定の有効ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が操作されれば、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄をその有効ライン上に停止させることができるとも言える。但し、有効ラインとして上ライン、中ライン、下ラインが設定され、いずれかの有効ライン上に小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を停止させるのであれば、20番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから1番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作すればよい。
中リール42M及び右リール42Rの場合、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄のうち所定のタイミングでストップスイッチ73,74を操作する必要のある図柄は「スイカ」図柄のみである。従って、「スイカ」図柄が所定の有効ライン上に到達するタイミングでストップスイッチ73,74を操作すれば、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を所定の有効ライン上に停止させることができる。すなわち、中リール42Mの場合、18番の「青年」図柄が所定の有効ライン上に到達してから5番の「スイカ」図柄が前記所定の有効ライン上に到達するまでの間に中ストップスイッチ73を操作する必要があり、右リール42Rの場合、0番の「チェリー」図柄が所定の有効ライン上に到達してから4番の「スイカ」図柄が前記所定の有効ライン上に到達するまでの間に右ストップスイッチ74を操作する必要がある。但し、いずれかの有効ライン上に小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を停止させるのであれば、以下に示すタイミングでストップスイッチ73,74を操作すればよい。中リール42Mの場合、16番の「7」図柄が下ライン上に到達してから5番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に中ストップスイッチ73を操作すればよく、右リール42Rの場合、19番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから4番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に右ストップスイッチ74を操作すればよい。
左リール42Lには、状態移行図柄の1種である「ナス」図柄が12番の位置に1つだけ配置されている。従って、例えば「ナス」図柄が下ライン上に到達してから次に下ライン上に到達するまでには、左リール42Lが20図柄分回転する必要がある。つまり、左リール42Lの場合、「ナス」図柄が下ライン上に到達するためには、同一の「ナス」図柄すなわち12番図柄たる「ナス」図柄が下ライン上に到達する必要がある。但し、左リール42Lは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、「ナス」図柄が下ライン上を通過した後のタイミングでストップスイッチ72が操作された場合、「ナス」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。「ナス」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、8番の「BAR」図柄が前記所定の有効ライン上に到達してから12番の「ナス」図柄が前記所定の有効ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。また、有効ラインとして上ライン、中ライン、下ラインが設定され、いずれかの有効ライン上に「ナス」図柄を停止させるためには、6番の「ベル」図柄が下ライン上に到達してから12番の「ナス」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。
一方、左リール42Lの「チェリー」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、18番の「青年」図柄が前記所定の有効ライン上に到達してから1番の「チェリー」図柄が前記所定の有効ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要があり、いずれかの有効ライン上に停止させるためには、16番の「7」図柄が下ライン上に到達してから1番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。したがって、「チェリー」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には、「ナス」図柄がいずれの有効ライン上にも停止しない。逆に「ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には、「チェリー」図柄がいずれの有効ライン上にも停止しない。つまり、チェリー入賞を取りこぼさないように左ストップスイッチ72を操作した場合にはRT入賞を取りこぼすこととなり、RT入賞を取りこぼさないように左ストップスイッチ72を操作した場合にはチェリー入賞を取りこぼすこととなる。「ナス」図柄は、1番の「チェリー」図柄に対して上流側に10図柄分離れると共に下流側に9図柄分離れているからである。
ここで、左リール42Lの「チェリー」図柄は1番の位置に配置されており、2番の「青年」図柄から左リール42Lの回転する側に向かって0番の「青年」図柄までの間には、「チェリー」図柄が配置されない非配置区間が形成されている。したがって、「ナス」図柄はこの「チェリー」図柄の非配置区間に配置されていることとなる。また、左リール42Lに21個の図柄が配置され、「ナス」図柄は1番の「チェリー」図柄に対して上流側に10図柄分離れると共に下流側に9図柄分離れていることから、非配置区間を2等分する位置に「ナス」図柄が配置されていると言える。或いは、「ナス」図柄と「チェリー」図柄は同時に表示窓から視認可能な範囲に停止しないよう離間して配置されているとも言える。
また、左リール42Lの「スイカ」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、1番の「チェリー」図柄が前記所定の有効ライン上に到達してから5番の「スイカ」図柄が前記所定の有効ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要があり、いずれかの有効ライン上に停止させるためには、20番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから5番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。したがって、「スイカ」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には、「ナス」図柄がいずれの有効ライン上にも停止しない。逆に「ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には、「スイカ」図柄がいずれの有効ライン上にも停止しない。「ナス」図柄は、5番の「スイカ」図柄に対して上流側に6図柄分離れると共に下流側に13図柄分離れているからである。
さらには、左リール42Lの小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄をいずれかの有効ライン上に停止させる、どの小役当選フラグがセットされている状況であっても対応する図柄を有効ライン上に停止させるためには、20番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから1番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。したがって、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には、「ナス」図柄がいずれの有効ライン上にも停止しない。逆に「ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には、小役入賞となる図柄のうち「チェリー」図柄と「スイカ」図柄がいずれの有効ライン上にも停止しない。
中リール42Mには、「ナス」図柄が13番の位置に1つだけ配置されている。従って、「ナス」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、9番の「チェリー」図柄が前記所定の有効ライン上に到達してから13番の「ナス」図柄が前記所定の有効ライン上に到達するまでの間に中ストップスイッチ73を操作する必要がある。また、いずれかの有効ライン上に「ナス」図柄を停止させるためには、7番の「ベル」図柄が下ライン上に到達してから13番の「ナス」図柄が下ライン上に到達するまでの間に中ストップスイッチ73を操作する必要がある。
一方、中リール42Mの小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、18番の「青年」図柄が前記所定の有効ライン上に到達してから5番の「スイカ」図柄が前記所定の有効ライン上に到達するまでの間に中ストップスイッチ73を操作する必要がある。また、中リール42Mの上記各図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるためには、16番の「7」図柄が下ライン上に到達してから5番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に中ストップスイッチ73を操作する必要がある。したがって、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく中ストップスイッチ73を操作した場合には、「ナス」図柄がいずれの有効ライン上にも停止しない。逆に「ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく中ストップスイッチ73を操作した場合には、小役入賞となる図柄のうち「スイカ」図柄がいずれの有効ライン上にも停止しない。「ナス」図柄は、5番の「スイカ」図柄に対して上流側に7図柄分離れており、1番の「スイカ」図柄に対して下流側に8図柄分離れているからである。さらにいうと、中リール42Mの場合には、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄のうち所定のタイミングで中ストップスイッチ73を操作する必要のある図柄は「スイカ」図柄のみである。故に、「スイカ」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく中ストップスイッチ73を操作した場合には、「ナス」図柄がいずれの有効ライン上にも停止しないとも言えるし、「ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく中ストップスイッチ73を操作した場合には、「スイカ」図柄がいずれの有効ライン上にも停止しないとも言える。
ここで、中リール42Mの「スイカ」図柄は1番と5番の位置に配置されており、6番の「リプレイ」図柄から中リール42Mの回転する側に向かって0番の「チェリー」図柄までの間には、「スイカ」図柄が配置されない非配置区間が形成されている。したがって、「ナス」図柄はこの「スイカ」図柄の非配置区間に配置されていることとなる。また、中リール42Mに21個の図柄が配置され、「ナス」図柄は5番の「スイカ」図柄に対して上流側に7図柄分離れており、1番の「スイカ」図柄に対して下流側に8図柄分離れていることから、非配置区間を2等分する位置に「ナス」図柄が配置されていると言える。或いは、「ナス」図柄と「スイカ」図柄は同時に表示窓から視認可能な範囲に停止しないよう離間して配置されているとも言える。
右リール42Rには、「ナス」図柄が13番と17番の2カ所に配置されている。従って、「ナス」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、9番の「7」図柄が前記所定の有効ライン上に到達してから17番の「ナス」図柄が前記所定の有効ライン上に到達するまでの間に右ストップスイッチ74を操作する必要がある。また、いずれかの有効ライン上に「ナス」図柄を停止させるためには、7番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから17番の「ナス」図柄が下ライン上に到達するまでの間に右ストップスイッチ74を操作する必要がある。
一方、右リール42Rの小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、0番の「チェリー」図柄が前記所定の有効ライン上に到達してから4番の「スイカ」図柄が前記所定の有効ライン上に到達するまでの間に右ストップスイッチ74を操作する必要がある。また、右リール42Rの上記各図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるためには、19番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから4番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に右ストップスイッチ74を操作する必要がある。したがって、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく右ストップスイッチ74を操作した場合には、「ナス」図柄がいずれの有効ライン上にも停止しない。逆に「ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく右ストップスイッチ74を操作した場合には、小役入賞となる図柄のうち「スイカ」図柄がいずれの有効ライン上にも停止しない。13番の「ナス」図柄は4番の「スイカ」図柄に対して上流側に8図柄分離れており、17番の「ナス」図柄は4番の「スイカ」図柄に対して下流側に7図柄分離れているからである。さらにいうと、右リール42Rの場合には、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄のうち所定のタイミングで右ストップスイッチ74を操作する必要のある図柄は「スイカ」図柄のみである。故に、「スイカ」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく右ストップスイッチ74を操作した場合には、「ナス」図柄がいずれの有効ライン上にも停止しないとも言えるし、「ナス」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく右ストップスイッチ74を操作した場合には、「スイカ」図柄がいずれの有効ライン上にも停止しないとも言える。
以上のとおり、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作した場合には「ナス」図柄が有効ライン上に停止せず、「ナス」図柄を有効ライン上に停止させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作した場合には、小役入賞及び再遊技入賞となる図柄のいずれか(「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄)が有効ライン上に停止しない。従って、メダル払出の行われる小役入賞が成立するように各ストップスイッチ72〜74を操作した場合には、チェリー当選時にチェリー入賞が成立するもののRT入賞が成立せず、メダル払出は行われないものの遊技状態が移行するRT入賞を成立させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作した場合には、チェリー当選時にRT入賞が成立するもののスイカ当選時にスイカ入賞を取りこぼすこととなる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
チェリーに当選した場合、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止すればチェリー入賞成立としてメダルの払出が行われ、各リール42L,42M,42Rの「ナス」図柄が有効ライン上に並んで停止すればRT入賞成立として遊技状態がRTゲームに移行する。このように、1つの役に当選した場合であっても各リール42L,42M,42Rの停止結果によって付与される特典が変化する構成とすることにより、役の抽選結果に基づいて各リール42L,42M,42Rの停止制御を行うスロットマシン10において、各リール42L,42M,42Rの停止結果を多様化させることが可能となる。役の当否と各リール42L,42M,42Rの停止結果が一義的に対応していないからである。故に、繰り返し行われる遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
チェリーに当選した場合に有利度合いの異なる特典が付与され得る構成とすることにより、遊技者にいずれの特典付与を受けるべく各ストップスイッチ72〜74を操作するのかを選択させることが可能となり、遊技に積極参加できるというスロットマシンの特徴が繰り返し行われる遊技の中で希薄化することを抑制することができる。また、一方の特典をメダル払出が行われる特典、他方の特典をメダル払出が行われることなく遊技状態が移行される特典とすることにより、付与される特典に明確な差異を設けることが可能となる。故に、いずれの入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作するかの選択を遊技者により促すことが可能となると共に、「ナス」図柄を有効ライン上に停止させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作する意欲を駆り立たせることが可能となる。
ここで、メダルが3枚ベットされて5本の組合せライン全てが有効ラインとなった場合の、チェリー入賞とRT入賞の有利度合いの差について説明する。チェリー入賞が成立した場合には4枚のメダル払出が行われ、RT入賞が成立した場合にはメダル払出が行われないもののRTゲームに移行する。RTゲームに移行すると、このRTゲームが終了するまでの間に約50枚のメダルの増加を期待することができる。したがって、チェリー当選となった場合には、チェリー入賞を成立させるよりRT入賞を成立させた方が遊技者にとって有利度合いが大きいと言える。また、通常ゲーム下では約1.4分の1の確率でいずれの役にも当選しないゲームが発生する一方、RTゲーム下では約65536分の1でしかいずれの役にも当選しないゲームが発生しない。したがって、チェリー入賞が成立してから30回のゲームを行った場合には遊技者の所有するメダルが減少する可能性が高い一方、RT入賞が成立してから30回のゲームを行った場合にはRTゲームのためにメダルが約50枚増加する可能性が高い。この点からも、チェリー当選となった場合には、チェリー入賞を成立させるよりRT入賞を成立させた方が遊技者にとって有利度合いが大きいと言える。
チェリー入賞を成立させた場合には4枚のメダル払出が行われる特典を付与し、RT入賞を成立させた場合にはメダル払出が行われることなくRTゲームに移行される特典を付与する構成とした。かかる構成においては、例えば閉店等の事情によりその後の遊技を行う時間が残されていない状況の場合、RT入賞を成立させるとメダル払出が行われない一方、チェリー入賞を成立させると4枚のメダル払出を受けることができる。一方、30ゲームの遊技を行う時間が残されている状況の場合、チェリー入賞を成立させると4枚のメダル払出しか行われない一方、RT入賞を成立させると約50枚のメダル払出を期待することができる。つまり、チェリー入賞を成立させた場合には、RT入賞を成立させた場合と比して短時間で少ないメダルを獲得することができ、RT入賞を成立させた場合には、チェリー入賞を成立させた場合と比して長時間を要するものの多くのメダルを獲得することができる。かかる構成とすることにより、遊技可能な遊技時間に応じた選択を遊技者にさせることが可能となり、遊技可能な遊技時間の長短を問わず遊技者に遊技を楽しませることが可能となる。
左リール42Lには、左ストップスイッチ72が所定のタイミングで操作された場合に限って有効ライン上に到達し得るよう「チェリー」図柄と「ナス」図柄が配置されている。また、「チェリー」図柄を狙って左ストップスイッチ72が操作された場合には「ナス」図柄が有効ライン上に到達せず、「ナス」図柄を狙って左ストップスイッチ72が操作された場合には「チェリー」図柄が有効ライン上に到達しないよう「チェリー」図柄と「ナス」図柄が離間して配置されている。したがって、遊技者は、チェリー入賞を成立させるべく「チェリー」図柄を狙うのかRT入賞を成立させるべく「ナス」図柄を狙うのかを決定した上で左ストップスイッチ72を操作する必要がある。つまり、上記図柄配列とすることにより、遊技者にいずれの入賞を成立させるべく左ストップスイッチ72を操作するかを選択させることが可能となり、遊技者を遊技に積極参加させることが可能となる。
遊技者は、自己の所有するメダルが増加することを期待しながら遊技を行うことが一般的であるため、チェリー当選の際にはチェリー入賞よりRT入賞成立を期待して遊技を行うものと考えられる。ところが、「ナス」図柄は、所定のタイミングでストップスイッチ72〜74が操作された場合に限って有効ライン上に到達し得るよう各リール42L,42M,42Rに配置されている。したがって、RT入賞を成立させるためには、左ストップスイッチ72のみならず他のストップスイッチ73,74も「ナス」図柄を狙って操作する必要がある。つまり、有利度合いの大きな入賞を成立させるためには、より多くのストップスイッチを所定のタイミングで操作する必要がある。この結果、左リール42Lの「チェリー」図柄のみを狙って有利度合いの小さなチェリー入賞を成立させるか、各リール42L,42M,42Rの「ナス」図柄を狙って有利度合いの大きなRT入賞を成立させるかを、自己の技量も考慮した上で遊技者に選択させることが可能となり、繰り返し行われる遊技の中で遊技に積極参加している印象が希薄化することを抑制することが可能となる。
「チェリー」図柄を狙って左ストップスイッチ72が操作された場合には「ナス」図柄が有効ライン上に到達せず、「ナス」図柄を狙って左ストップスイッチ72が操作された場合には「チェリー」図柄が有効ライン上に到達しないよう離間して配置することにより、比較的簡単な構成でリールの停止制御を行うことが可能となる。
ここで、「チェリー」図柄と「ナス」図柄を共に有効ライン上に到達させることが可能な図柄配列とした構成を考えてみる。かかる構成の場合、変則押しされた場合を考慮し、「チェリー」図柄を優先的に有効ライン上に停止させるスベリテーブルと「ナス」図柄を優先的に有効ライン上に停止させるスベリテーブルとを予め用意しておく必要があり、スベリテーブルの増加に伴ってスロットマシン10の記憶容量が増大化することとなる。中リール42Mと右リール42Rの「ナス」図柄が有効ライン上に並んで停止していない場合には左リール42Lの「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させる必要があり、中リール42Mと右リール42Rの「ナス」図柄が有効ライン上に並んで停止している場合には左リール42Lの「ナス」図柄をその有効ライン上に停止させることが望ましいからである。また、左ストップスイッチ72を最初に操作された場合にいずれの図柄を優先的に有効ライン上に停止させるのかも考慮する必要があり、常に一方の図柄を優先させる構成とした場合には他方の入賞成立となる機会が著しく減少することとなる。これではチェリー当選時にチェリー入賞とRT入賞の成立する可能性を持たせた意味が損なわれてしまうため、「チェリー」図柄優先のスベリテーブルと「ナス」図柄優先のスベリテーブルのいずれか一方をスベリテーブル設定処理時に選択する構成とした場合、前記処理が複雑化することとなる。以上の結果、上記構成とした場合には記憶容量の増大化や左リール42Lの停止制御の複雑化が懸念されることとなる。
さらにいうと、かかる構成の場合、遊技者の遊技意欲を減退させてしまう可能性も懸念される。例えばRT入賞を成立させるべく「ナス」図柄が有効ライン上に停止し得るタイミングで左ストップスイッチ72を最初に操作したにも関わらず「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、RT入賞を成立させられないことに対して遊技者が落胆しかねないからである。また、チェリー入賞を成立させるべく「チェリー」図柄が有効ライン上に停止し得るタイミングで左ストップスイッチ72を最初に操作したにも関わらず「ナス」図柄が有効ライン上に停止した場合、RT入賞を成立させるためには中ストップスイッチ73と右ストップスイッチ74も「ナス」図柄を狙って操作しなければならない。したがって、図柄を狙ってストップスイッチ72〜74を操作する技量の劣った遊技者にとっては、いたずらにチェリー入賞とRT入賞のいずれも取りこぼす機会が高まる結果となってしまうからである。
左ストップスイッチ72以外のストップスイッチ73,74が最初に操作された場合には「ナス」図柄を有効ライン上に停止させるようスベリテーブルを変更することにより、左リール42Lを停止させるまでチェリー入賞とRT入賞の成立する余地を残すことが可能となる。故に、左ストップスイッチ72を操作する段階までいずれの入賞を成立させるのかを遊技者に選択させることが可能となり、遊技に積極参加させることが可能となる。
左リール42Lの「ナス」図柄は、「チェリー」図柄の非配置区間を2等分する位置に配置されている。かかる構成においては、一方の図柄がいずれかの有効ライン上に停止した場合、他方の図柄が表示窓31Lから視認できない位置、より詳しくは表示窓31Lから視認可能な位置と反対側の位置に停止することとなる。したがって、一方の図柄が下ラインを通過した後のタイミングで左ストップスイッチ72を操作しなければ他方の図柄が有効ライン上に停止しない。故に、「チェリー」図柄と「ナス」図柄のいずれを狙って左ストップスイッチ72を操作するのかを遊技者に明確に選択させた上で遊技を行わせることが可能となり、遊技に積極参加させることが可能となる。
チェリー当選フラグを判定終了処理にてリセットする構成とした。つまり、入賞が成立するまで有効とされるBB当選と異なり、チェリー当選はチェリー入賞やRT入賞の成立有無に関わらずそのゲームが終了すると無効とされる。かかる構成とすることにより、チェリー当選となったゲームでチェリー入賞又はRT入賞を成立させる必要が生じ、遊技者を遊技に積極参加させることが可能となる。仮に、BBと同様、チェリー入賞又はRT入賞のいずれかが成立するまでチェリー当選が有効とされる構成とした場合、一般の遊技者であればRT入賞を成立させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作すると考えられ、チェリー入賞の価値が希薄化してしまう可能性が生じる。かかる一方、チェリー当選がそのゲーム限りで無効とされる構成においては、いずれかの入賞が成立するか、いずれの入賞も成立することなくチェリー当選が無効とされることとなる。故に、チェリー当選となったゲームにおいて、いずれの入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作するかを遊技者により慎重に選択させることが可能となり、遊技に積極参加している印象が希薄化することを抑制することが可能となる。
いずれの役に当選したかを補助表示部15等にて示唆する補助演出を行わない構成とすることにより、繰り返し行われるゲームの中で図柄を狙ってストップスイッチ72〜74を操作するという行為が機械的な単調作業となることを好適に回避させることが可能となる。かかる構成の場合、少なくともゲームの開始段階ではチェリーに当選したことを遊技者が把握できないため、チェリー当選時の取りこぼし発生を回避したい遊技者は、繰り返し行われるゲームの中で、「チェリー」図柄と「ナス」図柄のいずれを狙うか選択した上でストップスイッチ72〜74を操作する必要があるからである。
所定のタイミングでストップスイッチ72〜74を操作する必要のある小役図柄として「チェリー」図柄の他に「スイカ」図柄を設定し、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作した場合には「ナス」図柄が有効ライン上に停止せず、「ナス」図柄を有効ライン上に停止させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作した場合には、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄のいずれも有効ライン上に停止しない構成とした。かかる構成とすることにより、遊技者が遊技に積極参加できるというスロットマシンの特徴が希薄化することを好適に回避できる。RT入賞を成立させるべく「ナス」図柄を狙ってストップスイッチ72〜74を操作した場合にはスイカ当選時に取りこぼしが発生することとなり、小役入賞及び再遊技入賞を成立させるべくストップスイッチ72〜74を操作した場合には、チェリー当選時にチェリー入賞が成立して取りこぼしは発生しないもののRTゲームに移行しない。したがって、RTゲームへの移行を諦めて取りこぼしが発生しないようストップスイッチ72〜74を操作するか、スイカ当選時の取りこぼしを覚悟した上でRTゲームへの移行を期待しつつストップスイッチ72〜74を操作するかを、繰り返し行われるゲームの中で遊技者が自己の気分に応じて選択できるからである。
チェリー役に当選した場合にチェリー入賞とRT入賞が成立し得る構成とすることにより、遊技に関わる処理負荷が増大化することを抑制させることが可能となる。確かに、判定役としてRT役を設定し、チェリー当選となった場合にRT役の当否判定を重ねて行う構成としても、1回のゲームにおいてチェリー入賞とRT入賞が成立し得る状況を作り出すことが可能である。しかしながら、かかる構成とした場合、役の当否判定を繰り返し行う必要が生じ、役の抽選に関わる処理負荷が増大化することとなる。一方、RT役を設定することなくチェリー役に当選すればチェリー入賞とRT入賞が成立し得る本スロットマシン10の場合、1回の役の当否判定でチェリー入賞とRT入賞が成立し得る状況となるため、役の抽選に関わる処理負荷が増大化することを抑制させることが可能となる。
チェリー入賞は左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止すれば成立する入賞である一方、RT入賞は各リール42L,42M,42Rの「ナス」図柄が有効ライン上に並んで停止しなければ成立しない入賞である。有利度合いの小さな特典付与を受ける場合には左ストップスイッチ72のみを所定のタイミングで操作すればよい構成とすることにより、図柄を狙ってストップスイッチ72〜74を操作する技量に関わらず遊技を楽しませることが可能となる。技量の乏しい遊技者がチェリー当選時にチェリー入賞とRT入賞のいずれも取りこぼしてしまうことを抑制させることができるからである。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施の形態では、チェリー当選となった場合に、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止すればチェリー入賞成立となり、各リール42L,42M,42Rの「ナス」図柄が有効ライン上に並んで停止すればRT入賞成立となる構成について説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、チェリー当選時に有利度合いの異なる入賞が成立し得る構成において、図柄を狙ってより多くのストップスイッチを操作すれば有利度合いの大きな特典が付与される構成であればよい。例えば、左リール42Lと中リール42Mの「チェリー」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合にチェリー入賞成立となり、各リール42L,42M,42Rの「ナス」図柄が有効ライン上に並んで停止すればRT入賞成立となる構成としても良い。或いは、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止すればチェリー入賞成立となり、左リール42Lと中リール42Mの「ナス」図柄が有効ライン上に並んで停止すればRT入賞成立となる構成としても良い。
(b)上記実施の形態では、所定のタイミングで各ストップスイッチ72〜74を操作しなければ「ナス」図柄が有効ライン上に停止しない構成としたが、中リール42Mと右リール42Rのいずれか一方には「ナス」図柄が4図柄以下の間隔となるように配置し、ストップスイッチの操作タイミングに関わらず「ナス」図柄が有効ライン上に停止する構成としても良い。かかる構成とした場合、「ナス」図柄を狙って操作する必要のあるストップスイッチの数が2つとなるため、図柄を狙ってストップスイッチ72〜74を操作する技量の劣った遊技者にもRT入賞を成立させる意欲を駆り立たせることが可能となる。
(c)上記実施の形態では、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合にチェリー入賞が成立する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、中リール42Mの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合にチェリー入賞が成立する構成としても良いし、右リール42Rの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合にチェリー入賞が成立する構成としても良い。
(d)上記実施の形態では、左リール42Lに「チェリー」図柄と「ナス」図柄をそれぞれ1つずつ配置する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、「チェリー」図柄を有効ライン上に到達させることが可能なタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合に「ナス」図柄が有効ライン上に到達せず、「ナス」図柄を有効ライン上に到達させることが可能なタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合に「チェリー」図柄が有効ライン上に到達しない構成であれば良い。例えば、左リール42Lの1番の位置に「チェリー」図柄を配置し、6番、10番、14番、17番の位置に「ナス」図柄を配置する構成としても良い。
(e)上記実施の形態では、左リール42Lの図柄配列を、「チェリー」図柄の非配置区間を2等分する位置に「ナス」図柄が配置される図柄配列としたが、「ナス」図柄の非配置区間を2等分する位置に「チェリー」図柄が配置される図柄配列としても良い。また、「チェリー」図柄と「ナス」図柄が4図柄以上離れる図柄配列、すなわち「チェリー」図柄と「ナス」図柄の間に他の図柄が4図柄以上配置される図柄配列であれば、これら図柄を配置する位置及び数は任意である。但し、表示窓31Lから視認可能な範囲に複数の有効ラインが設定される構成においては、「チェリー」図柄と「ナス」図柄を、「(リールを滑らせることのできる最大図柄数)+(左リールにおいて各有効ラインが設定され得る範囲に停止する図柄数、すなわち規定の周回体において有効位置設定手段が各有効位置を設定し得る位置に停止する絵柄数)−1」図柄以上に離間させて配置することが望ましい。一方の図柄を狙ってストップスイッチが操作された場合に、他方の図柄がいずれかの有効ライン上に停止することを回避できるからである。具体的には、リールを最大4図柄分滑らせた後に停止させることが可能であって、上段,中段,下段の3図柄分の範囲に各有効ラインを設定するスロットマシンの場合、「チェリー」図柄と「ナス」図柄の間に他の図柄を6(=4+3−1)図柄以上配置すればよい。また、ストップスイッチが操作されたタイミングでそのまま停止する(リールが滑らない)構成であって、中段にのみ有効ラインを設定するスロットマシンの場合、「チェリー」図柄と「ナス」図柄の間に他の図柄を0(=0+1−1)図柄以上配置すればよい。つまり、かかる構成においては「チェリー」図柄と「ナス」図柄が隣接していてもよい。
(f)上記実施の形態では、「チェリー」図柄と「ナス」図柄の間に「ベル」図柄等の他の図柄を配置することによって「チェリー」図柄と「ナス」図柄を離間させる構成としたが、「チェリー」図柄と「ナス」図柄の間に1図柄相当のブランク領域を所定数配置することによって「チェリー」図柄と「ナス」図柄を離間させても良い。例えば、1番の位置に「チェリー」図柄を配置すると共に12番の位置に「ナス」図柄を配置し、2番の位置から11番の位置までは図柄を非配置とする。かかる構成においても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(g)上記実施の形態では、チェリー当選下で「ナス」図柄が有効ライン上に停止した場合にRT入賞を成立させることができるようにスベリテーブルを変更する構成としたが、「ナス」図柄が有効ライン上に停止しなかった場合も同様にスベリテーブルを変更する構成としても良い。
(h)上記実施の形態では、役の抽選結果を示唆する補助演出を行わない構成としたが、補助演出を行う構成としても良い。例えば、チェリー当選となった場合にはストップスイッチ72〜74の操作が有効となる前までに当該結果を報知する補助演出を行う構成とする。これに代えて又は加えて、チェリー当選となった場合には全リール42L,42M,42Rの停止後にチェリー当選であったことを報知する補助演出を行う構成とする。ストップスイッチ72〜74の操作が有効となる前にチェリー当選を報知する構成とすれば、チェリー当選時に取りこぼしが発生する機会を低減させることが可能となる。また、全リール42L,42M,42Rの停止後にチェリー当選を報知する構成とすれば、チェリー当選時に取りこぼしが発生したことを遊技者に報知することが可能となり、それ以降のゲームにおいて「チェリー」図柄又は「ナス」図柄のいずれかを狙ってストップスイッチ72〜74を操作するよう促すことが可能となる。故に、遊技者をそれ以降のゲームに積極参加させることが可能となる。
但し、ストップスイッチ72〜74の操作が有効となる前にチェリー当選を報知する補助演出を行う場合には、チェリー当選時の所定確率(例えば2分の1)で補助演出を行う構成とすることが望ましい。チェリー当選時に必ず補助演出を行う構成とした場合、小役入賞及び再遊技入賞を成立させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作するかRT入賞を成立させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作するかの選択を行う機会が限定されてしまう可能性があり、繰り返し行われるゲームの中で遊技に積極参加している印象が希薄化することを十分に抑制できない可能性が懸念されるからである。さらにいうと、チェリー当選時に必ず補助演出を行う構成においては、図柄を狙ってストップスイッチ72〜74を操作する技量の優れた遊技者であれば、チェリー当選を示唆する補助演出が行われるゲームではRT入賞を成立させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作し、補助演出が行われないゲームでは小役入賞及び再遊技入賞を成立させるべく各ストップスイッチ72〜74を操作する可能性が高く、いずれの図柄を狙ってストップスイッチ72〜74を操作するかを選択することすらも機械的な単調作業となりかねない。
(i)上記実施の形態では、チェリー当選となった場合に4枚のメダル払出又はRTゲームへの移行のいずれかが特典として付与され得る構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、有利度合いの異なる特典が付与され得る構成であれば良い。例えば、4枚のメダル払出又は15枚のメダル払出のいずれかが特典として付与され得る構成としても良いし、入賞が成立してから10回のゲームが行われるまでRTゲームに移行する特典と、入賞が成立してから30回のゲームが行われるまでRTゲームに移行する特典のいずれかが付与され得る構成としても良い。
(j)チェリー入賞が成立した場合とRT入賞が成立した場合で有利度合いの異なる遊技状態に移行する構成としても良い。例えば、いずれの入賞が成立した場合であっても30回のゲームが行われるまで遊技状態が特別遊技状態に移行するものの、特別遊技状態における遊技者の有利度合いが異なる構成とする。以下に具体例を説明する。
チェリー入賞が成立した場合には、小役及びBBには通常ゲーム下と同じ確率で当選し、再遊技には約2.4分の1の確率で当選する第1RTゲームに移行し、RT入賞が成立した場合には、小役及びBBには通常ゲーム下と同じ確率で当選し、再遊技には約1.2分の1の確率で当選する第2RTゲームに移行する構成とする。かかる構成においては、再遊技当選確率の差異(いずれの役にも当選しない外れ確率の差異)により、遊技者の有利度合いを異ならせることができる。
チェリー入賞が成立した場合には、ベル当選確率が約7.0分の1から約2.0分の1に変更されると共にベル入賞成立時に5枚のメダル払出が行われる第1ベルゲームに移行し、RT入賞が成立した場合には、ベル当選確率が約7.0分の1から約2.0分の1に変更されると共にベル入賞成立時に10枚のメダル払出が行われる第2ベルゲームに移行する構成とする。かかる構成においては、ベル入賞成立時に払い出されるメダル数の差異により、遊技者の有利度合いを異ならせることができる。
チェリー入賞が成立した場合には、再遊技当選確率が約7.3分の1から約2.0分の1に変更される第1高確率ゲームに移行し、RT入賞が成立した場合には、ベル当選確率が約7.0分の1から約2.0分の1に変更される第2高確率ゲームに移行する構成とする。かかる構成においては、当選確率が高確率に変更される役の相違から各高確率ゲームにおいて期待できるメダルの増加数に差異を生じさせることが可能となり、遊技者の有利度合いを異ならせることができる。
なお、上述した各例を組み合わせて用いても良いことは言うまでもない。
(k)上記実施の形態では、30回のゲームが行われた場合又はBBに当選した場合にRTゲームが終了する構成としたが、かかる構成に限定されるものはなく、RTゲームの終了条件は任意である。したがって、30回のゲームが行われた場合に限ってRTゲームが終了する構成としても良いし、30回のゲームが行われた場合又はBB入賞が成立した場合にRTゲームが終了する構成としても良い。
(l)上記実施の形態では、RT入賞が成立するとBBに当選しなければ30回のゲームが行われるまでRTゲームが継続する構成としたが、50回のゲームが行われるまで継続する構成としても良いし、BBに当選するまで継続する構成としても良い。或いは、5回のゲームが行われるまで継続する構成としても良い。なお、RTゲームに移行すると30回のゲームで約50枚のメダル払出を期待できるため、RTゲームでは1回のゲームあたり約1.7枚のメダル払出を期待できることとなる。したがって、チェリー入賞を成立させるよりRT入賞を成立させる方が遊技者の有利度合い(利益の大きさ)が大きい構成とするためには、RTゲームを3ゲーム以上継続させる構成とすれば良い。
(m)上記実施の形態では、払出判定処理において小役及び再遊技当選フラグをリセットする構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、次ゲームが開始される前までに小役及び再遊技当選フラグをリセットする構成であれば良い。したがって、例えばメダル払出処理の終了後に小役及び再遊技当選フラグをリセットする構成としても良いし、次ゲームを開始させるべくメダルが投入された場合に小役及び再遊技当選フラグをリセットする構成としても良い。つまり、スタートレバー71の有効操作(メダルベット後の操作)が行われる前までに小役及び再遊技当選フラグをリセットする構成であれば良い。
(n)上記実施の形態では、主制御装置131のRAM153に形成されたスベリテーブル格納エリアにスベリテーブルをセットする構成としたが、参照すべきスベリテーブルを導出し得るアドレス情報等を記憶させる構成としても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(o)上記実施の形態では、ストップスイッチ72〜74が操作された際に下ライン上に到達している図柄と、下ライン上に実際に停止させる図柄との関係が定められたスベリテーブルを備える構成としたが、ストップスイッチ72〜74が操作された際に下ライン上に到達している図柄と、上ライン上に実際に停止させる図柄との関係が定められたスベリテーブルを備える構成としてもよい。かかる構成にあっても、上ライン上に実際に停止する図柄から下ライン上に停止する図柄を一義的に導くことが可能だからである。つまり、スベリテーブルは、ストップスイッチ72〜74が操作された際に基点位置に到達している図柄と、前記基点位置に実際に停止する図柄との関係を定めることが可能な構成であればよい。
(p)通常ゲームにおいて同一図柄が有効ライン上に並んで停止すると入賞成立となる構成について説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、予め定めた図柄が有効ライン上で所定の組合せを形成して停止した場合に入賞成立となる構成であればよい。すなわち、有効ライン上に左から「スイカ」図柄、「7」図柄、「ベル」図柄と並んで停止した場合にスイカ入賞成立となるように設定されていてもよい。かかる構成においては、左リール42Lの「スイカ」図柄、中リール42Mの「7」図柄、右リール42Rの「ベル」図柄がスイカ入賞と対応する当選図柄に相当する。
(q)上記実施の形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与及びメダル払出に相当する。
(r)上記実施の形態では、円筒骨格部材50の外周面に、図柄が印刷されたベルトを貼付する構成としたが、円筒骨格部材とベルトとを一体形成し、このベルトの外周面に図柄を個別に貼付する構成としてもよい。かかる場合には、この一体形成の外周面が無端状ベルトに相当する。
(s)上記実施の形態では、BB入賞やRT入賞が成立した場合にメダル払出を行わない構成としたが、メダル払出を行う構成としてもよい。
(t)上記実施の形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして5ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。
(u)上記実施の形態では、表示窓31L,31M,31Rからそれぞれ3個の図柄が視認可能であって、これら図柄の視認可能な各位置に有効ラインを設定する構成としたが、一部の位置にのみ有効ラインを設定する構成としても良い。例えば、表示窓31L,31M,31Rから5個の図柄がそれぞれ視認可能であって、中央とその上下の3図柄が視認可能な位置に有効ラインを設定する構成としても良い。
また、有効ラインを設定される位置数がリール毎に異なる構成であってもよい。例えば、表示窓から各リール3個ずつの図柄が視認可能な構成において、左リールについては上段が、中リールについては上段、中段、下段の全てが、右リールについては上段と下段が有効ラインを設定される位置とする。そして、各リールの上段を結ぶ第1組合せラインと、左リール上段,中リール上段,右リール下段を結ぶ第2組合せラインと、左リール上段,中リール中段,右リール上段を結ぶ第3組合せラインと、左リール上段,中リール中段,右リール下段を結ぶ第4組合せラインと、左リール上段,中リール下段,右リール下段を結ぶ第5組合せラインと、の5本の組合せラインのいずれかがベットされたメダル数に応じて有効ラインとして設定される構成とする。これら構成としても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
(v)上記実施の形態では、いわゆるAタイプのスロットマシンについて説明したが、Bタイプ、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはCTゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよく、何れの場合であっても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。なお、これらの各タイプにおけるボーナス当選としては、BB当選、RB当選、SB当選、CT当選などが挙げられる。
(w)各リール42L,42M,42Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
(x)上記実施の形態では、ベットされたメダル数に応じて設定される有効ライン数が変化するスロットマシン10について説明したが、ベットされたメダル数に関わらず一定数(例えば5本)の有効ラインを設定するスロットマシンに適用してもよい。かかるスロットマシンに適用した場合であっても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(y)上記実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
10…遊技機としてのスロットマシン、11…遊技機本体の一部を構成する筐体、12…遊技機本体の一部又は遊技機本体の開閉部材を構成する前面扉、14…スピーカ、15…補助表示部、31…表示窓、42…循環表示手段を構成すると共に周回体又は無端状ベルトとしてのリール、61…循環表示手段を構成すると共に駆動手段としてのステッピングモータ、71…始動操作手段としてのスタートレバー、72〜74…停止操作手段としてのストップスイッチ、111…表示制御装置、131…停止駆動制御手段や特典付与手段等を構成する主制御装置、151…メイン制御手段等の各種制御手段を構成するCPU、152,153…記憶手段としてのROM,RAM、161…電源装置。